最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係るアンテナ装置は、電波の放射方向または入射方向を変更可能なアンテナ装置であって、曲面形状の第1反射面を有する第1反射部と、上記第1反射面と対向する第2反射面を有する第2反射部と、一部または全部が上記第1反射部と上記第2反射部との間に位置し、上記第2反射面から受ける電波および上記第2反射面へ出力する電波の少なくともいずれか一方を伝送する導波管とを備え、上記導波管の内部空間は、伝送対象の電波の周波数と異なる周波数を有する妨害波を減衰可能な大きさを有する。
このような構成により、導波管の内部空間において、伝送対象の電波が伝送されるとともに、導波管の内部空間の大きさに応じた遮断周波数以下の周波数の電波を減衰させることができるので、たとえばアンテナ装置に接続される回路において、またはアンテナ装置および当該回路間においてフィルタを設けることなく、伝送対象の電波を良好に伝送することができる。
(2)好ましくは、上記内部空間は、27.4ミリメートル以上かつ32.7ミリメートル以下の径を有する円筒形状の空間である。
このような構成により、導波管の遮断周波数を、たとえば、妨害波の周波数である5.3GHzバンドの上限より大きくかつ伝送対象のCDバンドの下限である6.425GHzより小さくすることができるので、導波管の内部空間において、5.3GHzバンドの電波を減衰しながらCDバンドの電波を良好に伝送することができる。また、円筒形状と相性のよい部品と内部空間とを容易に接続することができる。
(3)より好ましくは、上記内部空間は、28.0ミリメートル以上かつ32.0ミリメートル以下の径を有する円筒形状の空間である。
このような構成により、たとえば、製造時における各部品のサイズの誤差および組み付け誤差、ならびに設計時における計算誤差等に基づく遮断周波数のばらつきに対する、CDバンドの下限からのマージンおよび妨害波である5.3GHzバンドの上限からのマージンを確保することができる。
(4)好ましくは、上記内部空間は、17.2ミリメートル以上かつ17.9ミリメートル以下の径を有する円筒形状の空間である。
このような構成により、導波管の遮断周波数を、たとえば、妨害波の周波数である9.7GHzバンドの上限より大きくかつ伝送対象のEFバンドの下限である10.25GHzより小さくすることができるので、導波管の内部空間において、9.7GHzバンドの電波を減衰しながらEFバンドの電波を良好に伝送することができる。また、円筒形状と相性のよい部品と内部空間とを容易に接続することができる。
(5)好ましくは、上記内部空間は、多角形の断面形状を有する空間であり、上記多角形の内接円の径および上記多角形の外接円の径の平均値は、27.4ミリメートル以上かつ32.7ミリメートル以下、または17.2ミリメートル以上かつ17.9ミリメートル以下の値である。
このような構成により、導波管の遮断周波数を、たとえば、妨害波の周波数である5.3GHzバンドの上限より大きくかつ伝送対象のCDバンドの下限である6.425GHzより小さくするか、または妨害波の周波数である9.7GHzバンドの上限より大きくかつ伝送対象のEFバンドの下限である10.25GHzより小さくすることができる。これにより、導波管の内部空間において、5.3GHzバンドの電波を減衰しながらCDバンドの電波を良好に伝送するか、または9.7GHzバンドの電波を減衰しながらEFバンドの電波を良好に伝送することができる。また、多角形の断面形状と相性のよい部品と内部空間とを容易に接続することができる。
(6)好ましくは、上記内部空間は、23.4ミリメートル以上かつ27.9ミリメートル以下の幅を有する四角柱形状の空間である。
このような構成により、導波管の遮断周波数を、たとえば、妨害波の周波数である5.3GHzバンドの上限より大きくかつ伝送対象のCDバンドの下限である6.425GHzより小さくすることができるので、導波管の内部空間において、5.3GHzバンドの電波を減衰しながらCDバンドの電波を良好に伝送することができる。また、四角柱形状と相性のよい部品と内部空間とを容易に接続することができる。
(7)より好ましくは、上記内部空間は、24.0ミリメートル以上かつ27.3ミリメートル以下の幅を有する四角柱形状の空間である。
このような構成により、たとえば、製造時における各部品のサイズの誤差および組み付け誤差、ならびに設計時における計算誤差等に基づく遮断周波数のばらつきに対する、CDバンドの下限からのマージンおよび妨害波である5.3GHzバンドの上限からのマージンを確保することができる。
(8)好ましくは、上記内部空間は、14.7ミリメートル以上かつ15.2ミリメートル以下の幅を有する四角柱形状の空間である。
このような構成により、導波管の遮断周波数を、たとえば、妨害波の周波数である9.7GHzバンドの上限より大きくかつ伝送対象のEFバンドの下限である10.25GHzより小さくすることができるので、導波管の内部空間において、9.7GHzバンドの電波を減衰しながらEFバンドの電波を良好に伝送することができる。また、四角柱形状と相性のよい部品と内部空間とを容易に接続することができる。
(9)好ましくは、上記内部空間は、27.4ミリメートル以上かつ32.7ミリメートル以下の径を有する円筒形状の空間と、23.4ミリメートル以上かつ27.9ミリメートル以下の幅を有する四角柱形状の空間とを含む。
このような構成により、CDバンドの電波を伝送対象とする導波管において、円筒形状または四角柱形状と相性のよい部品と内部空間とを容易に接続することができる。
(10)好ましくは、上記内部空間は、17.2ミリメートル以上かつ17.9ミリメートル以下の径を有する円筒形状の空間と、14.7ミリメートル以上かつ15.2ミリメートル以下の幅を有する四角柱形状の空間とを含む。
このような構成により、EFバンドの電波を伝送対象とする導波管において、円筒形状または四角柱形状と相性のよい部品と内部空間とを容易に接続することができる。
(11)より好ましくは、上記内部空間は、50ミリメートル以上の長さを有する空間である。
このように、妨害波である5.3GHzバンドまたは9.7GHzバンドの電波に対して、ある程度の減衰量が得られる最低限の長さを確保する構成により、妨害波を適切に減衰させることができる。
(12)より好ましくは、上記内部空間は、100ミリメートル以上の長さを有する空間である。
このような構成により、妨害波である5.3GHzバンドまたは9.7GHzバンドの電波をより大きく減衰させることができるので、伝送対象の電波をより良好に伝送することができる。
(13)好ましくは、上記内部空間には、穴を有する複数の板状部材が上記伝送対象の電波の波長に基づく間隔で設けられている。
このような構成により、中心周波数を有するバンドパスフィルタとして導波管を機能させることができるので、遮断周波数以下の妨害波だけでなく、中心周波数より高周波の妨害波も減衰させることができる。
(14)好ましくは、上記アンテナ装置は、さらに、上記第2反射部と上記導波管との間に接続された絶縁部と、上記導波管および同軸ケーブルを接続する接続部とを備える。
このような構成により、同軸ケーブルおよび第2反射部の間において、電波の減衰が大きい同軸線路を用いて1次放射器の先端まで電波を伝送する構成と比べて、妨害波を減衰させながら伝送対象の電波を効率よく伝送することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
[構成および基本動作]
図1は、本発明の実施の形態に係る通信装置の構成を示す図である。
図1を参照して、通信装置201は、アンテナ装置101と、送受信回路151と、同軸ケーブルCBLh,CBLvとを備える。アンテナ装置101は、第1反射部1と、1次放射器2とを備える。以下、同軸ケーブルCBLh,CBLvの各々を同軸ケーブルCBLとも称する。
送受信回路151は、たとえば、同軸ケーブルCBLを介してアンテナ装置101へCDバンドまたはEFバンドの電波を出力する。また、送受信回路151は、たとえば、同軸ケーブルCBLを介してアンテナ装置101からCDバンドまたはEFバンドの電波を受ける。
アンテナ装置101において、第1反射部1は、図示しない治具に固定されている。また、1次放射器2は、第1反射部1を貫通するように上記治具に固定されている。
図2は、本発明の実施の形態に係る1次放射器の図1におけるII−II線に沿う断面を示す断面図である。なお、図2では、同軸ケーブルCBL、および第1反射部1の一部が示されていない。
図1および図2を参照して、1次放射器2は、導波管11と、端子部12v,12hと、フランジ部13と、固定用樹脂ねじ15と、絶縁部16と、電波制御部17と、第2反射部18と、減衰棒19と、固定用金属ねじ20,21とを含む。
以下、端子部12v,12hの各々を端子部12とも称する。端子部12は、コネクタ部12cと、放射部12dとを含む。
[第1反射部1の形状]
アンテナ装置101における第1反射部1は、バーティカルプレート1pと、曲面形状の反射面1mとを有する。反射面1mの形状は、たとえば、パラボラ形状等の2次曲面形状である。ここでは、反射面1mの形状はパラボラ形状であり、この場合、反射面1mは放物面である。
以下、当該放物面の軸であって当該放物面の頂点1vから焦点1fへの方向に向いた軸をz軸とも称する。z軸は、たとえば水平方向に沿っている。また、z軸と垂直な軸をx軸と定義する。x軸は、たとえば鉛直上方へ向いている。x軸およびz軸と垂直な軸をy軸と定義する。y軸は、x軸,y軸,z軸により右手系の座標軸を形成するような向きを有する。
なお、反射面1mは、放物面に限らず、球面の一部であってもよい。また、反射面1mの形状は、たとえば2次曲面形状の一部を含む形状であってもよい。
