JP6446465B2 - 入出力装置、入出力プログラム、および入出力方法 - Google Patents

入出力装置、入出力プログラム、および入出力方法 Download PDF

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Description

本発明は、入出力装置、入出力プログラムおよび入出力方法に関する。より具体的に本発明は、立体視像を容易に操作することができる入出力装置、入出力プログラムおよび入出力方法に関する。
日本国特公平8−31140号公報(特許文献1)には、高速で臨場感のある画像をスクリーン上に表示するようなコンピュータグラフィックス、すなわち高速画像生成表示方法が開示されている。
特許文献1に記載の高速画像生成表示方法においては、立体構造をもつ対象を2次元画面に投影して表示する高速画像生成表示方法であって、対象の構成面は、対象座標系において、領域の大きさを少なくとも1つの要素として階層的に記述され、任意の視点から見た時の該対象の構成面を2次元画面へ投影するに際して、表示基準座標系原点または視点から対象座標系で表される該対象の任意の点までの距離を少なくとも1つのパラメータとして階層度を設定することを特徴とする。
日本国特開2004−126902号公報(特許文献2)には、観測者に負担のない立体視映像を効率よく生成する立体視画像生成方法および立体視画像生成装置が開示されている。
特許文献2に記載の立体視画像生成方法は、三次元座標を有するポリゴンで構成されるオブジェクトのうち、平面視表示させるオブジェクトデータを基準カメラを原点とする基準カメラ座標系データに、立体視表示させるオブジェクトのデータを所定の視差角を有する右眼用及び左眼用視差カメラをそれぞれ原点とする右眼用及び左眼用視差カメラ座標系データに変換し、基準カメラ座標系のオブジェクトのデータと、右眼用視差カメラ座標系のオブジェクトのデータを右眼用画像データとして、ビデオメモリに描画し、基準カメラ座標系のオブジェクトのデータと、左眼用視差カメラ座標系のオブジェクトのデータを左眼用画像データとして、ビデオメモリに描画し、ビデオメモリに描画された右眼用画像データと左眼用画像データを合成して、立体視オブジェクトと平面視オブジェクトの混在する画像を立体視表示装置に表示することを特徴とする。
日本国特表2012−533120号公報(特許文献3)には、顔認識及びジェスチャ/体位認識技法を使用する方法が開示されている。
特許文献3に記載の方法は、ユーザの気質を示す属性を視覚表示に適用するための方法であって、ユーザの視覚表示をレンダリングするステップと、物理的な空間のデータを受信するステップであって、データが、物理的な空間内のユーザを代表しているものと、ユーザの気質を推論するために、少なくとも1つの検出可能な特徴を解析するステップと、ユーザの気質を示す属性を視覚表示に適用するステップと、を含む。
日本国特表2012−528405号公報(特許文献4)においては、空間またはジェスチャ計算システムにマルチモード入力を供給するシステムおよび方法が開示されている。
特許文献4に記載のシステムは、入力デバイスと、プロセッサに結合され、入力デバイスの方位を検出する検出器と、を備えているシステムであって、入力デバイスが、方位に対応する複数のモード方位を有し、複数のモード方位が、ジェスチャ制御システムの複数の入力モードに対応し、検出器が、ジェスチャ制御システムに結合され、方位に応答して、複数の入力モードからの入力モードの選択を自動的に制御する。
日本国特表2012−521039号公報(特許文献5)においては、仮想オブジェクトを操作するためのシステム、方法及びコンピューター読み取り可能な媒体が開示されている。特許文献5に記載の方法は、仮想空間において仮想オブジェクトを操作する方法であって、仮想オブジェクトを操作するためにユーザが利用する少なくとも1つのコントローラーを決定するステップと、コントローラーを仮想空間におけるカーソルにマッピングするステップと、ユーザがカーソルによって仮想オブジェクトを操作することを示すコントローラー入力を決定するステップと、操作の結果を表示するステップとを含む方法について開示されている。
日本国特開2012−106005号公報(特許文献6)においては、画像表示装置の観察者が、実際には存在しない立体像に対してあたかも直接的に操作を行えるかのような感覚を得ることができる画像表示装置、ゲームプログラム、ゲーム制御方法が開示されている。特許文献6に記載の画像表示装置は、表示画面に視差画像を表示する画像表示手段と、視差画像の観察者によって表示画面と観察者との間に認識される立体像の仮想的な空間座標を算出する第1座標算出手段と、観察者の操作対象である操作体の空間座標を算出する第2座標算出手段と、第1座標算出手段によって算出された立体像の少なくとも1点の空間座標と、第2座標算出手段によって算出された操作体の少なくとも1点の空間座標との間の距離が所定の閾値以下になったときに、視差画像、または視差画像以外の表示画面上の画像の少なくとも一方の変化を伴う所定のイベントを発生させるイベント発生手段と、を備える。
国際公開第2014/106823号公法(特許文献7)においては、深度センサを持つヘッドマウントディスプレイについて開示されている。
当該ヘッドマウントディスプレイにおいては、ヨガの指導またはゲームシミュレータについて開示されている。
日本国特公平8−31140号公報 日本国特開2004−126902号公報 日本国特表2012−533120号公報 日本国特表2012−528405号公報 日本国特表2012−521039号公報 日本国特開2012−106005号公報 国際公開第2014/106823号公報
本発明の目的は、容易に操作することができる入出力装置、入出力プログラムおよび入出力方法を提供することである。
本発明の他の目的は、人間工学に基づいて容易に操作することができる入出力装置、入出力プログラムおよび入出力方法を提供することである。
(1)
一局面に従う入出力装置は、立体視像を生成可能な表示装置と、対象物までの距離を測定する深度センサと、深度センサに応じて表示装置に表示を行う制御部と、を含み、深度センサの検知領域は、深度センサの深度方向に幅を有し、かつ湾曲した測定領域からなり、深度センサの深度方向の遠方側の曲率半径と、深度センサの深度方向の近方側の曲率半径とが、異なるものである。
この場合、遠方側の曲率半径と、近方側の曲率半径とが異なる。したがって、腕を伸長させた遠方側の曲率半径よりも大きな近方側の曲率半径を設定することができる。その結果、ユーザは、近方側において、円滑に操作し、深度センサにより検知させることができる。したがって、ユーザは、人間工学基づいて円滑に操作することができる。
(2)
