JP6470270B2 - 最小侵襲手術による胃腸治療のためのマルチルーメンカテーテル・リトラクタシステム - Google Patents

最小侵襲手術による胃腸治療のためのマルチルーメンカテーテル・リトラクタシステム Download PDF

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Description

本明細書で提供される教示は、広くは、最小侵襲で胃腸障害を手術治療するための改良された方法および装置に関するものである。
[関連出願]
本出願は、2012年12月23日に出願された特許文献1の一部継続出願であり、さらに2013年6月9日に出願された特許文献2の一部継続出願であり、上記特許文献1は、2009年12月16日に出願された特許文献3の優先権を主張して2010年12月16日に出願された現在の特許文献4である特許文献5の継続出願であり、上記特許文献2は、2009年12月16日に出願された特許文献3の優先権を主張して2010年12月16日に出願された現在の特許文献4である特許文献5の一部継続出願であり、さらに2012年6月22日に出願された特許文献6の一部継続出願である。これらの出願の各々の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
胃腸系に関わる内視鏡手術は、通常の手術と比べて、より低侵襲であるとともに、可視化を提供できるという利点がある。そのような手術は、問題に対処するとともに、当業者によって発見される新たな治療法を提供するために進化し続けている。
現在の1つの問題として、さもなければ手術処置中に標的病変部または欠損の周囲で閉縮し得る、標的組織に隣接した手術空間を、最適に最小侵襲で広げるための技術の不足がある。手術空間を効果的に広げることが可能であると、管腔内手術を格段に容易とすることができる。広げられた手術空間では、術具と内視鏡を、独立に操作すること、および標的組織の周辺を適切に可視化することが可能となる。当業者であれば、参考のため、向き設定のため、および外科的手技のために、標的組織と周辺組織の両方を見ること、および両方へのアプローチが可能であることの効果が分かる。
現在の別の問題として、処置のための手術空間を最大限に確保できるように、内視鏡、術具、および手術空間を組織化するための内視鏡技術の不足がある。手術空間が大きいほど、体外から最小侵襲での術具(および内視鏡)の操作可能性を向上させることができる。すなわち、場合によって、例えば、標的組織の切離面に対して少なくとも略垂直な、標的組織に向かう術具の軌道を選択するためのより大きな手術空間を提供して、標的組織へのアプローチおよびその可視化における融通性を高めるために、手術空間は、実現可能な限り標的組織から遠い術具の入口点を有することが望ましい。この問題を克服する技術があれば、当業者は、組織を切除するためのより望ましいシステムおよび手順を得られる。
米国特許出願第13/726147号 米国特許出願第13/913466号 米国仮特許出願第61/287077号 米国特許第8506479号 米国特許出願第12/970604号 米国特許出願第13/531477号
少なくとも上記のことから、(i)最小侵襲で管腔内手術空間を広げること、および(ii)手術空間および操作性を最大限に確保するために、リトラクタおよび術具などの内視鏡器具を組織化すること、を可能として、標的組織へのアプローチおよびその可視化における最大限の融通性を確保する、本明細書で教示される技術は、内視鏡的胃腸外科治療技術の当業者であれば、その効果が分かる。そのような改良によって、さもなければ複雑である内視鏡手術の技術的複雑さが低減するとともに有効性および安全性が高まる。また、これを、患者に無傷で導入される手頃なシステムを用いて低コストで、通常の結腸内視鏡検査のワークフローをほとんど中断させないように実現すれば、当業者に、内視鏡外科手術の分野における極めて大きな進歩とみなされる。
本明細書で提供される教示は、広くは、最小侵襲で胃腸障害を手術治療するための改良された方法および装置に関するものである。本システムは、例えば、内視鏡手術スイートを含み得る。
本開示の一態様では、患者の胃腸管などの体内管腔内で最小侵襲手術を実施するためのシステムを提供し、これは、内視鏡をその中に貫通させて受容するように構成および寸法設定された第1のルーメンと、第1の可撓性チューブをその中に貫通させて受容するように構成および寸法設定された第2のルーメンと、を有する可撓性カテーテルを備える。第1の可撓性チューブは、第2のルーメンに貫通して移動可能であり、また、第1の可撓性チューブは、その中に貫通して延びる第1のチャネル(ルーメン)を有し、この第1のチャネルは、その中で軸方向移動するための第1の内視鏡ツール(器具)を受容するように構成および寸法設定されており、第1の可撓性チューブは、遠位開口で終端しているとともに、長手軸と、この長手軸に対して曲がった(または湾曲した)状態に移行可能な遠位部と、を有する。遠位部は、長手軸に対して第1の方向に延びる第1の湾曲と、長手軸に対して異なる方向に延びる第2の湾曲と、を含む。カテーテルの遠位部に、リトラクタシステムが配置されており、このリトラクタシステムは、非拡開挿入状態から拡開状態に移行可能な第1と第2の可撓性要素を含み、これにより、より大きな手術空間を形成するための拡開されたケージを形成し、この拡開されたケージ内で第1の可撓性チューブの遠位部は移行可能であり、このとき、第1の湾曲によって、該第1の可撓性チューブの遠位開口から標的病変部までの距離は増加している。リトラクタシステムの少なくとも一部のためのカバーリングを設けることができ、このカバーリングは、生体組織を受容するための開口部を有する。
一部の実施形態では、カテーテルは、第2の可撓性チューブを受容するように構成および寸法設定された第3のルーメンを有し、第2の可撓性チューブは、その中に貫通して延びる第2のチャネル(ルーメン)を有し、この第2のチャネルは、その中で軸方向移動するための第2の内視鏡ツール(器具)を受容するように構成および寸法設定されている。第2の可撓性チューブは、長手軸と、この長手軸に対して曲がった(または湾曲した)状態に移行可能な遠位部と、を有し得る。遠位部は、長手軸に対して第1の方向に延びる第1の湾曲と、長手軸に対して異なる方向に延びる第2の湾曲と、を含む。第2の可撓性チューブは、第3のルーメン内で軸方向にスライド可能とすることができ、第2の可撓性チューブの遠位部は、拡開されたケージ内で移行可能とすることができる。
一部の実施形態では、第1の可撓性チューブおよび/または第2の可撓性チューブは、カテーテルに結び付けられていない。一部の実施形態では、可撓性チューブの遠位先端部は、カテーテルのルーメン内にあるときには、長手軸に沿って略一直線状であり得る一方、第2と第3のルーメンから露出すると、曲がった状態に戻り得る。
一部の実施形態では、ケージは、第3と第4の要素をさらに含み、リトラクタシステムが拡開状態に拡開するときには、第1、第2、第3、第4の要素は、それらの閉縮挿入状態から、カテーテルの長手軸から離れる外向きに拡開状態に移行する。
一部の実施形態における本システムは、ケージ(リトラクタシステム)の安定性および剛性を向上させるために、第1の位置から第2の位置に移動可能なスタビライザを備えることができる。一部の実施形態では、ケージは、第5の可撓性要素を含み、スタビライザは、第5の要素のルーメン内あるいは第5の要素上で移動可能な安定化要素を含む。
本システムは、カテーテルの近位領域に配置されたアクチュエータを備えることができ、このアクチュエータは、第1と第2の要素を非拡開状態と拡開状態との間で移行させるために、第1と第2の可撓性要素に作動的に接続されている。
一部の実施形態では、第1と第2の要素を所望の拡開状態に保持(ロック)するために、アクチュエータを複数の位置のうちの1つに維持するための保持(ロック)機構が設けられる。保持機構を解除するために、解除機構を設けることができる。
一部の実施形態における本システムは、第1と第2の要素の近位部を保持するための近位カプラと、第1と第2の要素の遠位部を保持するための遠位カプラとを備え、近位カプラおよび遠位カプラは、カテーテルが内視鏡上にバックロードされるときに内視鏡をその中に貫通させて受容するように寸法設定された開口を有し得る。一部の実施形態では、カバーリングの遠位部は、遠位カプラに接続されており、カバーリングの近位部は、近位カプラに接続されている。
カバーリングは、その中に除去する組織を封入するために閉止可能とすることができる。縫合糸のような可撓性閉止部材をカバーリングに取り付けることができ、可撓性閉止部材は、引っ張られることでカバーリングを閉止する。
一部の実施形態では、第1および/または第2の横ブリッジ部材を設けることができる。第1の横ブリッジ部材は、リトラクタシステムの剛性を向上させるために、第1と第2の可撓性要素を連結するように設けることができる。第2の横ブリッジ部材は、リトラクタシステムの剛性を向上させるために、第3と第4の要素を連結するように設けることができる。
本開示の別の態様により、患者の体内管腔内で最小侵襲手術を実施するためのシステムを提供し、このシステムは、可撓性カテーテルのルーメンに貫通させて挿入可能かつ軸方向に移動可能な第1の可撓性チューブを備える。第1の可撓性チューブは、その中に貫通して延びる第1のチャネルを有し、この第1のチャネルは、その中で軸方向移動するための第1の内視鏡器具を受容するように構成および寸法設定されており、第1のチャネルは、第1の遠位開口で終端している。第1の可撓性チューブは、長手軸と、この長手軸に対して湾曲した状態に移行可能なチューブ遠位部とを有し、遠位部は、長手軸に対して第1の方向に延びる第1の湾曲と、長手軸に対して第2の異なる方向に延びる第2の湾曲と、を含む。一部の実施形態では、第1の可撓性チューブは、吹送を失うことなく第1の内視鏡器具を収容するために、近位部に弁を有する。
一部の実施形態では、本システムは、可撓性カテーテルの第2のルーメンに貫通させて挿入可能かつ軸方向に移動可能な第2の可撓性チューブをさらに備え、第2の可撓性チューブは、その中に貫通して延びる第2のチャネルを有し、この第2のチャネルは、その中で軸方向移動するための第2の内視鏡器具を受容するように構成および寸法設定されている。第2のチャネルは、第2の遠位開口で終端しており、第2の可撓性チューブは、長手軸と、この長手軸に対して湾曲した状態に移行可能なチューブ遠位部とを有し、遠位部は、長手軸に対して第1の方向に延びる第1の湾曲と、長手軸に対して第2の異なる方向に延びる第2の湾曲と、を含む。一部の実施形態では、第1および第2の可撓性チューブは、カテーテル内にあるときには、その長手軸に沿って略一直線状である。
本開示の別の態様により、患者の胃腸管などの体内管腔内で最小侵襲手術を実施する方法を提供する。この方法は、好ましくは、可撓性内視鏡の近位領域上に可撓性カテーテルを配置するステップと、標的組織を可視化するために、体内管腔内に可撓性内視鏡を挿入するステップと、カテーテルを内視鏡上で進めるステップと、リトラクタシステムを、非拡開挿入状態から、より大きな手術空間を形成するように体内管腔を広げるための拡開状態に拡開させるステップと、二重湾曲した先端部を有する第1の可撓性チューブであって、カテーテル内で軸方向に移動可能かつ回転可能である第1の可撓性チューブの、湾曲した先端部を位置決めおよび向き設定するために、該第1の可撓性チューブをカテーテル内で操作するステップと、を含む。可撓性チューブの遠位部は、長手軸に対して第1の方向に延びる第1の湾曲と、長手軸に対して異なる方向に延びる第2の湾曲と、を含む。本方法は、好ましくは、第1の可撓性チューブ内で第1の内視鏡器具(ツール)を操作するステップであって、第1の内視鏡器具の遠位先端部と標的組織との間の距離を調整するために、一定の第2の湾曲を規定して、選択された位置に位置決め可能な第1の可撓性チューブ内で、その選択された位置または一定の第2の湾曲の曲率を変更することなく、軸方向に移動させることが可能であり得る内視鏡器具を、操作するステップを、さらに含む。
一部の実施形態では、本方法は、a)二重湾曲した先端部(異なる方向に延びる第1と第2の湾曲)を有するとともに、カテーテル内で軸方向に移動可能かつ回転可能である第2の可撓性チューブの、その湾曲した遠位先端部を位置決めおよび向き設定するために、該第2の可撓性チューブをカテーテル内で操作するステップと、b)第2の可撓性チューブ内で第2の内視鏡器具を操作するステップであって、第2の内視鏡器具の遠位先端部と標的組織との間の距離を調整するために、一定の第2の湾曲を規定して、選択された位置に位置決め可能な第2の可撓性チューブ内で、その選択された位置または一定の第2の湾曲の曲率を変更することなく、軸方向に移動させることが可能であり得る第2の内視鏡器具を、操作するステップと、を含むことができる。
一部の実施形態では、第1の可撓性チューブの遠位先端部および/または第2の可撓性チューブの遠位先端部は、通常は湾曲しており、挿入の際にカテーテルによる拘束範囲内にあるときには、略直線状の状態にあり、カテーテルによる拘束範囲から露出すると、湾曲した状態に自動的になる。
一部の実施形態では、第1と第2の可撓性チューブは、独立に軸方向に移動可能で、かつ独立に回転可能である。一部の実施形態では、これらの可撓性チューブは、取り外し可能にカテーテルの中に挿通可能であって、カテーテルに結び付けられないままとされる。
一部の実施形態では、第1と第2の内視鏡器具は、標的組織と三角配置を実現するように、標的組織に向けて角度設定される。
本方法は、術具を、内視鏡のワーキングチャネルの中に貫通させて、リトラクタシステムにより形成された手術空間の中へ挿入するステップをさらに含むことができる。
リトラクタシステムは、カバーリングを含むことができ、本方法は、除去する標的組織を封入するために、カバーリングを閉止するステップをさらに含むことができる。
