以下、発明の実施の形態例を、図面を参照して説明するが、その説明にあたり、便宜上、「特別図柄」の文言については「特図」と省略し、「普通図柄」の文言については「普図」と省略することにする。また、特に断らない限り、「遊技」とは、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31に遊技球が入賞することを契機に行われる遊技のことを指すものとする。
発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1と図2に示すように、本発明の実施形態例に係るパチンコ機(遊技機)は、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた本体枠2と、本体枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられた前面扉3等を備えており、前面扉3にはガラスやプラスチック等からなる透明板4が取り付けられている。
機枠1の左下隅部には大型のスピーカ5が配設されており、このスピーカ5は前面扉3の切り欠き内に位置して前方に露出している。本体枠2の上部内側には後述する遊技盤6が収納されており、この遊技盤6の盤面(前面)は透明板4を透して外部から目視可能となっている。また、本体枠2の右側枠部にはシリンダ錠7aを有する施錠装置7が設置されており、図示省略されているが、この施錠装置7は本体枠2の裏面に配置された後部施錠杆と本体枠2の前面に配置された前部施錠杆とを備えている。常態では、施錠装置7の後部施錠杆によって機枠1に対して本体枠2が施錠されると共に、前部施錠杆によって本体枠2に対して前面扉3が施錠されている。そして、シリンダ錠7aの鍵穴に図示せぬ鍵を差し込み、この鍵を一方向(例えば時計回り)へ回動すると、後部施錠杆が下動して本体枠2が開錠されるようになっている。また、シリンダ錠7aの鍵穴に差し込んだ鍵を他方向(反時計回り)へ回動すると、前部施錠杆が上動して前面扉3が開錠されるようになっている。
前面扉3には遊技盤6の盤面に対向する大きな開口3aが開設されており、この開口3aは透明板4によって塞がれている。前面扉3の前面上部には比較的小型のスピーカ8が左右に1個ずつ配設されており、これらスピーカ8と前述した大型のスピーカ5とによって遊技に関する様々な効果音を発するようになっている。さらに、前面扉3の前面下部には、遊技盤6の裏面に配設された賞球払出装置(後述する)から払い出された遊技球を収容する上段受皿9と、上段受皿9から排出された遊技球を収容する下段受皿10と、遊技者による押下操作が可能な演出釦ユニット11等が設けられており、上段受皿9の右側方には操作ハンドル12が配設されている。
機枠1の左側枠部には上側軸受け体13と下側軸受け体14が固着されており、これら両軸受け体13,14に本体枠2の左側枠部の上下両端に設けた第1ピン(図示省略)を軸支することによって、本体枠2を機枠1に対して開閉自在に支持する第1ヒンジ機構が構成されている。一方、前面扉3の左側枠部の上下両端には第2ピン(図示省略)が設けられており、これら両第2ピンを本体枠2の左側枠部に突設した上下の支持板2aに軸支することによって、前面扉3を本体枠2に対して開閉自在に支持する第2ヒンジ機構が構成されている。また、本体枠2の上部内側は遊技盤6の収納スペースとなっており、この収納スペースの下方は前面扉3によって覆い隠される設置部2bとなっている。設置部2b内の下部中央には遊技球を遊技領域23に向けて発射する発射装置15が配設されており、前述した操作ハンドル12の回動操作量に応じて発射装置15の発射強度が調整されるようになっている。
図3に示すように、遊技盤6の裏面側には、遊技に関する主要な処理を行う主制御処理部100と、主制御処理部100からの指令を受けて前述したスピーカ5,8や後述する可変表示装置27や演出役物装置26等の各種装置を制御するサブ制御処理部200と、前述した賞球払出装置18と、主制御処理部100の指令を受けて賞球払出装置18を制御すると共に、操作ハンドル12の回動操作量に応じて発射装置15の作動を制御する払出・発射制御処理部105と、賞球数や大当たり回数等の各種情報を遊技場のホールコンピュータに出力する外部情報端子基板21等が設けられている。主制御処理部100は、CPU(Central Processing Unit)と、予め定められた制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)と、生成された処理情報の一時記憶および記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等が実装された制御基板(メイン基板)とを備えており、このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
図4に示すように、遊技盤6の前面はガイドレール22等によって略円形状に区画された遊技領域23となっており、遊技者が操作ハンドル12を任意角度まで回動操作すると、発射装置15が上段受皿9に保留された遊技球を遊技領域23に向けて連続的に打ち出すようになっている。遊技領域23の中央付近にはセンター役物24が配置されており、このセンター役物24は、中央部に矩形状の開口部25aを有する装飾枠25と、装飾枠25の上壁部に配設された演出役物装置26(後述する)と、装飾枠25の裏面側に配置された可変表示装置27等を具備している。可変表示装置27は液晶パネル(LCD)からなり、その表示画面27aは装飾枠25の開口部25aから露出している。
装飾枠25の下壁部には左右方向へ延びるステージ28が設けられており、このステージ28の中央部には誘導溝28aが形成されている。また、装飾枠25の左側壁には中空構造のワープ通路29が形成されており、このワープ通路29の両端は遊技領域23とステージ28に向けてそれぞれ開口している。したがって、センター役物24の左側の遊技領域23を流下する遊技球がワープ通路29に入球すると、その遊技球はワープ通路29の内部を通ってステージ28に排出された後、ステージ28上を転動して誘導溝28aへと導かれる。
ステージ28の誘導溝28aの真下位置には上面を開口した単純構造の第1始動入賞口30が配設されており、ステージ28上を転動して誘導溝28aから落下した遊技球が高い確率で第1始動入賞口30に入賞するようになっている。また、センター役物24の右側の遊技領域23には第2始動入賞口31が配設されており、この第2始動入賞口31は1つの可動片を有する電チュー(電動チューリップ)構造の始動入賞口となっている。そして、これら第1および第2始動入賞口30,31のいずれか一方に遊技球が入賞すると、それを契機として特図に係る電子抽選が行われ、その抽選結果に基づいて可変表示装置27の表示画面27a上で演出用図柄の変動表示および停止表示が行われる。また、第2始動入賞口31の上方位置にスルーチャッカ32が配設されており、センター役物24の右側に打ち出された遊技球がこのスルーチャッカ32を通過すると、それを契機として普図に係る電子抽選が行われ、その抽選結果が当たり(普図当たり)の場合に第2始動入賞口31の可動片(電チュー)を一時的に開放して遊技球の入賞を許可するようになっている。
さらに、第2始動入賞口31の下方位置にアタッカー装置33が配設されており、このアタッカー装置33は内部の大入賞口を開閉可能な可動弁を有している。アタッカー装置33は、第1および第2始動入賞口30,31のいずれか一方に遊技球が入賞することを契機に行われる特図に係る電子抽選の結果、当たり(特図当たり)となって大当たり遊技状態(特別遊技モード)へ移行した場合に作動される装置である。具体的には、特図の抽選結果が当たりの場合、アタッカー装置33の可動弁が複数回繰り返して開放動作することにより、大入賞口を露呈させて遊技球の入賞を許可するようになっている(図12参照)。
その他、遊技領域23には、遊技球の払い出しのみを行う複数の一般入賞口34や、遊技球の流下経路を担う風車35と複数本の遊技釘36等が配設されており、いずれの始動入賞口30,31や一般入賞口34にも入賞しなかった遊技球は、遊技領域23の最下端部とアタッカー装置33の下方位置に設けられたアウト口37から遊技盤6の裏面側に排出されるようになっている。また、特図の抽選結果を表示するための特図表示装置70a,70b、普図の抽選結果を表示するための普図表示装置71等も遊技盤6には設けられている。
次に、本実施形態に係るパチンコ機の電気的構成について説明する。図5に示すように、主制御処理部100は、始動入賞口30,31に遊技球が入賞したことを契機に特図の当否に係る抽選を行う特図抽選処理部110と、この特図抽選処理部110による抽選で大当たりに当選した場合に、その当選に係る特図の種類を抽選で決定する特図種類決定処理部120と、特図の変動時間に関する情報を含むコマンドである変動パターンを決定するための特図変動パターン決定部130と、所定条件が成立したことに基づいて、特図に係る遊技状態および普図に係る遊技状態をそれぞれ設定する遊技状態設定部140と、特図抽選処理部110による抽選結果の判定が大当たりとなった場合に、特図種類決定処理部120で決定した特図の種類に応じてアタッカー装置33(のソレノイド)を作動させて大当たり遊技に移行する大当たり遊技制御部160とを備えている。
さらに、主制御処理部100は、スルーチャッカ32を遊技球が通過したことを契機に普図の当否に係る抽選を行う普図抽選処理部170と、普図の変動時間を決定するための普図変動時間決定部190と、電動チューリップの作動を制御する電動チューリップ作動制御部180と、第1特図表示装置70aの表示制御を行う第1特図表示制御部101aと、第2特図表示装置70bの表示制御を行う第2特図表示制御部101bと、普図表示装置71の表示制御を行う普図表示制御部102と、を備えて構成されている。
特図抽選処理部110は、図6に示すように、周期的に入力されるクロック信号に基づいてカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜65535までの範囲)で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数を生成する特図当否判定用乱数発生部111と、第1始動入賞口30に遊技球が入賞したことを契機に、第1特図の当否に係る抽選を行う第1特図当否抽選部119aと、第2始動入賞口31に遊技球が入賞したことを契機に、第2特図の当否に係る抽選を行う第2特図当否抽選部119bとを備えて構成されている。
なお、本実施形態において、ハードウェア乱数の乱数生成に係る更新速度は、後述のソフトウェア乱数の更新速度と比較して速くしており、抽出されるカウンタ値(所謂、擬似乱数)のランダム性を向上させている。
