以下、図面を参照して、本技術を適用した実施の形態について説明する。
〈第1の実施の形態〉
〈光ディスクについて〉
まず、本技術においてデータが記録されたり、データが読み出されたりする記録媒体について説明する。
例えば本技術でデータの読み書きの対象とされる記録媒体は、追記可能なライトワンス型のものであればどのようなものであってもよいが、以下では、記録媒体がランドアンドグルーブフォーマットのライトワンス型の光ディスクである場合を例として説明を続ける。
そのような光ディスクは、例えば図1に示すように複数の記録層を有している。
図1の例では、図中、左側が光ディスクの内周側を表しており、図中、右側が光ディスクの外周側を表している。また、光ディスクには、DS0面とDS1面とが設けられており、それらの面に対して同時にデータの読み書きが可能となっている。
光ディスクのDS0面にはL0層、L1層、およびL2層が設けられており、同様に光ディスクのDS1面にもL0層、L1層、およびL2層が設けられている。図1の例では、図中、上側から下方向に向かって順番に、DS1面のL2層、DS1面のL1層、DS1面のL0層、DS0面のL0層、DS0面のL1層、およびDS0面のL2層となっている。
なお、以下、各層についてDS0面であるかDS1面であるかを特に区別する必要のない場合には、単に層とも称することとする。したがって、例えばL1層と記すときには、DS0面のL1層、DS1面のL1層、またはDS0面とDS1面のL1層を意味することとする。
DS0面およびDS1面の各層には、主にユーザデータ領域およびスペア領域と、DMA(Disk Management Area)領域またはDMAミラー領域とが設けられている。
ここで、ユーザデータ領域は、ユーザにより指定されたデータであるユーザデータが記録される領域であり、通常はユーザにより記録が指示されたユーザデータは、ユーザデータ領域に記録される。
例えばユーザデータ領域は、いくつかの連続記録領域、すなわちSRR(Sequential Recording Range)に区分けされる。そして、記録可能なSRRがオープンなSRRとされて、オープンなSRRにユーザデータが記録されていき、これ以上SRRにユーザデータを書き込まない場合や、SRR全域にユーザデータが書き込まれた場合にSRRがクローズされる。なお、いくつかの連続するSRRはセッションとも呼ばれている。また、SRRは1または複数のクラスタから構成される。
また、スペア領域は交代処理が行われた時にユーザデータの記録先となる交代領域である。例えば、ユーザデータ領域の所定領域がユーザデータの記録先(書き込み先)として指定されたが、指定されたユーザデータ領域に対して、欠陥等の何らかの理由によりユーザデータが記録できない場合、スペア領域を実際のユーザデータの記録先としてユーザデータが記録される。このようにスペア領域へとユーザデータの記録先を変更する処理は交代処理と呼ばれている。
図1では、DS0面の「Spare00」乃至「Spare05」、およびDS1面の「Spare10」乃至「Spare15」のそれぞれがスペア領域を表しており、光ディスクには最大でこれらの12か所の領域をスペア領域として設定することが可能である。
具体的には、DS0面およびDS1面のそれぞれのL0層の内周側にSpare00およびSpare10が設けられており、DS0面およびDS1面のそれぞれのL0層の外周側にSpare01およびSpare11が設けられている。
また、DS0面およびDS1面のそれぞれのL1層の内周側にSpare03およびSpare13が設けられており、DS0面およびDS1面のそれぞれのL1層の外周側にSpare02およびSpare12が設けられている。
さらに、DS0面およびDS1面のそれぞれのL2層の内周側にSpare04およびSpare14が設けられており、DS0面およびDS1面のそれぞれのL2層の外周側にSpare05およびSpare15が設けられている。
光ディスクでは、ユーザデータ領域に連続した欠陥(ディフェクト)が検出された場合、交代処理により連続した欠陥の領域を、連続したスペア領域に交代させることができる。
なお、スペア領域の大きさは、光ディスクフォーマット時の管理領域に記録されるInner Spare Area SizeまたはOuter Spare Area Sizeの値により定まる。
ここで、DS0面およびDS1面の各層のInner Spare Area Sizeは、例えば2×512×IS(但し、所定値をTBDとして0≦IS≦TBD)などとされる。また、DS0面およびDS1面の各層のOuter Spare Area Sizeは、例えば2×512×OS(但し、0≦OS≦TBD)などとされる。このような場合、光ディスク全体におけるスペア領域の合計の大きさは、1024×IS×2×3+1024×OS×2×3となる。
また、光ディスクに設けられたDMA領域およびDMAミラー領域は、ユーザデータ領域やスペア領域を管理するための管理情報が記録される管理領域である。DMA領域はDS0面の各層に設けられており、DMAミラー領域はDS1面の各層に設けられている。
図1の例ではDS0面の「DMA0」乃至「DMA7」のそれぞれがDMA領域を表しており、DS1面の「DMA-Mirror0」乃至「DMA-Mirror7」のそれぞれがDMAミラー領域を表している。
特に、DS0面L1層のインナーゾーンに設けられたDMA0、DS0面L2層のインナーゾーンに設けられたDMA1、DS1面L1層のインナーゾーンに設けられたDMA-Mirror0、およびDS1面L2層のインナーゾーンに設けられたDMA-Mirror1は、予め定められた固定の領域とされている。
これに対して、L0層の内周側に設けられたDMA2とDMA-Mirror2、L0層の外周側に設けられたDMA3とDMA-Mirror3は、ユーザが設定可能な領域としてDS0面およびDS1面に存在している。
同様に、DS0面およびDS1面には、L1層の外周側に設けられたDMA4とDMA-Mirror4、L1層の内周側に設けられたDMA5とDMA-Mirror5、L2層の内周側に設けられたDMA6とDMA-Mirror6、L2層の外周側に設けられたDMA7とDMA-Mirror7がユーザにより設定可能な領域として存在している。
各DMA領域はDS0面にある、交代処理を行うために使用される領域であり、DS0面にあるDMA領域で、光ディスク全体、つまりDS0面およびDS1面の交代処理に関する情報である交代情報が管理される。DMA領域に記録される情報は、DS1面のDMAミラー領域にも記録されることで、情報の2重化が行われる。
図1の例では、各DMA領域がDMA0、DMA1、DMA2、DMA3、DMA4、DMA5、DMA6、およびDMA7の順番で使用される。つまりDMA0からDMA7へと順番に各DMA領域に交代情報を含む管理情報が記録されていく。
これらのDMA領域のうちのDMA0とDMA1は固定サイズとされる。また、DMA0およびDMA1以外の他のDMA領域は、光ディスクフォーマット時の設定によって、大きさを定めることができる。つまり、DMA2乃至DMA7は可変の大きさとすることができる。
このときDMA領域の大きさは、光ディスクフォーマット時の管理領域に記録されるInner DMA/DMA-Mirror Area SizeまたはOuter DMA/DMA-Mirror Area Sizeの値により定まる。
具体的にはDMA2、DMA5、およびDMA6の大きさは、例えば2×512×IT(但し、所定値をTBDとして0≦IT≦TBD)などとされる。また、DMA3、DMA4、およびDMA7の大きさは、例えば2×512×OT(但し、0≦OT≦TBD)などとされる。
DMA領域と同様に、各DMAミラー領域はDS1面にある、交代処理を行うために使用される領域であり、DS1面にあるDMAミラー領域で、光ディスク全体、つまりDS0面およびDS1面の交代処理に関する情報である交代情報が管理される。DMAミラー領域に記録される情報は、DS0面のDMA領域に記録される情報と同じ情報とされ、これにより情報の2重化が行われる。
図1の例では、各DMAミラー領域がDMA-Mirror0、DMA-Mirror1、DMA-Mirror2、DMA-Mirror3、DMA-Mirror4、DMA-Mirror5、DMA-Mirror6、およびDMA-Mirror7の順番で使用される。つまりDMA-Mirror0からDMA-Mirror7へと順番に各DMAミラー領域に管理情報が記録されていく。
これらのDMAミラー領域のうちのDMA-Mirror0とDMA-Mirror1は固定サイズとされる。また、DMA-Mirror0およびDMA-Mirror1以外の他のDMAミラー領域は、光ディスクフォーマット時の設定によって、大きさを定めることができる。
このときDMAミラー領域の大きさは、光ディスクフォーマット時の管理領域に記録されるInner DMA/DMA-Mirror Area SizeまたはOuter DMA/DMA-Mirror Area Sizeの値により定まる。
具体的にはDMA-Mirror2、DMA-Mirror5、およびDMA-Mirror6の大きさは、例えば2×512×IT(但し、0≦IT≦TBD)などとされる。また、DMA-Mirror3、DMA-Mirror4、およびDMA-Mirror7の大きさは、例えば2×512×OT(但し、0≦OT≦TBD)などとされる。
さらに、光ディスクには、図示せぬDMAアンカ領域が設けられている。DMAアンカ領域には、DMA領域やDMAミラー領域で交代処理が発生したときに、DMA領域やDMAミラー領域についての分断情報が記録される。すなわち、DMA領域やDMAミラー領域で欠陥等の理由により分断(交代処理)が発生するたびに、その分断に関する情報が記録されていく。
また、図1に示した光ディスクの各領域をL0層の内周側からL2層の外周側までPSN(Physical Sector Number)の順に並べると図2に示すようになる。なお、図2において図1における場合と対応する部分には、同じ名称が記されており、その説明は適宜省略する。
図2では、光ディスクの各領域のPSNとLSN(Logical Sector Number)が示されている。すなわち、矢印AL11により示される直線は各領域の位置でのPSNを表しており、矢印AL12で示される直線は各領域の位置でのLSNを表している。
ここで、PSNは光ディスクの記録領域上の物理的な位置を示す物理アドレスであり、LSNはユーザデータ領域の位置を示す論理アドレスである。
この例では、光ディスクのDS0面およびDS1面に対して独立にデータを記録可能であるので、それらの面の対応する位置には、同じPSNやLSNが付与されている。
例えば光ディスクのDS0面およびDS1面には、同じPSNがウォブル情報によって記録されている。しかし、PSNにより示される位置(領域)がDS0面上の位置であるのか、またはDS1面上の位置であるのかを区別するときには、必要に応じてPSNの最上位ビットにDS0面またはDS1面の何れであるかを示す面情報が付加され、SPSNとされる。
具体的には、DS0面のPSNに対しては、そのPSNの最上位ビットにDS0面を示す「0」が付加されてSPSNとされる。同様に、DS1面のPSNに対しては、そのPSNの最上位ビットにDS1面を示す「1」が付加されてSPSNとされる。
〈DMSについて〉
ところで、上述したように管理領域としてのDMA領域およびDMAミラー領域には、管理情報が記録されるが、この管理情報は例えばDMS(Disc Management Structure)と呼ばれるものとされる。また、DMAアンカ領域にも、分断情報を含むDMSが必要に応じて記録される。
DMSは、例えば図3に示すように予め定められた大きさの基本管理情報であるPDSD(Pointer&Counter, Disk Definition Structure, Sequential Recording Range Information 0 and Defect List 0)と、拡張管理情報であるSSRI(Sequential Recording Range Information)1およびDFL(Defect List)n(但し、n=1,…,16)とからなる。
具体的には、矢印Q11に示すPDSDは、所定の記録単位(ブロック)である1RUB(Recording Unit Block)分の大きさの基本構成となる情報であり、PDSDには、P&C(Pointer&Counter)、DDS(Disk Definition Structure)0、SRRI(Sequential Recording Range Information)0、およびDFL0が含まれている。ここでは1RUBは1クラスタとされ、クラスタには32個のセクタが含まれている。
P&Cには各種のポインタやカウンタが含まれており、DDS0にはスペア領域のどこまでデータが記録されたかを示す情報が含まれている。これらのP&CとDDS0で1フレーム分のデータ量となるようになされている。
SRRI0は1フレーム分のデータであり、SRRI0にはユーザデータ領域における各SRRの配置位置を示すディスク情報、すなわちユーザデータ領域に設けられたSRRの位置を示すSRRエントリが含まれている。なお、より詳細には、SRRI0はSRRエントリの記録のためのテンポラリの領域、つまりワークエリアとして使用される。
DFL0は30フレーム分のデータであり、DFL0には交代処理に関する情報である交代情報が含まれている。すなわち、交代処理が行われた時のユーザにより指定されたユーザデータの記録先(以下、交代元とも称する)と、交代処理により記録されたユーザデータの実際の記録先(以下、交代先とも称する)とを示すDFLエントリ等の情報がDFL0に記録される。
DFLエントリは、欠陥(ディフェクト)が発生した領域、つまり交代元の領域と、その交代先の領域を示すディフェクトリストである。なお、より詳細にはDFLエントリのなかには、交代元および交代先を示すもののほか、ユーザデータ領域やスペア領域等の各記録領域における欠陥のある領域を示すものもある。