バーティカルプレート1pは、たとえば、中心に円筒形の穴部が設けられた円板形状の部材であり、第1反射部1における反射面1m側に固定されている。たとえば、導波管11の延伸方向Deに沿ってバーティカルプレート1pを移動させることが可能である。バーティカルプレート1pが反射する電波であって導波管11の内部空間11cへ戻る電波の位相は、バーティカルプレート1pの位置に応じて変化するので、バーティカルプレート1pを移動させることにより電圧定在波比を調整することが可能である。
アンテナ装置101において、電波の放射方向は、たとえばz軸の正の方向に沿っている。また、電波の入射方向は、たとえばz軸の負の方向に沿っている。
アンテナ装置101は、たとえば、電波の放射方向または入射方向を変更可能である。具体的には、アンテナ装置101すなわち第1反射部1および1次放射器2を固定する上記治具は、たとえば架台に固定されている。
より詳細には、たとえば、FPUの一部としてのアンテナ装置101から映像信号を伝送するとき、可搬型の三脚が架台として用いられる。また、FPUから送信された電波を受信する受信基地局の一部としてのアンテナ装置101では、据置型のステージが架台として用いられる。
三脚およびステージには、たとえば、方位角方向および仰角方向の向きを変更可能な機構が設けられている。三脚およびステージに固定されている上記治具の方位角方向および仰角方向の向きは、この機構を用いて変更される。したがって、上記治具の向きが変更される際、上記治具を介して三脚またはステージに固定されたアンテナ装置101の向き、すなわち電波の放射方向または入射方向も変更される。
[導波管11の概要]
1次放射器2における導波管11は、たとえば、断面が円形である円形導波管である。導波管11は、閉じられた第1端11aと、開口した第2端11bとを有する。
フランジ部13は、たとえば、中心に円筒形の穴部を有する円板形状の部材であり、当該穴部に挿通される導波管11の外面に溶接、ろう付け、またはバンドおよびねじ等を用いて固定されている。フランジ部13は、たとえば図示しないねじを用いて上記治具に固定されている。なお、アンテナ装置101では、第1反射部1および導波管11がそれぞれ上記治具に固定される構成であるとしたが、これに限定するものではない。第1反射部1および導波管11同士が接合された状態で、第1反射部1および導波管11のいずれか一方が上記治具に固定される構成であってもよい。
導波管11は、第1反射部1を貫通している。すなわち、導波管11の一部は、第1反射部1と第2反射部18との間に位置する。より詳細には、導波管11は、第1端11aが第1反射部1に対して反射面1mの焦点1fの反対側に位置し、第2端11bが第1反射部1に対する反射面1mの焦点1f側に位置し、バーティカルプレート1pに設けられた穴部を貫通し、かつ導波管11の中心軸がz軸に沿うようにフランジ部13を介して上記治具に固定されている。
また、導波管11は、たとえば、反射面18mから受ける電波および反射面18mへ出力する電波を伝送する。より詳細には、導波管11は、たとえば、同軸ケーブルCBL経由で送受信回路151から受ける電波を伝送し、反射面18mへ出力する。また、導波管11は、たとえば、反射面18mから受ける電波を伝送し、同軸ケーブルCBL経由で送受信回路151へ出力する。
[端子部12の位置]
端子部12は、導波管11および同軸ケーブルCBLを接続している。より詳細には、端子部12におけるコネクタ部12cは、たとえば、同軸ケーブルCBLと電気的かつ機械的に接続することが可能なN型コネクタである。なお、コネクタ部12cは、N型コネクタ以外の形状のコネクタであってもよい。
端子部12における放射部12dは、具体的には、アンテナとして機能する電極であり、コネクタ部12cを介して同軸ケーブルCBLの内部導体と電気的に接続され、当該内部導体経由で受ける電波を放射することが可能である。また、放射部12dは、導波管11から受けた電波を同軸ケーブルCBLの内部導体へコネクタ部12cを介して出力することが可能である。
端子部12v,12hは、たとえば、放射部12dが導波管11の内部空間11cへ突出するように導波管11に固定されている。
より詳細には、端子部12vは、たとえば、フランジ部13に対する第1端11a側において、放射部12dおよびコネクタ部12cがx軸方向に並ぶように導波管11に固定されている。この場合、端子部12vにおける放射部12dは、x軸に沿って導波管11の内部空間11cへ突出している。
端子部12vにおけるコネクタ部12cは、たとえば同軸ケーブルCBLvの第1端とコネクタにより結合している。同軸ケーブルCBLvの第2端は送受信回路151における対応の端子に接続されている。これにより、端子部12vおよび送受信回路151は電気的に接続される。
端子部12vは、たとえば、同軸ケーブルCBLv経由で送受信回路151から受ける電波を、電界方向がx軸方向(以下、垂直偏波とも称する)の電波として導波管11へ放射する。
減衰棒19は、たとえば、導波管11の内径より小さい直径を有しかつ金属で形成された棒であり、端子部12vおよび第1端11aの間において、x軸に沿うように導波管11の内部空間11cに固定されている。減衰棒19および導波管11は、導通している。減衰棒19は、垂直偏波の電波を反射する一方、電界方向がy軸方向(以下、水平偏波とも称する)の電波には影響を与えない。
端子部12vから放射された垂直偏波の電波のうち、減衰棒19へ伝搬する電波は減衰棒19によって反射されるので、第1端11a側へは伝搬しない。このため、端子部12vから放射された垂直偏波の電波は、すべて1次放射器2から放射される。
これにより、TE11モードの垂直偏波の電波が導波管11の内部空間11cにおいて生成される。また、端子部12vは、たとえば、導波管11の内部空間11cにおける垂直偏波のTE11モードの電波を受けて、受けた電波を同軸ケーブルCBLv経由で送受信回路151へ出力する。
端子部12hは、たとえば、減衰棒19に対する第1端11a側において、放射部12dおよびコネクタ部12cがy軸方向に並ぶように導波管11に固定されている。この場合、端子部12hにおける放射部12dは、y軸に沿って導波管11の内部空間11cへ突出している。
端子部12hにおけるコネクタ部12cは、たとえば同軸ケーブルCBLhの第1端とコネクタにより結合している。同軸ケーブルCBLhの第2端は送受信回路151における対応の端子に接続されている。これにより、端子部12hおよび送受信回路151は電気的に接続される。
端子部12hは、たとえば、同軸ケーブルCBLh経由で送受信回路151から受ける電波を、水平偏波の電波として導波管11へ放射する。
端子部12hから放射された水平偏波の電波のうち、導波管11の第1端11aへ伝搬する電波は第1端11aによって反射される。また、上述したように、減衰棒19は、水平偏波の電波には影響を与えない。このため、端子部12hから放射された水平偏波の電波は、すべて1次放射器2から放射される。
これにより、TE11モードの水平偏波の電波が導波管11の内部空間11cにおいて生成される。また、端子部12hは、たとえば、導波管11の内部空間11cにおける水平偏波のTE11モードの電波を受けて、受けた電波を同軸ケーブルCBLh経由で送受信回路151へ出力する。
したがって、端子部12は、導波管11および同軸ケーブルCBLを電気的かつ機械的に接続する接続部として機能する。
[絶縁部16の固定]
導波管11には、たとえば、フランジ部13に対する第2端11b側において、絶縁部16を導波管11に固定するための固定用樹脂ねじ15を挿通するための貫通穴11hが導波管11の周方向に90度間隔で4つ設けられている。
貫通穴11hは、導波管11の内部空間11cを伝搬する電波の偏波方向を乱さないように、挿通される固定用樹脂ねじ15の軸がx軸またはy軸と平行になるように設けられている。
図3は、本発明の実施の形態に係る絶縁部の側面図である。図4は、本発明の実施の形態に係る絶縁部の斜視図である。
図3および図4を参照して、絶縁部16は、凸部16aと、ベース部16bと、テーパー部16cと、凹部16dとを含む。
絶縁部16は、たとえば、誘電損失が小さいPTFE(polytetrafluoroethylene)を用いて無垢で形成されている。絶縁部16における凸部16a、ベース部16b、テーパー部16cおよび凹部16dは、たとえば一体に形成されている。
なお、絶縁部16の内部に空洞があってもよい。また、絶縁部16における凸部16a、ベース部16b、テーパー部16cおよび凹部16dの一部または全部は、たとえば別個に形成され、別個に形成された各部が接合される構成であってもよい。
ベース部16bは、たとえば、導波管11の内径と略同じ外径を有する円筒形状の部材であり、第1端面16bfと第2端面16bsとを有する。また、ベース部16bには、固定用樹脂ねじ15を挿通するためのねじ穴16btがベース部16bの周方向に90度間隔で4つ設けられている。
テーパー部16cは、テーパー形状を有する。テーパー部16cは、導波管11の外径と略同じ直径を有し、かつテーパー部16cの軸およびベース部16bの軸が一致するようにベース部16bの第2端面16bsと接続された第1端面16cfと、第1端面16cfの直径より大きい直径を有する第2端面16csとを有する。
テーパー部16cには、固定用金属ねじ20を挿通するための貫通穴16chが、テーパー部16cの周方向に90度間隔で4つ設けられている。貫通穴16chおよびねじ穴16btは、テーパー部16cおよびベース部16bの周方向において互いに対応する位置に設けられている。
絶縁部16には、電波制御部17を収納可能なサイズの凹部16dが設けられている。具体的には、第2反射部18における反射面18mと対向する絶縁部16の端面、すなわちテーパー部16cにおける第2端面16csには、電波制御部17を収納可能なサイズの凹部16dが設けられている。
より詳細には、凹部16dは、テーパー部16cにおける第2端面16csの中央部において、テーパー部16cの軸に垂線が沿った円錐形状の穴である。凹部16dの開口径は、たとえば導波管11の外径より大きい。また、凹部16dの深さは、電波制御部17の高さと略同じである。なお、凹部16dの開口径は、導波管11の外径以下であってもよい。
