以下では、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態に係る移動通信ネットワークの構成例を示している。当該移動通信ネットワークは通信サービス、例えば音声通信若しくはパケットデータ通信又はこれら両方を提供する。本実施形態では、当該移動通信ネットワークがEPS(つまりLong Term Evolution(LTE)システム又はLTE-Advancedシステム)であるとして説明する。
図1に示されたネットワークは、E-UTRAN110、及びEPC120を含む。E-UTRAN110は、移動端末(UE)111及びeNodeB112を含む。EPC120は、ソースMME121S、ターゲットMME121T、Home Subscriber Server(HSS)122、S-GW123、及びP-GW124を含む。
ソースMME121S、ターゲットMME121T及びHSS122は、コントロールプレーンのノード又はエンティティである。ソースMME121S及びターゲットMME121Tは、UE111を含む複数のUE(UEs)のモビリティ管理及びベアラ管理を行うことができる。既に説明したように、モビリティ管理は、UEの現在位置を追跡する(keep track)するために使用され、UEに関するモビリティ管理コンテキスト(MM context)を維持することを含む。ベアラ管理は、EPSベアラの確立を制御し、UEに関するEPS bearer contextを維持することを含む。HSS122は、UE111を含むUEsの加入者情報を管理する。
S-GW123及びP-GW124は、ユーザープレーンのパケット転送ノードであり、ユーザーデータ(つまり、Internet Protocol(IP)パケット)を転送する。S-GW123は、E-UTRAN110とのゲートウェイであり、S1-Uインタフェースを介してeNodeB112に接続される。P-GW124は、Packet Data Network(PDN)130とのゲートウェイであり、SGiインタフェースを介してPDN130に接続される。PDN130は、インターネットのような外部ネットワークであってもよいし、EPC120を管理するオペレータによって提供されるIPサービス(e.g., IP Multimedia Subsystem (IMS)サービス)のためのネットワークであってもよい。
さらに、ソースMME121Sは、EPC120の外部に配置されたコントロールノード142と制御インタフェース141を介して接続されている。コントロールノード142は、例えば、SDNコントローラ、NFVコントローラ、OSS、若しくはEMS、又はこれらの任意の組み合わせである。ソースMME121Sは、コントロールノード142からの指示に従って、EPC120にアタッチ済みのUEs(つまり、EMM-REGISTERED stateのUEs)のモビリティ管理及びベアラ管理をターゲットMME121Tにリロケートするよう構成されている。言い換えると、ソースMME121Sは、UE111がセル間又はトラキングエリア間を移動したか否か関わらず、UE111のモビリティ管理及びベアラ管理をターゲットMME121Tにリロケートすることができる。モビリティ管理及びベアラ管理のリロケーションは、MM context及びEPS Bearer contextの維持をソースMME121Sに代わってターゲットMME121Tが行うことを意味する。
図2は、本実施形態に係るモビリティ管理コンテキスト及びベアラコンテキストのリロケーション手順の具体例を示すシーケンス図である。ステップS11では、ソースMME121Sは、EPC120にアタッチ済みのUEs(つまり、EMM-REGISTERED stateのUEs)のモビリティ管理及びベアラ管理を行っている。
ステップS12では、コントロールノード142は、コンテキスト・リロケーション指示(Context Relocation Command)メッセージをソースMME121Sに送信する。リロケーション指示メッセージは、ソースMME121Sから少なくとも1つのターゲットMME121Tへの、UEsに関するモビリティ管理及びベアラ管理のリロケーションを引き起こす。リロケーション指示メッセージは、少なくとも1つのターゲットMME121Tの識別子を示すリロケーションポリシを含む。ターゲットMME121Tの識別子は、例えば、Globally Unique MME Identity(GUMMEI)、MME Identifier(MMEI)、又はMME Code(MMEC)であってもよい。GUMMEIは、MMEをグローバルに一意に特定するために使用され、Public Land Mobile Network Identifier(PLMN ID)及びMMEIから構成される。MMEIは、1つのPLMN内でMMEを一意に特定するために使用され、MME Group Identifier(MMEGI)及びMMECから構成される。MMECは、1つのMMEグループ内でMMEを一意に特定するために使用される8ビットコードである。
リロケーションポリシは、ソースMME121Sから少なくとも1つのターゲットMME121Tにリロケートされるべきモビリティ管理及びベアラ管理の処理量を示してもよい。モビリティ管理及びベアラ管理の処理量は、UE数、プロセッサリソースの使用量、メモリリソースの使用量、シグナリングの発生数、若しくはトラフィック量、又はこれらの任意の組み合わせとして指定されてもよい。
リロケーションポリシは、リロケーションに対する時間的な制約を示してもよい。具体的には、リロケーションポリシは、リロケーションの開始時間、リロケーションの終了時間、又はリロケーションの実行が許可される期間を示してもよい。
リロケーションポリシは、ソースMME121SからターゲットMME121Tへのリロケーションを行うために複数のシグナリング手順が利用できる場合に、これら複数のシグナリング手順のうちいずれを用いるべきかを示してもよい。複数のシグナリング手順は、例えば、シグナリング量を抑えた手順、シグナリング量は大きいが短時間でリロケーションを完了できる手順、アイドル状態(ECM-IDLE state)のUEだけをリロケーション対象とする手順、コネクテッド状態(ECM-CONNECTED state)のUEをリロケーションの対象とする手順などを含んでもよい。モビリティ管理及びベアラ管理をターゲットMME121Tにリロケートするためのシグナリング手順の具体例は後述する。
例えば、コントロールノード142は、ソースMME121Sの負荷を取得し、ソースMME121Sの負荷に基づいてリロケーションの必要性を判定し、ソースMME121Sの負荷に基づいてリロケーションポリシを決定してもよい。
図2に戻り説明を続ける。ステップS13では、ソースMME121Sは、リロケーション指示メッセージに示されたリロケーションポリシに従って、モビリティ管理及びベアラ管理をターゲットMME121Tにリロケートするためのシグナリング手順を開始する。当該シグナリング手順の具体例は後述する。
ステップS14では、ソースMME121Sは、リロケーションを完了したことを示すコンテキスト・リロケーション完了(Context Relocation Complete)メッセージをコントロールノード142に送信する。
ステップS15では、ターゲットMME121Tは、ソースMME121Sから引き継いだモビリティ管理及びベアラ管理を実行し、UEsのMM context及びEPS bearer contextを維持する。
なお、上述の説明では、コントロールノード142からの指示に基づくモビリティ管理及びベアラ管理のリロケーションが複数のUEを対象として行われる例を説明した。しかしながら、コントロールノード142からの指示に基づく当該リロケーションは、1つのUEを対象として行われてもよい。
以上の説明から理解されるように、本実施形態では、コントロールノード142は、リロケーション指示メッセージをソースMME121Sに送信するよう構成されている。さらに、ソースMME121Sは、コントロールノード142から受信したリロケーション指示メッセージに従って、UE111のモビリティ管理及びベアラ管理をターゲットMME121Tにリロケートするよう構成されている。したがって、本実施形態によれば、ターゲットMME121Tは、UE111がセル間又はトラキングエリア間を移動したか否か関わらず、UE111のモビリティ管理及びベアラ管理をターゲットMME121Tにリロケートすることができる。
なお、コントロールノード142は、他のコントロールノード(仲介ノード)を介して、ソースMME121S又はターゲットMME121Tにリロケーションを指示してもよい。言い換えると、コントロールノード142はソースMME121Sに関するリロケーション指示メッセージを他のコントロールノード(仲介ノード)に送信し、他のコントロールノード(仲介ノード)はリロケーション指示メッセージに基づいてソースMME121S又はターゲットMME121Tにリロケーションを指示してもよい。例えば、他のコントロールノード(仲介ノード)は、コントロールノード142から受信したリロケーション指示メッセージに従って、ソースMME121S及びターゲットMME121Tのための設定情報を生成してもよく、ソースMME121S及びターゲットMME121Tが解読可能な制御メッセージを生成してもよい。この場合、例えば、コントロールノード142は、OSS、SDNコントローラ、又はNFVコントローラであってもよく、他のコントロールノード(仲介ノード)は、EMSであってもよい。
さらに、ソースMME121SからターゲットMME121Tへのモビリティ管理及びベアラ管理のリロケーション手順は、S-GWのリロケーション(又は変更(change))を伴ってもよい。S-GWのリロケーションは、ソースMME121Sによって管理されていたUE111のEPSベアラの経路(つまり、S1ベアラ及びS5/S8ベアラの終端点)をS-GW123から他のS-GWに変更することを意味する。
一例において、ターゲットMME121Tは、自身が有するS-GWセレクション機能に基づいて自発的にS-GWを選択してもよい。これに代えて、リロケーション先のS-GW(ターゲットS-GWと呼ぶ)は、コントロールノード142によって指定されてもよい。すなわち、コントロールノード142は、ソースMME121Sに送信するコンテキスト・リロケーション指示メッセージの中にターゲットS-GWの指定を含めてもよい。この場合、ソースMME121Sは、リロケーション手順(図2のステップS13)において、ターゲットS-GWのアドレスをターゲットMME121Tに知らせてもよい。
続いて以下では、モビリティ管理及びベアラ管理をターゲットMME121Tにリロケートするためのシグナリング手順の具体例の1つを説明する。図3A及び3Bのシーケンス図は、リロケーションのためのシグナリング手順の一例を示している。図3A及び3Bの手順は、図2のステップS13において行われることができる。すなわち、ソースMME121Sは、コントロールノード142からのコンテキスト・リロケーション指示メッセージの受信に応答して、図3A及び3Bに示されたシグナリング手順を開始してもよい。図3A及び3Bに示されたシグナリング手順は、UE111がコネクテッド状態(ECM-CONNECTED state)であるときに開始される。
ステップS101では、ソースMME121Sは、UE111のMM context及びEPS bearer contextをターゲットMME121Tに送信する。この送信には、MME間のS10インタフェースにおいて送信されるGPRS Tunnelling Protocol for the Control Plane(GTP-C)メッセージを利用することができる。例えば、図3Aに示されているように、Forward Relocation Requestメッセージ又はそれを改変したものが使用されてもよい。Forward Relocation Requestメッセージは、S1-based handover手順においてソースMMEからターゲットMMEに送信されるメッセージである。ステップS101のForward Relocation Requestメッセージは、S1-based handover では無くContext Relocationのために送信されるメッセージであることを示す情報要素を含んでもよい。
ステップS102では、ターゲットMME121Tは、ソースMME121Sから受信したUE111のMM context及びEPS bearer contextを自身のメモリ又はストレージ(不図示)に格納する。さらに、ターゲットMME121Tは、UE111のMM context及びEPS bearer contextの受信に応答して、S-GW123において保持されているUE111のEPS bearer contextの更新をS-GW123に要求する。この要求は、UE111のEPS bearerを管理する新たなMME、つまりターゲットMME121TのIPアドレス及びMME TEIDを示す。この要求の送信には、MME121TとS-GW123の間のS11インタフェースにおいて送信されるGTP-Cメッセージを使用することができる。例えば、図3Aに示されているように、Modify Bearer Requestメッセージ又はそれを改変したものが使用されてもよい。
ステップS103では、S-GW123は、UE111のEPS bearer contextに関して保持されているMMEのIPアドレス及びMME TEIDを更新し、応答メッセージ(例えば、Modify Bearer Responseメッセージ)をターゲットMME121Tに送信する。
ステップS104では、ターゲットMME121Tは、UE111のモビリティ管理及びベアラ管理の引き継ぎを受け入れたことをソースMME121Sに通知する。この通知の送信には、MME間のS10インタフェースにおいて送信されるGTP-Cメッセージを使用することができる。例えば、図3Aに示されているように、Forward Relocation Responseメッセージ又はそれを改変したものが使用されてもよい。あるいは、Forward Relocation Complete Notificationメッセージ又はそれを改変したものが使用されてもよい。
ステップS104の通知メッセージは、ターゲットMME121TによってUE111に割り当てられた一時識別子、すなわちMME Mobile Subscriber Identity(M-TMSI)、SAE Temporary Mobile Subscriber Identity(S-TMSI)、又はGlobally Unique Temporary UE Identity(GUTI)を含む。M-TMSIは、1つのMME(ターゲットMME121T)内においてユニークな一時識別子である。S-TMSIは、1つのMME グループ内においてユニークな一時識別子であり、MMEC及びM-TMSIから構成される。GUTIは、グローバルにユニークな一時識別子であり、GUMMEI及びM-TMSIから構成される。
