JP6468161B2 - ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、移動体に搭載され、画像を乗員により視認可能に虚像表示するヘッドアップディスプレイ装置(以下、HUD装置を略称とする)に関する。
従来、移動体に搭載され、画像を乗員により視認可能に虚像表示するヘッドアップディスプレイ装置が知られている。特許文献1に開示のHUD装置は、表示光を投射する投射部と、回転可能に設けられ、投射部からの表示光を投影部材に向けて反射する反射鏡と、回転を出力するステッピングモータと、ステッピングモータから出力されて反射鏡へ伝達される回転を、複数の伝達ギアにより減速する減速ギア機構と、乗員からの虚像の移動指令に応じた回転量をステッピングモータに出力させるように、ステッピングモータを制御する出力制御部と、を備えている。さらに、弾性体が減速ギア機構に対して弾性力を及ぼすことで、伝達ギア間のバックラッシを消失させるようになっている。
特開2011−131651号公報
さて、伝達ギア間にバックラッシが存在すると、乗員からの移動指令に応じて、回転量をステッピングモータが出力しても、バックラッシの分だけ回転が反射鏡に伝達されない。反射鏡に伝達されない回転分は虚像の表示位置の移動に反映されないので、乗員は、虚像の表示位置が思うように移動しないことへの違和感を感じることがある。この点、特許文献1では、弾性体の弾性力を用いてバックラッシを消失させ、違和感を低減しているのである。
しかしながら、弾性体が例えば経年劣化等により劣化したり、変形量が小さくなると、その弾性力が低下することがある。伝達ギアを回転させるために必要な力に対して弾性力が不足すると、伝達ギア間には、バックラッシが発生してしまう。したがって、弾性力の低下により違和感の低減効果が損なわれることが懸念されている。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、虚像を視認する乗員の違和感を低減するHUD装置を提供することにある。
開示される発明のひとつは、移動体(1)に搭載され、投影部材(3)に画像を投影することにより、画像を乗員により視認可能に虚像表示するヘッドアップディスプレイ装置であって、
表示光を投射する投射部(20)と、
回転可能に設けられ、投射部からの表示光を投影部材に向けて反射する反射鏡(30)と、
回転を出力するステッピングモータ(40)と、
ステッピングモータから出力されて反射鏡へ伝達される回転を、複数の伝達ギア(52,53,54,55,56,57,58,59)により減速する減速ギア機構(50)と、
伝達ギア間のバックラッシを消失させるように、減速ギア機構に対して弾性力を及ぼす弾性体(80)と、
乗員からの虚像の移動指令に応じた回転量をステッピングモータに出力させるようステッピングモータを制御する出力制御部(70)と、を備え、
出力制御部は、弾性体の弾性力の低下に応じて、ステッピングモータに、所定の加算量を加算して回転量を出力させるように、ステッピングモータを制御し、
出力制御部は、弾性体の性能に基づいて設定された所定期間経過後において、回転量に、加算量を加算する。
また、開示される発明の他のひとつは、移動体(1)に搭載され、投影部材(3)に画像を投影することにより、画像を乗員(5)により視認可能に虚像表示するヘッドアップディスプレイ装置であって、
表示光を投射する投射部(20)と、
回転可能に設けられ、投射部からの表示光を投影部材に向けて反射する反射鏡(30)と、
回転を出力するステッピングモータ(40)と、
ステッピングモータから出力されて反射鏡へ伝達される回転を、複数の伝達ギア(52,53,54,55,56,57,58,59)により減速する減速ギア機構(50)と、
伝達ギア間のバックラッシを消失させるように、減速ギア機構に対して弾性力を及ぼす弾性体(80)と、
乗員からの虚像の移動指令に応じた回転量をステッピングモータに出力させるようステッピングモータを制御する出力制御部(70)と、を備え、
弾性力は、反射鏡の角度に応じて増減し、
出力制御部は、弾性力がバックラッシを消失させるために必要な値よりも低下する反射鏡の角度範囲内の場合に、ステッピングモータに、所定の加算量を加算して回転量を出力させるように、ステッピングモータを制御する。
