以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図23は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ3により開閉自在に枢着された前枠4とを備えている。前枠4の前側には、遊技盤5等が上部側に、遊技盤5の前側の遊技領域5aに向けて遊技球を発射する発射手段6等が下部側にそれぞれ配置され、また遊技盤5等の前側に対応してガラス扉7が、発射手段6等の前側に対応して前面板8がそれぞれヒンジ3と同じ側のヒンジ9により開閉自在に枢支されている。
前面板8の前側には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段6に供給する上皿10が上部側に配置され、またその上皿10の下側には、例えば上皿10が満杯のときにその余剰球を貯留する下皿11が左端側に、発射手段6を作動させるための発射ハンドル12が右端側に夫々設けられている。
更に、例えば上皿10等を前側から覆う上皿カバー13上には演出用の操作ボタン(操作手段)14等が設けられている。操作ボタン14には、押下操作された場合にその動作を検知する例えばフォトセンサ等よりなる操作検知手段14a(図2)が設けられている。
遊技盤5の前面側には、発射手段6から発射された遊技球を案内するガイドレール15が環状に装着されると共に、そのガイドレール15の内側の遊技領域5aに、センターケース17、普通図柄始動手段18、特別図柄始動手段19、大入賞手段20、普通入賞手段21等の各種遊技部品が配置されている。
センターケース17は、例えば遊技領域5aの略中央に配置されており、液晶式等の画像表示手段22に対応する略矩形状の表示窓23を備え、その表示窓23を取り囲む装飾枠24上に、例えば普通図柄表示手段25、特別図柄表示手段26、普通保留個数表示手段27、第1特別保留個数表示手段28等の各種表示手段の他、ステージ29、可動演出手段30等が設けられている。
ステージ29は、画像表示手段22の下部前側に左右方向に配置されており、センターケース17の側部、例えば左側に設けられたワープ入口29aに流入した遊技球を自由に転動させた後、例えば左右方向中央の中央落下部又はその左右両側の側部落下部から前側に落下させるようになっている。
可動演出手段30は、可動体31と、この可動体31を上下方向に移動可能に支持する可動体案内手段32と、可動体31を駆動する駆動手段33とを備えている。可動体31は、例えば任意の立体形状(ここでは人間の両手の形状)に形成された樹脂製の造形物で、後側(又は内部)に配置されたLEDが点灯することによって例えばその全体が発光するようになっている。
可動体案内手段32は、可動体31を画像表示手段22の表示画面22aの前面側に沿って所定方向、例えば上下方向に移動可能な状態で支持するもので、画像表示手段22の表示画面22aの左右両側に沿って上下方向に配置された一対の案内レール34と、左右方向に配置され且つその両端側が一対の案内レール34によって上下方向移動可能に支持された可動体支持部35とを備え、この可動体支持部35の前側に可動体31が配置されている。
可動体案内手段32は、例えば案内レール34が装飾枠24の後側に、可動体支持部35が装飾枠24及び可動体31の後側にそれぞれ配置されており、略全体が遊技機本体1の前側からは視認できないようになっている。また、可動体支持部35は、例えばその左右両端部の動作が図示しない連動機構によって同期されており、常に水平を保った状態での上下動が可能となっている。この可動体案内手段32により、可動体31は、例えば画像表示手段22の上側の上部位置と、画像表示手段22の前側の下部位置との間で上下方向に移動可能であり、通常時は上部位置に保持されている。
駆動手段33は、例えばステッピングモータで構成され、装飾枠24の後側に配置されており、図示しないベルト等を介して可動体支持部35及び可動体31を所定の動作パターンに従って上下方向に移動させることが可能となっている。
普通図柄始動手段18は、普通図柄表示手段25による図柄変動を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲートにより構成され、例えばセンターケース17の左側に配置されており、遊技球の通過を検出可能な遊技球検出手段(図示省略)を備えている。
普通図柄表示手段25は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)によって構成されており、普通図柄始動手段18が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段18による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段25の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段18が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値等の普通乱数情報が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば7セグメント式等の表示手段よりなる普通保留個数表示手段27が例えばアラビア数字により普通乱数情報の記憶個数(以下、普通保留個数という)に関する普通保留個数情報を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
特別図柄始動手段(図柄始動手段)19は、特別図柄表示手段26による図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの特別始動口19a,19bと、下特別始動口19bを開閉する開閉手段36と、特別始動口19a,19bに入賞した遊技球を夫々検出する遊技球検出手段(図示省略)とを備え、例えばセンターケース17の下側に配置されている。上特別始動口19aは、開閉手段等を有しない非開閉式入賞口である。下特別始動口19bは、開閉手段36により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能(又は開状態よりも入賞困難)な閉状態とに切り換え可能な開閉式入賞口で、普通図柄表示手段25の変動後の停止図柄が当たり態様となった場合に発生する普通利益状態において、開閉手段36が所定時間閉状態から開状態に変化するように構成されている。
特別図柄表示手段26は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段19が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口19a,19bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、特別始動口19a,19bへの入賞時に取得された特別乱数情報に含まれる大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様(特定態様)で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。
特別図柄には、例えば大当たり態様及び外れ態様が夫々1又は複数種類ずつ設けられている。なお、それら各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのような特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
また、特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に特別始動口19a,19bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等の特別乱数情報が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、第1特別保留個数表示手段(第1保留個数情報表示手段)28及び後述する第2特別保留個数表示手段(第2保留個数情報表示手段)39により特別乱数情報の記憶個数(以下、特別保留個数という)に関する特別保留個数情報(保留個数情報)を表示して、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。なお本実施形態では、第1特別保留個数表示手段28は7セグメント式等の表示手段により構成され、特別保留個数を示すアラビア数字により特別保留個数情報を表示するようになっている。