本方法は、リトラクタを剛性化するステップをさらに含むことができる。一部の実施形態では、リトラクタシステムを剛性化および安定化させるために、リトラクタシステムに対して、剛性化構造体を遠位に向けて進めるためのコントロールを作動させる。
別の態様における教示は、患者の体内での位置決めを容易にするための浮動式マルチルーメンカテーテル・リトラクタシステムを含む。一部の実施形態では、本システムは、該システム内の少なくとも略浮動式の構成において、浮動チャネルおよび浮動内視鏡を誘導するように構成された高可撓性アウタチューブを備える。この可撓性アウタチューブは、ルーメンと、近位端部と、二重湾曲した遠位端部とを有し得る。そして、本システムの使用時には、浮動チャネルは、患者の体内の標的組織の処置において操作される器具のガイドとして機能することができる。一部の実施形態では、器具として、把持具、鉗子、スネア、クランプ、ハサミ、メス、切開器具、内視鏡ステープラ、組織ループ、クリップアプライヤ、縫合糸送達器具、またはエネルギーによる組織凝固器具もしくは組織切断器具、を含むことができる。さらに、一部の実施形態では、浮動チャネルは、器具を操作するように、屈曲可能部を動かすための挙上要素を有し得る。
浮動チャネルを用いるシステムにおいて、浮動チャネルは、第1の近位位置および第1の遠位位置で、アウタチューブのルーメンに少なくとも略取り付けることができるとともに、第1の近位位置と第1の遠位位置との間で、アウタチューブのルーメン内において少なくとも略浮動していることができる。同様に、このようなシステムの使用時に、一部の実施形態では、浮動内視鏡は、第2の近位位置および第2の遠位位置で、アウタチューブのルーメンに少なくともスライド可能に取り付けることができるとともに、第2の近位位置と第2の遠位位置との間で、アウタチューブのルーメン内において少なくとも略浮動していることができる。この浮動式の構成によって、本システムの柔軟性を向上させることができるとともに、標的組織の処置のための患者の体内での本システムの位置決めを容易とすることができる。
本明細書で提示するシステムは、いくつかの異なる治療方法で使用することができる。例えば、本システムは、病変部への多方向・多角度アプローチを用いて胃腸病変を処置する方法において使用することができる。この方法は、患者の胃腸管内において、本システムを位置決めすることであって、処置する標的病変部の近傍にリトラクタを配置することを含めて、位置決めすることと、術具を使用するための処置空間を形成するように、リトラクタを拡開させることと、例えば組織が開創および安定化されたときにいくつかの病変部が一層よく見えるように、可視化を改善することと、例えば十二指腸乳頭の位置を最適化することにより、手技中のそのカニュレーションを容易とするように、術具に対して標的組織を最適に位置決めすることと、術具によって標的組織を処置することと、リトラクタを閉縮させることと、患者の体内からシステムを抜去することと、を含むことができる。病変として、例えば、穿孔、組織病変、ポリープ、腫瘍、出血、憩室炎、潰瘍、癌組織、血管異常、または盲腸を含むことができる。
最小侵襲で胃腸障害を手術治療するためのシステムの第1の実施形態の斜視図であり、リトラクタシステムを閉縮状態で示している。 図1のシステムの縦断面図 リトラクタシステムを拡開状態で示す、図1と同様の斜視図 拡開状態で示すリトラクタシステムの別の実施形態説明図 図3のリトラクタシステムの側面図 結腸内の病変部を除去するために使用される図1のシステムを示しており、システムを全体的に示すために結腸を切欠図で示しており、図中で、リトラクタシステムは拡開状態にあり、器具チャネルがカテーテルから延出しており、内視鏡器具が器具チャネルから延出している。 図5のシステムの側面図 図5のシステムの正面図 結腸内に挿入された本システム説明図 本出願と譲受人が同一である同時係属中の先願のシステムを示しており、このシステムは、結腸内の病変部を除去するためのものとして示されており、非対称腔を有し、また、システムを全体的に示すために結腸を切欠図で示しており、図中で、リトラクタシステムは拡開状態にあり、器具チャネルがカテーテルから延出しており、内視鏡器具が器具チャネルから延出している。 図9のシステムの部分断面側面図 図9のシステムの部分断面正面図 本システムの別の実施形態の斜視図であり、カテーテルおよび2つの器具チャネルを示している。 (結腸内に内視鏡を挿入する前に)図13の内視鏡の近位端部上に挿通される図11のカテーテルの斜視図であり、リトラクタシステムを閉縮状態で示している。 結腸への内視鏡の挿入を示している説明図 図13の内視鏡上でさらに前進させた図11のカテーテルを示す斜視図であり、リトラクタシステムを閉縮状態で示している。 標的組織に隣接する所望の位置まで、内視鏡上で完全に前進させたカテーテルを示す斜視図であり、リトラクタシステムを閉縮状態で示している。 図11のカテーテルの近位端部の斜視図 リトラクタシステムを補強する剛性化構造体を前進させるためのアクチュエータの近位位置から遠位位置への動きを示す部分断面側面図 リトラクタシステムを補強する剛性化構造体を前進させるためのアクチュエータの近位位置から遠位位置への動きを示す部分断面側面図 剛性化構造体の別の実施形態を示す、図15と同様の斜視図 可撓性要素上で前進させた図17Cの剛性化構造体を示す、図17Cと同様の斜視図 2つの器具チャネル(ガイド)を、これらをその中に挿通させるための図11のカテーテルの近位端部に隣接させて示す斜視図 器具チャネルの別の実施形態を示す、図18と同様の斜視図 図11のカテーテルに挿入された器具チャネルを示す斜視図 器具チャネルの別の実施形態を示す、図19Aと同様の斜視図 リトラクタシステムを閉縮状態から拡開状態に移行させるためのアクチュエータの近位位置から遠位位置への動きを示す側断面図 リトラクタシステムを閉縮状態から拡開状態に移行させるためのアクチュエータの近位位置から遠位位置への動きを示す側断面図 拡開状態のリトラクタシステムを示し、さらに、リトラクタシステムの拡開によって形成された手術空間(腔)内に進められた器具チャネルを示す、図15と同様の図 リトラクタシステムを拡開させる前に器具チャネルをカテーテルから前進させた別の実施形態を示す、図21Aと同様の図 第1の器具チャネルから前進させた第1の内視鏡器具(ツール)を示す、図21Aと同様の図 第2の器具チャネルから前進させた第2の内視鏡器具(ツール)を示す、図22と同様の図 器具チャネルからさらに前進させた両方の内視鏡器具を示す、図23と同様の図 結腸壁の病変部を切除するために器具チャネルからさらに前進させた内視鏡器具を示す、図24と同様の図 リトラクタシステム内に配置された切開器具によって結腸壁から除去された病変部を示す、図25と同様の図 剛性化構造体を備えない別の実施形態を示す、図26と同様の図 結腸から抜去するためにリトラクタシステムを閉縮状態に戻すためのアクチュエータの近位への動きを示す、カテーテルの近位端部の斜視図 その中に病変部を保持した閉縮状態のリトラクタシステムを示す、図26と同様の図 除去する病変部を封入するために閉止されたカバーリング部材を示す、図28と同様の図 リトラクタシステムが拡開状態にある本システムの正面図であり、カテーテルから延出する2つのチャネルを示している。 カバーリング(バッグ)を閉止する縫合糸を保持するためのスイッチを示す断面図 カバーリング(バッグ)を閉止する縫合糸を保持するためのスイッチを示す断面図
本明細書で提供される教示は、広くは、内視鏡的に(最小侵襲で)胃腸障害を手術治療するための改良された方法および装置に関するものである。本システムは、本明細書で開示されるシステムによって形成される内視鏡手術スイートを含む。手術スイートは、可逆的に拡開可能なリトラクタを備え、それは、略対称に拡開するものであり、また、器具チャネルは、詳細は後述する二重湾曲した構成を有し、これにより、器具から標的組織までの距離を最大限とすることで、それぞれ独立に操作される1つ以上の器具および/または内視鏡で標的組織を可視化するとともに最小侵襲で患者の外部から標的組織を処置するための空間を最大限に確保する。本明細書で教示される実施形態によって、数ある改善の中でも、標的組織に対するそれぞれの器具の独立した操作性および三角配置(トライアンギュレーション)を増進するための、器具ポートと標的組織との間の距離の拡大が得られる。距離のこの拡大によって、さらに、より大きな視野を得る方法を提供することもできる。本明細書で教示されるシステムにより、例えば、(i)体外からの制御を用いて、胃腸管などの蛇行した体内管腔および身体開口内で標的組織の周囲に手術空間を構成することを可能とし、(ii)内視鏡および把持具などの多様な手術ツールおよび器具を体外から標的組織に向けて通すための可撓性通路を提供し、(iii)手術空間内の把持具などの器具を体外から組織化および制御する、ことができる。
本明細書で開示される一部の実施形態では、カテーテルのチャネルに関節式内視鏡を挿通させることにより、カテーテルを関節式内視鏡上に配置する。他の実施形態では、通常の結腸鏡のような可撓性内視鏡上にカテーテルをバックロードすることにより、カテーテルを可撓性内視鏡上に配置する。その後、例えば結腸鏡である内視鏡を、標的組織に隣接した位置まで挿入し、次に、可撓性内視鏡上でカテーテルをさらに進めることで、リトラクタを標的組織に隣接させる。
本明細書で開示される一部の実施形態では、標的組織を処置するための内視鏡器具(ツール)を、マルチルーメンカテーテルの個々のルーメンまたはチャネルに直接挿通させる。器具(ツール)をカテーテルのルーメンまたはチャネルに直接挿通させるこれらの実施形態では、器具は、遠位端部に二重湾曲を有することができ、遠位端部は、カテーテルから露出すると、自動的に二重湾曲した状態となることができ、これにより、標的組織から離れる方向に湾曲してから、標的組織に向かって湾曲する。あるいは代替的に、器具は、第1および/または第2の湾曲を得るように、遠位先端部を関節動作させる/曲げるために、ユーザによって能動的に制御される機構を有することができる。いずれの場合においても、器具は、後述するように空間を最大限に確保するために、二重湾曲構成を有し得る。他の実施形態では、内視鏡器具(ツール)をカテーテルのチャネルまたはルーメンに直接挿通させるのではなく、カテーテルのルーメンまたはチャネルの中に、可撓性チューブ(器具ガイド)を挿通させて、これが器具のためのガイドとして機能する。すなわち、まず、可撓性チューブをカテーテルのルーメンまたはチャネルに挿通させて、その後、内視鏡器具を個々の可撓性チューブに挿通させる。可撓性チューブは、遠位端部に二重湾曲を有し、遠位端部は、カテーテルから露出すると、自動的に二重湾曲した状態となることができ、これにより、標的組織から離れる方向に湾曲してから、標的組織に向かって湾曲し得る。あるいは代替的に、可撓性チューブは、第1および/または第2の湾曲を得るように、遠位先端部を関節動作させる/曲げるために、ユーザによって能動的に制御される機構を有することができる。可撓性チューブを用いるこれらの実施形態では、可撓性チューブが湾曲すること、およびその操作性によって、内視鏡器具の位置決めおよび向き設定が制御されるので、内視鏡器具は、予め湾曲させた先端部または関節機構を備える必要はない。
二重湾曲では、チューブの遠位部がチューブの長手軸から離れる(図5の向きで見た場合の)下向きに湾曲してから上向きに湾曲し、さらに一部の実施形態では長手軸を通り越しており、これによって、チューブの開口から標的病変部までの距離は、長手軸から標的病変部に向かって湾曲する単湾曲を有する可撓性チューブと比較して増加している。これにより、チューブに挿通される器具のアクセスおよび操作性が向上する。同様の効果が、単湾曲を有する器具と比較して、二重湾曲を有する器具によって得られる。
本明細書に教示される方法、装置、およびシステムは、外科手術において最小限のアクセス外傷および最小限の周囲組織損傷を伴う最小侵襲手術のために使用することができる。最小侵襲手術は、組織損傷もしくは組織損傷のリスクを最小限にするか、または回避することにより、患者の外傷を減らし、治癒を早め、危険度を低くし、ひいては入院期間および費用を減らすために望ましい。
また、本明細書で開示するシステムは、三角配置を実現することも可能とする。組織が2つの内視鏡器具の間に三角配置される組織三角配置によって、アクセスおよび操作性が向上する。
図1〜7は、内視鏡的に最小侵襲で胃腸障害を手術治療するためのシステムの一実施形態を示している。システムは、該システム100内で1つ以上のチャネル110および内視鏡115を誘導するように構成された可撓性アウタチューブ105を備える。可撓性アウタチューブ105は、例えば、システム100の使用時にチャネル(複数の場合もある)および内視鏡を収容するために、ルーメンと、近位端部(図示せず)と、遠位端部108と、を有する。ルーメンは、ユーザが器具チャネル110を近位端部で操作できるように、近位端部から遠位端部まで延在し得る。アウタチューブ105は、代替的に、マルチルーメンチューブとすることができ、その場合、別々のルーメンに内視鏡および個々の器具チャネルを収容し、システム100の使用時には、チャネル110は、これを通して、患者の胃腸管(または他の部位)の標的組織190の処置で器具120、125を挿入および操作できるガイドとして機能し得る。チャネル110は、例えば、独立に操作可能かつ関節動作可能な器具と作用的に接触することができ、また、チャネルは、屈曲可能部を動かすための挙上要素を有することができる。従って、一部の実施形態におけるチャネルは、ユーザによる操作のためにアウタチューブ105の近位端から延出し得るのに十分な長さを有する。器具チャネル110は、その長手軸から離れる方向に曲がってから、標的組織190に向かうように、遠位端部で屈曲可能または関節動作可能である。このような屈曲性は、図5に示すような屈曲状態を形状記憶させた形状記憶材料の器具チャネル(ガイド)110を設けることによって実現することができる。器具チャネル110は、挿入のためにアウタチューブ105のルーメン内に入っているときには、略直線状の状態にあり、アウタチューブ105の遠位端から進められると、第1の湾曲112と第2の湾曲114を有する図5の二重屈曲した状態に戻る。第1の湾曲は、長手軸から離れる下向きに延びており、第2の湾曲は、長手軸に向かう上向きに延びている。システムの向きが変わると、「下向き」および「上向き」という呼び方が変わることは明らかである。目的は、例えば標的病変部である標的組織の方を向いた遠位開口を、器具チャネル(および/または内視鏡器具)に有することである。他の実施形態では、器具チャネル110は、遠位端部に接続された挙上要素または操作ワイヤのような機構を有することができ、これは、器具チャネルを二重屈曲状態に移行させるためにユーザまたはアクチュエータによって引っ張ることができる。器具チャネルの屈曲性を実現するためのこれらの様々な方法を、本明細書に記載のシステムの種々の実施形態で用いることができる。この二重屈曲状態の効果については後述する。
