JP6461903B2 - 身体防護具内の衝撃波を減衰させるために使用される真空パネル - Google Patents

身体防護具内の衝撃波を減衰させるために使用される真空パネル Download PDF

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Description

この技術は、背面変形(backface deformation)に対する改善された抵抗を有する弾道抵抗性複合物品(ballistic resistant composite article)に関するものである。
対弾道防護具性能の2つの主要な尺度は、発射体貫通抵抗および鈍的外傷(「外傷」)抵抗である。発射体貫通抵抗の共通の特性は、V50速度であり、これは、実験により導出され、統計学的に算出される衝突速度であり、その速度では発射体は50%の確率で防護具を完全に貫通し、50%の確率で防護具によって完全に停止されることが予想される。等しい面密度(すなわち、複合材パネルの重量を表面積で割った値)を有する複合材では、V50が高ければ高いほど、複合材の貫通抵抗は良くなる。高速発射体が防護具を貫通するかどうかによらず、発射体が防護具に当接したときに、その衝突も身体防護具を衝突領域でたわませ、著しい非貫通、鈍的外傷性傷害を潜在的に引き起こす。弾丸衝突による身体防護具のたわみの深さの尺度は、背面形跡(「BFS」)として知られており、また背面変形または外傷形跡としても知られている。潜在的に結果として生じる鈍的外傷性傷害は、弾丸が防護具を完全に貫通し、身体内に入った場合と同程度に個人にとって致命的となり得る。これは、特にヘルメット防護具の状況で結果として生じるものであり、停止された弾丸によって引き起こされる一時的突出がヘルメットの下の頭蓋骨の平面を依然として横切り、衰弱または致命的脳損傷を引き起こし得る。したがって、優れたV50弾道性能と低い背面形跡を共に有する弾道抵抗性複合材を生産するための方法が当技術分野において必要である。
弾道抵抗性防護具を伴う高速発射体の衝突は圧縮波を発生し伝搬させることが知られている。この圧縮波、すなわち、衝撃波は、衝突地点から外向きに伝搬し、防護具の背後に一時的圧縮を引き起こす。この一時的圧縮は、多くの場合、防護具それ自体の変形を超えて拡大し、背面変形の結果として生じる深さへの著しい寄与要因となり得、大きな鈍的外傷を引き起こす。衝撃波エネルギーを制限するか、または軽減すること、または衝撃波の形成を完全に防ぐことすら、背面変形の程度を効果的に低減する。
衝撃波の効果を制限するための一方法は、それを吸収することによる方法である。たとえば、米国特許出願公開第2012/0234164号では、外側セラミック層、衝撃波を吸収したときに粉粒体に崩壊する破砕材料、および破砕材料内に埋め込まれた複数の共鳴体を含む破砕層を備えるシステムを教示している。セラミック層は、発射体衝突によって発生した衝撃波を加速および拡散し、破砕材料は、高エネルギー音波エネルギーを励起させる衝撃波を吸収し、共鳴体は、破砕層内で発生したこの波エネルギーを反射する。このシステムは、本明細書に記載のアプローチに対して直観に反するアプローチを採用しており、波が特定の音響スペクトル線波長で振動を活性化するのに十分なエネルギーを有するように衝撃波を軽減するのではなく増幅する。
米国特許出願公開第2009/0136702号では、防弾ガラスなどの透明防護具の衝撃波伝搬パターンおよびその後の損傷パターンを修正するための透明防護具システムを教示している。これらは、2つの防護具層の間に位置決めされた非平面的内層の組み込みについて説明している。内層の非平面的界面設計では、幾何学的散乱および材料音響インピーダンス不整合誘発散乱を通じて衝撃波パターンを修正する。このタイプの構造は、著しいガラス散乱および剥離を引き起こすことなく防護具の好ましい領域内への衝突エネルギーの分配を許すように設計されている。このシステムは、身体防護具を対象としていない。
航空宇宙グレードのハニカム材料などの爆風軽減材料または衝撃波を抑えるための爆風軽減発泡体を使用し、高圧の爆風エネルギーの衝突を低減する他のシステムが知られている。航空宇宙グレードのハニカム材料は、一般的に、密充填幾何学的セルのパネルとして特徴付けられる。これは、その高い強度、優れた構造特性、および多用途性から航空機および車両において構造部材を形成する複合材中で通例使用される構造材料であるが、これらは、弾道抵抗性複合材での使用に関しても知られている。たとえば、2つの硬質弾道抵抗性繊維質パネルの間に位置決めされた中央ハニカムパネルを備える硬質弾道抵抗性構造体を教示する米国特許第7,601,654号を参照されたい。爆風軽減発泡体は、爆風から熱エネルギーを吸収することができ、またその粘弾性特性を利用してエネルギーを弱め、吸収することができるので有用である。発泡体中の凝縮可能ガスは、高圧の下で凝縮することができ、それによって、水相へ凝縮の熱を開放し、衝撃波速度の減少を引き起こす。たとえば、爆発性物品を受け入れ、爆発が発生した場合に損傷を防ぐか、または最小限度に抑えるための耐爆性および爆風案内容器アセンブリを教示する米国特許第6,341,708号を参照されたい。容器アセンブリは、耐爆性材料の1つまたは複数のバンドから加工され、適宜、爆風軽減発泡体を充填される。
関連技術のこれらの物品は、その有用性に関してすべて制限されている。これらは、高速発射体に対する優れた弾道貫通抵抗を維持しながら、また身体防護具用途に十分である低重量を維持しながら衝撃波エネルギーを制限するか、または排除するようには最適化されていない。米国特許出願第2009/0136702号および米国特許出願第2012/0234164号で説明されている物品は、弾ガラス用途に主に使用されている重い、非繊維質複合材である。ハニカム構造体を組み込んだ物品は、かさばり、重く、身体防護具に使用するように最適化されていない。爆風軽減発泡体を組み込んだ物品も、身体防護具用途においては有効性に制限がある。
これらの欠点に鑑みて、限定はしないが身体防護具用途を含む、広範な用途において有用である改善された防護具解決策が当技術分野において依然として求められている。本発明のシステムは、当技術分野におけるこのような必要性に対する解決策を提供する。
真空パネル技術を高性能弾道抵抗性複合材と組み合わせて利用することで本明細書に記載の望ましいメリットのすべてを有する軽量物品を形成する改善されたシステムが実現される。
実現されるのは弾道抵抗性物品であり、これはa)第1および第2の表面を有する真空パネルであって、エンクロージャおよびエンクロージャによって画成される内部容積を備え、前記内部容積の少なくとも一部は非占有の空間であり、前記内部容積が真空圧力下にある、真空パネルと、b)前記真空パネルの前記第1および第2の表面のうちの少なくとも一方と直接的にまたは間接的に結合された少なくとも1つの弾道抵抗性基材であって、約7g/デニール以上の強度および約150g/デニール以上の引張弾性率を有する繊維および/またはテープを備える弾道抵抗性基材とを備える。
また、実現されるのは、弾道抵抗性物品であり、これはa)第1および第2の表面を有する真空パネルであって、エンクロージャおよびエンクロージャによって画成される内部容積を備え、前記内部容積の少なくとも一部は非占有の空間であり、前記内部容積が真空圧力下にある、真空パネルと、b)前記真空パネルの前記第1および第2の表面のうちの少なくとも一方と直接的にまたは間接的に結合された少なくとも1つの弾道抵抗性基材であって、硬質非繊維ベース、非テープベースの材料を含む弾道抵抗性基材とを備える。
また、提供されるのは、弾道抵抗性物品を形成する方法であり、これはa)第1および第2の表面を有する真空パネルを実現するステップであって、前記真空パネルはエンクロージャおよびエンクロージャによって画成される内部容積を備え、前記内部容積の少なくとも一部は非占有の空間であり、前記内部容積が真空圧力下にある、ステップと、b)少なくとも1つの弾道抵抗性基材を前記真空パネルの前記第1および第2の表面のうちの少なくとも一方と結合するステップであって、前記基材は約7g/デニール以上の強度および約150g/デニール以上の引張弾性率を有する繊維および/またはテープを備えるか、または前記基材は硬質非繊維ベース、非テープベースの材料を含み、前記少なくとも1つの弾道抵抗性基材は、弾道抵抗性物品の打面として位置決めされ、前記真空パネルは、前記少なくとも1つの弾道抵抗性基材との発射体の衝突から開始する衝撃波を受けるために前記少なくとも1つの弾道抵抗性基材の背後に位置決めされる、ステップとを含む。
真空パネルを組み込んでいない従来技術の防護具構造体に対する粘土裏当て材における背面形跡に対する衝撃波の効果を示す概略斜視図である。 防護具構造体内に真空パネルを組み込んだ結果の衝撃波抑制による粘土裏当て材における背面形跡の低減を示す概略斜視図である。 従来技術の真空パネルの概略斜視図である。 従来技術の真空パネルの概略斜視図である。 隣接するパネルの間に穿孔があるシートを形成するために複数の真空隔室が互いに相互接続されている従来技術の真空パネルシート構造体の概略斜視図である。 複数の交互に並ぶ弾道抵抗性基材および複数の真空パネルを組み込んだ複合防護具構造体の概略斜視図である。 弾道抵抗性基材および真空パネルが接続アンカによって間接的に結合され、相隔てて並ぶ本発明の弾道抵抗性物品の概略端面図である。 弾道抵抗性基材および真空パネルがフレームによる接続アンカによって間接的に結合され、相隔てて並ぶ本発明の弾道抵抗性物品の概略端面図である。 表2にまとめられている例からの背面形跡データのグラフである。
衝撃波は真空中を移動することができないことが知られている。本発明は、真空パネル技術を弾道抵抗性防護具と併せて使用することで、発射体衝突によって発生する衝撃波の効果を軽減する。これらの物品は、背面変形の程度を低減し、鈍的外傷性傷害を回避するか、または最小限度に抑えるうえで特に有効である。
図1および図2は、本発明の構造物が使用されるときに当然である背面変形低減の重要性を示すのに役立つ。図1は、弾道抵抗性基材210の打面220に対する弾丸250の衝突が衝突後一時的変形240および衝突後衝撃波260をどのように引き起こすかを示している。図は、本発明の真空パネルではなく従来の裏当て材230(ハニカム材料または発泡体など)を組み込んだ従来技術の防護具構造体に対する粘土裏当て材270における背面形跡280に対する衝突後衝撃波260の効果の概略を示している。これは、本発明の防護具構造物を示している、図2と対比される。図は、弾道抵抗性基材210の裏への真空パネル212の裏当て材の取り付けで衝撃波をどのように排除するか、およびその結果の、背面形跡280の減少の概略を示している。
