JP6461761B2 - 経皮吸収シートの製造方法 - Google Patents

経皮吸収シートの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6461761B2
JP6461761B2 JP2015198258A JP2015198258A JP6461761B2 JP 6461761 B2 JP6461761 B2 JP 6461761B2 JP 2015198258 A JP2015198258 A JP 2015198258A JP 2015198258 A JP2015198258 A JP 2015198258A JP 6461761 B2 JP6461761 B2 JP 6461761B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
needle
mold
mesh structure
drug
sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015198258A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017070390A5 (ja
JP2017070390A (ja
Inventor
哲史 若松
哲史 若松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2015198258A priority Critical patent/JP6461761B2/ja
Priority to US15/286,521 priority patent/US20170095427A1/en
Priority to EP16192481.6A priority patent/EP3153207B1/en
Publication of JP2017070390A publication Critical patent/JP2017070390A/ja
Publication of JP2017070390A5 publication Critical patent/JP2017070390A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6461761B2 publication Critical patent/JP6461761B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M37/00Other apparatus for introducing media into the body; Percutany, i.e. introducing medicines into the body by diffusion through the skin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/70Web, sheet or filament bases ; Films; Fibres of the matrix type containing drug
    • A61K9/7023Transdermal patches and similar drug-containing composite devices, e.g. cataplasms
    • A61K9/703Transdermal patches and similar drug-containing composite devices, e.g. cataplasms characterised by shape or structure; Details concerning release liner or backing; Refillable patches; User-activated patches
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/17Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • A61K38/38Albumins
    • A61K38/385Serum albumin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/02Inorganic compounds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/30Macromolecular organic or inorganic compounds, e.g. inorganic polyphosphates
    • A61K47/36Polysaccharides; Derivatives thereof, e.g. gums, starch, alginate, dextrin, hyaluronic acid, chitosan, inulin, agar or pectin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/30Macromolecular organic or inorganic compounds, e.g. inorganic polyphosphates
    • A61K47/36Polysaccharides; Derivatives thereof, e.g. gums, starch, alginate, dextrin, hyaluronic acid, chitosan, inulin, agar or pectin
    • A61K47/38Cellulose; Derivatives thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M37/00Other apparatus for introducing media into the body; Percutany, i.e. introducing medicines into the body by diffusion through the skin
    • A61M37/0015Other apparatus for introducing media into the body; Percutany, i.e. introducing medicines into the body by diffusion through the skin by using microneedles

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Anesthesiology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Description

本発明は、針状凸部を有する経皮吸収シート、及び経皮吸収シートの製造方法に関する。
近年、薬剤を含有する複数の針状凸部(微小針又はマイクロニードルとも称する。)を有する経皮吸収シートが、薬剤を皮膚内に送達するために用いられている。一般的には、経皮吸収シートを皮膚に押し付けて、針状凸部を皮膚内に挿入することにより、針状凸部の薬剤が皮膚内に送達される。
このような経皮吸収シートに対して、種々の提案がなされている。例えば、特許文献1には、微小針アレイを形成するためのスタンパーに樹脂ポリマーを溶解させた溶解液を塗布し、その溶解液を乾燥し、乾燥したポリマー凝固体の表面にシート状の基材を重ね合わせて接着し、シート状の基材と樹脂ポリマー凝固体とをスタンパーより剥離することで、樹脂ポリマーの表面に微小針アレイを有するマイクロニードルシート(経皮吸収シート)を製造する方法が、開示されている。
また、特許文献2には、少なくとも一面は平坦面を有するマイクロニードル・アレイ用基盤であって、平坦面の反対の面に突起部を有し、平坦面から平坦面の反対面に対して多孔性を有する材料からなるマイクロニードル・アレイ用基盤が、開示されている。
特開2008−006178号公報 特開2011−012050号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、製造方法において、溶解液を乾燥する際、体積収縮によりカールが発生する場合がある。また、製造されたマイクロニードルシートを高湿環境で使用する際、吸湿によりシート部がカールしたり、穿刺時にシート部が割れたりする場合がある。
特許文献2に記載の技術では、多孔性の材料に高分子物質を浸透させて、乾燥、及び硬化させている。そのため、乾燥時間が長くなる問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、シート部のカールを抑制し、シート部の耐衝撃性を向上できる経皮吸収シート、及び乾燥時におけるシート部のカールを抑制し、基材液の乾燥時間を低減できる経皮吸収シートの製造方法を提供する。
本発明の一態様によると、経皮吸収シートは、シート部と、シート部の一方面に配置された複数の針状凸部と、シート部に含まれるシート状のメッシュ構造体であって、平面視で、複数の針状凸部の配置された領域の一部を、少なくとも包含する面積を持つメッシュ構造体と、を有する。
好ましくは、メッシュ構造体が金属で構成される。
好ましくは、金属がステンレスである。
好ましくは、メッシュ構造体がシート部の中に埋没している。
好ましくは、メッシュ構造体がシート部の中に埋没した部分と、シート部から露出した部分とを有する。
好ましくは、メッシュ構造体が織網構造である。
