JP6443872B2 - 抗腫瘍剤 - Google Patents

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Description

本発明は、抗腫瘍剤、特に、植物由来の成分を含有し、ヒトの大腸癌、胃癌、肺癌、脳腫瘍及び腎癌に対して優れた効果を有する抗腫瘍剤、及び食品に関するものである。
医療技術が進歩し、高齢化が更新されている現在において、癌は依然として重大な病気として存在している。もちろん、癌の治療技術も大いに進歩し、合成医薬、漢方、天然物からの抽出物などをベースとする数多くの医薬が開発されている。合成医薬に対して、天然物からの抽出物は副作用の点で優れており、例えば、西洋イチイからタキソールが発見され、抗癌剤の有効成分として用いられている(特開昭63−30478号公報及び特開平7−233064号公報)が、その副作用は依然として大きいものである。
これに対して、本発明者は、植物成分に着目し、特定の植物に含まれている成分が優れた抗腫瘍を有することを見出し、センダン科植物又はその抽出物を含有する抗腫瘍剤(特開2004−256426号公報)、ヒガンバナ科植物、アジサイ科植物又はそれらの抽出物を含有する抗腫瘍剤(特開2004−300082号公報)、キョウチクトウ科植物、ユリ科植物又はそれらの抽出物を含有する抗腫瘍剤(WO2005087246号公報)、及びセンダン科植物又はその抽出物、ヒガンバナ科植物又はその抽出物、及び/又はキョウチクトウ科植物又はその抽出物を含有する抗腫瘍剤(特開2008−031071号公報)について特許出願している。
本発明は、植物成分であって、抗腫瘍活性がより高く、副作用が少ない抗腫瘍剤を提供することを目的とする。
本発明は、また、植物成分を含有する食品を提供することを目的とする。
本発明は、また、植物成分を有効成分とするインターロイキン12誘導剤又は活性化剤、細胞壊死因子α誘導剤、DNA合成阻害剤及びオートファジー誘導剤を提供することを目的とする。
本発明は、これまでに見出した抗腫瘍活性を有する植物成分のうち、ユリ科植物又はその抽出物に、ヒガンバナ科植物若しくはその抽出物、及び/又は、センダン科植物若しくはその抽出物を併用すると、相乗効果により一層抗腫瘍効果が向上するとの知見に基づいてなされたのである。
すなわち、本発明は、(a)ユリ科植物又はその抽出物、及び(b-1)ヒガンバナ科植物若しくはその抽出物又は(b-2)センダン科植物若しくはその抽出物を含有することを特徴とする抗腫瘍剤を提供する。
本発明は、また、(a)ユリ科植物又はその抽出物、(b-1)ヒガンバナ科植物又はその抽出物及び(b-2)センダン科植物又はその抽出物を含有することを特徴とする抗腫瘍剤を提供する。
本発明は、また、(a)ユリ科植物又はその抽出物、(b-1)ヒガンバナ科植物若しくはその抽出物及び/又は(b-2)センダン科植物若しくはその抽出物を含有することを特徴とする食品を提供する。
本発明は、これまでに見出した抗腫瘍活性を有する植物成分のうち、センダン科植物若しくはその抽出物が、インターロイキン12誘導作用、活性化剤作用、細胞壊死因子α誘導作用、DNA合成阻害作用及びオートファジー誘導作用を有することを見出した。
すなわち、本発明は、センダン科植物又はその抽出物を含有することを特徴とするインターロイキン12誘導剤又は活性化剤を提供する。
本発明は、また、センダン科植物又はその抽出物を含有することを特徴とする細胞壊死因子α誘導剤を提供する。
本発明は、また、センダン科植物又はその抽出物を含有することを特徴とするDNA合成阻害剤を提供する。
本発明は、また、センダン科植物又はその抽出物を含有することを特徴とするオートファジー誘導を提供する。
PBSまたはセンダン抽出液(MLE)で処理したマクロファージにおけるIL-12のmRNA発現量を示す。 PBSまたはセンダン抽出液(MLE)で処理したマクロファージにおけるTNF-αのタンパク質発現量を示す。 センダン抽出液又はマイトマイシンCで処理されたMKN1細胞(胃癌細胞)における細胞周期の各期間の割合を示した図である。 センダン抽出液(MLE)又はマイトマイシンC処理でされたMKN1細胞中での切断型PARP及び切断型caspase 3(アポトーシスの指標)のウエスタンブロット解析の結果を示した図である。 センダン抽出液(MLE)で処理された細胞の細胞内構造の変化を示す透過型電子顕微鏡(TEM)の写真である。左図は、センダン抽出液で処理していないMKN1細胞(コントロール)を示し、中図は、センダン抽出液で処理したMKN1細胞を示し、右図は中図における四角部分の拡大図である。 センダン抽出液(MLE)又はマイトマイシンCで処理されたMKN1細胞中でのLC3 I及びLC3 II(オートファジーの指標)のウエスタンブロット解析の結果を示した図である。