器具チャネルに挿通される器具は、当業者に周知の任意の器具とすることができる。例えば、器具120、125として、把持具、鉗子、スネア、ハサミ、メス、切開器具、クランプ、内視鏡ステープラ、組織ループ、クリップアプライヤ、縫合糸送達器具、またはエネルギーによる組織凝固器具もしくは組織切断器具、を含むことができる。多くの場合はチャネル110の遠位端部である屈曲可能部を動かすための、チャネル110の屈曲性によって、その中に配置された器具120、125を操作する、すなわち屈曲させる。一部の実施形態では、少なくとも1つのチャネル110および/または内視鏡115は、少なくとも略自由に、操作中にアウタチューブ105内で移動できるか、または「浮動する」ことができ、これにより、システム100は、浮動式マルチルーメンカテーテル・リトラクタシステムであると考えることができる。なお、「ツール」および「器具」という用語は、本明細書で教示されるいくつかの実施形態において区別なく使用され得ることは、理解されるべきである。理解できるように、器具120、125は、本明細書に記載の方法で器具チャネル110を屈曲させたときに、その中に配置された器具も屈曲するように、少なくとも遠位部において可撓性とすることができる。あるいは代替的に、器具120、125は、器具チャネル110の屈曲性に依拠することなく曲がるように、関節動作可能もしくは制御可能に屈曲可能であり得るか、または形状記憶材料もしくは他の材料で構成できることも企図される。
また、2つの器具チャネル110を図示しているが、2つよりも多くの器具チャネルまたは1つのみの器具チャネルを有するシステムを用いることもできることは、理解されるべきである。さらに、内視鏡は、把持具または切開器具などの術具を挿入するためのワーキングチャネルを有することができる。
また、器具チャネルを必要とすることなく、器具は、アウタチューブ105のルーメンに直接挿通できるような曲げ特性を備え得ることも企図される。これらの実施形態では、器具チャネルに依拠することなく、標的組織に向けた二重湾曲および屈曲/曲げが実現されるように、器具自体が、屈曲可能または関節動作可能な特性を有する。
本システムは、図1に示すように、可逆的に拡開可能なリトラクタ150を備え、これは、拡開することで、患者の体内で処置空間または手術腔160を形成する。リトラクタ150は、例えば、アウタチューブ105の遠位端部108よりも遠位で拡開するように構成することができる。リトラクタ150は、リトラクタ要素151、152、153、154を、これらのリトラクタ要素151、152、153、154に少なくとも略取り付けられるか、かつ/または少なくともスライド可能に係合されて、リトラクタ要素151、152、153、154に作動的に接続された近位カプラ198、および、リトラクタ要素151、152、153、154と作動的に接続した遠位点としての遠位ネクサスまたはハブ(またはカプラ)199と共に、含むことができる。
一部の実施形態では、アウタチューブは、本明細書で教示される目的で、有用であると当業者が考える任意の寸法を有することができる。そのような寸法の例は、特許文献2で提示されており、この文献は、上述のように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
アウタチューブは、本明細書で教示される目的で、有用であることが当業者に知られている任意の材料で製造することができる。例えば、アウタチューブは、ポリマ、または場合によってはワイヤ補強材が埋め込まれたポリマを含むことができる。ワイヤ補強材は、メッシュ、編組体、ヘリカルコイル、またはそれらの任意の組み合わせとすることができる。ワイヤ補強材として、本明細書に記載の目的で、有用であると当業者が考える任意の材料を含むことができる。そのような補強材は、同じく特許文献2に記載されている。なお、アウタチューブは、可撓性で、弾性屈曲可能であるべきであるが、一方、トルクをハンドルまたはシステムの近位端部からリトラクタまたはシステムの遠位端部に伝達するのに十分なねじり剛性であるべきであることは、当業者であれば理解できる。
手術空間は、例えばポリープ切除である処置の器具のための十分なワーキングディスタンスを確保するように形成され、これにより、個々の器具の手技および操作を向上させて、組織の三角配置を可能とする。また、手術空間距離は、同じく効果的には、標的組織の視認性を向上させるように形成される。本明細書で記載される二重屈曲によって、手術空間はさらに改善される。
上述のように、一部の実施形態では、システムは、器具および内視鏡を操作するための少なくとも2つのワーキングチャネルを有するマルチルーメンカテーテルを備えることができ、2つのワーキングチャネルはそれぞれ、互いに独立かつ内視鏡から独立な6自由度を有する。内視鏡および器具を独立に操作可能であることによって、例えば、1つの器具で、組織または病変部を、例えば切開器具である他の器具から離間する方向または略垂直な方向に開創することが、内視鏡の位置ひいては治療部位の視野を独立に最適化しつつ、可能となる。これによって、周囲の正常組織と共に組織を除去することが容易となる。これらのチャネルによって、一部の実施形態では6自由度であるいくつかの自由度で器具を操作することが可能であり、現在の最新技術のシステムと比較して、手術領域において大きく向上した操作性が得られる。一部の実施形態では、少なくとも1つの独立に操作可能かつ関節動作可能な器具を、約360度までの様々な角度に独立に動かすことができる。
図1〜8は、いくつかの実施形態により、本明細書で教示されるようなシステムを、上行結腸Cの病変部を処置するために、いかにして位置決めできるのかを示している。結腸壁からのポリープ切除に関する本明細書における記載は、他の外科的用途および他の体腔に使用することができるシステム(ならびに本明細書で開示される他のシステム)の例として図示および説明されるものである。システムは、病変部190(図5)を処置するために、図1の非拡開状態で、結腸Cに挿入することができる。病変部は、内視鏡115によって確認することができる。挿入を容易とするために、シースまたはカバーをリトラクタ要素151、152、153、154上に配置することができ、このとき、シースの遠位端は、遠位カプラ199に当接しているか、あるいは遠位カプラに被せられている。標的部位に挿入した後に、シースを取り除くことで、続いて図3の状態に拡開させるためにリトラクタ要素を露出させる。一部の実施形態では、リトラクタ要素は、拡開状態に付勢されて、シースによって閉縮送達状態に保持されることができる。そのような実施形態では、リトラクタ要素を露出させるようにシースを取り除くことで、リトラクタ要素を図3のその拡開状態に自動的に拡開させることが可能となる。
リトラクタ要素151、152、153、154の拡開によって、略対称な手術空間160が病変部190に隣接して形成される。一部の実施形態におけるリトラクタ150は、遠位カプラ199および近位カプラ198を互いに対して動かすことによって、拡開させることができ、このとき、カプラ198、199間の距離を短くするほど、リトラクタ要素は、アウタチューブ(カテーテル)105の長手軸に対して、より多く側方に押しやられる。別の実施形態では、リトラクタ要素を、アクチュエータに作動的に接続することができ、これにより、詳細は後述する図11の実施形態にあるように、アクチュエータを動かすことで、リトラクタ要素を弓なりに撓ませる。さらに別の代替実施形態では、リトラクタ要素は、ニチノールなどの形状記憶材料または他の材料で構成することができ、これにより、それらは、アウタチューブまたはアウタチューブを被覆するシースから露出すると、例えば形状記憶された拡開構成であるその拡開構成に自動的に戻る。そのような形状記憶リトラクタ要素を用いる場合、それらは、露出すると、自動的に図1の状態から図3の状態に移行する。
システム100は、(i)病変部190を視認するのに使用される関節動作可能であり得る少なくとも1つの独立に操作可能なスコープ115と、(ii)病変部190を処置するのに使用される少なくとも1つの独立に操作可能かつ関節動作可能な器具120、125のための少なくとも1つの器具チャネル110と、(iii)リトラクタ150と、を備える。リトラクタ150は、アウタチューブ105の遠位端部108よりも遠位に配置することができる。病変部190を処置することは、例えば、(i)関節式スコープ115で病変部190を視認することと、(ii)病変部190への多方向・多角度アプローチによる病変部190の処置において少なくとも1つの器具120、125を使用することと、を含むことができる。
一部の実施形態では、独立に操作可能かつ関節動作可能なスコープ115と少なくとも1つの器具120、125は、手術領域160内で独立に軸方向に移動可能であって、手術領域160内で独立に回転可能、かつ手術領域160内で独立に少なくとも1つの方向に屈曲可能とすることができる。リトラクタによって、結腸を過伸展、損傷、または断裂させることなく、病変部190を処置するための、より大きな手術領域160が得られる。
留意すべきことは、図5に示すようにリトラクタシステム150を拡開させた後に、視認性を向上させるために、手術空間160内で内視鏡115を標的病変部190に向けて関節動作させることが可能であるということである。
図5は、病変部190への多方向・多角度アプローチを示しており、手術領域160、内視鏡115、および器具120、125を、病変部190に対して位置決めする手順を示している。図5に示すようにリトラクタ150を拡開させた後に、システム100のユーザは、病変部190を視認して、手術空間内160で任意の略所望の角度から器具120、125でアプローチすることができる。上述のような器具チャネル110は、病変部からの距離を増加させるように病変部190から離れる方向に延びる第1の屈曲または湾曲112と、病変部190に向かう方向に延びる第2の屈曲または湾曲114と、を有し、これにより、器具チャネル110に挿通された内視鏡器具を病変部190の方向に向けることができる。このようにして、器具チャネル開口から病変部までの距離を、最大限に確保することができ、そして一部の実施形態では、(後述する図18Aにあるように第2の湾曲よりも遠位の器具チャネルの長さを減少させることにより)本出願と譲受人が同一である同時係属中の特許文献2の非対称腔を示す図9、10A、10Bの非対称腔における器具チャネル開口から病変部までの距離と略同等とすることができる。図5、6、7の二重湾曲器具チャネル110を用いる対称腔の場合を、リトラクタ要素251、252によって形成される図9、10A、10Bの非対称手術空間260の単湾曲器具チャネル220の場合と比較すると、それぞれ、病変部190までの距離が増加しており、そして一部の実施形態では略同じであり得るので、対称腔を用いることによって(対称腔は広がりがより少ない)内視鏡器具のアクセス、視野、操作性が損なわれないことが分かる。また、図7および図10Bに示すように、三角配置も実現される。
図5〜7を再び参照して、図示のような器具チャネル110を、マルチルーメンカテーテルまたはチューブ105の個々のルーメンの中に進めて、そして、それらの器具チャネル110に、内視鏡ツールまたは器具を挿通させ、このとき、それらの器具の遠位端部は、個々の器具チャネル110よりも遠位に延出する。これらの器具チャネルの利点については、図11の実施形態に関連して、より詳細に後述するが、そのような利点は、この器具チャネルを用いる本実施形態および他の実施形態に当てはまる。また、上述のように、別の実施形態において、器具チャネルを使用することなく、内視鏡器具をカテーテルまたはチューブのルーメンに直接挿入できることも、それらが屈曲可能/関節動作可能な器具チャネルを用いることなくそれらの操作を可能とする上述の二重屈曲/関節動作の特性を有することを条件として、企図される。
図示のように、器具120、125の角度設定が異なることによって、効果的に、アクセス、操作性、病変部の除去を支援するための組織三角配置を実現している。留意すべきことは、胃腸管から病変部190を切除するための切開器具は、他の切開/切除器具を用いることもできるものの、一部の実施形態では電気手術器具の形態のものであり得るということである。切除された病変部190は、手技の完了に向けて、リトラクタアセンブリに取り除けることができる。病変部190の切除のための器具を、病変部の閉鎖のための別の器具で置き換えることができる。機械的(例えば、クリップ、ステープル、または構造体)、接着剤、電気外科用エネルギーなど、種々の方法で、欠損を閉鎖することができる。リトラクタ150の中に病変部190を取り収めた後に、患者からのシステムの抜去に向けて、リトラクタを閉縮させることで、閉縮したリトラクタ要素151、152、153、154内に病変部190を閉じ込めることができ、これは、閉縮したリトラクタ要素内に保持された病変部をさらに封入するために、カテーテル上をスライドさせることができるオプションのリトラクタカバーを使用することを含む。
