JP6455880B2 - 鋳造シミュレーション方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱応力及び変形解析方法を用いた鋳造シミュレーション方法に関するものである。
鋳造品、熱間鍛造品および熱間圧延品など、高温で加工された金属が常温に到る過程で発生する残留応力や変形を予測するため、従来から、解析プログラムにおいて弾塑性構成式が用いられてきた。
例えば、豊田中央研究所の董らの例として、特許文献1や、非特許文献1等が挙げられる。
しかし、回復を考慮できない弾塑性構成式や弾粘塑性構成式では、硬化の尺度として、相当非弾性ひずみの量(塑性ひずみ量、粘塑性ひずみ量)を用いるため、変形と同時に回復が起こるような高温で発生した非弾性ひずみも、常温において生じる非弾性ひずみと同程度に加工硬化に寄与するものとして扱われる。その結果、常温における非現実的な降伏応力の上昇へとつながり、熱応力解析の精度に問題が生じていた。
これに対し、いくつかの回復を考慮可能な構成式が提案されてきたが、いずれも回復の考慮の仕方に物理的根拠がない、または、実験的な根拠がないために予測精度に問題があった。
以下に、当該発明に関係する従来の知見の問題点を述べる。
特願2014−004578号明細書 特開2007−330977号公報 特開2001−181803号公報 特開2009−236904号公報
董 樹新, 岩田 靖, 杉山 義雄, 岩堀 弘昭:鋳造工学, 81(5), 2009, pp 226-231, ADC12 アルミニウム合金ダイカストの低温割れ発生クライテリオン」 Hallvard G. Ejar, Asbjorn Mo: Metallurgical Transactions B, December 1990, Volume 21, Issue 6, Pages 1049-1061, 「ALSPEN-A mathematical model for thermal stresses in direct chill casting of aluminum billets」 W. M. van Haaften, B. Magnin, W. H. Kool, L. Katgerman: Metallurgical and Materials Transactions A, July 2002, Volume 33, Issue 7, Pages 1971-1980, 「Constitutive behavior of as-cast AA1050, AA3104, and AA5182」 Alankar Alankar, Mary A. Wells: Materials Science and Engineering A, Volume 527, Issues 29-30, 15 November 2010, Pages 7812-7820, 「Constitutive behavior of as-cast aluminum alloys AA3104, AA5182 and AA6111 at below solidus temperatures」
Hallvardらが提案した構成式(非特許文献2)は、以下の様に応力と非弾性ひずみの関係を表す構成式(I)として表現されており、結果として、ある特定の温度以上で生じた非弾性ひずみは硬化に寄与しないが、その温度以下で生じた非弾性ひずみは全て加工硬化に寄与することになっている。しかしながら、回復を生じる温度が、ある温度を境に急に出現することがないことは金属学上明らかであり、この構成式には問題がある。
応力と非弾性ひずみの関係を表す構成式(I)
Figure 0006455880
また、Van Haaftenらが提案した構成式(非特許文献3)は、以下の様に応力と非弾性ひずみの関係を表す構成式(II)として表現されており、高温で0、低温で1となる関数αを用いることによって、各温度で生じた非弾性ひずみの加工硬化に対する寄与率を滑らかに考慮することを目的としている。
しかし、累積非弾性ひずみ量に直接αをかけていて、増分形式とはなっていないため、高温で生じた非弾性ひずみは、結局、低温で加工硬化に寄与してしまい、上記構成式と同様に、非現実的な降伏応力の上昇を招くことは避けられない。
応力と非弾性ひずみの関係を表す構成式(II)
Figure 0006455880
さらに、Alankarらが提案した構成式(非特許文献4)は、以下の様に応力と非弾性ひずみの関係を表す構成式(III)として表現されており、常温における加工硬化指数nRTと、高温における加工硬化指数n(T)の比が小さくなるほど回復が発生するような式となっている。
