JP6465910B2 - 生物処理用微生物担体及び固定床の製造方法 - Google Patents

生物処理用微生物担体及び固定床の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は生物処理用微生物担体及び固定床の製造方法に関し,とくに有機性廃水や有機性廃棄物等を微生物により分解処理するバイオリアクタ内で用いる生物処理用微生物担体及びその微生物担体を用いた生物処理用固定床の製造方法に関する。
有機性廃水や有機性廃棄物スラリー等の有機性処理液を削減し又は有効利用するため,固定床が設けられたバイオリアクタ(生物処理槽)に有機性処理液を投入し,固定床に付着した微生物と接触させながら消化・発酵させ,微生物の消化・発酵作用によりバイオガス(メタンガス等)にまで分解する湿式の生物処理(メタン発酵処理)が開発されている(非特許文献1参照)。生物処理の効率化の観点からバイオリアクタ内の固定床は,微生物を高濃度に付着させることができ,発酵液との接触効率を低下させる変形や発酵液中の残渣・余剰微生物等の固形物による閉塞が生じにくい等の条件を満たすことが要求される。これらの条件を満たす固定床の一例として,図6に示すように,ガラス繊維製又は炭素繊維製の織布又は不織布により形成した多孔性の中空筒状体31を,合成樹脂製の周方向及び軸方向部材からなる枠体32で支持した微生物担体素子30が開発されている(特許文献1及び2参照)。
図6に示す微生物担体素子30は,微生物付着表面積を勘案しつつ中空筒状体31の中空部(内径)の大きさを調整することにより発酵液中の固形物に対する抵抗を小さくして閉塞を防止することができる。また,バイオリアクタ内に担体素子30を多数積み上げた場合でも,枠体32の形状保持能により下方の担体素子30の変形を生じにくい。更に,ガラス繊維製又は炭素繊維製の織布又は不織布により形成した中空筒状体31は多孔性であり,その細孔に微生物が効率よく補足されるので,単位面積当たりの付着微生物量(微生物濃度)もが多く,しかも付着した微生物が剥離しにくい利点を有している。
図7(A)に示すように,図6の微生物担体素子30を1本ずつ又は図7(B)に示すように複数本を束にしてバイオリアクタ1の内部にマンホール2を介して搬入し,複数の中空筒状体31を長さ方向に芯合わしながら(長さ方向軸線を揃えながら)積層して規則的に装填することにより生物処理用の固定床7とする。微生物担体素子30を構成する中空筒状体31の中空部(内径)が小さ過ぎると閉塞のおそれがあり,大き過ぎると微生物付着表面積が不足するが,例えば内径30〜300mm(好ましくは50〜200mm)程度の微生物担体素子30をバイオリアクタ1内に規則的に装填することにより微生物の付着濃度が十分高く且つ閉塞が生じにくいメタン発酵処理用の固定床7とすることができる。図中の符号5は微生物担体素子30を載置する孔あき受け台を示し,符号6は微生物担体素子30の浮き上がり防止用の孔あき押え蓋を示す。また図7(B)は,複数本の微生物担体素子30を自立可能な剛性保持枠34内に装填したユニット型の微生物担体を示す(特許文献3参照)。
財団法人新エネルギー財団編「バイオマス技術ハンドブック〜導入と事業化のためのノウハウ〜 第3章メタン発酵」株式会社オーム社,平成20年10月25日,pp.206〜447
実公平7−021280号公報 特開平11−207379号公報 特開2007−209263号公報
しかし,図6に示す微生物担体素子30の1本の長さは2〜3m程度であり,例えば10m程度の背の高い大型バイオリアクタ1の固定床7とする場合は,図7(A)のように多数の微生物担体素子30を長さ方向に芯合わしながら複数段(図示例では5段)積み上げる必要がある。このように多数の微生物担体素子30を積み上げる作業は,非常に手間がかかると共に,上下の軸線が部分的にずれて内径が狭くなる部分(中空部の狭窄部)を生じやすい問題点がある。微生物担体30に狭窄部が生じると,発酵液中の固形物が堆積しやすくなり,固定床7の閉塞の原因となる。また,多数の微生物担体素子30を積み上げた固定床7は,たとえ部分的に閉塞が生じたとしても閉塞部分だけを修復することが難しく,微生物担体素子30の全体をバイオリアクタ1から一旦搬出して新たに積み直さなければならない問題点もある。