第2の発明に係る入出力装置は、一局面に従う入出力装置において、制御部は、遠方側の曲率半径に沿った検知領域の検知軌跡を、表示装置に直線移動で表示させてもよい。
この場合、制御部は、遠方側の曲率半径に沿った検知軌跡を、表示装置に直線移動で表示することができる。すなわち、ユーザが手を最大伸長させた場合、肩を中心にユーザの手が遠方側の曲率半径を移動する。その結果、ユーザは、直線で移動させている意図があるものの、実際には、曲率半径で移動するため、制御部は、直線として認識し、表示装置に直線移動で表示させる。すなわち、ユーザは、人間工学に基づいて操作することができる。
(3)
第3の発明に係る入出力装置は、一局面または第2の発明に係る入出力装置において、制御部は、近方側の曲率半径に沿った検知領域の検知軌跡を、表示装置に直線移動で表示させてもよい。
この場合、制御部は、近方側の曲率半径に沿った検知軌跡を、表示装置に直線移動で表示することができる。すなわち、ユーザが手を曲げた場合、肩を中心にユーザの手が近方側の曲率半径を移動する。その結果、ユーザは、直線で移動させている意図があるものの、実際には、曲率半径で移動するため、制御部は、直線として認識し、表示装置に直線移動で表示させる。すなわち、ユーザは、人間工学に基づいて操作することができる。
(4)
第4の発明に係る入出力装置は、一局面から第3の発明に係る入出力装置において、遠方側の曲率半径は、近方側の曲率半径よりも小さくてもよい。
この場合、遠方側の曲率半径は、肩を中心に移動させるのに対して、近方側の曲率半径は、肩のみでなく肘を腕と動かすことができるため、曲率半径が大きくなる。その結果、入出力装置は、ユーザに意識させることなく表示装置に直線移動を表示させることができる。
(5)
第5の発明に係る入出力装置は、一局面から第4の発明に係る入出力装置において、湾曲した測定領域は、鉛直方向および水平方向の両方向を含む立体領域であってもよい。
この場合、鉛直方向および水平方向の両方向を含む立体領域からなるので、入出力装置の操作性を高めることができる。
(6)
第6の発明に係る入出力装置は、一局面から第5の発明に係る入出力装置において、表示装置がヘッドマウントディスプレイであってもよい。
この場合、入出力装置が、例えば眼鏡のように小型かつ装着可能な態様となるので、容易に携帯可能となる。また、ヘッドマウントディスプレイは小型であるので、汎用性および利便性を高めることができる。
(7)
他の局面に従う入出力プログラムは、立体視像を生成可能な表示処理と、対象物までの距離を測定する深度センサ処理と、深度センサ処理に応じて表示処理に表示を行う制御処理と、を含み、深度センサ処理の検知領域は、深度センサ処理の深度方向に幅を有し、かつ湾曲した測定領域からなり、深度センサ処理における深度方向の遠方側の曲率半径と、深度センサ処理における深度方向の近方側の曲率半径とが、異なるものである。
この場合、遠方側の曲率半径と、近方側の曲率半径とが異なる。したがって、腕を伸長させた遠方側の曲率半径よりも大きな近方側の曲率半径を設定することができる。その結果、ユーザは、近方側において、円滑に操作し、深度センサ処理により検知させることができる。
(8)
第8の発明に係る入出力プログラムは、他の局面に従う入出力プログラムにおいて、制御処理は、遠方側の曲率半径に沿った検知領域の検知軌跡を、表示処理に直線移動で表示させてもよい。
この場合、制御処理は、遠方側の曲率半径に沿った検知軌跡を、表示処理に直線移動で表示することができる。すなわち、ユーザが手を最大伸長させた場合、肩を中心にユーザの手が遠方側の曲率半径を移動する。その結果、ユーザは、直線で移動させている意図があるものの、実際には、曲率半径で移動するため、制御処理は、直線として認識し、表示処理に直線移動で表示させる。すなわち、ユーザは、人間工学に基づいて操作することができる。
(9)
第9の発明に係る入出力プログラムは、他の局面または第8の発明に係る入出力プログラムにおいて、制御処理は、近方側の曲率半径に沿った検知領域の検知軌跡を、表示処理に直線移動で表示させてもよい。
この場合、制御処理は、近方側の曲率半径に沿った検知領域を、表示処理に直線移動で表示することができる。すなわち、ユーザが手を曲げた場合、肩を中心にユーザの手が近方側の曲率半径を移動する。その結果、ユーザは、直線で移動させている意図があるものの、実際には、曲率半径で移動するため、制御処理は、直線として認識し、表示処理に直線移動で表示させる。すなわち、ユーザは、人間工学に基づいて操作することができる。
(10)
第10の発明に係る入出力プログラムは、他の局面から第9の発明に係る入出力プログラムにおいて、遠方側の曲率半径は、近方側の曲率半径よりも小さくてもよい。
この場合、遠方側の曲率半径は、肩を中心に移動させるのに対して、近方側の曲率半径は、肩のみでなく肘を腕と動かすことができるため、曲率半径を大きくなる。その結果、入出力プログラムは、ユーザに意識させることなく表示処理に直線移動を表示させることができる。
(11)
さらに他の局面に従う入出力方法は、立体視像を生成可能な表示工程と、対象物までの距離を測定する深度センサ工程と、深度センサ工程に応じて表示工程に表示を行う制御工程と、を含み、深度センサ工程の検知領域は、深度センサ工程の深度方向に幅を有し、かつ湾曲した測定領域からなり、深度センサ工程における深度方向の遠方側の曲率半径と、深度センサ工程における深度方向の近方側の曲率半径とが、異なるものである。
この場合、遠方側の曲率半径と、近方側の曲率半径とが異なる。したがって、腕を伸長させた遠方側の曲率半径よりも大きな近方側の曲率半径を設定することができる。その結果、ユーザは、近方側において、円滑に操作し、深度センサ工程により検知させることができる。
(12)
第12の発明に係る入出力方法は、さらに他の局面に従う入出力方法において、制御工程は、遠方側の曲率半径に沿った検知領域の検知軌跡を、表示工程に直線移動で表示させてもよい。
この場合、制御工程は、遠方側の曲率半径に沿った検知領域を、表示工程に直線移動で表示することができる。すなわち、ユーザが手を最大伸長させた場合、肩を中心にユーザの手が遠方側の曲率半径を移動する。その結果、ユーザは、直線で移動させている意図があるものの、実際には、曲率半径で移動するため、制御工程は、直線として認識し、表示工程に直線移動で表示させる。すなわち、ユーザは、人間工学に基づいて操作することができる。
(13)
第13の発明に係る入出力方法は、さらに他の局面または第12の発明に係る入出力方法において、制御工程は、近方側の曲率半径に沿った検知領域の検知軌跡を、表示工程に直線移動で表示させてもよい。
この場合、制御工程は、近方側の曲率半径に沿った検知領域を、表示工程に直線移動で表示することができる。すなわち、ユーザが手を曲げた場合、肩を中心にユーザの手が近方側の曲率半径を移動する。その結果、ユーザは、直線で移動させている意図があるものの、実際には、曲率半径で移動するため、制御工程は、直線として認識し、表示工程に直線移動で表示させる。すなわち、ユーザは、人間工学に基づいて操作することができる。
