JP6458635B2 - 汚染土壌洗浄設備および汚染土壌の洗浄工法 - Google Patents
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Description
まず、鉄粉を利用して重金属汚染土壌を洗浄する際に用いる汚染土壌洗浄設備1について、図1〜図2を参照して説明する。なお、汚染土壌洗浄設備1を説明するにあたり、鉄粉10の移動方向から上流側および下流側を定義している。
上述する汚染土壌洗浄設備1を用いて、汚染泥水100を鉄粉10にて洗浄する汚染土壌の洗浄工法を、図3〜図9を用いて以下に詳述する。
汚染泥水100を洗浄するに先立ち、泥水槽2に貯留された汚染泥水100に加水するなどして比重調整を行い、汚染泥水100が常に比重の上限値を超えないよう管理調整する工程である。比重の上限値は、汚染泥水100に鉄粉10を添加して作製した鉄粉添加泥水101を遠心分離機5に供給した際に、鉄粉含有分離物102に残留する土粒子が少なく、また洗浄泥水103に残留する鉄粉10が少なくなるよう、あらかじめ室内実験等により設定しておくとよい。
前処理工程(s1)で比重管理された汚染泥水100を、鉄粉10と接触させて洗浄し、鉄粉含有分離物102と洗浄泥水103を得る工程であり、以下に示す第1〜第3の工程よりなる汚染泥水10の洗浄が3つの重金属除去装置3各々で実施される。このとき、3つの重金属除去装置3は同時に稼働するのではなく、1つずつ順番に稼働することとなる。図4(a)に示す鉄粉タンク7から初期投下される鉄粉10の動きを追いながら、処理の流れを説明する。
最左に位置する重金属除去装置3の重金属吸着水槽4に、鉄粉タンク7に収納されている鉄粉10を投下する。その後、泥水槽2から汚染泥水100を供給し、汚染泥水100と鉄粉10を混在させる(第1の工程)。重金属吸着水槽4に貯留した汚染泥水100と鉄粉10とを撹拌装置41にて撹拌混合し、鉄粉10に汚染泥水100中の重金属を吸着させながら、鉄粉添加泥水101を作製する(第2の工程)。この後、鉄粉添加泥水101を遠心分離機5に供給し、鉄粉含有分離物102と洗浄泥水103とに分離する(第3の工程)。洗浄泥水103は洗浄泥水槽6に供給され、鉄粉含有分離物102は、中央に位置する重金属除去装置3の重金属吸着水槽4に投下される。こうして最左に位置する重金属除去装置3の重金属吸着水槽4は空の状態となる。
最左に位置する重金属除去装置3の第3の工程で分離された鉄粉含有分離物102が投下された、中央に位置する重金属除去装置3の重金属吸着水槽4に汚染泥水100を供給し、汚染泥水100と鉄粉含有分離物102を混在させる(第1の工程)。このように、以降の各重金属除去装置3における第1の工程では、最左に位置する重金属除去装置3の重金属吸着水槽4に、鉄粉タンク7から供給された鉄粉10が、鉄粉含有分離物102に含まれた状態となって循環供給されることとなる。
中央に位置する重金属除去装置3の第3の工程で分離された鉄粉含有分離物102が投下された、最右に位置する重金属除去装置3の重金属吸着水槽4に、泥水槽2から汚染泥水100を供給し、汚染泥水100と鉄粉含有分離物102を混在させる(第1の工程)。次に、第2の工程が実施され、この後、第3の工程が実施されて、洗浄泥水103は洗浄泥水槽6に供給され、鉄粉含有分離物102は、最左に位置する重金属除去装置3における空の状態の重金属吸着水槽4に投下される。こうして最右に位置する重金属除去装置3の重金属吸着水槽4は空の状態となる。
上記の汚染泥水の洗浄処理工程(s2)を経て、廃棄汚泥水槽8に供給された鉄粉含有分離物102を廃棄処理するための工程である。
