JP6462388B2 - 風力発電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、風力発電装置に関するものであり、特にタワー等の風車構成部材の振動発生を低減する技術に関する。
近年、地球温暖化防止やエネルギー安全保障の観点から、風力発電装置(以下、風車と記載する場合もある)の導入が進んでいる。一般的に風力発電装置は、高さ数十メートルのタワー上部に、風のエネルギーを捕獲するブレード等の重量物を設置する構造になっている。従って風によりブレードに生じる力により、風力発電装置、特にタワーに振動が誘起される。この振動は、構造材の疲労荷重を増大する要因となり、風車構成部材の寿命を短縮する可能性がある。
風力発電装置は近年急速に大型化しており、それに伴って風から受ける力も増大するため、上述の様な振動の影響も増大する傾向にある。更に浮体構造物に風力発電装置を設置する浮体式風車では、風車が地上や海底などに固定されていないため、振動の影響は更に顕著になる。この点から、風力発電装置における振動の低減が重要な技術課題となっている。
上述の課題に対し、例えば特許文献1のような従来技術がある。特許文献1は、翼ピッチ角指令に基づき風車ブレードのピッチ角を制御するピッチ角制御機構を備えた風力発電装置であって、ナセルに取り付けられ、該ナセルの振動の加速度を検出する加速度計と、前記加速度計により検出された加速度に基づき、前記ナセルの振動を打ち消すように前記風車ブレードにスラスト力を発生させるための該風車ブレードのピッチ角を算出して翼ピッチ角指令を前記ピッチ角制御機構に出力するアクティブ制振手段とを有する風力発電装置が開示されている。
WO05/83266号公報
特許文献1では、ナセルに取り付けられた加速度計により該ナセルの振動の加速度を検出し、アクティブ制振手段において、該加速度に基づき、ナセルの振動を打ち消すように風車ブレードにスラスト力を発生させるための該風車ブレードのピッチ角を算出し、これを翼ピッチ角指令としてピッチ角制御機構に出力して、風車ブレードのピッチ角を制御することにより、ナセル前後方向の振動をある程度制御することができる。
一方、風車に生じる振動は、風速の変動やブレードのピッチ角操作によって、風車が風から受けるスラスト力が変動することに起因する。すなわち、ピッチ角の操作自体が風車の振動を引き起こす加振力を発生させる可能性がある。この点から疲労荷重を軽減するための振動低減を効果的に行うためには、振動の発生自体を抑制するピッチ角の操作を行うことが望ましい。
この点、特許文献1では、振動が発生した後にピッチ角操作により振動を打ち消すようなスラスト力を生じさせることはできるが、例えばそのような制振プロセスに至るまでの振動発生要因を抑制することに関して言及されたものではない。すなわち、加速度計が振動加速度を検知するまでのピッチ角操作に関しては、振動(特にその発生)を抑制する考慮が十分されていない可能性があった。現状、ピッチ角はピッチ角の目標値に基づいて制御されており、ピッチ角の操作自体が振動を生じさせることもある。信頼性向上の観点からは、他のパラメータを考慮して制御を行っていくことも望まれる。本発明では、信頼性を向上させた風力発電装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る風力発電装置は、風を受けて回転するブレードを備える風力発電装置であって、前記ブレードは、ピッチ角目標値と現状のピッチ角との差分と相関を有するピッチ角変化速度指令値を用いてピッチ角変化速度が変化され、 前記ピッチ角変化速度指令値が所定値以上に達した際に前記ピッチ角を変化する場合、 風速に応じて、前記ブレードのピッチ角変化速度の上限値が設定され、前記ピッチ角が略フルフェザーの状態から前記ピッチ角を変化させる際には、前記ピッチ角が変化を開始する直前の風速に応じて、前記ブレードのピッチ角変化速度の上限値を設定することを特徴とする。
本発明によれば、信頼性を向上させた風力発電装置を提供することが可能になる。
本発明の一実施形態に係る風力発電装置の概略構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る風力発電装置のコントローラの一部を示すブロック線図である。 本発明の一実施形態に係る風力発電装置のブレードに作用する力を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る風力発電装置の出力目標値と回転速度目標値を示す図である。 本発明の一実施形態に係る風力発電装置の本発明の実施有無による違いを説明するための図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。尚、下記はあくまでも実施の一例であり、下記具体的態様に本発明の適用形態が限定されることを意図するものではない。
(実施例1の構成概略)