(14)
第14の発明に係る入出力方法は、さらに他の局面から第13の発明に係る入出力方法において、遠方側の曲率半径は、記近方側の曲率半径よりも小さくてもよい。
この場合、遠方側の曲率半径は、肩を中心に移動させるのに対して、近方側の曲率半径は、肩のみでなく肘を腕と動かすことができるため、曲率半径を大きくなる。その結果、入出力方法は、ユーザに意識させることなく表示工程に直線移動を表示させることができる。
一実施の形態にかかる眼鏡表示装置の基本構成の一例を示す模式的外観正面図である。 眼鏡表示装置の一例を示す模式的外観斜視図である。 操作システムの制御ユニットの構成の一例を示す模式図である。 操作システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。 図4のフローチャートに応じた概念を示す模式図である。 赤外線検知ユニットの検知領域と、一対の半透過ディスプレイの仮想表示領域とを説明するための模式的斜視図である。 図6の上面図である。 図6の側面図である。 検知領域と仮想表示領域との他の例を示す模式図である。 検知領域と仮想表示領域との他の例を示す模式図である。 検知領域と仮想表示領域との他の例を示す模式図である。 検知領域における操作領域とジェスチャ領域との一例を示す模式図である。 検知領域における操作領域とジェスチャ領域との一例を示す模式図である。 キャリブレーション処理の説明を行なうためのフローチャートである。 指認識の一例を示す模式図である。 指認識の処理の一例を示すフローチャートである。 掌認識の一例を示す模式図である。 親指認識の一例を示す模式図である。 眼鏡表示装置の半透過ディスプレイの表示の一例を示す模式図である。 図12から図14において説明した操作領域の他の例を示す模式図である。 図12から図14において説明した操作領域の他の例を示す模式図である。 図12から図14において説明した操作領域の他の例を示す模式図である。 図12から図14において説明した操作領域の他の例を示す模式図である。
100 眼鏡表示装置
220 半透過ディスプレイ
2203D 仮想イメージ表示領域(共有領域)
300 通信システム
303 カメラユニット
410 赤外線検知ユニット
410c 操作領域
420 ジャイロセンサユニット
430 加速度検知ユニット
4103D 三次元空間検知領域
450 制御ユニット
454 解剖学的認識ユニット
456 ジェスチャ識別ユニット
460 イベントサービスユニット
461 キャリブレーションサービスユニット
900 入出力装置
H1 手
RP 右肩関節
LP 左肩関節
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
また、本発明は、以下に説明する眼鏡表示装置に限定されるものではなく、他の入出力装置、表示装置、テレビジョン、モニタ、プロジェクタ等にも適用することができる。
(眼鏡表示装置の構成概略)
図1は、一実施の形態にかかる眼鏡表示装置100の基本構成の一例を示す模式的外観正面図であり、図2は、眼鏡表示装置100の一例を示す模式的外観斜視図である。
図1または図2に示すように、眼鏡表示装置100は、眼鏡型の表示装置である。当該眼鏡表示装置100は、後述するように、ユーザの顔に装着して使用される。
図1および図2に示すように、眼鏡表示装置100は、主に、眼鏡ユニット200、通信システム300および操作システム400からなる。
(眼鏡ユニット200)
図1および図2に示すように、眼鏡ユニット200は、眼鏡フレーム210、一対の半透過ディスプレイ220および一対の表示調整機構600からなる。眼鏡フレーム210は、主にリムユニット211、テンプルユニット212を含む。
眼鏡フレーム210のリムユニット211により一対の半透過ディスプレイ220が支持される。また、リムユニット211には、一対の表示調整機構600が設けられる。さらに、リムユニット211には、赤外線検知ユニット410およびユニット調整機構500が設けられる。ユニット調整機構500の詳細については後述する。
一対の表示調整機構600は、後述するように一対の半透過ディスプレイ220の角度および位置を調整することができる。一対の表示調整機構600の詳細については、後述する。
本実施の形態においては、眼鏡表示装置100には、リムユニット211の一対の表示調整機構600に一対の半透過ディスプレイ220を設けることとしているが、これに限定されず、眼鏡表示装置100のリムユニット211の一対の表示調整機構600に通常のサングラスレンズ、紫外線カットレンズ、または眼鏡レンズなどのレンズ類を設け、別に1個の半透過ディスプレイ220または一対の半透過ディスプレイ220を設けてもよい。
また、当該レンズ類の一部に、半透過ディスプレイ220を埋め込んで設けてもよい。
また、一対の表示調整機構600を半透過ディスプレイ220の側部に設けているが、これに限定されず、半透過ディスプレイ220の周囲または内部に設けてもよい。
さらに、本実施の形態は、眼鏡タイプに限定するものではなく、人体に装着し、装着者の視野に配設できるタイプであれば、帽子タイプその他任意のヘッドマウントディスプレイ装置に使用することができる。
(通信システム300)
次に、通信システム300について説明を行なう。
通信システム300は、バッテリーユニット301、アンテナモジュール302、カメラユニット303、スピーカユニット304、GPS(Global Positioning System)ユニット307、マイクユニット308、SIM(Subscriber Identity Module Card)ユニット309およびメインユニット310を含む。
なお、カメラユニット303にはCCDセンサが備えられてもよい。スピーカユニット304は、ノーマルイヤホンであってもよいし、骨伝導イヤホンであってもよい。SIMユニット309には、NFC(Near Field Communication:近距離無線通信)ユニットおよび他の接触式ICカードユニット、ならびに非接触式ICカードユニットを含んでもよい。
以上のように、本実施の形態にかかる通信システム300は、少なくとも携帯電話、スマートフォンおよびタブレット端末のいずれかの機能を含むものである。具体的には、電話機能、インターネット機能、ブラウザ機能、メール機能、および撮像機能(録画機能を含む)等を含むものである。
したがって、ユーザは、眼鏡表示装置100を用いて、通信装置、スピーカおよびマイクにより、携帯電話と同様の通話機能を使用することができる。また、眼鏡型であるので、両手を利用せず、通話を行なうことができる。
