JP6442936B2 - カバー開閉構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒンジ式のカバー開閉構造に関するものである。
保守・点検等を要する装置においては、装置本体内部へのアクセスを容易にするために、開閉自在なカバーが設けられていることが多い。この種の開閉自在なカバーの多くは、枢軸周りで回動するヒンジ式の開閉構造から構成されている。ヒンジ式のカバー開閉構造においては、厚みのあるカバーを180°開口させることは構造的に難しく、ある程度の角度までカバーが開くと本体部分と干渉し、外側に突き出た状態で静止する構造が一般的である。このため、外側に突き出たカバーと人体とが接触するなどしてカバーに過度な外力が加わり、本体との取付部近傍に過大な負荷が掛かることでこの部分が破損するといった問題が生じる。この問題は、金属に比べ強度が低い樹脂等の素材からなるカバーにおいて特に顕著に現れる。
前記本体とカバーとの取付部近傍の破損を防止するための先行技術として、カバーと連結した回動軸を本体に固定された板ばねで挟み込むようにして係止し、この板ばねの弾性力を超える力が回動軸部に加わると、回動軸ごとカバーが外れる構造に関する技術が知られている(特許文献1参照)。この先行技術においては、カバー先端部に過度な外力が加わると、このカバー先端部を力点、本体側に突設された係止片(ストッパー)およびこれと圧接する部位を支点、板ばねによって軸支された回動軸部を作用点としてテコの原理が働き、この原理を直接的に利用して回動軸を板ばねから外す構造となっている。
また、開放角度を規制するための係止部が設けられたヒンジ式のカバー開閉構造において、所定の開放角度を越えてカバーが開こうとすると、このカバーに設けられた係止片近傍が弾性変形して本体からカバーが外れる技術が知られている(特許文献2参照)。この先行技術においても、カバー先端部に過度な外力が加わると、このカバー先端部を力点、無理に開放したとき本体とカバーとが圧接する部位を支点、係止片近傍の弾性変形させる部位を作用点としてテコの原理が働き、この原理を直接的に利用してカバーを弾性変性させる構造となっている。
特開平10−247788号公報 特開2012−15188号公報
本発明は、一般的なヒンジ式カバー開閉構造が抱える問題、すなわち装置本体から突き出たカバーに人体が接触するなどしてカバーに過度な外力が加わると、本体との取付部近傍に過負荷がかかりこの部分が破損するという問題の解決を主な課題とするものである。
加えて、本発明は、破損防止のための前記先行技術が抱える以下の問題を併せて解決することを課題とする。すなわち、破損防止のための前記先行技術のうち、回動軸の係止に板ばねを使用する先行技術では、カバーを捩じるような外力が加わると、回動軸が板ばねから速やかに外れない事態が想定され、このとき支点となる部位には過大な力が加わり破損するおそれがある。またテコの原理によって増幅された力が直接作用することで回動軸部が破損することも懸念される。この破損については、金属に比べ強度の低い合成樹脂等の素材からなるカバーにおいて特に顕著に現れる。さらに、本先行技術においては、構造的に板ばねの使用が必須であり、かつその取り付けのための工数も必要となることから、部品点数および製造工程が増えて生産コストが高くなるという問題もある。
また、係止片を備えるカバーが弾性変形することでカバーが外れる先行技術においても、カバーを捩じるような外力が加わったり係止部の抵抗や係止部近傍の剛性が必要以上に高いと、弾性変形させる部位が速やかに外れない事態が想定される。このとき、前記板ばねを用いた先行技術と同様に、支点となる部位や弾性変形させる部位が破損するおそれがある。この破損については、金属に比べ強度が低い合成樹脂等の素材からなるカバーにおいて特に顕著に現れる。
以上の問題に鑑み、本発明では、所定の開き角度を越えてカバーを開口させる外力が加わったとき、この外力およびテコの原理によって生じる力(以下、過度な外力等という)を直接作用させることなくカバー開閉構造を構成する部位を無理なく弾性変形させ、これにより円滑かつ確実にカバーが外れる開閉構造を提案することを目的とする。加えて、開閉構造を構成する一般的な構造以外の部材、例えば板ばね等の特別な部品を用いることなく、前記目的を達成することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するために、枢支部が設けられた本体と、この本体に一対のピンを介して回動自在に枢支されたカバーと、このカバーと一体に成形され前記ピンの軸線方向に弾性変形可能な一対のアームと、前記カバーの回動により前記本体から離間する方向に前記カバーを変位させる前記アームと前記本体との間に設けられた第一のカム要素と、前記カバーのさらなる回動を前記ピンの軸線方向の変位に変換する前記アームと前記本体との間に設けられた第二のカム要素とを備えたカバー開閉構造を提供するものである。