好ましくは、メッシュ構造体の目数は12〜635メッシュの範囲であり、かつメッシュ構造体の線径が0.02mm〜1.0mmの範囲である。
好ましくは、針状凸部が薬剤を含む第1層と薬剤を含まない第2層とを含む。
好ましくは、薬剤は、ペプチド、タンパク質、核酸、多糖類、ワクチン、医薬化合物、及び化粧品成分のうちの少なくとも1つである。
本発明の別の態様によると、経皮吸収シートの製造方法は、2次元配列された針状凹部を有するモールドの上に、針状凹部の領域を、平面視で、少なくとも包含する面積を持つメッシュ構造体を設置し、ポリマー溶解液を、メッシュ構造体を介して針状凹部に充填する充填工程と、針状凹部に充填されたポリマー溶解液を乾燥させる乾燥工程と、乾燥されたポリマー溶解液、及びメッシュ構造体をモールドから剥離する剥離工程と、をこの順で備える。
本発明の別の態様によると、経皮吸収シートの製造方法は、2次元配列された針状凹部を有するモールドの針状凹部に薬剤を含むポリマー溶解液である薬液を充填する薬液充填工程と、針状凹部に充填された薬液を乾燥させて、薬剤を含む第1層を形成する薬液乾燥工程と、モールドの上に、針状凹部の領域を、平面視で、少なくとも包含する面積を持つメッシュ構造体を設置し、第1層の上に薬剤を含まないポリマー溶解液である基材液を、メッシュ構造体を介して針状凹部に充填する基材液充填工程と、基材液を乾燥させて薬剤を含まない第2層を、第1層の上に形成する基材液乾燥工程と、第1層、第2層、及びメッシュ構造体をモールドから剥離する剥離工程と、をこの順で備える。
本発明の経皮吸収シートによれば、シート部のカールを抑制し、シート部の耐衝撃性を向上できる。また、本発明の経皮吸収シートの製造方法によれば、乾燥時におけるシート部のカールを抑制し、基材液の乾燥時間を低減できる。
経皮吸収シートの全体斜視図である。 経皮吸収シートの断面図である。 メッシュ構造体の平面図である。 別の形態の経皮吸収シートの断面図である。 針状凸部を有する経皮吸収シートの一部拡大図である。 別の形状の針状凸部を有する経皮吸収シートの一部拡大図である。 図5,6に示す経皮吸収シートの針状凸部の断面図である。 別の形状の針状凸部を有する経皮吸収シートの斜視図 別の形状の針状凸部を有する経皮吸収シートの斜視図 図8,9に示す経皮吸収シートの針状凸部の断面図 モールドの製造方法の工程図である。 枠を設けたモールドの説明図である。 モールドの部分の拡大図である。 モールド複合体の部分拡大図である。 経皮吸収シートの製造方法のフロー図である。 薬液をモールドの針状凹部に充填する工程を示す概略図である。 ノズルの先端を示す斜視図である。 別のノズルの先端を示す斜視図である。 充填中のノズルの先端とモールドとの部分拡大図である。 走査中のノズルの先端とモールドとの部分拡大図である。 薬液充填装置の概略構成図である。 ノズル内の液圧と薬剤を含む溶解液の供給との関係を示す説明図である。 経皮吸収シートの製造工程の一部を示す概略図である。 経皮吸収シートの製造工程の一部を示す概略図である。 剥離工程を示す説明図である。 原版の平面図及び側面図である。
以下、添付図面にしたがって本発明の好ましい実施の形態について説明する。本発明は以下の好ましい実施の形態により説明される。本発明の範囲を逸脱すること無く、多くの手法により変更を行うことができ、本実施形態以外の他の実施の形態を利用することができる。したがって、本発明の範囲内における全ての変更が特許請求の範囲に含まれる。
ここで、図中、同一の記号で示される部分は、同様の機能を有する同様の要素である。また、本明細書中で、数値範囲を“ 〜 ”を用いて表す場合は、“ 〜 ”で示される上限、下限の数値も数値範囲に含むものとする。
図1は経皮吸収シートの全体斜視図である。経皮吸収シート10は、皮膚に貼付することにより、皮膚内に薬剤を送達する機能を有する。図1に示すように、経皮吸収シート10は、第1主面14A(一方面)と第2主面14B(他方面)とを有するシート部14と、シート部14の第1主面14Aの上に配置された複数の針状凸部12とで構成されている。針状凸部12は、微小針、マイクロニードルとも称される場合がある。
針状凸部12とは、シート部14から離れるに従い全体として先細りの形状を有している。例えば、針状凸部12の形状として、錐体形状(角錐、円錐等が含まれる)、錐台と錐体との組み合わせ形状、錐台と柱状形状と錐体との組み合わせ形状等を挙げることができる。針状凸部12の高さは、好ましくは100μm〜2000μmの範囲であり、より好ましくは200μm〜1500μmの範囲である。
シート部14は、面積の広い2つの対向する主面(第1主面14Aと第2主面14B)に対して厚みの薄い、全体として平らな形状を有している。但し、主面が完全に平坦である必要はない。図1のシート部14は平面視で矩形であるが、多角形、円形、楕円形等でも良い。シート部14の厚みは、好ましくは10μm〜2000μmの範囲であり、より好ましくは10μm〜1000μmの範囲である。
図2は、経皮吸収シート10の断面図である。図2に示すように、本実施形態の経皮吸収シート10において、シート部14にシート状のメッシュ構造体16が含まれている。経皮吸収シート10がメッシュ構造体16を含んでいるので、メッシュ構造体16は、シート部14の補強材として機能する。メッシュ構造体16がシート部14の膨張収縮に起因するカールを抑制し、穿刺時の衝撃によるシート部14の破損を防止することができる。
シート状のメッシュ構造体16とは、厚みに対して面積の広い2つの主面を有し、2つの主面を連通する複数の貫通孔を有する形状をいう。メッシュ構造体16の材質とし、金属であっても、樹脂であっても良い。但し、滅菌性に優れ、溶出物の少ない金属が好ましく、SUS(Steel Use Stainless)316L、SUS316、SUS304など、耐食性の高いステンレスが、特に好ましい。
本実施形態のメッシュ構造体16は、図1,2に示すように、平面視で、複数の針状凸部12の配置された領域Sの一部を、少なくとも包含する面積を持つ。複数の針状凸部12の配置された領域Sとは、最も外周にある複数の針状凸部12に接する二点差鎖線で示す仮想線で囲まれた領域となる。メッシュ構造体16が、複数の針状凸部12の配置された領域Sの一部を、少なくとも包含するとは、平面視で、領域Sの少なくとも一部がメッシュ構造体16に重なることを意味する。領域Sの一部とは、領域Sの面積の50%以上を意味する。
なお、メッシュ構造体16に、構成する素材に応じて、織網構造、打ち抜き構造、モールド成形構造等の構造を適用することができる。織網構造とは、複数の線状部材を織わせることにより貫通孔を形成する構造を意味する。打ち抜き構造とは、平板部材の一部を打ち抜いて貫通孔を形成する構造を意味する。モールド成形構造は、型に材料を流し込んで硬化し、型から剥離することで貫通孔を形成する構造を意味する。図3に示すように、織網構造のメッシュ構造体16の場合、1インチ当りの目数が12〜635メッシュかつ、線径dが0.02mm〜1.0mmの範囲内であることが好ましい。1インチ当りの目数が12〜635メッシュが好ましく、16〜100メッシュがより好ましい。線径dは0.02mm〜1.0mmが好ましく、0.1mm〜0.6mmがより好ましい。なお、1インチ当りの目数は、メッシュと呼ばれる単位で表現される。
メッシュ構造体16の貫通孔には袋小路が存在しない。一方、金属粒子の焼結体や、繊維質のフィルターからなる多孔質基板は、内部に袋小路や密閉空間(外部に接続していない空間)を有する。本実施形態のメッシュ構造体16に代えて、厚みを持った多孔質材料を用いた場合、袋小路や密閉空間の存在により、多孔質材料内を蒸気が拡散するのに時間を要するため、乾燥時間が長くなる問題が生じる。一方で、本実施形態のメッシュ構造体16では、貫通孔を介して外気に直接蒸気が拡散するため、乾燥が容易となる。なお、多孔質基板の開口率は、袋小路や密閉空間の存在により空隙率よりも低くなる。ここで、開口率とは、多孔質基板表面の単位面積あたりに占める孔の開口面積の総和の割合を意味する。また、空隙率とは、多孔質基板全体の単位体積あたりに占める孔の体積の総和の割合を意味する。
本実施形態では、図2に示すように、メッシュ構造体16はシート部14の中に埋没している。ここで、埋没とは、メッシュ構造体16がシート部14から露出していないことを意味する。但し、この構造に限定されない。例えば、図4に示すように、メッシュ構造体16の一部をシート部14の第2主面14Bから露出させることもできる。なお、シート部14に含ませるメッシュ構造体16は、複数層でも良いが、単層であることが好ましい。メッシュ構造体16をシート部に埋没させると、シート部を形成する液の外気露出面積を最大化できるという点で、液の乾燥時間を短くできる。一方、メッシュ構造体16がシート部に一部埋没し、シート部から一部露出させるようにシート部を形成する液の量を少なくすると、液の量が少ないという点で、液の乾燥時間を短くできる。
次に、針状凸部12の形状について説明する。図5、図6は、経皮吸収シート10の一部拡大図であり、針状凸部12を示している。
図5に示すように、経皮吸収シート10は、先細り形状のニードル部18と、ニードル部18と接続された錐台部20と、錐台部20と接続されたシート状のシート部14とを有している。先細り形状のニードル部18と錐台部20とにより針状凸部12が構成される。
シート部14の第1主面14Aには複数個の錐台部20が形成される(図5においては一つの錐台部20のみ表示)。錐台部20は、2つの底面を有し、錐体面で囲まれた立体構造を有している。錐台部20の2つの底面のうち面積の広い底面(下底)がシート部14と接続される。錐台部20の2つの底面のうち面積の狭い底面(上底)がニードル部18と接続される。つまり、錐台部20の2つの底面のうち、シート部14と離れる方向にある底面の面積が小さくなっている。
