JP6470468B2 - 半導体装置の製造方法、基板処理装置、およびプログラム - Google Patents

半導体装置の製造方法、基板処理装置、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、半導体装置の製造方法、基板処理装置、および記録媒体に関する。
半導体装置(デバイス)の製造工程の一工程として、基板に対して原料を供給する工程と、基板に対して酸化剤を供給する工程と、を非同時に行うサイクルを所定回数行うことで、基板上に膜を形成する処理が行われることがある(例えば特許文献1参照)。
特開2010−153776号公報
本発明は、基板上に形成される膜の組成の制御性を向上させることを目的とする。
本発明の一態様によれば、
(a)基板に対して1分子中に所定元素と窒素との化学結合を少なくとも2つ含む原料を供給する工程と、
(b)前記基板に対して酸化剤を供給する工程と、
を非同時に行うサイクルを、前記原料に含まれる前記所定元素と窒素との化学結合のうち少なくとも一部が切断されることなく保持される条件下で、所定回数行うことで、前記基板上に、前記所定元素、窒素および酸素を含む膜を形成する技術が提供される。
本発明によれば、基板上に形成される膜の組成の制御性を向上させることが可能となる。
本発明の一実施形態で好適に用いられる基板処理装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を縦断面図で示す図である。 本発明の一実施形態で好適に用いられる基板処理装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を図1のA−A線断面図で示す図である。 本発明の一実施形態で好適に用いられる基板処理装置のコントローラの概略構成図であり、コントローラの制御系をブロック図で示す図である。 (a)は本発明の一実施形態の成膜シーケンスを、(b)は本発明の一実施形態の成膜シーケンスの変形例をそれぞれ示す図である。 (a)〜(d)は、順に、HMDSN,TMDSN,HCDSN,TSAの化学構造式を示す図である。 基板上に形成された膜の窒素濃度の評価結果を示す図である。 本発明の他の実施形態で好適に用いられる基板処理装置の処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を縦断面図で示す図である。 本発明の他の実施形態で好適に用いられる基板処理装置の処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を縦断面図で示す図である。
<一実施形態>
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図3を用いて説明する。
(1)基板処理装置の構成
図1に示すように、処理炉202は加熱機構(温度調整部)としてのヒータ207を有する。ヒータ207は円筒形状であり、保持板に支持されることにより垂直に据え付けられている。ヒータ207は、ガスを熱で活性化(励起)させる活性化機構(励起部)としても機能する。
ヒータ207の内側には、ヒータ207と同心円状に反応管203が配設されている。反応管203は、例えば石英(SiO)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料からなり、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。反応管203の下方には、反応管203と同心円状に、マニホールド209が配設されている。マニホールド209は、例えばステンレス(SUS)等の金属からなり、上端および下端が開口した円筒形状に形成されている。マニホールド209の上端部は、反応管203の下端部に係合しており、反応管203を支持するように構成されている。マニホールド209と反応管203との間には、シール部材としてのOリング220aが設けられている。反応管203は、ヒータ207と同様に垂直に据え付けられている。主に、反応管203とマニホールド209とにより処理容器(反応容器)が構成される。処理容器の筒中空部には処理室201が形成されている。処理室201は、複数枚の基板としてのウエハ200を収容可能に構成されている。
処理室201内には、ノズル249a,249bが、マニホールド209の側壁を貫通するように設けられている。ノズル249a,249bには、ガス供給管232a,232bが、それぞれ接続されている。
ガス供給管232a,232bには、上流側から順に、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241a,241bおよび開閉弁であるバルブ243a,243bがそれぞれ設けられている。ガス供給管232a,232bのバルブ243a,243bよりも下流側には、不活性ガスを供給するガス供給管232c,232dがそれぞれ接続されている。ガス供給管232c,232dには、上流側から順に、MFC241c,241dおよびバルブ243c,243dがそれぞれ設けられている。
ノズル249a,249bは、図2に示すように、反応管203の内壁とウエハ200との間における平面視において円環状の空間に、反応管203の内壁の下部より上部に沿って、ウエハ200の積載方向上方に向かって立ち上がるようにそれぞれ設けられている。すなわち、ノズル249a,249bは、ウエハ200が配列されるウエハ配列領域の側方の、ウエハ配列領域を水平に取り囲む領域に、ウエハ配列領域に沿うようにそれぞれ設けられている。ノズル249a,249bの側面には、ガスを供給するガス供給孔250a,250bがそれぞれ設けられている。ガス供給孔250a,250bは、反応管203の中心を向くようにそれぞれ開口しており、ウエハ200に向けてガスを供給することが可能となっている。ガス供給孔250a,250bは、反応管203の下部から上部にわたって複数設けられ、それぞれが同一の開口面積を有し、更に同じ開口ピッチで設けられている。
このように、本実施形態では、反応管203の側壁の内壁と、反応管203内に配列された複数枚のウエハ200の端部(周縁部)と、で定義される平面視において円環状の縦長の空間内、すなわち、円筒状の空間内に配置したノズル249a,249bを経由してガスを搬送している。そして、ノズル249a,249bにそれぞれ開口されたガス供給孔250a,250bから、ウエハ200の近傍で初めて反応管203内にガスを噴出させている。そして、反応管203内におけるガスの主たる流れを、ウエハ200の表面と平行な方向、すなわち、水平方向としている。このような構成とすることで、各ウエハ200に均一にガスを供給することが可能となる。ウエハ200の表面上を流れたガスは、排気口、すなわち、後述する排気管231の方向に向かって流れる。但し、このガスの流れの方向は、排気口の位置によって適宜特定され、垂直方向に限ったものではない。
ガス供給管232aからは、1分子中に所定元素としてのシリコン(Si)と窒素(N)との化学結合(Si−N結合)を少なくとも2つ含む原料(原料ガス)として、例えば、シラザン系原料ガス(シラザン化合物)が、MFC241a、バルブ243a、ノズル249aを介して処理室201内へ供給される。ここで、原料ガスとは、気体状態の原料、例えば、常温常圧下で液体状態である原料を気化することで得られるガスや、常温常圧下で気体状態である原料等のことである。また、シラザン化合物とは、SiとNとを骨格とする化合物のことである。シラザン系原料ガスは、Siソースとしてだけでなく、Nソース、或いは、NソースおよびCソースとしても作用するガスである。シラザン系原料ガスとしては、例えば、ヘキサメチルジシラザン([(CHSi]NH)、略称:HMDSN)ガスを用いることができる。図5(a)に化学構造式を示すように、HMDSNガスは、1分子中に2つのSi−N結合と、6つのSi−C結合を含んでいる。HMDSNにおける1つのN(中心元素)には、2つのSiが結合している。HMDSNに含まれる1つのSiには、3つのCが結合している。
ガス供給管232bからは、反応体(反応ガス)として、例えば、酸素(O)含有ガスが、MFC241b、バルブ243b、ノズル249bを介して処理室201内へ供給される。O含有ガスは、酸化剤(酸化ガス)、すなわち、Oソースとして作用する。O含有ガスとしては、例えば、酸素(O)ガスを用いることができる。
ガス供給管232aからは、反応体(反応ガス)として、例えば、水素(H)含有ガスが、MFC241a、バルブ243a、ノズル249aを介して処理室201内へ供給される。H含有ガスは、それ単体では酸化作用は得られないが、特定の条件下でO含有ガスと反応することで原子状酸素(atomic oxygen、O)等の酸化種を生成し、酸化処理の効率を向上させるように作用する。そのため、H含有ガスは、O含有ガスと同様に酸化剤(酸化ガス)に含めて考えることができる。H含有ガスとしては、例えば、水素(H)ガスを用いることができる。本明細書において酸化剤という言葉を用いた場合は、O含有ガスのみを含む場合、または、O含有ガスとH含有ガスの両方を含む場合がある。
ガス供給管232c,232dからは、不活性ガスとして、例えば、窒素(N)ガスが、それぞれMFC241c,241d、バルブ243c,243d、ガス供給管232a,232b、ノズル249a,249bを介して処理室201内へ供給される。
