[実施形態の概要]
サービングセルと異なる近隣セルが属する周波数において、無線端末がサイドリンク動作を実行する場合に問題が発生する可能性がある。
一の実施形態に係る無線端末は、サイドリンクUE情報メッセージを基地局に送信する送信部を備える。前記サイドリンクUE情報メッセージは、サイドリンクギャップを要求するために所定期間の情報を含む。前記サイドリンクギャップは、近接セルの周波数において近傍端末を発見するためのディスカバリメッセージを送信又は受信するためのギャップである。前記所定期間の情報は、前記ディスカバリメッセージを送信するための送信期間と、前記ディスカバリメッセージを受信するための受信期間と、が識別可能に構成されている。
前記無線端末は、前記所定期間の情報を前記基地局へ通知するか否かを判定するために用いられる情報を前記基地局から受信する受信部をさらに備えてもよい。
前記受信部は、前記基地局からブロードキャストにより送信された前記情報を受信してもよい。
前記受信部は、前記基地局からユニキャストにより送信された前記情報を受信してもよい。
前記所定期間の情報は、前記周波数と関連付けられていてもよい。
前記所定期間の情報は、前記無線端末のサービングセルのタイミングに対応してもよい。
前記無線端末は、前記サイドリンクギャップを設定するための設定情報を前記基地局から受信する受信部をさらに備えてもよい。前記設定情報は、前記所定期間の情報に基づいてもよい。
一の実施形態に係るプロセッサは、無線端末を制御するプロセッサである。前記プロセッサは、サイドリンクUE情報メッセージを基地局に送信する処理を実行する。前記サイドリンクUE情報メッセージは、サイドリンクギャップを要求するために所定期間の情報を含む。前記サイドリンクギャップは、近接セルの周波数において近傍端末を発見するためのディスカバリメッセージを送信又は受信するためのギャップである。前記所定期間の情報は、前記ディスカバリメッセージを送信するための送信期間と、前記ディスカバリメッセージを受信するための受信期間と、が識別可能に構成されている。
一の実施形態に係る基地局は、サイドリンクUE情報メッセージを無線端末から受信する受信部を備える。前記サイドリンクUE情報メッセージは、サイドリンクギャップを要求するために所定期間の情報を含む。前記サイドリンクギャップは、近接セルの周波数において近傍端末を発見するためのディスカバリメッセージを送信又は受信するためのギャップである。前記所定期間の情報は、前記ディスカバリメッセージを送信するための送信期間と、前記ディスカバリメッセージを受信するための受信期間と、が識別可能に構成される。前記サイドリンクギャップの要求に応じて、前記サイドリンクギャップを前記無線端末へ設定するための設定情報を前記無線端末へ送信する送信部をさらに備える。
一の実施形態に係るプロセッサは、基地局を制御するプロセッサである。サイドリンクUE情報メッセージを無線端末から受信する処理を実行する。前記サイドリンクUE情報メッセージは、サイドリンクギャップを要求するために所定期間の情報を含む。前記サイドリンクギャップは、近接セルの周波数において近傍端末を発見するためのディスカバリメッセージを送信又は受信するためのギャップである。前記所定期間の情報は、前記ディスカバリメッセージを送信するための送信期間と、前記ディスカバリメッセージを受信するための受信期間と、が識別可能に構成される。前記サイドリンクギャップの要求に応じて、前記サイドリンクギャップを前記無線端末へ設定するための設定情報を前記無線端末へ送信する処理をさらに実行する。
なお、本実施形態は、以下の内容も含む。
一の実施形態に係る無線端末は、直接的な端末間インターフェイスが用いられるサイドリンク動作を実行可能である。前記無線端末は、コントローラを備える。前記コントローラは、サービングセルと異なる近隣セルが属する周波数において前記サイドリンク動作を実行するためのサイドリンクギャップを要求するメッセージを前記サービングセルを管理する基地局に送信する処理を実行する。前記メッセージは、前記周波数において前記サイドリンク動作が実行可能である所定期間の情報を含む。前記所定期間の情報は、前記サイドリンク動作による無線信号の送信を実行可能な送信期間と、前記周波数において前記サイドリンク動作による無線信号の受信を実行可能な受信期間と、が識別可能に構成されている。
前記所定期間の情報では、前記所定期間が前記送信期間であるか前記受信期間であるかを示す識別情報によって前記送信期間と前記受信期間とが識別されてもよい。
前記所定期間の情報は、前記送信期間のリスト及び前記受信期間のリストの少なくとも一方により構成されてもよい。
前記所定期間の情報は、前記メッセージを送る前に前記基地局に送信した前回の所定期間の情報から変更された所定期間の情報であってもよい。
前記所定期間の情報は、前記近隣セルにおいて前記サイドリンク動作を実行するための無線リソースが配置されたサブフレームの情報、及び、前記無線リソースが配置されたサブフレームのうち、前記無線端末が前記サイドリンク動作を意図するサブフレームの情報、及び、前記無線リソースが配置されたサブフレームのうち、前記無線端末が前記サイドリンク動作に興味があるサブフレームの情報の少なくともいずれかを含んでもよい。
一の実施形態に係る無線端末は、直接的な端末間インターフェイスが用いられるサイドリンク動作を実行可能である。前記無線端末は、コントローラを備える。前記コントローラは、サービングセルと異なる近接セルが属する周波数において前記サイドリンク動作が実行可能である所定期間の情報を前記無線端末が前記サービングセルを管理する基地局へ通知するか否かを判断するための判定情報を前記基地局から受信する処理と、前記判定情報に基づいて、前記周波数において前記サイドリンク動作を実行するためのサイドリンクギャップを前記基地局に要求するメッセージに前記所定期間の情報を含めるか否かを決定する処理と、を実行する。
前記コントローラは、前記メッセージに前記所定期間の情報を含めないと判断した場合、前記所定期間の情報の代わりに、前記サイドリンク動作を実行可能である周波数の情報を前記メッセージに含める処理を実行してもよい。
前記コントローラは、前記サイドリンク動作が実行可能である複数の周波数が存在する場合、前記複数の周波数毎に、前記複数の周波数のそれぞれに対応する所定期間の情報を、前記メッセージに含めるか否かを決定する処理を実行してもよい。
一の実施形態に係る無線端末は、直接的な端末間インターフェイスが用いられるサイドリンク動作を実行可能である。前記無線端末は、コントローラを備える。前記コントローラは、前記サイドリンク動作を実行するための無線リソースの割り当てを要求する第1メッセージを基地局に送信する処理と、前記基地局が管理するサービングセルと異なる近隣セルが属する周波数において前記サイドリンク動作を実行するためのサイドリンクギャップを要求する第2メッセージを前記基地局に送信する処理と、を実行する。前記コントローラは、前記第1メッセージを送信した場合、前記第2メッセージの送信を省略する処理を実行する。
前記コントローラは、前記第1メッセージに応じて前記無線リソースが前記無線端末に割り当てられた場合に、前記第2メッセージの送信を省略する処理を実行してもよい。
前記コントローラは、前記無線リソースが割り当てられた場合であっても、前記割り当てられた無線リソースが配置された周波数と異なる周波数において前記サイドリンク動作の実行をするために前記第2メッセージを送信する処理を実行してもよい。
前記コントローラは、前記無線リソースの割り当てを要求したにもかかわらず、前記無線リソースの割り当ての代わりに前記サイドリンクギャップが割り当てられた場合、前記サイドリンクギャップの間に前記周波数において前記サイドリンク動作を実行する処理を実行してもよい。
一の実施形態に係る無線端末は、直接的な端末間インターフェイスが用いられるサイドリンク動作を実行可能である。前記無線端末は、コントローラを備える。前記コントローラは、サービングセルと異なる近隣セルが属する周波数においてサイドリンク動作が可能である期間を特定可能な情報を含む近隣セル情報を近隣セルから受信する処理と、前記受信した近隣セル情報が前回受信した近隣セル情報と異なる場合に、前記受信した近隣セル情報の少なくとも一部の情報を前記サービングセルを管理する基地局に送信する処理と、を実行する。
前記コントローラは、前記周波数において前記サイドリンク動作を実行するためのサイドリンクギャップを前記基地局から設定されている場合にのみ、前記少なくとも一部の情報を前記基地局に送信する処理を実行してもよい。
前記受信した近隣セル情報は、セルへのアクセス規制に関する情報を含んでもよい。前記コントローラは、前記セルへのアクセス規制に関する情報が変更されている場合に、前記少なくとも一部の情報を前記基地局に送信する処理を実行してもよい。
前記コントローラは、前記受信した近隣セル情報と前記前回受信した近隣セル情報との送信元のセルが異なる場合に、前記少なくとも一部の情報を前記サービングセルを管理する基地局に送信する処理を実行してもよい。
一の実施形態に係る基地局は、直接的な端末間インターフェイスが用いられるサイドリンク動作を実行可能である。前記基地局は、コントローラを備える。前記コントローラは、前記サイドリンク動作を実行するための無線リソースの割り当てを要求する第1メッセージを前記無線端末から受信した場合に、前記無線リソースを前記無線端末に割り当てる処理と、前記サービングセルと異なる近隣セルが属する周波数において前記サイドリンク動作を実行するためのサイドリンクギャップを要求する第2メッセージを前記無線端末から受信した場合に、前記サイドリンクギャップを前記無線端末に設定する処理と、前記第1メッセージを前記無線端末から受信した場合に、前記無線リソースを割り当てる代わりに、前記サイドリンクギャップを前記無線端末に設定する処理と、を実行する。
前記コントローラは、前記サイドリンクギャップを設定した前記無線端末から新たな第2メッセージを受信した場合、新たなサイドリンクギャップを前記無線端末に設定する処理を実行してもよい。