このような発明によると、弾性体は、減速ギア機構に対して弾性力を及ぼすことで、伝達ギア間のバックラッシを消失させる。この弾性体の弾性力が低下することに応じて、出力制御部は、所定の加算量を加算して、回転量を出力させるように、ステッピングモータを制御するのである。こうすると、弾性力の低下状態において伝達ギア間のバックラッシが生じてしまっていても、乗員が虚像の移動指令をHUD装置に対して与えると、バックラッシ分の反射鏡に伝達されない回転分を、加算量によって補うことができる。したがって、弾性力の低下状態において、虚像を視認する乗員は、移動指令によって虚像の表示位置を思うように移動させることができ、違和感が低減されるのである。
なお、括弧内の符号は、記載内容の理解を容易にすべく、後述する実施形態において対応する構成を例示するものに留まり、発明の内容を限定することを意図するものではない。
一実施形態におけるHUD装置の概略的な構成を示す構成図である。 一実施形態における反射鏡及び弾性体を示す斜視図である。 一実施形態における虚像の表示位置を示す模式図である。 一実施形態におけるステッピングモータ及び減速ギア機構を示す断面図である。 一実施形態におけるステッピングモータに印加される駆動信号について説明するための特性図である。 図4のストッパギア部を示す平面図である。 伝達ギア間の状態を説明するための図であって、(a)弾性力が必要な値を上回っている場合、(b)下回っている場合を示す。 一実施形態における弾性体の劣化を説明するための模式図である。 一実施形態における出力制御部が実行するフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の第1実施形態によるHUD装置100は、移動体の一種である車両1に搭載され、インストルメントパネル2内に収容されている。HUD装置100は、車両1の投影部材としてのウインドシールド3に画像を投影する。これによりHUD装置100は、画像を車両1の乗員5により視認可能に虚像表示する。すなわち、ウインドシールド3に反射される画像の表示光が、車両1の室内において乗員5の眼に到達し、当該乗員5が当該表示光を虚像7として知覚する。そして、乗員5は、虚像7により各種情報を認識することができる。画像として虚像表示される各種情報としては、例えば、車速、燃料残量等の車両の状態値、又は道路情報、視界補助情報等のナビゲーション情報が挙げられる。
車両1のウインドシールド3において、室内側の面は、画像が投影される投影面3aを湾曲する凹面状又は平坦な平面状等に形成している。なお、投影部材として、ウインドシールド3の代わりに、車両1と別体となっているコンバイナを車両1内に設置して、当該コンバイナに画像を投影するものであってもよい。
このHUD装置100は、ハウジング10、投射部20、反射鏡30、ステッピングモータ40、減速ギア機構50、弾性体80、指令スイッチ60、及び出力制御部70を備えている。
ハウジング10は、HUD装置100の他の要素20,30,40,50,70,80を収容する中空形状に形成され、車両1のインストルメントパネル2内に設置される。ハウジング10は、乗員5が着座する運転席1a前方に固定されたウインドシールド3と上下方向に対向する箇所に、表示光を透過可能な防塵シート12を有している。
投射部20は、液晶式の投射器である。投射部20は、画面22及び内臓のバックライトを有し、当該バックライトにより画面22を透過照明することで、表示光を画像として投射するようになっている。なお、投射部20として、液晶式に代えて、レーザ光束が入射する走査ミラーの向きを走査することでスクリーン上に画像を形成するレーザスキャナ方式等を採用することも可能である。
反射鏡30は、図2にも拡大して示すように、合成樹脂ないしはガラス等からなる基材の表面に反射面32としてアルミニウムを蒸着させること等により形成されている。本実施形態の反射鏡30は、反射面32を、例えば本実施形態では、中心部が凹む凹面として、滑らかな曲面状に形成した凹面鏡となっている。そして、反射鏡30は、投射部20からの表示光を、防塵シート12を通して、ウインドシールド3に向けて反射するようになっている。
また、反射鏡30は、回転可能に設けられている。具体的に反射鏡30は、ハウジング10に固定された台座82の軸受部82aにより回転可能に支持された回転軸34を有している。回転軸34の回転により反射鏡30の反射面32の角度が回転軸34まわりに調整されることで、表示光による虚像7の表示位置PDは、図3に示すように、所定方向(本実施形態では、車両の上下方向)に移動する。