主に、ガス供給管232a、MFC241a、バルブ243aにより、原料(原料ガス)供給系が構成される。主に、ガス供給管232b、MFC241b、バルブ243bにより、反応体(O含有ガス)供給系が構成される。主に、ガス供給管232a、MFC241a、バルブ243aにより、反応体(H含有ガス)供給系が構成される。O含有ガス供給系は、後述する成膜処理において、酸化剤供給系として機能する。H含有ガス供給系を酸化剤供給系に含めて考えてもよい。また、主に、ガス供給管232c,232d、MFC241c,241d、バルブ243c,243dにより、不活性ガス供給系が構成される。
上述の各種供給系のうち、いずれか、或いは、全ての供給系は、バルブ243a〜243dやMFC241a〜241d等が集積されてなる集積型供給システム248として構成されていてもよい。集積型供給システム248は、ガス供給管232a〜232dのそれぞれに対して接続され、ガス供給管232a〜232d内への各種ガスの供給動作、すなわち、バルブ243a〜243dの開閉動作やMFC241a〜241dによる流量調整動作等が、後述するコントローラ121によって制御されるように構成されている。集積型供給システム248は、一体型、或いは、分割型の集積ユニットとして構成されており、ガス供給管232a〜232d等に対して集積ユニット単位で着脱を行うことができ、ガス供給システムのメンテナンス、交換、増設等を、集積ユニット単位で行うことが可能なように構成されている。
反応管203には、処理室201内の雰囲気を排気する排気管231が設けられている。排気管231には、処理室201内の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ245および圧力調整器(圧力調整部)としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ244を介して、真空排気装置としての真空ポンプ246が接続されている。APCバルブ244は、真空ポンプ246を作動させた状態で弁を開閉することで、処理室201内の真空排気および真空排気停止を行うことができ、更に、真空ポンプ246を作動させた状態で、圧力センサ245により検出された圧力情報に基づいて弁開度を調節することで、処理室201内の圧力を調整することができるように構成されている。主に、排気管231、APCバルブ244、圧力センサ245により、排気系が構成される。真空ポンプ246を排気系に含めて考えてもよい。
マニホールド209の下方には、マニホールド209の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は、例えばSUS等の金属からなり、円盤状に形成されている。シールキャップ219の上面には、マニホールド209の下端と当接するシール部材としてのOリング220bが設けられている。シールキャップ219の下方には、後述するボート217を回転させる回転機構267が設置されている。回転機構267の回転軸255は、シールキャップ219を貫通してボート217に接続されている。回転機構267は、ボート217を回転させることでウエハ200を回転させるように構成されている。シールキャップ219は、反応管203の外部に設置された昇降機構としてのボートエレベータ115によって垂直方向に昇降されるように構成されている。ボートエレベータ115は、シールキャップ219を昇降させることで、ボート217を処理室201内外に搬入および搬出することが可能なように構成されている。ボートエレベータ115は、ボート217すなわちウエハ200を、処理室201内外に搬送する搬送装置(搬送機構)として構成されている。また、マニホールド209の下方には、ボートエレベータ115によりシールキャップ219を降下させている間、マニホールド209の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシャッタ219sが設けられている。シャッタ219sは、例えばSUS等の金属からなり、円盤状に形成されている。シャッタ219sの上面には、マニホールド209の下端と当接するシール部材としてのOリング220cが設けられている。シャッタ219sの開閉動作(昇降動作や回動動作等)は、シャッタ開閉機構115sにより制御される。
基板支持具としてのボート217は、複数枚、例えば25〜200枚のウエハ200を、水平姿勢で、かつ、互いに中心を揃えた状態で垂直方向に整列させて多段に支持するように、すなわち、間隔を空けて配列させるように構成されている。ボート217は、例えば石英やSiC等の耐熱性材料からなる。ボート217の下部には、例えば石英やSiC等の耐熱性材料からなる断熱板218が多段に支持されている。
反応管203内には、温度検出器としての温度センサ263が設置されている。温度センサ263により検出された温度情報に基づきヒータ207への通電具合を調整することで、処理室201内の温度が所望の温度分布となる。温度センサ263は、ノズル249a,249bと同様にL字型に構成されており、反応管203の内壁に沿って設けられている。
図3に示すように、制御部(制御手段)であるコントローラ121は、CPU(Central Processing Unit)121a、RAM(Random Access Memory)121b、記憶装置121c、I/Oポート121dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM121b、記憶装置121c、I/Oポート121dは、内部バス121eを介して、CPU121aとデータ交換可能なように構成されている。コントローラ121には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置122が接続されている。
記憶装置121cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置121c内には、基板処理装置の動作を制御する制御プログラムや、後述する成膜処理の手順や条件等が記載されたプロセスレシピ等が、読み出し可能に格納されている。プロセスレシピは、後述する成膜処理における各手順をコントローラ121に実行させ、所定の結果を得ることが出来るように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、プロセスレシピや制御プログラム等を総称して、単に、プログラムともいう。また、プロセスレシピを、単に、レシピともいう。本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、レシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、それらの両方を含む場合がある。RAM121bは、CPU121aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
I/Oポート121dは、上述のMFC241a〜241d、バルブ243a〜243d、圧力センサ245、APCバルブ244、真空ポンプ246、温度センサ263、ヒータ207、回転機構267、ボートエレベータ115、シャッタ開閉機構115s等に接続されている。
CPU121aは、記憶装置121cから制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置122からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置121cからレシピを読み出すように構成されている。CPU121aは、読み出したレシピの内容に沿うように、MFC241a〜241dによる各種ガスの流量調整動作、バルブ243a〜243dの開閉動作、APCバルブ244の開閉動作および圧力センサ245に基づくAPCバルブ244による圧力調整動作、真空ポンプ246の起動および停止、温度センサ263に基づくヒータ207の温度調整動作、回転機構267によるボート217の回転および回転速度調節動作、ボートエレベータ115によるボート217の昇降動作、シャッタ開閉機構115sによるシャッタ219sの開閉動作等を制御するように構成されている。
コントローラ121は、外部記憶装置(例えば、ハードディスク等の磁気ディスク、CDやDVD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリ等の半導体メモリ)123に格納された上述のプログラムを、コンピュータにインストールすることにより構成することができる。記憶装置121cや外部記憶装置123は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成されている。以下、これらを総称して、単に、記録媒体ともいう。本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置121c単体のみを含む場合、外部記憶装置123単体のみを含む場合、または、それらの両方を含む場合がある。なお、コンピュータへのプログラムの提供は、外部記憶装置123を用いず、インターネットや専用回線等の通信手段を用いて行ってもよい。
(2)成膜処理
上述の基板処理装置を用い、半導体装置の製造工程の一工程として、基板上に膜を形成するシーケンス例について、図4(a)を用いて説明する。以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作はコントローラ121により制御される。