なお、「サイドリンク動作」は、「直接ディスカバリ(Direct Discovery)」と置き換えてもよいし、「直接通信(Direct Communication)」と置き換えてもよい。
(移動通信システム)
以下において、実施形態に係る移動通信システムであるLTEシステムについて説明する。図1は、LTEシステムの構成を示す図である。
図1に示すように、LTEシステムは、UE(User Equipment)100、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)10、及びEPC(Evolved Packet Core)20を備える。また、セルラネットワークのオペレータにより管理されない外部ネットワークには、Server400が設けられる。
UE100は、無線端末に相当する。UE100は、移動型の通信装置であり、セル(サービングセル)との無線通信を行う。UE100の構成については後述する。
E−UTRAN10は、無線アクセスネットワークに相当する。E−UTRAN10は、eNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は、基地局に相当する。eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。eNB200の構成については後述する。
eNB200は、1又は複数のセルを管理しており、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。eNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータ(以下、単に「データ」という)のルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能等を有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される他に、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用される。
EPC20は、コアネットワークに相当する。EPC20は、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300と、P−GW(Packet Data Network Gateway)350とを含む。MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行う。S−GWは、データの転送制御を行う。MME/S−GW300は、S1インターフェイスを介してeNB200と接続される。E−UTRAN10及びEPC20は、ネットワークを構成する。P−GW350は、外部ネットワークから(及び外部ネットワークに)ユーザデータを中継する制御を行う。
Server400は、例えば、ProSeアプリケーションサーバ(ProSe Application Server)である。この場合、Server400は、ProSeにおいて用いられる識別子を管理する。例えば、Server400は、「EPC ProSe ユーザID」及び「ProSeファンクションID」を記憶する。また、Server400は、「アプリケーションレイヤユーザID」と「EPC ProSe ユーザID」とをマッピングする。
また、Server400は、ProSe機能を有していてもよい。ProSe機能は、ProSeに必要なネットワーク関連動作のために用いられる論理機能である。ProSe機能は、ProSeの特徴毎に異なる役割を果たす。Server400は、ProSe機能のみを有するネットワーク装置であってもよい。
図2は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。図2に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルの第1層乃至第3層に区分されており、第1層は物理(PHY)層である。第2層は、MAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層を含む。第3層は、RRC(Radio Resource Control)層を含む。
物理層は、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理層とeNB200の物理層との間では、物理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。
MAC層は、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理、及びランダムアクセス手順等を行う。UE100のMAC層とeNB200のMAC層との間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。eNB200のMAC層は、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))及びUE100への割当リソースブロックを決定するスケジューラを含む。
RLC層は、MAC層及び物理層の機能を利用してデータを受信側のRLC層に伝送する。UE100のRLC層とeNB200のRLC層との間では、論理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。
PDCP層は、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
RRC層は、制御信号を取り扱う制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRC層とeNB200のRRC層との間では、各種設定のためのメッセージ(RRCメッセージ)が伝送される。RRC層は、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE100はRRCコネクティッド状態(コネクティッド状態)であり、そうでない場合、UE100はRRCアイドル状態(アイドル状態)である。
RRC層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理及びモビリティ管理等を行う。
図3は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムは、下りリンクにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、上りリンクにはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)がそれぞれ適用される。
図3に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成される。各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。各リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。1つのシンボル及び1つのサブキャリアにより1つのリソースエレメント(RE)が構成される。また、UE100に割り当てられる無線リソース(時間・周波数リソース)のうち、周波数リソースはリソースブロックにより特定でき、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により特定できる。
下りリンクにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、主に下りリンク制御信号を伝送するための物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)として使用される領域である。PDCCHの詳細については後述する。また、各サブフレームの残りの部分は、主に下りリンクデータを伝送するための物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)として使用できる領域である。
上りリンクにおいて、各サブフレームにおける周波数方向の両端部は、主に上りリンク制御信号を伝送するための物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)として使用される領域である。各サブフレームにおける残りの部分は、主に上りリンクデータを伝送するための物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)として使用できる領域である。
(近傍サービス)
以下において、近傍サービス(ProSe:Proximity−based Services)について説明する。ProSeにおいて、複数のUE100は、eNB200を介さない直接的な無線リンクを介して各種の信号を送受信する。ProSeにおける直接的な無線リンクは、「サイドリンク(Sidelink)」と称される。
「Sidelink」は、直接ディスカバリ及び直接通信のためのUE−UE間インターフェイスである。「Sidelink」は、PC5インターフェイスに対応する。PC5は、直接ディスカバリ、直接通信及び近傍サービスによるUE・ネットワーク中継のための制御及びユーザプレーンのために用いられる近傍サービスを利用可能なUE間の参照点である。PC5インターフェイスは、ProSeにおけるUE−UE間インターフェイスである。
ProSeのモードとしては、「直接ディスカバリ(Direct Discovery)」及び「直接通信(Direct Communication)」の2つのモードが規定されている。