本発明で用いるユリ科植物は、ユリ科植物(Liliaceae)は、ユリ目(Liliales)に属する植物であり、アツバキミガヨラン(Yucca Gloriosa L.)、シライトソウ(Chionoqraphis)、スズラン(Convallaria)などがあげられる。これらのうち、アツバキミガヨラン(Yucca Gloriosa L.)が好ましい。
本発明では、これらの植物の葉、花、実、茎及び(球)根を用いることができる。これらのうち、茎又は葉を用いるのが好ましい。植物自体を抗腫瘍剤の有効成分として使用する場合には、これらを乾燥した後、微細に粉砕して用いるのが好ましい。
本発明では、ユリ科植物の葉、花、実、茎及び(球)根を、例えば、乾燥し、粉砕した後、又は未乾燥の生の状態で、水、例えば、蒸留水やイオン交換水で、又は親水性若しくは疎水性有機溶媒で抽出した液自体又はその乾燥物を用いることができる。
本発明で用いるヒガンバナ科植物(Amaryllidaceae)は、ヒガンバナ目(Amaryllidales)に属する植物であり、ネギ・ニラ(Agapanthus, Allium)、ユキノハナ(Galanthus)、ハマオトモ(Amarylilis Crinum)、タマスダレ(Zephyranthes)、マユハケオモト(Haemanthus)、ヒガンバナ・ショウキラン(Hymenocallis, Lycoris)、アマリリス(Hippeastrum)及びスイセン(Narcissus)があげられる。より具体的には、スイセン(Narcissus tazetta L.)、ショウキズイセン(Lycoris traubii Hayward)、ヒガンバナ(Lycoris radiata Herb.)、サクヤカニユリ(Hymenocallis americana Roem.)、タマスダレ(Zephyranthes candida Herb.)、シロスジアマリリス(Hippeastrum reticulatum Herb. var striatifolium Herb.)、アマリリス(Hippeastrum hybridum Hort.)、オオマンネンラン(Furcraea gigantea Vent.)、フィリオオマンネンラン(Furcraea gigantea Vent.)、エンレイハマオモト(Crinum amabile Donne)、チュベローズ(Polianthes tuberosa L.)、ハツミドリ(Agave attenuata Salm-Dyck)、ホリダリュウゼツラン(Agave horrida Lam.)、フィリウスバリュウゼツラン(Agave angustifolia Haw. cv. Marginata)、フタバナリュウゼツラン(Agave geminiflora Ker-Gaul)、アオノリュウゼツラン(Agave americana L.)などがあげられる。これらのうち、スイセン(Narcissus tazetta L.)、ショウキズイセン(Lycoris traubii Hayward)及びヒガンバナ(Lycoris radiata Herb.)が好ましく、特にショウキズイセンが好ましい。
本発明では、これらの植物の葉、花、茎及び(球)根を用いることができる。植物自体を抗腫瘍剤の有効成分として使用する場合には、これらを乾燥した後、微細に粉砕して用いるのが好ましい。
本発明では、ヒガンバナ科植物の葉、花、茎及び(球)根を、例えば、乾燥し、粉砕した後、又は未乾燥の生の状態で、水、例えば、蒸留水やイオン交換水で、又は親水性若しくは疎水性有機溶媒で抽出した液自体又はその乾燥物を用いることができる。
本発明で用いるセンダン科植物は、センダン科(Meliaceae)に属する植物であって、太い枝先に羽状複葉をもち、円錐花序を有する常緑または落葉の高木が中心であるが、低木や草本状のものも存在している。これらのうち、特に、センダン(Melia Azedarach L.やMelia Azedarach var. subtripinnata)を用いるのが好ましい。本発明では、センダン科植物の葉、茎、枝、樹皮及び実を用いることができる。又、根皮を用いることもできる。センダン科植物自体を抗腫瘍剤の有効成分として使用する場合には、これらを乾燥した後、微細に粉砕して用いるのが好ましい。
本発明では、センダン科植物の葉、茎、枝、樹皮、又は、実を、例えば、乾燥し、粉砕した後、又は未乾燥の生の状態で、水、例えば、蒸留水やイオン交換水で、又は親水性若しくは疎水性有機溶媒で抽出した液自体又はその乾燥物を用いることができる。