ステップS105では、ソースMME121Sは、ステップS104のメッセージに対する承認(Acknowledge)メッセージをターゲットMME121Tに送信する。当該承認メッセージの送信には、MME間のS10インタフェースにおいて送信されるGTP-Cメッセージを使用することができる。当該承認メッセージは、Forward Relocation Complete Acknowledgeメッセージ又はそれを改変したものであってもよい。
ステップS106〜S109は、MMEの変更をHSS122に知らせるために行われる。ステップS106〜S109は、通常のTAU手順においてMMEの変更をHSS知らせるための手順と同様であってもよい。また、MMEの変更は、図3A及び3Bに示されたリロケーション手順の終了後に行われる通常のTAU手順においてHSS122に知らせることもできる。したがって、ステップS106〜S109は、省略されてもよい。
ステップS106では、ターゲットMME121Tは、UE111に関するMMEの変更をHSS122に知らせるためのメッセージを送信する。当該メッセージの送信には、MME121TとHSS122の間のS6aインタフェースにおいて送信されるDiameterメッセージを使用することができる。図3Aに示されているように、通常のTAU手順と同様に、Update Location Requestメッセージが使用されてもよい。
ステップS107では、HSS122は、UE111に関するMM context及びEPS bearer contextが削除可能であることを知らせるために、Cancel LocationメッセージをソースMME121Sに送信する。Cancel Locationメッセージは、UE111のInternational Mobile Subscriber Identity(IMSI)を示す。ステップS108では、ソースMME121Sは、UE111に関するMM context及びEPS bearer contextを必要に応じて削除する。そして、ソースMME121Sは、Cancel Location AckメッセージをHSS122に送信する。Cancel Location Ackメッセージは、UE111のInternational Mobile Subscriber Identity(IMSI)を示す。ステップS109では、HSS122は、Update Location AckメッセージをターゲットMME121Tに送信することにより、Update Location Requestを承認する。
ステップS110では、eNodeB112とターゲットMME121Tの間でUE111に関するシグナリングを開始するために、ターゲットMME121Tは、ターゲットMME121Tによって割り当てられたMME UE S1AP IDをeNodeB112に通知する。この通知は、ターゲットMME121TとeNodeB112の間のS1-MMEインタフェースにおいて送信されるS1APメッセージを使用して送信されてもよい。ターゲットMME121Tは、例えば、改変されたHandover Requestメッセージ、改良されたE-RAB Modify Requestメッセージ、又は改良されたUE Context Modification Requestメッセージを使用してもよい。
ステップS111では、eNodeB112は、ステップS110のメッセージに対する承認(Acknowledge)メッセージをターゲットMME121Tに送信する。当該承認メッセージの送信には、S1-MMEインタフェースにおいて送信されるS1APメッセージを使用することができる。当該承認メッセージは、Handover Request Ackメッセージ、E-RAB Modify Responseメッセージ、若しくはUE Context Modification Responseメッセージ、又はそれらを改変したものであってもよい。
ステップS112では、ソースMME121Sは、リロケーション後の新たなMME(つまり、ターゲットMME121T)のIDをUE111に知らせる。さらに、ソースMME121Sは、ターゲットMME121TによってUE111に割り当てられた一時識別子をUE111に知らせる。具体的には、ソースMME121Sは、ターゲットMME121TのGUMMEIとターゲットMME121TによってUE111に割り当てられたM-TMSIとから構成されるGUTIをUE111に知らせればよい。
ステップS112では、ソースMME121Sは、以下のように動作してもよい。まず、ターゲットMME121TがステップS111のメッセージを受信した後に例えばHandover Commandメッセージ(又は他のMME間のメッセージ)を利用してリロケーションが完了したことをソースMME121Sに通知し、次に、ソースMME121Sが当該通知を受けた後にステップS112のメッセージを送信してもよい。
ステップS112では、Non-Access Stratum(NAS)メッセージが使用されてもよい。NASメッセージは、E-UTRAN110で終端されること無く、UE111とMME121Sの間で透過的に送受信される。例えば、図3Bに示されているように、GUTI Reallocation Commandメッセージが使用されてもよい。あるいは、新規のNASメッセージが定義されて使用されてもよい。
ステップS113では、UE111は、ターゲットMME121Tによって割り当てられた新たなGUTIをソースMME121Sから受信する。そして、UE111は、自身が管理しているregistered MME情報を当該新たなGUTIを用いて更新する。UE111は、GUTIの受信が完了したことを示すNASメッセージ(e.g., GUTI Reallocation Completeメッセージ)をソースMME121Sに送信する。ターゲットMME121Tを示すように更新されたregistered MME情報は、これ以降のRRCメッセージ及びNASメッセージ(TAU Request、Service Request等)の送信の際に使用される。ステップS113においてNASメッセージ(e.g., GUTI Reallocation Completeメッセージ)を受けたソースMME121Sは、UE111に対するリロケーションの通知が完了したことをターゲットMME121Tに知らせてもよい。
図3A及び3Bの例は一例である。例えば、ステップS110では、ターゲットMME121Tの代わりにソースMME121Sが、ターゲットMME121Tによって割り当てられたMME UE S1AP IDをeNodeB112に通知してもよい。さらに、ステップS112では、ソースMME121Sの代わりにターゲットMME121Tが、ターゲットMME121TのID(e.g., GUMMEI)又はUE一時識別子(e.g., GUTI)をUE111に知らせてもよい。
また、上述の図3A及び3Bに示されたソースMME121SからターゲットMME121Tへのリロケーション手順では、セキュリティ鍵(Security Key)に関する情報(例えば、KeNB、KeNB*、Next Hop Chaining Count(NHCC)、Next-Hop(NH))を更新せずに、UE111がソースMME121Sに帰属(レジストレーション)していたときに使用していたものを再利用してもよい。あるいは、ソースMME121S(又はターゲットMME121T)は、ハンドオーバの場合のように新たなSecurity Keyに関する情報を導出し、これをeNodeB112を介してUE111に通知してもよい。
Security Keyに関する情報を更新せずに再利用する場合、ステップS112では、ソースMME121SがNAS: GUTI Reallocation Commandメッセージ(又は新規のNASメッセージ)をS1APメッセージでeNodeB112に送信し、eNodeB112が当該GUTI Reallocation CommandメッセージをRRC Connection ReconfigurationメッセージでUE111に送信してもよい。一方、Security Keyに関する情報を更新する場合、ステップS112では、ソースMME121SがNAS: GUTI Reallocation Commandメッセージ(又は新規のNASメッセージ)をS1APメッセージでeNodeB112に送信し、eNodeB112が当該GUTI Reallocation CommandメッセージをmobilityControlInfo IEを含むRRC Connection ReconfigurationメッセージでUE111に送信してもよい。
ステップS112では、ソースMME121Sの代わりにターゲットMME121Tが新たなGUTIをUE111に知らせてもよい。例えば、ソースMME121Sは、新たなGUTIを示すGUTI Reallocation CommandメッセージをUE111に送信してもよい。この場合、UE111は、ステップS113において、GUTIの受信が完了したことを示すNASメッセージ(e.g., GUTI Reallocation Completeメッセージ)をターゲットMME121Tに送信してもよい。
モビリティ管理及びベアラ管理をソースMME121SからターゲットMME121Tにリロケートするためのシグナリング手順の他の例は、以下の複数の実施形態において説明される。
<第2の実施形態>
本実施形態は、第1の実施形態で説明されたモビリティ管理及びベアラ管理のリロケーション手順の具体例を説明する。本実施形態に係る移動通信ネットワークの構成例は、第1の実施形態に関して説明された図1と同様とすればよい。図4のシーケンス図は、リロケーションのためのシグナリング手順の一例を示している。図4の手順は、図2のステップS13において行われることができる。すなわち、ソースMME121Sは、コントロールノード142からのコンテキスト・リロケーション指示メッセージの受信に応答して、図4に示されたシグナリング手順を開始してもよい。図4に示されたシグナリング手順は、UE111がアイドル状態(ECM-IDLE state)であるときに開始される。図4の手順では、ソースMME121Sは、UE111にリロケーションを知らせるために、Network triggered Service Request手順を利用する。
すなわち、ステップS201では、ソースMME121Sは、UE111のトラッキングエリア内に位置するeNodeB112を含む複数のeNodeBに対してページングメッセージを送信する(S1AP: Paging)。ステップS202では、eNodeB112は、S1AP Pagingを受信し、RRC: Paging messageを作成し、RRC: Paging messageをPaging control channel (PCCH)、Paging channel (PCH)、及びPhysical downlink shared channel (PDSCH)において送信する。このRRC: Paging messageは、ソースMME121SがUEに割り当てていた一時識別子(つまり、S-TMSI)を宛先とする。
ステップS203では、UE111は、ページングの受信に応答して、UE triggered Service Request手順を開始する。ステップS203の完了により、UE111は、コネクテッド状態(ECM-CONNECTED state)となる。ステップS204では、ソースMME121Sは、UE111がコネクテッド状態(ECM-CONNECTED state)に対応したリロケーション手順を開始する。ステップS204では、ソースMME121Sは、図3A及び3Bに示された手順を行ってもよい。
図4の手順によれば、アイドル状態(ECM-IDLE state)のUEの111のモビリティ管理及びベアラ管理をリロケーションすることができる。
<第3の実施形態>
本実施形態は、第1の実施形態で説明されたモビリティ管理及びベアラ管理のリロケーション手順の具体例を説明する。本実施形態に係る移動通信ネットワークの構成例は、第1の実施形態に関して説明された図1と同様とすればよい。図5のシーケンス図は、リロケーションのためのシグナリング手順の一例を示している。図5の手順は、図2のステップS13において行われることができる。すなわち、ソースMME121Sは、コントロールノード142からのコンテキスト・リロケーション指示メッセージの受信に応答して、図5に示されたシグナリング手順を開始してもよい。図5に示されたシグナリング手順は、UE111がアイドル状態(ECM-IDLE state)であるときに開始される。図5の手順では、ソースMME121Sは、ページング手順を用いて、ターゲットMME121TのID(つまり、GUMMEI、MMEI、又はMMEC)を含むUE一時識別子(つまり、S-TMSI又はGUTI)をアイドル状態のUE111に送信する。
ステップS221では、ソースMME121Sは、EPC120にアタッチ済み(i.e., EMM-REGISTERED state)のUE111のモビリティ管理サービス及びベアラ管理サービスをターゲットMME121Tにリロケートする。ステップS221で行われる手順は、図3AのステップS101〜S105で行われる手順と同様であってもよい。ステップS222では、ターゲットMME121Tは、MMEの変更をHSS122に知らせる。ステップS222で行われる手順は、通常のTAU手順においてMMEの変更をHSS知らせるための手順と同様であってよく、すなわち図3AのステップS106〜S109で行われる手順と同様であってもよい。また、図3AのステップS106〜S109に関して説明したのと同様に、ステップS222は省略されてもよい。
ステップS223及びS224では、ソースMME121Sは、リロケーション後の新たなMME(つまり、ターゲットMME121T)のIDと、ターゲットMME121TによってUE111に割り当てられたUE一時識別子とをUE111に知らせる。具体的には、ソースMME121Sは、ターゲットMME121TによってUE111に割り当てられたGUTIをUE111に知らせればよい。図5の例では、新たなGUTIをUE111に知らせるためにページングが使用される。
すなわち、ステップS223では、ソースMME121Sは、eNodeB112を含むトラッキングエリア内の複数のeNodeBに対してページングメッセージを送信する(S1AP: Paging)。当該ページングメッセージは、ソースMME121SがUEに割り当てていた一時識別子(つまり、S-TMSI)を宛先とし、且つターゲットMME121TによってUE111に割り当てられた新たなGUTIを示す。ステップS224では、eNodeB112は、S1AP Pagingを受信し、RRC: Paging messageを作成し、RRC: Paging messageをPaging control channel (PCCH)、Paging channel (PCH)、及びPhysical downlink shared channel (PDSCH)において送信する。このRRC: Paging messageは、ソースMME121SがUEに割り当てていた一時識別子(つまり、S-TMSI)を宛先とし、且つターゲットMME121TによってUE111に割り当てられたGUTIを示す。