図7(B)に示すユニット型の微生物担体を用いることにより,バイオリアクタ1内に微生物担体素子30を装填する作業の容易化と装填後の修復作業の容易化を図ることができる。すなわち,図示例のユニット型微生物担体は,4本の柱枠部材35a〜35dと矩形(正方形)の頂端枠部材37及び底端枠部材38と梁枠部材36とで囲まれた剛性保持枠34内に複数の微生物担体素子30を保持させたものであり,頂端及び底端の矩形断面の各辺を微生物担体素子30の外径の整数倍とし,微生物担体素子30を相互に密着させて保持枠34内に規則的に並べることにより,微生物担体素子30の各々の軸線を保持枠34に対して位置決めすることができる。従って,剛性保持枠34の底端及び頂端を四隅部で位置合わせしながら上下に積み重ねることにより,剛性保持枠34内の複数の微生物担体素子30の長さ方向軸線を同時に位置合わせすることが可能であり,狭窄部のない固定床7を比較的容易に構築できる。また,自立可能なユニットを積層して固定床7とするので,固定床7の一部分に閉塞が生じた場合も,閉塞したユニットのみをバイオリアクタ1から取り出して交換することが可能であり,固定床7の一部分の修復も比較的容易である。
しかし,図7のようなユニット型微生物担体を用いる方法は,剛性保持枠34を用いることでバイオリアクタ1の有効内容積が小さくなり,バイオリアクタ1の発酵能力を低下させるおそれがある。固定床式の生物処理(メタン発酵処理等)では,微生物担体の表面積とバイオリアクタの発酵能力とに正の相関があることが知られており,剛性保持枠34によるバイオリアクタ1の有効内容積の低下は微生物担体の表面積の減少につながり,ひいては発酵能力の低下につながるリスクを伴う。バイオリアクタ内に狭窄部が生じないように装填できると共に,バイオリアクタの発酵能力(微生物担体の表面積)を低下させるリスクの少ない生物処理用微生物担体の開発が求められている。
そこで本発明の目的は,バイオリアクタへの装填時に狭窄部が生じにくく且つ微生物担体の広い表面積が確保できる生物処理用微生物担体及び固定床の製造方法を提供することにある。
図1の実施例を参照するに,本発明による生物処理用微生物担体は,一対の重ね合わせた所定長さL0の耐酸性樹脂製矩形布11,12(図1(A)参照),その一対の矩形布11,12の間に所定間隔G1で並列に配置された矩形布11,12と実質上同じ長さL0の複数本の中空筒状枠体14(図1(B),(C)参照),及び複数本の中空筒状枠体14と一対の矩形布11,12とを結合させる結合部材16(図1(B),(E)参照)を備えてなるものである。
好ましくは,図1(A)及び(B)に示すように,結合部材16に一対の矩形布11,12を所定間隔G0の長さ方向に延びる3本以上の縫合線J1〜J6に沿って接合する接合部材17を含め,一対の矩形布11,12の縫合線J1〜J6の間に形成された複数の筒状空隙13にそれぞれ中空筒状枠体14を嵌め込む。更に好ましくは,図1(E)に示すように,結合部材16に,複数本の中空筒状枠体14を一対の矩形布11,12と共にひと束にまとめる結束部材18を含める。図1(B)に示すように,一対の矩形布11,12の間には7本又は19本の中空筒状枠体14を配置することが望ましい。更に望ましくは,耐酸性樹脂製矩形布11,12をポリエステル繊維製の織布又は不織布とする。
本発明による生物処理用固定床の製造方法は,一対の重ね合わせた所定長さL0の耐酸性樹脂製矩形布11,12の間にその矩形布11,12と実質上同じ長さL0の複数本の中空筒状枠体14を所定間隔G0で並列に配置し,一対の矩形布11,12と複数本の中空筒状枠体14とを結合部材16によって結合して生物処理用微生物担体10とし,その微生物担体10をバイオリアクタ1内に発酵液Sの循環方向と中空筒状枠体14の長さ方向とが揃うように装填して固定床7(図3参照)としてなるものである。
また,図1及び図3の実施例を参照するに,本発明による生物処理用固定床の製造方法の好ましい実施例では,一対の所定長さL0の耐酸性樹脂製矩形布11,12を重ね合わせて所定間隔G0の長さ方向に延びる3本以上の縫合線J1〜J6に沿って接合し(図1(A),(B)参照),一対の矩形布11,12の縫合線J1〜J6の間に形成された複数の筒状空隙13にそれぞれ矩形布11,12と実質上同じ長さL0の中空筒状枠体14を嵌め込み(図1(B),(C)参照),複数本の中空筒状枠体14を一対の矩形布11,12と共に結束部材18によりひと束にまとめて生物処理用微生物担体10とし(図1(E)参照),その微生物担体10をバイオリアクタ1内に発酵液Sの循環方向と中空筒状枠体14の長さ方向とが揃うように装填して固定床7(図3参照)とする
望ましい実施例では,図1(E)に示すように,複数本の中空筒状枠体14を,矩形布11,12の長さ方向と交差する幅方向一端の中空筒状枠体14を軸芯として隣接する中空筒体14を順次巻き付けることによりひと束にまとめて生物処理用微生物担体10とする。一対の矩形布11,12の長さL0は,図3に示すように,バイオリアクタ1内の固定床7の高さL0と一致させることができる。或いは図4に示すように,一対の矩形布11,12の長さL1,L2をバイオリアクタ1内の固定床7の高さL0より小さくし,生物処理用微生物担体10をバイオリアクタ1内に各々の中空筒状担体14を長さ方向に芯合わしながら複数段積層して固定床7とすることもできる。