まず、図1と図2を用いて、本願に係る風力発電装置の第1の実施形態について説明する。
(全体構成)
図1は、第1の実施形態の風力発電装置100の概略構成を示す。図1に示すように、本実施形態の風力発電装置100は、ロータ103、ナセル105、タワー108を主に備える。タワー108はナセル105を回転可能に支持し、ナセル105とロータ103の荷重を支持する。ロータ103は、ブレード101とブレードを接続支持するハブ102から構成される。ロータ103は主軸104を介して、ナセル105の内部に設置された発電機106に接続される。ブレード101が風を受けることにより、ロータ103が回転し、主軸104により接続された発電機106を回転させることにより、風エネルギーから電力を生成することができる。
ブレード101の各々にはブレード101とハブ102の位置関係、すなわちピッチ角と呼ぶブレードの角度を変更可能なピッチアクチュエータ107を備えている。ピッチアクチュエータ107を用いてブレード101のピッチ角度を変更することにより、風から取得するエネルギー量を変更できる。これにより、広い風速領域においてロータ103の回転速度を制御しながら、風力発電装置100の発電電力を制御することができる。
ナセル105は、タワー108により所定の高さに支持されており、タワー108は基部109に設置される。基部109は、地上や洋上の所定位置に設置される。なお、図1ではロータ103と発電機106が主軸104により直接接続されているが、ロータの回転速度を増速して発電機へ入力する増速装置を設けても良い。
(ピッチ角制御機構の説明)
また、風力発電装置100はナセル105上に配置された風速計110とコントローラ111を備えている。コントローラ111はピッチアクチュエータ107を調整することで発電出力を制御する。またコントローラ111には、少なくともピッチ角目標値を出力するピッチ角目標値演算手段と、本願に係るピッチ角変化速度(以下,ピッチ角速度と記載する場合もある)の上限値ωmaxを定めることにより風力発電装置の振動発生を低減するピッチ角速度制御手段とがプログラムの形態で実装されている。図1ではコントローラ111はナセル105またはタワー108の外部に設置される形態にて図示されているが、これだけに限ったものではなく、ナセル106またはタワー108の内部またはそれ以外の所定位置、または風力発電装置100の外部に設置される形態であっても良い。
風速計110は風速検出手段であり、所定時間内の平均風速を算出し出力している。風速検出の仕方としては風速計等による実測に限らず、予測や他の測定値等を用いて算出した場合も含まれる。以下、風速計110が検出した風速を風速Vと記載するが、本実施例では所定時間内の平均風速を指すものとして説明している。但し、発明の実施においては制御に用いる風速が所定時間内における平均風速でなければならないものではない。なお、本実施例では風速検出手段として風速計を用いる場合について説明しているが、風速計に関らず風速が検出或いは演算等で推測できる手段であれば良い。また本実施例では、風速計110はナセル105上に設置されているが、タワー108やロータ103など、ナセル105上以外に設置しても良い。更には、各風力発電装置自体が風速計110を備えていなくとも、ウィンドファームを構成する風車群のうち一部風車のみが風速計110を有し、他の風車はそのデータを用いると言うことも充分考えられる。また上述の風速検出手段を複数備えておくことも可能である。
(ピッチ角制御の概要)
図2は、本実施形態における風力発電装置100に実装されるコントローラ111の一部を説明するブロック線図である。
コントローラ111は、少なくともピッチ角目標値演算手段201と、ピッチ角速度制御手段202を備えている。ピッチ角目標値演算手段201と、ピッチ角速度制御手段202は、それぞれピッチ角目標値θ*とピッチ角速度指令値ω*を算出する。
ピッチ角目標値演算手段201は、風速計110によって検出された風速Vと、回転速度Nまたは風力発電装置100(発電機106)の出力Pに基づき、風力発電装置100が、所定の回転速度目標値N*または出力目標値P*を出力するようにピッチ角目標値θ*を算出する。さらに算出したピッチ角目標値θ*と、現状のピッチ角θからピッチ角の変化量δθ(δθ=θ*−θ)を算出する。ピッチ角速度制御手段202は、この変化量δθに相当する指令値ω*(ピッチ角変化速度指令値、以下単に指令値とも呼ぶ)をピッチアクチュエータ107へ出力する。現状のピッチ角θ、出力P、回転速度Nは、それぞれを検出するセンサ(図示せず)をナセル内105等に設けており、これらセンサの出力がピッチ角目標値演算手段201に入力される。現状のピッチ角とは、必ずしも最新のピッチ角である必要はなく、多少の過去分のピッチ角であっても良い。また、本実施例では差分δθに相当する指令値を出力しているが、差分と相関を有するものであれば良い。