廃棄汚泥水槽8に貯留された鉄粉含有分離物102は、廃棄汚泥水槽8にて適宜加水されて鉄粉分離装置9にて分離処理するのに好適な比重となるように調整された上で、鉄粉分離装置9に供給され、鉄粉10及び分離しきれなかった土砂を含む最終鉄粉含有分離物104と洗浄泥水103とに分離される。そして、最終鉄粉含有分離物104は廃棄鉄粉処理ピット91に投下された後、減容および脱水を経てケーキとなり、重金属を含む産業廃棄物として搬出される。
上記の汚染泥水の洗浄処理工程(s2)もしくは鉄粉含有分離物102の廃棄処理工程(s3)を経て、洗浄泥水槽6に供給された洗浄泥水103を脱水する工程である。
洗浄泥水槽6に貯留された洗浄泥水103は、図示しないスラリー槽に供給されて減容および脱水を経てケーキとなり、健全な産業廃棄物もしくは浄化済土壌として搬出される。
なお、前処理工程s1、鉄粉含有物102の廃棄処理工程s3および洗浄泥水103の脱水処理工程s4は、先に示した実施の形態と同一であることから省略し、2系統の鉄粉10の流れを備えた汚染泥水100の洗浄処理工程s2に着目し、第1バッチ〜第9バッチの処理時間単位で詳述する。
最左に位置する重金属除去装置3にて、鉄粉タンク7に収納されている鉄粉10(1系統目の鉄粉10)を添加すると同時に、重金属吸着水槽4に泥水槽2から汚染泥水100を供給し、汚染泥水100と鉄粉10を混在させる(第1の工程)。
この時、中央に位置する重金属除去装置3及び最右に位置する重金属除去装置3は未稼働である。
<第2バッチ:図6(b)>
最左に位置する重金属除去装置3では、重金属吸着水槽4に貯留した汚染泥水100と鉄粉10とを撹拌装置41にて撹拌混合し、鉄粉10に汚染泥水100中の重金属を吸着させながら、鉄粉添加泥水101を作製する(第2の工程)。
中央に位置する重金属除去装置3は未稼働である。
最右に位置する重金属除去装置3では、鉄粉タンク7に収納されている鉄粉10(2系統目の鉄粉10)を添加すると同時に、重金属吸着水槽4に泥水槽2から汚染泥水100を供給し、汚染泥水100と鉄粉10混在させる(第1の工程)。
<第3バッチ:図6(c)>
最左に位置する重金属除去装置3では、遠心分離機5にて鉄粉添加泥水101から鉄粉含有分離物102を分離し(第3の工程)、中央に位置する重金属除去装置3の重金属吸着水槽4に投下する。これにより、最左に位置する重金属除去装置3は空の状態となる。
中央に位置する重金属除去装置3では、重金属吸着水槽4に最左に位置する重金属除去装置3における第3の工程で分離された鉄粉含有分離物102が投下されると同時に、泥水槽2から汚染泥水100を供給し、汚染泥水100と鉄粉含有分離物102を混在させる(第1の工程)。
最右に位置する重金属除去装置3では、重金属吸着水槽4に貯留した汚染泥水100と鉄粉10とを撹拌装置41にて撹拌混合し、鉄粉10に汚染泥水100中の重金属を吸着させながら、鉄粉添加泥水101を作製する(第2の工程)。
次に示す第4バッチから第6バッチは、鉄粉含有分離物102に含まれる鉄粉100の転用回数が警告回数を超えておらず、かつ泥水槽2に貯留した汚染泥水100が残存している場合に、汚染泥水100の洗浄を繰り返す段階である。
最左に位置する重金属除去装置3では、空の状態の重金属吸着水槽4に最右に位置する重金属除去装置3における第3の工程で分離された鉄粉含有分離物102が投下されると同時に、泥水槽2から汚染泥水100を供給し、汚染泥水100と鉄粉含有分離物102を混在させる(第1の工程)。
中央に位置する重金属除去装置3では、重金属吸着水槽4に貯留した汚染泥水100と鉄粉含有分離物102とを撹拌装置41にて撹拌混合し、鉄粉含有分離物102に含まれる鉄粉10に汚染泥水100中の重金属を吸着させながら、鉄粉添加泥水101を作製する(第2の工程)。
最右に位置する重金属除去装置3では、第3の工程を実施し、遠心分離機5にて分離した鉄粉含有分離物102を、最左に位置する重金属除去装置3の重金属吸着水槽4に投下する。これにより、最右に位置する重金属除去装置3は空の状態となる。