(操作システム400)
続いて、操作システム400は、赤外線検知ユニット410、ジャイロセンサユニット420、加速度検知ユニット430および制御ユニット450からなる。赤外線検知ユニット410は、主に赤外線照射素子411および赤外線検知カメラ412からなる。
(ユニット調整機構500)
図2に示すように、ユニット調整機構500は、赤外線検知ユニット410の角度を調整することができる。具体的には、ユニット調整機構500は、矢印V5の水平軸周り、および、矢印H5の垂直軸周り、に赤外線検知ユニット410の角度を調整可能な構造である。
ユニット調整機構500は、制御ユニット450からの指示により矢印V5および矢印H5の方向に移動調整する。
例えば、制御ユニット450により所定のジェスチャを認識した場合に、ユニット調整機構500を所定の角度で動作させてもよい。その場合、ユーザは、所定のジェスチャを行うことにより赤外線検知ユニット410の角度の調整を行うことができる。
なお、本実施の形態においては制御ユニット450によりユニット調整機構500が動作することとしているが、これに限定されず、手動により図1の調整部520を操作して、矢印V5の方向および矢印H5の方向に移動調整できることとしてもよい。
続いて、操作システム400の構成、処理の流れおよび概念について説明を行なう。図3は、操作システム400の制御ユニット450の構成の一例を示す模式図である。
図3に示すように、制御ユニット450は、イメージセンサ演算ユニット451、デプスマップ演算ユニット452、イメージ処理ユニット453、解剖学的認識ユニット454、ジェスチャデータ記録ユニット455、ジェスチャ識別ユニット456、キャリブレーションデータ記録ユニット457、合成演算ユニット458、アプリケーションソフトユニット459、イベントサービスユニット460、キャリブレーションサービスユニット461、表示サービスユニット462、グラフィック演算ユニット463、ディスプレイ演算ユニット464、および6軸駆動ドライバユニット465を含む。
なお、制御ユニット450は、上記の全てを含む必要はなく、適宜必要な1または複数のユニットを含んでもよい。たとえば、ジェスチャデータ記録ユニット455およびキャリブレーションデータ記録ユニット457は、クラウド上に配置してもよく、合成演算ユニット458を特に設けなくてもよい。
次に、図4は、操作システム400における処理の流れを示すフローチャートであり、図5は図4のフローチャートに応じた概念を示す模式図である。
まず、図4に示すように、赤外線検知ユニット410から対象のデータを取得し、デプスマップ演算ユニット452により深さ演算を行なう(ステップS1)。次に、イメージ処理ユニット453により外形イメージデータを処理する(ステップS2)。
次いで、解剖学的認識ユニット454により、標準的な人体の構造に基づき、ステップS2において処理された外形イメージデータから、解剖学的特徴を識別する。これにより、外形が認識される(ステップS3)。
さらに、ジェスチャ識別ユニット456により、ステップS3で得た解剖学的特徴に基づいてジェスチャを識別する(ステップS4)。
ジェスチャ識別ユニット456は、ジェスチャデータ記録ユニット455に記録されたジェスチャデータを参照し、解剖学的特徴が識別された外形からジェスチャの識別を行なう。なお、ジェスチャ識別ユニット456は、ジェスチャデータ記録ユニット455からのジェスチャデータを参照することとしているが、参照することに限定されず、他の任意のデータを参照してもよく、全く参照することなく処理してもよい。
以上により、図5(a)に示すように、手のジェスチャを認識する。
続いて、アプリケーションソフトユニット459およびイベントサービスユニット460は、ジェスチャ識別ユニット456により判定されたジェスチャに応じて所定のイベントを実施する(ステップS5)。
これによって、図5(b)に示すように、たとえば写真アプリによる画像が表示される。この際、当該画面には、カメラユニット303からの撮像データが表示されてよい。
最後に、表示サービスユニット462、キャリブレーションサービスユニット461、グラフィック演算ユニット463、ディスプレイ演算ユニット464および合成演算ユニット458により、半透過ディスプレイ220に、イメージの表示、またはイメージの仮想表示が行なわれる(ステップS6)。これによって、図5(c)に示すようにジェスチャを示す手のスケルトンの表示が行われ、図5(d)に示すように、当該スケルトンの形状および大きさに写真の形状および大きさが合致するように合成されたイメージが表示される。
なお、6軸駆動ドライバユニット465は、常にジャイロセンサユニット420、加速度検知ユニット430からの信号を検知し、ディスプレイ演算ユニット464に姿勢状況を伝達する。
眼鏡表示装置100を装着したユーザが眼鏡表示装置100を傾斜させた場合には、6軸駆動ドライバユニット465は、常にジャイロセンサユニット420、加速度検知ユニット430からの信号を受信し、イメージの表示の制御を行なう。当該制御においては、イメージの表示を水平に維持させてもよいし、イメージの表示を傾斜にあわせて調整してもよい。
(検知領域と仮想表示領域との一例)
次に、操作システム400の赤外線検知ユニット410の検知領域と、一対の半透過ディスプレイ220の仮想表示領域との関係について説明を行なう。
図6は、赤外線検知ユニット410の検知領域と、一対の半透過ディスプレイ220の仮想表示領域とを説明するための模式的斜視図であり、図7は図6の上面図であり、図8は、図6の側面図である。
以下において、説明の便宜上、図6に示すように、x軸、y軸およびz軸からなる三次元直交座標系が定義される。以下の図におけるx軸の矢印は、水平方向を指す。y軸の矢印は、鉛直方向またはユーザの体の長軸方向を指す。z軸の矢印は、深度方向を指す。z軸正方向は、より大きい深度の方向を指す。それぞれの矢印の向きは、他の図においても同じである。
図6から図8に示すように、眼鏡表示装置100は操作システム400の赤外線検知ユニット410により検知可能な三次元空間検知領域(3Dスペース)4103Dを有する。
三次元空間検知領域4103Dは、赤外線検知ユニット410からの円錐状または角錐状の三次元空間からなる。
すなわち、赤外線検知ユニット410は、赤外線照射素子411から、照射された赤外線を、赤外線検知カメラ412により検知できるので、三次元空間検知領域4103D内のジェスチャを認識することができる。
また、本実施の形態においては、赤外線検知ユニット410を1個設けることとしているが、これに限定されず、赤外線検知ユニット410を複数個設けてもよいし、赤外線照射素子411を1個、赤外線検知カメラ412を複数個設けてもよい。
