JP6473509B2 - シンチレーションパルスデジタル化方法 - Google Patents

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Description

本願は、2015年1月5日に中華人民共和国国家知識産権局に出願された「シンチレーションパルスデジタル化方法」との日本語名称の中国特許出願第201510003057.1号の優先権を主張し、その内容全体は参照として本願に組み込まれる。
本開示は、電離放射線検出及び核医学イメージングの分野に係り、特にシンチレーションパルスをデジタル化するための方法に関する。
電離放射線検出器の出力パルスのエネルギー情報は、電離放射線検出の分野において得たい或る種の基本情報であり、電離放射線検出における放射線の種類の区別や、核医学イメージングの分野において放射線が物質によって散乱されるかどうかの判断や、位置感度型光電デバイスの検出器における放射線の付与位置の決定等の多様な用途を有する。電離放射線検出器においては、同じ検出器に対して、通常は、検出器によって出力される電気パルス信号の振幅は、放射線によって検出器に付与されるエネルギーに線形であり、パルスの立ち上がり時間及び立ち下がり時間はどちらも一定である。一般的には、パルス信号波形と時間軸によって囲まれる領域(つまり、検出器において放射線が発生させる全電荷量を計測すること)が、電離放射線源のエネルギーを表すのに用いられる。
電離放射線検出器用のパルスエネルギー取得方法は、従来二種類存在している。第一の方法は、電荷積分回路を用いて、検出器によって出力されたパルスによって運ばれる電荷を収集し、次いで、低速アナログ・デジタル変換器(以下、ADCと称する)を用いて、積分回路中のキャパシタに蓄えられた最大電荷量をサンプリングして、放射線によって検出器に付与されたエネルギー値を表すものである。第二の方法は、検出器によって出力されたパルスに対して積分整形を行って、比較的低速の信号を形成し、次いで低速ADCサンプリングを行い、最後に、サンプリング点に対して数値積分を行い、パルスのエネルギーを得るものである。従来のエネルギー取得方法における積分プロセスは、システムの最大計測率を制限する。また、アナログ積分整形回路は、温度等の外部因子の影響を受け易いので、その性能が環境と共に変化する。更に、アナログ回路のパラメータを、具体的な応用に応じて調整する必要があるので、システムの補正及びメンテナンスがかなり難しくなる。高速ADCを用いて、検出器によって出力される電気パルス信号を直接デジタル化することによって、従来の方法の欠点を解決することができるが、高コスト及び高電力消費の問題が生じる。更に、高速ADCは、バックエンド処理速度及び伝送帯域幅に対する要求が高く、バックエンド処理回路の設計を困難にする。
高計測エネルギー取得のボトルネックの問題を解決するため、一部の学者等が、先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法を提案している。この方法の核心は、検出器によって出力される電気パルスのパルス、パルス特性等の物理的モデルを含む先験情報を用いることによって、数点のサンプリング点のみを用い、統計原理や曲線フィッティングに基づいて所定のサンプリング点で最尤解を求めることによって、パルス信号を再構築して、パルスエネルギー情報を得ることができることにある。典型的な先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法として、(1)多重電圧閾値(MVT,multi‐voltage threshold)方法、(2)ADCサンプリング点フィッティング方法、(3)経験的ベイズエネルギー推定方法、(4)TOT方法が挙げられる。
多重電圧閾値方法は、複数の電圧閾値を予め設定すること、パルス信号と電圧閾値とを比較器の二つのポートにそれぞれ入力すること、比較器によって反転論理パルスが出力された時間を測定すること(時間値及び対応する電圧閾値がMVTサンプリング点を構成する)、MVTサンプリング点及びパルス信号先験情報を用いた曲線フィッティングによってパルスを再構築した後に、定積分を用いることによって、又は再サンプリング後の数値積分によって、パルスエネルギー情報を取得することを含む。詳細な情報については非特許文献1を参照。
ADCサンプリング点フィッティング方法は、比較的低速のADCを用いて、パルス信号をサンプリングして、複数のADCサンプリング点を得ること、サンプリング点及びパルス信号先験情報を用いた曲線フィッティングによってパルスを再構築した後に、定積分を用いることによって、又は再サンプリングの数値積分によって、パルスエネルギー情報を得ることを含む。詳細な情報については非特許文献2を参照。
経験的ベイズエネルギー推定方法は、ベイズ理論と、パルスデジタルサンプリング点の取得後の独立仮定とを用いることによって、推定パルスエネルギー情報として所定の数値アンプルの最尤解を求めることを含む。詳細な情報については非特許文献3を参照。
TOT方法は、TOTとパルスエネルギーとの間の関係性をフィッティングすることによって、パルスエネルギー情報として、パルスのエネルギー予測値を推定することを含む。詳細な情報については非特許文献4を参照。
先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得システムでは、正確なパルスモデル及びパルス特性記述が、パルス情報を正確に得るための重要な条件である。しかしながら、実際には、パルス物理的モデル及びパルス特性は、検出器によって決定されるだけのものではなく、パルスの読み取り回路の分布パラメータにも関係しているものである。従って、正確なパルスモデルを構築して、正確なパルス特性を記述することは非常に難しい。実際のフィッティングや推定のプロセスにおいて適用されるパルスモデル及び特性パラメータが、理想的なモデル及び特性パラメータから逸脱している場合、先験情報に基づいたパルスエネルギー情報がエラーを有し得る。
従って、上記欠点を克服する電離放射線検出におけるシンチレーションパルスをデジタル化するための方法を提案することが必要である。
国際公開第2012/142778号
Qingguo Xie,Chien‐Min Kao,Zekai Hsiau,and Chin‐Tu Chen,"A New Approach for Pulse Processing in Positron Emission Tomography",IEEE TRANSACTIONS ON NUCLEAR SCIENCE,VOL.52,NO.4,AUGUST 2005 Nan Zhang,Niraj Doshi,Mehmet Aykac,Ronald Grazioso,Michael Loope,Greg Givens,Lars Eriksson,Florian Bauer,John Young,and Matthias Schmand,"A Pulse Shape Restore Method for Event Localization in PET Scintillation Detection",Nuclear Science Symposium Conference Record,Vol.7,2004 Zhenzhou Deng,Qingguo Xie,"Empirical Bayesian energy estimation for Multi−Voltage Threshold digitizer in PET",Nuclear Science Symposium and Medical Imaging Conference,2013 IEEE D.Nygren,"Converting vice to virtue: can time‐walk be used as a measure of deposited charge in silicon detectors?",Internal LBL note,May 1991
本開示の目的は、上記の点に鑑みて、電離放射線検出におけるシンチレーションパルスをデジタル化するための方法を提供することである。本方法により、先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー情報取得システムにおけるフィッティングモデルやパルス特性記述の不正確性によって生じる不正確なエネルギー測定の問題を解決することができる。
上記目的を達成するため、本開示においては、以下のステップS1〜S5を含むシンチレーションパルスデジタル化方法が提供される。
ステップS1では、異なるエネルギーの放射線で照射された検出器によって出力されたパルスデータベースを取得する。
ステップS2では、S1で得られたパルスデータベース中の各パルスをサンプリング及び量子化して、パルスに含まれる完全なエネルギー情報を取得する。
ステップS3では、S1で得られたパルスデータベース中の各パルスをアンダーサンプリング及び量子化して、パルス先験情報を用いて、エネルギー情報を推定又はフィッティングする。
ステップS4では、S2で得られたエネルギー情報を基準として用いて、先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法によって得られたエネルギー情報と、S2で得られたエネルギー情報との間のマッピング関係性を決定する。
ステップS5では、S4で得られたエネルギーマッピング関係性を用いて、先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法によって得られたエネルギー情報を補正する。
上記シンチレーションパルスデジタル化方法において、好ましくは、ステップS1における検出器は、ガス検出器、シンチレーション検出器、又は半導体検出器である。
上記シンチレーションパルスデジタル化方法において、好ましくは、異なるエネルギーの放射線で照射された検出器によって出力されたパルスデータベースを取得するステップS1は、シミュレーション及び/又は直接収集によって行われる。
上記シンチレーションパルスデジタル化方法において、好ましくは、異なるエネルギーの放射線で照射された検出器によって出力されたパルスデータベースを取得するステップS1が、シミュレーションによって行われる場合、ステップS1は以下のことを含む:
(a)既知のエネルギーの放射線源で検出器に照射し、ADCによって一組又は複数組のパルス信号を収集して、パルスセットを取得し、そのパルスセットを用いることによって、平均パルスを生成すること;及び、