直接ディスカバリは、特定の宛先を指定しないディスカバリ信号をUE間で直接的に伝送することにより、相手先を探索するモードである。また、直接ディスカバリは、PC5を介してE−UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)における直接無線信号を用いて、UEの近傍における他のUEを発見するための手順である。或いは、直接ディスカバリは、E−UTRA技術で2つのUE100の能力のみを用いて、近傍サービスを実行可能な他のUE100を発見するために近傍サービスを実行可能なUE100によって採用される手順である。直接ディスカバリは、UE100がE−UTRAN(eNB200(セル))によってサービスが提供される場合にのみ、サポートされる。UE100は、セル(eNB200)に接続又はセルに在圏している場合、E−UTRANによってサービスが提供され得る。
ディスカバリ信号(ディスカバリメッセージ)の送信(アナウンスメント)のためのリソース割り当てタイプには、UE100が無線リソースを選択する「タイプ1」と、eNB200が無線リソースを割り当てる「タイプ2(タイプ2B)」と、がある。
「Sidelink Direct Discovery」プロトコルスタックは、物理(PHY)層、MAC層、及びProSeプロトコルを含む。UE(A)の物理層とUE(B)の物理層との間では、物理サイドリンクディスカバリチャネル(PSDCH)と称される物理チャネルを介してディスカバリ信号が伝送される。UE(A)のMAC層とUE(B)のMAC層との間では、サイドリンクディスカバリチャネル(SL−DCH)と称されるトランスポートチャネルを介してディスカバリ信号が伝送される。
直接通信は、特定の宛先(宛先グループ)を指定してデータをUE間で直接的に伝送するモードである。また、直接通信は、いずれのネットワークノードを通過しない経路を介してE−UTRA技術を用いたユーザプレーン伝送による、近傍サービスを実行可能である2以上のUE間の通信である。
直接通信のリソース割り当てタイプには、直接通信の無線リソースをeNB200が指定する「モード1」と、直接通信の無線リソースをUE100が選択する「モード2」と、がある。
直接通信プロトコルスタックは、物理(PHY)層、MAC層、RLC層、及びPDCP層を含む。UE(A)の物理層とUE(B)の物理層との間では、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)を介して制御信号が伝送され、物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)を介してデータが伝送される。また、物理サイドリンクブロードキャストチャネル(PSBCH)を介して同期信号等が伝送されてもよい。UE(A)のMAC層とUE(B)のMAC層との間では、サイドリンク共有チャネル(SL−SCH)と称されるトランスポートチャネルを介してデータが伝送される。UE(A)のRLC層とUE(B)のRLC層との間では、サイドリンクトラフィックチャネル(STCH)と称される論理チャネルを介してデータが伝送される。
(無線端末)
以下において、実施形態に係るUE100(無線端末)について説明する。図4は、UE100のブロック図である。図4に示すように、UE100は、レシーバ(Receiver:受信部)110、トランスミッタ(Transmitter:送信部)120、及びコントローラ(Controller:制御部)130を備える。レシーバ110とトランスミッタ120とは、一体化されたトランシーバ(送受信部)であってもよい。
レシーバ110は、コントローラ130の制御下で各種の受信を行う。レシーバ110は、アンテナを含む。レシーバ110は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換してコントローラ130に出力する。
なお、UE100は、「ProSe−enabled Public Safety UE」である場合、レシーバ110は、異なる2つの周波数における無線信号を同時に受信可能である。例えば、UE100は、2つのレシーバ110(2 RX Chain)を有する。UE100は、一方のレシーバ110によりセルラ用の無線信号を受信でき、他方のレシーバ110によりProSe用の無線信号を受信できる。
トランスミッタ120は、コントローラ130の制御下で各種の送信を行う。トランスミッタ120は、アンテナを含む。トランスミッタ120は、コントローラ130が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
コントローラ130は、UE100における各種の制御を行う。コントローラ130は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に使用される情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行うベースバンドプロセッサと、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサは、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサは、後述する各種の処理及び上述した各種の通信プロトコルを実行する。
UE100は、GNSS受信機を備えていてもよい。GNSS受信機は、UE100の地理的な位置を示す位置情報を得るために、GNSS信号を受信して、受信した信号をコントローラ130に出力する。或いは、UE100は、UE100の位置情報を取得するためのGPS機能を有していてもよい。
なお、以下で説明するUE100が実行する処理(動作)について、UE100が備えるレシーバ110、トランスミッタ120、コントローラ130の少なくともいずれかが実行するが、便宜上、UE100が実行する処理として説明する。
(基地局)
以下において、実施形態に係るeNB200(基地局)について説明する。図5は、eNB200のブロック図である。図5に示すように、eNB200は、レシーバ(受信部)210、トランスミッタ(送信部)220、コントローラ(制御部)230、及びネットワークインターフェイス240を備える。トランスミッタ210とレシーバ220は、一体化されたトランシーバ(送受信部)であってもよい。
レシーバ210は、コントローラ230の制御下で各種の受信を行う。レシーバ210は、アンテナを含む。レシーバ210は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換してコントローラ230に出力する。
トランスミッタ220は、コントローラ230の制御下で各種の送信を行う。トランスミッタ220は、アンテナを含む。トランスミッタ220は、コントローラ230が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
コントローラ230は、eNB200における各種の制御を行う。コントローラ230は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に使用される情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行うベースバンドプロセッサと、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサは、後述する各種の処理及び上述した各種の通信プロトコルを実行する。
ネットワークインターフェイス240は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。ネットワークインターフェイス240は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信等に使用される。
なお、以下で説明するeNB200が実行する処理(動作)について、eNB200が備えるトランスミッタ210、レシーバ220、コントローラ230、ネットワークインターフェイス240の少なくともいずれかが実行するが、便宜上、eNB200が実行する処理として説明する。
[第1実施形態]
次に、第1実施形態に係る動作ついて、図6を用いて説明する。図6は、第1実施形態に係る動作を説明するためのシーケンス図である。
図6において、UE100は、eNB200−1が管理するセル(サービングセル:Serving cell)に在圏している。UE100は、サービングセルにおいて、アイドル状態又はコネクティッド状態である。また、UE100は、eNB200−2が管理するセル(近隣セル)に在圏している。なお、UE100は、セルに在圏している場合、セル(eNB)からの無線信号を受信可能な状態である。
eNB200−1は、第1周波数でサービングセルを運用する。従って、サービングセルは、第1周波数に属する。eNB200−2は、第1周波数(Intra−frequency)でセル(近接セル:Neighbor cell)を運用していてもよいし、第1周波数と異なる第2周波数(Intra−frequency)でセルを運用していてもよい。また、eNB200−1とeNB200−2とは、同一のPLMN(Intra−PLMN)に属していてもよいし、異なるPLMN(Inter−PLMN)に属していてもよい。なお、以下において、eNB200の動作をセルの動作として適宜説明することがある。
図6に示すように、ステップS110において、近隣セルは、近隣セルが属する第2周波数においてサイドリンク動作を実行可能である期間の情報を送信する。期間の情報は、期間を特定可能な情報(以下、リソース設定(Resource configuration))である。例えば、近隣セルは、ブロードキャスト(例えば、SIB(System Information Block)19)によりリソース設定を送信する。近隣セルは、ユニキャスト(個別シグナリング)によりリソース設定を配下のUEに送信してもよい。近隣セルの配下のUEは、リソース設定に基づいて、第2周波数においてサイドリンク動作を実行できる。
