JP6464280B2 - 両耳補聴器システム - Google Patents

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Description

本発明は、左ITE(ITE:in the ear、耳穴型)補聴器及び右ITE補聴器を含む両耳補聴器システムに関する。より具体的には、本発明は、左CIC(CIC:completely in canal、外耳道に完全に入る)補聴器及び右CIC補聴器を含む両耳補聴器システムに関する。本発明は、左補聴器及び右ITE補聴器(これらはそれぞれ1つのマイクロホンを含む)からの音声信号の指向性処理の課題に対処する。
一般に、補聴器は、聴覚障害者に対し、各々の聴覚障害を補償又は処置するように処理及び増幅された周囲音響信号を供給するために使用される。補聴器は、原則的に、1つ以上の入力信号変換器(又は入力トランスデューサ)と、信号処理装置と、増幅器と、出力信号変換器(又は出力トランスデューサ)とからなる。入力トランスデューサは、一般に、音レシーバ、例えばマイクロホン、及び/又は電磁レシーバ、例えば誘導コイルである。出力トランスデューサは、通常、電気音響変換器、例えば小型スピーカ、又は電気機械変換器、例えば骨伝導イヤピースとして実装される。出力トランスデューサは、イヤピース又はレシーバとも呼ばれる。出力トランスデューサは出力信号を発生させる。この出力信号は患者の耳へと送られ、患者に聴覚認知を生じさせる。増幅器は一般に信号処理装置に組み込まれている。補聴器には、補聴器筺体内に組み込まれた電池によって電力が供給される。補聴器の必須構成要素は一般に回路基板としてのプリント回路基板上に配置されている、及び/又はこの基板に接続されている。
種々の基本的なタイプの補聴器が知られている。ITE補聴器(耳穴型)では、マイクロホン及びレシーバを含むすべての機能構成要素を収容する筺体が少なくとも部分的に耳道内に装用される。CIC補聴器(外耳道に完全に入る)はITE補聴器に類似しているものの、完全に耳道内に装用される。BTE補聴器(BTE:behind the ear、耳かけ型)では、電池及び信号処理装置などの構成要素を有する筺体を耳にかけて装用し、チューブとも呼ばれる可撓性音響チューブによってレシーバの音響出力信号を筺体から耳道へと送る。この場合、チューブ端部を耳道内に確実に配置するためにチューブ上にイヤピースが設けられることが多い。RIC−BTE補聴器(RIC−BTE:receiver in canal,behind the ear、レシーバを耳道内に収めた耳かけ型)はBTE補聴器に類似するものの、レシーバは耳道内に装用され、音響チューブではなく可撓性レシーバチューブにより、音響信号ではなく電気信号をレシーバに送る。レシーバは、レシーバチューブの前部、ほとんどの例では、耳道内に確実に配置するために使用されるイヤピース内に取り付けられている。RIC−BTE補聴器は、いわゆるオープンフィット型デバイスとして使用されることが多く、このデバイスでは、耳道は音及び空気を通過させるために開放されたままであり、煩わしい閉塞効果を低減する。
耳栓型補聴器(耳道に深く収める補聴器)はCIC補聴器に類似する。CIC補聴器は一般にかなり外側に(遠位に)位置する外耳道の部分に装用されるが、耳栓型補聴器は一層鼓膜の方に(近位に)移動され、少なくとも部分的に、外耳道の内側に位置する部分に装用される。耳道の外側に位置する部分は皮膚で被覆された管であり耳介を鼓膜に接続する。この経路は、耳介に直に隣接する外耳道の外側に位置する部分においては、弾性軟骨から形成されている。側頭骨からの経路は外耳道の内側に位置する部分に形成されているため、骨からなる。軟骨の部分と骨との間の耳道の通路は(第2)カーブにおいて全体的に角度をなしており、人によって異なる角度を示す。特に、耳道の骨部分は圧力及び接触に比較的敏感である。耳栓型補聴器は少なくとも部分的に、耳道の敏感な骨部分に装用される。耳道の骨部分に送られる際、耳栓型補聴器は前述の第2カーブも通過しなければならず、これは角度によっては困難な場合がある。更に、耳道の小さな直径及び巻いた形態が更なる前進運動を妨げる場合がある。
耳上又は耳内に装用される音響レシーバを有する補聴器タイプに加え、蝸牛インプラント及び骨伝導補聴器(BAHA:Bone Anchorded Hearing Aid、埋め込み型骨導補聴器)も知られている。
植え込み性の向上に該当する場合、及び美的理由からの補聴器の視認性の低減に該当する場合、装用の快適性を増すために可能な限り最小の筺体又は設計が求められることはすべての補聴器タイプに共通している。同様に、可能な限り最小の設計をつきとめることへの欲求は、他のほとんどの補聴器に当てはまる。
最近の補聴器は、通常、誘導無線方式によって制御データを交換する。両耳結合式補聴器に必要とされる伝送データ速度は、聴力学的アルゴリズム(例えば、ビーム形成、サイドルッキング等)のための音響情報も更に伝送される場合には大幅に増加する。データ速度が高くなるほどより大きな帯域幅を必要とする。干渉信号に対する伝送システムの感度に関する主な決定因子の1つはまさしく帯域幅である。
まさにITE補聴器における高い及び個々の充填密度においては、補聴器内部干渉信号源が主な問題となる。帯域幅が拡大する場合、このことによって問題が更に一層増大する。典型的なITE補聴器では、アンテナは、いわゆるフェースプレート(鼓膜とは逆に面する補聴器の壁)上に又は一部フェースプレート内に配置されている。したがって、アンテナは、通常、いわゆるハイブリッド(ハイブリッド集積回路基板)及びレシーバのすぐ近くにある。ハイブリッド及びレシーバは磁場及び電場を放出し、これらの場は伝送に極度の影響を及ぼす可能性がある。
レシーバ及びハイブリッドに対するアンテナの配置は、伝送システムの性能にとって重要である。高い充填密度のため、構成要素の相互遮蔽が必要とされる。ハイブリッドは、この目的のため、通常、シールドボックスに収容されている。レシーバはシールドフィルムを得る、又は特に磁気的に密閉されるように設計されている。
独国特許出願公開第10 2013 204 681 A1号明細書では、フェースプレートではなく鼓膜に面する補聴器の部分にアンテナを配置することが提案されている。結果的に、ハイブリッド及びレシーバによる伝送システムへの影響を低減する位置決めが得られる。
幾分簡略に示すと、同じアンテナ及び同じエネルギー所要量ではあっても帯域幅を増加することで、伝送路のブリッジ可能距離は短縮される。アンテナはより効率的に製造することができるものの、これは通常、アンテナ容量を増加することによってのみ保証されるものである。
しかし、伝送路の改良の1つの可能性は、使用されないままであったはずの容積をアンテナが使用するようにアンテナを設計することにある。更に、アンテナの大きさが増加されるため、効率が向上する。補聴器内により多くの空間を設ける必要もない。
補聴器の指向性は、2つの全指向性マイクロホン若しくは1つの筺体に2つの開口部を有する1つの指向性マイクロホンを使用することによって、又は近頃紹介されたような、両耳オーディオリンク及び両耳信号処理、例えばビーム形成を使用するBTE(耳かけ型)補聴器の2つの指向性マイクロホンを両耳的に組み合わせることによって実現され得る。これらの方法は、例えば、独国特許出願公開第10 2013 209 062 A1号明細書及び独国特許出願公開第10 2013 207 149 A1号明細書に開示されている。