(b)平均パルスをスケーリングして、特定のエネルギー範囲内の放射線で照射された検出器によって生成されたパルスデータベースを取得すること。
上記シンチレーションパルスデジタル化方法において、好ましくは、平均パルスを生成することは以下のことを含む: まず、一組のパルスからエネルギースペクトルを作成すること; エネルギースペクトル中の光電ピークをガウス関数でフィッティングすること; フィッティングしたガウス関数の半値全幅の範囲内のエネルギー値を有する全てのパルスを選択すること;
のセットとして平均パルスPを取得すること。ここで、mは、選択された全てのパルスの数を表し、S(k,i)は、i番目のパルスのk番目のADCサンプリング点を表し、iは、0<i≦mの整数であり、kは、0<k≦hの整数であり、hは、ADCサンプリング点の数を表す。
上記シンチレーションパルスデジタル化方法において、好ましくは、平均パルスをスケーリングすることは、線形スケーリング又は非線形スケーリングによって行われる。
上記シンチレーションパルスデジタル化方法において、好ましくは、平均パルスの線形スケーリングは以下のことを含む: パルス信号を増幅するのに必要な最大倍率をA=E/Eとして計算すること; 及び、スケーリングされたパルスセットP
として計算すること。ここで、Eは、ステップS1で得られた平均パルスPに対応する放射線エネルギーを表し、Eは、実際の応用の要求に応じて使用者が決定する検出したい放射線のエネルギーの上限を表し、Nは、スケーリングされたパルスの総数を表す。
上記シンチレーションパルスデジタル化方法において、好ましくは、平均パルスの非線形スケーリングは以下のことを含む: 検出器の非線形エネルギー応答曲線y=f(x)を決定すること; パルス信号を増幅するのに必要な最大倍率をA=E/Eとして計算すること;及び、検出器に対応してスケーリングされたパルスセットP
として決定すること。ここで、Eは、ステップS1で得られた平均パルスPに対応する放射線エネルギーを表し、Eは、実際の応用の要求に応じて使用者が決定する検出したい放射線のエネルギーの上限を表し、Nは、スケーリングされたパルスの総数を表す。
上記シンチレーションパルスデジタル化方法において、好ましくは、異なるエネルギーの放射線で照射された検出器によって出力されたパルスデータベースを取得するステップS1が、直接収集によって行われる場合、ステップS1は以下のことを含む: 使用者の要求に応じた異なるエネルギーを有する複数の放射線源で検出器に照射すること; 及び、ADCによって出力パルスを直接収集し、特定の範囲内に分布するエネルギーを有するパルスセットを取得すること。
上記シンチレーションパルスデジタル化方法において、好ましくは、異なるエネルギーの放射線で照射された検出器によって出力されたパルスデータベースを取得するステップS1が、シミュレーション及び直接収集の組み合わせによって行われる場合、ステップS1は以下のことを含む: まず、エネルギーが既知の複数の放射線源の各々で検出器に照射して、各平均パルスを取得すること; 及び、内挿方法を用いたシミュレーションを行って、特定のエネルギー範囲内の放射線で照射された検出器によって生成されたパルスデータベースを取得すること。
上記シンチレーションパルスデジタル化方法において、好ましくは、平均パルスを生成することは以下のことを含む: まず、一組のパルスについてエネルギースペクトルを作成すること; エネルギースペクトル中の光電ピークをガウス関数でフィッティングすること; フィッティングしたガウス関数の半値全幅の範囲内のエネルギー値を有する全てのパルスを選択すること、つまり、光電ピークの半値全幅の範囲内にあるエネルギー値を有する全てのパルスをパルスデータベースから選択すること; 平均パルスP
のセットとして取得すること。ここで、mは、選択された全てのパルスの数を表し、S(k,i)は、i番目のパルスのk番目のADCサンプリング点を表し、iは、0<i≦mの整数であり、kは、0<k≦hの整数であり、hは、ADCサンプリング点の数を表す。
上記シンチレーションパルスデジタル化方法において、好ましくは、ステップS2においてパルスに含まれる完全なエネルギー情報を取得することは以下のことを含む: パルスを直接デジタル化して、パルスに含まれる完全なエネルギー情報を取得すること、又は、パルスエネルギー情報を表すことができる物理量をサンプリングして、パルスに含まれる完全なエネルギー情報を間接的に取得すること。
上記シンチレーションパルスデジタル化方法において、好ましくは、パルスに含まれる完全なエネルギー情報を取得するステップが、パルスを直接デジタル化することによって行われる場合、そのステップは以下のことを含む: アナログ・デジタル変換方式又は多重電圧閾値方式によってパルスを臨界/オーバーサンプリングすること; 及び、数値積分方法によってパルスエネルギー情報を取得するか、又は、サンプリング点中の最大電圧振幅を取得して、エネルギー情報を表すこと。
上記シンチレーションパルスデジタル化方法において、好ましくは、パルスに含まれる完全なエネルギー情報を取得するステップが、パルスを直接デジタル化することによって行われる場合、そのステップは以下のことを含む: まず、ピークホールド回路によってピーク値を保持すること; 次いで、サンプリングピーク点の電圧振幅をサンプリングして、パルスエネルギー情報を表すこと。
上記シンチレーションパルスデジタル化方法において、好ましくは、パルスに含まれる完全なエネルギー情報を取得するステップが、間接的サンプリングによって行われる場合、そのステップは、ウィルキンソン変換方法によってパルス振幅を時間幅に変換することを含む。
上記シンチレーションパルスデジタル化方法において、好ましくは、ステップS3における各パルスをアンダーサンプリング及び量子化するデジタル化方法は、アナログ・デジタル変換器を用いることによって、又は、時間・デジタル変換器と共に比較器を用いることによって行われる。
上記シンチレーションパルスデジタル化方法において、好ましくは、ステップS3においてエネルギー情報を推定又はフィッティングすることは、MVT方法によって行われる。MVT方法によるパルスエネルギーの計算は以下のステップを含む: まず、複数の電圧閾値を設定するステップ; パルス及び電圧閾値をそれぞれ比較器に入力するステップ; 反転論理パルスが比較器によって出力された時間を測定するステップ(ここで、測定された時間値及び対応する電圧閾値がMVTサンプリング点を構成する); MVTサンプリング点及びパルスモデルを用いることによってパルスをフィッティング及び再構築するステップ; 及び、再構築されたパルスに対して定積分を行うか、又は、再サンプリング後に再構築されたパルスに対して数値積分を行い、パルスエネルギー情報を取得するステップ。
上記シンチレーションパルスデジタル化方法において、好ましくは、ステップS3においてエネルギー情報を推定又はフィッティングすることは、ADCフィッティング方法によって行われる。ADCフィッティング方法によるパルスエネルギーの計算は以下のステップを含む: ADCによってパルス信号をサンプリングして、ADCサンプリング点を取得するステップ; ADCサンプリング点及びパルスモデルを用いることによって、パルスをフィッティング及び再構築するステップ; 及び、再構築されたパルスに対して定積分を行うか、又は、再サンプリング後に再構築されたパルスに対して数値積分を行い、パルスエネルギー情報を取得するステップ。
上記シンチレーションパルスデジタル化方法において、好ましくは、ステップS3においてエネルギー情報を推定又はフィッティングすることは、経験的ベイズ推定方法によって行われる。経験的ベイズ推定方法によるパルスエネルギーの計算は以下のステップを含む: デジタル化されたパルスサンプリング点を取得するステップ; 及び、ベイズ理論及び独立仮定を用いることによって、推定パルスエネルギー情報として、所定のデジタルサンプルの最尤解を求めるステップ。
上記シンチレーションパルスデジタル化方法において、好ましくは、ステップS3においてエネルギー情報を推定又はフィッティングすることは、タイムオーバー閾値(TOT,time‐over‐threshold)方法によって行われる。TOT方法によるパルスエネルギーの計算は以下のステップを含む:TOTとパルスエネルギーとの間の関係性をフィッティングすることによって、パルスエネルギー情報として、パルスの予測エネルギー値を推定するステップ。
上記シンチレーションパルスデジタル化方法において、好ましくは、ステップS5におけるエネルギーマッピング関係性は、係数ルックアップテーブル又はエネルギーマッピング関数である。
上記シンチレーションパルスデジタル化方法において、好ましくは、ステップS5におけるエネルギーマッピング関係性が、係数ルックアップテーブルである場合、補正係数Cを計算する方法は、C=E(standard,i)/E(statistical,i)として補正係数を計算することを含む。ここで、パルスデータベースP中の各パルスについて、E(standard,i)は、完全エネルギー情報取得方法によって得られたエネルギーを表し、E(statistical,i)は、先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法によって得られたエネルギーを表し、iは、0<i≦Nの整数である。
上記シンチレーションパルスデジタル化方法において、好ましくは、ステップS5において補正されたエネルギーECStatisticalは、式ECStatistical=C×Estatisticalによって計算される。
上記シンチレーションパルスデジタル化方法において、好ましくは、ステップS4におけるエネルギーマッピング関係性が、マッピング関数y=g(x)である場合、その関数の導出は以下のことを含む: 完全エネルギー情報取得方法及び先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法の複数の係数マッピング点を、C=E(standard,i)/E(statistical,i)として取得すること(ここで、パルスデータベースP中の各パルスについて、E(standard,i)は、完全エネルギー情報取得方法によって得られたエネルギーを表し、E(statistical,i)は、先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法によって得られたエネルギーを表し、iは、0<i≦Nの整数である。); 係数マッピング点を用いた曲線フィッティングによって、マッピング関数y=g(x)を取得すること。