リソース設定は、例えば、第2周波数においてサイドリンク動作を実行するためのリソースプールの情報である。リソース設定は、第2周波数と異なる周波数においてサイドリンク動作を実行するためのリソースプールの情報を含んでいてもよい。リソースプールは、サイドリンク動作により無線信号を送信するための無線リソースが配置された領域(送信リソースプール)及びサイドリンク動作により無線信号を受信するための無線リソースが配置された領域(受信リソースプール)の少なくとも一方を含む。また、リソースプールは、直接ディスカバリ用のリソースプール及び直接通信用のリソースプールの少なくとも一方である。
UE100は、サービングセルを変更せずに、リソース設定を近接セルから受信する。例えば、UE100が複数のレシーバ110を備えている場合には、1つのレシーバ110を用いて近隣セルからリソース設定を受信し、他のレシーバ110用いてサービングセルから無線信号を受信できる。UE100は、サービングセルからの無線信号を間欠的に受信するモード(DRX)を実行している場合に、近隣セルからリソース設定を受信してもよい。
ステップS120において、UE100は、サイドリンクギャップを要求するメッセージをサービングセル(eNB200−1)に送信する。UE100は、例えば、サイドリンクUE情報メッセージ(SidelinkUEInformation)よりサイドリンクギャップを要求できる。
サイドリンクギャップは、サービングセルと異なる近接セルが属する周波数(Intra−frequency及び/又はInter−frequency)においてサイドリンク動作を実行するためのギャップ(期間)である。サイドリンクギャップは、サービングセルとの通信(例えば、PDCCHの受信義務)が免除される期間であってもよい。UE100は、サイドリンクギャップの設定をサービングセルから受信した場合に、サイドリンクギャップにおいてサイドリンク動作を行う。なお、サイドリンク動作は、直接的な端末間インターフェイス(PC5)が用いられる動作であり、UE100は、サイドリンク動作として、直接ディスカバリ及び直接通信の一方の動作を行うことができる。
サイドリンクギャップを要求するメッセージは、所定の周波数(Intra−frequency及び/又はInter−frequency)においてサイドリンク動作が実行可能である所定期間の情報を含むことができる。
所定期間の情報は、サイドリンク動作による無線信号の送信(アナウンスメント)を実行可能な送信期間と、サイドリンク動作による無線信号の受信(モニタ)を実行可能な受信期間と、が識別可能に構成されている。例えば、所定期間の情報では、所定期間が送信期間であるか受信期間であるかを示す識別情報(Tx/Rx)によって送信期間と受信期間とが識別される。具体的には、所定期間を示すサブフレームの情報(例えば、サブフレームパターン:Subframe pattern)と、送信を示す識別子(Tx)及び受信を示す識別子(Rx)の一方とが関連付けられている。また、所定期間(例えば、サブフレームパターン)は、周波数(frequecy)と関連付けられていてもよいし、PLMN(PLMN ID)と関連付けられていてもよい。また、所定期間は、セル識別子(Cell ID)と関連付けられていてもよい。
所定期間の情報は、リスト形式であってもよい。例えば、当該リストは、「{pattern, frequency (option), PLMN ID (option), Cell ID (option), Tx/Rx}」のように構成されていてもよい。また、所定期間の情報は、送信期間のリスト(TX subframe list)及び受信期間のリスト(RX subframe list)の少なくとも一方により構成されてもよい。例えば、送信リストは、「{(Tx)pattern, frequency (option), PLMN ID (option), Cell ID (option)}」のように構成され、受信リストは、「{(Rx)pattern, frequency (option), PLMN ID (option), Cell ID (option)}」のように構成されていてもよい。
所定期間は、リソース設定により示される期間(リソースプールの全ての期間又は一部の期間)であってもよい。所定期間は、リソース設定により示される期間のうち、UE100が送信及び/又は受信を意図する期間であってもよいし、UE100が送信及び/又は受信に興味がある期間であってもよい。また、UE100は、サービングセルと近隣セルとの同期が取れていない場合、サービングセルのタイミングに所定期間(サブフレームパターン)を対応させてもよい。
また、所定期間の情報は、S120におけるメッセージを送る前にeNB200−1に送信した前回の所定期間の情報から変更された所定期間の情報であってもよい。すなわち、今回送信予定の所定期間と前回送信された所定期間との差分が所定期間の情報であってもよい。例えば、所定期間の情報は、前回送信したサブフレームパターンから、変更された又は追加された(一部の)サブフレームパターンのリスト(ToAddModList for new/modified patttern)を含んでもよいし、前回送信したサブフレームパターンから、必要ない(一部の)サブフレームパターンのリスト(ToReleaseList for no longer needed pattern)を含んでもよい。UE100は、全てのサブフレームパターンを送らないため、eNB200−1へのシグナリングオーバーヘッドを減少できる。
UE100は、例えば、近隣セルからリソース設定を受信した場合に、サイドリンクギャップを要求するメッセージを送信してもよい。また、UE100は、(近隣セルからリソース設定を受信した場合であって、)サイドリンクギャップが必要である場合に、サイドリンクギャップを要求するメッセージを送信してもよい。すなわち、UE100は、サイドリンク動作(送信及び/又は受信)に興味があったり、サイドリンク動作の意図があったりする場合に、当該メッセージを送信してもよい。従って、所定期間の情報は、近隣セルにおいてサイドリンク動作を実行するための無線リソースが配置されたサブフレームの情報、当該無線リソースが配置されたサブフレームのうち、UE100がサイドリンク動作を意図するサブフレームの情報、及び、当該無線リソースが配置されたサブフレームのうち、UE100がサイドリンク動作に興味があるサブフレームの情報の少なくともいずれかを含む。なお、サブフレームの情報は、サブフレームパターン(のビットマップ)であってもよいし、開始/終了を示すサブフレームの情報であってもよい。サブフレームの情報は、サブフレームパターンの繰り返し回数を示す情報を含んでもよい。サブフレームの情報は、オフセット値の情報を含んでもよい。
また、サイドリンクギャップを要求するメッセージには、サイドリンクギャップの要求を示す識別情報(Gap Request識別子)が含まれていてもよい。eNB200−1は、例えば、UE100から受信したサイドリンクUE情報メッセージがサイドリンクギャップを要求していると判断できる。eNB200−1は、所定の情報がメッセージに含まれている場合に、当該メッセージがサイドリンクギャップを要求していると判断してもよい。なお、eNB200−1は、後述するように、所定期間の情報の代わりに周波数の情報がメッセージに含まれている場合に、当該メッセージがサイドリンクギャップを要求していると判断してもよい。
以上のように、サイドリンクギャップを要求するメッセージに含まれる所定期間の情報(例えば、サブフレームパターン)は、送信用の所定期間の情報と受信用の所定期間の情報とで別々に送信されることが可能である。
ステップS130において、eNB200−1は、所定期間の情報に基づいて、サイドリンクギャップのスケジューリングを実行できる(Sidelink Gap scheduling)。
例えば、eNB200−1は、UE100から知らされたサブフレームパターンをそのままサイドリンクギャップ(サイドリンクギャップパターン)としてスケジューリングすることができる。また、eNB200−1は、UE100から知らされたサブフレームパターンに基づいて、セルラ通信(Uu通信)のQoSを満足できるサブフレームパターンを生成してもよい。eNB200−1は、生成されたサイドリンクギャップとしてスケジューリングすることができる。eNB200−1は、UE100にサイドリンクギャップを設定しなくてもよい。eNB200−1は、UE100にセルラ通信を優先させる動作を期待する。この場合、eNB200−1は、ステップS140の処理を省略する。
ステップ140において、eNB200−1は、スケジューリングしたサイドリンクギャップをUE100に設定する。例えば、eNB200−1は、RRC接続再設定(RRC Connection Reconfiguration)メッセージによりサイドリンクギャップの割当情報(Sidelink Gap allocation)をUE100に送信する。
サイドリンクギャップの割当情報は、例えば、1つのサブフレームパターンからなるサブフレームの情報(Setup for single pattern)を含んでもよいし、上述と同じ構成のサブフレームの情報を含んでもよい。
UE100は、サイドリンクギャップの割当情報に基づいて、サイドリンク動作を実行する。例えば、UE100は、サイドリンクギャップの間に、第2周波数において、直接ディスカバリの送信(又は受信)を実行する。これにより、UE100は、サービングセルを変更せずに、サイドリンク動作を実行することができる。
以上のように、サイドリンクギャップを要求するメッセージは、所定期間の情報を含む。所定期間の情報は、サイドリンク動作による無線信号の送信(アナウンスメント)を実行可能な送信期間と、サイドリンク動作による無線信号の受信(モニタ)を実行可能な受信期間と、が識別可能に構成されている。これにより、eNB200−1は、UE100が希望する動作(送信又は受信)を判断できるため、サイドリンクギャップを適切に設定することができる。