大入賞手段20は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板37を備えた開閉式入賞手段で、特別図柄表示手段26の変動後の停止図柄が大当たり態様となった場合に発生する特別利益状態において、開閉板37が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
また画像表示手段22は、演出図柄表示手段38、第2特別保留個数表示手段39等を構成しており、演出図柄表示手段(図柄表示手段)38により、例えば特別図柄表示手段26による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄(図柄)を含む各種演出画像が表示される他、第2特別保留個数表示手段(第2保留個数情報表示手段)39により、特別保留個数分の保留表示画像39aが表示画面22aの例えば下部側の保留表示部40に表示されるようになっている。
ここで、演出図柄は、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の数字図柄等で構成されており、特別図柄始動手段19が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口19a,19bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、左、右、中等の所定の順序で停止するようになっている。
演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字を含む図柄が用いられ、「6・6・6」、「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。本実施形態では、特別図柄が大当たり態様となる場合には演出図柄も大当たり態様(特定態様)となり、特別図柄が外れ態様となる場合には演出図柄も外れ態様となる。
また、演出図柄の変動パターンとしては、リーチ状態を経ることなく外れ態様となるリーチなし通常変動パターンと、リーチ状態を経由して外れ態様となるリーチ外れ変動パターンと、リーチ状態を経由して大当たり態様となるリーチ大当たり変動パターンとがある。本実施形態では、図3に示すように、変動時間が夫々2s,5s,8s,12sに設定された4種類のリーチなし通常変動パターン2s,5s,8s,12sと、Nリーチ1,Nリーチ2,Sリーチ1,Sリーチ2の4種類のリーチ外れ変動パターンと、Nリーチ1,Nリーチ2,Sリーチ1,Sリーチ2の4種類のリーチ大当たり変動パターンとが設けられている。
図2は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図2において、41は主制御基板、42は演出制御基板で、これら各制御基板41,42は、遊技盤5に装着されたセンターケース17、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠4及び遊技盤5を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板41は、遊技動作を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段51、普通始動口チェック処理手段52、普通乱数記憶手段53、普通図柄処理手段54、普通図柄表示制御手段55、普通保留個数表示制御手段56、普通利益状態発生手段57、特別乱数作成処理手段61、特別始動口チェック処理手段62、特別乱数記憶手段63、特別図柄処理手段64、特別図柄表示制御手段65、第1特別保留個数表示制御手段66、特別利益状態発生手段67、特別遊技状態発生手段68、制御コマンド送信手段69等を備えている。
普通乱数作成処理手段51は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段52は、普通図柄始動手段18による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段18が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段51で作成された当たり判定乱数値等の普通乱数情報を1個取得し、その普通乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の普通乱数記憶手段53に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段54は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、当たり判定手段54a、普通停止図柄選択手段54b、変動時間選択手段54c等を備えている。当たり判定手段54aは、普通図柄の変動後の停止図柄を当たり態様とするか否かの判定を行うもので、普通図柄表示手段25が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段53に1以上の普通乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段53に記憶されている普通乱数情報の待ち行列からその先頭の当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行うように構成されている。
普通停止図柄選択手段54bは、普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択するものである。本実施形態では、当たり態様と外れ態様に対応するのは各1種類の図柄のみであるため、当たり判定機能による当たり/外れの判定結果に基づいて、当たり判定の場合には「○」が、外れ判定の場合には「×」が画一的に選択される。また、変動時間選択手段54cは普通図柄の変動時間を選択するものである。
普通図柄表示制御手段55は、普通図柄処理手段54による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段25の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段25が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段53に1個以上の普通乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段25による普通図柄の変動を開始させ、変動時間選択手段54cで選択された変動時間が経過することに基づいて、普通停止図柄選択手段54bで選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
普通保留個数表示制御手段56は、普通保留個数表示手段27の表示制御を行うもので、普通図柄始動手段18による遊技球の検出、及び普通図柄表示手段25による普通図柄の変動に基づいて、普通保留個数表示手段27により例えばアラビア数字により普通保留個数情報を表示させるようになっている。
普通利益状態発生手段57は、当たり判定手段54aによる判定結果が当たり判定となることに基づいて普通図柄表示手段25の変動後の停止図柄が当たり態様となった場合に、特別図柄始動手段19を構成する下特別始動口19bの開閉手段36を例えば複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。
特別乱数作成処理手段61は、大当たり/外れの判定に用いる大当たり判定乱数、特別図柄の変動後の停止図柄等の選択に用いる図柄判定乱数、変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