DFL0はDFLエントリの記録のためのテンポラリの領域、つまりワークエリアとして使用される。
また、矢印Q12に示すSRRI1は、SRRに関する情報、つまりSRRIの拡張ユニットであり、1RUB分の大きさとされる。SRRI1は、SRRI0にSRRエントリが記録しきれなくなったときに生成され、SRRIの拡張領域として使用される。このとき、SRRI0にオープンされているSRRのSRRエントリがある場合には、そのSRRエントリはSRRI0に残されたままとされ、残りのSRRエントリ、つまり以降においてデータが追記されることのないクローズされたSRRのSRRエントリがSRRI1に記録される。
上述したP&Cには、SRRI1の先頭位置のSPSNがSRRI1の開始位置を示すポインタとして含まれている。
さらに、矢印Q13に示すDFLn(但し、n=1,…,16)は、欠陥に関する情報、つまりDFLの拡張ユニットであり、1RUB分の大きさとされる。DFLnは、DFL0にDFLエントリが記録しきれなくなったときに生成され、DFLの拡張領域として使用される。このとき、DFL0に記録されていたDFLエントリは全てDFLnに掃き出され(移動され)、DFL0にはDFLエントリが記録されていない状態とされる。また、DFL1乃至DFL16では重複するDFLエントリが排除されて各DFLエントリがソートされ、記録される。
上述したP&Cには、各DFLnの先頭位置のSPSNがDFLnの開始位置を示すポインタとして含まれている。
したがって、DMSは基本的にはPDSDのみから構成されるが、SRRIやDFLの拡張が行われた時には、DMSにはPDSDに加えて適宜SRRI1やDFLnが含まれることになる。
〈PDSDについて〉
続いて、以上において説明したPDSD、SRRI1、およびDFLnについてさらに詳細に説明する。まず、PDSDについて説明する。
PDSDは、例えば図4に示すように構成される。
PDSDの先頭フレームであるData Frame0には、上述したP&CとDDS0が含まれている。また、Data Frame0に続くData Frame1には、SRRI0が含まれている。そして、Data Frame2乃至Data Frame31にはDFL0が含まれている。
〈P&Cについて〉
P&Cは、例えば図5に示すように構成されている。
P&Cは、PDSDのData Frame0におけるbyte0からbyte511までの領域にあり、P&Cの先頭のW11の部分はP&Cのヘッダ領域となっている。また、W11の部分に続くW12の部分には、このP&Cを含むDMSがDMA領域やDMAミラー領域等のどの領域に記録されるものであるかを示すP&C indicatorが含まれている。
例えばこのP&Cを含むDMSの記録先がDS0面にあるDMA領域である場合、P&C indicatorの値は00hとされ、DMSの記録先がDS1面にあるDMAミラー領域である場合、P&C indicatorの値は01hとされる。また、DMSの記録先がDMAアンカ領域である場合、そのDMAアンカ領域内の記録先の領域やファイナライズ時であるかなどに応じて、P&C indicatorの値は02h、03h、または04hとされる。特に、光ディスクがファイナライズされる場合、P&C indicatorの値は04hとされる。
さらに、P&CのW12の部分には、このP&Cを含むDMSを構成するSSRI1およびDFL1乃至DFL16の記録先の開始位置を示すポインタが含まれている。
例えばFirst SPSN of DS0/DS1 SRRI1は、SRRI1の先頭位置のSPSNを示している。また、First SPSN of DS0/DS1 DFL1は、DFL1の先頭位置のSPSNを示している。
ここで、SSRI1の記録先の開始位置を示すポインタであるFirst SPSN of DS0/DS1 SRRI1の値は、SRRIが拡張されていないとき、つまりSRRI1がないときには00hとされる。また、P&C indicatorの値が02h乃至04hの何れかである場合にもFirst SPSN of DS0/DS1 SRRI1の値は00hとされる。
同様に、First SPSN of DS0/DS1 DFL1などのDFLnの記録先の開始位置を示すポインタの値は、DFLnがないときには00hとされる。また、P&C indicatorの値が02h乃至04hの何れかである場合にもDFLnの記録先の開始位置を示すポインタの値は00hとされる。
上述したように、基本的にはDMA領域とDMAミラー領域には、同じDMSが記録される。但し、それらのDMS内のP&CにおけるW12の部分のポインタの値は、DS0面であるかDS1面であるかも区別されるSPSNとなっているので、P&CにおけるW12の部分については、DMA領域とDMAミラー領域とで異なることになる。
W12の部分に続くW13の部分には各情報が更新された回数、つまり各情報のバージョン情報を示すカウンタが含まれている。具体的には、W13の部分には、DDS0 contents update count、DFL contents update count、SRRI contents update count、およびDMA-Anchor contents update countが含まれている。
DDS0 contents update countは、DDS0が更新された回数を示すカウンタであり、DDS0 contents update countはDDS0の内容が更新(変更)された場合にのみインクリメントされる。
DFL contents update countは、DFLが更新された回数を示すカウンタであり、DFL contents update countは、DFL0、DFLn(但し、n=1,…,16)、またはDFL0とDFLnの内容が更新(変更)された場合にのみインクリメントされる。つまり、新たにDFLエントリが追加された場合にのみインクリメントされる。
SRRI contents update countは、SRRIが更新された回数を示すカウンタであり、SRRI contents update countはSRRI0、SRRI1、またはSRRI0およびSRRI1の内容が更新(変更)されるとインクリメントされる。つまり、SRRエントリの内容に変更があった場合、または新たにSRRエントリが追加された場合にのみインクリメントされる。
DMA-Anchor contents update countは、DMA領域またはDMAミラー領域に分断が生じて、DMAアンカ領域に分断情報(DMS)が記録される場合にのみインクリメントされる。
W13の部分に含まれるDDS0 contents update count、DFL contents update count、およびSRRI contents update countの各値は、DMA領域やDMAミラー領域で欠陥が発生した等の理由によって、PDSDやSRRI1、DFLnの書き換え(書き直し)を行うなどの場合には、内容に変化がない限りインクリメント(カウントアップ)されないようになされている。これは、DMA領域に記録されるP&C内のカウンタの値と、DMAミラー領域に記録されるP&C内のカウンタの値との整合性を確保するためである。
例えばDMA領域にDMSを記録するときに欠陥があり、交代処理等によりDMSをDMA領域内の他の領域に書き直す時にP&C内のDDS0 contents update count等がインクリメントされると、DMAミラー領域に記録されるP&C内のDDS0 contents update countと値が一致しなくなり、どのDMSが最新のものであるかが分からなくなるからである。
同様にDMA-Anchor contents update countは、DMAアンカ領域に欠陥等があってDMSの書き直しをする場合等にはインクリメントされない。また、DMA-Anchor contents update countとして、DMA領域の分断に関する場合とDMAミラー領域の分断に関する場合とで共通して1つのものが用いられる。つまり、DMA領域に分断が生じた場合でも、DMAミラー領域に分断が生じた場合でも、同じDMA-Anchor contents update countがインクリメントされる。
P&CのW14の部分には、このP&Cを含むDMSがDMAアンカ領域に記録される場合に記録される情報が含まれている。
すなわち、DMA Flagには、DMA領域に異常があるかや分断が発生したかを示すフラグが含まれており、DMA-Mirror Flagには、DMAミラー領域に異常があるかや分断が発生したかを示すフラグが含まれている。
具体的には、DMA FlagにはDMA領域に異常があったか否かを示すDMA異常フラグと、DMA領域に分断があるか否かを示すDMA分断フラグが含まれている。同様に、DMA-Mirror FlagにはDMAミラー領域に異常があったか否かを示すDMAミラー異常フラグと、DMAミラー領域に分断があるか否かを示すDMAミラー分断フラグが含まれている。
さらにP&CのW14の部分には、DMA領域が分断する前の最後のRUBの先頭PSN、DMA領域が分断した後の最初のRUBの先頭PSN、DMAミラー領域が分断する前の最後のRUBの先頭PSN、およびDMAミラー領域が分断した後の最初のRUBの先頭PSNが分断情報として含まれている。これらの各情報により、欠陥等により分断される前と後のDMA領域やDMAミラー領域の記録位置を特定することができる。
W14の部分は、DMAアンカ領域にDMSが記録されるときだけ記録され、そうでない場合には、これらのW14の部分の各値は00hとされる。
W15の部分は、DMAアンカ領域をクローズする場合、つまり光ディスクをファイナライズする場合に、DMAアンカ領域にDMSが記録されるときだけ記録される。W15の部分には、DS0面やDS1面における最終的な、つまり最後にDMA領域やDMAミラー領域に記録されたPDSD、SRRI1、DFL1乃至DFL16などのDFLnの記録先の開始位置を示すポインタ等が記録される。なお、光ディスクをファイナライズしない場合には、これらのポインタの値は00hとされる。
〈DDS0について〉
また、PDSDに含まれるDDS0は、例えば図6に示すように構成される。
DDS0はPDSDのData Frame0におけるbyte512からbyte2047までの領域にあり、DDS0のW21の部分には、DDS0のヘッダ情報が記録される。また、W22の部分には、光ディスクの構成に関わる情報や、スペア領域の構成などが記録される。例えばW22の部分には、スペア領域や、DMA領域、DMAミラー領域の大きさを定めるInner Spare Area Sizeや、Inner DMA/DMA-Mirror Area Size、Outer Spare Area Size、Outer DMA/DMA-Mirror Area Sizeなどが記録される。
W23の部分には、光ディスクの各領域について、どこまで情報が記録されたかを示す情報が記録される。例えばW23の部分には、各スペア領域、つまり図1に示したSpare00乃至Spare15の各領域について、次に記録(追記)可能な最初の位置を示すPSNを示す情報が記録されている。
具体的には、例えばW23の部分のNext available PSN of DS0 L0 inner Spare00は、DS0面のL0層にあるSpare00における、次に記録可能な最初の位置のPSNを示している。したがって、次回に交代処理が行われてスペア領域であるSpare00にユーザデータが記録される場合には、このPSNの位置からユーザデータが記録されていくことになる。また、Spare00の領域が一杯になり、これ以上Spare00にユーザデータを記録することができない状態となると、Next available PSN of DS0 L0 inner Spare00の値としてFFhが記録される。これはSpare00に限らず、他のNext available PSNについても同様である。
さらに、例えばW23の部分のNext available PSN of DS1 L0 inner Spare10は、DS1面のL0層にあるSpare10における、次に記録可能な最初の位置のPSNを示している。
このようにW23の部分には、DS0面とDS1面の各層にあるスペア領域の次に記録可能な領域のPSNを示す情報が含まれている。したがって、DS0面とDS1面の全てのスペア領域のNext available PSNの値がFFhとなった場合には、記録可能なスペア領域はなくなったことになる。
また、W24の部分には、このDDS0を含むDMSがテンポラリ、つまり一時的な仮のものであるのか否かを示すcontrol Flagsなどの情報が記録される。ここで、control Flagsに含まれるTemporary DMSの値が1である場合、DMSがテンポラリのものであることを示しており、Temporary DMSの値が0である場合、DMSがテンポラリではないものであることを示している。
さらにW25の部分には、Drive IDに関する情報が記録される。
〈SRRI0について〉
また、PDSDに含まれるSRRI0は、例えば図7に示すように構成される。
SRRI0はPDSDのData Frame1の領域にあり、SRRI0の先頭のW31の部分はSRRI0のヘッダ領域とされており、このヘッダ領域にはSRRI0内のSRRエントリの総数を示すnumber of SRR entry on SRRI0などが含まれている。W31の部分に続くW32の部分には、オープンしているSRR(連続記録領域)の数を示すnumber of open SRRsが記録される。
また、W33の部分にはオープンしているSRRのリストが記録される。さらに、W34の部分には、SRRエントリとSRRターミネータが記録されている。このW34の部分の大きさは予め定められた大きさとなっている。そのため、SRRI0には予め定められた数のSRRエントリしか格納することができないようになっている。また、例えばW34の部分におけるSRR entry1は、SRRI0に含まれている1番目のSRRエントリを示している。
