本発明の浴室の実施形態について、添付図面に基いて説明する。
浴室は、図1、図2に示すように、天井部1および壁部2を備えている。第一実施形態では、浴室は、略板状をした天井部1と、略板状をした壁部2と、床パンを備えた床部(不図示)と、を有する浴室ユニットにより構成されているが、特に浴室ユニットにより構成されなくてもよい。第一実施形態では、浴室ユニットは略矩形箱状をしたものであるが、特に矩形箱状に限定されず、例えば天井部1がドーム型をしてもよい。
天井部1または壁部2には、図3に示すように、後で詳述する照明ユニット3を構成するフレーム4が設けられる。フレーム4は、天井部1または壁部2のいずれか一方または両方において、その一部の領域または全部の領域に設けられる。すなわち、フレーム4は、天井部1の一部の領域または全部の領域、あるいは、壁部2の一部の領域または全部の領域、あるいは、天井部1および壁部2のそれぞれ一部の領域に設けられる。
フレーム4は、図3に示すように、浴室内外方向視(すなわち、フレーム4が設けられる天井面または壁面に垂直な方向から視て)において、環状をしたものである。なお、フレーム4は、浴室内外方向視において概ね環状をしていればよく、一部欠損して完全な環状になっていなくてもよい。フレーム4については後述する。
第一実施形態では、フレーム4は、図1、図2に示すように、天井部1の一部の領域に設けられる。そして、一部の領域を除いた残りの領域にパネルが設けられる。すなわち、第一実施形態では、フレーム4が設けられる天井部1の一部の領域を除いた残りの領域にパネル(天井パネル10)が設けられる。壁部2にフレーム4が設けられる場合には、壁部2の一部の領域を除いた残りの領域にパネル(壁パネル20)が設けられる。第一実施形態では、壁部2にはフレーム4が設けられず、壁部2全域に壁パネル20が設けられる。壁パネル20には、適宜、出入口や配管挿通口(不図示)が形成されてもよい。
パネル(天井パネル10、壁パネル20)は、天井部1または壁部2において、フレーム4が設けられる一部の領域を除いた残りの領域の全域に設けられてもよいし、残りの領域の一部に設けられてもよい。すなわち、パネルは少なくとも残りの領域のフレーム4と隣接する部分に設けられる。この残りの領域に設けられるパネルは、照明ユニット3と隣接する非照明部となる。
パネルは、一体に形成されてもよいし、複数に分割されてもよい。第一実施形態では、天井パネル10は、図1、図2に示すように、二分割されている。二分割された天井パネル10はそれぞれ、換気用パネル11および点検口パネル12となっている。
換気用パネル11には、換気口110が形成され、換気口110を介して浴室内外に通気が可能となっている。図示しないが、換気口110を介して換気を行う換気装置や、風を浴室内に吐出する温風装置や、ミストを浴室内に吐出するミスト装置や、これらが複合された装置等が適宜設けられる。換気口110は、前記各種装置が設けられて閉塞されてもよい。また換気口110には、グリルや格子状をした通気部材が設けられ、装置に繋がるダクトが接続されてもよい。
点検口パネル12には、点検口120が形成される。点検口120には、点検口120を閉塞する点検蓋121が着脱自在に設けられる。作業者は、浴室内から点検口120を介して天井部1の上側に出て、前記各種装置や、照明ユニット3のメンテナンス作業を行うことができる。
なお、天井パネル10にこのような換気口110や点検口120や前記各種装置が設けられなくてもよい。また、図4、図5に示す第二実施形態のように、天井パネル10が、上記換気用パネル11および点検口パネル12に加えて第三のパネル101を有するように、三分割されていてもよい。またさらに、天井パネル10が四以上に分割されてもよい。