独国特許出願公開第10 2013 207 149 A1号明細書では両耳ITE補聴器システムについて述べられているが、これまでは以下の理由から、CIC補聴器の(耳介の自然な指向性を超える)指向性を得ることはできなかった。2つの全指向性又は1つの指向性マイクロホンを耳道の小さな直径及びCIC筺体の小さな容積内に配置する可能性はなく、必要な高データ速度用のアンテナを含む無線オーディオリンク機構をCIC筺体の小さな容積内に配置する可能性はない。これまでは、耳介による自然な指向性を超える指向性を提供するCIC製品は利用できなかった。
独国特許出願公開第10 2013 204 681 A1号明細書 独国特許出願公開第10 2013 209 062 A1号明細書 独国特許出願公開第10 2013 207 149 A1号明細書
したがって、本発明の目的は、両耳ITE補聴器システム、特に、耳介によって与えられる自然な指向性を超える指向性を提供する両耳CIC補聴器システムを明示することである。
本発明はこの目的を、アンテナ装置を有する左ITE補聴器と、アンテナ装置を有する右ITE補聴器と、左ITE補聴器のアンテナ装置と右ITE補聴器のアンテナ装置との間で音声信号を伝送するための手段と、耳介の自然な指向性及び/又はヘッドシャドーイング効果を考慮した両耳ビーム形成のための手段と、を含み、ITE補聴器それぞれのアンテナ装置は、磁気透過性材料製のコイルコアを有するアンテナ機構と、長手方向の軸線に沿って延在する、電磁干渉放射を放出する更なる電気補聴器構成要素と、磁気透過性材料製の少なくとも部分的に平坦なシールドと、を含み、シールドは、アンテナ機構と更なる補聴器構成要素との間に配置されており、シールドは、コイルコアの長手方向の軸線に対して横断方向に配置されており、シールドは、コイルコアから50〜150マイクロメートル、好ましくは75〜100マイクロメートルの距離に配置されている、両耳補聴器システムによって達成する。
本発明による両耳ITE補聴器システムによって、特に、ITE補聴器を前述のアンテナ装置と組み合わせることで、(補聴器の使用者に対し)正面方向に関する指向性が可能になる。記載されるアンテナ技術は、耳道の小さな直径内、及び特にCIC補聴器筺体の小さな容積内における無線双方向音声信号伝送を可能にする。本発明の好適な実施形態では、両補聴器のアンテナ装置間で音声信号を伝送するための手段は、補聴器のそれぞれにおいて、音声信号の無線送信及び受信のために各々のアンテナ装置と結合された送信及び受信モジュールを含む。有利なことには、送信及び受信モジュールは、増幅器、周波数変換器、変調器、復調器、符号器及び復号器のうちの少なくとも1つを含む。
本発明は、ITE又はCIC補聴器は、耳介によって、及びヘッドシャドーイングによっても与えられる自然な指向性を示す音響信号(特に高い周波数における前/後曖昧性を解決する)を受信すると認識している。補聴器使用者の耳介及び/又は頭によってもたらされるこれら自然の効果によって、左耳及び右耳内に配置された補聴器によって受信された音声信号を、両耳ビーム形成アルゴリズムの直接入力信号として、すなわち両耳ビームフォーマの前処理としてBTE補聴器において行われるモノラル指向性処理を必要とせずに使用することが可能になる。
有利なことには、両耳補聴器システムは、適応ビーム形成のための手段及び/又は雑音低減のための手段及び/又は頭部運動補償のための手段を更に含む。好ましくは、これら手段はすべて、両ITE補聴器の入力信号を処理する両耳処理手段である。例えば、左ITE補聴器及び右ITE補聴器の入力信号の異なる(線形の)組み合わせを比較することによって、目標信号、例えば、音声信号を雑音信号と区別することが可能である。両耳ビーム形成アルゴリズム及び/又は両耳雑音低減アルゴリズムは、次いで、これに応じて適応又は補正される。特に、ナロービーム方向(すなわち、ビームフォーマによって得られる両耳補聴器システムの指向性)を目標信号の方向に基づき適応的に回転させる。このことにより、使用者は常に話者に正対する必要なく正常かつ快適な会話をすることが可能になる。好ましくは、雑音低減のために両耳ウィーナ型フィルタも使用される。
本発明の更に別の好適な実現形態では、正面目標信号は特定の角度範囲(例えば+−10°)内で適応的に追跡され、これにより、補聴器装用者の不可避のわずかな頭部運動を補償する。
本発明の1つの重要な点は、新たなアンテナ技術と、後の両耳ビーム形成アルゴリズムに頭部及び/又は耳介の自然な指向性を使用することとを組み合わせることである。したがって、本発明は、ITE補聴器、特にCIC補聴器における指向性を可能にする。
更に別の好適な実施形態によれば、両耳ビーム形成のための手段は、左ITE補聴器の左入力信号変換器から受信した左電気入力信号と、右ITE補聴器の右入力信号変換器から受信した右電気入力信号との両方を、左補聴器の左出力信号変換器に伝送される左電気出力信号に、及び右ITE補聴器の右信号変換器に伝送される右出力信号に処理するように適合されており、入力信号変換器のそれぞれは音響入力信号を前記電気入力信号に変換するように適合されており、出力信号変換器のそれぞれは前記電気出力信号を音響出力信号に変換するように適合されている。好ましくは、両耳ビーム形成のための手段は、左ITE補聴器内に位置する左ビーム形成手段と、右ITE補聴器内に位置する右ビーム形成手段と、を含み、左及び右ビーム形成手段の両方は、左及び右電気入力信号を処理し、それぞれ左出力信号及び右出力信号を発生させる。左ITE補聴器の出力信号を発生させるために、右ITE補聴器の入力信号も考慮される。逆の場合も同様である。
更に別の好適な実施形態では、両ITE補聴器の電気入力信号は無線伝送のために変換され、両補聴器の2つのアンテナ装置間に設けられた双方向データリンクを介して交換される。
有利なことには、両耳ビーム形成のための手段は、更に、左電気入力信号を左ITE補聴器から、及び右電気入力信号を右ITE補聴器から受信し、左入力信号と右入力信号とを組み合わせ、目標信号を保持し、耳介の自然な指向性及び/又はヘッドシャドーイング効果を考慮するように、目標信号の方向とは異なる方向から来る信号を減衰させるように適合されている。好ましくは、左及び右入力信号にはそれらを組み合わせる前に重みが付けられ、重みは適応的に変更され、目標信号がほぼ処理されないままであるか減衰されないようにする。特に、両耳ビーム形成のための手段は目標信号の方向を適応的に追跡し、それに応じて右入力信号と左入力信号との組み合わせを再調整するように適合されている。
本発明の別の有利な実施形態では、左ITE補聴器及び右ITE補聴器は両方とも両耳ビーム形成のための手段を含む。好ましくは、両耳システムの両ITE補聴器はその形状が異なるものの、同一構成要素を含む。しかしながら、本発明は、また、両耳ビーム形成のための手段又は処理手段が両ITE補聴器のうちの1つのみに配置される実施形態を包含する。この場合、両耳ビーム形成又は処理手段を含まないITE補聴器の出力信号は、また、アンテナ装置を用いて各補聴器に伝送される。