UE111は、ステップS224のページングメッセージを受信し、自身が管理しているregistered MME情報をターゲットMME121Tによって割り当てられた新たなGUTIを用いて更新する。ターゲットMME121Tを示すように更新されたregistered MME情報は、これ以降のRRCメッセージ及びNASメッセージ(TAU Request、Service Request等)の送信の際に使用される。例えば、図5のステップS225〜S227に示されるように、UE111は、Service Requestメッセージ、及びService Requestメッセージを送信するためのRRCコネクションの確立手順において、ターゲットMME121Tによって割り当てられたGUTI、又はこれから導き出されるS-TMSI若しくはGUMMEIを使用する。
ここで、上述のページングメッセージ(RRC: Paging message)によってリロケーションをUE111に通知するために、例えば、Paging message内に新たな情報要素(e.g., relocationIndication)を定義し、eNodeB112が当該relocationIndicationを有効にしてUE111に送信してもよい。例えば、relocatioIndicationは、ターゲットMME121Tによって新たにUE111に割り当てられたGUTIを示す。図21及び22は、ターゲットMME121Sによって割り当てられたGUTIを示すrelocatioIndicationを含むように拡張されたPaging messageの構成の具体例を示している。
図21は、eNodeBが、リロケーションの対象となるUEに対してのみrelocationIndication-rXYZを含む、つまり当該IEがTrueに設定されたPaging messageを送信する。UEは、例えばPaging messageで通知されるPagingUE-Identity(例えばs-TMSI)が自身に割り当てられているものと一致した場合、relocationIndication-rXYZが含まれるか否かを確認し、relocationIndication-rXYZが含まれている場合には、上述のリロケーション手順を実行する。
一方、図22は、eNodeBが、リロケーションの対象となる1つ以上のUEに対して一斉にリロケーションの指示を行う場合の例である。例えば、当該Paging messageは、リロケーションの為だけのPaging messageとして使用することが考えられる。eNodeBは、リロケーションの対象となるUEのPagingUE-Identity(のリスト)をPaging messageに含めると共に、relocationIndication-rXYZをPaging messageに含めて(つまり、Trueに設定して)当該Paging messageを送信する。この場合も、UEは、例えばPaging messageで通知されるPagingUE-Identity(例えばs-TMSI)が自身に割り当てられているものと一致した場合、relocationIndication-rXYZが含まれるか否かを確認し、relocationIndication-rXYZが含まれている場合には、上述のリロケーション手順を実行する。なお、図21及び図22のrelocationIndicationのpostfix 「-rXYZ」は当該IEが規定される仕様のリリース番号を意味し、説明の便宜上示されている。したがって、relocationIndication-rXYZは、上述の説明のrelocationIndicationと同様の意味である。
図5に戻って説明を続ける。ステップS225では、UE111は、ターゲットMME121Tによって割り当てられた新たなGUTIから導き出されたS-TMSIをUE Identityとして示すRRC Connection RequestメッセージをRRCコネクションの確立手順においてeNodeB112に送信する。ステップS226では、UE111は、当該新たなGUTIから導き出されたGUMMEIをRegistered MME情報として示すRRC Connection Setup CompleteメッセージをRRCコネクションの確立手順においてeNodeB112に送信する。このRRC Connection Setup Completeメッセージは、NASメッセージ、つまりここではService Requestメッセージ、をカプセル化している。ステップS227では、eNodeB112は、RRC Connection Setup CompleteメッセージからService Requestメッセージを取り出し、ステップS225で受信していたS-TMSIに基づいてターゲットMME121Tを選択し、Service Requestメッセージ及びS-TMSIを含むS1AP: Initial UE MessageをターゲットMME121Tに送信する。
図5の手順によれば、既存のページングメッセージのフォーマットを改変し、既存のページングの仕組みを流用してUE111に対してモビリティ管理及びベアラ管理のリロケーションが発生したことを知らせることができる。
なお、図5の手順は、ステップS223のページングメッセージの送信をソースMME121Sの代わりにターゲットMME121Tが行うよう改変されてもよい。
<第4の実施形態>
本実施形態は、第1の実施形態で説明されたモビリティ管理及びベアラ管理のリロケーション手順の具体例を説明する。本実施形態に係る移動通信ネットワークの構成例は、第1の実施形態に関して説明された図1と同様とすればよい。図6のシーケンス図は、リロケーションのためのシグナリング手順の一例を示している。図6の手順は、図2のステップS13において行われることができる。すなわち、ソースMME121Sは、コントロールノード142からのコンテキスト・リロケーション指示メッセージの受信に応答して、図6に示されたシグナリング手順を開始してもよい。図6に示されたシグナリング手順は、UE111がアイドル状態(ECM-IDLE state)であるときに開始される。図6の手順では、ソースMME121Sは、UE111にリロケーションを知らせるためにNetwork triggered Service Request手順を利用する。
ステップS241及びS242で行われる手順は、図5のステップS221及びS222で行われる手順と同様である。ステップS242は省略されてもよい。
ステップS243では、ソースMME121Sは、アイドル状態のUE111とシグナルするために、Network triggered Service Request手順を開始する。すなわち、ステップS243では、ソースMME121Sは、UE111のトラッキングエリア内に位置するeNodeB112を含む複数のeNodeBに対してページングメッセージを送信する(S1AP: Paging)。ステップS244では、eNodeB112は、S1AP Pagingを受信し、RRC: Paging messageを送信する。このRRC: Paging messageは、ソースMME121SがUEに割り当てていた一時識別子(つまり、S-TMSI)を宛先とする。
ステップS245では、UE111は、ページングの受信に応答して、UE triggered Service Request手順を開始する。ステップS245の完了により、UE111は、コネクテッド状態(ECM-CONNECTED state)となる。
ステップS246では、ソースMME121Sは、リロケーション後の新たなMME(つまり、ターゲットMME121T)のIDをUE111に知らせる。さらに、ソースMME121Sは、ターゲットMME121TによってUE111に割り当てられた一時識別子をUE111に知らせる。具体的には、ソースMME121Sは、ターゲットMME121TによってUE111に割り当てられたGUTIをUE111に知らせればよい。ステップS246では、NASメッセージが使用されてもよい。例えば、図6に示されているように、GUTI Reallocation Commandメッセージが使用されてもよい。あるいは、新規のNASメッセージが定義されて使用されてもよい。
ステップS247では、UE111は、ターゲットMME121Tによって割り当てられた新たなGUTIをソースMME121Sから受信する。そして、UE111は、自身が管理しているregistered MME情報を当該新たなGUTIを用いて更新する。UE111は、GUTIの受信が完了したことを示すNASメッセージ(e.g., GUTI Reallocation Completeメッセージ)をソースMME121Sに送信する。ターゲットMME121Tを示すように更新されたregistered MME情報は、これ以降のRRCメッセージ及びNASメッセージ(TAU Request、Service Request等)の送信の際に使用される。
ソースMME121Sは、ステップS247のUE111からのNASメッセージの受信を条件として、自身が保持しているUE111に関するコンテキストを削除してもよい。
図6の手順によれば、Network triggered Service Request手順を利用して、モビリティ管理及びベアラ管理のリロケーションが発生したことをUE111に知らせることができる。
なお、図6の手順は、ステップS243のページングメッセージの送信及びステップS246のGUTIのUEへの通知をソースMME121Sの代わりにターゲットMME121Tが行うよう改変されてもよい。
さらに、図6の手順は、ソースMME121S又はターゲットMME121Tによるページングを開始せずに、UE triggered Service Request手順においてUE111からService Requestメッセージを受信したときにリロケーションをUE111に通知するよう改変されてもよい。この場合、ソースMME121Sは、UE112からService Requestメッセージを受信し、且つリロケーション(ターゲットMME121Tによって割り当てられたGUTI)のUE111への通知が完了するまで、UEが111のコンテキストを保持し続ける。
<第5の実施形態>
本実施形態は、第1の実施形態で説明されたモビリティ管理及びベアラ管理のリロケーション手順の具体例を説明する。本実施形態に係る移動通信ネットワークの構成例は、第1の実施形態に関して説明された図1と同様とすればよい。図7のシーケンス図は、リロケーションのためのシグナリング手順の一例を示している。図7の手順は、図2のステップS13において行われることができる。すなわち、ソースMME121Sは、コントロールノード142からのコンテキスト・リロケーション指示メッセージの受信に応答して、図7に示されたシグナリング手順を開始してもよい。図7の手順では、ソースMME121Sは、MME始動のデタッチ手順(MME-initiated Detach procedure)の間に、ターゲットMME121TのID(つまり、GUMMEI、MMEI、又はMMEC)をUE111に送信する。
ステップS301では、ソースMME121Sは、UE111に対してDetach Requestメッセージを送信する。当該Detach Requestメッセージは、ターゲットMME121TのIDを含む。ターゲットMME121TのIDは、GUMMEI、MMEI、又はMMECであってもよい。ステップS302では、ステップS301でのDetach Requestメッセージの送信に引き続いてMME-initiated Detach procedureが行われる。
UE111は、Detach RequestメッセージからターゲットMME121TのID又はUE一時識別子(e.g., GUMMEI、MMEI、又はMMEC)を取り出し、これを保存する。Detach Requestメッセージから取り出されたターゲットMME121TのID又はUE一時識別子は、次回のアタッチ手順におけるRRCメッセージ及びNASメッセージ(Attach Request)の送信の際に使用される。
ステップS303〜S306は、UE111がEPC120に再びアタッチするための手順を示している。ステップS303では、UE111は、ランダム値をUE Identityとして示すRRC Connection RequestメッセージをRRCコネクションの確立手順においてeNodeB112に送信する。ステップS304では、UE111は、ターゲットMME121TのGUMMEIをRegistered MME情報として示すRRC Connection Setup CompleteメッセージをRRCコネクションの確立手順においてeNodeB112に送信する。RRC Connection Setup Completeメッセージは、NASメッセージ、つまりここではAttach Requestメッセージ、をカプセル化している。ステップS305では、eNodeB112は、RRC Connection Setup CompleteメッセージからAttach Requestメッセージを取り出し、RRC Connection Setup Completeメッセージに含まれるGUMMEIに基づいてターゲットMME121Tを選択し、Attach Requestメッセージを含むS1AP: Initial UE MessageをターゲットMME121Tに送信する。ステップS306では、ステップS305でのAttach Requestメッセージの送信に引き続いてAttach procedureが行われる。
なお、ステップS305においてeNodeB112がMMEセレクション機能に基づく自発的なMME選択を行わないようにするために、ステップS304のRRC Connection Setup Completeメッセージは、MMEセレクション機能に基づくMME選択が不要であることを明示的に示してもよい。
図7の手順によれば、UE111がEPC120から一度デタッチした後に再アタッチすることで、UE111のモビリティ管理及びベアラ管理をターゲットMME121Tに引き継ぐことができる。
<第6の実施形態>
