[スロットマシンの構成]
本実施の形態に係るスロットマシン1を以下に説明する。図1は、本実施の形態に係るスロットマシン1の正面図である。
図1に示されるように、スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとを備える。前面扉1bの中央上部には、液晶表示器51が設けられている。液晶表示器51は、表示領域51aを有しており、透視窓3に対応する透過領域51bが透過可能である。これにより、表示領域51aで所定の演出を実行可能とするとともに、表示領域51aのうち透過領域51bが透過することで透視窓3を介して筐体1a内部に並設されているリール2L,2C,2R(以下、左リール、中リール、右リールとも称する)が視認可能となる。
図2は、リールの図柄配列を示す図である。各リールには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。なお、リールの個数は、3個に限らず、1個あるいは2個であってもよく、4個以上であってもよい。また、スロットマシン1は、物理的なリールを備えているが、それに代えて、あるいはそれに加えて液晶表示器51などに表示された仮想リールを備えてもよい。
液晶表示器51の右下には、メダルを投入可能なメダル投入部4が設けられている。前面扉1bの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口9、およびスピーカ53,54が設けられている。また、前面扉1bには、ドアキーを挿入する鍵穴110が設けられている。ドアキーを挿入して時計回りに回転させると、前面扉1bが開放する。ドアキーを挿入して反時計回りに回転させると、エラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能する。
また、前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6と、クレジットおよび設定済の賭数を精算して返却させる際に操作される精算スイッチ10と、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7と、リール2L,2C,2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L,8C,8Rと、演出に用いるための演出用スイッチ56となどが設けられている。
前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示されるクレジット表示器11と、メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12と、設定されている賭数を報知するための1BETLED14と、2BETLED15と、3BETLED16と、メダル投入が可能であることを報知する投入要求LED17と、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するスタート有効LED18と、スタートスイッチ7の操作後においてウエイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L,2C,2Rの回転開始を待機している状態)中であることを報知するウエイト中LED19と、リプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20とが設けられている。
図3は、スロットマシン1の内部構造を示す斜視図である。前面扉1bの内側には、所定のキー操作によりエラー状態及び打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、ボーナス(BB1またはBB2)終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、ボーナス終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられたホッパータンク34a側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25が設けられている。
筐体1a内部には、リール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33Rからなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6操作などにより規定数の賭数(たとえば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、かつスタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、リール2L,2C,2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4が設けられている。無効ラインLM1〜LM4は、入賞判定されるラインではなく、入賞ラインLNに特定の入賞図柄の組合せ(いわゆるばらけ目)が揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄の組合せ(たとえば、ベル−ベル−ベル)を揃えることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L,2C,2Rが回転することで図柄が変動表示され、ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されることで対応するリールの回転が停止する。そして、透視窓3の上中下段に3つの図柄が表示結果として導出表示される。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止することで入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与される。このとき、クレジットが加算されるか、あるいはクレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。
図4に示されるように、スロットマシン1は、遊技の進行を制御するとともに遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40と、コマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板90と、電気部品の駆動電源を生成する電源基板101と、遊技の進行に応じた信号を外部に出力する外部出力基板1000となどを備える。
遊技制御基板40は、各種の操作手段や検出手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などのスイッチ類からの検出信号に基づいて遊技を進行させ、報知手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などの表示機器類を駆動制御する。また、遊技制御基板40は、リールセンサ33L,33C,33Rからの信号に基づき、リールモータ32L,32C,32Rを駆動制御する。
遊技制御基板40には、メイン制御部41などの回路構成(図4の遊技制御基板40内に例示)が搭載されている。メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、図示されないCPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。
演出制御基板90は、演出用スイッチ56が接続される。また、演出制御基板90は、液晶表示器51などの演出装置(図4の演出制御基板90の左側に例示)を駆動制御する。演出制御基板90には、サブ制御部91などの回路構成(図4の演出制御基板90内に例示)が搭載されている。サブ制御部91は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。サブ制御部91は、1チップマイクロコンピュータであり、図示されないCPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。
サブ制御部91の回路構成には、たとえば、日および時刻のうちの少なくともいずれか一方を計時するための時計装置97(以下では、RTCともいう)を含む。サブ制御部91は、たとえば、RTC97により計時された日および時刻のうちの少なくともいずれか一方の値や、演出用スイッチ56からの検出信号などに応じて演出制御を実行可能である。電源基板101には、ホッパーモータ34b、各種の操作手段や検出手段(図4の電源基板101の右側に例示)などが接続されている。
遊技制御基板40には、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、鍵穴110にドアキーを挿入して操作を行うリセットスイッチが接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
遊技制御基板40には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウエイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。遊技補助表示器12には、メダルの払出枚数やエラー時のエラーコード、リールの停止順を識別可能な情報などが表示される。
[入賞役]
図5は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。
図5の名称欄には、入賞役の名称が示され、図柄の組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せが示されている。また、無効ラインに揃う図柄の組合せ欄には、入賞となる図柄の組合せが入賞ラインに停止したときに無効ラインに停止する図柄の組合せであって遊技者が認識しやすい図柄の組合せが示されている。付与欄には、入賞時に付与される価値(メダル払出、再遊技付与など)が示されている。
BB1,BB2は、ボーナスという有利な状態への移行を伴う入賞役である。BB1,BB2の払出枚数欄には、入賞により移行されるボーナスの終了条件が示されている。ボーナスは、各々、予め定められたメダル枚数以上払出されることにより終了する。たとえば、BB1に当選・入賞して制御されるボーナスについては、当該ボーナス中に払い出されたメダル枚数が351枚以上となったゲームにおいて終了する。
なお、「/」は、「または」を意味する。たとえば、転落リプレイについて、図柄の組合せは、「ベル−リプレイ−ベル」となり、付与される価値は再遊技付与である。また、転落リプレイの図柄の組合せが入賞ライン上に停止したときには、無効ライン上に「リプレイ/プラム−リプレイ−リプレイ/プラム」が停止する。
再遊技役(リプレイ)は、再遊技を付与する役である。ここで、再遊技とは、遊技者所有の遊技用価値(たとえば、クレジット)を用いることなく次の遊技を行うことが可能であることをいう。換言すると、再遊技とは、遊技者所有の遊技用価値を用いることなく可変表示部が変動表示可能となることであることをいう。本実施形態では、再遊技役が当選すると、導出操作手段の操作手順(操作順序、および操作タイミングのうちの少なくとも1つ)に関わらず、入賞する。なお変形例として、再遊技役は、当選したとしても、導出操作手段の操作手順によっては、入賞しない役(つまり、取りこぼしのある役)であってもよい。
[移行出目]
図6は、移行出目の図柄組合せについて説明するための図である。
移行出目は、図9に示す左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のいずれかが当選し、右下がりベルあるいは中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルの入賞を取りこぼした場合に、入賞ラインLNに揃う出目である。RT0,RT2,RT3中において移行出目が入賞ラインLN上に停止すると、RT1へ移行される。
[遊技状態の遷移]
図7は、遊技状態の遷移を説明するための図である。図8は、遊技状態の概要を示す図である。
本実施形態におけるスロットマシン1は、リプレイが所定の当選確率(図8の上図の再遊技役欄の数値参照)で当選するRT0〜RT4と、小役の当選確率がRT0〜RT4中であるときよりも向上するボーナスとを含む複数種類の遊技状態のうち、開始条件が成立してから終了条件が成立するまで対応するいずれかの遊技状態に制御される(図7の矢印に沿って示した入賞役あるいは出目参照、図8の上図の開始条件・終了条件欄の参照)。なお、本実施の形態では、図8に示すように、RT1,RT3,RT4のようにリプレイ確率が1/7.3となる遊技状態を不利RTと称するのに対し、RT0やRT2のようにRT1,RT3,RT4よりもリプレイ確率が高く遊技者にとって有利な遊技状態を有利RTと称する。
BB1,BB2のいずれかに当選したときには、RT4に制御される。BB1,BB2のいずれかが当選したときに設定される当選フラグは、当選しているBBの入賞が発生するまで持ち越される。また、RT4についても、BB当選からBB入賞発生まで継続して制御される。RT4中においては、RT0およびRT2中よりも低く、RT1およびRT3中と同じ確率(図8の上図の再遊技役欄の数値参照)でリプレイに当選する。
なお、RT4におけるリプレイ確率は、当選した小役を取りこぼすことなく入賞させることができたとしても、払出率が1を超えない確率に設定されている。つまり、RT4におけるリプレイ確率は、RT4中に当選した小役を取りこぼすことなく入賞させた場合に払出されるメダルの合計枚数が、RT4中においてメダルあるいはクレジットを賭数の設定に用いたメダルの合計枚数を超えず、メダルが増加しない確率に設定されている。RT4中においてBB入賞が発生すると、ボーナスに制御されて、図5で説明したメダル枚数以上払出されることによりボーナス終了となり、RT3へ制御される。内部抽選されるリプレイの種類は、RTの種類ごとに定められている(後述する図9の丸印が抽選されるリプレイを示す)。
[抽選対象役]
図9は、遊技状態ごとに抽選対象役(以下、当選役ともいう)として読み出される入賞役の組合せについて説明するための図である。
抽選対象役欄には、その名称を示し、遊技状態欄には、RTの種類ごとに、丸印でその抽選対象役が抽選対象であることを示し、丸印の下の数値により当選確率に関わる判定値数を示している。たとえば、ベルは、RT0〜RT3いずれかの状態において、360/65536で当選する抽選対象役である。RT4中は、ボーナス抽選されないが、ボーナスと同時当選し得る入賞役(以下では、同時当選役ともいう)の当選確率が他のRT中と同確率となるように、同時当選役であるベルや弱スイカについては括弧内に示す判定値数で内部抽選が行われる。
ボーナス中においては、たとえば、中段ベルが抽選対象役に設定されており、極めて高い確率(64000/65536)で当選するように定められている。また、中段ベルは、操作タイミングに関わらず入賞を発生し得る役である。このため、ボーナス中においては、操作タイミングおよび操作手順に関わらず、極めて高い確率で中段ベル入賞が発生し得る。このため、ボーナス中においては、メダル枚数を効率的に増加させることができ、ボーナスは、遊技者にとって有利な状態である。
[入賞役の組合せ]
図9に示されるように、たとえば、弱チェリーは、下段チェリーである。弱スイカは、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとを含む。よって、内部抽選で弱スイカに当選したときには、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとに当選したことになる。
抽選対象役のうちボーナス1〜ボーナス12は、BB1またはBB2と弱チェリーやベルなどの所定の入賞役が同時に読み出されて当選し得る役である。また、図9で示されたように、ボーナス1〜ボーナス12は、異なる判定値数が定められている。このため、遊技者にとっての有利度であって、同時当選役に当選したときにBB1またはBB2が実際に同時当選している割合(以下、信頼度ともいう)が、ボーナス6や12などに含まれる中段チェリーが最も高く、続いて、強チェリー、強スイカ、弱チェリー、弱スイカの順となり、ベル(以下、中段ベルともいう)が最も低くなるように、判定値数が定められている。
[押し順役]
図10は、押し順役当選時のリール制御を説明するための図である。
本実施の形態においては、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様(操作手順ともいう)に応じて導出される表示結果が異なる役として、押し順役が設けられている。操作態様には、押し順(ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作する順番)と、操作タイミング(各ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作するタイミング)とが含まれる。押し順役には、押し順ベルと、押し順リプとが含まれる。
図10に示されるように、押し順ベルには、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4が含まれる。押し順ベルに当選したゲームで、遊技者にとって有利となる操作手順(正解手順ともいう)でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときには、遊技者にとって有利となる表示結果が導出される。たとえば、左ベル1に当選したゲームで、正解手順である左第1停止でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると、遊技者にとって有利となる右下がりベルの図柄組合せが導出される。一方、不正解手順である左第1停止以外の順番でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると、上段ベルの図柄組合せが導出されるか、あるいは、操作タイミングに応じて上段ベルの図柄組合せが導出できないときには移行出目が導出される。この場合、左第1停止は、左ベル1に対応する正解手順である。なお、押し順ベルに対応する正解手順は、押し順に限らず、操作タイミングであってもよいし、押し順と操作タイミングとが組み合わされたものでもよい。