本発明による生物処理用微生物担体10は,一対の耐酸性樹脂製矩形布11,12を重ね合わせ,その一対の矩形布11,12の間に矩形布11,12と実質上同じ長さL0の複数本の中空筒状枠体14を所定間隔G1で並列に配置し,複数本の中空筒状枠体14と一対の矩形布11,12とを結合部材16(例えば接合部材17,結束部材18等)により結合させるので,次の有利な効果を奏する。
(イ)一対の耐酸性樹脂製矩形11,12と複数本の中空筒状枠体14とを結合することで複数の筒状中空部を有する微生物担体10とすることができ,単独の筒状中空部を有する微生物担体30を用いた従来のバイオリアクタ固定床7の製造・設置方法に比して(図7(A)参照),固定床7の製造作業・設置作業を簡単化することができ,ひいては固定床の製造コスト,設置コストの削減を図ることができる。
(ロ)また,微生物を付着させる耐酸性樹脂製矩形11,12に複数の中空筒状枠体14を結合して微生物担体10とすることにより,バイオリアクタ1の有効内容積を小さくする保持枠34等を用いる必要がなく,バイオリアクタ1の有効内容積を減少させずに固定床7の製造作業・設置作業を簡単化することができる。
(ハ)バイオリアクタ1の固定床7の高さL0と一致するような比較的長い矩形布11,12及び中空筒状枠体14を用いれば,固定床7の高さと同程度の微生物担体10を製造することも可能であり,従来の比較的短い微生物担体素子を積み上げて固定床7を構築する方法に比して,積み上げ作業の省略による固定床7の製造作業・設置作業の簡単化を図ることもできる。
(ニ)また,比較的短い複数の微生物担体素子を長さ方向に芯合わしながら積み上げる従来の固定床7の構築方法に比して,比較的長い微生物担体10を用いて固定床7を構築することにより,微生物担体10の上下の軸線が部分的にずれて狭窄部を生じるリスクを低減することもできる。
(ホ)もっとも,固定床7の一部分に閉塞が生じた場合に閉塞部分の微生物担体10のみを部分的に交換できるように,固定床7の高さL0より比較的短い矩形布11,12及び中空筒状枠体14を用いることにより,複数段を長さ方向に芯合わしながら積層して固定床7とするような比較的短い微生物担体10を形成することも可能である。
(ヘ)従来のガラス繊維製又は炭素繊維製の微生物担体素子は,酸性となりうる発酵液に例えば5年程度の長期間浸漬して使用すると強度が低下し,変形や閉塞を生じるリスクを伴うものであったが,ポリエステル繊維製の織布又は不織布は酸性下に長期間浸漬しても強度劣化が生じにくいので,耐酸性樹脂製矩形布11,12としてポリエステル繊維製の織布又は不織布を用いることにより,例えば10年程度の長期間にわたり高い発酵能力を安定的に維持できる微生物担体とすることが期待できる。
以下,添付図面を参照して本発明を実施するための形態及び実施例を説明する。
本発明による生物処理用微生物担体の一実施例である。 本発明による生物処理用微生物担体の他の実施例である。 本発明による生物処理用微生物担体の製造方法の一実施例である。 本発明による生物処理用微生物担体の製造方法の他の実施例である。 本発明による生物処理用微生物担体の効果を確認する実験結果の説明図である。 従来の生物処理用微生物担体の一例の説明図である。 従来のユニット型の微生物担体の一例及びそれを用いた固定床の説明図である。
図1は,本発明の生物処理用微生物担体10の実施例を示す。図1(E)に示すように本発明の微生物担体10は,一対の耐酸性樹脂製の矩形布11,12と,その一対の矩形布11,12の間に所定間隔G1で並列に配置する複数本の中空筒状枠体14と,一対の矩形布11,12及び複数本の中空筒状枠体14を結合する結合部材16とにより構成されている。図1(E)の微生物担体10は,図3に示すように,例えばメタン発酵処理用のバイオリアクタ1の固定床7として用いることができる。
図1(A)〜(D)は,図1(E)の微生物担体10を製造する手順を示している。図1(A)に示すように一対の矩形布11,12はそれぞれ所定長さL0,所定幅Wの同形のものであり,図1(C)に示すように中空筒状枠体14は矩形布11,12と実質上同じ長さL0のものである。周縁を揃えて重ね合わせた一対の矩形布11,12の間に複数本の中空筒状枠体14を,長さ方向の両端を揃えながら所定間隔G1で幅方向に並べ,例えば矩形布11,12によって中空筒状枠体14の各々を覆いながら結合部材16によって両者を結合することにより,図1(E)に示すような複数の筒状中空部を有する所定長さL0の微生物担体10を製造する。