特別始動口チェック処理手段62は、特別図柄始動手段19への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、先読み判定処理手段62a等を備え、特別図柄始動手段19が遊技球を検出すること、即ち特別始動口19a,19bの何れかに遊技球が入賞することに基づいて、例えば図5に示す特別始動口チェック処理を実行するように構成されている。
この特別始動口チェック処理(図5)では、まず特別保留個数が上限値(例えば4個)に達しているか否かを判定する(S1)。ここで、特別保留個数は、特別乱数記憶手段(情報記憶手段)63に記憶されている特別乱数情報(変動記憶情報)の数、即ち未消化の特別図柄変動の回数を表しており、本実施形態の特別乱数情報は、大当たり判定乱数値、図柄判定乱数値及び変動パターン乱数値で構成されている。
特別保留個数が上限値である場合には(S1:Yes)、ここで特別始動口チェック処理は終了する。一方、特別保留個数が上限値でない場合には(S1:No)、特別乱数作成処理手段61から特別乱数情報、即ち大当たり判定乱数値、図柄判定乱数値及び変動パターン乱数値を1個ずつ取得して特別乱数記憶手段63に格納する(S2)。そして、例えば特別利益状態中でなく(S3:No)、且つ後述する特別遊技状態中でないこと(S4:No)を条件に、その特別乱数情報に基づいて先読み判定処理手段62aにより例えば図6に示す先読み判定処理を実行する(S5)。なお、特別利益状態中(S3:Yes)であるか、特別遊技状態中(S4:Yes)である場合には、先読み判定処理(S5)以降の処理を行うことなく特別始動口チェック処理を終了する。
先読み判定処理(図6)では、まず先読み禁止中であるか否かを判定する(S11)。そして、先読み禁止中であれば(S11:Yes)、保留増加コマンドとして例えばB*00を選択し(S12)、先読み判定処理を終了する。ここで、保留増加コマンドは、特別保留個数の増加時に送信されるもので、図4に示すように、増加後の特別保留個数と先読み判定結果とに基づいて複数種類設けられている。本実施形態の保留増加コマンドは、上位バイト「B*」の「*」に、増加後の特別保留個数に応じて例えば1〜4の何れかがセットされ、下位バイトに、先読み判定結果等に応じて00〜09の何れかがセットされるようになっており、下位バイトの「00」は先読み禁止を示している。
一方、先読み禁止中でない場合には(S11:No)、大当たり判定乱数値に基づいて大当たり判定を行う(S13)。即ち、大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定結果を出力する。
S13の判定結果が外れの場合には(S14:No)、図柄判定乱数値に基づいて外れの種類を選択する(S15)。本実施形態では、図3(a)に示すように外れAと外れBの2種類の外れが設けられており、それら外れA,Bが、例えば0〜99の範囲で生成される図柄判定乱数値に基づいて例えば9/10,1/10の確率で選択されるようになっている。そして、選択された外れの種類に応じて(S16)、保留増加コマンドを選択し(S17,S18)、先読み判定処理を終了する。
ここで、外れAは、図柄変動の開始時点の特別保留個数に応じて変動パターンの振り分けが異なるもので、図3(a)に示すように、特別保留個数0〜3の夫々について、変動パターン乱数値の範囲と複数種類の外れ変動パターンとの対応関係が規定されている。先読み判定処理の時点では図柄変動開始時点の特別保留個数は不明であるため、外れAの場合にはS17において変動パターンを確定することはできず、従って図4に示すように保留増加コマンドとして変動パターンとは無関係にB*01が選択される。なお本実施形態では、外れAの場合には4種類のリーチなし通常変動パターンのみが選択対象となっているため(図3(a))、外れAが選択された時点で、リーチ変動ではなくリーチなし通常変動となることが確定する。
一方の外れBは、図柄変動の開始時点の特別保留個数に拘わらず変動パターンの振り分けが変化しないもので、図3(a)に示すように、変動パターン乱数値の範囲と複数種類の変動パターンとの対応関係が1種類のみ規定されている。従って外れBの場合には、S18において変動パターン乱数値に基づいて変動パターンを確定することができ、図4に示すように、保留増加コマンドとして4種類のリーチ外れ変動パターンに対応するB*02〜B*05の何れかが選択される。なお本実施形態では、外れBの場合には4種類のリーチ外れ変動パターンのみが選択対象となっている。
また、S13の判定結果が大当たりの場合には(S14:Yes)、図柄判定乱数値と変動パターン乱数値とに基づいて保留増加コマンドを選択し(S19)、先読み判定処理を終了する。本実施形態では、図3(b)に示すように、通常15R、通常5R、確変15R、確変5Rの4種類の大当たりが設けられており、それらが図柄判定乱数値に基づいて例えば4/10,1/10,4/10,1/10の確率で選択されるようになっている。
通常15R大当たり,通常5R大当たりは、後述する特別遊技状態として時短状態を発生させることとなる大当たりで、特別利益状態では大入賞手段20による所定の単位開放動作を夫々15ラウンド,5ラウンド行うようになっている。ここで、単位開放動作とは、例えば大入賞手段20を開放してから所定時間(例えば28秒)経過するか、それまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に大入賞手段20を閉鎖する動作である。また、確変15R大当たり,確変5R大当たりは、後述する特別遊技状態として確変状態を発生させることとなる大当たりで、特別利益状態では単位開放動作を夫々15ラウンド,5ラウンド行うようになっている。
また大当たりの場合には、図3(b)に示すように、大当たりの種類毎に変動パターン乱数値の範囲と複数種類のリーチ大当たり変動パターンとの対応関係が規定されている。従って大当たりの場合には、S19において図柄判定乱数値と変動パターン乱数値とに基づいて変動パターンを確定することができ、図4に示すように、保留増加コマンドとして4種類のリーチ大当たり変動パターンに対応するB*06〜B*09の何れかが選択される。
以上の先読み判定処理(図5のS5)が終了すると、選択された保留増加コマンドを送信し(S6)、特別始動口チェック処理を終了する。
特別図柄処理手段64は、特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、大当たり判定手段64a、大当たり・外れ選択手段64b、変動パターン選択手段64c等を備えている。大当たり判定手段64aは、乱数抽選により大当たり/外れ、即ち特別利益状態(利益状態)を発生させるか否かの判定を行うもので、特別図柄表示手段26が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段63に1以上の特別乱数情報が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別乱数記憶手段63に記憶されている特別乱数情報の待ち行列からその先頭の大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行うように構成されている。
大当たり・外れ選択手段64bは、大当たり又は外れの種類を選択するもので、大当たり判定手段64aによる判定結果が外れの場合には、特別乱数記憶手段63から取り出した図柄判定乱数値に基づいて例えば外れA,Bの何れか(図3(a))を選択し、大当たり判定手段64aによる判定結果が大当たりの場合には、同じく図柄判定乱数値に基づいて例えば通常15R,通常5R,確変15R,確変5Rの4種類の大当たりの何れか(図3(b))を選択するように構成されている。