フレーム4は、図6に示すように、周縁部に、壁部2または天井部1と連結されるための連結部400を備える。第一実施形態では、フレーム4は、平面視(浴室内外方向視)矩形状をしている。フレーム4の周縁部のうちの三辺が、壁パネル20の上端部に沿う第一の側片40となる。第一の側片40に、壁パネル20と連結される連結部400(壁パネル連結部401)が設けられる。フレーム4の周縁部のうちの残りの一辺が、天井パネル10と連結される第二の側片50となる。第二の側片50に、天井パネル10と連結される連結部400(天井パネル連結部402)が設けられる。連結部400は、各辺(第一の側片40または第二の側片50)の全長に亘って設けられるのが好ましいが、特に全長に亘って設けられなくてもよい。また、連結部400は、全辺(第一の側片40および第二の側片50)に設けられるのが好ましいが、全辺に設けられなくてもよい。
第一の側片40は、第一実施形態では、図7に示すように、枠片41と、上片42と、支持片43と、連結片44と、を備えている。
枠片41は、第一の側片40の本体となる部分で、第一実施形態では縦に長い平板状をしたものであるが、断面形状は限定されず、横方向の長さが縦方向の長さより長くてもよい。
上片42は、枠片41の上端部からフレーム4の面方向内側に向けて設けられる。上片42には、後述する面状発光体6を上方より押さえる押さえ部材45が設けられる。押さえ部材45は、断面L字状をした長尺の部材で、ビス等の固着具451が挿通される挿通孔(不図示)が形成されている。押さえ部材45は、挿通孔に固着具451が挿通されて、上片42に形成された固着孔に固着具451が螺合することにより、上片42に取り付けられる。
支持片43は、枠片41の下端部からフレーム4の面方向内側に向けて設けられ、後述する透光性カバー31を下方より支持する。支持片43は、壁パネル20の上端部に載置されて支持される。
連結片44は、枠片41の下端部から下方に設けられる。連結片44は、支持片43が壁パネル20の上端部に載置されたときに、壁パネル20の上端部の外側に位置する。連結片44には、図7、図8に示すように、ビス等の固着具24が螺合される横方向に長い長孔からなる固着孔441が複数形成されている。
第一実施形態では、図7に示すように、第一の側片40における、壁パネル20の上端部に載置される支持片43と、固着孔441を有する連結片44とにより、フレーム4の壁パネル連結部401が形成されるが、壁パネル連結部401は特にこのようなものに限定されない。
さらに第一実施形態では、図7に示すように、第一の側片40が中片46を備えている。中片46は、枠片41の上片42および支持片43の中間部からフレーム4の面方向内側に向けて設けられる。中片46には、一対の突起からなるスペーサ取付部461が設けられている。スペーサ取付部461に、後述する導光板8と透光性カバー31とに当接する当接面を有するスペーサ部材471が取り付けられる。
壁パネル20は、図7に示すように、上端部に、浴室外側に設けられる突出片21と、突出片21の突出端から上方に突出する被載置片22と、を備えている。被載置片22には、ビス等の固着具24が挿通される丸孔からなる挿通孔23が複数形成されている。
壁パネル20へのフレーム4の連結は、図7に示すように、壁パネル20の上端部に一の側片40の支持片43が載置される。そして、浴室内側から、被載置片22に形成された挿通孔23にビス等の固着具24が挿通されて、固着具24が連結片44に形成された固着孔441に螺合される。その後、浴室内側から、突出片21と支持片43との間に形成される、浴室外側に凹む横溝状をした隙間25に、廻り縁26が嵌め込まれる。廻り縁26により、固着具24および隙間25が目隠しされる。このような作業が、図9に示すように、フレーム4の三つの第一の側片40および対応する三面の壁パネル20に対して行われる。
このとき、図8に示すように、固着孔441が長孔となっていることにより、フレーム4が壁パネル20に対して、所定位置から若干(すなわち長孔の範囲内で)横方向にずれても、連結が可能である。なお、第一実施形態では、固着孔441が長孔で、挿通孔23が丸孔となっているが、固着孔441が丸孔で、挿通孔23が長孔となっていてもよい。
また、天井パネル10(換気用パネル11および点検口パネル12)も、同様にして壁パネル20へ連結される。すなわち、天井パネル10は、図8に示すように、平面視矩形状をした平板からなる本体部13と、壁パネル20に対応する本体部13の周縁部から下方に設けられる連結片14と、を備えている。連結片14には、固着具24が螺合される横方向に長い長孔からなる固着孔141が複数形成されている。また、本体部13の上面には、断熱材15が設けられるが、断熱材15は設けられなくてもよい。