上記シンチレーションパルスデジタル化方法において、好ましくは、ステップS5において補正されたエネルギーECStatisticalは、ECStatistical=g(Estatistical)として計算される。
従来技術と比較して、上記技術的解決策は以下の1〜19の利点を有する。
1.シンチレーションパルスデジタル化方法は、異なるエネルギーの放射線で放射された検出器によって出力されたパルスデータベースを取得するステップS1; ステップS1のパルスデータベース中の各パルスをサンプリング及び量子化して、パルスに含まれる完全なエネルギー情報を取得するステップS2; ステップS1で得られたパルスデータベース中の各パルスをアンダーサンプリング及び量子化して、パルス先験情報を用いることによって、エネルギー情報を推定又はフィッティングするステップS3; ステップS2で得られたエネルギー情報を基準として用いて、先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法によって得られたエネルギー情報と、ステップS2で得られたエネルギー情報との間のマッピング関係性を決定するステップS4; 及び、先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法によって得られたエネルギー情報を補正するステップS5を含む。上記技術的解決策からは、以下のことがわかる。パルスモデル及び特性記述が完全エネルギー情報取得方法の精度に影響しないので、本開示におけるパルスエネルギー情報の補正方法は、完全エネルギー情報取得方法によって得られたパルスエネルギー情報を基準として用いて、先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー情報取得方法と完全エネルギー情報取得方法とによって得られたパルスエネルギー間のマッピング関係性を決定し、エネルギーマッピング関係性を用いて、先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法における不正確なパルスモデル及び特性記述によって生じるエネルギー測定エラーを補正するものである。
2.ステップS1における検出器は、電離放射線検出におけるパルスエネルギー取得に適したガス検出器、シンチレーション検出器、又は半導体検出器である。ガス検出器は、ガス媒体中での放射線の電離効果を利用して、放射線から電流への変換を実現するものであり、単純な準備、安定で信頼性のある性能、便利な使用、及び低コストという利点を有する。シンチレーション検出器は、シンチレーション結晶中における放射線の発光効果を利用して、放射線から光子への変換を実現するものであり、高い検出効率、良好なエネルギー応答線形性、短い応答時間、及び簡単な製造という利点を有する。半導体検出器は、放射線が半導体中にある際の電子正孔対の生成の原理を利用して、放射線から電気信号への変換を実現するものであり、高いエネルギー分解能、広範な測定可能線形範囲という利点を有する。
3.異なるエネルギーの放射線で照射された検出器によって出力されたパルスデータベースを取得するステップS1が、シミュレーションによって行われる場合、その詳細なプロセスは、(a)既知のエネルギーの放射線源で検出器に照射し、ADCによって一組又は複数組のパルス信号を収集して、パルスセットを取得し、そのパルスセットを用いることによって、平均パルスを生成し、(b)平均パルスをスケーリングして、特定のエネルギー範囲内の放射線で照射された検出器によって生成されたパルスデータベースを取得するというものである。平均パルスをスケーリングすることは、線形スケーリング又は非線形スケーリングによって行われる。本技術的解決策においてはソフトウェアシミュレーションを用いることによって、単一の放射線のみを用い、異なるエネルギーの放射線で照射される同じ検出器が同じ特性のパルスを出力するという性質を利用することによって、異なるエネルギーの放射線で照射された検出器によって出力されたパルスデータベースを取得する。一方、本方法は、単純且つ柔軟であり、ハードウェアを追加せずに実現が簡単である。
4.平均パルスを生成することは、まず、一組のパルスについてエネルギースペクトルを作成すること、エネルギースペクトル中の光電ピークをガウス関数でフィッティングすること、及び、フィッティングしたガウス関数の半値全幅の範囲内のエネルギー値を有する全てのパルスを選択することを含む。選択された全てのパルスの数をmで表し、S(k,i)を、i番目のパルスのk番目のADCサンプリング点として定義し、iが、0<i≦mの整数であり、kが、0<k≦hの整数であり、hが、ADCサンプリング点の数であるとすると、平均パルスが、
の組として定義される。本技術的解決策によって生成された平均パルスは、実験で用いられた検出器の基準パルスを表し、これは、パルスノイズを大幅に抑制し、平均パルスをスケーリングするプロセスに対してパルスに重ね合わせられるノイズの影響を効果的に低減する。平均パルスを、統計的な意味において理想パルスとみなすことができる。また、半値全幅の範囲内のパルス総数mの増加と共に、標準波形の精度が改善される。
5.平均パルスを線形スケーリングする方法は以下のとおりである。ステップS1で得られた平均パルスPに対応する放射線エネルギーをEで表し、実際の応用に応じて使用者が決定する検出したい放射線のエネルギーの上限をEで表し、スケーリングされたパルスの総数をNで表し、パルス信号を増幅するのに必要な最大倍率をA=E/Eとして計算すると、スケーリングされたパルスセットPが、以下の式
によって計算される。本技術的解決策における平均パルスの線形スケーリングを用いると、検出器を、特定のエネルギー範囲内における理想線形検出器であるとみなすことができるので、異なるエネルギーで出力されるパルスが厳密な線形則に従うことによって、補正方法を実現が単純で便利なものにする。
6.平均パルスの非線形スケーリングは以下のとおりである。まず、検出器の非線形エネルギー応答曲線y=f(x)を決定する。ステップS1で得られた平均パルスPに対応する放射線エネルギーをEで表し、実際の応用の要求に応じて使用者が決定する検出したいエネルギーの上限をEで表し、スケーリングされたパルスの総数をNで表し、パルス信号を増幅するのに必要な最大倍率をA=E/Eとして計算すると、検出器に対応するスケーリングパルス集合Pが、
として決定される。本技術的解決策における平均パルスの非線形スケーリングは、現実の検出器の状態を反映して、最終的な補正結果に対する検出器の非線形性の影響を低減することができる。
7.異なるエネルギーの放射線で照射された検出器によって出力されたパルスデータベースを取得するステップS1が、直接収集によって行われる場合、その詳細なプロセスは、使用者の要求に応じた異なるエネルギーを有する複数の放射線源で検出器に照射し、ADCによって出力パルスを直接収集し、特定の範囲内に分布するエネルギーを有するパルスセットを取得するというものである。本技術的解決策においては直接収集を用いて、検出器によって出力された広範なエネルギー範囲内のパルスセットを取得することによって、異なるエネルギーの放射線源のパルス特性を正確に反映することができ、これは、パルス情報の損失を減らす。
8.異なるエネルギーの放射線で照射された検出器によって出力されたパルスデータベースを取得するステップS1が、シミュレーション及び直接収集の組み合わせによって行われる場合、その詳細なプロセスは、まず、エネルギーが既知の複数の放射線源の各々で検出器に照射して、各平均パルスを取得し、内挿方法を用いたシミュレーションを行って、特定のエネルギー範囲内の放射線で照射された検出器によって生成されたパルスデータベースを取得するというものである。本技術的解決策においてシミュレーション及び直接収集を組み合わせる方法は、シミュレーション方法の単純性及び利便性と、直接収集によって得られるパルス情報の現実性及び完全性とを兼ね備える。
9.平均パルスを生成する方法は以下のとおりである。まず、一組のパルスについてエネルギースペクトルを作成する。エネルギースペクトル中の光電ピークをガウス関数でフィッティングする。次いで、フィッティングしたガウス関数の半値全幅の範囲内のエネルギー値を有する全てのパルスを選択する。選択された全てのパルスの数をmで表し、S(k,i)を、i番目のパルスのk番目のADCサンプリング点として定義し、iが、0<i≦mの整数であり、kが、0<k≦hの整数であり、hが、ADCサンプリング点の数であるとすると、平均パルスが、
の組として定義される。本技術的解決策において生成された平均パルスは、実験で用いられた検出器の基準パルスを表し、これは、パルスノイズを大幅に抑制し、平均パルスをスケーリングするプロセスに対してパルスに重ね合わせられるノイズの影響を効果的に低減する。平均パルスを、統計的な意味において理想パルスとみなすことができる。また、半値全幅の範囲内のパルスの総数mの増加と共に、基準波形が改善される。
10.パルスに含まれる完全なエネルギー情報を取得することが、パルスを直接デジタル化することによって行われる場合、そのステップは、アナログ・デジタル変換方式又は多重電圧閾値方式を適用してパルスを臨界/オーバーサンプリングし、次いで、数値積分方法を行ってパルスエネルギー情報を取得するか、又は、サンプリング点中の最大電圧振幅を用いてエネルギー情報を表すことによって行われ得る。本技術的解決策においては高サンプリング率ADC等のアナログ・デジタル変換方式を用いて、パルスを直接デジタル化し、パルスの“完全なデータセット”を取得し、デジタル信号が、パルス信号の全ての情報を記録する。本方法を用いて、パルスエネルギー情報を取得することによって、取得したエネルギー情報が十分正確なものであることを保証することができる。
11.パルスに含まれる完全なエネルギー情報を取得することが、パルスを直接デジタル化することによって行われる場合、そのステップは、まず、ピークホールド回路を用いてピーク値を保持し、次いで、サンプリングピーク点の電圧振幅をサンプリングして、パルスエネルギー情報を表すことによって行われ得る。本技術的解決策においては直接デジタル化方法を用いることで、パルス信号を、ピークホールド回路によって低速信号として整形し、次いで、低サンプリング率アナログ・デジタル変換器を用いて、パルス電圧振幅をサンプリングすることができる。このようにして取得したエネルギー情報は非常に正確である。