ニードル部18は先細りの形状を有している。すなわち、ニードル部18は面積の広い底面から先端に向けて一点に集まる形状を有している。ニードル部18の底面と、錐台部20の面積の狭い底面と接続されているので、ニードル部18と錐台部20とで構成される針状凸部12、全体としてシート部14から先端に向けて先細り形状を有している。シート部14の第1主面14Aには4〜2500本の針状凸部12が設けられる。但し、この本数に限定されない。
図5においては、錐台部20は円錐台の形状を有し、ニードル部18は円錐の形状を有している。ニードル部18の皮膚への挿入の程度に応じて、ニードル部18の先端の形状を、0.01μm以上50μm以下の曲率半径の曲面や、平坦面等に適宜変更することができる。
図6は、別の形状を有する針状凸部12を示している。図6においては、錐台部20は四角錐台の形状を有し、ニードル部18は四角錐の形状を有している。
図7は、図5、図6に示される経皮吸収シート10の断面図である。図7に示されるように、経皮吸収シート10は薬剤を含む第1層22と、薬剤を含まない第2層24とにより構成されている。
ここで、薬剤を含むとは、体表に穿刺した際に薬効を発揮する量の薬剤を含むことを意味する。また、薬剤を含まないとは、薬効を発揮する量の薬剤を含んでいないことを意味し、薬剤の量の範囲が、全く含まない0から薬効を発揮しない量までの範囲を含んでいる。薬剤を含む第1層22は針状凸部12の先端(ニードル部18の先端)に形成されている。第1層22を針状凸部12の先端に形成することにより、皮膚内に効率よく薬剤を送達することができる。以下、「所定量の薬剤を含む」を「薬剤を含む」と、「所定量の薬剤を含まない」を「薬剤を含まない」と必要に応じて称する場合がある。
ニードル部18は、先端側の薬剤を含む第1層22と、薬剤を含まない第2層24とにより構成されている。錐台部20は第2層24により構成されている。シート部14は第2層24により構成されている。すなわち、シート部14と錐台部20とは同一材料で構成されている。ニードル部18、錐台部20、及びシート部14を構成する第1層22、及び第2層24の配分は、適宜設定することができる。
上述したように、シート部14の厚みTは、好ましくは10μm〜2000μmの範囲であり、より好ましくは10μm〜1000μmの範囲である。錐台部20とシート部14との接する底面(下底)の幅W1は、好ましくは100μm〜1500μmの範囲であり、より好ましくは100μm〜1000μmの範囲である。錐台部20とニードル部18との接する底面(上底)の幅W2は、好ましくは100μm〜1500μmの範囲であり、より好ましくは100μm〜1000μmの範囲である。幅W1と幅W2は、上記の数値範囲内で、W1>W2を満たすことが好ましい。
シート部14にはシート状のメッシュ構造体16が含まれている。本実施形態では、メッシュ構造体16はシート部14の中に埋め込まれている。
上述したように、針状凸部12の高さHは、好ましくは100μm〜2000μmの範囲であり、より好ましくは200μm〜1500μmの範囲である。また、ニードル部18の高さH1と錐台部20の高さH2との比であるH1/H2は、好ましくは1〜10の範囲であり、より好ましくは1.5〜8の範囲である。また、錐台部20の高さH2は10μm〜1000μmの範囲であることが好ましい。
錐台部20の側面とシート部14の第1主面14Aに平行な面とのなす角度αは、好ましくは10°〜60°の範囲であり、より好ましくは20°〜50°の範囲である。また、ニードル部18の側面と錐台部20の上底に平行な面とのなす角度βは、好ましくは45°〜85°の範囲であり、より好ましくは60°〜80°の範囲である。
角度βは角度αと等しくても良いが、角度βは角度α以上であることが好ましい。針状凸部12を皮膚に穿刺しやすくなるからである。
図8、図9は別の形状を有する針状凸部12を示している。図5と図8とに示される経皮吸収シート10は、錐台部20の形状が同一で、ニードル部18の形状がそれぞれ異なっている。同様に図6と図9とに示される経皮吸収シート10は錐台部20の形状が同一で、ニードル部18の形状がそれぞれ異なっている。図8と図9とに示めされるニードル部18は、先細り針状部18Aと筒形状の胴体部18Bとを有している。先細り針状部18Aは、面積の広い底面から先端に向けて一点に集まる形状を有している。筒形状の胴体部18Bは、対向する2つの底面を有し、2つの底面の面積がほぼ同一である。針状部18Aの面積の広い方の底面と胴体部18Bの一方の底面とが接続されている。また、胴体部18Bの他方の底面と錐台部20の面積の狭い方の底面とが接続される。
図8に示される針状部18Aは円錐の形状を有し、胴体部18Bは円柱の形状を有している。図9に示される針状部18Aは四角錐の形状を有し、胴体部18Bは四角柱の形状を有している。
ニードル部18は胴体部18Bを有しているので、ニードル部18は錐台部20と離れる方向に一定の断面積を有する形状となる。ニードル部18の針状部18Aは、胴体部18Bから離れる方向に先細りの形状を有している。ニードル部18は全体として先細りの形状を有している。ニードル部18の皮膚への挿入の程度に応じて、ニードル部18の先端の形状を0.01μm以上50μm以下の曲率半径の曲面や、平坦面等に適宜変更することができる。
図10は、図8、図9に示される経皮吸収シート10の断面図である。図10に示されるように、経皮吸収シート10は薬剤を含む第1層22と、薬剤を含まない第2層24とにより構成されている。薬剤を含む第1層22は針状凸部12の先端(ニードル部18の先端)に形成されている。第1層22を針状凸部12の先端に形成することにより、皮膚内に効率よく薬剤を送達することができる。
ニードル部18は、先端側の薬剤を含む第1層22と、薬剤を含まない第2層24とにより構成されている。錐台部20は第2層24により構成されている。シート部14は第2層24により構成されている。ニードル部18、錐台部20、及びシート部14を構成する第1層22、及び第2層24の配分は、適宜設定することができる。
シート部14の厚みT、錐台部20の下底の幅W1、錐台部20の上底の幅W2、針状凸部12の高さH、及び錐台部20の高さH2を、図7に示す経皮吸収シート10と同様の長さにすることができる。ニードル部18の高さH1と錐台部20の高さH2との比であるH1/H2について、図7に示す経皮吸収シート10と同様の比にすることができる。
シート部14にはシート状のメッシュ構造体16が含まれている。本実施形態では、メッシュ構造体16の一部はシート部14の中に埋め込まれ、メッシュ構造体16の一部はシート部14から露出している。
針状部18Aの高さH1Aと胴体部18Bの高さH1Bの比であるH1B/H1Aについて、H1B/H1Aは0.1〜4の範囲であり、好ましくは0.3〜2の範囲である。
錐台部20の側面とシート部14の第1主面14Aに平行な面とのなす角度αは、10°〜60°の範囲であり、好ましくは20°〜50°の範囲である。また、針状部18Aの側面と胴体部18Bの底面に平行な面とのなす角度βは、45°〜85°の範囲であり、好ましくは60°〜80°の範囲である。
なお、角度βは角度α以上であることが好ましい。皮膚に対して針状凸部12を挿入しやすくなるからである。
本実施形態では、図5,6,8,9に示す針状凸部12を有する経皮吸収シート10を示した。経皮吸収シート10の針状凸部12は、これらの形状に限定されない。
(モールド)
図11は、モールド(型)の作製の工程図である。
図11(A)に示すように、最初に、経皮吸収シートを製造するためのモールドを作製するための原版を作製する。
この原版30の作製方法は2種類あり、1番目の方法は、Si基板上にフォトレジストを塗布した後、露光、現像を行う。そして、RIE(リアクティブイオンエッチング:Reactive Ion Etching)等のエッチングを行うことにより、原版30の表面に、経皮吸収シートの針状凸部と同形状である複数の針状凸部32をアレイ状に作製する。尚、原版30の表面に針状凸部32を形成するためにRIE等のエッチングを行う際には、Si基板を回転させながら斜め方向からのエッチングを行うことにより、針状凸部32を形成することが可能である。
2番目の方法は、ステンレス、アルミニウム合金、Ni等の金属基板に、ダイヤモンドバイト等の切削工具を用いた加工により、原版30の表面に複数の針状凸部32をアレイ状に作製する方法がある。
次に、図11(B)に示すように、原版30を利用してモールド34を作製する。通常のモールド34の作製には、Ni電鋳などによる方法が用いられる。原版30は、先端が鋭角な円錐の形状又は角錐の形状(例えば四角錐)の形状の針状凸部32を有しているため、モールド34に形状が正確に転写され、モールド34を原版30から剥離することができる。しかも安価に製造することが可能な4つの方法が考えられる。
1番目の方法は、原版30にPDMS(polydimethylsiloxane:ポリジメチルシロキサン、例えば、ダウコーニング社製シルガード184)に硬化剤を添加したシリコーン樹脂を流し込み、100℃で加熱処理し硬化した後に、原版30からモールド34を剥離する方法である。2番目の方法は、紫外線を照射することにより硬化する紫外線硬化樹脂を原版30に流し込み、窒素雰囲気中で紫外線を照射した後に、原版30からモールド34を剥離する方法である。3番目の方法は、ポリスチレンやPMMA(polymethyl methacrylate:ポリメチルメタクリレート)等のプラスチック樹脂を有機溶剤に溶解させたものを剥離剤の塗布された原版30に流し込み、乾燥させることにより有機溶剤を揮発させて硬化させた後に、原版30からモールド34を剥離する方法である。4番目の方法は、Ni電鋳により反転品を作成する方法である。
