JP6446683B2 - 試料の水蒸気透過度測定装置及び水蒸気透過度測定方法 - Google Patents

試料の水蒸気透過度測定装置及び水蒸気透過度測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、試料を取り付けたカップ内を加圧して試料の水蒸気透過度を測定するに際し、そのカップに圧力を調整する機構を設けた水蒸気透過度測定装置及びその測定装置を使用した水蒸気透過度測定方法に関する。
デジタル家電、IT部品、車載半導体、太陽電池等に代表されるデバイスの開発において、長寿命化や信頼性を高めるために高気密パッケージの実現が極めて重要な課題となっている。これを達成するために有機・無機ハイブリッドによる水蒸気バリアフィルム、高耐熱シール材等の部材開発が進められているが、デバイスの信頼性評価条件として欠かせない60℃、90%RH乃至85℃、85%RH等に合わせた高温環境下での水蒸気透過度測定方法がISO等で定められておらず、各自が各々独自の手法により様々な態様でその測定方法を実施しているのが現状である。
市販されている高温環境下での水蒸気透過度測定装置として、ガスクロ法を改良した方法、モコン法を改良した方法等があるが、それらの測定装置はいずれも高額であり、且つ、特殊であるため、それらの測定装置を導入して試料の測定をすることは簡便な手段とはいえなかった。
また、上記試料の測定装置は、一般的に防湿性の高いフィルム(40℃、90%RHにおいて10〜10−2 g/m/day単位面積、単位時間当たりの水蒸気透過量)の測定を目的とした測定装置であり、防湿フィルムを85℃で測定するとなると、その値は40℃の測定値に比較しておよそ10〜30倍の値となるため、測定装置の測定上限値を超えてしまうことが多かった。また、接着剤や塗料の水蒸気透過度は、40℃、90%RH、試料膜厚100μmにおいて10〜10g/m/day程度であり、これらの「比較的防湿性の低い材料」を市販の測定装置で測定することは困難であった。
同様に、カルシウム法(特許文献1)は、高温環境下における水蒸気透過度測定が可能であるが、この方法は10−3g/m/day以下の水蒸気透過量を測定する方法であるため、「比較的防湿性の低い材料」に対しては上記と同様の問題点が生じていた。
また、カップ法(非特許文献1)は、JIS Z 0208「防湿包装材料の透湿度試験方法」に規定されている方法で、最も基本的で、且つ、安価な水蒸気透過度測定方法であり、試料の測定範囲が10〜10g/m/dayの「比較的防湿性の低い材料」の測定に適している。
図13は、繊維を試料とした水蒸気透過度測定装置Aの従来例(JIS L 1099)であるが、吸湿剤Bを充填したカップCの鍔部D上に試料Eを掛け渡して張設し、該試料Eの端縁部上をリング部材Fにより押え、該鍔部Dとリング部材Fを螺合手段Gにより締め付けることで該試料Eを固定し、該試料Eの側縁部は該鍔部Dと該リング部材Fの各々の側縁部を含むようにビニールテープHを巻き付けることで密封状態を達成していた。
図14は、包装用フィルムを試料とした水蒸気透過度測定装置Jの従来例(JIS Z 0208)であるが、吸湿剤Kを充填したカップLの上縁部に凹溝Mを形成した鍔部Nを設け、該鍔部Nの内側上に試料Pを掛け渡して張設し、該試料Pの端縁部上をリング部材Qにより押え、該試料Pの該凹溝Mに露出した側縁部は該凹溝M内をろうR付けすることにより該試料Pの密封状態を達成していた。
上記いずれの従来例も試料の低温度条件下での水蒸気透過度測定装置及び測定方法であり、温度を上昇させていくとカップC、L内の圧力が増加し、試料E、Pを内側から外側へと押し上げ、該試料に凹凸を生じさせたり破損が生じるという問題点があった。また、試料E、Pを密封する手段であるビニールテープHの接着剤やろうRの融点(融点50〜60℃)は低く、該水蒸気透過度測定装置A、Jを60℃以上の高温にすると該接着剤やろうが溶融し、密封機能を達成できなくなっていた。それらにより試料の正確な水蒸気透過度測定をすることができず、上記カップ法は高温環境下での測定には適さなかった。
