JP6451433B2 - キャピラリ電気泳動装置 - Google Patents

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Description

本発明はDNA塩基配列解析装置や、他の生物化学分野での解析装置として使用されるキャピラリ電気泳動装置に関するものである。
キャピラリ電気泳動装置では、キャピラリの一方の端面(注入端)から混合サンプルを注入し、電気泳動分離したサンプル成分をキャピラリ他端側で検出する。その際、サンプルに内部標準試料を添加することにより、サンプル成分の定量や移動時間の規格化が行われている。
そのような内部標準試料をサンプルに添加する方法として、あらかじめサンプル容器に内部標準試料を混合比が一定になるように分注しておくか、キャピラリ注入端に微細加工したリザーバを設けてサンプルと内部標準試料をそれぞれ一定の割合で分注する例がある。
内部標準試料をサンプルに添加する方法としてあらかじめ個々のサンプル全てに内部標準試料を一定量分注する操作は煩雑であり、時間がかかる上に消耗品のコストアップになる。
キャピラリ注入端に微細加工したリザーバを設けてサンプルと内部標準試料を混合する方法は、自動化すれば利便性が向上するが、そのようなリザーバは再利用するためには冗長な洗浄工程が必要となる。キャピラリを複数本装着したキャピラリ電気泳動装置になると、リザーバは構成がより複雑になり、再利用するための洗浄工程がより煩雑になる。
また、キャピラリ注入端にサンプルと内部標準試料を順に注入すると、キャピラ両端間の圧力差で注入する場合も、電気的に注入する場合も、正確な混合比を得ることができない。
本発明は簡単な構造で、サンプルと内部標準試料を正確な混合比でキャピラリに注入できるキャピラリ電気泳動装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、電気泳動分離されたサンプル成分を検出するキャピラリ電気泳動装置であり、一端がサンプル溶液に浸されるサンプル吸引管、一端が内部標準試料溶液に浸される内部標準試料吸入流路、及び一端が吸引ポンプに接続される吸引配管を備えている。本発明のキャピラリ電気泳動装置は、さらに、キャピラリのサンプル注入端側に配置されたカソードブロックを備えている。そのカソードブロックは、前記サンプル吸引管の他端、前記内部標準試料吸入流路の他端及び前記吸引配管の他端を保持するとともに、前記サンプル吸引管の他端と前記内部標準試料吸入流路の他端を前記キャピラリのサンプル注入端を経て前記吸引配管の他端に連通する内部流路をもっている。
本発明では、サンプルと内部標準試料をそれぞれセットすれば、吸引ポンプの吸引により所定の混合比で混合され、キャピラリ注入端に移動させることができる。移動後はキャピラリ注入端をカソード電極とともにカソードリザーバに挿入し、均一な組成の混合溶液を電気的にキャピラリ端に注入できる。
本発明によれば、あらかじめ個々のサンプル全てに内部標準試料を分注しておく必要がなくなる。さらにカソードブロックの内部流路をキャピラリ本数に応じて多連にしておけば、複数サンプルの内部標準試料との同時混合が可能であり、カソードブロック内の洗浄は、水を通液することにより容易に行うことができる。
一実施形態におけるカソードブロック部分を示す正面断面図である。 同カソードブロックの内部流路を拡大して示す概略正面断面図である。 一実施例におけるキャピラリカセットを示す図であり、(A)は上面図、(B)は長手方向に沿った断面図、(C)は底面図である。 同キャピラリカセットの斜視図である。 同キャピラリカセットの分解斜視図である。 同キャピラリカセットにおいてキャピラリ配列基板にキャピラリが固着された状態を示す図であり、(A)は斜視図、(B)はキャピラリ配列基板のV溝配列に沿った断面図である。 一実施例のマルチキャピラリ電気泳動装置を示す概略構成図である。 同実施例に使用されるキャピラリカセットおける励起光学系ユニットと蛍光受光ユニットの位置決め部を示す斜視図である。