遠位ネクサスまたはハブ199は、環状形状で図示しているが、円錐状、半球状、球状など、当業者にとって望ましいほとんどあらゆる形状とすることができ、また、システムの遠位端を越えて内視鏡を通すためのポートを有していても、有していなくてもよい。上述のように、一部の実施形態では、近位カプラ198を遠位カプラ199に向けて動かすこと、遠位カプラを近位カプラ198に向けて動かすこと、または両方のカプラを互いに向けて動かすこと、が可能であり、これにより、それらの距離を減少させて、リトラクタ要素を径方向外向きに押しやる。近位カプラ198と遠位カプラ199との間の距離を制御することにより、リトラクタ要素が外側へ拡開する程度を制御することができる。カプラ198、199の間の距離を調節することにより、必要に応じてリトラクタ150を拡開状態と閉縮状態との間で繰り返し移行させることができる。また、そのような制御されたリトラクタ要素の拡開は、図11の実施形態にあるように、リトラクタ要素の近位端をアクチュエータに作動的に接続することによって実現することもできる。あるいは、上述のように、リトラクタ要素は、カテーテルまたはシースから露出すると自動的に拡開するように、例えば形状記憶材料のような材料で構成することができる。
一部の実施形態では、図3の実施形態にあるように、さもなければ可撓性であるリトラクタ150の構成を補強することにより、リトラクタを可逆的に安定化することができる。リトラクタ150の安定化は、一部の実施形態では、拡開したリトラクタ150を支持するための、例えば少なくとも略剛性のビーム175を有するスタビライザを含むことができる。略剛性のビーム175は、断面が略矩形状、断面が略円状、または他の断面形状のもの、とすることができる。それは、リトラクタ要素と同じ材料のものか、またはより高剛性の材料のものとすることができる。これは、本明細書に記載のように、より安定化された腔を形成する助けとなる。ビーム175は、リトラクタ要素が拡開のためにアウタチューブから露出するときに露出される、より高剛性の要素によって形成することができ、あるいは、独立にアウタチューブから進められるもの、もしくは剛性化構造体を前進させることにより形成されるもの、とすることができる。リトラクタ要素151、152、153、154のうちの1つ以上を安定化させることができるように、いくつかのリトラクタ要素に剛性化構造体を備えることができる。
可撓性ビームから剛性化構造体を形成する実施形態では、一部の実施形態において、可撓性ビームを構成する可撓性チューブ上に剛性ロッドをスライド可能に挿通させることにより、可撓性ビームから剛性ビームを形成することができる。より具体的には、この実施形態では、可撓性ビームは、その上に、剛性ロッドのような安定化構造体または剛性化構造体をスライド可能に受ける。剛性化(安定化)構造体は、剛性化構造体に作動的に接続されたスライドレバーのようなコントロールをユーザが駆動することにより、独立に作動させることができ、このとき、アクチュエータを遠位方向に動かすことで、剛性化構造体を可撓性ビーム上で前進させて、これによりビームを補強する。あるいは、可撓性ビームは、その中に剛性ロッドのような剛性化構造体をスライド可能に受容するためのルーメンを有することができる。どちらの形態の構造体も、任意選択的に、本システムをより可撓性の元の状態に戻すことでリトラクタシステムの閉縮を助けるために、可撓性ビームから退避させることができる。ビームは、断面が略円状とすることができるが、他の断面形状も企図される。剛性ビームは、さもなければ体内管腔壁によって遠位端部に作用する圧力により生じ得るカテーテルの遠位端部の撓みを、制限する。少なくとも略剛性のビームは、拡開時にリトラクタに作用する力が発生するときのリトラクタの変形を防止または抑制し、カテーテル先端部の屈曲を防止または抑制する。そのような力として、外側に広がる組織からの力、ならびに手術空間を形成するためにリトラクタ要素に付与される初期力、が含まれる。剛性ロッドは、可撓性チューブの内径(ルーメン)から出入りするように(あるいは可撓性チューブの外径上を)スライド可能な、例えばステンレス鋼もしくは他の金属または合金である剛性材料を含む直線状部材とすることができる。上述の実施形態にあるように可撓性チューブを補強するとともに直線状にするために、剛性ロッドを可撓性チューブの中へ(あるいは可撓性チューブ上に)前へと(すなわち経口的に)押し進めることができる。可撓性チューブの長さに沿って剛性ロッドを押し進めることにより、可撓性チューブまたは可撓性ビームは、剛性かつ直線状となり、実際には、リトラクタシステムを安定化させるために、リトラクタ構造体全体を少なくとも略剛性かつ直線状にする。また、可撓性チューブまたは可撓性ビームは、一連の剛性チューブを含むこともでき、それらのチューブのルーメンに可撓性の非伸縮性ケーブルを貫通させる。ケーブルを緩めると、例えば一連の剛性チューブのそれぞれの間のバネなどの圧縮可能部材を用いて可撓性の非オーバラップ構成を提供するように、一連の剛性チューブは離れ離れになり得る。ケーブルを締めると、圧縮可能部材は圧縮し、剛性チューブが重なり合って、可撓性ビームを剛性ビームに変換する。このような代替機構は、本明細書に記載の実施形態のいずれで用いることもできる。この場合、例えば結腸である蛇行した体内管腔内に本システムを挿入するときには、リトラクタは、非拡開状態かつ可撓性であり得る。この可撓性によって、リトラクタは、蛇行した体内管腔の屈曲に従って曲がることが可能となることで、体内管腔に外傷を生じさせることなく、容易に前進することが可能である。リトラクタが体内管腔内の標的位置まで進んだら、本明細書に記載のように、リトラクタの可撓性ビームを、直線状にするとともに補強することができる。本システムは、可撓性かつねじり剛性であり得るので、近位のシャフトまたはハンドルを、標的病変部の位置に対して所望通りに回転させることが容易に可能である。
一部の実施形態では、可撓性ビームは、ポリマを含むことができる。可撓性ビームは、例えばステンレス鋼またはニチノールなどの金属を含む、例えば、金属ワイヤ、編組体、またはコイルで補強された可撓性チューブとすることができる。一部の実施形態では、可撓性チューブは、耐キンク性であって、トルクを伝達することができる。さらに、一部の実施形態では、可撓性チューブは、可撓部と剛性部の両方の組み合わせを含むことができる。これらの実施形態では、可撓部は、例えば剛性部の間に位置し得る。そのような可撓性チューブは、一部の実施形態において、エポキシまたはシアノアクリレートを用いた接着を含む、当業者に周知の任意の方法を用いて連結された、オーバラップチューブの複合体を含むことができる。
図3Aは、リトラクタシステム250の代替実施形態を示しており、これは、剛性ビームが設けられていないことを除いて、図3のリトラクタシステム150と同じものである。それ以外の構成要素は、リトラクタシステム150と同じであり、便宜のために「200」番台で表示しており、従って、本システム250は、リトラクタ要素251、252、253、254と、近位ハブ298と、遠位ハブ299と、器具チャネル(または器具)用ルーメン206a、206bと、を備える。
リトラクタに安定性を付与するために、ブリッジ部材を用いることができる。例えば、リトラクタシステム150は、拡開時のリトラクタ要素を所望の向きに維持するように構成されたブリッジ部材144を含むことができ、ブリッジ部材144は、4つのリトラクタ要素151、152、153、154のうちの少なくとも2つ151、152を作用的に安定化させる。すなわち、図3の実施形態では、ブリッジ部材144は、2つのリトラクタ要素151、152に接続されている。ブリッジ部材144は、これらの要素151、152のための横構造体を形成して、左右の動きを制限する。また、ブリッジ部材144は、ブリッジ144と、リトラクタ要素153および154と、に接続された第2のブリッジ部を含むこともでき、これにより、4つのすべてのリトラクタ要素151、152、153、154を接続する。ブリッジ部材144は、別個の部品とするか、あるいはリトラクタ要素151、152の一方または両方と一体に形成することができる。ブリッジ部材は、要素151,152と同様の材料で構成することができ、または異なる材料で構成することができる。
安定性を高めるために、追加のブリッジ部材をリトラクタ要素に設けることができる。なお、本明細書で開示される他のリトラクタの実施形態で、1つ以上のブリッジ部材を使用することができることに留意すべきである。
一部の実施形態では、ブリッジ部材144は、使用時に周囲の組織からの抗力を低減するように構成することができる。例えば、経口的な前進を容易とするように傾斜した前向き要素144a、および経肛門的な逆進を容易とするように傾斜した逆向き要素144bを含むように、ブリッジ部材144を設計することにより、ブリッジ部材144は、胃腸管内でのシステムの移動を容易とするように構成することができる。
一部の実施形態では、ブリッジは、システムが組織に緩やかに適合するようにいくらかの弾力または弾性も与えつつ、リトラクタ要素が互いに向かって閉縮すること、または互いから離れるように屈曲することを防ぐために、撓むように設計することができる。なお、ブリッジが、所望の材料特性を与える任意の適切な材料を含み得ることは、当業者であれば理解できる。例えば、ブリッジは、湾曲したニチノールワイヤから形成することができる。例えば、ニチノールワイヤの端部は、チューブコネクタ、接着剤、またははんだを含む、考えられる任意の製造プロセスを用いて、リトラクタ要素に接続することができる。
本明細書で教示されるシステムは、メッシュ、編組体などでワイヤ補強されたアウタチューブを備えることができ、これにより、システムに耐キンク性およびトルク伝達性を与えるとともに、患者の体内におけるシステムの位置決めをさらに容易としている。
図3は、マルチルーメン106a、106bを示している。中央ルーメン106Cは、上述の内視鏡115のような内視鏡を収容することができる。ルーメン106bは、第1の内視鏡器具用の第1のワーキングチャネルを収容することができ、ルーメン106aは、第2の内視鏡器具用の第2のワーキングチャネルを収容することができる。ワーキングチャネルは、その中に第1と第2の器具を直接受けることができ、あるいは、本明細書に記載の器具チャネル(器具ガイド)であって、その中にスライド可能に配置される内視鏡器具を曲げるための器具チャネルを受けることができる。
「器具チャネル」という用語は、「ワーキングチャネル」もしくは「器具ガイド」という用語と区別なく使用され得る。一部の実施形態では、チャネルは、アウタチューブの内部に配置された別個の部品とすることができ、またはアウタチューブ内に配置された例えば内視鏡、ワーキングチャネル、器具、ガイドなどを含む個々の要素間に残るアウタチューブのルーメン内の空間とすることができる。
リトラクタ要素は、カバーリングを備えることができ、これにより、リトラクタ要素151、152、153、154に、その断面直径を増加させることによって体積が追加される。カバーリング151a、152a、153a、154a(図3)は、個々のリトラクタ要素の中間部に延在するものであって、熱収縮チューブの形態のものとすることができる。カバーリングは、より可撓性が低い領域を提供することによって、拡開の制御を助ける。
例えば結腸である蛇行した体内管腔内に本システムを挿入するときには、リトラクタは、非拡開状態かつ可撓性であり得る。この可撓性によって、リトラクタは、蛇行した体内管腔の屈曲に従って曲がることが可能となることで、体内管腔に外傷を生じさせることなく、容易に前進することが可能である。リトラクタを体内管腔内の標的位置まで進めたら、本明細書に記載のように、補強が提供されている場合は、リトラクタの可撓性ビームを直線状にするとともに補強することができる。本システムは、可撓性かつねじり剛性であり得るので、近位のシャフトまたはハンドルを、標的病変部の位置に対して所望通りに回転させることが容易に可能である。
例えば、より大きな角度範囲で病変部にアクセスするとともに、病変部の視野と、操作および病変切除の能力を向上させるために、内視鏡および器具を独立に操作することができる。例えば、把持具を、器具チャネルから手術空間内に進めて、ポリープに向けて屈曲させ、ポリープを把持し、そして、本明細書で教示されるマルチチャネルシステムに貫通させた切開器具によって切除するために、ポリープの基部を露出させるように組織を開創することができる。
別の実施形態では、本システムは、患者の体内でのシステムの位置決めの融通性を高めるために、アウタチューブ内で浮動しているものとすることができる。このような浮動式システムは、本出願と譲受人が同一である同時係属中の、2012年6月22日に出願された特許文献6に記載されている。そのような浮動式システムの使用時には、ワーキング(浮動)チャネルおよび/または内視鏡は浮動しており、従って、それらは、(i)第1の近位位置(図示せず)および第1の遠位位置で、アウタチューブのルーメンに少なくとも略取り付けられており、かつ(ii)第1の近位位置(図示せず)と第1の遠位位置との間で、アウタチューブのルーメン内において少なくとも略浮動している。浮動している個々の要素によって、標的組織の処置のための、患者の体内での本システムの位置決めは、融通性が高まるとともに、より容易となる。
それぞれの器具チャネルは、図11の実施形態に関連して後述するような形態で、ハンドルに作動的に接続することができる。さらに、一部の実施形態では、プルワイヤの近位への引き込みの程度を制御することにより、先端部の角度を制御するためのアクチュエータが設けられ、より多く引き込むほど、先端部はより多く屈曲し、引き込みが少ないほど、先端部の屈曲の程度は少ない。複数の器具チャネルを設けることができ、これら複数の器具チャネルを単一のアクチュエータで制御することができ、あるいはそれぞれの器具チャネルに個別のアクチュエータを設けることができる。さらに、器具チャネルの先端部の屈曲状態を維持するために、アクチュエータ(複数の場合もある)の位置をロックするための種々の機構を用いることができる。
