JP6463928B2 - 溶接用電極の補正精度判定装置及び方法 - Google Patents
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昇降駆動されるロボットに設けた電極が、前記ロボットの昇降によって高さ補正された状態において、前記電極の補正が適正であるか否かを判定する溶接用電極の補正精度判定装置であって、
前記電極の上方に配された導電性の可動部材と、
前記可動部材の上面と下面とに対向するように配置された上下一対の導電性の検知部材と、
前記可動部材が、高さ補正された前記電極に押し上げられ、且つ前記検知部材と非接触であるときに、前記電極の補正高さが適正であると判定する判定手段とを備えているところに特徴を有する。
昇降駆動されるロボットに設けた電極が、前記ロボットの昇降によって高さ補正された状態において、前記電極の補正が適正であるか否かを判定する溶接用電極の補正精度判定方法であって、
前記電極の上方に配された導電性の可動部材と、
前記可動部材の上面と下面とに対向するように配置された上下一対の導電性の検知部材とを設けた上で、
前記可動部材が、高さ補正された前記電極に押し上げられ、且つ前記一対の検知部材と非接触であるときに、前記電極の補正高さが適正であると判定するところに特徴を有する。
前記ロボットに対し相対的に昇降駆動されるキャリアと、
前記キャリアに下向きに設けた可動側電極とを備え、
前記可動部材の厚さが、前記電極と前記可動側電極とに挟まれる被溶接物の厚さと同じ寸法とされ、
適正範囲で高さ補正された前記電極が前記可動部材に当接した状態で、前記キャリアの下降により前記可動側電極を前記可動部材に当接させるようになっていてもよい。
前記ロボットに対し相対的に昇降駆動されるキャリアと、
前記キャリアに下向きに設けた可動側電極とを備え、
前記可動部材の厚さを、前記電極と前記可動側電極とに挟まれる被溶接物の厚さと同じ寸法に設定した上で、
適正範囲で高さ補正された前記電極が前記可動部材に当接した状態で、前記キャリアを下降させて前記可動側電極を前記可動部材に当接させてもよい。
以下、本発明を具体化した実施例1を図1〜図14を参照して説明する。
図1,2に示すように、溶接装置Aは、ロボット用駆動機構11により昇降駆動されるロボット10と、ロボット10に一体に昇降するように取り付けた固定側電極12(請求項に記載の電極)と、キャリア用駆動機構14によりロボット10に対して相対的に昇降駆動されるキャリア13と、キャリア13に一体に昇降するように取り付けた可動側電極15とを備えて構成されている。ロボット10の下端部には、固定側電極12が上向きに取り付けられている。キャリア13は、固定側電極12の上方に配されている。キャリア13の下端部には、可動側電極15が、固定側電極12と上下方向に対向するように下向きに取り付けられている。
補正精度判定装置Bは、溶接位置とは別ブースの補正精度判定位置に設けられている。補正精度判定装置Bは、図7に示すように、溶接時における被溶接物16とほぼ同じ高さに配された水平な板状をなす可動部材20と、上下一対の検知部材21,22とを備えている。可動部材20は、ガイドレール24によって上下動可能に設けた昇降体25から水平に片持ち状に延出した形態である。可動部材20は、導電性を有し、上下方向へ弾性変形可能な材料(例えば、バネ鋼)からなる。また、可動部材20の板厚寸法は、被溶接物16の板厚と同じ寸法である。
次に、本実施例1の作用を説明する。溶接工程では、1回の溶接が行われる毎に、両電極12,15の交換時にリセットされた溶接回数カウンターが減算され、図13に示すように、この溶接回数カウンターに基づいて、溶接累計回数が電極交換設定回数に到達したか否かを判定する(ステップS011)。溶接累計回数が電極交換設定回数に到達していない場合は、そのまま溶接が継続される。溶接累計回数が電極交換設定回数に到達した場合は、電極交換が行われる(ステップS012)。
次に、電極交換の手順について説明する。溶接累計回数が電極交換設定回数に到達すると、図14に示すように、溶接装置Aの制御部(図示省略)において電極交換指示信号がONとなる(ステップS021)。これにより、ロボット10が電極交換位置へ移動し(ステップS022)、固定側電極12と可動側電極15が交換される(ステップS023)。その後、溶接回数カウンターがリセットされる(ステップS024)。両電極12,15が交換された後、ロボット10が溶接位置へ移動する(ステップS025)。