押し順ベルに当選したゲームにおいて、正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに導出される役(右下がりベル,中段ベル)は、主役と称される。一方、押し順ベルに当選したゲームにおいて、不正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに導出され得る役(上段ベル)は、副役と称される。
図10に示されるように、押し順リプには、リプレイGR1〜6、リプレイGR11〜13、およびリプレイGR21〜23が含まれる。押し順リプに当選したゲームで、遊技者にとって有利となる操作手順(正解手順ともいう)でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときには、遊技者にとって有利となる表示結果が導出される。たとえば、リプレイGR1に当選したゲームで、正解手順である左中右の順番でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると、遊技者にとって有利となる昇格リプレイ1の図柄組合せが導出される。一方、不正解手順である左中右以外の順番でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると、通常リプレイの図柄組合せが導出される。この場合、左中右は、リプレイGR1に対応する正解手順である。なお、押し順リプに対応する正解手順は、押し順に限らず、操作タイミングであってもよいし、押し順と操作タイミングとが組み合わされたものでもよい。
AT(アシストタイム)中においては、押し順リプや押し順ベルに当選したゲームで正解手順を特定可能な情報が報知される。よって、遊技者は、AT中に報知された情報を手掛かりに正解手順を特定し、当該特定手順でストップスイッチ8L,8C,8Rを操作することで、有利に遊技を進めることができる。
同時当選役に当選しているときには、当該同時当選役に当選していないときと異なるリール制御が行われ得る。たとえば、弱スイカに当選しているときには、中段スイカよりも右下がりスイカあるいは上段スイカを優先して入賞ライン上に引き込むリール制御が行われるのに対し、強スイカに当選しているときには、右下がりスイカおよび上段スイカのいずれよりも中段スイカを優先して入賞ライン上に引き込むリール制御が行われる。また、弱チェリーあるいは強チェリーが当選しているときには、下段チェリーを入賞ライン上に引き込むリール制御が行われ、中段チェリーが当選しているときには、中段チェリーを入賞ライン上に引き込むリール制御が行われる。これにより、リール2L,2C,2Rが停止したときの図柄の組合せから、チェリーかスイカか、弱か強か、あるいは、中段チェリーか否かなどを推定可能となり、ボーナス当選あるいはAT当選に対する期待感を異ならせることができる。
スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L,2C,2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L,2C,2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
[設定値]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、設定値に応じて、後述する内部抽選で用いる当選確率を決定することにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値に応じて当選確率が変化することを設定差あり、設定値に応じて当選確率が変化しないことを設定差なしとも言う。
設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。ただし、複数種類の抽選対象役のうち、遊技者にとっての有利度合いが高い状態(CZ(チャンスゾーン)と呼ばれるAT抽選の高確率状態、および後述するATのような純増枚数が多くなる状態など)にある区間へ移行するか否かを決定する有利区間作動抽選の対象となる抽選対象役は、設定差がない。一方、複数種類の抽選対象役のうち、有利区間作動抽選の対象にならない抽選対象役は、設定差があってもよい。
なお、設定値を変更するためには、スロットマシン1の内部に設けられた操作部(図示せず)を管理者が操作し、設定値を変更可能な設定変更状態に移行させればよい。また、設定値を確認するためには、管理者が所定の操作をして、設定値を確認可能な設定確認状態に移行させればよい。
なお、設定値の設定に応じて内部抽選の当選確率を変化させること、設定値の設定に応じて有利区間作動抽選の当選確率を変化させること、および設定値の設定に応じて内部抽選の当選確率を変化させるとともに有利区間作動抽選の当選確率を変化させることのいずれが行われるものであってもよい。
[ゲーム処理]
メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。
賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると、所定の乱数回路から乱数値を抽出し、当該抽出した乱数値に基づいて入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理(図9参照)が行われる。乱数回路は、所定の数値範囲(0〜65535)内の数値を所定の更新規則にしたがって更新する。
メイン制御部41は、スタートスイッチ7が操作されたときに乱数回路が更新している数値を乱数値として抽出する。内部抽選において抽選対象役に当選したときには、当該抽選対象役に含まれる入賞役の当選フラグがRAMの所定領域に設定される。たとえば、BB1に当選したときには、BB1当選フラグが設定され、強チェリーに当選したときには、下段チェリーの当選フラグと、1枚役の当選フラグとが設定される。
BB1,BB2の当選フラグについては、当選したBBに入賞するまで持ち越される一方、BB1,BB2以外の入賞役に対応する当選フラグは、入賞の発生の有無に関わらず、当選したゲームが終了したときに消去される。
内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L,2C,2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L,8C,8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる(図10参照)。
リール回転処理では、所定のフリーズ条件が成立しているときに、ゲームの進行を所定期間に亘って遅延(ストップスイッチ8L,8C,8R各々の停止操作の有効化を遅延)させるフリーズ演出を実行するためのフリーズ演出処理を実行した後に、ストップスイッチ8L,8C,8Rを有効化して通常ゲームに移行させる。
リール2L,2C,2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞などが発生したか否かを判定する入賞判定処理(図5参照)が行われる。また、入賞ライン上の図柄組合せに応じて、図7で示した状態に制御する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算や、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ボーナス中のメダル払出枚数を計数してボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグ(小役・再遊技役等の当選フラグ)の消去など)が行われる。
BB1,BB2のいずれかに入賞したと判定されたときには、入賞したBBの当選フラグを消去する。ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理(図7、図8参照)を実行する。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
[ATに関する処理について]
メイン制御部41は、ボーナスやRT2などの有利な状態に加えて、ATに制御可能である。メイン制御部41は、ATに制御するか否かのAT抽選を実行する。また、メイン制御部41は、AT抽選でATに制御すると決定した場合にATに制御し、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(正解手順)を特定可能なナビ演出を実行するための処理を実行する。
メイン制御部41は、非AT中においては、特定の抽選対象役(本実施形態では、図9に示すベル、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、BB1、BB2)が当選した場合に、ATに制御するか否かを決定するAT抽選処理を行う。AT抽選処理は、たとえば内部抽選処理において内部抽選が行われた後に実行されるようにしてもよく、1ゲームの進行において予め定められたタイミングで実行されるものであればよい。
なお、特定の抽選対象役は、内部抽選においてBB1、BB2、同時当選役である例について説明するが、これに限らず、同時当選役の一部を含むものであってもよく、またBB1またはBB2と同時当選し得ない入賞役を含むものであってもよい。
AT抽選処理では、ATに制御するか否かを決定するとともに、ATに制御すると決定したときには、複数種類のゲーム数(50、100、150、200、250、300)からATゲーム数を決定する。ATゲーム数は、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶する。また、メイン制御部41は、ATを開始するタイミングを抽選する。メイン制御部41は、たとえば、AT当選ゲームから0〜32ゲーム経過でATを開始すること(ATを開始するタイミング)を乱数値の抽選により決定する。
遊技者にとっての有利度である、AT抽選においてATに制御すると決定される信頼度やATに制御するときに決定されるATゲーム数の期待値(獲得する平均ゲーム数)は、特定の抽選対象役の種類に応じて異なるように定められており、たとえば、中段チェリーが最も高く、続いて、強チェリー、強スイカ、弱チェリー、弱スイカの順となり、ベルが最も低くなるようにAT抽選が行われる。
AT抽選においてATに制御すると決定される信頼度、および、ATに制御するときに決定されるATゲーム数の期待値は、同じ特定の抽選対象役に当選しているときであっても、当該特定の抽選対象役がBB1またはBB2と同時当選していないとき(たとえば、強チェリー当選時)よりも、BB1またはBB2と同時当選しているとき(たとえば、BB1+強チェリー当選時)の方が高くなるようにAT抽選が行われる。
メイン制御部41は、BB当選せずにAT当選しているときにはAT開始タイミングとなったときに、ATフラグを設定してATに制御する。一方、メイン制御部41は、BB当選とともにAT当選しているときには、BB入賞してボーナスが終了したときにATフラグを設定し、ボーナス終了後の次のゲームからATに制御する。ここで、ATへの制御は、たとえばAT開始タイミングが10ゲームと決定されている場合には、10ゲームが0ゲームとなったタイミングで制御されるようにしてもよいし、0ゲームとなった次のゲームのタイミングで制御されるようにしてもよい。
ATフラグは、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶し、ATゲーム数が0に到達したときにクリアされる。メイン制御部41は、ATフラグに基づいてAT中であるか否かを特定する。AT中においては、後述するようにナビ演出が実行される結果、RT2に制御可能となる。AT開始後におけるATゲーム数の減算は、たとえば、RT0において特殊リプレイに当選(減算開始契機が成立)した次のゲームから開始する。BB終了後に開始されるATについても同様である。これにより、メイン制御部41は、決定したATゲーム数にわたりAT+RT2(所謂ART)に制御可能となる。
メイン制御部41は、AT中においては、特別の抽選対象役(たとえば、中段チェリー)が当選した場合に、ATゲーム数を上乗せするか否かを決定する上乗せ抽選を行う。上乗せ抽選は、たとえば内部抽選処理において内部抽選が行われた後に実行されるようにしてもよく、1ゲームの進行において予め定められたタイミングで実行されるものであればよい。
上乗せ抽選では、ATゲーム数を上乗せするか否かを決定するとともに、上乗せすると決定したときには、複数種類のゲーム数(50、100、150、200、250、300)からATゲーム数に上乗せする上乗せゲーム数を決定する。決定された上乗せゲーム数は、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶されているATゲーム数に加算される。これにより、メイン制御部41は、ATに制御するゲーム数を上乗せする。
[各種コマンドについて]
メイン制御部41は、上記に例示した処理の実行に応じた遊技の進行状況および処理結果を特定可能なコマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、各種処理を行う。
本実施形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、払出コマンド、払出完了コマンド、エラー発生コマンド、エラー解除コマンド、内部当選コマンド、押し順コマンド、ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンド、遊技状態コマンド、AT抽選時コマンド、AT中コマンド、ATゲーム数コマンドなどを含む複数種類のコマンドを送信する。
払出コマンドは、メダルの払出開始を通知するとともにメダルの払出枚数を特定可能なコマンドである。払出コマンドは、入賞または精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。
払出完了コマンドは、メダルの払出完了を通知するコマンドである。払出完了コマンドは、入賞または精算によるメダルの払出が完了したときに送信される。
エラー発生コマンドは、エラー処理の開始およびエラーの種類を示すコマンドである。エラー発生コマンドは、エラー処理を開始する際に送信される。
エラー解除コマンドは、エラー処理の終了を示すコマンドである。エラー解除コマンドは、リセット操作がなされてエラー状態が解除されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選の結果に応じて当選した抽選対象役が属するグループを特定可能なコマンドである。内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されたときに送信される。サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信することにより、スタートスイッチ7の操作、および当選した抽選対象役が属するグループを特定可能である。
押し順コマンドは、内部抽選において当選した抽選対象役に応じて、遊技者にとって有利となる図柄組合せを停止させるための操作手順(正解手順)を特定可能なコマンドである。押し順コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されたときに送信される。AT中においては、正解手順を特定可能な押し順コマンドが送信されるのに対して、非AT中においては、正解手順を特定可能な押し順コマンドは送信されない。このため、サブ制御部91は、AT中においては押し順コマンドを受信することにより、正解手順を特定可能となる一方で、非AT中においては正解手順を特定できないようになっている。
ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンドはストップスイッチやスタートスイッチが操作されたことを示すコマンドであり、各操作時に送信される。遊技状態コマンドは遊技状態が移行したときに送信される。具体的にはRTが移行したときやボーナスに制御されたときに送信される。
AT抽選時コマンドは、AT抽選が行われたときに送信され、AT抽選に当選したか否か、当選したATゲーム数が何ゲームであるか、および、AT開始タイミングが何ゲーム目(AT当選から何ゲーム目)であるかなどを特定可能なコマンドである。
AT中コマンドは、ゲームが開始したときに送信され、当該ゲームがAT中におけるゲームであるか否かを特定可能なコマンドである。たとえば、ATゲーム数が付与されていてもATフラグがセットされておらずATが開始されていなければ、非ATを特定可能なコマンドが送信され、ATゲーム数が付与されておりかつATフラグがセットされておりATが開始されているときには、ATを特定可能なコマンドが送信される。
ATゲーム数コマンドは、メイン制御部41が管理するATゲーム数を特定可能なコマンドであって、ゲームが開始したときに送信される。たとえば、ATゲーム数が0であるときには、0を特定可能なコマンドが送信され、ATゲーム数が100であるときには、100を特定可能なコマンドが送信される。
サブ制御部91は、ATゲーム数コマンドに基づき、ATゲーム数のみならず、前回受信時のATゲーム数との差数を算出することでAT当選あるいは上乗せ当選により獲得したATゲーム数を特定する。
[ゲームの流れ]
ここで、図7および図8を再び参照し、ゲームの流れに関しまとめて説明する。まず、RT4およびボーナス以外のRT0〜RT3におけるゲームの流れを説明する。RT0〜3においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。まず、非AT中のゲームの流れについて説明する。
設定変更状態が終了した後において、RT3に制御される。設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT3ではATに制御されず、ナビ演出が実行されない。このように、RT3においてナビ演出が実行されることがないため、RT3において左ベル1〜4などのベルのうちの何れかに当選すると、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出される(図6参照)。よって、いつまでも移行出目が導出されずにRT1に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。
RT1では、昇格リプレイに入賞することにより、RT0に移行する。昇格リプレイに入賞するためには、図10で示したように、リプレイGR1〜6の何れかに当選しかつ昇格リプ入賞させるための操作手順で停止操作する必要がある。
