JP6448385B2 - アンテナ装置 - Google Patents
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Description
すなわち、上記のようなアンテナ装置は、磁性体コアの軸方向が車両の前後方向を向くようにドアハンドル内に配されるため、磁性体コアの一端部側だけに密巻き部が配されていると、ドアハンドルを中心として車両の斜め前方と斜め後方とでは交信可能距離に比較的大きな差が生じ易い。このため、車両の斜め前方から近づいた場合と車両の斜め後方から近づいた場合とではユーザが携帯する携帯機との交信可能距離が著しく異なったり、例えばユーザが背負った荷物に携帯機を入れておいた場合には、ドアハンドルに手を掛けた状態でも携帯機との交信が成立せずに、ドアを開けることができなくなる可能性がある。
磁性体コアと、前記磁性体コアの軸方向に沿って前記磁性体コアの外周面に巻回されたコイル導体と、を備えるアンテナ装置において、
前記コイル導体は、密巻部と、前記密巻部の巻回ピッチよりも大きな巻回ピッチで巻回された疎巻部と、前記疎巻部の巻回ピッチよりも大きな巻回ピッチで巻回された大疎巻部とが、前記軸方向で略対称に巻回されたものであり、
前記密巻部は、前記軸方向の中央部分に巻回され、
前記大疎巻部は、前記密巻部と前記疎巻部の巻数よりも少なく、数ターン以下で前記密巻部の前記軸方向の両側に巻回され、
前記疎巻部は、前記大疎巻部の前記軸方向の両外側に巻回されている、
ことを特徴とする。
「前記疎巻部の巻回ピッチは、前記密巻部の巻回ピッチの2倍以上5倍以下であること」、
「前記密巻部の巻数は、前記疎巻部の巻数の1倍以上5倍以下であること」、
「前記大疎巻部の巻数は、1ターン以上3ターン以下であること」、
を含む。
なお、必要に応じてケース20内には軟質樹脂からなる充填材が充填される。
コイル導体12は、磁性体コア11の軸方向の中央部分に巻回された密巻部12aと、密巻部12aの軸方向の両側に巻回された2つの大疎巻部12b、12bと、2つの大疎巻部12b、12bの軸方向の外側に巻回された2つの疎巻部12c、12cを有している。
これは、アンテナ装置の前後方向における送信距離(ユーザが携帯する携帯機との交信可能距離)のバラツキを抑制するためである。
なお、本明細書において「軸方向で略対称に巻回」とは、視覚的に対称もしくはコイル導体で発生する磁束が磁性体コア11の軸方向で概ね対称であることを意味し、例えば図1のように視覚的には2つの大疎巻部12b、12bが軸方向(図1の左右方向)で対称でないものも含まれる。
そして、これらの巻回ピッチは、以下の関係を満たしている。
P1<P3<P2
なお、これらのアンテナ本体を用いたアンテナ装置と、同一規格のコンデンサとをそれぞれ組み合わせ、樹脂成形体の表面にニッケルメッキを施したドアハンドル内に組み込んだ状態で、共振周波数が略125kHzになるように各アンテナ本体のコイル導体の巻回ピッチや巻数等を調整した。
図4の比較例1のアンテナ本体10Aは、全体に亘って疎巻部に相当する巻回ピッチで巻回したものであり、巻回ピッチが全て導線径の2.5倍で、総巻数は72ターンである。
図5の比較例2のアンテナ本体10Bは、磁性体コアの中央部分だけに密巻部に相当する巻回ピッチで集中して巻回したものであり、巻回ピッチが全て導線径の1倍で、総巻数は51ターンである。
図6の比較例3のアンテナ本体10Cは、左側から密巻部・大疎巻部・疎巻部に相当する巻回ピッチで巻回したものであり、左側から、巻回ピッチが導線径の1倍で巻数が36ターン、巻回ピッチが導線径の35倍で巻数が1ターン、巻回ピッチが導線径の3倍で巻数が33ターンであり、総巻数は70ターンである。
図7の比較例4のアンテナ本体10Dは、左側から密巻部・大疎巻部・疎巻部・大疎巻部・密巻部に相当する巻回ピッチで巻回したものであり、左側から、巻回ピッチが導線径の1倍で巻数が24ターン、巻回ピッチが導線径の20倍で巻数が1ターン、巻回ピッチが導線径の3倍で巻数が25ターン、巻回ピッチが導線径の20倍で巻数が1ターン、巻回ピッチが導線径の1倍で巻数が24ターン、総巻数は75ターンである。