図4(a)に示す成膜シーケンスでは、(a)基板としてのウエハ200に対して原料としてHMDSNガスを供給するステップ1と、(b)ウエハ200に対して酸化剤としてOガスとHガスとを同時に供給するステップ2(以下、同時に供給するこれらのガスをO+Hガスとも称する)と、を非同時に行うサイクルを、HMDSNガスに含まれるSi−N結合の少なくとも一部が切断されることなく保持される条件下で、所定回数(n回(nは1以上の整数))行うことで、ウエハ200上に、Si、NおよびOを含む膜としてシリコン酸窒化膜(SiON膜)を形成する。
なお、ステップ1では、HMDSNに含まれるSi−N結合の少なくとも一部が切断されることなく保持される条件下で、HMDSNを供給することで、Si−N結合を含む第1層を形成する。また、ステップ2では、第1層に含まれるSi−N結合の少なくとも一部が切断されることなく保持される条件下で、O+Hガスを供給することで、第1層を不飽和酸化させ、Si−N結合と、Si−O結合と、を含む第2層を形成する。
本明細書では、図4(a)に示す成膜シーケンスを、便宜上、以下のように示すこともあり、記号[a]を用いて示すこともある。以下の変形例の説明においても同様の表記を用いることとする。
(HMDSN→O+H)×n ⇒ SiON ・・・[a]
本明細書において「ウエハ」という言葉を用いた場合は、「ウエハそのもの」を意味する場合や、「ウエハとその表面に形成された所定の層や膜等との積層体(集合体)」を意味する場合、すなわち、表面に形成された所定の層や膜等を含めてウエハと称する場合がある。また、本明細書において「ウエハの表面」という言葉を用いた場合は、「ウエハそのものの表面(露出面)」を意味する場合や、「ウエハ上に形成された所定の層や膜等の表面、すなわち、積層体としてのウエハの最表面」を意味する場合がある。
従って、本明細書において「ウエハに対して所定のガスを供給する」と記載した場合は、「ウエハそのものの表面に対して所定のガスを直接供給する」ことを意味する場合や、「ウエハ上に形成されている層や膜等、すなわち、積層体としてのウエハの最表面に対して所定のガスを供給する」ことを意味する場合がある。また、本明細書において「ウエハ上に所定の層(または膜)を形成する」と記載した場合は、「ウエハそのものの表面上に所定の層(または膜)を直接形成する」ことを意味する場合や、「ウエハ上に形成されている層や膜等の上、すなわち、積層体としてのウエハの最表面の上に所定の層(または膜)を形成する」ことを意味する場合がある。
本明細書において「基板」という言葉を用いた場合も、「ウエハ」という言葉を用いた場合と同義である。
(ウエハチャージおよびボートロード)
複数枚のウエハ200がボート217に装填(ウエハチャージ)されると、シャッタ開閉機構115sによりシャッタ219sが移動させられて、マニホールド209の下端開口が開放される(シャッタオープン)。その後、図1に示すように、複数枚のウエハ200を支持したボート217は、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理室201内へ搬入(ボートロード)される。この状態で、シールキャップ219は、Oリング220bを介してマニホールド209の下端をシールした状態となる。
(圧力・温度調整ステップ)
処理室201内、すなわち、ウエハ200が存在する空間が所望の圧力(真空度)となるように、真空ポンプ246によって真空排気(減圧排気)される。この際、処理室201内の圧力は圧力センサ245で測定され、この測定された圧力情報に基づきAPCバルブ244がフィードバック制御される。真空ポンプ246は、少なくともウエハ200に対する処理が終了するまでの間は常時作動させた状態を維持する。また、処理室201内のウエハ200が所望の成膜温度となるようにヒータ207によって加熱される。この際、処理室201内が所望の温度分布となるように、温度センサ263が検出した温度情報に基づきヒータ207への通電具合がフィードバック制御される。ヒータ207による処理室201内の加熱は、少なくともウエハ200に対する処理が終了するまでの間は継続して行われる。また、回転機構267によるボート217およびウエハ200の回転を開始する。回転機構267によるボート217およびウエハ200の回転は、少なくともウエハ200に対する処理が終了するまでの間は継続して行われる。
(成膜ステップ)
その後、以下のステップ1,2を以下に示すタイミングでそれぞれ実行する。
[ステップ1]
このステップでは、処理室201内のウエハ200に対してHMDSNガスを供給する。
具体的には、バルブ243aを開き、ガス供給管232a内にHMDSNガスを流す。HMDSNガスは、MFC241aにより流量調整され、ノズル249aを介して処理室201内へ供給され、排気管231から排気される。このとき、ウエハ200に対してHMDSNガスが供給されることとなる。このとき同時にバルブ243cを開き、ガス供給管232c内へNガスを流す。Nガスは、MFC241cにより流量調整され、ガス供給管232a、ノズル249aを介して処理室201内へ供給され、排気管231から排気される。また、ノズル249b内へのHMDSNガスの侵入を防止するため、バルブ243dを開き、ガス供給管232d内へNガスを流す。Nガスは、ガス供給管232b、ノズル249bを介して処理室201内へ供給され、排気管231から排気される。
このとき、処理室201内の圧力(成膜圧力)を、例えば0.1〜20Torr(13.3〜2666Pa)、好ましくは1〜10Torr(133〜1333Pa)の範囲内の所定の圧力とする。ウエハ200の温度(成膜温度)は、例えば450〜1000℃、好ましくは750〜900℃の範囲内の所定の温度とする。HMDSNガスの供給流量は、例えば1〜2000sccm、好ましくは10〜1000sccmの範囲内の所定の流量とする。HMDSNガスの供給時間は、例えば1〜100秒、好ましくは1〜50秒の範囲内の所定の時間とする。各ガス供給管より供給するNガスの供給流量は、それぞれ例えば100〜10000sccmの範囲内の所定の流量とする。なお、HMDSNガスの供給期間中、Nガスは非供給としてもよい。
成膜圧力が0.1Torr未満(或いは、成膜温度が450℃未満)となると、ウエハ200上にSiON膜が形成されにくくなり、実用的な成膜レートが得られなくなることがある。成膜圧力を0.1Torr以上(或いは、成膜温度を450℃以上)とすることで、SiON膜の成膜レートを実用的なレベルにまで高めることが可能となる。処理室201内の圧力を1Torr以上(或いは、成膜温度を750℃以上)とすることで、SiON膜の成膜レートをより高めることができる。
成膜圧力が20Torrを超える(或いは、成膜温度が1000℃を超える)と、過剰な気相反応が生じることで、ウエハ200上に形成されるSiON膜の膜厚均一性が悪化しやすくなる場合がある。また、処理室201内にパーティクルが大量に発生し、成膜処理の品質を低下させてしまう場合もある。また、SiON膜の表面の平坦性、すなわち、表面ラフネスが悪化する場合もある。また、HMDSNに含まれるSi−N結合が切断されてしまい、SiON膜中にSi−N結合を適正に含ませることが困難となることがあり、結果として、SiON膜のフッ化水素(HF)等に対するエッチング耐性が低下してしまう場合がある。成膜圧力を20Torr以下(或いは、成膜温度を1000℃以下)とすることで、適正な気相反応を生じさせることができることにより、SiON膜の膜厚均一性や表面ラフネスを向上させ、また、パーティクルの発生を抑制することが可能となる。また、HMDSNに含まれるSi−N結合の少なくとも一部を切断することなく保持することが可能となり、膜中にSi−N結合を添加し、SiON膜のエッチング耐性を向上させることが可能となる。成膜圧力を10Torr以下(或いは、成膜温度を900℃以下)とすることで、SiON膜の膜厚均一性や表面ラフネスを確実に向上させ、また、処理室201内におけるパーティクルの発生を確実に抑制することが可能となる。また、HMDSNに含まれるSi−N結合の切断をより確実に抑制することができ、膜中にSi−N結合をより確実に添加し、SiON膜のエッチング耐性をより確実に向上させることが可能となる。なお、上述の「表面ラフネス」とは、ウエハ面内における膜の高低差を意味しており、表面粗さと同義である。表面ラフネスが向上するとは、この高低差が小さくなり、表面が平滑になることを意味している。表面ラフネスが悪化するとは、この高低差が大きくなり、表面が粗くなることを意味している。
以上述べたように、成膜圧力は0.1〜20Torr、好ましくは1〜10Torrの範囲内の所定の圧力とするのがよく、また、成膜温度は450〜1000℃、好ましくは750〜900℃の範囲内の所定の温度とするのがよい。ここで述べた処理条件(圧力条件、温度条件)は、処理室201内にHMDSNガスが単独で存在した場合に、HMDSNが熱分解(自己分解)するとともに、HMDSNに含まれるSi−N結合の少なくとも一部およびSi−C結合の少なくとも一部が切断されることなく保持される条件を含んでいる。
上述の条件下でウエハ200に対してHMDSNガスを供給することにより、ウエハ200の最表面上に、第1層(初期層)として、例えば1原子層未満から数原子層(1分子層未満から数分子層)程度の厚さのNおよびCを含むSi含有層が形成される。NおよびCを含むSi含有層は、NおよびCを含むSi層であってもよいし、HMDSNの吸着層であってもよいし、それらの両方を含んでいてもよい。NおよびCを含むSi含有層は、Si−N結合およびSi−C結合をそれぞれ含む層でもある。