また、RT0に制御された場合でも、当該RT0への制御を維持することが困難となるように設定されている。すなわち、図9および図10で示したように、RT0では、リプレイGR11〜13に当選する可能性があり、このときには2/3の確率で転落リプレイが入賞してRT1に転落してしまう。
さらに、RT0で左ベル1〜4などのベルのうち何れかに当選した場合において、所定のリール(図10に示す右下がりベルあるいは中段ベルを入賞させるためのリール)以外が第1停止されたときには、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出されてRT1に転落してしまう。
図9および図10で示したように、RT0では、リプレイGR21〜23に当選する可能性があり、このときに、所定のリール(図10に示す特殊リプレイを入賞させるためのリール)を第1停止すると特殊リプレイが入賞してRT2に制御される可能性がある。しかし、RT2に制御された場合でも、左ベル1〜4などのベルのうち何れかに当選したときには、所定のリール(図10に示す右下がりベルあるいは中段ベルを入賞させるためのリール)以外が第1停止されたときには、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出されてRT1に転落してしまう。その結果、非AT中のときの遊技の大部分は、RT1において消化されることとなる。
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT1では、リプレイGR1〜6の何れかに当選したときに、昇格リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、昇格リプレイの入賞によりRT0に移行させることができる。RT0では、リプレイGR11〜13の何れかに当選したときに、通常リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、通常リプレイ入賞によりRT0を維持することができる。
RT0では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうち何れかに当選したときに、右下がりベルまたは中段ベルを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT0を維持させることができる。さらに、RT0では、リプレイGR21〜23の何れかに当選したときに、特殊リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、特殊リプレイ入賞によりRT2に移行させることができる。
RT2では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうち何れかに当選したときに、右下がりベルまたは中段ベルを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT2を維持させることができる。
このように、本実施の形態のスロットマシン1において、AT中であるときには、RT2に制御されるように、かつRT2が維持されるように、ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT2において消化されることとなる。なお、ATはATゲーム数が0になると終了する。
ATのゲーム数は、RT2+AT(本実施の形態では、遊技者にとって有利なRT2においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(ART)に制御することが可能になったゲームの次ゲーム、すなわちRT0でリプレイGR21〜23のいずれかに当選し、特殊リプレイが入賞可能となったゲームの次ゲームからカウント開始される。これにより、実質的にはARTでATゲーム数分のゲームを消化するとATが終了する。そして、ATの終了によりARTが終了することとなる。
ARTが終了した後においてはナビ演出が実行されなくなるが、移行出目が導出するまでRT2への制御が維持される。しかし、ARTが終了した後のRT2中は、非AT中であるため、前述したように所定のリール(図10に示す右下がりベルあるいは中段ベルを入賞させるためのリール)以外が第1停止される。その結果、ARTが終了した後のRT2中においては、ARTが終了してから極めて早い段階で移行出目が停止することによりRT1に移行される。
次に、BB1あるいはBB2に当選した後のゲームの流れについて説明する。いずれのRTに制御されているかに関わらず、BB1あるいはBB2に当選したときには、図8で示したとおり、RT4へ制御される。また、BB当選ゲーム終了以降のゲームにおいてBB当選している旨が報知されて、遊技者はBB1あるいはBB2に当選したことを把握することができる。BB入賞が発生すると、対応するボーナスに移行されて、所定の終了枚数払出されたときに終了して、RT3へ移行される。
ここで、BBが他の抽選対象役と同時当選している場合は、BB以外の抽選対象役が優先的に入賞するようにリール制御される。そのため、RT4において小役または再遊技役に当選する確率が高い場合は、BB入賞が発生しにくく、ボーナスに移行しにくくなる。そこで、RT4においては、再遊技役に当選する確率がRT0またはRT2に比べて低くなるように設定されている(図8参照)。さらに、RT0〜RT4においては、再遊技役以外の抽選対象役である小役に当選する確率は変わらないように設定されている。そのため、RT4においては、BBに単独で当選しやすく、いつまでもボーナスに移行できないということが起こりにくくなるように設定されている。
[払出を中断させるエラーについて]
ここで、再び、図3を参照して、メダルの払出を中断させるエラーについて説明する。このようなエラーとしては、以下に説明する「ホッパーエンプティエラー」や「メダルセレクタエラー」が挙げられる。
メダルの払出を中断させるエラーとして、ホッパーエンプティエラーがある。具体的には、ホッパータンク34aに貯留されていたメダルが空になったときにエラーが発生する。ホッパータンク34aのメダルが空になっていることを判断する方法としては、以下の2つの方法がある。1つの方法は、メダルの払い出しを検出するセンサが所定時間払い出しを検出しないことにより、メダルが空になっていることを判断する方法である。ホッパーモータ34bが駆動しているにも関わらず所定時間の払い出しを検出しない場合、ホッパータンク34aのメダルが空になっているか、ホッパータンク34a内においてメダル詰まりなどが発生していると判断できるからである。もう1つの方法は、ホッパータンク34aのメダルの貯留状況を画像認識により監視すること、あるいはホッパータンク34aのメダルの貯留状況を重量検出にて監視することにより、メダルが空になっていることを判断する方法(ホッパータンク34a内のメダルの貯留状況を直接的に監視する方法)である。
ホッパーエンプティエラーが発生し得る状況としては、次のようなものがある。たとえば、ARTに制御された場合、メダルの投入よりもメダルの払出の方が多くなる。このような場合、ホッパータンク34aに貯留されるメダルが空になり、ホッパーエンプティエラーが発生し得る。また、ARTでなくとも、ホッパータンク34a内のメダルを不正行為者が不正に取り出すという不正行為により空になった場合もホッパーエンプティエラーは発生する。
メダルの払出を中断させるエラーとして、メダルセレクタエラーがある。具体的には、メダルセレクタ29内でメダルが詰まる等、メダルセレクタ29内でメダルが滞留状態であることが検出された場合にエラーが発生する。たとえば、不正行為者が、スロットマシン1内に異物を投入するという不正行為をして異物がメダルセレクタ29内で詰まると、メダルセレクタエラーが発生する。
なお、上記とは異なり、メダルの払出を中断させないエラーとしては、たとえば、サブ制御部91が受信したコマンドにおいてコマンド異常が検出されたときに発生するエラーが挙げられる。また、演出に用いられる可動体としてのシャッターなどの役物の不良動作により発生するエラーが挙げられる。このようなメイン制御部41による処理に直接的に影響を与えないエラーが発生したとしても、現在払出中のメダルの払出が一時的に停止することはない。
[エラー処理]
スロットマシン1では、上述の払出を中断させるエラー(「ホッパーエンプティエラー」や「メダルセレクタエラー」など)が発生すると、メイン制御部41は、タイマ割込処理によって当該エラーの発生を検知する。メイン制御部41は、エラーを検知すると、遊技の進行を不能化するエラー処理を実行する。具体的に、メイン制御部41は、エラー処理において、遊技補助表示器12にエラーコードを表示する。さらに、メイン制御部41は、エラー処理において、サブ制御部91に対してエラー発生コマンドを送信する。サブ制御部91は、エラー発生コマンドを受信すると、液晶表示器51の画面上にエラーが発生した旨の画像を表示するとともに、スピーカ53,54からエラー音を出力する。このとき、スピーカ53,54から払出音が出力中である場合は、払出音を停止してからエラー音を出力する。このように、エラー処理が実行されると、遊技補助表示器12にエラーコードが表示されるため、払出枚数やナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報等が表示されず、遊技の進行が不能となる。また、エラー処理が実行されると、液晶表示器51の画面上にエラーが発生した旨の画像が表示されるとともに、スピーカ53,54からエラー報知音が出力されるため、遊技に関する演出等が表示されず、遊技の進行が不能となる。なお、遊技の進行が不能となるのは、ホッパーエンプティエラーのようにメダルの払出時に発生するエラーや、メダルセレクタエラーのようにメダル投入時に発生数するエラーや、RAM41cのデータが正常でない場合のRAM異常などのエラーが発生した場合が挙げられる。
図3を再び参照して、エラー状態を解除するためのリセット操作は、前面扉1bの内側に設けられているリセットスイッチ23の操作、電源ボックス100の前面に設けられているリセット/設定スイッチ38の操作、および前面扉1bに設けられている鍵穴110にドアキーを挿入して反時計回りに回転させる操作のいずれかの操作により可能となる。リセットスイッチ23またはリセット/設定スイッチ38によるリセット操作は前面扉1bを開放しなければ操作できないが、ドアキーによるリセット操作は前面扉1bを開放することなく操作することができる。
メイン制御部41は、リセット操作を受け付けると、遊技補助表示器12のエラーコードの表示をクリアする。また、メイン制御部41は、エラー処理を終了する旨を示すエラー解除コマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、エラー解除コマンドを受信すると、液晶表示器51のエラー画像の表示をクリアする。エラー音は、エラー解除コマンドを受信した後の所定期間経過後に、スピーカ53,54からの出力を停止する。また、エラーが解除されると、メイン制御部41は、スタートスイッチ7やストップスイッチの操作に基づく処理を実行する。このように、エラーが解除されると、遊技の進行が可能になる。
[払出時の払出音等]
メダル払出口9から払い出されるメダルの払い出しには、入賞時の払い出しと精算時の払い出しとが含まれる。入賞時の払い出しとは、クレジットが上限数(50)に達している場合であって、入賞が発生したときに所定枚数のメダルが払い出されることを言う。たとえば、右下がりベルが入賞したときに、クレジットが上限数(50)に達している場合は、規定の払出枚数である10枚がメダル払出口9から払い出される。精算時の払い出しとは、精算スイッチ10の操作により、クレジットおよび設定済の賭数を精算してメダル払出口9から払い出されることを言う。
また、入賞時の払出音は、次の場合において出力される。クレジットとしてメダル数が記憶されるとき(たとえば、クレジットが0で入賞時の払い出し枚数が10枚であれば、クレジットは10になるとき)と、クレジットとしてメダル数が記憶されるとともにメダル払出口9からメダルが払い出されるとき(たとえば、クレジットが47で入賞時の払い出し枚数が10枚であれば、クレジットは50(上限数)になるとともに7枚払い出されるとき)と、メダル払出口9からメダルが払い出されるとき(たとえば、クレジットが50(上限数)で入賞時の払い出し枚数が10枚であれば、クレジットは上限数の50になるとともに7枚払い出されるとき)において出力される。なお、上記クレジットによりメダル数を記憶させるものに限らず、物理的にメダルを貯留させるものであってもよい。たとえば、クレジットを10として記憶させる代わりに、ホッパータンク34a内にメダルを貯留させる機能を持たせ、そこに10枚のメダルを貯留させるようにしてもよい。
図11は、払出時の払出音および発光態様等を説明するための表を示す図である。本実施の形態においては、入賞時と精算時とで、払出音の出力態様と発光態様とが異なる。以下、図11に基づき説明する。
まず、入賞時の払い出しについて説明する。本実施の形態においては、入賞時の払出枚数が近い入賞役について共通の払出音を使用している。たとえば、払出枚数が、第1入賞の払出枚数>第2入賞の払出枚数>第3入賞の払出枚数となる入賞役があるとする。ここで、第1入賞の払出枚数と第2入賞の払出枚数とが近い場合、第1入賞と第2入賞で使用する払出音を共通化する。
図11の表では、第1入賞に相当するものとして中段ベル、第2入賞に相当するものとして右下がりベル、第3入賞に相当するものとして上段ベル1〜8が例示されている。中段ベルは、入賞が発生した際に中段(入賞ラインLN上)にベル図柄が揃う入賞役であり、払出枚数は12枚である。右下がりベルは、入賞が発生した際に右下がり(無効ラインLM3上)にベル図柄が揃う入賞役であり、払出枚数は10枚である。上段ベル1〜8は、入賞が発生した際に上段(無効ラインLM1上)にベル図柄が揃う入賞役であり、払出枚数は4枚である。
払出枚数の関係は、第1入賞の払出枚数(12枚)>第2入賞の払出枚数(10枚)>第3入賞の払出枚数(4枚)となる。第1入賞の払出枚数(12枚)と第2入賞の払出枚数(10枚)とが近いため、第1入賞(中段ベル入賞)と第2入賞(右下がりベル入賞)とで使用する払出音が共通化される。また、第1入賞(中段ベル入賞)と第2入賞(右下がりベル入賞)と第3入賞(上段ベル1〜8入賞)とでは、異なるライン(それぞれ、中段、右下がり、上段)に同一の図柄であるベル図柄が揃うようにしている。
払出音について説明する。非AT中においては、中段ベルと右下がりベルとでは、払出音として「非AT中第1払出音」が使用される。非AT中第1払出音は、音声の出力時間が1秒である音データAを3回出力するものである(出力時間の合計は3秒)。これに対し、非AT中においては、上段ベル1〜8では、払出音として「非AT中第2払出音」が使用される。非AT中第2払出音は、音声の出力時間が1秒である音データAを1回出力するものである(出力時間の合計は1秒)。このように、払出枚数の近い中段ベルと右下がりベルとでは、同一の払出音が使用される。ただし、非AT中第1払出音と非AT中第2払出音とでは払出音は異なるものの、共通化された音データAが使用されている。つまり、共通化された音データAが3回出力されることで非AT中第1払出音が生成され、共通化された音データAが1回出力されることで非AT中第2払出音が生成されている。
入賞時の払出音は、実払出に要する時間より長くなるように設定されている。たとえば、上記中段ベル入賞時(払出枚数は12枚)の払出音の出力時間は3秒である。これに対し、ホッパーモータ34bを回転させて12枚のメダルの排出を行うのに所要する時間(実払出時間)は約1秒であり、入賞時の払出音の出力時間(3秒)の方が長い。実際には、ホッパーモータ34bによりメダルが排出されてからメダル払出口9にメダルが届くまでの時間もあるため、入賞が発生してから遊技者の手元にメダルが届くまでに所要する時間は約2秒となる。こうした時間を加味しても、入賞時の払出音の出力時間(3秒)の方が長くなるように設定されている。
また、非AT中とAT中とでは、入賞時の払出音を異ならせている。AT中においては、中段ベルと右下がりベルとでは、払出音として「AT中第1払出音」が使用される。AT中第1払出音は、音声の出力時間が1秒である音データBが3回出力されるものである(出力時間の合計は3秒)。これに対し、AT中においては、上段ベル1〜8では、払出音として「AT中第2払出音」が使用される。AT中第2払出音は、音声の出力時間が1秒である音データBが1回出力されるものである(出力時間の合計は1秒)。ここで、AT中の払出音であるAT中第1払出音あるいはAT中第2払出音は、有利状態であるAT状態を反映するような音である。たとえば、祝福的な音色や、有利状態であることを遊技者に期待させるような音色である。また、AT中においては、非AT時に比べて音程が高くなるようなものであってもよい。また、AT中においては、非AT時に比べて音量が大きくなるようなものであってもよい。
また、入賞が発生したときに、払出音を出力するとともに、払出音に対応するように演出効果LED52(ランプ)が発光されるようにしている。具体的には、非AT中第1払出音(中段ベルおよび右下がりベルの場合)に対しては、演出効果LED52が黄色で12回点滅される。発光時間(12回点滅させるのに所要する時間)は3秒である。これは、払出音の出力時間と一致する。非AT中第2払出音(上段ベル1〜8の場合)に対しては、演出効果LED52を黄色で4回点滅させる。発光時間(4回点滅させるのに所要する時間)は1秒である。これは、払出音の出力時間と一致する。
AT中の発光態様についても同様である。具体的には、AT中第1払出音(中段ベルおよび右下がりベルの場合)に対しては、演出効果LED52を赤色で12回点滅させる。発光時間(12回点滅させるのに所要する時間)は3秒である。これは、払出音の出力時間と一致する。AT中第2払出音(上段ベル1〜8の場合)に対しては、演出効果LED52を赤色で4回点滅させる。発光時間(4回点滅させるのに所要する時間)は1秒である。これは、払出音の出力時間と一致する。