凸部16aは、たとえば、導波管11の内部空間11cへ伸びるように設けられている。より詳細には、凸部16aは、たとえば、導波管11の内部空間11cへ導波管11の延伸方向Deに沿って伸びるように設けられている。
また、凸部16aは、たとえば、導波管11の幅方向の断面において一部を占めている。言い換えると、凸部16aは、導波管11の内周面から間隔を隔てて設けられている。具体的には、凸部16aは、たとえば、円形の導波管11の径方向の断面において一部を占めている。
凸部16aは、導波管11の内径より小さい外径を有する円筒形状の部材であり、第1反射部1における反射面1mと対向する第1端面16afと、凸部16aの軸およびベース部16bの軸が一致するようにベース部16bの第1端面16bfと接続された第2端面16asとを有する。なお、凸部16aの形状は、長方形の断面を有する四角柱形状であってもよいし、多角形の断面を有する角柱形状であってもよい。
絶縁部16は、導波管11に接続される。より詳細には、絶縁部16は、凸部16aおよびベース部16bの順に導波管11の第2端11bから内部空間11cへ挿入される。凸部16aおよびベース部16bが導波管11の内部空間11cへ挿入されると、テーパー部16cにおける第1端面16cfおよび導波管11の第2端11bが密着した状態で固定用樹脂ねじ15によりベース部16bが導波管11に固定される。この場合、固定用樹脂ねじ15は、x軸またはy軸と平行な貫通穴11hを挿通してベース部16bにおけるねじ穴16btと螺合するので、x軸またはy軸と平行になる。したがって、固定用樹脂ねじ15は、導波管11の内部空間11cを伝搬する電波の偏波方向を乱さない。
[第2反射部18および電波制御部17の固定]
図5は、図2に示す断面図の絶縁部付近を拡大した図である。
図5を参照して、第2反射部18は、第1反射部1における反射面1mと対向する反射面18mを有する。より詳細には、第2反射部18は、第1反射部1における反射面1mより小さく、かつ反射面1mと正対する反射面18mを反射面1m側に有する。
具体的には、第2反射部18は、テーパー部16cにおける第2端面16csの外径と略同じ外径を有する円板形状の部材であり、金属、具体的にはアルミニウムで形成される。第2反射部18における端部の近傍には、たとえば、固定用金属ねじ20を挿通するためのねじ穴18tが第2反射部18の周方向に90度間隔で4つ設けられている。
また、第2反射部18における中央部の近傍には、たとえば、固定用金属ねじ21を挿通するための図示しない貫通穴が、第2反射部18の周方向に90度間隔で4つ設けられている。当該貫通穴は、第2反射部18の周方向におけるねじ穴18tの位置に対する当該周方向に45度回転した位置に設けられている。なお、固定用金属ねじ21は、第2反射部18に対して導波管11の反対側に設けられるので、内部空間11cを伝搬する電波の偏波方向を乱さない。このため、第2反射部18の周方向におけるねじ穴18tの位置に対する当該貫通穴の当該周方向の角度は、45度以外の角度でもよい。
第2反射部18は、第1反射部1における反射面1mと対向する第1端面18fと、第2端面18sとを有する。すなわち、第2反射部18における第1端面18fは、反射面18mに相当する。
電波制御部17は、たとえば、絶縁部16のテーパー部16cにおける凹部16dの開口径と略同じ直径の底面17aを有する円錐形状の部材であって、金属、具体的にはアルミニウムで形成される。
電波制御部17は、たとえば第2反射部18の反射面18m側に設けられている。より詳細には、電波制御部17は、固定用金属ねじ21を挿通するためのねじ穴が設けられている底面17aと第2反射部18における第1端面18fとが対向し、かつ電波制御部17の軸と第2反射部18の軸とが一致するように固定用金属ねじ21により第2反射部18に固定される。
第2反射部18は、絶縁部16に接続される。より詳細には、第2反射部18は、テーパー部16cにおける第2端面16csおよび第2反射部18における第1端面18fが対向し、かつテーパー部16cの軸および第2反射部18の軸が一致するように固定用金属ねじ20により絶縁部16に固定される。
図6は、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置における電波の伝搬を模式的に示した図である。
図6を参照して、第1反射部1における反射面1mの焦点距離Lfすなわち頂点1vおよび焦点1fの距離は、たとえば、225.0ミリメートルである。また、頂点1vおよび第2反射部18における反射面18mの距離は、たとえば202.5ミリメートルである。
電波制御部17における底面17a以外の表面すなわち側面17bは、第1反射部1における反射面1mまたは絶縁部16から伝搬した電波を伝搬元への方向とは異なる方向へ反射する。
具体的には、電波制御部17における側面17bは、たとえば、絶縁部16を経由して導波管11から伝搬した電波を第1反射部1における反射面1mへ反射する。また、電波制御部17における側面17bは、たとえば、第1反射部1における反射面1mから伝搬した電波を絶縁部16経由で導波管11へ反射する。
より詳細には、たとえば、反射面18mおよび側面17bは平行でないので、反射面18mが導波管11の延伸方向Deと垂直な面である場合、側面17bは、導波管11の延伸方向Deと垂直にならない。
したがって、導波管11から反射面18mへの方向に伝搬する電波のうち、導波管11の延伸方向Deとほぼ平行な方向に伝搬する電波Pp1,Pp2は、反射面18mへの入射角が小さいために電波制御部17が無い場合は導波管11へ戻ってしまうが、反射面18mの代わりに側面17bと反射することにより、導波管11へ戻ることなく第1反射部1における反射面1mへ伝搬される。
また、導波管11の延伸方向Deと大きく異なる方向に伝搬する電波Pnp1,Pnp2は、反射面18mへの入射角が大きいので、導波管11へ戻ることなく第1反射部1における反射面1mへ伝搬される。
したがって、電波制御部17を第2反射部18の反射面18m側に設ける構成により、導波管11から伝搬した電波を効率よく第1反射部1へ伝送し、かつ第1反射部1から伝搬した電波を効率よく導波管11へ伝送することができる。すなわち、導波管11および第1反射部1間における電波の伝送特性を向上させることができる。
なお、アンテナ装置101では、第2反射部18における反射面18mが頂点1vおよび焦点1f間に位置する構成であるとしたが、これに限定するものではない。反射面18mは、アンテナ装置101の伝送特性を最適化することが可能な位置に設ければよく、焦点1fに位置してもよいし、焦点1fに対して頂点1vの反対側に位置してもよい。
[課題]
たとえば、CDバンド(Cバンド:6.425〜6.570GHz,Dバンド:6.870〜7.125GHz)より低い5.3GHzバンド(5.3GHz帯)には、気象レーダに用いられるバンド(以下、レーダバンド1とも称する。)が位置する。より詳細には、非特許文献1(総務省、“我が国の電波の使用状況−電波利用ホームページ−”、[online]、[平成26年7月25日検索]、インターネット〈URL:www.tele.soumu.go.jp/resource/search/myuse/use/ika.pdf〉)に記載されているように、レーダバンド1の周波数帯は、5250MHz〜5372.5MHzである。
FPUを用いて映像信号が伝送される場合、1次放射器2からは、たとえば数ワットの電力の電波が放射される。一方、気象レーダからは、たとえば平均電力およびピーク電力がそれぞれ数百ワットおよび数百キロワットのパルス電波が放射される。
たとえば、特許文献1および2に記載されている同軸型1次放射器がアンテナ装置の1次放射器として用いられる場合において、当該同軸型1次放射器および送受信回路151が同軸ケーブルCBLで接続されているとき、同軸ケーブルCBLの長さを短くするために同軸型1次放射器の近傍に送受信回路151が設けられることが多い。
上記のような場合、たとえば、同軸型1次放射器が用いられるアンテナにおいて受信されたレーダバンド1の電波すなわち妨害波がほとんど減衰することなく送受信回路151まで伝送されてしまい、送受信回路151における受信アンプが飽和してしまうことがある。
したがって、CDバンドの電波を伝送対象とするFPUでは、たとえばレーダバンド1の電波を減衰するためのハイパスフィルタを同軸型1次放射器および受信アンプの間に設ける必要がある。
しかしながら、同軸型1次放射器および受信アンプの間にハイパスフィルタを設けると、ハイパスフィルタにおける通過損失のため、送受信回路151におけるCDバンドの電波の受信電力が弱くなったり、同軸型1次放射器から放射されるCDバンドの電波の送信電力が弱くなったりしてしまう。このため、ハイパスフィルタによる通過損失を補うために、パラボラ形状の反射面の面積を大きくすることによりアンテナ装置の利得を向上させる等の対策を行う必要があった。
また、EFバンド(Eバンド:10.25〜10.45GHz,Fバンド:10.55〜10.7GHz)より低い9.7GHzバンド(9.7GHz帯)には、気象レーダに用いられるバンド(以下、レーダバンド2とも称する。)が位置する。より詳細には、非特許文献2(総務省、“平成21年度 電波の利用状況調査の評価結果(3.4GHzを超える周波数帯) §6−4−2 9GHz帯気象レーダー”、[online]、[平成26年7月25日検索]、インターネット〈URL:www.soumu.go.jp/main_content/000074214.pdf〉)に記載されているように、レーダバンド2の周波数帯は、9700MHz〜9800MHzである。
したがって、EFバンドの電波を伝送対象とするFPUにおいてもレーダバンド2の電波が妨害波となり、CDバンドを伝送対象とするFPUにおける上述の問題と同様の問題が発生する。
そこで、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置では、以下のような構成により、このような課題を解決する。
[円形の導波管の大きさ]