本実施形態は、第1の実施形態で説明されたモビリティ管理及びベアラ管理のリロケーション手順の具体例を説明する。本実施形態に係る移動通信ネットワークの構成例は、第1の実施形態に関して説明された図1と同様とすればよい。図8のシーケンス図は、リロケーションのためのシグナリング手順の一例を示している。図8の手順は、図2のステップS13において行われることができる。すなわち、ソースMME121Sは、コントロールノード142からのコンテキスト・リロケーション指示メッセージの受信に応答して、図8に示されたシグナリング手順を開始してもよい。図8に示されたシグナリング手順は、UE111がアイドル状態(ECM-IDLE state)であるときに開始される。図8の手順では、ソースMME121Sは、UE111にリロケーションを知らせるために、UE111からのService Requestメッセージに対してService Rejectメッセージを返信するよう動作する。
ステップS321及びS322で行われる手順は、図5のステップS221及びS222で行われる手順と同様である。ステップS322は省略されてもよい。
ステップS323では、ソースMME121Sは、UE111からService Requestメッセージを受信する。ステップS323では、ソースMME121Sは、当該Service Requestメッセージの受信に応答して、Service Rejectメッセージを返信する。当該Service Rejectメッセージは、ターゲットMME121Tの識別子(e.g., GUMEI、MMEI、又はMMEC)、又はターゲットMME121TによってUE111に割り当てられた新たなUE一時識別子(e.g., S-TMSI又はGUTI)を示す。
UE111は、Service Rejectメッセージを受信する。そして、UE111は、自身が管理しているregistered MME情報をService Rejectメッセージを用いて通知された新たなGUMEI及びGUTI等で更新する。ターゲットMME121Tを示すように更新されたregistered MME情報は、これ以降のRRCメッセージ及びNASメッセージ(Attach Request、TAU Request、Service Request等)の送信の際に使用される。
図8の手順では、Service Rejectメッセージを受信したUE111は、Attach手順を開始する。ステップS325〜S327で行われる手順は、図7のステップS303〜S305で行われる手順と同様である。
図8の手順によれば、Service Rejectメッセージを利用して、モビリティ管理及びベアラ管理のリロケーションが発生したことをUE111に知らせることができる。また、図8の手順によれば、ソースMME121SからターゲットMME121Tへのリロケーションを任意の機会に行っておき、UE111からEPC120へのアクセスがあったときにリロケーションの発生をUE111に知らせることができる。
なお、図8の手順は、UE111によるService Requestメッセージの送信(ステップS323)を促すために、ソースMME121SがUE111をページングするよう改変されてもよい。
さらに、図8の手順は、ターゲットMME121Tの識別子(e.g., GUMEI、MMEI、又はMMEC)、又はターゲットMME121TによってUE111に割り当てられた新たなUE一時識別子(e.g., S-TMSI又はGUTI)をUE111に通知するために、Service Rejectメッセージとは異なる他のNASメッセージを利用するように改変されてもよい。例えば、GUTI Reallocation Commandメッセージが使用されてもよい。あるいは、新規のNASメッセージが定義されて使用されてもよい。
さらにまた、図8の手順は、Service Rejectメッセージ又はこれに代わるNASメッセージを受信した場合に、UE111がAttach手順ではなくService Request手順を開始するよう改変されてもよい。
<第7の実施形態>
本実施形態は、第1の実施形態で説明されたモビリティ管理及びベアラ管理のリロケーション手順の具体例を説明する。本実施形態に係る移動通信ネットワークの構成例は、第1の実施形態に関して説明された図1と同様とすればよい。図9のシーケンス図は、リロケーションのためのシグナリング手順の一例を示している。図9の手順は、図2のステップS13において行われることができる。すなわち、ソースMME121Sは、コントロールノード142からのコンテキスト・リロケーション指示メッセージの受信に応答して、図9に示されたシグナリング手順を開始してもよい。図9の手順では、ソースMME121Sは、S1 Release手順の間に、ターゲットMME121TのID(つまり、GUMMEI、MMEI、又はMMEC)を含むUE一時識別子(つまり、S-TMSI又はGUTI)をUE111に送信する。
ステップS401では、ソースMME121Sは、UE111のための全てのS1-Uベアラの解放(release)を要求するRelease Access Bearers RequestメッセージをS-GW123に送信する。ステップS402では、S-GW123は、UE111のためのeNodeBに関する情報(つまり、S1-Uベアラに関する情報)の全てを解放し、Release Access Bearers ResponseメッセージをソースMME121Sに送信する。
ステップS403及びS404で行われる手順は、図5のステップS221及びS222で行われる手順と同様である。ステップS404は省略されてもよい。
ステップS405及びS406では、ソースMME121Sは、リロケーション後の新たなMME(つまり、ターゲットMME121T)のIDと、ターゲットMME121TによってUE111に割り当てられたUE一時識別子とをUE111に知らせる。具体的には、ソースMME121Sは、ターゲットMME121TによってUE111に割り当てられた新たなGUTIをUE111に知らせればよい。図9の例では、新たなGUTIをUE111に知らせるために、RRCコネクションのリリースのためeNodeB112から送信されるRRCメッセージ(つまり、RRC: RRC Connection Releaseメッセージ)が使用される。
すなわち、ステップS405では、ソースMME121Sは、コネクテッド状態(ECM-CONNECTED状態)のUE111が現在接続しているeNodeB112に対して、S1AP: S1 UE Context Release Commandメッセージを送信する。このS1 UE Context Release Commandメッセージは、ターゲットMME121TによってUE111に割り当てられた新たなGUTIを示す。ステップS406では、eNodeB112は、RRC Connection ReleaseメッセージをUE111に送信する。このRRC Connection Releaseメッセージは、ターゲットMME121Tによって割り当てられた新たなGUTIを示す。
UE111は、ステップS406のRRC Connection Releaseメッセージを受信し、自身が管理しているregistered MME情報をターゲットMME121Tによって割り当てられた新たなGUTIを用いて更新する。ターゲットMME121Tを示すように更新されたregistered MME情報は、これ以降のRRCメッセージ及びNASメッセージ(TAU Request、Service Request等)の送信の際に使用される。例えば、図9のステップS407に示されるように、UE111は、TAU Requestメッセージ、及びTAU Requestメッセージを送信するためのRRCコネクションの確立手順において、ターゲットMME121Tによって割り当てられたGUTI、又はこれから導き出されるS-TMSI若しくはGUMMEIを使用する。
ステップS407では、UE111は、ターゲットMME121Tによって割り当てられた新たなGUTIから導き出されたGUMMEIをRegistered MME情報として示すRRC Connection Setup CompleteメッセージをRRCコネクションの確立手順においてeNodeB112に送信する。このRRC Connection Setup Completeメッセージは、NASメッセージ、つまりここではTAU Requestメッセージ、をカプセル化している。ステップS408では、eNodeB112は、RRC Connection Setup CompleteメッセージからTAU Requestメッセージを取り出し、RRC Connection Setup Completeメッセージに含まれるGUMMEIに基づいてターゲットMME121Tを選択し、TAU Requestメッセージを含むS1AP: Initial UE MessageをターゲットMME121Tに送信する。
図9の手順によれば、既存のS1 Release手順、並びにS1 UE Context Release Commandメッセージ及びRRC Connection Releaseメッセージのメッセージフォーマットを改変することで、UE111に対してモビリティ管理及びベアラ管理のリロケーションが発生したことを知らせることができる。
ここで、RRC Connection Releaseメッセージのフォーマットは、例えば図23に示すように改変されてもよい。つまり、図23は、RRC Connection Releaseメッセージの改変されたフォーマットの一例を示している。図23の例では、RRC ConnectionのRelease causeに、MME relocationの指示を示す(意味する)relocationMMEというcause valueが追加されている。UE111は、RRC Connection ReleaseメッセージのRelease causeがrelocationMMEに設定されていたら、上記の動作を実行するようにしてもよい。なお、relocationMMEは一例であり、MME relocationを指示するものであれば、例えばMMErelocation、relocationRequired、re-registeredRequired、registrationUpdate、registrationUpdateRequired、GUTIupdate、GUTIupdateRequired、などでもよい。
<第8の実施形態>
本実施形態は、第1の実施形態で説明されたモビリティ管理及びベアラ管理のリロケーション手順の具体例を説明する。本実施形態に係る移動通信ネットワークの構成例は、第1の実施形態に関して説明された図1と同様とすればよい。図10A及び10Bのシーケンス図は、リロケーションのためのシグナリング手順の一例を示している。図10A及び10Bの手順は、図2のステップS13において行われることができる。すなわち、ソースMME121Sは、コントロールノード142からのコンテキスト・リロケーション指示メッセージの受信に応答して、図10A及び10Bに示されたシグナリング手順を開始してもよい。図10A及び10Bの手順では、ソースMME121Sは、Tracking Area Update(TAU)手順の間に、ターゲットMME121TのID(つまり、GUMMEI、MMEI、又はMMEC)を含むUE一時識別子(つまり、S-TMSI又はGUTI)をUE111に送信する。
ステップS501では、UE111は、ソースMME121Sに登録されており、アイドル状態(ECM-IDLE state)である。そして、UE111は、周期的TAUタイマ(periodic TAU timer)の満了に応じて、現在のTracking Area Identity(TAI)をソースMME121Sに知らせるためにTAU RequestメッセージをソースMME121Sに送信する。このTAU Requestメッセージは、そのupdate type によって“Periodic Updating”であることを示す。
ステップS502では、ソースMME121Sは、UE111からのTAU Requestメッセージのintegrity checkを行う。integrity checkが失敗した場合、ソースMME121Sは、UE111に関するAuthentication and NAS Security Setupを行う。
ステップS503では、ソースMME121Sは、UE111のMM context及びEPS bearer contextをターゲットMME121Tに送信する。この送信には、MME間のS10インタフェースにおいて送信されるGTP-Cメッセージを利用することができる。例えば、図10Aに示されているように、Forward Relocation Requestメッセージ又はそれを改変したものが使用されてもよい。ステップS503のForward Relocation Requestメッセージは、S1-based handover では無くContext Relocationを伴うTAUのために送信されるメッセージであることを示す情報要素を含んでもよい。
ステップS504では、ターゲットMME121Tは、ソースMME121Sから受信したUE111のMM context及びEPS bearer contextを自身のメモリ又はストレージ(不図示)に格納する。さらに、ターゲットMME121Tは、UE111のMM context及びEPS bearer contextの受信に応答して、S-GW123において保持されているUE111のEPS bearer contextの更新をS-GW123に要求する。この要求の送信には、MME121TとS-GW123の間のS11インタフェースにおいて送信されるGTP-Cメッセージを使用することができる。例えば、図10Aに示されているように、Modify Bearer Requestメッセージ又はそれを改変したものが使用されてもよい。
ステップS504のGTP-Cメッセージ(例えば、Modify Bearer Requestメッセージ)は、UE111のEPS bearerを管理する新たなMME、つまりターゲットMME121TのIPアドレス及びMME TEIDを示す。さらに、この要求は、UE111の現在位置情報(つまり、E-UTRAN Cell Global Identifier(ECGI)及びTracking Area Identity (TAI))を示す。
S-GW123は、ターゲットMME121TからUE111の現在位置情報(ECGI及びTAI)を受信し、UE111のECGI及びTAIが変化したかを確認する。もし変化した場合、UE111は、Modify Bearer RequestメッセージをP-GW124に送信する(ステップS505)。P-GW124は、UE111のEPS bearer contextに含まれるUE111の現在位置情報を更新し、Modify Bearer ResponseメッセージをS-GW123に送信する(ステップS506)。ステップS507では、S-GW123は、応答メッセージ(例えば、Modify Bearer Responseメッセージ)をターゲットMME121Tに送信する。