ロボット10が溶接位置にある状態では、交換された固定側電極12の上端の高さ(即ち、固定側電極12の上下寸法の誤差)が確認される(ステップS026)。同時に、可動側電極15の下端の高さ(即ち、可動側電極15の上下寸法の誤差)も確認される。この固定側電極12と可動側電極15の寸法の誤差を確認する際には、予め、誤差が適正範囲内である原点設定用の固定側電極12と可動側電極15を用いて、準備工程を実行しておく。準備工程では、図4に示すように、ロボット10を溶接工程時と同じ高さ(以下、溶接位置という)にした状態で、キャリア13を下降させ、原点設定用の可動側電極15の下端を原点設定用の固定側電極12の上端に当接させる。このときの原点設定用の固定側電極12の上端の高さを、Hoとする。また、キャリア13(原点設定用の可動側電極15)の原点高さからの下降寸法Moを記憶させておく。以上が、準備工程である。
この後、ロボット10を補正精度判定位置へ移動させる(ステップS027)。補正位置確認工程が行われていない状態の補正精度判定装置Bは、図7に示すように、可動部材20と昇降体25がその自重により下降し、可動部材20の延出端部が、下側検知部材22の上面に当接(載置)された状態で待機している。この状態では、図8に示すように、可動部材20と下側の検知部材22とが、直接、接触しているので、電気的に導通可能である。但し、可動部材20と上側の検知部材21は、離間しているので導通不能である。
補正精度の判定が終わった後、固定側電極12の補正量が適正範囲内であった場合には、ロボット10を溶接位置へ移動させ(ステップS029)、溶接工程に進む。また、固定側電極12の補正量が適正範囲外であった場合には、補正不適正と判定された回数が限定設定回数(例えば、2回)に到達したか否かを判定する(S030)。補正不適正と判定された回数が限定設定回数に到達していないと判定された場合は、ロボット10を溶接位置へ移動させ(ステップS025)、再び、固定側電極12の上端の高さ(即ち、固定側電極12の上下寸法の誤差)を確認する(ステップS026)。また、補正不適正と判定された回数が限定設定回数に到達したと判定された場合には、溶接装置Aの制御部(図示省略)において電極交換指示信号がONとなる(ステップS021)。これにより、ロボット10が電極交換位置へ移動し(ステップS022)、固定側伝電極と可動側電極15が交換される(ステップS023)。
本実施例1の溶接用電極の補正精度判定装置B及び方法は、昇降駆動されるロボット10に設けた固定側電極12が、ロボット10の昇降によって高さ補正された状態において、固定側電極12の補正が適正であるか否かを判定する手段である。この装置は、固定側電極12の上方に配された導電性の可動部材20と、可動部材20の上面と下面とに対向するように配置された上下一対の導電性の検知部材21,22と、可動部材20が、高さ補正された固定側電極12に押し上げられ、且つ一対の検知部材21,22と非接触であるときに、固定側電極12の補正高さが適正であると判定する判定手段23とを備えている。この装置によれば、ロボット10を上下動させるための昇降装置(ロボット用駆動機構11)の機械的な精度が低くても、固定側電極12の補正高さが適正であるか否かを電気的手段によって高精度で判定することができる。
以下、本発明を具体化した実施例1を図1〜12,15〜17を参照して説明する。本実施例2の溶接装置Aと補正精度判定装置Bは、実施例1の溶接装置A及び補正精度判定装置Bと同じ構成であるため、説明は省略する。また、実施例2の効果も実施例1と同じであるため、説明は省略する。
次に、本実施例2の作用を説明する。溶接工程では、1回の溶接が行われる毎に、両電極12,15の交換時にリセットされた溶接回数カウンターが減算され、図15に示すように、この溶接回数カウンターに基づいて、溶接の累計回数が電極位置補正設定回数に到達したか否かを判定する(ステップS101)。溶接累計回数が電極位置補正設定回数に到達していない場合は、そのまま溶接が接続される。溶接累計回数が電極位置補正設定回数に到達した場合は、電極位置補正が行われる(ステップS102)。電極位置補正の手順は、後に説明する。
次に、電極位置補正の手順について説明する。図16に示すように、ロボット10が溶接位置にある状態で、固定側電極12の摩耗量を確認する(ステップS201)。摩耗量の確認は、予め、固定側電極12と可動側電極15が摩耗していない状態で、準備工程を実行しておく。準備工程では、図4に示すように、ロボット10を溶接工程時と同じ高さ(以下、溶接位置という)にした状態で、キャリア13を下降させ、可動側電極15の下端を固定側電極12の上端に当接させる。このときの固定側電極12の上端の高さを、Hoとする。また、キャリア13(可動側電極15)の原点高さからの下降寸法Moを記憶させておく。以上が、準備工程である。