これにより、原版30の針状凸部32の反転形状である針状凹部36を2次元で配列したモールド34が作製される。このようにして作製されたモールド34を図11(C)に示す。原版30の針状凸部32は経皮吸収シートの針状凸部の形状と同じであるので、図11(C)に示すように、経皮吸収シートの針状凸部の反転型である複数の針状凹部36を有するモールド34が製造される。尚、上記3つのいずれの方法においてもモールド34は、何度でも容易に作製することが可能である。
図12は、図11(C)で製造されたモールド34に枠38を設置した図である。図12(A)は、モールド34の表面の周囲に枠38を設けた図である。図12(B)は、つなぎ合わされた複数のモールド34の周囲、及び内部に枠38を設けた図である。枠38を設けることにより、機能性膜を所望の膜厚に形成する際、ポリマー樹脂の溶解液(以下、「ポリマー溶解液」ともいう)がモールド34の外に流れることを防止することができる。
このとき、モールド34と枠38との段差が50μm以上10mm以下とすることが好ましい。また、図12では、モールド34と枠38を分離できる構成であるが、モールド34と枠38とを一体型で構成することも可能である。分離型で構成した場合は、充填工程後の乾燥工程、剥離工程において、枠38を外すことが可能である。
図12(B)に示すように、複数のモールド34を基板40の上で、かつ複数のモールド34同士を、接着剤を用いてつなぎ合わせる。そして、つなぎ合わされたモールド34の周囲、及び内部に枠38を設置する。
図13はモールド34の部分拡大図である。針状凹部36は、モールド34の表面から深さ方向に狭くなるテーパ状の入口部36Aと、深さ方向に先細りの先端凹部36Bとを備えている。入口部36Aのテーパの角度α1は、経皮吸収シートの錐台部の側面とシート部とで構成される角度αと基本的に一致する。また、先端凹部36Bのテーパの角度β1は、ニードル部の側面と錐台部の上底とで構成される角度βと基本的に一致する。
図14は、経皮吸収シートの製造方法を行う上で、より好ましいモールド複合体42の態様を示したものである。図14に示すように、モールド複合体42は、針状凹部36の先端に貫通孔36Cが形成されたモールド34と、モールド34の貫通孔36Cの側に貼り合わされ、気体は透過するが液体は透過しない材料で形成された気体透過シート44と、で構成される。貫通孔36Cにより、針状凹部36の先端は気体透過シート44を介して大気と連通する。針状凹部36の先端とは、モールド34の深さ方向に先細りになっている側を意味し、薬液、基材液が充填される側と反対側を意味する。
このようなモールド複合体42を使用することで、針状凹部36に充填される経皮吸収材料溶液は透過せず、針状凹部36に存在する空気のみを貫通孔36Cを介して抜くことができる。針状凹部36の形状を経皮吸収材料に転写する際の転写性が良くなり、よりシャープな針状凸部を形成することができる。
貫通孔36Cの径D(直径)としては、1〜50μmの範囲が好ましい。この範囲とすることで、空気の抜けが容易となり、また、経皮吸収シートの針状凸部の先端部をシャープな形状とすることができる。気体は透過するが液体は透過しない材料で形成された気体透過シート44としては、例えばポアフロン(登録商標、住友電気工業株式会社)を好適に使用できる。
モールド34に用いる材料としては、弾性のある素材、金属製の素材を用いることができる。中でも弾性のある素材であることが好ましく、気体透過性の高い素材であることが更に好ましい。気体透過性の代表である酸素透過性は、1×10−12(mL/s・m・Pa)より大きいことが好ましく、1×10−10(mL/s・m・Pa)より大きいことがさらに好ましい。気体透過性を上記範囲とすることにより、モールド34の針状凹部36に存在する空気をモールド34の側から追い出すことができる。欠陥の少ない経皮吸収シートを製造することができる。このような材料として、具体的には、シリコーン樹脂(例えば、シルガード184、1310ST)、紫外線硬化樹脂、プラスチック樹脂(例えば、ポリスチレン、PMMA(ポリメチルメタクリレート))を溶融、又は溶剤に溶解させたものなどを挙げることができる。これらの中でもシリコーンゴム系の素材は繰り返し加圧による転写に耐久性があり、且つ、素材との剥離性が良いため、好適に用いることができる。また、金属製の素材としては、Ni、Cu、Cr、Mo、W、Ir、Tr、Fe、Co、MgO、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、α−酸化アルミニウム,酸化ジルコニウム、ステンレス(スタバックス材)などやその合金を挙げることができる。枠38の材質としては、モールド34の材質と同様の材質のものを用いることができる。
(ポリマー溶解液)
本実施形態に使用されるポリマー樹脂の溶解液であるポリマー溶解液について説明する。
本実施形態では、薬剤を含むポリマー溶解液、又は薬剤を含む溶解液とは、所定量の薬剤を含有するポリマー溶解液、又は所定量の薬剤を含有する溶解液を意味する。また、薬剤を含まないポリマー溶解液、又は薬剤を含まない溶解液とは、所定量の薬剤を含有していないポリマー溶解液、又は所定量の薬剤を含有していない溶解液を意味する。
また、薬剤を含むポリマー溶解液を薬液と称し、薬剤を含まないポリマー溶解液を基材液と称する場合がある。
所定量の薬剤を含むか否かは、体表に穿刺した際に薬効を発揮できるか否かで判断される。したがって、所定量の薬剤を含むとは、体表に穿刺した際に薬効を発揮する量の薬剤を含むことを意味する。所定量の薬剤を含まないとは、薬効を発揮する量の薬剤を含んでいないことを意味し、薬剤の量の範囲が、全く含まない0から薬効を発揮しない量までの範囲を含んでいる。
ポリマー溶解液に用いられる樹脂ポリマーの素材としては、生体適合性のある樹脂を用いることが好ましい。このような樹脂としては、グルコース、マルトース、プルラン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシプロピルセルロースなどの糖類、ゼラチンなどのタンパク質、ポリ乳酸、乳酸グリコール酸共重合体などの生分解性ポリマーを使用することが好ましい。これらの中でもゼラチン系の素材は多くの基材と密着性をもち、ゲル化する材料としても強固なゲル強度を持つため、後述する剥離工程において、基材と密着させることができ、モールドから基材を用いてポリマーシートを剥離することができるので、好適に利用することができる。濃度は材料によっても異なるが、薬剤を含まないポリマー溶解液中に樹脂ポリマーが10〜50質量%含まれる濃度とすることが好ましい。また、溶解に用いる溶媒は、温水以外であっても揮発性を有するものであればよく、メチルエチルケトン、アルコールなどを用いることができる。そして、ポリマー樹脂の溶解液中には、用途に応じて体内に供給するための薬剤を共に溶解させることが可能である。薬剤を含むポリマー溶解液のポリマー濃度(薬剤自体がポリマーである場合は薬剤を除いたポリマーの濃度)としては、0〜40質量%であることが好ましい。
ポリマー溶解液の調製方法としては、水溶性の高分子(ゼラチンなど)を用いる場合は、水溶性粉体を水に溶解し、溶解後に薬剤を添加してもよいし、薬剤が溶解した液体に水溶性高分子の粉体を入れて溶かしても良い。水に溶解しにくい場合、加温して溶解してもよい。温度は高分子材料の種類により、適宜選択可能であるが、約60℃以下の温度で加温することが好ましい。ポリマー樹脂の溶解液の粘度は、薬剤を含む溶解液では100Pa・s以下であることが好ましく、より好ましくは10Pa・s以下とすることが好ましい。薬剤を含まない溶解液では2000Pa・s以下であることが好ましく、より好ましくは1000Pa・s以下とすることが好ましい。ポリマー樹脂の溶解液の粘度を適切に調整することにより、モールドの針状凹部に容易に溶解液を注入することが容易となる。例えば、ポリマー樹脂の溶解液の粘度は、細管式粘度計、落球式粘度計、回転式粘度計、又は振動式粘度計で測定することができる。
(薬剤)
ポリマー溶解液に含有させる薬剤は、生理活性を有する物質であればよく、特に限定されない。薬剤として、ペプチド、タンパク質、核酸、多糖類、ワクチン、医薬化合物、又は化粧品成分から選択することが好ましい。また、医薬化合物は水溶性低分子化合物に属するものであることが好ましい。ここで、低分子化合物とは数百から数千の分子量の範囲の化合物である。ここで、医薬化合物とは、人の疾病の診断、治療または予防に使用される化合物を意味する。
(経皮吸収シートの製造方法)
本実施形態の経皮吸収シートの製造方法は、図15に示すように、薬液充填工程と、薬液乾燥工程と、基材液充填工程と、基材液乾燥工程と、剥離工程との少なくとも5つの工程をこの順で備えている。
(薬液充填工程)
モールド34を用いた経皮吸収シートの製造方法について説明する。図16(A)に示すように、2次元配列された針状凹部36を有するモールド34が、基台50の上に配置される。モールド34には、5×5の2次元配列された、2組の複数の針状凹部36が形成されている。薬剤を含むポリマー溶解液である薬液52を収容する送液タンク56と、送液タンク56に接続される配管58と、配管58の先端に接続されたノズル60と、を有する液供給装置62が準備される。薬液52はノズル60の先端から吐出される。