ここで、各SRRエントリは例えば図8に示す構成とされる。
この例では、SRRエントリにはStart SPSN、Session start、およびLast Recorded SPSNが含まれており、SRRエントリは64ビットの長さ(大きさ)の情報とされる。
Start SPSNは、このSRRエントリにより特定されるSRRの先頭の位置、より詳細には先頭のクラスタ内の先頭セクタのSPSNを示している。またLast Recorded SPSNは、このSRRエントリにより特定されるSRR内に記録されたデータの最後尾の位置、つまりSRRに記録されている最も後ろのユーザデータを含むセクタのSPSNを示している。
したがって、SRRエントリにより特定されるSRRには、Start SPSNにより示される位置から、Last Recorded SPSNにより示される位置までユーザデータが記録されていることになる。そして、さらにこのSRRにユーザデータが追記される場合には、Last Recorded SPSNで示されるセクタを含むクラスタの次のクラスタの先頭セクタ以降の位置にユーザデータが記録されていくことになる。
また、SRRエントリに含まれているSession startは、このSRRエントリにより特定されるSRRが複数のSRRからなるセッションを構成する最初(先頭)のSRRであるかを示している。具体的には、例えばセッションを構成する最初のSRRである場合にはSession startの値は1とされ、セッションを構成する最初のSRRでない場合にはSession startの値は0とされる。
このような64ビットからなるSRRエントリを、64ビットで表される整数値とみなして、SRRエントリを並べる(ソートする)と、整数値の最上位はSRRの先頭の位置のSPSNとなるので、各SRRエントリはアドレス順、つまりSPSN順に並ぶことになる。したがって、複数並べられたSRRエントリを参照するときに、目的とするSRRエントリをより迅速に検索することができ、利便性を向上させることができる。
〈DFL0について〉
PDSDに含まれるDFL0は、例えば図9に示すように構成される。
DFL0は、PDSDのData Frame2乃至Data Frame31の領域にある。DFL0のW41の部分は、DFL0のヘッダ領域とされており、このヘッダ領域にはDFL0内のDFLエントリの総数を示すnumber of DFL entry on DFL0などが含まれている。
W41の部分に続くW42の部分、つまりDFL0におけるData Frame2の途中からData Frame31の部分には、DFLエントリとDFLターミネータが記録されている。このW42の部分の大きさは予め定められた大きさとなっている。そのため、DFL0には予め定められた数のDFLエントリしか格納することができないようになっている。また、例えばW42の部分におけるDFL entry1は、DFL0に含まれている1番目のDFLエントリを示している。
なお、DFL0にDFLエントリが記録しきれなくなってDFLが拡張されているか否かは、上述したP&Cにおけるポインタの情報、具体的にはFirst SPSN of DS0/DS1 DFL1乃至First SPSN of DS0/DS1 DFL16から特定することができる。つまり、どのDFLnまでが生成されて、それらのDFLnにDFLエントリが記録されているかが分かる。
ここで、各DFLエントリは例えば図10に示す構成とされる。
この例では、DFLエントリにはOperation、Original SPSN、Address mode、およびDestination SPSNが含まれており、DFLエントリは64ビットの長さ(大きさ)の情報とされる。
Original SPSNは、28ビットの情報であり、光ディスクにおける欠陥が発生した記録領域(クラスタ)の位置を示している。Original SPSNにより示される領域は、交代処理時の交代元の位置を示す場合もあるし、交代元ではなく単に登録されている、欠陥が発生した領域の位置を示す場合もある。Destination SPSNは28ビットの情報であり、交代先の位置を示している。
Operationは、このDFLエントリが交代先および交代元を示すエントリであるか、または交代対象となる領域ではなく、単に使用できない領域であるとして登録されている、欠陥がある領域を示すエントリであるかを示すオペレーション情報である。
Address modeは、このDFLエントリで扱われる欠陥が単独のクラスタ(Physical Cluster)であるか、連続するクラスタであるかなど、交代のアドレスモードを示すアドレスモード情報である。
DFLエントリによれば、例えば図11に示すように、そのDFLエントリで扱われる欠陥が孤立した単独の欠陥であるか、または連続する欠陥であるかと、さらにその欠陥が交代されているか否かとを表現することができる。
例えば図11の例では、Operationの値は、DFLエントリで扱われる欠陥が交代されているときには1000とされ、欠陥が交代されていないときには0000とされる。
また、Address modeの値は、DFLエントリで扱われる欠陥が、登録されている単独の欠陥、または交代元となる単独の欠陥である場合には0000とされる。
さらに、DFLエントリで扱われる欠陥が連続する欠陥(連続するクラスタからなる欠陥)である場合、そのDFLエントリで扱われる欠陥のOriginal SPSNに応じてAddress modeの値は0001または0010の何れかとされる。
したがって、DFLエントリで扱われる欠陥の種類はOperationとAdddress modeとから図中、右側に「Type」として記されているRSD、RCD、NRSD、およびNRCDの4つの種類に分類することができる。換言すれば、DFLエントリに記述されているOperationとAddress modeから、どのような種類の欠陥であるかを特定することができる。
したがって、OperationとAddress modeからなる情報は、欠陥の種類を示す情報であるということができる。
ここでRSDは交代が行われた単独の欠陥を示しており、RCDは交代が行われた連続する欠陥を示しており、NRSDは交代が行われていない単独の欠陥を示しており、NRCDは交代が行われていない連続する欠陥を示している。
このような64ビットからなるDFLエントリを、64ビットで表される整数値とみなして、DFLエントリを昇順に並べる(ソートする)と、整数値の最上位はOperationの値となるので、交代されていない欠陥のDFLエントリが前半に配置され、その後に交代された欠陥のDFLエントリが配置されることになる。したがって、複数並べられたDFLエントリを参照するときに、目的とするDFLエントリをより迅速に検索することができ、利便性を向上させることができる。
〈SRRI1について〉
また、DMSを構成するSRRI1は、例えば図12に示すように構成される。
SRRI1の先頭のW51の部分はSRRI1のヘッダ領域とされており、このヘッダ領域にはSRRI1内のSRRエントリの総数を示すnumber of SRR entry on SRRI1などが含まれている。W51の部分に続くW52の部分にはSRRエントリとSRRターミネータが記録されている。例えばW52の部分におけるSRR entry1は、SRRI1に含まれている1番目のSRRエントリを示している。
〈DFLnについて〉
DMSを構成する各DFLn、すなわちDFL1乃至DFL16のそれぞれは、例えば図13に示すように構成される。
DFLnのW61の部分は、DFLnのヘッダ領域とされており、このヘッダ領域にはDFLn内のDFLエントリの総数を示すnumber of DFL entry on DFLnなどが含まれている。
W61の部分に続くW62の部分には、DFLエントリとDFLターミネータが記録されている。例えばW62の部分におけるDFL entry1は、DFLnに含まれている1番目のDFLエントリを示している。
〈記録再生装置の構成例〉
次に本技術を適用した記録再生装置の一実施の形態の構成例について説明する。本技術を適用した記録再生装置は、例えば図14に示す構成とされる。
図14に示す記録再生装置11は、以上において説明した構成を有する光ディスク12に対してデータの読み書きを行うものであり、例えば光ディスクドライブである。
記録再生装置11は、ホストI/F(Interface)21、コントローラ22、メモリ23、記録再生処理部24−1、記録再生処理部24−2、光ピックアップ25−1、光ピックアップ25−2、およびスピンドルモータ26を有している。
ホストI/F21は、図示せぬホスト機器と通信を行ってデータやコマンドの授受を行う。例えばホストI/F21は、ホスト機器から供給された各種のコマンドやデータをコントローラ22に供給する。また、ホストI/F21はコントローラ22から供給された各種の情報や、光ディスク12から読み出された各種のデータをホスト機器に供給する。
コントローラ22は、記録再生装置11全体の動作を制御する。例えばコントローラ22は、1つの制御チップから構成されるドライブ制御コントローラである。
例えば、コントローラ22はホストI/F21から供給されたデータを記録再生処理部24−1や記録再生処理部24−2に供給したり、記録再生処理部24−1や記録再生処理部24−2から供給されたデータをホストI/F21に供給したりする。
また、例えばコントローラ22は、ホストI/F21から供給されたコマンドに基づいて、記録再生処理部24−1や記録再生処理部24−2、スピンドルモータ26を制御し、光ディスク12にユーザデータ等のデータを記録させたり、光ディスク12からユーザデータ等のデータを読み出させたりする。
コントローラ22は、管理部41および交代処理部42を備えている。
管理部41は、光ディスク12の各領域の管理を行う。例えば管理部41は上述したDMSを生成したり、読み出されたDMSに基づいて、ユーザデータ等を記録可能な領域をホストI/F21を介してホスト機器に通知したりする。また、交代処理部42は、光ディスク12のユーザデータ領域やDMA領域、DMAミラー領域などに欠陥があり、データを記録することができない場合、交代処理を行う。
メモリ23は、コントローラ22と各種のデータの授受を行い、コントローラ22のワークエリアとして機能する。例えばホスト機器から供給された、光ディスク12に記録されるデータも一時的にメモリ23に記録される。
記録再生処理部24−1および記録再生処理部24−2は、コントローラ22の制御に従ってデータの記録や再生のための信号処理やサーボ動作を行う。
例えば記録再生処理部24−1および記録再生処理部24−2は、コントローラ22から供給されたデータを光ピックアップ25−1および光ピックアップ25−2に供給して光ディスク12に記録させる。また、例えば記録再生処理部24−1および記録再生処理部24−2は、光ディスク12から読み出され、光ピックアップ25−1および光ピックアップ25−2から供給されたデータをコントローラ22に供給する。
なお、以下、記録再生処理部24−1および記録再生処理部24−2を特に区別する必要のない場合、単に記録再生処理部24とも称する。
光ピックアップ25−1および光ピックアップ25−2は、記録再生処理部24の制御に従って、記録再生処理部24から供給されたデータに応じたレーザ光を光ディスク12に照射してデータを記録させる。また、光ピックアップ25−1および光ピックアップ25−2は、記録再生処理部24の制御に従って光ディスク12にレーザ光を照射するとともに、そのレーザ光の反射光を受光し、受光により得られたデータを読み出したデータとして記録再生処理部24に供給する。
なお、以下、光ピックアップ25−1および光ピックアップ25−2を特に区別する必要のない場合、単に光ピックアップ25とも称することとする。
また、例えば光ディスク12における、光ピックアップ25−1によってデータの記録や再生が行われる対象となる面が上述したDS1面とされ、光ピックアップ25−2によってデータの記録や再生が行われる対象となる面がDS0面とされる。
スピンドルモータ26は、コントローラ22の制御に従ってスピンドルを回転駆動させることにより、スピンドルに装着された光ディスク12を回転させる。
〈本技術について〉
(管理情報の多重化について)
続いて、本技術について説明する。
管理部41は、管理情報としてのDMSを光ディスク12の複数の領域に記録させる。具体的には、管理部41は図15に示すように、同じDMSを管理領域であるDMA領域とDMAミラー領域とに記録させる。
この例では、DMSとして、PDSD、SRRI1、およびDFLnが、それぞれDMA領域およびDMAミラー領域に記録されている。このとき、SRRI1およびDFLnは、DMA領域とDMAミラー領域とで同じものとなる。
これに対して、PDSDのP&Cに含まれているSRRI1のポインタであるFirst SPSN of DS0/DS1 SRRI1や、DFLnのポインタであるFirst SPSN of DS0/DS1 DFL n(但し、n=1,…,16)は、DMA領域とDMAミラー領域とで異なるものとなる。これは、上述したようにポインタにより指し示される位置情報に面情報が付加され、SPSNとされているからである。
なお、DDS0のアップデートカウンタであるDDS0 contents update countや、DFLのアップデートカウンタであるDFL contents update count、SRRIのアップデートカウンタであるSRRI contents update countは、DMA領域とDMAミラー領域とで同じものとなる。これは、上述したようにこれらのアップデートカウンタは、DMS(PDSD)の書き直しではカウントアップ(インクリメント)されないからである。
また、DMSの記録が行われる場合、DMSの記録データ量が最小となるのは、図16の上側に示すようにPDSDのみが記録されるときとなる。