変動パターン選択手段(変動時間選択手段)64cは、演出図柄の変動パターンを複数の中から選択するもので、例えば大当たり判定手段64aによる判定結果が外れであり、大当たり・外れ選択手段64bにより外れAが選択された場合には、その時点の特別保留個数と、特別乱数記憶手段63に記憶されている特別乱数情報の待ち行列における先頭の変動パターン乱数値とに基づいて複数のリーチなし通常変動パターンの何れかを選択し(図3(a))、大当たり判定手段64aによる判定結果が外れであり、大当たり・外れ選択手段64bにより外れBが選択された場合には、特別乱数記憶手段63に記憶されている特別乱数情報の待ち行列における先頭の変動パターン乱数値に基づいて複数のリーチ外れ変動パターンの何れかを選択し(図3(a))、大当たり判定手段64aによる判定結果が大当たりの場合には、大当たり・外れ選択手段64bにより選択された大当たりの種類と、特別乱数記憶手段63に記憶されている特別乱数情報の待ち行列における先頭の変動パターン乱数値とに基づいて複数のリーチ大当たり変動パターンの何れかを選択する(図3(b))ようになっている。
なお、演出図柄の変動パターンは夫々任意の変動時間に設定されており、変動パターン選択手段64cが演出図柄の変動パターンを複数の中から選択することにより、演出図柄及び特別図柄の変動時間が決定する。即ち、変動パターン選択手段64cは演出図柄及び特別図柄の変動時間を選択する変動時間選択手段を構成している。
特別図柄表示制御手段65は、特別図柄表示手段26の表示制御を行うもので、特別図柄表示手段26が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段63に1以上の特別乱数情報が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別図柄表示手段26による特別図柄の変動を開始させ、変動パターン選択手段64cにより選択された演出図柄の変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、例えば大当たり判定手段64aの判定結果が外れの場合には所定の外れ態様で、大当たり判定手段64aの判定結果が大当たりの場合には大当たり・外れ選択手段64bで選択された大当たりの種類に応じた大当たり態様で、特別図柄の変動を停止させるようになっている。
第1特別保留個数表示制御手段66は、第1特別保留個数表示手段28の表示制御を行うもので、特別図柄始動手段19による遊技球の検出、及び特別図柄表示手段26による特別図柄の変動に基づいて、第1特別保留個数表示手段28により例えばアラビア数字により特別保留個数情報を表示させるようになっている。
特別利益状態発生手段(利益状態発生手段)67は、大入賞手段20が所定の開放パターンに従って開放する特別利益状態(利益状態)を発生させるもので、大当たり判定手段64aによる判定結果が大当たりとなり、特別図柄表示手段26による特別図柄の変動後の停止図柄、及び演出図柄表示手段38による演出図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様(特定態様)となった場合に、大当たり・外れ選択手段64bにより選択された大当たりの種類に応じて、大入賞手段20による単位開放動作を例えば5ラウンド,15ラウンドの何れかだけ繰り返させるようになっている(図3(b))。
特別遊技状態発生手段68は、特別利益状態発生後に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、例えば大当たり・外れ選択手段64bにより選択された大当たりの種類に応じて、例えば通常15R,5R大当たりの場合には時短状態を、確変15R,5R大当たりの場合には確変状態を発生させるように構成されている。
時短状態中は、例えば特別図柄に関して特別図柄表示手段26の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、下特別始動口19bの開閉手段36の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は特別利益状態が終了した時点で開始し、例えば特別図柄が所定回数(例えば50回)変動するか、それまでに次の特別利益状態が発生した時点で終了する。
確変状態中は、例えば時短状態と同様の各切り換えに加えて、大当たり判定値の数が例えば1個から10個へ増加されることにより、特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り換えられるようになっている。なお、確変状態は特別利益状態が終了した時点で開始し、例えば次の特別利益状態が発生した時点で終了する。
制御コマンド送信手段69は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板42等のサブ制御基板に送信して制御指令を与えるためのもので、例えば演出制御基板42に対しては、特別保留個数の増加時に、増加後の特別保留個数等を指定する保留増加コマンドを送信し、また特別図柄の変動時には、まず変動開始時に、減少後の特別保留個数等を指定する保留減算コマンド、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンド、特別図柄の停止図柄を指定する図柄指定コマンドを例えばこの順序で送信し、変動終了時に、演出図柄の変動停止を指示する変動停止コマンドを送信する等、所定のタイミングで各種制御コマンドを送信するようになっている。
演出制御基板42は、画像表示手段22、LED71,スピーカ72、可動演出手段30等の各種演出手段による演出を制御するもので、保留増加コマンド受信時処理手段73、変動パターンコマンド受信時処理手段74、シナリオ記憶手段75、シナリオ実行処理手段76、操作判定手段77、第2特別保留個数表示制御手段78等を備えている。なお、LED71は可動演出手段30の可動体31を含むセンターケース17(図1)の他、遊技盤5及び前枠4に多数配置され、スピーカ72は例えば前枠4の上部に2個、下部に1個配置されている(図1)。
保留増加コマンド受信時処理手段73は、特別保留個数が増加した場合の処理を行うもので、先読み演出抽選手段73a等を備え、主制御基板41から保留増加コマンドを受信したときに、図7に示す保留増加コマンド受信時処理を実行するように構成されている。
保留増加コマンド受信時処理(図7)では、まず先読み演出禁止中であるか否かを判定し、先読み演出禁止中であれば(S21:Yes)、ここで保留増加コマンド受信時処理を終了する。先読み演出禁止中でない場合には(S21:No)、後述する先読み連続演出を実行中であるか否かを判定し(S22)、先読み連続演出実行中であれば(S22:Yes)、ここで保留増加コマンド受信時処理を終了する。
先読み連続演出実行中でない場合には(S22:No)、先読み演出抽選手段73aにより、一又は複数種類の先読み演出について実行するか否かを抽選する(S23)。ここで「先読み演出」とは、先読み判定処理手段62aによる先読み判定結果に基づく演出であって、本実施形態では「先読み連続演出」と「先読み保留変化演出」の2種類の先読み演出を実行可能である。
「先読み連続演出」は、先読み判定結果に基づいて、その先読み判定の対象となった特別乱数情報に対応する図柄変動までの複数回の図柄変動において同一態様の演出を実行するものである。また、「先読み保留変化演出」は、先読み判定結果に基づいて、第2特別保留個数表示手段39による保留表示画像39aを所定の表示態様で表示するものである。なお、本実施形態では先読み連続演出と先読み保留変化演出との両方に同時に当選可能とするが、複数種類の先読み演出に同時に当選できないようにしてもよい。
S23における先読み連続演出に関する抽選は、例えば図8に示す先読み連続演出抽選テーブルに基づいて行う。図8に示すように、本実施形態の先読み連続演出における演出態様には「雨」と「雷」の2種類があり、主制御基板41から受信した保留増加コマンド、即ち演出図柄の変動パターンの種類に応じて、「雨」と「雷」との何れかが所定の確率で選択されるが、リーチなし通常変動パターンの場合には先読み連続演出に当選しないようになっている。なお、先読み連続演出抽選テーブルに基づく抽選を行う前提として他の条件を設けてもよい。例えば、特別保留個数が所定個数(例えば3個)以上であること、今回の先読み判定の対象となった保留記憶以外の全ての保留記憶に対応する変動パターンがリーチなし通常変動パターンであること等を先読み連続演出を実行するための条件としてもよい。