しかしながら、n(T)/nRTの比によって加工硬化に寄与する塑性ひずみと、加工硬化に寄与しないクリープひずみ(加工硬化に寄与しないひずみ)の分配比率が決まるということは金属学上根拠が無い。また、非弾性ひずみをクリープひずみと塑性ひずみに分けた場合に、構成式の材料定数をどのように同定するかは明記されていないため、以下の式中のK(T), n(T), m(T)を正確に求めることができない。
応力と非弾性ひずみの関係を表す構成式(III)
Figure 0006455880
近年、特許文献1において、上記の問題を一部解決した構成式が提案された。これは以下の様に、応力と弾性ひずみ、非弾性ひずみの関係を表す構成式として表現されている。これによれば、非弾性ひずみを加工硬化に寄与する塑性ひずみ、加工硬化に寄与しないクリープひずみに分割し、高温で発生する非弾性ひずみは主にクリープひずみで表現し、温度が下げるにつれて徐々に塑性ひずみが生じるようにすることによって、室温において過剰に降伏応力が上昇しないよう工夫をしている。
応力と弾性ひずみ、非弾性ひずみの関係を表す構成式
Figure 0006455880
なお、fは降伏関数を表す。
しかしながら、上掲した特許文献1における構成式は、各温度において得られた応力-相当非弾性ひずみ曲線の形状から、塑性ひずみとクリープひずみの割合を決定しており、金属学的な根拠に基づいて決定している訳ではない。また、定常クリープ則を用いており、結果として、低歪み領域でクリープひずみの発生量を低く見積もってしまう一方で、塑性ひずみを現実よりも過剰に見積もることが避けられない。従って、残留応力や変形の予測精度に問題が残されている。
ここで、高温における非弾性ひずみが、どの程度、常温における加工硬化に寄与するかということは、合金の組成や、熱処理等の熱履歴、凝固組織に依存することが金属学的に明らかとなっている。
しかしながら、未だかつて、鋳造品、熱間鍛造品および熱間圧延品など、高温で加工された金属が常温に到る過程で発生する残留応力や変形を予測するために、上述した諸因子を全て加味した構成式は構築されていない。
したがって、現状、構成式の構築においては、高温における非弾性ひずみがどの程度、常温における加工硬化に寄与するかを実験的に明らかにして、構成式に組み込むことが望ましい。
しかし、従来用いられてきた構成式で、実験的に、または理論的に決定された『各温度で生じた非弾性ひずみが室温の加工硬化に及ぼす影響』を構成式に組み込めるものは存在しない。また、この影響を組み込み可能な構成式の材料定数の決定の仕方についての知見も同様に存在しない。
本発明は、上記の現状に鑑み開発されたもので、熱応力及び変形解析法を用いた鋳造シミュレーション方法であって、解析において算出される非弾性ひずみ速度に、加工硬化に寄与する非弾性ひずみの割合を表す有効非弾性ひずみ係数αを乗算し、それを、解析上で0秒からの時間に対して積分することにより加工硬化に有効な相当非弾性ひずみ量を求め、それを構成式における加工硬化の尺度として用いることを特徴とする。
加えて、各温度で生じる非弾性ひずみの加工硬化への寄与率である有効非弾性ひずみ係数α(T)を実験的に決定する方法を提供することで、上述した種々の問題の解決を図るものである。
Figure 0006455880
2.前記有効非弾性ひずみ係数α(T)の値を求めるに当たり、複数の温度において、非弾性予ひずみを複数水準、試験片に与えた後、室温まで冷却し、室温における該試験片の引張、もしくは圧縮試験を実施し、降伏応力の上昇に及ぼす上記の温度で与えた非弾性予ひずみ量の影響を測定することを特徴とする前記1に記載の鋳造シミュレーション方法。
3.応力-相当非弾性ひずみ曲線を、前記α(T)を用いて応力-有効相当非弾性ひずみ曲線に変換し、これを基に有効非弾性ひずみを導入した構成式の材料定数を決定することを特徴とする前記1または2に記載の鋳造シミュレーション方法。
4.前記α(T)を前記式(1)に入力する際、α(T)が0または負の値であり、かつ、その温度における応力-相当非弾性ひずみ曲線が加工硬化を示す温度域において、該α(T)を0または負の値から正の微小な値に補正することを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の鋳造シミュレーション方法。
本発明を用いれば、従来の物理的、金属学的な不合理性を排除し、回復により温度ごとに異なる、各温度で生じた非弾性ひずみが室温での加工硬化に及ぼす影響を実験事実に基づいて表現できるようになるので、 高温で加工された金属が常温に到る過程で発生する残留応力や変形を、より正確にシミュレーションすることが可能になる。