両耳補聴器システムで用いられるアンテナ装置はそれぞれ、磁気透過性材料製のコイルコアを有するアンテナ機構と、電磁干渉放射を放出する更なる電気補聴器構成要素と、を含み、磁気透過性材料製の少なくとも部分的に平坦なシールドがアンテナ機構と更なる補聴器構成要素との間に配置されており、シールドは、コイルコアに対して50〜150マイクロメートルの距離に、コイルコアの長手方向の軸線に対して横断方向に配置されている。一方では、距離の増加によって、アンテナの信号対雑音比がまず増加し、次いで、低下し、100マイクロメートルのオーダーで最大になるように、最適な距離がもたらされる。他方では、アンテナと更なる補聴器構成要素との間のシールド効果はまず距離の増加によって増加し、次いで、100マイクロメートルのオーダーの距離の場合に飽和する。更に、全体的な設置サイズの理由から最小距離が維持される。
横断方向とは、本明細書では、互いに直角若しくはほぼ直角方向又は約90°から数度の角度範囲を意味するものと理解される。このように、異なる筺体形状が理由で、その設計は耳道によって決定され、アンテナ(又はコイルコアそれぞれ)とシールドとの間に特定の傾きが可能にされ得る。この傾きは例えば、横断方向から45°の角度範囲である。このように、横断方向に対する傾きによってアンテナの感度は不利に低下する。
本明細書では、配向は、アンテナ機構、すなわちコイルコアの長手方向の軸線及びシールドによって提供される表面に関する。概して、コイルコアとコイルコアに巻回された導電性コイルとを含むアンテナ機構は、好適な送信及び受信の空間的方向をコイルコアの長手方向の軸線に沿って有する。この方向に沿う場の密度は長手方向の軸線の横断方向に沿う密度よりも大幅に高い。シールドは、プレート、又はU字形の角度を成したプレート、又は椀のタイプのいずれかとすることができ、更なる補聴器構成要素を中に配置することができる。一方で、平坦なシールドは電磁場の遮蔽を行い、その結果相互干渉結合をすでに低減している。高い透磁率は遮蔽効果を増加させる。更に、シールドは、その材料の高い透磁率によって、最終的にアンテナの伸長又はその効率の上昇を引き起こす。送信場(transmit field)の強度が高くなり、その結果、受信感度が高くなる。
基本観念の有利な発展は、コイルコアの材料がシールドの材料よりも低い透磁率を有することにある。シールド材料の高い透磁率はシールド効果を増幅し、高透磁性材料の通常は高い損失角によって、アンテナの性能に顕著な負の影響を及ぼすことはない。
更に有利な発展は、シールドがミュー金属フィルムからなることにある。特に高い透磁率を有する従来のミュー金属フィルムを使用することで、良好な加工性と同時に特に良好な遮蔽を得ることができる。
更に有利な発展は、シールドがアンテナ機構に接着されていることにある。これによって特に複雑でない組み立てをもたらす。
別の有利な実施形態によれば、更なる電気補聴器構成要素は主に、電磁干渉放射を空間的干渉放射方向に放出し、アンテナ機構と更なる補聴器構成要素とが互いに横断方向に配置されており、アンテナ機構への干渉放射の結合が減少する。このことは主に、干渉放射の空間的方向における干渉放射の放射強度が任意の他の空間的方向よりも大きいことを意味する。したがって、2つの空間的方向が互いに対して直角に配向される場合、最小の結合が生成される。横断方向とは、互いに直角、又はほぼ直角、又は最大45°超若しくは90°未満の角度範囲の配向を意味する。
配向はより厳密には各磁場に関連し、そのため、各場は互いに横断方向に配向され、各磁場も同様に配向される。このように、場の主要方向を容易に理論的に決定することはできない。そのため、各主要方向は明確に固定されない。更に、このように生じた場の非対称性による横断方向に対する最小限の傾きは構成要素とアンテナとの間の遮蔽に有利な影響を及ぼし得る。構成要素の最適な配向は、理論的にはこの点においては90°になるものの、しかしながら、構成要素及びその実際の場に応じて個々に決定しなければならない。構成要素の傾きは、基本的には、シールドの傾きに比べて不利な効果は少ない又は実際には有利な効果を及ぼす。そのため、構成要素の大きな傾きは全般的にシールドとは関係なく設けられる。
アンテナ機構への干渉結合の低減によってより大きな送信及び受信帯域幅を可能とする一方で、構造容量及びエネルギー所要量は維持する。更なる補聴器構成要素は、レシーバ又は特に誘導若しくは電磁放射を放出する任意の他の構成要素であってもよい。
基本観念の有利な発展は、コイルアンテナを含むアンテナ機構、干渉放射を放出するコイル機構を含む更なる補聴器構成要素、並びに各々の長手方向を基準にして互いに横断方向に、換言すると、直角若しくはほぼ直角又は約90°の角度範囲で配向されているコイルアンテナ及びコイル機構にある。コイルアンテナの磁場は異なる空間的配向を有する。そのため、互いに対する横断方向の配向によって相互干渉結合の異なる低減が実施される。
更に有利な発展は、更なる補聴器構成要素がシールド上に配置されていることにある。特に、相互遮蔽により、適度に低い相互干渉結合を伴って補聴器構成要素をアンテナ機構の近傍に配置することが可能となる。その結果、空間を節約した配置が生じ、この配置は更に、アンテナ機構と更なる補聴器構成要素との事前組み立てにも適している。
更に別の好適な実施形態では、更なる補聴器構成要素はシールド上に固定されている。補聴器構成要素をシールド上に固定することで、アンテナ機構とともに予め組み立てられたモジュールを形成する。その結果、補聴器の更なる組み立て又は製造が簡略化される。
更に有利な発展は、シールドが少なくともその周縁部の領域において、更なる補聴器構成要素を、アンテナコアとは逆に面する方向に囲むことにある。その結果、シールドの効率は更に向上し、特に更なる構成要素の、アンテナ機構への干渉結合は更に低減される。その結果、更にアンテナの感度及び品質が向上する。
更に有利な発展は、更なる補聴器構成要素がレシーバであり、コイルコア及びシールドが、コイルアンテナを通る音響路を有することである。したがって、ITE補聴器の場合、両構成要素は空間を節約するように耳道内に可能な限り深く配置され得る。鼓膜に可能な限り近いレシーバの音響的に有利な配置が実現される一方で、使用者のそれぞれ他の(右又は左)耳のITE補聴器に近いコイルアンテナが実現され、これにより、相互データ伝送の品質にプラスの影響を及ぼす。音響路は関連の場の強さの範囲内においてアンテナ特性を大きく障害しないことが事実上示されている。
レシーバは電気力学変換器であるため、レシーバは励磁巻線を有する磁気回路を含む。動作時、レシーバには、通常、データ伝送システムの周波数帯域内にスペクトル成分を有するパルス密度変調信号が供給される。この作動は非常に省エネルギーのため、補聴器に使用されている。このスペクトル成分は補聴器のエネルギー所要量を大きく増加することなくして回避され得ない。レシーバは補聴器において最も多くエネルギーを消費する。これに反して、この目的のためデータ伝送システムのエネルギー所要量は非常に小さく、したがって、磁気干渉に対するその受信感度は比較的大きい。
レシーバをアンテナに対して横断方向に配置することによって、磁気回路、ゆえに、レシーバ巻線もアンテナに対して直角又はほぼ直角又は約90°の角度範囲で配向される。したがって、アンテナへのレシーバ巻線の結合は大幅に低減される。その結果、アンテナは、レシーバに極めて近接して配置され得る。