例えばSRRIおよびDFLが拡張されず、SRRI1とDFLnが不要である場合、DMSとしてPDSDのみが記録される。
また、例えばSRRIまたはDFLが拡張されており、SRRI1またはDFLnが既に記録されているが、DMSを記録するにあたってSRRI1もDFLnも更新が不要であり、PDSDの内容のみが更新される場合にもPDSDのみが記録されることになる。なお、この場合、PDSDに含まれるSRRI1のポインタやDFLnのポインタは、最後に記録されたSRRI1やDFLnを指し示すポインタのままとされ、それらの最後に記録されたSRRI1またはDFLnと、今回、新たに記録されるPDSDとからなる情報が、最新のDMSとされる。
これに対してDMSの記録が行われる場合に、DMSの記録データ量が最大となるのは、図16の下側に示すようにDMSとしてPDSD、SRRI1、およびDFL1乃至DFL16が記録されるときとなる。
この例では、PDSDには、そのPDSDと同時に記録されるSRRI1を指し示すポインタ、およびそのPDSDと同時に記録されるDFL1乃至DFL16のそれぞれを指し示すポインタのそれぞれが含まれることになる。
ところで、上述したようにDMS等の管理情報が光ディスクの1か所の領域にしか記録されていない場合、その領域に欠陥が発生すると光ディスクの最新の管理情報を読み出すことができなくなってしまう。そうすると、光ディスクに対してデータを追記することができなくなるだけでなく、光ディスクに記録されているデータにアクセスすることもできなくなる。
そこで、管理部41は、管理情報としてのDMSを光ディスク12の複数の領域に記録させる。具体的には、管理部41は図15に示したように同じDMS、より詳細にはポインタ情報のみが異なるDMSをDMA領域とDMAミラー領域とに記録させる。
このようにDMSを多重化することにより、何れかの領域からDMSを読み出すことができなくなったとしても、残りの領域からDMSを読み出すことができ、最新の管理情報をより確実に得ることができる。したがって、欠陥に対する光ディスク12の信頼性を向上させることができる。
特に、記録再生装置11によれば、光ディスク12のDS0面にあるDMA領域と、DS1面にあるDMAミラー領域という互いに異なる面にある独立した領域にDMSを記録させるようにすることで、さらに信頼性を向上させることができる。さらに、記録再生装置11では、光ディスク12がファイナライズされる前の状態、つまり光ディスク12に追記可能な状態においてもDMSがDMA領域とDMAミラー領域に多重化されているので、光ディスク12がどのような状態であっても信頼性を確保することができる。
(最新の管理情報の特定について)
また、DMS等の管理情報を多重化する場合、DMSのポインタ情報として自分自身(DMS内の情報の位置)を示す情報がDMS内に含まれていると、例えばDMA領域に欠陥が存在してDMSをDMA領域の他の位置に書き直す場合でもポインタ情報が変化し、DMSの内容を更新した回数を示すカウンタがインクリメントされてしまう。
この場合、DMAミラー領域にDMSが正しく記録されたとすると、DMA領域に書き直されたDMSと、DMAミラー領域に記録されたDMSとの間でカウンタの値が異なることになり、どちらのDMSが最新のものであるのか分からなくなってしまう。
これに対して、管理部41は、基本管理情報となるPDSDの構成を、そのPDSD内部に自分自身(PDSD内の情報の位置)を示すポインタ情報を持たない構成とし、PDSD内部含まれるポインタ情報は、外部の拡張管理情報を指し示すものとする。さらに、管理部41はPDSD内に含まれる各カウンタを、DMSの内容が変化したときにのみインクリメントする構成とする。
換言すれば、DMSに含まれている各情報の更新回数を示すアップデートカウンタとしてのDDS0 contents update countや、DFL contents update count、SRRI contents update countは、それらの情報が更新されていない場合には更新(インクリメント)されない。したがって、DMA領域とDMAミラー領域とで、同じ内容のDMSについては、それらの領域に記録されているDMS内のアップデートカウンタは必ず一致することになり、整合性が保たれることになる。
このようにポインタ情報とアップデートカウンタをPDSD内に集約して管理することで、管理が容易になるだけでなく、多重化されるDMSの整合性を保ち、最新のDMSを簡単に確認することができるようになる。
例えばDMSがPDSDとSRRI1から構成され、SRRI1の内容の更新がなかったため、更新のあったPDSDのみをDMA領域とDMAミラー領域とに記録するとする。この場合、新たなPDSDは既に記録されているSRRI1を参照している状態となっている。
このとき、DMAミラー領域にはPDSDを正しく記録できたが、DMA領域にはライトエラー等によりPDSDを正しく記録できなかったとする。
そのような場合、管理部41は、記録に失敗したPDSDをDMA領域の新たな位置に書き直すように記録再生処理部24を制御する。このとき、PDSD内には自分自身を指し示すポインタ情報が含まれていないので、PDSDの内容に変更はない。具体的にはSRRI1を指し示すポインタ情報に変更はなく、DDS0やSRRIの変更もないのでそれらのアップデートカウンタもインクリメントされない。
したがって管理部41は、新たなPDSDを生成する必要はなく、記録に失敗したPDSDをそのままDMA領域に書き直せばよい。しかも、この場合、DMA領域とDMAミラー領域に記録されるDMSのDDS0、DFL、およびSRRIの各アップデートカウンタの値は同じとなる。これにより、DMA領域とDMAミラー領域に記録されるDMSの整合性を確保することができ、最新のDMSを簡単に特定することができる。
なお、DMSとして、PDSDとともにSRRI1やDFLnが記録される場合でも、管理部41がSRRI1やDFLnを先に記録させ、これらのSRRI1やDFLnが正しく記録された後、PDSDを記録させるようにすることで、PDSDの記録に失敗しても、書き直し時にPDSDの内容を変更する必要がないので、整合性を確保することができる。
さらに、管理部41はDMA領域とDMAミラー領域からDMSを読み出した時に、それらのアップデートカウンタの値を比較することで、整合性を確認することができる。
つまりDMA領域とDMAミラー領域に記録されているDMSのアップデートカウンタの値が最大のものが、それらの領域内に記録されている最新のDMSとされる。そして、それらの各領域の最新のDMSのアップデートカウンタの値が一致しているときには、それらの両方のDMSがともに最新のものであるとされ、2つのDMSのアップデートカウンタの値が一致しないときには、より大きい値を有するアップデートカウンタを含むDMSが最新のものとされる。
(管理情報の記録のための領域の消費低減について)
また、上述したように管理部41がDMSを記録させるときに、基本管理情報となるPDSDのほか、拡張管理情報となるSRRI1やDFLnを設けることで、DMA領域やDMAミラー領域などの管理領域の消費を低減させることができる。そして、管理領域の消費が減る分だけ、ユーザデータ領域を増やすことが可能になる。
例えば光ディスク12上に新たなSRRが設けられたり、既存のSRRにユーザデータが追記されたりして、SRRエントリの追加または更新が必要となった場合、管理部41は、通常は図17の矢印Q41に示すようにPDSD内のSRRI0に新たなSRRエントリを追加したり、SRRI0内のSRRエントリを更新したりする。
このようにSRRIが拡張されていない場合、つまりDMSの構成要素としてSRRI1が含まれていない場合には、SRRI0にはオープンな状態のSRRのSRRエントリと、クローズされた状態のSRRのSRRエントリとが含まれている。つまり、オープンしているSRRエントリとクローズされたSRRエントリがSRRI0に含まれている。
このような状態からSRRエントリが増えていき、これ以上SRRI0にSRRエントリを記録することができない状態となったとする。
そのような場合、管理部41は矢印Q42に示すようにPDSDとSRRI1とからなるDMSを生成し、DMA領域やDMAミラー領域に記録させる。例えばSRRI0に新たなSRRエントリを追加しようとしたが、既にSRRI0にSRRエントリを記録することができない状態であったときに、SRRI1が生成される。
具体的には管理部41は、これまでSRRI0に含まれていたSRRエントリのうちのオープンな状態のSRRエントリ、および新たに追加された1つのSRRエントリが含まれる新たなSRRI0を有するPDSDと、これまでSRRI0に含まれていたSRRエントリのうちのクローズされたSRRエントリが含まれるSRRI1とを生成する。
また、このとき管理部41は、SRRエントリ全体の64ビットのデータを、64ビットで表される整数値とみなしてSRRエントリをソートし、SRRI0に格納する。同様に、管理部41はSRRI1に格納されるSRRエントリをソートしてから、それらのソートされた順番でSRRエントリをSRRI1に格納する。これにより、SRRI0やSRRI1に含まれるSRRエントリはSPSNの順、つまりLSN順に並べられることになる。
SRRIの拡張領域としてSRRI1を設けることで、次回、DMSをDMA領域やDMAミラー領域に記録する場合、SRRI1の内容に更新がないときには、管理部41は新たなPDSDのみを生成して記録させるだけですむ。この場合、新たに記録させたPDSDのP&Cに含まれるFirst SPSN of DS0/DS1 SRRI1は、既に記録されているSRRI1の位置を示すポインタ情報とされ、新たに記録させたPDSDと既に記録されているSRRI1とからなる情報が最新のDMSとされる。
通常、ユーザデータを追記するときにアクセスされるのはオープンされたSRRであり、クローズされたSRRのSRRエントリが変更されることはないので、SRRIの拡張後でも殆どの場合、PDSDの追記を行うだけでよい。このように基本管理情報としてのPDSDに加え、拡張管理情報としてのSRRI1を設けることで、DMA領域やDMAミラー領域の消費を低減させることができる。
また、例えばユーザデータの記録時に交代処理が行われ、DFLエントリの追加が必要となった場合、管理部41は、通常は図18の矢印Q51に示すようにPDSD内のDFL0に新たなDFLエントリを追加する。
このようにDFLが拡張されていない場合、つまりDMSの構成要素としてDFLnが含まれていない場合には、DFL0には全てのDFLエントリが含まれている。この状態では、DFL0にはDFLエントリがソートされた状態で重複なく格納されている。
このような状態からDFLエントリが増えていき、これ以上DFL0にDFLエントリを記録することができない状態となったとする。
そのような場合、管理部41はPDSDとDFL1とからなるDMSを生成し、DMA領域やDMAミラー領域に記録させる。すなわち、管理部41は、これまでDFL0に格納されていた全てのDFLエントリがDFL1に含まれるようにし、新たなDFL0にはDFLエントリが1つも含まれていない状態、つまり空の状態となるようにPDSDとDFL1を生成する。
そして、管理部41は新たにDFLエントリを生成するときには、そのDFLエントリをDFL0に格納していく。さらにDFL0内のDFLエントリが増えていき、これ以上DFL0に記録することができなくなると、DFL0に格納されていたDFLエントリはDFL1に掃き出されて(移動されて)DFL0が空とされ、DFL0に新たなDFLエントリが記録されていく。
さらに、その後、DFL0にDFLエントリが記録できなくなり、これまでDFL0に記録されていたDFLエントリをDFL1に記録しようとしたときに、DFL1にDFLエントリを記録しきれない状態となったとする。そのような場合、管理部41は、矢印Q52に示すようにPDSD、DFL1、およびDFL2からなるDMSを生成し、DMA領域やDMAミラー領域に記録させる。
例えば、DFL0に新たなDFLエントリを追加しようとしたが、既にDFL0に新たなDFLエントリを記録できない状態であった場合に、新たなDFL1およびDFL2が生成される。
具体的には管理部41は、これまでDFL0に含まれていたDFLエントリと、これまでDFL1に含まれていたDFLエントリとをソートしてDFL1およびDFL2に順番に並べて格納し、新たに生成されたDFL1およびDFL2とする。
ここで、DFLエントリのソートは、SRRエントリのソートと同様にDFLエントリ全体の64ビットのデータを64ビットで表される整数値とみなして、DFLエントリが昇順に並ぶように行われる。これにより、交代されていない欠陥のDFLエントリ群の後に、交代された欠陥のDFLエントリ群が交代元のSPSNの順に並ぶことになる。
また、このとき、これまでのDFL1に交代元がAであり交代先がBであるDFLエントリが含まれており、DFL0に交代元がAであり交代先がCであるDFLエントリが含まれていたとする。つまり、交代元が同じであるDFLエントリが重複して存在しているとする。このような重複は、DFL1に交代元がAであり交代先がBであるDFLエントリが記録されている状態で、さらにAからCへの交代処理が発生したときに生じる。
このような場合、管理部41は、より新しいDFLエントリ、つまりDFL0に含まれていた、交代元がAであり交代先がCであるDFLエントリを有効とし、交代元がAであり交代先がBであるDFLエントリを削除する。これにより、DFLエントリの重複がなくなる。このようにDFLエントリが重複して存在する場合、DFL0に格納されているDFLエントリが最新のものであるから、DFL0内のDFLエントリが優先され、他のDFLn内のDFLエントリが削除される。