図1(A)に示す耐酸性樹脂製の矩形布11,12の一例は,ポリエステル繊維,ポリプロピレン繊維,又はポリエチレン繊維を主原料とする織布又は不織布である。図6を参照して上述した従来のガラス繊維製又は炭素繊維製の微生物担体は,微生物を効率よく補足できるが,メタン発酵過程で発生する有機酸により酸性化しやすいバイオリアクタ1内で長期間使用すると強度が劣化(脆弱化)するリスクがある。例えば,105℃の0.1%酢酸液に長時間浸漬する試験により炭素繊維製不織布の耐酸性性能を確認したところ,1369時間経過(約5年相当)により炭素繊維製不織布の引張強度が初期強度の8%程度にまで低下することが分かっている。メタン発酵処理が安定的に維持されて有機酸濃度が低い限り大きな問題とはならないが,微生物担体の強度低下は固定床7の閉塞の原因となりうる。
ポリエステル繊維の耐酸性性能を確認するため,バインダーとして変性スチレン・ブタジエン共重合ラテックスにメラミン系の架橋剤を併用したポリエステル繊維製の不織布の試験片(5片)を作成し,各試験片を55℃でメタン発酵処理が安定的に維持されたバイオリアクタ内に6月間浸漬する試験を行った。各試験片の浸漬前の引張強度及び浸漬後の引張強度の平均値を表1に示す。表1は,メタン発酵槽に6月間浸漬後のポリエステル繊維製不織布の引張強度は浸漬前と比較して約5.6%(=(3.53−3.34)/3.34)増加し,延び率は約52%(=(28.3−59.4)/59.4)低下することを示している。
表1の実験結果からポリエステル繊維は,メタン発酵液中に6月間浸漬した場合でも,試験片に残留した付着物と思われる影響によって伸び率は小さくなっているものの,引張強度の低下がまったくみられないことから,バイオリアクタの固定床として用いる生物処理用微生物担体10として十分な耐酸性性能を有していることが確認できる。不織布ではなくポリエステル繊維製の織布についても,またポリプロピレン繊維,又はポリエチレン繊維製の織布又は不織布についても,同様の耐酸性性能が期待できる。このような耐酸性樹脂製の矩形布11,12を用いることにより,有機酸により酸性化しやすいバイオリアクタ1に5年〜10年以上の長期間にわたり浸漬し続けるような微生物担体10とすることが期待できる。
図1(C)に示す中空筒状枠体14は,バイオリアクタ1内において発酵液が流れる筒状中空部と,その発酵液を周囲の筒状周壁に支持した耐酸性樹脂布11,12と接触させるための多数の開口を有するものであり,例えば図6に示す従来の微生物担体30の枠体32と同様に,合成樹脂製(例えばポリエステル製)の軸方向部材14a及び周方向部材14bを組み合わせたものとすることができる。ただし,中空筒状枠体14の形状は図示例に限定されるものではなく,軸方向部材14a及び周方向部材14bに代えて,網目状の筒状周壁部材により中空筒状枠体14を構成することも可能である。
また,中空筒状枠体14の断面形状は図示例のような円筒形に限らず,例えば断面三角形,断面方形,断面多角形,又は周方向に凹凸のある花弁状断面とすることも可能である。中空筒状枠体14の中空部の径は小さ過ぎると閉塞のおそれがあり,大き過ぎると微生物付着表面積が不足するので,耐酸性樹脂製の矩形布の性質を勘案して適当に選択することができる。なお,中空筒状枠体14は矩形布11,12と実質上同じ長さL0のものであるが,図1(D)に示すように,矩形布11,12の長さより短い複数の中空筒状枠体14a,14bを用い,それらを適当な接続用枠体15によって矩形布11,12と実質上同じ長さL0となるように接続して用いることも可能である。
一対の矩形布11,12と中空筒状枠体14とを結合する結合部材16の一例は,図1(A)及び(B)に示すように,重ね合わせた一対の矩形布11,12を長さ方向に延びる所定間隔G0の3本以上の縫合線J1〜J6に沿って接合する接合部材17である。一対の矩形布11,12を縫合線J1〜J6に沿って接合することにより,各縫合線J1〜J6の間に一対の矩形布11,12で囲まれた複数の筒状空隙13を形成することができ,その筒状空隙13にそれぞれ中空筒状枠体14を嵌め込むことにより,矩形布11,12と中空筒状枠体14とを結合することができる。必要に応じて,筒状空隙13に嵌め込んだ中空筒状枠体14を一対の矩形布11,12と結合する接合部材17を設けてもよい。縫合線J1〜J6の相互間隔G0は,筒状空隙13に中空筒状枠体14が挿入できるように,中空筒状枠体14の口径φ1に応じて設計することができる。