第1特図当否抽選部119aは、第1始動入賞口30に遊技球が入賞したことを契機に(第1始動入賞口検知センサ30aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図当否判定用乱数発生部111で発生した特図当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特図当否判定用乱数取得部112aと、この第1特図当否判定用乱数取得部112aが取得した乱数が大当たりであるか否かを、第1特図高確率判定テーブル116aまたは第1特図低確率判定テーブル117aを参照して決定する第1特図当否判定部113aと、第1特図当否判定用乱数取得部112aが乱数を取得したときに第1特図または第2特図が変動中である場合に、この取得した乱数を第1特図に係る保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1特図用保留球乱数記憶部115aとを備えている。
ここで、第1特図高確率判定テーブル116aは、第1特図低確率判定テーブル117aよりも大当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、第1特図高確率判定テーブル116aは、大当たりの当選確率がおよそ1/67、第1特図低確率判定テーブル117aは、大当たりの当選確率がおよそ1/300(所謂、ミドルスペック)に設定されている。つまり、第1特図高確率判定テーブル116aの方が、第1特図低確率判定テーブル117aに比べて格段に大当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
具体的には、図7に示すように、第1特図の当否判定の結果は、第1特図低確率判定テーブル117aが参照される場合、特図当否判定用乱数の値が0〜217までのときに大当たり、218〜60000までのときに小当たり、60001〜65535までのときにハズレとなる。また、第1特図高確率判定テーブル116aが参照される場合、その当否判定の結果は、特図当否判定用乱数の値が0〜980までのときに大当たり、981〜60763までのときに小当たり、60764〜65535までのときにハズレとなる。なお、小当たりは大当たりと同様にアタッカー装置33が開放する当たりであるものの、出玉の獲得が殆ど見込めず、かつ、小当たりの当選前と当選後とで遊技状態が変化しない当たりのことである。
第2特図当否抽選部119bも第1特図当否抽選部119aと同様に、第2始動入賞口31に遊技球が入賞したことを契機に(第2始動入賞口検知センサ31aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図当否判定用乱数発生部111で発生した特図当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特図当否判定用乱数取得部112bと、この第2特図当否判定用乱数取得部112bが取得した乱数が大当たりであるか否かを、第2特図高確率判定テーブル116bまたは第2特図低確率判定テーブル117bを参照して決定する第2特図当否判定部113bと、第2特図当否判定用乱数取得部112bが乱数を取得したときに第1特図または第2特図が変動中である場合に、この取得した乱数を第2特図に係る保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2特図用保留球乱数記憶部115bとを備えている。
ここで、第2特図高確率判定テーブル116bは、第2特図低確率判定テーブル117bよりも大当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、第2特図高確率判定テーブル116bは、大当たりの当選確率がおよそ1/67、第2特図低確率判定テーブル117bは、大当たりの当選確率がおよそ1/300に設定されている。つまり、第2特図高確率判定テーブル116bの方が、第2特図低確率判定テーブル117bに比べて格段に大当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
具体的には、図7に示すように、第2特図の当否判定の結果は、第2特図低確率判定テーブル117bが参照される場合、特図当否判定用乱数の値が0〜217までのときに大当たり、218〜65535までのときにハズレとなる。また、第2特図高確率判定テーブル116bが参照される場合、その当否判定の結果は、特図当否判定用乱数の値が0〜980までのときに大当たり、981〜65535までのときにハズレとなる。なお、図7から明らかなように、第2特図低確率判定テーブル117bおよび第2特図高確率判定テーブル116bには小当たりがない。即ち、第2始動入賞口31に遊技球が入賞した場合には、小当たりに当選することはない。
なお、第1特図高確率判定テーブル116aと第2特図高確率判定テーブル116bとを共通にして1つのテーブルにすること、および第1特図低確率判定テーブル117aと第2特図低確率判定テーブル117bとを共通にして1つのテーブルにすることも可能である。また、第1特図当否判定部113aと第2特図当否判定部113bとを共通にして1つの手段としても良い。
また、説明の便宜上、これ以降の説明において、第1特図当否抽選部119aが第1特図低確率判定テーブル117aを参照して第1特図の当否に係る抽選を行い、第2特図当否抽選部119bが第2特図低確率判定テーブル117bを参照して第2特図の当否に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「特図低確」といい、第1特図当否抽選部119aが第1特図高確率判定テーブル116aを参照して第1特図の当否に係る抽選を行い、第2特図当否抽選部119bが第2特図高確率判定テーブル116bを参照して第2特図の当否に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「特図高確」ということにする。
次に、特図種類決定処理部120について説明する。上述した特図抽選処理部110が大当たりに当選しているか否か(特図の当否)を決定するものであるのに対して、特図種類決定処理部120は、特図の種類を決定するためのものである。つまり、本実施形態では、特図に関する大当たり/小当たり/ハズレの決定は特図抽選処理部110によって行われるが、大当たりの内容(種別、ラウンド数、電サポ回数、アタッカー開放パターン)は特図種類決定処理部120によって決定される構成となっている。なお、上記した大当たりの内容についての詳細は後述する。
特図種類決定処理部120は、図8に示すように、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜399までの範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する特図種類決定用乱数発生部121と、第1始動入賞口30に遊技球が入賞したことを契機に、抽選により第1特図の種類を決定するための第1特図種類抽選部129aと、第2始動入賞口31に遊技球が入賞したことを契機に、抽選により第2特図の種類を決定するための第2特図種類抽選部129bと、を備えて構成されている。
第1特図種類抽選部129aは、第1始動入賞口30に遊技球が入賞したことを契機に(第1始動入賞口検知センサ30aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図種類決定用乱数発生部121で発生した特図種類決定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特図種類決定用乱数取得部122aと、この第1特図種類決定用乱数取得部122aが取得した乱数から、第1特図種類決定テーブル125aを参照して第1特図の種類を決定する第1特図種類決定部123aと、第1特図種類決定用乱数取得部122aが乱数を取得したときに第1特図または第2特図が変動中である場合に、この取得した乱数を最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1特図種類決定用乱数記憶部124aと、を備えている。
第1特図種類決定テーブル125aは、図9(a)に示すように、特図種類決定用の乱数と第1特図の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。具体的には、16R特定時短有図柄、8R特定時短有図柄、8R特定時短なし図柄、4R特定時短有図柄の合計4種類の第1特図が第1特図種類決定テーブル125aに格納されており、これら4種類の第1特図のそれぞれに特図種類決定用乱数0〜399までの値が対応付けられている。そして、各第1特図に割り当てられる特図種類決定用乱数値の範囲が異なるテーブル構成となっているから、第1特図のそれぞれが第1特図種類決定部123aによって選択される確率は異なるものとなる。
より詳細に説明すると、第1特図種類決定テーブル125aに格納された4種類の第1特図のうち、特図種類決定用乱数の値が0〜99までのものに対して「16R特定時短有図柄」が、当該乱数値が100〜159に対して「8R特定時短有図柄」が、当該乱数値が160〜319に対して「8R特定時短なし図柄」が、当該乱数値が320〜399に対して「4R特定時短有図柄」がそれぞれ対応付けられている。
なお、詳しくは後述するが、特図の種類のうち、「16R」は大当たり遊技のラウンド数が16ラウンドであることを、「8R」はラウンド数が8ラウンドであることを、「4R」はラウンド数が4ラウンドであることを、「特定」は所謂、確変当たりを、「時短有」は電動チューリップ49が高確率で開放される遊技状態(所謂、電サポ)が所定の遊技回数に亘って付与されること、「時短なし」は電動チューリップ49が高確率で開放される遊技状態が付与されないことを、それぞれ示している。なお、本実施形態では大当たり遊技が8ラウンドで構成されていても、実際に賞球を獲得できるラウンドの数(即ち、実質ラウンド数)は0ラウンド分(即ち、出玉無し)となっている場合がある。
この図9(a)から明らかなように、「16R特定時短有図柄」に対応付けられた乱数の個数は、全体で400個の特図種類決定用乱数のうち100個であるから、「16R特定時短有図柄」が選択される確率は、100/400x100=25%である。その他の第1特図の選択確率についても同様にして求められ、その選択確率は図9(a)に示す通りである。