これにより、ピッチ角目標値θ*と、現状のピッチ角θとの差分と言う移動距離と相関を有するピッチ角変化速度指令値を用いて制御することが可能になる。よって、移動距離の大小に応じてピッチ角変化速度を変えることができ、例えば移動距離が小さい場合には、振動が生じない様にゆっくりと動かす、或いは移動距離が大きい場合にはその逆の制御を行うなどすることが可能になる。ピッチ角速度制御手段202は、風速計110が計測した風速Vに基づいてピッチ角速度の上限値ωmaxを算出する。風速計110は所定時間内の平均風速を算出しており、上限値ωmaxの算出に際しては、直近数回分の平均風速を用いることが考えられ、過去数回分(例えば、2回分)の平均風速を外挿することにより未来の風速や短期の風速変動を予測し、それに従ってピッチ角速度の上限値を算出しても良い。これによって変動する風速に対して適切な値を算出することができる。更に、好ましい形態として最新の(平均)風速(或いは最新の(平均)風速のみ)を用いることも考えられる。この場合、最新情報を反映できるので最も実環境を反映でき、より高精度な制御が可能になる。
ピッチアクチュエータ107は、ピッチ角目標値演算手段201が出力するピッチ角目標値θ*に基づいて、ピッチ角θを変更する。またこの時ピッチアクチュエータ107は、現在のピッチ角θから、ピッチ角目標値θ*へ移動する際の速度(ピッチ角速度ω)を変化することができる。さらにピッチアクチュエータ107はピッチ角速度上限値ωmaxを超えない角速度でピッチ角目標値θ*へ向けてブレード101を動作させる。ただしピッチ角目標値θ*に至る過程で、多少のピッチ角速度のぶれもあるが、少なくともその様な機械的な応答により、瞬間的に上限値を超えることがあることは排除するものでない。
尚、ピッチアクチュエータ107は、具体的には電動モータや、電動モータと減速機を組み合わせたもの、又は油圧シリンダなどで構成することが考えられる。
(ピッチ角速度と振動発生の関係)
以上の構成において、振動の発生を抑制する機構について説明する。まず図3を用いて、ピッチ角速度ωと、風力発電装置100の加振源となるスラスト力Tの変動との関係を説明する。
図3は、ブレード101のある回転半径位置の断面を、ブレード先端部から根元方向に見た時の図であり、フレード断面に働く力を示している。ピッチ角θの回転変化の方向として、ファイン方向とフェザー方向を図中301の矢印で示す。
本実施例においてブレード101は紙面右から左方向(図中座標のマイナスZ方向)に回転しており、風力発電装置100の振動方向は紙面上下方向(図中座標のX方向)である。風速Vとブレード101の回転速度Nによって、図3のようにブレード断面に相対流302が発生し、翼の翼弦303と相対流302の流入方向の間の角度、すなわち迎角αの大きさに応じて揚力Lと抗力Dが発生する。したがってブレードの回転面304と、相対流302の流入方向との間の角度であるピッチ角θを変化させることにより、揚力Lと抗力Dを変化させることができる。また、揚力Lの変化によって風力をロータ103によりトルクへ変換する際の変換効率が変化する。この風力からトルクへの変換効率が最も高いピッチ角をフルファインと呼び、最もトルクへの変換効率が低く、風車に働く抗力が最も小さいピッチ角をフルフェザーと呼ぶ。風車は目的に応じて、ピッチ角をフルファインやフルフェザーに設定する。なお、上記の「フルファインやフルフェザーへ設定する」とは、必ずしも正確にフルファインやフルフェザーの角度に設定することを表しているわけではなく、例えば具体的には、風による小さなピッチ角の変動や、ブレードの取り付け誤差などによって、フルファイン、フルフェザーからの微小な角度のずれを有してピッチ角が設定されることを排除するものではない。略フルファインや、略フルフェザーと言った用語は少なくともそう言った微小な角度のずれを含む意味合いである。実施例中でフルファインやフルフェザーと言う場合、略フルファインや略フルフェザーを除く意味合いではない。
揚力Lと抗力Dの振動方向(X方向)分力が、風力発電装置100に生じるスラスト力Tである。X方向の振動はこのスラスト力Tに起因するものであり、特にスラスト力Tが変動する際に振動が誘起される。
スラスト力Tは、図3より、ピッチ角θ、回転速度N、風速Vの関数として表すことができる。一般的にこのスラスト力はθ、N、Vに伴って変化し、スラスト係数と呼ばれる関数Ctを用いて以下のように表すことができる。
数式1中のρは空気の密度、Aはロータ103の受風面積で一定の値とする。またλは周速比であり、ロータ103の半径Rを用いて下記ように表わされる。
ここで、ピッチ角θとスラスト力Tの関係に注目するために、周速比λが一定の場合を考えると、スラスト係数Ctはピッチ角θのみの関数、すなわちCt=Ct(θ)と仮定できる。更にスラスト力Tの時間変動を把握するために数式1を時間微分すると、下記の数式3のようになる。