本実施の形態においては、入賞時の払出においてホッパーモータ34bを共通の規則に基づいて駆動させるようにしている。具体的に説明すると、次の通りである。入賞が発生すると、メダルの払い出しを行うための払出処理が実行される。払出処理には、ホッパーモータ34bを駆動させて払い出しを行う処理も含まれる。ホッパーモータ34bの駆動を行う際には共通の処理が実行される(ホッパーモータ34bを共通の規則に基づいて駆動させる)。たとえば、入賞が発生してから、ホッパーモータ34bの駆動を開始させるタイミングや、ホッパーモータ34bを回転させる際の回転速度は、共通の処理が実行されるため、入賞役や入賞枚数に応じて変わることはない。具体的には、ホッパーモータ34bを回転して駆動させる際の回転速度は一定であるため、1枚のコインを払い出すのに所要する時間はTc秒となる。この場合、たとえば、中段ベル入賞時の払出時間は12×Tc秒、右下がりベル入賞時の払出時間は10×Tc秒、上段ベル1〜8入賞時の払出時間は4×Tc秒となり、払出枚数に比例して払出時間が長くなる。
次に、精算時の払い出しについて説明する。ここでは、クレジットおよび設定済の賭数がN枚であるとする。この場合、精算スイッチ10の操作により、N枚がメダル払出口9から払い出される。精算の際の払い出し時には、払出音として「精算音」が出力される。N枚払い出す際に出力される精算音の出力時間はT秒であり、実払出時間に相当する時間である。また、払出音に対応するように演出効果LED52(ランプ)を発光させるようにしている。具体的には、精算音に対しては、演出効果LED52を青色でN回点滅させる。発光時間(N回点滅させるのに所要する時間)はT秒である。これは、払出音の出力時間と一致する。なお、精算音の出力時間は、実払出時間と完全に一致させてもよいが、完全に一致しなくても限りなく近くなる所定時間の範囲内でもよい。
入賞時と精算時とでは、払出音が異なる。また、入賞時の払出音は、図11の表で示したように非AT時とAT時では払出音が異なるのに対して、精算時の払出音は、非AT時であるかAT時であるかに関わらず常に同じである。入賞時の払出音には、上記で説明したように、あらかじめ用意された音データにより規定秒数(たとえば、3秒)の間出力するものと、後述の図12で説明するように、払出完了コマンドの受信により出力を停止するものとがある。払出完了コマンド受信から所定期間経過後に払出音を停止させるようにしているため、入賞時の払出音の出力時間は実払出時間より長くなる。これに対し、精算時の払出音は、あらかじめ用意された音データを出力するものではなく、後述の図14で説明するように払出完了コマンドの受信により出力を停止するものである。払出完了コマンドの受信直後に払出音を停止させるため、精算時の払出音の出力時間は実払出時間に相当するものとなる。
なお、本実施の形態では、非AT中とAT中とで払出発生時の払出音や発光態様が異なるようにしたが、これに限らず、遊技者にとっての不利状態と有利状態で払出発生時の払出音や発光態様が異なるようにしてもよい。たとえば、本実施の形態において非AT中には非AT中第1払出音を出力してAT中にはAT中第1払出音を出力したのと同様に、不利RT中には不利RT中第1払出音を出力して有利RT中には有利RT第1払出音を出力するようにしてもよい。その他、発光態様等についても同様にする。
[払出枚数の表示等について]
メダルの払出枚数は、遊技補助表示器12および液晶表示器51により表示される。
たとえば、右下がりベルが入賞すると、10枚のメダルが払い出される。入賞によりホッパーモータ34bが駆動し、メダル払出口9よりホッパータンク34aに貯留されたメダルの払出が開始される。メダル払出口9よりメダルが払い出されるたびに、遊技補助表示器12には現在払い出されているメダル枚数が表示される。払出が開始していない状態では、遊技補助表示器12に「00」と表示され、現在の払出枚数が「0枚」であることが示される。1枚払い出された状態では、遊技補助表示器12には「01」が表示され、現在の払出枚数が「1枚」であることが示される。同様に、全てのメダル(10枚)が払い出された状態では、遊技補助表示器12には「10」が表示され、現在の払出枚数が「10枚」であることが示される。仮に、払出しの途中で払出エラーが発生し、メダルの払出が途中で停止したときには、遊技補助表示器12も実際に払出済みのメダル枚数を表示した段階で払出枚数の更新が止まる。
メダルの払出が開始すると、メイン制御部は、メダルの払出枚数(10枚)を特定可能な払出コマンドを送信する。サブ制御部91は、受信した払出コマンドに基づいて液晶表示器51の払出枚数の表示を更新する。たとえば、現在の払出枚数が10枚であれば、「10枚」が液晶表示器51の画面の右下に表示される。さらに、ATに制御されている場合は、ATに制御されてから払い出されたメダル枚数(以下、「総払出枚数」とも称する)が更新される。たとえば、ATに制御されてから払い出されたメダル枚数が500枚である場合、「TOTAL500」が液晶表示器51の画面の左上に表示される。さらに、サブ制御部91は、受信した払出コマンドに基づいてスピーカ53、54から払出音を出力させる。
サブ制御部91は、払出枚数が10枚であることを示す払出コマンドを受信すると、途中で発生した払出エラーの影響によりメダルが払い出されない事態が発生したか否かにかかわらず、指示された払出枚数(=10枚)に達するまで液晶表示器51の「払出枚数」および「総払出枚数」の表示を1枚ずつ更新する。すなわち、「払出枚数」は、払出コマンドの受信により「0枚」から「1枚」に更新され、以降、「2枚」、「3枚」、「4枚」、「5枚」、「6枚」、「7枚」、「8枚」、「9枚」、「10枚」と更新される。一方、「総払出枚数」は、たとえば、払出コマンド受信前の枚数が「495枚」であれば、払出コマンドの受信により「495枚」から「496枚」に更新され、以降、「497枚」、「498枚」、「499枚」、「500枚」、「501枚」、「502枚」、「503枚」、「504枚」、「505枚」と更新される。このように、液晶表示器51では、実際のメダルの払出とは関係なく表示が更新される。
メダルの払出が完了(10枚の払出が完了)すると、メイン制御部は、メダルの払出完了を通知する払出完了コマンドを送信する。払出エラーが発生することなくサブ制御部91により払出完了コマンドが受信されると、払出音の出力が停止する。
[メダルの払出中にエラーが発生しなかった場合の払出音等]
図12は、メダルの払出中にエラーが発生しなかった場合の払出音等を説明するタイミングチャートである。横軸は時刻tを示し、上から「ホッパーからの払出(実払出)」、「ホッパー作動」、「コマンド」、「エラー」、「エラー音」、「払出音」、および「特定演出」が、onまたはoffのいずれであるかを示している。また、「遊技用補助表示器12(メイン側表示)」、および「液晶表示器51(サブ側表示)」の表示状態を示している。
以下、図12のタイミングチャートに基づいて説明する。本実施の形態では、RT2の遊技状態に制御されているとともに、ATに制御されている状態(ART)を想定している。RT2では、RT0やRT1よりもリプレイ当選確率が高くなるため、ベル入賞等(たとえば、10枚役である右下がりベル入賞)により徐々にメダルを増やしていくことができる。遊技者がメダルを増やしていく場合、メダル投入部4へメダルを投入する枚数よりもメダル払出口9からメダルが払い出される枚数の方が多くなるため、ホッパータンク34a内のメダルが徐々に少なくなる。そして、ホッパータンク34a内のメダルが空になったとき、ホッパーエンプティエラーが発生する。以下、図12においては、メダルの払出中にホッパーエンプティエラーが発生しないケースについて説明する。メダルの払出中にホッパーエンプティエラーが発生するケースについては、図13に基づいて説明する。
図12のタイミングチャートにおいて、時刻t1以前はメダルの払出が発生していない状態である。また、ATに制御されてから払い出されたメダル枚数(総払出枚数)は、「495枚」であるとする。遊技用補助表示器12には、現在の払出枚数が「0枚」であることを示す「00」が表示されている。液晶表示器51には、現在の払出枚数が「0枚」であることを示す「0枚」が画面の右下に表示されるとともに、総払出枚数が「495枚」であることを示す「TOTAL495」が画面の左上に表示されている。なお、液晶表示器51の表示は図12(A)に示すとおりであるが、タイムチャート上では図12(B)のように簡略化して表示する。
時刻t1において、右下がりベルに入賞したとする。右下がりベルの入賞によりメダルが10枚払い出される。このとき、ホッパーモータ34bを駆動し(「ホッパー作動」状態は、off状態からon状態になる)、メダル払出口9よりホッパータンク34aに貯留されたメダルの払出が開始される(「ホッパーからの払出(実払出)」状態は、off状態からon状態になる)。さらに、メイン制御部は、メダルの払出を開始することを示す払出コマンドを送信する。メダル払出口9より1枚目のメダルの払出が行われると、遊技用補助表示器12の表示は、「00」から現在の払出枚数が「1枚」であることを示す「01」に更新される。
時刻t2において、サブ制御部91により払出コマンドが受信されると、スピーカ53、54からは払出音の出力が開始される(「払出音」は、off状態からon状態になる)。また、液晶表示器51の払出枚数の表示が「0枚」から「1枚」に更新されるとともに、総払出枚数の表示が「495枚」から「496枚」に更新される。
時刻t2〜t3において、ホッパーモータ34bを駆動し、メダル払出口9よりメダルが1枚払出されるたびに、遊技用補助表示器12の表示は更新される。たとえば、メダル払出口9からの実払出枚数が「2枚」になったとき、遊技用補助表示器12の表示は「01」から「02」に更新される。同様にして、遊技用補助表示器12の表示は右下がりベルの入賞による払出枚数である「10枚」まで表示が更新され、最終的には「10」が表示される。
一方で、払出コマンドの受信により表示の更新を開始する液晶表示器51では、メダル払出口9からの実際の払出とは無関係に一定の時間間隔で表示が更新される。ただし、メダル払出口9からの払出が正常に完了するタイミング(エラーにより払出が停止することなく、正常に払い出された場合の払出完了タイミング)に応じたタイミングで表示の更新が完了するように表示の更新が行われる。たとえば、実際に10枚の払出が完了するまでの時間がT秒であった場合、液晶表示器51の更新完了タイミングもT秒としてもよい。ただし、必ずしも更新完了タイミングを一致させる必要はなく、T秒より短くしてもよい。
液晶表示器51では、払出枚数の表示が「0枚」から右下がりベル払出枚数の「10枚」まで1枚ずつ表示が更新される(合計10枚)とともに、総払出枚数の表示は「495枚」から「505枚」まで1枚ずつ更新される(合計10枚加算)。
時刻t3において、メダル払出口9より10枚のメダルの払出が完了すると、ホッパーモータ34bは駆動を停止する(「ホッパーからの払出(実払出)」状態はon状態からoff状態になるとともに、「ホッパー作動」状態はon状態からoff状態になる)。さらに、メイン制御部は、メダルの払出完了を通知するコマンドである払出完了コマンドを送信する。
時刻t4において、サブ制御部91は払出完了コマンドを受信する。払出音の出力時間は実払出時間よりも長くなるように制御される。このため、スピーカ53、54は払出完了コマンドを受信してから所定時間経過後の時刻t5に払出音の出力を停止する(「払出音」は、on状態からoff状態になる)。さらに、払出完了コマンドを受信したときに総払出枚数が500枚を超えているため、総払出枚数が500枚を超えていることを報知するための報知演出が実行される。このように、本実施の形態では、総払出枚数が一定枚数を超えたときには、遊技者の満足感を高めるための報知演出をするものとしている。ただし、図12に示されるように、総払出枚数が500枚を超えた時点は、時刻t4よりも前の時点である。本実施の形態では、払出途中の総払出枚数が、報知演出に値する一定枚数に達したとしても、すべての払出を終えるのを待って、そのような報知演出をするものとしている。具体的には、総払出枚数が一定枚数を超えた後、払出完了コマンドが受信されたタイミングでそのような報知演出を行う。このように、払出完了コマンドの受信を待って行われる報知演出のことを本実施の形態では、特定演出と称する。
図12に示されるように、時刻t4の時点でこのような「特定演出」を実行する(「特定演出」がoff状態からon状態になる)。具体的には、液晶表示器51に総払出枚数が500枚を超えたことを報知する「500枚 OVER!」が表示される。総払出枚数が「500枚」であるときに限らず、たとえば、「1000枚」、「2000枚」など、あらかじめ規定された総払出枚数を超えるたびに実行するようにしてもよい。
[メダルの払出中にエラーが発生した場合の払出音等]
図13は、メダルの払出中にエラーが発生した場合の払出音等を説明するタイミングチャートである。横軸は時刻tを示し、上から「ホッパーからの払出(実払出)」、「ホッパー作動」、「コマンド」、「エラー(ホッパーエンプティエラー)」、「エラー音」、「払出音」、および「特定演出」が、onまたはoffのいずれであるかを示している。また、「遊技用補助表示器12(メイン側表示)」、および「液晶表示器51(サブ側表示)」の表示状態を示している。なお、図12の説明と重複する部分については、説明を省略する。
以下、図13のタイミングチャートに基づいて説明する。図13においても、図12と同様にRT2の遊技状態に制御されているとともに、ATに制御されている状態(ART)を想定している。図13においては、図12とは異なり、払出の途中でホッパータンク34a内のメダルがなくなり、ホッパーエンプティエラーが発生している。
タイミングチャートにおいて、時刻t1以前はメダルの払出が発生していない状態である。また、ATに制御されてから払い出されたメダル枚数(総払出枚数)は、「495枚」であるとする。遊技用補助表示器12には、現在の払出枚数が「0枚」であることを示す「00」が表示されている。液晶表示器51には、現在の払出枚数が「0枚」であることを示す「0枚」が画面の右下に表示されるとともに、総払出枚数が「495枚」であることを示す「TOTAL495」が画面の左上に表示されている。
時刻t1において、右下がりベルに入賞したとする。右下がりベルの入賞によりメダルが10枚払い出される。このとき、ホッパーモータ34bを駆動し(「ホッパー作動」状態は、off状態からon状態になる)、メダル払出口9よりホッパータンク34aに貯留されたメダルの払出が開始される(「ホッパーからの払出(実払出)」状態は、off状態からon状態になる)。さらに、メイン制御部は、メダルの払出開始を通知する払出コマンドを送信する。メダル払出口9より1枚目のメダルの払出が行われると、遊技用補助表示器12の表示は、「00」から現在の払出枚数が「1枚」であることを示す「01」に更新される。
時刻t2において、サブ制御部91により払出コマンドが受信されると、スピーカ53、54からは払出音の出力が開始される(「払出音」は、off状態からon状態になる)。また、液晶表示器51の払出枚数の表示が「0枚」から「1枚」に更新されるとともに、総払出枚数の表示が「495枚」から「496枚」に更新される。
さらに、メダル払出口9より2枚目のメダルが払い出され、遊技用補助表示器12の表示は、「01」から現在の払出枚数が「2枚」であることを示す「02」に更新される。ここで、2枚目のメダルが払い出されたときに、ホッパータンク34aに貯留されているメダルの数が0枚になったとする。このとき、ホッパータンク34a内にメダルが残存している可能性があるため、規定秒数、ホッパーモータ34bは駆動し続ける(空回りをする)。具体的には、ホッパータンク内にメダルが空になった時刻t3から時刻t4までの2秒間はホッパーモータ34bは駆動し続ける(空回りする)。そして、時刻t4〜t5までの0.5秒間は、ホッパーモータ34bは一旦停止する。さらに、時刻t5〜t6までの2秒間はホッパーモータ34bは再度駆動する(空回りする)。なお、時刻t4〜t5までの0.5秒間ホッパーモータ34bの駆動を一旦停止させるのは、ホッパータンク内でメダルがどこかに引っかかってメダルが検出されない可能性があるからである。このように、ホッパーモータ34bの駆動を停止させることで、引っかかったメダルを慣性の力で、メダルが正しく検出できる位置に落とそうとしている。
ホッパーモータ34bが空回りする間、メダル払出口9からの実払出枚数は「2枚」のままであるため、遊技用補助表示器12の表示は「02」のままで停止する。一方で、払出コマンドの受信を契機に表示の更新を開始する液晶表示器51は、メダル払出口9からの実際の払出とは無関係に表示を更新する。液晶表示器51の表示は、払出枚数の表示が「0枚」から右下がりベル払出枚数の「10枚」まで1枚ずつ更新される(合計10枚)とともに、総払出枚数の表示は「495枚」から「505枚」まで1枚ずつ更新される(合計10枚加算)。払出枚数および総払出枚数は、メダル払出口9からの実際の払出が完了するタイミングに応じたタイミングで表示の更新が完了するように表示の更新が行われる。
ホッパーモータ34bが空回りした後の時刻t6において、ホッパーエンプティエラーが発生する(「ホッパーエンプティエラー」は、off状態からon状態になる)。エラー発生により、サブ制御部91がエラー発生コマンドを受信すると(時刻t7)、スピーカ53、54からは、エラーが発生した旨を報知するエラー音が出力される(「エラー音」は、off状態からon状態になる)。このとき、スピーカ53、54から出力されている払出音の出力は停止する(「払出音」は、on状態からoff状態になる)、エラー音の出力を優先させている。
エラー発生コマンドを受信してからエラー解除コマンドを受信するまでの時刻t7〜t9までの間は、液晶表示器51には図13(A)に示すような「払出枚数」および「総払出枚数」の表示は行われず、エラーが発生したことを報知する表示に切り替わる。
ホッパーエンプティエラーは、次のようにして解除される。まず、遊技店の店員等が、前面扉1bを開放し、空になったホッパータンク34a内にメダルを補充する。そして、前面扉1bを閉鎖する。時刻t8において、前面扉1bに設けられた鍵穴110にドアキーを挿入して反時計回りに回転させるリセット操作によりエラー状態が解除される(「エラー」は、on状態からoff状態になる)。ただし、エラー音の出力は停止されず、所定期間はエラー音の出力は継続される。そして、所定期間経過後の時刻t10において、エラー音の出力は停止される(「エラー音」は、on状態からoff状態になる)。