また、比較例2のように磁性体コアの中央部分だけに集中して密に巻回した場合には、方位毎の交信可能距離のばらつきは小さいものの、交信可能距離が全体的にかなり短くなる問題がある。
また、比較例3のように密巻部を片側端部だけに設けて非対称に巻回した場合には、交信可能距離が短くなるだけではなく、方位毎の交信可能距離のばらつきが大きくなる問題もある。
また、比較例4のように密巻部を両側端部に設けた場合には、実施例1とほぼ同程度の交信可能距離が得られ、また方位毎の交信可能距離のばらつきも比較的小さいものの、実施例1に比べて総ターン数が1.5割程度増加するため、導線のコスト及び製造時間が増加し、総合的に見ると実施例1に劣っている。
なお、実施例2〜5のアンテナ装置についても先と同一規格のコンデンサとそれぞれ組み合わせ、樹脂成形体の表面にニッケルメッキを施したドアハンドル内に組み込んだ状態で、共振周波数が略125kHzになるように各アンテナ本体のコイル導体の巻回ピッチや巻数等を調整した。調整された各アンテナ本体におけるコイル導体の巻回ピッチと巻数の詳細を表3に纏めて示す。表3には、比較を容易にするために実施例1についても再度記載している。
なお、本発明においては、密巻部12aの巻数は、疎巻部12cの巻数の1倍以上5倍以下であることが好ましい。密巻部12aの巻数を疎巻部12cの巻数よりも少なくすると、実施例2のようにほぼ同じ性能であっても総ターン数が増加する傾向がある。一方、密巻部12aの巻数が疎巻部12cの巻数の5倍を超えると、交信可能距離が若干低下する傾向がある。
また、本発明においては、疎巻部12cの巻回ピッチは、密巻部12aの巻回ピッチの2倍以上5倍以下であることが好ましい。この範囲を外れると、交信可能距離が低下もしくは総ターン数が増加する傾向がある。
また、本発明においては、大疎巻部12bの巻回ピッチは、疎巻部12cの巻回ピッチの2倍以上10倍以下であることが好ましい。
また、上記の実施形態例ではアンテナ装置を車両のドアハンドルに装着した場合を説明したが、本発明のアンテナ装置は住宅や事務所等のドアにも適用できるものである。
10、10A、10B、10C、10D アンテナ本体
11 磁性体コア
12 コイル導体
12a 密巻部
12b 大疎巻部
12c 疎巻部
13 保持具
14 端子部材
15 リード線
16 絶縁テープ
20 ケース
30 蓋
Claims (4)
- 磁性体コアと、前記磁性体コアの軸方向に沿って前記磁性体コアの外周面に巻回されたコイル導体と、を備えるアンテナ装置において、
前記コイル導体は、密巻部と、前記密巻部の巻回ピッチよりも大きな巻回ピッチで巻回された疎巻部と、前記疎巻部の巻回ピッチよりも大きな巻回ピッチで巻回された大疎巻部とが、前記軸方向で略対称に巻回されたものであり、
前記密巻部は、前記軸方向の中央部分に巻回され、
前記大疎巻部は、前記密巻部と前記疎巻部の巻数よりも少なく、数ターン以下で前記密巻部の前記軸方向の両側に巻回され、
前記疎巻部は、前記大疎巻部の前記軸方向の両外側に巻回されている、
ことを特徴とするアンテナ装置。 - 前記疎巻部の巻回ピッチは、前記密巻部の巻回ピッチの2倍以上5倍以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。 - 前記密巻部の巻数は、前記疎巻部の巻数の1倍以上5倍以下である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ装置。 - 前記大疎巻部の巻数は、1ターン以上3ターン以下である、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
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