一実施形態では、カソードブロックの内部流路におけるサンプル吸引管の他端と内部標準試料吸入流路の他端との合流位置は、吸引ポンプより吸引される液の流れ方向に対してサンプル注入端よりも上流側に位置しており、その合流位置とサンプル注入端との間の距離はその間の流路でサンプルと内部標準試料が混合されるように設定されている。合流位置とサンプル注入端との間に距離を設けることにより、その距離の流路でサンプルと内部標準試料がより均一に混合される。
他の実施形態では、サンプル吸引管の内径と長さ、及び内部標準試料吸入流路の内径と長さは、サンプルと内部標準試料との混合比に対応して設定されている。
一実施形態の主要部を図1と図2に示す。キャピラリ14のサンプル注入端20側にカソードブロック60を介してサンプル吸引管64、内部標準試料吸入流路65、及び吸引配管66が配置されている。サンプル吸引管64はその一端がサンプル溶液に浸され、内部標準試料吸入流路65はその一端が内部標準試料溶液に浸され、吸引配管66はその一端が吸引ポンプ112(図7参照。)に接続される。ここでは、サンプル溶液と内部標準試料溶液がサンプル注入端20よりも下方に配置されているため、サンプル吸引管64と内部標準試料吸入流路65のそれぞれの一端は鉛直下向きに配置されている。
サンプル注入端20、サンプル吸引管64の他端、内部標準試料吸入流路65の他端及び吸引配管66の他端はそれぞれのコネクタによりカソードブロック60に接続され、カソードブロック60は内部流路62により連通している。内部流路62はサンプル吸引管64の他端と内部標準試料吸入流路65の他端をサンプル注入端20を経て吸引配管66の他端に連通する流路形状をもっている。
カソードブロック60内の内部流路62によりサンプル吸引管64と内部標準試料吸入流路65が吸引配管66を介して吸引ポンプと接続され、サンプル吸引管64の先端が開口部を上向きにセットされたサンプル容器に挿入され、内部標準試料吸入流路65の先端が開口部を上向きにセットされた内部標準試料の液溜めに挿入された状態で、吸引ポンプが作動する。吸引ポンプの定流量吸引により、サンプル吸引管64を介してサンプルが吸い上げられ、吸入流路65を介して内部標準試料が吸い上げられて、カソードブロック60内に同時に流入する。カソードブロック60内の内部流路62では、サンプル吸入管64と内部標準試料吸入流路65のそれぞれの管径と長さにより規定された混合比でサンプルと内部標準試料が混合され、カソードブロック60に保持されたキャピラリ端20を混合溶液が接触しながら通過する。サンプル吸引管64の先端をサンプル容器から外してカソードリザーバに挿入し、そのカソードリザーバとキャピラリ14の他端が浸されたアノードリザーバとの間に所定の電圧を一定時間印加してサンプルをキャピラリ14に注入する。注入後、吸引ポンプへの定流量吸引によりサンプル吸引管を介して泳動バッファを吸引し、カソードブロックの内部流路を泳動バッファで吸引置換することにより、内部流路に残留しているサンプルや内部標準試料が遅れて過剰に吸引されることを防止する。さらに、ポンプ停止前に泳動電圧を印加することにより、キャピラリ内へ注入したサンプルプラグの拡散を最小限にすることができる。
サンプル吸引管64の長さをLS、内径をDSとし、内部標準試料吸入流路65の長さをLM、内径をDMとする。吸引ポンプ112によりサンプル吸引管64と内部標準試料吸入流路65からそれぞれサンプルと内部標準試料を同時に吸引する。サンプルが吸引されるときの体積流量をQS、内部標準試料が吸引されるときの体積流量をQMとするとき、吸引されるサンプルと内部標準試料の合計体積流量Qは、
Q=QS+QM (1)
である。サンプルと内部標準試料がサンプル吸引管64と内部標準試料吸入流路65それぞれから吸引される平均流速をそれぞれUSとUMとすると、サンプルと内部標準試料それぞれの体積流量QSとQMは、
S=πDS 2/4・US (2)
M=πDM 2/4・UM (3)
である。
一方、円管内の層流における圧力損失ΔPは、ポアズイユ式により、
ΔP=8μUL/(D/2)2 (4)
(μ:粘度、L:円管の長さ、D:円管の内径)
と表されるから、
Figure 0006451433
となる。