図7は、本発明の実施の形態に係る円形の導波管の断面の一例を示す図である。
図7を参照して、導波管11の内部空間11cは、伝送対象の電波の周波数と異なる周波数を有する妨害波を減衰可能な大きさを有するように設計されている。
1.円形導波管においてCDバンドの電波が伝送対象である場合
具体的には、CDバンドの電波を伝送対象の電波とするアンテナ装置101における導波管11の内部空間11cは、たとえば、27.4ミリメートル以上かつ32.7ミリメートル以下の径φを有する円筒形状の空間である。言い換えると、導波管11は、円形の導波管11であって、27.4ミリメートル以上かつ32.7ミリメートル以下の内径φを有する。
好ましくは、導波管11の内部空間11cは、28.0ミリメートル以上かつ32.0ミリメートル以下の径φを有する円筒形状の空間である。言い換えると、導波管11は、円形の導波管11であって、28.0ミリメートル以上かつ32.0ミリメートル以下の内径φを有する。
ここで、たとえば、汎用品のパイプはミリメートル単位の内径φを有するので、汎用品のパイプを、28.0ミリメートル以上かつ32.0ミリメートル以下の内径φを有する導波管11として簡易に利用することができる。
また、内部空間11cは、たとえば50ミリメートル以上の長さを有する空間である。好ましくは、内部空間11cは、たとえば100ミリメートル以上の長さを有する空間である。
より詳細には、非特許文献3(倉石源三郎著、「例題・演習 マイクロ波回路」、東京電機大学出版局、昭和58年3月30日)の88ページにおける式3・76に示すように、導波管11では、内部空間11cの大きさに基づく遮断周波数fcが定まる。遮断周波数fcより低い周波数を有する電波は、導波管11の延伸方向Deにおける長さに応じて減衰する。したがって、導波管11は、ハイパスフィルタとして機能させることが可能である。
図8は、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置の円形の導波管における、内径および遮断周波数の関係を示す図である。横軸は、導波管11のミリメートル単位の内径φを示し、縦軸は、メガヘルツ単位の遮断周波数fcを示す。
図8を参照して、曲線CCCDfcは、遮断周波数fcの内径φに対する変化を示す。たとえば、27.4ミリメートル以上の内径φを有する導波管11では、遮断周波数fcは、6412.5メガヘルツ以下となるので、Cバンドより低周波側に位置する。また、たとえば、32.7ミリメートル以下の内径φを有する導波管11では、遮断周波数fcは、5373.2メガヘルツ以上となるので、レーダバンド1より高周波側に位置する。
すなわち、27.4ミリメートル以上かつ32.7ミリメートル以下の内径φの範囲RCCD1では、遮断周波数fcがCバンドより低くかつレーダバンド1より高い。
図9は、本発明の実施の形態に係る複数種類の円形の導波管についての単位損失の周波数変化を示す図である。横軸は、メガヘルツ単位の周波数frを示し、縦軸は、デシベル毎メートル単位の単位長さあたりの損失LPM(以下、単位損失LPMとも称する。)を示す。
図9を参照して、曲線CCCD1,CCCD2,CCCD3,CCCD4は、内径φがそれぞれ27.4,28.0,32,0,32.7ミリメートルの導波管11についての単位損失LPMの周波数変化を示す。
曲線CCCD4は、レーダバンド1の上限において「−16dB/m」の単位損失LPMを示す一方、Cバンドにおいて「0dB/m」の単位損失LPMを示す。また、曲線CCCD1は、レーダバンド1の上限において「−637dB/m」の単位損失LPMを示す一方、Cバンドにおいて「0dB/m」の単位損失LPMを示す。
これは、27.4ミリメートル以上かつ32.7ミリメートル以下の内径φを有する円形の導波管11では、Cバンドの電波が減衰せずに伝搬するとともに、レーダバンド1の電波が導波管11の延伸方向Deにおける長さに応じて減衰することを意味する。
たとえば、27.4ミリメートル以上かつ32.7ミリメートル以下の内径φを有する円形の導波管11の長さが50ミリメートルである場合、レーダバンド1の上限における電波の損失は、それぞれ−32dB〜−0.8dBである。
また、扱いやすい50ミリメートルの長さを有する導波管11を用いた場合において、レーダバンド1の電波の損失が「−10dB」より小さいことが好ましく、また、扱いやすい100ミリメートルの長さを有する導波管11を用いた場合において、当該損失が「−20dB」より小さいことがより好ましい。また、たとえば製造時における各部品のサイズの誤差および組み付け誤差、ならびに設計時における計算誤差等に基づく遮断周波数fcのばらつきに対するCDバンドの下限からのマージンである周波数マージンを確保することが好ましい。
曲線CCCD3に示すように、32.0ミリメートルの内径φを有する円形の導波管11の長さが50ミリメートルである場合、レーダバンド1の上限における電波の損失は、−10.3dBである。したがって、32.0ミリメートル以下の内径φおよび50ミリメートル以上の長さを有する円形の導波管11を用いる場合、レーダバンド1の電波の損失を「−10dB」より小さくすることができる。
また、曲線CCCD3に示すように、32.0ミリメートルの内径φを有する円形の導波管11の長さが100ミリメートルである場合、レーダバンド1の上限における電波の損失は、−20.6dBである。したがって、32.0ミリメートル以下の内径φおよび100ミリメートル以上の長さを有する円形の導波管11を用いる場合、レーダバンド1の電波の損失を「−20dB」より小さくすることができる。
また、図8における曲線CCCDfcに示すように、28.0ミリメートルの内径φを有する円形の導波管11を用いる場合、遮断周波数fcとCDバンドの下限周波数との差が151メガヘルツである。したがって、28.0ミリメートル以上の内径φを有する円形の導波管11を用いる場合、151メガヘルツ以上の周波数マージンを確保することができる。
したがって、28.0ミリメートル以上かつ32.0ミリメートル以下の内径φすなわち図8に示す範囲RCCD2に含まれる内径φ、および50ミリメートル以上または100ミリメートル以上の長さを有する円形の導波管11では、レーダバンド1の電波の損失をそれぞれ「−10dB」または「−20dB」より小さくし、かつ151メガヘルツ以上の周波数マージンを確保することができる。
2.円形導波管においてEFバンドの電波が伝送対象である場合
EFバンドの電波を伝送対象の電波とするアンテナ装置101における導波管11の内部空間11cは、たとえば、17.2ミリメートル以上かつ17.9ミリメートル以下の径φを有する円筒形状の空間である。言い換えると、導波管11は、円形の導波管11であって、17.2ミリメートル以上かつ17.9ミリメートル以下の内径φを有する。
また、内部空間11cは、たとえば50ミリメートル以上の長さを有する空間である。好ましくは、内部空間11cは、たとえば100ミリメートル以上の長さを有する空間である。
図10は、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置の円形の導波管における、内径および遮断周波数の関係を示す図である。横軸は、導波管11のミリメートル単位の内径φを示し、縦軸は、メガヘルツ単位の遮断周波数fcを示す。
図10を参照して、曲線CCEFfcは、遮断周波数fcの内径φに対する変化を示す。たとえば、17.2ミリメートル以上の内径φを有する導波管11では、遮断周波数fcは、10215メガヘルツ以下となるので、Eバンドより低周波側に位置する。また、たとえば、17.9ミリメートル以下の内径φを有する導波管11では、遮断周波数fcは、9816メガヘルツ以上となるので、レーダバンド2より高周波側に位置する。
すなわち、17.2ミリメートル以上かつ17.9ミリメートル以下の内径φの範囲RCEF1では、遮断周波数fcがEバンドより低くかつレーダバンド2より高い。
図11は、本発明の実施の形態に係る複数種類の円形の導波管についての単位損失の周波数変化を示す図である。横軸は、メガヘルツ単位の周波数frを示し、縦軸は、単位損失LPMを示す。
図11を参照して、曲線CCEF1,CCEF4は、内径φがそれぞれ17.2,17.9ミリメートルの導波管11についての単位損失LPMの周波数変化を示す。
曲線CCEF4は、レーダバンド2の上限において「−102dB/m」の単位損失LPMを示す一方、Eバンドにおいて「0dB/m」の単位損失LPMを示す。また、曲線CCEF1は、レーダバンド2の上限において「−525dB/m」の単位損失LPMを示す一方、Eバンドにおいて「0dB/m」の単位損失LPMを示す。
これは、17.2ミリメートル以上かつ17.9ミリメートル以下の内径φを有する円形の導波管11では、Eバンドの電波が減衰せずに伝搬するとともに、レーダバンド2の電波が導波管11の延伸方向Deにおける長さに応じて減衰することを意味する。
たとえば、17.2ミリメートル以上かつ17.9ミリメートル以下の内径φを有する円形の導波管11の長さが50ミリメートルである場合、レーダバンド2の上限における電波の損失は、それぞれ−26dB〜−5dBである。
したがって、17.2ミリメートル以上かつ17.9ミリメートル以下の内径φ、すなわち図10に示す範囲RCEF1に含まれる内径φ、および50ミリメートルの長さを有する円形の導波管11では、レーダバンド2の電波の損失を「−5dB」より小さくし、かつ伝送対象の電波を減衰することなく伝送することができる。
また、曲線CCEF3に示すように、17.8ミリメートルの内径φを有する円形の導波管11の長さが50ミリメートルである場合、レーダバンド2の上限における電波の損失は、−10.8dBである。したがって、17.8ミリメートル以下の内径φおよび50ミリメートル以上の長さを有する円形の導波管11を用いる場合、レーダバンド2の電波の損失を「−10dB」より小さくすることができる。