また、第2特図種類抽選部129bも第1特図種類抽選部129aと同様に、第2始動入賞口31に遊技球が入賞したことを契機に(第2始動入賞口検知センサ31aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図種類決定用乱数発生部121で発生した特図種類決定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特図種類決定用乱数取得部122bと、この第2特図種類決定用乱数取得部122bが取得した乱数から、第2特図種類決定テーブル125bを参照して第2特図の種類を決定する第2特図種類決定部123bと、第2特図種類決定用乱数取得部122bが乱数を取得したときに第1特図または第2特図が変動中である場合に、この取得した乱数を最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2特図種類決定用乱数記憶部124bと、を備えている。
第2特図種類決定テーブル125bは、図9(b)に示すように、特図種類決定用の乱数と第2特図の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成しているが、その構成は、第1特図種類決定テーブル125aと異なるものである。具体的には、第2特図種類決定テーブル125bに格納された4種類の第2特図のうち、特図種類決定用乱数の値が0〜199までのものに対して「16R特定時短有図柄」が、当該乱数値が200〜259に対して「8R特定時短有図柄」が、当該乱数値が260〜399に対して「4R特定時短有図柄」がそれぞれ対応付けられている。なお、第2特図種類決定テーブル125bにおいて、「8R特定時短なし図柄」に対応する特図種類決定用乱数は割り当てられていない。即ち、第2特図種類決定テーブル125bが参照される場合に「8R特定時短なし図柄」が選択される場合はないということになる。そのため、第2特図種類決定テーブル125bの方が第1特図種類決定テーブル125aに比べて遊技者に有利である。
そして、主制御処理部100は、特図抽選処理部110による抽選が当選(大当たり)である場合には、第1特図種類決定部123aまたは第2特図種類決定部123bが決定した特図の種類を、図柄指定コマンドとしてサブ制御処理部200に送信する一方、特図抽選処理部110による抽選がハズレである場合には、ハズレ図柄の情報が含まれた図柄指定コマンドをサブ制御処理部200に送信する。小当たりに当選した場合も同様に、小当たり図柄の情報が含まれた図柄指定コマンドをサブ制御処理部200に送信する。サブ制御処理部200は、送られてきた図柄指定コマンドに基づいて、可変表示装置27に表示する演出図柄(例えば、3つの絵柄)を決定する。
次に、普図抽選処理部170について説明する。この普図抽選処理部170は、図10に示すように、乱数を発生させる普図当否判定用乱数発生部171と、スルーチャッカ32を遊技球が通過したことを契機に普図に係る抽選を行って当否を判定するための普図当否抽選部177とを備えて構成されている。普図当否判定用乱数発生部171は、特図当否判定用乱数発生部111と同じ構成から成るものである。また、普図当否抽選部177は、スルーチャッカ32を遊技球が通過したことを契機に(スルーチャッカ検知センサ32aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、普図当否判定用乱数発生部171で発生した普図当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する普図当否判定用乱数取得部172と、この普図当否判定用乱数取得部172が取得した乱数が普図当たりであるか否かを、判定テーブルを参照して決定する普図当否判定部173と、普図当否判定用乱数取得部172が乱数を取得したときに普図が変動中である場合に、この取得した乱数を上限4個まで普図に係る保留球乱数として記憶する普図用保留球乱数記憶部174と、判定テーブルとして、普図当たりに当選する確率が低い普図低確率判定テーブル176と、この普図低確率判定テーブル176よりも普図当たりに当選する確率が高い普図高確率判定テーブル175とを備えている。
ここで、普図高確率判定テーブル175は、普図低確率判定テーブル176よりも普図当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、普図高確率判定テーブル175は、普図当たりの当選確率が1/1.1、普図低確率判定テーブル176は、普図当たりの当選確率が1/20に設定されている。つまり、普図高確率判定テーブル175の方が、普図低確率判定テーブル176に比べて格段に普図当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。そして、普図高確率判定テーブル175を参照して抽選が行われると、殆どの場合、普図当たりに当選することになる。
また、説明の便宜上、これ以降の説明において、普図当否抽選部177が普図低確率判定テーブル176を参照して普図に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「普図低確」といい、普図当否抽選部177が普図高確率判定テーブル175を参照して普図に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「普図高確」ということにする。
次に、図5に示す電動チューリップ作動制御部180は、普図抽選処理部170による抽選で普図当たりに当選した結果に基づいて、電動チューリップのソレノイドに通電して可動片を開閉するよう制御している。この電動チューリップ作動制御部180は、普図高確中は、1回の普図当たりに対して、電動チューリップを開放時間1.2秒(インターバル0.8秒)で2回開放する(つまり、1.2秒開放→0.8秒閉鎖→1.2秒開放の順となる)よう制御し、普図低確中は、1回の普図当たりに対して、電動チューリップを開放時間0.2秒で1回開放するよう制御している。よって、普図高確中は、上述したように、普図抽選処理部170による抽選が行われる度に、殆ど普図当たりに当選し、その当選により電動チューリップが1.2秒x2回開放されるため、遊技者は、電動チューリップ内に遊技球を比較的容易に入賞させることができる。したがって、普図高確中は、遊技球をあまり減らすことなく遊技を行うことができる。
さて、本実施形態に係るパチンコ機は、遊技状態として、「低確モード」、「潜確モード」、「確変モード」の3つの状態が予め用意されている。「低確モード」は、特図低確および普図低確の遊技状態から成り、「潜確モード」は、特図高確および普図低確の遊技状態から成り、「確変モード」は、特図高確および普図高確の遊技状態から成るものである。潜確モードおよび確変モードは、大当たりに当選する確率が低確モードよりも高い。また、確変モードは、低確モードおよび潜確モードより普図当たりに当選する確率が高く、電動チューリップの可動片が頻繁に開くため、第2始動入賞口31に入賞し易い。
ここで、「潜確モード」は、演出上、「低確モード」との区別が困難となるように遊技状態が秘匿されるようになっている。そのため、遊技者は、潜確モードに移行した場合であっても、見た目には現在の遊技状態が低確モードと潜確モードの何れであるのかを明確に識別できないが、内部的には、潜確モードは低確モードより有利な遊技状態であると言える。
本実施形態では、先に述べた特図(第1特図または第2特図)の種類が決定されると、その特図と上記の各遊技状態とから、大当たり種別、ラウンド数(実質)、電サポ回数、および、アタッカー開放パターンが決まるようになっている。これについて、図11を参照しながら、以下、詳しく説明を行っていくことにする。
図11に示すように、各特図の種類には、それぞれ、大当たり種別、ラウンド数、電サポ回数、およびアタッカー開放パターンを規定した大当たりパターンが予め対応付けられている。
「大当たり種別」とは、大当たりの種類を定めたものであり、本実施形態においては、何れの特図の種類に対しても大当たり遊技後の特図に係る遊技状態が特図高確となる「確変当たり」が定められている。ただし、大当たり遊技後の遊技状態が特図高確となる遊技回数は、106回である。即ち、本実施形態に係るパチンコ機は、ST106回(回数切り確変)の仕様となっている。
「ラウンド数」とは、大当たり遊技中にラウンド遊技が何回実行されるかを定めたものである。本実施形態では、大当たり遊技中のラウンド遊技の回数は16ラウンド(R)、8ラウンド(R)、4ラウンド(R)の3種類がある。また、ラウンド遊技の回数が8ラウンドとなっている大当たり遊技であっても、特図の種類が「8R特定時短なし図柄」の場合には、次に述べるアタッカー開放パターンが他のものと異なっているため、実際に賞球を獲得することは困難である。
「アタッカー開放パターン」とは、大当たり遊技中のアタッカー装置33の開放動作のパターンを定めたものである。具体的に説明すると、「フル開放」は、1回のラウンド遊技において、ラウンド遊技開始後にアタッカー装置33が1回開き、露呈した大入賞口に規定個数である10個の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから30秒が経過したことの何れかの終了条件(ラウンド終了条件)が成立するとラウンド遊技が終了するという内容のアタッカー開放パターンである。
また、「高速」は、1回のラウンド遊技において、ラウンド遊技開始後にアタッカー装置33が1回開き、露呈した大入賞口に10個の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから0.2秒が経過したことの何れかの終了条件(ラウンド終了条件)が成立すると終了するという内容のアタッカー開放パターンである。そのため、「高速」では、アタッカー装置33が開いて0.2秒経過すると、直ちに閉じてしまうことになり、実際に大入賞口に遊技球が入賞することは困難である。
このように特図の種類によってラウンド数が異なるため、獲得できる賞球数は、図11に示すように、およそ0個(出玉なし)、400個、800個、または1600個となる。なお、このアタッカー装置33の作動を制御して、特図の種類に応じたアタッカー開放パターンで大当たり遊技を提供しているのが、大当たり遊技制御部160である。
ここで、アタッカー開放パターンの詳細を、特図の種類毎に図12を用いて詳しく説明する。図12は、特図の種類毎に、大当たり遊技の全ラウンドのアタッカー開放パターンの内訳を示したものである。同図に示すように、「16R特定時短有図柄」は全てのラウンドが「フル開放」のパターンの大当たり遊技と対応付けられている。「8R特定時短有図柄」は全てのラウンドが「フル開放」のパターンの大当たり遊技と対応付けられ、「8R特定時短なし図柄」は全てのラウンドが「高速」のパターンの大当たり遊技と対応付けられ、「4R特定時短有図柄」は全てのラウンドが「フル開放」のパターンの大当たり遊技と対応づけられている。