スラスト係数Ctとピッチ角θの関係は一般的に線形ではないが、ここでは簡単のためにCtとθが比例するとし、その比例定数をKtとしてCt=Ktθと仮定する。更にピッチ角速度ωとの関係を示すために数式3の右辺を変形する。
ここで、最右辺はCt=Ktθ、dCt/dθ=Kt、dθ/dt=ωの関係を代入している。数式4に示すように、加振源となるスラスト力Tの変動dT/dtは、ピッチ角速度ωに比例する。更にピッチ角速度ωには風速の二乗が乗ぜられている。したがって振動の発生を抑制するためには、ピッチ角変化時の風速Vの大きさに応じて、ピッチ角速度ωに上限値ωmaxを設けて制限することにより、スラスト力の変動率dT/dtをある値以下に制限することが効果的である。
(発明の手段と効果の関係)
本実施例では、ピッチ角速度制御手段202によって、風速Vに応じてピッチ角速度の上限値ωmaxを決定し、そのωmaxを超えない角速度でピッチ角目標値θ*へ向けてブレード101のピッチ角θを変化させる。したがって振動の原因となるスラスト力の変動率dT/dtをある値以下に制限することができ、風力発電装置100の振動の発生を抑制することができる。一方で、ピッチ角速度ωを制限することは、ピッチ角制御の応答性を制限する可能性があるため、振動発生が予測されるピッチ角変化時に限定してピッチ角速度ωに上限値ωmaxを設けることが好ましい。「振動発生が予測されるピッチ角変化時」とは、例えば、ピッチ角可動レンジ(フルフェザーとフルファインの間の角度)に対して、ピッチ角の変化量δθが大きい時が挙げられる。この時、ピッチ角変化量δθが大きいために、ピッチ角速度ωがピッチアクチュエータ107の機械的性能により決まる最大値まで加速され、スラスト力の変動率を大きくする可能性がある。したがって、ピッチ角目標値演算手段201が出力するピッチ角の変化量δθがある所定の値以上になった際、ピッチ角変化時の風速Vの大きさに応じて、ピッチ角速度ωに上限値ωmaxを設けて制限する。なお、本実施例のピッチ角可動レンジは90[deg]程度であり、例えばピッチ角変化量δθが、可動レンジの10%(9[deg])以上になった時に、ピッチ角速度制御手段202が、ピッチ角速度の上限値を設ける。
振動の原因となるスラスト力Tの変動率dT/dtは、数式4によりさらに風速V(又はその二乗)に比例する。即ち、ピッチ角速度制御手段202が、直前の風速Vに応じてピッチ角速度の上限値ωmaxを決定することにより、スラスト力の変動率dT/dtの上昇抑制の自由度を高めることができる。数式4により、風速Vとピッチ角速度ωは、共にスラスト力Tの変動率dT/dtを増大させる要因となっているため、傾向としては、風速Vが大きくなる程、ピッチ角速度の上限値ωmaxは小さくなるようにすると、効果的に振動の発生を抑制できる。但し、厳密に全ての風速に関して、風速が大きくなる程、ピッチ角速度の上限値ωmaxが小さくなるようにすることは必ずしも必須としない。
また本実施例では、制御に用いる風速に所定期間(例えば、数分程度)内の平均風速を用いているが、所定期間の風速の変化率(傾き)によっても、ピッチ角が変化している最中の風速は大きく異なる。よって、ある所定期間における風速の変化率に応じて制御する様にすれば、風速の変化速度も考慮することが可能になるので好ましい。但し、制御に用いる風速に各瞬間の風速を用いることを排除するものではない。
(風車のブレード回転開始時または発電開始時の振動発生)
次に、上記の原理を用いて、特にピッチ角の変化量δθが大きくなる可能性のある、風車のブレード回転開始時または発電開始時の振動発生を低減する手法について説明する。
(ブレード回転開始時/発電開始時の説明)
まず図4−1〜4−2を用いて、風力発電装置100の発電開始の動作について説明する。
図4−1は、風速計110で検出された風速Vに対する、風力発電装置100の出力目標値P*を示しており、パワーカーブと呼ばれるものである。
図4−2は、風速計110で検出された風速Vに対する、風力発電装置100の回転速度目標値N*を示している。図中、421は出力目標値P*を出力するための回転速度目標値を表し、太い破線で示す422は発電開始の動作時の回転速度目標値(同期回転速度目標値N1)を表している。
図中の記号は、風力発電装置100の定格出力をP1、風が発電範囲よりも弱い状態からブレード101が回転を開始するために、ピッチ角の変化を開始する風速(第1のブレード回転開始風速)をV0、風力発電装置100が発電を行う最小の風速(カットイン風速)をV1、出力Pが定格出力P1に達するときの風速(定格風速)をV2、風力発電装置100が発電を行う最大の風速(カットアウト風速)をV4と示す。また、風速Vがカットアウト風速V4以上になり、風力発電装置100が一旦発電を停止し、ブレードが回転していない状態から、風速Vが低下した場合などに、再び風力発電装置100が発電開始の動作を開始する最大の風速(第2のブレード回転開始風速)をV3と示すこととする。そして、ブレードが実質的に回転していない状態から第1のブレード回転開始風速に達した際(風速が上がっていく場合)におけるピッチ角速度の上限値は、ブレードが実質的に回転していない状態から第2のブレード回転開始風速に達した際(風速が下がっていく場合)における上限値よりも大きくしている。これは、後者の場合の方が、風速が大きいために、急激にブレードの回転速度が上がる可能性があり、振動を引き起こしやすいためである。更に、後者の場合、風速が大きいことから、そもそも多少のピッチ角の変化であっても回転速度を充分に高めることが可能になる。