NおよびCを含むSi層とは、Siにより構成されNおよびCを含む連続的な層の他、不連続な層や、これらが重なってできるNおよびCを含むSi薄膜をも含む総称である。NおよびCを含むSi層を構成するSiは、NやCとの結合が完全に切れていないものの他、NやCとの結合が完全に切れているものも含む。
HMDSNの吸着層は、HMDSN分子で構成される連続的な吸着層の他、不連続な吸着層をも含む。HMDSNの吸着層を構成するHMDSN分子は、SiとNとの結合が一部切れたものや、SiとCとの結合が一部切れたものも含む。すなわち、HMDSNの吸着層は、HMDSNの物理吸着層であってもよいし、HMDSNの化学吸着層であってもよいし、それらの両方を含んでいてもよい。
ここで、1原子層(分子層)未満の厚さの層とは不連続に形成される原子層(分子層)のことを意味しており、1原子層(分子層)の厚さの層とは連続的に形成される原子層(分子層)のことを意味している。NおよびCを含むSi含有層は、NおよびCを含むSi層とHMDSNの吸着層との両方を含み得る。但し、便宜上、NおよびCを含むSi含有層については「1原子層」、「数原子層」等の表現を用いて表すこととし、「原子層」を「分子層」と同義で用いる場合もある。
HMDSNガスが自己分解する条件下では、ウエハ200上にSiが堆積することでNおよびCを含むSi層が形成される。HMDSNガスが自己分解しない条件下では、ウエハ200上にHMDSNが吸着することでHMDSNの吸着層が形成される。ウエハ200上にHMDSNの吸着層を形成するよりも、ウエハ200上にNおよびCを含むSi層を形成する方が、成膜レートを高くすることができる点では、好ましい。以下、NおよびCを含むSi含有層を、便宜上、単に、Si含有層とも称する。
第1層の厚さが数原子層を超えると、後述するステップ2での改質の作用が第1層の全体に届かなくなる。また、第1層の厚さの最小値は1原子層未満である。よって、第1層の厚さは1原子層未満から数原子層程度とするのが好ましい。第1層の厚さを1原子層以下、すなわち、1原子層または1原子層未満とすることで、後述するステップ2での改質反応の作用を相対的に高めることができ、ステップ2での改質反応に要する時間を短縮することができる。ステップ1での第1層の形成に要する時間を短縮することもできる。結果として、1サイクルあたりの処理時間を短縮することができ、トータルでの処理時間を短縮することも可能となる。すなわち、成膜レートを高くすることも可能となる。また、第1層の厚さを1原子層以下とすることで、膜厚均一性の制御性を高めることも可能となる。
第1層が形成された後、バルブ243aを閉じ、HMDSNガスの供給を停止する。このとき、APCバルブ244は開いたままとして、真空ポンプ246により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留する未反応もしくは第1層形成に寄与した後のHMDSNガスや反応副生成物を処理室201内から排除する。このとき、バルブ243c,243dは開いたままとして、Nガスの処理室201内への供給を維持する。Nガスはパージガスとして作用する。
原料としては、HMDSNガスの他、テトラメチルジシラザン([H(CHSi]NH)、略称:TMDSN)ガス、ヘキサクロロジシラザン((ClSi)NH、略称:HCDSN)ガス、トリシリルアミン(N(SiH、略称:TSA)ガス等のシラザン化合物を用いることができる。
図5(b)に化学構造式を示すように、TMDSNガスは、1分子中に2つのSi−N結合と、4つのSi−C結合とを含んでおり、HMDSNガスと同様、Siソース、Nソース、Cソースとして作用するガスである。TMDSNにおける1つのN(中心元素)には、HMDSNにおけるそれと同様に2つのSiが結合しており、これにより、上述の処理条件下において、第1層中にSi−N結合を含ませることが容易となる。TMDSNに含まれる1つのSiには、2つのCが結合している。TMDSNに含まれるSi−C結合の数(4つ)は、HMDSNに含まれるSi−C結合の数(6つ)よりも少ないことから、TMDSNガスにおけるCソースとしての作用は、HMDSNガスにおけるそれよりも弱くなる傾向がある。
図5(c)に化学構造式を示すように、HCDSNガスは、1分子中に2つのSi−N結合を含み、Si−C結合を含まないことから、Siソース、Nソースとして作用し、Cソースとしては作用しないガスである。HCDSNにおける1つのN(中心元素)には、HMDSNにおけるそれと同様に2つのSiが結合しており、これにより、上述の処理条件下において、第1層中にSi−N結合を含ませることが容易となる。
図5(d)に化学構造式を示すように、TSAガスは、1分子中に3つのSi−N結合を含み、Si−C結合を含まないことから、Siソース、Nソースとして作用し、Cソースとしては作用しないガスである。TSAにおける1つのN(中心元素)には3つのSiが結合している。これにより、原料ガスとしてTSAガスを用いる場合には、原料ガスとしてHMDSNガス、TMDSNガス、HCDSNガスを用いる場合よりも、上述の処理条件下において、第1層中にSi−N結合を多量に含ませることが容易となる。
これらのシラザン化合物は、シラン化合物、例えば、ジクロロシラン(SiHCl)ガス、ヘキサクロロジシラン(SiCl、略称:HCDS)ガス、テトラクロロシラン(SiCl)ガス、テトラフルオロシラン(SiF)ガス、テトラブロモシラン(SiBr)ガスのようなハロシラン化合物や、トリスジメチルアミノシラン(Si[N(CHH、略称:3DMAS)ガス、ビスターシャリブチルアミノシラン(SiH[NH(C)]、略称:BTBAS)ガス、ジイソプロピルアミノシラン(SiHN[CH(CH、略称:DIPAS)ガスのようなアミノシラン化合物や、モノシラン(SiH)ガス、ジシラン(Si)ガス、トリシラン(Si)ガスのような水素化ケイ素化合物に比べ、熱分解温度が高い(自己分解しにくい)傾向がある。本実施形態のように成膜温度を高温側とする場合には、原料としてシラザン化合物を用いることで、過剰な熱分解を抑制し、成膜処理の制御性を高めることが可能となる。
不活性ガスとしては、Nガスの他、例えば、Arガス、Heガス、Neガス、Xeガス等の希ガスを用いることができる。
[ステップ2]
ステップ1が終了した後、処理室201内へOガスとHガスとを別々に供給し、これらのガスを処理室201内で混合させて反応させる。ステップ2は、OガスとHガスとを同時に供給する期間を含むことになる。
このステップでは、バルブ243b,243aを開き、ガス供給管232b,232a内にOガスとHガスとをそれぞれ流す。バルブ243c,243dの開閉制御は、ステップ1における243c,243dの開閉制御と同様の手順で行う。ガス供給管232b,232a内を流れたOガス、Hガスは、それぞれ、MFC241b,241aにより流量調整され、ノズル249b,249aを介して処理室201内へ供給される。OガスとHガスとは、処理室201内で初めて混合して反応し、その後、排気管231から排気される。
このとき、処理室201内の圧力(成膜圧力)を、例えば0.1〜10Torr(13.3〜1333Pa)、好ましくは0.1〜3Torr(13.3〜399Pa)の範囲内の所定の圧力とする。OガスおよびHガスの供給流量は、それぞれ、例えば100〜10000sccmの範囲内の所定の流量とする。OガスおよびHガスの供給時間は、例えば1〜100秒、好ましくは1〜50秒の範囲内の所定の時間とする。他の処理条件は、ステップ1における処理条件と同様とする。なお、ステップ1と同様、O+Hガスの供給期間中、Nガスは非供給としてもよい。
上述の条件下でOガスおよびHガスを処理室201内へ供給することで、OガスおよびHガスは、加熱された減圧雰囲気下においてノンプラズマで熱的に活性化(励起)されて反応し、それにより、原子状酸素(O)等の酸素を含む水分(HO)非含有の酸化種が生成される。そして、主にこの酸化種により、ステップ1でウエハ200上に形成された第1層に対して酸化処理が行われる。この酸化処理によれば、Oガスを単独で供給する場合や水蒸気(HOガス)を供給する場合に比べ、酸化力を大幅に向上させることができる。すなわち、減圧雰囲気下においてOガスにHガスを添加することで、Oガス単独供給の場合やHOガスを供給する場合に比べ大幅な酸化力向上効果が得られるようになる。
上述の手法で発生させた酸化種が持つエネルギーは、第1層中に含まれるSi−C結合、Si−H結合等の結合エネルギーよりも高いため、この酸化種のエネルギーを第1層に与えることで、第1層中に含まれるSi−C結合、Si−H結合の大部分を切断することができる。Siとの結合が切り離されたC,H等は、第1層中から除去されることとなる。この過程を経ることで、第1層に含まれていたC,Hの大部分を脱離させ、第1層中のC,Hを、不純物レベルにまで減少させることが可能となる。C,H等との結合が切られることで余ったSiの結合手は、酸化種に含まれるOと結びつき、これにより、Si−O結合が形成される。すなわち、第1層中に、Oが、Si−O結合の形態で取り込まれることとなる。