横断方向に配置されたレシーバとアンテナとの組み合わせは、ITE補聴器の先端部の先細シェル輪郭において最適化され、したがって、設置長さが最小になる。ITE補聴器の先端部に配置することで、調整速度が増すとともに、補聴器の大きさを低減する。加えて、アンテナがフェースプレート上又はフェースプレート近傍にもはや配置されないため、フェースプレートを配置する際により高い自由度が可能になる。更に、ITE補聴器の先端部が予め決められた位置を示すことから、フェースプレート上又はフェースプレート近傍におけるアンテナの適切な位置の計画に伴う労力が省略される。このように、フェースプレートの領域に配置する際に必要とされる、例えば、磁場干渉の物理的制限を考慮に入れる必要もない。
レシーバ巻線はレシーバに対して中心に配置(これは通常、構造の点から不可能である)されておらず、かつ筺体は磁力線をわずかに変形させるため、アンテナに非常に近接している場合には干渉結合がなお生成される。アンテナにおける干渉結合はアンテナとレシーバとの間の更なる遮蔽によって低減することができる。遮蔽は、レシーバの全面をカバーすることが好ましい(最良空間/性能比)。シールドがアンテナコアから最小距離のすぐ近傍に配置されていることから、レシーバの励磁巻線の磁力線は密集した状態で再度供給されるため、磁力線の非常に少数のみがアンテナ巻線を通過する。これにより、電流がアンテナ巻線に誘起されるのを防止し、したがって、レシーバからの干渉結合が大幅に低減される。シールドによって、追加の手段、例えば、シールドフィルム及びそれらの取り付けの必要がなくなる。
シールドとコイルコアとの組み合わせは遮蔽目的で使用されるだけでなく、加えて、アンテナの感度を増加させる。したがって、シールドの効果によって、同じ感度を維持しつつ、アンテナ長さを低減することができる。
アンテナと共同配置するシールドの更なる利点は、同じインダクタンスにおいて、必要な巻線比を削減することができるため、更には、個々の巻線、典型的にはエナメル銅線の直径を増加することができることである。最小の巻き数及び大きなワイヤの直径によって、巻線電気抵抗が有利に低下し、その結果、アンテナ品質が向上する。
干渉分離を増加するために、シールドはまた、レシーバの縁端部周囲にも延在することができる。ここでは、レシーバの全4つの縁端部及びこれらの置換が考えられ、分離効果の幾分大きな増強を生じさせる。シールド効果を更に向上させるために、レシーバは側方又は更には全体が収容され得る。アンテナ感度及び品質はこれによってまた、更に向上する。
アンテナの磁力線密度、ゆえに場の強さは、シールドにより、レシーバへの出口において低下する。最小の場の強さによってレシーバの金属表面に生じる渦電流が少なくなり、その結果、アンテナの品質が向上する。したがって、同じ品質を維持しつつ、アンテナとレシーバとの間の距離を短縮することができる。磁力線はフランジ領域内の縁端部に密集することから、この効果はフェライトの穴によって更に増大する。
基本概念の更に有利な発展は、コイルコアが音響路を有すること、及びシールドが音口を有すること、並びに連続的な音響路が形成されるように音響路と音口とが同じ高さに配置されていることにある。音響路によって、特にレシーバを更なる補聴器構成要素として設けることが可能になる。したがって、レシーバの音響出力信号を音響路に直接送ることができる。更なる補聴器構成要素がレシーバではない場合、別の場所に配置されているレシーバの音響出力信号も当然、音響路を通じて送ることができる。その結果、別個の音響路を設ける必要は特になく、そのため更なる空間の必要性が回避される。
更に有利な発展は、音響路の内壁及び/又はコイルコアとは逆に面するシールドの側が音減衰材で被覆されていることにある。音減衰は、レシーバの使用にとって有利な振動分離をもたらす。音減衰がコイルコア、コイルアンテナ及びレシーバを含むモジュールに組み込まれることによって、連続的な事前組み立て、ゆえに、補聴器の更なる組み立て及び製造の連続的な簡略化が達成される。更に、レシーバとシールドとの間の音減衰によってもたらされる距離は、レシーバへのアンテナの場の移動がその距離だけ低減されることによって、アンテナ品質を向上させるために必要な距離にあるシールド及びレシーバからの分離を生じさせる。このようにして、レシーバがシールドによってより多く囲まれるほど、より短い距離を選択することができ、アンテナ品質の低下は起こらない。
前述のように、本発明の基本概念は、結果として性能を損なうことなく、アンテナを更なる補聴器構成要素により接近させて配置することができるようにアンテナを構成することにある。この目的のために、種々の機能、例えば、遮蔽、接触等を小空間内に組み込むアンテナ装置が明示される。この配置によって、特に、追加の空間の必要性及び追加の構成要素なしでの管理が可能になる。
更に、アンテナはまた、補聴器構成要素に非常に接近して配置し、一体型のモジュールとして組み合わせることができる。その結果、取り付けが簡略化される。アンテナに対するレシーバの配置は固定的に予め定められ、構成要素が2つではなく1つのみ存在する。アンテナの取り付けのために別の作業工程は必要ない。別個のアセンブリのための追加の構成要素も必要ない。その代わり、アンテナモジュールは、製造の前にすでに自動的に予め組み立てられた部品である。
本発明の更に有利な実施形態は、図の補助を得て、従属請求項及び後の例示的実施形態の説明から得られる。
先行技術のITE補聴器を示す。 アンテナ装置を有するITE補聴器を示す。 アンテナ装置の概略図を示す。 アンテナレシーバモジュールを示す。 オフセットアンテナを有するアンテナレシーバモジュールを示す。 傾斜レシーバを有するアンテナレシーバモジュールを示す。 レシーバの磁力線曲線を示す。 シールドを有するレシーバの磁力線分布を示す。 チューブを示す。 アンテナレシーバモジュールを示す。 シールド距離にわたる信号対雑音比を示す。 シールド距離にわたる干渉信号減衰を示す。 アンテナの場の磁力線曲線を示す。 レシーバの場の磁力線曲線を示す。 両耳ITE補聴器システムを示す。 両耳ITE補聴器システムの両耳処理手段を示す。 ヘッドシャドーイング効果を示す。 適応性両耳ビーム形成のための手段を示す。 適応性の頭部運動補償を示す。
図1は、先行技術によるITE補聴器の概略図を示す。ITE補聴器3は補聴器装用者の外耳道に挿入されている。ITE補聴器3は、耳道の外側にある軟骨部1に部分的に配置されており、耳道の骨部に部分的に押し込まれている。したがって、これはCIC補聴器である。補聴器が耳道内のどれほど奥まで導入されるかに応じて、この補聴器はまた、耳栓型(deep−fit)補聴器でもあり得る。
補聴器3内の鼓膜側に向けられた端部にはレシーバ4が配置されている。このレシーバは、音響路7を通じて音響信号を鼓膜に出力する。この反対側の端部に配置されたフェースプレート上にはハイブリッド回路基板8が配置されており、前記回路基板は、信号処理装置(図示せず)と、レシーバ4の制御信号を発生させるための増幅器と、を含む。同様にアンテナ6がフェースプレート5上に配置され、補聴器装用者の反対側の耳(図示せず)の方向に向けられるように位置合わせされている。アンテナ6を使用し、補聴器装用者の2つの両耳補聴器間でデータを送信する。ここでは2つの補聴器のうちの1つのみが示される。
アンテナは補聴器3の更なる電子構成要素に比較的接近して配置されているため、更なる電子構成要素からの電磁干渉信号がアンテナ6に結合する可能性があることは明らかである。この種の干渉信号は特に、電気信号を音響信号に変換するために使用される誘導性レシーバコイルを有するレシーバ4によって放出される。