なお、小当たりに当選したときのアタッカー開放パターンは「8R特定時短なし図柄」と同じである。よって、小当たり当選時と「8R特定時短なし図柄」での大当たり当選時とでは、見た目に同じパターンでアタッカー装置33が高速に開放するため、小当たり当選時と「8R特定時短なし図柄」との何れであるかをアタッカー開放パターンから識別することは困難である。
図11に説明を戻して、「電サポ回数」とは、電動チューリップによるサポートを受けながら遊技を行うことができる遊技回数のことであり、より詳しくは、遊技状態が普図高確の状態で、特図抽選処理部110による抽選を行うことのできる回数(遊技回数)のことである。本実施形態では、電サポ回数は、0回(電サポなし)または106回の何れかである。なお、電サポ回数を106回としたのは、確変当たり時のST回数である106回と同じにするためである。
次に、大当たり当選時の特図の種類と大当たり遊技後に移行される遊技状態との関係について説明する。図11に示すように、低確モード中に大当たりに当選し、その時に決定された特図の種類が16R特定時短有図柄、8R特定時短有図柄、4R特定時短有図柄の場合には、大当たり遊技後の遊技状態は低確モードから確変モードに移行し、電サポが106回付与される。一方、低確モード中に大当たりに当選し、その時に決定された特図の種類が8R特定時短なし図柄の場合には、大当たり種別が「確変」であったとしても、電サポは0回となり、その後の遊技状態が低確モードから潜確モードに移行することになる。よって、内部的に特図高確となっていても、電動チューリップが頻繁に開く訳ではないため、見た目には低確モードと変わらない。
一方、潜確モード中に大当たりに当選した場合には、特図の種類に拘らず、106回の電サポが付与される。同様に、確変モード中の大当たりの場合にも、特図の種類に拘らず、106回の電サポが付与される。そして、特図高確の状態で106回の遊技中に大当たりに当選しなかった場合には、遊技状態が確変モードまたは潜確モードから通常モードに転落する。
このように、大当たりパターンは、大当たり種別と、ラウンド数と、アタッカー開放パターンと、電サポ回数とが規定された内容で構成されており、特図の種類が決定されると、その種類に応じた大当たりパターンに従って遊技の制御が行われ、特図の種類に応じてその後の遊技状態(電サポ回数含む)が制御されることとなる。なお、特図の種類と大当たりパターンの対応関係は以下の通りである。
「16R特定時短有図柄」は、大当たり時の遊技状態が「低確モード」、「潜確モード」、「確変モード」の何れの場合でも、電サポ回数が106回付与され、大当たり遊技後に最大106回の遊技が行われるまで確変モードに移行する確変当たりであり、ラウンド数が16ラウンド(出玉のあるラウンド数も16ラウンド)で、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが全てのラウンド遊技において「フル開放」となり、1回の大当たり遊技で獲得できる賞球はおよそ1600個の大当たりパターンに対応している。
「8R特定時短有図柄」は、大当たり時の遊技状態が「低確モード」、「潜確モード」、「確変モード」の何れの場合でも、電サポ回数が106回付与され、大当たり遊技後に最大106回の遊技が行わるまで確変モードに移行する確変当たりであり、ラウンド数が8ラウンド(出玉のあるラウンド数も8ラウンド)で、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが全てのラウンド遊技において「フル開放」となり、1回の大当たり遊技で獲得できる賞球はおよそ800個の大当たりパターンに対応している。
「8R特定時短なし図柄」は、大当たり時の遊技状態が「低確モード」の場合に電サポが付与されず、大当たり遊技後に最大106回の遊技が行われるまで潜確モードに移行し、大当たり時の遊技状態が「潜確モード」、「確変モード」の場合に電サポ回数が106回付与され、大当たり遊技後に最大106回の遊技が行われるまで確変モードに移行する確変当たりであり、ラウンド数が8ラウンド(ただし、アタッカー開放パターンが高速なので出玉なし)となる大当たりパターンに対応している。
「4R特定時短有図柄」は、大当たり時の遊技状態が「低確モード」、「潜確モード」、「確変モード」の何れの場合でも、電サポ回数が106回付与され、大当たり遊技後に最大106回の遊技が行わるまで確変モードに移行する確変当たりであり、ラウンド数が4ラウンド(出玉のあるラウンド数も4ラウンド)で、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが全てのラウンド遊技において「フル開放」となり、1回の大当たり遊技で獲得できる賞球はおよそ400個の大当たりパターンに対応している。
また、上記の特図の種類と大当たりパターンとの対応関係については、第1始動入賞口30に遊技球が入賞した場合と第2始動入賞口31に遊技球が入賞した場合とで同じである。即ち、何れの始動入賞口に遊技球が入賞しても、その入賞を契機に決定される特図の種類が同じであれば、それに対応する大当たりパターンも同じとなる。
以上から、本実施形態では、確変モードでの遊技が106回以内に大当たりに当選する限り大当たりは連荘するが、106回以内に大当たりに当選しなかったときは遊技状態が確変モードから低確モードに転落するため、大当たりの連荘がストップすることになる。なお、潜確モード中は特図高確となっているものの普図低確なので、106回の遊技を行うためには低確モードと同じだけ遊技球の消費が必要となる。
次に、特図の変動時間を決定するための処理について説明する。特図の変動時間は、変動パターンに含まれており、特図変動パターン決定部130が遊技の開始時に変動パターンを決定することにより、その遊技に係る特図の変動時間が決定されるようになっている。
特図変動パターン決定部130は、図13に示すように、変動パターンの決定に用いる変動パターン用乱数を発生させるための特図変動パターン用乱数発生部131と、第1始動入賞口30に遊技球が入賞したことに基づいて第1変動パターンを決定するための第1特図変動パターン抽選部130aと、第2始動入賞口31に遊技球が入賞したことに基づいて第2変動パターンを決定するための第2特図変動パターン抽選部130bと、を備えて構成されている。
特図変動パターン用乱数発生部131は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば0〜2999まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。
第1特図変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口30に遊技球が入賞したことを契機に、特図変動パターン用乱数発生部131にて発生した特図変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第1特図変動パターン用乱数取得部132aと、この第1特図変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数から、特図共通変動パターンテーブル134の中の所定の変動パターンテーブルを参照して第1変動パターンを決定する第1特図変動パターン決定部135aと、第1特図または第2特図が変動中の場合に、第1特図変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数を上限4個まで記憶する第1特図変動パターン用乱数記憶部133aと、を備えて構成されている。なお、第1特図変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口30に遊技球が1個入賞すると、第1特図当否抽選部119aと同様に、その入賞につき1つの特図変動パターン用乱数を取得する。
第2特図変動パターン抽選部130bも第1特図変動パターン抽選部130aと同様に、第2始動入賞口31に遊技球が入賞したことを契機に、特図変動パターン用乱数発生部131にて発生した特図変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第2特図変動パターン用乱数取得部132bと、この第2特図変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数から、特図共通変動パターンテーブル134の中の所定の変動パターンテーブルを参照して第2変動パターンを決定する第2特図変動パターン決定部135bと、第1特図または第2特図が変動中の場合に、第2特図変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数を上限4個まで記憶する第2特図変動パターン用乱数記憶部133bと、を備えて構成されている。なお、第2特図変動パターン抽選部130bは、第2始動入賞口31に遊技球が1個入賞すると、第2特図当否抽選部119bと同様に、その入賞につき1つの特図変動パターン用乱数を取得する。
特図共通変動パターンテーブル134は、第1特図変動パターン抽選部130aおよび第2特図変動パターン抽選部130bの両方の抽選部が共通で用いるテーブルであって、図14に示すように、通常変動パターンテーブル134aおよび短縮変動パターンテーブル134bを備えている。通常変動パターンテーブル134aは、遊技状態が「低確モード」および「潜確モード」の場合に参照され、短縮変動パターンテーブル134bは、遊技状態が「確変モード」の場合に参照される。このように、低確モードと潜確モードとで同じ通常変動パターンテーブル134aが参照されるため、変動パターン(変動時間)の違いによって遊技状態が低確モードと潜確モードの何れであるかを遊技者が識別するのは困難である。なお、電源投入後の初期状態やRAMクリア時は遊技状態が低確モードであるから、通常変動パターンテーブル134aが参照される。
通常変動パターンテーブル134aには、複数の通常変動パターンテーブル134a−1〜134a−5が格納されており(図15参照)、第1特図変動パターン決定部135aは、遊技開始時に第1特図当否抽選部119aによる当否抽選の結果と、第1特図種類抽選部129aで決定された特図の種類と、当該遊技開始時の遊技状態と、第1特図用保留球乱数記憶部115aに現在記憶されている保留球乱数の保留記憶数と、に基づいて、各通常変動パターンテーブル134a−1〜134a−5のうちから参照する変動パターンテーブルを選択する。
第2特図変動パターン決定部135bについても同様に、遊技開始時に第2特図当否抽選部119bによる当否抽選の結果と、第2特図種類抽選部129bで決定された特図の種類と、当該遊技開始時の遊技状態と、第2特図用保留球乱数記憶部115bに現在記憶されている保留球乱数の保留記憶数と、に基づいて、各通常変動パターンテーブル134a−1〜134a−5のうちから参照する変動パターンテーブルを選択する。