特開2006−250816号公報
JIS Z 0208「防湿包装材料の透湿度試験方法」 1976年
本発明は、上記問題点を解決したもので、比較的防湿性の低い試料に対して、従来のカップ法と同等の安価な測定方法で、且つ、高温環境下における水蒸気透過度測定を可能とする試料の水蒸気透過度測定装置及びその装置を使用した測定方法を提供するものである。
上述した課題を解決するために、本発明に係る水蒸気透過度測定装置にあっては、底部、該底部から立設した側壁部及び該側壁部上端部を開口部とし、該開口部の上端部に鍔部を設けたカップの該カップ内を圧力上昇空間部、該鍔部を試料設置部とし、該空間部に吸湿剤を充填し、該鍔部上に試料を掛け渡して載置固定してなる試料の水蒸気透過度測定装置において、該鍔部、側壁部又は底部のいずれかに該カップ内の圧力上昇を調整する圧力調整機構を設けた試料の水蒸気透過度測定装置を特徴とする。
また、前記圧力調整機構は、カップ内の圧力上昇を緩和するための空気収納手段と該カップと空気収納手段とを連通する流通孔形成手段とよりなる水蒸気透過度測定装置を特徴とする。
更に、前記圧力調整機構は、カップ内の圧力上昇を緩和するための手段として底部を外方へ膨出可能な可撓性部材で形成してなる水蒸気透過度測定装置を特徴とする。
また、前記空気収納手段は、周囲が密閉された袋体とした水蒸気透過度測定装置を特徴とする。
更に、前記袋体は、その周囲又は周囲の一部にひだを設け、空気量の増加に対応できる水蒸気透過度測定装置を特徴とする。
また、前記袋体は、偏平状の大きな表面積を有し、カップの鍔部に沿った位置或いはそれに近接した位置で折り曲げ自在としてなる水蒸気透過度測定装置を特徴とする。
更に、前記流通孔形成手段は、カップと略同形状の開口部を設けた板状体の硬質で吸水率の小さなガスケットとし、該ガスケットを袋体の鍔部載置位置の内側又は外側或いは内・外に分割配設し、該板状体に該開口部と袋体とを連通する貫通孔又は溝よりなる流通孔を設けた水蒸気透過度測定装置を特徴とする。
また、前記試料は、その水蒸気透過度測定範囲を10〜10g/m/dayとした水蒸気透過度測定装置を特徴とする。
更に、下記よりなる水蒸気透過度測定方法を特徴とする。
1)請求項1乃至8記載の水蒸気透過度測定装置のいくつかを所定条件に設定した恒温恒湿器に配設して加湿する、
2)その後、該水蒸気透過度測定装置をデシケータに入れて冷却する、
3)冷却した該水蒸気透過度測定装置を分析天秤にてその質量を測定する、
4)測定後、該水蒸気透過度測定装置を再度恒温恒湿器の中に配設する、
5)所定時間後、該水蒸気透過度測定装置を恒温恒湿器より取り出し、再度分析天秤に入れ質量を測定する、
6)上記により単位時間当りの質量増加を求め試料の水蒸気透過度を算出する。
本発明は、試料の高温環境下における水蒸気透過度測定を簡易、且つ、安価に行うことができ、従来から行われている高価なガスクロ法による測定方法と同等の高い精度の測定結果を得ることが可能となった。また、本発明の水蒸気透過度測定装置は、コンパクトで安価な装置とすることができるので、複数の試料を同時に測定でき、試料のスクリーニング試験を行うために最適な装置及びその装置による水蒸気透過度測定方法を得ることが可能となった。