図示例では,3本以上の縫合線J1〜J6に沿って接合部材17を設けると共に,一対の矩形布11,12の幅方向両端にも接合部材17を設けている。幅方向両端を接合することにより,図示例のように6本の縫合線J1〜J6の接合によって,一対の矩形布11,12の間に7個の筒状空隙13を形成し,7個の中空筒状枠体14を結合することができる。また,幅方向両端を接合することにより,微生物担体10の幅方向両端の余り部分をなくし,バイオリアクタ1内に装填する微生物担体10の本数,すなわち微生物担体10の表面積を増やすことができる。ただし,幅方向両端の接合は省略してもよい。また,一対の矩形布11,12の間に結合する中空筒状枠体14の数も,矩形布11,12の幅Wと縫合線J1〜J6の数とに応じて任意に調整可能である。
接合部材17は,例えばポリエステル繊維のように矩形布11,12と同じ材質の耐酸性樹脂製糸とすることができる。すなわち,所定間隔G0の縫合線J1〜J6に沿って(必要に応じて幅方向両端にも沿って),一対の矩形布11,12を耐酸性樹脂製糸で縫い合わせる。接合部材17を耐酸性樹脂製糸とすることにより,バイオリアクタ1内に長期間浸漬した場合にも,接合部材17の強度が低下して矩形布11,12から中空筒状枠体14が剥離することを防止できる。ただし,接合部材17は耐酸性樹脂製糸に限定されるものではなく,バイオリアクタ1内において矩形布11,12と中空筒状枠体14との結合強度が長期間劣化しない接着剤等を用いることも考えられる。
図2は,矩形布11,12と中空筒状枠体14とを結合する接合部材17の他の実施例を示す。図1の実施例では所定間隔G0でそれぞれ1本の縫合線J1〜J6を設けているのに対し,図2の実施例では所定間隔G0でそれぞれ2本組の縫合線(J11,J12)〜(J61,J62)を設けている。2本組縫合線はそれぞれ所定間隙dだけ幅方向に離れた縫合線Jの組み合わせであり,その2本組縫合線の相互間に所定幅方向間隔G0を設ける。接合部材17で一対の矩形布11,12を2本組縫合線(J11,J12)〜(J61,J62)に沿ってそれぞれ接合することにより,一対の矩形布11,12の間に複数の筒状空隙13を形成すると共に,その複数の筒状空隙13の間を2本組縫合線で仕切ることができる。更に図示例では,接合部材17により一対の矩形布11,12を幅方向両端に沿っても接合している。
図2(B)に示すように,一対の矩形布11,12の間に2本組縫合線(J11,J12)〜(J61,J62)で仕切られた複数の筒状空隙13を形成することにより,その筒状空隙13の各々に嵌め込んだ中空筒状枠体14の相互間に所定間隙dに応じた遊び部分を形成することができる。この遊び部分は,一対の矩形布11,12に結合された複数の中空筒状枠体14の相互位置調整を容易にし,例えば図1(E)に示すように複数の中空筒状枠体14をひと束にまとめやすくする。ただし,このような所定間隙dの遊び部分は,バイオリアクタ1内に装填する微生物担体10の本数,すなわち微生物担体10の表面積を減らす原因ともなるので,できるだけ小さくすることが望ましい。
望ましくは,図1(E)に示すように,矩形布11,12と中空筒状枠体14とを結合する結合部材16に,複数本の中空筒状枠体14を一対の矩形布11,12と共にひと束にまとめる結束部材18を含める。上述したように一対の矩形布11,12の間に結合する中空筒状枠体14は任意に調整可能であるが,結合する中空筒状枠体14の数が増えると微生物担体10としての取り扱いが難しくなる。複数本の中空筒状枠体14を束ねて微生物担体10とすることにより,微生物担体10を用いたバイオリアクタ1の固定床7の製造作業・設置作業・修復作業を簡単化することができ,ひいては固定床7の製造コスト,設置コスト・修復コストの削減を図ることができる。
結束部材18も,例えばポリエステル繊維のように矩形布11,12と同じ材質の耐酸性樹脂製バンドとすることができる。すなわち,複数本の中空筒状枠体14を一対の矩形布11,12と共に耐酸性樹脂製バンドで束ねる。結束部材18を耐酸性樹脂製糸とすることにより,バイオリアクタ1内に長期間浸漬した場合にも,結束部材18が低下して中空筒状枠体14と矩形布11,12とがバラけることを防止することができる。ただし,結束部材18は耐酸性樹脂製バンドに限定されず,バイオリアクタ1内において矩形布11,12と中空筒状枠体14との結束強度が長期間劣化しない接着剤等を用いることも考えられる。また,結束部材18を用いる場合は接合部材17を省略し,複数本の中空筒状枠体14と一対の矩形布11,12とを結束部材18のみによってひと束に結合して微生物担体10とすることも可能である。