さらに、管理部41は、DFLエントリが格納されていないDFL0を有し、PDSDのP&Cに含まれるFirst SPSN of DS0/DS1 DFL1およびFirst SPSN of DS0/DS1 DFL2として、新たに生成されたDFL1およびDFL2の記録先を示す情報が記述されたPDSDを生成する。なお、新たに追加されるDFLエントリは、空とされたDFL0に記録されてもよいし、DFL1またはDFL2に記録されてもよい。
管理部41は、このようにして生成した新たなDFL1およびDFL2をDMA領域やDMAミラー領域に記録させた後、新たに生成したPDSDをDMA領域やDMAミラー領域に記録させ、これらのPDSD、DFL1、およびDFL2からなる情報を新たなDMSとする。
このようにDFLの拡張領域としてDFLnを設けることで、その後、DFLエントリの追加が必要となってDMSをDMA領域やDMAミラー領域に記録する場合、DFL0にDFLエントリを格納可能な間は、管理部41は新たなPDSDのみを生成して記録させるだけですむ。すなわち、新たに生成したPDSD内のポインタ情報を、既に記録されているDFLnの位置を示す情報とすればよい。
この場合、DFL0にDFLエントリを格納しきれなくなったときのみ、新たにDFLnを生成し、記録すればよい。DFL0にDFLエントリを記録しきれなくなることは、ごく僅かな頻度でしか発生しないため、通常はPDSDのみの記録ですむ。
このように基本管理情報としてのPDSDに加え、拡張管理情報としてのDFLnを設けることで、DMA領域やDMAミラー領域の消費を低減させることができる。
また、記録再生装置11のようにDFLを拡張する仕組みを利用する場合、上述したようにDFL0内のDFLエントリと、DFLn内のDFLエントリとに同じ交代元を示すものが含まれることがある。つまり、DFL0とDFLnとでDFLエントリが重複することがある。
しかし、記録再生装置11の管理部41は、DFLn内のDFLエントリよりもDFL0内にあるDFLエントリを優先させるので、DFLエントリが重複する場合でも不都合が生じることはない。しかも記録再生装置11では、DFL0とDFLnとにおけるDFLエントリの重複が許容されるので、DMSの更新時にDFL0にDFLエントリが記録可能である場合には、DFLエントリの重複があるときでも、DFL0のみを更新するだけですむ。
例えば上述したようにDFL1に交代元がAであり交代先がBであるDFLエントリが含まれており、DFL0に交代元がA(領域A)であり交代先がC(領域C)であるDFLエントリが含まれているとする。この場合、ホスト機器から領域Aへのアクセスが指示されたときには、管理部41は、DFL0にあるDFLエントリを優先させて、領域Aの真(最新)の交代先である領域Cを指定して、記録再生処理部24に領域Cへのアクセス(読み出しまたは書き込み)を指示する。
さらに、光ディスク12では、図11を参照して説明したように、交代されていない連続する欠陥のエントリがDFLエントリとして登録可能となっている。
例えばBD等では、交代されていない欠陥をTDFLとして登録可能であるが、その際に連続したブロック(連続する欠陥)を表す方法がなく、連続する複数個の各ブロック(欠陥)を個別に登録しておく必要があった。そうすると、TDMSに記録されるTDFLのエントリ数が多くなり、結果としてTDMSが大きくなってしまう恐れがある。
これに対して、光ディスク12では交代が行われていない単独の欠陥と、交代が行われていない連続する欠陥とを区別して登録することができる。つまり、交代が行われていない連続する欠陥(NRCDとされる欠陥)を2つ(1組)のDFLエントリで登録することができるので、DMSを小さくすることができ、DMA領域やDMAミラー領域の消費を低減させることができる。
例えば光ディスク12の出荷検査時など、ディスクサーティファイ時にユーザデータ領域等で欠陥が検出されると、検査を行うドライブを構成するコントローラは、検出された欠陥についてNRSDやNRCDに分類されるDFLエントリを生成し、そのDFLエントリを含むPDSDをDMA領域とDMAミラー領域に記録させる。このように光ディスク12は、予め単独の欠陥および連続する欠陥についてのDFLへの登録が行われた状態で出荷されるようにすることもできる。
記録再生装置11の管理部41は、光ディスク12へのデータの読み書きを行う場合、データの読み書きを行う前に、予め登録されている欠陥についてのDFLエントリを読み出し、欠陥のある領域を把握しておく。そして、管理部41は、実際にデータの読み書きを行うときに、予め把握されている、登録された欠陥の領域にはアクセスしない、つまり欠陥の領域を使わない(記録、再生をしない)ように記録再生処理部24を制御する。
このように予め欠陥をDFLエントリに登録しておき、登録された欠陥の領域の使用を避けることで、無駄な記録や再生の処理、正しく記録できたかの確認処理などを行わなくてすむので、データの記録や再生の速度を向上させることができる。特に、データの記録時には未知の欠陥に遭遇する確率をより低くすることができるので、データの記録速度をさらに向上させることができる。
(光ディスクのファイナライズについて)
さらに、光ディスク12ではSRRIやDFLの拡張が行われると、SRRエントリやDFLエントリがSRRI0やDFL0だけでなく、SRRI1やDFLnにも記録されている状態となる。このような状態で、そのまま光ディスク12のファイナライズが行われると、その後、光ディスク12からユーザデータを読み出すたびに、SRRI0やDFL0だけでなく、SRRI1やDFLnからSRRエントリやDFLエントリを読み出して、各エントリをソートしなければならず、処理に時間がかかってしまう。つまり、マウントに時間がかかってしまう。なお、ここで光ディスク12のファイナライズとは、光ディスク12に追記ができなくなる状態、つまりデータの読み出しだけが可能な状態とする処理をいう。
そこで記録再生装置11は、光ディスク12のファイナライズを行う場合に、SRRエントリおよびDFLエントリを、それぞれ1か所に纏めることで、ファイナライズ後のエントリの取り扱いがより簡単になるようにする。
例えば図19の矢印Q61に示すようにSRRIが拡張されておらず、DMSの構成要素がPDSDのみであるとする。このとき、SRRI0には、オープンまたはクローズされたSRRのSRRエントリがソートされて記録されている。
このような状態で光ディスク12のファイナライズが指示されると、管理部41は、全てのセッションおよびSRRをクローズさせ、矢印Q62に示すように全てのクローズされたSRRエントリがソートされた状態で含まれるSRRI0を有するPDSDをDMSとして生成する。そして、管理部41は、生成したDMSを記録再生処理部24に供給し、DMA領域およびDMAミラー領域に記録させる。また、同様のDMSがDMAアンカ領域にも記録され、光ディスク12がファイナライズ(クローズ)された状態とされる。
これに対して、例えば図20の矢印Q71に示すようにSRRIとDFLが拡張されており、DMSの構成要素がPDSD、SRRI1、およびDFL1であるとする。このとき、SRRI0には、オープンされたSRRのSRRエントリがソートされて記録されているとする。また、SRRI1にはクローズされたSRRエントリがソートされて記録されている。
このような状態で光ディスク12のファイナライズが指示されると、管理部41は、全てのセッションおよびSRRをクローズさせ、矢印Q72に示すように全てのクローズされたSRRエントリがソートされた状態で含まれるSRRI1を生成する。また、管理部41は、全てのDFLエントリがソートされた状態で含まれているDFL1も生成するとともに、PDSDも生成する。このとき、PDSDのSRRI0にはSRRエントリは含まれておらず、図7に示したnumber of SRR entry on SRRI0の値は0とされる。同様にPDSD内のDFL0にもDFLエントリが含まれていない状態とされる。
管理部41は、このようにして生成されたPDSD、SRRI1、およびDFL1からなるDMSを記録再生処理部24に供給し、DMA領域およびDMAミラー領域に記録させる。また、同様のDMS(但しPDSDのみ)がDMAアンカ領域にも記録され、光ディスク12がファイナライズされた状態とされる。
このようにSRRIが拡張されている場合には、全てのSRRエントリをSRRI1に格納してファイナライズすることで、ファイナライズ後のSRRエントリの管理をより簡単にすることができ、マウント時間をより短くすることができる。
同様に例えば図21の矢印Q81に示すようにDFLが拡張されておらず、DMSの構成要素がPDSDのみであるとする。このとき、DFL0にはDFLエントリが重複のない状態でソートされて記録されている。
このような状態で光ディスク12のファイナライズが指示されると、管理部41は、矢印Q82に示すように全てのDFLエントリが重複しない状態で、かつソートされた状態で含まれるDFL0を有するPDSDをDMSとして生成する。そして、管理部41は、生成したDMSを記録再生処理部24に供給し、DMA領域およびDMAミラー領域に記録させる。また、同様のDMSがDMAアンカ領域にも記録され、光ディスク12がファイナライズされた状態とされる。
これに対して、例えば図22の矢印Q91に示すようにDFLが拡張されており、DMSの構成要素がPDSD、DFL1、およびDFL2であるとする。このとき、DFL0にはDFLエントリが重複のない状態でソートされて記録されている。また、DFL1およびDFL2にはDFLエントリが重複のない状態でソートされて記録されている。なお、ソートされたDFLエントリはDFL1に記録されていき、その後DFL1に記録しきれない分がDFL2に記録されていく。
このような状態で光ディスク12のファイナライズが指示されると、管理部41は矢印Q92に示すように、これまでDFL0、DFL1、およびDFL2に記録されていた全てのDFLエントリがソートされ、かつ重複のない状態で格納されている新たなDFL1およびDFL2を生成する。つまり、全てのDFLエントリがソートされて順番にDFL1およびDFL2に格納される。このとき、上述したようにDFLnとDFL0に重複するDFLエントリ、つまり交代元が同じDFLエントリが含まれている場合には、DFL0に含まれているものが優先されて、DFLnに含まれていたDFLエントリは削除される。
また、管理部41はDFL0にDFLエントリが格納されていないPDSDも生成する。管理部41は、このようにして生成されたPDSD、DFL1、およびDFL2からなるDMSを記録再生処理部24に供給し、DMA領域およびDMAミラー領域に記録させる。また、同様のDMS(但しPDSDのみ)がDMAアンカ領域にも記録され、光ディスク12がファイナライズされた状態とされる。
このようにDFLが拡張されている場合には、全てのDFLエントリをDFLnに格納してファイナライズすることで、ファイナライズ後のDFLエントリの管理をより簡単にすることができ、マウント時間をより短くすることができる。
(スペア領域の使用について)
さらに記録再生装置11では、スペア領域をより効率的に利用する仕組みが採用されている。
例えば説明を簡単にするため、図1に示したDS0面にある3つのユーザデータ領域を、図23の矢印Q101に示すようにまとめて1つのユーザデータ領域UR11-1と考え、図1に示したDS0面にある6つのスペア領域をまとめて1つのスペア領域SR11-1と考えるとする。同様に、図1に示したDS1面にある3つのユーザデータ領域を、図23の矢印Q101に示すように、まとめて1つのユーザデータ領域UR11-2と考え、図1に示したDS1面にある6つのスペア領域をまとめて1つのスペア領域SR11-2と考えるとする。
なお、以下、ユーザデータ領域UR11-1およびユーザデータ領域UR11-2を特に区別する必要のない場合、単にユーザデータ領域UR11とも称することとする。また、以下、スペア領域SR11-1およびスペア領域SR11-2を特に区別する必要のない場合、単にスペア領域SR11とも称することとする。
いま、矢印Q102に示すようにDS0面のユーザデータ領域UR11-1の欠陥部分の領域は、DS0面のスペア領域SR11-1にのみ交代し、DS1面のユーザデータ領域UR11-2の欠陥部分の領域は、DS1面のスペア領域SR11-2にのみ交代するとする。なお、図23において、ユーザデータ領域UR11やスペア領域SR11の斜線が施されている領域は、データが記録された領域を表している。
このようにして交代処理を行っていった結果、例えば矢印Q103に示すようにDS0面のスペア領域SR11-1が一杯になり、これ以上スペア領域SR11-1にデータを記録できない状態になったとする。この例では、DS1面のユーザデータ領域UR11-2の欠陥領域の数は、DS0面のユーザデータ領域UR11-1の欠陥領域の数よりも少ないため、まだスペア領域SR11-2にデータを記録可能な状態となっている。
しかし、DS0面のスペア領域SR11-1には既に記録可能な領域はないため、ホスト機器でDS0面とDS1面を区別していない場合には、スペア領域SR11-2に記録可能な領域があるにも関わらず、ユーザデータ領域UR11にユーザデータを記録することができない。つまり、これ以上、光ディスク12にデータを記録することができない。このように、面ごとにスペア領域の管理を行うと、DS0面とDS1面の何れかの面に欠陥が多いときには、スペア領域の消費状態が面ごとに異なり、光ディスク12の記録領域の利用効率が低下してしまう。
そこで、記録再生装置11の管理部41や交代処理部42はスペア領域を面ごとではなく、DS0面とDS1面をまとめて、つまり両面全体で管理する。
具体的には、矢印Q104に示すように、交代処理部42はスペア領域SR11-1とスペア領域SR11-2を、ユーザデータ領域UR11-1およびユーザデータ領域UR11-2の両方の領域の交代先として利用する。この例では、スペア領域SR11-2が、ユーザデータ領域UR11-1の交代先としてもユーザデータ領域UR11-2の交代先としても用いられている。