反射鏡30と軸受部82aとの間には、スラストバネ84が挿入されている。スラストバネ84は、金属板を折り曲げた板バネであり、反射鏡30を軸方向の一方に押し付ける。反射鏡30は、スラストバネ84により軸方向の移動を抑制される。
ステッピングモータ40は、図4に示すように、クローボール構造の永久磁石型モータであり、回転を出力する。ステッピングモータ40は、ケーシング42、回転子44、及び固定子46a,46bを有している。中空状のケーシング42は、台座82により保持され、ステッピングモータ40の他の要素44,46a〜bを収容している。回転子44は、モータ軸40aの外周側にマグネットロータ44aを組み付けてなる。モータ軸40aは、ケーシング42により回転可能に支持されている。マグネットロータ44aは相反する磁極をそれぞれ複数ずつ、永久磁石により形成している。
2相の固定子46a〜bは、回転子44の外周側にてケーシング42により保持されている。このうちA相の固定子46aは、磁性ヨーク47a,47b及びコイル47cを有し、またB相の固定子46bは、磁性ヨーク48a,48b及びコイル48cを有している。A相において磁性ヨーク47a〜bと同軸上に配置されるコイル47cと、B相において磁性ヨーク48a〜bと同軸上に配置されるコイル48cとは、軸方向においてお互いにずれている。以上の構成によりステッピングモータ40は、A,B各層のコイル47c,48cが駆動信号の印加を受けて励磁することで、マグネットロータ44aと共にモータ軸40aを回転させる。
ここで、A相のコイル47cへ印加される駆動信号は、図5のグラフにおいて太い実線で示すように、電気角に応じて電圧振幅Vを交番させる余弦関数に、従うものとされる。また一方、B相のコイル48cへ印加される駆動信号は、図5のグラフにおいて細い実線で示すように、電気角に応じて電圧振幅Vを交番させる正弦関数に、従うものとされる。こうした駆動信号の印加によりステッピングモータ40においては、実質90度の電気角毎に電気安定点θsが現出する。
減速ギア機構50は、図4に示すように、ケーシング42内にて複数の伝達ギア52〜59を直列に噛合させてなる。これら伝達ギア52〜59は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂等の合成樹脂により形成されている。具体的に、初段ギア52は、モータ軸40aに形成されている。第1アイドラギア53と第1ピニオンギア54とは、ケーシング42により一体回転可能に支持されている。第1アイドラギア53は、初段ギア52に噛合することで、モータ軸40aの回転を減速して第1ピニオンギア54に伝達する。第2アイドラギア55と第2ピニオンギア56とは、ケーシング42により一体回転可能に支持されている。第2アイドラギア55は、第1ピニオンギア54に噛合することで、当該ギア54の回転をさらに減速して第2ピニオンギア56に伝達する。第3アイドラギア57と第3ピニオンギア58とは、ケーシング42により一体回転可能に支持されている。第3アイドラギア57は、第2ピニオンギア56に噛合することで、当該ギア56の回転をさらに減速して第3ピニオンギア58に伝達する。最終段ギア59は、回転軸34に形成されて第3ピニオンギア58と噛合することにより、当該ギア58の回転をさらに減速して反射鏡30に伝達する。
こうした回転伝達経路をなす減速ギア機構50は、モータ軸40aから出力される回転を、反射鏡30まで減速伝達することで、反射鏡30の角度に対応する虚像7の表示位置PDを、移動させる。
ここで、第1アイドラギア53には、図6に示すように、部分ギア状のストッパギア部53aが設けられている。ストッパギア部53aは、第1アイドラギア53のうち回転方向の360度未満の一部領域に形成されており、当該領域内に限って複数の歯53bが連なっている。ストッパギア部53aの端部の歯53bが初段ギア52と噛合するときには、それ以上伝達ギア52〜59が回転しなくなり、反射鏡30の回転が制限される。こうして反射鏡30は、当該領域に対応した可動範囲内でその角度を制限されている。
なお、減速ギア機構50の各伝達ギア52〜59間のそれぞれには、隙間としてのバックラッシが発生し得る。