抽出に用いる有機溶媒としては、酢酸エチル、四塩化炭素、クロロフォルム、ジクルロメタン、メタノール、エタノール、(イソ)プロピルアルコール、ブタノール、アセトン又はDMSOがあげられる。ここで親水性溶媒は、含水形態で用いることもできる。使用する水や溶媒の量は任意とすることができるが、5分の1〜5倍量で用いるのがよく、特に約等量で用いるのが好ましい。又、抽出は、60℃以下であるのがよく、さらに室温で行うのが好ましく、特に、ミキサーなどで攪拌しながら行うのがよい。
抽出物中の有効成分の分子量が30万未満であるのが好ましく、分子量が10万以下であるのがより好ましく、最も好ましくは1万以下である。特にセンダン科植物の抽出物中の有効成分については、分子量10000以下のものであるのが好ましく、より好ましくは、分子量4000〜10000又は3000以下であり、最も好ましくは約5千である。
水又は溶媒抽出物は、そのままの液体状態で使用することもできるが、乾燥し、粉末、顆粒などの固形状で用いることもできる。
本発明では特に水又は溶媒抽出物を用いるのが好ましく、さらに分子ふるい膜により精製したものが好ましく、特に、分子量10,000の限外ろ過膜を用いて精製したものを用いるのが好ましい。これは分子量10,000以下のセンダン成分は、毒性が低いにもかかわらず、高い抗腫瘍活性を保持しているためである。
本発明では、成分(a)及び成分(b-1)及び/又は(b-2)を任意の割合で組み合わせることができるが、成分(a)及び成分(b-1)又は(b-2)を1/0.01〜1/100とするのが好ましく、より好ましくは1/0.1〜1/10(質量比)である。
また、成分(a)/成分(b-1)/(b-2)を1/0.01/0.01〜1/100/100とするのが好ましく、より好ましくは1/0.1/0.1〜1/10/10(質量比)である。
尚、上記植物又はその抽出物を含有する抗腫瘍剤やインターロイキン12誘導剤又は活性化剤、細胞壊死因子α誘導剤、DNA合成阻害剤及びオートファジー誘導剤とする場合、これらに加えて、医薬上許容される各種の製剤用物質、例えば、賦形剤、希釈剤、崩壊剤、結合剤、被覆剤、潤滑剤、滑走剤、滑沢剤、風味剤、甘味剤、可溶化剤等を補助剤として含むことができる。具体的には、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、ラクトース、マンニトール及びその他の糖類、タルク、ミルク蛋白、ゼラチン、澱粉、セルロース及びその誘導体、動物及び植物油、ポリエチレングリコール、グリセロールなどがあげられる。
本発明の抗腫瘍剤などは、経口投与によるのが好ましいが、これに限定されるものではない。本発明の抗腫瘍剤などは、体重1kg当たり、乾燥重量に換算して0.25〜2g程度の量で用いるのがよい。
本発明の抗腫瘍剤などは、哺乳動物、例えば、ヒト、又は牛、豚などの家畜、犬や猫など愛玩動物など広範囲の動物に適用することができる。
本発明の抗腫瘍剤は、哺乳動物、例えば、ヒト、又は牛、豚などの家畜、犬や猫など愛玩動物など広範囲の動物に適用することができる。
又、上記植物又はその抽出物を含有する食品とする場合、健康食品や抗腫瘍活性を有する機能食品とすることができる。食品中の上記植物又はその抽出物は、特に限定されないが、0.01〜5質量%程度含有させるのがよい。
本発明によれば、各種腫瘍、特に、大腸癌、胃癌、肺癌、脳腫瘍及び腎癌などに対して優れた抗腫瘍剤が提供される。
次に本発明を実施例により詳細に説明する。
<植物成分の抽出>
(a)沖縄県本島に自生しているユリ科のアツバキミガヨランの葉と茎を無乾燥の生の状態で秤量し、包丁で数ミリ程度の幅になるよう細切した。これに等重量の室温の蒸留水を加えた上で市販の大型ミキサーを用いて毎分10,000回転で10分間処理した。この混合物を50ml容量のプラスチック遠心管に分注し、ベックマンの遠心機(GS-15R)を用いて毎分7,000回転で20分間2回遠心した。ろ紙に通した後、さらにザルトリウスのミニザルト(0.45μm)で濾過滅菌後試験に供した。蒸留水による成分抽出に加え、クロロフォルム、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、エタノール、メタノール、ジクロロメタン等の溶媒も抽出実験に使用した。