また、器具チャネルを制御するために他の機構を用いることもできる。代替的に、器具チャネルのうちの1つ以上は、予め二重屈曲(二重湾曲)させた先端部を有することができ、その先端部は、マルチルーメンチューブ(カテーテル)による拘束範囲内にある挿入状態のときは略直線状であり、カテーテルによる拘束範囲から露出すると、二重湾曲した状態に戻る。
本明細書で記載するように、チャネルまたはガイド(可撓性チューブ)は、リトラクタによって形成される手術空間内での鉗子などの器具の軌道および位置を制御するように構成することができる。一部の実施形態では、チャネルを、本システムのアウタチューブから取り外すこと、またはアウタチューブ内に挿通させること、が可能である。それらのチャネルは、本明細書に記載のシステムにおいて有用であると当業者が考えるほとんどあらゆるサイズとすることができる。例えば、チャネルは、約1mm〜約5mmの範囲、約2mm〜約4mmの範囲、約1mm〜約3mmの範囲、またはこれらの範囲内の任意の範囲の、内径を有することができる。チャネルの長さは、当然のことながら、システムの長さに対して補完的でなければならない。例えば、チャネルは、約40”〜約72”の範囲、約48”〜約60”の範囲、約42”〜約70”の範囲、約44”〜約68”の範囲、またはこれらの範囲内の1”きざみの任意の範囲の、長さを有することができる。
また、それらのチャネルは、本明細書で記載する用途に適することが当業者に知られている任意の材料または構成を含むこともできる。例えば、チャネルは、単一のポリマ層、複数のポリマ層、ワイヤ補強層、またはそれらの組合せを含むことができる。
チャネルの遠位先端部を屈曲させるために、内層と外層との間に組み込まれたプルワイヤを備えた副ルーメンを設けることができる。一部の実施形態では、副ルーメンは、内層と補強層との間に配置することができ、または副ルーメンは、内層の一部とすることができる。アウタチューブの内部に配置された器具(ワーキング)チャネル(可撓性チューブまたはガイド)によって、器具を独立に操作するための、体外から、リトラクタの拡開によって体内で形成される手術空間内までの、操作可能な通路を有するマルチルーメンカテーテルが提供される。
一部の実施形態では、3つの別々のチャネルを効果的に設けるために、アウタチューブの内面に隣接させて、2つのインナチューブを配置することができる。2つのインナチューブは、2つの独立な器具チャネルとして機能し得る一方、これらの第1の2つのチャネルとアウタチューブとの間の空間は、第3のチャネルとして機能する。第3のチャネルは、他の2つのチャネルよりも相当に大きいものとすることができる。一部の実施形態において、最も直径が大きいチャネルは、内視鏡用のチャネルとすることができる。
インナチューブは、器具または内視鏡の通過および移動を容易とする潤滑性のために、テフロン(テフロンは登録商標である)のようなフルオロポリマなどの様々な材料で構成することができる。使用され得るその他の材料として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、Pebax、ナイロン、ポリウレタン、シリコーン、およびこれらの複合材料が含まれ、これらの各々は、潤滑コーティングと共に用いることもできる。それらのチューブは、さらに、編組体、メッシュ、またはヘリカルコイルなどの金属ワイヤ補強材を含むこともでき、これらの各々は、チューブに組み込むことができる。
本明細書で提示するシステムは、いくつかの異なる治療方法で使用することができる。例えば、本システムは、病変部への多方向・多角度アプローチを用いて胃腸病変を処置する方法において使用することができる。この方法は、患者の胃腸管内において、本システムを位置決めすることであって、処置する標的病変部の近傍にリトラクタを配置することを含めて、位置決めすることと、術具を使用するための処置空間を形成するように、リトラクタを拡開させることと、術具によって病変部を処置することと、リトラクタを閉縮させることと、患者の体内からシステムを抜去することと、を含むことができる。病変として、例えば、穿孔、組織病変、ポリープ、腫瘍、癌組織、出血、憩室炎、潰瘍、血管異常、または盲腸を含むことができる。
一部の実施形態では、リトラクタを標的部位に送達するとき、標的部位において標的組織を処置するとき、標的組織を除去するとき、および/または患者の体内から本システムを抜去するとき、またはこれらの組み合わせのときに、リトラクタを含むシステムの一部を被覆するカバーまたはシースを設けることが望ましい。標的部位へのリトラクタの送達、または標的部位からのリトラクタの抜去の際に、組織に引っ掛かる、突っ掛かる、もしくはその他の干渉、または接触する可能性のある(ブリッジ部材を含む)要素をリトラクタが有することは、当業者であれば理解できる。シースは、標的組織(図示せず)の処置のための標的部位(図示せず)へのリトラクタ150の送達のために、閉縮構成のリトラクタ150を覆うことで、少なくとも略滑らか、かつ/または無傷性の表面状態にする。さらに、標的組織の処置は、例えば、周囲組織と標的組織を混同することなく、カバー内で実施できる組織の切除を含むことができる。また、切除組織は、カバー内に封入することによって、処置中または除去中に閉じ込めることが望ましい癌組織または他の組織であり得る。このため、シースは、切除組織の封入および/または取り出しのための回収手段を形成する。「カバー」および「シース」という用語は、区別なく使用され得るものであり、また、このような実施形態は、本明細書で教示されるような改良の余地があることは、当業者であれば理解することができる。
一部の実施形態では、シースは、透明であって、一端で遠位ハブまたはカプラに取り付けられており、そして近位カプラまたはハブを越えて近位に及んで、カテーテルの外面に取り付けられている。あるいは、シースは、近位端で近位カプラに取り付けることができる。シースは、送達中のリトラクタ150の周りで少なくとも略閉じた状態とすることができ、そして処置のための手術空間160を形成するようにリトラクタ150が拡開すると、開くように設計することができる。あるいは、リトラクタ要素の拡開とシースとは、独立とすることができる。
一部の実施形態では、シースは、長手方向に目打ち(図示せず)されたものとして、リトラクタが拡開するときに、標的部位において目打ち部で引き裂かれることによりシースが開くように設計することができる。一部の実施形態では、リトラクタの頂部でスリットを少なくとも略閉じるために、さねはぎ機構である例えばジップロック機構を用いることができ、これも同じく、リトラクタが拡開するときに標的部位において開くことができる。一部の実施形態では、リトラクタ150が拡開するときに標的部位においてシースを引き裂くもしくは開くことが容易となるように、より大きな穿孔または閉じていない部分を、シースに残すことができる。いくつかの実施形態において、「スリット」および「開口」という用語は、区別なく使用され得る。
一部の実施形態では、シースを再閉鎖可能とすることができるように、シースを可逆的に開くことが可能である。例えば、開口と相互作用する引き紐、ケーブル、またはワイヤを作動的に配置することができ、処置中に患者の体外から引き紐、ケーブル、またはワイヤを引くもしくは押すことにより、開口を再閉鎖する。一部の実施形態では、開口の縁部に、長手方向のポケットまたはチャネルを形成することができ、この場合、他の作動手段と同様に、引き紐、ケーブル、またはワイヤを本システムに通し、そして場合によってはハンドルに通すなどして、処置中に患者の体外から必要に応じて引き紐、ケーブル、またはワイヤを引くか、もしくは押す。一部の実施形態では、シースを再閉鎖するために引き紐を使用し、その場合、スリットを閉じるためにハンドルで紐を締めることができ、またはリトラクタの拡開を可能とするために緩めることができる。一部の実施形態では、シースは、ケージの中央部の周りに横方向に延びる補強ストリップを有し、これにより、ケージワイヤが周囲のシースに引っ掛かることなく拡開することを容易とする。補強ストリップは、既存のシースに溶接または接着されたシースの別層とすることができる。また、それは、増肉領域として形成することもできる。あるいは、横方向に延びるポケットに補強材を挿入することができる。補強材は、シースの材料と同じ材料のものとすることができる。
使用時に、一部の実施形態では、リトラクタシステムが閉縮挿入状態から拡開状態に移行する時に、拡開可能なリトラクタ要素は、シースから広がり出るように拡開する。シースは、例えば患者の身体から除去することである処置を施されるべき標的組織に対向する面において、開いた状態に維持することができる。あるいは、シースを、閉じた状態に維持して、除去された病変部を受けるために内視鏡器具によって開くことができる。
図11〜30は、全体を参照符号1100で示す、システムの代替実施形態を示している。システム1100は、(本明細書では可撓性チューブとも呼ばれる)1つ以上の器具チャネルまたは器具ガイドを受けるように構成されたマルチルーメンカテーテルまたは管状部材1110を備える。図11は、2つの器具チャネル1122および1124を示しているが、理解されるように、一部の実施形態では、1つのみの器具チャネルを用いることができ、他の実施形態では、カテーテルに十分な数のルーメンを備えて、2つ以上の器具チャネルを用いることができる。器具チャネル1122、1124は、図11に示すように、カテーテル1110と共に、キットとしてパッケージ化することができる。あるいは、器具チャネル1122、1124は、別にパッケージ化することができる。他の実施形態では、器具チャネルは、カテーテル1110のルーメン内に予めパッケージ化されている。それぞれの器具チャネル1122、1124は、内視鏡器具(ツール)をその中に貫通させて受容するためのルーメン(チャネル)を有する。
器具チャネル1122は、その遠位先端部1122aに二重湾曲(屈曲)を有し、長手軸から離れる方向に(図11および図18の向きで見た場合の下向きに)延びる第1の湾曲(曲げ)1122bを規定して、そこから長手軸に向かって第2の反対方向に(図11および図18の向きで見た場合の上向きに)延びる第2の湾曲1122cに移行している。器具チャネル1124は、同様に、その遠位先端部1124aに二重湾曲(屈曲)を有し、長手軸から離れる方向に(図11および18の向きで見た場合の下向きに)延びる第1の湾曲(曲げ)1124bを規定して、そこから長手軸に向かって第2の反対方向に(図11および18の向きで見た場合の上向きに)延びる第2の湾曲1124cに移行している。第1の湾曲によって、器具チャネルの遠位開口1122d、1124dから標的病変部までの距離は、下向き屈曲を持たない単湾曲の場合と比較して増加している。器具チャネル(可撓性チューブまたはガイド)1122および1124を、カテーテル1110の近位端部に挿通させて、カテーテル1110の個々のルーメン1112、1114(図12を参照)を通って前進させる。カテーテル1110の近位部1113を示す図16に示すように、カテーテル1110は、ルーメン1112、1114(図12)とそれぞれ協働するポート1115、1117を有することができ、これらは、その中に器具チャネル1122、1124が挿通されてその中で軸方向に並進するときに吹送を維持するための、弁を含むことができる。
器具チャネル1122、1124は、カテーテル1110のルーメン1112、1114内に挿入されると、予め屈曲された先端部1122a、1124aが好ましくは略直線状となり、これによりルーメンを通って前進することが容易となる。器具チャネル1122、1124は、十分に遠位方向に進められて、遠位先端部1122a、1124aがカテーテルルーメン1112、1114の壁による拘束範囲から露出すると、先端部1122a、1124aは、予め設定された二重湾曲状態に戻る。これは、カテーテル1110内での移動のための器具チャネル1122、1124の直線状の状態を仮想線で示す図18を参照して、理解することができる。本明細書で開示される他の実施形態にあるように、器具チャネル1122、1124は、超弾性材料で構成することができるが、露出すると略直線状の挿入形状から湾曲形状に戻る湾曲先端部を得るために、ステンレス鋼など、他の材料を使用することもできる。同じく、本明細書で開示される他の実施形態にあるように、ニチノールのような材料の形状記憶特性を利用して、形状記憶された湾曲先端部を用いることができる。上記のような代替実施形態では、器具チャネル1122、1124は、その遠位端部を屈曲させるために作動されるプルワイヤのような機構を有することができる。図11〜30の実施形態における器具チャネル1122、1124は、使用時にそれらの軸方向の移動を近位端部1122b、1124bからユーザが自由に制御できるようにするため、カテーテル1110に結び付けられていない。一方、別の実施形態では、器具チャネルは、浮動チャネルを提供するように、例えば近位端および遠位端で、カテーテルに取り付けられ得ることも企図される。
器具チャネル1122、1124は、オプションとして、カテーテルルーメン1112、1114に挿通させた器具チャネル1122,1124の挿入深さについてユーザに視覚インジケータを提供するために、カテーテル1110よりも近位の領域に、それぞれ指標1123、1125を含むことができる。器具チャネル1122、1124は、近位端に、身体から逆流する吹送ガスを遮断することが可能な弁を備えたルアーフィッティング1127、1129(図11および図19A)をそれぞれ有することができる。これにより、後述のように、器具チャネル1122、1124に内視鏡器具が挿通されるときに吹送を維持する。図19Bに示す代替実施形態における器具チャネルは、器具挿通時に吹送を維持するために、器具チャネル1122’、1124’の近位端に接続された止血弁1121a、1121bをそれぞれ有している。図示のように、弁1121a、1121bは、ルアーフィッティング1127’、1129’よりも近位にある。器具チャネル1122’、1124’は、その他のすべての点で、器具チャネル1122、1124と同じものである。