真空パネル技術は、もっぱら、建物および家庭構造物における断熱および防音材料として、防護具と関係のない他の産業から知られている。一般的に、真空圧力下にある内部容積を有する知られている真空パネル構造物は、ここではその内部容積の少なくとも一部が非占有である場合に有用である。好ましいのは、主に非占有の空間である内部容積を有する真空パネルであり、最も好ましい真空パネルは、実質的に非占有の空間である内部容積を有する。本明細書で使用されているように、「非占有の空間」は、真空パネルの内部容積内の物理的支持材料または構造体の存在を説明する言い回しである。これは、真空の品質または真空パネルの内部容積内に存在するガスの量を指さない。本明細書で使用されているように、「主に非占有である空間」は、真空パネル内の真空室の内部容積の50%を超える部分が非占有の空間であることを意味し、内部容積の残り部分は支持構造体または充填材によって占められる。本明細書で使用されているように、「実質的に非占有である空間」は、真空パネル内の真空室の内部容積の少なくとも約80%が非占有の空間であり、内部容積の残り部分は支持構造体または充填材によって占められ、より好ましくは、内部容積の少なくとも約90%が非占有の空間であることを意味する。最も好ましくは、真空パネル内の真空室の内部容積の100%が非占有の空間である。非占有の空間であるその真空室の内部容積の100%を有する真空パネルであれば、必ず、真空中にあってもその形状を保つことができる硬質材料から加工された壁を有する。可撓性および低重量が望ましい身体防護具などの用途において、真空パネル壁は軽量非硬質可撓性材料から加工されることが好ましく、この場合真空下でパネル壁がつぶれるのを防ぐために内部容積内に支持構造体を必ず有する。この実施形態では、この内部支持構造体は、最小量の内部容積のみを備えることが好ましく、好ましくは真空パネルの少なくとも約80%が非占有の空間となるように容積の約20%以下を含む。
各真空パネル内の非占有の空間は、真空を形成するために少なくとも部分的にガス分子が排出される。理想的には、非占有の空間は、ガス分子を完全に排出され、0トールの絶対圧力を達成し、そこでは、内部容積内の非占有の空間は全体が空の何もない空間からなる。しかし、完全真空と称される、ガス分子の完全な排出は、真空の定義を満たすためには必要でない。真空は、760トール未満の絶対圧力として定義される。したがって、本明細書で使用されているように、真空パネルの内部容積は、内部容積の絶対圧力が760トール未満であるときに真空圧力下にある。衝撃波エネルギーの最大の軽減のために、真空パネルの内部容積は、可能な最低の圧力になるまでガスを排出されることが望ましい。好ましい実施形態において、ガスの少なくとも90%が真空パネルから排出され、その結果、約76トール以下の内圧が生じる。より好ましくは、ガスの少なくとも95%が真空パネルから排出され、その結果、約38トール以下の内圧が生じる。さらにより好ましくは、ガスの少なくとも99%が真空パネルから排出され、その結果、約8トール以下の内圧が生じる。最も好ましい実施形態では、真空パネルは、約5トール以下、より好ましく約4トール以下、より好ましくは約3トール以下、より好ましくは約2トール以下、さらにより好ましくは約1トール以下の内圧を有する。本明細書で識別されているすべての圧力測定は絶対圧力を指す。本発明の物品が、複数の真空パネルを備える場合、すべてのパネルの内圧は、同じであるか、または圧力が変化し得る。
有用な真空パネルは、好ましくは、一般的に矩形または正方形の形状を有するが、他の形状も、等しく使用されてよく、真空パネルの形状は制限要因であることを意図されていない。有用な真空パネルは、市販品である。真空パネルは、好ましくは、第1の表面(または第1の壁)、第2の表面(または第2の壁)、および適宜、一緒になってエンクロージャを形成する1つまたは複数の側壁を備え、内部容積はこのエンクロージャによって画成される。真空は、典型的には第1もしくは第2の表面のうちの一方またはオプションの側壁のうちの1つに配置されている開口部を通して、内部容積内に存在するガスを排出することによってパネルの内側に形成される。本明細書において有用である従来技術からの例示的な真空パネルは、図3に示され、詳細は、開示が矛盾しない範囲で参照により本明細書に組み込まれているオランダ所在のLevel Holding B.V.に譲渡された米国特許第8,137,784号において説明されている。米国特許第8,137,784号では、上側主壁1および下側主壁2(図3には示されていない)によって形成される真空断熱パネルについて説明しており、主壁は両方とも、一面に広がる金属箔3によって相互に接続される。金属箔3は、上側主壁の屈曲スカート部5と下側主壁2の屈曲スカート部6とに溶接される。帯状部7および8は、それぞれ、金属箔3で、屈曲スカート部5と6との間の溶接の品質を改善する。パネルの内側のガスは、上側主壁1内に配置構成された開口部を通して取り除かれ、次いで、開口部は、上側主壁1上に溶接されたカバープレート9で閉鎖される。米国特許第8,137,784号では、それらのパネル壁が、ステンレス鋼、チタン、または適切な合金などの、薄い低伝導金属から加工されると説明している。しかし、本発明の目的に関して、真空パネルを加工するために使用される材料は、それに限定されず、真空断熱パネルの技術分野において知られているものであれば何であってもよい。
本明細書において有用である従来技術からの別の例示的な真空パネルは、図4に示され、詳細は、開示が矛盾しない範囲で参照により本明細書に組み込まれているイリノイ州サミット所在のOwens−Corning Fiberglas Technology Inc.に譲渡された米国特許第5,756,179号において説明されている。米国特許第5,756,179号では、頂部104aおよび底部104bを含むジャケット104を備える真空パネル102について説明している。ジャケット104は、0.0762ミリメートル(3ミル)のステンレス鋼から形成される。底部104bは、側縁120、断熱媒体を受け入れるための空洞、およびその周辺に広がる平坦なフランジ106を有するフライパン形状に形成される。平坦なフランジ106は、頂部104aに溶接され、ハーメチックシールを形成し、それによって形成されるエンクロージャは気体を排出されて、エンクロージャの内側に真空を形成する。図4に示されている予成形された縁挿入物128が存在し、マルチパネル構成で隣接する真空断熱パネルと係合する。
米国特許第4,579,756号では、中に部分的真空を有する複数の気密室から作られた従来技術の真空パネルシート構造体を開示している。米国特許第4,579,756号の断熱シート構造体は、図5に示されており、複数の真空隔室10が互いに相互接続され、シートを形成する。隣接するパネルの間に穿孔14を形成するためにシートはミシン目を入れられる。シートは、穿孔で裂かれて、分離され、これにより、シートのサイズを使用者側でカスタマイズすることができる。隣り合って並ぶ、または縁と縁とを接した構成の複数の離散真空パネルを有する任意のタイプの区分された真空パネル構造体が、真空パネルが複数の発射体の衝突に耐え抜くうえで好ましい。
いくつかの他の真空パネル構造体が、当技術分野で知られており、また本発明でも使用され得る。たとえば、互換性がある範囲で参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,718,958号、米国特許第4,888,073号、米国特許第5,271,980号、米国特許第5,792,539号、米国特許第7,562,507号、および米国特許第7,968,159号、さらには米国特許出願公開第2012/0058292号を参照されたい。
真空パネルの寸法、およびパネルを加工するために使用される材料は、弾道抵抗性複合材防護具の意図されている最終用途に応じて変わり得る。たとえば、身体防護具物品は。軽量であるべきであり、したがって、軽量材料から加工された真空パネルが望ましい。意図されている用途が、車両または建物壁を補強するために使用される防護具など、身体防護具でないときには、低重量は、重要でなく、より重い材料が望ましい場合もある。それぞれの用途において、有用な加工材料は、よく知られており、最適なパネル構造物は、当業者であれば容易に決定できる。
弾道抵抗性物品の意図されている最終用途が、身体防護具用途である好ましい一実施形態において、(1つまたは複数の)真空パネルは、好ましくは、封止された、軟質ポリマー外皮を備える。好適なポリマー外皮は、好ましくは、重ね合わされ、封止されたポリマーシートから形成され、単層または多層フィルム構造体を備え得る。前記ポリマーシートに適しているポリマーは、さまざまなものがあり、たとえば、矛盾のない範囲で参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,579,756号、米国特許第5,943,876号、または米国特許出願公開第2012/0148785号で説明されているような、ポリオレフィンまたはポリアミドを含み得る。米国特許第5,943,876号において説明されているように、そのようなポリマー外皮構造体は、真空を保つためにガスの浸透を最小限度に抑えるバリアフィルムの少なくとも1つの層を備えることが好ましい。例示的な多層フィルムは、1つまたは複数のヒートシール可能なポリマー層、1つまたは複数のポリエチレンテレフタレート(PET)層、1つまたは複数のポリ塩化ビニリデン層、および1つまたは複数のポリビニルアルコール層を備える。他のポリマー外皮は、アルミニウム、酸化アルミニウムで金属化されるか、または金属箔でラミネートされ、これにより気体遮断性を付与することができる。これらのオプションは、例示的なものにすぎず、非排他的であり、そのような構造物は、真空パネルの技術分野ではよく知られている。ちなみに、真空パネルの第1および第2の表面のうちの少なくとも一方と結合された金属箔層の組み込みも、衝撃波エネルギーの一部を部分的に反射する二次的なメリットを有し得る。そのような箔層は、当業者によって決定されるようなアルミニウム箔、銅箔、またはニッケル箔などの、知られている有用な金属箔を含む。
米国特許出願公開第2012/0148785号では、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、メタロセンポリエチレン(mPE)、メタロセン直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)、エチレン酢酸ビニル(EVA)共重合体、エチレン−プロピレン(EP)共重合体、またはエチレン−プロピレン−ブテン(EPB)三元重合体、およびヒートシール層上に形成される気体遮断層を含むヒートシール層を備えるポリマー外皮を備える真空パネルを教示しており、気体遮断層は、複数の複合材層を含み、それぞれポリマー基材および金属もしくはその酸化物の単層または多層を含み、これはポリマー基材の片面もしくは両面に形成され、ポリマー基材は、一軸延伸または二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド(PI)、エチレン/ビニルアルコール(EVOH)共重合体、またはこれらの組合せを含む。
シートの厚さおよび全体的なパネル寸法も、予想される最終用途について当業者によって決定されるように異なり得る。深い内部容積を有する真空パネルは、浅い内部容積を有する真空パネルと比較して衝撃波を軽減するという点でより効果的であることが予想される。しかし、思いがけなく、0.635cm(1/4インチ)と小さい深さを有する真空パネルが、発射体エネルギー、および/または発射体質量および/または発射体速度、さらには真空パネルの圧密の割合などの係数に応じて、発射体衝突による衝撃波エネルギーを低減するのに効果的であることが判明した。圧密の割合が高い真空パネルは、発射体衝突が防護具の打面を真空パネルに押し込み、基材に直接隣接する真空パネルの前面をパネルの内部空間内に押し込ませ、パネルの後面の方へ押しやる。圧密の割合が高い真空パネルは、この変位に抵抗し、別の衝撃波を発生させる可能性のある、前パネル面が後面に衝突することを防ぐ。したがって、好ましい真空パネルの深さは異なる。