(b-1)沖縄県久米島に自生しているショウキズイセン(Lycoris traubii Hayward)の球根を生の状態で秤量し、包丁で数ミリ程度の幅になるよう細切した。これに等重量の室温の蒸留水を加えた上で市販の大型ミキサーを用いて毎分10,000回転で10分間処理した。この混合物を50ml容量のプラスチック遠心管に分注し、ベックマンの遠心機(GS-15R)を用いて毎分7,000回転で20分間2回遠心した。ろ紙に通した後、得られた上清をショウキズイセンの粗画総成分とした。蒸留水による成分抽出に加え、クロロフォルム、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、エタノール、メタノール、ジクロロメタン等の溶媒も抽出実験に使用した。
(b-2)沖縄県本島に自生しているセンダン(Melia azedarach L.)の葉を採集して、水道水で洗浄した後、65℃の乾燥機で一晩乾燥させた。得られた1.1kgのセンダン乾燥葉に、5.5Lの60℃の熱水を加え、3時間浸漬して抽出処理した。その後、この抽出液をプラスチックの遠沈管に分注し、遠心分離機を用いて毎分9,000回転で30分遠心し、得られた上清をセンダンの粗画総成分とした。熱水による成分抽出に加え、クロロフォルム、イソプロピルアルコール、ベンゼン、エーテル等の溶媒も抽出実験に使用した。
<粗画総成分からの精製>
上記方法で得られたショウキズイセン及びセンダンの粗画総成分から毒性成分の除去を行うために分子ふるい膜を利用して精製を行った。精製にはPellicon 2 ミニホルダー(MILLIPORE)に分子量10,000の限外ろ過膜(MILLIPORE)を装着しペリスタルチックポンプ(MILLIPORE)で粗画総成分を入口圧と出口圧の圧力を運転マニュアルの運転条件内(入口圧;0.5〜4kg/cm2, 出口圧;0.2〜1kg/cm2)に調節しながら送液し、透過側出口より出てきた液を回収した。さらにザルトリウスのミニザルト(0.22μm)でろ過滅菌後以下の試験に被検体として使用した。
<抗癌活性の測定>
≪比較対照≫
比較対照として、すでに抗癌剤として広く使用されている市販のマイトマイシンC(協和発酵)を1mlあたり1mgとなるように市販のRPMI 1640(GIBCO)の培地に溶解させた。
≪細胞と培養≫
ヒトの大腸癌細胞(HT-29)、胃癌細胞(MKN1)および肺癌細胞(A549)を、JCRB(Japanese Collection of Research Bioresources)細胞バンクから購入した。それぞれの細胞を、5%ウシ胎児血清を含む市販のRPMI 1640(GIBCO)の培地を用い25cm2フラスコ(IWAKI)で継代維持した。
≪評価用細胞の培養≫
25cm2フラスコ中で、上記HT-29、MKN1およびA549細胞を培養し、3日後に細胞をマイナスリン酸緩衝食塩水(-PBS)で洗浄し、これにトリプシン-EDTA(GIBCO)を加えて細胞を分散させ、次いで5%ウシ胎児血清を含むRPMI 1640の培地に浮遊させ細胞数を算定した。上記3種の細胞濃度を105 cells/mlと定め、96穴(ウェル)の細胞培養用のプラスチックプレート(IWAKI)の1ウェルにつき0.1mlずつ分注した。例えば、各プレートのA列とH列、番号プレート1列と2列には培地のみ、2番から11番、B列からG列までに各試験用細胞を分注して、37℃で24時間培養した。
[実施例1:本発明に係る抗腫瘍剤の各癌細胞(in vitro)への活性評価]
抽出したそれぞれの植物液(アツバキミガヨラン抽出液、ショウキズイセン抽出液およびセンダン抽出液)を用いて、センダン抽出液50μl、ショウキズイセン抽出液50μl、アツバキミガヨラン抽出液50μl、センダン抽出液25μlとショウキズイセン抽出液25μlの等量混合物、センダン抽出液25μlとアツバキミガヨラン抽出液25μlの等量混合物、センダン抽出液 50μl とショウキズイセン抽出液 25μlとアツバキミガヨラン 25μlの混合物を準備した。準備した各抽出液を血清の入っていないRPMI 1640の培地で10-1から10-4まで希釈して評価に用いた。各検体の各希釈点につき前日に細胞を培養していたプラスチックプレートの2つのウェルに1ウェルあたり100μlずつ添加した。検体を分注して2日間培養後、各ウェルに50%のトリクロロ酢酸(TCA)を50μl加えて4℃で1時間静置した。次に水道水で洗滌後プレートを乾燥し、それぞれのウェルに 1%酢酸で溶解したスルフォローダミン染色液を50μl加えて10分間静置し、最後に10mMのトリス(Tris[hidroxymethyl] aminomethane)液150μlを加えて毎分750回転で 20分間振とうし、525nmの波長で吸光度を測定した。細胞の生存率は次のように算定した。
細胞の生存率=100×(各希釈点の被検体の平均吸光度−各希釈点に対応する培地対照の平均吸光度)/(細胞対照の平均吸光度−各希釈点に対応する培地対照の平均吸光度)