ステップS507〜S511は、MMEの変更をHSS122に知らせるために行われる。ステップS507〜S511の手順は、通常のTAU手順においてMMEの変更をHSS知らせるための手順と同様であってもよく、したがって図3AのステップS106〜S109の手順と同様であってもよい。
ステップS512では、ターゲットMME121Tは、UE111のモビリティ管理及びベアラ管理の引き継ぎを受け入れたことをソースMME121Sに通知する。この通知の送信には、MME間のS10インタフェースにおいて送信されるGTP-Cメッセージを使用することができる。例えば、図10Bに示されているように、Forward Relocation Responseメッセージ又はそれを改変したものが使用されてもよい。あるいは、Forward Relocation Complete Notificationメッセージ又はそれを改変したものが使用されてもよい。
ステップS512の通知メッセージは、ターゲットMME121TによってUE111に割り当てられた一時識別子、すなわちM-TMSI、S-TMSI、又はGUTIを含む。
ステップS513では、ソースMME121Sは、ステップS512のメッセージに対する承認(Acknowledge)メッセージをターゲットMME121Tに送信する。当該承認メッセージの送信には、MME間のS10インタフェースにおいて送信されるGTP-Cメッセージを使用することができる。当該承認メッセージは、Forward Relocation Complete Acknowledgeメッセージ又はそれを改変したものであってもよい。
ステップS514では、ソースMME121Sは、TAU Acceptメッセージを用いて、リロケーション後の新たなMME(つまり、ターゲットMME121T)のIDをUE111に知らせる。さらに、ソースMME121Sは、ターゲットMME121TによってUE111に割り当てられた一時識別子をUE111に知らせる。具体的には、ソースMME121Sは、ターゲットMME121TのGUMMEIとターゲットMME121TによってUE111に割り当てられたM-TMSIとから構成されるGUTIをUE111に知らせればよい。
UE111は、TAU Acceptメッセージを受信し、ターゲットMME121Tによって割り当てられた新たなGUTIをTAU Acceptメッセージから取り出し、自身が管理しているregistered MME情報を当該新たなGUTIを用いて更新する。そして、ステップS515では、UE111は、新たなGUTIを受け取ったことを知らせるために、TAU CompleteメッセージをソースMME121Sに送信する。ターゲットMME121Tを示すように更新されたregistered MME情報は、ステップS515より後のRRCメッセージ及びNASメッセージ(TAU Request、Service Request等)の送信の際に使用される。
図10A及び10Bの手順によれば、既存のTAU手順を改変することで、UE111に対してモビリティ管理及びベアラ管理のリロケーションが発生したことを知らせることができる。
<第9の実施形態>
本実施形態は、第1の実施形態で説明されたモビリティ管理及びベアラ管理のリロケーション手順の具体例を説明する。本実施形態に係る移動通信ネットワークの構成例は、第1の実施形態に関して説明された図1と同様とすればよい。図11のシーケンス図は、リロケーションのためのシグナリング手順の一例を示している。図11の手順は、図2のステップS13において行われることができる。すなわち、ソースMME121Sは、コントロールノード142からのコンテキスト・リロケーション指示メッセージの受信に応答して、図11に示されたシグナリング手順を開始してもよい。
図11の手順では、ソースMME121S又はターゲットMME121Tは、EPC120にアタッチ済みであり(i.e., EMM-REGISTERED state)且つアイドル状態(i.e., ECM-IDLE State)のUE111からソースMME121S宛てのNASメッセージをターゲットMME121TにリダイレクトするようeNodeB112に指示する。そして、eNodeB112は、ソースMME121S又はターゲットMME121Tからの指示に従って、ソースMME121Sを指定するRRCパラメータを含むRRCメッセージと共にUE111から受信したNASメッセージをターゲットMME121Tにリダイレクトするよう動作する。
ステップS601及びS602で行われる手順は、図5のステップS221及びS222で行われる手順と同様である。ステップS602は省略されてもよい。
ステップS603では、ターゲットMME121Tは、ソースMME121S宛てのNASメッセージをターゲットMME121TにリダイレクトするようeNodeB112に指示する。この指示の送信には、MME121TとeNodeB112の間のS1-MMEインタフェースにおいて送信されるS1APメッセージを使用することができる。例えば、図11に示されているように、新規メッセージ(S1AP: Redirection Commandメッセージ)が使用されてもよい。S1AP: Redirection Commandメッセージは、ソースMME121SとターゲットMME121Tの関連付けを示す。例えば、S1AP: Redirection Commandメッセージは、ソースMME121S及びターゲットMME121TのIDs(つまり、GUMMEIs、MMEIs、又はMMECs)を含んでもよい。あるいは、ステップS603では、既存のS1APメッセージ(e.g., MME Configuration Updateメッセージ)又はそれを改変したものが使用されてもよい。
eNodeB112は、S1AP: Redirection Commandメッセージを受信し、ソースMME121S宛てのNASメッセージをターゲットMME121Tにリダイレクトするよう設定する。ステップS604では、eNodeB112は、リダイレクト指示を受け取ったことを知らせるためのS1APメッセージ(S1AP: Redirection Completeメッセージ)をソースMME121Sに送信する。
ステップS605〜S606は、NAS: TAU Requestメッセージをカプセル化しているRRC Connection Setup Completeメッセージを受信したときの動作を示している。すなわち、eNodeB112は、ソースMME121SのGUMMEIを指定するRRCパラメータを含むRRC Connection Setup Completeメッセージを受信する(ステップS506)。次に、eNodeB112は、当該RRC Connection Setup CompleteメッセージからTAU Requestメッセージを取り出し、当該RRC Connection Setup Completeメッセージに含まれるソースMME121SのGUMMEIがリダイレクションのためにターゲットMME121のGUMMEIに対応付けられていることを判定する。そして、eNodeB112は、ターゲットMME121Tを選択し、TAU Requestメッセージを含むS1AP: Initial UE MessageをターゲットMME121Tに送信する(ステップS606)。
上述した図3(図3A及び3B)〜図10(図10A及び10B)のリロケーション手順は、UE単位で実行される。したがって、シグナリング量は図11の手順に比べて多いけれども、図3(図3A及び3B)〜図10(図10A及び10B)のリロケーション手順は、ソースMME121SからターゲットMME121Tにリロケートする負荷をUE単位で調整することができる利点がある。一方、図11のリロケーション手順は、ソースMME121Sによって行われていた全てのUEsのモビリティ管理及びベアラ管理をまとめてターゲットMME121Tに移転する。しかしながら、図11のリロケーション手順のシグナリング量は、図3(図3A及び3B)〜図10(図10A及び10B)のリロケーション手順のそれに比べて小さくなることが期待できる。さらに、図11の手順によれば、モビリティ管理及びベアラ管理のリロケーションをUE111に通知する必要がなく、当該リロケーションをEPC120及びeNodeB112において完了することができる。したがって、図11の手順は、UE111に新たな機能を追加することなく、モビリティ管理及びベアラ管理のリロケーションを行うことができる利点がある。
なお、図11は、ターゲットMME121TがeNodeB112にリダイレクトを指示する例を示した。しかしながら、ターゲットMME121Tの代わりにソースMME121SがeNodeB112にリダイレクトを指示してもよい。
<第10の実施形態>
本実施形態は、第1の実施形態で説明されたモビリティ管理及びベアラ管理のリロケーション手順の具体例を説明する。本実施形態に係る移動通信ネットワークの構成例は、第1の実施形態に関して説明された図1と同様とすればよい。図12のシーケンス図は、リロケーションのためのシグナリング手順の一例を示している。図12の手順は、図2のステップS13において行われることができる。すなわち、ソースMME121Sは、コントロールノード142からのコンテキスト・リロケーション指示メッセージの受信に応答して、図12に示されたシグナリング手順を開始してもよい。
図12の手順では、ソースMME121Sは、EPC120にアタッチ済みであり(i.e., EMM-REGISTERED state)且つアイドル状態(i.e., ECM-IDLE State)のUE111からソースMME121S宛てのNASメッセージ(e.g., TAU Requestメッセージ、Service Requestメッセージ)を受信する。そして、UE111がリロケーションの対象であった場合に、当該NASメッセージをターゲットMME121TにリダイレクトするようeNodeB112に指示する。eNodeB112は、ソースMME121Sからの指示に従って、当該NASメッセージをターゲットMME121Tにリダイレクトするよう動作する。
ステップS621及びS622で行われる手順は、図5のステップS221及びS222で行われる手順と同様である。ステップS622は省略されてもよい。ステップS621及びS622の完了後、ソースMME121Sは、例えば所定のタイマの満了を条件として、リロケーションの対象とされたUE111を含むUEsのコンテキストを削除してもよい。ただし、ソースMME121Sは、リロケーションを実行したことを記憶しておく。ソースMME121Sは、リロケーションの対象とされたUEsのID(M-TMSI又はS-TMSI)を記憶しておいてもよい。
ステップS624では、UE111は、NASメッセージ(e.g., TAU Requestメッセージ、Service Requestメッセージ)を送信する。なお、UE111はリロケーションの発生を知らない。したがって、当該NASメッセージをカプセル化しているRRC Connection Setup Completeメッセージは、ソースMME121SのGUMMEIをRegistered MME情報として示す。また、これに先立って送信されるRRC Connection Requestメッセージは、ソースMME121によって割り当てられたS-TMSIをUE Identityとして示す(ステップS623)。このため、ステップS625では、eNodeB112は、UE111から受信した当該NASメッセージをソースMME121Sに送信する。
ステップS626では、ソースMME121Sは、ターゲットMME121Tへのリロケーションが行われたこと又はUE111が当該リロケーションの対象であったことを判定し、当該NASメッセージをターゲットMME121TにリダイレクトするようeNodeB112に指示する。この指示の送信には、MME121SとeNodeB112の間のS1-MMEインタフェースにおいて送信されるS1APメッセージを使用することができる。例えば、図12に示されているように、新規メッセージ(S1AP: Redirection Commandメッセージ)が使用されてもよい。S1AP: Redirection Commandメッセージは、UE111からのNASメッセージがターゲットMME121Tにリダイレクトされるべきであることを示す。あるいは、ステップS626では、既存のS1APメッセージ(e.g., MME Configuration Updateメッセージ)又はそれを改変したものが使用されてもよい。
ステップS627では、eNodeB112は、S1AP: Redirection Commandメッセージを受信する、そして、eNodeB112は、ステップS624で受信したソースMME121S宛てのNASメッセージをターゲットMME121Tにリダイレクトする。
ステップS627の後、ターゲットMME121Tは、UE111からのNASメッセージに基づく手順(e.g., TAU手順、Service Request手順)を行う。この手順の間に、ターゲットMME121Tは、ターゲットMME121Tによって割り当てた新たなUE一時識別子(i.e., GUTI)をUE111に知らせるとよい。新たなUE一時識別子(i.e., GUTI)の送信には、TAU Acceptメッセージ又はGUTI Reallocation Commandメッセージ等のNASメッセージを使用することができる。これにより、UE111は、これ以降のRRCメッセージ及びNASメッセージ(TAU Request、Service Request等)の送信の際に、ターゲットMME121Tによって割り当てられた一時識別子(GUTI)を使用することができる。
図12の手順によれば、モビリティ管理及びベアラ管理のリロケーションをEPC120において完了することができる。また、図12の手順は、UE111に新たな機能を追加することなく、モビリティ管理及びベアラ管理のリロケーションを行うことができる。さらに図11の手順と比較すると、図12の手順は、UE単位でのリロケーションを行うことができる利点がある。言い換えると、図12の手順は、ソースMME121Sによって行われていたUEsのモビリティ管理及びベアラ管理の一部(一部のUEs)のみをターゲットMME121Tに移転することができる。
<第11の実施形態>
本実施形態は、第1の実施形態で説明されたモビリティ管理及びベアラ管理のリロケーション手順の具体例を説明する。本実施形態に係る移動通信ネットワークの構成例は、第1の実施形態に関して説明された図1と同様とすればよい。図13のシーケンス図は、リロケーションのためのシグナリング手順の一例を示している。図13の手順は、図2のステップS13において行われることができる。すなわち、ソースMME121Sは、コントロールノード142からのコンテキスト・リロケーション指示メッセージの受信に応答して、図13に示されたシグナリング手順を開始してもよい。