また、S23における先読み保留変化演出に関する抽選は、例えば図9に示す先読み保留変化演出抽選テーブルに基づいて行う。図9に示すように、本実施形態の先読み保留変化演出における保留表示態様、即ち保留表示画像39aの表示態様には「青」、「緑」、「赤」の3種類があり、主制御基板41から受信した保留増加コマンド、即ち演出図柄の変動パターンの種類に応じて、「青」、「緑」、「赤」の何れかが所定の確率で選択されるようになっている。先読み保留変化演出に当選しなかった場合、即ち「青」、「緑」、「赤」の何れの保留表示態様も選択されなかった場合には、保留表示画像39aは先読み保留変化演出に係る「青」、「緑」、「赤」の保留表示態様以外の表示態様、例えば「白」で表示される。なお、先読み保留変化演出抽選テーブルに基づく抽選を行う前提として他の条件を設けてもよい。例えば、所定の遊技状態中でないこと等を先読み保留変化演出を実行するための条件としてもよい。
続いて、S23による抽選結果に応じた処理(S24〜S27)を実行し、保留増加コマンド受信時処理を終了する。即ち、S23で先読み連続演出に当選した場合には(S24:Yes)、増加後の特別保留個数を連続演出回数カウンタにセットする(S25)。ここで、連続演出回数カウンタは先読み連続演出の残り変動回数をカウントするためのもので、例えば特別図柄の変動が行われる毎に1減算され、先読み連続演出の最終図柄変動においてその値が0となる。
また、S23で先読み保留変化演出に当選した場合には(S26:Yes)、S23の抽選結果に応じた先読み保留変化演出シナリオをセットする(S27)。例えばS23の抽選で保留表示態様として「赤」が選択された場合には、画像表示手段22に赤色の保留表示画像39aを1個追加表示する先読み保留変化演出シナリオがセットされる。なお、先読み保留変化演出シナリオは予めシナリオ記憶手段75に記憶されている。
変動パターンコマンド受信時処理手段74は、特別図柄表示手段26による図柄変動を開始する場合の処理を行うもので、変動中演出抽選手段74a等を備え、主制御基板41から保留減算コマンド、変動パターンコマンド及び図柄指定コマンドを例えば一定時間内に受信したときに、図10に示す変動パターンコマンド受信時処理を実行するように構成されている。
変動パターンコマンド受信時処理(図10)では、まず連続演出回数カウンタの値が0より大であるか否か、即ち先読み連続演出の実行中であるか否かを判定する(S31)。そして、連続演出回数カウンタの値が0よりも大である場合、即ち先読み連続演出の実行中である場合には(S31:Yes)、連続演出回数カウンタの値を1減算する(S32)と共に、先読み連続演出シナリオをセットする(S33)。ここで、先読み連続演出シナリオは、先読み連続演出の種類(ここでは雨と雷)毎に設けられているが、更に変動パターン毎に異なっている。
図11は、「雨」の先読み連続演出に対応する先読み連続演出シナリオのうち、4種類のリーチなし通常変動パターンに夫々対応する4種類の先読み連続演出シナリオ(実行制御情報)を示している。このように本実施形態では、「雨」の先読み連続演出に対応する先読み連続演出シナリオが、演出図柄の変動時間に対応して複数種類設けられている。
なお、図11に示す先読み連続演出シナリオに限らず、本実施形態で用いられるシナリオは、そのシナリオの実行開始時からの経過時間(ms)毎の各行に、各種演出手段、即ちLED71、スピーカ72、可動体31の駆動手段33及び画像表示手段22による各演出内容と、オプション(以下、OPT)の内容とが夫々設定されている。
図11に示す4種類の先読み連続演出シナリオは、例えば演出図柄の変動開始と同時に実行開始されるようになっており、何れもその実行開始後、即ち図柄変動開始後すぐにBGMをフェードアウトし、図柄変動開始から100ms後に雨演出を開始し、図柄変動が終了する500ms前に雨演出を終了した後、BGMをフェードインするように設定されている。即ち、図11に示す4種類の先読み連続演出シナリオは、図12に示すように、演出図柄の変動開始に対する雨演出(特定演出)の開始時期と、図柄の変動終了に対する雨演出の終了時期とについては全て共通であり、図柄の変動開始に対する雨演出の終了時期、即ち雨演出の演出時間(夫々1.4s,4.4s,7.4s,11.4s)が図柄の変動時間(夫々2s、5s、8s、12s)に応じて異なっている。
このように、本実施形態の先読み連続演出シナリオ(図11,図12)では、演出図柄の変動開始に対する雨演出(特定演出)の開始時期と、演出図柄の変動終了に対する雨演出(特定演出)の終了時期とは演出図柄の変動時間に拘わらず一定で、演出図柄の変動開始に対する雨演出(特定演出)の終了時期は演出図柄の変動時間に応じて異なっている。即ち、雨演出の演出時間は演出図柄の変動時間に応じて異なっており、演出図柄の変動時間が長いほど、雨演出の演出時間が長くなっている。なお、先読み連続演出シナリオは、予めシナリオ記憶手段75に記憶されている。
続いて、変動中演出抽選手段74aにより、一又は複数種類の変動中演出について実行するか否かを抽選する(S34)。ここで「変動中演出」とは、大当たり判定手段64a等による図柄変動開始時の判定結果に基づく演出であって、本実施形態では図13に示すように「会話演出」、「ステップアップ演出」、「ボタン演出」の3種類の変動中演出を実行可能である。「会話演出」では、特別図柄変動中に例えば複数のキャラクタのセリフが会話形式で順次出力されるようになっている。
また「ステップアップ演出」では、特別図柄変動中に、例えば大当たり信頼度に応じて一又は複数段階の演出ステップが順次実行される。本実施形態のステップアップ演出は、図14に示すように、su1,su2,su3の3段階の演出ステップのうちのsu1までで構成される第1ステップアップ演出と、同じくsu2までで構成される第2ステップアップ演出と、同じくsu3までで構成される第3ステップアップ演出の3種類設けられている。なお、各演出ステップsu1,su2,su3の演出時間は、図15に示すように夫々3s,4s,4sに設定されている。
また「ボタン演出」では、ボタン操作有効期間(操作有効期間)中に操作ボタン(操作手段)14の操作が所定操作条件を満たした(操作成立)と判定された場合に、例えば大当たり信頼度に応じた所定の確率で所定の操作時演出が実行される。本実施形態では、ボタン操作有効期間中に操作ボタン14が1回押下操作された場合に操作成立と判定され、また操作時演出として「成功演出」と「失敗演出」の2種類が設けられている。操作成立の判定は、操作判定手段77により操作検知手段14aからの検知信号に基づいて行われる。なお、操作成立と判定するための所定操作条件は任意であり、例えば操作ボタン14の押下状態が所定時間以上維持された場合(長押し)、操作ボタン14が所定時間内に所定回数以上押下操作された場合(連打)に操作成立と判定するように構成してもよい。
S34の変動中演出抽選処理では、まず変動中演出抽選テーブルに基づいて、変動中演出を例えば最大1種類選択する。変動中演出抽選テーブルでは、例えば図13に示すように、主制御基板41から受信した変動パターンコマンド、即ち演出図柄の変動パターンの種類に応じて、3種類の変動中演出の選択率が規定されている。なお、本実施形態では複数種類の変動中演出から選択されるのは最大1種類であって、複数種類の変動中演出が選択される場合はないものとするが、並行して実行可能な変動中演出については同時に選択可能としてもよい。
また、何れかの変動中演出が選択された場合には、更にその変動中演出の種類等を抽選により決定する。例えばステップアップ演出が選択された場合には、ステップアップ演出抽選テーブルに基づいて第1〜第3ステップアップ演出の何れかを選択する。ステップアップ演出抽選テーブルでは、例えば図14に示すように、主制御基板41から受信した変動パターンコマンド、即ち演出図柄の変動パターンの種類に応じて3種類のステップアップ演出の選択率が規定されている。このように、変動中演出抽選手段74aが、ステップアップ演出において演出ステップを何段階まで行うかを選択するステップアップ演出選択手段を構成している。