最左に位置する重金属除去装置3では、第2の工程を実施する。
中央に位置する重金属除去装置3では、第3の工程を実施し、遠心分離機5にて分離した鉄粉含有分離物102を、最右に位置する重金属除去装置3の重金属吸着水槽4に投下する。これにより、中央に位置する重金属除去装置3は空の状態となる。
最右に位置する重金属除去装置3では、空の状態の重金属吸着水槽4に中央に位置する重金属除去装置3における第3の工程で分離された鉄粉含有分離物102が投下されると同時に、泥水槽2から汚染泥水100を供給し、汚染泥水100と鉄粉含有分離物102を混在させる(第1の工程)。
最左に位置する重金属除去装置3では、第3の工程を実施し、遠心分離機5にて分離した鉄粉含有分離物102を、中央に位置する重金属除去装置3の重金属吸着水槽4に投下する。これにより、最左に位置する重金属除去装置3は空の状態となる。
中央に位置する重金属除去装置3では、空の状態の重金属吸着水槽4に最左に位置する重金属除去装置3における第3の工程で分離された鉄粉含有分離物102が投下されると同時に、泥水槽2から汚染泥水100を供給し、汚染泥水100と鉄粉含有分離物102を混在させる(第1の工程)。
最右に位置する重金属除去装置3では、第2の工程を実施する。
最左に位置する重金属除去装置3では、第3の工程が終了後、空の状態の重金属吸着水槽4に、最右に位置する重金属除去装置3における第3の工程で分離された鉄粉含有分離物102が投下される(第1の工程)。
中央に位置する重金属除去装置3では、第2の工程を実施する。
最右に位置する重金属除去装置3では、第3の工程を実施し、遠心分離機5にて分離した鉄粉含有分離物102を、最左に位置する重金属除去装置3の重金属吸着水槽4に投下する。これにより、最右に位置する重金属除去装置3は空の状態となる。
最左に位置する重金属除去装置3では、重金属吸着水槽4に貯留した鉄粉含有分離物102(1系統目の鉄粉10を含む)を第4の排泥管43を介して廃棄汚泥水槽8に排出する。このとき、鉄粉含有分離物102がポンプ圧送できない場合には、適宜加水して溶液化し粘性を調整する。
中央に位置する重金属除去装置3では、第3の工程を実施し、遠心分離機5にて分離した鉄粉含有分離物102を、最右に位置する重金属除去装置3の重金属吸着水槽4に投下する。これにより、中央に位置する重金属除去装置3は空の状態となる。
最右に位置する重金属除去装置3では、空の状態の重金属吸着水槽4に中央に位置する重金属除去装置3における第3の工程で分離された鉄粉含有分離物102が投下される。投下された鉄粉含有分離物102がポンプ圧送できない程度の粘性を有している場合には、適宜加水して溶液化し粘性を調整しておく。
最右に位置する重金属除去装置3では、遠心分離機5を介して鉄粉含有分離物102を最左に位置する重金属除去装置3の重金属吸着水槽4に供給する。これにより、最右に位置する重金属除去装置3は空の状態となる。
具体的には、バルブ制御機能およびポンプ制御機能にて、泥水槽2と最左に位置する重金属吸着水槽4を連結する第1の排泥管22の、電磁バルブを開にするとともにポンプを作動する。また、鉄粉タンク7より鉄粉を最左に位置する重金属吸着水槽4に投下する。この後、時間報知部913より出力装置93に時間報知信号が出力されるとこれを検知し、バルブ制御機能およびポンプ制御機能にて、電磁バルブを閉にするとともにポンプの作動を停止し、第1バッチの処理を終了して第2バッチの処理を開始する。
2 泥水槽
21 比重検出器
22 第1の排泥管
3 重金属除去装置
4 重金属吸着槽
41 撹拌装置
42 第2の排泥管
43 第4の排泥管
5 遠心分離機
51 第3の排泥管
6 洗浄泥水槽
7 鉄粉タンク
8 廃棄汚泥水槽
9 鉄粉分離装置
10 鉄粉