本発明の水蒸気透過度測定装置の側断面図。 (a)乃至(h)水蒸気透過度測定装置に使用する圧力調整機構の袋体の周囲形状の実施例を示す側面図、斜視図又は断面図。 (a)乃至(c)袋体とガスケットとの関係及びガスケットにおける流通孔のいくつかの態様を示す平面図。 (a)乃至(d)水蒸気透過度測定装置の袋体、ガスケット及び該ガスケットに設けた流出孔との関係を示す側断面図。 (a)乃至(c)袋体に対するガスケットの取り付け位置を示す側断面図。 (a)袋体とカップ及びリング体との関係を示す側断面図、(b)、(c)袋体に接着層を設けた側断面図。 (a)、(b)水蒸気透過度測定装置の上方からの斜視図。 (a)乃至(d)本発明の水蒸気透過度測定装置を完成させる工程を示す側断面図。 (a)乃至(d)本発明の水蒸気透過度測定装置を使用した試料の水蒸気透過度を測定する工程を示す側断面図。 (a)、(b)本発明の水蒸気透過度測定装置を使用した試料の水蒸気透過度の実験結果を示す図。 本発明の水蒸気透過度測定装置の他の実施例を示す側断面図。 (a)、(b)本発明の水蒸気透過度測定装置の他の実施例を示す側断面図。 水蒸気透過度測定装置の従来例を示す側断面図。 水蒸気透過度測定装置の他の従来例を示す側断面図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の試料の水蒸気透過度測定装置1の側断面図を示したもので、該水蒸気透過度測定装置1は、底部2、該底部2の周囲から立設した側壁部3、該側壁部3の上端部から外方へ突出した鍔部4とからなるカップ5を形成し、該カップ5内に充填した吸湿剤6、該鍔部4上に該鍔部4との接触面に必要に応じて薄いシール層7を形成した圧力調整部材8を載置し、該圧力調整部材8上には必要に応じて上記同様の薄いシール層9を形成したその内側を試料載置部10とし、該試料載置部10に該カップ5の開口部11全体を閉鎖するように試料12を掛け渡し載置し、該試料12の縁部を押えるようにしてリング部材13を載置し、該鍔部4と該リング部材13間の圧力調整部材8をボルト・ナットの螺合等の着脱自在となる固定手段14により固定してなる構成を有しているものである。
上記カップ5並びに吸湿剤6、圧力調整部材8、試料12、リング部材13及び固定手段14とよりなる測定セルを、以下、水蒸気透過度測定装置1という。
該カップ5内に充填される吸湿剤6は、粒状の塩化カルシウムが最適であるが、その他、シリカゲル、モレキュラーシーブ、硫酸バリウム等の粒状のものが使用できる。
該圧力調整部材8は、試料12の測定の際の温度上昇に伴ない、カップ5内の膨張した空気を該カップ5内より逃がし、該カップ内圧力が上昇することを押えるためのものである。従って、該圧力調整部材8は、膨張分の空気を収納することができる袋体15と該カップ5から該袋体15への空気の移動を可能とする流通手段を確保し、且つ、該カップ5と該袋体15との固定において該袋体15に損傷を与えない補強部材の役割を成す硬質部材よりなるガスケット16とよりなり、該袋体15を風船状に膨出変化させることで該カップ5内の圧力上昇を抑えるものである。該ガスケット16は、軽量で強度があり、吸水率の小さなPPガスケットが最良である。
該圧力調整部材8は、カップ5より外方へ突出することになるので、その後の測定対応を考慮すると、その袋体15は、偏平状或いはそれに近い状態の形状から膨出変化できるものが取り扱い易く、その材料は、水が透過しない可撓性材料で、40℃、90%RHにおいて、0.1g/m/day以下のものがよく、0.01g/m/day以下のものが最適である。
上記条件に適合した袋体15を得るには、所定の材料を積層したものが合理的で、具体的には、内側の第1層に金属箔、ガラス箔、液晶ポリマー、テフロン(登録商標)、粘土フィルム等のいずれかを使用し、外側の第2層をシリカ蒸着、アルミナ蒸着と無機物蒸着フィルム又は有機、無機、有機・無機複合のバリアコーティングフィルム又はアルミ、銅の金属蒸着フィルム、アルミ箔張り合わせフィルム等のいずれかを使用した積層体としたものがよい。また、上記材料をベースとして更に多層化した多層フィルムよりなる積層体を採用することができる。例えば、外側からPETフィルム、アルミ箔、ナイロンフィルム及びPPフィルムのような4層構造とした多層フィルムよりなる袋体15が好ましい。