12.パルスに含まれる完全なエネルギー情報を取得するステップは、ウィルキンソン変換方法を用いてパルス振幅を時間幅に変換することによって行われ得る。本技術的解決策においてはウィルキンソン変換を用いる間接的サンプリング方法が、微分非線形性の優れた特性のために採用される。改良されたウィルキンソン方法を用いることによって、高速且つ高精度のアナログ・デジタル変換を実現して、取得される完全なエネルギー情報の精度を保証することができる。
13.ステップS3におけるパルスデータベース中の各パルスをアンダーサンプリング及び量子化するデジタル化方法は、アナログ・デジタル変換器を用いることによって、又は、時間・デジタル変換器と共に比較器を用いることによって行われる。アナログ・デジタル変換器の使用は、デジタル化を実現する最も一般的な方法である。特に、大規模集積回路の先端技術を用いると、アナログ信号をデジタル化するプロセスを、超小型チップをを用いるだけで実現することができる。時間・デジタル変換器と共に比較器を用いて、デジタル化を実現する方法は、MVT方法によって代表されるものであり、シンチレーションパルス等の急激に変換する信号のサンプリング情報を極めて簡単に取得することができ、これは、等時間間隔でのADCサンプリングに対してコスト及び電力消費における大きな利点を有する。
14.ステップS3においてエネルギー情報を推定又はフィッティングする方法は、MVT方法であってもよい。MVT方法によってパルスエネルギーの計算する方法は以下のことを含む: まず、複数の電圧閾値を設定すること; パルス及び電圧閾値をそれぞれ比較器に入力すること; 反転論理パルスが比較器によって出力された時間を測定すること(ここで、測定された時間値及び対応する電圧閾値がMVTサンプリング点を構成する); MVTサンプリング点及びパルスモデルを用いて、パルスをフィッティング及び再構築すること; 及び、再構築されたパルスに対して定積分を行うか、又は、再サンプリング後に再構築されたパルスに対して数値積分を行い、パルスエネルギー情報を取得すること。本技術的解決策においては、複数の電圧閾値を設定して、異なる電圧に対応する時間情報を簡単且つ柔軟に記録し、パルスの特性モデルを利用してパルスエネルギー特性を復元することによって、等時間間隔サンプリング方法によって急激且つ急峻な信号をサンプリングする際の不十分なサンプリング率の欠点を効果的に克服する。
15.ステップS3においてエネルギー情報を推定又はフィッティングする方法は、ADCフィッティング方法であってもよい。ADCフィッティング方法によってパルスエネルギーを計算する方法は以下のことを含む: ADCを用いてパルス信号をサンプリングして、ADCサンプリング点を取得すること; ADCサンプリング点及びパルスモデルを用いて、パルスをフィッティング及び再構築すること; 及び、再構築されたパルスに対して定積分を行うか、又は、再サンプリング後に再構築されたパルスに対して数値積分を行い、パルスエネルギー情報を取得すること。このようにして、数点のサンプリング点及びパルス特性モデルを用いて、パルスエネルギー情報を復元することで、急速に発展しているDSP技術を利用して、システムのハードウェアを単純化し、コストを減らすことができる。
16.ステップS3においてエネルギー情報を推定又はフィッティングする方法は、経験的ベイズ推定方法であってもよい。経験的ベイズ推定方法によってパルスエネルギーを計算する具体的な方法は、デジタル化されたパルスサンプリング点を取得すること、及び、ベイズ理論及び独立仮定を用いることによって、推定パルスエネルギー情報として、所定のデジタルサンプルの最尤解を求めることを含む。本技術的解決策においては、パルスの統計的特性を効率的に抽出し且つ正確に記述することによって、システムパラメータとパルス情報との間の関係性を定量的に構築し、揺らぎ関係性を有する統計モデルを用いることによって、計算されるパルスエネルギーの精度を最大にする。
17.ステップS3においてエネルギー情報を推定又はフィッティングする方法は、TOT方法であってもよい。TOT方法によってパルスエネルギーを計算する具体的な方法は、TOTとパルスエネルギーとの間の関係性をフィッティングすることによって、パルスエネルギー情報として、パルスの予測エネルギー値を推定することを含む。本技術的解決策においては、追加の波形整形及びフィルタリング回路やピーク検出及びホールド回路を追加する必要がなく、アナログフロントエンド電子機器が極めて単純になり得て、多重チャネル統合に便利である。
18.ステップS5におけるエネルギーマッピング関係性が、係数ルックアップテーブルである場合、補正係数Cの計算方法は以下のとおりである。パルスデータベースP中の各パルスについて、完全エネルギー情報取得方法によって得られたエネルギーをE(standard,i)で表し、先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法によって得られたエネルギーをE(statistical,i)で表し、iが、0<i≦Nの整数であるとすると、補正係数が、C=E(standard,i)/E(statistical,i)として計算される。ステップS5において補正されたエネルギーECStatisticalは、式ECStatistical=C×Estatisticalによって計算される。本技術的解決策においては係数ルックアップテーブルを構築することによって、補正したいエネルギーに対応する補正係数を急速且つ正確に決定することができる。そのアルゴリズムは単純であり、大抵のハードウェアプラットフォームに対して低リソース占有で実現可能である。
19.ステップS4におけるエネルギーマッピング関係性が、マッピング関数y=g(x)である場合、その関数の導出は以下のとおりである。パルスデータベースP中の各パルスについて、完全エネルギー情報取得方法によって得られたエネルギーをE(standard,i)で表し、先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法によって得られたエネルギーをE(statistical,i)で表し、iが、0<i≦Nの整数であるとすると、完全エネルギー情報取得方法及び先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法の複数の係数マッピング点を、C=E(standard,i)/E(statistical,i)として取得することができる。係数マッピング点を利用することで、曲線フィッティングによってマッピング関数y=g(x)を取得することができる。ステップS5において補正されたエネルギーECStatisticalは、ECStatistical=g(Estatistical)によって計算される。本技術的解決策においては曲線フィッティングを用いることによって、単一の係数マッピング点に対して重ね合わせられる計算エラーを低減することによって、補正プロセスをより確実なものにする。
本開示で提供される電離放射線検出における先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法によって得られるエネルギー情報を補正するための方法のフローチャートである。 Cs137ガンマ線源でNaI/PMT検出器に照射する完全エネルギー情報取得方法によって得られたエネルギースペクトルと、エネルギースペクトルの光電ピーク(光電ピークは662keVに補正される)のガウスフィッティングとを例示する図である。 Cs137ガンマ線源の照射下でNaI/PMT検出器によって得られた平均パルスを例示する図である。 本開示による補正前後のNaI/PMT検出器のエネルギー曲線を比較する図である。 本開示による補正前後のCs137放射線源の照射下でのNaI/PMT検出器のエネルギースペクトルを比較する図である。
本開示は、先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー情報取得システムにおけるフィッティングモデルやパルス特性記述の不正確性によって生じる不正確なエネルギー測定の問題を解決することができる、電離放射線検出におけるシンチレーションパルスをデジタル化するための方法を提供する。
図1を参照すると、本開示で提供されるシンチレーションパルスデジタル化方法は以下のステップS1からステップS5を含む。
ステップS1では、異なるエネルギーの放射線で照射された検出器によって出力されたパルスデータベースを取得する。
ステップS2では、S1で得られたパルスデータベース中の各パルスをサンプリング及び量子化して、パルスに含まれる完全なエネルギー情報を取得する。
ステップS3では、S1で得られたパルスデータベース中の各パルスをアンダーサンプリング及び量子化して、パルス先験情報を用いて、エネルギー情報を推定又はフィッティングする。
ステップS4では、ステップS2で得られたエネルギー情報を基準として用いて、先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法によって得られたエネルギー情報と、S2で得られたエネルギー情報との間のマッピング関係性を決定する。
ステップS5では、S4で得られたエネルギーマッピング関係性を用いることによって、先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法によって得られたエネルギー情報を補正する。
パルスモデル及び特性記述は、完全エネルギー情報取得方法に対して影響を有さないので、本開示におけるパルスエネルギー情報に対する補正方法は、完全エネルギー情報取得方法によって得られたパルスエネルギー情報を基準として用いて、先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法と完全エネルギー情報取得方法とによって得られたエネルギーパルス間のマッピング関係性を決定し、エネルギーマッピング関係性を用いて、先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法における不正確なパルスモデル及び特性記述によって生じるエネルギー測定エラーを補正するものである。