時刻t8においてエラー状態が解除されると、ホッパーモータ34bが駆動を再開し(「ホッパーからの払出(実払出)」状態はoff状態からon状態になるとともに、「ホッパー作動」状態はoff状態からon状態になる)、停止していたメダルの払出を再開する。時刻t8において、メダル払出口9より3枚目のメダルが払い出される。それに伴い、遊技用補助表示器12の表示は、「02」から現在の払出枚数が「3枚」であることを示す「03」に更新される。一方で、液晶表示器51における「払出枚数」と「総払出枚数」の表示は更新されない。時刻t6以前に既に表示の更新が完了しているためである。時刻t8でエラー解除されると、エラー解除コマンドが送信される。エラー解除コマンドが受信された時刻t9において、液晶表示器51上のエラー表示は消えて、元の画面に戻る。「払出枚数」は元々表示されていた「10枚」を表示し、「総払出枚数」も元々表示されていた「505枚」を表示する。
時刻t8においてエラー状態が解除されても、払出コマンドは再度送信されることはない(「払出コマンド」は、off状態からon状態にはならない)。また、払出音を再度出力することもない(「払出音」は、off状態からon状態にはならない)。
時刻t8〜t11において、メダル払出口9よりメダルが1枚払出されるたびに、遊技用補助表示器12の表示は更新される。時刻t11までに、3枚目のメダルから10枚目のメダルまでが払い出される。遊技用補助表示器12は、1枚払い出されるごとに表示を更新し、最終的には「10」が表示される。
時刻t11において、メダル払出口9より10枚のメダルの払出が完了すると、ホッパーモータ34bは駆動を停止する(「ホッパーからの払出(実払出)」状態はon状態からoff状態になるとともに、「ホッパー作動」状態はon状態からoff状態になる)。さらに、メイン制御部は、メダルの払出完了を通知するコマンドである払出完了コマンドを送信する。
時刻t12において、サブ制御部91は払出完了コマンドを受信している。払出完了コマンドを受信したときに総払出枚数が500枚を超えているため(総払出枚数は「503枚」)、総払出枚数が500枚を超えていることを報知する「特定演出」を実行する(「特定演出」がoff状態からon状態になる)。このとき、液晶表示器51には、総払出枚数が500枚を超えたことを報知する「500枚 OVER!」が表示される。なお、スピーカ53、54は既に払出音の出力を停止しているため、払出完了コマンドの受信により払出音の出力に影響を与えることはない。
本実施の形態において、特定演出を払出完了コマンド受信後に実行する理由は、次の通りである。AT中に総払出枚数が規定量(例えば、500枚)を上回ったことを報知するのは、AT中にメダルが増加したことを遊技者に意識させて楽しませるため(満足感を与えるため)であり、たとえば、10秒間の特定演出を行う。仮に、払出完了前で総払出枚数が規定量を上回った時点に特定演出を行ったとすると、その後の払出エラー発生により液晶表示器51の表示が特定演出画面からエラー画面に切り替わってしまい、特定演出が途切れてしまう可能性がある。メダル切れによりホッパーが空回りしてホッパーエンプティエラーが発生した場合は、本来10秒間の特定演出を行うところを、たとえば、3秒程度でエラー表示に切り替わってしまい、遊技者を楽しませることができない。特定演出を払出完了コマンド受信後に実行することにより、特定演出の報知期間(10秒間)を確実に確保することができる。また、たとえば、入賞と同時に特定演出を行うことが考えられるが、実際には払い出しが完了しておらず、総払出枚数は500枚を超えていない。このため、実際に総払出枚数が500枚を超えている払出完了コマンド受信後に特定演出を行っている。
[精算中にエラーが発生しなかった場合の払出音等]
図14は、エラーが発生しなかった場合の精算時の払出音等を説明するタイミングチャートである。横軸は時刻tを示し、上から「ホッパーからの払出(実払出)」、「ホッパー作動」、「コマンド」、「エラー」、「エラー音」、「払出音」、および「特定演出」が、それぞれonまたはoffのいずれであるかを示している。また、「液晶表示器51(サブ側表示)」の表示状態を示している。
以下、図14のタイミングチャートに基づいて説明する。時刻t1において、精算スイッチ10が操作されたとする。精算スイッチ10の操作により、クレジットおよび設定済の賭数を精算してメダル払出口9から払い出しが開始される。精算による払出枚数はN枚であるとする。このとき、ホッパーモータ34bを駆動し(「ホッパー作動」状態は、off状態からon状態になる)、メダル払出口9よりホッパータンク34aに貯留されたメダルの払出が開始される(「ホッパーからの払出(実払出)」状態は、off状態からon状態になる)。さらに、メイン制御部41は、メダルの払出を開始することを示す払出コマンドを送信する。
時刻t2において、サブ制御部91により払出コマンドが受信されると、スピーカ53、54からは払出音(精算音)の出力が開始される(「払出音」は、off状態からon状態になる)。また、液晶表示器51には精算中であることを示す「精算中です」の文字が表示される。
時刻t3において、メダル払出口9よりN枚のメダルの払出が完了すると、ホッパーモータ34bは駆動を停止する(「ホッパーからの払出(実払出)」状態はon状態からoff状態になるとともに、「ホッパー作動」状態はon状態からoff状態になる)。さらに、メイン制御部41は、メダルの払出完了を通知するコマンドである払出完了コマンドを送信する。
時刻t4において、サブ制御部91は払出完了コマンドを受信する。スピーカ53、54は払出完了コマンドを受信すると払出音の出力を停止する(「払出音」は、on状態からoff状態になる)。すなわち、精算を行う場合は、払出音の出力時間は、実払出時間に相当するように制御されている。また、液晶表示器51には精算が完了したことを示す「精算完了」の文字が表示される。
[精算中にエラーが発生した場合の払出音等]
図15は、エラーが発生した場合の精算時の払出音等を説明するタイミングチャートである。横軸は時刻tを示し、上から「ホッパーからの払出(実払出)」、「ホッパー作動」、「コマンド」、「エラー(ホッパーエンプティエラー)」、「エラー音」、「払出音」、および「特定演出」が、それぞれonまたはoffのいずれであるかを示している。また、図15は、「液晶表示器51(サブ側表示)」の表示状態を示している。なお、図14の説明と重複する部分については、説明を省略する。
以下、図15のタイミングチャートに基づいて説明する。図15においても、図14と同様に精算スイッチ10の操作によりメダルが払い出される状態を想定している。図15においては、図14とは異なり、払出の途中でホッパータンク34a内のメダルがなくなり、ホッパーエンプティエラーが発生している。
時刻t1において、精算スイッチ10が操作されたとする。このとき、精算スイッチ10の操作により、クレジットおよび設定済の賭数を精算してメダル払出口9から払い出しが開始される。精算による払出枚数はN枚であるとする。このとき、ホッパーモータ34bを駆動し(「ホッパー作動」状態は、off状態からon状態になる)、メダル払出口9よりホッパータンク34aに貯留されたメダルの払出が開始される(「ホッパーからの払出(実払出)」状態は、off状態からon状態になる)。さらに、メイン制御部は、メダルの払出を開始することを示す払出コマンドを送信する。
時刻t2において、サブ制御部91により払出コマンドが受信されると、スピーカ53、54からは払出音(精算音)の出力が開始される(「払出音」は、off状態からon状態になる)。また、液晶表示器51には精算中であることを示す「精算中です」の文字が表示される。
ここで、2枚目のメダルが払い出されたときに、ホッパータンク34aに貯留されているメダルの数が0枚になったとする。このとき、ホッパータンク34a内にメダルが残存している可能性があるため、規定秒数、ホッパーモータ34bは駆動する(空回りをする)。
ホッパーモータ34bが空回りした後の時刻t6において、ホッパーエンプティエラーが発生する(「ホッパーエンプティエラー」は、off状態からon状態になる)。エラー発生により、サブ制御部91がエラー発生コマンドを受信すると(時刻t7)、スピーカ53、54からは、エラーが発生した旨を報知するエラー音が出力される(「エラー音」は、off状態からon状態になる)。このとき、スピーカ53、54から出力されている払出音の出力は停止する(「払出音」は、on状態からoff状態になる)。
エラー発生コマンドを受信してからエラー解除コマンドを受信するまでの時刻t7〜t9までの間は、液晶表示器51には、ホッパーエンプティエラーが発生したことを示す「ホッパーエンプティエラー」が表示される。
時刻t8において店員等によるエラー解除操作によりエラー状態が解除されると、ホッパーモータ34bが駆動を再開し(「ホッパーからの払出(実払出)」状態はoff状態からon状態になるとともに、「ホッパー作動」状態はoff状態からon状態になる)、停止していたメダルの払出を再開する。時刻t8において、メダル払出口9より3枚目のメダルが払い出される。
時刻t8でエラー解除されると、エラー解除コマンドが送信される。エラー解除コマンドを受信した時刻t9において、スピーカ53、54のエラー音は出力停止する(「エラー音」は、on状態からoff状態になる)。このとき、スピーカ53、54から停止していた払出音の出力を再開する(「払出音」は、off状態からon状態になる)。液晶表示器51上のエラー表示は消えて、再度「精算中です」が表示される。
時刻t10において、メダル払出口9よりN枚のメダルの払出が完了すると、ホッパーモータ34bは駆動を停止する(「ホッパーからの払出(実払出)」状態はon状態からoff状態になるとともに、「ホッパー作動」状態はon状態からoff状態になる)。さらに、メイン制御部は、メダルの払出完了を通知するコマンドである払出完了コマンドを送信する。
時刻t12において、サブ制御部91は払出完了コマンドを受信している。このとき、液晶表示器51には精算が完了したことを示す「精算完了」の文字が表示される。
[実施の形態における構成と効果]
上述した本実施の形態におけるスロットマシン1は、以下のように構成されている。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン1(たとえば、スロットマシン1)において、
第1入賞(たとえば、中段ベル入賞)、第2入賞(たとえば、右下がりベル入賞)、および第3入賞(たとえば、上段ベル1〜8入賞)を含む複数種類の入賞のうちのいずれかの入賞を許容する事前決定手段(たとえば、メイン制御部41による内部抽選を実行する処理)と、
前記第1入賞、前記第2入賞、および前記第3入賞のいずれかが発生したときに、いずれの入賞が発生しても共通の規則に基づき遊技用媒体(たとえば、メダル)を払い出す払出手段(たとえば、メイン制御部41により制御され、中段ベル、右下がりベル、上段ベル1〜8のいずれが入賞しても同じ回転速度でモータを回転させてメダルをメダル払出口9より払い出すホッパーモータ34b)と、
前記第1入賞、前記第2入賞、および前記第3入賞のいずれかが発生したときに、払出音を出力する音出力手段(たとえば、図4、図12〜15に示すように、サブ制御部91により制御され、払出音を出力させるスピーカ53、54)とを備え、
前記第1入賞が発生したときに払い出される遊技用媒体は前記第2入賞が発生したときに払い出される遊技用媒体よりも多く、かつ前記第2入賞が発生したときに払い出される遊技用媒体は前記第3入賞が発生したときに払い出される遊技用媒体よりも多く(たとえば、図11に示すように、中段ベル入賞時の払出枚数(12枚)>右下がりベル入賞時の払出枚数(10枚)>上段ベル1〜8入賞時の払出枚数(4枚)となる)、
前記払出音には、第1払出音(たとえば、図11に示すように、出力時間が3秒である非AT中第1払出音およびAT中第1払出音)と、当該第1払出音よりも出力時間が短い第2払出音(たとえば、図11に示すように、出力時間が1秒である非AT中第2払出音およびAT中第2払出音)とが含まれ、
前記音出力手段は、
前記第1入賞が発生したとき、および前記第2入賞が発生したときのいずれにおいても、前記第1払出音を出力し(たとえば、図11に示すように、中段ベルおよび右下がりベルのいずれに入賞したときも、非AT中第1払出音またはAT中第1払出音を出力する)、
前記第3入賞が発生したときには、前記第2払出音を出力する(たとえば、図11に示すように、上段ベル1〜8に入賞したときには、非AT中第2払出音またはAT中第2払出音を出力する)。
このような構成によれば、ホッパーモータ34bは、中段ベル入賞、右下がりベル入賞、および上段ベル1〜8入賞のいずれかが発生したときに、いずれの入賞が発生しても、ホッパーモータ34bは同じ回転速度でモータを回転させてメダルをメダル払出口9より払い出す。このように、入賞に応じてホッパーモータ34bの制御を変わらないため、ホッパーモータ34bの処理負担を低減することができる。また、図11に示したように、中段ベル入賞が発生したとき、および右下がりベル入賞が発生したときのいずれにおいても、非AT中第1払出音またはAT中第1払出音が出力され、上段ベル1〜8入賞が発生したときには、非AT中第2払出音またはAT中第2払出音が出力される。このように、中段ベル入賞が発生したときと右下がりベル入賞が発生したときとで払出音が共通化されているため、払出音の出力に関するデータ容量を削減することができる。さらに、異なる入賞が発生したとしても、払い出されるメダル数が近い入賞であれば、払出音が共通化されるため、払出音を自然なものとすることができる。
また、スロットマシン1において、前記第1入賞が発生したとき、前記第2入賞が発生したとき、および前記第3入賞が発生したときは、互いに異なるライン上に同一の表示結果が導出される(たとえば、図11に示すように、中段ベルに入賞したときには中段(入賞ラインLN上)に、右下がりベルに入賞したときには右下がり(無効ラインLM3上)に、上段ベル1〜8入賞したときには上段(無効ラインLM1上)に、それぞれベル図柄が揃う)。
このような構成によれば、図11に示したように、中段ベル入賞が発生したとき、右下がりベル入賞が発生したとき、および上段ベル1〜8入賞が発生したときは、互いに異なるライン上にそれぞれベル図柄が揃うため、遊技者は、揃った図柄を確認することで、メダルが払い出されることがわかりやすい。
また、スロットマシン1において、前記音出力手段は、
前記第2払出音を出力するときには所定音声データ(たとえば、図11に示すように、音データAまたは音データB)を出力し、
前記第1払出音を出力するときには複数の前記所定音声データが1つにまとめられた特定音声データ(たとえば、図11に示すように、3つの音データAまたは3つの音データBが1つにまとめられたもの)を出力する。
このような構成によれば、図11に示したように、非AT中第2払出音が出力されるときには音データAが出力され、非AT中第1払出音が出力されるときには複数の音データAが1つにまとめられた音声データが出力される。また、図11に示したように、AT中第2払出音が出力されるときには音データBが出力され、AT中第1払出音が出力されるときには複数の音データBが1つにまとめられた音声データが出力される。これにより、それぞれの払出音に対応した音声データを用意する必要がなくなる。
また、スロットマシン1は、前記払出音に対応して発光する発光手段(たとえば、サブ制御部91により制御され、払出音に対応して発光する演出効果LED52)をさらに備え、
前記発光手段は、
前記第1払出音が出力されるときには当該第1払出音に対応する第1発光態様で発光し(たとえば、図11に示すように、非AT中第1払出音が出力されるときには演出効果LED52は黄色で12回点滅し、AT中第1払出音が出力されるときには演出効果LED52は赤色で12回点滅する)、
前記第2払出音が出力されるときには当該第2払出音に対応する第2発光態様で発光する(たとえば、図11に示すように、非AT中第2払出音が出力されるときには演出効果LED52は黄色4回点滅し、AT中第2払出音が出力されるときには演出効果LED52は赤色で4回点滅する)。
このような構成によれば、図11に示したように、非AT中第1払出音が出力されるときには演出効果LED52は黄色で12回点滅し、AT中第1払出音が出力されるときには演出効果LED52は赤色で12回点滅する。また、図11に示したように、非AT中第2払出音が出力されるときには演出効果LED52は黄色4回点滅し、AT中第2払出音が出力されるときには演出効果LED52は赤色で4回点滅する。このように、払出音のみならず発光による報知も行われるため、遊技者は、報知されていることがわかりやすい。
また、スロットマシン1は、遊技用価値(たとえば、スロットマシン1におけるメダル、あるいはパチンコ遊技機におけるパチンコ玉)を付与する付与手段(たとえば、メイン制御部41により小役の入賞が発生したときにメダルが付与される処理、メイン制御部41により精算スイッチ10の操作に基づきクレジットおよび設定済の賭数を精算してメダルが付与される処理)と、
遊技用価値を貯留する貯留手段(たとえば、RAM41c)と、
遊技用価値の付与に対応する付与音を出力可能な音出力手段(たとえば、図4、図12、図13に示すように、サブ制御部91により制御され、払出音を出力させるスピーカ53、54)とを備え、
前記付与手段は、
入賞を契機に遊技用価値を付与する入賞時付与手段(たとえば、メイン制御部41により小役の入賞が発生したときにメダルが付与される処理)と、
遊技者による精算操作(たとえば、精算スイッチ10の操作)に基づき前記貯留手段に貯留された遊技用価値を付与する精算時付与手段(たとえば、メイン制御部41により精算スイッチ10の操作に基づきクレジットおよび設定済の賭数を精算してメダルが付与される処理)とを含み、
前記音出力手段は、前記入賞時付与手段による遊技用価値の付与に対応する前記付与音を、当該入賞時付与手段による遊技用価値の付与に要する時間よりも長く出力する(たとえば、図12に示すように、右下がりベル入賞によるメダルの払出に対応する払出音を、実払出時間よりも長く出力する)一方で、前記精算時付与手段による遊技用価値の付与に対応する前記付与音を、当該精算時付与手段による遊技用価値の付与に要する時間に相当する時間出力し(たとえば、図14に示すように、精算スイッチ10の操作によるメダルの払出に対応する払出音を、実払出時間に相当する時間出力する)、
前記付与手段は、遊技用価値の付与が完了する前にエラー状態が発生することによって遊技用価値の付与が中断されたときには、当該エラー状態の解除後に遊技用価値の付与を再開させ(たとえば、図13に示すように、時刻t6でエラーが発生した後に時刻t8でエラーが解除されたときにメダルの払出を再開させる)、