長さLSと内径DSのサンプル吸引管64を用いるとき、所望の混合比QS/QMを得るためには内部標準試料吸入流路65の長さLMと内径DMを規定すればよい。内部標準試料吸入流路65の長さLMと内径DMの組み合わせは上式(5),(6)から求めることができる。
例えば、サンプル吸引管64の内径を0.25mm、長さを60mmとすると、サンプルと内部標準試料の混合比QS/QMを2:1にしようとするとき、内部標準試料吸入流路65の長さLMsと内径DMの組合わせの例として以下のものが可能である。
Figure 0006451433
内部流路62におけるサンプル吸引管64の他端と内部標準試料吸入流路65の他端との合流位置17は、吸引ポンプにより吸引される液の流れ方向に対してサンプル注入端20よりも上流側に位置している。その合流位置17とサンプル注入端20との間の距離OSはその間の流路でサンプルと内部標準試料が混合されるように設定されている。この実施例では、内部流路62の内径はサンプル吸引管64の内径と同じ0.25mmとしたとき、合流位置17とサンプル注入端20との間の距離LOSは例えば0.5〜10mmとするのが適当である。
本発明のキャピラリ電気泳動装置はキャピラリを1本だけ取り付けて電気泳動処理を行う装置と複数本のキャピラリを取り付けて電気泳動処理を行う装置の両方を含む。一実施例のキャピラリ電気泳動装置は、複数本のキャピラリを取り付けて電気泳動処理を行う装置であり、さらにキャピラリを容易に着脱できるようにするために複数のキャピラリをキャピラリカセットに保持させ、キャピラリカセット単位でキャピラリを着脱できるようにしたものである。
まず、図3から図6によりキャピラリカセットの一例を説明する。
キャピラリカセット2はカセット筐体4の一端6と他端8の間の位置に測定用の光が透過する検出部10をもっている。カセット筐体4は樹脂製であり、成型又は機械加工により作製されたものである。
キャピラリ束12は複数本のキャピラリ14を含んでいる。キャピラリ束12に含まれるキャピラリ14の本数は特に限定されるものではなく、例えば4本又は8本というように、一度に分析しようとする試料の数に応じて決めることができる。この実施例では、キャピラリ束12に含まれるキャピラリ14の本数は4本であるとして説明する。キャピラリ14はカセット筐体4の両端間にわたって配置されている。
キャピラリ束12に含まれる全てのキャピラリ14の一端(図3では左側)は1つに束ねられてカセット筐体の一端6から突出し、耐熱性樹脂製、例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)製のチューブ16に通されて耐熱性エポキシ樹脂接着剤で接着されることによりバンドル加工されている。バンドル加工されたキャピラリ束12のその一端には、流路へ接続するためのフィッティング18が取りつけられている。
キャピラリ束12に含まれるキャピラリ14の注入端20は、後述のカソードブロック60に挿入されたときに内部流路62と合流できるように(図7参照。)、キャピラリ14の長さ方向に対して垂直方向に切断されている。各キャピラリ14の他端側にはカセット筐体4の他端8に固定するためにフィッティング22が取りつけられている。キャピラリ14の注入端20はフィッティング22によってカソードブロック60に固定されている。
キャピラリ14は特に限定されるものではないが、例えば外径が186±6〜363±10μm、内径が50±3μm、全長145mmであり、注入端20から検出窓部14A(または開口部26)までの有効長が85mmである。チューブ16のサイズも特に限定されるものではないが、例えば外径が1.6mm、内径が0.75〜1.0mmである。
検出部10にはキャピラリ配列基板24が接着剤により固着されている。キャピラリ配列基板24は測定用の光を透過させる開口部26をもち、その開口部26内にキャピラリ束12に含まれる全てのキャピラリ14を等間隔に配置している。
キャピラリ配列基板24の一例は図6に示されているものである。開口部26は例えば幅1mmのスリットであり、キャピラリ配列基板24にはその開口部26の長手方向に沿ってV溝28が等間隔に配置されている。V溝28の方向は、V溝28にキャピラリ14を嵌め込むとキャピラリ14が開口部26を横切ることになる方向である。そのV溝28にキャピラリ14が1本ずつ嵌め込まれて接着剤で基板24に固着されていることにより、キャピラリ配列基板24にキャピラリ14が等間隔に配置されて固定されている。