上述の「発電開始の動作」とは、風力発電装置100が発電(風のエネルギーから電力を生成し系統等に出力すること)を行っていない状態から、発電開始する(発電機が電力系統に併入する等)までに行う動作である。具体的には、ブレードのピッチ角はフルフェザーの角度で保持され、ブレードが回転していない状態から、ピッチ角をファイン方向へ変化させることにより、風のエネルギーの捕獲を開始し、ロータ103の回転速度Nを加速して、回転速度Nを発電機106の同期回転速度N1に設定する動作を指す。同期回転速度N1とは、発電機106を併入可能な最小の回転速度を指す。なお、「ブレードが回転していない状態」又は「ブレードの回転が停止した状態」とは、必ずしもブレードが完全に静止していることを表しているわけではなく、例えば具体的には、風による小さな回転角の変化や、強風時の遊転などの小さな回転速度を有することは排除しない。
また、本実施例におけるピッチ角目標値演算手段201は、少なくとも発電開始の動作時のピッチ角目標値制御機能と、発電時のピッチ角目標値制御機能を分けて備えており、両手段を風速に基づいて選択することができる。
風力発電装置100は、風速VがV0以下の時は、発電開始の動作を行うための十分なエネルギーを取得できないため、発電を行わず、停止している。その際ピッチ角θはフルフェザーで保持されている。風速VがV0以下の状態から上昇し、V0に達した時には、ピッチ角目標値演算手段201は、発電開始の動作時のピッチ角目標値演算手段を選択し、発電開始の動作を行う。これはまずロータ103の回転を開始するために、ピッチ角をフルフェザーからファインの方向へ動作させ、風エネルギーの捕獲を開始する。次いで回転速度が同期回転速度N1となるにようにピッチ角を制御する。
上記ピッチ角をフルフェザーからファインの方向へ動作する際、風から取得するエネルギーの変化によりスラスト力の変動が生じ、加振力が生じる。
特にこのピッチ角のファイン方向への変化は、フェザー方向の最大角であるフルフェザーの位置から開始されるため、ファイン方向に設定されるピッチ角目標値までのピッチ角角度の変化量が大きくなる傾向がある。そしてピッチ角の変化量が大きい分、ピッチアクチュエータ107の機械的性能により決まるピッチ角速度の最大値まで、ピッチ角速度が加速される可能性がある。一方、数式4で示されるスラスト力の変動は、風速Vの2乗とピッチ角速度の積に応じて増加する。よって振動の原因となるスラスト力の変動を低減するためには、風速に応じてピッチ角速度の上限値を設定し、制限することが効果的である。したがって回転開始時のピッチ角の変化に際しては、ピッチ角の変化開始直前の風速Vに応じてピッチ角速度の上限値ωmaxを決定し、ピッチ角速度を上限値以下に制限する。これにより、ロータ103が回転を開始する際の、ピッチ角がフルフェザーからファイン方向へ動作する際の振動発生を低減することができる。また、効果的な場合にフォーカスすべく、ピッチ角が変化を開始する直前の風速に応じてブレードのピッチ角変化速度の上限値を設定することは、フルフェザーの状態からピッチ角を変化させる際に限り、行うことも出来る。
風況によっては、ピッチ角がフルフェザーからファイン方向への変化を開始した後、ロータの回転速度が十分加速されない状態で、ピッチ角がフェザー方向へ変化する場合がある。このときピッチ角の変化が一旦停止することなく、再度ロータの回転速度を加速するためにピッチ角が再度ファイン方向へ変化する場合もある。この再度ファイン方向へ変化する際のピッチ角の変化量も大きくなる可能性がある。しかしこの時、ピッチ角は連続的に変化し続けており、ピッチ角変化開始時という不連続な時点を明確に特定し辛い。このような時は、ピッチ角の動作方向がフェザー方向からファイン方向へ切り替わる時の風速Vに応じてピッチ角速度の上限値ωmaxを決定してもよい。即ち、ピッチ角の変化方向が変化する直前の風速に応じて、ピッチ角変化速度の上限値を設定しても良い。これにより、時々刻々と変化する風速に応じて、振動発生を抑制することができる。