なお、上述の酸化種が持つエネルギーは、第1層中に含まれるSi−N結合等の結合エネルギーよりも高いものの、少なくとも上述の条件下では、第1層に含まれるSi−N結合の少なくとも一部を切断することなく保持することができる。すなわち、上述の条件下において、酸化種による第1層の酸化処理を、第1層に含まれる少なくともSi−N結合に対して不飽和(不飽和酸化)とすることができる。上述の処理条件は、第1層に含まれるSi−C結合を切断し、第1層に含まれるSi−N結合の少なくとも一部を切断することなく保持する条件ともいえる。
ステップ2における酸化処理を不飽和とするには、その処理条件、例えば、酸化剤の供給流量、酸化剤の分圧、酸化剤の供給時間、酸化剤の種類等をそれぞれ適正に調整したり、選択したりすることが有効である。すなわち、酸化剤の供給流量や分圧を上述の範囲内で小さく設定したり、酸化剤の供給時間を上述の範囲内で短く設定したり、酸化剤として比較的酸化力の弱い物質を用いたりすることで、上述の酸化処理を確実に不飽和とさせることが可能となる。なお、発明者等の鋭意研究によれば、上述の4つの処理条件のうち、特に、酸化剤の分圧、酸化剤の供給時間の2つが、酸化処理を不飽和とするのに特に有効であることが分かっている。
また、ステップ2における酸化処理を不飽和とするには、処理対象である第1層の状態、例えば、第1層中に含まれるSi−N結合の量を増やすことも有効である。例えば、ステップ1で形成する第1層の厚さを厚くすることで、第1層中に含まれるSi−N結合の量を増やすことができ、これにより、酸化処理を確実に不飽和とすることが可能となる。また、例えば、原料として、1分子中に含まれるSi−N結合の数が比較的多い物質を用いることで、第1層中に含まれるSi−N結合の量を増やすことができ、これにより、酸化処理を確実に不飽和とすることも可能となる。
これらの手法を任意に組み合わせることにより、上述の酸化処理を確実に不飽和とすることができ、第1層中に含まれるSi−N結合の少なくとも一部を確実に残すことが可能となる。なお、ステップ2における酸化処理の処理条件を一定に保持したまま、ステップ1における処理条件を調整して第1層の状態を変化させてもよい。また、ステップ1における処理条件を一定として第1層の状態を保持したまま、ステップ2における酸化処理の処理条件を変化させてもよい。また、ステップ1,2の処理条件の両方を調整してもよい。この不飽和酸化処理を経ることで、第1層は、Si、O、Nを含む第2層、すなわち、C非含有のSiON層へと変化させられる(改質される)。第2層は、Si−N結合を含む層、すなわち、Nを、Si−N結合の形態で含む層となる。
第1層を第2層へと変化させた後、バルブ243b,243aを閉じ、OガスおよびHガスの供給をそれぞれ停止する。そして、ステップ1と同様の処理手順、処理条件により、処理室201内に残留する未反応もしくは酸化処理に寄与した後のOガスやHガスや反応副生成物を処理室201内から排除する。
酸化剤としては、O+Hガスの他、酸素(O)ガス、水蒸気(HO)、オゾン(O)ガス、プラズマ励起させたO(O )ガス、原子状酸素(O)、酸素ラジカル(O)、および水酸基ラジカル(OH)等を用いることができる。なお、酸化剤としてO+Hガスを用いる場合、Hガスの代わりに重水素(D)ガス等を用いることができる。
不活性ガスとしては、Nガスの他、上述の各種希ガスを用いることができる。
(所定回数実施)
上述したステップ1,2を非同時に、すなわち、同期させることなく行うサイクルを所定回数(n回)行うことにより、ウエハ200上に、所定膜厚のSiON膜を形成することができる。上述のサイクルは複数回繰り返すのが好ましい。すなわち、上述のサイクルを1回行う際に形成される第2層の厚さを所望の膜厚よりも小さくし、第2層を積層することで形成されるSiON膜の膜厚が所望の膜厚になるまで、上述のサイクルを複数回繰り返すのが好ましい。
(アフターパージステップ・大気圧復帰ステップ)
SiON膜の形成が完了した後、ガス供給管232c,232dのそれぞれからNガスを処理室201内へ供給し、排気管231から排気する。Nガスはパージガスとして作用する。これにより、処理室201内がパージされ、処理室201内に残留するガスや反応副生成物が処理室201内から除去される(アフターパージ)。その後、処理室201内の雰囲気が不活性ガスに置換され(不活性ガス置換)、処理室201内の圧力が常圧に復帰される(大気圧復帰)。
(ボートアンロードおよびウエハディスチャージ)
ボートエレベータ115によりシールキャップ219が下降され、マニホールド209の下端が開口される。そして、処理済のウエハ200が、ボート217に支持された状態で、マニホールド209の下端から反応管203の外部に搬出される(ボートアンロード)。処理済のウエハ200は、ボート217より取出される(ウエハディスチャージ)。
(3)本実施形態による効果
本実施形態によれば、以下に示す一つ又は複数の効果が得られる。
(a)原料として1分子中にSi−N結合を少なくとも2つ含むHMDSNガスを用い、ステップ1,2を非同時に行うサイクルを、HMDSNガスに含まれるSi−N結合の少なくとも一部が切断されることなく保持される条件下で所定回数行うことにより、ウエハ200上に形成される膜中にSi−N結合を含ませ、この膜を、SiON膜とすることが可能となる。なお、本実施形態のように、1分子中にSi−N結合を少なくとも2つ含む物質を原料として用いる場合、2つのSi−N結合が両方とも切れる確率は極めて少なく、一方のSi−N結合が切断されたとしても、他方のSi−N結合は切断されることなく保持される。結果として、ウエハ200上に形成される膜中にSi−N結合を含ませやすくなる。
(b)原料として、HMDSNのようなSi−N結合を含む物質を用いることにより、ウエハ200上に形成される膜中へのNの添加を、N−H結合の形態ではなく、Si−N結合の形態で行うことが可能となる。また、成膜ステップでは、アンモニア(NH)ガス等のN−H結合を含む物質のウエハ200に対する供給を不実施としていることから、ウエハ200上に形成される膜中へのN−H結合の添加を、より確実に抑制することも可能となる。
これらにより、ウエハ200上に形成される膜を、酸化耐性(アッシング耐性)の高い膜とすることが可能となる。というのも、Si−N結合の形態で膜中に取り込まれたNは、膜の酸化を抑制する保護要素として作用するのに対し、N−H結合の形態で膜中に取り込まれたNは、膜の酸化を誘発する場合がある。本実施形態により形成される膜は、NをSi−N結合の形態で含むことから、NソースとしてNHガスを用いて形成された膜(NをN−H結合の形態で含む膜)と比較して、たとえ膜のN濃度が同程度であったとしても、高いアッシング耐性を示すことになる。
(c)原料(HMDSNガス)と、酸化剤(O+Hガス)と、の2つを用いることにより、Si、O、Nを含む多元系の膜を形成することが可能となる。すなわち、成膜の際に、Siソース、Oソース、Nソースの3つのソースを別々に供給する必要がない。そのため、1サイクルあたりの所要時間を短縮させることができ、成膜処理の生産性をさらに向上させることができる。また、成膜に必要なガスの種類を少なくすることで、ガス供給系の構成を簡素化させることができ、装置コスト等を低減させることが可能となる。
(d)ウエハ200の表面を酸窒化させるのではなく、ウエハ200上にSiON膜を形成する(堆積させる)ことから、ウエハ200の表面へのO等の拡散を抑制することが可能となる。これにより、半導体デバイスを作製する際の要求仕様を満足させつつ、所望の絶縁特性を有するSiON膜を形成することが可能となる。例えば、3D構造のメモリデバイスを作製する際、下地へのOの拡散深さを許容範囲内に収めつつ、所望の絶縁性能を有するSiON膜を形成することが可能となる。
(e)ステップ1,2を非同時に行う交互供給法によりSiON膜を形成することで、ステップ1,2を同時に行う同時供給法によりSiON膜を形成する場合に比べ、SiON膜の段差被覆性、膜厚制御性、面内膜厚均一性等を向上させることが可能となる。このような成膜手法は、成膜処理の下地面が、ラインアンドスペース形状、ホール形状、フィン形状等の3D構造を有する場合に特に有効である。
(f)成膜処理を行う際、成膜温度を450〜1000℃の範囲内とすることにより、成膜温度を450℃未満の温度、例えば250〜400℃の範囲内とする場合よりも、SiON膜のエッチング耐性や絶縁性能を向上させたり、耐用年数を伸ばしたり、トランジスタの応答速度に影響を及ぼす界面電子トラップ密度を低減させたりすることが可能となる。特に、成膜温度を700〜1000℃の範囲内とすることで、上述したSiON膜の膜特性をさらに向上させることが可能となる。
(g)上述の効果は、HMDSNガス以外の1分子中にSi−N結合を少なくとも2つ含む原料を用いる場合や、O+Hガス以外の酸化剤を用いる場合にも、同様に得ることができる。
(4)変形例
本実施形態における成膜処理のシーケンスは、図4(a)に示す態様に限定されず、以下に示す変形例のように変更することができる。
(変形例1)
ステップ2において、酸化剤として、亜酸化窒素(NO)ガス、一酸化窒素(NO)ガス、二酸化窒素(NO)ガス等の比較的酸化力が弱い酸化窒素系ガス、例えば、NOガスを用い、第1層の酸化処理の不飽和度をさらに高めるようにしてもよい。すなわち、サイクルを所定回数(n回(nは1以上の整数))行う際、ステップ2では、第1層に含まれるSi−N結合の少なくとも一部およびSi−C結合の少なくとも一部がそれぞれ切断されることなく保持される条件下で、酸化剤を供給し、第1層に対する酸化処理の不飽和度をさらに高めるようにしてもよい。本変形例のように、酸化剤として酸化窒素系ガスを用いた場合、第1層中に含まれるSi−N結合およびSi−C結合を充分に切断することは困難となる。本変形例によれば、第1層は、Si、O、C、Nを含む第2層、すなわち、シリコン酸炭窒化層(SiOCN層)へと変化させられ(改質され)、ウエハ200上に、シリコン酸炭窒化膜(SiOCN膜)が形成されることとなる。この膜は、Si−N結合、Si−C結合、およびSi−O結合を含む膜となる。本変形例の成膜シーケンスを、以下に記号[b]を用いて示す。このときの処理条件は、図4(a)に示す成膜シーケンスと同様の処理条件とすることができる。