該袋体15は、カップ5内より空気流通手段を通じて空気が入り込み、図2に示すように、入り込んだ空気が外部に漏れない周囲を密封状態としたもので、偏平状或いはそれに近い状態のものから空気の入り込みにより風船状に膨らむことのできる形状としたものが採用される。
該袋体15の周囲形状の具体例としては、図2(a)に示す合掌(背貼)タイプの袋体、(b)に示す三方を封鎖した三方タイプの袋体、(c)に示す平袋・ピロータイプの袋体、(d)に示す簡易封緘できるチャック付タイプの袋体、(e)に示すGZ(ガゼット)タイプの袋体、(f)に示す自立できるスタンドタイプの袋体、(g)に示すサイドシールタイプの袋体、(h)に示すキャップ付・ボトルタイプの袋体等が採用される。スタンドタイプの袋体がカップ5に固定し易く、且つ、膨らみ易いので最適である。
該袋体15は、下記の表1に示すように、測定しようとする温度により空気膨張量が異なるので、例えば、カップ容量を70.7cmとし、該カップ容量からカップ内に充填した吸湿剤の容量43cm(20g、2.15g/cm)を除いた値となるカップ内空気量を27.7cmとした場合、温度条件に応じて表1の右列に示す大きさの袋体が必要となる。
該袋体15をカップ5に固定し、カップ5内の膨張空気を該袋体15内に逃がし、且つ、その後の冷却時には該袋体15内の膨張空気をカップ内に逃がすために該カップ5と固定される鍔部4の位置の袋体15に開口部を設け、その開口部の位置にガスケット16(以下、PPガスケット16という)を取着することになる。該PPガスケット16は、2.0mm〜4.0mm厚の平坦部を設けた板状体17の中央部にカップ5の開口部11及び袋体15の開口部の形状にほぼ合致した開口部18を形成し、該開口部18と袋体15との間を連続する空気流出のための流出孔19を設けている。該PPガスケット16を鍔部4の位置に載置して固定することで圧力調整部材8としての機能を達成することができる。図3は、該袋体15とPPガスケット16及び流出孔19との関係の一例を示している。
該流出孔19は、図3(a)では1箇所、(b)では集中した位置に3箇所、(c)では均等に分散した位置で3箇所設けている。流出孔19の大きさは、上記表1に示した大きさのカップ容量の場合、0.25mmφ〜1.0mmφが良好である。0.25mmφの1箇所だけでは圧力調整が良好に働かない。他方、該流出孔19を大きくすると、水蒸気が再びカップ5内に戻るおそれがあり、また、PPガスケット部材の強度不足が生じるおそれがある。1.0mmφを3箇所設けるのが最適である。
図4は、水蒸気透過度測定装置1における圧力調整部材8となる袋体15とPPガスケット16及び該PPガスケット16の流出孔19との関係を示す断面図である。図4(a)は、一体成型でPPガスケット16の板状体17の部材内に貫通孔となる流出孔19aを設けたものである。(b)は、PPガスケット16の板状体17の部材上面に溝を設けて流出孔19bとしたものである。溝は部材下面に設けてもよい。この場合は、袋体を固定するための締め付け時に該溝が閉鎖されないように考慮する必要がある。他方、締め付けが不足すると当該部分が緩くなり、水の浸入が大きくなり、いずれの場合も測定不良の原因となる。
(c)は、PPガスケット16を3層フィルムの積層体として形成し、中間層の一部を除くことで部材内に流出孔19cを形成したものである。(d)は、3層フィルムの内、中間層の一部を除いて流出孔19dとし、上層部分を袋体15の外側に位置させたものである。当該部分の袋体15を硬くすることができるので流出孔19dからの水の浸入を防止することができる。積層体の場合、上層部分の他、下層部分を袋体15の外側に出したり、上下層部分の両方を袋体15の外側に出しても同様の効果を得ることができる。