図1(E)に示すように,複数本の中空筒状枠体14をひと束にまとめる場合は,できるだけ隙間が生じないように相互に密着させて束ねることが好ましい。束ねた中空筒状枠体14の相互間に隙間が存在すると,バイオリアクタ1の発酵液S中に長期間浸漬して使用する場合に,隙間に発酵液S中の固形物が堆積しやすくなり,発酵液Sの生物処理(メタン発酵処理)が不安定化する原因となりうる(後述の実験例1を参照)。図示例では,矩形布11,12の幅方向一端の中空筒状枠体14を軸芯として,隣接する中空筒体14を順次巻き付けることによりひと束にまとめて微生物担体10としている。このように複数本の中空筒状枠体14を相互に密着させて束ねた微生物担体10を用いることにより,バイオリアクタ1の発酵液Sの生物処理(メタン発酵処理)を長期間安定的に維持することが期待できる。
また,図示例のように矩形布11,12の幅方向一端の中空筒状枠体14を軸芯とし,他の中空筒体14を順次巻き付けて束ねた微生物担体10とする場合は,巻き付け後の微生物担体10の断面積ができるだけ円形に近付くように,微生物担体10に7本又は19本の中空筒状枠体14を含めることが望ましい。微生物担体10の断面積を円形に近付けことにより,多数の微生物担体10を用いてバイオリアクタ1の固定床7を製造する場合に,できるだけ隙間が生じないように微生物担体10を相互に密着させて装填することができる(図3(B)を参照)。
図3(A)は,図1の微生物担体10を用いて製造したメタン発酵処理用のバイオリアクタ1の固定床7の実施例の側面図を示す。また図3(B)は,そのバイオリアクタ1の固定床7の断面図を示す。図示例のバイオリアクタ1は,有機性廃水や有機性廃棄物スラリー等の有機性処理液を取り入れる処理液ライン21と,バイオリアクタ内部の発酵液Sを底部から抜き出して上部へ戻して循環させる循環ポンプ23付き循環ライン22と,バイオリアクタ内部で発生したバイオガスを取り出すガスライン25とを有している。また,循環ライン22上には,バイオリアクタ内部の発酵液Sを生物処理(メタン発酵処理)に適する温度に保つ保温装置24が設けられている。更にバイオリアクタ1の内部には,図7の場合と同様に,固定床7を載置する孔あき受け台5と,載置した固定床7の浮き上がりを防止する孔あき押え蓋6が設けられている。
図3の実施例は,バイオリアクタ1の固定床7の高さL0(例えば10m程度)と同程度の長さL0の微生物担体10を用いることにより,図7のように比較的短い複数の微生物担体30を長さ方向に芯合わしながら積層する従来の固定床7に比して,固定床7の製造作業・設置作業の簡単化,低コスト化を図ることができる。すなわち,図1の手順において,バイオリアクタ1の固定床7の高さL0と一致するような比較的長い矩形布11,12と,その矩形布11,12と同じ長さL0の複数の中空筒状枠体14とを用い,予め工場などにおいてそれらを結合手段17,18でひと束にまとめて微生物担体10を作成する。作成した微生物担体10をマンホール2からバイオリアクタ1の内部に搬入し,バイオリアクタ1内に発酵液Sの循環方向と中空筒状枠体14の長さ方向とが揃うように装填すれば固定床7を製造することができ,複数の微生物担体10を積み上げる作業を必要としないので,製造作業の効率化を図ることができる。また,固定床7の高さL0と同程度の長さL0の微生物担体10を用いることにより,微生物担体10の上下の軸線が部分的にずれて狭窄部を生じるリスクもなくすことができる。
更に図3の実施例は,図7(B)に示す従来のユニット型微生物担体と同様に複数の筒状中空部を有する微生物担体10を用いているが,バイオリアクタ1の有効内容積を減少させるような保持枠34を用いていないので,内容積の減少によるバイオリアクタ1の発酵能力の低下を避けることができる。すなわち,本発明の生物処理微生物担体10は,複数本の中空筒状枠体14が結合されており,図7(B)のユニット型微生物担体と同様に複数の筒状中空部を内部に有している。しかし,複数の中空筒状枠体14は微生物を付着させる耐酸性樹脂製矩形11,12によって結合されており,図7(B)のような保持枠34を必要としない。従って,図3(B)に示すように,固定床7内の微生物担体10を相互に密着させることが可能であり,保持枠34を用いた場合のように固定床7内に隙間を生じさせないので,発酵液Sと接触する微生物担体の大きな表面積を確保することができる。
[実験例1]