天井パネル10の壁パネル20への連結は、図示しないが、フレーム4の場合と同様で、まず、壁パネル20の上端部に本体部13が載置される。そして、浴室内側から、壁パネル20の被載置片22に形成された挿通孔23に固着具24が挿通されて(図7参照)、固着具24が図8に示す連結片14に形成された固着孔141に螺合される。その後、本体部13と被載置片22との間に形成される隙間に、廻り縁26(図7参照)が嵌め込まれる。
フレーム4は、図8、図9に示すように、第二の側片50に設けられた天井パネル連結部402により、天井パネル10と連結される。
第二の側片50は、第一実施形態では、図10に示すように、枠片51と、上片52と、支持片53と、を備えている。
枠片51は、第二の側片50の本体となる部分で、第一実施形態では縦に長い平板状をしたものであるが、断面形状は限定されず、横方向の長さが縦方向の長さより長くてもよい。枠片51には、複数の引掛具取付孔が形成されており、引掛部取付孔にビス等からなる引掛具511(図11参照)が取り付けられている。また、図10に示すように、枠片51には、複数の固着孔512が形成されている。
上片52は、枠片51の上端部からフレーム4の面方向内側に向けて設けられる。上片52には、後述する面状発光体6が有する発光ユニット70が取り付けられる。
支持片53は、枠片51の下端部からフレーム4の面方向内側に向けて設けられ、後述する透光性カバー31を下方より支持する。
さらに第一実施形態では、図10に示すように、第二の側片50が、支持片53の中間部の上側に取付片54を備えている。取付片54は、上面に取付部材55が載置される載置部541と、取付部材55が取り付けられる取付部542と、を備えている。取付部542は、上方に突出する一対の突起からなる。
取付部材55は、下端が支持片53上に載置され、下方に突出する被取付部551が、取付部542を構成する一対の突起間に嵌入されて、取付片54に取り付けられる。
取付部材55は、フレーム4の面方向内側の部分の上面が、後述する導光板8が載置される導光板載置面552となり、フレーム4外側の部分の上面が、発光ユニット70が載置される発光ユニット載置面553となる。
天井パネル10は、図8、図10に示すように、フレーム4に隣接する周縁部に、本体部13から上方に起立する起立片16を備えている。起立片16には、図8に示すように、引掛具511が挿通される引掛具挿通孔161が複数形成されている。この引掛具挿通孔161は、引掛具511全体が挿通可能である。すなわち、引掛具511がビスである場合、ビスの軸部のみならず頭部も引掛具挿通孔161を挿通可能である。また起立片16には、ビス等の固着具513が挿通される丸孔からなる固着具挿通孔162が複数形成されている。
フレーム4への天井パネル10の連結は、図11に示すように、天井パネル10の起立片16に形成された引掛具挿通孔161に、フレーム4に取り付けられた引掛具511が挿通されるように、天井パネル10が移動される。そして、引掛具511の上面に引掛具挿通孔161の上縁部が載置されて、仮固定が行われる。その後、起立片16に形成された固着具挿通孔162に固着具513が挿通され、図10に示すように、固着具513が枠片51に形成された固着孔512に螺合されて、図12に示すように、本固定が行われる。
第一実施形態では、図10、図11に示すように、第二の側片50における、引掛具取付孔に取り付けられる引掛具511および固着孔512を有する枠片51により、フレーム4の天井パネル連結部402が形成されるが、天井パネル連結部402は特にこのようなものに限定されない。
また、天井パネル10が複数に分割されている場合には、天井パネル10間にバックアップ材(不図示)が設けられるのが好ましい。すなわち、第一実施形態では、換気用パネル11および点検口パネル12は、並設されて、それぞれが壁パネル20に連結される。そして、換気用パネル11と点検口パネル12の互いに隣接する端部において、その端部間にバックアップ材が設けられる。