弾性体80は、図2に示すように、本実施形態では、金属線を円筒状に巻いたコイルバネである。弾性体80は、一方の端部80aを台座82に連結していると共に、他方の端部80bを反射鏡30の枠部30aに連結している。これにより、弾性体80は、伝達ギア52〜59間のバックラッシを消失させるように、減速ギア機構50に対して弾性力を及ぼす。
具体的に、弾性体80と連結された反射鏡30は、弾性力としての引張力により、当該弾性体80に引っ張られる。反射鏡30が引っ張られることで、反射鏡30が回転軸34と共に回転する。そして、回転軸34を通じて各伝達ギア52〜59が、各伝達ギア52〜59間の隙間を無くすように動くことで、バックラッシが消失する。
ここで本実施形態の反射鏡30は、反射面32が上向きとなるような回転方向に弾性力を与えられる。適正な弾性力が減速ギア機構50に及ぶと、図7(a)に示すように、各伝達ギア52〜59間では、回転軸34側の歯がステッピングモータ40側の歯に寄るように歯面50a同士が接触するまで回転し、各伝達ギア52〜59が位置決めされるのである。
なお、弾性体80の弾性力は、製造時又は使用開始時において適正な値となるように設定されている。具体的に、弾性力は、ステッピングモータ40の回転の出力を阻害しない範囲で設定される。これと共に、弾性力は、回転軸34と軸受部82a及びスラストバネ84との摩擦力を上回る範囲で設定される。
こうしたコイルバネが採用された弾性体80は、ストッパギア部53aにより制限される反射鏡30の可動範囲において、弾性域となるように使用される。しかしながら、例えばクリープ変形等の経年劣化により、弾性体80の弾性力が低下してしまう。弾性力が低下して、バックラッシを消失させるために必要な値を下回ると、図7(b)に示すように、伝達ギア52〜59間にバックラッシが発生し得るのである。
また図8に示すように、コイルバネが採用された弾性体80の弾性力は、反射鏡30の角度に応じて増減するようになっている。すなわち、弾性力は、弾性体80の変位量に比例するものとなっているので、反射鏡30が回転すると、他方の端部80bを連結している反射鏡30の枠部30aの位置が変わることで、弾性力が増減するのである。本実施形態では、弾性力の生じる方向である反射鏡30が上向きとなる回転方向に回転する程、弾性力が減少し、逆方向に回転するほど弾性力が増加する。
指令スイッチ60は、図1に示すように、ハウジング10外部の、例えば車両1のステアリングハンドル等に設置され、運転席1a上の乗員5により操作可能となっている。指令スイッチ60は、例えばプッシュ式等の2種類の操作部材62,63を有している。具体的に、ダウン操作部材62は、虚像7の表示位置PDを車両の下方向に移動させるためのダウン移動指令を、乗員5の操作に応じて受ける。また、一方でアップ操作部材63は、表示位置PDを車両の上方向に移動させるためのアップ移動指令を、乗員5の操作に応じて受ける。こうした構成の指令スイッチ60は、各操作部材62,63の操作に応じたダウン指令信号とアップ移動指令とを、指令信号として区別して出力する。
出力制御部70は、ハウジング10の内部に配置され、CPU72及びメモリ部74を主体に構成される電子回路である。CPU72は、メモリ部74に記憶されているコンピュータプログラムを実行することで、各種処理を実施可能となっている。出力制御部70は、例えば車両1のECU(Electronic Control Unit)と通信可能となっており、当該ECUから取得した時間の情報又は時刻の情報を、メモリ部74に一時的に記憶するようになっている。
また、出力制御部70は、投射部20、指令スイッチ60、及びステッピングモータ40のコイル47c,48cと電気的に接続されている。出力制御部70は、投射部20からの表示光の投射を制御する他、指令スイッチ60を介した乗員5からの虚像7の移動指令に応じた回転量を、コイル47c,48cを介して、ステッピングモータ40に出力させるよう当該ステッピングモータ40を制御する。
ここで、出力制御部70は、バックラッシが発生しているか否かを判定するようになっている。具体的に、出力制御部70は、弾性体80の性能に基づいた閾値時間TTH及び閾値角度θTHにより、バックラッシが発生しているか否かを判定する。閾値時間TTHは、弾性体80の経年劣化により弾性力が低下し、当該弾性力がバックラッシを消失させるために必要な値を下回る場合が出現する境目となる時間として、設定される。閾値角度θTHは、反射鏡30の角度に応じて増減する弾性力について、当該弾性力がバックラッシを消失させるために必要な値を下回る境目となる角度として設定される。閾値角度θTHは、弾性体の経年劣化に依存してずれるものとなっている。
