JP6460538B2 - 分泌シグナルペプチドをコードするdna - Google Patents
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Description
X−M1−M2−・・・−Mi−E 式(I)
(式(I)中、Xはリジン又はアルギニンを示し、Mはメチオニンを示し、Eはグルタミン酸を示し、iは12〜17の整数を示す)
(b)上記式(I)において1又は2個のメチオニンが疎水性アミノ酸に置換したアミノ酸配列からなり、酵母細胞で発現した目的タンパク質を細胞外に分泌する能力を有する分泌シグナルペプチド;
の(a)又は(b)に示されるアミノ酸配列からなる分泌シグナルペプチドをコードするDNAや、[2]配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる分泌シグナルペプチドをコードする上記[1]記載のDNAや、[3]上記[1]又は[2]記載のDNAを含む酵母用組換えベクターや、[4]目的タンパク質をコードするDNAを含む上記[3]記載の組換えベクターや、[5]上記[4]記載の組換えベクターを含む酵母の形質転換体や、[6]上記[5]記載の形質転換体を培養し、培養液から目的タンパク質を回収することを特徴とする目的タンパク質の生産方法に関する。
X−M1−M2−・・・−Mi−E 式(I)
(式(I)中、Xはリジン又はアルギニンを示し、Mはメチオニンを示し、Eはグルタミン酸を示し、iは12〜17の整数を示す)
(b)上記式(I)における1又は2個のメチオニンが疎水性アミノ酸に置換したアミノ酸配列からなり、酵母細胞で発現した目的タンパク質を細胞外に分泌する能力を有する分泌シグナルペプチド;
の(a)又は(b)に示されるアミノ酸配列からなる分泌シグナルペプチドに関する。
(a)式(I)に示されるアミノ酸配列からなる分泌シグナルペプチド;
X−M1−M2−・・・−Mi−E 式(I)
(式(I)中、Xはリジン又はアルギニンを示し、Mはメチオニンを示し、Eはグルタミン酸を示し、iは12〜17の整数を示す)
(b)上記式(I)における1又は2個のメチオニンが疎水性アミノ酸に置換したアミノ酸配列からなり、酵母細胞で発現した目的タンパク質を細胞外に分泌する能力を有する分泌シグナルペプチド;
の(a)又は(b)に示されるアミノ酸配列からなる分泌シグナルペプチドであれば特に制限されないが、iは好ましくは14〜17の整数、より好ましくは16であり、式(I)に示されるアミノ酸配列からなる分泌シグナルペプチドが好ましい。式(I)に示されるアミノ酸配列からなる分泌シグナルペプチドであって、iが16の分泌シグナルペプチドとしては、配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるペプチドであることがより好ましい。
配列番号3に示すGLucのアミノ酸配列において、2番目のグリシンと3番目のバリンを削除し、4番目のリジンを他のアミノ酸に置換した、変異分泌シグナルペプチドを備えた変異GLucを酵母で発現させ、培養液のルシフェラーゼ活性を調べることにより変異分泌シグナルペプチドの分泌能力を評価した。
プラスミドpKM152(図1)が維持されたクルイベロマイセス・マルシアヌスRAK6205株(ura3 ade2 p[ScADE2c-KmARS7c-ScTDH3p-yGLuc-ScURA3-KmCEND])の染色体DNAをテンプレートとし、表1に示される各フォワードプライマーとリバースプライマーを用いてPCRを行い、配列番号3に示すアミノ酸配列からなる野生型ペプチド(MGVKV)、配列番号3に示すアミノ酸配列において、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損したペプチド2G3VΔ(MKV)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをアルギニンに置換したペプチド2G3VΔ4KR(MRV)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをアスパラギンに置換したペプチド2G3VΔ4KN(MNV)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをトリプトファンに置換したペプチド2G3VΔ4KW(MWV)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをフェニルアラニンに置換したペプチド2G3VΔ4KF(MFV)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをチロシンに置換したペプチド