パネル間にバックアップ材が設けられることにより、パネル間の目地が閉塞される。
次に、照明ユニット3について説明する。照明ユニット3は、図3に示すように、少なくとも、フレーム4と、照明装置としての面状発光体6と、を備える。
面状発光体6は、従来の一般的な白熱電球または蛍光灯が用いられる照明装置と比較して、厚み(浴室内外方向の長さ)が薄くなるように形成されるものである。第一実施形態では、面状発光体6は、図13に示す発光素子7および図3に示す導光板8を有する装置(便宜上、導光板発光装置とする)である。これ以外に、面状発光体6としては、図示しないが、複数の発光素子を備えた基板を有する装置(便宜上、基板発光装置とする)、または、EL(electro luminescence)素子を有する装置(便宜上、EL装置とする)であってもよい。さらに、面状発光体6として、前記各装置の複数が複合されたものにより構成されてもよい。すなわち、導光板発光装置と基板発光装置、または、導光板発光装置とEL装置、または、基板発光装置とEL装置、または、導光板発光装置と基板発光装置とEL装置とが組み合わされて、面状発光体6が構成されてもよい。また、面状発光体6として、導光板発光装置、基板発光装置、EL装置以外の装置であってもよい。
このような面状発光体6が用いられることにより、上記従来の照明ユニット3と比較して、照明ユニット3全体の厚みが薄く、且つ、照明ユニット3全体から照射される光量の増加が可能となる。さらには、上記従来の照明ユニット3と比較して、省エネ化も可能となる。
導光板発光装置は、図7に示すように、少なくとも発光素子7および導光板8を備えることが好ましい。
発光素子7としては、従来の一般的な白熱電球や蛍光灯ではなく、これらと比較して小さい点光源が用いられる。このような点光源として、第一実施形態ではLED(light emitting diode)が用いられるが、LED以外であってもよく、特に限定されない。また、発光素子7は、導光板発光装置において、一つのみ設けられてもよいし、複数設けられてもよい。
第一実施形態では、発光素子7を有する発光ユニット70が設けられる。発光ユニット70は、図10、図13、図14に示すように、ハウジング71と、ハウジング71に設けられる基板72と、基板72に設けられる発光素子7と、を備える。ハウジング71は、基板72が取り付けられる本体部711と、フレーム4の第二の側片50の上片52および枠片51の上端部に取り付けられる取付部712と、を備える。本体部711の所定の位置に、基板72が取り付けられる。本体部711は、図10に示すように、下端が取付部材55の発光ユニット載置面553に載置されて、上下の位置決めがなされる。これにより、基板72に設けられた発光素子7が、所定の上下位置に位置する。また、本体部711には、図10、図13に示すように、基板72を覆う覆い部713が設けられる。覆い部713は、発光素子7に対応する部分に透光部714が設けられている。
導光板8は、図10に示すように、表面の一部に設けられる入射面81より光が入射し、入射した光が、導光板8内において進行や反射を行いながら、表面の一部に設けられる出射面82より出射して、出射面82全体が発光するものである。すなわち、導光板8内に入射した光は、導光板8内を進行して、導光板8の表面に到達すると、ここで導光板8内に反射したり導光板8外に出射したりする。導光板8内に反射した光は、再び進行し、導光板8の表面に到達すると再び反射したり出射したりし、これを繰り返し、出射面82全体より概ね均一に出射可能となる。
第一実施形態では、導光板8は、図3に示すように、浴室内外方向視(すなわち平面視)において、フレーム4と略同じ形状の矩形状をした板で、アクリルやガラスをはじめとする透光性を有する材質により形成される。なお、導光板8の材質は、透光性を有していればよく、特に限定されない。図10に示すように、導光板8の側端面の一部が入射面81となり、浴室内側に面する板面全体が出射面82となる。発光素子7は、入射面81を向くように設けられる。なお、第一実施形態では、導光板8の側端面の一部が入射面81となっているが、浴室内側または浴室外側の板面に入射面81が形成されてもよい。