例えば、一例として交代処理部42は、より未記録の領域、つまり記録可能な領域が多いスペア領域SR11を交代先の領域として使用していくことで、各面が均等に使用されていくようにする。また、2つのスペア領域SR11が交互に使用されてもよい。
このようにスペア領域を両面でまとめて管理することで、DS0面とDS1面とで欠陥領域数に偏りがある場合でも、例えば矢印Q105に示すように、スペア領域SR11-1とスペア領域SR11-2の両方の領域が記録できなくなるまで、ユーザデータの記録を行うことができるようになる。つまり、より効率的にスペア領域を利用することができる。この例では各スペア領域SR11が均等に使用されていることが分かる。
(面情報について)
ところで、例えば図24の矢印Q111に示すように、光ピックアップ25−1によりDS1面にアクセス(記録または再生)するとともに、光ピックアップ25−2によりDS0面にアクセスする場合を考える。このとき、記録再生装置11全体を制御するソフトウェアが、光ピックアップ25−1を制御するソフトウェアに対して記録や再生を指示し、また記録再生装置11全体を制御するソフトウェアが、光ピックアップ25−2を制御するソフトウェアに対して記録や再生を指示する。
このような場合、DS0面とDS1面に対して、それぞれ独立のPSN(物理アドレス)を付与すると、光ピックアップ25−1を制御するソフトウェア、および光ピックアップ25−2を制御するソフトウェアとして、それぞれ異なるソフトウェアを用意する必要があり、管理が複雑になってしまう。
そこで、光ディスク12では、上述したようにDS0面とDS1面に対して同じPSNが付与されている。すなわち、光ディスク12のDS0面とDS1面では、各面のウォブル情報によって同じPSNが記録されている。
そのため、矢印Q112に示すように、記録再生装置11の全体を制御する上位のソフトウェアでは、面情報を変換するブロック、つまりPSNに対して面情報を付加した仮想的なアドレスを用いて、DS0面とDS1面を区別するブロックが実現される。そして、上位のソフトウェアは、光ピックアップ25−1を制御するソフトウェアと、光ピックアップ25−2を制御するソフトウェアとに対して記録や再生の指示を行う。
ここで、光ピックアップ25−1を制御するソフトウェアは、記録再生処理部24−1が各種の機能を実現するために、図示せぬメモリから読み出して実行するプログラムに相当する。同様に光ピックアップ25−2を制御するソフトウェアは、記録再生処理部24−2が各種の機能を実現するために、図示せぬメモリから読み出して実行するプログラムに相当する。
また、記録再生装置11全体を制御する上位のソフトウェアは、コントローラ22が各種の機能を実現するために、図示せぬメモリから読み出して実行するプログラムに相当し、このプログラムの実行により面情報を変換するブロックも実現される。
このように、記録再生装置11では、管理部41や交代処理部42により行われる光ディスク12の各領域の管理や交代処理の制御においてのみ、面情報を含む仮想的なアドレス、つまりSPSNでの制御が行われる。これにより、光ピックアップ25−1を制御するソフトウェアと、光ピックアップ25−2を制御するソフトウェアとを共通化することができ、制御ソフトウェアの管理を簡単に行うことができる。また、光ディスク12上の実際のアドレス情報を1ビットだけ、つまり面情報の分だけ小さくすることができる。
〈データ記録処理の説明〉
次に、記録再生装置11の動作について説明する。
まず、図25のフローチャートを参照して、記録再生装置11によるデータ記録処理について説明する。このデータ記録処理は、光ディスク12が記録再生装置11にインジェクト(挿入)され、1RUB分のユーザデータの記録が指示された場合に開始される。
ステップS11において、コントローラ22は、光ディスク12のDMAアンカ領域からDMSを読み出す。
すなわち、コントローラ22は、記録再生処理部24にDMSの読み出しを指示し、記録再生処理部24は、コントローラ22の指示に従って光ピックアップ25を制御し、光ディスク12のDMAアンカ領域からDMSを読み出させる。
光ピックアップ25は記録再生処理部24の制御に従って光ディスク12にレーザ光を照射するとともに、光ディスク12からの反射光(レーザ光)を受光して光電変換することで得られた(読み出された)DMSを記録再生処理部24を介してコントローラ22に供給する。
また、管理部41は、読み出された最新のDMSのP&Cに含まれているDMA FlagおよびDMA-Mirror Flagに基づいて、DMA領域やDMAミラー領域に異常があるか否かを特定するとともに、DMA領域やDMAミラー領域の分断情報も確認する。
例えば分断情報の確認は、P&Cに含まれている、DMA領域が分断する前の最後のRUBの先頭PSN、DMA領域が分断した後の最初のRUBの先頭PSN、DMAミラー領域が分断する前の最後のRUBの先頭PSN、およびDMAミラー領域が分断した後の最初のRUBの先頭PSNを読み出すことにより行われる。これらの分断情報から、光ディスク12から最新のDMSが記録されているDMA領域やDMAミラー領域の位置を検出(サーチ)する際のサーチ開始PSNを得ることができる。
ステップS12において、管理部41は、DMA領域およびDMAミラー領域に記録されている最新のDMSを検出する。
具体的には管理部41は、サーチ開始PSNを記録再生処理部24に供給し、記録再生処理部24にDMA領域とDMAミラー領域のサーチ開始PSN以降のデータの読み出しを指示する。すると、記録再生処理部24は、管理部41の指示に応じて光ピックアップ25を制御し、光ディスク12からデータを読み出させて、読み出されたデータをコントローラ22に供給する。
管理部41は、記録再生処理部24から供給されたデータから、DMA領域やDMAミラー領域にあるDMSのうち、DDS0 contents update count等のアップデートカウンタの値が最も大きいものを、それらのDMA領域やDMAミラー領域の最新のDMSとする。
DMA領域とDMAミラー領域の最新のDMSが検出されると、管理部41は、それらのDMSに含まれるDDS0 contents update count、DFL contents update count、SRRI contents update count、およびDMA-Anchor contents update count、つまり各アップデートカウンタの値が一致するか否かを確認することで、DMSの整合性を確認する。
このとき、DMA領域のDMSと、DMAミラー領域のDMSとでアップデートカウンタの値が一致しないときには、アップデートカウンタの値がより大きい方のDMSが最新のDMSとされる。
また、管理部41は、記録再生処理部24に対してDMA領域およびDMAミラー領域からの最新のDMSの読み出しを指示する。すると、記録再生処理部24は、管理部41の指示に応じて光ピックアップ25を制御し、光ディスク12から最新のDMSを読み出させて、読み出されたDMSをコントローラ22に供給する。
このようにして最新のDMSが得られると、管理部41は最新のDMSからPDSDを得る。また、管理部41は必要に応じてSRRI1およびDFLnも得る。
ステップS13において、管理部41はテンポラリのPDSDを生成する。すなわち、管理部41は最新のDMSを構成するPDSDにおけるDDS0内のcontrol Flagsに含まれるTemporary DMSを1とし、さらにDDS0 contents update countを1だけインクリメントしてテンポラリのPDSDとする。
なお、以下では、SRRIとDFLが拡張されておらず、DMSの構成要素がPDSDのみであるものとして説明を続ける。
ステップS14において、管理部41は、生成したテンポラリのPDSDを記録再生処理部24に供給し、DMA領域およびDMAミラー領域に記録させる。記録再生処理部24は、管理部41から供給されたPDSDに基づいて光ピックアップ25を制御し、光ディスク12のDMA領域およびDMAミラー領域にテンポラリのPDSDを記録させる。
ステップS15においてコントローラ22は、ホストI/F21を介して上位のホスト機器からライトコマンドとともに供給されたユーザデータを、記録先のPSNとともに記録再生処理部24に供給し、ユーザデータをユーザデータ領域に記録させる。記録再生処理部24は、コントローラ22から供給されたユーザデータおよびユーザデータの記録先のPSNに基づいて光ピックアップ25を制御し、ユーザデータ領域の指定された領域、つまり指定されたPSNにより特定される領域にユーザデータを記録させる。
ステップS16において、コントローラ22は、ユーザデータの記録動作中にエラーが発生したか否かを判定する。例えばコントローラ22は、記録再生処理部24から、ユーザデータの記録中にサーボエラー等の各種のエラーが発生した旨が通知された場合、エラーが発生したと判定する。
ステップS16においてエラーが発生しなかったと判定された場合、ステップS17において、コントローラ22は、ユーザデータが正しく書き込まれたか否かを判定する。すなわち、ユーザデータのベリファイが行われる。
例えば、コントローラ22は、ユーザデータの記録が行われた後、記録再生処理部24に記録したユーザデータの読み出しを指示する。すると、記録再生処理部24はコントローラ22の指示に応じて光ピックアップ25を制御し、光ディスク12からステップS15の処理で記録されたユーザデータを読み出させ、コントローラ22に供給する。
コントローラ22は、記録再生処理部24から供給された、光ディスク12から読み出されたユーザデータが、記録を指示したユーザデータと一致する場合、ユーザデータが正しく書き込まれたと判定する。
ステップS17において、ユーザデータが正しく書き込まれたと判定された場合、ステップS18において、管理部41はDMSを生成する。
例えば管理部41は、ステップS13の処理で生成したPDSDにおけるDDS0内のcontrol Flagsに含まれるTemporary DMSを0とし(リセットし)、ユーザデータが記録されたSRRエントリのLast Recorded SPSNを更新する。
なお、このとき管理部41は、必要に応じて新たなSRRエントリを追加したり、SRRIの拡張が必要であるときには図17を参照して説明した処理を行い、SRRI1を生成する。ここでは説明を簡単にするためSRRエントリの追加やSRRIの拡張はないものとする。
また、管理部41は、P&C内のDDS0 contents update count、およびSRRI contents update countをそれぞれ1だけインクリメントさせ、最新のPDSD、つまりDMSとする。なお、最新のDMSはDMA領域に記録されるものと、DMAミラー領域に記録されるものとがそれぞれ生成される。
ステップS19において、管理部41は、生成した最新のDMS、つまりPDSDを記録再生処理部24に供給し、DMA領域およびDMAミラー領域に記録させる。記録再生処理部24は、管理部41から供給されたPDSDに基づいて光ピックアップ25を制御し、光ディスク12のDMA領域およびDMAミラー領域にPDSDを記録させる。
なお、DMSにPDSDに加えてSRRI1が含まれているときには、まずSRRI1がDMA領域およびDMAミラー領域に記録された後、PDSDが生成されてDMA領域およびDMAミラー領域に記録される。これにより、PDSDを書き直す場合でもPDSDの内容の変更はないので、DMA領域やDMAミラー領域の消費を低減させることができる。
また、DMS(PDSD)が記録されるタイミングはどのようなタイミングとされてもよい。例えば連続していくつかのユーザデータが記録される場合には、ある程度ユーザデータが記録されてからや、全てのユーザデータが記録され、光ディスク12がイジェクトされる直前などのタイミングでDMSが記録されるようにしてもよい。
このようにしてユーザデータが光ディスク12に記録され、それに伴い変更されたDMSがDMA領域およびDMAミラー領域に記録されると、記録再生装置11は光ディスク12をイジェクト(排出)し、データ記録処理は終了する。
また、ステップS16において、エラーが発生したと判定された場合、またはステップS17においてユーザデータが正しく書き込まれなかったと判定された場合、処理はステップS20へと進む。
ステップS20において、交代処理部42は、記録に失敗したユーザデータをホスト機器に指定された領域とは異なる領域に記録する交代処理を行う。
例えば交代処理部42は、最新のDMS、つまりPDSDのDDS0に含まれているNext available PSN of DS0 L0 inner Spare00乃至Next available PSN of DS1 L2 outer Spare15のなかから記録可能な領域をユーザデータを記録する交代先として選択する。
そして、交代処理部42は、記録に失敗したユーザデータと、選択した交代先のPSNとを記録再生処理部24に供給し、交代先へのユーザデータの記録を指示する。すると、記録再生処理部24は、交代処理部42から供給されたユーザデータおよび交代先のPSNに基づいて光ピックアップ25を制御し、スペア領域の指定された領域、つまり指定されたPSNにより特定される領域にユーザデータを記録させる。
ステップS21において、コントローラ22は、ユーザデータが正しく書き込まれたか否かを判定する。ステップS21ではステップS17における場合と同様の処理が行われる。すなわち、ユーザデータのベリファイが行われる。
ステップS21において、ユーザデータが正しく書き込まれなかったと判定された場合、処理はステップS20に戻り、上述した処理が繰り返し行われる。すなわち、新たな交代先が選択され、その新たな交代先へとユーザデータが記録される。
ステップS21において、ユーザデータが正しく書き込まれたと判定された場合、ステップS22において、管理部41はDMA処理を行う。すなわち、管理部41は、交代処理に応じてDFLエントリが追加されたDMSを生成し、光ディスク12のDMA領域に記録させる。