2G3VΔ4KY(MYV)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをメチオニンに置換したペプチド2G3VΔ4KM(MMV)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをヒスチジンに置換したペプチド2G3VΔ4KH(MHV)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをイソロイシンに置換したペプチド2G3VΔ4KI(MIV)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをロイシンに置換したペプチド2G3VΔ4KL(MLV)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをシステインに置換したペプチド2G3VΔ4KC(MCV)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをスレオニンに置換したペプチド2G3VΔ4KT(MTV)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをグルタミン酸に置換したペプチド2G3VΔ4KE(MEV)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをグリシンに置換したペプチド2G3VΔ4KG(MGV)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをアスパラギン酸に置換したペプチド2G3VΔ4KD(MDV)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをセリンに置換したペプチド2G3VΔ4KS(MSV)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをバリンに置換したペプチド2G3VΔ4KV(MVV)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをプロリンに置換したペプチド2G3VΔ4KP(MPV)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをアラニンに置換したペプチド2G3VΔ4KA(MAV)、又は2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをグルタミンに置換したペプチド2G3VΔ4KQ(MQV)と、URA3マーカーと、KmCenDと、ADE2マーカーと、KmARS7と、TDH3プロモーターとをコードするDNA断片を作製した。PCRは、KOD FX neo(東洋紡社製)を用い、そのプロトコールに従って行った。KOD FX neo反応混合液は、反応液10μl中に1μlのテンプレートDNA溶液、0.3μlの10μMフォワードプライマー溶液、0.3μlの10μMリバースプライマー溶液、5μlの2×KOD FX neoバッファー、2μlの2mM dNTPs、0.2μlのKOD FX neo DNAポリメラーゼ、1.2μlの滅菌超純水を混ぜて調製した。反応は、94℃で2分間初期変性させた後、98℃で10秒間の熱変性、65℃で30秒間のアニーリング、68℃で3分間の伸長反応を30サイクルの条件で行った。
クルイベロマイセス・マルシアヌスの形質転換体はAbdel-Banatらの方法(Abdel-Banat et al.,Yeast vol.27 29-39(2009))に従って作製した。250mlのフラスコを用い、30mlのYPD培地(1%酵母エキス、2%ポリペプトン、2%グルコース)でクルイベロマイセス・マルシアヌスRAK3908株(ura3 ade2:Yarimizu et al., Yeast vol. 30: 485-500(2013))を150rpm、24時間30℃の条件下で振とう培養した。培養した細胞を3000rpm、3分間遠心して回収し、900μlのTFBバッファー(20mlの60%ポリエチレングリコール3350(シグマ・アルドリッチ社製)、3mlの1Mジチオスレイトール(和光純薬工業社製)、1.5mlの4Mリチウムアセテート(キシダ化学社製)、5.5mlの滅菌水で懸濁した。再度3000rpm、3分間遠心して回収し、600μlのTFBバッファーで懸濁した。細胞懸濁液を50μlずつ1.5mlチューブに移し、上述で作製した野生型及び各変異ペプチドをコードするDNA断片70ngと混和した。42℃で30分培養後、細胞懸濁液をウラシル欠損培地(0.17%イーストニトロゲンベース(アミノ酸、硫酸アンモニウム不含)、0.5%硫酸アンモニウム、2%グルコース、ウラシル以外の必要な栄養素)に塗布し、28℃で2−3日培養し、生育したコロニーを形質転換体とした。