例えば、初期の弾性力は、反射鏡30の可動範囲のうち全範囲において必要な値を上回っている(図8の初期のバネ引張荷重を参照)。しかしながら、N1年後の弾性力は、反射鏡30の角度が閾値角度θTH=θ1以下の状態において、必要な値を下回る(図8のN1年後劣化したバネ引張荷重を参照)。また、N2年後の弾性力は、反射鏡30の角度が閾値角度θTH=θ2以下の状態において、必要な値を下回る(図8のN2年後劣化したバネ引張荷重を参照)。すなわちN2年後では、N1年後よりも経年劣化が進み、閾値角度θTHがθ1よりも大きいθ2にずれているのである。
このような閾値時間TTH及び閾値角度θTHは、実験又はシミュレーションにより、採用される弾性体80の経年劣化と弾性力との関係を特定することで、予め設定しておくことができる。
このようなHUD装置100について、指令スイッチ60から指令信号が入力されると、出力制御部70を主体として、図9のフローチャートに基づいた表示位置調整の処理が開始される。
ステップS10では、出力制御部70は、所定期間経過後であるか否かを判定する。具体的に、出力制御部70は、取得された時間の情報又は時刻の情報に基づいて、製造時又は使用開始時からの時間が所定の閾値時間TTH以上であるか否かを判定する。ステップS10にて肯定判定が下されると、ステップS20に移る。ステップS10にて否定判定が下されると、ステップS40に移る。
ステップS20では、反射鏡30の角度が所定範囲内であるか否かを判定する。具体的に本実施形態では、反射鏡30の角度が閾値角度θTH以下であるか否かを判定する。ステップS20にて肯定判定が下されると、ステップS30に移る。ステップS20にて否定判定が下されると、ステップS40に移る。
ステップS30では、所定の加算量を加算する。具体的に、バックラッシ分の移動量に対応する加算量を、乗員5からの虚像7の移動指令に応じた基準の回転量に加算する。ステップS30の処理後、ステップS40に移る。
ステップS40では、ステッピングモータに回転を出力させる。この結果、虚像の表示位置PDが、乗員5からの虚像7の移動指令に応じた分だけ移動することとなる。例えばバックラッシが発生していると判定された場合(すなわちステップS30を経た場合)には、加算量が加算されることで、確実に虚像7の表示位置PDが移動する。一方で、バックラッシが発生していないと判定された場合(すなわちステップS30を経ない場合)には、加算量を加算しない分、ステッピングモータに出力させる回転量を少なく抑えつつも、確実に虚像7の表示位置PDが移動する。ステップS40を以って表示位置調整の処理を終了する。
こうして出力制御部70は、弾性体80の弾性力の低下に応じてステッピングモータ40を制御する。なお、表示位置PDの移動の前後で、閾値角度θTHを跨ぐ可能性がある場合には、反射鏡30の角度が閾値角度θTHになった時に、一旦ステッピングモータ40の回転を止めるようにしてもよい。
(作用効果)
以上説明した本実施形態の作用効果を以下に説明する。
本実施形態によると、弾性体80は、減速ギア機構50に対して弾性力を及ぼすことで、伝達ギア52〜59間のバックラッシを消失させる。この弾性体80の弾性力が低下することに応じて、出力制御部70は、所定の加算量を加算して、回転量を出力させるように、ステッピングモータ40を制御するのである。こうすると、弾性力の低下状態において伝達ギア52〜59間のバックラッシが生じてしまっていても、乗員5が虚像7の移動指令をHUD装置100に対して与えると、バックラッシ分の反射鏡30に伝達されない回転分を、加算量によって補うことができる。したがって、弾性力の低下状態において、虚像7を視認する乗員5は、移動指令によって虚像7の表示位置PDを思うように移動させることができ、違和感が低減されるのである。
また、本実施形態によると、出力制御部70は、弾性体80の性能に基づいて設定された所定期間経過後において、回転量に、所定の加算量を加算する。弾性体80の経年劣化に対して、弾性体80の性能に基づいた期間に応じて加算量を加算することができるので、乗員5の違和感を確実に低減することができる。