また、曲線CCEF3に示すように、17.8ミリメートルの内径φを有する円形の導波管11の長さが100ミリメートルである場合、レーダバンド2の上限における電波の損失は、−21.5dBである。したがって、17.8ミリメートル以下の内径φおよび100ミリメートル以上の長さを有する円形の導波管11を用いる場合、レーダバンド2の電波の損失を「−20dB」より小さくすることができる。
[方形の導波管の大きさ]
図12は、本発明の実施の形態に係る方形の導波管の断面の一例を示す図である。
3.方形導波管においてCDバンドの電波が伝送対象である場合
図12を参照して、以下、円形の導波管11の変形例である、方形たとえば長方形の断面を有する導波管41の大きさについて説明する。たとえば、CDバンドの電波を伝送対象の電波とするアンテナ装置101における導波管41の内部空間41cは、23.4ミリメートル以上かつ27.9ミリメートル以下の幅aを有する四角柱形状の空間である。言い換えると、導波管41は、方形の導波管41であって、23.4ミリメートル以上かつ27.9ミリメートル以下の内部における幅a(以下、内部幅aとも称する。)を有する。
ここで、導波管41において伝送対象の電波の電界方向Evと直交する方向の幅が、内部空間41cの幅すなわち内部幅aに相当する。たとえば、単偏波で電波を伝送する場合、伝送対象の電波の電界方向Evの内部幅bを任意の幅に設定してもよいが、内部幅bは、一般に内部幅aより短く設定される。また、たとえば、複偏波で電波を伝送する場合、内部幅bは、一般に内部幅aと同じ長さに設定される。
好ましくは、導波管41の内部空間41cは、24.0ミリメートル以上かつ27.3ミリメートル以下の幅aを有する四角柱形状の空間である。言い換えると、導波管41は、方形の導波管41であって、24.0ミリメートル以上かつ27.3ミリメートル以下の内部幅aを有する。
また、内部空間41cは、たとえば50ミリメートル以上の長さを有する空間である。好ましくは、内部空間41cは、たとえば100ミリメートル以上の長さを有する空間である。
より詳細には、円形の導波管11と同様に、非特許文献3の74ページにおける式3・40に示すように、導波管41では、内部空間41cの大きさに基づく遮断周波数fcが定まる。遮断周波数fcより低い周波数を有する電波は、導波管41の延伸方向Deにおける長さに応じて減衰する。したがって、導波管41は、ハイパスフィルタとして機能させることが可能である。
図13は、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置の方形の導波管における、内部幅および遮断周波数の関係を示す図である。横軸は、導波管41のミリメートル単位の内部幅aを示し、縦軸は、メガヘルツ単位の遮断周波数fcを示す。
図13を参照して、曲線CSCDfcは、遮断周波数fcの内部幅aに対する変化を示す。たとえば、23.4ミリメートル以上の内部幅aを有する導波管41では、遮断周波数fcは、6406.0メガヘルツ以下となるので、Cバンドより低周波側に位置する。また、たとえば、27.9ミリメートル以下の内部幅aを有する導波管41では、遮断周波数fcは、5372.8メガヘルツ以上となるので、レーダバンド1より高周波側に位置する。
すなわち、23.4ミリメートル以上かつ27.9ミリメートル以下の内部幅aの範囲RSCD1では、遮断周波数fcがCバンドより低くかつレーダバンド1より高い。
図14は、本発明の実施の形態に係る複数種類の方形の導波管についての単位損失の周波数変化を示す図である。横軸は、メガヘルツ単位の周波数frを示し、縦軸は、単位損失LPMを示す。
図14を参照して、曲線CSCD1,CSCD2,CSCD3,CSCD4は、内部幅aがそれぞれ23.4,24.0,27,3,27.9ミリメートルの導波管41についての単位損失LPMの周波数変化を示す。
曲線CSCD4は、レーダバンド1の上限において「−10dB/m」の単位損失LPMを示す一方、Cバンドにおいて「0dB/m」の単位損失LPMを示す。また、曲線CSCD1は、レーダバンド1の上限において「−635dB/m」の単位損失LPMを示す一方、Cバンドにおいて「0dB/m」の単位損失LPMを示す。
これは、23.4ミリメートル以上かつ27.9ミリメートル以下の内部幅aを有する方形の導波管41では、Cバンドの電波が減衰せずに伝搬するとともに、レーダバンド1の電波が導波管41の延伸方向Deにおける長さに応じて減衰することを意味する。
たとえば、23.4ミリメートル以上かつ27.9ミリメートル以下の内部幅aを有する方形の導波管41の長さが50ミリメートルである場合、レーダバンド1の上限における電波の損失は、それぞれ−32dB〜−0.5dBである。
また、上述したように、50ミリメートルの長さを有する導波管41を用いた場合において、レーダバンド1の電波の損失が「−10dB」より小さいことが好ましく、また、100ミリメートルの長さを有する導波管41を用いた場合において、当該損失が「−20dB」より小さいことがより好ましい。また、周波数マージンを確保することが好ましい。
曲線CSCD3に示すように、27.3ミリメートルの内部幅aを有する方形の導波管41の長さが50ミリメートルである場合、レーダバンド1の上限における電波の損失は、−10.3dBである。したがって、27.3ミリメートル以下の内部幅aおよび50ミリメートル以上の長さを有する方形の導波管41を用いる場合、レーダバンド1の電波の損失を「−10dB」より小さくすることができる。
また、曲線CSCD3に示すように、27.3ミリメートルの内部幅aを有する方形の導波管41の長さが100ミリメートルである場合、レーダバンド1の上限における電波の損失は、−20.6dBである。したがって、27.3ミリメートル以下の内部幅aおよび100ミリメートル以上の長さを有する方形の導波管41を用いる場合、レーダバンド1の電波の損失を「−20dB」より小さくすることができる。
また、図13における曲線CSCDfcに示すように、24.0ミリメートルの内部幅aを有する方形の導波管41を用いる場合、遮断周波数fcとCDバンドの下限周波数との差が180メガヘルツである。したがって、24.0ミリメートル以上の内部幅aを有する方形の導波管41を用いる場合、180メガヘルツ以上の周波数マージンを確保することができる。
したがって、24.0ミリメートル以上かつ27.3ミリメートル以下の内部幅aすなわち図13に示す範囲RSCD2に含まれる内部幅a、および50ミリメートル以上または100ミリメートル以上の長さを有する方形の導波管41では、レーダバンド1の電波の損失をそれぞれ「−10dB」または「−20dB」より小さくし、かつ180メガヘルツ以上の周波数マージンを確保することができる。
4.方形導波管においてEFバンドの電波が伝送対象である場合
EFバンドの電波を伝送対象の電波とするアンテナ装置101における導波管41の内部空間41cは、たとえば、14.7ミリメートル以上かつ15.2ミリメートル以下の幅aを有する四角柱形状の空間である。言い換えると、導波管41は、たとえば、方形の導波管41であって、14.7ミリメートル以上かつ15.2ミリメートル以下の内部幅aを有する。
また、内部空間41cは、たとえば50ミリメートル以上の長さを有する空間である。好ましくは、内部空間41cは、たとえば100ミリメートル以上の長さを有する空間である。
図15は、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置の方形の導波管における、内部幅および遮断周波数の関係を示す図である。横軸は、導波管41のミリメートル単位の内部幅aを示し、縦軸は、メガヘルツ単位の遮断周波数fcを示す。
図15を参照して、曲線CSEFfcは、遮断周波数fcの内部幅aに対する変化を示す。たとえば、14.7ミリメートル以上の内部幅aを有する導波管41では、遮断周波数fcは、10197メガヘルツ以下となるので、Eバンドより低周波側に位置する。また、たとえば、15.2ミリメートル以下の内部幅aを有する導波管41では、遮断周波数fcは、9862メガヘルツ以上となるので、レーダバンド2より高周波側に位置する。
すなわち、14.7ミリメートル以上かつ15.2ミリメートル以下の内部幅aの範囲RSEF1では、遮断周波数fcがEバンドより低くかつレーダバンド2より高い。
図16は、本発明の実施の形態に係る複数種類の方形の導波管についての単位損失の周波数変化を示す図である。横軸は、メガヘルツ単位の周波数frを示し、縦軸は、単位損失LPMを示す。
図16を参照して、曲線CSEF1,CSEF4は、内部幅aがそれぞれ14.7,15.2ミリメートルの導波管41についての単位損失LPMの周波数変化を示す。
曲線CSEF4は、レーダバンド2の上限において「−201dB/m」の単位損失LPMを示す一方、Eバンドにおいて「0dB/m」の単位損失LPMを示す。また、曲線CSEF1は、レーダバンド2の上限において「−513dB/m」の単位損失LPMを示す一方、Eバンドにおいて「0dB/m」の単位損失LPMを示す。
これは、14.7ミリメートル以上かつ15.2ミリメートル以下の内部幅aを有する方形の導波管41では、Eバンドの電波が減衰せずに伝搬するとともに、レーダバンド2の電波が導波管41の延伸方向Deにおける長さに応じて減衰することを意味する。
たとえば、14.7ミリメートル以上かつ15.2ミリメートル以下の内部幅aを有する方形の導波管41の長さが50ミリメートルである場合、レーダバンド2の上限における電波の損失は、それぞれ−26dB〜−10dBである。
したがって、14.7ミリメートル以上かつ15.2ミリメートル以下の内部幅a、すなわち図15に示す範囲RSEF1に含まれる内部幅a、および50ミリメートルの長さを有する方形の導波管41では、レーダバンド2の電波の損失を「−10dB」より小さくし、かつ伝送対象の電波を減衰することなく伝送することができる。
また、曲線CSEF4に示すように、15.2ミリメートルの内部幅aを有する方形の導波管41の長さが50ミリメートルである場合、レーダバンド2の上限における電波の損失は、−10.05dBである。したがって、15.2ミリメートル以下の内部幅aおよび50ミリメートル以上の長さを有する方形の導波管41を用いる場合、レーダバンド2の電波の損失を「−10dB」より小さくすることができる。