発電開始の動作により、発電機106の回転速度が同期回転速度N1に達し、かつ風速がV1以上であれば、風力発電装置100は発電を開始(発電機106を系統に併入)する。発電を開始した後、風速がV1〜V4の間は、ピッチ角目標値演算手段201は、発電時のピッチ角目標値制御機能を選択し、発電機106の回転速度目標値N*は、図4−2の破線422から、実線421へ変更される。また発電機106の出力目標値は、風速Vに対応する出力目標値P*へ設定される。この発電開始時の目標値の変更に伴い、ピッチ角の変化量が大きくなる可能性がある。特に、発電時の回転速度目標値N*、出力目標値P*が、共に発電開始の動作時の目標値と大きく異なるとき、それに伴って風から取得するエネルギーをコントロールするピッチ角が、発電開始という不連続な時点の前後で大きく変化する可能性がある。そしてピッチ角の変化量が大きい分、ピッチアクチュエータ107の機械的性能により決まるピッチ角速度の最大値まで、ピッチ角速度が加速される可能性がある。上述と同様に、ピッチ角速度が風速に関わらず、最大値に達する時は、振動の発生原因となるスラスト力の変動を大きくする可能性がある。したがって、発電開始時から、発電機が回転速度目標値に達するまでに際しては、発電開始直前の風速Vに応じてピッチ角速度の上限値ωmaxを決定する。これにより、発電開始後のピッチ角操作による振動発生を抑制することができる。ただし、発電開始後の風況によっては、前述のようにピッチ角が大きく変化するのは、発電開始直後ではない可能性もある。したがって、前述と同様に、ピッチ角の動作方向が切り替わる時の風速Vに応じてピッチ角速度の上限値ωmaxを決定してもよい。
発電開始後、風速がV4以上になると、風車の安全を確保するために、ピッチ角θはフルフェザーへ向けてピッチ角を動作し回転速度を減速した後、発電を停止する。
一方、発電開始の動作にはもう一つの場合が存在する。風速がV4以上の高い風速から、風速が低下し、第2のブレード回転開始風速V3に至る場合も、やはり発電開始の動作を行う。この時も同様に、ピッチ角目標値演算手段201は、発電開始の動作時のピッチ角目標値演算手段を選択し、回転速度が同期回転速度N1となるにようにピッチ角を制御する。ここでも同様に、回転を開始する時のピッチ角の変化に際しては、回転開始ピッチ角の変化開始直前の風速Vに応じてピッチ角速度の上限値ωmaxを決定し、ピッチ角速度を上限値以下に制限する。また前述と同様に、ピッチ角の動作方向が切り替わる時の風速Vに応じてピッチ角速度の上限値ωmaxを決定してもよい。
ブレード回転速度が同期回転速度N1に達した後は、発電を開始し、ピッチ角目標値演算手段201は、発電時のピッチ角目標値演算手段に切り替わった後に、風速Vに対する出力目標値P*に基づいてピッチ角を制御する。発電開始時からブレードまたは発電機が回転速度目標値または出力目標値に達するまでに際しては、発電開始直前の風速Vに応じてピッチ角速度の上限値ωmaxを決定する。また前述と同様に、ピッチ角の動作方向が切り替わる時の風速Vに応じてピッチ角速度の上限値ωmaxを決定してもよい。そして、回転開始時と、発電開始時、ピッチ角の動作方向のいずれの場合についても風速が大きくなる程、ピッチ角変化速度の上限値が小さくなる様にしている。
(本願の適用有無による違いの説明)
以上の発電開始の動作において、本願のピッチ角速度の制限手法を適用した例について、図5−1〜5−5を用いて説明する。
図5の各図は風速Vが変化する際の本実施例の風力発電装置100の回転速度とピッチ角、ピッチ角速度の時間変化を表している。図5−1は、風速Vの時間変動の例である。図5−2は、風速Vが変化する際の回転速度Nの時間変化を表す図である。図5−3は、風速Vが変化する際のピッチ角θの時間変化を表す図である。図5−4は、ピッチ角θが変化する際のピッチ角速度ωの時間変化を表す図である。図5−5は、スラスト力の変動dT/dtの時間変化を表す図である。また風速V0、V1、V2は、図4等上述の説明と共通の意味を持つ。また図5−2〜5−5のそれぞれの図において、破線がピッチ角速度制御手段202を適用しない場合、実線がピッチ角速度制御手段202を適用した場合を示している。
図5のように、ブレードが回転していない状態から、風速VがT0において、第1のブレード回転開始風速V0に達した時、ピッチ角目標値演算手段201は発電開始の動作を開始し、あるピッチ角目標値θ*1を出力する。ピッチアクチュエータ107は目標値θ*1に従って、フルフェザー状態で保持されているピッチ角θを、ファイン方向へ動作させる。
この時、ピッチ角速度制御手段202を適用しない場合では、ピッチ角速度の上限値を特に制限しないため、ピッチアクチュエータ107の機械的性能などによって決まるピッチ角の速度ωlimまで加速される。結果として、図5−5に示すように、ωlimの大きさに応じたスラスト力の変動が、風力発電装置100に生じる。
これに対して、実線のピッチ角速度制御手段202を適用した場合では、ピッチ角速度を上限値ωmax1(<ωlim)以下に制限することにより、これに比例するスラスト力の変動を一定の値以下に制限することができる。したがって風力発電装置100の振動発生を低減することができる。