加えて、アンテナ6が送信又は受信する信号は、補聴器装用者の反対側の耳又は補聴器に達するまでにレシーバ4を通過しなければならず、このことも、データ伝送路に負の影響を及ぼす。前述の干渉要因はデータ伝送システムの性能を著しく低下させるため、高帯域幅は、最小限のエネルギー所要量とともに、制限された程度でしか達成することができない。
図2は、アンテナ装置28を有するITE補聴器13の概略図を示す。ITE補聴器13の筺体19は鼓膜に向かって細くなっている。この側にある音響路17を使用して、装用者の鼓膜に向かって音響信号を放出する。
補聴器13はその反対側がフェースプレート15によって密閉されており、このフェースプレートには、補聴器13又はその筺体19の内部に、電池(図示せず)及びマイクロホン(同様に図示せず)に加え、ハイブリッド回路基板18(破線で示される)が配置されている。ハイブリッド回路基板18は、信号処理装置及び増幅装置を含み、増幅装置は同様に筺体19内部に配置されているレシーバ14を作動させる。レシーバ14は、音響路17を介して出力される音響出力信号を発生させる。
レシーバ14は、補聴器13の長手方向の軸線に対して横断方向に配向されている。アンテナ16は、補聴器装用者の2つの両耳補聴器間でデータを送信するために、レシーバ14と、鼓膜に向かって配向された補聴器13の先細の端部との間に配置されている。アンテナ16は補聴器13の長手方向に配向されているため、レシーバ14に対して横断方向に位置合わせされている。アンテナ16はシールド26によってレシーバ14から分離されている。シールド26は、アンテナ16に対して横断方向に配置されている、又は換言すると、そのコイルコア(図示せず)の長手方向の軸線27に対して横断方向に、かつ軸線27に対して最小距離に配置されている。シールド26は音口39を有する。音口39は音響路17と同じ高さに配置されている。この距離は50〜150マイクロメートルである。アンテナ16と、コイルコアと、レシーバ14と、シールド26とは、アンテナ装置28を形成する。
レシーバ14の横断方向の配向により、レシーバ14及びアンテナ16の空間を節約した配置がもたらされ、その全長はレシーバ14の横断方向の配置によって減少する。加えて、レシーバ14の横断方向の配置により、筺体19内の先細部分の空間利用の向上がもたらされる。筺体19の先細の先端部において利用可能な空間は、レシーバが長手方向に配置される場合よりも有効に利用される。筺体19の音響出力がアンテナ16内の音響路17において直線をとらない場合には、音出口に通じる予め形成された湾曲した音響チューブがアンテナ16の出力側に接続される。
図3は、再度、アンテナ装置28の概略図を示す。音響路17はアンテナ16内に配置されており、アンテナ16内に延びてレシーバ14に達する。レシーバ14は、前述のように、アンテナ16に対して、及びITE補聴器の長手方向に対して横断方向に配向されている。シールド26は、アンテナ16のコイルコア(図示せず)と、コイルコアから50〜150マイクロメートルの距離にあるレシーバ14との間に、長手方向の軸線27に対して横断方向に配置されている。この距離は、例えば、予め成形された部品によって設けられ得る。この予め成形された部品の上にはシールド26及びアンテナ16が取り付けられている。また、この距離は、適切な厚さの接着剤層を用いてシールド26とアンテナ16とを互いに接着させるという特に簡単な手法で設けることができる。
単に説明の目的のため、長手方向に配置されたレシーバ20が破線で示されている。レシーバ20の破線で示す配置は、レシーバ20の長手方向の配置によって全長が増加し、これにより、同時に配置の先細の輪郭が生じないことを示す。前述のように、レシーバ20の長手方向の配置では、補聴器13の先細の先端部の空間をあまり有効に利用できないことが示されている。
図4は、アンテナレシーバモジュールの斜視図を示す。レシーバ14は、前述のように、アンテナ16に対して横断方向に配向されている。アンテナ16は、透磁性材料からなるコイルコア22上に配置されている。透磁性コイルコア22は、アンテナ表面又は感度を増大するために従来の手法で使用される。
シールド26は、レシーバ14の方に面するコイルコア22の端部から50〜150マイクロメートルの距離に配置されている(この距離は図では認識不能である)。シールド26は主に平坦な形状であり、アンテナ16の配向に対して横断方向に、換言すると、コイルコア22の長手方向の軸線27に対して横断方向に、及びレシーバ14の配向に平行に配向されている。シールド26の表面は、レシーバ14がシールド26によって、シールド26に面する表面全体にわたりアンテナから完全に若しくはほぼ完全に遮蔽される、又は逆にアンテナ16がレシーバ14から遮蔽されるような寸法にされている。
音響路17は、コイルコア22及びシールド26を通ってレシーバ14まで延びている。コイルコア22はその内側が、チューブ21として成形された音減衰材料又は振動減衰材料によって被覆されている。別の実施形態では、コイルコア22はその内側が振動減衰するように被覆される必要はなく、したがって、本質的に不減衰の音響案内部として使用される。これにより、音響チューブのより大きな断面を得ることができる。チューブ21は音響路17をアンテナ側出口からレシーバ14に向かって囲み、そこでシールド26に平行に平坦状に成形されている。レシーバ14はチューブ21の平坦形状部に取り付けられ、したがって同様に、振動絶縁されている。補聴器の筺体内でアンテナ装置を振動から分離して懸架するために音減衰材料又は振動減衰材料の球状の伸張部が用いられる。球状の伸張部もまた、チューブに一体的に組み込まれる。
コイルコア22は、チューブ21、アンテナ16、シールド26及びレシーバ14とともにアンテナレシーバモジュールを形成する。チューブ21は、チューブ21上にシールド26及びコイルコア22を配置することで、シールド26とコイルコア22との間に前述の距離が生じるように成形され得る。モジュールは予め組み付けられた又は予め組み立てられた状態で補聴器内に挿入することができる。アンテナレシーバモジュールをチューブ21上に予め組み立てることで、補聴器の製造時の組み立て費用を低減し、したがって、製造工程を簡略化する。
図5は、先に示したものと類似する実施形態を示す。この点で、同じ構成要素に対しては同じ参照符号が使用され、先の説明が参照される。しかしながら、前述の実施形態とは異なり、コイルコア22及びアンテナ16はシールド26に対し中心に配置されておらず、(図では上方に)位置がずらされている。このことを利用し、アンテナ16及びレシーバ14の外部形状を補聴器内の利用可能な組み立て空間に合わせて調整することができる。
図6は、先に示したものに類似する更なる実施形態を示す。同じ参照符号が更に使用され、先の説明が参照される。前述の実施形態とは異なり、レシーバ14はシールド26に対して傾けられている。このことも利用し、補聴器内の利用可能な組み立て空間に合わせて調整することができる。レシーバ14及びアンテナ16の動的場の配向に応じて、シールド26の遮蔽効果を、レシーバ14の最小傾斜角によって変えることができるとともに、特定の状況においては、更に、真垂直の配置に比して向上させることができる。