例えば、eNB200−1は、直接ディスカバリの送信のためのサイドリンクギャップと、直接ディスカバリの受信のためのサイドリンクギャップとのバランスを考慮して、サイドリンクギャップを設定することができる。例えば、eNB200−1は、直接ディスカバリの送信のためのサイドリンクギャップの要求が多い場合には、複数のサイドリンクギャップの要求のうち、一部のサイドリンクギャップの要求のみを許可することができる。これにより、近隣セルが属する周波数においてディスカバリメッセージをアナウンスするUEの数を制限できるため、互いの干渉が抑制できる。その結果、ディスカバリメッセージの送信品質及び受信品質(近隣セルでディスカバリメッセージをモニタするUEにおけるディスカバリメッセージの品質)を確保することができる。
また、近隣セルにおける受信リソースプールの期間の一部が、近隣セルにおける送信リソースプールの期間であることが通常である。このため、UE100からサイドリンクギャップの要求を受信したeNB200−1が、受信リソースプールの期間のうち、送信リソースプールの期間と重複しない期間をサイドリンクギャップとしてUE100に設定する可能性がある。当該UE100は、ディスカバリメッセージの受信(モニタ)を意図していた場合には問題ないが、ディスカバリメッセージの送信(アナウンシング)を意図していた場合には、サイドリンクギャップが設定されたとしても、サイドリンクギャップの間にディスカバリメッセージを送信できない。従って、eNB200−1は、UE100が希望するサイドリンク動作(送信/受信)を判断することによって、サイドリンクギャップを適切に設定することができる。
また、近隣セルにおける受信リソースプールの期間の一部が、近隣セルにおける送信リソースプールの期間である場合には、受信のためのサイドリンクギャップよりも送信のためのサイドリンクギャップの方が期間を短く設定できる。この場合、eNB200−1は、サイドリンク動作がセルラ通信に影響を与えないように、サイドリンク動作による送信を意図する(又は送信に興味がある)UE100に対しては、サイドリンク動作による受信を意図する(又は受信に興味がある)UE100よりも、サイドリンクギャップを短めに設定できる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る動作ついて、図7を用いて説明する。図7は、第2実施形態に係る動作を説明するためのシーケンス図である。
第2実施形態では、UE100が所定期間の情報をメッセージに含めるか否かを決定するケースを中心に説明する。なお、第1実施形態と同様の部分は、説明を適宜省略する。
ステップS210において、eNB200−1は、所定期間の情報(例えば、サブフレームパターン)をUE100がeNB200−1へ通知するか否かを判断するための判定情報(例えば、Whether or not subframe pattern needed for each frequecy/PLMN)をUE100へ送信する。eNB200−1は、判定情報をブロードキャスト(例えば、SIB)又はユニキャスト(例えば、RRC再設定メッセージなどの個別シグナリング(dedicated signaling))により、UE100に送信する。
判定情報は、eNB200−1が、近隣セルにおけるリソース設定を知っているか否かを示す情報であってもよい。eNB200−1がリソース設定を知っている場合、UE100は、eNB200−1へ所定期間の情報を通知しないと判断する。eNB200−1がリソース設定を知らない場合、UE100は、eNB200−1へ所定期間の情報を通知すると判断する。なお、eNB200−1は、リソース設定(所定の情報)をUE100から受信することにより、リソース設定を知ってもよいし、近隣eNB200−2からX2インターフェイスを介してリソース設定を取得してもよい。eNB200−1は、上位ノード(例えば、OAM)から近隣セル(eNB200−2)におけるリソース設定を取得してもよい。
また、判定情報は、例えば、所定期間の情報(サブフレームパターン)が必要か否かを示す情報であってもよい。判定情報は、所定期間の情報が、周波数毎に必要であるか否かを示してもよいし、PLMN(Public Land Mobile Network)毎に必要であるか否かを示してもよい。判定情報は、所定の情報がセル識別子(セルID)毎に必要であるか否かを示してもよい。判定情報は、所定期間の情報が、送信及び受信のそれぞれで必要であるか否か、すなわち、送信期間と受信期間とが識別可能である必要があるか否かを示してもよい。
UE100は、判定情報に基づいて、メッセージに所定期間の情報を含めるか否かを決定する。以下において、所定期間の情報が周波数毎に必要であることを判定情報が示していると仮定して説明を進める。
ステップS220において、UE100は、所定の周波数に関して所定期間の情報が必要であるか否かを判断する(Need subrame pattern reporting for this frequency?)。UE100は、所定期間の情報が必要である場合、当該周波数に対応する所定期間の情報をメッセージに含める(ステップS230:「Set subframe pattern for this frequency」)。一方、UE100は、所定期間の情報が必要でない場合、当該周波数の情報(例えば、周波数の識別子(EARFCN)、中心周波数など)をメッセージに含める(ステップS240:「Set only frequency ID for this frequency」)。すなわち、UE100は、所定期間の情報の代わりに、周波数の情報をメッセージに含める。なお、UE100は、サイドリンク動作の意図(又は興味)がない周波数をメッセージに含めなくてもよい。
以上のように、UE100は、所定期間の情報をメッセージに含めるか否かを決定する。
ステップ250において、UE100は、次の周波数に対して、ステップS220の処理を開始する(Next frequency)。UE100は、対象となる全ての周波数に対して、ステップS220の処理を実行する。なお、対象となる周波数は、近隣セルにおいてサイドリンク動作が実行可能である周波数である。例えば、近隣セルからのリソース設定が複数の周波数を含む場合、すなわち、サイドリンク動作が実行可能である複数の周波数が存在する場合、複数の周波数毎に、複数の周波数のそれぞれに対応する所定期間の情報を、メッセージに含めるか否かを決定する。
なお、UE100は、判定情報に基づいて、複数のPLMN毎に、複数のPLMNのそれぞれに対応する所定期間の情報を、メッセージに含めるか否かを決定してもよい。また、UE100は、判定情報に基づいて、送信及び受信のそれぞれに対応する所定期間の情報を、メッセージに含める否かを決定してもよい。また、UE100は、判定情報に基づいて、所定期間の情報を含めるか全く含めないかを決定してもよい。UE100は、所定期間の情報を全く含めない場合、所定期間の情報の代わりに周波数の情報を含めてもよい。
ステップS260において、UE100は、周波数情報(Frequency)及び/又は所定期間の情報(Subframe pattern)を含むメッセージ(例えば、サイドリンクUE情報メッセージ)をeNB200−1に送信する。なお、所定期間の情報は、第1実施形態と同様の情報であってもよい。
eNB200−1は、メッセージを受け取った場合、ステップS130と同様に、サイドリンクギャップのスケジューリングを実行できる。
なお、eNB200−1は、サイドリンクギャップの要求ではなく、近隣セルのリソース設定を通知するためのメッセージである場合には、UE100にサイドリンクギャップを設定しなくてもよい。eNB200−1は、例えば、サイドリンクギャップの要求を示す識別情報がメッセージに含まれない場合には、近隣セルのリソース設定を通知するためのメッセージであると判断する。
また、eNB200−1は、所定期間の情報の代わりに周波数情報を含む場合、UE100がサイドリンク動作の意図(又は興味)がある周波数と判断し、サイドリンクギャップをUE100に設定してもよい。
以上のように、UE100は、判定情報に基づいて、eNB200−1へのメッセージに所定期間の情報を含めるか否かを決定する。これにより、eNB200−1が所定期間の情報を不要である場合には、UE100は、所定期間の情報をeNB200−1に送信せずにすむため、シグナリングオーバーヘッドを減少できる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る動作ついて、図8を用いて説明する。図8は、第3実施形態に係る動作を説明するためのシーケンス図である。
第3実施形態では、UE100がサイドリンクギャップを要求するメッセージの送信を省略するケースを中心に説明する。なお、第1及び第2実施形態のいずれかと同様の部分は、説明を適宜省略する。
ステップS310において、UE100は、サイドリンク動作を実行するための無線リソースの割り当てをeNB200−1に要求する。UE100は、例えば、サイドリンクUE情報メッセージにより直接ディスカバリ用の送信及び受信の少なくとも一方の無線リソース(Discovery resource request)を要求する。UE100は、サイドリンク動作に興味がある(又はサイドリンク動作を意図する)周波数の情報を無線リソースを要求するメッセージに含めてもよい。UE100は、例えば、サービングセルが属する第1周波数と、近隣セルが属する第2周波数と、を示す情報をサイドリンクUE情報メッセージに含めてもよい。
ステップS320において、eNB200−1は、無線リソースの割り当てを要求するメッセージの受信に応じて、無線リソースのスケジューリングを行う(schduling)。eNB200−1は、UE100に無線リソースを割り当てる場合には、ステップS330の処理を実行する。eNB200−1は、UE100に無線リソースを割り当てない場合には、ステップS330の処理を省略する。