図5の各図において、ピッチ角速度の上限値ωmaxはピッチ角が変化している間は一定の値を取っている。ピッチ角速度の上限値ωmaxは、適時変更しても良いが、頻繁に変更を行うとピッチアクチュエータ107の疲労を招く。したがってピッチ角の変更時にピッチ角速度の上限値ωmaxを算出し、ある一定時間、その値を保持してもよい。本実施例では、T0に決定したピッチ角速度の上限値ωmax1を発電開始の動作の間保持している。
さらに、図5の例では、T1において、回転速度が同期回転速度N1に達しており、風速がV1に達し、発電機を系統へ併入し発電を開始する。この時、ピッチ角θは風速に応じて、更にファイン方向へ移動している。
この時、上述と同様に、ピッチ角速度制御手段202を適用しない場合では、ωlimの大きさに相当するスラスト力の変動が、風力発電装置100に生じることとなる。さらに数式3より、この時の風速V1がV0より大きいため、T1でのピッチ角操作では、T0でのピッチ角操作よりも大きなスラスト力の変動を引き起こすこととなる。
これに対して、実線のピッチ角速度制御手段202を適用した場合では、ピッチ角速度を上限値ωmax2以下に制限することにより、振動発生を軽減することに加えて、風速Vに応じてピッチ角速度の上限値を定めることができるため、T0での、風速V0下におけるピッチ角操作時のピッチ角速度上限値ωmax1よりも、T1おける風速V1(>V0)下でのピッチ角操作時のピッチ角速度上限値ωmax2を小さくすることができる。これによって、風速Vとピッチ角速度ωに比例するスラスト力の変動を、一定の値以下に制限することができ、風力発電装置100の振動発生を軽減することができる。
同様に、第2のブレード回転開始風速V3における発電開始の動作においても、ピッチ角速度の上限値を設けることにより、振動発生を軽減することができる。この時、第2のブレード回転開始風速V3は、第1のブレード回転開始風速V0よりも大きい(V3>V0)ため、第1のブレード回転開始時のピッチ角速度の上限値ωmaxV0よりも、第2のブレード回転開始時のピッチ角速度の上限値ωmaxV3を小さく取るようにすると効果的である。
また、V0、V3における発電開始の動作は、共にピッチ角の変化をフルフェザーの位置からスタートさせる為、現在のピッチ角θ(ここではフルフェザー)から、ピッチ角目標値θ*までの差の角度である変化量δθ(δθ=θ*−θ)が大きくなる傾向がある。その分、ピッチアクチュエータ107の動作時間(すなわち加速できる時間)が長いため、ピッチ角速度が上限値に達する可能性が高くなる。このことから、特に前記の発電開始の動作の開始時に、ピッチ角速度制御手段202によりピッチ角速度の上限値ωmaxを定めて、発電開始の動作間においてピッチ角速度の上限値を設けることが効果的である。
上記の様に回転開始に際しては、風が無風に近い状態から強くなることで回転を開始する場合(V0より風速が小さい状態から徐々に強くなる場合)と、強風であるために風車保護用にブレードの回転を停止させている状態から風が収まって来ることで回転を開始する場合(V3より風速が大きい状態から風が弱まってV3に至る場合)とがある。前者においては、ロータが定格回転速度に至る上で、ピッチ角はフルフェザーからフルファインまで移行させる必要がある可能性が高い。一方、後者においてはフルファインにしなくとも定格回転速度を得るために充分な風が吹いている可能性が高く、この時ピッチ角はフルフェザーからフルファインより手前のファイン側角度に至れば、ロータが定格回転速度に到達する。ここで、数式4によれば、スラスト力Tの変動dT/dtは、ω及びV(またはその二乗)の各々に比例する。スラスト力Tの変動dT/dtを小さくすることを考えると、強風であるために風車保護用にブレードの回転を停止させている状態から風が収まってくる場合は、風が無風に近い状態から強くなることで回転を開始する場合よりも風速Vが一般に大きく、故にdT/dtを小さくするには、ピッチ角変化速度ωを小さくする必要がある。風車の発電効率を考えると、なるべく回転開始から短時間に定格回転速度に至ることが望ましい。強風であるために風車保護用にブレードの回転を停止させている状態から風が収まってくる場合には、風が無風に近い状態から強くなることで回転を開始する場合と比較して、そもそも定格回転速度を得るために必要な(フルフェザーからの)ピッチ角変化量が少ないので、ピッチ角変化速度ωを小さくしたとしても充分早期に定格回転速度を得ることができる。よって、定格回転速度に至るまでの時間はさほど低減させずに、スラスト力Tの変動については効果的に低減することが可能になる。スラスト力Tの変動の低減、即ち振動を低減することにより、信頼性向上が実現できる。具体的には、例えば風車構成部材の疲労の軽減、耐久性向上等が可能になる。また、風車構成部材補強のためのコストを抑制することも可能であり、より経済性に優れた風力発電装置を実現できる。