図7は、レシーバコイルによって機能するレシーバの磁力線曲線の概略的かつ極めて簡略化された表現である。レシーバコイル23はレシーバ14内に軸方向に、換言すると、長手方向に向けられて配置されている。レシーバコイル23はその軸方向において非常に密度の高い(磁)場を発生させる一方で、図の径方向、換言すると右から左の方向においては、比較的弱い(磁)場を発生させることは明らかである。しかしながら、レシーバ23の場は、概して、その筺体並びに場合によっては1つ以上の更なるレシーバコイル及び磁気構成要素に大きく影響され、より複雑な状態で形成される。
また、レシーバ14が発生させる磁場はその横断方向よりもその長手方向においてより強く顕著であることは明らかである。したがって、電磁干渉信号に対して感度の高いアンテナが長手方向に配置されず、その代わりとしてレシーバに対して横断方向に配置される前述の配置により、前記アンテナからの、レシーバ14の電磁信号の顕著な分離がすでに生じている。したがって、アンテナがレシーバ14から側方にかつレシーバ14に対し横断方向にも配置されることで、分離の向上が得られる。
図8は、シールドを有するレシーバの磁力線曲線を示す。図では、レシーバ14は、透磁性コイルコア22の前述のシールド26の左側に配置されている。シールド26のもう一方の側では、上述のわずかに離間したコイルコア22がアンテナ16を支持している。
示されている磁力線曲線は、レシーバ14から又はレシーバコイル23の信号からアンテナ16が遮蔽されていることを示す。アンテナ16の方向に延びる磁力線はシールド26によって変形し、シールド26を通って延びている。したがって、シールド26内の磁力線密度は増加する一方で、シールド26の他方の側の磁力線密度は結果的に同時に減少する。換言すると、レシーバコイル23によって発生する(磁)場の強さは、コイル16の位置において大幅に減少する。したがって、レシーバ信号のアンテナ16への干渉結合は大幅に低減される。
図9は、前述の音減衰チューブを別個に示す。チューブ21は音響路の長手方向に挿通されている。コイル部分24は、前述のコイルコア22を受け入れるために設けられている。コイルコア22は、コイル部分24の周りに、また、必要であれば、チューブ21の更なる長手方向の経路の周りに配置されている。シールド部分25は、シールドを受け入れるために設けられている。ここでは、シールドはシールド部分25の一方の側に配置されている一方で、レシーバはシールド部分25の反対側に配置されている。示されているチューブ21は音減衰材から構成され、その材料は、例えば従来からある材料バイトン(viton)(登録商標)である。
図10は、アンテナレシーバモジュールの更なる実施形態を示す。前述のように、一方の側の、コイルコア32から50〜150マイクロメートルの距離にシールド37が配置されている。アンテナ36はコイルコア32上に巻かれている。アンテナ36とは逆に面する側において、シールド37は、配置されたレシーバ34を、少なくとも、図の上部及び下部に示される領域において囲んでいる。この目的のため、シールド37はここでは椀の形状で具現化されており、そのため、レシーバ34は、少なくとも、シールド周縁部の領域において、アンテナ36とは逆に面する方向にシールド37によって囲まれている。
シールド37がレシーバ34のすべての面を囲んでいる場合には特に良好な遮蔽効果が与えられる。シールド37がレシーバ34を側方だけでなく全体的に密閉することで遮蔽の更なる向上を得ることができる。結果としてアンテナの更なる改良が生じ、この改良を用いて、帯域幅を増加することができる、又はそうでなければ性能を変えることなくアンテナの短縮を実施することができる。
音響路17がコイルコア32内を貫通し、連続的なチューブ31によって、音響路17は音減衰材で被覆されている。音響路17はシールド37の音口40と同じ高さに配置されている。したがって、音口40と音響路17とは、連続的な音響路をともに形成する。チューブ31は同様にシールド37の領域において平坦に又は椀形に具現化され、レシーバ34を振動減衰状態で受け入れている。レシーバ34はチューブ31に取り付けられている。示されているレシーバアンテナモジュールは予め組み立てることができるため、補聴器の更なる組み立て及び製造が大幅に簡略化される。
図11は、アンテナ信号の信号対雑音比(SNR:signal−to−noise ratio)の曲線を、前述のシールドとアンテナのコイルコアとの間の距離の関数として示す。信号対雑音比は約100〜200マイクロメートルの距離においてその最大値にあることは明らかである。この曲線から、シールドとコイルコアとの間の特定の最小距離が有利であることは明らかである。
図12は、アンテナ信号に対するレシーバの干渉信号の減衰を、前述のシールドとアンテナのコイルコアとの間の距離の関数として示す。減衰は約100マイクロメートルの距離において最大減衰に収束することは明らかである。この曲線から、シールドとコイルコアとの間の特定の最小距離が有利であることは明らかである。
前述の図(距離に関する信号対雑音比、距離に関する干渉信号減衰)の概要から、シールドとコイルコアとの間の特定の最小距離(ほぼ約100マイクロメートル)が有利であるものの、特定の更なる距離(約200マイクロメートル)から距離が増加するにつれて、この有利性はそれ以上増加しないどころか、再び減少しさえすることが判明した。アンテナレシーバ配置の可能な限り最小の構造を得ようとすることへの欲求は、距離の更なる増加に影響を及ぼす。
前述の考察から、アンテナ特性及び設置寸法にとって、シールドとコイルコアとの間の距離は約50〜150マイクロメートルが有利であることが明らかである。更に、約75〜100マイクロメートルのより狭い範囲が特に有利であることは図から明らかである。アンテナ、コイルコア、シールド及びレシーバの個々の設計に応じて、他の値となってもよいことは明らかである。しかしながら、補聴器に典型的な配置においては、これらは規定値の範囲内で動くことが想定される。
図13は、コイルコア22内及び周囲のアンテナの磁場の概略図を示す。シールド26がコイルコア22から離間していることから、コイルコア22又はアンテナの側において磁場の圧縮を生じさせていることを容易に認めることができる。レシーバ14の一部透磁性の特性によって、磁場の一部はレシーバ14内にも案内され、これにより、有利なことに、アンテナの理論上の伸長を更にもたらすため、感度の向上に寄与する。
シールド26による磁力線曲線の変形によって、磁力線が全体的にともにコイルコア22及びシールド26内により長く延びることになることは図示されていない。その結果、感度の有利な増加がもたらされる。シールド26とレシーバ14との間にアンテナからの磁力線の減少が生じることも明らかである。なぜなら、磁力線はシールド26の縁端部においてより密に出て、シールド26とレシーバ14との間の場所では密に出ないからである。同時に、シールドは散乱場に不利な影響を及ぼさない。
図14は、レシーバ14の磁場の概略図を示す。シールド26はコイルコア22から離間していることから、アンテナ又はコイルコア22に対するレシーバ14の磁場の遮蔽を生じさせていることを容易に認めることができる。磁場の一部はシールド26を貫通しているが、その最小部分のみが間隙を横切ってコイルコア22に到達していることは明らかである。