ルシフェラーゼ活性の測定にはBioLux(登録商標)Gaussia Luciferase Assay Kit(ニューイングランド・バイオラボ社製)を用いた。まず、上述で得られた形質転換体をウラシル欠損培地で培養し、前培養液を調製した。次に、96ウェルのマイクロプレートを用い、300μlのYPD培地に10μlの前培養液を加えて、28℃で24時間培養し、かかる培養液10μlとGLucアッセイ溶液(1mlのBioLux(商標登録) GLuc Assay Buffer (×1)、10μlのBioLux(商標登録) GLuc Assay Substrate (×100))20μlを混合し、室温で5秒間静置してルシフェラーゼ活性をCentro LB960 microplate reader(Berthold社製)により測定した。結果を図2に示す。
図2において、横軸は野生型のGLuc(MGVKV)を発現させて測定したルシフェラーゼ活性を1とした場合の、それぞれの変異ペプチドを発現させて測定したルシフェラーゼ活性の相対値、縦軸は発現させたペプチドの種類を示す。図2に示すように、分泌シグナルペプチドのN末端側の塩基性アミノ酸としてリジン又はアルギニンがあれば、分泌能力が野生型に比べて2倍以上に高くなることが明らかとなった。
配列番号3に示すGLucのアミノ酸配列において2番目のグリシンと3番目のバリンを削除し、4番目のリジン又はアルギニンに続くアミノ酸を連続する8個の同一のアミノ酸に置換した、変異分泌シグナルペプチドを備えた変異GLucを酵母で発現させ、培養液のルシフェラーゼ活性を調べることにより変異分泌シグナルペプチドの分泌能力を評価した。
プラスミドpKM152(図1)が維持されたクルイベロマイセス・マルシアヌスRAK6205株の染色体をテンプレートとして、配列番号28に示されるフォワードプライマー(yGLuc+37)と配列番号29に示されるリバースプライマー(TDH3-1c40)を用いてPCRを行い、GLucと、URA3マーカーと、KmCenDと、ADE2マーカーと、KmARS7と、TDH3プロモーターとをコードするDNA断片を得た。次に、得られたDNA断片をテンプレートとして、表2に示される各フォワードプライマーとリバースプライマーを用いてPCRを行い、配列番号3に示されるアミノ酸配列において、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、5番目〜12番目のアミノ酸をロイシンに置換したペプチド(MKL8)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをアルギニンに置換し、5番目〜12番目のアミノ酸をロイシンに置換したペプチド(MRL8)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをアルギニンに置換し、5番目〜12番目のアミノ酸をメチオニンに置換したペプチド(MRM8)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをアルギニンに置換し、5番目〜12番目のアミノ酸をトリプトファンに置換したペプチド(MRW8)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをアルギニンに置換し、5番目〜12番目のアミノ酸をフェニルアラニンに置換したペプチド(MRF8)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをアルギニンに置換し、5番目〜12番目のアミノ酸をイソロイシンに置換したペプチド(MRI8)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをアルギニンに置換し、5番目〜12番目のアミノ酸をスレオニンに置換したペプチド(MRT8)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをアルギニンに置換し、5番目〜12番目のアミノ酸をセリンに置換したペプチド(MRS8)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをアルギニンに置換し、5番目〜12番目のアミノ酸をグルタミンに置換したペプチド(MRQ8)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをアルギニンに置換し、5番目〜12番目のアミノ酸をチロシンに置換したペプチド(MRY8)