副作用物質を排除したセンダン抽出液単独、ショウキズイセン抽出液とセンダン抽出液との等量混合物、及びアツバキミガヨラン抽出液とセンダン抽出液との等量混合物中に含有される抗癌成分の大腸癌、胃癌、肺癌細胞に対する殺傷効果を表1にまとめて示す。また、比較対照としてのマイトマイシンCによる殺傷効果を表2に示す。表1及び表2中「抗癌活性」は、50%の癌細胞を殺傷する希釈倍率を指標として評価した。
表1の結果から、センダン単独の場合、大腸癌への50%細胞致死効果は高いが、胃癌、肺癌への50%細胞致死効果は大腸癌に対する致死効果ほどは高いものではなかった。しかしながら、センダンにショウキズイセンを加えた場合には胃癌及び肺癌への効果はそれぞれ約2.9倍及び約23.0倍にまで活性が増強されることが示された。また、センダンにアツバキミガヨランを加えた場合には、胃癌及び肺癌への効果はそれぞれ約4.7倍及び約18.9倍にまで活性が増強されることが示された。表2に示したコントロールとしてのマイトマイシンCの結果と比較すると、センダンにショウキズイセン又はアツバキミガヨランを加えた場合、胃癌に対する効果が特に顕著に増強されることが示された。
副作用物質を排除したショウキズイセン抽出液単独、及び、センダン抽出液とショウキズイセン抽出液との等量混合物中に含有される抗癌成分の大腸癌、胃癌、肺癌細胞に対する殺傷効果を表3にまとめて示す。表3中「抗癌活性」は、50%の癌細胞を殺傷する希釈倍率を指標として評価した。
表3の結果から、ショウキズイセン単独の場合と比較して、ショウキズイセンにセンダンを加えた場合には大腸癌及び胃癌への効果はそれぞれ約13.2倍及び約2.2倍にまで活性が増強されることが示された。表2に示したコントロールとしてのマイトマイシンCの結果と比較すると、ショウキズイセンにセンダン加えた場合、胃癌に対する効果が特に顕著に増強されることが示された。
副作用物質を排除したアツバキミガヨラン抽出液単独、アツバキミガヨラン抽出液とセンダン抽出液との等量混合物、及び、センダン抽出液とショウキズイセン抽出液とアツバキミガヨラン抽出液との混合物中に含有される抗癌成分の大腸癌、胃癌、肺癌細胞に対する殺傷効果を表4にまとめて示す。表4中「抗癌活性」は、50%の癌細胞を殺傷する希釈倍率を指標として評価した。
表4の結果から、アツバキミガヨラン単独の場合と比較して、アツバキミガヨランにセンダンを加えた場合には胃癌への効果は約12.9倍にまで活性が増強されることが示された。また、アツバキミガヨランにセンダン及びショウキズイセンを加えた場合には胃癌への効果は約8.1倍にまで活性が増強されることが示された。表2に示したコントロールとしてのマイトマイシンCの結果と比較するとアツバキミガヨランにショウキズイセン及び/又はセンダンを加えた場合、胃癌に対する効果が特に顕著に増強されることが示された。
副作用物質を排除したアツバキミガヨラン抽出液単独、アツバキミガヨラン抽出液とショウキズイセン抽出液との等量混合物中に含有される抗癌成分の大腸癌及び胃癌細胞に対する殺傷効果を表5にまとめて示す。また、表5中「抗癌活性」は、50%の癌細胞を殺傷する希釈倍率を指標として評価した。
表5の結果から、アツバキミガヨラン単独の場合と比較して、アツバキミガヨランにショウキズイセンを加えた場合には胃癌への効果は約2.2倍にまで活性が増強されることが示された。また、アツバキミガヨランにショウキズイセンを加えた場合には大腸癌への効果は約1.4倍にまで活性が増強されることが示された。表2に示したコントロールとしてのマイトマイシンCの結果と比較するとアツバキミガヨランにショウキズイセンを加えた場合、特に大腸癌に対する効果が増強されることが示された。
副作用物質を排除したショウキズイセン抽出液単独、ショウキズイセン抽出液とアツバキミガヨラン抽出液との等量混合物中に含有される抗癌成分の大腸癌及び胃癌細胞に対する殺傷効果を表6にまとめて示す。また、表6中「抗癌活性」は、50%の癌細胞を殺傷する希釈倍率を指標として評価した。
表6の結果から、ショウキズイセン単独の場合と比較して、ショウキズイセンにアツバキミガヨランを加えた場合には大腸癌への効果が少し増強されることが示された。
<センダン成分による生体内正常化メカニズムの解析>
本発明者による関連出願である、特開2008−031071号に記載されるように、本発明者は、センダン成分の治療によって殺傷されたマウスの腫瘍を形態学的に調べたところ、殺傷した腫瘍の周辺には多数のリンパ系細胞が集積し、電子顕微鏡によって調べた結果、これらの細胞の大部分はナチュラルキラー(Natural Killer, NK)細胞であることを明らかにしている。また、特開2008−031071号にはセンダン成分によって、癌細胞の核分裂が阻止されることも明らかにしている。