ここで、図14に示すステップアップ演出抽選テーブルでは、選択対象となるステップアップ演出の範囲(選択対象範囲)が演出図柄の変動時間に応じて異なっており、演出時間が演出図柄の変動時間内に収まる範囲が選択対象となるように選択対象範囲が設定されている。即ち図14及び図15に示すように、リーチなし通常2s変動パターン(変動時間2s)の場合には、最も演出時間の短い第1ステップアップ演出(演出時間3s)でさえも変動時間内に収まらないため、第1〜第3ステップアップ演出の何れも選択対象とはなっていない。即ち、1段階の演出ステップによる演出時間よりも図柄変動時間が短いリーチなし通常2s変動パターンの場合にはステップアップ演出は実行されない。
また、リーチなし通常5s変動パターン(変動時間5s)の場合には、その変動時間内に収まる第1ステップアップ演出(演出時間3s)のみが選択対象となっており、リーチなし通常8s変動パターン(変動時間8s)の場合には、その変動時間内に収まる第1ステップアップ演出(演出時間3s)と第2ステップアップ演出(演出時間7s)とが選択対象となっており、リーチなし通常12s変動パターン(変動時間12s)及びそれよりも変動時間の長い全てのリーチ変動パターンの場合には、第1〜第3ステップアップ演出(最大演出時間11s)の全てが選択対象となっている。
このように、選択対象となるステップアップ演出の範囲(選択対象範囲)は、全てのリーチ変動パターンと、リーチなし通常12s変動パターン(特定通常変動パターン)とに対してはsu3(最終段階)までの演出ステップよりなる第3ステップアップ演出を含んでいるが、リーチなし通常12s変動パターン(特定通常変動パターン)よりも変動時間が短いリーチなし通常変動パターン2s,5s,8s変動パターンに対しては第3ステップアップ演出を含んでいない。
また、図14に示すステップアップ演出抽選テーブルでは、外れに対応する変動パターンの場合の各ステップアップ演出の選択率は、第3ステップアップ演出よりも第2ステップアップ演出の方が、また第2ステップアップ演出よりも第1ステップアップ演出の方が高くなっているのに対し、大当たりに対応する変動パターンの場合の各ステップアップ演出の選択率は、第1ステップアップ演出よりも第2ステップアップ演出の方が、また第2ステップアップ演出よりも第3ステップアップ演出の方が高くなっている。即ち、外れの場合には演出ステップの段階数が多いステップアップ演出ほど選択率が低く、逆に大当たりの場合には演出ステップの段階数が多いステップアップ演出ほど選択率が高くなっている。
なお、su1のみで構成される第1ステップアップ演出の演出時間を、最も変動時間の短い最短変動パターン(ここではリーチなし通常2s)よりも短くした場合には、最短変動パターンのときに第1ステップアップ演出のみが出現するようにしてもよい。
変動中演出抽選処理(図10のS34)が終了すると、その抽選結果に応じて、変動パターンシナリオと変動中演出シナリオとをセットし(S35)、変動パターンコマンド受信時処理を終了する。ここで、変動パターンシナリオは、主に演出図柄の変動に関するシナリオであり、変動中演出シナリオは、ステップアップ演出、ボタン演出等の変動中演出に関するシナリオである。
例えば変動中演出抽選処理(S34)でステップアップ演出に当選した場合には、変動中演出シナリオとして、ステップアップ演出の種類に応じて図16に示すステップアップ演出シナリオの何れかがセットされ、またそのステップアップ演出に対応する変動パターンシナリオ(例えば図18(b))がセットされる。なお、変動中演出シナリオ及び変動パターンシナリオは、予めシナリオ記憶手段75に記憶されている。
図16に示すように、第1ステップアップ演出に対応するステップアップ演出シナリオ(図16(a))では、演出開始と同時に例えばLED71,スピーカ72,画像表示手段22によりsu1に対応する演出を開始し、そのまま演出終了まで継続するように設定されている。また、第2ステップアップ演出に対応するステップアップ演出シナリオ(図16(b))では、演出開始と同時に例えばLED71,スピーカ72,画像表示手段22によりsu1に対応する演出を開始し、演出開始から3s後にsu1に代えてsu2に対応する演出を開始し、そのまま演出終了まで継続するように設定されている。また、第3ステップアップ演出に対応するステップアップ演出シナリオ(図16(c))では、演出開始と同時に例えばLED71,スピーカ72,画像表示手段22によりsu1に対応する演出を開始し、演出開始から3s後にsu1に代えてsu2に対応する演出を開始し、更に演出開始から7s後にsu2に代えてsu3に対応する演出を開始し、そのまま演出終了まで継続するように設定されている。
ここで、ステップアップ演出における画像表示手段22による画像表示演出では、図17に示すように、su1画像,su2画像,su3画像が夫々異なるレイヤー1〜3として構成されており、それら各レイヤー1〜3が、第2特別保留個数表示手段39の保留表示画像39a等を構成するレイヤー0に順次重ねて表示されるようになっている。ここで、各レイヤーの表示優先度は、例えばレイヤー0<レイヤー1<レイヤー2<レイヤー3となっている。また、レイヤー0の表示領域は表示画面22aの略全体であるのに対し、レイヤー3の表示領域(特定領域)は例えばレイヤー0の表示領域よりも演出図柄(例えば縮小表示中)の表示領域の分だけ小さいが保留表示画像39aが表示される保留表示部40を含んでいる。また、レイヤー1,2の表示領域はレイヤー3よりも更に小さく、少なくとも保留表示部40を含まないように設定されている。
これにより、演出開始時にsu1画像が表示され(図17(a)→(b))、また演出開始から3s後にsu2画像が表示された状態(図17(b)→(c))では保留表示画像39aは表示画面22aに表示されているが、演出開始から7s後にsu3画像が表示されると(図17(c)→(d))、それによって保留表示画像39aは非表示となる。このように本実施形態では、ステップアップ演出における演出ステップがsu3(特定段階)に達した場合に、保留表示画像(保留個数情報)39aが非表示(前側から視認不可能な状態)に切り換えられるようになっている。
また本実施形態では、図14に示すように、外れに対応する変動パターンの場合には、演出ステップがsu3(特定段階)に達する第3ステップアップ演出よりもsu3に達しない第1,第2ステップアップ演出の方を高い確率で選択し、大当たりに対応する変動パターンの場合には、逆に演出ステップがsu3に達しない第1,第2ステップアップ演出よりもsu3に達する第3ステップアップ演出の方を高い確率で選択するようになっている。これにより、保留表示画像(保留個数情報)が非表示になる頻度を抑えることができる。
なお、例えば保留表示部40を含むレイヤーXを少なくともレイヤー3と重なるように設け、各レイヤーの表示優先度を例えばレイヤー0<レイヤー1<レイヤー2<レイヤーX<レイヤー3としてもよい。
また、変動パターンシナリオは、例えば図18に示すように、まず画像表示手段22による演出図柄の変動表示開始後、例えば0.2sの時点で高速変動となり、その後は所定のタイミングで左、右、中の各図柄が減速・停止し、それに合わせてLED71が各図柄の減速・停止に応じた発光態様で発光するようになっている。本実施形態では、同じ変動パターンに対応する変動パターンシナリオであっても、ステップアップ演出(所定演出の一例)を実行する場合の変動パターンシナリオと、ステップアップ演出を実行しない場合の変動パターンシナリオとが異なっており、両変動パターンシナリオで演出図柄の停止動作が異なっている。
即ち、リーチなし通常12s変動パターンに対応する変動パターンシナリオのうち、ステップアップ演出を実行しない場合に用いられる変動パターンシナリオ(図18(a),図19(a))は、左図柄、右図柄、中図柄の順に夫々変動開始から7.5s、9.5s、11.5sの時点で停止するように設定されているのに対し、ステップアップ演出を実行する場合に用いられる変動パターンシナリオ(図18(b),図19(b))は、変動開始から11.5sの時点、即ちステップアップ演出の終了後に左図柄、右図柄、中図柄が同時に停止するように設定されている。
このように、3つ(複数)の演出図柄のうちで最初に停止する図柄の停止タイミングは、ステップアップ演出を実行する場合の方がステップアップ演出を実行しない場合に比べて遅く、左,右,中の全ての図柄がステップアップ演出の終了後に停止するようになっている。最後に停止する図柄の停止タイミングについてはステップアップ演出を実行する場合と実行しない場合とで変わりはない。