いくつかの場合において、発射体の衝突は、真空パネルを損傷し、または破壊する可能性があり、それにより、複数の発射体衝突に対する防護具物品の有効性を減じることも予想され得る。したがって、本発明の複合物品が複数の真空パネルを備えることが最も好ましい。好ましい一実施形態において、物品は、図5に示されているような従来技術の真空パネルのシートなど、隣り合って並ぶ、または縁と縁とを接した構成で互いに隣接して位置決めされた複数のパネルを組み込む。この従来技術の構造体は、シートの長さおよび幅を簡単にカスタマイズできるようにパネル同士の間に穿孔を備える。図6に示されているような別の好ましい実施形態では、物品は、前から後への順序で積み重ねられた複数の真空パネル212を組み込み、好ましくは複数の弾道抵抗性基材210と交互に並ぶ。この実施形態の物品は、保護のカスケードを実現し、真空パネルの1つが発射体衝突によって破壊されたとしても防護具物品の全長および幅にわたって衝撃波からの保護を保持する。
図2および図6〜8に示されているように、本発明の弾道抵抗性物品は、各真空パネルの第1および第2の表面のうちの少なくとも一方と結合された少なくとも1つの弾道抵抗性基材を備える。少なくとも1つの弾道抵抗性基材は、各真空パネルの第1および第2の表面のうちの少なくとも一方と直接的にまたは間接的に結合され得る。直接的結合とは、弾道抵抗性基材の表面を、基材とパネルとの間に空間がないように、接着剤などで、真空パネルの表面に直接付着させることを指す。間接的結合とは、弾道抵抗性基材および真空パネルが、表面同士が直接触れ合うことのないようにコネクタ器具で表面の1つまたは複数で一緒に連結される一実施形態を指す。間接的結合は、真空パネルが防護具物品に、真空パネルおよび弾道抵抗性基材同士が触れ合うことなく、またはいかなる手段でも互いに付着または接続されることすらなく、単に組み込まれる実施形態も含む。この点で、本発明は、真空パネルを含むいかなる防護具設計をも包含する。
本発明の目的に関して、弾道抵抗性基材は、弾丸などの、変形可能な発射体の貫通に対抗する、また爆弾の金属片および破片などの、断片の貫通に対抗する、優秀な特性を示す材料である。本明細書で使用されているような「繊維層」は、一方向に配向された繊維の単一プライ(single−ply of unidirectionally oriented fibers)、一方向に配向された繊維の複数の相互接続されているが、圧密化されていないプライ(a plurality of interconnected but non−consolidated plies of unidirectionally oriented fibers)、複数の相互接続されているが、圧密化されていない織布、一方向に配向された繊維の複数の圧密化されたプライ、織物、複数の圧密化された織布、またはフェルト、マット、およびランダムに配向された繊維を含むものなどの、他の構造体を含む、複数の繊維から形成された他の布構造体を含み得る。「層」は、一般的に平面的な配置構成を記述する。繊維層は、外側頂/前面および外側底/後面を共に有する。一方向に配向された繊維の「単一プライ」は、一方向に、実質的に平行な配列で整列されている実質的に重なり合わない繊維の配置構成を含む。このタイプの繊維配置構成は、当技術分野では「ユニテープ」、「一方向テープ」、「UD」、または「UDT」としても知られている。本明細書で使用されているように、「配列」は、織布を除く、繊維または糸の順序正しい配置構成を記述し、「平行な配列」は、繊維または糸の順序正しく平行な配置構成を記述する。「配向された繊維」の文脈で使用されているような「配向される」という言い回しは、繊維の整列を指す。「布」という用語は、プライの成形または圧密化あり、またはなしの、1つまたは複数の繊維プライを含み得る構造体を記述する。たとえば、織布またはフェルトは、単一繊維プライを含み得る。一方向繊維から形成される不織布は、典型的には、互いの上に積み重ねられ、圧密化された複数の繊維プライを含む。本明細書で使用されているように、「単層」構造体は、適宜ポリマー結合材と一緒に、単一の一体構造に合併、すなわち、低圧ラミネーションまたは高圧成形によって圧密化された1つまたは複数の個別のプライもしくは個別の層からなるモノリシック繊維構造体を指す。「圧密化」は、ポリマー結合材が各繊維プライと一緒に単一の一体層に組み合わされることを意味する。圧密化は、乾燥、冷却、加熱、圧力、またはこれらの組合せを介して行われ得る。熱および/または圧力は必要ないこともあり得、ウェットラミネーション加工の場合のように、繊維または繊維層が接着剤でくっつけるだけでよい場合がある。「複合材」という用語は、典型的には少なくとも1つのポリマー結合材を伴う、繊維またはテープの組合せを指す。「複雑な複合材」は、複数の繊維層の圧密化された組合せを指す。本明細書に記載のように、「不織」布は、機織りで形成されないすべての布構造体を含む。たとえば、不織布は、ポリマー結合材で少なくとも部分的にコーティングされ、積み重ねられ/重ね合わされて単層モノリシック要素にされた、複数のユニテープ、さらにはポリマー結合材組成物で好ましくはコーティングされている平行でない、ランダムに配向された繊維を備えるフェルトまたはマットを含み得る。
弾道抵抗性基材は、好ましくは、1つまたは複数の層を備え、各層は高強度、高引張弾性率を有する、複数のポリマー繊維および/または非繊維質の、高強度、高引張弾性率を有する、ポリマーテープを含む。本明細書で使用されているように、「高強度、高引張弾性率を有する」繊維またはテープは、少なくとも約7g/デニール以上の好ましい強度、少なくとも約150g/デニール以上の好ましい引張弾性率、および好ましくは、少なくとも約8J/g以上の破断エネルギーを有するものであり、各々繊維に関するASTM D2256およびポリマーテープに関するASTM D882(または当業者によって決定されるような別の好適な方法)によって測定される。本明細書で使用されているように、「デニール」という用語は、繊維/糸またはテープ9000メートル当たりのグラム単位で表される質量に等しい、線密度の単位を指す。本明細書で使用されているように、「強度」という用語は、応力を受けていない試料の単位線密度(デニール)当たりの力(グラム)として表される引張応力を指す。繊維またはテープの「初期弾性率」は、変形に対するその抵抗を表す材料の特性である。「引張弾性率」という用語は、デニール当たりのグラム−力(g/d)で表される、強度の変化と元の繊維またはテープ長さの割合(in/in)として表される、引張の変化との比を指す。
弾道抵抗性基材が繊維質、繊維ベースの材料である実施形態では、特に適している高強度、高引張弾性率を有する繊維は、高密度および低密度ポリエチレンを含む、ポリオレフィン繊維を含む。特に好ましいのは、高配向高分子量ポリエチレン繊維、特に超高分子量ポリエチレン繊維、およびポリプロピレン繊維、特に超高分子量ポリプロピレン繊維などの伸びきり鎖ポリオレフィン繊維である。また好適なのは、アラミド繊維、特に、パラアラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維、伸びきり鎖ポリビニルアルコール繊維、伸びきり鎖ポリアクリロニトリル繊維、ポリベンゾオキサゾール(PBO)繊維、ポリベンゾチアゾール(PBT)繊維、液晶コポリエステル繊維、M5(登録商標)繊維などの硬質棒状繊維、および電気グレードのガラス繊維(Eガラス、良好な電気的特性を有する低アルカリホウケイ酸塩ガラス)、構造グレードのガラス繊維(Sガラス、高強度マグネシアアルミナシリケートガラス)、および抵抗グレードのガラス繊維(Rガラス、酸化マグネシウムまたは酸化カルシウムを含まない高強度アルミノシリケートガラス)を含むガラス繊維である。これらの繊維タイプの各々は、従来当技術分野で知られている。またポリマー繊維を生産するのに適しているのは、共重合体、ブロック重合体、および上記材料のブレンドである。
最も好ましい繊維タイプは、ポリエチレン、特に、伸びきり鎖ポリエチレン繊維、アラミド繊維、PBO繊維、液晶コポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、特に、高配向伸びきり鎖ポリプロピレン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維、および硬質棒状繊維、特に、M5(登録商標)繊維を含む。弾道抵抗性基材の加工に使用するために特に最も好ましい繊維は、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、およびガラス繊維である。
ポリエチレンの場合、好ましい繊維は、少なくとも300,000、好ましくは少なくとも100万、およびより好ましくは200万から500万の間の分子量を有する伸びきり鎖ポリエチレンである。そのような伸びきり鎖ポリエチレン(ECPE)繊維は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,137,394号または米国特許第4,356,138号で説明されているような溶液紡糸プロセスで成長させることができるか、または参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,413,110号、米国特許第4,536,536号、米国特許第4,551,296号、米国特許第4,663,101号、米国特許第5,006,390号、米国特許第5,032,338号、米国特許第5,578,374号、米国特許第5,736,244号、米国特許第5,741,451号、米国特許第5,958,582号、米国特許第5,972,498号、米国特許第6,448,359号、米国特許第6,746,975号、米国特許第6,969,553号、米国特許第7,078,099号、米国特許第7,344,668号、および米国特許出願公開第2007/0231572号で説明されているように、溶液から紡糸してゲル構造を形成することができる。本発明の弾道抵抗性基材で使用するための特に好ましい繊維タイプは、Honeywell International Inc.からSPECTRA(登録商標)という商標の下で販売されているポリエチレン繊維のうちのどれかである。SPECTRA(登録商標)は、当技術分野でよく知られている。他の有用なポリエチレン繊維タイプは、オランダ、ヘールレン所在のRoyal DSM N.V.Corporationによって市販されているDYNEEMA(登録商標)UHMWPE糸を含む。
好ましいのは、アラミド(芳香族ポリアミド)またはパラアラミド繊維であり市販されており、たとえば、米国特許第3,671,542号で説明されている。たとえば、有用なポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)長繊維は、DuPontによってKEVLAR(登録商標)という商標の下で商業生産されている。また、本発明を実施するうえで有用なのは、デラウエア州ウィルミントン所在のDuPontによってNOMEX(登録商標)という商標の下で商業生産されているポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)繊維およびドイツ所在のTeijin Aramid GmbhによってTWARON(登録商標)という商標の下で商業生産されている繊維、韓国所在のKolon Industries,Inc.によってHERACRON(登録商標)という商標の下で商業生産されているアラミド繊維、ロシア所在のKamensk Volokno JSCによって商業生産されているp−アラミド繊維SVM(商標)およびRUSAR(商標)、ならびにロシア所在のJSC Chim Voloknoによって商業生産されているARMOS(商標)p−アラミド繊維である。
