JP6448564B2 - データ処理装置、データ処理方法及びデータ処理プログラム - Google Patents
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Description
本発明は、簡単な構成でリアルタイム化を実現することができるデータ処理装置を提供することを目的とする。
前記複数のセンサデータが前記移動体情報の算出に用いられる情報に処理された複数のセンサ情報であって、前記複数のセンサデータの各センサデータの処理が完了した処理完了時刻が各センサ情報に付与された複数のセンサ情報を記憶する記憶部と、
前記複数のセンサ情報のうち、最新の処理完了時刻と現在時刻との差が最も大きいセンサ情報の処理完了時刻に基づいて、前記移動体情報を算出する対象の時刻であるターゲット時刻を設定する時刻設定部と、
前記ターゲット時刻の以前で、かつ、前記ターゲット時刻に最も近い処理完了時刻が付与された前記複数のセンサ情報の各センサ情報を用いて、前記移動体情報を算出する算出部とを備えた。
***構成の説明***
図1を用いて、本実施の形態に係るデータ処理装置100の構成について説明する。
本実施の形態において、データ処理装置100は、コンピュータである。データ処理装置100は、プロセッサ910、記憶装置920、入力インタフェース930、出力インタフェース940といったハードウェアを備える。記憶装置920は、メモリ921と補助記憶装置922とを含む。
プロセッサ910は、プロセッシングを行うIC(Integrated・Circuit)である。プロセッサ910は、CPU(Central・Processing・Unit)である。
なお、図1において、各部と記憶部150とを結ぶ矢印は、各部が処理の結果を記憶部150に記憶すること、あるいは、各部が記憶部150から情報を読み出すことを表している。また、各部を結ぶ矢印は、制御あるいはデータの流れを表している。
なお、データ処理プログラムプロダクトと称されるものは、「部」として説明している機能を実現するプログラムが記録された記憶媒体及び記憶装置であり、見た目の形式に関わらず、コンピュータ読み取り可能なプログラムをロードしているものである。
図2は、本実施の形態に係るデータ処理装置100のデータ処理方法510及びデータ処理プログラム520のデータ処理S100を示すフロー図である。
データ処理装置100は、移動体に搭載された複数のセンサ200により取得された複数のセンサデータ310に基づいて、移動体の状態を移動体情報131として算出する。
移動体の状態を表す移動体情報131とは、具体的には、移動体の位置及び姿勢である。移動体情報131を算出するとは移動体の位置及び姿勢を標定することであり、データ処理装置100は移動体の位置及び姿勢を標定する位置姿勢標定装置ともいう。また、データ処理方法510を位置姿勢標定方法、データ処理プログラム520を位置姿勢標定プログラムともいう。
ここで、複数のセンサデータ310とは複数のセンサ200の各々により取得されるセンサデータである。具体的には、自律センサ201により取得される自律センサデータ311、補強センサA202により取得される補強センサデータA312、補強センサB203により取得される補強センサデータB313である。
また、複数のセンサ情報320とは、複数のセンサデータ310の各々が、各センサデータに対応するセンサデータ処理部140により、移動体情報131の算出に用いられる情報に処理されたものである。具体的には、自律センサデータ処理部141により利用可能に処理された自律センサ情報11、補強センサデータA処理部142により利用可能に処理された補強センサA情報12、補強センサデータB処理部143により利用可能に処理された補強センサB情報13である。
時刻設定処理S120については後で詳しく説明する。
算出処理S130については後で詳しく説明する。
図3は、本実施の形態に係る時刻設定処理S120を示すフロー図である。
図4は、本実施の形態に係る時刻設定処理S120を示す模式図である。
図3及び図4を用いて、本実施の形態に係る時刻設定処理S120について説明する。
図4に示すように、センサ情報のリアルタイム性は、自律センサ情報11、補強センサB情報13、補強センサA情報12の順に悪くなる。
ステップS131において、算出部130は、ターゲット時刻Ttの以前の処理完了時刻が付与され、かつ、使用されずにバッファリングされている複数のセンサ情報320の各センサ情報を用いて、移動体情報131を算出する。処理完了時刻がターゲット時刻Ttと等しい場合は、その処理完了時刻のセンサ情報を用いてもよい。