また、曲線CSEF4に示すように、15.2ミリメートルの内部幅aを有する方形の導波管41の長さが100ミリメートルである場合、レーダバンド2の上限における電波の損失は、−20.07dBである。したがって、15.2ミリメートル以下の内部幅aおよび100ミリメートル以上の長さを有する方形の導波管41を用いる場合、レーダバンド2の電波の損失を「−20dB」より小さくすることができる。
[多角形の導波管の大きさ]
図17は、本発明の実施の形態に係る多角形の導波管の断面の一例を示す図である。
円形の導波管11の変形例である、多角形の導波管の内部空間は、たとえば、多角形の断面形状を有する空間である。そして、多角形の内接円の径および多角形の外接円の径の平均値は、CDバンドの電波が伝送対象である場合、27.4ミリメートル以上かつ32.7ミリメートル以下の値であり、また、EFバンドの電波が伝送対象である場合、17.2ミリメートル以上かつ17.9ミリメートル以下の値である。
また、多角形の導波管の内部空間は、たとえば50ミリメートル以上の長さを有する空間である。好ましくは、多角形の導波管の内部空間は、たとえば100ミリメートル以上の長さを有する空間である。
5.六角形導波管においてCDバンドの電波が伝送対象である場合
図17を参照して、具体的には、たとえば、CDバンドの電波を伝送対象の電波とするアンテナ装置101における導波管51の内部空間51cは、六角形の断面形状51hを有し、かつ50ミリメートル以上の長さ、好ましくは100ミリメートル以上の長さを有する空間である。
導波管51のフィルタ機能については、断面形状51hの内接円ICの径2rおよび断面形状51hの外接円CCの径2Rの平均値である(r+R)の径を有する円形の導波管11と同程度のフィルタ機能を有すると考えられる。したがって、(r+R)は、27.4ミリメートル以上かつ32.7ミリメートル以下の値が好ましい。また、(r+R)は、28.0ミリメートル以上かつ32.0ミリメートル以下の値がより好ましい。
6.六角形導波管においてEFバンドの電波が伝送対象である場合
また、たとえば、EFバンドの電波を伝送対象の電波とするアンテナ装置101における導波管51の内部空間51cは、六角形の断面形状51hを有し、かつ50ミリメートル以上の長さ、好ましくは100ミリメートル以上の長さを有する空間である。
また、断面形状51hの内接円ICの径2rおよび断面形状51hの外接円CCの径2Rの平均値である(r+R)は、17.2ミリメートル以上かつ17.9ミリメートル以下の値が好ましい。
なお、円形の導波管11の変形例である、多角形の断面形状を有する導波管の大きさについて六角形の断面形状51hを有する導波管51を一例として説明を行ったが、多角形の断面形状を有する導波管は、六角形の断面形状51hを有する導波管51に限らず、五角形または七角形以上の多角形の断面形状を有する導波管であってもよい。
[円形の導波管および方形の導波管の組み合わせ]
図18は、本発明の実施の形態に係る導波管の変形例の一例を示す図である。
円形の導波管11の変形例である、円形の導波管および方形の導波管を組み合わせた導波管である複合導波管の内部空間は、たとえば、円筒形状の空間と、四角柱形状の空間とを含み、これらの2つの空間が導波管の延伸方向に沿って連通した空間である。
7.複合導波管においてCDバンドの電波が伝送対象である場合
図18を参照して、具体的には、たとえば、CDバンドの電波を伝送対象の電波とするアンテナ装置101における複合導波管61の内部空間61cは、円形の導波管62における27.4ミリメートル以上かつ32.7ミリメートル以下の径を有する円筒形状の空間62dと、方形の導波管63における23.4ミリメートル以上かつ27.9ミリメートル以下の幅を有する四角柱形状の空間63dとを含む。
好ましくは、複合導波管61の内部空間61cは、円形の導波管62における28.0ミリメートル以上かつ32.0ミリメートル以下の径を有する円筒形状の空間62dと、方形の導波管63における24.0ミリメートル以上かつ27.3ミリメートル以下の幅を有する四角柱形状の空間63dとを含む。
空間62dの長さおよび空間63dの長さの和は、たとえばレーダバンド1の上限における電波の損失が「−10dB」以下となる長さである。
具体的には、空間62dの長さおよび空間63dの長さの和は、たとえば50ミリメートル以上である。好ましくは、空間62dの長さおよび空間63dの長さの和は、たとえば100ミリメートル以上である。
8.複合導波管においてEFバンドの電波が伝送対象である場合
たとえば、EFバンドの電波を伝送対象の電波とするアンテナ装置101における複合導波管61の内部空間61cは、円形の導波管62における17.2ミリメートル以上かつ17.9ミリメートル以下の径を有する円筒形状の空間62dと、方形の導波管63における14.7ミリメートル以上かつ15.2ミリメートル以下の幅を有する四角柱形状の空間63dとを含む。
空間62dの長さおよび空間63dの長さの和は、たとえばレーダバンド2の上限における電波の損失が「−10dB」以下となる長さである。
具体的には、空間62dの長さおよび空間63dの長さの和は、たとえば50ミリメートル以上である。好ましくは、空間62dの長さおよび空間63dの長さの和は、たとえば100ミリメートル以上である。
なお、複合導波管61において、円形の導波管62と方形の導波管63との間に空間62dおよび空間63dを連続かつ滑らかにつなぐための角丸変換部が設けられる構成であってもよい。
[導波管フィルタ]
図19は、本発明の実施の形態に係る導波管の内部空間において設けられる導波管フィルタの一例を示す図である。
図19を参照して、導波管11の内部空間11cには、たとえば、穴h1,h2をそれぞれ有する2つの板状部材Pw1,Pw2が伝送対象の電波の波長に基づく間隔Liで設けられている。
具体的には、導波管11の内部空間11cには、たとえば、板状部材Pw1,Pw2が伝送対象の電波の管内波長λgを2で除した値に相当する間隔Liで設けられている。ここで、管内波長λgの値は、非特許文献3の74ページにおける式3・42に基づいて求められる。
より詳細には、たとえば、板状部材Pw1,Pw2が間隔Liで内部空間11cに設けられることにより、内部空間11cにおいて共振が発生する。このため、導波管11はバンドパスフィルタとして機能する。ここで、たとえば、バンドパスフィルタの中心周波数をfbpとすると、間隔Liは、中心周波数fbpに対応する管内波長λgの値を2で除した長さに設定される。
たとえば、CDバンドの電波が伝送対象である場合において、31.0ミリメートルの内径φを有する円形の導波管11の内部空間11cをTE11モードで電波が伝搬するとき、CDバンドの中心周波数fbpである6.775GHzに対応する管内波長λgの値は80.8ミリメートルである。そして、間隔Liは、80.8ミリメートルを2で除した40.4ミリメートルに設定される。
このような構成により、導波管11が6.775GHzを中心周波数fbpとするバンドパスフィルタとして機能するので、CDバンドに対する低周波の電波および高周波の電波を減衰しながらCDバンドの電波を良好に伝送することができる。すなわち、CDバンドの電波が伝送対象である場合において、CDバンドより高周波のレーダバンド2の電波も減衰することができる。
また、たとえば、EFバンドの電波が伝送対象である場合において、31.0ミリメートルの内径φを有する円形の導波管11の内部空間11cをTE11モードで電波が伝搬するとき、EFバンドの中心周波数fbpである10.475GHzに対応する管内波長λgの値は34.0ミリメートルである。そして、間隔Liは、34.0ミリメートルを2で除した17.0ミリメートルに設定される。
このような構成により、導波管11が10.475GHzを中心周波数fbpとするバンドパスフィルタとして機能するので、EFバンドに対する低周波の電波および高周波の電波を減衰しながらEFバンドの電波を良好に伝送することができる。すなわち、EFバンドの電波が伝送対象である場合において、EFバンドより高周波の妨害波も減衰することができる。
なお、円筒形状の内部空間11cにおいて板状部材Pw1,Pw2が伝送対象の電波の波長に基づく間隔Liで設けられている構成に限らず、前述の四角柱形状の内部空間41cおよび多角形の断面形状を有する内部空間等において、穴を有する複数の板状部材が伝送対象の電波の波長に基づく間隔で設けられている構成でも、導波管フィルタとして機能させることが可能である。
[球面タイプの絶縁部]
次に、1次放射器の変形例について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
図20は、本発明の実施の形態に係る絶縁部、電波制御部および第2反射部の変形例を含む1次放射器の絶縁部付近の断面図である。
図20を参照して、絶縁部16の変形例である絶縁部36は、図3および図4に示す絶縁部16と比べて、凸部16aおよびベース部16bの代わりに凹部36aが形成されたベース部36b、ならびにテーパー部16cの代わりに球面部36cを含む。絶縁部36における凹部16dは、図4に示す絶縁部16における凹部16dと同様である。
電波制御部17の変形例である電波制御部37は、図5に示す電波制御部17と比べて、サイズ以外の構成は、電波制御部17の構成と同様である。
第2反射部18の変形例である第2反射部38は、図5に示す第2反射部18と比べて、サイズ以外の構成は、第2反射部18の構成と同様である。
絶縁部36は、図3に示す絶縁部16と同様に、たとえばPTFEで形成されている。絶縁部36における凹部36a、ベース部36b、球面部36cおよび凹部16dは、たとえば一体に形成されている。
ベース部36bは、たとえば、導波管11の内径と略同じ外径を有する円筒形状の部材であり、第1端面36bfと、第2端面36bsとを有する。また、ベース部36bには、固定用樹脂ねじ15を挿通するためのねじ穴16btがベース部36bの周方向に90度間隔で4つ設けられている。