また、同様に、短縮変動パターンテーブル134bには、複数の短縮変動パターンテーブル134b−1〜134b−3が格納されており(図15参照)、第1特図変動パターン決定部135aあるいは第2特図変動パターン決定部135bは、遊技開始時に図15に示す各種条件に基づいて、各短縮変動パターンテーブル134b−1〜134b−3のうちから参照する変動パターンテーブルを選択する。
変動パターンテーブル選択の条件(特図抽選の結果、特図の種類、遊技状態、保留記憶数)と、選択される変動パターンテーブルとの関係をまとめたものが図15である。図15に示すように、特図抽選の結果がハズレ、決定された特図の種類がハズレ図柄、遊技状態が低確モード、保留記憶数が0〜2個の場合には、通常変動パターンテーブル134a−1が選択される。また、例えば、特図抽選の結果が大当たり、決定された特図の種類が16R特定時短有図柄、遊技状態が低確モードの場合には、通常変動パターンテーブル134a−5が選択される。その他の条件と選択される変動パターンテーブルとの関係については図15に示す通りであるから、ここでの説明は省略する。
変動パターンテーブルの代表的なものを図16に示す。図16(1)に示すように、通常変動パターンテーブル134a−1は、特図変動パターン用乱数と変動パターンNo.とが予め対応付けられた構成である。具体的に説明すると、特図変動パターン用乱数の値が0〜2849までの何れかであるとき、それらに対応する変動パターンは、変動パターンの内容(リーチ系統)がリーチ無しで変動時間が12.5秒の変動パターンNo.1(ハズレ変動)となる。
また、特図変動パターン用乱数の値が2850〜2999までの何れかであるとき、それらに対応する変動パターンは、変動パターンNo.2〜31の何れかとなり、変動パターンの内容がリーチ有りとなる。これらの変動パターンには、20秒〜90秒までの何れかの変動時間が規定されている。例えば、変動パターンNo.12は、リーチ系統が対決系リーチで変動時間が60秒という内容の変動パターンとなる。なお、リーチがかかる特図変動パターン用乱数は2850〜2999までの範囲であるから、通常変動パターンテーブル134a−1が参照される場合においてリーチが発生する確率は1/20である。
また、図16(2)に示すように、通常変動パターンテーブル134a−5が参照される場合には、特図変動パターン用乱数の値が0〜2999の何れの値であっても、変動時間が20秒〜90秒の何れかとなり、必ずリーチがかかるという内容の変動パターンが決定される。具体的には、変動パターンは、特図変動パターン用乱数の値が0〜99の場合にノーマル系リーチ(リーチ系統)の変動パターンNo.121〜No.130となり、当該乱数値が100〜1999の場合に対決系リーチ(リーチ系統)の変動パターンNo.131〜No.140となり、当該乱数値が2000〜2999の場合にストーリー系リーチ(リーチ系統)の変動パターンNo.141〜No.150となる。
なお、図16において図示しなかった通常変動パターンテーブル134a−2,134a−3,134a−4は、リーチ無し時の変動時間(ハズレ変動時間)がそれぞれ9秒、4秒、2秒となっている点で相違する以外は通常変動パターンテーブル134a−1と同じである。
ここで、本実施形態では、特図の変動中(遊技中)に演出役物装置26が可変表示装置27の前面に落下する演出が行われる場合がある。この演出役物装置26の落下演出(以下、「落下演出」と言う)は、上記した変動パターンのうちのNo.29〜No.31と、No.148〜No.150の場合に実行される。なお、この落下演出の詳細は後述する。
本実施形態では、第1始動入賞口30に遊技球が入賞したことに基づいて取得した特図当否判定用の乱数が保留球乱数として第1特図用保留球乱数記憶部115aに記憶される場合において、この入賞のタイミング(以下、入賞タイミングと言う)で取得した変動パターン用乱数に基づいて、第1特図変動パターン決定部135aは、特図共通変動パターンテーブル134を参照して変動パターンを決定して、その変動パターンを「第1先読みコマンド」としてサブ制御処理部200に送信している。
また、特図当否判定用の乱数が保留球乱数として第1特図用保留球乱数記憶部115aに記憶されてから、当該保留球乱数に基づく遊技が開始するまで、この取得した変動パターン用乱数は、第1特図変動パターン用乱数記憶部133aに記憶されている。そして、保留球乱数に基づく遊技が開始されるタイミング(以下、遊技開始タイミングと言う)で、第1特図変動パターン用乱数記憶部133aに記憶されている変動パターン用乱数を再び読み出して、特図共通変動パターンテーブル134を参照して第1変動パターンを決定して、その第1変動パターンを「正規の第1変動パターンコマンド」としてサブ制御処理部200に送信している。
つまり、第1特図変動パターン決定部135aは、第1始動入賞口30に遊技球が1回入賞したことに基づいて、変動パターンを2回決定する。1回目の決定は入賞タイミングであり、2回目の決定は遊技開始タイミングである。そして、1回目の決定に基づき先読み予告演出が行われ、2回目の決定に基づいて予告や演出図柄の変動、リーチ演出、落下演出などの各種演出が行われる。
勿論、第2始動入賞口31に遊技球が入賞した場合も第1始動入賞口30に遊技球が入賞した場合と同様の処理を行って第2変動パターン(第2先読みコマンドおよび正規の第2変動パターンコマンド)が決定される。
なお、本実施形態例では、正規の第1,第2変動パターンコマンドの中身は、「A0+変動パターンNo.」で構成され、第1,第2先読みコマンドの中身は「BC+変動パターンNo.」または「BC+7FH」で構成されている。したがって、サブ制御処理部200は、コマンドの中身を解析することにより、正規の変動パターンコマンドと先読みコマンドの区別や変動パターンNo.を識別することができる。
図5に戻って、普図変動時間決定部190は、普図の変動開始時における普図の遊技状態が普図高確と普図低確の何れであるかを判断し、その判断結果に応じて予め定めた普図の変動時間を決定する。具体的には、普図高確の場合(確変モードの場合)、普図変動時間決定部190は、普図に係る変動時間を2秒に決定し、普図低確の場合(低確モードおよび潜確モードの場合)、普図変動時間決定部190は、普図に係る変動時間を30秒に決定する。勿論、普図の変動時間は種々の設定が可能であり、例えば、所定のモードの場合だけ極端に短い変動時間(例えば、0.5秒程度)を採用することもできる。
また、払出・発射制御処理部105は、主制御処理部100と相互通信可能に接続されているうえ、CRユニット(台間機)とも中継基板を介して相互通信可能に接続されており、賞球払出装置18の払出モータの駆動を制御することにより、所定個数の賞球や貸球を払い出したり、発射ボリュームの値に応じて発射装置15の発射用モータ(発射用ロータリーソレノイドが用いられることもある)の駆動を制御することにより、所定の発射強度で遊技球を発射できるようにしたり、整流器の球送りソレノイドの駆動を制御することにより、遊技球を1個ずつ発射装置15に送り出すようにする等の処理を担っている。なお、CRユニットが払出・発射制御処理部105と電気的に接続されていない場合には、発射装置9から遊技球が発射されることはないように制御されている。
ここまで、主に主制御処理部100が行う各処理について説明したが、ここからは、主制御処理部100から指令を受けて各種演出を行うためのサブ制御処理部200について説明する。サブ制御処理部200は、可変制御装置27の表示を制御する演出制御処理部201と、枠ランプや盤面ランプ等の各種ランプの制御を行うためのランプ制御処理部202と、スピーカ20やサウンドプロセッサ等の制御を行うための音声制御処理部203と、演出役物装置26の作動を制御する役物制御処理部(駆動制御部)204と、を備えて構成され、図3に示すように遊技盤6の裏面に支持部材等を介して設けられている。
演出制御処理部201は、図17に示すように、処理部として、演出態様を決定するための演出態様決定部210と、演出態様決定部210が決定した演出態様および大当たり遊技中の演出態様を可変表示装置27に表示するよう制御する演出表示制御部220と、保留球乱数が大当たりに当選しているか否かの事前判定を行うと共に、先読み予告演出の実行の有無およびそのパターン(先読み予告演出の種類や内容)を決定する先読み演出決定部240と、詳しくは図示しないが通常の保留球表示および先読み予告演出としての特殊な保留球表示の制御を行う保留球表示制御部230と、を備えている。
さらに、演出制御処理部201は、記憶部を備えている。この記憶部には、複数種類の演出態様(演出画像データ)を記憶した演出テーブル261,262、大当たり遊技中の演出画像データを記憶した大当たり遊技演出テーブル270、および各種先読み予告演出時に用いられる画像データを記憶した先読み演出テーブル280などが記憶されている。
演出態様決定部210は、遊技の開始時に送られてきた図柄指定コマンドに基づいて演出図柄を決定すると共に、正規の第1,第2変動パターンコマンド(以下、「第1正規コマンド」または「第2正規コマンド」という)に基づいて、記憶部に記憶されている演出テーブル261,262の何れかのテーブルを参照しながら、今回用いる演出態様(使用する演出画像データ)を決定する。なお、通常演出テーブル261は、遊技状態が低確モードおよび潜確モードの場合に参照され、確変演出テーブル262は、遊技状態が確変モードの場合に参照される。よって、遊技状態が低確モードと潜確モードとで参照される演出テーブルは同じであるから、両モードにおいて同じ演出が行われることになる。
なお、後述する特殊パターンによる落下演出にて用いられる演出画像データは、回転灯ユニット39が初期位置から中途位置(図31参照)まで落下するまでの間、回転灯ユニット39が落下することが全く示唆されないような内容となっている。即ち、回転灯ユニット39の移動と演出画像の内容が同期しておらず、遊技者が演出画像を見ているだけでは回転灯ユニット39に対して注目しないような内容の演出画像で構成されている。別言すると、落下演出中に可変表示装置27に表示される演出画像は、遊技者が当該演出画像に気を取られて、回転灯ユニット39の存在を忘れるような構成である。
演出表示制御部220は、演出態様決定部210にて決定された演出図柄および演出パターンを可変表示装置27に表示するよう制御している。加えて、演出表示制御部220は、大当たり遊技中の演出の表示制御を行っている。また、保留球表示制御部230は、主制御処理部100から保留球乱数が記憶された旨のコマンド(保留メモリ増コマンド)を受信すると、それに従って、所定の保留球表示領域に保留球を表示するよう制御している。