なお、ステップアップ演出の種類に応じて異なる変動パターンシナリオを用いるようにしてもよい。例えば本実施形態の場合、第3ステップアップ演出を実行する場合には図18(b)に示す変動パターンシナリオを用い、第1,第2ステップアップ演出を実行する場合には、ステップアップ演出を実行しない場合と同じ図18(a)に示す変動パターンシナリオを用いてもよい。即ち、特定のテップアップ演出を実行する場合と、それ以外のステップアップ演出を実行する場合及びステップアップ演出を実行しない場合とで異なる変動パターンシナリオを用いてもよい。
シナリオ実行処理手段76は、変動パターンシナリオ、先読み保留変化演出シナリオ、先読み連続演出シナリオ、変動中演出シナリオ等、演出用の各種シナリオ(実行制御情報)に基づく演出実行処理を行うもので、例えば定期割り込み毎に図20に示すシナリオ実行処理を実行するように構成されている。なお、このシナリオ実行処理手段76は、操作判定手段77により操作成立と判定された場合に操作時演出を実行可能な操作時演出実行手段、ステップアップ演出(所定演出)を実行可能なステップアップ演出実行手段(所定演出実行手段)、先読み連続演出における雨演出(特定演出)を実行可能な特定演出実行手段を構成している。
シナリオ実行処理(図20)では、まず何れかのシナリオの開始タイミングが到来したか否かを判定し(S41)、何れかのシナリオの開始タイミングが到来した場合には(S41:Yes)、そのシナリオの実行を開始する(S42)。
また、実行中の何れかのシナリオの更新タイミングが到来したか否かを判定し(S43)、何れかのシナリオの更新タイミングが到来した場合には(S43:Yes)、そのシナリオにおけるアクティブ行の演出の実行を開始する(S44)と共に、そのアクティブ行のOPTをセットした上で(S45)、次行を新たにアクティブ行にセットする(S46)。そして、セットされたOPTに応じた処理を実行し(S47)、シナリオ実行処理を終了する。
以上のシナリオ実行処理(図20)により、図21に示すシナリオを実行する場合の具体例を説明する。図21(a)は、Nリーチ1大当たり変動パターンに対応する変動パターンシナリオで、変動パターンコマンド受信時処理(図10)のS34でボタン演出に当選した場合に選択され、続くS35でセットされる。この図21(a)の変動パターンシナリオは、その実行開始と同時に演出図柄表示手段38により画像表示手段22において演出図柄の変動を開始し、0.2s経過後に高速変動となり、11s経過時点で、可動体31を上部位置まで上昇させると共に、LED71,スピーカ72,画像表示手段22によりその可動体上昇に対応する演出を実行した後、12s経過時点でNリーチ1に対応するリーチ演出を開始し、40s経過時点で演出図柄の変動を停止させるように設定されている。なお、11s経過時点で可動体31が上部位置にある場合には、LED、音、画像も含めて第3行の可動体上昇演出をキャンセルしてもよい。それにより、可動体演出が発生していない場合に不要な上昇演出の発生を防止できる。
また、図21(b)に示すボタン演出シナリオAは、ボタン操作有効期間に関する演出を行うもので、図21(a)の変動パターンシナリオと同様、変動パターンコマンド受信時処理(図10)のS34でボタン演出に当選した場合に選択され、続くS35でセットされる。この図21(b)のボタン演出シナリオAは、その実行開始と同時に例えばLED71,スピーカ72,画像表示手段22によりボタン操作受付のための演出を開始し、ボタン操作有効期間が開始される0.5s経過時点でボタン操作有効の演出を開始する。また、このボタン操作有効に関する0.5sの行には、「ボタン操作が成立した場合には次行を実行する」という内容のOPTが設定されている。その後、ボタン操作有効期間が終了する3.5s経過時点でボタン操作無効の演出を開始するが、この行には、「ボタン操作が成立した場合には成功時/失敗時のボタン演出シナリオB1/B2の何れかを実行する」という内容のOPTが設定されている。
また、図21(c)に示すボタン演出シナリオB1、図21(d)に示すボタン演出シナリオB2は、夫々ボタン操作が成立した場合の成功時演出、失敗時演出(共に操作時演出の一例)を行うものである。ボタン操作が成立した場合にこれらボタン演出シナリオB1,B2の何れを用いるかについては変動パターンコマンド受信時処理(図10)におけるS34で抽選により決定され、続くS35でそのシナリオがセットされる。
図21(c)に示すボタン演出シナリオB1は、その実行開始と同時に可動体31を下部位置まで降下させると共に、LED71,スピーカ72,画像表示手段22によりその可動体降下に対応する演出を実行した後、1s経過時点でLED71,スピーカ72,画像表示手段22により成功演出を開始するように設定されている。また、図21(d)に示すボタン演出シナリオB2は、その実行開始から1s経過後にLED71,スピーカ72,画像表示手段22により失敗演出を開始するように設定されている。
なお、図22は図21(a)〜(c)に示す3種類のシナリオから、夫々可動体と画像に関する演出のみを取り出して時間順に並べたもので、図22(a)はボタン操作有効期間中に操作成立と判定された場合、図22(b)はボタン操作有効期間中に操作成立と判定されなかった場合に対応している。
上述したシナリオ実行処理(図20)を所定時間間隔で繰り返すことにより、まず演出図柄の変動開始タイミングが到来した時点で図21(a)に示す変動パターンシナリオの実行が開始され(S42)、その後は更新タイミングが到来する毎に(S43:Yes)、順次各行の演出が実行される(S44)。また、図21(a)に示す変動パターンシナリオの実行開始後、予め決められた所定のタイミングで、図21(b)に示すボタン演出シナリオAの実行が開始される(S42)。本実施形態では、図22(a),(b)に示すように、変動パターンシナリオ(図21(a))の実行開始から1s経過後に、ボタン演出シナリオA(図21(b))の実行が開始される。従って、ボタン演出シナリオAの第2行が実行され、ボタン操作有効期間が開始されるのは演出図柄の変動開始から1.5s後となる。
また、ボタン演出シナリオAの第2行が実行される際に(S44)、その第2行のOPTがセットされ(S45)、その後はシナリオ実行処理の実行毎に、そのOPTの処理が実行される(S47)。
ここで、ボタン演出シナリオAの第2行のOPTは、「ボタン操作が成立した場合には次行を実行する」という内容であるため、ボタン演出シナリオAの第2行が実行された後、同じく第3行が実行されるまでのボタン操作有効期間中、遊技者が操作ボタン14を押下することによりボタン操作が成立した場合には、図22(a)に示すようにその時点で次行(第3行)が実行され、ボタン操作有効期間が終了する。またその際、その第3行のOPTがセットされ(S45)、そのOPTの処理(「ボタン操作が成立した場合には成功時/失敗時のボタン演出シナリオB1/B2の何れかを実行する」)が行われる(S47)。従って、例えば成功時演出に関するボタン演出シナリオB1が実行されることにより、ボタン操作が成立した時点で可動体31が降下し、その1s後に成功演出が開始される。
その後は、図22(a)に示すように変動パターンシナリオの第3,第4,第5行の処理が順次実行される。即ち、演出図柄の変動開始から11s後に可動体31を上部位置まで上昇させると共に、LED71,スピーカ72,画像表示手段22によりその可動体上昇に対応する演出を実行した後、12s経過時点でNリーチ1に対応するリーチ演出を開始し、40s経過時点で演出図柄の変動を停止させる。