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをアルギニンに置換し、5番目〜12番目のアミノ酸をアラニンに置換したペプチド(MRA8)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをアルギニンに置換し、5番目〜12番目のアミノ酸をバリンに置換したペプチド(MRV8)、又は2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、4番目のリジンをアルギニンに置換し、5番目〜12番目のアミノ酸をシステインに置換したペプチド(MRC8)と、URA3マーカーと、KmCenDと、ADE2マーカーと、KmARS7と、TDH3プロモーターとをコードするDNA断片を作製した。PCR反応は、上述と同様の条件で行った。
作製した各変異ペプチドをコードするDNA断片を用い、上述と同様の方法でクルイベロマイセス・マルシアヌスRAK3908株の形質転換体を作製し、かかる形質転換体をYPB培地で培養して培養液中のルシフェラーゼ活性を測定した。結果を図3に示す。
図3において、横軸は野生型のGLuc(MGVKV)を発現させて測定したルシフェラーゼ活性を1とした場合の、それぞれの変異ペプチドを発現させて測定したルシフェラーゼ活性の相対値、縦軸は発現させたペプチドの種類を示す。図3に示すように、分泌シグナルペプチドのN末端側の塩基性アミノ酸として、リジン又はアルギニンに続くアミノ酸がロイシンやメチオニンやトリプトファンであれば、分泌能力が野生型に比べて2倍以上に高くなることが明らかとなった。
上記結果より、リジン又はアルギニンに続くアミノ酸がロイシンの場合に分泌能力が高かったことから、配列番号3に示すGlucのアミノ酸配列において、2番目のグリシンと3番目のバリンを削除し、5番目から15番目のアミノ酸を7個〜17個の連続するロイシンにした、変異分泌シグナルペプチドを備えた変異GLucを酵母で発現させ、培養液のルシフェラーゼ活性を調べることにより変異分泌シグナルペプチドの分泌能力を評価した。
プラスミドpKM152(図1)が維持されたクルイベロマイセス・マルシアヌスRAK6205株の染色体をテンプレートとして、配列番号43に示されるフォワードプライマー(yGLuc+64)と配列番号29に示されるリバースプライマー(TDH3-1c40)を用いてPCRを行い、GLucと、URA3マーカーと、KmCenDと、ADE2マーカーと、KmARS7と、TDH3プロモーターとをコードするDNA断片を得た。次に、得られたDNA断片をテンプレートとして、表3に示される各フォワードプライマーとリバースプライマーを用いてPCRを行い、配列番号3に示されるアミノ酸配列において、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、5番目〜15番目のアミノ酸を連続する7個のロイシンに置換したペプチド(MKL7E)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、5番目〜15番目のアミノ酸を連続する8個のロイシンに置換したペプチド(MKL8E)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、5番目〜15番目のアミノ酸を連続する9個のロイシンに置換したペプチド(MKL9E)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、5番目〜15番目のアミノ酸を連続する10個のロイシンに置換したペプチド(MKL10E)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、5番目〜15番目のアミノ酸を連続する11個のロイシンに置換したペプチド(MKL11E)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、5番目〜15番目のアミノ酸を連続する12個のロイシンに置換したペプチド(MKL12E)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、5番目〜15番目のアミノ酸を連続する13個のロイシンに置換したペプチド(MKL13E)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、5番目〜15番目のアミノ酸を連続する14個のロイシンに置換したペプチド(MKL14E)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、5番目〜15番目のアミノ酸を連続する15個のロイシンに置換したペプチド(MKL15E)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、5番目〜15番目のアミノ酸を連続する16個のロイシンに置換したペプチド(MKL16E)、又は2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、5番目〜15番目のアミノ酸を連続する17個のロイシンに置換したペプチド(MKL17E)と、URA3マーカーと、KmCenDと、ADE2マーカーと、KmARS7と、TDH3プロモーターとをコードするDNA断片を作製した。PCR反応は、上述と同様の条件で行った。