また、eNB200−1は、無線リソースの割り当てを要求するメッセージを受信した場合に、無線リソースを割り当てる代わりに、サイドリンクギャップをUE100に設定すると判断してもよい。例えば、eNB200−1は、UE100に無線リソースが割り当てられない場合(例えば、割り当てられる送信リソースの不足)、サイドリンクギャップをUE100に設定すると判断してもよい。また、eNB200−1は、サービングセルにおけるサイドリンク動作を許可しないが、近隣セルにおけるサイドリンク動作を許可する場合に、サイドリンクギャップをUE100に設定すると判断してもよい。例えば、eNB200−1は、UE100がサービングセルが属する第1周波数と近隣セルが属する第2周波数とにおけるサイドリンク動作に興味(又はサイドリンク動作の意図)がある場合に、サイドリンクギャップをUE100に設定すると判断してもよい。また、eNB200−1は、eNB200−1が無線リソースをUE100に割り当てることを許可しないが、UE100が自律的に無線リソースを選択することを許可する場合に、サイドリンクギャップをUE100に設定すると判断してもよい。
ステップS330において、eNB200−1は、サイドリンク動作用の無線リソース又はサイドリンクギャップの情報(Discovery resource or Sidelink Gap allocation)を含むメッセージをUE100に送る。
ステップS340において、UE100は、近隣セルが属する周波数においてサイドリンク動作を実行するためのサイドリンクギャップを要求するためのメッセージ(ギャップ要求メッセージ)を送信するか否かを判断する(Is Discovery resource request transmitted?)。
例えば、UE100は、サイドリンク動作(例えば、直接ディスカバリ)用の無線リソースを要求するメッセージ(リソース要求メッセージ)をeNB200−1に送信したか否かを判断する。UE100は、リソース要求メッセージを送信した場合、ギャップ要求メッセージの送信を省略する。すなわち、UE100は、処理を終了し、ギャップ要求メッセージを送信しない。一方、UE100は、リソース要求メッセージを送信していない場合、ギャップ要求メッセージを送信するために、ステップS350の処理を実行する。
或いは、UE100は、リソース要求メッセージに応じて無線リソースが割り当てられた場合に、ギャップ要求メッセージの送信を省略してもよい。UE100は、リソース要求メッセージに応じて無線リソースが割り当てられていない場合、ギャップ要求メッセージを送信するために、ステップS350の処理を実行してもよい。
或いは、UE100は、個別シグナリングにより個別の無線リソース(Dedicated resource)が割り当てられた場合に、ギャップ要求メッセージの送信を省略してもよい。UE100は、ブロードキャスト(例えば、SIB)により共通の無線リソースが割り当てられた場合に、ギャップ要求メッセージを送信するために、ステップS350の処理を実行してもよい。
或いは、UE100は、サイドリンク動作用の無線リソースが割り当てられた場合であっても、割り当てられた無線リソースが配置された周波数と異なる周波数においてサイドリンク動作を実行する意図(又は興味)がある場合、ギャップ要求メッセージを送信するために、ステップS350の処理を実行してもよい。UE100は、サイドリンク動作を実行する意図(又は興味)がある周波数の情報をギャップ要求メッセージに含めることができる。
ステップS350からS370は、ステップS120からS140と同様の処理である。
ステップS380において、UE100は、サイドリンク動作用の無線リソースを受信した場合、当該無線リソースを用いてサイドリンク動作を実行できる。また、UE100は、サイドリンク動作用の無線リソースを要求したにもかかわらず、無線リソースの割り当ての代わりにサイドリンクギャップが割り当てられた場合、サイドリンクギャップの間にサービングセルと異なる近隣セルが属する周波数においてサイドリンク動作を実行できる。UE100は、eNB200−1がサービングセルにおけるサイドリンク動作を許可していないと判断してもよい。
また、UE100は、無線リソースの割り当ての代わりにサイドリンクギャップが割り当てられた場合、eNB200−1が無線リソースをUE100に割り当てることを許可していないと判断してもよい。この場合、UE100は、サイドリンク動作用の無線リソースを自律的に選択し、選択した無線リソースを用いてサイドリンク動作(Sidelink operation)を実行してもよい。なお、UE100は、eNB200−1から提供される(送信/受信)リソースプールの中から無線リソースを選択できる。
UE100は、サイドリンク動作用の無線リソースを要求したにもかかわらず、サイドリンク動作用の無線リソースが割り当てられず、かつ、サイドリンクギャップも設定されない場合、eNB200−1からの許可を得ていないため、サイドリンク動作の実行を省略する(すなわち、サイドリンク動作を実行しない)。或いは、UE100は、セルラ通信に影響を与えないように、サイドリンク動作(例えば、受信)を実行してもよい。
以上のように、UE100は、リソース要求メッセージを送信した場合、ギャップ要求メッセージの送信を省略する。これにより、シグナリングオーバーヘッドを減少できる。
また、eNB200−1は、リソース要求メッセージをUE100から受信した場合に、無線リソースを割り当てる代わりに、サイドリンクギャップをUE100に設定する。これにより、ギャップ要求メッセージの送信が省略されるため、シグナリングオーバーヘッドを減少できる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る動作ついて、図9を用いて説明する。図9は、第4実施形態に係る動作を説明するためのシーケンス図である。
第4実施形態では、UE100が近隣セルから受信した情報をeNB200−1(サービングセル)に送信するケースを中心に説明する。なお、第1から第3実施形態の少なくともいずれかと同様の部分は、説明を適宜省略する。
ステップS410において、近隣セル(eNB200−2)は、近隣セルが属する周波数においてサイドリンク動作が可能である期間を特定可能な情報(リソース設定:Resource configuration)を含む近隣セル情報を送信できる。eNB200−2は、ブロードキャスト(例えば、SIB(SIB19))により近接セル情報を送信できる。なお、近接セル情報は、セルへのアクセス規制に関する規制情報を含んでもよい。規制情報は、eNB200−2が管理するセルへアクセスが規制されているか、規制が解除されたかを示す情報であってもよい。
eNB200−1は、リソース設定(近隣セル情報)を周期的又は非周期的に送信してもよい。ステップS410は、ステップS110と同様の動作であってもよい。
ステップS420において、UE100は、新たに受信した近接セル情報が前回受信した近接セル情報と異なるか否かを判断する(Change in resource configuration?)。例えば、UE100は、近接セルから受信したリソース設定が変更されているか否かを判断する。UE100は、リソース設定が変更されていない場合、処理を終了できる。すなわち、UE100は、近接セル情報の少なくとも一部の情報をeNB200−1に送信しない。一方、UE100は、リソース設定が変更されている場合、近接セル情報の少なくとも一部の情報をeNB200−1に送信する処理(ステップS430の処理)を実行する。
また、UE100は、ステップS430の処理を実行するか否かを判断するためのタイマに基づいて、ステップS430の処理を実行するか否かを判断してもよい。例えば、UE100は、当該タイマが動作している場合にのみ、ステップS420の判断を行ってもよい。UE100は、当該タイマが満了している場合には、ステップS420の判断を行わずに、ステップS430の処理を常に実行してもよい。また、UE100は、当該タイマが動作している場合には、ステップS420の判断を行わずに、ステップS430の処理を省略してもよい。UE100は、当該タイマが満了している場合には、ステップS420の判断を行ってもよい。
UE100は、近接セル情報を受信した場合に、タイマを起動(開始)してもよい。UE100は、近接セル情報(例えば、サイドリンクギャップを要求するメッセージ)をeNB200−1に報告(送信)した場合に、タイマを起動してもよい。
UE100は、タイマの閾値(開始値又は満了値(終了値))をeNB200−1から受信してもよい。eNB200−1は、共通シグナリング(例えば、SIBなどによるブロードキャスト)により、タイマの閾値をUE100に通知してもよいし、個別シグナリングによりタイマの閾値をUE100に通知(設定)してもよい。
また、UE100は、eNB200−1からサイドリンクギャップが既に設定されている場合に(のみ)、ステップS430の処理を実行してもよい。また、UE100は、規制情報が変更されている場合に、ステップS430の処理を実行してもよい。UE100は、セルへのアクセスが規制された場合、及び、アクセスが規制されていたセルの規制が解除された場合に、ステップS430の処理を実行する。
また、UE100は、今回受信した近接セル情報の送信元のセル(eNB)と前回受信した近接セル情報との送信元のセル(eNB)が異なる場合に(のみ)、ステップS430の処理を実行してもよい。UE100の移動により、近接セル情報の送信元が異なるケースが想定される。UE100は、近接セル情報に含まれる送信元の識別子(例えば、セル識別子、eNB識別子など)が異なる場合に、ステップS430の処理を実行してもよい。
また、UE100は、サイドリンク動作(例えば、送信/受信動作、周波数、送信・受信タイミング(期間)などを含む)に関する興味が変わった場合に、ステップS430の処理を実行する。