キャピラリ14は石英製のキャピラリチューブを保護用樹脂で被覆したものである。キャピラリ14が開口部26を横切っている部分ではその保護用樹脂被覆が除去されてキャピラリチューブが露出した検出窓部14Aとなっている。検出窓部14Aには測定用の光として励起光が照射され、キャピラリ14の内径14B内を通過する試料から発生した蛍光が検出窓部14Aから放出される。検出窓部14Aで励起光が照射される位置が開口部26内にあるため、V溝28−キャピラリ14間で励起光又は蛍光が散乱するのを回避している。
図3に戻って説明を続けると、キャピラリカセット2の検出部10には、キャピラリ配列基板24を挟んでその上下に電気泳動装置の励起光学系ユニットと蛍光受光ユニットを位置決めするための位置決め部30、32が設けられている。位置決め部30、32は、この実施例のキャピラリカセット2ではカセット筐体4自体による開口部として構成されている。
位置決め部30はキャピラリカセット2の下側に設けられ、キャピラリカセット2の下側から励起光学系ユニットを位置決めするために励起光照射部の端面形状に対応した円柱状又は側面がわずかに傾斜した円錐台状の開口部となっている。位置決め部30の開口に嵌め込まれた励起光照射部の端面が位置決め部30の開口の周方向に回転しないように固定するために、キャピラリカセット2の裏面には穴34が開けられており、その穴34に後述の励起光照射部の端面のピン80が嵌め込まれることにより、キャピラリカセット2と励起光学系ユニットとの相対的な回転が阻止される。
位置決め部32はキャピラリカセット2の上側に設けられ、キャピラリカセット2の上側から蛍光受光ユニットを位置決めするために蛍光受光部の端面形状に対応した円柱状又は側面がわずかに傾斜した円錐台状の開口部となっている。位置決め部32の開口に嵌め込まれた蛍光受光部の端面が位置決め部32の開口の周方向に回転しないように固定するために、キャピラリカセット2の表面には穴36が開けられており、その穴36(図4参照。)に後述の蛍光受光部の端面のピン84が嵌め込まれることにより、キャピラリカセット2と蛍光受光ユニットとの相対的な回転が阻止される。
キャピラリ配列基板24はその基板面に対して垂直方向に中心軸をもっており、位置決め部30、32の開口部の円柱又は円錐台も中心軸をもっている。それらの中心軸が一致するように、キャピラリ配列基板24がカセット筐体4に固定されている。
図6に示されるキャピラリ配列基板24は、V溝28が設けられている側を表面側とすると、図5に示されるように、キャピラリ配列基板24の裏面側がカセット筐体4の裏面側に当接するように固着されている。図3(B)、図5に示されるように、キャピラリ配列基板24はカセット筐体4に固着された状態ではキャピラリ配列基板24の表面側がカセット筐体4の裏面側を向いており、キャピラリ14はそのキャピラリ配列基板24を介してカセット筐体4の裏面側に配置されている。
図7は一実施例のキャピラリカセット2が装着された状態の一実施例のマルチキャピラリ電気泳動装置を表わしている。
キャピラリカセット2を装着する装着装置は、上面が開放可能のアルミブロックからなりキャピラリカセット2を水平方向に乗せて保持する載置台40と、載置台40にキャピラリカセット2を載置した状態でキャピラリカセット2を密閉状態に覆う蓋42から構成されている。
載置台40は、その下面に接触して配置されたヒートブロック44とともに温度調整機構の一部を構成している。載置台40には温度センサ46が取りつけられ、温度制御装置48が温度センサ46の検出信号を取り込んで、載置台40の温度が所定の温度で一定になるようにヒートブロック44に組み込まれたヒータへの通電を制御する。蓋42は断熱材で被われており、キャピラリカセット2内のキャピラリ14が外部の温度変化の影響を受けることを防いでいる。温度制御装置48は単独で構成してもよく、又はマルチキャピラリ電気泳動装置の動作を制御する制御用のコンピュータにより実現してもよい。