本発明を実施するうえで好適なPBO繊維は、市販されており、たとえば、各々参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,286,833号、米国特許第5,296,185号、米国特許第5,356,584号、米国特許第5,534,205号、および米国特許第6,040,050号において開示されている。本発明を実施するうえで好適な液晶コポリエステル繊維は、市販されており、たとえば、各々参照により本明細書に組み込まれている米国特許第3,975,487号、米国特許第4,118,372号、および米国特許第4,161,470において開示されており、日本国東京所在のKuraray Co.,Ltd.から市販されているVECTRAN(登録商標)液晶コポリエステル繊維を含む。好適なポリプロピレン繊維は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,413,110号で説明されているような高配向伸びきり鎖ポリプロピレン(ECPP)繊維を含む。好適なポリビニルアルコール(PV−OH)は、たとえば、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,440,711号および米国特許第4,599,267号で説明されている。好適なポリアクリロニトリル(PAN)は、たとえば、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,535,027号で開示されている。これらの繊維タイプの各々は、従来当技術分野で知られており、広く市販されている。
M5(登録商標)繊維は、ピリドビスイミダゾール−2,6−ジイル(2,5−ジヒドロキシ−p−フェニレン)から形成され、バージニア州リッチモンド所在のMagellan Systems Internationalによって最近になって製造されたものであり、たとえば、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,674,969号、米国特許第5,939,553号、米国特許第5,945,537号、および米国特許第6,040,478号で説明されている。
ガラス繊維弾道抵抗性基材は、好ましくは、熱硬化性エポキシまたはフェノール樹脂などの熱硬化性または熱可塑性ポリマー樹脂で含浸された、ガラス繊維、好ましくはSガラス繊維の複合材を含む。そのような材料は、当技術分野でよく知られており、市販されている。好ましい例は、非排他的に、基材を含む。サウスカロライナ州所在のAGY of Aikenから市販されているS2−Glass(登録商標)、ベルギー、バティス所在の3B Fibreglassから市販されているHiPerTex(商標)Eガラス繊維から形成された弾道抵抗性ライナーを含む。また、好適なのは、フランス、クールブボア所在のSaint−GobainからVETROTEX(登録商標)という商標の下で市販されているような、Rガラス繊維を含むガラス繊維材料である。また好適なのは、上記すべての材料の組合せであり、これらはすべて市販されている。
本明細書で使用されているように、「テープ」という用語は、その幅よりも大きい長さ、および少なくとも約3:1の、平均断面アスペクト比、すなわち、テープ物品の長さにわたって平均された断面の最大寸法と最小寸法との比を有する材料の平坦で狭いモノリシックな帯状物を指す。テープは、繊維質材料または非繊維質材料であってよい。「繊維質材料」は、1つまたは複数の長繊維を含む。
弾道抵抗性基材が繊維質テープを含む実施形態において、テープは、織布の帯状物を含み得るか、または全体的に一方向の、全体的に平行な繊維の配列で配置構成された複数の繊維または糸を含み得る。繊維質テープを加工するための方法は、たとえば、参照によりその開示が本明細書に組み込まれている米国特許第8,236,119号および米国特許出願公開第13/021,262号、米国特許出願公開第13/494,641号、米国特許出願公開第13/568,097号、米国特許出願公開第13/647,926号、および米国特許出願公開第13/708,360において説明されている。繊維質テープを加工するための他の方法は、たとえば、米国特許第2,035,138号、米国特許第4,124,420号、米国特許第5,115,839号において説明されている、または狭い織布またはリボンを織るための専用のリボン織機を使用することによって説明されている。有用なリボン織機は、たとえば、各々スイス、シュタンスシュタット所在のTextilma AGに譲渡された、矛盾しない範囲で各々参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,541,461号、米国特許第5,564,477号、米国特許第7,451,787号、および米国特許第7,857,012号において開示されているが、代替的リボン織機も等しく有用である。ポリマーテープは、押出成形、引抜成形、スリットフィルム技術などの他の従来知られている方法によっても形成され得る。たとえば、標準的な厚さのユニテープを、所望の長さを有するいくつかのテープに切断するか、または細長く切ることができる。細長く切る装置の一例は、シート材ウェブを前記ロールに巻かれているときに細長く切るための装置を教示する米国特許第6,098,510号において開示されている。細長く切る装置の別の例は、ポリマーフィルムのシートを複数の刃で細長く切って複数のフィルム帯状物にするための装置を教示する米国特許第6,148,871号において開示されている。米国特許第6,098,510号および米国特許第6,148,871号の両方の開示は、矛盾しない範囲で参照により本明細書に組み込まれている。不織非繊維質ポリマーテープを加工するための方法は、たとえば、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第7,300,691号、米国特許第7,964,266号、および米国特許第7,964,267号で説明されている。これらのテープ実施形態の各々について、テープベースの材料の複数の層は、ポリマー結合材ありで、またはなしで、繊維質材料と同様の方式で、積み重ねられ、圧密化/成形され得る。
弾道抵抗性基材が非繊維質、テープベースの材料である実施形態では、特に適している高強度、高引張弾性率を有するポリマーテープの材料は、ポリオレフィンテープである。好ましいポリオレフィンテープは、デラウエア州ウィルミントン所在のE.I.du Pont de Nemours and Companyから市販されている、TENSYLON(登録商標)という商標の下で市販されているものなどのポリエチレンテープを含む。たとえば、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第7,964,266号および米国特許第7,964,267号を参照されたい。また好適なのは、サウスカロライナ州スパータンバーグ所在のMilliken & CompanyからTEGRIS(登録商標)という商標の下で市販されているものなどのポリプロピレンテープである。たとえば、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第7,300,691号を参照されたい。本明細書の弾道抵抗性基材として有用なポリオレフィンテープベースの複合材は、たとえば、オランダ、ヘールレン所在のRoyal DSM N.V.CorporationからDYNEEMA(登録商標)BT10という商標の下で、またドイツ所在のTeijin Aramid GmbhからENDUMAX(登録商標)という商標の下でも市販されている。
そのようなテープは、好ましくは、約0.5mm以下、より好ましくは約0.25mm以下、なおもより好ましくは約0.1mm以下、なおもより好ましくは0.05mm以下の厚さの実質的に矩形の断面を有する。最も好ましい実施形態では、ポリマーテープは、最大約76.2μm(3ミル)まで、より好ましくは約8.89μm(0.35ミル)から約76.2μm(3ミル)まで、および最も好ましくは約8.89μm(0.35ミル)から約38.1μm(1.5ミル)までの厚さを有する。厚さは、断面の最も厚い領域で測定される。
本発明において有用なポリマーテープは、約2.5mmから約50mmまで、より好ましくは約5mmから約25.4mmまで、なおいっそう好ましくは約5mmから約20mmまで、最も好ましくは約5mmから約10mmまでの好ましい幅を有する。これらの寸法は、異なり得るが、本明細書で形成されるポリマーテープは、最も好ましくは、約3:1を超える、より好ましくは少なくとも約5:1、なおもより好ましくは少なくとも約10:1、なおもより好ましくは少なくとも約20:1、なおもより好ましくは少なくとも約50:1、なおもより好ましくは少なくとも約100:1、なおもより好ましくは少なくとも約250:1の、平均断面アスペクト比、すなわち、テープ物品の長さにわたって平均された断面の最大寸法と最小寸法との比を達成する寸法を有するように加工され、最も好ましいポリマーテープは、少なくとも約400:1の平均断面アスペクト比を有する。
繊維およびテープは、任意の好適なデニールのものであってよい。たとえば、繊維は、約50から約3000デニールまで、より好ましくは約200から3000デニールまで、なおもより好ましくは約650から約2000デニールまで、および最も好ましくは約800から約1500デニールまでのデニールを有するものとしてよい。テープは、約50から約30,000まで、より好ましくは約200から10,000デニールまで、なおもより好ましくは約650から約2000デニールまで、および最も好ましくは約800から約1500デニールまでのデニールを有するものとしてよい。選択は、弾道有効性とコストを考慮することで決定される。繊維/テープは微細になればなるほど、製造と機織りにかかるコストが大きくなるが、生産したときの単位重量当たりの弾道有効性を大きくできる。
上で述べたように、高強度、高引張弾性率を有する繊維/テープは、約7g/デニール以上の好ましい強度、約150g/デニール以上の好ましい引張弾性率、および約8J/g以上の好ましい破断エネルギーを有するものであり、各々ASTM D2256によって測定される。好ましい繊維は、約15g/デニール以上、より好ましくは約20g/デニール以上、なおもより好ましくは約25g/デニール以上、なおもより好ましくは約30g/デニール以上、なおもより好ましくは約40g/デニール以上、なおもより好ましくは約45g/デニール以上、および最も好ましくは約50g/デニール以上の好ましい強度を有する。好ましいテープは、約10g/デニール以上、より好ましくは約15g/デニール以上、なおもより好ましくは約17.5g/デニール以上、および最も好ましくは約20g/デニール以上の好ましい強度を有する。テープは幅が広いほど、その強度は低くなる。好ましい繊維/テープは、約300g/デニール以上、より好ましくは約400g/デニール以上、より好ましくは約500g/デニール以上、より好ましくは約1,000g/デニール以上、および最も好ましくは約1,500g/デニール以上の好ましい引張弾性率も有する。好ましい繊維/テープは、約15J/g以上、より好ましくは約25J/g以上、より好ましくは約30J/g以上の好ましい破断エネルギーも有し、最も好ましくは約40J/g以上の破断エネルギーを有する。これらの組み合わされた高強度特性を有する好ましい繊維およびテープタイプの各々を形成する方法は、従来当技術分野で知られている。
弾道抵抗性基材を形成する繊維およびテープは、好ましくは、ただし必ずというわけではないが、少なくとも部分的にポリマー結合材でコーティングされる。結合材は、高弾性ポリエチレンテープなどのいくつかの材料が、複数の前記テープを成形された層または成形された物品に一緒に結合するためにポリマー結合材を必要としないので、オプションである。有用な弾道抵抗性基材は、たとえば、ポリマー/樹脂性結合材も成形も必要としない軟質織りテープまたは繊維製品からも形成され得る。