本発明の微生物担体10を用いて製造した図3のバイオリアクタ1の固定床7の有効性を確認するため,図1(E)と同様に,一対のポリエステル繊維製不織布の矩形布11,12と7本の中空筒状枠体14とを接合部材17により結合したうえで,結束部材18により束ねた微生物担体10を試作して実験を行った(図5(A)参照。以下,この微生物担体を「ポリエステル不織布(芯あり)」ということがある)。実験では,図3のバイオリアクタ1を模擬したメタン発酵槽に微生物担体10を装填して固定床7とし,既存のバイオリアクタ1と同じ処理液を循環させながら生物処理(メタン発酵処理)を125日間継続した。比較のため,従来の炭素繊維製不織布の微生物担体を固定床7とした別のメタン発酵槽を設け(図5(C)参照。以下,この微生物担体を「炭素繊維不織布(芯あり)」ということがある),同じ処理液を循環させながらメタン発酵処理を125日間継続した。
更に,固定床7に装填する微生物担体10の密着性による生物処理の変化を確認するため,図5(B)に示すように一対のポリエステル繊維製不織布の矩形布11,12と6本の中空筒状枠体14とを接合部材17により結合し,図1(C)に示す不織布のない中空筒状枠体14のみからなる軸芯の周りに6本の中空筒状枠体14を巻き付けた微生物担体を試作し,その微生物担体を固定床7とした別のメタン発酵槽を設け(図5(B)参照。以下,この微生物担体を「ポリエステル不織布(芯なし)」ということがある),同じ処理液を循環させながらメタン発酵処理を125日間継続した。
図5(D)は,各メタン発酵槽におけるCOD容積負荷とバイオガス発生量との関係を示す実験結果である。この実験結果から,何れのメタン発酵槽においても,COD容積負荷を徐々に増やしながらメタン発酵処理を継続したところ,負荷の増加に伴ってバイオガス発生量も追従しており,順調に有機物分解が行われていることを確認できた。他方,図5(E)は,各メタン発酵槽におけるCOD容積負荷とVFA(有機酸)濃度との関係を示す実験結果である。この実験結果から,本発明のポリエステル不織布(芯あり)の微生物担体を用いたメタン発酵槽において,従来の炭素繊維不織布(芯あり)の微生物担体を用いたメタン発酵槽と同様に,COD容積負荷を増やしてもVAF濃度の上昇は見られず,安定的に有機物分解が行われていることが分かる。しかし,ポリエステル不織布(芯なし)の微生物担体を用いたメタン発酵槽では,COD容積負荷が増えると徐々にVAF濃度が上昇し,有機物分解が不安定になったことが分かる。
図5(E)の実験結果は,一対の耐酸性樹脂製の矩形布11,12と複数本の中空筒状枠体14とを結合した図1に示す本発明の微生物担体10においても,図6及び図7に示す従来の炭素繊維製の微生物担体30と同様に微生物を高濃度に付着させることができ,発酵液との接触効率を低下させる変形や閉塞が生じにくく,生物処理(メタン発酵処理)を安定的に維持できることを示している。ただし図5(E)の実験結果は,本発明の微生物担体10では,中空筒状枠体14の相互間に隙間が存在すると,生物処理(メタン発酵処理)が不安定化しうることも示している。このことから本発明の微生物担体10は,複数本の中空筒状枠体14をできるだけ隙間が生じないように相互に密着させて用いることが重要であることを確認できた。
こうして本発明の目的である「バイオリアクタへの装填時に狭窄部が生じにくく且つ微生物担体の広い表面積が確保できる生物処理用微生物担体及び固定床の製造方法」の提供を達成することができる。
図4は,図1の微生物担体10を用いたバイオリアクタ1の固定床7の他の実施例を示す。上述した図3の実施例では,バイオリアクタ1の固定床7の高さL0(例えば10m程度)と同程度の長さL0の微生物担体10を用い,複数の微生物担体10を積み上げる作業を省略することにより,固定床7の製造作業の効率化を図っている。ただし,図3のように各微生物担体10の長さL0を固定床7の高さL0と揃えた場合は,何れかの微生物担体10に部分的な閉塞が生じた場合に,微生物担体10の閉塞部分のみを修復することが難しく,長さL0の微生物担体10を搬出して新たなものに置き換える必要が生じる。図4の実施例では,各微生物担体10の長さL1,L2をバイオリアクタ1の固定床7の高さL0より小さくし,各微生物担体10を各々の中空筒状担体14が長さ方向に芯合わせされるように長さ方向に積層して固定床7としている。
すなわち,図4のバイオリアクタ1の固定床7は,バイオリアクタ1の固定床7の高さL0(例えば10m)より小さい長さL1(例えば7〜9m,好ましくは9m)の矩形布11,12と,それと同じ長さL1の複数の中空筒状枠体14とを用い,例えば予め工場などにおいてそれらを結合手段17,18によりひと束にまとめて微生物担体10を作成する。同時に,固定床7の高さL0より小さい長さL2(例えば3〜1m,好ましくは1m)の矩形布11,12と,それと同じ長さL2の複数の中空筒状枠体14とを用いて微生物担体10を作成する。作成した長さL1,L2の微生物担体10をそれぞれマンホール2からバイオリアクタ1の内部に搬入し,先ず長さL1の微生物担体10を発酵液Sの循環方向と中空筒状枠体14の長さ方向とが揃うように装填し,その上に各々の中空筒状枠体14を長さ方向に芯合わせしながら長さL2の微生物担体10を積層することにより固定床7を製造する。