なお、図4では、ターゲット時刻Ttの以前の処理完了時刻が付与され、かつ、使用されずにバッファリングされているセンサ情報は、ターゲット時刻Ttの以前で、かつ、ターゲット時刻Ttに最も近い処理完了時刻が付与されたセンサ情報のみである場合を示している。
図4に示すように、自律センサ情報11において、ターゲット時刻Tt以前で、かつ、ターゲット時刻Ttに最も近い処理完了時刻はT1bである。また、補強センサA情報12において、ターゲット時刻Tt以前で、かつ、ターゲット時刻Ttに最も近い処理完了時刻はT2b、すなわちT2である。また、補強センサB情報13において、ターゲット時刻Tt以前で、かつ、ターゲット時刻Ttに最も近い処理完了時刻はT3bである。
算出部130は、出力インタフェース940を介して移動体情報131を出力する。
本実施の形態では、データ処理装置100は、入力インタフェース930を介して複数のセンサデータ310を取得し、出力インタフェース940をして移動体情報131を出力する構成であった。しかし、データ処理装置100が通信装置を備え、通信装置を介して複数のセンサデータ310を受信してもよい。また、データ処理装置100は、通信装置を介して移動体情報131を送信してもよい。この場合、通信装置はレシーバとトランスミッタとを備える。具体的には、通信装置は通信チップまたはNIC(Network・Interface・Card)である。通信装置はデータを通信する通信部として機能する。レシーバはデータを受信する受信部として機能し、トランスミッタはデータを送信する送信部として機能する。
図6を用いて、本実施の形態の変形例に係るデータ処理装置100の構成について説明する。
図6に示すように、データ処理装置100は、処理回路909、入力インタフェース930、出力インタフェース940といったハードウェアを備える。
センサデータのリアルタイム性、すなわちセンシングしてからこのセンサデータが位置姿勢標定装置であるデータ処理装置で利用可能となるまでの遅れ時間の少なさは、各センサによるデータ処理時間や通信等による伝送時間により、センサ毎にまちまちである。
これらリアルタイム性の異なるセンサデータを複合利用してリアルタイム演算処理を行うためには、プログラムの実装において、時刻が前後して利用可能となる各センサデータに対応するため、処理する時刻を前に遡らせたり逆に先に進めたりするなど、適切にハンドリングすることが必要となり、処理が複雑化する。
本実施の形態に係るデータ処理装置によれば、利用可能となったセンサ情報を一度バッファリングし、処理した後にその時刻より古いタイムタグのセンサ情報が利用可能となることのない、可能な限りリアルタイムに近い時刻をデータ処理のターゲット時刻として設定し、処理を実施する。このようにすることで、データ処理の後に、その時刻より古いタイムタグを持ったセンサ情報が利用可能となることがなく、時刻を遡った処理やその分先に進める(もどす)といった煩雑な処理は発生しない。
よって、本実施の形態に係るデータ処理装置によれば、処理が複雑化することを避けることができ、かつ、リアルタイム性が高く精度のよい移動体情報、すなわち位置姿勢標定結果を得ることができる。
***構成の説明***
本実施の形態では、主に、実施の形態1との差異について説明する。
図7は、本実施の形態に係るデータ処理装置100aの構成を示す図である。
実施の形態1では、最もリアルタイム性の低いセンサ情報が利用可能となるのを待って、データ処理を実施するので、待つ分だけ処理結果である移動体情報131のタイムタグのリアルタイム性が損なわれてしまう。カーナビのような地図上での自己位置の表示といった、あまりリアルタイム性が必要とされない用途であれば、これで十分であるが、車両の運転制御のフィードバックとして使用する場合は、リアルタイム性を確保する必要がある。
本実施の形態では、リアルタイム性の遅いセンサ情報が利用可能となることを待って処理することによる遅れを補間することができるデータ処理装置100aについて説明する。データ処理装置100aは、リアルタイム性の高い自律センサ情報11を用いて、自律航法によりリアルタイム直前まで処理する。
データ処理装置100aにおいて、実施の形態1で説明した構成と同様の構成についてはその説明を省略する。
図8は、本実施の形態に係るデータ処理装置100aによるデータ処理S100aを示すフロー図である。
図8に示すように、データ処理S100aは、実施の形態1で説明したデータ処理S100に加えて、補間処理S140を備える。
補間処理S140において、補間部160は、最新の処理完了時刻と現在時刻との差が最も小さいセンサ情報である自律センサ情報11を用いて、ターゲット時刻Ttより後の移動体情報131を自律航法により算出する。
図10は、本実施の形態に係る補間処理S140を示す模式図である。
ステップS141において、補間部160は、ターゲット時刻Ttから後の移動体情報131を、自律センサ情報11を用いて自律航法により算出する。
図10に示すように、自律センサ情報11はターゲット時刻Ttから後の時刻Tsまでしか利用可能となっていない。そこで、図10の実線の曲線矢印に示すように、ターゲット時刻Ttから時刻Tsまで、移動体情報131を自律航法で算出する。このように、ターゲット時刻Ttから後の移動体情報131を自律航法により算出する場合でも、自律センサデータが利用可能となった時刻Tsまでしか算出できない可能性がある。
その場合、補間部160は、移動体情報131の自律航法による算出が完了した時刻Tsから現在時刻Trまでの移動体情報131を外挿法により算出する。
現在時刻Trまで算出されていないと判定した場合、ステップS143に進む。
本実施の形態に係るデータ処理装置100aでは、リアルタイム性の遅い補強センサデータが利用可能となることを待って処理することにより発生した遅れを、リアルタイム性の高い自律センサデータを用いて、自律航法によりリアルタイム直前まで処理する。さらに、自律センサデータもまだ利用可能ではないリアルタイム、すなわちデータ出力時刻のデータ処理については外挿計算を実施することで補う。よって、本実施の形態に係るデータ処理装置100aでは、処理結果である移動体情報のリアルタイム性をより高めることができる。
***構成の説明***
本実施の形態では、主に、実施の形態1,2との差異について説明する。
図11は、本実施の形態に係るデータ処理装置100bの構成を示す図である。
実施の形態1,2では、補強センサを追加する場合、その都度、追加する補強センサに応じたセンサデータ処理部を付け加える改修をする必要がある。この場合、GPSを使用できない地下において、磁気マーカーのような補強センサを使用するといった補強センサの最適選択をすることが難しい。また、新たに使用可能となった補強センサが出るたびに、対応するセンサデータ処理部を追加するためのプログラム改修が発生する。
本実施の形態では、補強センサからデータ処理装置への入力データの標準化を行い、プログラムの改修なしで簡単に新たな補強センサを追加することができる構成を有するデータ処理装置100bについて説明する。
データ処理装置100bにおいて、実施の形態1,2で説明した構成と同様の構成についてはその説明を省略する。
すなわち、実施の形態2で説明した「部」の機能には、自律センサデータ処理部141、補強センサデータA処理部142、補強センサデータB処理部143に替わり、標準処理部146の機能が加わる。その他の構成については、実施の形態2と同様である。
本実施の形態では、複数のセンサ200の各センサは、移動体情報131の算出に用いられるフォーマット情報300を含むセンサデータを出力するものとする。すなわち、自律センサデータ311b、補強センサデータA312b、補強センサデータB313bには、各々フォーマット情報300が含まれる。
上述したように、追加が想定される補強センサには、インフラを必要とするものも少なくなく、今後新たな補強センサのシステムが構築されることも考えられる。そこで、フォーマット情報300は、データ処理装置100bが補強センサデータを使用するうえで必要となる情報がすべて含まれるように、補強センサからデータ処理装置100bに入力されるデータを標準化したものである。
必要となる情報の一例は、時刻、観測データ、観測誤差、観測方程式、観測物パラメータである。時刻は観測データをセンシングした時刻、観測データはセンシングデータである。また、観測誤差はセンシングデータの誤差分散である。観測方程式はデータ処理装置、すなわち位置姿勢認識装置の状態量と観測データとの関係式である。観測物パラメータは、データ処理装置が観測値を予測するのに必要となる、被センシング物のパラメータである。観測物パラメータの具体例としては、被センシング物の位置情報等がある。
その他の処理は、実施の形態1,2で説明したものと同様である。
位置姿勢標定装置であるデータ処理装置は、慣性装置のような自律センサデータによる自律航法をベースとしているため、これだけではセンサ誤差により精度が劣化する。そこで、位置姿勢の絶対的な観測情報を持つ補強センサのデータを使用することで、劣化した精度を補正する必要がある。上述の通り、補強センサデータのリアルタイム性はセンサ毎まちまちであるが、本実施の形態に係るデータ処理装置によれば、補強センサを増やしても処理が煩雑となることがないため、多くの補強センサを複合利用することで、位置姿勢標定装置の処理のロバスト性を向上することができる。
本実施の形態に係るデータ処理装置は、入力された補強センサデータを時刻順に並べ替えた後にバッファリングする。そして、データ処理装置は、ターゲット時刻前後に補強センサデータがある場合、同じくバッファリングされている観測方程式やパラメータをコールして、自律航法を観測更新して精度維持ができるようにする。これにより、用途や使用場所に応じた複数補強センサを選択することができると共に、データ処理装置に接続するだけで、ロバスト性の高い移動体情報、すなわち位置姿勢標定結果を容易に得ることが可能となる。また、通常は後処理にて開発・評価を実施する位置姿勢標定プログラムを、インタフェースを変更するだけで簡単にリアルタイム処理化することが可能であり、リアルタイム実装後の確認も後処理との比較により容易に確認することができる。
また、データ処理装置は、1つの装置でなく、複数の装置から構成されたシステムでもよい。
なお、上記の実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物及び用途の範囲を制限することを意図するものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
Claims (6)
- 移動体に搭載された複数のセンサにより取得された複数のセンサデータに基づいて、前記移動体の状態を移動体情報として算出するデータ処理装置において、
前記複数のセンサデータが前記移動体情報の算出に用いられる情報に処理された複数のセンサ情報であって、前記複数のセンサデータの各センサデータの処理が完了した処理完了時刻が各センサ情報に付与された複数のセンサ情報を記憶する記憶部と、
前記複数のセンサ情報のうち、最新の処理完了時刻と現在時刻との差が最も大きいセンサ情報の処理完了時刻に基づいて、前記移動体情報を算出する対象の時刻であるターゲット時刻を設定する時刻設定部と、
前記ターゲット時刻の以前で、かつ、前記ターゲット時刻に最も近い処理完了時刻が付与された前記複数のセンサ情報の各センサ情報を用いて、前記移動体情報を算出する算出部と
を備えたデータ処理装置。 - 前記データ処理装置は、さらに、
最新の処理完了時刻と現在時刻との差が最も小さいセンサ情報である自律センサ情報を用いて、前記ターゲット時刻より後の前記移動体情報を算出する補間部を備えた請求項1に記載のデータ処理装置。 - 前記補間部は、
前記移動体情報の算出が完了した時刻から現在時刻までの前記移動体情報を外挿法により算出する請求項2に記載のデータ処理装置。 - 前記データ処理装置は、さらに、
前記移動体情報の算出に用いられるフォーマット情報を各センサデータが含む前記複数のセンサデータを取得し、前記複数のセンサデータの各センサデータに含まれる前記フォーマット情報を各センサ情報として前記複数のセンサ情報を前記記憶部に記憶させる標準処理部を備えた請求項1から3のいずれか1項に記載のデータ処理装置。 - 移動体に搭載された複数のセンサにより取得された複数のセンサデータに基づいて、前記移動体の状態を移動体情報として算出するデータ処理装置のデータ処理方法において、
記憶部が、前記複数のセンサデータが前記移動体情報の算出に用いられる情報に処理された複数のセンサ情報であって、前記複数のセンサデータの各センサデータの処理が完了した処理完了時刻が各センサ情報に付与された複数のセンサ情報を記憶し、
時刻設定部が、前記複数のセンサ情報のうち、最新の処理完了時刻と現在時刻との差が最も大きいセンサ情報の処理完了時刻に基づいて、前記移動体情報を算出する対象の時刻であるターゲット時刻を設定し、
算出部が、前記ターゲット時刻の直前の処理完了時刻が付与された前記複数のセンサ情報の各センサ情報を用いて、前記移動体情報を算出するデータ処理方法。 - 移動体に搭載された複数のセンサにより取得された複数のセンサデータに基づいて、前記移動体の状態を移動体情報として算出するデータ処理装置のデータ処理プログラムにおいて、
前記複数のセンサデータが前記移動体情報の算出に用いられる情報に処理された複数のセンサ情報であって、前記複数のセンサデータの各センサデータの処理が完了した処理完了時刻が各センサ情報に付与された複数のセンサ情報を記憶する記憶処理と、
前記複数のセンサ情報のうち、最新の処理完了時刻と現在時刻との差が最も大きいセンサ情報の処理完了時刻に基づいて、前記移動体情報を算出する対象の時刻であるターゲット時刻を設定する時刻設定処理と、
前記ターゲット時刻の直前の処理完了時刻が付与された前記複数のセンサ情報の各センサ情報を用いて、前記移動体情報を算出する算出処理とをコンピュータに実行させるデータ処理プログラム。
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