前記音出力手段は、エラー状態が発生しないときには遊技用価値の付与の完了に関連するタイミングに応じて前記付与音の出力を完了する(たとえば、図12に示すように、払出が完了する時刻t3に関連するタイミングに応じて、時刻t5において払出音の出力を完了する)一方で、遊技用価値の付与が完了する前に発生したエラー状態の解除後に当該遊技用価値の付与が再開されたときには前記付与音の出力を再開させない(たとえば、図13に示すように、払出が完了する前の時刻t6に発生したエラー状態の解除後の時刻t8において払出が再開されたときには払出音の出力を再開させない)。
このような構成によれば、図13に示したように、払出が完了する前の時刻t6に発生したエラー状態の解除後の時刻t8において払出が再開されたときには、払出音の出力を再開させないため、エラー状態の解除後の処理負担が軽減される。
また、スロットマシン1において、前記精算時付与手段は、遊技用価値の付与が完了する前にエラー状態が発生することによって遊技用価値の付与が中断されたときには、当該エラー状態の解除後に遊技用価値の付与を再開させ(たとえば、図15に示すように、時刻t6でエラーが発生した後に時刻t8でエラーが解除されたときにメダルの払出を再開させる)、
前記音出力手段は、エラー状態が発生しないときには前記精算時付与手段による遊技用価値の付与の完了に関連するタイミングに応じて前記付与音の出力を完了する(たとえば、図14に示すように、払出が完了する時刻t3に関連するタイミングに応じて、時刻t4において払出音の出力を完了する)一方で、前記精算時付与手段による遊技用価値の付与が完了する前に発生したエラー状態の解除後に当該遊技用価値の付与が再開されたときには前記付与音を出力する(たとえば、図15に示すように、払出が完了する前の時刻t6に発生したエラー状態の解除後の時刻t8において払出が再開されたときには払出音を出力する)。
このような構成によれば、図15に示したように、精算による払出が完了する前に時刻t6で発生したエラー状態の解除後の時刻t8において払出が再開されたときには払出音を出力するため、エラー状態の解除後においても、適切に精算が行われていることを報知することができる。
また、スロットマシン1は、遊技を制御する遊技制御手段(たとえば、メイン制御部41)と、
演出を制御する演出制御手段(たとえば、サブ制御部91)とをさら備え、
前記遊技制御手段は、遊技用価値の付与を示す付与コマンド(たとえば、払出コマンド)を前記演出制御手段へ送信し、
前記演出制御手段は、前記付与コマンドに基づいて、前記音出力手段から前記付与音を出力させる制御を行う(たとえば、図12の時刻t2、図13の時刻t2に示すように、サブ制御部91は、払出コマンドに基づいて払出音の出力を開始させる)。
このような構成によれば、図12の時刻t2、図13の時刻t2に示したように、サブ制御部91は払出コマンドに基づいて払出音を発生させるため、払出に関連するタイミングで払出音を出力できる。
また、スロットマシン1において、前記遊技制御手段は、遊技用価値の付与の完了を示す付与完了コマンド(たとえば、払出完了コマンド)を前記演出制御手段へ送信し、
前記演出制御手段は、前記付与完了コマンドに基づいて、前記音出力手段から前記付与音を出力させる制御を終了する(たとえば、図12の時刻t5に示すように、サブ制御部91は、払出完了コマンドに基づいて払出音の出力を終了させる)。
このような構成によれば、図12の時刻t5に示したように、サブ制御部91は払出完了コマンドに基づいて払出音の出力を終了させるため、払出完了に関連するタイミングで払出音の制御を終了できるとともに、サブ制御部91は、払出完了コマンドによってメダルの払出完了タイミングを把握することができる。
また、スロットマシン1において、前記遊技制御手段は、エラー状態の解除後に前記入賞時付与手段による遊技用価値の付与が再開されたときには前記付与コマンドを送信しない一方、再開された前記入賞時付与手段による遊技用価値の付与が完了したときには前記付与完了コマンドを送信する(たとえば、図13に示すように、メイン制御部41は、時刻t8においてメダルの払出が再開したときには払出コマンドを送信しない一方で、時刻t11においてメダルの払出が完了したときには払出完了コマンドを送信する)。
このような構成によれば、図13に示したように、エラー状態の解除後の時刻t8においてメダルの払出が再開されたときには払出コマンドを送信しない一方、時刻t11において再開されたメダルの払出が完了したときには払出完了コマンドを送信するため、サブ制御部91は、払出完了コマンドによって、エラー解除後にもメダルの払出完了タイミングを把握することができる。
また、スロットマシン1において、前記遊技制御手段は、エラー状態の解除後に前記精算時付与手段による遊技用価値の付与が再開されたときには、エラー解除コマンドを前記演出制御手段へ送信し(たとえば、図15に示すように、時刻t8においてメダルの払出が再開したときにはメイン制御部41からエラー解除コマンドが送信される)、
前記演出制御手段は、前記エラー解除コマンドに基づいて、前記音出力手段から前記付与音を出力させる制御を行う(たとえば、図15に示すように、時刻t9においてエラー解除コマンドに基づいて払出音が出力される)。
このような構成によれば、図15に示したように、時刻t8においてメダルの払出が再開されたときにはエラー解除コマンドが送信され、時刻t9においてエラー解除コマンドに基づいて払出音が出力される。このように、エラー解除後であっても払出音を出力させる制御が行われるため、遊技者に不信感を与えない。
また、スロットマシン1において、前記演出制御手段は、前記入賞時付与手段による遊技用価値の付与が完了したときに前記付与完了コマンドが送信されたときには、当該付与完了コマンドに基づいて特定演出(たとえば、ATに制御されてから払出枚数が500枚を超えた旨を報知する特定演出、ATゲーム数の上乗せが発生した旨を報知する特定演出)を実行可能である(たとえば、図12の時刻t5、図13の時刻t12に示すように、サブ制御部91は、払出完了コマンドに基づいて総払出枚数が500枚を超えた旨を報知する特定演出を行う)。
このような構成によれば、図12の時刻t5、図13の時刻t12に示したように、払出完了コマンドに基づいて総払出枚数が500枚を超えた旨の特定演出を実行可能である。払出完了コマンドは、本来、払出音の出力を完了させる契機となるものであるが、払出完了コマンドを当該特定演出の実行開始契機とすることで、エラー状態の解除後においても当該特定演出を実行させることができる。
また、スロットマシン1は、複数種類の状態(たとえば、非AT状態、AT状態)のうちのいずれかに制御する状態制御手段(たとえば、メイン制御部41)をさらに備え、
前記音出力手段は、前記入賞時付与手段による遊技用価値の付与に対応する前記付与音は前記状態に応じて異ならせる(たとえば、図11に示すように、中段ベルまたは右下がりベル入賞時には非AT中には非AT中第1払出音を出力するがAT中にはAT中第1払出音を出力する、上段ベル1〜8入賞時には非AT中には非AT中第2払出音を出力するがAT中にはAT中第2払出音を出力する)一方で、前記精算時付与手段による遊技用価値の付与に対応する前記付与音は前記状態に応じて同じにする(たとえば、図11に示すように、精算時には非AT中であってもAT中であっても同じ精算音を出力する)。
このような構成によれば、図11に示したように、ベル入賞による払出音は非AT中とAT中とで異なるため、遊技の興趣が向上する。一方、図11に示したように、精算時には非AT中であってもAT中であっても精算音が出力されるため、遊技者は、精算が行われていることを認識しやすい。
また、スロットマシン1は、所定報知を行う報知手段(たとえば、液晶表示器51)をさらに備え、
前記報知手段は、前記精算時付与手段による遊技用価値の付与が完了する前にエラー状態が発生することによって当該遊技用価値の付与が中断したときには、当該エラー状態の発生を報知し(たとえば、図15に示すように、精算中の時刻t6においてエラー状態が発生することによって払出が中断したときには、時刻t7において液晶表示器51に「ホッパーエンプティエラー」を表示する)、当該中断から再開したときには、当該遊技用価値の付与の再開を報知する(たとえば、図15に示すように、精算中のエラー状態の発生による払出の中断状態から時刻t8において精算を再開したときには、時刻t9において液晶表示器51に「精算中です」を表示する)。
このような構成によれば、図15に示したように、精算中の時刻t6においてエラー状態が発生することによって払出が中断したときには、時刻t7において液晶表示器51に「ホッパーエンプティエラー」が表示され、精算中のエラー状態の発生による払出の中断状態から時刻t8において精算を再開したときには、時刻t9において液晶表示器51に「精算中です」が表示されるため、精算中の払出に関して遊技者に対して不信感を与えない。
また、スロットマシン1は、前記精算時付与手段による遊技用価値の付与の完了を報知する精算完了報知手段(たとえば、図15に示すように、精算が完了した時刻t11において液晶表示器51に「精算完了」を表示させる処理)をさらに備える。
このような構成によれば、図15に示したように、精算が完了した時刻t11において液晶表示器51に「精算完了」が表示されるため、遊技者は、精算が完了したことを知ることができる。
また、スロットマシン1は、遊技を制御する遊技制御手段(たとえば、メイン制御部41)と、
演出を制御する演出制御手段(たとえば、サブ制御部91)と、
遊技用価値(たとえば、スロットマシン1におけるメダル、あるいはパチンコ遊技機におけるパチンコ玉)を付与する付与手段(たとえば、メイン制御部41により小役の入賞が発生したときにメダルが付与される処理)と、
遊技用価値の付与に対応する付与音を出力可能な音出力手段(たとえば、図4、図12、図13に示すように、サブ制御部91により制御され、払出音を出力させるスピーカ53、54)と、
前記遊技制御手段によって制御される手段であって、遊技用価値が付与されたときに第1表示部(たとえば、遊技補助表示器12)に表示される第1情報(たとえば、払出枚数)を更新可能な第1更新手段(たとえば、図12、図13に示すように、メイン制御部41により遊技補助表示器12に払出枚数を表示させる処理)と、
前記演出制御手段によって制御される手段であって、遊技用価値が付与されたときに第2表示部(たとえば液晶表示器51)に表示される第2情報(たとえば、払出枚数、ATに制御されてから払い出されたメダル枚数(総払出枚数))を更新可能な第2更新手段(たとえば、図12、図13に示すように、サブ制御部91により液晶表示器51に払出枚数および総払出枚数を表示させる処理)とを備え、
前記付与手段は、遊技用価値の付与が完了する前にエラー状態が発生することによって遊技用価値の付与が中断されたときには、当該エラー状態の解除後に遊技用価値の付与を再開させ(たとえば、図13に示すように、時刻t6でエラーが発生した後に時刻t8でエラーが解除されたときにメダルの払出を再開させる)、
前記音出力手段は、前記エラー状態が発生しないときには遊技用価値の付与の完了に関連するタイミングに応じて前記付与音の出力を完了する(たとえば、図12に示すように、払出が完了する時刻t3に関連するタイミングに応じて、時刻t5において払出音の出力を完了する)一方で、遊技用価値の付与が完了する前に発生した前記エラー状態の解除後に遊技用価値の付与が再開されたときには前記付与音の出力を再開させず(たとえば、図13に示すように、払出が完了する前の時刻t6に発生したエラー状態の解除後の時刻t8において払出が再開されたときには払出音の出力を再開させない)、
前記第2更新手段は、前記エラー状態が発生しないときには遊技用価値の付与の完了に関連するタイミングに応じて前記第2情報の更新を完了する(たとえば、図12に示すように、払出が完了する時刻t3に関連するタイミングに応じて、液晶表示器51の払出枚数および総払出枚数の表示の更新を完了する)一方で、遊技用価値の付与が完了する前に発生した前記エラー状態の解除後に遊技用価値の付与が再開されたときには前記第2情報の更新を再開させず(たとえば、図13に示すように、払出が完了する前の時刻t6に発生したエラー状態の解除後の時刻t8において払出が再開されたときには液晶表示器51の払出枚数および総払出枚数の表示の更新を再開させない)、
前記第1更新手段は、前記エラー状態が発生しないときには遊技用価値の付与の完了に関連するタイミングに応じて前記第1情報の更新を完了する(たとえば、図12に示すように、払出が完了する時刻t3に関連するタイミングに応じて、遊技補助表示器12の払出枚数の表示の更新を完了する)とともに、遊技用価値の付与が完了する前に発生した前記エラー状態の解除後に遊技用価値の付与が再開されたときには前記第1情報の更新を再開する(たとえば、図13に示すように、払出が完了する前の時刻t6に発生したエラー状態の解除後の時刻t8において払出が再開されたときには遊技補助表示器12の払出枚数の表示の更新を再開する)。
このような構成によれば、図13に示したように、払出が完了する前の時刻t6に発生したエラー状態の解除後の時刻t8において払出が再開されたときには、払出音の出力を再開させず、液晶表示器51の払出枚数および総払出枚数の表示の更新を再開させないため、エラー状態の解除後の処理負担が軽減される。
また、スロットマシン1は、遊技を制御する遊技制御手段(たとえば、メイン制御部41)と、
演出を制御する演出制御手段(たとえば、サブ制御部91)とをさら備え、
前記遊技制御手段は、遊技用価値の付与を示す付与コマンド(たとえば、払出コマンド)を前記演出制御手段へ送信し、
前記演出制御手段は、前記付与コマンドに基づいて、前記音出力手段から前記付与音を発生させる制御を行う(たとえば、図12の時刻t2、図13の時刻t2に示すように、サブ制御部91は、払出コマンドに基づいて払出音の出力を開始させる)。
このような構成によれば、図12の時刻t2、図13の時刻t2に示したように、サブ制御部91は払出コマンドに基づいて払出音を発生させるため、払出に関連するタイミングで払出音を出力できる。
また、スロットマシン1において、前記遊技制御手段は、遊技用価値の付与の完了を示す付与完了コマンド(たとえば、払出完了コマンド)を前記演出制御手段へ送信し、
前記演出制御手段は、前記付与完了コマンドに基づいて、前記音出力手段から前記付与音を発生させる制御を終了する(たとえば、図12の時刻t5に示すように、サブ制御部91は、払出完了コマンドに基づいて払出音の出力を終了させる)。
このような構成によれば、図12の時刻t5に示したように、サブ制御部91は払出完了コマンドに基づいて払出音の出力を終了させるため、払出完了に関連するタイミングで払出音の制御を終了できるとともに、サブ制御部91は、払出完了コマンドによってメダルの払出完了タイミングを把握することができる。
また、スロットマシン1において、前記遊技制御手段は、前記エラー状態の解除後に遊技用価値の付与が再開されたときには前記付与コマンドを送信しない一方、再開された遊技用価値の付与が完了したときには前記付与完了コマンドを送信する(たとえば、図13に示すように、メイン制御部41は、時刻t8においてメダルの払出が再開したときには払出コマンドを送信しない一方で、時刻t11においてメダルの払出が完了したときには払出完了コマンドを送信する)。
このような構成によれば、図13に示したように、エラー状態の解除後の時刻t8においてメダルの払出が再開されたときには払出コマンドを送信しない一方、時刻t11において再開されたメダルの払出が完了したときには払出完了コマンドを送信するため、サブ制御部91は、払出完了コマンドによって、エラー解除後にもメダルの払出完了タイミングを把握することができる。
また、スロットマシン1において、前記演出制御手段は、前記付与完了コマンドに基づいて特定演出(たとえば、ATに制御されてから払出枚数が500枚を超えた旨を報知する特定演出、ATゲーム数の上乗せが発生した旨を報知する特定演出)を実行可能である(たとえば、図12の時刻t5、図13の時刻t12に示すように、サブ制御部91は、払出完了コマンドに基づいて総払出枚数が500枚を超えた旨を報知する特定演出を行う)。
このような構成によれば、図12の時刻t5、図13の時刻t12に示したように、払出完了コマンドに基づいて総払出枚数が500枚を超えた旨の特定演出を実行可能である。払出完了コマンドは、本来、払出音の出力を完了させる契機となるものであるが、払出完了コマンドを当該特定演出の実行開始契機とすることで、エラー状態の解除後においても当該特定演出を実行させることができる。
また、スロットマシン1は、遊技用価値が付与されたときに表示部に表示される特定情報を更新可能な更新手段(たとえば、図12、図13に示すように、サブ制御部91により液晶表示器51に払出枚数および総払出枚数を表示させる処理)をさらに備え、
前記特定演出は、前記特定情報の特定数への到達を報知する特定数報知演出(たとえば、総払出枚数が500枚を超えた旨を報知する特定演出)であって、
前記演出制御手段は、
前記特定情報が前記特定数に到達したときに未だ遊技用価値の付与の途中であれば、遊技用価値の付与の完了を待って前記特定数報知演出の制御を行い(たとえば、図12に示すように、払出が完了した時刻t5に特定演出を行う)、
前記特定情報が前記特定数に到達してから遊技用価値の付与の完了を待つ間に前記エラー状態が発生したときには、当該エラー状態の解除後に再開された遊技用価値の付与の完了を待って前記特定数報知演出の制御を行う(たとえば、図13に示すように、払出が完了する前の時刻t6にエラー状態が発生したときは、払出が再開された後に払出が完了した時刻t12に特定演出を行う)。
このような構成によれば、図13に示したように、総払出枚数が500枚に到達してからメダルの払出の完了を待つ間に時刻t6でエラー状態が発生したときには、エラー状態の解除後に再開されたメダルの払出の完了を待って、時刻t12に総払出枚数が500枚を超えた旨の特定演出を行う。払出完了コマンドは、本来、払出音の出力を完了させる契機となるものであるが、払出完了コマンドを当該特定演出の実行開始契機とすることで、エラー状態の解除後においても当該特定演出を実行させることができる。
また、スロットマシン1において、前記音出力手段は、前記エラー状態が発生したときにエラー音を出力可能であり、遊技用価値の付与の完了前に発生した前記エラー状態の解除後にも前記エラー音の出力を所定期間継続させる(たとえば、図13に示すように、エラー状態が発生した時刻t6にエラー音を出力開始し、エラー状態が解除した時刻t8以降も時刻t10までエラー音の出力を継続させる)。