図5は、袋体15とPPガスケット16との取り付け位置関係を示す断面図で、図5(a)は、PPガスケット16の片面のみを袋体15の内側に接着した図を示している。両面とも接着しない態様もある。この実施例の場合、袋体15の内側に溜まっているガスを抜き易くなる。(b)は、PPガスケット16の両面を袋体15の内側に接着したものである。(c)は、PPガスケット16を3層構造とした場合で、上下層を袋体15の外側に出し、その各々は該袋体15の外側で接着し、中間層は片面のみを袋体15の内側で接着している。
図6(a)は、圧力調整部材8を、鍔部4上で固定した状態を示した断面図で、固定手段14となるネジ・ナットによる螺合のみによって着脱自在に固定したものである。試料12のシール状態をより良好とするために、(b)に示すように、鍔部4上に位置することになる該圧力調整部材8の上下面に薄いシール層7、9としてシリコーンオイルコンパウンドを塗布するとよい。また、(c)に示すように、該圧力調整部材8の鍔部4の位置の上下面に粘着剤、接着剤、両面テープ、グリス等の接着層による固定兼用のシール層7、9を設けてもよい。
図7は、固定手段14示した斜視図で、図7(a)は、鍔部4の下方側から上方側へ突出した3箇所のボルト20に蝶ナット21を螺合させた態様である。蝶ナット21の締め付け及び取り外しにより試料12及び圧力調整部材8の取り付け、固定、取り除きが可能となる。(b)は、固定手段14を8箇所に設けたものである。該固定手段14としては螺合手段の他、係着、嵌着、掛着等、必要に応じて適宜の手段を採用することができる。
試料12には、繊維やフィルム材等の測定される適宜な材料を選択することになる。特に、高温環境下での測定を必要とする材料に最適な結果をもたらすことができる。
上記構成よりなる水蒸気透過度測定装置1の組み立て及びその測定方法の一実施例について以下に詳述する。
図8(a)乃至(d)は、水蒸気透過度測定装置1を組み立てて完成させる工程を示したもので、図8(a)は、カップ5内に吸湿剤6として無水塩化カルシウムを充填した図を示している。このようなカップ5を複数個、少なくとも3点用意する。
次に、(b)に示すように、該カップ5の鍔部4上に、袋体15とPPガスケット16とよりなり、必要に応じて上下面にシール層7、9を設けた圧力調整部材8を該PPガスケット16が該鍔部4上に位置するようにして載置する。
次に、(c)に示すように、測定する試料12を採取し、カップ5の開口部11全面を閉鎖するように鍔部4上の前工程で取り付けた圧力調整部材8上に掛け渡して載置する。該試料12の側縁部はシール層9又は別途のシール部材により密封閉鎖される。採取する試料12は、直径約70mmの片で、これを3枚用意して取り付けることになる。
次に、(d)に示すように、該圧力調整部材8上に、必要に応じてリング状のシリコーンパッキン22を介してリング部材13を載置し、鍔部4から立ち上げたボルト20に蝶ナット21を螺合して固定する。上記により水蒸気透過度測定装置1とする。
上記工程で完成した該水蒸気透過度測定装置1を、図9(a)に示すように、恒温恒湿器23中に配設する。図9(a)では、上下段に形成した棚24上に同じものを3個配設した図を示しているが、該恒温恒湿器23内における棚24は器内の恒温恒湿性を妨げることのない位置であれば適宜な箇所に配置することができ、また、水蒸気透過度測定装置1は、必要に応じて4個以上の複数個を配設することも可能である。該恒温恒湿器23は、例えば、85℃、90%RH等のように所定の試験条件を設定し、2時間以上該恒温恒湿器23中に置いてなじませることになる。
該水蒸気透過度測定装置1を加湿させることにより、(b)に示すように、カップ5内の空気は膨張し、その膨張した空気は流出孔19より圧力調整部材8の袋体15の中に入り、該袋体15を膨らますことになる。従って、試料12がカップ5の内側から外方へ強く押されて凸状になることはなく、また、シワを生じることなく試料12の損傷を回避することができる。
その後、(c)に示すように、シリカゲル25を内設したデシケータ26内に水蒸気透過度測定装置1を入れ、冷却する。