そこで、本発明者は、センダンによって引き起こされる生体内のメカニズムを明らかにするため、センダン成分による(i)インターロイキン(IL)12及び腫瘍壊死因子(TNF-α)の誘導、(ii)DNA合成阻害、及び(iii)細胞死を引き起こすオートファジーについて評価する実験を行った。
ここで、念のため本実験の背景について説明する。
(1)サイトカインの概要
サイトカインは、今日では病因の解明や治療にも応用されている。その意味で、サイトカインを制御することは、ある種の病気、例えば、ウイルス病や癌の治療にもつながってきている。その一例が、腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor: TNF-α)、インターロイキンは、リウマチや感染症にも利用されている。そこで、サイトカインとインターロイキンはどのように違うかを整理しておく必要がある。その主要な説明として、1つの分子によってその生物学的機能がはっきりしたものについては、インターロイキン(interleukin: IL)と呼ぶことにして、現在はIL-1からIL-29まで分類されている。ですから、インターロイキンとTNF-αは「広義のサイトカイン」なのである。生体は、外来生の微生物に対して防御機能を持っている。その中味は、体の表面を取り囲む皮膚と粘膜、そしてそこに分布している各種の細胞性因子と その代謝物質によって対応している。これらの非特異的代表因子が、外来性因子を食べ・飲み込んだりするマクロファージと多形核白血球(好中性顆粒球)と呼ばれる食細胞である。これらの食細胞の他に、古典的に良く知られているnatural killer (NK)がある。このNK細胞はリンパ球の一種で、自分自身の癌細胞や感染した細胞も殺して排除する。
(2)インターロイキン12
インターロイキン12(IL-12)とは、NK細胞の活性化を促す物質をNatural Killer Stimulatory Factor (NKSF)と命名される1種で、インターロイキンと呼ばれるようになった。つまり、新しいサイトカインとして位置づけられ、分子量70,000 (70 kDa) のタンパク分子として決定され、本物質をインターロイキン12(IL-12)と呼ぶことにした。これを生産する細胞は、マクロファージ、樹状細胞(dendric cell)、多形核白血球である。このIL-12は、炎症反応を促進し、Tリンパ球やNK細胞の分裂増殖を通して免疫反応を促す。その結果、IL-12は抗腫瘍効果として、メラノーマ、網内肉腫細胞、胃癌などへの治療効果が確認された。
さらに、色々な病気の予防と治療に役立つIL-12は、寄生虫病、ウイルス病や細菌性の病気の治療に有意義に作用すると考えられている。実際、インフルエンザウイルスの治療と予防に役立っている。
(3)腫瘍壊死因子 (Tumor Necrosis Factor: TNF-α)
TNF−αは、文字通り、腫瘍を壊死させるもので、その根拠は、固形癌を移植したマウスにBCGを接種してからグラム陰性菌のリポ多糖(Lipopolysacharide: LPS)を接種すると固形癌の中心部が出血して壊死を起こし、完全に腫瘍が消えることから、腫瘍壊死因子と命名されたものである。それに続いて、多種類の細胞に機能的変化を誘導することから、多機能サイトカインとしてTNFの広い範囲の有意義な作用が明らかになった。つまり、TNFは炎症を通して生体防御機構やストレス時の生体の恒常な予防に広く係わるサイトカインとして理解されるようになった。
TNFは、マクロファージから分泌されるサイトカインであるが、液性化したリンパ球が分泌するリンフォトキシン(Lymphotoxin: LT)で、癌細胞の傷害を引き起こす。その結果、TNF-αは癌の治療とウイルス感染症の予防剤として利用されるようになった。
≪免疫学的解析≫
インターロイキン12とTNF-αは、マクロファージから分泌されるので、10%牛胎児血清を含むDMEM(Corning_10-013-CVR)で培養したマウス由来マクロファージ(Sigma-Aldrich)J774A株細胞を3×105細胞/ウェルの濃度で6穴のプラスチックプレートに播種した。翌日、10μLのセンダン葉抽出液(MLE)の100倍希釈溶液と200倍希釈溶液とE.coli(大腸菌:O55,Wako)由来LPS (Lipopolysacharide)を加えた。なお、LPSは陽性コントロールとして使用した。1〜2時間後にRNAを抽出した。この反応液にPrime Script RT 反応キット(Takara)を用いてRTP-PCRを実施した。このシステムにTaqMan Gene Expression Master Mix (Thermo Fisher)を用いて遺伝子の発現量を定量した。細胞周期解析にはヨウ化プロピジウム染色法を用いた。