作製した各変異ペプチドをコードするDNA断片を用い、上述と同様の方法でクルイベロマイセス・マルシアヌスRAK3908株の形質転換体を作製し、かかる形質転換体をYPB培地で培養してルシフェラーゼ活性を測定した。結果を図4に示す。
図4において、横軸は野生型のGLuc(MGVKV)を発現させて測定したルシフェラーゼ活性を1とした場合の、それぞれの変異ペプチドを発現させて測定したルシフェラーゼ活性の相対値、縦軸は発現させたペプチドの種類を示す。図4に示すように、リジン又はアルギニンに続くアミノ酸がロイシンの場合、ルシフェラーゼ活性は、連続するロイシンの個数が11〜13の場合に高かったが、野生型に対して3倍程度であった。
配列番号3に示すGlucのアミノ酸配列において、16番目のグルタミン酸を他のアミノ酸に置換した、変異分泌シグナルペプチドを備えた変異GLucを酵母で発現させ、培養液のルシフェラーゼ活性を調べることにより変異分泌シグナルペプチドの分泌能力を評価した。
プラスミドpKM152(図1)が維持されたクルイベロマイセス・マルシアヌスRAK6205株の染色体をテンプレートとして、配列番号43に示されるフォワードプライマー(yGLuc+64)と配列番号29に示されるリバースプライマー(TDH3-1c40)を用いてPCRを行い、GLucと、URA3マーカーと、KmCenDと、ADE2マーカーと、KmARS7と、TDH3プロモーターをコードするDNA断片を得た。次に、得られたDNA断片をテンプレートとして、表4に示される各フォワードプライマーとリバースプライマーを用いてPCRを行い、配列番号3に示されるアミノ酸配列において、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、5番目〜15番目のアミノ酸をロイシンに置換したペプチド(MKL13E)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、5番目〜15番目のアミノ酸をロイシンに置換し、16番目のグルタミン酸をプロリンに置換したペプチド(MKL13P)、16番目のグルタミン酸をアスパラギン酸に置換したペプチド(MKL13D)、16番目のグルタミン酸をグルタミンに置換したペプチド(MKL13Q)、16番目のグルタミン酸をアスパラギンに置換したペプチド(MKL13N)、16番目のグルタミン酸をヒスチジンに置換したペプチド(MKL13H)、16番目のグルタミン酸をリジンに置換したペプチド(MKL13K)、16番目のグルタミン酸をアルギニンに置換したペプチド(MKL13R)、16番目のグルタミン酸をセリンに置換したペプチド(MKL13S)、16番目のグルタミン酸をチロシンに置換したペプチド(MKL13Y)、16番目のグルタミン酸をフェニルアラニンに置換したペプチド(MKL13F)、16番目のグルタミン酸をスレオニンに置換したペプチド(MKL13T)、16番目のグルタミン酸をアラニンに置換したペプチド(MKL13A)、16番目のグルタミン酸をロイシンに置換したペプチド(MKL13L)、16番目のグルタミン酸をメチオニンに置換したペプチド(MKL13M)、16番目のグルタミン酸をシステインに置換したペプチド(MKL13C)、16番目のグルタミン酸をバリンに置換したペプチド(MKL13V)、16番目のグルタミン酸をイソロイシンに置換したペプチド(MKL13I)、16番目のグルタミン酸をトリプトファンに置換したペプチド(MKL13W)、又は16番目のグルタミン酸をグリシンに置換したペプチド(MKL13G)と、URA3マーカーと、KmCenDと、ADE2マーカーと、KmARS7と、TDH3プロモーターとをコードするDNA断片を作製した。PCR反応は、上述と同様の条件で行った。
作製した各変異ペプチドをコードするDNA断片を用い、上述と同様の方法でクルイベロマイセス・マルシアヌスRAK3908株の形質転換体を作製し、かかる形質転換体をYPB培地で培養してルシフェラーゼ活性を測定した。結果を図5に示す。