そして、図3、図7、図10に示すように、導光板8の出射面82と反対側(浴室外側)の板面に、拡散部83が設けられる。拡散部83は、導光板8内を進行して、出射面82と反対側の板面に到達した光が、出射面82に向けて反射して出射面82より出射するように、拡散させるものである。第一実施形態では、拡散部83は、導光板8の出射面82と反対側の板面に接するように設けられる拡散シートにより構成される。拡散シートは、導光板8の出射面82と反対側の板面を向く面に、明度の大きい色による塗装や印刷、微細な凹凸形状が形成されたりすること等により、光を乱反射させるものである。
なお、拡散シートは、前記塗装や印刷、凹凸形状が形成されるものに限定されず、その他の形態で光を乱反射させるものでもよい。また、第一実施形態では、拡散シートが設けられることにより拡散部83が形成されているが、導光板8の出射面82と反対側の板面に、塗装や印刷や凹凸形状が直接施されること等により拡散部83が形成されてもよい。
第一実施形態では、発光素子7を有する発光ユニット70と、導光板8と拡散部83とにより、面状発光体6をなす導光板発光装置が形成されている。なお、導光板発光装置が前記以外の部材を付加的に備えてもよい。
さらに第一実施形態では、図3、図7、図10に示すように、透光性カバー31を備えている。透光性カバー31は、浴室内に面して、発光素子7および導光板8に浴室内からの湿度の高い空気が触れないように、浴室内からの空気の流入を阻止する。また、透光性カバー31は、導光板8が損傷するのを抑制する。
第一実施形態では、透光性カバー31は、図7、図10に示すように、平面視において、フレーム4の支持片43、53の内端縁に囲まれる領域(浴室内外を連通させる開口)よりも大きい。また、透光性カバー31は、図3に示すように、浴室内外方向視(すなわち平面視)において、面状発光体6の導光板8と略同じ形状をしている。ここで、略同じ形状とは、同形同大を含むのは勿論のこと、辺の長さが5%程度異なる形状を含むものとする。
透光性カバー31は、図7、図10に示すように、支持片43、53の浴室外側(上側)の面に、パッキン48を介して載置されて支持される。透光性カバー31は、支持片43、53上に載置されて枠片41、51に囲まれて、フレーム4に取り付けられる。
なお、第一実施形態では、透光性カバー31は、支持片43、53の浴室外側(上側)の面にパッキン48を介して載置されて取り付けられているが、図7、図10に示す支持片43、53の浴室内側の面431、531に、パッキン48を介して取り付けられてもよい。例えば、ビス等の固着具が、下方より、透光性カバー31に形成された固着具挿通孔を介して、支持片43、53に形成された固着孔に螺合されることで、透光性カバー31が支持片43、53に取り付けられる。
透光性カバー31は、浴室内側の面が、パネルの浴室内側の面と略面一となることが好ましい。第一実施形態では、図10に示すように、透光性カバー31の下面311と天井パネル10の下面17とが略面一となっている。これにより、浴室内側からの見栄えが良くなる。また、照明ユニット3を点灯すると、天井部1の上には空が広がっているような感覚になり、使用者が自然光を浴びているような開放感を感じることができる。なお、略面一とは、完全な面一のみならず、5mm程度までのずれは許容されるものとする。また、第一実施形態では、支持片53の浴室内側の面531と天井パネル10の下面17とが面一となっている。
透光性カバー31は、面状発光体6から浴室内側に所定の間隔をあけて配置される。第一実施形態では、図3、図7、図10に示すように、面状発光体6と透光性カバー31との間に、スペーサ47が設けられている。このスペーサ47により、面状発光体6と透光性カバー31との間隔が所定の間隔となるように保たれる。
第一の側片40においては、図7に示すように、中片46に設けられるスペーサ取付部461を構成する一対の突起間に、導光板8と透光性カバー31とに当接する当接面を有するスペーサ部材471の端部が取り付けられて、スペーサ47が形成されている。