図23は、ボタン操作有効期間開始と略同時に操作成立と判定された場合(a)と、ボタン操作有効期間終了と略同時に操作成立と判定された場合(b)とにおける、成功時演出の場合の可動体の動作を比較したものである。このように、本実施形態の場合には、ボタン操作有効期間中における操作成立のタイミングに応じて操作時演出の演出時間が異なっており、操作成立のタイミングが遅いほど操作時演出の演出時間が短くなっている。即ち、可動体による操作時演出の開始から終了までの期間が、ボタン操作有効期間中における操作成立のタイミングに拘わらず一定の時間で行われる不変演出期間としての降下期間(第1不変演出期間)及び上昇期間(第2不変演出期間)と、ボタン操作有効期間中における操作成立のタイミングに応じて時間が変化する可変演出期間としての待機期間とで構成されており、降下期間(第1不変演出期間)と上昇期間(第2不変演出期間)との間を待機期間(可変演出期間)としているため、操作成立のタイミングに拘わらず操作時演出による演出効果を最大限発揮することが可能である。
また図21に示すように、操作検知手段14aによる検知に基づいて可動体31の動作を制御するためのボタン演出シナリオB1(第1実行制御情報)と、操作検知手段14aによる検知とは無関係に可動体31の動作を制御するための変動パターンシナリオ(第2実行制御情報)とを設け、ボタン演出シナリオB1(第1実行制御情報)が、降下期間(第1不変演出期間)の開始に関する制御情報を含み、変動パターンシナリオ(第2実行制御情報)が、上昇期間(第2不変演出期間)の開始に関する制御情報を含んでいるため、ボタン操作成立のタイミングに拘わらず、上昇期間(第2不変演出期間)の開始タイミングを図柄変動に対して常に一定にすることができる。
一方、ボタン演出シナリオAの第2行が実行された後、ボタン操作が成立しなければ、即ち遊技者が操作ボタン14を押下しなければ、図22(b)に示すように、演出図柄の変動開始から4.5秒後に第3行が実行され、ボタン操作有効期間が終了する。またこの場合、ボタン操作が成立していないため、第3行のOPTによってボタン演出シナリオB1/B2が実行されることはない。そして、その後は演出図柄の変動開始から11s後、12s後、40s後に夫々変動パターンシナリオの第3,第4,第5行の処理が夫々実行される。なおこの場合、ボタン演出シナリオB1は実行されていないため、可動体31は上部位置に保持されたままである。従って、変動パターンシナリオの第3行は無視される。
図24は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、ステップアップ演出における同段階の演出ステップであっても、次段階の演出ステップを行う場合と行わない場合とで演出時間を異ならせた例を示している。
図24に示すように、本実施形態のステップアップ演出では、su1で終了する第1ステップアップ演出の場合のsu1の演出時間は4sで、su2又はそれ以降まで発展する第2,第3ステップアップ演出の場合のsu1の演出時間3sよりも長くなっている。
なお、第1ステップアップ演出の場合のsu1の演出時間を、第2,第3ステップアップ演出の場合のsu1の演出時間よりも短くしてもよい。また、su2で終了する第2ステップアップ演出の場合のsu1+su2の演出時間を、su3まで発展する第3ステップアップ演出の場合のsu1+su2の演出時間と比較して長く又は短くしてもよい。この場合、su1とsu2との両方の演出時間を異ならせてもよいし、su1とsu2との何れか一方の演出時間を異ならせてもよい。
また、ステップアップ演出における同段階の演出ステップであっても、次段階の演出ステップを行う場合と行わない場合とで演出態様、或いは演出態様と演出時間とを異ならせてもよい。
図25は本発明の第3の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、特定段階の演出ステップにおいて、保留表示部40の前側に可動体31を移動させることにより、保留表示部40に表示されている保留表示画像39aを前側から視認不可能な状態に切り換えるように構成した例を示している。
本実施形態のステップアップ演出は、su1,su2の演出内容については第1の実施形態と同じであるが、su3の演出内容が第1の実施形態と異なっている。即ち、本実施形態のsu3では、可動体31が上部位置から下部位置に降下するようになっており、またその下部位置は、第2特別保留個数表示手段39の保留表示部40の前側に対応している。
図25に示すように、第3ステップアップ演出の開始時にsu1画像が表示され(図25(a)→(b))、また演出開始から3s後にsu2画像が表示された状態(図25(b)→(c))では保留表示画像39aは前側から視認可能な状態となっているが、演出開始から7s後に可動体31が上部位置から下部位置に降下すると(図25(c)→(d))、保留表示部40の保留表示画像39aが可動体31の後側に隠れて前側から視認不可能な状態となる。
図26は本発明の第4の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、ステップアップ演出等の所定演出を実行する場合には、全ての演出図柄について、所定演出の終了後に高速変動からの減速を開始させるように構成した例を示している。なお、本実施形態のステップアップ演出は、su1,su2,su3の演出時間が夫々2s,3s,3sに設定され、su3まで発展する第3ステップアップ演出の演出時間は8sとなっている。
図26は、リーチなし通常12s変動パターンに対応する変動パターンシナリオにおける演出図柄の変動を示すタイムチャートであり、(a)がステップアップ演出を実行しない場合、(b),(c)がステップアップ演出を実行する場合を示している。
ステップアップ演出を実行しない場合に用いられる変動パターンシナリオの場合、図26(a)に示すように、左図柄、右図柄、中図柄の順に夫々変動開始から7.5s、9.5s、11.5sの時点で停止するように設定されている。
一方、ステップアップ演出を実行する場合に用いられる2種類の変動パターンシナリオの場合、図26(b),(c)に示すように何れもステップアップ演出の終了後に高速変動からの減速を開始するが、図26(b)では、左,右,中の全ての図柄が同時に減速、停止するのに対し、図26(c)では、左右の図柄(最終停止図柄以外の全ての図柄)が同時に減速、停止した後、中図柄(最終停止図柄)が減速、停止するようになっている。
このように、ステップアップ演出(所定演出)を実行する場合には、全ての演出図柄について、ステップアップ演出の終了後に高速変動からの減速を開始させるように構成することが望ましい。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、所定段階以上の複数段階の演出ステップよりなるステップアップ演出を実行する場合には、所定段階未満の演出ステップよりなるステップアップ演出を実行する場合よりも演出図柄(図柄)の停止タイミングを遅らせるように構成してもよい。また、ステップアップ演出等の所定演出を実行する場合には、実行しない場合に比べて図柄の減速時間を短くしてもよい。
実施形態では、ステップアップ演出における演出ステップが特定段階に達した場合に、保留表示部40に表示されている保留表示画像(保留個数情報)39aの全体を前側から視認不可能な状態に切り換えるように構成した例を示したが、保留表示部40に表示されている保留個数情報の一部を視認不可能な状態としてもよい。
また、ステップアップ演出における特定段階よりも前の演出ステップにおいては、画像表示手段22における保留表示部40を含む特定領域に、保留表示画像39aよりも低い優先度で演出画像を表示することにより、保留表示部40に表示されている保留表示画像39aを表示状態のまま維持するように構成してもよい。
実施形態のボタン演出では、可変演出期間の前後に第1不変演出期間と第2不変演出期間とを設けた例を示したが、不変演出期間は可変演出期間の前後の少なくとも一方に設ければよい。また実施形態では、変動パターンシナリオ(第2実行制御情報)が第2不変演出期間の開始に関する制御情報を含むように構成した例を示したが、ボタン演出シナリオA等、変動パターンシナリオ以外の第2実行制御情報が第2不変演出期間の開始に関する制御情報を含むように構成してもよい。但し、その第2実行制御情報は、操作成立のタイミングとは無関係に実行開始される制御情報であることが望ましい。
また本発明は、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機、スロットマシン等の各種遊技機において同様に実施することが可能である。