続いて、図6から図8に示すように一対の半透過ディスプレイ220は、ユーザに、実際に設けられた眼鏡表示装置100の部分ではなく、眼鏡表示装置100から離れた場所となる仮想イメージ表示領域2203Dに、奥行きを持って仮想表示されたものとして視認させる。当該奥行きは、仮想イメージ表示領域2203Dが有する仮想立体形状の深度方向(z軸方向)の厚みに対応する。したがって、当該仮想立体形状の深度方向(z軸方向)の厚みに応じて奥行きが設けられる。
すなわち、実際には眼鏡表示装置100の半透過ディスプレイ220に表示されるものの、ユーザは、右目のイメージは右目側の半透過ディスプレイ220を透過し三次元空間領域2203DRで認識し、左目のイメージは左目側の半透過ディスプレイ220を透過し三次元空間領域2203DLで認識する。その結果、認識された両イメージがユーザの脳内で合成されることにより、仮想イメージ表示領域2203Dで仮想イメージとして認識することができる。
また、仮想イメージ表示領域2203Dは、フレーム・シーケンシャル方式、偏光方式、直線偏光方式、円偏光方式、トップ・アンド・ボトム方式、サイド・バイ・サイド方式、アナグリフ方式、レンチキュラ方式、パララックス・バリア方式、液晶パララックス・バリア方式、2視差方式および3視差以上を利用する多視差方式のいずれかを利用して表示されてもよい。
また、本実施の形態においては、仮想イメージ表示領域2203Dは、三次元空間検知領域4103Dと共有する空間領域を有する。特に、図6および図7に示すように、三次元空間検知領域4103Dの内部に、仮想イメージ表示領域2203Dが存在するため、仮想イメージ表示領域2203Dが共有領域となる。
なお、仮想イメージ表示領域2203Dの形状およびサイズについては、一対の半透過ディスプレイ220への表示方法により任意に調整することができる。
また、図8に示すように、一対の半透過ディスプレイ220よりも赤外線検知ユニット410が上方(y軸正方向)に配設されている場合について説明しているが、鉛直方向(y軸方向)に対して、赤外線検知ユニット410の配設位置が半透過ディスプレイ220よりも下方(y軸負方向)または半透過ディスプレイ220と同位置であっても、同様に、仮想イメージ表示領域2203Dは、三次元空間検知領域4103Dと共有する空間領域を有する。
(検知領域と仮想表示領域との他の例)
続いて、図9から図11は、図6から図8において示した検知領域と仮想表示領域との他の例を示す模式図である。
例えば、図9から図11に示すように、眼鏡表示装置100の半透過ディスプレイ220の代わりに、他の入出力装置、表示装置、テレビジョン、モニタ等を用いてもよい。以下、他の入出力装置、表示装置、テレビジョン、モニタ、プロジェクタを総称して入出力装置900と略記する。
図9に示すように、入出力装置900からz軸負方向に仮想イメージ表示領域2203Dが出力され、入出力装置900にz軸方向で対向する位置に配設された赤外線検知ユニット410からz軸正方向に三次元空間検知領域4103Dが形成されてもよい。
この場合、入出力装置900による仮想イメージ表示領域2203Dが、三次元空間検知領域4103Dと共有の空間領域として生じる。
また、図10に示すように、入出力装置900から仮想イメージ表示領域2203Dが出力され、入出力装置900と同方向(xy平面を基準としていずれもz軸正側の方向)に赤外線検知ユニット410の三次元空間検知領域4103Dが形成されてもよい。
この場合でも、入出力装置900による仮想イメージ表示領域2203Dが、三次元空間検知領域4103Dと共有の空間領域として生じる。
次に、図11に示すように、入出力装置900から鉛直上方向(y軸正方向)に仮想イメージ表示領域2203Dが出力されてもよい。図11においても、図9、図10と同様に、入出力装置900による仮想イメージ表示領域2203Dが、三次元空間検知領域4103Dと共有の空間領域として生じる。
また、図示していないが、入出力装置900を三次元空間検知領域4103Dより上方側(y軸正方向の側)に配置し、鉛直下方向(y軸負方向)に仮想イメージ表示領域2203Dが出力されてもよく、水平方向(x軸方向)から出力されてもよく、プロジェクタまたは映画館のように、後上方(z軸負方向かつy軸正方向)から出力されてもよい。
(操作領域とジェスチャ領域)
続いて、検知領域における操作領域とジェスチャ領域とについて説明する。図12および図13は、検知領域における操作領域と、ジェスチャ領域との一例を示す模式図である。
まず、図12に示すように、一般的に、ユーザは、右肩関節RPおよび左肩関節LPの両肩関節を回転中心として両手を水平移動させるため、両手の移動できる領域は、点線で囲まれた移動領域Lおよび移動領域Rとなる。
また、図13に示すように、一般的に、ユーザは、右肩関節RPおよび左肩関節LPの両肩関節を回転中心として両手を鉛直移動させるため、両手の移動できる領域は、点線で囲まれた移動領域Lおよび移動領域Rとなる。
すなわち、図12および図13に示すように、ユーザは、両手を右肩関節RPおよび左肩関節LPをそれぞれ回転中心とした欠球状(深度方向に凸のアーチ状曲面を有する)の立体空間内で移動させることができる。
次に、赤外線検知ユニット410による三次元空間検知領域4103Dと、仮想イメージ表示領域が存在しうる領域(図12では仮想イメージ表示領域2203Dを例示)と、腕の移動領域Lおよび移動領域Rを合わせた領域との全てが重なる空間領域を、操作領域410cとして設定する。
また、三次元空間検知領域4103D内における操作領域410c以外の部分で、かつ腕の移動領域Lおよび移動領域Rを合わせた領域と重なる部分をジェスチャ領域410gとして設定する。
ここで、操作領域410cが、深度方向に最も遠い面が深度方向(z軸正方向)に凸のアーチ状に湾曲した曲面である立体形状を有することに対し、仮想イメージ表示領域2203Dは、深度方向に最も遠い面が平面である立体形状を有する。このように両領域の間で当該面の形状が異なることに起因し、ユーザは、当該操作において体感的に違和感を覚える。当該違和感を取り除くためにキャリブレーション処理で調整を行なう。また、キャリブレーション処理の詳細については、後述する。
(キャリブレーションの説明)
次いで、キャリブレーション処理について説明を行なう。図14は、キャリブレーション処理の説明を行なうためのフローチャートである。
図12および図13に示したように、ユーザが仮想イメージ表示領域2203Dに沿って手を動かそうとすると、補助のない平面に沿って動作させる必要がある。したがって、後述する認識処理により仮想イメージ表示領域2203Dにおいて、操作をし易くするためにキャリブレーション処理を行なう。
また、キャリブレーション処理には、ユーザの個々で異なる指の長さ、手の長さ、腕の長さの調整も行なう。