冷却した水蒸気透過度測定装置1の圧力調整部材8の袋体15の両端部側を重なるようにして内側へ折り畳むことにより全体をコンパクト化させることができる。図1に示すように、圧力調整部材8となる袋体15の端部に両面テープ、面ファスナー、ボタン留め具等の係止部材27を設けておくことにより内側へ折り畳んだ状態を維持することができ、分析用電子天秤28内への挿入作業が容易となる。係止部材27を設けていない場合は、クリップ等により仮止めすることになる。袋体15を折り畳んだ水蒸気透過度測定装置1を、(d)に示す分析用電子天秤28の風防内に入れ、分析用電子天秤28でその質量を測定する。
測定後、水蒸気透過度測定装置1における圧力調整部材8の袋体15を広げ、再び恒温恒湿器23中に配設する。
8〜48時間の適宜な時間後に、該水蒸気透過度測定装置1を取り出して冷却し、袋体15をコンパクト化し、再度分析用電子天秤28内に入れ秤量する操作を連続して繰り返す。
上記2回行った連続する秤量により、単位時間当りの質量増加を求め、それが5%以内で一定になったところで水蒸気透過度(g/m/day)を算出する。この際、冷却時間及び秤量時間は計算から除くことになる。上記経過時間と増加質量との関係は図10(a)に示す通りである。
上記により、図10(b)に示すように、水蒸気透過度の小さいアルミ蒸着フィルム(85℃、85%RHにおいて1g/m/day)から、水蒸気透過度の大きいアクリル系接着剤(85℃、85%RHにおいて10g/m/day)まで、広範囲にわたり水蒸気透過度の測定を行うことが可能となった。
図11は、水蒸気透過度測定装置31の他の実施例で、該水蒸気透過度測定装置31の側壁部32の壁部に貫通孔となる流出孔33を設け、該流出孔33に圧力調整部材34となる袋体35を取着した態様のものである。
該流出孔33と袋体35とは係着、嵌着、掛着、螺合等の適宜手段により着脱自在に連結することができる。実施例1と同様、加湿によりカップ36内の圧力が上昇すると膨張した空気が該流出孔33より該袋体35側へ流出し、試料37の損傷を回避することができるものである。
その他の水蒸気透過度測定装置の構成及びその装置を使用した水蒸気透過度測定方法は、実施例1と同様、恒温恒湿器に挿入し、デシケータで冷却し、それを繰り返し、その後、分析用電子天秤で質量を測定するものである。
図12(a)、(b)は、水蒸気透過度測定装置41の他の実施例で、該水蒸気透過度測定装置41の底部42を可撓性部材により形成し、カップ43内の圧力が上昇すると該可撓性部材よりなる底部42が外方へ膨出し、その膨出により、試料44の損傷を回避することができるものである。該可撓性部材よりなる底部42が圧力調整部材としての役割を成すものである。
底部42側の具体的な実施例では、図12(a)、(b)のいずれの場合もカップ43内の空間部に充填される吸湿剤45が、該可撓性部材よりなる底部42の外方への膨出に対応して同様に下がることを防止するために該底部42上となる側壁部46の内側に吸湿剤支持機構47を設けている。
該吸湿剤支持機構47は、充填した吸湿剤45の充填位置が確保できるように、強度のある紙、金属製網、合成樹脂製メッシュ等のものを採用し、該底部42が下方へ変位しても該吸湿剤45はそのままの位置で留まることを可能としている。
図12(a)は、該吸湿剤支持機構47を側壁部46の内側下方に直接固定したものであり、カップ43の製造時に一体的に取着してもよいし、底部のないカップ43にその後側壁部46の内側に溶着、接着等の適宜な手段で固定してもよい。底部42となる可撓性部材は、該吸湿剤支持機構47の外側に上記と同様の手段により側壁部46の内側下方に取着することになる。該可撓性部材が外方へ膨出してもその膨出部が該側壁部46の高さ内に収まる位置に取着する。