また、本実施形態によると、出力制御部70は、反射鏡30の角度が弾性力の増減に基づいて設定された所定範囲内の場合に、回転量に、所定の加算量を加算する。反射鏡30の角度に応じて増減する弾性力に対して、当該弾性力が不足する場合に加算量を加算することができるので、乗員5の違和感を確実に低減することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、当該実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
具体的に、変形例1としては、ステップS10の判定を行わずに、ステップS20の判定だけで、ステップS30の処理を行なうようにしてもよい。
変形例2としては、ステップS20の判定を行わずに、ステップS10の判定だけで、ステップS30の処理を行なうようにしてもよい。
変形例3としては、コイルバネ以外の弾性体80が採用されてもよい。
変形例4としては、車両以外の船舶ないしは飛行機等の各種移動体(輸送機器)に、本発明を適用してもよい。
100 HUD装置、1 車両(移動体)、3 ウインドシールド(投影部材)、5 乗員、20 投射部、30 反射鏡、40 ステッピングモータ、50 減速ギア機構、52〜59 伝達ギア、70 出力制御部、80 弾性体

Claims (3)

  1. 移動体(1)に搭載され、投影部材(3)に画像を投影することにより、前記画像を員(5)により視認可能に虚像表示するヘッドアップディスプレイ装置であって、
    表示光を投射する投射部(20)と、
    回転可能に設けられ、前記投射部からの表示光を前記投影部材に向けて反射する反射鏡(30)と、
    回転を出力するステッピングモータ(40)と、
    前記ステッピングモータから出力されて前記反射鏡へ伝達される回転を、複数の伝達ギア(52,53,54,55,56,57,58,59)により減速する減速ギア機構(50)と、
    前記伝達ギア間のバックラッシを消失させるように、前記減速ギア機構に対して弾性力を及ぼす弾性体(80)と、
    前記乗員からの虚像の移動指令に応じた回転量を前記ステッピングモータに出力させるよう前記ステッピングモータを制御する出力制御部(70)と、を備え、
    前記出力制御部は、前記弾性体の前記弾性力の低下に応じて、前記ステッピングモータに、所定の加算量を加算して前記回転量を出力させるように、前記ステッピングモータを制御し、
    前記出力制御部は、前記弾性体の性能に基づいて設定された所定期間経過後において、前記回転量に、前記加算量を加算するヘッドアップディスプレイ装置。
  2. 移動体(1)に搭載され、投影部材(3)に画像を投影することにより、前記画像を乗員(5)により視認可能に虚像表示するヘッドアップディスプレイ装置であって、
    表示光を投射する投射部(20)と、
    回転可能に設けられ、前記投射部からの表示光を前記投影部材に向けて反射する反射鏡(30)と、
    回転を出力するステッピングモータ(40)と、
    前記ステッピングモータから出力されて前記反射鏡へ伝達される回転を、複数の伝達ギア(52,53,54,55,56,57,58,59)により減速する減速ギア機構(50)と、
    前記伝達ギア間のバックラッシを消失させるように、前記減速ギア機構に対して弾性力を及ぼす弾性体(80)と、
    前記乗員からの虚像の移動指令に応じた回転量を前記ステッピングモータに出力させるよう前記ステッピングモータを制御する出力制御部(70)と、を備え、
    前記弾性力は、前記反射鏡の角度に応じて増減し、
    前記出力制御部は、前記弾性力が前記バックラッシを消失させるために必要な値よりも低下する前記反射鏡の角度範囲内の場合に、前記ステッピングモータに、所定の加算量を加算して前記回転量を出力させるように、前記ステッピングモータを制御するヘッドアップディスプレイ装置。
  3. 前記出力制御部は、前記弾性体の性能に基づいて設定された所定期間経過後において、前記回転量に、前記加算量を加算する請求項に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
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