図17はノズルの先端部の概略斜視図を示している。図17に示すように、ノズル60は、先端側に平坦面であるリップ部60Aと、スリット形状の開口部60Bと、リップ部60Aに沿って開口部60Bから離れる方向に広がる2つの傾斜面60Cと、を備えている。スリット形状の開口部60Bにより、例えば、1列を構成する複数の針状凹部36に同時に、薬液52を充填することが可能となる。開口部60Bの大きさ(長さと幅)は、一度に充填すべき針状凹部36の数に応じて適宜選択される。
開口部60Bの長さを長くすることで、より多くの針状凹部36に一度に薬液52を充填することができる。これにより生産性を向上させることが可能となる。
図18は別のノズルの先端部の概略斜視図を示している。図18に示すように、ノズル60は、先端側に平坦面であるリップ部60Aと、2つのスリット形状の開口部60Bと、リップ部60Aに沿って開口部60Bから離れる方向に広がる2つの傾斜面60Cと、を備えている。2つの開口部60Bにより、例えば、2列を構成する複数の針状凹部36に同時に、薬剤を含む薬液52を充填することが可能となる。
ノズル60に用いる材料としては、弾性のある素材、金属製の素材を用いることができる。例えば、テフロン(登録商標)、ステンレス、チタン等が挙げられる。
図16(B)を参照して充填工程を説明する。図16(B)に示すように、ノズル60の開口部60Bが針状凹部36の上に位置調整される。薬液52を吐出するノズル60がモールド34に押し付けられるので、ノズル60のリップ部60Aとモールド34の表面とは接触している。液供給装置62から薬液52がノズル60に供給され、ノズル60の開口部60Bから薬液52がモールド34に供給され、薬液52が針状凹部36に充填される。本実施形態では、1列を構成する複数の針状凹部36に薬液52が同時に充填される。ただし、これに限定されず、針状凹部36に一つずつ充填することができる。また、図18に示すノズル60を使用することで、複数列を構成する複数の針状凹部36に対し、複数列毎に薬液52を同時に充填することもできる。
モールド34が気体透過性を有する素材で構成される場合、モールド34の裏面から吸引することで薬液52を吸引でき、針状凹部36内への薬液52の充填を促進させることができる。
図16(B)の充填工程に次いで、図16(C)に示すように、ノズル60のリップ部60Aとモールド34の表面とを接触させながら、開口部60Bの長さ方向と垂直方向に液供給装置62を相対的に走査させている。ノズル60をモールド34の上を走査させ、薬液52が充填されていない針状凹部36にノズル60を移動させる。ノズル60の開口部60Bが針状凹部36の上に位置調整される。本実施形態では、ノズル60を走査させる例で説明したが、モールド34を走査させてもよい。
ノズル60のリップ部60Aとモールド34の表面とを接触させながら、ノズル60をモールド34の上を走査させているので、ノズル60がモールド34の針状凹部36以外の表面に残る薬液52を掻き取ることができる。薬剤を含む薬液52をモールド34の針状凹部36以外に残らないようにすることができる。また、本実施形態では、ノズル60は、傾斜面60Cを矢印で示す走査方向に対して直交する位置となるよう配置されている。したがって、ノズル60はモールド34の上をスムーズに走査させることができる。
モールド34へのダメージを減らし、モールド34の圧縮による変形をできるだけ抑制するため、走査される際のノズル60のモールド34への押し付け程度を制御することが好ましい。例えば、ノズル60のモールド34への押し付け力や、ノズル60のモールド34への押し込み距離を制御することが好ましい。また、薬液52がモールド34の針状凹部36以外に残らないようにするため、モールド34もしくはノズル60の少なくとも一方がフレキシブルな弾性変形する素材であることが望ましい。
図16(B)の充填工程と、図16(C)の移動工程とを繰り返すことで、5×5の2次元配列された針状凹部36に薬液52が充填される。5×5の2次元配列された針状凹部36に薬液52が充填されると、隣接する5×5の2次元配列された針状凹部36に液供給装置62を移動し、図16(B)の充填工程と、図16(C)の移動工程とを繰り返す。隣接する5×5の2次元配列された針状凹部36にも薬液52が充填される。
上述の充填工程と走査工程について、(1)ノズル60を走査させながら薬液52を針状凹部36に充填する態様でも良いし、(2)ノズル60の走査中に針状凹部36の上でノズル60を一旦静止して薬液52を充填し、充填後にノズル60を再度走査させる態様でも良い。充填工程と走査工程との間、ノズル60のリップ部60Aがモールド34の表面に押し付けられている。液供給装置62から吐出される薬液52の量は、充填されるモールド34の複数の針状凹部36の総体積と等しい量とすることが好ましい。薬液52をモールド34の針状凹部36以外の表面に残らないようにし、薬剤のロスを低減することができる。
図19は、薬液52を針状凹部36に充填中におけるノズル60の先端とモールド34との部分拡大図である。図19に示すように、ノズル60内に加圧力P1を加えることで、針状凹部36内へ薬液52を充填するのを促進することができる。さらに、針状凹部36内へ薬液52を充填する際、ノズル60をモールド34の表面に接触させる押し付け力P2を、ノズル60内の加圧力P1以上とすることが好ましい。押し付け力P2≧加圧力P1とすることにより、薬液52が針状凹部36からモールド34の表面に漏れ出すのを抑制することができる。
図20は、ノズル60の移動中における、ノズル60の先端とモールド34との部分拡大図である。ノズル60をモールド34に対して相対的に走査される際、ノズル60をモールド34の表面に接触させる押し付け力P3を、充填中のノズル60をモールド34の表面に接触させる押し付け力P2より小さくすることが好ましい。モールド34へのダメージを減らし、モールド34の圧縮による変形を抑制するためである。
ノズル60のリップ部60Aはモールド34の表面に対して平行であることが好ましい。ノズル60の取り付け部に関節駆動機構を設けることにより、ノズル60の姿勢を制御してもよい。
モールド34の表面形状に合わせてZ軸方向にノズル60を駆動して、ノズル60のモールド34への押し付け力及び/又は押し込み距離を制御することが好ましい。図21は、押し付け力、及び/又は押し込み距離を制御することができる薬液充填装置64の概略構成図である。薬液充填装置64は、薬液を貯留する送液タンク56と、送液タンク56に取り付けられたノズル60とを有する液供給装置62と、送液タンク56とノズル60とをZ軸方向に駆動するZ軸駆動部66と、モールド34を載置するための吸引台68と、吸引台68をX軸方向に駆動するX軸駆動部70と、上記装置を支持する架台72と、制御システム74と、を有している。
押し付け力を一定に制御する場合について説明する。所望の押し付け力となるZ座標までZ軸駆動部66によりノズル60をモールド34に近づける。モールド34に接触したノズル60をX軸駆動部70により走査させながら、Z軸座標を制御することにより押し付け力を一定にし、ノズル60から薬液52を吐出する。接触圧力測定の方式は特に限定はしないが、例えば、各種ロードセルを、例えば吸引台68の下に、又は吸引台68に代えて用いることができる。ロードセルとは厚み方向に圧縮する力を測定できる測定器具を意味する。押し付け力は、モールド34に対して1〜1000kPaの範囲内の任意の圧力で一定に制御可能であることが好ましい。
押し込み距離を一定に制御する場合について説明する。ノズル60を接触する前に、モールド34の表面形状をあらかじめ測定する。モールド34に接触したノズル60をX軸駆動部70により走査させながら、モールド34の表面形状に対して所望の押し込み距離になるようにZ軸座標をオフセットさせた値をZ軸駆動部66にフィードバックしつつ薬液52を吐出する。
形状測定の方式は特に限定はしないが、例えば、非接触式のレーザー変位計76等の光学測定機器、接触式の触針式段差計等を用いることができる。さらに、ノズル60のスリット方向の姿勢をモールド34の表面形状に合わせて制御してもよい。押し込み距離は、モールド34の厚みに対して1〜15%の範囲で制御されることが好ましい。モールド34の形状に合わせてノズル60とモールド34との距離を、Z軸駆動部66によりZ軸方向に制御しながら動作することで、圧縮変形率が均一化され、充填量精度を向上できる。
押し付け力、及び押し込み距離の制御に関して、押し込み距離が小さい場合は押し付け力を制御することが好ましく、押し込み距離が大きい場合は、押し込み距離を直接制御することが好ましい。
図22は、ノズル内の液圧と薬剤を含む溶解液の供給との関係を示す説明図である。図22に示すように薬液52の供給は、ノズル60が針状凹部36の上に位置する前から開始される。薬液52を針状凹部36に確実に充填するためである。5×5で構成される複数の針状凹部36への充填が完了するまで、薬液52はモールド34に連続して供給される。ノズル60が5列目の針状凹部36の上に位置する前に、薬液52をモールド34に供給するのを停止する。薬液52が針状凹部36からあふれ出るのを防止できる。ノズル60内の液圧に関して、薬液52の供給が開始されると、ノズル60が針状凹部36に位置しない領域では高くなる。一方、ノズル60が針状凹部36の上に位置すると、薬液52が針状凹部36に充填され、ノズル60内の液圧が低くなるので、液圧の変動が繰り返される。