図5において、横軸は野生型のGLuc(MGVKV)を発現させて測定したルシフェラーゼ活性を1とした場合の、それぞれの変異ペプチドを発現させて測定したルシフェラーゼ活性の相対値、縦軸は発現させたペプチドの種類を示す。図5に示すように、連続するロイシンのC末端側のアミノ酸が酸性アミノ酸であるグルタミン酸の場合に分泌能力が高いことが明らかとなった。
塩基性アミノ酸であるリジン又はアルギニンと、酸性アミノ酸であるグルタミン酸の間にロイシンが11〜13個あれば、分泌能力を有することが明らかとなったが、さらに分泌能力が高い分泌シグナルペプチドの作製を試みた。配列番号3に示すGlucのアミノ酸配列において、2番目のグリシンと3番目のバリンを削除し、5番目から15番目のアミノ酸を7個〜17個の連続するメチオニンに置換した、変異分泌シグナルペプチドを備えた変異GLucを酵母で発現させ、培養液のルシフェラーゼ活性を調べることにより変異分泌シグナルペプチドの分泌能力を評価した。
プラスミドpKM152(図1)が維持されたクルイベロマイセス・マルシアヌスRAK6205株の染色体をテンプレートとして、配列番号43に示されるフォワードプライマー(yGLuc+64)と配列番号29に示されるリバースプライマー(TDH3-1c40)を用いてPCRを行い、GLucと、URA3マーカーと、KmCenDと、ADE2マーカーと、KmARS7と、TDH3プロモーターをコードするDNA断片を得た。次に、得られたDNA断片をテンプレートとして、表5に示される各フォワードプライマーとリバースプライマーを用いてPCRを行い、配列番号3に示されるアミノ酸配列において、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、5番目〜15番目のアミノ酸を連続する7個のメチオニンに置換したペプチド(MKM7)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、5番目〜15番目のアミノ酸を連続する8個のメチオニンに置換したペプチド(MKM8)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、5番目〜15番目のアミノ酸を連続する9個のメチオニンに置換したペプチド(MKM9)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、5番目〜15番目のアミノ酸を連続する10個のメチオニンに置換したペプチド(MKM10)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、5番目〜15番目のアミノ酸を連続する11個のメチオニンに置換したペプチド(MKM11)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、5番目〜15番目のアミノ酸を連続する12個のメチオニンに置換したペプチド(MKM12)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、5番目〜15番目のアミノ酸を連続する13個のメチオニンに置換したペプチド(MKM13)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、5番目〜15番目のアミノ酸を連続する14個のメチオニンに置換したペプチド(MKM14)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、5番目〜15番目のアミノ酸を連続する15個のメチオニンに置換したペプチド(MKM15)、2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、5番目〜15番目のアミノ酸を連続する16個のメチオニンに置換したペプチド(MKM16)、又は2番目のグリシンと3番目のバリンが欠損し、5番目〜15番目のアミノ酸を連続する17個のメチオニンに置換したペプチド(MKM17)と、URA3マーカーと、KmCenDと、ADE2マーカーと、KmARS7と、TDH3プロモーターとをコードするDNA断片を作製した。PCR反応は、上述と同様の条件で行った。
作製した各変異ペプチドをコードするDNA断片を用い、上述と同様の方法でクルイベロマイセス・マルシアヌスRAK3908株の形質転換体を作製し、かかる形質転換体をYPB培地で培養してルシフェラーゼ活性を測定した。結果を図6に示す。