以下、図14を用いて説明を行なう。まず、ユーザが、眼鏡表示装置100を装着し、両腕を最大限に伸張する。その結果、赤外線検知ユニット410が、操作領域410cの最大領域を認識する(ステップS11)。
すなわち、ユーザによりユーザの個々で異なる指の長さ、手の長さ、腕の長さが異なるので、操作領域410cの調整を行なうものである。
次に、眼鏡表示装置100においては、仮想イメージ表示領域2203Dの表示位置を決定する(ステップS12)。すなわち、仮想イメージ表示領域2203Dを操作領域410cの外側に配置するとユーザによる操作が不可能となるため、操作領域410cの内部に配置する。
続いて、眼鏡表示装置100の赤外線検知ユニット410の三次元空間検知領域4103D内で、かつ仮想イメージ表示領域2203Dの表示位置と重ならない位置に、ジェスチャ領域410gの最大領域を設定する(ステップS13)。
なお、ジェスチャ領域410gは、仮想イメージ表示領域2203Dと重ならないように配置しかつ深さ方向(z軸正方向)に厚みを持たせることが好ましい。
本実施の形態においては、以上の手法により、操作領域410c、仮想イメージ表示領域2203D、ジェスチャ領域410gが設定される。
続いて、操作領域410c内における仮想イメージ表示領域2203Dのキャリブレーションについて説明する。
操作領域410c内の仮想イメージ表示領域2203Dの外部周囲にユーザの指、手、または腕が存在すると判定された場合に、あたかも仮想イメージ表示領域2203Dの内部に存在するように、丸め込みを行なう(ステップS14)。
図12および図13に示すように、半透過ディスプレイ220により仮想表示されたイメージの中央部近辺では、両腕を最大限に伸ばした状態にすると、両手先が仮想イメージ表示領域2203D内に留まることなく深さ方向(z軸正方向)の外部へ外れてしまう。また、仮想表示されたイメージの端部においては、両腕を最大限に伸ばさない限り、両手先が仮想イメージ表示領域2203D内に存在すると判定されない。
そのため、赤外線検知ユニット410からの信号を無処理のまま使用すると、ユーザは、手先が仮想イメージ表示領域2203Dから外れたとしても、そのような状態であることを体感しにくい。
したがって、本実施の形態におけるステップS14の処理においては、仮想イメージ表示領域2203Dから外部へ突き出た手先が、仮想イメージ表示領域2203D内にあるものとして補正すべく、赤外線検知ユニット410からの信号を処理する。
その結果、ユーザは、両腕を最大限に伸ばした状態、または少し曲げた状態で、奥行きのある平面状の仮想イメージ表示領域2203D内の中央部から端部まで操作することができる。
なお、本実施の形態においては、仮想イメージ表示領域2203Dを、深度方向に最も遠い面が平面である三次元空間領域からなることとしているが、これに限定されず、深度方向に最も遠い面領域L,Rの深度方向に最も遠い面に沿った形状の曲面である三次元空間領域からなることとしてもよい。その結果、ユーザは、両腕を最大限に伸ばした状態、または少し曲げた状態で、奥行きのある平面状の仮想イメージ表示領域2203D内の中央部から端部まで操作することができる。
さらに、半透過ディスプレイ220は、仮想イメージ表示領域2203Dに矩形状の像を表示させる。例えば、図5(b)に示したように、矩形状の像を表示させる(ステップS15)。
続いて、半透過ディスプレイ220に、像の周囲を指で囲んでくださいと、表示を行なう(ステップS16)。ここで、像の近傍に指の形の像を薄く表示してもよいし、半透過ディスプレイ220に表示を行なう代わりにスピーカから音声により指示をユーザに伝えてもよい。
ユーザは、指示に従い図5(d)に示すように、指を像の見える部分にあわせる。そして、仮想イメージ表示領域2203Dの表示領域と、赤外線検知ユニット410との相関関係が自動調整される(ステップS17)。
なお、上記においては、指で矩形を形作り、そのように定められた矩形と、像の外縁の矩形にあわせる。このことによって、指により定められた矩形の視認サイズおよび位置と像の外縁の矩形の視認サイズ及び位置とを合わせることとした。しかしながら、指によって形状を定める手法はこれに限定されず、表示された像の外縁を指でなぞる手法、表示された像の外縁上の複数の点を指で指し示す手法等、他の任意の手法であってもよい。また、これらの手法を複数のサイズの像について行ってもよい。
なお、上記のキャリブレーション処理の説明においては、眼鏡表示装置100の場合についてのみ説明を行ったが、入出力装置900の場合には、ステップS11の処理において、像を表示させ、ステップS17の処理の当該像と赤外線検知ユニット410との相関関係を調整してもよい。
(指、掌、腕認識)
次いで、指認識について説明を行い、その後掌認識、腕認識の順で説明を行なう。図15は、指認識の一例を示す模式図である。図15において、(A)は指の先端付近の拡大図であり、(B)は指の根元付近の拡大図である。図16は、指認識の処理の一例を示すフローチャートである。
図16に示すように、本実施の形態においては、デバイスの初期化を行なう(ステップS21)。次に、赤外線照射素子411から照射され、手に反射した赤外線が、赤外線検知カメラ412により検出される(ステップS22)。
次に、赤外線検知ユニット410により画像データをピクセル単位で距離に置き換える(ステップS23)。この場合、赤外線の明るさは、距離の三乗に反比例する。これを利用し、デプスマップを作成する(ステップS24)。
次いで、作成したデプスマップに適切な閾値を設ける。そして、画像データを二値化する(ステップS25)。すなわち、デプスマップのノイズを除去する。
続いて、二値化した画像データから約100個の頂点を持つポリゴンを作成する(ステップS26)。そして、頂点が滑らかになるようにローパスフィルタ(LPF)により、より多くの頂点pを有する新たな多角形を作成することによって、図15に示す手の外形OFを抽出する(ステップS27)。
なお、本実施の形態においては、ステップS26において二値化したデータからポリゴンを作成するために抽出する頂点の数を約100個としているが、これに限定されず、1000個、その他の任意の個数であってもよい。
ステップS27で作成した新たな多角形の頂点pの集合から、Convex Hullを用いて、凸包を抽出する(ステップS28)。
その後、ステップS27で作成された新たな多角形と、ステップS28で作成された凸包との共有の頂点pを抽出する(ステップS29)。このように抽出された共有の頂点p自体を指の先端点として用いることができる。
さらに、頂点pの位置に基づいて算出される他の点を指の先端点として用いてもよい。例えば、図15(A)に示すように頂点pにおける外形OFの内接円の中心を先端点P0として算出することもできる。