ステップS1における検出器は、電離放射線検出におけるパルスエネルギー取得に適したあらゆる検出器、例えば、ガス検出器、シンチレーション検出器、半導体検出器等であり、又は、電離放射線検出におけるパルスエネルギー取得に適した他の検出器である。ガス検出器は、ガス媒体中における放射線の電離効果を利用して、放射線から電流への変換を実現するものであり、単純な準備、安定で信頼性のある性能、便利な使用、及び低コストという利点を有する。シンチレーション検出器は、シンチレーション結晶中における放射線の発光効果を利用して、放射線から光子への変換を実現するものであり、高い検出効率、良好なエネルギー応答線形性、短い応答時間、及び簡単な製造という利点を有する。半導体検出器は、放射線が半導体中にある際の電子正孔対の生成の原理を利用して、放射線から電気信号への変換を実現するものであり、高いエネルギー分解能、広範な測定可能線形範囲という利点を有する。
異なるエネルギーの放射線で照射された検出器から出力されたパルス信号を取得するステップS1は、シミューレションを用いて、異なるエネルギーの放射線で照射された検出器によって出力されたパルスデータベースを生成することによって行われてもよく、複数の放射線源で照射された検出器によって出力されたパルスデータベースを直接収集することによって行われてもよく、又は上記二つの方法を組み合わせることによって行われてもよい。
異なるエネルギー放射線で照射された検出器によって出力されたパルスデータベースを取得するステップS1が、シミューレションによって行われる場合、その詳細なプロセスは、(a)エネルギーが既知である放射線源を用いて、検出器に対する放射を行い、ADCを利用して、一組又は複数組のパルス信号を収集して、パルスセットを取得し、パルスセットを用いることによって平均パルスを生成すること、及び、(b)平均パルスをスケーリングして、特定のエネルギー範囲内の放射線で照射されたデータベースによって生成されたパルスデータベースをシミュレーション及び取得することによるものである。平均パルスのスケーリングは、線形スケーリング又は非線形スケーリングによって行われる。
ソフトウェアシミューレションを用いると、単一の放射線のみを用いても、異なるエネルギーの放射線で照射された同じ検出器は、同じ特性のパルスを出力するという特性を利用して、異なるエネルギーの放射線で照射された検出器によって出力されたパルスデータベースを取得することができる。
上記(a)の平均パルスを生成することは、まず、一組のパルスについてエネルギースペクトルを得ること、エネルギースペクトル中の光電ピークをガウス関数でフィッティングすること、フィッティングしたガウス関数の半値全幅の範囲内にあるエネルギー値を有する全てのパルス選択することを含む。選択された全てのパルスの数をmで表し、S(k,i)を、i番目のパルスのk番目のADCサンプリング点として定義し、iが、0<i≦mの整数であり、kが、0<k≦hの整数であり、hが、ADCサンプリング点の数であるとすると、平均パルスが、
のセットとして定義される。このようにして生成した平均パルスは、実験で用いられた検出器の基準パルスを表し、パルスノイズを大幅に抑制し、平均パルスをスケーリングするプロセスに対してパルスに重ね合わせられるノイズの影響を効果的に低減する。平均パルスを統計的意味において理想パルスとみなすことができる。また、半値全幅の範囲内のパルス総数mの増加と共に、基準波形の精度が改善される。
上記(b)における平均パルスを線形スケーリングする方法は以下のとおりである。ステップS1で得られた平均パルスPに対応する放射線エネルギーをEで表し、実際の応用に応じて使用者が決定する検出したい放射線のエネルギーの上限をEで表し、スケーリングされたパルスの総数をNで表し、パルス信号を増幅するのに必要な最大倍率をA=E/Eで表すと、スケーリングされたパルスセットPが、以下の式で計算される:
平均パルスの線形スケーリングを用いると、検出器を、特定のエネルギー範囲内において理想的な線形検出器であるとみなすことができるので、異なるエネルギーを有する出力パルスが厳密な線形則に従うことによって、その補正方法を、実現するのがより単純で便利なものにする。
上記(b)における平均パルスの非線形スケーリングは以下のとおりである。まず、検出器の非線形エネルギー応答曲線y=f(x)を決定する。ステップS1で得られた平均パルスPに対応する放射線エネルギーをEで表し、実際の応用の要求に応じて使用者が決定する検出したい放射線のエネルギーの上限をEで表し、スケーリングされたパルスの総数をNで表し、パルス信号を増幅するのに必要な最大倍率をA=E/Eで表すと、検出器に対応するスケーリングパルスの集合Pが、以下のように決定される:
平均パルスの非線形スケーリングは、現実の検出器の状態を反映して、最終的な補正結果に対する検出器の非線形性の影響を低減することができる。
異なるエネルギーの放射線で照射された検出器によって出力されたパルスデータベースを取得するステップS1が、直接収集を用いて行われる場合、その詳細なプロセスは、使用者の要求に応じた異なるエネルギーを有する複数の放射線源を用いて、検出器に照射を行い、次いで、出力パルスをADCによって直接収集して、特定の範囲内に分布したエネルギーを有するパルスセットを得るというものである。直接収集を用いて、検出器によって出力される広範なエネルギー範囲内のパルスセットを取得することによって、異なるエネルギー放射線源の特性を正確に反映して、パルス情報の損失を低減することができる。
異なるエネルギーの放射線で照射された検出器によって出力されたパルスデータベースを取得するステップS1が、シミュレーションと直接収集との組み合わせによって行われる場合、その詳細なプロセスは、まず、既知のエネルギーの複数の放射線源でそれぞれ検出器に照射を行い、各平均パルスを取得し、次いで、内挿法でのシミュレーションを行い、特定のエネルギー範囲内の放射線で照射された検出器によって生成されたパルスデータベースを取得するというものである。シミュレーションと直接収集とを組み合わせる方法は、シミュレーション方法の単純性及び利便性と、直接収集によって取得されるパルス情報の現実性及び完全性とを併せ持つ。
平均パルスを生成する方法は以下のとおりである。まず、一組のパルスについてエネルギースペクトルを作成する。エネルギースペクトル中の光電ピークをガウス関数でフィッティングする。そして、フィッティングしたガウス関数の半値全幅の範囲内にあるエネルギー値を有する全てのパルスを選択する。つまり、光電ピークの半値全幅の範囲内にあるエネルギー値を有する全てのパルスを選択する。選択された全てのパルスの数をmで表し、S(k,i)を、i番目のパルスのk番目のADCサンプリング点として定義し、iが、0<i≦mの整数であり、kが、0<k≦hの整数であり、hがADCサンプリング点の数であるとすると、平均パルスが以下のセットで定義される:
このようにして生成された平均パルスは、実験で用いられた検出器の基準パルスを表し、パルスノイズを大幅に抑制し、平均パルスをスケーリングするプロセスに対してパルスに重ね合わせられるノイズの影響を効果的に低減する。平均パルスを、統計的な意味において理想パルスとみなすことができる。また、半値全幅の範囲内のパルス総数mの増加と共に、基準波形の精度が改善される。
ステップS2におけるパルスのデジタル後にパルスに含まれる完全なエネルギー情報を取得する方法(以下、完全エネルギー情報取得方法と称する)は、パルスを直接デジタル化して、パルスに含まれる完全なエネルギー情報を取得するものであってもよく、又は、パルスエネルギー情報を表すことができる物理量をサンプリングして、パルスに含まれる完全なエネルギー情報を間接的に取得するものであってもよい。
ステップS2における完全エネルギー情報取得方法が、パルスを直接デジタル化して、パルスに含まれる完全なエネルギー情報を取得することによって行われる場合、そのステップは、まず、多重電圧閾値方式又はアナログ・デジタル変換方式を適用してパルスを臨界/オーバーサンプリングし、次いで、数値積分法を行ってパルスエネルギー情報を取得するか、又は、サンプリング点中の最大電圧振幅を用いてエネルギー情報を表すことによって行われ得る。高サンプリング率ADC等のアナログ・デジタル変換方式を利用して、パルスを直接デジタル化して、パルスの“完全なデータセット”を取得し、デジタル信号がパルス信号の全ての情報を記録する。この方法を用いてパルスエネルギー情報を取得することによって、取得したエネルギー情報が十分に正確であることを保証することができる。
ステップS2における完全エネルギー情報取得方法が、パルスを直接デジタル化して、パルスに含まれる完全なエネルギー情報を取得することによって行われる場合、そのステップは、まず、ピークホールド回路を用いて、ピーク値を保持し、次いで、サンプリングピーク点の電圧振幅をサンプリングして、パルスエネルギー情報を表すことによっても行われ得る。直接デジタル化方法を用い、ピークホールド回路によって、パルス信号を低速信号として整形し、次いで、低サンプリング率アナログ・デジタル変換器を用いて、パルス電圧振幅をサンプリングすることができる。このようにして取得したエネルギー情報は非常に正確である。
ステップS2における完全エネルギー情報取得方法が、間接的サンプリングを用いて、パルスに含まれる完全なエネルギー情報を取得することによって行われる場合、そのステップは、ウィルキンソン変換方法を用いて、パルス振幅を時間幅に変換することによって行われ得る。ウィルキンソン変換を用いる間接的サンプリング方法は、微分非線形性の優れた特性のために選ばれる。高速且つ高精度のアナログ・デジタル変換を、改良型ウィルキンソン方法を用いて実現することができ、取得される完全なエネルギー情報の精度を保証する。
ステップS3におけるパルスデータベース中の各パルスをアンダーサンプリング及び量子化するデジタル化方法は、アナログ・デジタル変換器を用いてデジタル化を実現するものに限定されず、時間・デジタル変換器と共に比較器を用いてデジタル化を実現することによっても行われ得る。アナログ・デジタル変換器の使用は、デジタル化を実現するための最も一般的な方法である。特に、大規模集積回路の先端技術を用いると、アナログ信号をデジタル化するプロセスを、超小型チップを用いることのみによって実現することができる。時間・デジタル変換器と共に比較器を用いてデジタル化を実現する方法は、MVT方法に代表されるものであり、シンチレーションパルス等の急激に変換する信号のサンプリング情報を極めて簡単に達成することができ、等時間間隔におけるADCサンプリングに対してコスト及び電力消費における大きな利点を有する。