このような構成によれば、図13に示したように、メダルの払出の完了前に発生したエラー状態の解除後である時刻t8には払出音の出力は再開させないが、メダルの払出の完了前に発生したエラー状態の解除後である時刻t8から時刻t10まではエラー音の出力を継続させる。仮に、払出音の出力を再開させた場合は、払出音とエラー音とが重なってしまい、互いの音が互いの報知の妨げとなる。このように、払出音の出力を再開させずエラー音を出力することで、エラー音による報知の妨げとならない。
[変形例]
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[払出時の払出音等について]
図16は、払出時の払出音および発光態様等の変形例を説明するための表である。本実施の形態においては、図11に示したように、第1入賞(中段ベル入賞)の払出枚数(12枚)と第2入賞(右下がりベル入賞)の払出枚数(10枚)とが近いため、第1入賞(中段ベル)と第2入賞(右下がりベル入賞)で使用する払出音を共通化するようにした。しかし、これに限らず、次のようにしてもよい。
たとえば、中段ベル入賞(第1入賞)の払出枚数が10枚、右下がりベル入賞(第2入賞)の払出枚数が4枚、上段ベル1〜8入賞(第3入賞)の払出枚数が3枚であったとする。本実施の形態の変形例では、払出枚数が近い第2入賞(4枚)と第3入賞(3枚)の払出音を共通化してもよい。
入賞時の払出枚数の大小関係は、第1入賞の払出枚数(10枚)>第2入賞の払出枚数(4枚)>第3入賞の払出枚数(3枚)である。第2入賞の払出枚数(4枚)と第3入賞の払出枚数(3枚)とが近いため、第2入賞(右下がりベル入賞)と第3入賞(上段ベル1〜8入賞)で使用する払出音が共通化される。また、第1入賞(中段ベル入賞)と第2入賞(右下がりベル入賞)と第3入賞(上段ベル1〜8入賞)とでは、異なるライン(それぞれ、中段、右下がり、上段)に同一の図柄であるベル図柄が揃う。
払出音について説明する。非AT中においては、中段ベルは、払出音として「非AT中第1払出音」を使用する。非AT中第1払出音は、音声の出力時間が1秒である音データAを3回出力するものである(出力時間の合計は3秒)。これに対し、非AT中においては、右下がりベルと上段ベル1〜8とでは、払出音として「非AT中第2払出音」を使用する。非AT中第2払出音は、音声の出力時間が1秒である音データAを1回出力するものである(出力時間の合計は1秒)。AT中においても、同様である。
また、入賞が発生したときに、払出音を出力するとともに、払出音に対応するように演出効果LED52(ランプ)を発光させるようにしている。具体的には、非AT中第1払出音(中段ベルの場合)に対しては、演出効果LED52を黄色で12回点滅させる。発光時間(12回点滅させるのに所要する時間)は3秒である。これは、払出音の出力時間と一致する。非AT中第2払出音(右下がりベルおよび上段ベル1〜8の場合)に対しては、演出効果LED52を黄色で4回点滅させる。発光時間(4回点滅させるのに所要する時間)は1秒である。これは、払出音の出力時間と一致する。AT中の発光態様についても同様である。その他、精算時の払出音等についても、図11の説明と同様であるので、ここでは説明を省略する。
また、本実施の形態においては、第1入賞〜第3入賞の3つの入賞役について例に挙げたが、特に入賞役の数を3つに限定するものではない。入賞時の払出枚数が近い入賞役の一例として、第1入賞と第2入賞の2つの入賞役、または第2入賞と第3入賞を挙げたが、これに限らず、3つ以上の入賞役について払出音を共通化するものであってもよい。また、本実施の形態では、第1入賞の払出枚数(12枚)と第2入賞の払出枚数(10枚)が近く、第2入賞の払出枚数(10枚)と第3入賞の払出枚数(4枚)が近くないものを例に挙げたが、これに限らず、たとえば、第1入賞の払出枚数=9枚、第2入賞の払出枚数=6枚、第3入賞の払出枚数=3枚のように、第1入賞の払出枚数−第2入賞の払出枚数=第2入賞の払出枚数−第3入賞の払出枚数(=3)と、その差が均等になるようなものに適用してもよい。
また、本実施の形態においては、払出音に対応して、演出効果LED52を点滅させるようにしたが、これに限らず、点灯させたままにしてもよい。たとえば、非AT中第1払出音(中段ベルの場合)に対しては、演出効果LED52を3秒間の間に黄色で12回点滅させるようにしたが、演出効果LED52を黄色で3秒間点灯させた状態にしてもよい。
図16において説明したスロットマシン1は、以下のように構成されている。すなわち、スロットマシン1は、第1入賞(たとえば、中段ベル入賞)、第2入賞(たとえば、右下がりベル入賞)、および第3入賞(たとえば、上段ベル1〜8入賞)を含む複数種類の入賞のうちのいずれかの入賞を許容する事前決定手段(たとえば、メイン制御部41による内部抽選を実行する処理)と、
前記第1入賞、前記第2入賞、および前記第3入賞のいずれかが発生したときに、いずれの入賞が発生しても共通の規則に基づき遊技用媒体(たとえば、メダル)を払い出す払出手段(たとえば、メイン制御部41により制御され、中段ベル、右下がりベル、上段ベル1〜8のいずれが入賞しても同じ回転速度でモータを回転させてメダルをメダル払出口9より払い出すホッパーモータ34b)と、
前記第1入賞、前記第2入賞、および前記第3入賞のいずれかが発生したときに、払出音を出力する音出力手段(たとえば、図4、図12〜15に示すように、サブ制御部91により制御され、払出音を出力させるスピーカ53、54)とを備え、
前記第1入賞が発生したときに払い出される遊技用媒体は前記第2入賞が発生したときに払い出される遊技用媒体よりも多く、かつ前記第2入賞が発生したときに払い出される遊技用媒体は前記第3入賞が発生したときに払い出される遊技用媒体よりも多く(たとえば、図16に示すように、中段ベル入賞時の払出枚数(10枚)>右下がりベル入賞時の払出枚数(4枚)>上段ベル1〜8入賞時の払出枚数(3枚)となる)、
前記払出音には、第1払出音(たとえば、図16に示すように、出力時間が3秒である非AT中第1払出音およびAT中第1払出音)と、当該第1払出音よりも出力時間が短い第2払出音(たとえば、図16に示すように、出力時間が1秒である非AT中第2払出音およびAT中第2払出音)とが含まれ、
前記音出力手段は、
前記第1入賞が発生したときには、前記第1払出音を出力し(たとえば、図16に示すように、中段ベルに入賞したときには、非AT中第1払出音またはAT中第1払出音を出力する)、
前記第2入賞が発生したとき、および前記第3入賞が発生したときのいずれにおいても、前記第2払出音を出力する(たとえば、図16に示すように、右下がりベルおよび上段ベル1〜8のいずれに入賞したときも、非AT中第2払出音またはAT中第2払出音を出力する)。
このような構成によれば、ホッパーモータ34bは、中段ベル入賞、右下がりベル入賞、および上段ベル1〜8入賞のいずれかが発生したときに、いずれの入賞が発生しても、ホッパーモータ34bは同じ回転速度でモータを回転させてメダルをメダル払出口9より払い出す。このように、入賞に応じてホッパーモータ34bの制御を変える必要がないため、ホッパーモータ34bの処理負担を低減することができる。また、図16に示したように、中段ベル入賞が発生したときには、非AT中第1払出音またはAT中第1払出音が出力され、右下がりベル入賞が発生したとき、および上段ベル1〜8入賞が発生したときのいずれにおいても、非AT中第2払出音またはAT中第2払出音が出力される。このように、右下がりベル入賞が発生したときと上段ベル1〜8入賞が発生したときとで払出音が共通化されているため、払出音の出力に関するデータ容量を削減することができる。さらに、異なる入賞が発生したとしても、払い出されるメダル数が近い入賞であれば、払出音が共通化されるため、払出音を自然なものとすることができる。
[メダルの払出中にエラーが発生しなかった場合の払出音等について]
図17は、エラーが発生しなかった場合のベル入賞時の払出音等の変形例を説明するタイミングチャートである。本実施の形態では、図12に示したように、右下がりベル入賞により払出コマンドが送信され、払出完了とともに払出完了コマンドが送信されるようにした。しかし、これに限らず、右下がりベル入賞により払出枚数コマンドが送信されるようにして、払出完了時に払出完了コマンドを送信されないようにしてもよい。ここで、払出枚数コマンドは、メダルの払出開始を通知し、メダルの払出枚数をサブ制御部91が特定可能とし、メダルの払出枚数に応じた長さの払出音の出力をする旨を通知するコマンドである。払出枚数コマンドは、メダルの払出が開始されたときに送信される。以下、具体的に説明する。なお、図12の説明と重複する部分については、説明を省略する。
本実施の形態では、RT2の遊技状態に制御されているとともに、ATに制御されている状態(ART)を想定している。横軸は時刻tを示し、上から「ホッパーからの払出(実払出)」、「ホッパー作動」、「コマンド」、「エラー」、「エラー音」、「払出音」、および「特定演出」が、onまたはoffのいずれであるかを示している。また、「遊技用補助表示器12(メイン側表示)」、および「液晶表示器51(サブ側表示)」の表示状態を示している。
時刻t1以前はメダルの払出が発生していない状態である。また、ATに制御されてから払い出されたメダル枚数(総払出枚数)は、「495枚」であるとする。遊技用補助表示器12には、現在の払出枚数が「0枚」であることを示す「00」が表示されている。液晶表示器51には、現在の払出枚数が「0枚」であることを示す「0枚」が画面の右下に表示されるとともに、総払出枚数が「495枚」であることを示す「TOTAL495」が画面の左上に表示されている。
時刻t1において、右下がりベルに入賞したとする。右下がりベルの入賞によりメダルが10枚払い出される。このとき、ホッパーモータ34bを駆動し(「ホッパー作動」状態は、off状態からon状態になる)、メダル払出口9よりホッパータンク34aに貯留されたメダルの払出が開始される(「ホッパーからの払出(実払出)」状態は、off状態からon状態になる)。さらに、メイン制御部は、メダルの払出を開始することを示すとともに払出枚数(10枚)を特定可能である払出枚数コマンドを送信する。メダル払出口9より1枚目のメダルの払出が行われると、遊技用補助表示器12の表示は、「00」から現在の払出枚数が「1枚」であることを示す「01」に更新される。
時刻t2において、サブ制御部91により払出コマンドが受信されると、スピーカ53、54からは払出音の出力が開始される(「払出音」は、off状態からon状態になる)。また、液晶表示器51の払出枚数の表示が「0枚」から「1枚」に更新されるとともに、総払出枚数の表示が「495枚」から「496枚」に更新される。
時刻t2〜t3において、ホッパーモータ34bを駆動し、メダル払出口9よりメダルが1枚払出されるたびに、遊技用補助表示器12の表示は更新される。たとえば、メダル払出口9からの実払出枚数が「2枚」になったとき、遊技用補助表示器12の表示は「01」から「02」に更新される。同様にして、遊技用補助表示器12の表示は右下がりベルの入賞による払出枚数である「10枚」まで表示が更新され、最終的には「10」が表示される。
一方で、払出コマンドの受信により表示の更新を開始する液晶表示器51では、メダル払出口9からの実際の払出とは無関係に一定の時間間隔で表示が更新される。液晶表示器51では、払出枚数の表示が「0枚」から右下がりベル払出枚数の「10枚」まで1枚ずつ表示が更新される(合計10枚)とともに、総払出枚数の表示は「495枚」から「505枚」まで1枚ずつ更新される(合計10枚加算)。
時刻t3において、メダル払出口9より10枚のメダルの払出が完了すると、ホッパーモータ34bは駆動を停止する(「ホッパーからの払出(実払出)」状態はon状態からoff状態になるとともに、「ホッパー作動」状態はon状態からoff状態になる)。このとき、メイン制御部は、メダルの払出完了を通知するコマンドである払出完了コマンドを送信しない。
払出音は、払出枚数コマンドから特定したは払出枚数(10枚)に応じてその出力時間を決定する。出力時間は、実払出時間よりも長くなるように決定される。図17では、実払出は時刻t1〜t3の時間払い出されているが、払出音は、それよりも長い時刻t2〜t4の時間出力されている。
時刻t4において、決定された払出音の出力時間が終了したため、スピーカ53、54は払出音の出力を停止する(「払出音」は、on状態からoff状態になる)。
払出音の出力を停止した時刻t4において、総払出枚数が500枚を超えているため、総払出枚数が500枚を超えていることを報知するための「特定演出」が実行される(「特定演出」がoff状態からon状態になる)。具体的には、液晶表示器51に総払出枚数が500枚を超えたことを報知する「500枚 OVER!」が表示される。
図17において説明したスロットマシン1は、払い出される遊技用媒体の量を特定可能な特定コマンド(たとえば、払出枚数コマンド)を、前記音出力手段に出力するコマンド出力手段(たとえば、メイン制御部41が払出枚数コマンドを送信する処理)をさらに備え、
前記音出力手段は、前記コマンド出力手段によって出力された前記特定コマンドから特定可能な遊技用媒体の量に基づき前記払出音を出力し(たとえば、図17に示すように、払出枚数コマンドから特定可能な右下がりベル入賞時の払出枚数(10枚)に基づき、時刻t2〜t4の期間払出音を出力する)、
前記コマンド出力手段は、全ての遊技用媒体が払い出された以降では当該遊技用媒体が払い出された旨を特定可能なコマンドを前記音出力手段に出力しない(たとえば、図17に示すように、右下がりベル入賞により払い出されるメダル(10枚)が全て払い出された時刻t3以降では払出完了コマンドを送信しない)。
このような構成によれば、図17に示したように、払出枚数コマンドからから特定可能な右下がりベル入賞時の払出枚数(10枚)に基づき、時刻t2〜t4の期間払出音が出力される。全てのメダルが払い出された時刻t3以降では払出完了コマンドは送信されない。このように、メダルが払い出されるときにのみコマンドが送信されるため、処理負担が低減される。
[メダルの払出中にエラーが発生した場合の払出音等の変形例]
図18は、エラーが発生した場合のベル入賞時の払出音等の変形例を説明するタイミングチャートである。本実施の形態では、図13に示したように、払出音の出力中にエラーが発生した場合は、払出音の出力を停止させるようにした。しかし、これに限らず、払出音の出力中にエラーが発生したとしても、規定されている時間、払出音を出力させてからエラー音を出力させるようにしてもよい。以下、具体的に説明する。なお、図13の説明と重複する部分については、説明を省略する。
以下、図18のタイミングチャートに基づいて説明する。横軸は時刻tを示し、上から「ホッパーからの払出(実払出)」、「コマンド」、「エラー(ホッパーエンプティエラー)」、「エラー音」、および「払出音」が、onまたはoffのいずれであるかを示している。
時刻t1において、右下がりベルに入賞したとする。右下がりベルの入賞によりメダルが10枚払い出される。このとき、ホッパーモータ34bを駆動し(「ホッパー作動」状態は、off状態からon状態になる)、メダル払出口9よりホッパータンク34aに貯留されたメダルの払出が開始される(「ホッパーからの払出(実払出)」状態は、off状態からon状態になる)。さらに、メイン制御部は、メダルの払出開始を通知する払出コマンドを送信する。
時刻t2において、サブ制御部91により払出コマンドが受信されると、スピーカ53、54からは払出音の出力が開始される(「払出音」は、off状態からon状態になる)。
ここで、時刻t3において、2枚目のメダルが払い出されたときに、34aに貯留されているメダルの数が0枚になったとする。このとき、規定秒数、ホッパーモータ34bは駆動し続け(空回りをする)、時刻t4においてホッパーエンプティエラーが発生する(「ホッパーエンプティエラー」は、off状態からon状態になる)。
エラー発生により、サブ制御部91がエラー発生コマンドを受信すると(時刻t5)、通常であればスピーカ53、54からは、エラーが発生した旨を報知するエラー音が出力される。しかし、本実施の形態の変形例においては、エラー音を出力させず、払出音の出力を完了させてからエラー音を出力させる。
払出音の時刻t6においてあらかじめ規定されていた払出音の出力時間が終了したとする。このとき、スピーカ53、54から出力されている払出音の出力は停止する(「払出音」は、on状態からoff状態になる)。それとともに、スピーカ53、54からは、エラーが発生した旨を報知するエラー音が出力される(「エラー音」は、off状態からon状態になる)。
時刻t7において店員等によりエラー状態が解除されると、ホッパーモータ34bが駆動を再開し(「ホッパーからの払出(実払出)」状態はoff状態からon状態になるとともに、「ホッパー作動」状態はoff状態からon状態になる)、停止していたメダルの払出を再開する。エラー解除とともにエラー解除コマンドが送信される。エラー解除コマンドを受信した時刻t8において、エラー音の出力は停止する(「エラー音」は、on状態からoff状態になる)。
時刻t9において、メダル払出口9より10枚のメダルの払出が完了すると、ホッパーモータ34bは駆動を停止する(「ホッパーからの払出(実払出)」状態はon状態からoff状態になるとともに、「ホッパー作動」状態はon状態からoff状態になる)。さらに、メイン制御部は、メダルの払出完了を通知するコマンドである払出完了コマンドを送信する。
また、図18で示した変形例においては、エラー発生後の時刻t6まで払出音を出力し、これによりエラー音の出力が遅れる例について説明した。これに対して、払出枚数が少なく(たとえば、4枚)、エラーが発生する前に払出音の出力が完了する場合には、次のようになる。たとえば、右下がりベル入賞により、時刻t2より払出音がスピーカ53、54から出力されたとする。そして、エラーが発生する時刻t4より前に、払出枚数に応じた規定秒数の払出音の出力が完了したとする。時刻t4にエラーが発生し、時刻t5にエラーコマンドを受信すると、エラーが発生した旨を報知するエラー音が出力される。この場合、払出音の出力が完了した時刻から、エラー音が出力される時刻t5までは、スピーカ53、54からは何の音も出力されない無音状態となる。
また、図18で示した変形例においては、時刻t3において、ホッパータンク34aに貯留されていたメダルの数が0となって払出が行われずホッパーモータ34bは空回りを始めるが、払出音は出力し続けるようにした。しかし、これに限らず、ホッパータンク34aに貯留されていたメダルの数が0となり払出が行われなくなった時点で払出音を停止するようにしてもよい。