また、先読み演出決定部240は、第1または第2先読みコマンドが送られてくると、そのコマンドを解析して、保留球乱数が大当たりであるか否かを事前に判定すると共に、先読み予告演出を行うか否かの決定および先読み予告演出のパターンを決定するなどの処理を行う。即ち、先読み演出決定部240は、保留球乱数が大当たりに当選しているかを事前に判定する手段としての機能を有している。そして、先読み予告演出を実行することが決定された場合には、保留球表示制御部230は、保留球の表示を先読み演出決定部240の決定に従って、種々の態様で表示するよう制御する(先読み予告演出の表示制御を行う)。
役物制御処理部204は、第1正規コマンドまたは第2正規コマンドを入力として、演出役物装置26の作動を制御している。以下、演出役物装置26の構造と動作について図18〜図30を参照しながら詳細に説明する。
演出役物装置26は、横長形状のベース部材38と、ベース部材38に上下動可能に支持された回転灯ユニット39と、回転灯ユニット39を上下方向に駆動する駆動機構40と、回転灯ユニット39の外表面に沿って移動可能に配置された装飾体41等によって主に構成されている。
ベース部材38は可変表示装置27の上方位置で遊技盤6にネジ止め固定されており、このベース部材38の中央付近には上下方向に延びるガイド孔38aが形成されている。ガイド孔38aよりも右方に位置するベース部材38の下辺側には係合溝38bが形成されており、図20と図25および図29に示すように、この係合溝38bは前後方向に延びている。また、ベース部材38の前面には一対のガイドシャフト42が取り付けられており、これらガイドシャフト42はガイド孔38aを挟んで上下方向に延びている。両ガイドシャフト42には連結板43が摺動可能に支持されており、この連結板43は回転灯ユニット39の背面に固定されている。
回転灯ユニット(役物本体)39はパトランプ等と呼称される発光灯であり、この回転灯ユニット39は、前面側に装飾が施された本体ケース44と、本体ケース44の下面に一体的に設けられたレンズカバー45等を備えている。レンズカバー45は上側に筒状の湾曲面で下側に球状の湾曲面を有しており、レンズカバー45の全体は赤色等で着色されている。図示省略されているが、回転灯ユニット39の内部にはランプやLED等からなる光源と回転反射板とが収納されており、本体ケース44には回転反射板を駆動する第1モータ46が搭載されている。そして、これら光源と第1モータ46に通電して回転灯ユニット39を点灯動作させると、第1モータ46を駆動源として回転反射板が光源の周囲を旋回し、光源の光が放射方向を回転変位させながらレンズカバー45から出射される。なお、第1モータ46はステッピングモータである。
装飾体41はビキニ水着のトップスを模した遮光材料からなる可動役物であり、この装飾体41の内周面はレンズカバー45の湾曲した外周面とほぼ同じ曲率に設定されている。装飾体41の左右両端側には駆動アーム47,48が一体的に設けられており、これら駆動アーム47,48はレンズカバー45を挟んで後方へ延びている。一方の駆動アーム47はくの字状に屈曲形成されており、その屈曲部分に支軸47aが突設されていると共に、先端側にピン47bが設けられている。他方の駆動アーム48は一方の駆動アーム47に比べて短寸な直線状に形成されており、その先端側に支軸48aが突設されている(図22参照)。
両駆動アーム47,48の支軸47a,48aはレンズカバー45に回転可能に軸支されており、一方の駆動アーム47のピン47bはベース部材38の係合溝38bに回動可能かつ前後方向へ移動可能に係合支持されている。すなわち、装飾体41は支軸47a,48aを回転中心としてレンズカバー45に回動可能に支持されており、回転灯ユニット39の上下動に伴って装飾体41の回転中心(支軸47a,48a)の位置が上下方向に変化すると、その位置に応じて駆動アーム47のピン47bと係合溝38bとの係合箇所も変動することになる。したがって、回転灯ユニット39が後述する駆動機構40によってベース部材38の上下方向へ昇降動作されると、装飾体41が回転灯ユニット39の昇降動作に伴ってレンズカバー45の湾曲した外表面に沿って回動することになり、装飾体41を回動させるための専用の駆動機構は不要となっている。
ベース部材38の前面上部には第2モータ49が取り付けられており、第2モータ49の出力軸はベース部材38を貫通して背面側に突出している。なお、第2モータ49はステッピングモータである。図19と図24および図28に示すように、ベース部材38の背面には大径の駆動ギア50が軸支されており、この駆動ギア50はアイドラギア51を介して第2モータ49の出力軸に固定されたピニオンギア52と噛合している。また、ベース部材38の背面には伝達アーム53が揺動可能に軸支されており、この伝達アーム53の長手方向の両端部には長孔53a,53bが形成されている。一方の長孔53aは駆動ギア50の周縁部に突設されたピン50aと係合しており、他方の長孔53bは回転灯ユニット39の背面から突出してガイド孔38aに挿入されたピン39aと係合している。さらに、ベース部材38の背面にはフォトインタラプタからなる検知センサ54が取り付けられており、伝達アーム53の側面に突出形成された遮光部53cが検知センサ54の光路に対して出入可能となっている。
第2モータ49が正逆いずれかの方向へ回転すると、その回転がピニオンギア52からアイドラギア51を介して駆動ギア50に伝達されるため、駆動ギア50のピン50aが伝達アーム53の長孔53a内を移動し、これらピン50aと長孔53aの係合部分で駆動ギア50の回転が伝達アーム53の揺動運動に変換される。その結果、伝達アーム53の他端側の長孔53bと係合するピン39aがガイド孔38aに沿って上下動し、ピン39aを有する回転灯ユニット39が上方の初期位置と下方の動作位置との間を往復移動する。また、このように伝達アーム53が揺動回転すると、それに伴って伝達アーム53の遮光部53cが検知センサ54の光路を遮断/通過させるため、検知センサ54の出力信号に基づいて回転灯ユニット39の原点位置(初期位置)を検出することができる。なお、これら第2モータ49からピン39aに至る各部材(駆動ギア50や伝達アーム53等)によって前述した駆動機構40が構成されている。
このように構成されたパチンコ機において、通常、演出役物装置26は第1および第2モータ46,49や光源に通電されない非動作状態となっており、図4に示すように、演出役物装置26の回転灯ユニット39と装飾体41は可変表示装置27の上方に位置する装飾枠25の前方(即ち、初期位置)で停止している。
図18〜図21はかかる演出役物装置26の非動作状態を示し、この非動作状態で回転灯ユニット39は最上方の初期位置で停止しており、装飾体41は隠蔽姿勢にあってレンズカバー45の前方中央付近を覆っている。この場合、装飾体41に設けられた駆動アーム47のピン47bは係合溝38bの前端部と係合しており(図20参照)、回転灯ユニット39に突設されたピン39aはガイド孔38aの上端部と係合している(図19参照)。
回転灯ユニット39が初期位置にあるときに第2モータ49を正逆いずれかの方向に回転駆動すると、第2モータ49を駆動源として伝達アーム53が図19の時計回りに揺動回転し、それに伴って回転灯ユニット39が初期位置から下方へ移動し始める。その際、第1モータ46と光源に通電して回転灯ユニット39を動作させると、それまで消灯していた回転灯ユニット39が突然に光り出して点灯動作し、その状態のまま回転灯ユニット39は装飾体41と一緒に表示画面27aの上部前方に落下するため、演出役物装置26は図18〜図21に示す非動作状態から図23〜図26に示す動作途中状態へと変化する。この間、両駆動アーム47,48の回転中心(支軸47a,48a)は回転灯ユニット39の移動に伴って下方へ変位し、一方の駆動アーム47のピン47bが係合溝38b内を回動しながら後端側へ移動するため(図25参照)、装飾体41は支軸47a,48aを中心にレンズカバー45の外周面に沿って下向きに回動する。
この状態から第2モータ49をさらに同方向へ回転駆動すると、伝達アーム53が図24の時計回りにさらに揺動回転し、それに伴って回転灯ユニット39が最下方の動作位置(後述する発展位置)まで移動するため、演出役物装置26は図23〜図26に示す動作途中状態から図27〜図30に示す動作状態へと変化する。この間、両駆動アーム47,48の回転中心は回転灯ユニット39の移動に伴って最下位置へと変位し、駆動アーム47のピン47bが係合溝38b内を回動しながら後端側から前端側へ移動するため(図29参照)、装飾体41は支軸47a,48aを中心にレンズカバー45の真下まで回動する。その結果、装飾体41がレンズカバー45の前方から下側へ退去し、装飾体41はレンズカバー45の前面全体を露出させる開放姿勢となる。
また、回転灯ユニット39が動作位置まで移動した後に第2モータ49を上記と逆方向に回転駆動すると、回転灯ユニット39が表示画面27aの前方を上昇して初期位置まで戻り、この間に装飾体41がレンズカバー45の外周面に沿って上向きに回動して隠蔽姿勢に戻るため、回転灯ユニット39と装飾体41は再び図4に示す非動作状態となる。なお、このようにして回転灯ユニット39が初期位置に戻ると、図19に示すように、伝達アーム53の遮光部53cが検知センサ54の光路を遮断する位置に復帰するため、検知センサ54の出力信号に基づいて回転灯ユニット39の原点位置が検出される。したがって、大当たりの期待度や大当たりの種別(通常当たりや確変当たり)等に応じて第1および第2モータ46,49を制御することにより、回転灯ユニット39を初期位置で停止させたまま点灯動作させたり、回転灯ユニット39を点灯動作させたまま初期位置から動作位置へ移動させたりすることが可能となる。
このように、上記した演出役物装置26では、回転灯ユニット39を初期位置と動作位置との間で往復移動させる駆動機構40と、回転灯ユニット39のレンズカバー45の外周面に沿って移動可能に配置された装飾体41とを備え、初期位置にあるレンズカバー45の前面の一部を隠蔽姿勢の装飾体41で覆っておき、駆動機構40を動作させて回転灯ユニット39を初期位置から動作位置へ移動するときに、それに伴って装飾体41を隠蔽姿勢から開放姿勢へ移動してレンズカバー45の前面全体を露出させるようにしたので、光を放射しながら移動する回転灯ユニット39の前面から装飾体41が退去するという極めてインパクトの高い光演出を実現することができる。
また、上記した演出役物装置26では、装飾体41に一対の駆動アーム47,48を設け、これら駆動アーム47,48の支軸47a,48aを回転灯ユニット39のレンズカバー45に揺動可能に軸支すると共に、一方の駆動アーム47の先端側に設けたピン47bをベース部材38に設けた係合溝38bに回動可能かつ前後方向へ移動可能に係合しているので、駆動機構40によって回転灯ユニット39を上下動させると、それに伴って駆動アーム47,48の回転中心が変位して、装飾体41が隠蔽姿勢と開放姿勢との間を回動するようになっているため、わざわざ専用の駆動機構を用いることなく装飾体41を回動することができる。