ステップS3における統計的推定方法又は曲線フィッティング方法を用いることによってエネルギー情報を計算する方法は、MVT方法であってもよい。MVT方法を用いてパルスエネルギーを計算する方法は、まず、複数の電圧閾値を設定すること、比較器にパルスと電圧閾値とをそれぞれ入力すること、反転論理パルスが比較器によって出力された際の時間を測定すること(測定された時間値及び対応する電圧閾値がMVTサンプリング点を構成する)、MVTサンプリング点及びパルスモデルを用いて、パルスをフィッティング及び再構成すること、再構成されたパルスに対して定積分を行うか、又は、再サンプリング後に再構成されたパルスに対して数値積分を行い、パルスエネルギー情報を取得することを含む。このようにして、複数の電圧閾値を設定して、異なる電圧に対応する時間情報を簡単且つ柔軟に記録し、パルスの特性モデルを利用することによって、パルスエネルギー特性を復元することで、等時間間隔のサンプリング方法によって、急激且つ急峻な信号をサンプリングする場合における不十分なサンプリング率という欠点を効果的に克服する。
ステップS3における統計的推定方法又は曲線フィッティング方法を用いることによってエネルギー情報を計算する方法は、ADCフィッティング方法であってもよい。ADCフィッティング方法を用いてパルスエネルギーを計算するステップは、ADCを用いてパルス信号をサンプリングして、ADCサンプリング点を取得するステップと、ADCサンプリング点及びパルスモデルを用いて、パルスをフィッティング及び再構成するステップと、再構成されたパルスに対して定積分を行うか、又は再サンプリング後の再構成されたパルスに対して数値積分を行い、パルスエネルギー情報を取得するステップとを含む。このようにして、数点のサンプリング点及びパルス特性モデルが、パルスエネルギー特性を復元するのに用いられ、急速に発展しているDSP技術を利用して、システムのハードウェアを単純化し、コストを下げることができる。
ステップS3における統計的推定方法又は曲線フィッティング方法を用いることによってエネルギー情報を計算する方法は、経験的ベイズ推定方法であってもよい。経験的ベイズ推定方法を用いてパルスエネルギーを計算する具体的な方法は、デジタル化されたパルスサンプリング点を取得すること、ベイズ理論及び独立仮定を用いることで、推定パルスエネルギー情報として、所定のデジタルサンプルの最尤解を求めることを含む。このようにして、パルスの統計的特性を効果的に抽出し且つ正確に記述することによって、システムパラメータとパルス情報との間の関係性を定量的に構築し、揺らぎ関係性を有する統計的モデルを用いることによって、計算されたパルスエネルギーの精度を最大にする。
ステップS3における統計的推定方法又は曲線フィッティング方法を用いることによってエネルギー情報を計算する方法は、TOT方法であってもよい。TOT方法を用いてパルスエネルギーを計算する具体的な方法は、TOTとパルスエネルギーとの間の関係性をフィッティングすることによって、パルスエネルギー情報としてパルスの予測エネルギー値を推定することを含む。この技術的解決策においては、追加の波形整形及びフィルタリング回路やピーク検出及びホールド回路を追加する必要がなく、アナログフロントエンド電子機器が非常に単純になり、多重チャネル統合に便利である。
ステップ5におけるエネルギーマッピング関係性は、係数ルックアップテーブル又はエネルギーマッピング関数であり得る。
取得方法にかかわらず、異なるエネルギーの放射線で照射された検出器によって出力されたパルスデータベースは、広エネルギー範囲パルスセットPと呼ばれることに留意されたい。ステップS5におけるエネルギーマッピング関係性が係数ルックアップテーブルである場合、補正係数Cの計算方法は以下のとおりである。パルスデータベースP中の各パルスについて、完全エネルギー情報取得方法によって得られたエネルギーをE(standard,i)で表し、先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法によって得られたエネルギーをE(statistical,i)で表し、iが、0<i≦Nの整数であるとすると、補正係数が、C=E(standard,i)/E(statistical,i)として計算される。係数ルックアップテーブルを構築することによって、補正されるエネルギーに対応する補正係数を高速且つ正確に決定することができる。このアルゴリズムは単純であり、大抵のハードウェアプラットフォームに対して低リソース占有で実現可能である。
ステップS4におけるエネルギーマッピング関係性が、マッピング関数y=g(x)である場合、その関数の導出は以下のとおりである。パルスデータベースP中の各パルスについて、完全エネルギー情報取得方法によって得られたエネルギーをE(standard,i)で表し、先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法によって得られたエネルギーをE(statistical,i)で表し、iが、0<i≦Nの整数であるとすると、完全エネルギー情報取得方法及び先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法の複数の係数マッピング点を、以下の式で得ることができる:C=E(standard,i)/E(statistical,i)。係数マッピング点を利用することによって、曲線フィッティングでマッピング関数y=g(x)を得ることができる。曲線フィッティングを用いることで、単一の係数マッピング点に対して重ね合わせられた計算エラーを低減することによって、補正プロセスをより確実なものにする。
ステップS5における先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法によって取得したエネルギーECStatisticalは以下の式で計算される:ECStatistical=C×Estatistical、又は、ECStatistical=g(Estatistical)。
以下、本開示の技術的解決策について、図面及び実施形態を参照して詳細に説明する。技術的解決策を説明するための実施形態において、異なるエネルギーの放射線で照射された検出器によって出力されたパルスセットを取得するプロセスに関しては、三つの方法の中で最も単純な方法であるシミュレーションを行ってパルスデータセットを生成する方法を選択する。実施形態における完全エネルギー情報取得方法としては、従来のADC方式を採用する。実施形態における先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法としては、MVT方法とADCフィッティング方法とを採用する。先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法はこれら二つの方法に限られるものではなく、これら二つの方法は単に具体的な実施形態を例示するためのものであることは明らかである。
第一の実施形態では、シンチレーション検出器、具体的には、NaI結晶結合光電子倍増管CR105(NaI/PMT CR105検出器)を用いる。先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法としては、MVT方法を採用する。第一の実施形態は以下のステップ(1)〜(5)を含む。
ステップ(1)では、Cs137放射線源を用いて、NaI/PMT検出器に照射する。検出器によって出力されたシンチレーションパルスをオシロスコープに直接入力する。5000個のシンチレーションパルスを、10GSPSのサンプリング率で収集して、図2の破線に示されるように、エネルギースペクトルを計測及び取得する(ピークエネルギーは662keVに補正される)。図2の実線に示されるように、エネルギースペクトルの光電ピークをガウス曲線でフィッティングして、エネルギー分解能は8.6%として計算される。半値全幅は、エネルギー分解能及びピークエネルギー値に基づいて、略30keVであると計算される。従って、662keVのピークエネルギーに対応する半値全幅の範囲内の放射線エネルギー値が、[632keV,692keV]として取得される。この範囲内の全てのシンチレーションパルスを選択する。選択されたシンチレーションパルスの数をmで表し、S(k,i)を、i番目のパルス(iは、0<i≦mの整数)のk番目のADCサンプリング点(kは、0<k≦hの整数であり、hは、ADCサンプリング点の数を表す)として定義すると、図3に示されるように、平均パルスPが、
として得られる。
ステップ(2)では、平均パルスをスケーリングして、[0keV,3MeV]の範囲内の放射線で照射された検出器によって生成されたシンチレーションパルスデータベースをシミュレーション及び取得する。ステップ(1)で得られた平均パルスPに対応する放射線エネルギーEが662keVであり、検出したい放射線のエネルギーの上限Eが3MeVであるとすると、シンチレーションパルスを増幅するのに必要な最大倍率は、A=E/E=4.6として計算される。パルスをスケーリングする総数をN=10000と選択すると、スケーリングされたパルスセットPが以下のように計算される:
ステップ(3)では、MVT方法で用いられる電圧閾値(設定方法については特許文献1を参照)を、ステップ(1)で得られた平均パルスに従って決定する。MVT方法を用いて、スケーリングされたパルスセット中の各シンチレーションパルスについて、エネルギー値E(MVT,i)を計算する。ここで、iは、0<i≦10000の整数であり、MVT方法におけるシンチレーションパルスモデルは以下のとおりである:
ここで、τは、シンチレーション結晶の減衰時間定数を表し、Vは、シンチレーションパルスの振幅を表し、tは、事象到達時間を表し、tは、パルスピーク時間を表す(詳細な情報については非特許文献1を参照)。一方、従来のADC方式において、スケーリングされたパルスセット中の各シンチレーションパルスのADCサンプリング点の電圧振幅を直接収集して、エネルギー値E(ADC,i)を取得するが、ここで、iは、0<i≦10000の整数である。図4の丸は、従来のADC方式を用いて計算された[0keV,3MeV]のエネルギー範囲内のシンチレーションパルスのエネルギーを示す。
シンチレーションパルスエネルギーを取得するためのMVT方法は、以下の手順1〜2を通じて実現可能である。