そして、図15に示すように、頂点pに隣接する左右一対の頂点pを通る基準線分PPのベクトルを算出する。その後、頂点pと、隣接する頂点pとを結ぶ辺ppを選択し、そのベクトルを算出する。同様に、外形OFを構成する頂点pを用い、辺のベクトルを求める処理を外形OFの外周に沿って繰り返す。各辺の向きと基準線分PPの向きとを調べ、基準線分PPと平行に近くなる辺ppが指の股の位置に存在すると判定する。そして、辺ppの位置に基づき、指の根元点P1を算出する(ステップS30)。指の先端点P0と指の根元点P1とを直線で結ぶことで、指のスケルトンが得られる(ステップS31)。指のスケルトンを得ることで、指の延在方向を認識することができる。
全ての指について同様の処理を行なうことで、全ての指のスケルトンを得る。これにより、手のポーズを認識することができる。すなわち、親指、人差し指、中指、薬指、小指のいずれの指が広げられ、いずれの指が握られているかを認識することができる。
続いて、直前に実施した数フレームの画像データと比較して、手のポーズの違いを検知する(ステップS32)。すなわち、直前の数フレームの画像データと比較することにより、手の動きを認識することができる。
次いで、認識した手の形状を、ジェスチャデータとしてイベントサービスユニット460へイベント配送する(ステップS33)。
次いで、アプリケーションソフトユニット459によりイベントに応じた振る舞いを実施する(ステップS34)。
続いて、表示サービスユニット462により、三次元空間に描画を要求する(ステップS35)。
グラフィック演算ユニット463は、キャリブレーションサービスユニット461を用いてキャリブレーションデータ記録ユニット457を参照し、表示の補正を行なう(ステップS36)。
最後に、ディスプレイ演算ユニット464により半透過ディスプレイ220に表示を行なう(ステップS37)。
なお、本実施の形態においては、ステップS30の処理およびステップS31の処理により指の根元点を検出したが、根元点の検出方法はこれに限定されない。例えば、まず、頂点pの一方の側と他方の側において隣接する一対の頂点pを結ぶ基準線分PPの長さを算出する。次に、当該一方の側と他方の側における一対の頂点p間を結ぶ線分の長さを算出する。同様に、当該一方の側と他方の側における一対の頂点間を結ぶ線分の長さを、頂点pにより近い位置にある頂点からより遠い位置にある頂点への順で算出していく。このような線分は、外形OF内で交わることなく、互いにおおよそ平行となる。当該線分の両端の頂点が指の部分にある場合は、線分の長さは指の幅に相当するため、その変化量は小さい。一方、線分の両端の頂点の少なくともいずれかが指の股の部分に達した場合は、当該長さの変化量が大きくなる。したがって、当該長さの変化量が所定量を超えずかつ頂点pから最も遠い線分を検知し、検知された線分上の1点を抽出することによって、根元点を決定することができる。
(掌認識)
次いで、図17は、掌認識の一例を示す模式図である。
図17に示すように、指認識を実施した後、画像データの外形OFに内接する最大内接円Cを抽出する。当該最大内接円Cの位置が、掌の位置として認識できる。
次いで、図18は、親指認識の一例を示す模式図である。
図18に示すように、親指は、人差し指、中指、薬指、および小指の他の4指とは異なる特徴を有する。例えば、掌の位置を示す最大内接円Cの中心と各指の根元点P1とを結ぶ直線が相互になす角度θ1,θ2,θ3,θ4のうち、親指が関与するθ1が最も大きい傾向にある。また、各指の先端点P0と各指の根元点P1とを結んだ直線が相互になす角度θ11,θ12,θ13,θ14のうち、親指が関与するθ11が最も大きい傾向にある。このような傾向に基づき親指の判定を行なう。その結果、右手か左手か、または掌の表か裏かを判定することができる。
(腕認識)
次いで、腕認識について説明を行なう。本実施の形態において、腕認識は、指、掌および親指のいずれかを認識した後に実施する。なお、腕認識は、指、掌および親指のいずれかを認識する前、またはそれらの少なくともいずれかと同時に実施してもよい。
本実施の形態においては、画像データの手の形のポリゴンよりも大きな領域でポリゴンを抽出する。例えば、長さ5cm以上100cm以下の範囲、より好ましくは、10cm以上40cm以下の範囲で、ステップS21からS27の処理を実施し、外形を抽出する。
その後、抽出した外形に外接する四角枠を選定する。本実施の形態においては、当該四角枠は、平行四辺形または長方形からなる。
この場合、平行四辺形または長方形は、対向する長辺を有するので、長辺の延在方向から腕の延在方向を認識することができ、長辺の向きから腕の向きを判定することが出来る。なお、ステップS32の処理と同様に、直前の数フレームの画像データと比較して、腕の動きを検知させてもよい。
なお、上記の説明においては、2次元像から指、掌、親指、腕を検出することとしているが、上記に限定されず、赤外線検知ユニット410をさらに増設してもよく、赤外線検知カメラ412のみをさらに増設し、2次元像から、3次元像を認識させてもよい。その結果、さらに認識確度を高めることができる。
(半透過ディスプレイの表示例)
次に、図19は、眼鏡表示装置100の半透過ディスプレイ220の表示の一例を示す模式図である。
図19に示すように、眼鏡表示装置100の半透過ディスプレイ220には、一部には広告221が表示され、さらに一部には地図222が表示され、その他には、眼鏡表示装置100の半透過ディスプレイ220を透過して風景223が視認され、その他に天気予報224および時刻225が表示される。
(操作領域410cの詳細)
図20から図23は、図12から図14において説明した操作領域410cの他の例を示す模式図である。
図20および図21は、ユーザを上方から視認した状態を示す模式図であり、図22および図23は、ユーザを側方から視認した状態を示す模式図である。
図20は、ユーザは、腕arm1、腕arm2および手H1を伸ばし切った場合を示し、この場合の手H1は、右肩関節RPを中心に移動軌跡RL1を通過する。この場合、移動軌跡RL1の曲率半径はrad1である。
一方、図21は、ユーザは、腕arm1および腕arm2を屈曲させた場合を示し、この場合の手H1は、移動軌跡RL2を通過する。
すなわち、図21においては、ユーザが水平方向に手H1を移動させようとしているが、直線に近い移動軌跡RL2を通ることとなる。この場合、移動軌跡RL2の曲率半径はrad2である。ここで、人間工学に基づいて、当然のことながら、曲率半径rad1は、曲率半径rad2よりも小さい値となる。
この場合、制御ユニット450は、赤外線ユニット410から移動軌跡RL1を検知した場合でも、直線移動であるとキャリブレーションする。同様に、制御ユニット450は、移動軌跡RL2を検知した場合でも、直線移動であるとキャリブレーションする。