有効非弾性ひずみ係数を求める試験における試験片の温度履歴の概念図である。 各温度で与えられた非弾性予ひずみが室温における降伏応力に与える影響の概念図である。 実施例における、有効非弾性ひずみ係数を求める試験におけるJIS ADC12の温度履歴の説明図である。 実施例における、各温度において与えられた非弾性予ひずみがJIS ADC12における室温の0.2%耐力に与える実験結果の説明図である。 実施例における、実験的に取得されたJIS ADC12の材料定数K、m、n、αの説明図である。 実施例における、室温でのJIS ADC12の応力ひずみ曲線の実験値と本発明による計算値を比較した結果の説明図である。 実施例における、200℃でのJIS ADC12の応力ひずみ曲線の実験値と本発明による計算値を比較した結果の説明図である。 実施例における、250℃でのJIS ADC12の応力ひずみ曲線の実験値と本発明による計算値を比較した結果の説明図である。 実施例における、300℃でのJIS ADC12の応力ひずみ曲線の実験値と本発明による計算値を比較した結果の説明図である。 実施例における、350℃でのJIS ADC12の応力ひずみ曲線の実験値と本発明による計算値を比較した結果の説明図である。 実施例における、400℃でのJIS ADC12の応力ひずみ曲線の実験値と本発明による計算値を比較した説明図である。 実施例における、450℃でのJIS ADC12の応力ひずみ曲線の実験値と本発明による計算値を比較した結果の説明図である。 実施例における、拡張Ludwik則を用いて計算した『室温、450℃での非弾性予ひずみが、室温での降伏応力の上昇に及ぼす影響』を説明した図である。 実施例における、本発明を用いて計算した『各温度で与えられた非弾性予ひずみが、室温での降伏応力の上昇に及ぼす影響』を説明した図である。 実施例における、各温度で与えられた非弾性予ひずみが室温での0.2%耐力の上昇に及ぼす影響の実験値と本発明による計算値を比較した結果の説明図である。 実施例における、各温度において与えられた非弾性予ひずみがFCD400の室温での0.2%耐力に与える実験結果の説明図である。
Figure 0006455880
上述の有効非弾性ひずみ係数:α(T)の決定は、α(T)を求めたい温度にて種々の非弾性予ひずみを与えた後に、常温まで冷却し、引張試験、もしくは圧縮試験を行い、降伏応力の上昇を測定することによって行われる。
以下、α(T)の取得方法についてさらに詳細に述べる。
引張試験片を、図1に示す温度履歴のように加熱する。例えば、α(T)を求める温度をT3とすると、T1、T2、T3、・・・、Tn中のT3において、予ひずみを1回の試験で1条件だけ与える。 その後、室温まで冷却し、室温で引張、もしくは圧縮試験を実施する。そして降伏応力の上昇を測定する。この手続きを、それぞれの温度にて、かつ複数の非弾性予ひずみを与えることによって、室温における降伏応力の上昇に対する各温度で与えた非弾性ひずみ量の影響を測定する。
望ましくは、全ての試験条件において、同一の温度履歴にする。その理由は測定値に対する試験片の温度履歴の影響を排除するためである。
ここで、本発明における上記試験は、応力-ひずみ曲線が取得できて、降伏応力が測定できれば、引張試験でも圧縮試験でも良く、特に制限はない。なお、本発明における引張試験は、例えば、JIS Z 2241:2011など公知公用の引張試験を用いることができる。また、圧縮試験は、例えば、JIS K 7181:2011など公知公用の圧縮試験を用いることができる。
上記の試験で得られた結果の概念図を、図2に示す。図2は各温度で与えられた非弾性ひずみが室温における降伏応力の上昇に及ぼす影響を示している。図2において、常温で与えた非弾性ひずみに対する降伏応力の傾きをh(RT)とすると、各温度で与えた非弾性ひずみと降伏応力の傾きもh(T)と表すことができることが分かる。
従って、各温度においてh(T)/h(RT)の値は、生じた非弾性ひずみが全て加工硬化に寄与する室温に対して、各温度で生じた非弾性ひずみがどの程度の割合で室温における加工硬化に寄与するかを表す有効非弾性ひずみ係数α(T)となる。
実験的に有効非弾性ひずみ係数α(T)が0、すなわちその温度で生じた非弾性ひずみが室温における加工硬化に寄与しない温度域において、その温度における応力-非弾性ひずみ曲線が加工硬化を示す場合、有効非弾性ひずみ係数α(T)が0であると、有効非弾性ひずみを導入した構成式は、有効非弾性ひずみを生じないため、原理的に加工硬化を表現することができない。つまり、応力-ひずみ曲線が弾完全塑性、もしくは弾完全粘塑性挙動を示すことになる。その場合、応力-ひずみ曲線の再現性が悪くなる結果、熱応力や変形の予測精度が低下する。
Figure 0006455880
Figure 0006455880