ステップS23において、管理部41はDMAミラー処理を行う。すなわち、管理部41は、交代処理に応じてDFLエントリが追加されたDMSを生成し、光ディスク12のDMAミラー領域に記録させる。
なお、DMA処理とDMAミラー処理の詳細は後述する。このようにして最新のDMSが光ディスク12に記録されると、データ記録処理は終了する。
以上のようにして記録再生装置11は、ユーザデータを光ディスク12に記録し、必要に応じてDMSをDMA領域およびDMAミラー領域に記録する。このように管理情報であるDMSをDMA領域およびDMAミラー領域に記録させて多重化することで、欠陥等によりDMSが読み出せなくなることを防止し、欠陥に対する光ディスク12の信頼性を向上させることができる。
またDMSの構成要素として、基本管理情報となるPDSDと、拡張管理情報となるSRRI1やDFLnを設けることで、通常は管理情報としてPDSDのみを記録させればよくなり、DMA領域やDMAミラー領域の消費を低減させることができる。
〈DMA処理の説明〉
次に、図26のフローチャートを参照して、図25のステップS22の処理に対応するDMA処理について説明する。
ステップS51において、管理部41は、最新のDMSを構成するPDSD内のP&CのDMA Flagに含まれているDMA異常フラグがセットされているか否かを判定する。
ステップS51において、DMA異常フラグがセットされていると判定された場合、つまりDMA領域に異常がある場合や、既にDMA領域に記録可能な領域が残っていない場合、管理部41はDMA領域に異常があるDMA異常状態であり、DMA領域にはDMSを記録できないとしてDMA処理は終了する。つまり、その後、処理は図25のステップS23へと進む。
これに対して、ステップS51においてDMA異常フラグがセットされていないと判定された場合、ステップS52において、管理部41はDMA領域の記録処理で異常が生じているか否かを判定する。
例えば、後述するステップS54でエラーが発生したと繰り返し判定されたり、ステップS55で正しく書き込まれなかったと繰り返し判定されたりした場合、DMA領域の記録処理で異常が生じていると判定される。
ステップS52で異常が生じていないと判定された場合、ステップS53において、管理部41はDMA記録処理を行う。なお、DMA記録処理は後述するが、このDMA記録処理ではDMSが生成されてDMA領域に記録される。
ステップS54において、コントローラ22は、DMSの記録動作中にエラーが発生したか否かを判定する。例えばコントローラ22は、記録再生処理部24−2から、DMSの記録中にサーボエラー等の各種のエラーが発生した旨が通知された場合、エラーが発生したと判定する。
ステップS54において、エラーが発生しなかったと判定された場合、ステップS55において、コントローラ22は、DMSが正しく書き込まれたか否かを判定する。すなわち、DMSのベリファイが行われる。
例えば、コントローラ22は、DMSの記録が行われた後、記録再生処理部24−2に記録したDMSの読み出しを指示する。すると、記録再生処理部24−2はコントローラ22の指示に応じて光ピックアップ25−2を制御し、光ディスク12のDMA領域からステップS53の処理で記録されたDMSを読み出させ、コントローラ22に供給する。
コントローラ22は、記録再生処理部24−2から供給された、光ディスク12から読み出されたDMSが、記録を指示したDMSと一致する場合、DMSが正しく書き込まれたと判定する。
ステップS55において、DMSが正しく書き込まれたと判定された場合、DMA処理は終了する。これに対して、ステップS55においてDMSが正しく書き込まれなかったと判定された場合、処理はステップS52に戻り、上述した処理が繰り返し行われる。
この場合、次のステップS53の処理では、次のDMA領域にDMSが記録される。つまり、サーボエラー等ではないベリファイエラーである場合には分断情報の記録は行われず、PDSDの更新も生じないため、アップデートカウンタも更新されない。
また、ステップS54においてエラーが発生したと判定された場合、ステップS56において、管理部41はDMAアンカ領域に分断情報を記録させる。
すなわち、管理部41はP&Cの例えば図5のW14の部分等に分断情報が含まれているDMS(PDSD)を生成して記録再生処理部24に供給し、DMAアンカ領域への記録を指示する。すると、記録再生処理部24は、管理部41から供給されたDMSに基づいて光ピックアップ25を制御し、光ディスク12のDMAアンカ領域にDMSを記録させる。
分断情報が含まれているDMSが記録されると、その後、処理はステップS52に戻り、上述した処理が繰り返し行われる。
また、ステップS52においてDMA領域の記録処理で異常が生じていると判定された場合、ステップS57において、管理部41はDMAアンカ領域に分断情報を記録させる。
すなわち、管理部41はP&Cの例えば図5のW14の部分等に分断情報が含まれ、かつセットされたDMA異常フラグを含むDMA Flagが含まれているDMSを生成して記録再生処理部24に供給し、DMAアンカ領域への記録を指示する。記録再生処理部24は、管理部41から供給されたDMSに基づいて光ピックアップ25を制御し、光ディスク12のDMAアンカ領域にDMSを記録させる。
分断情報が含まれているDMSが記録されると、DMA処理は終了する。つまり、その後、処理は図25のステップS23へと進む。
以上のようにして記録再生装置11は、ユーザデータ領域を交代元とする交代処理が行われると、DMSを更新してDMA領域に記録する。
〈DMA記録処理の説明〉
続いて、図27のフローチャートを参照して、図26のステップS53の処理に対応するDMA記録処理について説明する。
ステップS81において、管理部41は新たなDFLnにDFLエントリの記録を行うか否か、つまり新たにDFLを拡張するか否かを判定する。例えば最新のDMSにおいて、既にDFL0にDFLエントリを記録することができない場合、つまりDFL0が一杯となっている場合に新たなDFLnに記録を行うと判定される。
ステップS81においてDFLnに記録を行うと判定されなかった場合、ステップS82において、管理部41は最新のDMSを構成するPDSDのP&CにおけるP&C indicatorに00hをセットする。
ステップS83において、管理部41はDMSを構成するPDSDのDFL0に、図25のステップS20の処理で行われた交代処理時の交代元および交代先を示すDFLエントリを追加する。
ステップS84において、管理部41は、DMSを構成するPDSDのP&CにおけるDFL contents update countを1だけインクリメントする。
ステップS85において、管理部41は、DMSを構成するPDSDのDDS0におけるNext available PSNを更新する。
例えばステップS20で行われた交代処理により、DS0面のスペア領域であるSpare00内の領域が交代先とされてユーザデータが記録された場合、管理部41はNext available PSN of DS0 L0 inner Spare00として、次に記録可能なPSNの値を格納する。
ステップS86において、管理部41は、DMSを構成するPDSDのP&CにおけるDDS0 contents update countを1だけインクリメントする。
以上の処理により、DMA領域に記録するための最新のDMSを構成するPDSDが生成されたことになる。この例では、DMSの構成要素はPDSDのみであるか、またはPDSDおよび、既に記録されているDFLnとなる。また、このPDSDに含まれるDDS0内のcontrol Flagsに含まれるTemporary DMSは0とされる。
ステップS87において、管理部41は、生成した最新のPDSDを記録再生処理部24−2に供給し、DMA領域に記録させる。記録再生処理部24−2は、管理部41から供給されたPDSDに基づいて光ピックアップ25−2を制御し、光ディスク12のDMA領域にPDSDを記録させる。
PDSDが記録されると、DMA記録処理は終了し、その後、処理は図26のステップS54へと進む。
また、ステップS81において新たなDFLnにDFLエントリの記録を行うと判定された場合、ステップS88において、管理部41はDFLエントリのソートを行う。
具体的には、管理部41は例えば図18を参照して説明したように、これまでDFL0に記録されていた全てのDFLエントリと、これまでDFLnに記録されていた全てのDFLエントリとをソートする。このとき、管理部41はDFLエントリに重複が生じないように、適宜、DFLエントリを削除する。なお、この時点においてDFLnがない場合には、DFL0内のDFLエントリのソートが行われる。
ステップS89において、管理部41はステップS88の処理でソートされたDFLエントリが含まれるDFLnを生成する。例えば全てのDFLエントリを格納するのにDFL1とDFL2が必要である場合には、DFL1とDFL2が生成される。
ステップS90において、管理部41は生成したDFLnを記録再生処理部24−2に供給して、DMA領域に記録させる。記録再生処理部24−2は、管理部41から供給されたDFLnに基づいて光ピックアップ25−2を制御し、光ディスク12のDMA領域にDFLnを記録させる。
DFLnが正しくDMA領域に記録されると、その後、処理はステップS91へと進む。なお、より詳細には、DFLnが正しく記録できなかった場合には、適宜、DFLnの書き直しが行われる。
ステップS91において、管理部41は最新のDMSを構成するPDSDのP&CにおけるP&C indicatorに00hをセットする。
ステップS92において、管理部41はDMSを構成するPDSDのP&Cに含まれているFirst SPSN of DS0/DS1 DFLnをセットする。例えばステップS90でDFL1とDFL2が生成された場合、First SPSN of DS0/DS1 DFL1およびFirst SPSN of DS0/DS1 DFL2として、記録されたDFL1およびDFL2の先頭位置のSPSNが格納される。
ステップS92の処理が行われると、その後、ステップS93乃至ステップS95の処理が行われるが、これらの処理はステップS84乃至ステップS86の処理と同様であるので、その説明は省略する。
以上のステップS91乃至ステップS95の処理により、DMA領域に記録するための最新のDMSを構成するPDSDが生成されたことになる。この例では、DMSの構成要素はPDSDとDFLnであるが、DFLnはすでにステップS90の処理でDMA領域に記録されている。また、このPDSDに含まれるDDS0内のcontrol Flagsに含まれるTemporary DMSは0とされる。
ステップS96において、管理部41は、生成した最新のDMSを構成するPDSDを記録再生処理部24−2に供給し、DMA領域に記録させる。記録再生処理部24−2は、管理部41から供給されたPDSDに基づいて光ピックアップ25−2を制御し、光ディスク12のDMA領域にPDSDを記録させる。
PDSDが記録されると、DMA記録処理は終了し、その後、処理は図26のステップS54へと進む。
以上のようにして記録再生装置11は、DFLの新たな拡張が行われない場合にはPDSDのみを生成して記録し、DFLの新たな拡張が行われる場合にはPDSDとDFLnを生成して記録する。このように拡張管理情報(拡張領域)としてDFLnを設ける構成とすることで、DMA領域の消費を低減させることができる。
〈DMAミラー処理の説明〉
また、記録再生装置11では、図25のステップS23の処理に対応する処理として、図28に示すDMAミラー処理が行われる。
なお、図28に示すDMAミラー処理におけるステップS121乃至ステップS127の処理は、図26に示したDMA処理におけるステップS51乃至ステップS57の処理と同様であるので、その説明は省略する。
但し、図26のDMA処理における処理対象がDMA領域であったのに対して、図28のDMAミラー処理では処理対象がDMAミラー領域とされる。そのため、ステップS121では、DMAミラー異常フラグがセットされているか否かが判定され、ステップS122ではDMAミラー領域に異常があるか否かが判定される。
なお、DMA処理とDMAミラー処理を並行して行うことも可能である。
〈DMAミラー記録処理の説明〉
さらに、図28に示すDMAミラー処理におけるステップS123の処理に対応するDMAミラー記録処理として、図29に示すDMAミラー記録処理が行われる。
なお、図29に示すDMAミラー記録処理におけるステップS151乃至ステップS166の処理は、図27のDMA記録処理におけるステップS81乃至ステップS96の処理と同様であるので、その説明は省略する。
但し、ステップS152およびステップS161では、PDSDのP&CにおけるP&C indicatorに01hがセットされる。また、DFLnやPDSDはDMAミラー領域に記録される。
〈記録状態判定処理の説明〉
さらに、図26や図28を参照して説明した処理では、DMA領域やDMAミラー領域に異常があり、DMSをそれらの領域に記録できないこともある。したがって、より詳細には、記録再生装置11は、DMA処理およびDMAミラー処理が行われてから、図30に示す記録状態判定処理を行って、DMSの記録状態を把握する。
以下、図30のフローチャートを参照して、記録再生装置11により行われる記録状態判定処理について説明する。
ステップS191において、管理部41は、DMA領域に正しくDMSが記録されたか否かを判定する。例えば図26のステップS55で正しく書き込まれたと判定されてDMA処理が終了した場合、DMA領域に正しくDMSが記録されたと判定される。
ステップS191において正しくDMSが記録されたと判定された場合、ステップS192において、管理部41は、DMAミラー領域に正しくDMSが記録されたか否かを判定する。例えば図28のステップS125で正しく書き込まれたと判定されてDMAミラー処理が終了した場合、DMAミラー領域に正しくDMSが記録されたと判定される。