図13の手順では、ソースMME121Sは、EPC120にアタッチ済みであり(i.e., EMM-REGISTERED state)且つアイドル状態(i.e., ECM-IDLE State)のUE111からソースMME121S宛てのNASメッセージ(e.g., TAU Requestメッセージ、Service Requestメッセージ)を受信する。そして、UE111がリロケーションの対象であった場合に、当該NASメッセージをターゲットMME121Tに転送する要動作する。
ステップS701及びS702で行われる手順は、図5のステップS221及びS222で行われる手順と同様である。ステップS702は省略されてもよい。ステップS701及びS702の完了後、ソースMME121Sは、例えば所定のタイマの満了を条件として、リロケーションの対象とされたUE111を含むUEsのコンテキストを削除してもよい。ただし、ソースMME121Sは、リロケーションを実行したことを記憶しておく。ソースMME121Sは、リロケーションの対象とされたUEsのID(M-TMSI又はS-TMSI)を記憶しておいてもよい。
ステップ703では、UE111は、NASメッセージ(e.g., TAU Requestメッセージ、Service Requestメッセージ)を送信する。なお、UE111はリロケーションの発生を知らない。したがって、当該NASメッセージをカプセル化しているRRC Connection Setup Completeメッセージは、ソースMME121SのGUMMEIをRegistered MME情報として示す。また、これに先立って送信されるRRC Connection Requestメッセージは、ソースMME121によって割り当てられたS-TMSIをUE Identityとして示す。このため、ステップS703のNASメッセージは、eNodeB112によってソースMME121Sに送信される。
ステップS704では、ソースMME121Sは、ターゲットMME121Tへのリロケーションが行われたこと又はUE111が当該リロケーションの対象であったことを判定し、当該NASメッセージをターゲットMME121Tに転送する。この転送には、MME間のS10インタフェースにおいて送信されるGTP-Cメッセージを使用することができる。
ステップS705では、ターゲットMME121Tは、UE111からのNASメッセージに基づく手順(e.g., TAU手順、Service Request手順)を行う。
ステップS706では、ターゲットMME121Tは、ターゲットMME121Tによって割り当てられた新たなGUTIをUE111に知らせる。新たなGUTIの送信には、TAU Acceptメッセージ又はGUTI Reallocation Commandメッセージ等のNASメッセージを使用することができる。これにより、UE111は、これ以降のRRCメッセージ及びNASメッセージ(TAU Request、Service Request等)の送信の際に、ターゲットMME121Tによって割り当てられた新たなGUTIを使用することができる。なお、ステップS706の新たなGUTIの通知は、ステップS706の前に行われてもよい。
ステップS707では、UE111は、GUTIを受信したことを示す応答メッセージ(e.g., TAU Acceptメッセージ、GUTI Reallocation Completeメッセージ)を送信する。
図13の手順によれば、ソースMME121SからターゲットMME121Tへのリロケーションを任意の機会に行っておき、UE111からEPC120へのアクセスがあったときにリロケーションの発生をUE111に知らせることができる。
<第12の実施形態>
本実施形態は、第1の実施形態で説明されたモビリティ管理及びベアラ管理のリロケーション手順の具体例を説明する。本実施形態に係る移動通信ネットワークの構成例は、第1の実施形態に関して説明された図1と同様とすればよい。図14A及び14Bのシーケンス図は、リロケーションのためのシグナリング手順の一例を示している。図14A及び14Bの手順は、図2のステップS13において行われることができる。すなわち、ソースMME121Sは、コントロールノード142からのコンテキスト・リロケーション指示メッセージの受信に応答して、図14A及び14Bに示されたシグナリング手順を開始してもよい。
図14A及び14Bの手順では、ソースMME121Sは、EPC120にアタッチ済みであり(i.e., EMM-REGISTERED state)且つアイドル状態(i.e., ECM-IDLE State)のUE111からソースMME121S宛てのNASメッセージ(e.g., TAU Requestメッセージ、Service Requestメッセージ)を受信する。そして、UE111がリロケーションの対象であるためにUE111のコンテキストを削除していた場合、ソースMME121Sは、UE111を管理している現在のMMEを知るためにHSS122に問い合わせる。
ステップS801及びS802で行われる手順は、図5のステップS221及びS222で行われる手順と同様である。ただし、MMEの変更をHSS122に知らせるために、S802は必ず行われる。
ステップ803では、UE111は、NASメッセージ(e.g., TAU Requestメッセージ、Service Requestメッセージ)を送信する。なお、UE111はリロケーションの発生を知らない。したがって、当該NASメッセージをカプセル化しているRRC Connection Setup Completeメッセージは、ソースMME121SのGUMMEIをRegistered MME情報として示す。また、これに先立って送信されるRRC Connection Requestメッセージは、ソースMME121によって割り当てられたS-TMSIをUE Identityとして示す。このため、ステップS803のNASメッセージは、eNodeB112によってソースMME121Sに送信される。
ステップS804では、ソースMME121Sは、UE111からのNASメッセージを受信し、UE111に関するコンテキスト(MM context、EPS Bearer context)を保持していないことを検出する。そして、当該検出に応じて、ソースMME121Sは、UE111のIMSIをUE111に問い合わせる。この問い合わせには、NAS: Identity Requestメッセージを利用することができる。ステップS805では、UE111は自身のIMSIを示すNASメッセージ(e.g., Identity Responseメッセージ)を送信する。
ステップS806では、ソースMME121Sは、UE111を管理しているMMEをHSS122に問い合わせるために、UE111から受信したIMSIをHSS122に送信する。当該問い合わせには、MME121SとHSS122の間の66aインタフェースにおいて送信されるDiameterメッセージを使用することができる。図14Bに示されているように、新規Diameterメッセージ(DIAMETER: MME-ID Requestメッセージ)が使用されてもよい。ステップS807では、HSS122は、UE111を管理するターゲットMME121TのID(e.g., GUMMEI、MMEI、又はMMEC)を示す応答メッセージをソースMME121Sに送信する。
ステップS808では、ソースMME121Sは、UE111に割り当てられた一時識別子(e.g., GUTI、S-TMSI、又はM-TMSI)をターゲットMME121Tに問い合わせる。当該問い合わせには、MME間のS10インタフェースにおいて送信されるGTP-Cメッセージを使用することができる。ステップS809では、ターゲットMME121Tは、ターゲットMME121TによってUE111に割り当てられた一時識別子(e.g., GUTI、S-TMSI、又はM-TMSI)を示す応答メッセージをソースMME121Sに送信する。
ステップS810では、ソースMME121Sは、リロケーション後の新たなMME(つまり、ターゲットMME121T)のIDをUE111に知らせる。さらに、ソースMME121Sは、ターゲットMME121TによってUE111に割り当てられた一時識別子をUE111に知らせる。具体的には、ソースMME121Sは、ターゲットMME121TによってUE111に割り当てられたGUTIをUE111に知らせればよい。ステップS810では、NASメッセージが使用されてもよい。例えば、図14Bに示されているように、GUTI Reallocation Commandメッセージが使用されてもよい。あるいは、新規のNASメッセージが定義されて使用されてもよい。
ステップS811では、UE111は、ターゲットMME121Tによって割り当てられた新たなGUTIをソースMME121Sから受信する。そして、UE111は、自身が管理しているregistered MME情報を当該新たなGUTIを用いて更新する。UE111は、GUTIの受信が完了したことを示すNASメッセージ(e.g., GUTI Reallocation Completeメッセージ)をソースMME121Sに送信する。ターゲットMME121Tを示すように更新されたregistered MME情報は、これ以降のRRCメッセージ及びNASメッセージ(TAU Request、Service Request等)の送信の際に使用される。例えば、UE111は、新たなTAU手順又はService Request手順をターゲットMME121Tとの間で行ってもよい(ステップS812)。
図14A及び14Bの手順によれば、ソースMME121SからターゲットMME121Tへのリロケーションを任意の機会に行っておき、UE111からEPC120へのアクセスがあったときにリロケーションの発生をUE111に知らせることができる。さらに、ソースMME121Sは、リロケーション先のMMEのIDを記憶してく必要がない。
図14A及び14Bの手順は、適宜改変されてもよい。例えば、図14A及び14Bに示されたソースMME121SがターゲットMME121TのIDを知るためにHSS122に問い合わせる手順は、図12に示されたソースMME121SによるNASメッセージのリダイレクション指示(ステップS626)のために使用されてもよい。また、図14A及び14Bに示されたソースMME121SがHSS122に問い合わせる手順は、図13に示されたソースMME121SによるNASメッセージの転送(ステップS704)のために使用されてもよい。
<第13の実施形態>
本実施形態は、第14の実施形態で説明されたリロケーション手順の変形例を説明する。図15Aは、図14Aの変形を示す。ステップS821及びS822は、図14AのステップS801及びS802と同様である。
ステップS823は、UE111から送信されるNASメッセージがリロケーション・フラグを示す点が図14AのステップS803と異なる。リロケーション・フラグは、UE111がリロケーションの対象とされた可能性があることを示す。ソースMME121Sは、リロケーション(ステップS821)の実行に先立って、リロケーションが行われる可能性があることUE111に通知しておく。当該通知をソースMME121Sから受信していた場合、UE111は、リロケーション・フラグがセットされたNASメッセージを送信する。
ソースMME121Sは、UE111に関するコンテキストを保持しておらず且つUE111からのNASメッセージにおいてリロケーション・フラグがセットされている場合に、ソースMME121Sは、UE111のIMSIをUE111に問い合わせる(ステップS824)。ステップS824及びS825は、図14AのステップS804及びS805と同様である。さらに、ステップS825に引き続いて、図14Bに示された手順が実行される。これに対して、UE111に関するコンテキストを保持しておらず且つリロケーション・フラグがセットされていない場合は、ソースMME121Sはリジェクトメッセージ(e.g., TAU Rejectメッセージ、Service Rejectメッセージ)をUE111に返信する。
図15Aの手順によれば、ソースMME121Sは、HSS122への問い合わせを含むステップS824以降の手順を実行する対象とするべきUEを限定することができる。
<第14の実施形態>
本実施形態は、第1の実施形態で説明されたモビリティ管理及びベアラ管理のリロケーション手順の具体例を説明する。本実施形態に係る移動通信ネットワークの構成例は、第1の実施形態に関して説明された図1と同様とすればよい。図16のシーケンス図は、リロケーションのためのシグナリング手順の一例を示している。図16の手順は、図2のステップS13において行われることができる。すなわち、ソースMME121Sは、コントロールノード142からのコンテキスト・リロケーション指示メッセージの受信に応答して、図16に示されたシグナリング手順を開始してもよい。
ステップS901〜S904では、ソースMME121Sがリロケーションを実行し、リロケーション後のターゲットMME121Tによって割り当てられたUE一時識別子(e.g., GUTI)がUE111に通知される。ステップS901〜S904は、図10A及び10Bに示されたTAU手順の間にUE一時識別子をUE111に通知する手順と同様である。しかしながら、ステップS901〜S904は、他の手順(e.g., 図5、図6、図8、又は図9の手順)に置き換えられてもよい。
図16の手順のポイントは、ステップS903においてプライマリGUTI及びセカンダリGUTIがUE111に通知される点にある。ここでは、プライマリGUTIはターゲットMME121Tによって割り当てられたGUTIを指定し、セカンダリGUTIはソースMME121Sによって割り当てられたGUTIを指定する。UE111は、プライマリGUTIを優先的に使用し、プライマリGUTIを用いたシグナリング(e.g., TAU手順、Service Request手順)が失敗した場合にセカンダリGUTIを使用する。一方、ソースMME121Sは、リロケーションを行った後も所定のタイマが満了するまでUE111のコンテキストを保持しておく。これにより、リロケーションに伴う何らかの不具合に起因してプライマリMMEとしてのターゲットMME121TがUE111のアクセスを拒絶した場合であっても、セカンダリMMEとしてのソースMME121SがUE111のアクセスを受け付けることができる。
例えば、UE111は、ターゲットMME121Tに対してTAU Requestメッセージを送信する(ステップS905)。しかしながら、ターゲットMME121Tは、何らかの不具合のためにUE111のコンテキストを保持しておらず、TAU RejectメッセージをUE111に返信する(ステップS906)。プライマリMME(ターゲットMME121T)との通信に失敗したUE111は、セカンダリMME(ソースMME121S)との通信を試みる(ステップS907)。ソースMME121SがUE111のコンテキストをまだ保持している場合、ソースMME121Sは、UE111との通信を開始するとともに、改めてリロケーション(e.g., ステップS901〜S904)を実行すればよい。