手順1では、8個の電圧閾値を、[20 38 56 80 250 500 1000 1500]として予め設定する。検出器によって出力されたシンチレーションパルスと、予め設定された電圧閾値とを8個の比較器に入力する。比較器が論理レベルジャンプ信号を出力することに対応する時間情報を、時間・デジタル変換器(TDC,time‐to‐digital converter)を用いて、デジタル信号に変換する。TDCは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA,field programmable gate array)によって実現可能である。8個の比較器が論理レベルの正のジャンプ及び負のジャンプを出力することに対応する16個のトリガー時間値は、TrigTime={Tr1,Tr2,Tr3,Tr4,Tr5,Tr6,Tr7,Tr8,Td8,Td7,Td6,Td5,Td4,Td3,Td2,Td1}であり、ここで、Tr1,Tr2,Tr3,Tr4,Tr5,Tr6,Tr7,Tr8は、8個の閾値によって引き起こされる立ち上がりエッジサンプリング時間であり、一方、Td8,Td7,Td6,Td5,Td4,Td3,Td2,Td1は、対応する立ち下がりエッジサンプリング時間である。このようにして、MVT方法の16組のサンプリング点が、{(Tr1,20),(Tr2,38),…,(Tr8,1500),(Td8,1500),…,(Td1,20)}として表される。
手順2では、上記手順で得られた16組のサンプリング点を用いて、元々のシンチレーションパルスを復元する。まず、シンチレーションパルスモデルを構築し、この実施形態においては、直線的な立ち上がりエッジと、指数関数的な立ち下がりエッジとを用いて(具体的な表記については式1を参照)、シンチレーションパルスをフィッティングする。立ち上がりエッジの関数がy=k×x+bであり、立ち下がりエッジの関数がy=exp(a×x+c)であるとして、関数をフィッティングして、二分法によって、二つの曲線の交点P(P,P)を計算する。シンチレーションパルスを再構築した後に、ステップ(1)と同じ10GSPSのサンプリング率で、復元されたシンチレーションパルスを再サンプリングして、全てのサンプリング点の電圧振幅を累積することによって、MVT方法におけるシンチレーションパルスエネルギーを取得する。図4に示される三角形は、MVT方法を用いて[0keV,3MeV]のエネルギー範囲内のシンチレーションパルスを補正する前に計算によって得られたエネルギーを表す。
ステップ(4)では、補正係数を、C=E(ADC,i)/E(MVT,i)として計算し、補正係数ルックアップテーブルを構築するか、又は、フィッティング補正係数によって、E(MVT,i)とE(ADC,i)との間の関数のマッピング関係式を構築する。図4に示される十字が、MVT方法を用いて[0keV,3MeV]のエネルギー範囲内のシンチレーションパルスを補正した後に得られたエネルギーを表す。
ステップ(5)では、ステップ(4)で得られたルックアップテーブル又は関数によって、補正係数“C”を生成し、補正されたエネルギーを、ECMVT=C×EMVTとして計算する。図5は、本開示による補正前後のCs137放射線源の照射下のNaI/PMT検出器のエネルギースペクトルを比較する図である。
第二の実施形態では、NaI/PMT検出器を用い、先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法としては、ADCフィッティング方法を採用する。第二の実施形態は以下のステップ(1)〜(4)を含む。
ステップ(1)では、Cs137放射線源を用いて、NaI/PMT検出器に照射する。検出器によって出力されたシンチレーションパルスをオシロスコープに直接入力する。5000個のシンチレーションパルスを、10GSPSのサンプリング率で収集し、エネルギースペクトルを計測及び取得する(ピークエネルギーは662keVに補正される)。図2の実線で示されるように、エネルギースペクトルの光電ピークをガウス関数でフィッティングし、エネルギー分解能を8.6%として計算する。エネルギー分解能及びピークエネルギー値に基づいて、半値全幅値が略30keVであると計算される。従って、662keVのピークエネルギーに対応する半値全幅に対応する範囲内の放射線エネルギー値が、[632keV,692keV]として得られる。[632keV,692keV]のエネルギー範囲内の全てのシンチレーションパルスを選択する。選択されたシンチレーションパルスの数をmで表し、S(k,i)を、i番目のパルス(iは、0<i≦mの整数)のk番目のADCサンプリング点(kは、0<k≦hの整数であり、hは、ADCサンプリング点の数を表す)として定義すると、平均パルスP
として得られる。
ステップ(2)では、平均パルスをスケーリングして、[0keV,3MeV]の範囲内の放射線で照射された検出器によって生成されたパルスデータベースをシミュレーション及び取得する。ステップ(1)で得られた平均パルスPに対応する放射線エネルギーEが662keVであり、検出したい放射線のエネルギーの上限Eが3MeVであるとすると、シンチレーションパルスを増幅するのに必要な最大倍率は、A=E/E=4.6として計算される。実際の要求に応じて、パルスをスケーリングする総数が、N=10000として決定され、次いで、スケーリングされたパルスセットPが以下のように計算される:
ステップ(3)では、ADCフィッティング方法を用いて、スケーリングされたパルスセット中の各シンチレーションパルスについて、エネルギー値E(ADC,i)を計算するが、ここで、iは、0<i≦10000の整数である。ここで、従来のADC方式において、スケーリングされたパルスセット中の各シンチレーションパルスのADCサンプリング点の電圧振幅を直接累積して、エネルギー値E(ADC,i)を取得するが、ここで、iは、0<i≦10000の整数である。
シンチレーションパルスエネルギーを取得するためのADCフィッティング方法は、以下の手順を通じて実現可能である。
ステップ(1)のものとは異なるADC(ADC2と称する)を用いて、シンチレーションサンプルを再サンプリングして、ADC2サンプリング点を得る。シンチレーションパルスサンプリングのデータセットが、N個のサンプリング点(t,v)を含むとすると、この方法におけるシンチレーションパルスモデル(詳細な情報については非特許文献2を参照)が以下のように適用可能である:
ここで、A、m、τ、及びτが、決定すべきパラメータであり、τは、結晶シンチレーションの時間定数を表し、τは、光電変換デバイス及びフロントエンド電子機器の時間定数を表す。ADC2サンプリング点を用いた曲線フィッティングを行うことによって未知のパラメータを決定した後に、シンチレーションパルスを再構築して、定積分又は数値積分技術を用いることによって、シンチレーションパルスエネルギー値を取得する。
ステップ(4)では、補正係数を、Ci=E(ADC,i)/E(ADC‐fit,i)として計算し、補正係数ルックアップテーブルを構築するか、又は、フィッティング補正係数によって、E(ADC‐fit,i)とE(ADC,i)との間の関数のマッピング関係式を構築する。
ステップ(4)で得られたルックアップテーブル又は関数によって、補正係数Cを取得し、補正されたエネルギーが、ECADC‐fit=C×EADC‐fitとして計算される。

Claims (25)

  1. 異なるエネルギーの放射線で照射された検出器によって出力されたパルスデータベースを取得するステップS1、
    前記ステップS1で得られたパルスデータベース中の各パルスをサンプリング及び量子化して、パルスに含まれる完全なエネルギー情報を取得するステップS2、
    前記ステップS1で得られたパルスデータベース中の各パルスをアンダーサンプリング及び量子化し、パルス先験情報を用いることによってエネルギー情報を推定又はフィッティングするステップS3、
    前記ステップS2で得られたエネルギー情報を基準として用いて、パルス先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法によって得られたエネルギー情報と、前記ステップS2によって得られたエネルギー情報との間のマッピング関係性を決定するステップS4、及び、
    前記ステップS4で得られたエネルギーマッピング関係性を用いることによって、前記パルス先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法によって得られたエネルギー情報を補正するステップS5を備えるシンチレーションパルスデジタル化方法。
  2. 前記ステップS1における検出器が、ガス検出器、シンチレーション検出器、又は半導体検出器である、請求項1に記載のシンチレーションパルスデジタル化方法。
  3. 前記異なるエネルギーの放射線で照射された検出器によって出力されたパルスデータベースを取得するステップS1が、シミュレーション及び/又は直接収集によって行われる、請求項1に記載のシンチレーションパルスデジタル化方法。
  4. 前記異なるエネルギーの放射線で照射された検出器によって出力されたパルスデータベースを取得するステップS1が、シミュレーションによって行われ、前記ステップS1が、
    (a)既知のエネルギーの放射線源で前記検出器に照射し、アナログ・デジタル変換器によって一以上の組のパルス信号を収集し、パルスセットを取得し、前記パルスセットを用いることによって、平均パルスを生成すること、及び、
    (b)前記平均パルスをスケーリングして、特定のエネルギー範囲内の放射線で照射された前記検出器によって生成されたパルスデータベースをシミュレーション及び取得することを備える、請求項3に記載のシンチレーションパルスデジタル化方法。
  5. 前記平均パルスを生成することが、
    一組のパルスについてエネルギースペクトルを作成すること、
    前記エネルギースペクトル中の光電ピークをガウス関数でフィッティングすること、
    フィッティングしたガウス関数の半値全幅の範囲内のエネルギー値を有する全てのパルスを選択すること、及び、
    のセットとして平均パルスPを取得することを備え、
    mが、選択された全てのパルスの数を表し、S(k,i)が、i番目のパルスのk番目のアナログ・デジタル変換器サンプリング点を表し、iが、0<i≦mの整数であり、kが、0<k≦hの整数であり、hが、アナログ・デジタル変換器サンプリング点の数を表す、請求項4に記載のシンチレーションパルスデジタル化方法。