図18の実施形態では、器具チャネル1122、1124の遠位先端部が、器具チャネル1122、1124の長手軸を越えて径方向に延びることで、遠位開口は、軸を越えたところにある。図18Aの代替実施形態では、遠位先端部1222a、1224aは、長手軸を越えて径方向に延びてはいないため、遠位開口は、器具チャネル1122、1124の長手軸と略揃った位置にある。このように第2の湾曲の後(遠位)の長さが短縮されると、遠位開口から病変部までの距離は、増加して、さらに一部の実施形態では、上述の非対称腔で得られる距離と略同等となり得る。図18Aの器具チャネルは、それ以外の点では図18の器具チャネルと同じである。あるいは代替的に、器具チャネルの遠位開口は、遠位開口から標的病変部までの距離をさらに増加させるために、器具チャネルの長手軸よりも(図18Aの向きで見た場合の)下に位置することができる。
一実施形態では、器具チャネル1122、1124は、Pebaxなどの可撓性軟質材料で構成することができる。一部の実施形態では、Pebax材料の壁の中に、例えば湾曲部の範囲内に、超弾性ニチノールの骨格を組み込むことができる。また、他の材料も企図される。
カテーテル1110は、さらに、好ましくは、内視鏡1200を受容するように構成および寸法設定されたルーメン1116(例えば図16を参照)を有する。一部の実施形態では、ルーメン1116は、例えば通常の結腸鏡である通常の内視鏡を受容するように寸法設定されており、カテーテル1110は、内視鏡上にバックロードされる。これについては、使用方法に関連して、さらに詳細に後述する。別の実施形態では、ルーメン1116は、関節式内視鏡を受容することができる。さらに、別の実施形態では、内視鏡を、カテーテルに挿入し、そして体内管腔内に挿入することができる。
図11および図16を参照して、カテーテル1110は、近位部1113にハンドルハウジング1130を有し、これは、リトラクタシステム1150の動作を制御するためのアクチュエータ1132と、設けられている場合の剛性化(安定化)構造体の動作を制御するためのアクチュエータ1134である2つのアクチュエータを収容している。カテーテル1110は、さらに、ルアー継手1137を備えたチューブ1139と、内部ガスケット1176を閉塞させるための制御スイッチ1175(図31A、図31Bを参照)と、を有する。スイッチ1175が、図31Aの位置から図31Bの位置に動かされると、カバーリング1170を閉止するための縫合糸1172が、弾性ガスケット1176によって固定される。より具体的には、図31Aの初期位置では、ハウジング1179のスロット内に設置されたボール弁1174は、ガスケット1176に対して力を加えない。このため、縫合糸1172は、カテーテルのルーメン内で自由に動くことが可能である。縫合糸1172の位置をロックしたい場合、すなわちカバーリング1170を閉止するために縫合糸1172を締めた後には、スイッチ1175を前方にスライドさせることにより、ボール1174を(図31Bの向きで見た場合の)下方にカム動作させて、ガスケット1176のルーメンをつぶして縫合糸1172に当てることにより、縫合糸1172を固定する。これにより、縫合糸1172が動かないようにロックされることで、カバーリング(バッグ)は、本明細書に記載のように標的組織を封入した閉止状態に維持される。留意すべきことは、スイッチ1175を逆に動かすことによって、縫合糸1172のロックが解除されることで、縫合糸1172は自由に動くことが可能になるということである。カテーテル1110は、さらに、吹送ポートを提供するための一方活栓1038を備えたチューブ1136を有する。このポートは、内視鏡1200によって供給される吹送ガスを補充するために使用することができる。ルーメン1116の断面寸法が、内視鏡1200の断面寸法を超えていることで、十分な間隙が残されているので、吹送ガスは、ルーメン1116内で内視鏡1200の周囲の領域を通って流れる。図示のように、チューブ1139、1136は、アクチュエータ1132、1134よりも遠位に配置されている。
次に、体内管腔再成形システムまたは体内管腔再構成システムを形成するリトラクタシステム1150に注目すると、最初に図12を参照して、リトラクタシステム1150は、カテーテル1110の遠位部1111(近位ハブ1140よりも遠位)に配置されており、可撓性リトラクタ要素1152、1154、1156、1158を有している。リトラクタ要素1152、1154、1156、1158は、体内管腔内で手術腔(空間)を形成する拡開可能な要素を形成しており、視認性および手術空間を改善するために、略対称なケージを形成する。略対称腔が形成されると、二重湾曲した器具チャネル(あるいは二重湾曲した器具)は、さもなければ単湾曲の先端部の場合に犠牲とされた標的病変部からの距離を犠牲にすることなく、この成形腔に適合する。
図15と21Aの比較で示されるように、リトラクタ要素1152、1154、1156、1158は、それらが好ましくはカテーテル1110の横断寸法を超えて広がってはいない閉縮挿入状態から、それらが側方外向きに弓なりになるとともに横断寸法がカテーテル1110の横断寸法を超えて広がる拡開状態に、移行する。図示のように、リトラクタ要素1152、1154、1156、1158は、カテーテル1110の長手軸を通る平面の両側に広がることによって、略対称なケージまたは手術空間1151を形成する。
リトラクタ要素1152、1154は、リトラクタに安定性を付与するとともに拡開時のリトラクタ要素を所望の向きに維持するためブリッジ部材1155を有する。ブリッジ部材1155は、2つのリトラクタ要素1152、1154に、好ましくは中間部で、接続されることで、これらの要素1152、1154のための横構造体を形成して、左右の動きを制限している。図示のように、ブリッジ部材1155は、リトラクタ要素1152に接続された第1のアーム1155aと、リトラクタ要素1154に接続された第2のアーム1155bと、を有する。(図15の向きで見た場合の)上面は、図示のような円弧状であり得る。ブリッジ部材1155は、リトラクタ要素1152、1154にそれぞれ装着される管状要素1159a、1159bによって、リトラクタ要素に接続された別個の部品とすることができる。この形態では、管状要素1159a、1159bは、リトラクタ要素を受けるための第1の開口と、ブリッジ部材のアームを受けるための第2の開口と、を有する。なお、一部の実施形態では、リトラクタ要素1152、1154は、(他の寸法も企図されるものの)直径が約0.035インチであるため、管状要素1159a、1159bによって、リトラクタ要素1152、1154の直径も増大するということに留意すべきである。また、ブリッジ部材を装着する他の方法も企図される。あるいは、ブリッジ部材1155は、リトラクタ要素1152、1154の一方または両方と一体に形成することができる。ブリッジ部材1155は、要素1152、1154と同様の材料で構成することができ、または異なる材料で構成することができる。ブリッジ部材1155は、さらに、ブリッジ部材を下側要素1158、1156にそれぞれ接続することで、リトラクタシステムの安定性を高めるために、下側リトラクタ要素1158、1156にそれぞれ接続されるレッグ1155dおよび1155eを有することもできる。これらのレッグ部材は、より多くの構造体をケージに追加して、より予測可能にケージを拡開させることを容易とするために、好ましくは、ポリウレタンチューブなどの軟質エラストマ材で構成される。
安定性を高めるために、追加のブリッジ部材(図示せず)をリトラクタ要素1152、1154に設けることができる。一部の実施形態において、ブリッジ部材1155は、閉縮状態では、図15および17Aにあるように略軸方向に延在し得るが、リトラクタ要素1152、1154の拡開状態では、図21Aにあるように、カテーテル1110の長手軸に向かって内向き(下向き)に傾くように変化し得る。
(図15の向きで見た場合の)下側の2つのリトラクタ要素1156、1158の間に、追加のブリッジ部材1157(または複数のブリッジ部材)が延在する。これらの要素1156、1158は、リトラクタシステム1150の下側部分を広げる助けとなるとともに、手術空間のためのケージを形成する助けとなることができ、また、ブリッジ部材(複数の場合もある)1157は、これらの要素1156、1158を、例えば左右の動きを制限して、安定化する助けとなることができる。図示のようなブリッジ部材1157は、要素1156、1158にそれぞれ接続するアーム1157a、1157bを有する。ブリッジ部材1157は、リトラクタ要素1156、1158にそれぞれ装着される管状要素1161a、1161bによって、リトラクタ要素に接続された別個の部品とすることができる。管状要素1161a、1161bは、要素1156または1158を受けるための第1の開口と、ブリッジ部材1157のアームを受けるための第2の開口と、を有することができる。また、ブリッジ部材(複数の場合もある)を装着する他の方法も企図される。あるいは、ブリッジ部材1157は、リトラクタ要素1156、1158の一方または両方と一体に形成することができる。ブリッジ部材1157は、要素1156、1158と同様の材料で構成することができ、または異なる材料で構成することができる。
安定性を高めるために、追加のブリッジ部材(図示せず)をリトラクタ要素1156、1158に設けることができる。一部の実施形態において、ブリッジ部材1157は、閉縮状態では、図15にあるように、カテーテル1110の長手軸に略平行であるか、または略軸方向に延在し得るが、リトラクタ要素の拡開状態では、傾斜した状態に変化し得る。
カテーテル1110は、近位カプラ(キャップ)1140を有し、これに貫通してリトラクタ要素が延出している。ハンドルハウジング1130は、長手方向に延びるスロット1131(図16)を有し、これに沿ってリトラクタアクチュエータ1132が軸方向にスライドする。リトラクタ要素1152、1154、1156、1158は、図20Aおよび20Bに示すように、ブロック1146を介してアクチュエータ1132に接続されている。すなわち、それぞれのリトラクタ要素1152、1154、1156、1158は近位延長部を有し、これは、カテーテル1150内の個々のルーメンの中を通って延在して、その近位端でブロック1146に接続されている。このように、アクチュエータ1132を、図20Aのその近位位置から図20Bのその遠位位置に、軸方向スロット1131に沿って動かすと、ブロック1146が遠位方向に動いて、これにより、要素1152、1154、1156、1158がそれらの遠位端部で遠位カプラ1148に固定して接続されていることから、リトラクタ要素1152、1154、1156、1158は、側方外向きに押しやられる。一実施形態では、要素1152、1154、1156、1158は、遠位カプラ1148に形成されたスロット内に固定することができる。なお、後述のようにカテーテル1110が内視鏡上にバックロードされる場合には、近位カプラ1140および遠位カプラ1148は、内視鏡を受容するように寸法設定された開口を有し得るということに留意すべきである。ハウジング1130は、アクチュエータ1132に結合された歯が係合するための複数の歯(図示せず)を有することができ、これにより、いくつかの選択位置のうちの1つにリトラクタ要素を保持するための保持機構またはロック機構を形成している。保持機構またはロック機構のための解除機構を設けることができる。
さらに、例えばカプラ198、199である上述のカプラと同様の方法で、リトラクタ要素1152、1154、1156、1158を拡開させるために、例えば、相対的に移動可能なカプラ1140、1148を提供することなど、リトラクタ要素を拡開させるための別の方法を利用できることは、理解されるべきである。また、リトラクタ要素は、代替的に、カテーテルまたはシースから露出すると拡開する形状記憶材料など、自己拡開する材料で構成することもできる。
リトラクタ要素1152、1154、1156、および/または1158は、オプションとして、遠位カプラ1148に固定されている位置に隣接した遠位端部に、平坦な場所を形成する小さいクリンプを有することができる。これによって、その点における曲げ剛性が減少することで、それは、より予測可能な方向に拡開を発生させるためのヒンジのように機能して、例えば、上方(または下方)に撓むとともに、外向きにわずかに撓むようにさせる。また、これによって、撓みを開始させるのに必要な力の量も減少する。このような平坦部は、本明細書で開示される他の実施形態のリトラクタ要素で用いることもできる。