5×5で構成される複数の針状凹部36への充填が完了すると、ノズル60は、隣接する5×5で構成される複数の針状凹部36へ移動される。液供給に関して、隣接する5×5で構成される複数の針状凹部36へ移動する際、薬液52の供給を停止するのが好ましい。5列目の針状凹部36から次の1列目の針状凹部36までは距離がある。その間をノズル60が走査される間、薬液52を供給し続けると、ノズル60内の液圧が高くなりすぎる場合がある。その結果、ノズル60から薬液52がモールド34の針状凹部36以外に流れ出る場合があり、これを抑制するため薬液52の供給を停止するのが好ましい。
薬液充填を行う際には、ノズル60の先端をクリーニングしてから使用することが好ましい。充填前にノズル60のリップ部60Aの表面に付着物があると、薬液52の充填量の精度が低下してしまうためである。クリーニングは、不織布によるワイプが一般的である。ワイプの際に、不織布を水や溶剤などで浸潤させると効果的にクリーニングできる。薬液52の充填後、ノズル60をモールド34から離す際に、モールド34の表面に薬液が残留する可能性がある。針状凹部36への充填が完了後、ノズル60の開口部60Bから薬液を吸引するサックバック制御を行うことで、吐出余剰分の薬液52を吸い上げ、モールド34の表面への液残りを低減することもできる。
薬液充填工程について、図14に示すモールド複合体42を利用し、貫通孔36C側から吸引して、薬液52を針状凹部36内に充填させることができる。特に、薬液52に気泡が取り込まれると、薬剤の含有量にバラつきが生じ、好ましくないからである。
薬液52の針状凹部36への充填が完了すると、薬液乾燥工程、基材液充填工程、基材液乾燥工程、剥離工程へと進む。
図23(A)に示すように、薬液充填工程にてモールド34の針状凹部36に薬液52をノズル60から充填する。薬液充填工程は上述した方法で実施される。
(薬液乾燥工程)
図23(B)に示すように、薬液乾燥工程では、薬液52を乾燥し、固化させることで、薬剤を含む第1層22を針状凹部36内に形成する。
薬液乾燥工程は、モールド34の針状凹部36に充填された薬液52を乾燥し、薬剤を含む第1層22を針状凹部36の先端に局在させる工程である。本実施形態では、薬液乾燥工程が温度1℃以上10℃以下の環境下で行われることが好ましい。
また、薬液乾燥工程の温湿度条件を制御して乾燥速度を最適化することにより、針状凹部36のモールド34の壁面に薬液52が固着するのを低減することができ、乾燥により薬液52が針状凹部36の先端に集まりながら乾燥が進む。例えば、温度23℃、相対湿度40〜60%RHの環境下では、乾燥速度が速いため針状凹部36のモールド34の壁面に薬液52が固着し、薬液52を針状凹部36の先端に局在させることが難しくなる場合がある。
薬液乾燥工程を温度1℃〜10℃の環境下で行うことにより、薬液52の乾燥速度は遅くできる。したがって、モールド34の壁面に薬液52が固着することなく、薬液52を針状凹部36の先端に局在させることができる。温度1℃〜10℃の環境下の薬液乾燥工程において、湿度が高い場合、薬液52の乾燥速度が遅くなるため、生産性の低下をもたらす。そこで、薬液乾燥工程を温度1℃〜10℃の環境下で行う場合、好ましくは相対湿度1〜59%の環境下とし、より好ましくは21〜39%の環境下とする。温度1℃〜10℃で、相対湿度1〜59%の温湿度範囲の環境下であれば、針状凹部36の先端への薬液52の局在化と生産性を両立することができる。
相対湿度1〜59%の環境下にするために、例えば、湿度調整機能を有する恒温室、又は恒温槽内で薬液乾燥工程を行うことが好ましい。
薬液乾燥工程では、薬液52を乾燥させることにより固化し、薬液52を充填した際の状態よりも縮小させている。これにより、剥離工程において、モールド34の針状凹部36から第1層22を容易に剥離することが可能となる。
(基材液充填工程)
次に、図23(C)に示すように、モールド34の上に、針状凹部36の領域を、平面視で、少なくとも包含する面積を持つメッシュ構造体16を設置する。
次に、図24(D)に示すように、メッシュ構造体16に、モールド34と反対側から、薬剤を含まないポリマー溶解液である基材液54をディスペンサーにより塗布する。針状凹部36の空間を超える量の基材液54が塗布される。ディスペンサーによる塗布に代えて、バー塗布やスピン塗布、スプレーなどによる塗布などを適用することができる。
次に、図24(E)に示すように、メッシュ構造体16に上に塗布した基材液54は重力で針状凹部36内に到達するので、針状凹部36内を基材液54で充填することができる。本実施形態では、薬剤を含む第1層22が乾燥により固化されているので、第1層22に含まれる薬剤が基材液54に拡散することを抑制できる。
また、メッシュ構造体16が毛管力により基材液54を保持し、メッシュ(貫通孔)内に基材液54が拡散する。その結果、例えば撥水性のモールド34を使用した際に生じる、基材液54がモールド34の上ではじいてしまい均一に塗布できないという問題を解決できる。また、塗布時に基材液54がメッシュ構造体16からはみ出した場合であっても、メッシュ構造体16に集まるように基材液54がはじかれて移動するため、基材液54の塗布膜をメッシュ構造体16の形状に強制することができる。基材液54を充填する際の気泡の混入を避けるため、モールド34には気体透過性のある材質を使用し、基材液54を充填する側と反対側からモールド34を吸引しながら基材液54を充填することが好ましい。
なお、基材液54を充填した後にメッシュ構造体16を設置することもできる。しかしながら、基材液54の物性やメッシュ構造体16の設計によっては、比重・粘度・表面張力などの効果により、メッシュ構造体16が基材液54の上に浮かんでしまう可能性がある。メッシュ構造体16が浮いてしまった場合、基材液54のメッシュ構造体16へのアンカーが弱くなり、メッシュ構造体16がシート部から離脱してしまう可能性がある。したがって、モールド34の上にメッシュ構造体16を設置し、メッシュ構造体16を介して基材液54を針状凹部36に充填することにより、上記問題を回避することができる。
本実施形態では、上述したように第1層22を形成した後に、針状凹部36内の第1層22の上に基材液54を充填している。気体透過性のあるモールドであれば、モールド34の裏面から吸引することにより、針状凹部36内に残留した気泡(空気)は、モールド34内を透過して消失する。
モールド34の針状凹部36に充填される基材液54の量を調整することにより、シート部14の中にメッシュ構造体16を埋没させた経皮吸収シート10、及びシート部14の中にメッシュ構造体16の一部を埋没させ、他の部分をシート部14から露出させた経皮吸収シート10を製造することができる。
(基材液乾燥工程)
次に、図24(F)に示すように、基材液54を乾燥固化させることで、薬剤を含まない第2層24を、薬剤を含む第1層22の上に形成する。第1層22と第2層24とメッシュ構造体16を有する経皮吸収シート10が製造される。
基材液乾燥工程では、所望の温湿度環境下にするために、例えば、温湿度調整機能を有する恒温室、又は恒温槽内で基材液乾燥工程を行うことが好ましい。また、ホットプレートやクールプレートを用い、その上にモールドを設置することにより、局所的に温調しても良い。乾燥時の温湿度条件は基材液54の物性により適宜調整するが、温度1℃より大きく45℃以下、相対湿度40%RH〜80%RHが好ましい。また、乾燥を実施する際の風速は、0m/s〜5m/sが好ましい。
基材液乾燥工程では、基材液54が乾燥により体積が縮小する。基材液54が乾燥中にモールド34に密着していれば体積の縮小はシート部の膜厚方向に起こり、膜厚が薄くなる。本実施形態では、シート部14内にメッシュ構造体16を含んでいるので、メッシュ構造体16により、乾燥する際にシート部14がカールすることを抑制できる。シート部14がカールするのを抑制できるので、経皮吸収シート10の針状凸部が折れたり、曲がったりすることを抑制できる。
(剥離工程)
経皮吸収シート10をモールド34から剥離する方法は限定されるものではない。剥離の際に針状凸部が曲がったり折れたりしないことが望まれる。具体的には、図25に示すように、経皮吸収シート10のシート部14の第2主面14Bに、粘着層が形成されているシート状の基材80を付着させた後、基材80の裏面に吸盤(不図示)を設置し、エアーで吸引しながら垂直に引き上げる方法を適用することができる。経皮吸収シート10をモールド34から剥離することにより、経皮吸収シート10が完成する。
通常、本実施形態のように、アスペクト比の高い針状凸部の構造物をモールド34から剥離する場合では、接触面積が大きいことから、強い応力が加わる。針状凸部である微小針が破壊され、モールド34から剥離されることなく針状凹部36内に残存し、作製される経皮吸収シート10は欠陥を有するものとなる。本実施形態においては、モールド34を構成する材料を、剥離が非常にしやすい材料により構成することが好ましい。また、モールド34を構成する材料を弾性が高く柔らかい材料とすることにより、剥離する際における微小針に加えられる応力を緩和することができる。
本実施形態では、薬液52と基材液54とから第1層22と第2層24とを形成する経皮吸収シート10の製造方法について説明した。しかしこれに限定されることはなく、例えば、2次元配列された針状凹部を有するモールド34の上に、針状凹部36の領域を、平面視で、少なくとも包含する面積を持つメッシュ構造体16を設置し、ポリマー溶解液を、メッシュ構造体16を介して針状凹部36に充填し、針状凹部36に充填されたポリマー溶解を乾燥させて、乾燥されたポリマー溶解液、及びメッシュ構造体16をモールド34から剥離することにより、経皮吸収シート10を製造することができる。