第二の側片50においては、図10に示すように、取付部材55の導光板載置面552が、支持片53の上面から所定の高さに位置するものであるため、この取付部材55がスペーサ47として機能している。
また、第一実施形態では、図7、図10に示すように、スペーサ47の浴室内側の面472、554は、光反射性を有している。すなわち、例えば白色等の明度の大きい色による塗装や、鏡面仕上げが為されている。なお、スペーサ47は、前記のような光反射性を有しなくてもよい。
第一実施形態では、透光性カバー31は、間に透光性カバー31が介在しても物体が明確に見えるような光透過性を有するものであってもよい。また、透光性カバー31は、シボ加工や乳白色等の着色が施されて所謂スリガラス状となって、間に透光性カバー31が介在すると物体が明確に見えないものであってもよい。
さらに第一実施形態では、図7、図10に示すように、外カバー32を備えている。外カバー32は、浴室外の空間9に面して、導光板8および拡散シート(拡散部83)を保護する。外カバー32は、図7に示すように、壁パネル20と隣接する端縁において、フレーム4の第一の側片40の上片52に設けられる押さえ部材45により、下方に押さえられる。
第一実施形態では、フレーム4と、フレーム4に設けられるスペーサ47およびパッキン48と、面状発光体6と、透光性カバー31と、外カバー32とにより、照明ユニット3が形成されている。
このとき、図3、図10に示すように、フレーム4に囲まれる空間49に面状発光体6を備える。ここで、フレーム4に囲まれる空間49とは、図3に示すように、浴室内外方向視において環状をしたフレーム4の、浴室内外方向における両開口端の間においてフレーム4に囲まれる空間をいう。また、フレーム4に囲まれる空間49に面状発光体6を備えるとは、面状発光体6の全体が空間49内に位置するのは勿論、面状発光体6の大部分が空間49内に位置するのが好ましいが、面状発光体6の少なくとも一部が空間49内に位置すればよい。
上記のように、白熱電球または蛍光灯が用いられる従来の照明装置よりも薄い面状発光体6が、フレーム4に囲まれる空間49に設けられる。また、フレーム4は、周縁部に、天井部1または壁部2と連結されるための連結部400を備える。これにより、天井部1または壁部2における浴室外方への照明装置(照明ユニット3)の突出長さが、従来の照明装置の突出長さよりも短くてすむか、あるいは照明装置が突出しなくてすむ。この結果、天井部1と壁部2と床部とで囲まれる浴室空間が狭くなるのが抑制される。そのため、天井の高さを下げなくても、広い面積の照明装置を設けることができ、照明ユニットを点灯すると、天井部1の上には空が広がっているような感覚になり、使用者が自然光を浴びているような開放感を感じることができる。なお、照明ユニット3が前記以外の部材をさらに備えてもよい。
また、第一実施形態では、発光ユニット70が、照明ユニット3に対して着脱自在に取付けられている。発光ユニット70は、作業者が、天井パネル10の点検口120より、天井裏に乗り出して、着脱することができる。
また、面状発光体6として基板発光装置が用いられてもよく、基板発光装置は、上述したように少なくとも複数の発光素子を備えた基板を有する。
発光素子としては、従来の一般的な白熱電球や蛍光灯ではなく、これらと比較して小さい点光源が用いられる。このような点光源として、LED(light emitting diode)が好適に用いられるが、特に限定されない。
基板は、複数の発光素子と、発光素子への給電部や回路等を備える。基板は、第一実施形態における導光板8と略同じ大きさの一枚の基板からなるものでもよいし、複数の基板が並設されて第一実施形態における導光板8と略同じ大きさに形成されてもよい。
面状発光体6として基板発光装置が用いられる場合、透光性カバー31は、シボ加工や乳白色等の着色が施されて所謂スリガラス状となって、間に透光性カバー31が介在すると物体が明確に見えないものとするのが好ましい。また、透光性カバー31は、導光板発光装置の場合と同様に、基板からから浴室内側に所定の間隔をあけて配置される。
これにより、浴室内側から、点光源が点在して見え難く、面全体が均一に発光しているように見え易くなる。