<第15の実施形態>
本実施形態は、第14の実施形態の変形例を説明する。図17は、本実施形態に係るリロケーションのためのシグナリング手順の一例を示している。本実施形態では、第14の実施形態と同様に、UE111のモビリティ管理及びベアラ管理のリロケーションが行われ、プライマリGUTI及びセカンダリGUTIがUE111に通知される(ステップS921〜S924)。ソースMME121Sは、リロケーションを行った後も所定のタイマが満了するまでUE111のコンテキストを保持しておく。
ステップS925では、UE111は、TAU Requestメッセージを送信する。このとき、TAU Requestメッセージを運ぶために使用されるConnection Setup Completeメッセージは、Registered MME情報としてプライマリMME(ターゲットMME121T)のGUMMEI及びセカンダリMME(ソースMME121S)のGUMMEIを示す。ステップS926では、eNodeB112は、プライマリMMEに指定されたターゲットMME121Tに対してTAU Requestメッセージを転送する。
ステップS927では、ターゲットMME121Tは、何らかの不具合のためにUE111のコンテキストを保持していないために、リジェクトメッセージを送信する。当該リジェクトメッセージは、UE111ではなくeNodeB112に送信される。当該リジェクトメッセージの送信には、S1APメッセージを使用することができる。リジェクトメッセージを受信した場合、eNodeB112は、セカンダリMMEに指定されたソースMME121Sに対してTAU Requestメッセージを転送する。ソースMME121SがUE111のコンテキストをまだ保持している場合、ソースMME121Sは、UE111との通信を開始するとともに、改めてリロケーション(e.g., ステップS901〜S904)を実行すればよい。
図17の手順によれば、図16の手順と同様に、リロケーションに伴う何らかの不具合に起因してプライマリMMEとしてのターゲットMME121TがUE111のアクセスを拒絶した場合であっても、セカンダリMMEとしてのソースMME121SがUE111のアクセスを受け付けることができる。
<第16の実施形態>
本実施形態は、第14の実施形態の変形例を説明する。図18A〜18Cは、本実施形態に係るリロケーションのためのシグナリング手順の一例を示している。本実施形態では、第14及び第15の実施形態と同様に、UE111に対してプライマリGUTI及びセカンダリGUTIが通知される。プライマリGUTIは、ターゲットMME121TによってUE111に割り当てられたGUTIである。ただし、本実施形態では、セカンダリGUTIは、ソースMME121S及びターゲットMME121Tのいずれとも異なるセカンダリMME821によってUE111に割り当てられたGUTIである。すなわち、本実施形態では、ソースMME121Sは、UE111のコンテキストをターゲットMME121Tに移すと共に、これをセカンダリMME821にも移しておく。したがって、ターゲットMME121はプライマリ・ターゲットMMEと呼ぶことができ、セカンダリMME821はセカンダリ・ターゲットMMEと呼ぶことができる。
ステップS941及びS942では、ソースMME121SからターゲットMME121Tへのリロケーションが行われる。なお、図18Aは、TAU手順の間にリロケーションを行うケースを示しているが、これまでに多くの具体例を示したことから明らかであるように、他の手順(e.g., 図5、図6、図8、又は図9の手順)に置き換えられてもよい。
ステップS943では、ソースMME121Sは、UE111のコンテキストをセカンダリMME821にも送信する。当該送信には、MME間のS10インタフェースにおいて送信されるGTP-Cメッセージ(e.g., Forward Relocation Requestメッセージ)を使用することができる。ステップS944では、セカンダリMME821は、返信メッセージ(e.g., Forward Relocation Responseメッセージ)をソースMME121Sに送信する。当該返信メッセージは、セカンダリMME821によってUE111に割り当てられたGUTIを示す。
ステップS945では、ソースMME121Sは、プライマリGUTI及びセカンダリGUTIを示すNASメッセージ(e.g., TAU Acceptメッセージ)をUE111に送信する。ここでは、プライマリGUTIはターゲットMME121Tによって割り当てられたGUTIを指定し、セカンダリGUTIはセカンダリMME821によって割り当てられたGUTIを指定する。ステップS946では、UE111は、新たなGUTIを受け取ったことを知らせるために、TAU CompleteメッセージをソースMME121Sに送信する。
ステップS947及びS948は、図16のステップS905及びS906と同様である。すなわち、UE111は、ターゲットMME121Tに対してTAU Requestメッセージを送信する(ステップS947)。しかしながら、ターゲットMME121Tは、何らかの不具合のためにUE111のコンテキストを保持しておらず、TAU RejectメッセージをUE111に返信する(ステップS948)。プライマリMME(ターゲットMME121T)との通信に失敗したUE111は、セカンダリMME821との通信を試みる(ステップS949)。
セカンダリMME821は、UE111からのNASメッセージ(e.g., TAU Requestメッセージ)の受信に応答して、S-GW123において保持されているUE111のEPS bearer contextの更新をS-GW123に要求する(ステップS950)。この要求は、UE111のEPS bearerを管理する新たなMME、つまりセカンダリMME821のIPアドレス及びMME TEIDを示す。さらに、UE111からのNASメッセージがTAU Requestメッセージである場合、この要求は、UE111の現在位置情報(つまり、E-UTRAN Cell Global Identifier(ECGI)及びTracking Area Identity (TAI))を示す。この要求の送信には、MME821とS-GW123の間のS11インタフェースにおいて送信されるGTP-Cメッセージを使用することができる。例えば、図18Bに示されているように、Modify Bearer Requestメッセージ又はそれを改変したものが使用されてもよい。
S-GW123は、セカンダリMME821からUE111の現在位置情報(ECGI及びTAI)を受信し、UE111のECGI及びTAIが変化したかを確認する。もし変化した場合、UE111は、Modify Bearer RequestメッセージをP-GW124に送信する(ステップS951)。P-GW124は、UE111のEPS bearer contextに含まれるUE111の現在位置情報を更新し、Modify Bearer ResponseメッセージをS-GW123に送信する(ステップS952)。ステップS953では、S-GW123は、応答メッセージ(例えば、Modify Bearer Responseメッセージ)をセカンダリMME821に送信する。
ステップS954〜S957は、MMEの変更をHSS122に知らせるために行われる。ステップS954〜S957の手順は、通常のTAU手順においてMMEの変更をHSS知らせるための手順と同様であってもよく、したがって図3AのステップS106〜S109の手順と同様であってもよい。
ステップS958では、セカンダリMME821は、TAU AcceptメッセージをUE111に送信する。当該TAU Acceptメッセージは、セカンダリMME821によって割り当てられたGUTIがプライマリGUTIとして指定されることを示してもよい。これにより、UE111は、次回のNASメッセージの送信をターゲットMME121TではなくセカンダリMME821に対して優先的に行うことができる。ステップS958のTAU AcceptメッセージがプライマリGUTIの変更(又はプライマリMMEの変更)を示す場合、UE111は、プライマリGUTIの変更を受け入れたことを知らせるために、TAU CompleteメッセージをセカンダリMME821に送信する(ステップS959)。
図18A〜18Cの手順によれば、ソースMME121SからターゲットMME121Tへのモビリティ管理及びベアラ管理のリロケーションが何らかの原因で失敗した場合であっても、セカンダリMME821に保持されているUEコンテキストを利用することができる。したがって、リロケーションの失敗を効果的に防ぐことができる。
<第17の実施形態>
本実施形態は、S-GWのリロケーションを伴うMMEリロケーション手順について説明する。図19A及び19Bのシーケンス図は、ソースS-GW123SからターゲットS-GW123Tへのリロケーションを伴うMMEリロケーション手順の一例を示している。図19A及び19Bに示された手順は、図3A及び3Bに示された手順の変形であって、UE111がコネクテッド状態(ECM-CONNECTED state)であるときに開始される。UE111がコネクテッド状態であるときのS-GWのリロケーションは、S-GWリロケーションを伴うS1-based handover手順におけるS-GWのリロケーションと同一又は類似する手順で行われてもよい。
ステップS1001では、図3AのステップS101と同様に、ソースMME121Sは、UE111のMM context及びEPS bearer contextをターゲットMME121Tに送信する。この送信には、GTP-Cメッセージを利用することができる。例えば、図19Aに示されているように、Forward Relocation Requestメッセージ又はそれを改変したものが使用されてもよい。さらに、ステップS1001のGTP-Cメッセージは、ターゲットS-GW123Tの指定を含んでもよい。
ステップS1002では、図3AのステップS102と同様に、ターゲットMME121Tは、ソースMME121Sから受信したUE111のMM context及びEPS bearer contextを自身のメモリ又はストレージ(不図示)に格納する。さらに、ターゲットMME121Tは、ソースS-GW123SからターゲットS-GW123Tへのリロケーションを開始する。なお、UE111がコネクテッド状態であるときのS-GWのリロケーションは、S-GWリロケーションを伴うS1-based handover手順におけるS-GWのリロケーションと同一又は類似する手順で行えばよい。すなわち、ターゲットMME121Tは、S5/S8ベアラの設定要求をターゲットS-GW123Tに送信する。このS5/S8ベアラの設定要求は、ベアラコンテキスト、アップリンクトラフィックのためのP-GW124のP-GW124のアドレス及びTEID、並びにダウンリンクトラフィックのためのeNodeB112のアドレス及びTEIDを含む。このS5/S8ベアラの設定要求は、S1-based handover手順で使用されるメッセージと同様に、Create Session Requestメッセージであってもよい。
ステップS1003では、ターゲットS-GW123Tは、UE111のためのS1 uplink (UL) TEID及びS5/S8 downlink (DL) TEIDを生成する。そして、ターゲットS-GW123Tは、ターゲットS-GW123Tのアドレス及びS5/S8 DL TEIDをP-GW124に知らせる。ターゲットS-GW123Tは、ターゲットS-GW123Tのアドレス及びS5/S8 DL TEIDを含むModify Bearer RequestメッセージをP-GW124に送信してもよい。
ステップS1004では、P-GW124は、自身が保持するコンテキストを更新し、Modify Bearer ResponseメッセージをターゲットS-GW123Tに送信する。
ステップS1005では、ターゲットS-GW123Tは、Create Session ResponseメッセージをターゲットMME121Tに返信する。このCreate Session Responseメッセージは、ユーザープレーンに関するターゲットS-GW123Tのアドレス及びS1 UL TEIDを示す。
ステップS1006では、ターゲットMME121Tは、ターゲットMME121Tによって割り当てられたMME UE S1AP IDをeNodeB112に通知する。さらに、ターゲットMME121Tは、ユーザープレーンに関するターゲットS-GW123Tのアドレス及びS1 UL TEID(つまり、S1-U SGW F-TEID)をeNodeB112に通知する。これらの通知は、例えば、改変されたHandover Requestメッセージ、改良されたInitial Context Setup Requestメッセージ、改良されたE-RAB Modify Requestメッセージ、又は改良されたUE Context Modification Requestメッセージを使用してターゲットMME121TからeNodeB112に送信されてもよい。
ステップS1007では、eNodeB112は、自身が保持するコンテキストを更新し、承認(Acknowledge)メッセージをターゲットMME121Tに送信する。当該承認メッセージは、ダウンリンクトラフィックのためのeNodeB112のアドレス及びTEID(つまり、S1-U eNodeB F-TEID)を示してもよい。当該承認メッセージは、改変されたHandover Request Ackメッセージ、改良されたInitial Context Setup Responseメッセージ、改良されたE-RAB Modify Responseメッセージ、又は改良されたUE Context Modification Responseメッセージであってもよい。
もしダウンリンクトラフィックのためのS1-U eNodeB F-TEIDが更新された場合、ターゲットMME121Tは、更新されたS1-U eNodeB F-TEID を示すModify Bearer RequestメッセージをターゲットS-GW123Tに送信する(ステップS1008)。ステップS1009では、ターゲットS-GW123Tは、コンテキストを更新し、Modify Bearer ResponseメッセージをターゲットMME121Tに送信する。S1-U eNodeB F-TEIDが更新されない場合、ステップS1008及びS1009は省略されてもよい。