次に、本実施形態の演出の特徴の一つである落下演出の詳細動作について説明する。図31は演出役物装置26の落下演出の動作パターンを示す図であり、図32は演出役物装置26の落下演出の動作と出力されるパルス数の関係を示す図である。なお、これらの落下演出は、上述したように特図変動パターン決定部130から送られてくる正規コマンドが変動パターンNo.29〜No.31と、No.148〜No.150の場合に実行される(図16参照)。
図31(a)および図32(a)に示すように、演出役物装置26の落下演出の動作が通常パターンの場合、役物制御処理部204は、変動開始からしばらく経過した通常タイミングから告知タイミングまでの間で所定のパルス信号を出力して第2モータ49を駆動し、回転灯ユニット39を初期位置から目的位置まで第1速度で瞬時に落下させる。そして、役物制御処理部204は、この目的位置おいて回転灯ユニット39を一時停止させる。
このとき、演出表示制御部220は、可変表示装置27に演出釦ユニット11の操作を促す表示(タッチボタン押下指示)を行う。遊技者が演出釦ユニット11を押下操作すると、役物制御処理部は、所定のパルス信号を出力して第2モータ49を駆動し、回転灯ユニット39を目的位置から発展位置(最下位置)まで第4速度で落下させる。そして、演出表示制御部220は、可変表示装置27にてストーリー系リーチの発展演出を表示して、遊技者を煽る。また、役物制御処理部204は、第2モータ49を逆転させるようパルス信号を出力し、回転灯ユニット39を発展位置から初期位置に戻すよう制御する。このように、通常パターンでは、遊技の開始からしばらくした通常タイミングから回転灯ユニット39が落下して遊技者にインパクトを与えることができる。
これに対して、特殊パターンは、通常パターンとは異なる動作で回転灯ユニット39が落下する。図31(b)および図32(b)に示すように、演出役物装置26の落下演出の動作が特殊パターンの場合、役物制御処理部204は、変動開始と同時の先行タイミングから通常タイミングまでの間で所定のパルス信号を出力して第2モータ49を駆動し、回転灯ユニット39を初期位置から中途位置まで第2速度でゆっくり落下させる。
より詳細には、役物制御処理部204は、1パルス出力した後、遅延時間T2だけ間隔を空けて1パルス出力するというパルス制御により、回転灯ユニット39を遊技者が気付かないように初期位置から中途位置までゆっくりと落下させる。即ち、特図の変動開始から通常タイミングとなるまでの時間において、回転灯ユニット39を初期位置から中途位置まで移動させるためには遅延時間T2をどの程度にすれば良いかを検討し、遊技者が可変表示装置2の画面に気を取られている間にゆっくり回転灯ユニット39を初期位置から中途位置まで移動させるようにする。
ここで、本実施形態において、第2速度における遅延時間T2は第1速度における遅延時間T1より長くなっている。なお、第3速度における遅延時間T3は、遅延時間T1より長くなっていても、短くなっていても良い。パチンコ機のゲーム性に応じて適宜の時間とすれば良い。ただし、遅延時間T2>遅延時間T3である。
そして、役物制御処理部204は、この中途位置おいて回転灯ユニット39を一時停止させる。このとき、回転灯ユニット39の落下動作に気付かない遊技者にとっては、中途位置が初期位置であるかのように錯覚する。その後、役物制御処理部204は、第2モータ49を駆動して、回転灯ユニット39を中途位置から目的位置まで第3速度で落下させる。回転灯ユニット39が目的位置に到達した告知タイミングで、演出表示制御部220は、可変表示装置27に演出釦ユニット11の操作を促す表示(タッチボタン押下指示)を行う。遊技者が演出釦ユニット11を押下操作すると、役物制御処理部204は、所定のパルス信号を出力して第2モータ49を駆動し、回転灯ユニット39を目的位置から発展位置(最下位置)まで第4速度で落下させる。そして、演出表示制御部220は、可変表示装置27にてストーリー系リーチの発展演出を表示して、遊技者を煽る。また、役物制御処理部204は、第2モータ49を逆転させるようパルス信号を出力し、回転灯ユニット39を発展位置から初期位置に戻すよう制御する。
なお、本実施形態では、遊技者が演出釦ユニット11を押下操作しても、目的位置から発展位置まで回転灯ユニット39が落下する場合としない場合とがあり、そのどちらにするかは、特図変動パターン決定部130から正規コマンドに応じて予め決められている。ただし、本実施形態において、回転灯ユニット39を特殊パターンで落下演出させる場合は、特図抽選の当否が大当たりのときに限られるようにしている。そのため、回転灯ユニット39が遊技中にゆっくり動いたことに気付いた遊技者は、その瞬間に今回の遊技が大当たりであることが分かる。このように、遊技者に気付かれないような回転灯ユニット39の落下演出により、従来にはないインパクトを遊技者に与えることができる。
ここで、通常パターンにおいて初期位置から目的位置まで回転灯ユニット39を落下させるために出力するパルス数と、特殊パターンにおいて初期位置から目的位置まで回転灯ユニット39を落下させるために出力するパルス数とは同じである。即ち、落下距離が同じであるので、出力するパルス数は同じとなっている。しかし、初期位置から目的位置まで回転灯ユニット39が到達する時間が異なるため、特殊パターンでは遅延時間T2を用いて遊技者に気付かれないにゆっくり回転灯ユニット39を移動させている。
なお、第1速度と第2速度と第3速度との関係は、第1速度≧第3速度>第2速度となっている。また、第4速度は第1速度より早くても良いし、同等でも良い。演出のバランスを考慮して適宜定めることが出来る。また、先行タイミングを変動開始と同タイミングとしたが、先行タイミングは変動開始よりやや後に設定されても良い。また、いわゆる疑似連演出と絡めて落下演出を行うようにすれば、遊技者に回転灯ユニット39の初期位置から中途位置までの落下動作をより一層察知され難くすることができる。
次に、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機における遊技の処理の手順について図33〜図35を参照して説明するが、第1始動入賞口30に遊技球が入賞した場合の第1特図に係る遊技処理と第2始動入賞口31に遊技球が入賞した場合の第2特図に係る遊技処理とは基本的に同じであるため、以下では、第1特図に係る遊技処理についてのみ説明する。なお、図33〜図35に示す一連の処理は、周期的(例えば、4ミリ秒毎)に行われている。
図33に示すように、主制御処理部100は、遊技球が第1始動入賞口30に入賞したかを判断し(ステップS1)、入賞した場合には(ステップS1でYes)、第1特図当否判定用乱数取得部112aは特図当否判定用の乱数を取得し、第1特図種類決定用乱数取得部122aは特図種類決定用の乱数を取得し、第1特図変動パターン用乱数取得部132aは特図変動パターン用の乱数を取得する(ステップS2)。一方、ステップS1にてNoの場合、即ち、遊技球が第1始動入賞口30に入賞していない場合には、ステップS7に進む。
ステップS3では、ステップS2で取得された各乱数が記憶される。即ち、第1特図当否抽選部119aは、ステップS2で取得した特図当否判定用乱数を保留球乱数として第1特図用保留球乱数記憶部115aに記憶し、第1特図種類抽選部129aは、特図種類決定用乱数を第1特図種類決定用乱数記憶部124aに記憶し、第1特図変動パターン抽選部130aは、特図変動パターン用乱数を第1特図変動パターン用乱数記憶部133aに記憶する(ステップS3)。そして、主制御処理部100は、第1特図用保留球乱数記憶部115aに保留球乱数が記憶されると、サブ制御処理部200に「保留メモリ増コマンド」を送信する。なお、既に第1特図用保留球乱数記憶部115aに、上限である4個の保留球乱数が記憶されている場合には、遊技球が第1始動入賞口30に入賞した場合(ステップS1でYes)であっても、ステップS3の処理は行われない。
次いで、ステップS4にて、先読みコマンド処理が行われる。具体的には、第1特図変動パターン決定部135aは、現在の遊技状態と、ステップS3で記憶した、特図当否判定用の乱数と、特図種類決定用の乱数と、特図変動パターン用の乱数と、第1特図用保留球乱数記憶部115aおよび第2特図用保留球乱数記憶部115bが記憶している保留球乱数の記憶数の合計とから、特図共通変動パターンテーブル134の中の何れかのテーブルを参照して変動パターンNo.を決定し、この決定に係る変動パターンNo.を第1先読みコマンドとして演出制御処理部201に送信する。
次いで、ステップS5に進んで保留表示パターン決定処理が行われる。このステップS5では、受信した第1先読みコマンドの種類に基づいて、当該先読みコマンドが大当たりであるか否か(大当たりの事前判定)、先読み予告演出を実行するか否か、どのような先読み予告演出を行うか、保留球表示領域に表示する保留球表示の態様などが、先読み演出決定部240によって、抽選により決定される。
次いで、ステップS6に進み、保留球表示制御部230は、ステップS3で受信した「保留メモリ増コマンド」とステップS5で決定された保留球表示の態様とに基づき、保留球表示領域に保留球を表示するように制御する。勿論、保留球の表示タイミングは、遊技球が第1始動入賞口30に入賞したタイミングと殆ど一致している。
次いで、ステップS7にて、主制御処理部100は、第1特図または第2特図が変動中であるかを判断し、変動中でない場合(No)には、次のステップS8に進む。一方、ステップS7でYesの場合、即ち、特図が変動中の場合には、ステップS18に進む。ステップS8では、主制御処理部100によって大当たり遊技中であるかが判断される。大当たり遊技中でない場合(No)には、次のステップS9に進む。一方、ステップS8でYesの場合、即ち、大当たり遊技中である場合には、ステップS22に進む。
ステップS9では、主制御処理部100によって、第1特図用保留球乱数記憶部115aに保留球乱数が1個以上記憶されているか否かが判断される。保留球乱数が1個以上記憶されている場合(Yes)には、次のステップS10に進む。一方、ステップS9にてNoの場合、即ち、第1特図用保留球乱数記憶部115aに保留球乱数を記憶していない場合には、1回の第1特図に係る遊技処理が終了する。
ステップS10では、大当たり判定処理が行われる。第1特図保留球乱数記憶部115aに記憶している保留球乱数のうち最も先に記憶されている保留球乱数(以下、「最先の保留球乱数」と言う。)が今回の大当たり判定処理の対象となるため、第1特図当否判定部113aは、その最先の保留球乱数が大当たりあるいは小当たりであるか否かを判断する。また、大当たり判定処理が行われる毎に、当該判定の対象となった最先の保留球乱数が第1特図保留球乱数記憶部115aから消去される。