次いで、図22は、ユーザは、腕arm1、腕arm2および手H1を伸ばし切った場合を示し、この場合の手H1は、右肩関節RPを中心に移動軌跡RL3を通過する。この場合、移動軌跡RL3の曲率半径はrad3である。
一方、図23に示すように、ユーザは、腕arm1および腕arm2を屈曲させた場合を示し、この場合の手H1は、移動軌跡RL4を通過する。
すなわち、図23においては、ユーザが鉛直方向に手H1を移動させようとしているが、直線に近い移動軌跡RL4を通ることとなる。この場合、移動軌跡RL4の曲率半径はrad4である。ここで、人間工学に基づいて、当然のことながら、曲率半径rad3は、曲率半径rad4よりも小さい値となる。
この場合、制御ユニット450は、赤外線ユニット410から移動軌跡RL3を検知した場合でも、直線移動であるとキャリブレーションする。同様に、制御ユニット450は、移動軌跡RL4を検知した場合でも、直線移動であるとキャリブレーションする。
以上のように、図20から図23においては、一方の腕の場合について説明したが、他方の腕の場合も同じように、キャリブレーションが実施され、両腕の場合も複数のキャリブレーションが同時に行われる。
また、移動軌跡RL1および移動軌跡RL2の間を通る任意の軌跡に対して、キャリブレーションを実施してもよい。同様に、移動軌跡RL3および移動軌跡RL4の間を通る任意の軌跡に対して、キャリブレーションを実施してもよい。
その結果、人間工学に基づいて、ユーザが直線に手H1を移動させる軌跡が、湾曲していても、制御ユニット450によりキャリブレーションされて認識されるとともに、一対の光透過ディスプレイ220には、直線で表示されるとともに、直線で移動した軌跡で表示される。
以上のように、遠方側の曲率半径rad1と、近方側の曲率半径rad2とが異なる。また、遠方側の曲率半径rad3と、近方側の曲率半径rad4とが異なる。したがって、腕arm1、arm2を伸長させた遠方側の曲率半径rad1,rad3よりも大きな近方側の曲率半径rad2,rad4を設定することができる。その結果、ユーザは、近方側において、円滑に操作し、赤外線ユニット410により検知させることができる。したがって、ユーザは、人間工学基づいて円滑に操作することができる。
また、制御ユニット450は、遠方側の曲率半径rad1,3に沿った移動軌跡RL1,RL3を、光透過ディスプレイ220に直線移動で表示することができる。すなわち、ユーザが手H1を最大伸長させた場合、右肩関節RPおよび左肩関節LPを中心にユーザの手H1が遠方側の曲率半径rad1,rad3を移動する。その結果、ユーザは、直線で移動させている意図があるものの、実際には、曲率半径rad1,rad3で移動するため、制御ユニット450は、直線として認識し、光透過ディスプレイ220に直線移動で表示させる。
同様に、制御ユニット450は、近方側の曲率半径rad2,rad4に沿った移動軌跡RL2,RL4を、光透過ディスプレイ220に直線移動で表示することができる。すなわち、ユーザが腕arm1,arm2を曲げた場合、右肩関節RPおよび左肩関節LPを中心にユーザの手が近方側の曲率半径rad2,rad4を移動する。その結果、ユーザは、直線で移動させている意図があるものの、実際には、曲率半径rad2,rad4で移動するため、制御ユニット450は、直線として認識し、光透過ディスプレイ220に直線移動で表示させる。
また、眼鏡表示装置100は、容易に携帯可能となる。また、ヘッドマウントディスプレイは小型であるので、汎用性および利便性を高めることができる。
本発明においては、半透過ディスプレイ220が「表示装置」に相当し、手H1、腕arm2が「対象物」に相当し、赤外線検知ユニット410が「深度センサ」に相当し、制御ユニット450が「制御部」に相当し、三次元空間検知領域4103Dが「測定領域」に相当し、遠方側の曲率半径rad1,rad3が「遠方側の曲率半径」に相当し、近方側の曲率半径rad2,rad4が「近方側の曲率半径」に相当し、赤外線ユニット410から手H1の方向が「深度方向」に相当し、眼鏡表示装置100が「入出力装置」に相当する。
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。

Claims (5)

  1. 立体視像を生成可能な表示装置と、
    対象物までの距離を測定する深度センサと、
    前記深度センサに応じて前記表示装置に表示を行う制御部と、を含み、
    前記深度センサの検知領域は、前記深度センサの深度方向に幅を有し、かつ湾曲した測定領域からなり、
    前記深度センサの深度方向の遠方側の曲率半径と、前記深度センサの深度方向の近方側の曲率半径とが、異なり、
    前記制御部は、前記表示装置の表示領域と前記深度センサの測定領域との相関関係を自動調整することにより、前記遠方側と前記近方側との間の曲率半径に沿った検知領域の前記対象物の検知軌跡を、前記表示装置に直線移動で表示する、入出力装置。
  2. 前記湾曲した測定領域は、鉛直方向および水平方向の両方向を含む立体領域である、請求項に記載の入出力装置。
  3. 前記表示装置がヘッドマウントディスプレイである、請求項1または2に記載の入出力装置。
  4. 立体視像を生成可能な表示処理と、
    対象物までの距離を測定する深度センサ処理と、
    前記深度センサ処理に応じて前記表示処理に表示を行う制御処理と、を含み、
    前記深度センサ処理の検知領域は、前記深度センサ処理の深度方向に幅を有し、かつ湾曲した測定領域からなり、
    前記深度センサ処理における深度方向の遠方側の曲率半径と、前記深度センサ処理における深度方向の近方側の曲率半径とが、異なり、
    前記制御処理は、前記表示処理の表示領域と前記深度センサ処理の測定領域との相関関係を自動調整することにより、前記遠方側と前記近方側との間の曲率半径に沿った検知領域の前記対象物の検知軌跡を、前記表示処理に直線移動で表示する、入出力プログラム。
  5. 立体視像を生成可能な表示工程と、
    対象物までの距離を測定する深度センサ工程と、
    前記深度センサ工程に応じて前記表示工程に表示を行う制御工程と、を含み、
    前記深度センサ工程の検知領域は、前記深度センサ工程の深度方向に幅を有し、かつ湾曲した測定領域からなり、
    前記深度センサ工程における深度方向の遠方側の曲率半径と、前記深度センサ工程における深度方向の近方側の曲率半径とが、異なり、
    前記制御工程は、前記表示工程の表示領域と前記深度センサ工程の測定領域との相関関係を自動調整することにより、前記遠方側と前記近方側との間の曲率半径に沿った検知領域の前記対象物の検知軌跡を、前記表示工程に直線移動で表示する、入出力方法。
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