≪イムノブロット解析≫
細胞をライシスバッファー(50 mM Tris-HCl [pH 7.5], 150 mM NaCl, 1 mM EDTA, 1% NP-40, ロシュ完全プロテアーゼ阻害剤カクテルを含む)で溶解した。タンパク質濃度は、バイオラッド-タンパク質アッセイで測定した。細胞ライセートを、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)で分離し、ポリビニリデンジフロリド(PVDF)膜(Immobilon P, Merck Millipore)に転写した。次いで、膜上のタンパク質と一次抗体とを反応させた。免疫反応性タンパク質を、ホースラディッシュペルオキシダーゼ標識抗ウサギ又は抗マウスIgG(GE Healthcare)と反応させ、ECL検出システム(GE Healthcare)により可視化した。
≪細胞周期解析≫
細胞周期実験は、ヒトの細胞株MKN1を用いて行った。MKN1細胞を、RPMI 1640の培地に密度2×105細胞/セルで、センダン葉抽出液の存在下(100倍希釈、1,000倍希釈、10,000倍希釈溶液)又は不存在下、又はマイトマイシンCの存在下(1mg/培地1ml)で播種した。細胞播種してから1及び2日後に残っている生細胞を算定した。細胞周期解析に関しては、ヨウ化プロピジウム及びRNase Aを含むPBSで細胞を固定し、染色した。細胞をFACS alibur 及びCell Quest software (BD Bioscience)を用いて解析した。アポトーシス細胞は、sub-G1でのDNA量(2N未満のDNA量)を用いて細胞の外観で評価した。
≪透過型電子顕微鏡(TEM)解析≫
細胞を洗浄し、2.5 %グルタルアルデヒドにて30分間室温で固定し、次いで、2% 四酸化オスミウムで処理し、段階的なエタノールバスで脱水素化し、樹脂に埋め込んだ。50nmの超薄切片をLeica EM UC6 Ultramicrotomeで切断し、4% 酢酸ウラニル及び2% クエン酸鉛で染色後、加速電圧100 kVで透過型電子顕微鏡JEOL JEM-1230R (TEM)にて調べた。
[実施例2:センダン成分による癌細胞におけるIL12及びTNF-αの誘導評価]
IL-12及びTNF-α活性の誘導を検証するため、上述したように、マウスのマクロファージ細胞をin vitroでセンダン成分にて処理した。図1A中、PBS処理マクロファージ(コントロール)におけるIL-12のmRNA発現量を示し、Lot. 28及びLot. 29は、それぞれ、2013年8月に採取したセンダンから得られた抽出液、及び、2015年8月に採取したセンダンから得られた抽出液で処理されたマクロファージにおけるIL-12のmRNA発現量を示す。図1Aから、センダン成分によって、IL-12のmRNA発現量が増加していることが確認できる。同様に、TNF-αの分泌活性も培養培地中にてセンダン成分で処理したマウスのマクロファージ細胞で確認した。図1B中、レーン1はPBS処理マクロファージ(コントロール)におけるTNF-αのタンパク質発現量を示し、レーン2〜4はそれぞれLot. 28、Lot. 29及びLot. 29-1に対応する。具体的には、レーン2及び3は、それぞれ、2013年8月に採取したセンダンから得られた抽出液、及び、2015年8月に採取したセンダンから得られた抽出液で処理されたマクロファージにおけるTNF-αのタンパク質発現量を示し、レーン4は、Lot. 29から小分けした抽出液で処理されたマクロファージにおけるTNF-αのタンパク質発現量を示す。図1Bから確認できるように、センダン成分により増加したTNF-αの活性は、PBS処理マクロファージ(対照)と比較して際立っていた。
[実施例3:センダン成分による癌細胞におけるDNA合成阻害評価]
センダン抽出液による処理によって、MKN1細胞中でアポトーシスが生じているかの実験をするために、細胞周期の解析を行った(図2)。なお、DNA合成阻止の代表物質であるマイトマイシンCは、陽性コントロールである。センダン抽出液による処理によって、明らかに、MKN1細胞の細胞周期の進行は停滞し、sub-G1フラクションの割合がセンダン処理の用量依存的に増加した。また、センダン成分は細胞周期のG1期でDNA合成を阻害し、G2/M期でマイトーシスのプロセスに干渉した。本結果により、センダン成分により、細胞中のDNA合成が阻害されることが確認できた。驚くべきことに、ウエスタンブロット解析では、センダン処理された細胞中において、切断型PARP及び切断型caspase 3(アポトーシスの指標)の増加が見られなかったことを明らかにした(図3)。一方で、マイトマイシンCで処理された細胞中においてはこれらの切断型タンパク質を検出した。このことは、センダンによる細胞死は、アポトーシスとは異なるメカニズムで生じることを示唆している。