次いで、ステップS11にて、特図種類決定処理が行われる。具体的には、ステップS10での大当たり判定処理の結果、大当たりと判定された場合には、第1特図種類決定部123aは、最先の保留球乱数に対応する特図種類決定用乱数に基づいて、その大当たりに対する特図の種類を決定する(図9参照)。このステップS11における決定により、大当たりの種別(本実施形態では全て確変当たりである)、今回の大当たり遊技におけるラウンド数が何回であるか、アタッカー開放パターンがフル開放と高速の何れであるか、および、大当たり遊技終了後の電サポ回数が106回と0回の何れであるかが決定されることになる。一方、ステップS10でハズレと判定された場合には、第1特図の種類がハズレ図柄に決定され、小当たりの場合は第1特図の種類が小当たり図柄に決定される。
そして、主制御処理部100は、大当たりの場合には第1特図種類決定部123aにて決定された特図の種類に係る情報を、ハズレの場合にはハズレ図柄に係る情報を、小当たりの場合は小当たり図柄に係る情報を、それぞれ図柄指定コマンドとしてサブ制御処理部200に送信する。なお、特図種類決定処理が行われる毎に、第1特図種類決定用乱数記憶部124aに記憶されている、最先の保留球乱数に対応する特図種類決定用乱数が消去される。
次いで、ステップS12にて、特図変動パターン決定処理が行われる。この特図変動パターン決定処理では、ステップS10の大当たり判定処理の判定結果と、最先の保留球乱数に対応する特図変動パターン用乱数と、現在の遊技状態(低確モード、潜確モード、確変モード)とに基づき、さらに特図変動パターン用乱数の値次第では第1特図用保留球乱数記憶部115aおよび第2特図用保留球乱数記憶部115bが記憶している保留球乱数の記憶数の合計値とにも基づいて、第1特図変動パターン決定部135aが、通常変動パターンテーブル134aを構成する5つのテーブル134a−1〜134a−5の何れか、あるいは、短縮変動パターンテーブル134bを構成する3つのテーブル134b−1〜134b−3の何れかを参照して第1正規コマンドを決定する。なお、特図変動パターン決定処理が行われる毎に、第1特図変動パターン用乱数記憶部133aに記憶されている、最先の保留球乱数に対応する特図変動パターン用乱数が消去される。
次いで、ステップS13にて、コマンド送信処理が行われる。具体的には、主制御処理部100は、サブ制御処理部200に対して、ステップS13で決定された特図の種類を図柄指定コマンドとして送信すると共に、ステップS14で決定された変動パターンNo.を第1正規コマンド(A0+変動パターンNo.)として送信する。さらに、ステップS15において、主制御処理部100は、サブ制御処理部200に対して、「保留メモリ減コマンド」を送信する。
次いで、ステップS14に進む。このステップS14において、演出態様決定処理が行われる。具体的には、演出態様決定部210が、入力された第1正規コマンドと遊技状態とに基づき、所定の演出テーブル261,262を参照して今回の遊技に用いる演出パターンを決定する。例えば、今回の遊技開始時に第1正規コマンド「A0+No.12」がサブ制御処理部200に送られてきた場合には、演出態様決定部210は、通常演出テーブル261を参照して、今回の演出パターンとして変動時間が60秒の対決系リーチに対応する演出を複数の中から抽選で決定する。また、演出態様決定部210は、ステップS13にて送られてきた図柄指定コマンドに基づいて今回の遊技で表示する演出図柄を決定する。例えば、大当たりの場合には「7−7−7」、ハズレの場合には「7−6−7」、小当たりの場合には「7−★−7」という演出図柄の組合せが決定される。
そして、ステップS15にて、保留数減少表示処理が行われる。即ち、ステップS15にて送られてきた保留メモリ減コマンドに基づいて、保留球表示制御部230が、保留球表示領域に表示されている保留球のうち所定の保留表示を消去するよう制御する。こうして、遊技者に、最先の保留球乱数に基づく第1特図の遊技が開始することを知らせる。
次いで、ステップS16にて、第1特図表示制御部101aが第1特図表示装置70aに第1特図の変動表示を開始させる。このとき、演出表示制御部220は、可変表示装置27に各種演出の表示を開始させる。具体的には、演出表示制御部220は、ステップS14で決定された演出態様(パターン)の表示、演出図柄の変動表示、並びに予告の表示を開始する。また、第1正規コマンドに基づいて演出役物装置26による演出を行うことが決定されている場合には、前述したように、通常パターンか特殊パターンによる演出役物装置26の落下演出が行われる。ステップS16の処理が行われると、遊技者は、実際に遊技が開始したことを視覚的に認識することができる。
次いで、ステップS17において、第1特図の変動開始から所定時間経過したか否かが判断される。勿論、ここでの所定時間とは、ステップS12で決定された第1正規コマンドに対応する変動時間のことである。ステップS17でYesの場合にはステップS18に進むが、ステップS17でNoの場合、即ち、特図の変動時間が経過していない場合には、1回の第1特図に係る遊技処理が終了する。
ステップS18では、第1特図表示制御部101aが第1特図表示装置70aに第1特図を停止表示させる。第1特図表示装置70aに停止表示される図柄は、大当たりの場合には、ステップS11にて決定された第1特図の種類に応じた当たり図柄となるが、ハズレの場合にはハズレ図柄、小当たりの場合は小当たり図柄となる。また、ステップS18において、演出表示制御部220は、第1特図の変動停止と同期するように演出態様の表示を停止すると共に、変動表示中の演出図柄を、ステップS14で決定された演出図柄の組合せとなるよう停止表示する。
次いで、ステップS19にて、停止した第1特図が大当たりの組合せで確定しているか否かが判断される。大当たりの場合(ステップS19でYes)には、ステップS20に進んで、大当たり遊技制御部160が、ステップS11にて決定された第1特図の種類に応じた所定のアタッカー開放パターンでアタッカー装置33を開放して大当たり遊技を開始する。そして、大当たり遊技中において、大入賞口検知センサ33aからの検知信号が主制御処理部100に入力される毎に、主制御処理部100は演出制御処理部201に大入賞口入賞指定コマンドを出力する。なお、ステップS19にてNoの場合、即ち、停止した第1特図がハズレの場合には、ステップS23に進む。
ステップS21では、大当たり遊技制御部160によって、大当たり遊技の終了条件が成立しているか否かが判断される。大当たり遊技の終了条件が成立している場合(ステップS21でYes)にはステップS22に進み、大当たり遊技制御部160が大当たり遊技を終了する。一方、ステップS21にてNoの場合には、1回の第1特図に係る遊技処理が終了する。
ステップS23では、遊技状態設定等処理が行われる。具体的には、遊技状態設定部140が、図11に示す大当たり種別と大当たり遊技後に設定される電サポ回数に従い、次の遊技における特図の遊技状態を特図低確または特図高確に設定すると共に、普図の遊技状態を普図高確または普図低確に設定する処理を行う。そして、遊技状態設定部140は、遊技状態コマンド(低確モードコマンド、潜確モードコマンド、確変モードコマンド)を演出制御処理部201に出力する。こうして、1回の第1特図に係る遊技処理が終了する。なお、1回の遊技処理が終了すると、不要なフラグは消去される。
以上説明したように、本実施形態によれば、回転灯ユニット39の落下演出において、通常パターンと特殊パターンとによる動作のバリエーションが増えるので、遊技性が向上する。また、特殊パターンでは、遊技者が気付かないうちに回転灯ユニット39が中途位置まで落下しているので、回転灯ユニット39がいつのまにか中途位置にあることに気付いた遊技者にとっては大当たりがその時点で確定するので、非常にインパクトのある演出となる。また、回転灯ユニット39をゆっくり落下させるために、遅延時間Tを用いて第2モータ49を制御しているので、制御が簡単となる。
また、回転灯ユニット39が可変表示装置27の前方に移動してきた状態において、可変表示装置27に表示される演出画像は、回転灯ユニット39が落下している旨の表示がなされないため、遊技者は演出画像に注目して回転灯ユニット39の落下に気付かない。そのため、回転灯ユニット39が中途位置まで落下していることに気付いたときのインパクトは非常に大である。
なお、回転灯ユニット39が中途位置から目的位置まで移動した場合には、抽選結果が報知(例えば、図柄停止)される前の予告として、所定の始動条件の成立に基づく抽選結果が当選になることが報知される信頼度を高くすると、遊技者に与える関心を大きくできるので好適である。
また、回転灯ユニット39の落下速度を制御するために、遅延時間により調整する構成としているため、回転灯ユニット39の動作の制御が簡単となる利点がある。また、回転灯ユニット39が目的位置からさらに先の発展位置まで移動した場合には抽選結果が報知される前の予告として、所定の始動条件の成立に基づく抽選結果が当選となることが報知される信頼度をより高くすると、遊技者に与える関心を大きくできるので好適である。
なお、上記実施形態例では、可変表示装置27の表示画面27aの真上に配置した回転灯ユニット39を上下方向に往復移動するようにしているが、回転灯ユニット39の配置場所は表示画面27aの真上に限らず、例えば、表示画面27aの側方に配置した回転灯ユニットを左右方向に往復移動させるようにしても良い。
また、上記実施形態例では、ビキニ水着を模した装飾体41が初期位置でレンズカバー45の前面の一部を覆うようにしているが、装飾体41の形状や大きさはこれに限定されず、例えば、初期位置でレンズカバー45の前面全体を装飾体で覆っておき、回転灯ユニット39が初期位置から動作位置へ移動する間に、この装飾体を回動させてレンズカバー45を露出させるようにしても良い。
また、上記実施形態例では、装飾体41に設けた一対の駆動アーム47,48のうち、一方の駆動アーム47をベース部材38の係合溝38bに係合支持させ、他方の駆動アーム48は係合溝38bに係合させていないが、他方の駆動アーム48についても一方の駆動アーム47と同様の構成にしても良い。
また、上記実施形態例では、レンズカバー45の内部に光源と回転反射板が収納された回転灯ユニット39を発光灯として用いているが、このような回転灯ユニット39の代わりに、レンズカバーの内部に複数のLEDを環状に配列した発光灯を使用し、これらLEDを順次点灯させて回転灯ユニット39に類似した光演出を行うようにしても良い。
また、上記実施形態例では、遊技機としてパチンコ機を例に挙げて説明したが、本発明は、スロットマシン等の他の遊技機に適用することも可能である。