キャピラリカセット2が載置台40に載置された状態で、キャピラリカセット2の下方に励起光学系ユニット50が固定されており、キャピラリカセット2の上方から蛍光受光ユニット54を配置できるようになっている。
励起光学系ユニット50の励起光照射部51は端面にレンズホルダ52を備えている。レンズホルダ52はキャピラリカセット2の励起光学系ユニット用位置決め部30に嵌め込まれる円筒形状又はわずかに傾斜した側面をもつ円錐台状をしている。キャピラリカセット2は、載置台40に載置されたとき、位置決め部30にレンズホルダ52が嵌め込まれる位置に固定される。
レンズホルダ52内には励起光をキャピラリ14に集光して照射するロッドレンズ82が配置されている。
蛍光受光ユニット54は蛍光受光部55の端面にレンズホルダ56を備えている。レンズホルダ56は載置台40に載置されたキャピラリカセット2の蛍光受光ユニット用位置決め部32に嵌め込まれる円筒形状又はわずかに傾斜した側面をもつ円錐台状をしている。
レンズホルダ56内には、キャピラリ14内を通るサンプルから発生する蛍光を受光する位置にロッドレンズ86が配置されている。ロッドレンズ86は受光した光を集光して放出する。ロッドレンズ86から放出される光を受ける位置に光ファイバ88の端面を保持するためのコネクタ100が設けられている。コネクタ100は光ファイバ88の先端部の心材を保持し、光ファイバ88の先端面をロッドレンズ86から放出される光の集光位置に位置決めしている。このようなコネクタ100によるレンズホルダ56内の構造は、コネクタ100により位置決めされた光ファイバ88の先端面がピンホールとして作用するため、迷光等の影響を受けにくい。
ロッドレンズ86と、コネクタ100により保持された光ファイバ88の端面との間には蛍光フィルタ102が配置されている。蛍光フィルタ102は励起光学系ユニットのレンズホルダ52内のロッドレンズ82から照射された励起光を除去し、キャピラリ14を通るサンプルからの蛍光を透過させる波長特性をもったものである。蛍光フィルタ102はこのようにレンズホルダ56内に配置した形態だけでなく、光ファイバ88の先端が導かれるイメージ素子などの検出器側に配置した形態もとることができる。
キャピラリカセット2が載置台40に載置された状態のキャピラリ14の注入端20側には、載置台40にカソードブロック60が設けられている。カソードブロック60内にはサンプルと内部標準試料を吸引したり、泳動電圧を印加したりするための垂直方向の内部流路62が設けられている。内部流路62には、図1に示されているように、サンプル吸引管64、内部標準試料吸入流路65及び吸引配管66が接続されている。カソードブロック60にはキャピラリ14の注入端20を挿入して内部流路62に接続する水平方向の穴が設けられている。キャピラリカセット2を載置台40に載置する際にキャピラリ14の注入端20をカソードブロック60のその穴に挿入することにより、キャピラリ14が内部流路62に接続される。
サンプル吸引管64の先端はサンプル容器76中のサンプル、カソードリザーバ77中のバッファ液、又は洗浄容器79中の洗浄液に浸される。内部標準試料吸入流路65の先端は内部標準試料液溜め67中の内部標準試料液に浸される。吸引配管66は電磁弁110を介して吸引ポンプとしての計量ポンプ112に接続される。
カソードブロック60はキャピラリ14ごとに個別に配置されたものであってもよく、又はキャピラリ束に含まれるキャピラリの数だけ一体的に連結されたものであってもよい。複数のキャピラリのためのカソードブロック60はキャピラリごとの内部流路をもち、内部標準試料吸入流路65と吸引配管66が共用されるように連結される。
キャピラリカセット2が載置台40に載置された状態のキャピラリ14の一端側のフィッティング18は、アノードリザーバ70につながる接続部72に固定される。
カソードブロック60の下方にはオートサンプラ74が配置されており、オートサンプラ74にはサンプルが入ったキュベット76、バッファ液が入ったカソードリザーバ77、洗浄液が入った洗浄液容器79及び廃液用のドレイン容器81が収容されている。オートサンプラ74がキュベット76、カソードリザーバ77、洗浄液容器79及び廃液用のドレイン容器81を水平方向と垂直方向に移動させることにより、サンプル、バッファ液もしくは洗浄液が入った容器、又はドレイン容器にサンプル吸引管64の先端が浸される。