ステップS1010では、図3AのステップS104と同様に、ターゲットMME121Tは、UE111のモビリティ管理及びベアラ管理の引き継ぎを受け入れたことをソースMME121Sに通知する。ステップS1010の通知メッセージは、ターゲットMME121TによってUE111に割り当てられた一時識別子、すなわちM-TMSI、S-TMSI、又はGUTIを含む。この通知メッセージの送信には、Forward Relocation Responseメッセージ又はそれを改変したものが使用されてもよい。あるいは、Forward Relocation Complete Notificationメッセージ又はそれを改変したものが使用されてもよい。
ステップS1011では、図3AのステップS105と同様に、ソースMME121Sは、ステップS1010のメッセージに対する承認(Acknowledge)メッセージをターゲットMME121Tに送信する。当該承認メッセージは、Forward Relocation Complete Acknowledgeメッセージ又はそれを改変したものであってもよい。
ステップS1012〜S1015は、MMEの変更をHSS122に知らせるために行われる。ステップS1012〜S1015で行われる手順は、図3AのステップS106〜S109で行われる手順と同様である。また、ステップS1012〜S1015は、省略されてもよい。
ステップS1016では、ソースMME121Sは、UE111に関するベアラコンテキストの削除を要請するためにDelete Session RequestメッセージをソースS-GW123Sに送信する。ステップS1017では、ソースS-GW123Sは、UE111に関するベアラコンテキストを削除し、Delete Session ResponseメッセージをソースMME121Sに返信する。
ステップS1018及びS1019で行われる手順は、図3BのステップS112及びS113で行われる手順と同様である。
図19A及び19Bの手順によれば、コネクテッド状態(ECM-CONNECTED state)のUE111に関して、S-GWのリロケーションを伴うMMEリロケーション手順を行うことができる。
<第18の実施形態>
本実施形態は、S-GWのリロケーションを伴うMMEリロケーション手順について説明する。図20のシーケンス図は、ソースS-GW123SからターゲットS-GW123Tへのリロケーションン(又はS-GW change)を伴うMMEリロケーション手順の一例を示している。図20に示された手順は、図5に示された手順の変形であって、UE111がアイドル状態(ECM-IDLE state)であるときに開始される。UE111がアイドル状態であるときのS-GWのリロケーションは、S-GWリロケーション(又はS-GW change)を伴うTAU手順におけるS-GWのリロケーションと同一又は類似する手順で行われてもよい。
ステップS1121では、ソースMME121Sは、EPC120にアタッチ済み(i.e., EMM-REGISTERED state)のUE111のモビリティ管理サービス及びベアラ管理サービスをターゲットMME121Tにリロケートする。ステップS1121で行われる手順は、図19A及び19BのステップS1001〜S1005並びにS1010〜S1011で行われる手順と同様であってもよい。
ステップS1122では、ターゲットMME121Tは、MMEの変更をHSS122に知らせる。ステップS1122で行われる手順は、通常のTAU手順においてMMEの変更をHSS知らせるための手順と同様であってよく、すなわち図3AのステップS106〜S109で行われる手順と同様であってもよい。また、ステップS1122は省略されてもよい。
ステップS1123〜S1127で行われる手順は、図5のステップS223〜S227で行われる手順と同様である。
図20の手順によれば、アイドル状態(ECM-IDLE state)のUE111に関して、S-GWのリロケーションを伴うMMEリロケーション手順を行うことができる。
なお、図20は、アイドル状態のUE111に関するS-GWリロケーション(又はS-GW change)を伴うMMEリロケーション手順を説明するために、ページングを用いる図5の手順を改変した手順を示した。図20を用いて説明されたS-GWリロケーション(又はS-GW change)は、第4〜第16の実施形態で説明された他の手順においても図20と同様に利用されることができる。
最後に上述の第1〜第18の実施形態に係るソースMME121S、ターゲットMME121T、セカンダリMME821、UE111、及びeNodeB112の構成例について説明する。図24は、ソースMME121Sの構成例を示している。ターゲットMME121T及びセカンダリMME821の構成も図24の構成例と同様であってもよい。
図24を参照すると、MME121Sは、ネットワークインタフェース1210、プロセッサ1211、及びメモリ1212を含む。ネットワークインタフェース1210は、他のネットワークノード(e.g., eNodeB112、ターゲットMME121T、HSS122、S-GW123)と通信するために使用される。ネットワークインタフェース1210は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインタフェースカード(NIC)を含んでもよい。
プロセッサ1211は、メモリ1212からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、通信制御(e.g.,モビリティ管理及びベアラ管理)を実行する。プロセッサ1211は、例えば、マイクロプロセッサ、Micro Processing Unit(MPU)、又はCentral Processing Unit(CPU)であってもよい。プロセッサ1211は、複数のプロセッサを含んでもよい。
メモリ1212は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。揮発性メモリは、例えば、Static Random Access Memory(SRAM)若しくはDynamic RAM(DRAM)又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、例えば、マスクRead Only Memory(MROM)、Programmable ROM(PROM)、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの組合せである。また、メモリ1212は、プロセッサ1211から物理的に離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1211は、ネットワークインタフェース1210又は図示されていない他のI/Oインタフェースを介してメモリ1212にアクセスしてもよい。
図24の例では、メモリ1212は、S1-MMEモジュール1213、S6aモジュール1214、S10モジュール1215、S11モジュール1216、NASモジュール1217、EPS Mobility Management(EMM)及びEPS Session Management(ESM)モジュール1218、及びOperation and Maintenance(OAM)モジュール1219を含むソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。OAMモジュール1219は、上述の実施形態で説明されたコントロールノード142との通信とリロケーションを制御するための命令群およびデータを含む。プロセッサ1211は、OAMモジュール1219をメモリ1212から読み出して実行することで、上述の実施形態で説明されたモビリティ管理及びベアラ管理のリロケーション手順に関するソースMME121Sの動作を行うことができる。
図25は、UE111の構成例を示している。図25を参照すると、UE111は、無線トランシーバ1110、プロセッサ1111、及びメモリ1112を含む。無線トランシーバ1110は、eNodeB112と通信するよう構成されている。
プロセッサ1111は、メモリ1112からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、RRC及びNASメッセージの送受信を含む通信制御を行う。プロセッサ1111は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU、又はCPUであってもよい。プロセッサ1111は、複数のプロセッサを含んでもよい。
メモリ1112は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。揮発性メモリは、例えば、SRAM若しくはDRAM又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、例えば、MROM、PROM、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの組合せである。
図25の例では、メモリ1112は、RRCモジュール1113及びNASモジュール1114を含むソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。プロセッサ1111はRRCモジュール1113及びNASモジュール1114をメモリ1112から読み出して実行することで、上述の実施形態で説明されたモビリティ管理及びベアラ管理のリロケーション手順に関するUE111の動作を行うことができる。
図26は、eNodeB112の構成例を示している。図26を参照すると、eNodeB112は、無線トランシーバ1120、ネットワークインタフェース1121、プロセッサ1122、及びメモリ1123を含む。無線トランシーバ1120は、UE111と通信するよう構成されている。ネットワークインタフェース1121は、E-UTRAN110内の他のeNodeB、並びにEPC120内のノード(MME121S、MME121T、及びS-GW123等)と通信するために使用される。
プロセッサ1122は、メモリ1123からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、RRC及びRadio Resource Management(RRM)を含む通信制御、並びに上述の実施形態で説明されたeNodeB112の動作を行う。プロセッサ1122は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU、又はCPUであってもよい。プロセッサ1122は、複数のプロセッサを含んでもよい。
メモリ1123は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。揮発性メモリは、例えば、SRAM若しくはDRAM又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、例えば、MROM、PROM、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの組合せである。また、メモリ1123は、プロセッサ1122から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1122は、ネットワークインタフェース1121又は図示されていない他のI/Oインタフェースを介してメモリ1123にアクセスしてもよい。
図26の例では、メモリ1123は、RRCモジュール1124、RRMモジュール1125、X2モジュール1126、及びS1-MMEモジュール1127を含むソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。RRCモジュール1124及びS1-MMEモジュール1127は、受信したRRCメッセージにカプセル化されているNASメッセージをMMEに転送する処理を実行するための命令群およびデータを含む。プロセッサ1122は、RRCモジュール1124及びS1-MMEモジュール1127をメモリ1123から読み出して実行することで、上述の実施形態で説明されたモビリティ管理及びベアラ管理のリロケーション手順に関するeNodeB112の動作を行うことができる。
図24〜図26を用いて説明したように、上述の実施形態に係るソースMME121S、ターゲットMME121T、セカンダリMME821、UE111、及びeNodeB112が有するプロセッサの各々は、シーケンス図等を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。
このプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、Programmable ROM(PROM)、Erasable PROM(EPROM)、フラッシュROM、Random Access Memory(RAM))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
<その他の実施形態>
図2〜図20に示されたリロケーション手順は、適宜変形することができる。例えば、図2〜図20は、ソースMME121Sがコントロールノード142からリロケーション指示メッセージを受信する例を示した。しかしながら、ソースMME121Sの代わりにターゲットMME121Tがコントロールノード142からリロケーション指示メッセージを受信し、リロケーション手順を開始してもよい。
また、図3(図3A及び3B)及び図5等は、ターゲットMME121TのID(e.g., GUMMEI)又はターゲットMME121Tによって割り当てられたUE一時識別子(e.g., GUTI)をソースMME121SがUE111に知らせる例を示した。しかしながら、ソースMME121Sの代わりにターゲットMME121Tが、ターゲットMME121TのID又はUE一時識別子をUE111に知らせてもよい。
また、上述の実施形態では、主にEPSに関する具体例を用いて説明を行った。しかしながら、これらの実施形態は、その他の移動通信システム、例えば、Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)、3GPP2 CDMA2000システム(1xRTT、High Rate Packet Data(HRPD))、Global System for Mobile communications(GSM(登録商標))/General packet radio service(GPRS)システム、及びモバイルWiMAXシステム等に適用されてもよい。
さらに、上述した実施形態は本件発明者により得られた技術思想の適用に関する例に過ぎない。すなわち、当該技術思想は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは勿論である。
この出願は、2014年6月24日に出願された日本出願特願2014−128822を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。