[実施例4:センダン成分による細胞死を引き起こすオートファジーの検証]
細胞中の細胞内構造がセンダン成分による処理によって影響を受けているか、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて確認した(図4)。その結果、センダン成分による処理は、MKN1細胞においてオートファジーを誘導する一方で、コントロールであるセンダン成分で処理されていないMKN1細胞に対してはオートファゴソームを示さないことが分かった。また、オートファジーのマーカーであるLC3 I及びLC3 IIは、有意にセンダン処理細胞中で発現されることも確認した(図5)。これらのデータはセンダン成分の処理によって誘導される細胞死がオートファジーによるものであることを示唆している。
以上の実験結果から、センダン科植物又はその抽出物は、インターロイキン12及び/又は細胞壊死因子α誘導剤又は活性化剤として有用であることが確認できた。また、センダン科植物又はその抽出物は、DNA合成阻害剤又はオートファジー誘導剤として有用であることが確認できた。
オートファジーは、がんや、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患と関係していることが示唆されていることから、センダン科植物又はその抽出物は、これらの疾患の治療に有効な手段となりうる。ここで、上記疾患の対象哺乳動物としては、例えば、ヒト、又は牛、豚などの家畜、犬や猫など愛玩動物など広範囲の動物があげられる。
本発明は以下の態様も含みうる。
1.センダン科植物又はその抽出物を含有する、インターロイキン12及び/又は細胞壊死因子α誘導剤又は活性化剤。
2.センダン科植物又はその抽出物を含有する、DNA合成阻害剤。
3.センダン科植物又はその抽出物を含有する、オートファジー誘導剤。
4.センダン科植物の抽出物が、センダン科植物の葉、茎、実、枝、又は、樹皮の水性抽出物又は有機溶剤抽出物である、上記態様1〜3のいずれかである誘導剤、活性化剤又阻害剤。
5.抽出物が分子ふるい膜により精製されたものである、上記態様1〜4のいずれかである誘導剤、活性化剤又阻害剤。

Claims (5)

  1. (a)ユリ科植物又はその抽出物と、
    (b-1)ヒガンバナ科植物若しくはその抽出物を含有し、
    ユリ科植物がアツバキミガヨラン(Yucca Gloriosa L.)であり、
    ヒガンバナ科植物がショウキズイセン(Lycoris traubii Hayward)であことを特徴とする、大腸癌治療するための抗腫瘍剤。
  2. (a)ユリ科植物又はその抽出物と、
    (b-2)センダン科植物若しくはその抽出物とを含有し、
    ユリ科植物がアツバキミガヨラン(Yucca Gloriosa L.)であり、
    センダン科植物がセンダン(Melia Azedarach L.又はMelia Azedarach var. subtripinnata)であることを特徴とする、大腸癌、又は胃癌を治療するための抗腫瘍剤。
  3. (a)ユリ科植物又はその抽出物、(b-1)ヒガンバナ科植物又はその抽出物及び(b-2)センダン科植物又はその抽出物を含有し、
    ユリ科植物がアツバキミガヨラン(Yucca Gloriosa L.)であり、
    ヒガンバナ科植物がショウキズイセン(Lycoris traubii Hayward)であり、
    センダン科植物がセンダン(Melia Azedarach L.又はMelia Azedarach var. subtripinnata)であることを特徴とする、大腸癌、又は胃癌治療するための抗腫瘍剤。
  4. ユリ科植物の抽出物が、ユリ科植物の葉、茎、実、(球)根、又は、花の水性抽出物又は有機溶剤抽出物であり、
    ヒガンバナ科植物の抽出物が、ヒガンバナ科植物の葉、茎、実、(球)根、又は、花の水性抽出物又は有機溶剤抽出物であり、
    センダン科植物の抽出物が、センダン科植物の葉、茎、実、枝、又は、樹皮の水性抽出物又は有機溶剤抽出物である請求項1〜3のいずれか1項記載の抗腫瘍剤。
  5. 抽出物が分子ふるい膜により精製されたものである請求項1〜のいずれか1項記載の抗腫瘍剤。
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