本明細書で使用されているように、「ポリマー」結合材またはマトリクス材は、樹脂およびゴムを含む。ポリマー結合材は、存在しているときには、弾道抵抗性基材の個別の繊維/テープを、部分的にまたは実質的に、のいずれかでコーティングし、好ましくは個別の繊維/テープの各々を実質的にコーティングする。ポリマー結合材は、当技術分野では「ポリマーマトリクス」材料としても一般に知られている。これらの用語は、従来当技術分野で知られており、その固有の接着特性により、またはよく知られている熱および/または圧力条件に曝された後に、繊維またはテープを一緒に結合する材料を記述する。
好適なポリマー結合材は、低弾性エラストマー材料および高弾性硬質材料を共に含む。本明細書の全体を通して使用されているように、引張弾性率という用語は、繊維についてはASTM D2256によって、ポリマー結合材についてはASTM D638によって測定される、弾性率を意味する。ポリマーテープの引張特性は、当業者によって決定されたとおりにASTM D882または別の好適な方法によって測定され得る。本発明の複合材から形成される物品の硬質性、衝突性、および弾道特性は、繊維/テープをコーティングするポリマー結合体ポリマーの引張弾性率の影響を受ける。低または高弾性結合材は、さまざまなポリマーおよび非ポリマー材料を含み得る。好ましいポリマー結合材は、低弾性エラストマー材料を含む。本発明の目的のために、低弾性エラストマー材料は、ASTM D638の検査手順に従って約41.4MPa(6,000psi)以下で測定された引張弾性率を有する。低弾性ポリマーは、好ましくは、約27.6MPa(4,000psi)以下、より好ましくは約16.5MPa(2400psi)以下、より好ましくは8.23MPa(1200psi)以下の引張弾性率を有するエラストマーであり、最も好ましくは約3.45MPa(500psi)以下である。エラストマーのガラス転移温度(Tg)は、好ましくは約0℃未満、より好ましくは約−40℃未満、および最も好ましくは約−50℃未満である。エラストマーは、少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約100%の好ましい破断伸長も有し、最も好ましくは少なくとも約300%の破断伸長を有する。
低弾性を有する広範な材料および構築物は、ポリマー結合材として利用され得る。代表例は、ポリブタジエン、ポリイソプレン、天然ゴム、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元重合体、多硫化物ポリマー、ポリウレタンエラストマー、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリクロロプレン、可塑化ポリ塩化ビニル、ブタジエンアクリロニトリルエラストマー、ポリ(イソブチレン−イソプレン共重合体)、ポリアクリル酸塩、ポリエステル、ポリエーテル、フロオロエラストマー、シリコーンエラストマー、エチレンの共重合体、ポリアミド(いくつかの繊維/テープタイプで有用)、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリカーボネート、およびこれらの組合せ、さらには他の低弾性ポリマーおよび繊維の融点未満で硬化可能な共重合体を含む。また、有用なのは、異なるエラストマー材料のブレンド、またはエラストマー材料と1つまたは複数の熱可塑性物質とのブレンドである。
特に有用なのは、共役ジエンおよびビニル芳香族単量体のブロック共重合体である。ブタジエンおよびイソプレンは、好ましい共役ジエンエラストマーである。スチレン、ビニルトルエン、およびt−ブチルスチレンは、好ましい共役芳香族単量体である。ポリイソプレンを組み込んだブロック共重合体は、水素化されて、飽和炭化水素エラストマーセグメントを有する熱可塑性エラストマーを生成することができる。ポリマーは、A−B−A型の単純トリブロック共重合体、タイプ(AB)(n=2−10)型のマルチブロック共重合体、またはR−(BA)(x=3−150)型のラジアル配置共重合体であってよく、Aは、ポリビニル芳香族単量体からのブロックであり、Bは、共役ジエンエラストマーからのブロックである。これらのポリマーの多くは、テキサス州ヒューストン所在のKraton Polymersによって商業生産されており、公報「Kraton Thermoplastic Rubber」、SC−68−81において説明されている。また有用なのは、PRINLIN(登録商標)という商標の下で販売され、ドイツ、デュッセルドルフを本拠地とするHenkel Technologiesから市販されている、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロック共重合体の樹脂分散媒である。従来の低弾性ポリマー結合体ポリマーは、Kraton Polymersによって商業生産されているKRATON(登録商標)という商標の下で販売されているポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン−ブロック共重合体を含む。
低弾性ポリマー結合材は、可撓性防護具材料の形成に好ましいが、高弾性ポリマー結合材は、硬質防護具物品の形成に好ましい。高弾性硬質材料は、一般的に、41.4MPa(6,000psi)より高い初期引張弾性率を有する。有用な高弾性硬質ポリマー結合材は、ポリウレタン(エーテルおよびエステルを共にベースとする)、エポキシ、ポリアクリル酸塩、フェノール/ポリビニルブチラール(PVB)ポリマー、ビニルエステルポリマー、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、さらにはビニルエステルおよびフタル酸ジアリルまたはフェノールホルムアルデヒドおよびポリビニルブチラールなどのポリマーの混合物を含む。特に有用な硬質ポリマー結合材は、メチルエチルケトンなどの炭素−炭素飽和溶媒中に溶解できる、ASTM D638によって測定されたとおりに少なくとも約6895MPa(1×10psi)の硬化したときの高引張弾性率を有する熱硬化性ポリマーである。特に有用な硬質ポリマー結合材は、開示が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,642,159号で説明されたものである。ポリマー結合材は、低弾性材料であるか高弾性材料であるかに関係なく、カーボンブラックまたはシリカなどの充填剤も含むか、油で延ばされ得るか、または当技術分野でよく知られているように硫黄、過酸化物、金属酸化物、または放射線硬化系によって加硫処理され得る。
また好ましいのは、極性樹脂または極性ポリマー、特に約13.79MPa(2,000psi)から約55.16MPa(8,000psi)の範囲の引張弾性率における軟質と硬質の両方の材料の範囲内のポリウレタンである。好ましいポリウレタンは、最も好ましくは共溶媒なしの水性ポリウレタン分散媒として塗布される。そのようなものは、水溶性アニオン性ポリウレタン分散媒、水性カチオン性ポリウレタン分散媒、および水性非イオン性ポリウレタン分散媒を含む。特に好ましいのは、水性アニオン性ポリウレタン分散媒であり、最も好ましいのは、水性アニオン性脂肪族ポリウレタン分散媒である。そのようなものは、水性アニオン性ポリエステルベースポリウレタン分散媒、水性脂肪族ポリエステルベースポリウレタン分散媒、および水性アニオン性脂肪族ポリエステルベースポリウレタン分散媒を含み、これらはすべて、好ましくは共溶媒なしの分散媒である。そのようなものは、水性アニオン性ポリエーテルポリウレタン分散媒、水性脂肪族ポリエーテルベースポリウレタン分散媒、および水性アニオン性脂肪族ポリエーテルベースポリウレタン分散媒も含み、これらはすべて、好ましくは共溶媒なしの分散媒である。同様に、好ましいのは、水性カチオン性および水性非イオン性分散媒のすべての対応するバリエーション(ポリエステルベース、脂肪族ポリエステルベース、ポリエステルベース、脂肪族ポリエーテルベースなど)である。最も好ましいのは、約4.8MPa(700psi)以上の100%の伸長における弾性率を有する脂肪族ポリウレタン分散媒であり、特に好ましい範囲は4.8MPa(700psi)から約20.68MPa(3000psi)である。より好ましいのは、約6.89MPa(1000psi)以上、なおもより好ましくは約7.58MPa(1100psi)以上の100%の伸長における弾性率を有する脂肪族ポリウレタン分散媒である。最も好ましいのは、6.89MPa(1000psi)以上、好ましくは7.58MPa(1100psi)以上の弾性率を有する脂肪族ポリエーテルベースアニオン性ポリウレタン分散媒である。最も好ましい結合材は、大部分の発射体運動エネルギーを衝撃波に変換するものであり、その衝撃波は次いで真空パネルによって軽減される。
ポリマー結合材を繊維およびテープに塗布し、それによって繊維/テープ層に結合材を含浸させるための方法は、よく知られており、当業者によって容易に決定される。「含浸される」という言い回しは、本明細書では、「埋め込まれる」、「コーティングされる」、または他の何らかの形でポリマーコーティングを塗布されることと同義であると考えられ、結合材は層内に拡散し、単に層の表面上にあるのではない。ポリマー結合材を塗布するために適切な塗布方法が利用されるものとしてよく、「コーティングされる」などの言い回しの特定の使用は、それが長繊維/繊維上に塗布される際に使用する方法を制限することを意図されていない。有用な方法は、たとえば、ポリマーまたはポリマー溶液を繊維/テープ上に噴霧するか、押出加工するか、またはロール塗布すること、さらには繊維/テープを溶融ポリマーまたはポリマー溶液に通して輸送することを含む。最も好ましいのは、個別の繊維/テープの各々を実質的にコーティングするか、またはカプセル封入し、繊維/テープ表面領域のすべてまたは実質的にすべてをポリマー結合材で覆う方法である。
織り繊維層または織りテープ層に織られた繊維およびテープは、好ましくは少なくとも部分的にポリマー結合材でコーティングされ、その後に、不織層で行われるステップと類似の圧密化ステップが続く。そのような圧密化ステップは、複数の織り繊維またはテープ層を互いにマージするか、または結合材を前記織り層の繊維/テープとさらにマージするために行われ得る。たとえば、複数の織り繊維層は、必ず圧密化されなければならないということはなく、従来の接着剤を使用すること、または縫い合わせることなどの、他の手段によって付着されるものとしてよいが、複数の不織繊維プライを効率的に圧密化するにはポリマー結合材コーティングが一般的に必要である。
織布は、平織り、クロウフット織り、バスケット織り、繻子織り、綾織り、および同様の織りなどの、布織りを使用する当技術分野でよく知られている技術を使用して形成され得る。平織りは、最も一般的であり、繊維が直交する0°/90°配向で織り合わされる。典型的には、布の織りは、繊維をポリマー結合材でコーティングする前に実行され、織り布は、これにより、結合材を含浸される。しかし、本発明は、ポリマー結合材が塗布される段階によって制限されることを意図されていない。また有用なのは、多層織り構造が縦糸と横糸とを水平と垂直の両方で織ることによって加工される3D織り方法である。ポリマー結合材によるコーティングまたは含浸も、そのような3D織り布ではオプションであるが、結合材は、多層3D弾道抵抗性基材の加工に特に必須であるということはない。