アンテナ16の方向に延びる磁力線はシールド26によって変形され、シールド26を通って延びる。したがって、シールド26内の磁力線密度は増加する一方で、シールド26の他方の側の磁力線密度はその結果同時に減少する。換言すると、コイルの位置においてレシーバコイルにより発生する(磁)場の強さは著しい。したがって、レシーバ信号からアンテナへの干渉結合は大幅に減少する。
シミュレーションでは、レシーバ14の場は経時的に非常に異なるデザインをとることができるものの、良好な遮蔽効果は本質的に常に一定に維持されることが示された。
図15は、左ITE補聴器42及び右ITE補聴器43を装用した補聴器使用者41を概略的に示す。両ITE補聴器42、43は双方向ワイヤレスオーディオデータリンク45を介して接続されており、両耳ITE補聴器システム46を確立している。このシステムでは、両ITE補聴器42、43によって受信された音声信号がそれぞれ左及び右ITE補聴器42、43の対応する出力信号へと両耳的に処理される。両ITE補聴器42、43は図2に示されるITE補聴器13に類似しており、図2〜図6、図8、図9、図13及び/又は図14に示すように、コイルコア22の長手方向の軸線に対して横断方向に配向されているシールド26を含むアンテナ装置を含む。特に、耳間で双方向オーディオデータを送信するためのワイヤレスリンクは、両耳ビーム形成などの両耳信号処理アルゴリズムの使用を可能にする。新たな両耳ITE補聴器システムは、暗騒音中における会話の理解に対する更により効率的な解決策を提供する。前述の及び記載したアンテナ装置を使用することで、この高度な両耳用技術はCIC補聴器にも可能である。
図16は、両ITE補聴器42、43の音声信号の両耳処理をより詳細に示す。補聴器使用者41の左ITE補聴器42と右ITE補聴器43との間に、ワイヤレス双方向オーディオデータリンク45が設けられている。
左ITE補聴器42は左入力信号変換器47、特にマイクロホンを介して、左入力信号50を受信し、左入力信号50は左両耳処理手段54に供給される。左両耳処理手段54は左入力信号47を左出力信号56へと処理し、左出力信号56は左出力信号変換器58、特にスピーカに供給される。右ITE補聴器43はそれぞれ、右入力信号変換器48、特にマイクロホンを介して、右入力信号51を受信し、右入力信号51は右両耳処理手段55に供給される。右両耳処理手段55は右入力信号48を右出力信号57へと処理し、右出力信号57は右出力信号変換器59、特にスピーカに供給される。
加えて、オーディオデータリンク45を介して、右入力信号51は左ITE補聴器42にも伝送され、左両耳処理手段54に供給される。したがって、左入力信号50は右ITE補聴器43に伝送され、更なる処理のため、右両耳処理手段55に供給される。このため、左ITE補聴器42の左両耳処理手段54及び右ITE補聴器43の右両耳処理手段55の両方が、両ITE補聴器42、43の入力信号50、51を処理する。
両ITE補聴器42、43の両耳処理手段54、55はそれぞれ、適応ビーム形成のための手段61を特に組み込む両耳ビーム形成のための手段60と、雑音低減のための手段62と、頭部運動補償のための手段63と、を含む。両ITE補聴器42、43の入力信号50、51はそれぞれ、左ITE補聴器42の両耳処理手段54及び右補聴器43の両耳処理手段55によって処理される。左両耳処理手段54の左出力信号56及び右両耳処理手段55の出力信号57はそれぞれ左出力信号変換器58及び右出力信号変換器59に供給される。
図17は、図15及び図16に示すような両耳ITE補聴器システム45の左入力信号50及び右入力信号51の自然な指向性をもたらすヘッドシャドーイング効果を概略的に示す。正面の話者65の音声信号は両ITE補聴器42、43において更に減衰されることなく全く同じに受信される。しかしながら、側方の話者66の音声信号は補聴器使用者41の頭によって異なるように減衰される。左側方の話者66の音声信号は左ITE補聴器42で大きな減衰なく受信されるが、右ITE補聴器43では補聴器使用者41の頭による大きな減衰を伴って受信される。右側方の話者66の音声信号は右ITE補聴器43で大きな減衰なく受信されるが、左ITE補聴器42では補聴器使用者41の頭による大きな減衰を伴って受信される。正面の話者65の音声信号と比較して、後方の話者(図示せず)からの音声信号は両ITE補聴器42、43で耳介による自然な減衰を伴って受信される。
図18は、左ITE補聴器42における両耳用適応ビーム形成のための手段61(図16を参照)をより詳細に示す。左入力信号50は局所的な信号として使用される。右ITE補聴器43の右入力信号51は反対側の信号として使用される。両入力信号50、51は、両耳の雑音及び目標信号推定のためのコンパレータ手段68に供給される。特に、雑音信号は両入力信号50、51の重み付き統合機能部(weighted combination function)によって受信され、最小出力電力をもたらす。目標信号は、例えば、正面目標信号を処理されないままとするか減衰されないようにする各々の指向性ビーム形成部によって受信される。目標信号は目標推定手段69の補助を得て形成される。雑音信号は雑音推定手段70において推定される。適応ビーム形成フィルタ74は雑音消去のため、入力信号50、51の各重み並びに/又は雑音及び目標信号の重みを更新し、騒がしい非定常環境での素早い変化に追従する。
図19は、図15及び図16に示すような両耳ITE補聴器システム45の左及び右入力信号50、51の特定の組み合わせによる、空間ノッチ指向性76を示す。所与の信号の組み合わせは、(ここでは正面目標話者65から)受信された音声信号の最大減衰を示し、したがって、目標信号方向を強く示す。正面の話者65が移動する場合又は頭部が動く場合でさえ、入力信号50、51の組み合わせによって、回転するノッチ指向性77を形成するように適合されている。これに応じて両耳ITE補聴器システム45のナロービーム指向性78は回転し、頭部運動を補償する。
参照符号のリスト:
1 耳道
2 耳道軟骨部
3 ITE補聴器
4 レシーバ
5 フェースプレート
6 アンテナ
7 音響路
8 ハイブリッド
13 ITE補聴器
14 レシーバ
15 フェースプレート
16 アンテナ
17 音響路
18 ハイブリッド
19 筺体
20 レシーバ
21 チューブ
22 コイルコア
23 レシーバコイル
24 コイル部分
25 シールド部分
26、37 シールド
31 チューブ
32 コイルコア
34 レシーバ
36 アンテナ
39、40 音口
41 補聴器使用者
42 左ITE補聴器
43 右ITE補聴器
45 データリンク
46 両耳ITE補聴器システム
47 左入力信号変換器
48 右入力信号変換器
50 左入力信号
51 右入力信号
54 左両耳処理手段
55 右両耳処理手段
56 左出力信号
57 右出力信号
58 左出力信号変換器
59 右出力信号変換器
60 両耳ビーム形成のための手段
61 適応ビーム形成のための手段
62 雑音低減のための手段
63 頭部運動補償のための手段
65 正面(目標)話者
66 側方の話者
68 コンパレータ
69 目標
70 雑音推定部
72 空間ノッチフィルタ
74 適応フィルタ
76 空間ノッチ
77 回転した空間ノッチ
78 ナロービーム

Claims (14)

  1. アンテナ装置(28)を有する左ITE補聴器(42)と、
    アンテナ装置(28)を有する右ITE補聴器(43)と、