加工硬化の度合いを表す指数n(T)を含む項は有効非弾性ひずみを変数として含む。また、応力-ひずみ曲線のひずみ速度依存性を表す指数m(T)を含む項は相当非弾性ひずみ速度を変数として含む。そして、式全体としては、有効非弾性ひずみを含むため、各温度において、非弾性ひずみ速度を、m(T)を含む項に代入し、応力−有効相当非弾性ひずみ曲線にフィッティングするようにK(T)、n(T)、m(T)を数値最適化により求める。
以上の手順で有効相当非弾性ひずみεeffective inelasticが求まる。そして、本発明では、有効相当非弾性ひずみを用いて、非弾性ひずみを付与した温度における非弾性ひずみが室温での加工硬化に及ぼす影響をシミュレーションするものである。この具体的な鋳造シミュレーション方法の手順は、以下、実施例に記載するが、ポイントを記載すると以下のとおりである。
Figure 0006455880
Figure 0006455880
そして、以下、公知公用の鋳造シミュレーション手順を示すが、
(I) 要素作成ステップ
(II) 要素定義ステップ
(III) 伝熱解析ステップ
(IV) 熱応力解析ステップ
(V) 解析結果評価ステップ
において、本発明では、(II)で相当応力-相当有効非弾性ひずみ曲線を用いて求めた構成式の材料定数を、有効非弾性ひずみ量を導入した構成式に入力する。そして、(IV)の熱応力解析ステップにおいて、有効非弾性ひずみ量を計算し、それを従来用いられてきた相当非弾性ひずみの代わりに加工硬化量をあらわすパラメータとして用い、熱応力の計算を行う。
本発明が代表的なアルミニウムダイカスト合金であるJIS ADC12において、室温における加工硬化挙動に対する各温度域で生じた非弾性予ひずみの影響を精度良く予測可能なことを、従来、鋳造品の力学モデルとして最も良く用いられており、代表的な弾粘塑性構成式である拡張Ludwik式を使用して示す。
なお、有効非弾性ひずみ導入前後の具体的な式の形は、段落[0032]に示したとおりである。
まず、代表的なアルミニウムダイカスト合金であるJIS ADC12を解析対象として、各温度における有効非弾性ひずみ係数:α、材料定数(K(T)、n(T)、m(T))を、段落[0026]〜[0033]に記載の手順に従って求める。
ついで、材料定数K(T)、m(T)、n(T)を求めるのに必要な応力-非弾性ひずみ曲線を取得するために、引張試験を実施した。その条件は、試験ひずみ速度、10-3/s、10-4/s、試験温度、RT、200℃、250℃、300℃、350℃、400℃、450℃として、応力-非弾性ひずみ曲線の取得を行った。なお、試験片はJIS ADC12を銅舟型で鋳造し、引張試験片形状に加工した。
上記試験時、全ての試験片において室温から450℃まで加熱し、450℃、1時間の熱処理を行ってから、析出物を再固溶させたのち、可能な限り早く試験温度まで冷却を行い、冷却時の力学特性が正確に得られるようにした。試験温度に達した後、速やかに引張試験を行った。
また、有効非弾性ひずみ係数α(T)を求める試験は、RT、200℃、250℃、300℃、350℃、400℃、450℃で実施した。450℃、1時間の溶体化処理後に、図3に示す温度履歴で目標の非弾性予ひずみを付与する温度まで降温させ、目標温度に達した後、保持中に引張の非弾性予ひずみを加えた。なお、各温度において、2〜3水準の予ひずみを与えた。
予ひずみ付与後、室温まで冷却し、試験片をドライアイスで急冷することにより、自然時効による降伏応力の上昇の影響を排除した。そして、室温において各試験片の引張試験を行うことにより、0.2%耐力を求めた。その結果を図4に示す。なお、非弾性予ひずみの付与を行わなかった試験片の0.2%耐力は106MPaであった。
同図より各温度における非弾性予ひずみ増分量に対する0.2%耐力の上昇率、すなわちh(T)を求め、室温におけるh(RT)の値を用いて有効非弾性ひずみ係数α(T)を求めた。その値を図5に示す。350℃以上400℃までの温度域では、定義上は有効非弾性ひずみ係数が0となるが、生じた非弾性ひずみは、生じた量に依存はしないものの室温における加工硬化に寄与しており、かつ応力-非弾性ひずみ曲線においても加工硬化示す。450℃では有効非弾性ひずみ係数が0となり、かつ生じた非弾性ひずみも室温における加工硬化に寄与しない。このような実験的事実より、段落[0031]で述べたように、αを、350 ℃では0.000185、400 ℃では0.0000927、450℃では0とし、有効非弾性ひずみ係数を0から非常に微小な値に補正することで、350〜400℃における応力-非弾性ひずみ曲線において加工硬化を表現可能としつつ、有効非弾性ひずみをほぼ生じさせない設定とした。
かくして得られた有効非弾性ひずみ係数α(T)を用いて、段落[0040]で取得した応力-非弾性ひずみ曲線を応力-有効非弾性ひずみ曲線に変換したのち、段落[0032]および段落[0033]の記載に従って、K(T)、m(T)、n(T)の値を取得した。得られたK(T)、m(T)、n(T)の値を図5に示す。
