JP6462357B2 - スカム掻き寄せ装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、矩形状の処理水槽に用いる掻き寄せ装置であって、処理槽の底を掻き寄せるレーキ用のレーキフレームと、レーキフレームの上部に固定されたスカムスキマーフレーム、及び、スカムスキマーフレームとリンク機構を介して取り付けられたスカムスキマーを備えた装置が記載されている。さらに、スカムスキマーの外方端には、スカムスクレーパー装置が取り付けてあり、その先端には、ガイドローラ装置が装着されている。ガイドローラ装置は、2つのガイドローラからなり、処理水槽の頂縁全周に沿って設置されたスカムバッフルプレートの上縁をはさむように係合している。
この特許文献1に記載された掻き寄せ装置では、リンク機構によりスカムスキマー及びスカムスクレーパー装置を径方向に移動することができる。そのため、スカムスクレーパー装置の先端に装着されたガイドローラが処理水槽のコーナー部を通過する際に、スカムスキマー及びスカムスクレーパー装置がコーナー部に移動して、コーナー部分に溜まったスカムを掻き寄せることができる。
具体的には、以下のスカム掻き寄せ装置である。
これにより、非円形状の処理水槽のコーナー部分に溜まったスカムは、処理水槽内側のスカムアームに集められるため、スカムの処理水槽内面への付着を抑制することができる。
本発明のスカム掻き寄せ装置では、掻き寄せられたスカムは、スカムアームの長さ方向に広がっているため、軸方向に伸びるスリットを有するパイプを用いることにより、効率よく回収することができる。
スカムアームの回転中心と処理水槽の内周との距離が最小幅となる位置において、スカムアームとコーナーアームの径方向の長さが最も短くなるため、スカムが最も掻き集められた状態となる。よって、回収部をこの位置に配置することにより、効率よくスカムが排出されるという効果を奏する。
これにより、コーナーアームを簡素な構造とすることができる。また、付勢装置を小さくすることができ、省スペース化の効果もある。
ここで、スカムアームとコーナーアームがなす角とは、回転方向前方側の角度である(図2(A)参照。)。
図1は、本発明の実施例のスカム掻き寄せ装置を設置した処理水槽1の構造を示す概略説明図である。
回転駆動部4は、回転モータ12等の動力により回転し、スカムアーム2等を回転させるための構成である。
スカムアーム2は、水面付近に略水平に設置され、回転駆動部4の動力により時計回り(回転方向R)に回転して、スカムを掻き寄せるための構成である。
また、コーナーアーム3は、スカムアーム2と同期して回動し、処理水槽1のコーナー部分に溜まったスカムをスカムアーム2側に掻き寄せるための構成である。
レーキシステムは、図1(B)に図示したように、レーキフレーム6が回転駆動部4に連結され、レーキフレーム6にレーキ7が固定されている。本発明の実施例のスカム掻き寄せ装置は、スカムアーム2及びコーナーアーム3がレーキフレーム6に固定されてレーキ7と共に回動する。
なお、本発明の実施例のスカム掻き寄せ装置では、レーキシステムの回転動力を利用しているが、本発明においてレーキシステムは必須ではない。
[処理水槽]
図1(A)に示すように、処理水槽1の形状は、略正方形状であり、その頂縁部は角部が円弧状に形成されている。また、処理水槽1の底面の形状は、中心に向かって緩やかに傾斜した逆さ截頭円錐形状である(図2(B)参照。)。
なお、本発明のスカム掻き寄せ装置を設置する処理水槽は、正方形、長方形、楕円形等の非円形状の処理水槽であればよい。
スカムアーム2は、水面付近に略水平に設置され、回転駆動部4の動力により時計回りに回転して、スカムを掻き寄せるための構成である。
図2(A)に示すように、スカムアーム2は、回転中心側の端部が回転軸より後方に偏心して設置されている。これにより、スカムが処理水槽中心側に移動し、スカムアーム2の軸方向全体に広がるように掻き寄せられる。スカムの回収部5として、軸方向にスリットを有するパイプを用いた場合には、スカムを取り込むためのスリット幅をスカム量が超えないように、スカムアーム2の軸方向全体に広げて掻き寄せることが好ましい。
スイングフレーム15は、上端にスカムアーム2が固定され、下端にスイングウエイト36(図6参照。)が固定されている。スイングフレーム15が回転することにより、スカムアーム2の高さを変えられるようになっている。また、スイングフレーム15の下端にスイングウエイト36を設けることにより、スイングフレーム15は直立した状態が維持され、スカムアーム2が水面付近の高さに位置されている。
このようなスイング機構を介してスカムアーム2を支持することにより、回収部5との衝突を回避することができる。なお、この回避機構の詳細については、後述する。
コーナーアーム3は、スカムアーム2と同期して回動し、処理水槽1のコーナー部分に溜まったスカムをスカムアーム2側に掻き寄せるための構成である。