ステップS430からステップS450は、ステップS120からS140と同様の動作である。なお、ステップS430において、UE100は、ステップS120と同様に、興味がある情報(例えば、所定期間、周波数など)をeNB200−1に送信してもよい。また、UE100は、近接セル情報(又はリソース設定)の一部である所定期間の情報だけでなく、規制情報もeNB200−1に送信してもよい。UE100は、新たに受信したリソース設定のうち前回の所定期間の情報から変更された情報を、所定期間の情報としてeNB200−1に送信してもよい。また、ステップS440において、eNB200−1は、UE100へのサイドリンクギャップのスケジューリングを実行して、サイドリンクギャップをUE100に設定している場合であっても、サイドリンクギャップのスケジューリングを再度実行してもよい(Sidelink Gap (re−)scheduling)。従って、eNB200−1は、サイドリンクギャップを設定したUE100から新たなサイドリンクギャップを要求するメッセージを受信した場合、新たなサイドリンクギャップをUE100に設定してもよい。eNB200−1は、受信したメッセージに基づいて、設定されたサイドリンクギャップを解除してもよい。
ステップS460において、UE100は、サイドリンクギャップが既に設定されているか否かを判断する(Gap is already configured?)。UE100は、サイドリンクギャップが設定されていない場合、eNB200−1から受信したサイドリンクギャップの設定を実行する(Setup new gap)。一方、UE100は、サイドリンクギャップが既に設定されている場合、サイドリンクギャップの設定を破棄し、新たなサイドリンクギャップの設定を実行できる(Release old Gap Setup new gap)。
以上のように、UE100は、今回受信した近接セル情報(リソース設定)が前回受信した近接セル情報(リソース設定)と異なる場合に、今回受信した近接セル情報の少なくとも一部の情報をeNB200に送信できる。これにより、UE100は、同じ情報を何回も送信する必要がないため、eNB200−1へのシグナリングオーバーヘッドを減少できる。
[その他の実施形態]
上述した各実施形態によって、本出願の内容を説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本出願の内容を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
上述した各実施形態に係る動作は、適宜組み合わせて実行されてもよい。また、上述した各シーケンスにおいて、必ずしも全ての動作が必須の構成ではない。例えば、各シーケンスにおいて、一部の動作のみが実行されてもよい。例えば、UE100は、第4実施形態において、ステップS450からS480の一連の動作のみが実行されてもよい。
上述した各実施形態では特に触れていないが、上述した各ノード(UE100、eNB200など)のいずれかが行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体であってもよい。
或いは、UE100及びeNB200のいずれかが行う各処理を実行するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサ)によって構成されるチップが提供されてもよい。
[付記]
(1)導入
この付記では、サイドリンクギャップの詳細について検討する。
(2)サイドリンクギャップの規定
(2.1.1)
受信機/受信態様
Rel−13のサイドリンクギャップの規定が、Rel−12の合意にできる限り一致するべきであることは当然である。UEは、ディスカバリ受信用のディスカバリプールによって設定されるサブフレーム、及びRF再同調(すなわち、ガード期間)のためにサブフレームに先行及び続行する1つのサブフレームにおいて、下りリンク信号を復号する必要はない。サブフレームは、サイドリンクギャップによって、例えば、ビットマップパターンとして示されるべきである。セルラメジャメントギャップサブフレーム及びページング受信は、サイドリンクギャップより優先されるべきであることことに留意するべきである。
提案1:サイドリンクギャップは、メジャメントギャップ及びページングメッセージを除き、UEが下りリンク信号を読み取る必要がないサブフレームを示すべきである。
Rel−13における規定のエンハンスメントの観点から、同一周波数内測定(intra−frequency measurements)は、考慮されない。既存のメジャメントギャップの要件を考慮して、同一周波数内測定は、異周波数間ディスカバリ受信(inter−frequency discovery reception)より優先されるべきである。換言すれば、サイドリンクギャップは、同一周波数内測定によって中断される場合がある。
提案2:異周波数間ディスカバリ受信は、同一周波数内測定の最低限の性能を遂行するために中断される場合がある。
もし提案1が受け入れられるならば、「RRC_CONNECTED UEに関して、本規則が(UE毎ベースで)適用されるか否かを示すRRCシグナリングを使用して1ビットでシグナルされてもよい」という課題は、「1ビット」の代わりに、サイドリンクギャップの設定によって解決されるであろう。従って、サイドリンクギャップがサービングセルによって設定されない場合、UEは、Rel−12の動作に準拠しなければならない、すなわち、ProSe受信は、Uu受信に影響を与えない(例えば、UEは、IDLE及びCONNECTEDのDRX機会を利用して、ProSeディスカバリ受信を実行するか、又は利用可能な場合、第2のRXチェーンを使用する)。
提案3:サイドリンクギャップがサービングセルによって設定されない場合、UEは、ディスカバリモニタリングに関してRel−12の動作に準拠しなければならない。
サイドリンクギャップの設定方法、並びに他の優先される動作(すなわち、メジャメントギャップ、ページング機会及び同一周波数内測定)とサイドリンクギャップが共存する方法もまた考慮しなければならない。下記の通り、3つの選択肢が検討されると考えられる。
−選択肢1:サービングセルは、異周波数間メジャメントギャップ(inter−frequency measurement gap)と重複しないサイドリンクギャップ部分のみを割り当てる。また、サイドリンクギャップは、ページング機会及び同一周波数内測定と重複すべきでない。この選択肢では、UE動作下で規定されるべき、更なる優先順位付けは不要であるが、NWの複雑性は増大することとなり、例えば、ギャップの設定に関連する複雑性は増大する場合がある。
−選択肢2:異周波数間メジャメントギャップとの重複がある場合、サービングセルは、サイドリンクギャップの割り当てを差し控える。この選択肢では、異周波数間測定の優先順位付けは不要となるが、UEは、ディスカバリ受信を実行するいくつかの機会を失う。また、設定は、より複雑になる。
−選択肢3:サービングセルは、異周波数間メジャメントギャップとサイドリンクギャップとの両方を重複の可能性に関係なく提供する。また、ページング機会及び同一周波数内測定からも独立している。この選択肢では、例えば、簡易なビットマップ/パターンを使用する設定によって、実際のオーバーヘッドを最小化しながら、優先順位付けを規定する必要がある。
選択肢1及び2は、NW実装に左右され、そのメリットは、他の受信機アクティビティとの共存のための、優先順位付けを標準化するための労力を回避できることである。選択肢3では、優先順位付けを規定する必要があるが、シグナリングのオーバーヘッドは削減することができる。実際のネットワークにおける効率性から、選択肢3が、わずかに好ましい。この優先順位付け規則にPHICH受信を含むべきか否かは更なる課題である。
提案4:サイドリンクギャップ、メジャメントギャップ、ページング機会、及び/又は同一周波数内測定機会、の間での重複の可能性を考慮するために、UEに対して新しい優先順位付け規則を規定する必要があるか否かが検討されるべきである。
(2.1.2)送信機/送信態様
ディスカバリ信号は、受信プール内の1つ又は複数の機会において送信される、すなわち、送信機会は、受信プールの一部(subset)である。サイドリンクギャップによって示されるサブフレームにおいて、UEは、PDCCHを復号しないので、上りリンクグラント(UL grant)を受信しない。しかしながら、サイドリンクギャップ内の最初の4つのサブフレームに関しては、サイドリンクギャップに先行する4つのサブフレーム内で上りリンクグラントを受信することができるので、上りリンク送信が依然として可能である。そのため、最初の4つのサブフレーム内では、ディスカバリのアナウンスメントを保護することができない。サイドリンクギャップの最初の4つのサブフレームに関しては、3つの選択肢を検討することができる。
−選択肢1:サービングセルは、ディスカバリリソースの実際の期間の前の4つのサブフレームでサイドリンクギャップを設定する。
−選択肢2:UEは、上りリンクグラントを受信する必要はないが、サイドリンクギャップに先行する4つのサブフレーム内でその他の下りリンク信号を読み取る必要が依然としてある。
−選択肢3:サービングセルが上りリンクグラントを、例えば、サイドリンクギャップに先行する4つのサブフレーム内で送る場合、UEは、サイドリンクギャップ中でさえも上りリンク送信を優先する必要がある。
選択肢1は、簡単なソリューションであるが、サービングセルが下りリンク送信を送る機会を失っていることは受け入れられない場合がある。他方、選択肢2は、標準化の努力を一層払うことで、下りリンク送信が失われている問題を解決することができると考えられる。選択肢3は、上りリンクグラントのために何ら追加ルールを必要としないが、ディスカバリ送信の機会が低減する場合がある。Rel−12の動作は、「UEは、同一周波数内ProSeダイレクトディスカバリアナウンスメント(intra−frequency ProSe Direct Discovery announcement)を、ProSeダイレクトディスカバリリソースプール(ProSe Direct Discovery resource pool)が設定されているサブフレーム内で実行する。ProSeダイレクトディスカバリアナウンスメントは、Uu送信及び/又は受信には影響を与えるべきではない」ことなので、サービングセルが選択肢3の遂行を望む場合、サイドリンクギャップを設定しないということだけを決定できる。「ディスカバリトランスミッタ及び受信のために導入されたギャップは、コネクティッドモードUEに対して、異周波数間のケースと同一周波数内のケースとの両方に適用されるべきである」ことと、「非個別送受信機(non−dedicated transceiver)ケースのために異キャリア間ディスカバリ性能(inter−carrier discovery performance)の向上のために、ギャップが導入されて、ダイレクトディスカバリ送信/受信用RF送信機/受信機チェーンを再使用できる」ことと、を考慮すれば、Rel−12の動作と意味が異なる選択肢2によってサイドリンクギャップを規定することはわずかに好ましい。