(HMDSN→NO)×n ⇒ SiOCN ・・・[b]
本変形例においては、酸化種による第1層の酸化処理を、第1層に含まれる少なくともSi−N結合およびSi−C結合に対して不飽和(不飽和酸化)とすることができ、図4(a)に示す成膜シーケンスと同様の効果が得られる。また、本変形例によれば、膜中にCを含ませることにより、C非含有のSiO膜やC非含有のSiON膜に比べ、エッチング耐性が高い膜を形成することが可能となる。また、本変形例によれば、Siソース、Oソース、Cソース、Nソースの4つのソースを別々に供給することなく4元系の膜を形成することができ、図4(a)に示す成膜シーケンスと同様に、成膜処理の生産性を向上させたり、装置コストを低減させたりすることが可能となる。
なお、本変形例においては、ステップ1を行う際、第1層中にSi−C結合を含ませる必要があるため、原料として、Si−C結合を含む物質を用いる必要がある。図4(a)に示す成膜シーケンスや本変形例のように、原料として、その1分子中に含まれる1つのSiに少なくとも2つのCが結合している物質、例えば、HMDSNガスやTMDSNガス等の物質を用いることにより、第1層中にSi−C結合を含ませることが容易となる。特に、HMDSNガスは、TMDSNガスよりもSi−C結合を多く含むことから、原料としてHMDSNガスを用いることで、第1層中にSi−C結合をより多く添加することが可能となる。
また、本変形例においては、ステップ2を行う際、第1層中に含まれるSi−N結合の少なくとも一部およびSi−C結合の少なくとも一部をそれぞれ保持する必要がある。そのため、本変形例においては、ステップ2で供給する酸化剤の酸化力を、図4(a)に示す成膜シーケンスにおけるそれよりも低くする必要がある。酸化剤として、OおよびNを含む物質、例えば、NOガス、NOガス、NOガス等の酸化力の比較的弱い酸化窒素系ガスを用いることにより、ステップ2における酸化処理の不飽和度を高め、第1層に含まれるSi−N結合やSi−C結合を上述のように保持することが可能となる。また、酸化窒素系ガス以外の酸化剤を用いる場合であっても、酸化剤の供給流量や分圧を、図4(a)に示す成膜シーケンスにおけるそれよりも小さく設定したり、酸化剤の供給時間を、図4(a)に示す成膜シーケンスにおけるそれよりも短く設定したりすることで、ステップ2における酸化処理の不飽和度を高め、第1層に含まれるSi−N結合やSi−C結合を上述のように保持することが可能となる。
(変形例2)
ステップ2において、酸化剤の供給流量、分圧を大きく設定したり、酸化剤の供給時間を長く設定したりすることによって、第1層の酸化処理を飽和させるようにしてもよい。すなわち、サイクルを所定回数(n回(nは1以上の整数))行う際、ステップ2では、第1層に含まれるSi−N結合およびSi−C結合をそれぞれ切断する条件下で、酸化剤を供給し、第1層を飽和酸化させるようにしてもよい。本変形例によれば、第1層は、Si、Oを含む第2層、すなわち、シリコン酸化層(SiO層)へと変化させられ(改質され)、ウエハ200上に、シリコン酸化膜(SiO膜)が形成されることとなる。この膜は、Si−O結合を含み、Si−N結合およびSi−C結合をそれぞれ含まない膜となる。本変形例の成膜シーケンスを、以下に記号[c]を用いて示す。
(HMDSN→O+H)×n ⇒ SiO ・・・[c]
本変形例においても、ウエハ200の表面を酸化させるのではなく、ウエハ200上にSiO膜を形成する(堆積させる)ことから、ウエハ200の表面へのOの拡散を抑制することが可能となる。また、本変形例においても、図4(a)に示す成膜シーケンスと同様に、交互供給法によりSiO膜を形成することで、膜の段差被覆性、膜厚制御性、面内膜厚均一性等を向上させることが可能となる。また、本変形例においても、図4(a)に示す成膜シーケンスと同様に、成膜温度を450〜1000℃の範囲内の所定の温度とすることで、膜のエッチング耐性や絶縁性能を向上させたり、耐用年数を伸ばしたり、界面電子トラップ密度を低減させたりすることも可能となる。
本変形例のように、第1層を飽和酸化させるには、酸化剤として、O+Hガス、O、OH、Oガス、HOガス、Oガス等の酸化力の比較的強いO含有ガス、すなわち、N非含有のO含有ガスを用いるのが好ましい。
(変形例3)
例えば、記号[a]〜[c]で示す成膜シーケンスのうち少なくともいずれか2つを選択し、それらを交互に所定回数(n回(nは1以上の整数))行うことで、C濃度およびN濃度のうち少なくともいずれかが異なる膜が交互に積層されてなる積層膜を形成するようにしてもよい。
この場合、以下に例示するように、最後に記号[a]で示す成膜シーケンスを行うことで、積層膜の最表面をSiON膜としてもよい。
([b]→[a])×n
([c]→[a])×n
([b]→[c]→[a])×n
([c]→[b]→[a])×n
また、この場合、以下に例示するように、最後に記号[b]で示す成膜シーケンスを行うことで、積層膜の最表面をSiOCN膜としてもよい。
([a]→[b])×n
([c]→[b])×n
([a]→[c]→[b])×n
([c]→[a]→[b])×n
また、この場合、以下に例示するように、最後に記号[c]で示す成膜シーケンスを行うことで、積層膜の最表面をSiO膜としてもよい。
([a]→[c])×n
([b]→[c])×n
([a]→[b]→[c])×n
([b]→[a]→[c])×n
また、最初に記号[a]で示す成膜シーケンスを行うことで積層膜の最下面をSiON膜としてもよいし、最初に記号[b]で示す成膜シーケンスを行うことで積層膜の最下面をSiOCN膜としてもよいし、最初に記号[c]で示す成膜シーケンスを行うことで積層膜の最下面をSiO膜としてもよい。
これらの場合、記号[a]〜[c]で示す成膜シーケンスで形成される各膜(積層膜を構成する各膜)の膜厚を、例えば5nm以下、好ましくは1nm以下とすることで、最終的に形成される積層膜を、厚さ方向において統一された特性を有する膜、すなわち、膜全体として一体不可分の特性を有するナノラミネート膜とすることができる。また、ナノラミネート膜とすることにより、例えば、各膜の特性をバランスよく併せ持つ膜を形成することができる。記号[a]〜[c]で示す成膜シーケンスにおけるサイクルの実施回数(n〜n)をそれぞれ1〜10回程度とすることで、積層膜を構成する各膜の膜厚を、上述の範囲内の厚さとすることができる。
なお、本変形例においては、記号[a]〜[c]で示す成膜シーケンスにおけるサイクルの実施回数(n〜n)のうち少なくともいずれかの回数を調整することで、積層膜の厚さ方向に、C濃度およびN濃度のうち少なくともいずれかの勾配(グラデーション)をつけるようにしてもよい。この場合、例えば、積層膜の厚さ方向に、最下面から最表面に向かうにつれてN濃度やC濃度が徐々に大きくなるグラデーションをつけたり、N濃度やC濃度が徐々に小さくなるグラデーションをつけたりすることが可能となる。
(変形例4)
図4(b)や以下に示す成膜シーケンスのように、ステップ1において、ウエハ200に対して、原料としてのHMDSNガスと、O含有ガスとしての例えばOガスと、を同時に供給するようにしてもよい。
(HMDSN+O→O+H)×n ⇒ SiON
ステップ1におけるOガスの供給は、ガス供給管232bから行うようにする。1サイクルあたりのステップ1におけるOガスの供給量(Q)は、1サイクルあたりのステップ2におけるOガスの供給量(Q)より少なくする(Q<Q)。Q<Qの関係を実現するため、ステップ1におけるOガスの供給流量(F)は、ステップ2におけるOガスの供給流量(F)よりも小さくし(F<F)、例えば、Fの1/20以上1/2以下、好ましくは1/10以上1/5以下とする。Fは、例えば1〜1000sccm、好ましくは2〜400sccmの範囲内とすることができる。
がFの1/20未満(或いは1sccm未満)となると、ステップ1においてOガスによる後述するSiのマイグレーション(移動)抑制効果が得られなくなる場合があり、ウエハ200上に形成されるSiON膜の表面ラフネスが悪化しやすくなる。FをFの1/20以上(或いは1sccm以上)とすることで、マイグレーション抑制効果が得られるようになり、SiON膜の表面ラフネスを向上させることが可能となる。FをFの1/10以上(或いは2sccm以上)とすることで、マイグレーション抑制効果が確実に得られるようになり、SiON膜の表面ラフネスを確実に向上させることが可能となる。
がFの1/2を超える(或いは1000sccmを超える)と、ステップ1において過剰な気相反応が生じることで、ウエハ200上に形成されるSiON膜の膜厚均一性が悪化しやすくなる場合がある。FをFの1/2以下(或いは1000sccm以下)とすることで、ステップ1において適正な気相反応を生じさせることができることにより、SiON膜の膜厚均一性を向上させることが可能となる。FをFの1/5以下(或いは400sccm以下)とすることで、ステップ1において気相反応を適正に抑制することができ、SiON膜の膜厚均一性を確実に向上させることが可能となる。