図示例のように,処理液を上部から取り入れる共に内部の発酵液Sを底部から抜き出して上部へ戻して循環させるバイオリアクタ1では,バイオリアクタ1の固定床7の上方部分において部分的な閉塞が生じやすいことが経験されている。図4のバイオリアクタ1のように,長さL1(例えば7〜9m,好ましくは9m)の微生物担体10と長さL2(例えば3〜1m,好ましくは1m)の微生物担体10とを長さ方向に芯合わせしながら積層して固定床7とすれば,固定床7の上方部分において部分的な閉塞が生じた場合に,その部分の長さL2の微生物担体10のみを新たなものに置き換えることにより,微生物担体10の部分的な修復が可能となる。
1…バイオリアクタ 2…マンホール
3…底板 5…孔あき受け台
6…孔あき押え蓋
10…微生物担体 11,12…矩形布
13…筒状空隙 14…中空筒状枠体
14a…軸方向部材 14b…環状部材
14c,14d…中空筒状部材 15…接続用枠体
16…結合部材
17…接合部材 18…結束部材
21…取入れライン 22…循環ライン
23…循環ポンプ 24…保温装置
25…ガスライン
30…微生物担体 31…中空筒状体
32…中空筒状枠体 34…剛性保持枠
35…柱枠部材 36…梁枠部材
37…頂端枠部材 38…底端枠部材
A…バイオガス d…間隙
E…有機性処理液 G…所定間隔
J…接合線 L…長さ
S…発酵液 W…幅
φ…中空筒状枠体の口径

Claims (9)

  1. 一対の重ね合わせた所定長さの耐酸性樹脂製矩形布,前記一対の矩形布の間に所定間隔で並列に配置された当該矩形布と実質上同じ長さの複数本の中空筒状枠体,及び前記複数本の中空筒状枠体と一対の矩形布とを結合させる結合部材を備えてなる生物処理用微生物担体。
  2. 請求項1の微生物担体において,前記結合部材に前記一対の矩形布を所定間隔の長さ方向に延びる3本以上の縫合線に沿って接合する接合部材を含め,前記一対の矩形布の縫合線の間に形成された複数の筒状空隙にそれぞれ前記中空筒状枠体を嵌め込んでなる生物処理用微生物担体。
  3. 請求項1又は2の微生物担体において,前記結合部材に,前記複数本の中空筒状枠体を一対の矩形布と共にひと束にまとめる結束部材を含めてなる生物処理用微生物担体。
  4. 請求項1から3の何れかの微生物担体において,前記一対の矩形布の間に7本又は19本の中空筒状枠体を配置してなる生物処理用微生物担体。
  5. 請求項1から4の何れかの微生物担体において,前記耐酸性樹脂製矩形布をポリエステル繊維製の織布又は不織布としてなる生物処理用微生物担体。
  6. 一対の重ね合わせた所定長さの耐酸性樹脂製矩形布の間に当該矩形布と実質上同じ長さの複数本の中空筒状枠体を所定間隔で並列に配置し,前記一対の矩形布と前記複数本の中空筒状枠体とを結合部材によって結合して生物処理用微生物担体とし,前記微生物担体をバイオリアクタ内に発酵液の循環方向と中空筒状枠体の長さ方向とが揃うように装填して固定床としてなる生物処理用固定床の製造方法。
  7. 一対の所定長さの耐酸性樹脂製矩形布を重ね合わせて所定間隔の長さ方向に延びる3本以上の縫合線に沿って接合し,前記一対の矩形布の縫合線の間に形成された複数の筒状空隙にそれぞれ当該矩形布と実質上同じ長さの中空筒状枠体を嵌め込み,前記複数本の中空筒状枠体を一対の矩形布と共に結束部材によりひと束にまとめて生物処理用微生物担体とし,前記微生物担体をバイオリアクタ内に発酵液の循環方向と中空筒状枠体の長さ方向とが揃うように装填して固定床としてなる生物処理用固定床の製造方法。
  8. 請求項6又は7の製造方法において,前記複数本の中空筒状枠体を,前記矩形布の長さ方向と交差する幅方向一端の中空筒状枠体を軸芯として隣接する中空筒体を順次巻き付けることによりひと束にまとめて生物処理用微生物担体としてなる生物処理用固定床の製造方法。
  9. 請求項6から8の何れかの製造方法において,前記一対の矩形布の長さをバイオリアクタ内の固定床の高さより小さく,前記生物処理用微生物担体をバイオリアクタ内に各々の中空筒状担体を長さ方向に芯合わしながら複数段積層して固定床としてなる生物処理用固定床の製造方法。
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