図6において、横軸は野生型のGLuc(MGVKV)を発現させて測定したルシフェラーゼ活性を1とした場合の、それぞれの変異ペプチドを発現させて測定したルシフェラーゼ活性の相対値、縦軸は発現させたペプチドの種類を示す。図6に示すように、リジンに続くアミノ酸が12〜17個のメチオニンであれば分泌能力が非常に高く、特に配列番号1に示すアミノ酸配列からなるペプチドが非常に高い分泌能力を有することが明らかとなった。これまでに疎水性アミノ酸のロイシンが分泌に深く関与していると考えられていたが、ロイシンに比べてメチオニンに置換したペプチドの方が、分泌能力が高いことは予想外であった。また、メチオニンの数が12〜17で高い分泌能力を有することから、発現させる目的タンパク質の種類に応じてメチオニンの数を調整し、発現させるタンパク質に最適な分泌シグナルペプチドを選択して目的タンパク質を効率よく分泌させることが可能となる。
配列番号3に示すGlucのアミノ酸配列において、2番目のグリシンと3番目のバリンを削除し、5番目〜15番目のアミノ酸を連続する16個のメチオニンに置換したペプチド(MKM16)をコードするDNA断片を用い、クルイベロマイセス・マルシアヌスRAK3908株を形質転換体し、RAK8772株を得た。かかるRAK8772株及びクルイベロマイセス・マルシアヌスRAK6205株をそれぞれ2mlのYPD培地で一晩培養した。培養後、上澄み液に1mlのアセトンを加えて12,000rpmで5分間遠心した。沈殿を20μlのLaemmliサンプルバッファー:バイオラッド社製)で溶解し、95℃で5分間加熱した。
図7に示すように、M16では約20kDより低い位置にバンドが検出され、WTではバンドが検出されなかったことから、本発明のシグナルペプチドはタンパク質を細胞外に分泌する能力が高いことが確認された。また、16個のメチオニンを含むシグナル配列を有するMKM16の推定分子量は20.7kD、シグナル配列無しのGLucの推定分子量は18.4kDであり、図7の結果から、16個のメチオニンを含むシグナル配列は切断されていることが推測された。
配列番号1に示す分泌シグナルペプチドを用いて、酵母での分泌が難しいヒトLIF(hLIF)を分泌させた。
hLIF−FLAGペプチドに配列番号1に示されるペプチド(KMMMMMMMMMMMMMMMME)を付与するために、プラスミドpKM398(図8)が維持されたクルイベロマイセス・マルシアヌスRAK10252の染色体DNAをテンプレートとし、配列番号85に示されるフォワードプライマー(hLIF+4)と、配列番号29に示されるリバースプライマー(TDH3p-1c40)を用いてPCRを行い、hLIFと、FLAGタグと、URA3マーカーと、KmCenDと、KmARS7と、ADE2マーカーと、TDH3プロモーターとをコードするDNA断片(hLIF-FLAG-URA3-KmCenD-KmARS7-ADE2-TDH3)を得た。次に、得られたDNA断片をテンプレートとし、配列番号85に示されるフォワードプライマー(hLIF+4)と、配列番号86に示されるリバースプライマー(MKM(16)Ec-TDH3p-1c)を用いてPCRを行い、配列番号87に示されるhLIFアミノ酸配列の1番目のメチオニンと2番目のリジンの間に配列番号1に示されるアミノ酸配列を導入した、変異ペプチド(MKM16E−2K)と、FLAGタグと、URA3マーカーと、KmCenDと、KmARS7と、ADE2マーカーと、TDHプロモーターとをコードするDNA断片(MKM16E-2K-hLIF-FLAG-URA3-KmCenD-KmARS7-ADE2-TDH3)を作製した。また、得られたDNA断片(hLIF-FLAG-URA3-KmCenD-KmARS7-ADE2-TDH3)をテンプレートとし、配列番号88に示されるフォワードプライマー(hLIF+58)と、配列番号86に示されるリバースプライマー(MKM(16)Ec-TDH3p-1c)を用いてPCRを行い、配列番号87に示されるhLIFアミノ酸配列の2番目〜19番目のアミノ酸を配列番号1に示されるアミノ酸配列に置換した変異ペプチド(MKM16E−20G)と、FLAGタグと、URA3マーカーと、KmCenDと、KmARS7と、ADE2マーカーと、TDHプロモーターとをコードするDNA断片(MKM16E-20G-hLIF-FLAG-URA3-KmCenD-KmARS7-ADE2-TDH3)を作製した。さらに、得られたDNA断片(hLIF-FLAG-URA3-KmCenD-KmARS7-ADE2-TDH3)をテンプレートとし、配列番号89に示されるフォワードプライマー(hLIF+79)と、配列番号86に示されるリバースプライマー(MKM(16)Ec-TDH3p-1c)を用いてPCRを行い、配列番号87に示されるhLIFアミノ酸配列の2番目〜26番目のアミノ酸を配列番号1に示されるアミノ酸配列に置換した変異ペプチド(MKM16E−27I)と、FLAGタグと、URA3マーカーと、KmCenDと、KmARS7と、ADE2マーカーTDHと、プロモーターとをコードするDNA断片(MKM16E-27I-hLIF-FLAG-URA3-KmCenD-KmARS7-ADE2-TDH3)を作製した。