他の条件は、図4(a)に示す成膜シーケンスの処理条件と同様とする。
上述の条件下で、ステップ1において、ウエハ200に対して原料とO含有ガスとを同時に供給することにより、ウエハ200上へのSiの吸着と同時或いはその前後に、このSiの少なくとも一部を酸化させて酸化物(SiO)に変化させることが可能となる。ウエハ200上に吸着したSiは、酸化することによりマイグレーションしにくくなる。すなわち、ウエハ200上に吸着したSi原子は、Si原子と結合したO原子によりマイグレーションが妨げられることとなる。より具体的には、ウエハ200上に吸着したSi原子に隣接するO原子によりSi原子のマイグレーションがブロックされることとなる。これにより、ウエハ200上に吸着したSiの凝集を抑制することができる。結果として、下地とSiON膜との間の界面ラフネスや、SiON膜の表面ラフネスを、それぞれ向上させることが可能となる。なお、本変形例のようにQ<Qの関係を保つようにした場合、ステップ1において原料と同時にO含有ガスを供給したとしても、その酸化力を適正に抑制することができ、第1層中にSi−N結合やSi−C結合を含ませることが可能となる。結果として、本変形例においても、図4(a)に示す成膜シーケンスと同様の効果を得ることが可能となる。
なお、Q<Qの関係を実現するには、F<Fとせずに、1サイクルあたりのO含有ガス(Oガス)の供給時間(T)を、1サイクルあたりの酸化剤(O)の供給時間(T)よりも短くしてもよい(T<T)。また、F<Fとし、さらにT<Tとしてもよい。なお、F<Fとする場合は、T≦Tとしてもよい。これらの場合であっても、ステップ1における酸化力を適正に抑制することができ、第1層中にSi−N結合やSi−C結合を含ませることができ、図4(a)に示す成膜シーケンスと同様の効果を得ることが可能となる。
ステップ2で供給する酸化剤と、ステップ1で供給するO含有ガスとは、図4(b)や上述の成膜シーケンスのように同一の分子構造(化学構造)を有していてもよいし、異なる分子構造を有していてもよい。すなわち、ステップ2で供給する酸化剤と、ステップ1で供給するO含有ガスとは、同一のマテリアルであってもよいし、異なるマテリアルであってもよい。但し、ステップ1で供給するO含有ガスとして、ステップ2で供給する酸化剤よりも酸化力が小さい物質を用いる方が、第1層中にSi−N結合やSi−C結合を含ませることが容易となる点で、好ましい。O+Hガスよりも酸化力が小さい物質としては、例えば、O ガス、Oガス、HOガス、Oガス、NOガス、NOガス、NOガス等が挙げられる。特に、ステップ1で用いるO含有ガスとしてNOガス、NOガス、NOガス等の酸化窒素系ガスを用いる場合、第1層中にSi−N結合やSi−C結合を確実に含ませることが可能となる点で、好ましい。ステップ1で用いるO含有ガスとして酸化窒素系ガスを用いる場合、Q≧Qとしても、第1層中にSi−N結合やSi−C結合を含ませることが可能となる。
なお、ステップ1において原料とO含有ガスとを同時に供給することによる表面ラフネスの向上効果は、成膜温度を450〜1000℃の範囲内とする場合に限らず、450℃未満、例えば250〜400℃の範囲内とする場合であっても同様に得られる。但し、Siのマイグレーションは成膜温度が高くなるほど活発になる傾向があり、成膜温度が例えば700〜1000℃の範囲内となると顕著となる。従って、ステップ1において原料とO含有ガスとを同時に供給する技術的意義は、成膜温度を、ウエハ200に対してHMDSNガスを単独で供給した際にHMDSNガスに含まれるSiのマイグレーションが顕著に生じる上述の温度(700〜1000℃の範囲内の温度)とする場合に、特に大きくなる。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。しかしながら、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、上述の実施形態や変形例では、原料を供給した後に酸化剤を供給する例について説明した。しかしながら、本発明はこのような態様に限定されず、原料、酸化剤の供給順序は逆でもよい。すなわち、酸化剤を供給した後に原料を供給するようにしてもよい。供給順序を変えることにより、形成される膜の膜質や組成比を変化させることが可能となる。
また例えば、上述の実施形態や変形例では、基板上に主元素としてSiを含む膜を形成する例について説明したが、本発明はこのような態様に限定されない。すなわち、本発明は、Siの他、ゲルマニウム(Ge)、ボロン(B)等の半金属元素を主元素として含む膜を基板上に形成する場合にも、好適に適用することができる。また、本発明は、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ストロンチウム(Sr)、アルミニウム(Al)等の金属元素を主元素として含む膜を基板上に形成する場合にも、好適に適用することができる。
基板処理に用いられるレシピは、処理内容に応じて個別に用意し、電気通信回線や外部記憶装置123を介して記憶装置121c内に格納しておくことが好ましい。そして、基板処理を開始する際、CPU121aが、記憶装置121c内に格納された複数のレシピの中から、処理内容に応じて適正なレシピを適宜選択することが好ましい。これにより、1台の基板処理装置で様々な膜種、組成比、膜質、膜厚の膜を、再現性よく形成することができるようになる。また、オペレータの負担を低減でき、操作ミスを回避しつつ、基板処理を迅速に開始できるようになる。
上述のレシピは、新たに作成する場合に限らず、例えば、基板処理装置に既にインストールされていた既存のレシピを変更することで用意してもよい。レシピを変更する場合は、変更後のレシピを、電気通信回線や当該レシピを記録した記録媒体を介して、基板処理装置にインストールしてもよい。また、既存の基板処理装置が備える入出力装置122を操作し、基板処理装置に既にインストールされていた既存のレシピを直接変更してもよい。
上述の実施形態では、一度に複数枚の基板を処理するバッチ式の基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本発明は上述の実施形態に限定されず、例えば、一度に1枚または数枚の基板を処理する枚葉式の基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用できる。また、上述の実施形態では、ホットウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本発明は上述の実施形態に限定されず、コールドウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用できる。
例えば、図7に示す処理炉302を備えた基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、本発明は好適に適用できる。処理炉302は、処理室301を形成する処理容器303と、処理室301内へガスをシャワー状に供給するガス供給部としてのシャワーヘッド303sと、1枚または数枚のウエハ200を水平姿勢で支持する支持台317と、支持台317を下方から支持する回転軸355と、支持台317に設けられたヒータ307と、を備えている。シャワーヘッド303sのインレットには、ガス供給ポート332a,332bが接続されている。ガス供給ポート332aには、上述の実施形態の原料供給系、H含有ガス供給系と同様の供給系が接続されている。ガス供給ポート332bには、上述の実施形態のO含有ガス供給系と同様の供給系が接続されている。シャワーヘッド303sのアウトレットには、ガス分散板が設けられている。シャワーヘッド303sは、処理室301内へ搬入されたウエハ200の表面と対向(対面)する位置に設けられている。処理容器303には、処理室301内を排気する排気ポート331が設けられている。排気ポート331には、上述の実施形態の排気系と同様の排気系が接続されている。
また例えば、図8に示す処理炉402を備えた基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、本発明は好適に適用できる。処理炉402は、処理室401を形成する処理容器403と、1枚または数枚のウエハ200を水平姿勢で支持する支持台417と、支持台417を下方から支持する回転軸455と、処理容器403内のウエハ200に向けて光照射を行うランプヒータ407と、ランプヒータ407の光を透過させる石英窓403wと、を備えている。処理容器403には、ガス供給ポート432a,432bが接続されている。ガス供給ポート432aには、上述の実施形態の原料供給系、H含有ガス供給系と同様の供給系が接続されている。ガス供給ポート432bには、上述の実施形態のO含有ガス供給系と同様の供給系が接続されている。ガス供給ポート432a,432bは、処理室401内へ搬入されたウエハ200の端部の側方にそれぞれ設けられている。処理容器403には、処理室401内を排気する排気ポート431が設けられている。排気ポート431には、上述の実施形態の排気系と同様の排気系が接続されている。
これらの基板処理装置を用いる場合においても、上述の実施形態や変形例と同様な処理手順、処理条件にて成膜処理を行うことができ、上述の実施形態や変形例と同様の効果が得られる。