100 汚染泥水
101 鉄粉添加泥水
102 鉄粉含有分離物
103 洗浄泥水
104 最終鉄粉含有分離物
50 泥水処理施設
501 固液分離装置
502 調整槽
503 余剰泥水槽
60 シールド掘削機
61 圧力室
90 端末装置
91 情報処理装置
92 入力装置
93 出力装置
911 自動制御部
912 鉄粉管理部
913 時間報知部
914 泥水監視部
Claims (5)
- 重金属に汚染された粘性土を含む汚染泥水を貯留し、該汚染泥水の比重を管理調整する泥水槽と、該泥水槽より供給される前記汚染泥水を鉄粉にて洗浄し、前記重金属が除去された洗浄泥水を作製する3つ以上の重金属除去装置と、該重金属除去装置各々より排出される前記洗浄泥水を貯留する洗浄泥水槽とを備える汚染土壌洗浄設備であって、
3つ以上の前記重金属除去装置は各々が、
前記汚染泥水と前記鉄粉とを撹拌混合して該鉄粉に前記汚染泥水中の重金属を吸着させながら、鉄粉添加泥水を作製する重金属吸着槽と、
該重金属吸着槽で作製した前記鉄粉添加泥水を前記洗浄泥水と前記重金属を吸着した鉄粉が含有された鉄粉含有分離物とに比重分離する遠心分離機と、
を有するとともに、
3つ以上の前記重金属除去装置は互いに、
前記鉄粉含有分離物に含有された状態の前記鉄粉が、前記重金属除去装置各々を経由して循環する循環路を形成するよう、配置され、
前記循環路において、前記重金属除去装置各々の遠心分離機にて比重分離した前記鉄粉含有分離物が、下流側に隣り合う前記重金属除去装置の前記重金属吸着槽に直接投下されることを特徴とする汚染土壌洗浄設備。 - 請求項1に記載の汚染土壌洗浄設備において、
3つ以上の前記重金属除去装置のうち、少なくとも1つの重金属除去装置に備えた前記重金属吸着槽が、鉄粉含有分離物を廃棄するための廃棄汚泥水槽に連結されることを特徴とする汚染土壌洗浄設備。 - 請求項1または2に記載の汚染土壌洗浄設備において、
前記泥水槽から前記重金属吸着槽各々に汚染泥水を供給するための排泥管および前記重金属吸着槽から前記遠心分離機に前記鉄粉添加泥水を供給するための排泥管にそれぞれ自動バルブ及びポンプが、また、前記遠心分離機から前記洗浄泥水槽に前記洗浄泥水を供給するための排泥管に自動バルブが設けられるとともに、
該自動バルブの開閉、およびこれに伴う前記ポンプの作動を制御する端末装置が備えられることを特徴とする汚染土壌洗浄設備。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の汚染土壌洗浄設備を用いた汚染土壌の洗浄工法であって、
前記鉄粉含有分離物に含有された状態の前記鉄粉の前記循環路を形成するように配置された3つ以上の前記重金属除去装置各々において、
前記重金属吸着槽にて、前記泥水と前記鉄粉もしくは前記鉄粉含有分離物を混在させる第1の工程、前記泥水と前記鉄粉もしくは前記鉄粉含有分離物を混合撹拌して、前記鉄粉もしくは前記鉄粉含有分離物に含まれる鉄粉に汚染泥水中の重金属を吸着させながら、前記鉄粉添加泥水を作製する第2の工程、および前記鉄粉添加泥水を前記重金属吸着槽から前記遠心分離機に供給し、前記洗浄泥水と前記鉄粉含有分離物とに比重分離する第3の工程を繰り返し実行させるとともに、
第3の工程を実施している前記重金属除去装置から、前記循環路の下流側に隣り合う第1の工程を実施している前記重金属除去装置の重金属吸着槽に、比重分離された鉄粉含有分離物を投下させるよう、前記重金属除去装置各々で同時刻に実施する作業工程をずらすことを特徴とする汚染土壌の洗浄工法。 - 請求項4に記載の汚染土壌の洗浄工法において、
前記第2の工程を複数回連続して行った後、第3の工程に移行することを特徴とする汚染土壌の洗浄工法。
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