この後、図16に示すように、補正精度判定装置Bが設けられている補正精度判定位置へロボット10を移動させる(ステップS202)。補正位置確認工程が行われていない状態の補正精度判定装置Bは、図7に示すように、可動部材20と昇降体25がその自重により下降し、可動部材20の延出端部が、下側検知部材22の上面に当接(載置)された状態で待機している。この状態では、図8に示すように、可動部材20と下側の検知部材22とが、直接、接触しているので、電気的に導通可能である。但し、可動部材20と上側の検知部材21は、離間しているので導通不能である。
補正精度の判定が終わった後、固定側電極12の補正量が適正範囲内であった場合には、ロボット10を溶接位置へ移動させ(ステップS204)、溶接工程に進む。また、固定側電極12の補正量が適正範囲外であった場合には、固定側電極12の摩耗量を確認する工程へ戻る(ステップS201)。
次に、電極交換の手順について説明する。溶接累計回数が電極交換設定回数に到達すると、図17に示すように、溶接装置Aの制御部(図示省略)において電極交換指示信号がONとなる(ステップS301)。これにより、ロボット10が電極交換位置へ移動し(ステップS302)、固定側伝電極と可動側電極15が交換される(ステップS303)。その後、溶接回数カウンターがリセットされる(ステップS304)。両電極12,15が交換された後、ロボット10が溶接位置へ移動する(ステップS305)。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例1,2では、適正範囲で高さ補正された固定側電極が可動部材に当接した状態で、可動側電極を可動部材に当接させたが、適正範囲で高さ補正された固定側電極が可動部材に当接した状態で、可動側電極を可動部材に当接させないようにしてもよい。この場合、可動部材の厚さ寸法は、被溶接物の厚さと異なる寸法にしてもよい。
(2)上記実施例1,2では、可動部材を弾性変形し得るようにしたが、可動部材を弾性変形させず、検知部材を、可動部材側からの押圧力にしたがって弾性的に移動又は弾性的に変形するようにしてもよい。
B…補正精度判定装置
10…ロボット
12…固定側電極(電極)
13…キャリア
15…可動側電極
20…可動部材
21,22…検知部材
23…判定手段
Claims (4)
- 昇降駆動されるロボットに設けた電極が、前記ロボットの昇降によって高さ補正された状態において、前記電極の補正が適正であるか否かを判定する溶接用電極の補正精度判定装置であって、
前記電極の上方に配された導電性の可動部材と、
前記可動部材の上面と下面とに対向するように配置された上下一対の導電性の検知部材と、
前記可動部材が、高さ補正された前記電極に押し上げられ、且つ前記一対の検知部材と非接触であるときに、前記電極の補正高さが適正であると判定する判定手段とを備えていることを特徴とする溶接用電極の補正精度判定装置。 - 前記ロボットに対し相対的に昇降駆動されるキャリアと、
前記キャリアに下向きに設けた可動側電極とを備え、
前記可動部材の厚さが、前記電極と前記可動側電極とに挟まれる被溶接物の厚さと同じ寸法とされ、
適正範囲で高さ補正された前記電極が前記可動部材に当接した状態で、前記キャリアの下降により前記可動側電極が前記可動部材に当接可能となっていることを特徴とする請求項1記載の溶接用電極の補正精度判定装置。 - 前記可動部材が弾性変形可能な板材であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の溶接用電極の補正精度判定装置。
- 昇降駆動されるロボットに設けた電極が、前記ロボットの昇降によって高さ補正された状態において、前記電極の補正が適正であるか否かを判定する溶接用電極の補正精度判定方法であって、
前記電極の上方に配された導電性の可動部材と、
前記可動部材の上面と下面とに対向するように配置された上下一対の導電性の検知部材とを設けた上で、
前記可動部材が、高さ補正された前記電極に押し上げられ、且つ前記検知部材と非接触であるときに、前記電極の補正高さが適正であると判定することを特徴とする溶接用電極の補正精度判定方法。
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