また、面状発光体6としてEL装置が用いられてもよく、EL装置は、上述したように少なくともEL素子を有する。このようなEL素子は、有機ELをはじめ既に公知となっており、既知のものが適宜利用可能である。
面状発光体6としてEL装置が用いられる場合、透光性カバー31は、間に透光性カバー31が介在しても物体が明確に見えるような光透過性を有するものであってもよい。また、透光性カバー31は、シボ加工や乳白色等の着色が施されて所謂スリガラス状となって、間に透光性カバー31が介在すると物体が明確に見えないものであってもよい。
また、図15、図16に示す第三実施形態のように、面状発光体6が、天井パネル10の本体部13から所定間隔をあけて上方に配置されてもよい。すなわち、本実施形態の面状発光体6は、浴室内にいる使用者が上方を見たとき、天井パネル10よりも奥の方に見える位置に配置される。
ここで、本実施形態の浴室において、図15に示すように、フレーム4の上下方向の長さが、第一実施形態および第二実施形態のフレーム4の上下方向の長さよりも、所定間隔に合わせて長く設けられる。
フレーム4には、枠片41の下端から下方に延び、支持片43と連結片44とを繋ぐ延長片411が設けられる。この延長片411の上下方向の長さは、所定間隔と等しくなるように設けられる。
そして、図15に示すように、天井パネル10の起立片160の上下方向の長さが、第一実施形態および第二実施形態の起立片16の上下方向の長さよりも、長く設けられる。このとき、起立片160の上下方向の長さは、所定間隔と等しくなるように設けられる。
さらに、図16に示すように、廻り縁26の上下方向の長さが、第一実施形態および第二実施形態の廻り縁26の上下方向の長さよりも、所定間隔に合わせて長く設けられる。
すなわち、廻り縁26において、壁パネル20の突出片21に接触する部分とフレーム4の支持片43に接触する部分との間の部分の上下方向の長さが所定間隔と等しくなるように設けられる。
本実施形態の浴室において、所定間隔の長さは約10cm〜15cmであるが、特にその長さは限定されない。
なお、面状発光体6を天井パネル10の本体部13より所定間隔上方に配置させるため、壁パネル20を上方に所定間隔の長さ延長してもよい。すなわち、壁パネル20において、面状発光体6が連結される部分を上方に所定間隔の長さ延長する。このように、面状発光体6を天井パネル10の本体部13より所定間隔上方に配置させる方法は限定されない。
本実施形態のように面状発光体6が配置されることで、面状発光体6から照射される光の内、天井パネル10側に向かう光が起立片160により制限される。これにより、天井パネル10の下面、天井パネル10が設置される壁パネル20に陰影が形成される。このとき、浴室内は空から降り注いできた光が遮蔽物に当たり陰影が付けられたような状態になるので、使用者は屋外で自然光を浴びているような臨場感を得ることができる。
また、図17に示す第四実施形態のように、天井部1において、天井パネル10が大部分の領域に設けられ、面状発光体6が残りの一部分に設けられてもよい。ここで、天井パネル10は、換気用パネル11と点検口パネル12と第三のパネル101を有する。
本実施形態の面状発光体6において、天井パネル10が設けられる側の端部を第一端部61とし、その第一端部61と対向する端部を第二端部62とする。ここで、第二端部62が壁パネル20の上端部に連結される。また、第一端部61と第二端部62が対向する方向に垂直な方向において、換気用パネル11と連結する一方側の端部を第三端部63とし、第三のパネル101と連結する他方側の端部を第四端部64とする。
ここで、第二端部62に連結される壁パネル20を第一壁パネル201とし、第一壁パネル201と対向する壁パネル20を第二壁パネル202とする。また、第一壁パネル201と第二壁パネル202が対向する方向と垂直な方向において、換気用パネル11が連結される一方側の壁パネル20を第三壁パネル203とし、他方側の壁パネル20を第四壁パネル204とする。
本実施形態の面状発光体6は平面視矩形状をしており、第一壁パネル201の上端に沿った方向が長手方向となり、第三壁パネル203の上端に沿った方向が短手方向となっている。なお、面状発光体6は平面視長方形状ではなく、平面視正方形状でもよく、その形状は特に限定されない。