アノードリザーバ70からキャピラリ14に泳動媒体を充填するために、泳動媒体送液ポンプ118につながるプローブ119を備えた泳動媒体充填機構が配置されている。泳動媒体充填機構は泳動媒体送液圧力を監視するための圧力センサ120を備えており、プローブ119をアノードリザーバ70に挿入して泳動媒体をキャピラリ14に充填する。
アノードリザーバ70内の洗浄とキャピラリ14内の洗浄は計量ポンプ112による洗浄液116の洗浄プローブ122への送液により行う。電磁弁114を閉じ電磁弁110を洗浄プローブ122方向につなぎ、洗浄プローブをアノードリザーバに挿入し使用済みの泳動バッファを吸引後、洗浄プローブを廃液ポート(図示せず)に移動し、計量ポンプで吐出する。次に電磁弁114を開き電磁弁110を閉じ、計量ポンプ112に洗浄液116を吸引した後、電磁弁114を閉じ電磁弁110をプローブ122方向につなぎ、プローブの洗浄を行う。さらに計量ポンプに洗浄液を吸引した後、アノードリザーバ内の洗浄および、キャピラリ14内を洗浄する。
サンプルと内部標準試料をキャピラリ14に注入するときと、注入されたサンプルと内部標準試料を電気泳動させるときにキャピラリ14の両端間に泳動電圧を印加するためにカソード124とアノード126が設けられ、それらの電極間に高圧電源128が接続されている。
キャピラリカセット2に位置決めして固定される励起光学系ユニットと蛍光受光ユニットの位置決め部を図8に示す。
励起光学系ユニット50は載置台40に対して位置が固定されている。励起光学系ユニット50は端面にレンズホルダ52と、回転方向を規制するピン80を備えている。キャピラリカセット2を載置台40に載置するときに、励起光学系ユニット50のレンズホルダ52がキャピラリカセット2の励起光学系ユニット用位置決め部30に嵌め込まれ、ピン80がキャピラリカセット2の裏面の位置決め用の穴34に嵌め込まれるように、キャピラリカセット2を励起光学系ユニット50に対して位置決めする。
キャピラリカセット2が励起光学系ユニット50に対して位置決めされた状態において、キャピラリカセット2内の各キャピラリ14に励起光を照射するために、レンズホルダ52には屈折率分布型ロッドレンズ(GRINレンズ)82がキャピラリ14の検出窓部に対向するように配置されている。ロッドレンズ82は検出部10におけるキャピラリ14の配列に対応して一列に配列されている。ロッドレンズ82は、例えばレンズ外径が1.8mmであり、光源からのライン状に集光された光をそれぞれのキャピラリ14の内径よりは大きく外径よりは小さいスポットとして照射する。
キャピラリカセット2が載置台40に載置された状態で、キャピラリカセット2の上方から蛍光受光ユニット54をキャピラリカセット2に取りつける。蛍光受光ユニット54はその蛍光受光部55の端面にレンズホルダ56と、回転方向を規制するピン84を備えている。キャピラリカセット2に蛍光受光ユニット54を取りつけるときに、蛍光受光ユニット54のレンズホルダ56がキャピラリカセット2の蛍光受光ユニット用位置決め部32に嵌め込まれ、ピン84がキャピラリカセット2の位置決め用の穴36に嵌め込まれるように、蛍光受光ユニット54をキャピラリカセット2に対して位置決めする。
キャピラリカセット2が載置台40に載置された状態で、各キャピラリ14内を移動(泳動)する蛍光物質からの蛍光を受光するために、レンズホルダ56にも屈折率分布型ロッドレンズ86が配置されている。ロッドレンズ86も検出部10におけるキャピラリ14の配列に対応して一列に配列されている。ロッドレンズ86も、例えばレンズ外径が1.8mmであり、キャピラリ14からの蛍光をロッドレンズ86の一端で受光する。各ロッドレンズ86で受光された蛍光をイメージ素子へ伝送するために、ロッドレンズ86の他端にはそれぞれの光ファイバ88の端面が結合されている。
ロッドレンズ82、86としては屈折率分布型以外の球面/非球面レンズであってもよい。また、ロッドレンズに替えてレンズアレイを使用することもできる。