球面部36cは、平行な2つの平面で半径Rs1の球S1の一部を切り取った形状を有し、電波を収束するレンズ効果を有する。より詳細には、球面部36cは、導波管11の外径より大きい直径を有し、かつ球面部36cの軸およびベース部36bの軸が一致するようにベース部36bの第2端面36bsと接続された第1端面36cfと、第1端面36cfの直径より大きくかつ第2反射部38の外径より小さい直径を有する第2端面36csとを有する。
第1端面36cfおよび第2端面36cs間の距離d1は、たとえば球S1の半径Rs1より小さい。また、球面部36cは、たとえば球S1の中心CS1を含まない。
球面部36cには、固定用金属ねじ20を挿通するための貫通穴16chが、球面部36cの周方向に90度間隔で4つ設けられている。貫通穴16chおよびねじ穴16btは、ベース部36bおよび球面部36cの周方向において互いに対応する位置に設けられている。
球面部36cにおける第2端面36csには、電波制御部37を収納可能なサイズの凹部16dが設けられている。
凹部36aは、たとえば、ベース部36bの第1端面36bfの略中央に設けられている円筒形状の穴である。より詳細には、凹部36aは、ベース部36bの外径すなわち導波管11の内径より小さい外径を有する円筒形状の穴であり、当該穴の軸およびベース部36bの軸が一致するようにベース部36bの第1端面36bfから第2端面36bsへ向かう方向へ設けられている。
絶縁部36は、導波管11に接続される。より詳細には、絶縁部36は、導波管11の第2端11bからベース部36bが導波管11の内部空間11cへ挿入される。ベース部36bが導波管11の内部空間11cへ挿入されると、球面部36cにおける第1端面36cfおよび導波管11の第2端11bが密着した状態で固定用樹脂ねじ15によりベース部36bが導波管11に固定される。この場合、固定用樹脂ねじ15は、x軸またはy軸と平行な貫通穴11hを挿通してベース部36bにおけるねじ穴16btと螺合するので、x軸またはy軸と平行になる。したがって、固定用樹脂ねじ15は、導波管11の内部空間11cを伝搬する電波の偏波方向を乱さない。
第2反射部38は、第1反射部1における反射面1mと対向する反射面38mを有する。より詳細には、第2反射部38は、第1反射部1における反射面1mより小さい反射面38mを反射面1m側に有する。
第2反射部18は、第1反射部1における反射面1mと対向する第1端面38fと、第2端面38sとを有する。すなわち、第2反射部38における第1端面38fは、反射面38mに相当する。
電波制御部37は、固定用金属ねじ21を挿通するためのねじ穴が設けられている底面37aと第2反射部38における第1端面38fとが対向し、かつ電波制御部37の軸と第2反射部38の軸とが一致するように固定用金属ねじ21により第2反射部38に固定される。
第2反射部38は、球面部36cにおける第2端面36csおよび第2反射部38における第1端面38fが対向し、かつ第2反射部38の軸および球面部36cの軸が一致するように固定用金属ねじ20により絶縁部36に固定される。
なお、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置では、導波管11の一部が第1反射部1と第2反射部18との間に位置する構成であるとしたが、これに限定するものではない。アンテナ装置101では、導波管11の全部が第1反射部1と第2反射部18との間に位置する構成であってもよい。
また、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置における1次放射器は、第1反射部1と第2反射部18との間に位置する同軸ケーブルまたは同軸線路を含む構成であってもよい。
また、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置は、電波の送受信が可能な構成であるとしたが、これに限定するものではない。アンテナ装置101は、電波の送信および受信のいずれか一方を行うことが可能な構成であればよい。アンテナ装置101においてたとえば送信動作だけが行われる場合、アンテナ装置101は、電波の放射方向が変更可能であり、かつ導波管11は、反射面18mへ出力する電波を伝送する。また、アンテナ装置101においてたとえば受信動作だけが行われる場合、アンテナ装置101は、電波の入射方向が変更可能であり、かつ導波管11は、反射面18mから受ける電波を伝送する。
また、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置における1次放射器では、第2反射部18が接続された絶縁部16が先端部として導波管11に接続される構成であるとしたが、これに限定するものではない。アンテナ装置では、たとえば、第2反射部18が接続された絶縁部16の代わりに、双曲面反射器が1次放射器の先端部として導波管11に接続されるカセグレンアンテナの構成であってもよい。
また、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置における1次放射器では、電波制御部17,37は円錐形状を有する構成であるとしたが、これに限定するものではない。電波制御部17,37は多角錐形状を有する構成であってもよい。この場合、多角錐形状として四角錐および八角錐等の垂直偏波方向および水平偏波方向の両方向に対して対称な多角錐形状が好ましい。たとえば、電波制御部17が四角錐形状または八角錐形状等を有する構成である場合、垂直偏波のビーム幅および水平偏波のビーム幅をそれぞれ独立に調整することが可能となる。
また、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置における1次放射器では、たとえば、絶縁部16におけるテーパー部16cの第2端面16csに銅層を無電解めっきにより形成し、形成した銅層を第2反射部18とする構成であってもよい。
また、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置における1次放射器では、導波管11および絶縁部16、ならびに絶縁部16および第2反射部18をそれぞれ固定用樹脂ねじ15および固定用金属ねじ20を用いて固定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。1次放射器2では、固定用樹脂ねじ15および固定用金属ねじ20の代わりに、たとえば樹脂製のピンおよび金属製のピンをそれぞれ用いる構成であってもよい。
ところで、特許文献1および2に記載の同軸型1次放射器では、たとえば1次放射器の先端まで同軸線路により電波が伝送されている。一般に、同軸線路は、伝送可能な電波の帯域が広くなるように設計されているので、伝送対象の電波の周波数と異なる周波数を有する妨害波も伝送してしまう場合がある。
これに対して、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置は、電波の放射方向または入射方向を変更可能である。アンテナ装置101は、曲面形状の反射面1mを有する第1反射部1と、反射面1mと対向する反射面18mを有する第2反射部18と、一部または全部が第1反射部1と第2反射部18との間に位置し、反射面18mから受ける電波および反射面18mへ出力する電波の少なくともいずれか一方を伝送する導波管11とを備える。導波管11の内部空間11cは、伝送対象の電波の周波数と異なる周波数を有する妨害波を減衰可能な大きさを有する。
このような構成により、導波管11の内部空間11cにおいて、伝送対象の電波が伝送されるとともに、導波管11の内部空間11cの大きさに応じた遮断周波数fc以下の周波数の電波を減衰させることができるので、たとえばアンテナ装置101に接続される送受信回路151において、またはアンテナ装置101および送受信回路151間においてフィルタを設けることなく、伝送対象の電波を良好に伝送することができる。
また、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置では、内部空間11cは、27.4ミリメートル以上かつ32.7ミリメートル以下の径φを有する円筒形状の空間である。
このような構成により、導波管11の遮断周波数fcを、たとえば、妨害波である気象レーダに用いられる電波の周波数である5.3GHzバンドの上限より大きくかつ伝送対象のCDバンドの下限である6.425GHzより小さくすることができるので、導波管11の内部空間11cにおいて、5.3GHzバンドの電波を減衰しながらCDバンドの電波を良好に伝送することができる。また、円筒形状と相性のよい絶縁部16のような部品と内部空間11cとを容易に接続することができる。
また、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置では、内部空間11cは、28.0ミリメートル以上かつ32.0ミリメートル以下の径φを有する円筒形状の空間である。
このような構成により、たとえば、製造時における各部品のサイズの誤差および組み付け誤差、ならびに設計時における計算誤差等に基づく遮断周波数fcのばらつきに対する、CDバンドの下限からのマージンおよび妨害波である5.3GHzバンドの上限からのマージンを確保することができる。
また、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置では、内部空間11cは、17.2ミリメートル以上かつ17.9ミリメートル以下の径φを有する円筒形状の空間である。
このような構成により、導波管11の遮断周波数fcを、たとえば、妨害波である気象レーダに用いられる電波の周波数である9.7GHzバンドの上限より大きくかつ伝送対象のEFバンドの下限である10.25GHzより小さくすることができるので、導波管11の内部空間11cにおいて、9.7GHzバンドの電波を減衰しながらEFバンドの電波を良好に伝送することができる。また、円筒形状と相性のよい絶縁部16のような部品と内部空間11cとを容易に接続することができる。