クルイベロマイセス・マルシアヌスRAK11616株、RAK11618株、RAK11620株それぞれをYPD培地で150rpm、28℃で2日間振とう培養した。培地を12,000gで10分間遠心し、400μlの上澄み液を得た。かかる上澄み液に500μlのアセトンを加えてタンパク質を沈殿させた。12,000gで10分間遠心後、沈殿を40mlのSDS−PAGEサンプルバッファー(5% 2−メルカプトエタノール含有Laemmliサンプルバッファー:バイオラッド社製)で溶解し、その後Laemmliサンプルバッファー(バイオラッド社製)で10倍に希釈後に95℃で30分間加熱した。
(結果)
実施例1、2においては酵母としてクルイベロマイセス・マルシアヌスを用いたが、他の酵母においても本発明の分泌シグナルペプチドが同様に機能することを確かめるため、本発明の分泌シグナルペプチドを有するGLucをサッカロマイセス・セレビシエで発現させて、GLucの分泌を調べた。
まず、変異ペプチド(MKM16)をコードするDNA断片を用いて作製したクルイベロマイセス・マルシアヌスRAK3908株の形質転換体であるRAK8772株、及び野生型ペプチド(MGVKV)をコードするDNAを有するRAK6205株それぞれのDNAをテンプレートとして、配列番号90に示されるフォワードプライマー(TDH3-572)と配列番号91に示されるリバースプライマー(3CG9-yGLuc+558c)を用いて1stPCRを行い、ScTDHプロモーターとMKM16シグナル配列とyGLucとをコードするDNA断片、及びScTDH3プロモーターとyGLucをコードするDNA断片を得た。得られたそれぞれの1stPCR産物をテンプレートとして、相同組換えのためのScURA3のC末部分の配列を付加するために配列番号90に示されるフォワードプライマー(TDH3-572)と配列番号92に示されるリバースプライマー(ScURA3(717786TAA)-3CG9)を用いて2ndPCRを行い、ScTDHプロモーターとMKM16シグナル配列とyGLucとScURA3の一部をコードするDNA断片、及びScTDH3プロモーターとyGLucとScURA3の一部をコードするDNA断片を得た。ベクターDNAは、YEpGAP-cherry plasmid DNA(Keppler-Ross et al., Genetics 179:705-710(2008))をテンプレートとして、配列番号5に示されるフォワードプライマー(URA3+771c)と配列番号29に示されるリバースプライマー(TDH3-1c40)を用いてPCRを行うことで調製した。1st、2ndPCRは、KOD FX neo(東洋紡社製)を用い、そのプロトコールに従って行った。
Claims (7)
- 次の(a)又は(b)に示されるアミノ酸配列からなる分泌シグナルペプチドをコードするDNA。
(a)式(I)に示されるアミノ酸配列からなる分泌シグナルペプチド;
X−M1−M2・・・−Mi−E 式(I)
(式(I)中、Xはリジン又はアルギニンを示し、Mはメチオニンを示し、Eはグルタミン酸を示し、iは12〜17の整数を示す)
(b)上記式(I)において1又は2個のメチオニンがロイシン、フェニルアラニン、又はトリプトファンに置換したアミノ酸配列からなり、酵母細胞で発現した目的タンパク質を細胞外に分泌する能力を有する分泌シグナルペプチド; - 配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる分泌シグナルペプチドをコードする請求項1記載のDNA。
- 請求項1又は2記載のDNAを含む酵母用組換えベクター。
- 目的タンパク質をコードするDNAを含む請求項3記載の組換えベクター。
- 請求項4記載の組換えベクターを含む酵母の形質転換体。
- 請求項5記載の形質転換体を培養し、培養液から目的タンパク質を回収することを特徴とする目的タンパク質の生産方法。
- 次の(a)又は(b)に示されるアミノ酸配列からなる分泌シグナルペプチド。
(a)式(I)に示されるアミノ酸配列からなる分泌シグナルペプチド;
X−M1−M2−・・・−Mi−E 式(I)
(式(I)中、Xはリジン又はアルギニンを示し、Mはメチオニンを示し、Eはグルタミン酸を示し、iは12〜17の整数を示す)
(b)上記式(I)における1又は2個のメチオニンがロイシン、フェニルアラニン、又はトリプトファンに置換したアミノ酸配列からなり、酵母細胞で発現した目的タンパク質を細胞外に分泌する能力を有する分泌シグナルペプチド;
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