また、上述の実施形態や変形例等は、適宜組み合わせて用いることができる。このときの処理手順、処理条件は、例えば、上述の実施形態の処理手順、処理条件と同様とすることができる。
以下、本発明の実施形態で得られる効果を裏付ける実験結果について説明する。
サンプル1〜3として、図4(a)に示す成膜シーケンスにより、ウエハ上に膜をそれぞれ形成した。ステップ2における酸化剤の供給時間は、サンプル1を作製する際には5〜10秒の範囲内の所定の時間、サンプル2を作製する際には12〜20秒の範囲内の所定の時間、サンプル3を作製する際には50〜80秒の範囲内の所定の時間にそれぞれ設定した。他の処理条件は、上述の実施形態に記載の処理条件範囲内の条件であって、サンプル1〜3にわたり共通の条件となるように設定した。
そして、サンプル1〜3における各膜のN濃度をそれぞれ測定した。その結果を図6に示す。図6の縦軸は膜のN濃度(atoms/cm)を、横軸はサンプル1〜3をそれぞれ示している。図6によれば、サンプル1の膜は、膜中にNを高濃度で含んでいることが分かる。また、サンプル2の膜は、膜中にNを含むものの、その濃度はサンプル1の膜のN濃度よりも低くなっていることが分かる。また、サンプル3の膜は、膜中にNを殆ど含まないことが分かる。
これらの結果から、ステップ2における酸化剤の供給時間を調整することにより、ウエハ上に形成される膜のN濃度を広範囲に制御できることが分かる。すなわち、酸化剤の供給時間を長くすると、膜のN濃度を低下させ、膜の組成をSiO膜に近づけることができることが分かる。また、酸化剤の供給時間を短くすると、膜のN濃度を低下させることなく、膜の組成をSiON膜に近づけることができることが分かる。なお、発明者等は、酸化剤の供給時間だけでなく、酸化剤の供給流量、分圧、種類を適正に調整したり選択したりすることによっても、膜のN濃度を広範囲に制御できることを併せて確認している。また、発明者等は、これらの各要素のうち、酸化剤の分圧、供給時間の2つが、N濃度を制御するのに特に有効であることも併せて確認している。
121 コントローラ(制御部)
200 ウエハ(基板)
201 処理室
202 処理炉
203 反応管
207 ヒータ
231 排気管
232a〜232d ガス供給管

Claims (14)

  1. (a)基板に対して1分子中に所定元素と窒素との化学結合を少なくとも2つ含み、さらに前記所定元素と炭素との化学結合を含む原料を供給する工程と、
    (b)前記基板に対して酸化剤を供給する工程と、
    を非同時に行うサイクルを、前記原料に含まれる前記所定元素と窒素との化学結合の少なくとも一部および前記所定元素と炭素との化学結合の少なくとも一部が切断されることなく保持される条件下で、所定回数行うことで、前記基板上に、前記所定元素、炭素、窒素および酸素を含む膜を形成する工程を有する半導体装置の製造方法。
  2. 前記(a)では、前記原料に含まれる前記所定元素と窒素との化学結合の少なくとも一部および前記所定元素と炭素との化学結合の少なくとも一部が切断されることなく保持される条件下で、前記原料を供給することで、前記所定元素と窒素との化学結合および前記所定元素と炭素との化学結合を含む第1層を形成する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記(b)では、前記第1層に含まれる前記所定元素と窒素との化学結合の少なくとも一部および前記所定元素と炭素との化学結合の少なくとも一部が切断されることなく保持される条件下で、前記酸化剤を供給することで、前記第1層を不飽和酸化させ、前記所定元素と窒素との化学結合、前記所定元素と炭素との化学結合、および前記所定元素と酸素との化学結合を含む第2層を形成する請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記酸化剤は、酸素および窒素を含む物質である請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. (a)基板に対して1分子中に所定元素と窒素との化学結合を少なくとも2つ含む原料を供給する工程と、
    (b)前記基板に対して酸化剤を供給する工程と、
    を非同時に行うサイクルを、前記原料に含まれる前記所定元素と窒素との化学結合の少なくとも一部が切断されることなく保持される条件下で、所定回数行うことで、前記基板上に、前記所定元素、窒素および酸素を含む膜を形成する工程を有し、
    前記(a)では、前記原料と一緒に酸素含有ガスを供給する半導体装置の製造方法。
  6. 1サイクルあたりの前記酸素含有ガスの供給量を、1サイクルあたりの前記酸化剤の供給量よりも小さくする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 1サイクルあたりの前記酸素含有ガスの供給流量を、1サイクルあたりの前記酸化剤の供給流量よりも小さくする請求項5または6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 1サイクルあたりの前記酸素含有ガスの供給時間を、1サイクルあたりの前記酸化剤の供給時間以下とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記酸素含有ガスとして、前記酸化剤よりも酸化力が小さい物質を用いる請求項5〜8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記酸素含有ガスは、酸素および窒素を含む物質であり、前記酸化剤は、窒素非含有の酸素含有物質である請求項5〜9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 基板に対して処理が行われる処理室と、
    前記処理室内の基板に対して1分子中に所定元素と窒素との化学結合を少なくとも2つ含み、さらに前記所定元素と炭素との化学結合を含む原料を供給する原料供給系と、
    前記処理室内の基板に対して酸化剤を供給する酸化剤供給系と、
    前記処理室内の基板を加熱するヒータと、
    前記処理室内の圧力を調整する圧力調整部と、
    前記処理室内において、(a)基板に対して前記原料を供給する処理と、(b)前記基板に対して前記酸化剤を供給する処理と、を非同時に行うサイクルを、前記原料に含まれる前記所定元素と窒素との化学結合の少なくとも一部および前記所定元素と炭素との化学結合の少なくとも一部が切断されることなく保持される条件下で、所定回数行うことで、前記基板上に、前記所定元素、炭素、窒素および酸素を含む膜を形成する処理を行わせるように、前記原料供給系、前記酸化剤供給系、前記ヒータ、および前記圧力調整部を制御するよう構成される制御部と、
    を有する基板処理装置。
  12. 基板に対して処理が行われる処理室と、
    前記処理室内の基板に対して1分子中に所定元素と窒素との化学結合を少なくとも2つ含む原料を供給する原料供給系と、
    前記処理室内の基板に対して酸化剤を供給する酸化剤供給系と、
    前記処理室内の基板に対して酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給系と、
    前記処理室内の基板を加熱するヒータと、
    前記処理室内の圧力を調整する圧力調整部と、
    前記処理室内において、(a)基板に対して前記原料を供給する処理と、(b)前記基板に対して前記酸化剤を供給する処理と、を非同時に行うサイクルを、前記原料に含まれる前記所定元素と窒素との化学結合の少なくとも一部が切断されることなく保持される条件下で、所定回数行うことで、前記基板上に、前記所定元素、窒素および酸素を含む膜を形成する処理を行わせ、前記(a)において、前記原料と一緒に前記酸素含有ガスを供給するように、前記原料供給系、前記酸化剤供給系、前記酸素含有ガス供給系、前記ヒータ、および前記圧力調整部を制御するよう構成される制御部と、
    を有する基板処理装置。
  13. 基板処理装置の処理室内において、
    (a)基板に対して1分子中に所定元素と窒素との化学結合を少なくとも2つ含み、さらに前記所定元素と炭素との化学結合を含む原料を供給する手順と、
    (b)前記基板に対して酸化剤を供給する手順と、
    を非同時に行うサイクルを、前記原料に含まれる前記所定元素と窒素との化学結合の少なくとも一部および前記所定元素と炭素との化学結合の少なくとも一部が切断されることなく保持される条件下で、所定回数行うことで、前記基板上に、前記所定元素、炭素、窒素および酸素を含む膜を形成する手順を、コンピュータによって前記基板処理装置に実行させるプログラム。
  14. 基板処理装置の処理室内において、
    (a)基板に対して1分子中に所定元素と窒素との化学結合を少なくとも2つ含む原料を供給する手順と、
    (b)前記基板に対して酸化剤を供給する手順と、
    を非同時に行うサイクルを、前記原料に含まれる前記所定元素と窒素との化学結合の少なくとも一部が切断されることなく保持される条件下で、所定回数行うことで、前記基板上に、前記所定元素、窒素および酸素を含む膜を形成する手順と、
    前記(a)において、前記原料と一緒に酸素含有ガスを供給する手順と、
    を、コンピュータによって基板処理装置に実行させるプログラム。
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