(最終乾燥工程)
剥離後のシートを所定の温湿度環境下に静置し、シート全体の含水率が所望の値になるまで乾燥させる。含水率は薬剤の安定性に影響を与えるため、なるべく低くすることが好ましく、重量比で5%以下が目安となる。ただし、薬剤や基材の性質によっては10%程度の含水率にすることもある。最終乾燥工程では、所望の含水率が平衡含水率となる温湿度環境下で乾燥させる。必要に応じて、減圧下で乾燥させることもある。なお、基材液乾燥工程で所望の含水率に達する場合は、最終乾燥工程を省略しても良い。
(脱気工程)
薬液充填工程の前、及び/又は基材液充填工程の前、薬液52、及び/又は基材液54を脱気することが好ましい。脱気することにより、モールド34の針状凹部36に充填する前に、薬液52、及び基材液54に含まれる気泡を除去することができる。例えば、脱気工程では100μm〜数mmの直径の気泡が除去される。薬液52、及び基材液54の少なくとも一方を脱気することで、ポリマー溶解液に気泡を溶解させることを促進することができる。
脱気方法として、例えば、(1)薬液52を1〜15分間減圧環境下に晒す方法、(2)薬液52を貯留する容器を5〜10分間超音波振動させる方法、(3)薬液52を減圧環境下に晒しながら超音波を印加する方法、(4)薬液52の中にヘリウムガスを送り込むことで溶存気体をヘリウムに置換する方法、等が挙げられる。基材液54についても(1)〜(4)の脱気方法を適用することができる。
以下に、本発明の実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例に示される材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<実施例1>
(モールドの作製)
一辺40mmの平滑なNi板の表面に、図26に示すような、底面が500μmの直径D1で、150μmの高さH2の円錐台32B上に、300μmの直径D2で,500μmの高さH1の円錐32Aが形成された針状構造の針状凸部32を、1000μmのピッチLにて10列×10行の2次元配列に研削加工することで、原版30を作製した。この原版30の上に、シリコーンゴム(ダウコーニング社製SILASTIC−MDX4−4210)を0.6mmの厚みで膜を形成し、膜面から原版30の円錐先端部50μmを突出させた状態で熱硬化させ、剥離した。これにより、約30μmの直径の貫通孔を有するシリコーンゴムの反転品を作製した。このシリコーンゴム反転品の、中央部に10列×10行の2次元配列された針状凹部が形成された、一辺30mmの平面部外を切り落としたものをモールドとして用いた。針状凹部の開口部が広い方をモールドの表面とし、30μmの直径の貫通孔(空気抜き孔)を有する面をモールドの裏面とした。
(薬剤を含むポリマー溶解液の調製)
ヒドロキシエチルスターチ(Fresenius Kabi社製)を水で溶解し、8%の水溶液に調液したものに、薬剤としてヒト血清アルブミン(和光純薬社製)を2質量%、添加し、薬剤を含む薬液とした。調液後、3kPaの減圧環境下で4分間晒し、脱気を行った。
(薬剤を含まないポリマー溶解液の調製)
ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達社製)を水で溶解し、30%の水溶液に調液したものを、薬剤を含まないポリマー溶解液、つまり基材液とした。調液後、3kPaの減圧環境下で4分間晒し、脱気を行った。
(薬液充填工程、薬液乾燥工程)
薬液充填装置は、モールドとノズルの相対位置座標制御するX軸駆動部、Z軸駆動部を有する駆動部、ノズルを取り付け可能な液供給装置(武蔵エンジニアリング社製超微量定量ディスペンサーSMP−III)、モールドを固定する吸引台、モールド表面形状を測定するレーザー変位計(パナソニック社製HL−C201A)、ノズル押し込み圧力を測定するロードセル(共和電業製LCX−A−500N)、表面形状、及び押し付け圧力の測定値のデータを基にZ軸を制御する制御システム、を備える。
水平な吸引台上に一辺15mmの気体透過性フィルム(住友電工社製ポアフロンFP−010)を置き、その上に表面が上になるようにモールドを設置した。モールド裏面方向からゲージ圧90kPaの吸引圧で減圧して、気体透過性フィルムとモールドとをバキューム台に固定した。
図17に示すような形状のステンレスのノズルを準備し、長さ20mm、幅2mmのリップ部の中央に、長さ12mm、幅0.2mmのスリット形状の開口部を形成した。このノズルを薬液タンクに接続した。3mLの薬剤を含む溶解液を薬液タンクとノズル内部に装填した。開口部を、モールドの表面に形成された複数の針状凹部で構成される1列目と平行となるようにノズルを調整した。1列目に対して2列目と反対方向に2mmの間隔をおいた位置で、ノズルを0.14kgf/cm(1.4N/cm)の圧力(押し付け力)でモールドに押し付けた。ノズルを押し付けたまま、押し付け力の変動が±0.05kgf/cm2(0.49N/cm)に収まるようにZ軸を制御しつつ、1mm/secで開口部の長さ方向と垂直方向に移動させながら、液供給装置にて、薬剤を含む溶解液を、0.31μL/secで10秒間、開口部から放出した。2次元配列された複数の針状凹部の10列目に対して9列目と反対方向に2mm間隔を置いた位置でノズルの移動を停止し、ノズルをモールドから離した。
温度5℃、相対湿度50%RHの環境下にて、薬液を充填したモールドを、30分間静置し、薬液を針状凹部の先端に局在させた。
(基材液充填工程、基材液乾燥工程)
薬液を充填したモールドを吸引装置に吸引固定した。モールドの針状凹部の領域の中央に直径20mmの丸型に加工したSUS316製のメッシュ構造体(1インチ当たり目数100メッシュ、線径0.1mm)を設置した。なお、メッシュ構造体はオートクレーブで滅菌し、使用前に異物の付着がないことをマイクロスコープで確認した。モールドの裏面を吸引した状態でメッシュ構造体上に基材液を約200mg塗布した。メッシュ構造体からはみ出た基材液はモールド表面をはじくように中央のメッシュ構造体に集まった。基材液は重力によりメッシュ構造体を通りぬけ、モールドの針状凹部内に充填された。メッシュ構造体が基材液に埋没した状態で基材液乾燥工程へと進めた。
温度23℃、相対湿度45%RH、及び風速0.4m/sの環境下で、35℃のホットプレート上にモールドを設置して6時間静置し乾燥した。含水率は5%以下に達した。
(剥離工程)
エアーで吸引しながら経皮吸収シートを引き上げる方法により、経皮吸収シートをモールドから剥離した。先端にヒト血清アルブミンが偏在する、薬剤を含まない層とメッシュ構造体を含むシート部と、シート部の上に配置された薬剤を含まない第2層と薬剤を含む第1層とで構成される三次元配列構造の針状凸部とを有する経皮吸収シートが形成された。シート部と薬剤を含まない第2層とを同じ材料で形成した。
(最終乾燥工程)
基材液乾燥工程で含水率が5%以下に達していたため、最終乾燥工程を省略した。
(経皮吸収シートの形状)
メッシュ構造体が補強材として機能した結果、剥離後にカールは発生しなかった。剥離後に、経皮吸収シートを105℃のホットプレート上で1時間加熱してもシート部の形状変化はなかった。また、温度35℃湿度80%RHの高湿環境に1時間暴露してもシート部の形状変化はなかった。メッシュ構造体により乾燥または吸湿による形状変化を抑制できた。穿刺時の耐衝撃性を確認するため、厚さ5mmのシリコーンゴムシート(硬度ショアA50)上に速度8m/sで打ち付けた。シート部が割れたり亀裂が入ったりして破損することはなかった。
<比較例1>
メッシュ構造体を使用せずに経皮吸収シートを作製した。基材液充填時に、直径24mmの開口部を持つ厚さ300μmのステンレス製薄板を型として準備した。薬液を充填したモールドを吸引装置に吸引固定した。モールドの針状凹部領域が、ステンレス製薄板の開口部の中に入るように位置合わせし、モールドの表面にステンレス製薄板を重ね合せた。ステンレス製薄板の開口部に基材液を流し込み、過剰な基材液をスキージまたは丸棒で掻きとった。基材液は開口部内に約200mg充填された。上記以外は実施例と同じ操作をした。
メッシュ構造体を使用しなくても、乾燥には6時間要した。剥離後、経皮吸収シートを針状凸部が表に来るように平面上におくと、端部が0.5〜1mm程度浮いたカールのある形状となった。
実施例と同様に耐衝撃性を確認すると、シート部が割れたり亀裂が入ったりして破損する場合があった。
<比較例2>
メッシュ構造体の代わりに金属粒子を焼結させた多孔質構造体を使用した。多孔質構造体はステンレス製で直径20mmの丸型、厚さ1mm、空隙率36〜48%のものを使用した。なお、多孔質構造体はオートクレーブで滅菌し、使用前に異物の付着がないことをマイクロスコープで確認した。しかし、多孔質構造体の内部まで滅菌できたか、内部まで異物の付着がないか、を確認することはできなかった。
モールドの針状凹部領域の中央に基材液を約200mg滴下し、その上に多孔質構造体を設置して、基材液を押し広げた。上記以外は実施例と同じ操作をした。
多孔質構造体を用いた場合は、6時間乾燥させても中央部が乾いておらず、針状凸部を成形することができなかった。
10…経皮吸収シート、12…針状凸部、14…シート部、14A…第1主面、14B…第2主面、16…メッシュ構造体、18…ニードル部、18A…針状部、18B…胴体部、20…錐台部、22…第1層、24…第2層、30…原版、32…針状凸部、34…モールド、36…針状凹部、36A…入口部、36B…先端凹部、36C…貫通孔、38…枠、40…基板、42…モールド複合体、44…気体透過シート、50…基台、52…薬液、54…基材液、56…送液タンク、58…配管、60…ノズル、62…液供給装置、64…薬液充填装置、66…Z軸駆動部、68…吸引台、70…X軸駆動部、72…架台、74…制御システム、76…レーザー変位計、80…基材