このように、キャピラリカセット2内のキャピラリ配列基板24と上下のレンズホルダ52、56の光軸(中心軸)が一致するようにあらかじめ調整され、かつキャピラリカセット2に対するレンズホルダ52、56の回転方向も位置決めピン80、84で規定されているため、キャピラリカセット2に対してレンズホルダ52、56を相互に取りつけるだけで、キャピラリ14に対して励起光学系ユニットと蛍光受光ユニットの配置が完了する。
図7のようにキャピラリカセット2が装着されたマルチキャピラリ電気泳動装置を用いて試料の分析を行う方法を説明する。
まず、キャピラリ14に泳動媒体を充填する。泳動媒体はアノードリザーバ70から圧入する。その後、サンプル吸引管64の先端をキュベット76内のサンプル液に浸し、内部標準試料吸入流路65の先端を内部標準試料液溜め67内の内部標準試料に浸し、吸引配管66から吸引してサンプルと内部標準試料をカソードブロック60の内部流路62におけるキャピラリ注入端20まで吸入する。サンプル吸引管64の先端をカソードリザーバ77内のバッファ液に浸し、そのバッファ液にカソード電極124を挿入し、アノードリザーバ70をバッファ液に交換した後、アノードリザーバ70にもアノード電極126を挿入、高圧電源128から両電極間に電圧を印加してサンプルと内部標準試料をキャピラリ注入端20からキャピラリ14内に導入する。
その後、サンプル吸引管64に残ったサンプルを吸引配管66から吸引して除去した後、両電極間に電圧を印加してサンプルと内部標準試料をキャピラリ14のカソード側からアノード側に電気泳動させて分離する。検出部10において励起光学系ユニット50からキャピラリ14に励起光を照射し、キャピラリ14から発生した蛍光を蛍光受光ユニット54で受光し、イメージ素子へ伝送して画像処理する。
実施例では、キャピラリ電気泳動装置全体についてカソードブロック以外の部分についても詳細に示したが、それらは一例にすぎない。本発明はキャピラリカセットを用いるものに限らず、キャピラリ単体として装着される電気泳動装置も含む。さらに、電気泳動を行う部分や、分離されたサンプル成分を検出する部分についても実施例のものに限定されない。
2 キャピラリカセット
10 検出部
14 キャピラリ
17 内部流路におけるサンプル吸引管の他端と内部標準試料吸入流路の他端との合流位置
20 キャピラリのサンプル注入端
60 カソードブロック
62 内部流路
64 サンプル吸引管
65 内部標準試料吸入流路
66 吸引配管
112 計量ポンプ

Claims (3)

  1. 電気泳動分離されたサンプル成分を検出するキャピラリ電気泳動装置において、
    一端がサンプル溶液に浸されるサンプル吸引管と、
    一端が内部標準試料溶液に浸される内部標準試料吸入流路と、
    一端が吸引ポンプに接続される吸引配管と、
    前記キャピラリのサンプル注入端側に配置され、前記サンプル吸引管の他端、前記内部標準試料吸入流路の他端及び前記吸引配管の他端を保持するとともに、前記サンプル吸引管の他端と前記内部標準試料吸入流路の他端を前記キャピラリのサンプル注入端を経て前記吸引配管の他端に連通する内部流路をもつカソードブロックと、を備え
    前記吸引ポンプによる吸引により、サンプル及び内部標準試料溶液がそれぞれ前記サンプル吸引管及び前記内部標準試料吸入流路を介して前記内部流路に同時に吸入されるように構成されている、キャピラリ電気泳動装置。
  2. 前記内部流路における前記サンプル吸引管の他端と前記内部標準試料吸入流路の他端との合流位置は、前記吸引ポンプより吸引される液の流れ方向に対して前記サンプル注入端よりも上流側に位置しており、前記合流位置と前記サンプル注入端との間の距離はその間の流路でサンプルと内部標準試料が混合されるように設定されている請求項1に記載のキャピラリ電気泳動装置。
  3. 前記サンプル吸引管の内径と長さ、及び前記内部標準試料吸入流路の内径と長さは、サンプルと内部標準試料との混合比に対応して設定されている請求項1又は2に記載のキャピラリ電気泳動装置。
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