    前記左ITE補聴器(42)の前記アンテナ装置(28)と前記右ITE補聴器(43)の前記アンテナ装置(28)との間で音声信号を伝送するための手段と、
    耳介の自然な指向性に基づく及び/又はヘッドシャドーイング効果に基づく両耳ビーム形成のための手段(60)と、
    を含み、
    前記ITE補聴器(42、43)それぞれの前記アンテナ装置(28)は、
    磁気透過性材料製であり、長手方向の軸線(27)に沿って延在するコイルコア(22、32)を有するアンテナ機構(16、36)と、
    電磁干渉放射を放出する更なる電気補聴器構成要素(14、34)と、
    磁気透過性材料製の少なくとも部分的に平坦なシールド(26、37)と、
    を含み、
    前記シールド(26、37)は、前記アンテナ機構(16、36)と前記更なる電気補聴器構成要素(14、34)との間に配置されており、前記シールド(26、37)は、前記コイルコア(22、32)の前記長手方向の軸線(27)に対して横断方向に配置されており、前記シールド(26、37)は、前記コイルコア(22、32)から50〜150マイクロメートル、好ましくは75〜100マイクロメートルの距離に配置されており
    前記両耳ビーム形成のための手段(60)は、前記左ITE補聴器(42)の左入力信号変換器(47)から受信した左電気入力信号(50)及び前記右ITE補聴器(43)の右入力信号変換器(48)から受信した右電気入力信号(51)を、前記左ITE補聴器(42)の左出力信号変換器(58)に伝送される左電気出力信号(56)及び前記右ITE補聴器(43)の右出力信号変換器(59)に伝送される右電気出力信号(57)に処理するように適合されており、前記入力信号変換器(47、48)のそれぞれは、音響入力信号を前記電気入力信号(50、51)に変換するように適合されており、前記出力信号変換器(58、59)のそれぞれは、前記電気出力信号(56、57)を音響出力信号に変換するように適合されている、
    両耳補聴器システム(45)。
  2. アンテナ装置(28)を有する左ITE補聴器(42)と、
    アンテナ装置(28)を有する右ITE補聴器(43)と、
    前記左ITE補聴器(42)の前記アンテナ装置(28)と前記右ITE補聴器(43)の前記アンテナ装置(28)との間で音声信号を伝送するための手段と、
    耳介の自然な指向性に基づく及び/又はヘッドシャドーイング効果に基づく両耳ビーム形成のための手段(60)と、
    を含み、
    前記ITE補聴器(42、43)それぞれの前記アンテナ装置(28)は、
    磁気透過性材料製であり、長手方向の軸線(27)に沿って延在するコイルコア(22、32)を有するアンテナ機構(16、36)と、
    電磁干渉放射を放出する更なる電気補聴器構成要素(14、34)と、
    磁気透過性材料製の少なくとも部分的に平坦なシールド(26、37)と、
    を含み、
    前記シールド(26、37)は、前記アンテナ機構(16、36)と前記更なる電気補聴器構成要素(14、34)との間に配置されており、前記シールド(26、37)は、前記コイルコア(22、32)の前記長手方向の軸線(27)に対して横断方向に配置されており、前記シールド(26、37)は、前記コイルコア(22、32)から50〜150マイクロメートル、好ましくは75〜100マイクロメートルの距離に配置されており、
    前記両耳ビーム形成のための手段(60)は、前記左ITE補聴器(42)から左電気入力信号(50)及び前記右ITE補聴器(43)から右電気入力信号(51)を受信し、前記左電気入力信号(50)と前記右電気入力信号(51)とを組み合わせて目標信号を保持し、耳介の自然な指向性及び/又は前記ヘッドシャドーイング効果を考慮して、前記目標信号の方向とは異なる方向から来る信号を減衰させるように適合されている、
    両耳補聴器システム(45)。
  3. 適応ビーム形成のための手段(61)及び/又は雑音低減のための手段(62)及び/又は頭部運動補償のための手段(63)を更に含む、請求項1又は2に記載の両耳補聴器システム(45)。
  4. 前記両耳ビーム形成のための手段(60)は、前記目標信号の方向を適応的に追跡し、それに応じて前記右電気入力信号と前記左電気入力信号との組み合わせを再調整するように適合されている、請求項に記載の両耳補聴器システム(45)。
  5. 前記左ITE補聴器(42)及び前記右ITE補聴器(43)の両方は、両耳ビーム形成のための手段(60)を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の両耳補聴器システム(45)。
  6. 前記コイルコア(22、32)の材料は前記シールド(26、37)の材料よりも低い透磁率を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の両耳補聴器システム(45)。
  7. 前記シールド(26、37)はミュー金属フィルムで作製されている、請求項に記載の両耳補聴器システム(45)。
  8. 前記シールド(26、37)は前記アンテナ機構(16、36)に接着されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の両耳補聴器システム(45)。
  9. 前記更なる電気補聴器構成要素(14、34)は主に、電磁干渉放射を干渉放射の空間的方向に放出し、前記アンテナ機構(16、36)への干渉放射の結合が減少するように、前記アンテナ機構(16、36)と前記更なる電気補聴器構成要素(14、34)とは互いに横断方向に配置されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の両耳補聴器システム(45)。
  10. 前記アンテナ機構(16、36)はコイルアンテナを含み、前記更なる電気補聴器構成要素は干渉放射を放出するコイル機構(23)を含み、前記コイルアンテナと前記コイル機構(23)とは、前記コイルアンテナ及び前記コイル機構(23)各々の長手方向を基準にして互いに横断方向に配向されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の両耳補聴器システム(45)。
  11. 前記更なる電気補聴器構成要素(14、34)は前記シールド(26、37)に固定されている、請求項1〜1のいずれか一項に記載の両耳補聴器システム(45)。
  12. 前記シールド(26、37)は少なくともその周縁部の領域において、前記更なる電気補聴器構成要素を、前記アンテナ機構(16、36)とは逆に面する方向に囲んでいる、請求項1〜1のいずれか一項に記載の両耳補聴器システム(45)。
  13. 前記コイルコア(22、32)は音響路(17)を有し、前記シールド(26、37)は音口(26)を有し、前記音響路(17)と前記音口(26)とは、連続的な音響路が形成されるように同じ高さに配置されている、請求項1〜1のいずれか一項に記載の両耳補聴器システム(45)。
  14. 前記音響路(17)の内壁、及び/又は前記シールド(26、37)の、前記コイルコア(22、23)とは逆に面する側は音減衰材で被覆されている、請求項1に記載の両耳補聴器システム(45)。
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