図12(b)は、該吸湿剤支持機構47を側壁部46の内側下方に突起48を設け、該突起48上に該吸湿剤支持機構47を載置又は載置固定したものである。底部42となる可撓性部材は、該突起48の下方にそれと一体的に又は別途固定手段により側壁部46の内側下方に取着することになる。
その他の水蒸気透過度測定装置の構成及びその装置を使用した水蒸気透過度測定方法は、実施例1と同様、恒温恒湿器に挿入し、デシケータで冷却し、それを繰り返し、その後、分析用電子天秤で質量を測定するものである。
1、31、41 水蒸気透過度測定装置
2 底部
3、46 側壁部
4 鍔部
5、36、43 カップ
6、45 吸湿剤
7、9 シール層
8、34 圧力調整部材
10 試料載置部
11 開口部
12、37、44 試料
13 リング部材
14 固定手段
15、35 袋体
16 ガスケット
17 板状体
18 PPガスケットの開口部
19、33 流出孔
20 ボルト
21 蝶ナット
22 シリコーンパッキン
23 恒温恒湿器
24 棚
25 シリカゲル
26 デシケータ
27 係止手段
28 分析用電子天秤
32 側壁部
42 圧力調整部材としての底部
47 吸湿剤支持機構
48 突起

Claims (9)

  1. 底部、該底部から立設した側壁部及び該側壁部上端部を開口部とし、該開口部の上端部に鍔部を設けたカップの該カップ内を圧力上昇空間部、該鍔部を試料設置部とし、該空間部に吸湿剤を充填し、該鍔部上に試料を掛け渡して載置固定してなる試料の水蒸気透過度測定装置において、該鍔部、側壁部又は底部のいずれかに該カップ内の圧力上昇を調整する圧力調整機構を設けたことを特徴とする試料の水蒸気透過度測定装置。
  2. 圧力調整機構は、カップ内の圧力上昇を緩和するための空気収納手段と該カップと空気収納手段とを連通する流通孔形成手段とよりなることを特徴とする請求項1記載の水蒸気透過度測定装置。
  3. 圧力調整機構は、カップ内の圧力上昇を緩和するための手段として底部を外方へ膨出可能な可撓性部材で形成してなることを特徴とする請求項1記載の水蒸気透過度測定装置。
  4. 空気収納手段は、周囲が密閉された袋体としたことを特徴とする請求項2記載の水蒸気透過度測定装置。
  5. 袋体は、その周囲又は周囲の一部にひだを設け、空気量の増加に対応できることを特徴とする請求項4記載の水蒸気透過度測定装置。
  6. 袋体は、偏平状の大きな表面積を有し、カップの鍔部に沿った位置或いはそれに近接した位置で折り曲げ自在としてなることを特徴とする請求項4又は5記載の水蒸気透過度測定装置。
  7. 流通孔形成手段は、カップと略同形状の開口部を設けた板状体の硬質で吸水率の小さなガスケットとし、該ガスケットを袋体の鍔部載置位置の内側又は外側或いは内・外に分割配設し、該板状体に該開口部と袋体とを連通する貫通孔又は溝よりなる流通孔を設けたことを特徴とする請求項2又は4乃至6のいずれか記載の水蒸気透過度測定装置。
  8. 試料は、その水蒸気透過度測定範囲を10〜10g/m/dayとしたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか記載の水蒸気透過度測定装置。
  9. 下記よりなる水蒸気透過度測定方法。
    1)請求項1乃至8記載の水蒸気透過度測定装置のいくつかを所定条件に設定した恒温恒湿器に配設して加湿する、
    2)その後、該水蒸気透過度測定装置をデシケータに入れて冷却する、
    3)冷却した該水蒸気透過度測定装置を分析天秤にてその質量を測定する、
    4)測定後、該水蒸気透過度測定装置を再度恒温恒湿器の中に配設する、
    5)所定時間後、該水蒸気透過度測定装置を恒温恒湿器より取り出し、再度分析天秤に入れ質量を測定する、
    6)上記により単位時間当りの質量増加を求め試料の水蒸気透過度を算出する。
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