繊維およびテープからの不織布(不織プライ/層)の生産のための方法は、当技術分野でよく知られている。たとえば、不織布を形成するための好ましい一方法において、複数の繊維/テープは、少なくとも1つの配列に配置構成され、典型的には、実質的に平行な一方向配列に整列された複数の繊維/テープを含む繊維/テープウェブとして配置構成される。典型的なプロセスにおいて、テープまたは繊維束は、クリールから供給され、ガイドに通され、適宜、1つまたは複数のスプレッダバーに通されて、コリメーティングコーム内に送られ、典型的には、その後に、繊維/テープにポリマー結合材をコーティングするステップが続く。典型的な繊維束は、約30から約2000本の個別繊維を有する。長繊維の束から始めたときに、スプレッダバーおよびコリメーティングコームは、束ねられた繊維をバラバラにして広げ、同一平面上に隣り合って並ぶように再編成する。繊維を理想的な形で広げると、その結果、個別の長繊維または個別の繊維は単一繊維平面内で互いの隣に位置し、繊維同士が重なり合うことなく繊維の実質的に一方向の平行な配列を形成する。
繊維/テープがオプションの結合材でコーティングされた後、コーティングされた繊維/テープが、圧密化されて単層モノリシック要素にされた複数の重なり合う不織プライを含む不織繊維層に形成される。弾道抵抗性基材に対する好ましい不織布構造体において、複数の積み重ねられた重なり合うユニテープが形成され、各単一プライの平行な繊維/テープ(ユニテープ)は、各単一プライの縦繊維方向に対して各隣接する単一プライの平行な繊維/テープに対して直交するように位置決めされる。重なり合う不織繊維/テーププライの積み重ねが、熱と圧力との下で、または個別の繊維/テーププライのコーティングを接着することによって、圧密化され、当技術分野において単層圧密化網とも称されている単層モノリシック要素を形成し、「圧密化網」は繊維/テーププライとオプションのポリマーマトリクス/結合材との圧密化(マージ)された組合せを記述する。弾道抵抗性基材は、織布と不織布との圧密化された混成組合せ、さらには一方向繊維プライおよび不織フェルト布から形成された不織布の組合せも含み得る。
最も典型的には、不織繊維/テープ層または布は、1から約6個のプライを含むが、さまざまな用途に対する望ましさに応じて約10から約20個程度のプライを含み得る。プライの数が多ければ多いほど、弾道抵抗性は増すが、重量も増える。従来当技術分野で知られているとおり、優れた弾道抵抗性は、個別の繊維/テーププライが、1つのプライの繊維整列方向が別のプライの繊維整列方向に関してある角度だけ回転されるようにクロスプライされるときに達成される。最も好ましくは、繊維プライは、0°と90°とで直交するようにクロスプライされるが、隣接するプライは、別のプライの縦繊維方向に対して約0°と約90°との間の事実上任意の角度で整列され得る。たとえば、5プライ不織構造体は、0°/45°/90°/45°/0°または他の角度で配向されたプライを有し得る。そのような回転された一方向整列は、たとえば、矛盾しない範囲で参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,457,985号、米国特許第4,748,064号、米国特許第4,916,000号、米国特許第4,403,012号、米国特許第4,623,574号、および米国特許第4,737,402号において説明されている。
繊維プライ/層を圧密化して複雑な複合材を形成する方法は、米国特許第6,642,159号において説明されている方法などによりよく知られている。圧密化は、乾燥、冷却、加熱、圧力、またはこれらの組合せを介して行われ得る。熱および/または圧力は必要ないこともあり得、ウェットラミネーション加工の場合のように、繊維または繊維層が接着剤で接着するだけでよい場合がある。典型的には、圧密化は、個別の繊維/テーププライを、プライを組み合わせて単一の布にするのに十分な熱および圧力の下で互いの上に位置決めすることによって行われる。圧密化は、約50℃から約175℃、好ましくは約105℃から約175℃の範囲の温度、約0.034MPa(5psig)から約17MPa(2500psig)の範囲の圧力で、約0.01秒から約24時間、好ましくは約0.02秒から約2時間の間に行われ得る。加熱したときに、ポリマー結合材コーティングは完全に溶融することなく固着するか、または流れるようにすることが可能である。しかし、一般的に、ポリマー結合材を溶融された場合、複合材を形成するために必要な圧力は比較的少なくて済むが、結合材が固着点まで加熱されるのみであれば、より大きな圧力が典型的には必要になる。従来当技術分野で知られているように、圧密化は、カレンダーセット、平台ラミネータ、プレス機、またはオートクレーブで行われ得る。圧密化は、真空の下に置かれている鋳型内で材料を真空成形することによっても行われ得る。真空成形技術は、当技術分野でよく知られている。最も一般的には、複数の直交する繊維/テープウェブが結合材ポリマーを「接着剤として接着され」、平台ラミネータに通されて、接着の均一さと強度を改善する。さらに、圧密化およびポリマー塗布/接着ステップは、2つの別々のステップまたは単一の圧密化/ラミネートステップを含み得る。
代替的に、圧密化は、好適な成形装置において熱および圧力の下で成形することによって達成され得る。一般的に、成形は、約344.7kPa(50psi)から約34,470kPa(5,000psi)、より好ましくは約689.5kPa(100psi)から約20,680kPa(3,000psi)、最も好ましくは約1,034kPa(150psi)から約10,340kPa(1,500psi)の圧力で行われる。成形は、代替的に、約34,470kPa(5,000psi)から約103,410kPa(15,000psi)、より好ましくは約5,171kPa(750psi)から約34,470kPa(5,000psi)、およびより好ましくは約6,894kPa(1,000psi)から約34,470kPa(5,000psi)のより高い圧力で行われ得る。成形ステップは、約4秒から約45分までの時間をとり得る。好ましい成形温度は、約93℃(200°F)から約177℃(350°F)の範囲であり、より好ましくは約93℃(200°F)から148.8℃(300°F)の温度、および最も好ましくは約93℃(200°F)から約137.8℃(280°F)の温度である。繊維/テープ層が成形される圧力は、その結果得られる成形製品の剛性または可撓性に直接的な影響を及ぼす。特に、これら成形される圧力が高ければ高いほど、剛性も高くなり、またその逆も言える。成形圧力に加えて、繊維/テーププライの数量、厚さおよび組成、およびポリマー結合材コーティングのタイプも、そこから形成される弾道抵抗性基材の剛性に直接的に影響を及ぼす。
本明細書に記載の成形および圧密化技術の各々は類似しているが、各プロセスは異なる。特に、成形は、バッチプロセスであり、圧密化は、一般的に連続プロセスである。さらに、成形は、典型的には、フラットパネルを形成するときに成形鋳型またはマッチダイ鋳型などの鋳型の使用を伴い、必ずしも結果として平面的製品が得られるわけではない。通常、圧密化は、軟質(可撓性)身体防護具布を生産するために平台ラミネータ、カレンダーニップセットで、またはウェットラミネーション加工で行われる。成形は、典型的には、強固な防護具、たとえば、硬質プレートを製造するために確保される。いずれのプロセスにおいても、好適な温度、圧力、および時間は、一般的に、ポリマー結合材コーティング材料のタイプ、ポリマー結合材含有量、使用されるプロセス、および繊維/テープタイプに依存する。
弾道抵抗性基材が、結合材/マトリクスを含むときに、弾道抵抗性基材を含む結合材/マトリクスの総重量は、好ましくは、繊維/テープおよびコーティングの重量の約2重量%から約50重量%、より好ましくは約5重量%から約30重量%、より好ましくは約7重量%から約20重量%、および最も好ましくは約11重量%から約16重量%を含む。織布には結合材/マトリクス含有量が少ないことが適切であり、0より大きいが、繊維/テープと、コーティングの重量の10重量%未満の、ポリマー結合材含有量が典型的には最も好ましいが、これは制限であることを意図されていない。たとえば、フェノール/PVB含浸アラミド織布は、ときには、約20%から約30%のより高い樹脂含有量で加工されるが、12%程度の含有量が、典型的には好ましい。
弾道抵抗性基材は、その外面の一方または両方に付着された1つまたは複数の熱可塑性ポリマー層を適宜含むこともできる。熱可塑性ポリマー層に適したポリマーは、非排他的に、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル(特にポリエチレンテレフタレート(PET)およびPET共重合体)、ポリウレタン、ビニルポリマー、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレンオクタン共重合体、アクリロニトリル共重合体、アクリルポリマー、ビニルポリマー、ポリカーボネート、ポリスチレン、フルオロポリマー、および同様のもの、さらにはエチレン酢酸ビニル(EVA)およびエチレンアクリル酸を含む、その共重合体および混合物を含む。また有用なのは、天然および合成ゴムポリマーである。これらのうち、ポリオレフィンおよびポリアミド層が好ましい。好ましいポリオレフィンはポリエチレンである。有用なポリエチレンの非限定的な例は、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、直鎖状中密度ポリエチレン(LMDPE)、直鎖状超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状極超低密度ポリエチレン(ULDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ならびにその共重合体および混合物である。また有用なのは、オハイオ州カイホーガフォールズ所在のSpunfab,Ltdから市販されている(Keuchel Associates,Inc.に登記された商標)SPUNFAB(登録商標)ポリアミドウェブ、さらにはフランス、セルネ所在のProtechnic S.A.から市販されているTHERMOPLAST(商標)およびHELIOPLAST(商標)ウェブ、ネット、およびフィルムである。そのような熱可塑性ポリマー層は、熱ラミネーション加工などの、よく知られている技術を使用して弾道抵抗性基材表面に接着され得る。典型的には、ラミネートは、個別の層を、層を組み合わせて単一構造体にするのに十分な熱および圧力の下で互いの上に位置決めすることによって行われる。ラミネーション加工は、約95℃から約175℃、好ましくは約105℃から約175℃の範囲の温度、約0.034MPa(5psig)から約0.69MPa(100psig)の範囲の圧力で、約5秒から約36時間、好ましくは約30秒から約24時間の間に行われ得る。そのような熱可塑性ポリマー層は、代替的に、当業者であれば理解するように、ホットグルーまたはホットメルト繊維で弾道抵抗性基材表面に接着され得る。