また、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置では、内部空間51cは、六角形の断面形状51hを有する空間である。六角形の内接円ICの径2rおよび六角形の外接円CCの径2Rの平均値は、27.4ミリメートル以上かつ32.7ミリメートル以下、または17.2ミリメートル以上かつ17.9ミリメートル以下の値である。
このような構成により、導波管51の遮断周波数fcを、たとえば、妨害波の周波数である5.3GHzバンドの上限より大きくかつ伝送対象のCDバンドの下限である6.425GHzより小さくするか、または妨害波の周波数である9.7GHzバンドの上限より大きくかつ伝送対象のEFバンドの下限である10.25GHzより小さくすることができる。これにより、導波管51の内部空間51cにおいて、5.3GHzバンドの電波を減衰しながらCDバンドの電波を良好に伝送するか、または9.7GHzバンドの電波を減衰しながらEFバンドの電波を良好に伝送することができる。また、六角形の断面形状51hと相性のよい部品と内部空間51cとを容易に接続することができる。
また、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置では、内部空間41cは、23.4ミリメートル以上かつ27.9ミリメートル以下の幅aを有する四角柱形状の空間である。
このような構成により、導波管41の遮断周波数fcを、たとえば、妨害波である気象レーダに用いられる電波の周波数である5.3GHzバンドの上限より大きくかつ伝送対象のCDバンドの下限である6.425GHzより小さくすることができるので、導波管41の内部空間41cにおいて、5.3GHzバンドの電波を減衰しながらCDバンドの電波を良好に伝送することができる。また、四角柱形状と相性のよい部品と内部空間41cとを容易に接続することができる。
また、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置では、内部空間41cは、24.0ミリメートル以上かつ27.3ミリメートル以下の幅aを有する四角柱形状の空間である。
このような構成により、たとえば、製造時における各部品のサイズの誤差および組み付け誤差、ならびに設計時における計算誤差等に基づく遮断周波数fcのばらつきに対する、CDバンドの下限からのマージンおよび妨害波である5.3GHzバンドの上限からのマージンを確保することができる。
また、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置では、内部空間41cは、14.7ミリメートル以上かつ15.2ミリメートル以下の幅aを有する四角柱形状の空間である。
このような構成により、導波管41の遮断周波数fcを、たとえば、妨害波である気象レーダに用いられる電波の周波数である9.7GHzバンドの上限より大きくかつ伝送対象のEFバンドの下限である10.25GHzより小さくすることができるので、導波管41の内部空間41cにおいて、9.7GHzバンドの電波を減衰しながらEFバンドの電波を良好に伝送することができる。また、四角柱形状と相性のよい部品と内部空間41cとを容易に接続することができる。
また、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置では、内部空間11c,41c、51cは、50ミリメートル以上の長さを有する空間である。
このように、妨害波である5.3GHzバンドまたは9.7GHzバンドの電波に対して、ある程度の減衰量が得られる最低限の長さを確保する構成により、妨害波を適切に減衰させることができる。
また、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置では、内部空間11c,41c、51cは、100ミリメートル以上の長さを有する空間である。
このような構成により、妨害波である5.3GHzバンドまたは9.7GHzバンドの電波をより大きく減衰させることができるので、伝送対象の電波をより良好に伝送することができる。
また、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置では、内部空間61cは、27.4ミリメートル以上かつ32.7ミリメートル以下の径を有する円筒形状の空間62dと、23.4ミリメートル以上かつ27.9ミリメートル以下の幅を有する四角柱形状の空間63dとを含む。
このような構成により、CDバンドの電波を伝送対象とする導波管において、円筒形状または四角柱形状と相性のよい部品と内部空間61cとを容易に接続することができる。
また、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置では、内部空間61cは、17.2ミリメートル以上かつ17.9ミリメートル以下の径を有する円筒形状の空間62dと、14.7ミリメートル以上かつ15.2ミリメートル以下の幅を有する四角柱形状の空間63dとを含む。
このような構成により、EFバンドの電波を伝送対象とする導波管において、円筒形状または四角柱形状と相性のよい部品と内部空間とを容易に接続することができる。
また、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置では、内部空間11cには、穴h1,h2をそれぞれ有する2つの板状部材Pw1,Pw2が伝送対象の電波の波長に基づく間隔Liで設けられている。
このような構成により、中心周波数fbpを有するバンドパスフィルタとして導波管11を機能させることができるので、遮断周波数fc以下の妨害波だけでなく、中心周波数fbpより高周波の妨害波も減衰させることができる。
また、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置は、さらに、第2反射部18と導波管11との間に接続された絶縁部16と、導波管11および同軸ケーブルCBLを接続する端子部12とを備える。
このような構成により、同軸ケーブルCBLおよび第2反射部18の間において、電波の減衰が大きい同軸線路を用いて1次放射器の先端まで電波を伝送する構成と比べて、妨害波を減衰させながら伝送対象の電波を効率よく伝送することができる。
また、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置では、内部空間11cは、28.0ミリメートル以上かつ32.0ミリメートル以下の径φ、および50ミリメートル以上の長さを有する円筒形状の空間である。
このような構成により、たとえば、妨害波である5.3GHzバンドを少なくとも10dB減衰させるとともに、たとえば製造時における各部品のサイズの誤差および組み付け誤差、ならびに設計時における計算誤差等に基づく遮断周波数のばらつきに対するCDバンドの下限からのマージンを確保することができる。
また、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置では、内部空間11cは、28.0ミリメートル以上かつ32.0ミリメートル以下の径φ、および100ミリメートル以上の長さを有する円筒形状の空間である。
このような構成により、たとえば、妨害波である5.3GHzバンドを少なくとも20dB減衰させるとともに、たとえば製造時における各部品のサイズの誤差および組み付け誤差、ならびに設計時における計算誤差等に基づく遮断周波数のばらつきに対するCDバンドの下限からのマージンを確保することができる。
また、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置では、内部空間41cは、24.0ミリメートル以上かつ27.3ミリメートル以下の幅a、および50ミリメートル以上の長さを有する四角柱形状の空間である。
このような構成により、たとえば、妨害波である5.3GHzバンドを少なくとも10dB減衰するとともに、たとえば製造時における各部品のサイズの誤差および組み付け誤差、ならびに設計時における計算誤差等に基づく遮断周波数fcのばらつきに対するCDバンドの下限からのマージンを確保することができる。
また、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置では、内部空間41cは、24.0ミリメートル以上かつ27.3ミリメートル以下の幅a、および100ミリメートル以上の長さを有する四角柱形状の空間である。
このような構成により、たとえば、妨害波である5.3GHzバンドを少なくとも20dB減衰するとともに、たとえば製造時における各部品のサイズの誤差および組み付け誤差、ならびに設計時における計算誤差等に基づく遮断周波数fcのばらつきに対するCDバンドの下限からのマージンを確保することができる。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
電波の放射方向または入射方向を変更可能なアンテナ装置であって、
曲面形状の第1反射面を有する第1反射部と、
前記第1反射面と対向する第2反射面を有する第2反射部と、
一部または全部が前記第1反射部と前記第2反射部との間に位置し、前記第2反射面から受ける電波および前記第2反射面へ出力する電波の少なくともいずれか一方を伝送する導波管とを備え、
前記導波管の内部空間は、伝送対象の電波の周波数と異なる周波数を有する妨害波を減衰可能な大きさを有し、
前記第1反射面の形状は、パラボラ形状であり、
前記第2反射部は、前記第1反射面と正対する円板形状の第2反射面を有し、
前記導波管は、前記第1反射部を貫通するように設けられ、
前記導波管は、一部が前記第1反射部と前記第2反射部との間に位置し、前記第2反射面から受ける電波および前記第2反射面へ出力する電波を伝送し、
前記導波管の内部空間は、気象レーダに用いられる5.3GHzバンドまたは9.7GHzバンドの妨害波を減衰可能な大きさを有する、アンテナ装置。