  6. 前記平均パルスをスケーリングすることが、線形スケーリング又は非線形スケーリングによって行われる、請求項4に記載のシンチレーションパルスデジタル化方法。
  7. 前記平均パルスの線形スケーリングが、
    パルス信号を増幅するのに必要な最大倍率を、A=E/Eとして計算すること、及び、
    スケーリングされたパルスセットPを、
    として計算することを備え、
    が、前記ステップS1で得られた平均パルスPに対応する放射線エネルギーを表し、Eが、実際の応用の要求に応じて使用者が決定する検出したいエネルギーの上限を表し、Nが、スケーリングされたパルスの総数を表す、請求項6に記載のシンチレーションパルスデジタル化方法。
  8. 前記平均パルスの非線形スケーリングが、
    前記検出器の非線形エネルギー応答曲線y=f(x)を決定すること、
    パルス信号を増幅するのに必要な最大倍率を、A=E/Eとして計算すること、及び、
    前記検出器に対応してスケーリングされたパルスセットPを、
    として決定することを備え、
    が、前記ステップS1で得られた平均パルスPに対応する放射線エネルギーを表し、Eが、実際の応用の要求に応じて使用者が決定する検出したいエネルギーの上限を表し、Nが、スケーリングされたパルスの総数を表す、請求項6に記載のシンチレーションパルスデジタル化方法。
  9. 前記異なるエネルギーの放射線で照射された検出器によって出力されたパルスデータベースを取得するステップS1が、直接収集によって行われ、前記ステップS1が、
    使用者の要求に応じて異なるエネルギーを有する複数の放射線源で前記検出器に照射すること、及び、
    アナログ・デジタル変換器によって出力パルスを直接収集し、特定の範囲内に分布したエネルギーを有するパルスセットを取得することを備える、請求項3に記載のシンチレーションパルスデジタル化方法。
  10. 前記異なるエネルギーの放射線で照射された検出器によって出力されたパルスデータベースを取得するステップS1が、シミュレーション及び直接収集の組み合わせによって行われ、前記ステップS1が、
    既知のエネルギーの複数の放射線源それぞれで前記検出器に照射し、各平均パルスを取得すること、及び、
    内挿方法を用いたシミュレーションを行い、特定のエネルギー範囲内の放射線で照射された前記検出器によって生成されたパルスデータベースを取得することを備える、請求項3に記載のシンチレーションパルスデジタル化方法。
  11. 前記平均パルスを生成することが、
    一組のパルスについてのエネルギースペクトルを作成すること、
    前記エネルギースペクトル中の光電ピークをガウス関数でフィッティングすること、
    フィッティングしたガウス関数の半値全幅の範囲内のエネルギー値を有する全てのパルスを選択すること、及び、
    平均パルスP
    のセットとして取得することを備え、
    mが、選択された全てのパルスの数を表し、S(k,i)が、i番目のパルスのk番目のアナログ・デジタル変換器サンプリング点を表し、iが、0<i≦mの整数であり、kが、0<k≦hの整数であり、hが、アナログ・デジタル変換器サンプリング点の数を表す、請求項10に記載のシンチレーションパルスデジタル化方法。
  12. 前記パルスに含まれる完全なエネルギー情報を取得するステップS2が、
    前記パルスを直接デジタル化して、前記パルスに含まれる完全なエネルギー情報を取得すること、又は、
    パルスエネルギー情報を表す物理量をサンプリングして、前記パルスに含まれる完全なエネルギー情報を間接的に取得することを備える、請求項1に記載のシンチレーションパルスデジタル化方法。
  13. 前記パルスに含まれる完全なエネルギー情報を取得するステップS2が、前記パルスを直接デジタル化することによって行われ、前記ステップS2が、
    アナログ・デジタル変換方式又は多重電圧閾値方式によって、前記パルスを臨界/オーバーサンプリングすること、及び、
    数値積分方法によってパルスエネルギー情報を取得するか、又は、サンプリング点の最大電圧振幅を取得してエネルギー情報を表すことを備える、請求項12に記載のシンチレーションパルスデジタル化方法。
  14. 前記パルスに含まれる完全なエネルギー情報を取得するステップS2が、前記パルスを直接デジタル化することによって行われ、前記ステップS2が、
    ピークホールド回路によってピーク値を保持すること、及び、
    サンプリングピーク点の電圧振幅をサンプリングして、パルスエネルギー情報を表すことを備える、請求項12に記載のシンチレーションパルスデジタル化方法。
  15. 前記パルスに含まれる完全なエネルギー情報を取得するステップS2が、間接的サンプリングによって行われ、前記ステップS2が、
    ウィルキンソン変換方法によってパルス振幅を時間幅に変換することを備える、請求項12に記載のシンチレーションパルスデジタル化方法。
  16. 前記ステップS3における各パルスのアンダーサンプリング及び量子化のデジタル化方法が、アナログ・デジタル変換器を用いることによって、又は、時間・デジタル変換器と共に比較器を用いることによって行われる、請求項1に記載のシンチレーションパルスデジタル化方法。
  17. 前記ステップS3におけるエネルギー情報の推定又はフィッティングが、多重電圧閾値方法によって行われ、前記多重電圧閾値方法によるパルスエネルギーの計算が、
    複数の電圧閾値を設定するステップ、
    パルス及び前記電圧閾値を比較器に入力するステップ、
    反転論理パルスが前記比較器によって出力された時間を測定するステップであって、測定された時間及び対応する電圧閾値が多重電圧閾値サンプリング点を構成する、ステップ、
    前記多重電圧閾値サンプリング点及びパルスモデルを用いることによって、パルスをフィッティング及び再構築するステップ、及び、
    再構築されたパルスに対して定積分を行うか、又は、再サンプリング後に再構築されたパルスに対して数値積分を行い、パルスエネルギー情報を取得するステップを備える、請求項1に記載のシンチレーションパルスデジタル化方法。
  18. 前記ステップS3におけるエネルギー情報の推定又はフィッティングが、アナログ・デジタル変換器フィッティング方法によって行われ、前記アナログ・デジタル変換器フィッティング方法によるパルスエネルギーの計算が、
    アナログ・デジタル変換器によってパルス信号をサンプリングして、アナログ・デジタル変換器サンプリング点を得るステップ、
    前記アナログ・デジタル変換器サンプリング点及びパルスモデルを用いることによって、パルスをフィッティング及び再構築するステップ、及び、
    再構築されたパルスに対して定積分を行うか、又は、再サンプリング後に再構築されたパルスに対して数値積分を行い、パルスエネルギー情報を取得するステップを備える、請求項1に記載のシンチレーションパルスデジタル化方法。
  19. 前記ステップS3におけるエネルギー情報の推定又はフィッティングが、経験的ベイズ推定方法によって行われ、前記経験的ベイズ推定方法によるパルスエネルギーの計算が、
    デジタル化されたパルスサンプリング点を取得するステップ、及び、
    ベイズ理論及び独立仮定を用いることによって、推定パルスエネルギー情報として、所定のデジタルサンプルの最尤解を求めるステップを備える、請求項1に記載のシンチレーションパルスデジタル化方法。
  20. 前記ステップS3におけるエネルギー情報の推定又はフィッティングが、タイムオーバー閾値方法によって行われ、前記タイムオーバー閾値方法によるパルスエネルギーの計算が、
    タイムオーバー閾値とパルスエネルギーとの間の関係性をフィッティングすることによって、パルスエネルギー情報として、パルスの予測エネルギー値を推定するステップを備える、請求項1に記載のシンチレーションパルスデジタル化方法。
  21. 前記ステップS5におけるエネルギーマッピング関係性が、係数ルックアップテーブル又はエネルギーマッピング関数である、請求項1に記載のシンチレーションパルスデジタル化方法。
  22. 前記ステップS5におけるエネルギーマッピング関係性が、係数ルックアップテーブルであり、補正係数Cの計算方法が、
    補正係数を、C=E(standard,i)/E(statistical,i)として計算することを備え、
    パルスデータベースP中の各パルスについて、E(standard,i)が、完全エネルギー情報取得方法によって得られたエネルギーを表し、E(statistical,i)が、パルス先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法によって得られたエネルギーを表し、iが、0<i≦Nの整数である、請求項21に記載のシンチレーションパルスデジタル化方法。
  23. 前記ステップS5において補正されたエネルギーECStatisticalが、式ECStatistical=C×Estatisticalによって計算される、請求項22に記載のシンチレーションパルスデジタル化方法。
  24. 前記ステップS4におけるエネルギーマッピング関係性が、マッピング関数y=g(x)であり、前記マッピング関数の導出が、
    完全エネルギー情報取得方及びパルス先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法の複数の係数マッピング点を、C=E(standard,i)/E(statistical,i)として取得することであって、パルスデータベースP中の各パルスについて、E(standard,i)が、完全エネルギー情報取得方法によって得られたエネルギーを表し、E(statistical,i)が、パルス先験情報に基づいたアンダーサンプリングパルスエネルギー取得方法によって得られたエネルギーを表し、iが、0<i≦Nの整数であること、及び、
    前記係数マッピング点を用いた曲線フィッティングによって、前記マッピング関数y=g(x)を取得することを備える、請求項21に記載のシンチレーションパルスデジタル化方法。
  25. 前記ステップS5において補正されたエネルギーECStatisticalが、式ECStatistical=g(Estatistical)によって計算される、請求項24に記載のシンチレーションパルスデジタル化方法。
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