弾道抵抗性基材が基材を形成する繊維またはテープをコーティングするポリマー結合材を含まない実施形態では、繊維/テーププライを一緒に接着するか、または隣接する繊維/テーププライの間の接着を改善するために上で説明されているような1つまたは複数の熱可塑性ポリマー層が使用されることが好ましい。一実施形態では、弾道抵抗性基材は、複数の一方向繊維プライまたはテーププライを含み、熱可塑性ポリマー層は、各隣接する繊維プライまたはテーププライの間に位置決めされる。たとえば、好ましい一実施形態は、弾道抵抗性基材は、熱可塑性ポリマーフィルム/結合材なし0°UDT/熱可塑性ポリマーフィルム/90°結合材なしUDT熱可塑性ポリマーフィルム、という構造を有する。この例示的な実施形態では、弾道抵抗性基材は、追加の結合材なしUDTプライを含むものとしてよく、熱可塑性ポリマーフィルムは、隣接するUDTプライの各対の間に存在する。それに加えて、この例示的な実施形態では、ユニテープ(UDT)は、複数の平行な繊維または複数の平行なテープを含み得る。この例示的な実施形態は、厳密に限定するものであることを意図されていない。たとえば、UDTプライのUDT細長本体部(すなわち、繊維またはテープ)は、熱可塑性ポリマーフィルム/0°結合材なしUDT/熱可塑性ポリマーフィルム/45°結合材なしUDT/熱可塑性ポリマーフィルム/90°結合材なしUDT熱可塑性ポリマーフィルム/45°結合材なしUDT/熱可塑性ポリマーフィルム/0°結合材なしUDT/熱可塑性ポリマーフィルムなど、他の角度で配向され得るか、またはプライは、他の角度で配向され得る。一番外側の熱可塑性ポリマーフィルムも、当業者によって決定されるように適宜除外され得る。そのような結合材なし構造体は、同一の広がりで構成要素層同士を積み上げて、本明細書に記載の圧密化/成形条件に従ってそれらを一緒に圧密化/成形することによって作られ得る。
弾道抵抗性基材の厚さは、個別の繊維/テープの厚さおよび基材に組み込まれている繊維/テーププライまたは層の数に対応する。たとえば、好ましい織布は、1プライ/層当たり約25μmから約600μm、より好ましくは約50μmから約385μm、および最も好ましくは1プライ/層当たり約75μmから約255μmの好ましい厚さを有する。好ましい2プライ不織布は、約12μmから約600μm、より好ましくは約50μmから約385μm、および最も好ましくは約75μmから約255μmの好ましい厚さを有する。熱可塑性ポリマー層は好ましくは非常に薄いものであり、約1μmから約250μm、より好ましくは約5μmから約25μm、および最も好ましくは約5μmから約9μmの好ましい層厚さを有する。SPUNFAB(登録商標)不織ウェブなどの不連続ウェブは、好ましくは、一平方メートル当たり6グラム(gsm)の坪量で施される。そのような厚さが好ましいが、特定の必要条件を満たし、なおも本発明の範囲内に収まるように他の厚さも作り出せることは理解されるであろう。
弾道抵抗性基材は、複数の繊維/テーププライまたは層を含み、それらの層は互いの上に積み上げられ、適宜、ただし好ましくは、圧密化される。弾道抵抗性基材は、約0.2psfから約8.0psf、より好ましくは約0.3psfから約6.0psf、より好ましくは約0.5psfから約5.0psf、より好ましくは約0.5psfから約3.5psf、より好ましくは約1.0psfから約3.0psfおよび最も好ましくは約1.5psfから約2.5 psfの好ましい複合材面密度を有する。
弾道抵抗性基材が硬質非繊維ベース、非テープベースの材料である実施形態において、基材は、繊維もテープも含まないが、セラミック材料、ガラス、金属、金属充填複合材、セラミック充填複合材、カラス充填複合材、サーメット材料、またはこれらの組合せなどの硬質材料を含む。もちろん、好ましい材料は、鋼鉄、特に高硬度鋼(HHS)、さらにはアルミニウム合金、チタン、またはこれらの組合せである。好ましくは、このような硬質材料は、1つまたは複数の真空パネルに、面と面とが接する関係で、ちょうど繊維ベースとテープベースの両方の基材から形成された基材と同様に、付着された硬質プレートを含む。本発明の弾道抵抗性物品が、複数の基材を組み込む場合、ただ1つの硬質基材が使用され、残りの基材は繊維ベースおよび/またはテープベースの基材であると共に、好ましくはこの1つの硬質基材が物品の打面として位置決めされていることが好ましい。
3つの最も好ましいタイプのセラミックスは、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、および炭化ホウ素を含む。この点で、硬質基材は、単一のモノリシックセラミック板を組み込むか、またはポリウレタンなどの、可撓性樹脂中に懸濁された小さなタイルまたはセラミックボールを含み得る。好適な樹脂が、当技術分野でよく知られている。それに加えて、複数の層またはタイルの行が、真空パネル表面に付着され得る。たとえば、7.62cm×7.62cm×0.254cm(3in.×3in.×0.1in.)のセラミックタイルは、薄いポリウレタン接着剤フィルムを使用して、好ましくはタイル間に間隙が存在しないようにすべてのセラミックタイルがぴたりと合わされている状態で、30.48cm×30.48cm(12in.×12in.)のパネルに取り付けられ得る。次いで、タイルの第2の行は、セラミックの第2の行に、接合部が散乱されるようにオフセットを設けて付着され得る。これは、真空パネル表面全体を覆うように端から端まで続く。それに加えて、HHSなどの硬質非繊維ベース、非テープベースの材料から形成された基材が繊維ベースの基材に付着され、次いで、繊維ベースの基材は、真空パネルの面に付着される。たとえば、好ましい一構成において、本発明の弾道抵抗性物品は、セラミック板/成形繊維質裏当て材/真空パネル/オプションの空隙/軟質もしくは硬質繊維質防護具材料を備える。他の構成に有用となり得る。
すでに述べているように、弾道抵抗性基材および真空パネルは、表面同士が直接触れて、または触れずに、互いに結合され得る。好ましい実施形態では、少なくとも1つの弾道抵抗性基材は、接着剤で少なくとも1つの真空パネルに直接付着される。好適な任意の接着剤材料が使用され得る。好適な接着剤は、非排他的に、ポリエチレン、架橋ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、エチレン共重合体、ポリプロピレン、プロピレン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、天然ゴム、エチレンプロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元重合体、多硫化物ポリマー、ポリウレタンエラストマー、ポリクロロプレン、当技術分野でよく知られている(フタル酸ジオクチルなど)1つまたは複数の可塑剤を使用する可塑化ポリ塩化ビニル、ブタジエンアクリロニトリルエラストマー、ポリ(イソブチレン−イソプレン共重合体)、ポリアクリル酸塩、ポリエステル、不飽和ポリエステル、ポリエーテル、フロオロエラストマー、シリコーンエラストマー、エチレンの共重合体、熱可塑性エラストマー、フェノール類、ポリブチラール、エポキシポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンまたはイソプレン−ブタジエン−スチレンタイプなどのスチレンブロック共重合体、および従来当技術分野で知られている他の好適な接着剤組成物などの、エラストマー材料を含む。特に好ましい接着剤は、メタクリレート接着剤、シアノアクリレート接着剤、UV硬化接着剤、ウレタン接着剤、エポキシ接着剤、および上記の材料のブレンドを含む。これらのうち、ポリウレタン熱可塑性接着剤を含む接着剤、特に1つまたは複数のポリウレタン熱可塑性プラスチックと1つまたは複数の他の熱可塑性ポリマーとのブレンドが好ましい。最も好ましくは、接着剤は、ポリエーテル脂肪族ポリウレタンを含む。そのような接着剤は、たとえば、ホットメルト、フィルム、ペースト、またはスプレーの形態で、または2成分液体接着剤として、塗布され得る。
要素の直接的付着のための他の好適な手段は、非排他的に、それらを一緒に縫い付けるか、または縫い合わせるステップ、さらにはそれらをボルト締めするか、またはそれらを表面同士が接触するように一緒にネジ留めするステップを含む。ボルトおよびネジは、基材および真空パネルを間接的に結合するために使用されてもよい。真空パネルを弾道抵抗性基材に縫い合わせる、縫い付ける、またはネジ留めするために、真空パネルは周縁またはパネルに孔をあけ、真空を破壊することなく付着を円滑にする他の要素を有することが必要になる。代替的に、弾道抵抗性基材および真空パネルは。互いに間接的に結合されるものとしてよく、それによって、コネクタ器具により一緒に連結され、それと一緒に、単一の一体物品の不可分の要素を形成するが、表面同士は触れ合わない。この実施形態では、弾道抵抗性基材および真空パネルは、少なくとも約2mmだけ互いに相隔てて並ぶように位置決めされ得る。弾道抵抗性基材および真空パネルを接続するためにさまざまな器具が使用され得る。コネクタ器具の非限定的な例は、リベット、ボルト、釘、ネジ、および、無頭釘などの、接続アンカを含み、基材およびパネル表面は、弾道抵抗性パネルと真空パネルとの間に空間があるように互いから隔てられる。また好適なのは、オランダ、キュラソー所在のVelcro Industries B.V.から市販されているVELCRO(登録商標)ブランドの製品、または3M(商標)ブランドのフックおよびループファスナ、および同様のものなどの数本のマジックテープ(登録商標)である。
また有用なのは、矛盾しない範囲で参照により本明細書に組み込まれている共通出願の米国特許第7,930,966号において説明されているような平たい間隔帯状物、間隔フレーム、および押出成形チャネルである。好適な間隔フレームは、スロット付きフレームを含み、本発明のパネルは、それらを適所に保持するフレームのスロット(または溝)内に位置決めされ、スロット付きでないフレームは、隣接するパネルの間に位置決めされ付着され、それによって前記パネルを分離し、接続する。フレームは、木製フレーム、金属フレーム、および繊維強化ポリマー複合材フレームを含む、当業者によって決定されるような好適な材料から形成され得る。押し出し成形チャネルは、金属およびポリマーを含む、押し出し性のある材料から形成され得る。
また好適なのは、木製シート、繊維板シート、パーティクルボードシート、セラミック材料のシート、金属シート、プラスチックシート、またはさらには弾道抵抗性基材の表面と真空パネルとの間で、接触するように位置決めされた発泡体の層などのフレームまたはシートである。そのようなものは、矛盾しない範囲で参照により本明細書に組み込まれている共通出願の米国特許第7,762,175号においてより詳しく説明されている。
図7は、弾道抵抗性基材210がアンカ214を基材210およびパネル212の隅部で接続することによって真空パネル212と間接的に結合されている一実施形態を示している。図8は、基材210およびパネル212がスロット付きフレームによって分離されている一実施形態を示している。そのようなコネクタ器具は、他の弾道抵抗性布、または他の非弾道抵抗性布、またはガラス繊維など、接着剤および合成布を特に除く。
本発明の弾道抵抗性物品は、可撓性、軟質防護具物品、さらには硬質、剛性防護具物品を含む、低い背面変形、すなわち、鈍的外傷抵抗を必要とする身体防護具用途、さらには、車両および建物壁などの構造要素の防護用に特に適している。使用されるときに、本発明の弾道抵抗性物品は、弾道抵抗性基材が物品の打面として位置決めされ、前記真空パネルが発射体と弾道抵抗性基材との衝突から開始するいかなる衝撃波をも受けるように弾道抵抗性基材の背後に位置決めされるように配向されるべきである。衝撃波の発生は、発射体の衝突時に防護具に伝えられるエネルギーのかなりの構成要素であり、低たわみ材料は高たわみ材料に比べて発射体からの運動エネルギーのより多くを衝撃波に変換する。真空パネルは、この衝撃波エネルギーを軽減するか、または完全に排除する機能を果たし、優れた弾道貫通抵抗を維持しながら複合材背面変形を低減する仕方で発射体衝突のエネルギーが放散されることを確実にする。