検知した振動加速度を制振するアクティブ制振手段を用いる場合、例えば、風車が振動していない状態から、風車のブレードを回転開始するためにピッチ角を操作すると、加振力を発生させる可能性がある。加振力による振動発生後は、検知した振動加速度により、振動をある程度制御することは可能である。しかし、その制振後、再度発電開始等を行うためにピッチ角を操作する際には、再度加振力を発生させる可能性がある。これによって振動発生と制振の動作を繰り返す可能性が残る。一方で、本実施例によれば、振動の発生が起きない様に回転開始または発電開始直前の風速に応じてピッチ角変化速度の上限値を定めており、こう言った振動発生と制振の動作の繰り返しを防止することも可能である。また、定常的な振動が発生する前、とりわけブレードの回転開始時または発電開始時と言った不連続な時点における制御については風力発電装置に加わる振動が大きく変化するので、係る時点における振動低減は風力発電装置の信頼性向上に寄与する。
100:風力発電装置、101:ブレード、102:ハブ、103:ロータ、104:主軸、105:ナセル、106:発電機、107:ピッチアクチュエータ、108:タワー、109:基礎、110:風速計、111:コントローラ、201:ピッチ角目標値演算手段、202:ピッチ角速度制御手段

Claims (9)

  1. 風を受けて回転するブレードを備える風力発電装置であって、
    前記ブレードは、ピッチ角目標値と現状のピッチ角との差分と相関を有するピッチ角変化速度指令値を用いてピッチ角変化速度が変化され、
    前記ピッチ角変化速度指令値が所定値以上に達した際に前記ピッチ角を変化する場合、 風速に応じて、前記ブレードのピッチ角変化速度の上限値が設定され、
    前記ピッチ角が略フルフェザーの状態から前記ピッチ角を変化させる際には、前記ピッチ角が変化を開始する直前の風速に応じて、前記ブレードのピッチ角変化速度の上限値を設定することを特徴とする風力発電装置。
  2. 請求項1に記載の風力発電装置であって、
    前記ピッチ角が略フルフェザーの状態から前記ピッチ角を変化させる際に限り、前記ピッチ角が変化を開始する直前の風速に応じて、前記ブレードのピッチ角変化速度の上限値を設定することを特徴とする風力発電装置。
  3. 請求項1または2に記載の風力発電装置であって、
    前記ピッチ角が変化を開始する直前の風速は、カットイン風速よりも小さい場合と、該カットイン風速よりも大きい場合とが存在し、
    小さい方の風速を第1のブレード回転開始風速、
    大きい方の風速を第2のブレード回転開始風速とすると、
    前記ブレードが略回転していない状態から第1のブレード回転開始風速に達した際における前記上限値は、前記ブレードが略回転していない状態から第2のブレード回転開始風速に達した際における前記上限値より、大きいことを特徴とする風力発電装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の風力発電装置であって、
    更に、前記ブレードの回転に伴って発電する発電機を備え、
    前記発電機の併入後で、前記ブレードの回転速度または前記発電機の回転速度が発電時における回転速度目標値に達する迄の間に、前記ピッチ角を変化させる際には、前記発電機併入直前の風速に応じて、前記ブレードのピッチ角変化速度の上限値を設定することを特徴とする風力発電装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の風力発電装置であって、
    前記ピッチ角を変化させる際には、前記ピッチ角の変化方向が変化する直前の風速に応じて、前記ブレードのピッチ角変化速度の上限値を設定することを特徴とする風力発電装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の風力発電装置であって、
    前記風速が大きくなる程、前記上限値は小さくなることを特徴とする風力発電装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の風力発電装置であって、
    前記風速は、所定期間内における平均風速であることを特徴とする風力発電装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の風力発電装置であって、
    ピッチ角を変化する際における前記風速は、直近数回分における風速を用いて決定されることを特徴とする風力発電装置。
  9. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の風力発電装置であって、
    ピッチ角を変化する際における前記風速は、最新の風速を用いて決定されることを特徴とする風力発電装置。
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