提案5:サイドリンクギャップがサービングセルによって設定されない場合、UEは、ディスカバリ送信に関してRel−12の動作に準拠すべきである(すなわち、選択肢3)。
提案6:UEは、サイドリンクギャップに先行する4つのサブフレーム内で上りリンクグラントを受信するべきではない(すなわち、選択肢2:図10参照)。
(3)サイドリンクギャップの設定
サイドリンクギャップが単一のギャップで設定されるのか、又は別々のギャップ(separate gaps)で設定されるのか、依然不明である。別々のギャップでは、タイプ1のディスカバリ若しくはタイプ2Bのディスカバリのいずれか、アナウンシング若しくはモニタリングのいずれか、及び/又は周波数毎若しくはPLMN毎のいずれかで区別することができる。簡素化及びシグナリングオーバーヘッド低減のために、サイドリンクギャップは、提案1と同様に、UEが下りリンク信号を読み取る必要がないサブフレームの単一の「パターン」で規定されるべきである。サイドリンクギャップは、メジャメントギャップに関する既存の仕様、「注:UEは、DCで設定される場合でも、タイミングがMCGセルを基準とした単一ギャップを適用する」と同様である。サイドリンクギャップ設定中は、どの周波数でUEがディスカバリアナウンシング/モニタリング(discovery announcing/monitoring)を実行するかは、UE実装次第である。また、サイドリンクギャップの設定に関しては、ネットワークにある程度の余地があると考えられ、例えば、Uuサービスとディスカバリパフォーマンスとの間でバランスを調整することは、ネットワーク実装次第である。
提案7:サイドリンクギャップは、関連するサブフレームの単一の「パターン」によって明示されるべきである(図11参照)。
(4)サイドリンクギャップ要求
(4.1)要求の内容
「UEは、ディスカバリ受信及び/又は送信のためにギャップを要求することができる。この要求において、UEは、eNBに、UEが送信及び/又は受信のためにギャップを必要とする(サービングセルのタイミングに対応する)サブフレームを通知することができる」ことが合意されており、例えば、非協調PLMNシナリオの下で、サービングセルがこのUEのために適切なサイドリンクギャップを決定することが容易になる。「送信サブフレームに相当するもの(許可された全ての送信サブフレーム、又はUEが送信を意図するサブフレーム)」に関しては更なる課題である。シグナリングオーバーヘッドに関しては、サブフレームがビットマップパターンによって明示されている場合、通知されたサブフレームの規定に関係なく、同一であると考えられる。リソーススケジューリングの責を担うサービングセルを考慮すれば、サブフレーム情報は、許可される全てのサブフレームでなければならない。サービングセルは、例えば、Uu通信のQoSを考慮して、UEにとって適切なギャップパターンを決定することができる。
提案8:サイドリンクギャップ要求において通知されるサブフレームは、許可される全ての送信及び受信サブフレームであるべきであり、従って、更なる課題を終了させるものである。
この意味で、送信及び受信用サブフレームは、要求において、別々に通知されるべきであり、すなわち、送信サブフレーム用の1つのパターンと受信サブフレーム用のもう1つのパターンとで通知されるべきである。
さらに、サブフレームパターンはまた、UEが興味がある周波数毎に分けられるべきである。こうして、各サブフレームパターンは、Tx/Rx、周波数、及び/又はPLMN IDなどの「タグ」に関連付けて通知されるべきである。
提案9:UEは、サービングセルに、送信/受信、周波数、及び/又はPLMN IDと関連付けられたタグを含む別々のサブフレームパターン(separate subframe patterns)を通知すべきである。
しかしながら、UEがかかる別々のサブフレームパターンを周波数毎に通知する場合、過剰なシグナリングオーバーヘッドが引き起こされることとなる。ついては、サービングセルがそれらのサブフレームパターンを必要とする場合に限り、UEに対して、サービングセルにサブフレームパターンを通知することを許可することが好ましい。従って、オーバーヘッドを低減する条件の有無を検討するだけの価値はあると考えられる。
同一PLMN間(intra−PLMN)及び協調された異PLMN間(coordinated inter−PLMN)のシナリオにおいて、サービングセルは、その他の周波数に属する近隣eNBのリソースプールの設定(及び、場合により、SFN(System Frame Number)調整のためのタイミングオフセット)を既に知っていてもよい。この場合、サービングセルが、このUEのためにサイドリンクギャップを決定することができるように、UEは、サイドリンクギャップ要求として、興味のある周波数をサービングセルへ通知するだけである、と考えられるだろう。周波数情報は、現在、公共の安全の用途の場合に限り許可されている現在の合意を再利用できるであろう。従って、商業用途の場合の合意に対する強化がされるべきである。さらに、UEがサイドリンクギャップ要求時にサブフレームパターンを含むにせよ、含まないにせよ、サービングセルは、周波数毎に情報を提供するべきである。
提案10:RRC_CONNECTEDのUEは、商業用途の場合のダイレクトディスカバリが所望されている周波数をeNBに対して示すだけである、eNBが当該周波数のリソース設定の情報を有する場合は。
(4.2)要求のトリガ
「要求がトリガされる場合」も更なる課題である。UEがディスカバリ送信に興味がある場合、UEがディスカバリ送信を開始する方法に関して、以下の通り2つのシナリオがある。
−シナリオ1:UEが、ディスカバリリソースのみを要求し、サイドリンクギャップは要求しない。
異周波数間ディスカバリ送信(inter−frequency discovery transmission)に関して、「ネットワークが信号を送ることができ[…]、そのキャリアに関してサービングセルへリソースを要求することをUEが期待されている」場合、実行される。
同一周波数内ディスカバリ送信(intra−frequency discovery transmission)に関して、Rel−12における規定通りに、スケジューリングされたリソース割り当てが実行される。
−シナリオ2:UEが、ディスカバリリソースを自律的に取得し、サイドリンクギャップも要求する。
異周波数間ディスカバリ送信に関して、「ネットワークが信号を送ることができ[…]、UEがシグナルされたキャリアのSIB19を自律的に読むべきである」場合、実行される。
同一周波数内ディスカバリ送信に関して、Rel−12の規定通りに、UEの自律的なリソースの選択が実行される。
シナリオ1のケースでは、eNBは、UEに割り当てられた送信リソースを知っているので、eNBがこのUEに関するサイドリンクギャップを知っていることは明らかである。サイドリンクギャップが明示的に設定されるか、又は非明示的に設定されるか、すなわち、リソース割り当てと一緒にサイドリンクギャップを設定するか否かは依然として不明であるが、UEが個別の送信リソース(dedicated transmission resources)を要求する場合、UEはサイドリンクギャップ要求を送る必要がない。
提案11:UEが個別の送信リソース(dedicated transmission resources)をサービングセルに対して要求する場合、サイドリンクギャップ要求がトリガされるべきではない。
シナリオ2のケースでは、UEが自律的に送信リソースを取得するため、eNBは、UEがサイドリンクギャップを必要としているかどうか知らない。そのため、UEは、サイドリンクギャップを要求することが許可されるべきである。
提案12:UEがSIB19から送信リソースを自律的に取得する場合、UEは、必要な場合、サイドリンクギャップを要求することが許可されるべきである。
例えば、UEがサイドリンクギャップにもはや興味が無いか、又はサイドリンクギャップを必要としていない場合は、Uuスケジューリングの機会を最大化するために、サイドリンクギャップの設定を解除すべきであることが提案された。また、ある条件の変更、例えば、他の周波数のSIB19においてリソース設定が変更されたり、UEが異PLMN間ディスカバリに興味はないが、同一PLMN内ディスカバリにはまだ興味があったり、又はアクセス制限状況が変更されたりすることにより、UEは、既に設定されたサイドリンクギャップを再設定する必要を通知するであろう。そのため、UEは、条件が変更された場合にも、サービングセルに通知すべきである。
提案13:サイドリンクギャップの設定を解除する又は再設定するために、UEは、例えば、UEの興味、送信リソース設定、及び/又は他のキャリアに対するアクセス制限状況の変更に関する情報をサービングセルに通知しなければならない。
上述した実施形態では、移動通信システムの一例としてLTEシステムを説明したが、LTEシステムに限定されるものではなく、LTEシステム以外のシステムに本出願に係る内容を適用してもよい。
なお、米国仮出願第62/222902号(2015年9月24日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。