ホッパータンク34aに貯留されていたメダルの数が0となり払出が停止したことを検出するのは、たとえば、[払出を中断させるエラーについて]において説明したホッパータンク34aのメダルの貯留状況を重量検出にて監視する方法による。メイン制御部41は、本検出方法を用いて、タイマ割込処理によって当該払出の停止を検知する。さらに、メイン制御部41は、エラー処理において、サブ制御部91に対して当該払出の停止を特定可能なコマンドを送信する。
以下、図18で示した変形例との違い(時刻t6で払出音の出力を停止させずに、時刻t3で払出音の出力を停止させる)について説明する。時刻t3において、ホッパータンク34aに貯留されていたメダルの数が0となって払出が停止する。メイン制御部41は、当該払出の停止を特定可能なコマンドを送信する。本コマンドの受信により、スピーカ53、54から出力されている払出音の出力は停止する(「払出音」は、on状態からoff状態になる)。ホッパーモータ34bが空回りした後の時刻t4において、ホッパーエンプティエラーが発生する(「ホッパーエンプティエラー」は、off状態からon状態になる)。エラー発生により、サブ制御部91がエラー発生コマンドを受信すると(時刻t5)、スピーカ53、54からは、エラーが発生した旨を報知するエラー音が出力される(「エラー音」は、off状態からon状態になる)。
図18の説明においては、時刻t6において、払出音の出力を完了させてからエラー音を出力させるようにした。しかし、本例においては、時刻t3においてホッパーからの払出が停止するとともに払出音を停止させるため、エラー音はエラーコマンドの受信とともに時刻t5から出力されることとなる。また、ホッパーからの払出が停止した時刻t3からエラー音が出力開始される時刻t5まで(ホッパーが空回りしている状態)は、スピーカ53、54からは何の音も出力されない無音状態となる。
また、本実施の形態では、図12に示したように、実払出が完了した時刻t3に払出完了コマンドが送信されるが、払出完了コマンドを受信してから所定時間経過後の時刻t5に払出音の出力を停止するようにした。払出音の出力時間が実払出時間よりも長くなるように制御されるためである。しかし、これに限らず、次のようにしてもよい。たとえば、実払出が完了してから所定時間経過後に払出完了コマンドが送信されるようにする。そして、払出完了コマンドを受信した直後に払出音の出力を停止するようにしてもよい。これにより、払出音の出力時間は実払出時間よりも長くなるように制御される。また、実払出が完了した直後に払出完了コマンドが送信されるようにする。そして、払出完了コマンドを受信した直後に払出音の出力を停止するようにしてもよい。このようにしたとしても、払出完了コマンドが送信されてから払出完了コマンドが受信されるまでにタイムラグが発生するため、払出音の出力時間は実払出時間よりも長くなる。
図18において説明したスロットマシン1において、前記演出制御手段は、エラー状態の発生を報知するエラー報知手段(たとえば、図18に示すように、サブ制御部91により制御され、エラー音を出力させるスピーカ53、54)を含み、
前記エラー報知手段は、前記入賞時付与手段による遊技用価値の付与が完了する前にエラー状態が発生することによって当該遊技用価値の付与が中断されたときには、前記付与音の出力が完了した以降でエラー状態の発生を報知する(たとえば、図18に示すように、右下がりベル入賞によるメダルの払出が完了する前に、時刻t4においてエラー状態が発生することによって払出が中断されたときには、払出音は継続させて当該払出音の出力が完了した時刻t6以降でエラー音を出力する)。
このような構成によれば、図18に示したように、右下がりベル入賞によるメダルの払出が完了する前に、時刻t4においてエラー状態が発生することによって払出が中断されたときには、払出音の出力が完了した時刻t6以降でエラー音が出力される。このように、エラーが発生するたびに払出音の出力が停止されないので、払出音の出力停止に関する処理負担を低減させることができる。
[エラー解除時の送信コマンドについて]
前述した実施の形態においては、図15に示したように、精算が行われている途中でホッパーエンプティエラーが発生し、時刻t8でエラーが解除されると、エラー解除コマンドが送信されるようにした。また、エラー解除コマンドに基づき、エラー音の出力を停止させるとともに、払出音を再度出力させるようにした。しかし、これに限らず次のようにしてもよい。たとえば、エラーが解除されると、エラー解除コマンドとともに払出コマンドを送信するようにしてもよい。この場合、エラー解除コマンドに基づきエラー音の出力を停止させ、払出コマンドに基づき払出音を再度出力させるようにする。
前述した実施の形態においては、図15に示したように、精算が行われている途中でホッパーエンプティエラーが発生し、時刻t6でエラーが発生すると、エラー発生コマンドが送信され、時刻t8でエラーが解除されると、エラー解除コマンドが送信されようにした。また、エラー発生コマンドに基づき、エラー音を出力させるとともに、払出音の出力を停止させるようにした。また、エラー解除コマンドに基づき、エラー音の出力を停止させるとともに、払出音の出力を再開させるようにした。しかし、これに限らず次のようにしてもよい。たとえば、エラー発生コマンドに基づきエラー音を出力させ、エラー解除コマンドに基づきエラー音の出力を停止させる。また、タイマ割込処理によりエラー音の出力状態が検出されるようにする。エラー音の出力が検出されている場合には払出音を出力させないようにし、エラー音の出力が検出されていない場合には払出音を出力可能とするようにしてもよい。
また、次のようにしてもよい。エラー音以外の音声(払出音を含む)を音声出力チャンネル1を経由して出力させ、エラー音を音声出力チャンネル2を経由して出力させる構成にする。音声出力チャンネル1と音声出力チャンネル2とを切り替え可能とし、切り替えられた現在の音声出力チャンネルから出力される音声をスピーカ53、54から出力させるようにする。エラーが発生していない状態においては、音声出力チャンネル1からの音声をスピーカ53、54から出力させる。エラー発生コマンドを受信すると、音声出力チャンネル1から音声出力チャンネル2に切り替えた上でエラー音を出力させるようにする。また、エラー解除コマンドを受信するとエラー音の出力を停止させた上で音声出力チャンネル2から音声出力チャンネル1に切り替えるようにする。このようにすることで、エラー発生中には、遊技者には払出音が聞こえなくなる。
[エラー解除とエラー音について]
前述した実施の形態においては、図13に示したように、時刻t8において、前面扉1bを開放することなくドアキーによるリセット操作によりホッパーエンプティエラーの解除を行った。このとき、全てのエラーが解除されているが、エラー音の出力は停止されず所定期間(時刻t8〜t10)継続させるようにした。しかし、これに限らず、次のようにしてもよい。ホッパーエンプティエラーの解除は、ドアキーによるリセット操作だけではなく、リセットスイッチ23またはリセット/設定スイッチ38によるリセット操作によっても行うことができる。リセットスイッチ23およびリセット/設定スイッチ38は、前面扉1bを開放した状態でなければ操作することができない。エラー解除を行った直後はドアが開放された状態のままであるので、ホッパーエンプティエラーが解除されたとしても、ドア開放エラーが依然として検出される。ホッパーエンプティエラー解除後のエラー音は、前面扉1bを閉鎖しドア開放エラーが解除されるまで出力を継続させるようにしてもよい。また、ホッパーエンプティエラー解除後のエラー音は、前面扉1bを閉鎖しドア開放エラーが解除された後、さらに所定期間において出力を継続させるようにしてもよい。
前面扉1bを開放した状態でホッパーエンプティエラーが解除された場合、前面扉1bを開放した状態のままでホッパーモータ34bが駆動を開始し、メダルの払出が再開される。このとき、メダルが1枚払い出されるたびに、遊技用補助表示器12の表示が更新される。ただし、ドア開放エラーが発生したままであるので、液晶表示器51にはエラーが発生したことを報知する表示が行われる(前面扉1bを閉鎖するまで表示される)。しかし、これに限らず、前面扉1bを開放した状態(ドア開放信号がon状態)でホッパーエンプティエラーが解除された場合、前面扉1bが閉鎖されたこと(ドア開放信号がoff状態)を条件にホッパーモータ34bを駆動させ、メダル払出口9からの払出を再開させるようにしてもよい。
[特定演出について]
前述した実施の形態においては、図13に示したように、特定演出として総払出枚数が500枚を超えたことを報知するものについて説明した。しかし、これに限らず、特定演出としてATゲーム数が上乗せされたことを報知するものであってもよい。たとえば、AT中であって、強スイカに入賞したときに、上乗せ抽選にも当選し50ゲームのATゲーム数が上乗せされたとする。このとき、図13で説明したように、入賞による払出枚数(5枚)の払出途中にホッパーエンプティエラーが発生したとする。さらに、エラー解除により払出が完了すると、メイン制御部41は払出完了コマンドが送信する。サブ制御部91が払出完了コマンドを受信すると、上乗せ当選したか否かを示唆する上乗せ示唆演出が行われる。たとえば、液晶表示器51において、50ゲームのATゲーム数が上乗せされたことを示す「+50G」等の表示を行う。
[払出コマンドおよび払出完了コマンドについて]
前述した実施の形態においては、図12で示したように、時刻t2において払出コマンドが受信されると払出音の出力が開始され、時刻t4において払出完了コマンドが受信された後に払出音の出力を停止するようにした。しかし、これに限らず、払出コマンドの受信により払出音の出力を開始し、払出完了コマンドを受信することなく払出音の出力を停止するようにしてもよい。たとえば、ベル入賞によって10枚の払出が発生したとする。サブ制御部91は、払出コマンドより特定した払出枚数(10枚)に応じた長さの払出音の出力期間を設定する。そして、払出音の出力期間の経過後に、払出音の出力を停止するようにしてもよい。
また、前述した実施の形態においては、ベル入賞による10枚の払出に対して、1回の払出コマンドを送信するようにし、10枚の払出に対応する一定の長さの払出音(連続音)を出力するようにした。しかし、これに限らず、1枚の払出が行われるたびに払出コマンドを送信するようにしてもよい。この場合、払出コマンドが受信されるたびに、1枚の払出に対応する一定の長さの払出音(短い音)を出力するようにし、合計で10回の払出音を出力する。
[スロットマシンの変形例について]
上記実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
[演出や報知について]
前述した例では、液晶表示器51やスピーカ53,54を用いて演出や報知を行う例を挙げたが、たとえば、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施形態と異なる手段で演出を実行してもよい。
[ATについて]
上記スロットマシンの例では、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する例について説明したが、メイン制御部41が実行するATに係る制御としては、AT抽選の実行が挙げられる。AT抽選には、AT抽選の当選または非当選の決定、ATゲーム数をストックするか否かの決定、ATゲーム数の決定、ATゲーム数の上乗せ抽選などが含まれるものであってもよい。また、ATに係る制御としてAT抽選の高確率状態の制御が挙げられる。AT抽選の高確率状態の制御には、AT抽選の当選確率が高確率になる制御、内部抽選の結果に応じてATに制御されるまでの期間を短縮する制御、上乗せ抽選の当選確率やゲーム数を優遇する制御などが含まれる。また、ATに係る制御として、規定ゲーム数のゲームが消化されたときにATに制御することが挙げられる。規定ゲーム数のゲームが消化されたときとして、天井ゲーム数に到達したとき、抽選で決定されたゲーム数に到達したときが含まれる。また、ATに係る制御として、前兆期間を設定する制御が挙げられる。前兆期間を設定する制御には、ATの開始前の前兆期間にたとえば0〜32ゲームの演出を実行する制御が含まれる。また、ATに係る制御として、ペナルティを付与する制御が挙げられる。ペナルティを付与する制御には、ペナルティ内容の決定、ペナルティ期間の決定または設定が含まれる。また、ATに係る制御として、AT中である旨のランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。
また、ATに係る制御として、ナビ演出を実行するためのランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。さらに、メイン制御部41がナビ演出を実行することに連動してサブ制御部91がナビ演出を実行するようにしてもよい。さらに、メイン制御部41は、たとえばAT抽選の高確率状態に制御するときなど抽選確率を向上させるときに、その旨をランプやLED(たとえば、遊技補助表示器12など)の点灯制御によって報知するようにしてもよい。より具体的に、メイン制御部41は、遊技補助表示器12によりナビ演出を所定回数実行することによりAT抽選の高確率状態に制御する旨を報知するようにしてもよい。あるいは、メイン制御部41は、サブ制御部91にナビ演出を所定回数実行させることによりAT抽選の高確率状態に制御する旨を報知するようにしてもよい。
なお、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する場合には、メイン制御部41の処理を、メイン制御部41に従属し、メイン制御部41の下位となる制御部に実行させることが好ましい。たとえば、リールの停止制御を遊技制御基板以外の基板に設けた制御部が実行するようにし、メイン制御部41はストップスイッチの操作信号を当該制御部に転送することが挙げられる。このように、メイン制御部41の制御を下位となる制御部に行わせることにより、ATに係る制御を行うときのROM41bやRAM41cの容量不足やメインCPU41aの処理能力不足を防止することができる。
また、前述した実施の形態では、前述したATに係る制御をメイン制御部41が実行するようにしたが、サブ制御部91が実行するようにしてもよい。サブ制御部91は、たとえば、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づいてAT抽選処理や上乗せ抽選処理を行い、その結果に応じてATに制御するための処理やナビ演出を実行するための処理などを行うようにしてもよい。
[設定変更状態および設定確認状態について]
設定変更状態に関して、「電源ON」+「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。また、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉が閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
また、設定確認状態に関して、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
前述した実施の形態では、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能なリールを複数備え、リールを変動表示した後、リールの変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数のリールの表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであれば、3つのリールを備えるものに限らず、1のリールしか備えないものや、3以外の複数のリールを備えるスロットマシンであってもよい。
[遊技機について]
次に、本発明をその他の遊技機に適用した場合の例を説明する。以下、上記実施の形態と同様の部分については詳しい説明を省略する。
本実施の形態では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球(パチンコ玉)を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
本実施の形態においては、図12〜図15に示したように、入賞時および精算時にメダルが払い出される場合において、エラーが発生した場合と発生しなかった場合とで場合分けをして、払出音の出力等について説明した。本遊技機を適用する場合は、図12、図13に示した例において、右下がりベル入賞時のパチンコ玉の賞球(払出)は50個(メダル10枚×5個)として適用すればよい。たとえば、図13の例では、右下がりベル入賞により賞球が開始されるとともに賞球音が出力開始される。10個の賞球があった時点で玉切れにより賞球が停止し、エラー発生によりエラー音が出力されるとともに賞球音の出力が停止する。エラー解除により、再び11個目から賞球が開始される。このとき、エラー音の出力は停止されるが、賞球音は出力されない。遊技補助表示器12での賞球数の表示は、実際の賞球数に連動して表示を行う。その一方で、液晶表示器51での賞球数の表示は、賞球の途中にエラーが発生しても、全ての賞球(50個)まで表示を更新する。実際の賞球が完了すると、払出完了コマンドを送信する。払出完了コマンドを受信すると、上記同様に特定演出を実行する。
また、図14、図15に示した例において、精算時のパチンコ玉の返却(払出)はN×5個(メダルN枚×5個)として適用すればよい。たとえば、図15の例では、精算開始によりパチンコ玉の払い出しが開始されるとともに払出音が出力開始される。10個の賞球があった時点で玉切れにより払出が停止し、エラー発生によりエラー音が出力されるとともに払出音の出力が停止する。エラー解除により再び11個目から払出が開始される。このとき、エラー音の出力が停止されるとともに、再び払出音が出力されるようになる。精算が開始され、払出コマンドが受信されると、液晶表示器51では「精算中です」を表示するが、エラー発生からエラー解除までは、玉切れによるエラーが発生した旨が表示される。エラーが解除されると、再び「精算中です」が表示され、払出完了コマンド受信により「精算完了」が表示される。その他については、図12〜図15等で示したものと同様である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。