Claims (9)

  1. 2次元配列された針状凹部を有するモールドの上に、前記針状凹部の領域を、平面視で、少なくとも包含する面積を持つメッシュ構造体を設置し、ポリマー溶解液を、前記メッシュ構造体を介して前記針状凹部に充填する充填工程と、
    前記針状凹部に充填された前記ポリマー溶解液を乾燥させる乾燥工程と、
    前記乾燥されたポリマー溶解液、及び前記メッシュ構造体を前記モールドから剥離する剥離工程と、
    をこの順で備える経皮吸収シートの製造方法。
  2. 2次元配列された針状凹部を有するモールドの前記針状凹部に薬剤を含むポリマー溶解液である薬液を充填する薬液充填工程と、
    前記針状凹部に充填された前記薬液を乾燥させて、薬剤を含む第1層を形成する薬液乾燥工程と、
    前記モールドの上に、前記針状凹部の領域を、平面視で、少なくとも包含する面積を持つメッシュ構造体を設置し、前記第1層の上に薬剤を含まないポリマー溶解液である基材液を、前記メッシュ構造体を介して前記針状凹部に充填する基材液充填工程と、
    前記基材液を乾燥させて薬剤を含まない第2層を、前記第1層の上に形成する基材液乾燥工程と、
    前記第1層、前記第2層、及び前記メッシュ構造体を前記モールドから剥離する剥離工程と、
    をこの順で備える経皮吸収シートの製造方法。
  3. 前記メッシュ構造体が金属で構成される請求項1又は2に記載の経皮吸収シートの製造方法
  4. 前記金属がステンレスである請求項に記載の経皮吸収シートの製造方法
  5. 前記乾燥工程において、前記メッシュ構造体を前記乾燥されたポリマー溶解液中に埋没させる請求項1からの何れか一項に記載の経皮吸収シートの製造方法
  6. 前記乾燥工程において、前記メッシュ構造体を前記乾燥されたポリマー溶解液中に埋没させた部分と、露出した部分とを有させる請求項1からの何れか一項に記載の経皮吸収シートの製造方法
  7. 前記メッシュ構造体が織網である請求項1からの何れか一項に記載の経皮吸収シートの製造方法
  8. 前記メッシュ構造体の目数は12〜635メッシュの範囲であり、かつ前記メッシュ構造体の線径が0.02mm〜1.0mmの範囲である請求項に記載の経皮吸収シートの製造方法
  9. 前記薬剤は、ペプチド、タンパク質、核酸、多糖類、ワクチン、医薬化合物、及び化粧品成分のうちの少なくとも1つである請求項に記載の経皮吸収シートの製造方法
JP2015198258A 2015-10-06 2015-10-06 経皮吸収シートの製造方法 Expired - Fee Related JP6461761B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015198258A JP6461761B2 (ja) 2015-10-06 2015-10-06 経皮吸収シートの製造方法
US15/286,521 US20170095427A1 (en) 2015-10-06 2016-10-05 Transdermal absorption sheet and method of manufacturing transdermal absorption sheet
EP16192481.6A EP3153207B1 (en) 2015-10-06 2016-10-05 Method of manufacturing transdermal absorption sheet

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015198258A JP6461761B2 (ja) 2015-10-06 2015-10-06 経皮吸収シートの製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2017070390A JP2017070390A (ja) 2017-04-13
JP2017070390A5 JP2017070390A5 (ja) 2018-04-26
JP6461761B2 true JP6461761B2 (ja) 2019-01-30

Family

ID=57178231

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015198258A Expired - Fee Related JP6461761B2 (ja) 2015-10-06 2015-10-06 経皮吸収シートの製造方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20170095427A1 (ja)
EP (1) EP3153207B1 (ja)
JP (1) JP6461761B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6207459B2 (ja) * 2014-05-15 2017-10-04 富士フイルム株式会社 経皮吸収シートの製造方法
JP2021049141A (ja) 2019-09-25 2021-04-01 富士フイルム株式会社 マイクロニードルアレイ、支持部材、マイクロニードルアレイの製造方法及びマイクロニードルアレイユニット
CN111136841B (zh) * 2019-12-16 2022-08-09 深圳市中科先见医疗科技有限公司 一种水凝胶微针模具的制备方法及水凝胶微针模具
CN114832559B (zh) * 2022-04-28 2022-12-09 西安交通大学 一种复合锥刺阵列油雾收集装置及其制备方法和收集方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6908453B2 (en) * 2002-01-15 2005-06-21 3M Innovative Properties Company Microneedle devices and methods of manufacture
US20040162542A1 (en) * 2002-12-03 2004-08-19 Endobionics, Inc. Methods and systems for treating the vasculature with estrogens
US8696619B2 (en) * 2004-08-10 2014-04-15 Robert P. Schnall Drug delivery devices
JP2008006178A (ja) 2006-06-30 2008-01-17 Fujifilm Corp マイクロニードルシートの製造方法及び製造装置
JP2011012050A (ja) 2009-06-03 2011-01-20 Bioserentack Co Ltd 多孔性基盤を用いたマイクロニードル・アレイとその製造方法
JP2013153866A (ja) * 2012-01-27 2013-08-15 Fujifilm Corp 経皮吸収シート及び経皮吸収シートの製造方法
WO2014196522A1 (ja) * 2013-06-03 2014-12-11 凸版印刷株式会社 針状体の製造方法及び製造装置
KR101549086B1 (ko) * 2014-11-10 2015-09-02 주식회사 스몰랩 마이크로 니들 및 마이크로 니들 패치

Also Published As

Publication number Publication date
EP3153207B1 (en) 2019-09-18
EP3153207A1 (en) 2017-04-12
US20170095427A1 (en) 2017-04-06
JP2017070390A (ja) 2017-04-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6285277B2 (ja) 経皮吸収シートおよび経皮吸収シートの製造方法
JP6207459B2 (ja) 経皮吸収シートの製造方法
JP6411395B2 (ja) 経皮吸収シートの製造方法
JP6038173B2 (ja) 経皮吸収シートの製造方法
JP6482323B2 (ja) 経皮吸収シート
US10596361B2 (en) Transdermal absorption sheet and method of producing the same
JP6588864B2 (ja) 経皮吸収シートの製造方法
JP6461761B2 (ja) 経皮吸収シートの製造方法
JP6751035B2 (ja) 針状凸部を有するシートの製造方法
WO2016143792A1 (ja) 経皮吸収シートの製造方法
JP2018088995A (ja) 医療用経皮吸収シートの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180315

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181114

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6461761

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees