JP6448458B2 - 回転状態算出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、対象物体の回転状態に関する情報を算出する回転状態算出装置に関するものである。
近年、腕時計型ウェアラブル端末等の小型端末の登場により、新しいユーザインタフェース技術が求められている。このような小型端末の画面の大きさには制約があるため、従来のスマートフォン、タブレット端末等の端末機器に比べると操作性が低い。これを解決するための1つの方法として、端末を振るなどの動作により端末を操作できる直観的なユーザインタフェースが提案されている。しかし、従来から提案されているユーザインタフェースでは主に加速度センサが用いられている。この場合、加速度センサによって検知できるのは、並進運動と回転運動に大別される物理運動の中で、基本的には並進運動のみである。
一方で、より直観的なユーザインタフェースとして、回転運動を検出可能なインターフェースの必要性が高まっている。例えば、下記特許文献1に記載の電子機器では、角速度センサを用いたユーザインタフェースも検討されている。
特開2012−230593号公報
しかしながら、従来は、回転運動を検出可能なユーザインタフェースを実現するには、多数の加速度センサを具備する必要があり、センサの構成が複雑化する傾向にあった。また、上記特許文献1に記載の装置では、所定軸周りの単純な回転運動しか検出できないため、操作の柔軟性が低い傾向にある。
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、センサ構成を複雑化させることなく対象物体の回転状態を回転面に関わらず柔軟に判断することが可能な回転状態算出装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一形態に係る回転状態算出装置は、対象物体に取り付けられた3軸角速度センサから、複数の3軸周りの3軸角速度データを時間的に連続して取得するデータ取得手段と、複数の3軸角速度データを基に、複数の3軸周りの3軸角度データを時間的に連続して算出する角度算出手段と、複数の3軸角度データを基に対象物体の規定点の位置を表す複数の位置ベクトルを時間的に連続して算出し、複数の位置ベクトルを用いた外積計算を実行することにより、対象物体の回転面の法線ベクトルの候補である法線ベクトル候補を複数算出する候補ベクトル算出手段と、複数の法線ベクトル候補を対象にして分析処理を実行することにより、複数の法線ベクトル候補のうちの代表である代表法線ベクトルを算出するとともに、複数の法線ベクトル候補の代表法線ベクトルを基準としたばらつき度合いを算出し、ばらつき度合いを基に対象物体の回転状態に関する情報を生成する代表ベクトル算出手段と、を備える。
このような回転状態算出装置によれば、対象物体に取り付けられた3軸角速度センサから時間的に連続して取得された複数の3軸角速度データを基に、対象物体の規定点に関する複数の位置ベクトルが得られ、それらの複数の位置ベクトルから外積計算により回転面の法線ベクトル候補が複数算出される。さらに、複数の法線ベクトル候補を対象に分析処理を実行することにより、代表法線ベクトルが得られるとともに、その代表法線ベクトルを基準とした複数の法線ベクトル候補のばらつき度合いを基に対象物体の回転状態に関する情報が生成される。これにより、対象物体におけるセンサ構成を複雑化させることなく、任意の回転面における対象物体の回転状態を判断した情報を得ることができる。その結果、対象物体の回転状態を回転面に関わらず柔軟に判断することができる。
候補ベクトル算出手段は、複数の位置ベクトル同士の差を求めることにより差分ベクトルを算出し、複数の位置ベクトルのうちの1つと差分ベクトルとの外積をとることにより法線ベクトル候補を算出することが好ましい。こうすれば、対象物体の回転面の法線ベクトルの候補を簡易な計算により効率的に抽出することができる。
また、代表ベクトル算出手段は、複数の法線ベクトル候補を対象に主成分分析を行うことにより代表法線ベクトルを算出する、ことも好ましい。かかる構成を採れば、法線ベクトル候補から代表法線ベクトルの算出を、計算コストの少ない演算により実現できる。
さらに、代表ベクトル算出手段は、複数の法線ベクトル候補の分散共分散行列の固有値及び固有ベクトルを算出し、最小の固有値を有する固有ベクトルを代表法線ベクトルとして決定する、ことも好ましい。この場合、代表法線ベクトルの算出とそれを基準とした法線ベクトル候補のばらつき度の算出とを的確に実行することができる。
またさらに、代表ベクトル算出手段は、主成分分析によって算出された複数の固有ベクトルに対応する複数の固有値を基に、ばらつき度合いを算出する、ことも好ましい。こうすれば、対象物体の回転状態を判断した情報を定量的に表した回転状態の情報として効率的に算出することができる。
本発明によれば、センサ構成を複雑化させることなく対象物体の回転状態を回転面に関わらず柔軟に判断することができる。
本発明の好適な一実施形態にかかる回転状態算出装置の概略構成図である。 図1の回転状態算出装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 図1の法線ベクトル候補算出部23による法線ベクトル候補の算出方法を示す概念図である。 図1の法線ベクトル算出部24による代表法線ベクトルの算出イメージを示す概念図である。 図1の回転状態算出装置1の回転状態の算出処理の動作手順を示すフローチャートである。 図1の回転状態算出装置1による回転状態度CFRの算出対象の位置ベクトルpの軌跡及び代表法線ベクトルNの三次元空間内の位置を示す図である。 図1の回転状態算出装置1によって算出された回転状態度CFRの時間変化を示すグラフである。 本発明の変形例を示す回転状態算出サーバ1Aの概略構成図である。 本発明の変形例によって算出された代表法線ベクトルNの3次元空間内の位置を示す図である。
以下、図面とともに本発明による回転状態算出装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の好適な一実施形態にかかる回転状態算出装置1の概略構成図である。図1に示す回転状態算出装置1は、腕時計型ウェアラブル端末、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話端末等に代表される携帯型端末装置であり、回転状態の算出対象の対象物体でもある。
図2は、回転状態算出装置1として動作する携帯型端末装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。同図に示すように、携帯型端末装置2は、物理的には、CPU201、主記憶装置であるRAM202及びROM203、入力キー、タッチセンサ等の入力デバイスである入力装置204、タッチパネルディスプレイ等の出力装置205、データ送受信デバイスである移動体通信モジュール206及び近距離通信モジュール207、半導体メモリ等の補助記憶装置208、などを含むコンピュータシステム(情報処理プロセッサ)として構成されている。図1における回転状態算出装置1の各機能は、図2に示されるCPU201、RAM202等のハードウェア上に1又は複数の所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU201の制御のもとで入力装置204、出力装置205、移動体通信モジュール206、及び近距離通信モジュール207を動作させるとともに、RAM202や補助記憶装置208におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
以下、図1に戻って、回転状態算出装置1の構成について詳述する。
この回転状態算出装置1は、3軸周りの角速度を検出する3軸角速度センサ10と、CPU201、RAM203、移動体通信モジュール206、及び近距離通信モジュール207等(図2参照)によって構成されるプロセッサ20とを内蔵しており、プロセッサ20によって構築される機能的な構成要素として、データ取得部(データ取得手段)21、データ前処理部(角度算出手段)22、法線ベクトル候補算出部(候補ベクトル算出手段)23、法線ベクトル算出部(代表ベクトル算出手段)24、及び回転状態度算出部(代表ベクトル算出手段)25を備えている。さらに、回転状態算出装置1は、補助記憶装置208(図2参照)によって構成され、プロセッサ20内で処理されるデータを格納するデータ格納部30を備えている。
3軸角速度センサ10は、回転状態算出装置1の規定位置に取り付けられ、取り付け位置における3軸周りの角速度を検出する。例えば、3軸角速度センサ10は、3次元直交座標系X−Y−ZにおけるX軸、Y軸、Z軸のそれぞれの周りの角速度ω,ω,ωを検出する。この3軸角速度センサ10は、機能的構成要素として、データ取得部11及びデータ送信部12を備え、データ取得部11は、時間的に連続した時刻tにおいて3軸周りの角速度である3軸角速度データΩ(t);
Ω(t)=(ω(t),ω(t),ω(t))
を取得する。ここで、時刻tは時間間隔Δtを有する離散的な時刻であり、下記式(1)で表されるように設定される。
=k・Δt (k=1,2,…) …(1)
データ送信部12は、データ取得部11によって取得される3軸角速度データΩ(t)をプロセッサ20に向けて送出する。このデータ送信部12による3軸角速度データΩ(t)の送出タイミングは定期的であってもよいし、所定のデータ量が取得されたタイミングであってもよいし、3軸角速度センサ10が能動的に送出してもよいし、プロセッサ20の要求に応じて受動的に送出してもよい。
プロセッサ20のデータ取得部21は、3軸角速度センサ10から時間的に連続して取得された複数の3軸角速度データΩ(t)(k=1,2,…)を取得する。このデータ取得部21は、取得した複数の3軸角速度データΩ(t)を順次データ格納部30に記憶する。
データ前処理部22は、データ取得部21によって取得された複数の3軸角速度データΩ(t)を基に、離散的な時刻t(k=1,2,3,…)における3軸角速度センサ10の向き、すなわち、このセンサが搭載されている回転状態算出装置1の向きを示す3軸角度データθ(t)=(θ(t),θ(t),θ(t))を連続して算出する。この3軸角度データθ(t)は、X軸周りの回転角度θ(t)、Y軸周りの回転角度θ(t)、及びZ軸周りの回転角度θ(t)のデータを含む。例えば、データ前処理部22は、角速度ω,ω,ωのそれぞれから回転角度θ(t),θ(t),θ(t)を算出する方法として、離散的な角速度の変化を矩形状の変化で近似して積分する矩形法、離散的な角速度の変化を二次曲線で近似して積分するシンプソン法、離散的な角速度の変化を台形状の変化で近似して積分する台形積分法等を採用することができる。ここでは、データ前処理部22は、台形積分法を用いて、下記式(2);


により3軸角度データθ(t)=(θ(t),θ(t),θ(t))を算出する。なお、3軸角速度センサ10の検出データにはドリフト誤差が含まれるので、ある基準時刻で基準となる角度情報を設定してその基準時刻から順次上記式(2)を用いてその後の時刻の3軸角度データθ(t)を算出してもよい。こうすれば、ドリフト誤差に起因する角度誤差を低減することができる。
さらに、データ前処理部22は、算出した複数の時系列の3軸角度データθ(t)(k=1,2,3,…)からノイズを除去し、時間的に滑らかなデータ成形済みの3軸角度データθ^(t)(k=1,2,3,…)を求める。データ前処理部22は、ノイズ除去の方法として様々な方法を採用できるが、離散ウェーブレット変換したデータを逆変換する方法であるウェーブレット変換を用いたノイズ除去、又は長周期ノイズの除去方法であるトレンド除去などの方法を用いることができる。ここでは、データ前処理部22は、時間移動平均法を用いて、下記式(3);


によりデータ成形済みの3軸角度データθ^(t)=(θ^(t),θ^(t),θ^(t))を算出する。上記式(3)におけるパラメータnは、ノイズ除去に用いる前後の角度データの個数である。
法線ベクトル候補算出部23は、データ前処理部22で算出された時系列の複数の3軸角度データθ^(t)=(θ^(t),θ^(t),θ^(t))から、回転状態算出装置1の相対的な仮想的位置ベクトルp(t)=(p(t),p(t),p(t))(k=1,2,3,…)を時系列データとして複数連続して算出する。法線ベクトル候補算出部23は、対象物体の回転状態を各時刻tにおける相対的な対象物体の位置の軌跡から算出するために、この位置ベクトルp(t)を、回転状態算出装置1の中心を原点とした場合の3軸角速度センサ10までの規定点の位置を表す位置ベクトルとして計算する。例えば、法線ベクトル候補算出部23は、規定点の初期位置ベクトルpinit=(px0,py0,pz0)と設定し、下記式(4);
p(t)=R(θ^(t),θ^(t),θ^(t))・pinit …(4)
を用いて位置ベクトルp(t)を算出する。上記式(4)中の行列Rは、下記式(5)で示される回転行列である。

さらに、法線ベクトル候補算出部23は、時系列の複数の位置ベクトルp(t)を用いた外積計算を実行することにより、対象物体である回転状態算出装置1の回転面の法線ベクトルの候補である法線ベクトル候補を複数算出する。図3は、法線ベクトル候補算出部23による法線ベクトル候補の算出方法を示す概念図である。ここでは、ある時刻tにおいて回転状態算出装置1が回転面Pに沿って回転している状態を想定している。法線ベクトル候補算出部23は、時系列の複数の位置ベクトルp(t)から特定の時刻tに対応するベクトルを1つ選択する。そして、選択した時刻t及びその直前の時刻t−Δtにおける2つの位置ベクトルp(t),p(t−Δt)同士の差を求めることにより、時刻tにおける差分ベクトルΔp(t)を下記式(6);
Δp(t)=p(t)−p(t−Δt) …(6)
により求める。さらに、法線ベクトル候補算出部23は、下記式(7)に示すように、選択した1つの位置ベクトルp(t)と、それを対象に求めた差分ベクトルΔp(t)との外積をとることにより、時刻tにおける法線ベクトル候補ncand(t)を算出する。
cand(t)=p(t)×Δp(t) …(7)
このようにして求められる法線ベクトル候補ncand(t)は、時刻tにおいて回転面Pが安定していた場合にはその回転面Pの法線に近くなるように求められ、時刻tの前後における回転面の法線ベクトルの候補となりうる。また、法線ベクトル候補算出部23は、上述した法線ベクトル候補ncand(t)の算出を、連続する複数の時刻tに対して繰り返し行い、複数の連続した時刻tの法線ベクトル候補ncand(t)を算出する。
法線ベクトル算出部24は、法線ベクトル候補算出部23によって求められた時系列の法線ベクトル候補ncand(t)(k=1,2,3,…)のうちから特定の時刻tを中心にした局所時間εに対応するデータを抽出し、抽出した法線ベクトル候補ncand(t)を対象にして分析処理を行うことにより、法線ベクトル候補ncand(t)の分布の傾向を最も良く代表する代表法線ベクトルを算出する。具体的には、法線ベクトル算出部24は、抽出した法線ベクトル候補ncand(t)を対象にして主成分分析することで代表法線ベクトルを算出する。主成分分析は、処理対象のデータの分散(ばらつき)を最も的確に表現するための評価軸を求めるためのデータ分析手法である。この評価軸は、データの分散共分散行列の固有値及び固有ベクトルを求めることにより決定することができる。このとき、固有ベクトルはデータ分布の分散が大きくなる評価軸を、固有ベクトルに対応して求められる固有値は評価軸に沿ったデータの分散の大きさを、それぞれ表している。
より詳細には、法線ベクトル算出部24は、下記式(8)に示す固有値方程式を解くことで、3つの固有値λ(dim)(dim=1,2,3)と、それらのそれぞれに対応する固有ベクトルX(dim)(dim=1,2,3)とを計算する。これらの固有値λ(dim)及び固有ベクトルX(dim)は、三次元の評価軸に対応して3組計算される。
A・X=λX …(8)
なお、上記式(8)中の行列Aは、下記式(9)によって時刻tを中心にした局所時間ε内の法線ベクトル候補ncandを対象に計算される分散共分散行列である。


また、上記式(9)中の変数Cij(i,j=x,y,z)は、下記式(10)によって計算され、変数ncandx,ncandy,ncandzは、それぞれ、法線ベクトル候補ncandのX成分、Y成分、及びZ成分である。

上記の主成分分析処理においては、法線ベクトル候補ncandがある程度まとまっている場合は、法線ベクトル候補ncandのゆらぎ(ばらつき)が小さくなり、一番大きな固有値λに対応する固有ベクトルXと、2番目に大きな固有値λに対応する固有ベクトルXは、ともに法線ベクトル候補ncandの分散が大きな面内で互いに直交した評価軸として求まる。そして、三番目に大きな(最も小さい)固有値λに対応する固有ベクトルXが、法線ベクトル候補ncandの分布を代表するベクトル、すなわち、回転面の法線ベクトルを表すことになる。このような性質を利用して、法線ベクトル算出部24は、下記式(11);
N(t)=X(dimmin),
dimmin=argmin{λ(dim)} …(11)
を用いて、最も小さい固有値λに対応する固有ベクトルXを、局所時間ε内の法線ベクトル候補ncandの集合の代表的なベクトルである代表法線ベクトルN(t)として決定する。この最小の固有値λは、法線ベクトル算出部24により、局所時間ε内の法線ベクトル候補ncandの代表法線ベクトルN(t)を基準としたばらつき度合いを示す数値として算出される。
図4は、法線ベクトル算出部24による代表法線ベクトルN(t)の算出イメージを示す概念図である。ここでは、対象物体がおおよそZ−X平面に沿って回転した例を示している。このように、法線ベクトル候補算出部23により、対象物体の回転状態に応じて算出された位置ベクトルp(t)の軌跡に対応して、局所時間εの回転面に対応した法線ベクトル候補ncand(t)がばらつきをもって算出される。図4の点線に示すように、この法線ベクトル候補ncand(t)のばらつきは、おおよそ回転面に沿った分布を有している。従って、法線ベクトル算出部24によって算出される一番目及び二番目に大きな固有値λに対応する2つの固有ベクトルXは、回転面に沿ったベクトルとなる。一方で、法線ベクトル算出部24によって算出される最小の固有値λに対応する固有ベクトルXは、図4の太線で示すように、法線ベクトル候補ncand(t)のばらつきの少ない方向を示すベクトル、すなわち、法線ベクトル候補ncand(t)を代表する代表法線ベクトルN(t)となる。
回転状態度算出部25は、固有値方程式を解くことによって算出した複数の固有ベクトルXに対応する複数の固有値λを基に、局所時間ε内の法線ベクトル候補ncandの代表法線ベクトルN(t)を中心としたばらつき度合いを示す回転状態度を算出する。対象物体の回転状態にゆらぎがない状態、つまり、回転面が平面に近いほど回転面の法線ベクトルのゆらぎは小さいので、このとき算出される最小の固有値λ(dimmin)は、他の固有値λに比べて相対的に小さくなる。従って、最小固有値λ(dimmin)の大きさが他の固有値λの大きさに比較して小さければ小さいほど位置ベクトルpが回転面に集中していることを意味している。そのことを利用して、回転状態度算出部25は、下記式(12);


を用いて、局所時間でどの程度回転面が安定しているかを定量的に示す回転状態度CFR(t)を算出する。ここでは、回転状態度CFR(t)として、全ての固有値の和に対する最小固有値λ(dimmin)の比を算出しているが、他の固有値λに対する最小固有値λ(dimmin)の比較値で有ればこれには限定されない。例えば、回転状態度CFR(t)として、差を算出してもよいし、比較値の2乗を計算してもよいし、対数変換値を算出してもよい。
また、回転状態度算出部25は、上記のように算出した回転状態度CFR(t)を基にして、対象物体の回転状態を判定した判定情報を生成する。例えば、回転状態度算出部25は、下記式(13);
CFR(t)<Th1 …(13)
を用いて回転状態度CFR(t)を規定の閾値Th1と比較し、回転状態度CFR(t)が閾値Th1より小さい場合に、時刻tの近傍で対象物体が回転状態にあったと判定する。そして、回転状態度算出部25は、この判定の結果を示す判定情報を生成する。この判定情報には回転面の向きを示す情報や回転方向を示す情報が含まれていてもよい。この判定情報により、代表法線ベクトルN(t)によって示される回転面が、時刻tを中心とする局所時間ε内における回転状態を示すものとして妥当であるかが判断できる。なお、上記式(13)において設定される閾値Th1は、回転状態を判定するための閾値であり、事前に測定したい回転状態の精度に応じて調整される。
さらに、回転状態度算出部25は、生成した判定情報を回転状態算出装置1内の他のプロセスに引き渡す。例えば、判定情報を個人認証のために用いる場合には、個人認証処理用のプロセスに引き渡す。また、判定情報をコマンド入力用に用いる場合には、ユーザインタフェース機能用のプロセスに引き渡す。また、回転状態度算出部25は、判定情報を出力装置205に出力してもよいし、移動体通信モジュール206又は近距離通信モジュール207を経由して外部装置に送信してもよい。
以下、回転状態算出装置1による回転状態の算出処理の手順について説明するとともに、本実施形態にかかる回転状態算出方法について詳述する。図5は、回転状態算出装置1の回転状態の算出処理の動作手順を示すフローチャートである。
まず、ユーザの指示入力の受け付け等を契機にして回転状態の算出処理が開始されると、プロセッサ20のデータ取得部21によって、3軸角速度センサ10から連続した時刻tにおける3軸角速度データΩ(t)が取得される(ステップS101)。そうすると、データ前処理部22により、連続した時刻tにおける3軸角速度データΩ(t)を基に、回転状態算出装置1の向きを示す3軸方向の角度データθ(t)が時系列に算出される(ステップS102)。さらに、データ前処理部22により、この時系列の3軸角度データθ(t)からノイズが除去されることにより、データ成形済みの3軸角度データθ^(t)が時系列に算出される(ステップS103)。
次に、プロセッサ20の法線ベクトル候補算出部23により、時系列の3軸角度データθ^(t)から、回転状態算出装置1の3軸角速度センサ10の位置を示す位置ベクトルp(t)が、時系列に複数算出される(ステップS104)。その後、法線ベクトル候補算出部23により、時系列の位置ベクトルp(t)を用いて、複数の離散的な時刻tにおける回転面の法線ベクトルの候補である法線ベクトル候補ncand(t)が算出される(ステップS105)。
次に、プロセッサ20の法線ベクトル算出部24により、特定の時刻tを中心とした局所時間εにおける法線ベクトル候補ncand(t)を用いて主成分分析を行うことにより、代表法線ベクトルN(t)が算出される(ステップS106)。次に、回転状態度算出部25により、法線ベクトル算出部24によって主成分分析の過程で算出された3つの固有値λを基に、局所時間εにおける対象物体の回転状態を定量的に示す回転状態度CFR(t)が算出される(ステップS107)。最後に、回転状態度算出部25により、算出した回転状態度CFR(t)を基に、時刻tの近傍で対象物体が回転状態にあったか否かを示す判定情報が生成される(ステップS108)。
以上説明した回転状態算出装置1によれば、対象物体である回転状態算出装置1に取り付けられた3軸角速度センサ10から時間的に連続して取得された時系列の3軸角速度データΩ(t)を基に、対象物体の規定点に関する時系列の位置ベクトルp(t)が得られ、それらの位置ベクトルp(t)から外積計算により回転面の法線ベクトル候補ncand(t)が複数算出される。さらに、時系列の法線ベクトル候補ncand(t)を対象に分析処理を実行することにより、局所時間における代表法線ベクトルN(t)が得られるとともに、その代表法線ベクトルN(t)を基準とした複数の法線ベクトル候補ncand(t)のばらつき度合いを基に対象物体の回転状態に関する回転状態度CFR(t)が生成される。これにより、対象物体におけるセンサ構成を複雑化させることなく、任意の回転面における対象物体の回転状態を判断した情報を得ることができる。その結果、対象物体の回転状態を回転面に関わらず柔軟に判断することができる。例えば、対象物体として腕時計型ウェアラブル端末を対象とする場合、手首を回した状態と、手をランダムに動かしている状態とを識別するのに判断基準となる情報を生成することができる。
特に、上記実施形態によれば、対象物体の回転面の法線ベクトルの候補を簡易な計算により効率的に抽出することができる。また、法線ベクトル候補ncand(t)からの代表法線ベクトルN(t)の算出を、計算コストの少ない演算により実現できる。加えて、代表法線ベクトルN(t)は固有値方程式を解くことで求めているので、代表法線ベクトルN(t)の算出とそれを基準とした法線ベクトル候補のばらつき度の算出とを的確に実行することができ、対象物体の回転状態を判断した情報を定量的に表した回転状態の情報として効率的に算出することができる。
次に、本実施形態の回転状態算出装置1による回転状態度CFRの算出例について示す。図6は、回転状態算出装置1による回転状態度CFRの算出対象の位置ベクトルp(t)の軌跡及び代表法線ベクトルN(t)の三次元空間内の位置を示す。また、図7(a)は、図6に示す対象物体の回転状態における回転面のY軸方向のひずみ値(ゆらぎ値)の時間変化を示すグラフであり、図7(b)は、回転状態算出装置1によって算出された回転状態度CFRの時間変化を示すグラフである。この場合、Z−X平面に沿って一定期間の間回転させ、その期間のうちの所定の時間のみ回転面にゆらぎを持たせた状態にある対象物体を算出対象とした。図7(b)には、上記式(12)で算出される回転状態度CFRを二乗して−1を乗算した値として示されている。この結果に示すように、対象物体の回転面の安定度合いに応じて回転状態度CFRが的確に算出されており、回転状態度CFRが0に近いほど対象物体が同一平面内で回転していると判断されることが分かる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態では3軸角速度センサ10と、対象物体の回転状態を算出するプロセッサ20とが同一装置内に搭載されていたが、これらが別々の装置に搭載されていてもよい。
図8は、この場合の本発明の変形例を示す回転状態算出サーバ1Aの構成を示している。同図に示す変形例では、対象物体Sと回転状態算出サーバ1Aとが別の装置として構成され、対象物体S内に3軸角速度センサ10が内蔵され、回転状態算出サーバ1Aがプロセッサ20及びデータ格納部30を備える。3軸角速度センサ10のデータ送信部12Aは、移動体通信網等の通信ネットワークを介して3軸角速度データΩを送信し、プロセッサ20のデータ取得部21Aは、データ送信部12Aから送信された3軸角速度データΩを受信する。このような構成によれば、対象物体の回転状態を分離されたサーバによって算出することができる。
また、上記実施形態の回転状態算出装置1の代表法線ベクトルN(t)の算出は、法線ベクトル候補ncand(t)を主成分分析で処理する代わりに、位置ベクトルp(t)を直接主成分分析で処理することにより行われてもよい。すなわち、この場合の法線ベクトル候補算出部23は、図5に示す処理手順において、法線ベクトル候補の算出のステップ(S105)をスキップする。また、法線ベクトル算出部24は、図5に示すステップS106において式(8)の固有値方程式を解く際に、分散共分散行列Aを下記式(14)で計算される変数Cij(i,j=x,y,z)を用いて設定する。


このような変形例によれば、法線ベクトル候補を算出することなく、代表法線ベクトルN(t)を直接算出することができる。図9には、本変形例にかかる回転状態算出装置1によって算出された代表法線ベクトルNの3次元空間内の位置を示している。ここでは、対象物体がおおよそZ−X平面に沿って回転した状態であることを想定している。このように、回転面であるZ−X平面に沿って2つの固有ベクトルX,Xが算出され、最小固有値λに対応するベクトルが、回転面に垂直な方向の代表法線ベクトルNとして算出される。この変形例においても、上述した回転状態算出装置1と同様にして、3つの固有値λを用いて回転状態度CFR(t)が算出される。
1…回転状態算出装置、1A…回転状態算出サーバ、10…3軸角速度センサ、20…プロセッサ、21,21A…データ取得部(データ取得手段)、22…データ前処理部(角度算出手段)、23…法線ベクトル候補算出部(候補ベクトル算出手段)、24…法線ベクトル算出部(代表ベクトル算出手段)、25…回転状態度算出部(代表ベクトル算出手段)、S…対象物体。

Claims (5)

  1. 対象物体に取り付けられた3軸角速度センサから、複数の3軸周りの3軸角速度データを時間的に連続して取得するデータ取得手段と、
    前記複数の3軸角速度データを基に、複数の3軸周りの3軸角度データを時間的に連続して算出する角度算出手段と、
    前記複数の3軸角度データを基に前記対象物体の規定点の位置を表す複数の位置ベクトルを時間的に連続して算出し、前記複数の位置ベクトルを用いた外積計算を実行することにより、前記対象物体の回転面の法線ベクトルの候補である法線ベクトル候補を複数算出する候補ベクトル算出手段と、
    前記複数の法線ベクトル候補を対象にして分析処理を実行することにより、前記複数の法線ベクトル候補のうちの代表である代表法線ベクトルを算出するとともに、前記複数の法線ベクトル候補の前記代表法線ベクトルを基準としたばらつき度合いを算出し、前記ばらつき度合いを基に前記対象物体の回転状態に関する情報を生成する代表ベクトル算出手段と、
    を備える回転状態算出装置。
  2. 前記候補ベクトル算出手段は、前記複数の位置ベクトル同士の差を求めることにより差分ベクトルを算出し、前記複数の位置ベクトルのうちの1つと前記差分ベクトルとの外積をとることにより前記法線ベクトル候補を算出する、
    請求項1記載の回転状態算出装置。
  3. 前記代表ベクトル算出手段は、前記複数の法線ベクトル候補を対象に主成分分析を行うことにより前記代表法線ベクトルを算出する、
    請求項1又は2に記載の回転状態算出装置。
  4. 前記代表ベクトル算出手段は、前記複数の法線ベクトル候補の分散共分散行列の固有値及び固有ベクトルを算出し、最小の固有値を有する固有ベクトルを前記代表法線ベクトルとして決定する、
    請求項3に記載の回転状態算出装置。
  5. 前記代表ベクトル算出手段は、前記主成分分析によって算出された複数の固有ベクトルに対応する複数の固有値を基に、前記ばらつき度合いを算出する、
    請求項4に記載の回転状態算出装置。
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