温度、RT、200℃、250℃、300℃、350℃、400℃、450℃、ひずみ速度10-3/s、10-4/sで引張試験を行った場合の応力-非弾性ひずみ曲線の実験値と、有効非弾性ひずみを導入した拡張Ludwik式による計算値との比較を図6〜図12に示す。450 ℃を除き、有効非弾性ひずみを導入した構成式は応力-非弾性ひずみ曲線のひずみ速度依存性と形状を精度良く再現できている。今回は, 限られた実験温度範囲で得られたデータに忠実に従い、450 ℃を段落[0031]におけるTmaxとしたので、段落[0030]、段落[0031]で述べたように、 450 ℃では、応力-非弾性ひずみ曲線が、完全粘塑性挙動となる。そのため実験値と計算値に乖離が見られる。
しかし、α=0の温度、段落[0031]におけるTmaxを液相線温度と仮に設定して、段落[0031]の記載に従ってαを補正すれば、応力-非弾性ひずみ曲線の再現性も向上すると考えられる。
拡張Ludwik式において有効非弾性ひずみを導入したものと、そうではないものにおいて、各温度で付与された非弾性予ひずみが室温における降伏応力に及ぼす影響を計算し、比較した結果を図13、図14に示す。
有効非弾性ひずみを導入していない従来の拡張Ludwik式では原理的に全ての温度域で生じた非弾性ひずみを等価として、硬化の尺度に含めてしまう。よって、図13から明らかなように450℃で生じた非弾性ひずみが室温で生じた非弾性ひずみと同様に降伏応力の上昇に寄与し、非現実的な降伏応力の上昇につながっている。なお、他の温度で与えた非弾性ひずみも、450℃と同様の結果となりプロットが重なるため図では省略している。
一方、図14に示すように有効非弾性ひずみを導入した拡張Ludwik式では温度が下がるにつれて付与された非弾性予ひずみ量の加工硬化に及ぼす割合が徐々に増えており、実験結果で見られた挙動を再現している。
各温度における非弾性予ひずみ量が室温における降伏応力に及ぼす影響について、実験値と有効非弾性ひずみを導入した拡張Ludwik式による計算値との比較を図15に示す。
同図より、有効非弾性ひずみを導入した解析プログラムは、降伏応力の上昇において、非弾性予ひずみ量に依存しない300℃以上でその挙動を再現できていることが分かる。また、降伏応力の上昇が非弾性予ひずみ量に依存する300℃以下においても当該プログラムはその挙動を精度良く再現できている。
図16に、代表的な鋳鉄であるJIS FCD400において、実験的に求めた高温での非弾性ひずみが室温での0.2%耐力に及ぼす影響を示す。
同図からわかるように、700℃で付与された予ひずみは、室温における加工硬化に寄与していないことが分かる。一方、350℃で付与された非弾性ひずみは室温での加工硬化に寄与し、なおかつ、加工硬化量は付与された非弾性ひずみ量に寄与する。この挙動は、ADC12で観察された挙動と同じであり、FCD400においても、本発明が使用可能であることが分かる。

Claims (4)

  1. Figure 0006455880
  2. 前記有効非弾性ひずみ係数α(T)の値(h (T) /h (RT) を求めるに当たり、複数の温度において、非弾性予ひずみを複数水準、試験片に与えた後、室温まで冷却し、室温における該試験片の引張、もしくは圧縮試験を実施し、降伏応力の上昇に及ぼす上記の温度で与えた非弾性予ひずみ量の影響(h (T) を測定することを特徴とする請求項1に記載の鋳造シミュレーション方法。
  3. 応力-相当非弾性ひずみ曲線を、前記α(T)を用いて応力-有効相当非弾性ひずみ曲線に変換し、これを基に前記有効相当非弾性ひずみ量ε effective inelastic を導入した構成式の材料定数を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の鋳造シミュレーション方法。
  4. 前記α(T)を前記式(1)に入力する際、α(T)が0または負の値であり、かつ、その温度Tにおける応力-相当非弾性ひずみ曲線が加工硬化を示す温度域において、該α(T)を0または負の値からα(T)が実験的に非0の温度域において、最大の温度における有効非弾性ひずみ係数α min と、実験的にαが0になる温度域における最大温度T max (あるいは固相線温度でも良い)を用いて、線形補完した正の微小な値に補正することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋳造シミュレーション方法。
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