この点に関して、適切な真空パネル裏当て材を組み込んだ本発明の弾道抵抗性物品は、裏当て材構造体を有しない、または独立気泡発泡体、開放気泡発泡体、または可撓性ハニカムなどの従来の裏当て材を使用する防護具物品に対して著しく改善された背面形跡性能を達成する。改善された背面形跡性能も、防護具裏当て材の代わりに使用されることの多い追加の弾道材料に代えて真空パネルを使用するときにより小さな重量で達成され得る。
以下の例は、本発明を示すのに役立つ。
比較例1〜9および13〜19
発明の例10〜12
弾道試験が、真空パネル裏当て材の衝撃波軽減および背面変形の結果として生じる深さに対する影響を判定するために行われた。
すべての試験条件は、裏当て材のタイプを除き、各例において一定に保たれた。各試料に使用される裏当て材は、表1に示されている。比較例1〜3で使用されるMcMaster−Carr B43NES−SE裏当て材は、ニュージャージー州ロビンスビル所在のMcMaster−Carrから市販されている厚さ6.35mm(0.25インチ)のネオプレン/EPDM/SBr(ネオプレン/エチレンプロピレンジエン単量体/スチレン−ブタジエンゴム)独立気泡発泡体であった。比較例4〜6で使用された「(2X) United Foam XRD 15 PCF」裏当て材は、ニュージャージー州ラリタン所在のUFP Technologiesから市販され、カナダ、オンタリオ州所在のQycell Corporationによって製造されている厚さ3.175 mm(0.125 インチ)のQycell照射架橋ポリエチレン独立気泡発泡体からなるものであった。比較例7〜9で使用された「接着剤裏当て開放気泡発泡体」は、McMaster−Carrから市販されている、接着剤裏当て材のある、厚さ6.35 mm(0.25インチ)の耐水性超緩衝開放気泡ポリウレタン発泡体であった。発明の例10〜12で使用されている「NanoPore Insulation」は、ニューメキシコ州アルバカーキー所在のNanoPore Insulation LLCから市販されている厚さ6.35 mm(0.25インチ)の真空パネルであった。真空パネルの内部は、真空が引かれたときに外皮がつぶれるのを防ぐ内部支持構造体として多孔質炭素繊維を含んでいた。
比較例13で使用された「Supracor Honeycomb,A2 0.25 CELL/E0000139」裏当て材は、カリフォルニア州サンノゼ所在のSupracor,Inc.から市販されている厚さ4.83 mm(0.19インチ)の可撓性独立気泡ハニカム材料であった。比較例14〜15で使用されている「不織PE布防護具」裏当て材は、Honeywell International Inc.から市販されている厚さ6.35mm(0.25インチ)の専用不織布複合材であった。これは、UHMW PE繊維およびポリウレタン結合材樹脂を含み、1.00psfの面密度を有する38個の2プライ一方向(0°/90°)層からなっていた。比較例16で使用された「Supracor Honeycomb,ST8508,0.187 Cell,ST05X2/E0000139」裏当て材は、Supracor,Inc.から市販されている厚さ4.83mm(0.19インチ)の可撓性開放気泡ハニカム材料であった。比較例17で使用された「Supracor Honeycomb,SU8508,0.25 Cell,SU05X2/E0000139」裏当て材は、Supracor,Inc.から市販されている厚さ4.83mm(0.19インチ)の可撓性開放気泡ハニカム材料であった。
各裏当て材は、ニュージャージー州モリスタウン所在のHoneywell International Inc.から市販されている成形された繊維質防護具プレート(ポリウレタンマトリクス内の不織ポリエチレン布の31個の4プライ(0°/90°/0°/90°)層、132℃(270°F)および18.6MPa(2700PSI)で成形される)に付着された。各プレートは、15.2cm×15.2cm(6”×6”)の正方形であり、0.79g/cm(1.63lb/ft (psf))の面密度を有していた。裏当て材および防護具プレートは、両面接着テープ(Tesa(登録商標)Reinforced DSテープ、面密度=0.048psf)で互いに付着された。
すべての試料は、NIJ Standard 0101.04,Type IIIAによって概要が示されている標準に従って発射され、試料は、変形可能な粘土裏当て材の表面と接触させられている。すべての試料は、43586.4cm(1430フィート/秒(fps)±30fps)の9mm、124−grain Full Metal Jacket (FMJ) RN発射体で1回発射され、防護具プレートは打面として位置決めされ、裏当て材は粘土面に直接位置決めされた。裏当て材を使用しない比較例18および19では、防護具プレートは、粘土表面上に直接位置決めされた。発射体衝突は、試料の背後の粘土に凹みを引き起こし、これは背面形跡(BFS)で識別された。各例に対するBFS測定結果は、表2に示されている。
Figure 0006461903
Figure 0006461903
結論
表2においてデータで示されているように、NanoPore真空パネルを裏当て材として使用する発明の例10〜12では、他の裏当て材を使用して、または裏当て材を使用せずに試験された試料と比較して著しく低く測定された9mm BFS(改善されたBFS性能)を有していた。3つの発明の例に対する平均9mm BFSは20.5mmであった。McMaster−Carr Neoprene/EPDM/SBr独立気泡発泡体を裏当て材として使用した比較例1〜3に対する平均9mm BFSは、27.3mmであった。United Foam照射架橋ポリエチレン独立気泡発泡体を裏当て材として使用した比較例4〜6に対する平均9mm BFSは、27.0mmであった。接着剤裏当て耐水性超緩衝開放気泡ポリウレタン発泡体を裏当て材として使用した比較例7〜9に対する平均9mm BFSは、28.1mmであった。Supracor可撓性独立気泡ハニカム材料を裏当て材として使用した比較例13に対する9mm BFSは、27.1mmであった。Honeywell専用不織PE布防護具を裏当て材として使用した比較例14〜15に対する平均9mm BFSは、30.15mmであった。Supracor可撓性開放気泡ハニカム材料を裏当て材として使用した比較例16に対する9mm BFSは、27.3 mmであった。Supracor可撓性開放気泡ハニカム材料を裏当て材として使用した比較例17に対する9mm BFSは、28.3mmであった。裏当て材を使用せずに試験された比較例18〜19に対する平均9mm BFSでは性能は最悪で、平均BFSは34.4mmであった。
表2にまとめられているようなBFS深さデータは、図9にグラフとして示されている。図9に示されているように、本発明の真空パネル裏当て複合材に平均9mm BFS性能で最も近いのは、本発明によって達成される20.5mmの平均9mm BFSより31.7%(6.5mm)大きい、27.0mmの平均9mm BFSを有する、比較例4〜6の照射架橋ポリエチレン独立気泡発泡体であった。データを平均することなく、最良の比較試料結果(26.1mmの比較例5)を最悪の本発明の試料結果(23.7mmの例12)と比較すると、10%を超える2.4mmの改善が得られる。
本発明は、具体的に示され、好ましい実施形態を参照しつつ説明されているが、当業者であれば本発明の精神および範囲から逸脱することなくさまざまな変更および修正が加えられることは容易に理解できるであろう。請求項は開示されている実施形態、上述の代替え形態、およびそのすべての等価物を対象とすると解釈されることが意図されている。

Claims (7)

  1. a)第1および第2の表面を有する真空パネルであって、エンクロージャおよび前記エンクロージャによって画成される内部容積を備え、前記真空パネルは、封止された、軟質ポリマー外皮を備えるとともに、前記内部容積内の物理的支持材料または構造体を有するか、または前記真空パネルは、真空中にあってもその形状を保つことができる硬質材料から加工された壁を有するとともに、前記真空パネルの前記内部容積の100%が非占有の空間であり、前記内部容積が真空圧力下にある、真空パネルと、
    b)前記真空パネルの前記第1および第2の表面のうちの少なくとも一方と直接的に結合された少なくとも1つの弾道抵抗性基材であって、約7g/デニール以上の強度および約150g/デニール以上の引張弾性率を有する繊維および/またはテープを備える弾道抵抗性基材と、
    を備える弾道抵抗性物品。
  2. a)第1および第2の表面を有する真空パネルであって、エンクロージャおよび前記エンクロージャによって画成される内部容積を備え、前記真空パネルは、封止された、軟質ポリマー外皮を備えるとともに、前記内部容積内の物理的支持材料または構造体を有するか、または前記真空パネルは、真空中にあってもその形状を保つことができる硬質金属から加工された壁を有するとともに、前記真空パネルの前記内部容積の100%が非占有の空間であり、前記内部容積が真空圧力下にある、真空パネルと、
    b)前記真空パネルの前記第1および第2の表面のうちの少なくとも一方と直接的に結合された少なくとも1つの弾道抵抗性基材であって、約7g/デニール以上の強度および約150g/デニール以上の引張弾性率を有する繊維および/またはテープを備えるか、または硬質非繊維ベース、非テープベースの材料を含む弾道抵抗性基材と、
    を備え、
    前記少なくとも1つの弾道抵抗性基材は、前記弾道抵抗性物品の打面として位置決めされ、前記真空パネルは、前記少なくとも1つの弾道抵抗性基材との発射体の衝突から開始するいかなる衝撃波をも受けるために前記少なくとも1つの弾道抵抗性基材の背後に位置決めされる、
    背面変形の程度を低減させるための弾道抵抗性身体防護具物品。
  3. 背面変形の程度を低減させるための弾道抵抗性物品を形成する方法であって、
    a)第1および第2の表面を有する真空パネルを実現するステップであって、前記真空パネルはエンクロージャおよび前記エンクロージャによって画成される内部容積を備え、前記真空パネルは、封止された、軟質ポリマー外皮を備えるとともに、前記内部容積内の物理的支持材料または構造体を有するか、または前記真空パネルは、真空中にあってもその形状を保つことができる硬質材料から加工された壁を有するとともに、前記真空パネルの前記内部容積の100%が非占有の空間であり、前記内部容積が真空圧力下にある、ステップと、
    b)少なくとも1つの弾道抵抗性基材を前記真空パネルの前記第1および第2の表面のうちの少なくとも一方と結合するステップであって、前記基材は約7g/デニール以上の強度および約150g/デニール以上の引張弾性率を有する繊維および/またはテープを備え、
    前記少なくとも1つの弾道抵抗性基材は、前記弾道抵抗性物品の打面として位置決めされ、前記真空パネルは、前記少なくとも1つの弾道抵抗性基材との発射体の衝突から開始するいかなる衝撃波をも受けるために前記少なくとも1つの弾道抵抗性基材の背後に位置決めされる、方法。
  4. 前記物品は、背面変形の程度を低減させるための身体防護具物品である請求項1に記載の物品。
  5. 前記真空パネルは、金属から加工される壁を有する請求項1に記載の物品。
  6. 前記真空パネルは、封止された、軟質ポリマー外皮を備え、前記ポリマー外皮は、アルミニウムまたは酸化アルミニウムで金属化されるか、または前記ポリマー外皮は、金属箔でラミネートされる請求項1に記載の物品。
  7. 前記真空パネルの壁は、ステンレス鋼、チタン、または金属合金から加工される請求項に記載の物品。
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