図2(A)に示すように、コーナーアーム3は、スカムアーム2の先端に設置され、スカムアーム2とコーナーアーム3のなす角θは、180°未満に設定されている。これにより、コーナーアーム3の外方端が、スカムアーム2より回転方向前方に位置するため、コーナーアーム3により掻き寄せられたスカムは、スカムアーム2側に集められる。
例えば、コーナーアーム3をスカムアーム2に回転可能に連結してもよいし、リンク機構を介して設置してもよい。また、コーナーアームの外方端を処理水槽の内周に沿って移動させるために、処理水槽の内周に沿ってガイドレールを設けて、ガイドレールとコーナーアームの外方端を係合するようにしてもよい。
図4には、本発明の実施例の付勢装置21の細部が図示されている。付勢装置21は、コーナーアーム支柱13に連結された支柱受け30と、コーナーアーム3に連結されたコーナーアーム受け31が、付勢装置軸受33を介して回転可能に設置されている。さらに、付勢装置21の内部には、ねじりバネ32が内蔵されている。ねじりバネ32の一端32Aは、コーナーアーム受け31に固定され、他端32Bは支柱受け30に固定されている。この付勢装置21では、ねじりバネ32の応力を利用して、コーナーアーム3の外方端をガイド壁14に付勢することができる。
また、コーナーアーム3は、スリット35を有するパイプ34からなる回収部5の設置領域を通過する際(回収部5については後述する。)、回収部5との衝突を回避するために、パイプ34の先端とガイド壁14の間を通過させている(図2(A)参照。)。ねじりバネ32を利用した付勢装置21では、コンパクトな構造となるため、パイプ34の先端とガイド壁14の間隔を小さくすることができる。そのため、パイプ34を回転駆動部4と処理水槽1の間をほぼ横断するように設置することができ、スカムアーム2で掻き寄せられたスカムを漏れなく回収部5に流入させることが可能となる。
本発明の実施例の回収部5は、図5に図示した断面図のように、スリット35を有するパイプ34から構成されている。また、図2(A)に示すように、パイプ34の一端は、回転駆動部4の周囲に形成された回収槽10に連通するように設置され、他端は処理水槽1内に向かって伸びている。なお、パイプ34の他端側は閉塞している。
そして、掻き寄せられたスカムの回収時には、水面の高さがスリット35の間になるように、パイプ34を回動する。堰き止められていたスカムは、スリット35からパイプ34内に流れ込み、回収槽10に流出して回収される。回収槽10に回収されたスカムは、排出機構(図示していない。)により処理水槽外に排出される。
図6には、スカムアーム2と回収部5の衝突を回避するための回避機構が図示されている。
スカムアーム2と回収部5は、いずれも水面付近に設置されるため、スカムアーム2を回転駆動させると、回収部5と衝突する。そのため、実施例のスカムアーム2は、スイングフレーム15により高さ位置を変更できるように設置されている。また、スカムアーム2には、回転方向前方に複数の回避ローラ16が固定されている。
スカムアーム2と回収部5が交差するときは、図6に示すように、回避ローラ16が回収部5に設置された回避ローラガイドに沿って転がり、スイングフレーム15がスイングする(2点破線図)。この機構により、スカムアーム2が回収部5の下を通過するため、回収部5との衝突を回避することができる。
例えば、スカムアームに可撓性のワイパを設け、パイプ形状やボックス形状の回収部と交差する際に、可撓性のワイパを変形させることにより回避してもよい。
また、プラスチックゴミの分別等に利用される浮遊選別法に利用することもできる。
Claims (3)
- 非円形状の処理水槽に設置され、水面上に浮遊するスカムを掻き寄せるスカム掻き寄せ装置において、
回転駆動するスカムアームと、
前記処理水槽の形状に沿って前記スカムアームと同期して回動するコーナーアームと、
前記スカムアームと、前記コーナーアームとにより掻き寄せられたスカムを回収する回収部とを備え、
前記回収部は、パイプを具備し、前記パイプには、前記パイプの軸方向に伸びるスリットを有しており、
前記スカムアームの回転中心側の端部は、回転軸とスカムアームのコーナーアーム側の端部とを結ぶ直線に対して、回転方向後方に設置され、
前記スカムアームと前記コーナーアームがなす角は180°未満に設定され、前記コーナーアームで掻き寄せたスカムを前記スカムアームで掻き寄せることを特徴とするスカム掻き寄せ装置。 - 前記回収部は、前記スカムアームの回転中心と、前記処理水槽の内周との間の距離の最小幅となる位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載のスカム掻き寄せ装置。
- 前記コーナーアームは、ねじりバネによって前記処理水槽に付勢されることを特徴とする請求項1又は2に記載のスカム掻き寄せ装置。
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