リトラクタシステム1150は、さもなければ可撓性であるリトラクタ1150の構成を可逆的に補強するように構成することができる。これに関連して、リトラクタシステム1150は、本明細書に記載のように、より安定した腔(またはケージ)を形成する助けとなる拡開したリトラクタ1150を支持するための略剛性のビームを含むことができる。図15および17Aを参照して、閉縮構成では可撓性チューブまたはビーム1160が提供される一方、図17Bでは、リトラクタシステムは、可撓性ビーム1160から形成された剛性ビームを有する。より具体的には、本実施形態では、可撓性ビーム1160は、剛性チューブまたはロッド(ビーム)1162のような安定化構造体または剛性化構造体をスライド可能に受容するためのルーメンを有するロッドまたはチューブ1165の形態のものである。剛性化(安定化)構造体1162は、ユーザがアクチュエータ1134を動かすことにより、独立に作動される。アクチュエータ1134は、ハウジング1130の長手方向に延びるスロット内にスライド可能に取り付けられている。図17Aの初期位置では、剛性化構造体1162は、カテーテルのルーメン内に退避されており、可撓性チューブ(またはロッド)1160に係合していないか、または部分的にのみ係合しているか、いずれかである。剛性化構造体1162は、その近位端において、アクチュエータ1134に作動的に接続されているスライドブロック1164に接続されている。チューブ1160を剛性化するために、アクチュエータ1134を図17Bの位置まで遠位方向にスライドさせると、これによって、スライドブロック1164および接続された安定化構造体1162は遠位方向に進む。このような動きによって、剛性化構造体1162は、可撓性チューブ1160のルーメン1165を通って遠位端1160aまで進むことで、ビームを補強する。剛性化構造体1162は、任意選択的に、本システムをより可撓性の元の状態に戻すことでリトラクタシステム1150の閉縮を助けるために、可撓性ビーム1160から取り除くことが可能であり、これは、アクチュエータ1134を軸方向スロット内で逆方向(近位方向)にスライドさせることによって、可撓性チューブ1160内の進出位置から剛性化構造体1162を引き抜くことによる。一実施形態では、剛性化構造体1162は、可撓性編組ポリイミドチューブで連結された近位と遠位の金属管状構造体を有する構造体の形態のものである。しかしながら、他の構造体も企図されることは理解されるべきである。なお、構造体1160、1162は、断面が略円状とすることができるが、他の断面形状も企図されるということに留意すべきである。剛性ビームは、さもなければ体内管腔壁によって遠位端部に作用する圧力により生じ得るカテーテル1110の遠位端部1111の撓みを、制限する。
図17Aおよび17Bに示すように、アクチュエータは、いくつかの選択位置のうちの1つに剛性化構造体1162を保持するために、ハウジング1130内に配置されたラック1138の歯と係合する歯または爪1137を有するコネクタ1135を含むことができる。
図17Cおよび17Dの代替実施形態では、剛性化構造体を可撓性要素のルーメン内に進めるのではなく、剛性化構造体を可撓性要素上に進める。より具体的には、例えば管状部材1162’である剛性化構造体を、可撓性ビーム1160’上に動かすことよって、可撓性ビーム1160’を剛性化する。すなわち、剛性化部材1162’は、図17Cの矢印の方向に可撓性ビーム上に通されたときに、可撓性ビーム1160’を受容するように構成および寸法設定されたルーメンを有する。なお、明確にするため、図17Cおよび17Dでは可撓性要素1152を省略しているということに留意すべきである。このような動作のために、アクチュエータ1134、ならびに代替的方法を用いることができる。
図26Aの代替実施形態では、リトラクタシステムは、剛性化構造体を備えていない。リトラクタ要素1352、1354、1356、1358を有するリトラクタシステム1350は、その他のすべての点で、リトラクタシステム1150と同じものである。
カテーテル1110の遠位端部に、好ましくは、カバーリングまたはカバー1170が設けられる。図示の実施形態におけるカバーリング1170は、近位カプラ1140および遠位カプラ1148の周囲に取り付けられる。一部の実施形態では、カバー1170は、熱収縮ラップによって、カプラ(キャップ)1140、1148の周りに、プリーツ状にして密封される。カバー1170は、閉縮挿入状態の要素1152、1154、1156、1158の周りに配置されて、このとき、カバー1170の開口部は、例えば除去されるべき病変部である標的組織の方に向いている。すなわち、図15の向きでは、カバー1170の開口部は上方に向いている。カバー1170は、閉縮状態において開口部を有するように構成することができ、あるいは代替的に、リトラクタ要素1152、1154、1156、1158が拡開状態に移行するときの伸張によって開き得るスリットを備えることができる。リトラクタ要素1152、1154は、拡開するときに、標的組織に向かって、カバー1170を通り越して動く。あるいは、カバー1170の縁部を、リトラクタ要素1152、1154、1156、1158に装着することで、リトラクタ要素と共に動かすことできる。本明細書に記載の内視鏡器具によって標的組織が除去されると、その除去された組織はカバー1170内に配置され、そしてカバー1170は、組織を封入するとともに、体内管腔からの抜去中の漏出および播種を防ぐために、例えば図29に示す縫合糸または紐1172によって閉止される。縫合糸1172は、カバー1170の壁に、またはカバー1170に形成されたポケットもしくはチャネル内に、組み込むことができ、その場合、縫合糸1172は、遠位固定点で永続的に固定されて、締めるように近位方向に引っ張られることで、カバー1170を閉止する。
カバー1170は、リトラクタ要素1152、1154、1156、1158を覆うことによって、リトラクタシステムを標的部位に送達するための、滑らか、かつ無傷性の表面を提供することができる。また、カバー1170は、外科的手技中に、例えば管腔壁である望まない組織がビーム1160およびリトラクタ要素の間の空間を通って侵入することを防ぐ助けにもなる。
好ましい実施形態では、縫合糸1172の両端は、チューブ1139(図11)から延出している。それらの近位端は、ユーザによる把持を容易とするために、チューブの長さで覆うことができる。縫合糸1172は、スイッチ1137およびチューブ1139を通り、カテーテル内の専用ルーメン(チャネル)を通り、カバーリング1170を通って延びており、そして、これが取り付け(固定)されている遠位キャップ(カプラ)1148において、折り返している。手技中は、縫合糸1172は、張力がかからない状態に維持される。組織がカバー(バッグ)1170内に配置された後に、ループ状縫合糸1172の2つの近位端を近位方向に引っ張ることで、縫合糸1172を締めて、カバーリング1170を閉止する。その後、スイッチを、縫合糸1172に摩擦係合させるように動かすことができ、これにより、縫合糸を固定して、張った状態にロックすることで、カバー1170の閉止を維持する。
図11のシステムの使用について、以下で、ポリープなどの病変部を結腸壁から切除することに関して説明するが、理解されるように、本システム1100は、結腸または胃腸管内での他の手技に使用すること、ならびに患者の他の体内管腔または体腔内での手技に使用すること、が可能である。
最初に図12および13を参照して、結腸Bの壁から標的ポリープCを切除するための手技において、遠位視内視鏡1200は、その近位端部1201上に本システム1100がバックロードされたものが、結腸Bの管腔A内に挿通される。本実施形態における内視鏡1200は、約150〜170度の範囲の広い遠位視野を備えた遠位視スコープであり、従って、ポリープCおよび周辺領域を可視化することができる。標的組織に隣接させて、すなわち標的ポリープCよりもやや近位に、スコープ1200を配置した後に、システム1100を、内視鏡1200上でさらに前進させる。遠位カプラ(キャップ)1148は、開口1148aを有し、近位カプラ(キャップ)1140は、カテーテル1110のルーメン1116(図16)と連通した開口を有し、これにより、本システム1100をそのように内視鏡1200にバックロードすること、およびその上で前進させること、が可能となる。カテーテル1110を、図15に示すように標的部位に到達するまで、図14に示すように内視鏡1200上で前進させて、リトラクタシステム1150をポリープCに位置合わせする。理解できるように、カテーテル1110のこの挿入状態では、リトラクタシステム1150は非拡開(または閉縮)状態にあり、リトラクタ要素1152、1154、1156、1158は、好ましくは、カテーテル1110の横断寸法を超えていないか、またはわずかにしか超えていない。この状態では、リトラクタ要素は、カバーリング1170で覆われている。図示のように、この状態では、内視鏡1200の遠位端部1202は、好ましくは、近位カプラ1140の端に位置しており、手術空間1151内に延出していないことによって、手術空間内で内視鏡器具を操作するための、より多くの空間が残される。しかしながら、例えば、一部の形態では内視鏡が手術空間1151内に延出し得るなど、他の位置決めも企図される。なお、この挿入状態では、アクチュエータ1134、1132は、図16に示すように、その退避位置にあるということにも留意すべきである。
次に、リトラクタシステム1150を剛性化するために、アクチュエータ1134を、図17Aの位置から図17Bの位置に(併せて図16の矢印を参照)、遠位方向に動かすことで、剛性化構造体1162を、退避位置から、可撓性チューブ1160のルーメン1165内の進出位置に前進させる。これによって、上述のようにリトラクタシステム1150を補強/安定化する。なお、上述のように、リトラクタシステム1150は、代替的に、図17Cおよび17Dに示すように、可撓性要素上に剛性化構造体を進めることで、補強/安定化することができるということに留意すべきである。また、図26Aの実施形態にあるように、リトラクタシステムが剛性化/安定化構造体を備えていない場合は、アクチュエータは設けられず、このステップは省かれるということにも留意すべきである。
次に、リトラクタシステム1150を拡開させる。アクチュエータ1132を、図20Aの位置から図20Bの位置に(併せて図19を参照)、遠位方向に進める。これによって、(上述のように、リトラクタ要素1152、1154、1156、1158に作動的に接続されている)ブロック1146が前進することで、リトラクタ要素1152、1154、1156、1158は、側方外向きに押しやられて図20Bの状態に至り、これにより略対称な手術空間(腔)を形成する。
次に、ユーザが、器具チャネル1122、1124をカテーテル1110の近位領域のポート1115、1117(図19Aを参照)に挿通させて、カテーテルルーメン1112、1114を通して進めると、それらは、図21Aに示すように、ルーメン1112、1114の遠位開口から腔1151内に延出する。なお、留意すべきことは、それらがルーメン1112、1114から抜け出て、カテーテル1110のルーメン壁による拘束範囲から外れると、それらの遠位先端部1122a、1124aは、(図21Aの向きで見た場合の)下向きに湾曲してからポリープCに向かって上向きに湾曲する、その二重湾曲した(二重屈曲した)状態に戻るということである。図21Aでは、まずリトラクタ要素が拡開し、その後に続いて、器具チャネル1122、1124がカテーテルルーメン1112、1114から手術空間1151内へ挿入されるということに留意すべきである。しかしながら、別の実施形態では、器具チャネル1122、1124は、リトラクタ要素1152、1154が拡開する前に、カテーテルルーメン1112、1114を通って手術空間1151内に挿入され得ることも企図される。この別の方法を、図21Bに示しており、この場合、器具チャネルの先端部1122a、1124aは露出しているが、リトラクタシステム1150は依然として非拡開状態である。なお、器具チャネル1122、1124は、ポリープCに対するそれらの位置を調整するために、独立に回転させること、および/または軸方向に移動させることが可能であるということに留意すべきである。理解できるように、本明細書で使用される場合の「上向きに」および「下向きに」という用語は、参照図面におけるシステムの向きを意味する。システム(および標的組織)の姿勢が変われば、向きおよび用語も変わることになる。
器具チャネル1122、1124を挿入した後に、内視鏡器具(ツール)1210を、器具チャネル1124のルアーフィッティング1129(図19A)に挿通させて、器具チャネルのルーメン(チャネル)を通って前進させる。図22に示すように、第1の内視鏡器具1210は、器具チャネル1124から延出しているとともに、器具チャネル1124の二重湾曲に沿っている。第2の内視鏡器具(ツール)1220を、器具チャネル1122のルアーフィッティング1127に挿通させて、器具チャネル1122のルーメンを通って前進させる。図23に示すように、第2の内視鏡器具は、器具チャネル1122の二重湾曲に沿っている。上述のように、器具チャネルは、図19Bに示すように、止血弁などの弁を含むことができ、従って、内視鏡器具の挿入時および器具チャネルからの抜去時に、吹送が失われることはない。内視鏡器具1210、1220は、図24および25に示すように、軸方向にさらに移動させることができ、これにより、器具チャネル1122、1124からさらに延出して、ポリープCに接触するとともに、例えば切除である処置を施す。図23〜25を比較することにより示される内視鏡器具のこの動きは、器具チャネル1122、1124の利点を示している。理解されるように、器具チャネル1122、1124は、ポリープCに対して所望の位置にされると、それらは、一定の湾曲を規定するものと考えることができ、その一定の湾曲は、第2の湾曲1122c、1124cである。これは、内視鏡器具1210、1220が軸方向に進められると、それらが、曲率を変えることなく、かつポリープCに対して軸方向位置を変えることなく、標的ポリープCに近づくように動くことを意味し、このように特別な自由度が得られる。図示の実施形態では把持具である内視鏡器具1210で、ポリープCにテンションを付与する一方で、電気外科的切開器具1220で、結腸壁BからポリープCを切除/切断する。また、ポリープ切除用の他の内視鏡器具を用いることもできる。また、一部の実施形態では、単一の器具チャネルを用いることができ、例えば把持具または切開器具である他の内視鏡器具は、内視鏡のワーキングチャネル(ルーメン)に挿通させることができる。そのように内視鏡に挿通される器具を、2つ以上の器具チャネルを有する実施形態で用いることもできる。