第一端部61は、上記した第二の側片50と同じ構成を有する。第二端部62は、第一の側片40と同じ構成を有する。第三端部63および第四端部64は、第二の側片50における枠片51、支持片53を有していればよい。
換気用パネル11は平面視矩形状をしており、第三壁パネル203の上端に沿った方向が長手方向となり、第一壁パネル201の上端に沿った方向が短手方向となっている。本実施形態の換気用パネル11は、第三壁パネル203の上端の全長に亘って連結される。
換気用パネル11の周縁において、三辺がそれぞれ第一壁パネル201、第二壁パネル202、第三壁パネル203に連結され、残りの一辺が隣接する点検口パネル12および面状発光体6に連結される。特に換気用パネル11における面状発光体6と連結する部分には、上記した起立片16が設けられる。
第三のパネル101は平面視矩形状をしており、第四壁パネル204の上端に沿った方向が長手方向となり、第一壁パネル201の上端に沿った方向が短手方向となっている。本実施形態の第三のパネル101は、第四壁パネル204の上端の全長に亘って連結される。
第三のパネル101の周縁において、三辺がそれぞれ第一壁パネル201、第二壁パネル202、第四壁パネル204に連結され、残りの一辺が隣接する点検口パネル12および面状発光体6に連結される。特に第三のパネル101における面状発光体6と連結する部分には、上記した起立片16が設けられる。
点検口12に関しては、上記した第一実施形態、第二実施形態および第三実施形態の点検口パネル12と同じ構成となっている。
このように、本実施形態では、天井部1における面状発光体6が占める領域を、天井パネル10が占める領域よりも小さくした。これにより、面状発光体6をコンパクトな構成にすることができるので、浴室外方への照明装置の突出長さを短くすることができ、浴室空間が狭くなるのを抑制することができる。
以上のように、浴室は、天井部1および壁部2を備える。天井部1または壁部2の一部または全部の領域に設けられるフレーム4を備える。フレーム4は、周縁部に、壁部2または天井部1と連結されるための連結部400を備え、フレーム4に囲まれる空間に面状発光体6を備えることを特徴とする。
これにより、天井部1または壁部2における浴室外方への照明装置の突出長さが、従来の照明装置の突出長さよりも短くてすむか、あるいは照明装置が突出しなくてすむ。
また、面状発光体6は、発光素子7および導光板8を有する装置、または、複数の発光素子を備えた基板を有する装置、または、EL素子を有する装置のいずれか一つまたは複数により構成されることが好ましい。
これにより、従来の一般的な白熱電球または蛍光灯が用いられる照明装置と比較して、厚みが薄くなり、天井の高さを下げなくても、広い面積の照明装置を設けることができる。
また、フレーム4は、本体となる枠片51、枠片51よりフレーム4の面方向内側に向けて設けられる支持片43、53と、を備え、支持片43、53の浴室外側の面に、パッキン48を介して浴室内に面する透光性カバー31が取り付けられ、透光性カバー31は、面状発光体6から浴室内側に所定の間隔をあけて配置されるものであることが好ましい。
また、フレーム4は、本体となる枠片51、枠片51よりフレーム4の面方向内側に向けて設けられる支持片43、53と、を備え、支持片43、53の浴室内側の面に、パッキン48を介して浴室内に面する透光性カバー31が取り付けられ、透光性カバー31は、面状発光体6から浴室内側に所定の間隔をあけて配置されるものであることが好ましい。
また、透光性カバー31は、浴室内外方向視において面状発光体6と略同じ形状であることが好ましい。
これにより、透光性カバー31の全面から均一に発光しているように見え易くなり、使用者が自然光を浴びているような開放感を感じることができる。
また、フレーム4は、天井部1または壁部2の一部の領域に設けられ、天井部1または壁部2の一部の領域を除いた残りの領域にパネルが設けられ、透光性カバー31およびパネルの浴室内側の面が略面一となることが好ましい。
これにより、浴室内側からの見栄えが良くなる。