ステップS192において正しくDMSが記録されたと判定された場合、DMSはDMA領域にもDMAミラー領域にも正しく記録されたので、ステップS193において、管理部41は正常に記録が行われたとして記録を終了し、記録状態判定処理は終了する。
これに対して、ステップS192において、正しくDMSが記録されなかったと判定された場合、ステップS194において、管理部41はDMAミラー異常が発生したとしてユーザデータの記録を終了させ、これにより記録状態判定処理も終了する。
この場合、DMAミラー領域にはDMSを記録することができなかったが、DMA領域にはDMSが記録されている状態となる。このような状態は、例えば図26のステップS55で正しく書き込まれたと判定されてDMA処理が終了し、かつ図28のステップS121でDMAミラー異常フラグがセットされていると判定されてDMAミラー処理が終了した場合などである。
また、ステップS191において、正しくDMSが記録されなかったと判定された場合、ステップS195において、管理部41は、DMAミラー領域に正しくDMSが記録されたか否かを判定する。
ステップS195において、DMAミラー領域に正しくDMSが記録されなかったと判定された場合、ステップS196において、管理部41は、記録失敗として記録状態判定処理を終了する。
この場合、DMA領域にもDMAミラー領域にもDMSを記録することができなかったので、ユーザデータの記録に失敗した旨の通知が管理部41からホストI/F21を介して上位のホスト機器に通知される。このような状態となるのは、例えば図26のステップS51でDMA異常フラグがセットされていると判定されてDMA処理が終了し、かつ図28のステップS121でDMAミラー異常フラグがセットされていると判定されてDMAミラー処理が終了した場合などである。
また、ステップS195において、DMAミラー領域に正しくDMSが記録されたと判定された場合、ステップS197において、管理部41はDMA異常が発生したとしてユーザデータの記録を終了させ、これにより記録状態判定処理も終了する。
以上のように記録再生装置11は、DMA処理およびDMAミラー処理の結果に基づいて、記録状態を判定する。
〈ファイナライズ処理の説明〉
さらに光ディスク12が記録再生装置11に挿入されている状態で、つまり管理部41が最新のDMSを保持している状態で、上位のホスト機器により光ディスク12のファイナライズが指示されたときに行われるファイナライズ処理について説明する。
以下、図31のフローチャートを参照して、記録再生装置11によるファイナライズ処理について説明する。
ステップS221において、管理部41は、例えばメモリ23等に一時的に記録されている最新のDMSに基づいて、SRRIが拡張されているか否かを判定する。例えばDMSを構成する要素としてSRRI1が含まれている場合、SRRIが拡張されていると判定される。
ステップS221において、SRRIが拡張されていると判定された場合、ステップS222において、管理部41はSRRI0内およびSRRI1内の全てのSRRエントリが含まれるSRRI1を生成する。すなわち、管理部41は例えば図20を参照して説明したように、全てのセッションおよびSRRをクローズさせ、全てのクローズされたSRRエントリがソートされた状態で含まれるSRRI1を生成する。
ステップS223において、管理部41は、生成したSRRI1を記録再生処理部24に供給し、DMA領域およびDMAミラー領域に記録させる。記録再生処理部24は、管理部41から供給されたSRRI1に基づいて光ピックアップ25を制御し、光ディスク12のDMA領域およびDMAミラー領域にSRRI1を記録させる。
ステップS223においてSRRI1が記録されたか、またはステップS221においてSRRIが拡張されていないと判定された場合、ステップS224において、管理部41は、最新のDMSに基づいて、DFLが拡張されているか否かを判定する。例えばDMSを構成する要素としてDFLnが含まれている場合、DFLが拡張されていると判定される。
ステップS224において、DFLが拡張されていると判定された場合、ステップS225において、管理部41はDFL 0内およびDFLn内のDFLエントリが含まれるDFLnを生成する。すなわち、管理部41は例えば図22を参照して説明したように、これまでDFL0およびDFLnに記録されていた全てのDFLエントリがソートされ、かつ重複のない状態で格納されている新たなDFLnを生成する。
例えばこれまでDFL0と、DFL1およびDFL2とにDFLエントリが記録されており、DFL2に、これまでDFL0に格納されていたDFLエントリを格納するだけの領域が空いているとする。この場合、管理部41は、これまでDFL0、DFL1、およびDFL2に格納されていた全てのDFLエントリをソートし、新たなDFL1およびDFL2に格納する。
ステップS226において、管理部41は、新たに生成したDFLnを記録再生処理部24に供給し、DMA領域およびDMAミラー領域に記録させる。記録再生処理部24は、管理部41から供給されたDFLnに基づいて光ピックアップ25を制御し、光ディスク12のDMA領域およびDMAミラー領域にDFLnを記録させる。
なお、ここではSRRI1が記録されてからDFLnが記録される例について説明したが、DFLnが記録されてからSRRI1の記録が行われるようにしてもよい。
ステップS226においてDFLnが記録されたか、またはステップS224においてDFLが拡張されていないと判定された場合、ステップS227において、管理部41はPDSDを生成する。
このとき、管理部41はSRRIが拡張されていない場合には、新たに生成されるPDSDのSRRI0には、これまでSRRI0内に格納されていたSRRエントリが、全てソートされて格納されるようにする。これに対して、ステップS222でSRRI1が生成された場合には、新たに生成されるPDSDのSRRI0にはSRRエントリが格納されていないようになされる。また、SRRI1が生成された場合には、新たに生成されるPDSDのP&Cには、DMA領域またはDMAミラー領域に記録されたSRRI1のSPSNを示すポインタ情報が含まれるようになされる。
さらに、管理部41はDFLが拡張されていない場合には、新たに生成されるPDSDのDFL0には、これまでDFL0内に格納されていたDFLエントリが、全てソートされて格納されるようにする。これに対して、ステップS225でDFLnが生成された場合には、新たに生成されるPDSDのDFL0にはDFLエントリが格納されていないようになされる。また、DFLnが生成された場合には、新たに生成されるPDSDのP&Cには、DMA領域またはDMAミラー領域に記録されたDFLnのSPSNを示すポインタ情報が含まれるようになされる。
このようなPDSDとして、DMA領域に記録されるものと、DMAミラー領域に記録されるものとがそれぞれ生成される。
ステップS228において、管理部41は、新たに生成したPDSDを記録再生処理部24に供給し、DMA領域およびDMAミラー領域に記録させる。記録再生処理部24は、管理部41から供給されたPDSDに基づいて光ピックアップ25を制御し、光ディスク12のDMA領域およびDMAミラー領域にPDSDを記録させる。
ステップS229において、管理部41は、DMAアンカ領域に記録するDMSを生成する。例えば管理部41は、ステップS227の処理により生成されたPDSDと同様のPDSDをDMSとして生成する。
このとき、例えばP&Cに含まれるP&C indicatorの値は04hとされ、図5に示したP&CのW15の部分に、DS0面やDS1面におけるPDSD、SRRI1、およびDFLnの記録開始位置のPSN等が記録される。
ステップS230において、管理部41は、DMAアンカ領域用に生成したDMSを記録再生処理部24に供給し、DMAアンカ領域に記録させる。記録再生処理部24は、管理部41から供給されたDMSに基づいて光ピックアップ25を制御し、光ディスク12のDMAアンカ領域にDMSを記録させる。
DMSが記録されて光ディスク12がファイナライズ(クローズ)されると、光ディスク12は記録再生装置11からイジェクトされ、ファイナライズ処理は終了する。
以上のようにして記録再生装置11は、SRRI0またはSRRI1の何れかに全てのSRRエントリが格納され、かつDFL0、または1若しくは複数のDFLnの何れかに全てのDFLエントリが格納されたDMSを生成し、光ディスク12に記録する。これにより、ファイナライズ後のSRRエントリやDFLエントリをより簡単に管理することができ、マウント時間をより短くすることができる。
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、例えばコントローラ22や記録再生処理部24の図示せぬ不揮発性のメモリにインストールされる。
そのような場合、例えばコントローラ22や記録再生処理部24が図示せぬメモリに記録されているプログラムを実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
なお、コントローラ22や記録再生処理部24が実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
また、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
さらに、本技術は、以下の構成とすることも可能である。
(1)
ライトワンス型の記録媒体に対するデータの記録を制御する記録制御部と、
前記記録制御部を制御して、前記記録媒体における記録領域に関する情報が格納された基本管理情報であって、その基本管理情報の内容の更新回数を示すカウンタが格納された基本管理情報を前記記録媒体に複数記録させる管理部と
を備える記録制御装置。
(2)
前記記録媒体はデータを記録可能な第1の面と第2の面を有し、
前記管理部は前記基本管理情報を前記第1の面および前記第2の面のそれぞれに記録させる
(1)に記載の記録制御装置。
(3)
前記基本管理情報には、前記基本管理情報内に含まれている情報の記録位置を示すポインタ情報は含まれていない
(1)または(2)に記載の記録制御装置。
(4)
前記管理部は、予め定められた大きさの前記基本管理情報に前記記録領域に関する情報が格納しきれなくなった場合、これまで前記基本管理情報に格納されていた、前記記録領域に関する情報が格納された拡張管理情報と、前記記録媒体における前記拡張管理情報の記録位置を示すポインタ情報が格納された新たな前記基本管理情報とを前記記録媒体に記録させる
(1)乃至(3)の何れか一項に記載の記録制御装置。
(5)
前記管理部は、前記拡張管理情報を記録させた後、前記新たな前記基本管理情報を記録させる
(4)に記載の記録制御装置。
(6)
前記基本管理情報に格納される前記カウンタは、前記基本管理情報および前記拡張管理情報の内容の更新回数を示すカウンタである
(4)または(5)に記載の記録制御装置。
(7)
前記記録媒体には、前記記録媒体がファイナライズされる前の状態で、複数の前記基本管理情報が記録されている
(1)乃至(6)の何れか一項に記載の記録制御装置。
(8)
ライトワンス型の記録媒体に対するデータの記録を制御する記録制御部を制御して、前記記録媒体における記録領域に関する情報が格納された基本管理情報であって、その基本管理情報の内容の更新回数を示すカウンタが格納された基本管理情報を前記記録媒体に複数記録させる
ステップを含む記録制御方法。
(9)
ライトワンス型の記録媒体に対するデータの記録を制御する記録制御部を制御して、前記記録媒体における記録領域に関する情報が格納された基本管理情報であって、その基本管理情報の内容の更新回数を示すカウンタが格納された基本管理情報を前記記録媒体に複数記録させる
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
(10)
ライトワンス型の記録媒体における記録領域に関する情報が格納された基本管理情報であって、その基本管理情報の内容の更新回数を示すカウンタが格納された基本管理情報を前記記録媒体に複数記録させる管理部を備える
ドライブ制御コントローラ。
(11)
ライトワンス型の記録媒体における記録領域に関する情報が格納された基本管理情報であって、その基本管理情報の内容の更新回数を示すカウンタが格納された基本管理情報を前記記録媒体に複数記録させる
ステップを含むドライブ制御方法。
(12)
ライトワンス型の記録媒体であって、
記録領域と、前記記録領域に関する情報が格納された基本管理情報であって、その基本管理情報の内容の更新回数を示すカウンタが格納された基本管理情報が記録される複数の管理領域とが設けられている
記録媒体。
(13)
データを記録可能な第1の面と第2の面を有し、
前記第1の面および前記第2の面のそれぞれに前記管理領域が設けられている
(12)に記載の記録媒体。
(14)
前記基本管理情報には、前記基本管理情報内に含まれている情報の記録位置を示すポインタ情報は含まれていない
(12)または(13)に記載の記録媒体。
(15)
予め定められた大きさの前記基本管理情報に前記記録領域に関する情報が格納しきれなくなった場合、これまで前記基本管理情報に格納されていた、前記記録領域に関する情報が格納された拡張管理情報と、前記記録媒体における前記拡張管理情報の記録位置を示すポインタ情報が格納された新たな前記基本管理情報とがさらに前記管理領域に記録される
(12)乃至(14)の何れか一項に記載の記録媒体。
(16)
前記管理領域には、前記拡張管理情報が記録された後、前記新たな前記基本管理情報が記録される
(15)に記載の記録媒体。
(17)
前記基本管理情報に格納される前記カウンタは、前記基本管理情報および前記拡張管理情報の内容の更新回数を示すカウンタである
(15)または(16)に記載の記録媒体。
(18)
前記管理領域には、前記記録媒体がファイナライズされる前の状態で、前記基本管理情報が記録されている
(12)乃至(17)の何れか一項に記載の記録媒体。