また、器具チャネル1122、1124の角度、ひいてはそれらに挿通される内視鏡器具の角度によって、図30に点線で示すように、組織の三角配置を実現できるということに留意すべきである。さらに、上述のように、二重湾曲(いくらかU字状の先端部)によって、標的組織から器具チャネル1122、1124の遠位開口までの距離が、単湾曲を有する器具チャネルと比較して増加している。これは、結腸または体内管腔を過伸展または損傷させることなく最大限の拡開が得られる上述の特許文献2に記載の非対称腔と同じ空間を形成することができない略対称な腔で用いる場合に、特に効果的である。非対称拡開では、病変部から術具までの距離を増加させるとともに、手術空間を増大させて、再成形を実施することができる。略対称な腔の場合、本発明によって提供される二重湾曲を備えていなければ、病変部から術具までの距離は、非対称腔の場合と比較して減少することになる。これに匹敵する増加した距離が維持されることは、上述のように図6と10Aを比較することによって、さらに図18Aの短縮された遠位部の長さから、理解することができる。すなわち、図9および10Aの非対称腔では、体内管腔を再構成することで、標的組織の周囲で手術空間を増大および(より多くの空間を組織の周囲に形成するように)最適化させるとともに、標的組織と対壁との間の距離を増加させる。本発明の対称腔では、標的組織付近の手術空間を犠牲にして、非手術空間が広げられる。従って、標的組織とカテーテルの長手軸との間の距離は減少する。この減少を補償するために、二重屈曲した先端部によって、標的組織から器具ガイド(チャネル)までの距離を増加させることで、器具ガイドの遠位開口を標的組織から可能な限り離して位置決めするという目的を達成している。この場合、第1の屈曲によって、標的組織から器具ガイドの遠位開口までの距離を増加させる。第2の屈曲によって、遠位開口を標的病変部の方に向ける。
結腸壁BからポリープCを切除した後に、身体からの除去に向けて、図26に示すように、それをカバー1170内に配置する。必要に応じて、リトラクタシステムをより可撓性の状態に戻すために、アクチュエータ1134を近位方向に動かすことができる。カテーテル1110の抜去に向けて、拡開したリトラクタ要素1152、1154、1156、1158を図28のその閉縮状態に戻すために、図27の矢印の方向にアクチュエータ1132を近位に動かす。その後、紐または縫合糸1172を締めることで、図29に示すように、カバー(バッグ)1170を閉止して、ポリープCを封入するバッグを形成する。次に、紐1172をロックすることで、カバー1170を閉止状態に維持するために、スイッチ1175を図31Bの位置に動かすことができる。その後、カテーテル1110は、カバー1170内に保護(封入)されたポリープCと共に、結腸Bから抜去される。なお、カバー1170は、好ましくは透明であるため、リトラクタ要素、ブリッジ部材、ビームなどが図面に示されているということに留意すべきである。一方、図29では、カバー1170を理解しやすくするために、バッグ/カバー1170内部のリトラクタ要素、ブリッジ部材、ビームなどを仮想線で示している。
これらの内視鏡器具は、例えば、粘膜下切除または漿膜下切除など、組織部分切除に使用することができるということに留意すべきである。また、内視鏡器具は、組織全層切除に用いることもできる。それらの器具によって、周囲の健常組織と共に、病変部を除去することが可能となることで、病理学的病変の完全な一括切除が得られる。
ハンドルは、本システムの操作のための望ましい姿勢または人間工学的姿勢が得られる様々な形状のいずれかのものであり得ることは、当業者であれば理解できる。例として、リトラクタアクチュエータは、ハンドル上の指操作ボタンとして構成することができ、それをハンドルのスロット内で前後にスライドさせることで、リトラクタ要素を拡開または閉縮させる。リトラクタ位置を動的に調整またはラチェット調整するための手段を、ハンドルのスロットに沿って設けることができ、これにより、リトラクタアクチュエータ・ボタンが押下されていないときに、リトラクタ要素の位置を定位置にロックする。可撓性ビームを剛性ビームに変換、または剛性ビームを可撓性ビームに変換するためのスタビライザ・サブシステムに、ハンドルの反対側のボタンを作動的に接続することができる。ハンドルは、例えばハンドルの本体内を軸方向に通る内部チャネルであって、器具または内視鏡をアウタチューブ内に導入するための器具ポートと連通した内部チャネルを有することができる。一部の実施形態では、ハンドルは、システムの操作における「安全」機構として、リトラクタアクチュエータを作動させることを可能とするには、その前にスタビライザアクチュエータを作動させる必要があるように構成することができる。
上記の教示は、いずれかの動作理論または動作機構に限定する意図なく、あらゆる可能な実施形態のうちの一部を例示するために提示されたものであって、可能な実施形態は記載されたもののみに限られない。よって、同じく請求項の範囲内にある当該技術の範囲内で企図されるいくつかの変形例がある。

Claims (16)

  1. 患者の体内管腔内で最小侵襲手術を実施するためのシステムであって、
    内視鏡をその中に貫通させて受容するように構成および寸法設定された第1のルーメンと、第1の可撓性チューブをその中に貫通させて受容するように構成および寸法設定された第2のルーメンと、を有し、前記第1のルーメンは、第1の開口の遠位端において終端するとともに、前記第2のルーメンは、第2の開口の遠位端において終端する可撓性カテーテルと、
    前記第2のルーメンに貫通して移動可能である第1の可撓性チューブであって、該第1の可撓性チューブは、当該第1の可撓性チューブを貫通して延びる第1のチャネルを有し、該第1のチャネルは、その中で軸方向移動するための第1の内視鏡器具を受容するように構成および寸法設定されるとともに、第1の遠位開口で終端しており、該第1の可撓性チューブは、長手軸と、該長手軸に対して湾曲した状態に移行可能なチューブ遠位部と、を有し、該チューブ遠位部は、前記長手軸に対して第1の方向に延びる第1の湾曲と、前記長手軸に対して第2の異なる方向に延びる第2の湾曲と、を含み、該第1の可撓性チューブは、前記第2のルーメン内で軸方向にスライド可能である、前記第1の可撓性チューブと、
    前記可撓性カテーテルの遠位部に配置されたリトラクタシステムであって、非拡開挿入状態から、より大きな手術空間を形成するための拡開されたケージを形成する拡開状態に移行可能な第1の可撓性要素と第2の可撓性要素とを含み、該拡開されたケージは、近位領域と、遠位領域と、前記近位領域と前記遠位領域との間の内装部と、を有する、前記リトラクタシステムと、を備え、
    前記第1の可撓性チューブの前記チューブ遠位部は、前記近位域と前記遠位領域との間の前記内装部の中で遠位端を指向して、前記拡開されたケージ内で横方向と軸方向とに移行可能であって、前記第1の湾曲は、前記第1の可撓性チューブの前記第1の遠位開口から標的病変部までの距離を増加し、前記第1の可撓性チューブの前記第1の遠位開口は、前記拡開されたケージの前記近位領域において、前記内装部と連通するとともに、前記可撓性カテーテルの前記第2の開口は、前記拡開されたケージの前記近位領域において、前記内装部と連通する
    ことを特徴とするシステム。
  2. 前記リトラクタシステムのためのカバーリングをさらに備え、該カバーリングは、生体組織を受容するための開口部を有する
    請求項1に記載のシステム。
  3. 患者の体内管腔内で最小侵襲手術を実施するためのシステムであって、
    内視鏡をその中に貫通させて受容するように構成および寸法設定された第1のルーメンと、第1の可撓性チューブをその中に貫通させて受容するように構成および寸法設定された第2のルーメンと、を有する可撓性カテーテルと、
    前記第2のルーメンに貫通して移動可能である第1の可撓性チューブであって、該第1の可撓性チューブは、当該第1の可撓性チューブを貫通して延びる第1のチャネルを有し、該第1のチャネルは、その中で軸方向移動するための第1の内視鏡器具を受容するように構成および寸法設定されるとともに、第1の遠位開口で終端しており、該第1の可撓性チューブは、長手軸と、該長手軸に対して湾曲した状態に移行可能なチューブ遠位部と、を有し、該チューブ遠位部は、前記長手軸に対して第1の方向に延びる第1の湾曲と、前記長手軸に対して第2の異なる方向に延びる第2の湾曲と、を含み、該第1の可撓性チューブは、前記第2のルーメン内で軸方向にスライド可能である、第1の可撓性チューブと、
    前記可撓性カテーテルの遠位部に配置されたリトラクタシステムであって、非拡開挿入状態から、より大きな手術空間を形成するための拡開されたケージを形成する拡開状態に移行可能な第1の可撓性要素と第2の可撓性要素とを含む前記リトラクタシステムと、を備え、
    前記第1の可撓性チューブの前記チューブ遠位部は、前記拡開されたケージ内で移行可能であって、このとき、前記第1の湾曲によって、前記第1の可撓性チューブの前記第1の遠位開口から標的病変部までの距離は、増加するものであり、
    前記リトラクタシステムのためのカバーリングをさらに備え、該カバーリングは、生体組織を受容するための開口部を有し、
    前記カバーリングは、除去する生体組織を封入するために閉止可能である
    ことを特徴とするシステム。
  4. 前記第1の可撓性チューブは、前記可撓性カテーテルに結び付けられていない
    請求項1ないし3のいずれか一項に記載のシステム。
  5. 前記可撓性カテーテルは、第2の可撓性チューブを受容するように構成および寸法設定された第3のルーメンを有し、前記第2の可撓性チューブは、その中に貫通して延びる第2のチャネルを有し、該第2のチャネルは、その中で軸方向移動するための第2の内視鏡器具を受容するように構成および寸法設定されるとともに、第2の遠位開口で終端しており、前記第2の可撓性チューブは、長手軸と、該長手軸に対して湾曲した状態に移行可能なチューブ遠位部とを有し、前記第2の可撓性チューブは、前記第3のルーメン内で軸方向にスライド可能であって、前記第2の可撓性チューブの前記チューブ遠位部は、前記拡開されたケージの前記内装部の中で遠位端を指向して、前記拡開されたケージ内で移行可能であり、前記チューブ遠位部は、該第2の可撓性チューブの長手軸に対して第1の方向に延びる第1の湾曲と、該第2の可撓性チューブの長手軸に対して第2の異なる方向に延びる第2の湾曲と、を含み、前記第2の可撓性チューブの前記第1の湾曲によって、前記第2の可撓性チューブの遠位開口から標的病変部までの距離は増加している
    請求項1に記載のシステム。
  6. 前記リトラクタシステムは、第3の可撓性要素と第4の可撓性要素をさらに備え、前記リトラクタシステムが前記拡開状態に拡開するときには、前記第1の可撓性要素前記第2の可撓性要素前記第3の可撓性要素および前記第4の可撓性要素は、それらの閉縮挿入状態から、前記可撓性カテーテルの長手軸から離れる外向きに前記拡開状態に移行する
    請求項1ないし5のいずれか一項に記載のシステム。
  7. スタビライザをさらに備え、該スタビライザは、前記拡開されたケージの安定性および剛性を向上させるために、第1の位置から第2の位置に移動可能である
    請求項1ないし6のいずれか一項に記載のシステム。
  8. 前記スタビライザの前記第1位置は、前記スタビライザの前記第2の位置に対し近位である
    請求項7に記載のシステム。
  9. 前記拡開されたケージは、前記長手軸を中心に対称である
    請求項1ないし8のいずれか一項に記載のシステム。
  10. 前記可撓性カテーテルの近位領域に配置された第1のアクチュエータをさらに備え、該第1のアクチュエータは、前記拡開されたケージの安定性および剛性を向上させるべく、前記スタビライザを、前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させるために、前記スタビライザに作動的に接続されている
    請求項7または8に記載のシステム。
  11. 前記可撓性カテーテルの近位領域に配置された第2のアクチュエータをさらに備え、該第2のアクチュエータは、前記第1の可撓性要素前記第2の可撓性要素を前記非拡開挿入状態と前記拡開状態との間で移行させるために、前記第1の可撓性要素前記第2の可撓性要素に作動的に接続されている
    請求項1ないし10のいずれか一項に記載のシステム。
  12. 前記第1の可撓性チューブは、吹送を失うことなく前記第1の内視鏡器具を収容するために、近位部に弁を有する
    請求項1ないし11のいずれか一項に記載のシステム。
  13. 前記第1の可撓性要素前記第2の可撓性要素の近位部を保持するための近位カプラと、前記第1の可撓性要素前記第2の可撓性要素の遠位部を保持するための遠位カプラとをさらに備え、前記近位カプラおよび前記遠位カプラは、前記可撓性カテーテルが前記内視鏡上にバックロードされるときに前記内視鏡をその中に貫通させて受容するように寸法設定されたルーメンを有する
    請求項1ないし12のいずれか一項に記載のシステム。
  14. 前記カバーリングに取り付けられた可撓性閉止部材であって、引っ張られることで前記カバーリングを閉止する可撓性閉止部材と、前記カバーリングを閉止構成に維持する状態に前記可撓性閉止部材を保持するための機構と、をさらに備える
    請求項2または3に記載のシステム。
  15. 前記リトラクタシステムの剛性を向上させるために、前記第1の可撓性要素前記第2の可撓性要素を連結する第1の横ブリッジ部材をさらに備える
    請求項1ないし14のいずれか一項に記載のシステム。
  16. 前記第1の可撓性チューブと前記第2の可撓性チューブの遠位先端部は、それぞれ前記可撓性カテーテルの前記第2のルーメンと前記第3のルーメン内にあるときには、その長手軸に沿って一直線状であり、それぞれ前記第2のルーメンと前記第3のルーメンから露出すると、前記湾曲した状態に戻る
    請求項5に記載のシステム。
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