前記第一のカム要素および前記第二のカム要素は、いずれも運動の方向を変換する機能を有する要素である。前記第一のカム要素は、回動する前記カバー側に形成される。また、前記第二のカム要素は、回動する前記カバー側と静止する前記本体側のいずれか一方または双方に形成される要素である。
また、前記課題を解決する本発明は、前記第一のカム要素が、前記アームの先端部周縁に設けられた周縁カムであるカバー開閉構造である。
また、前記課題を解決する本発明は、前記第二のカム要素が、前記アームの先端部に突設されている前記ピンの頂面に形成された斜面カムであるカバー開閉構造である。
また、前記課題を解決する本発明は、前記カバーに設けられたアームの根元部分の両側に、アームの先端方向へ開口する溝を設けたものである。
本発明によれば、第一と第二の2つのカム要素が有する前記機能がほぼ同時に働くことで、カバー開閉構造の一部を構成するアームが無理なく弾性変形し、これにより、カバーを捻るような過度な外力等が加わってもカバーを円滑かつ確実に外すことができる。この結果、本体とカバーとの取付部近傍等に過大な負荷が掛かる事態が回避され、この部分の破損を防止することができる。また、過度な外力等は、2つのカム要素を経由することで、回動のための力と2つのカム要素の働きによって方向変換された運動のための力とに分散されることから、支点となる部位や弾性変形させるアームに過度な外力等が直接作用することはなく、カバーに過度な外力が加わったときの破損を効果的に防止することができる。
加えて、前記円滑なカバー取外効果と破損防止の効果を、板ばね等の特別な部品を要することなく実現していることから、前記先行技術との関係で部品点数と固定のための製造工程が不要となり、製造コストの低減が見込める。
図1は、本発明の実施の形態によるカバー開閉装置を備えた遊技球搬送装置の斜視図であって、カバーが閉じている状態を示す。 図2は、本発明の実施の形態によるカバー開閉装置を備えた遊技球搬送装置の斜視図であって、カバーが所定の角度で開いた状態を示す。 図3は、本発明の実施の形態によるカバー開閉装置のカバーを内側から見た斜視図である。 図4は、本発明の実施の形態によるカバー開閉装置のカバーが備えるアームとピン部分の拡大図である。 図5(a)は、本発明の実施の形態によるカバー開閉装置の枢支部の右側面視における図1内のA−A拡大断面図であってカバーが閉じている状態を示し、図5(b)は、本発明の実施の形態によるカバー開閉装置の枢支部の図5(a)におけるB−B拡大断面図である。 図6(a)は、本発明の実施の形態によるカバー開閉装置の枢支部の右側面視における図1内のA−A拡大断面図であってカバーが所定の角度で開き保持されている状態を示し、図6(b)は、本発明の実施の形態によるカバー開閉装置の枢支部の図6(a)におけるC−C拡大断面図である。 図7(a)は、本発明の実施の形態によるカバー開閉装置の枢支部の右側面視における図1内のA−A拡大断面図であってカバーが本体から外れた状態を示し、図7(b)は、本発明の実施の形態によるカバー開閉装置の枢支部の図7(a)におけるD−D拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図7に基づいて説明する。なお、上下左右および前後の位置関係については、特に記載がない限り、本体とカバーから構成される遊技機用球払出装置が、カバーを正面にして設置された状態を基準に定めるものとする。また、カバーは閉じた状態を基準とする。
先ず、本発明に係るカバー開閉構造を構成する各部位の構成、形状、配置等について、図1ないし図5に基づいて説明する。
図1において符号1で示される装置は、本体10とカバー100とから構成される遊技球払出装置である。本体10は、図2に示すように、内部に遊技球搬送通路40を備えており、この遊技球搬送通路40の一側面を覆うカバー100を一対の枢支部20、20を介して回動自在に枢支している。カバー100は、本体10に設けられている3つの係止受け30と、この係止受け30に対応するようにカバー100に設けられている3つの係止片110とが係合することで、閉じた状態で本体10に係止される。
本体10には、前記一対の枢支部20の一部分を構成する一対の凹部11が設けられている。この一対の凹部11は、本体10の正面側左右両端からやや中央寄りの位置にあって、遊技球払出装置1の全高の略3分の1の高さの位置に設けられている(図2参照)。凹部11の右側面視形状は、図5に示すように、本体10の前方側にあたる左半分が略半円形状、本体10の後方側にあたる右半分が矩形状を呈しており(図5(a)参照)、また後述するピン140の高さより深い空隙により形成されている(図5(b)参照)。凹部11の前記略半円形状部分の内壁面には、後述するピン140を枢支するための枢支面11bが形成されている(図5(a)、(b)参照)。また、前記凹部11の形状および配置は、各々の開口端面11aが内側に向き合うように、左右幅方向の中間線に対して線対称となっている(図2参照)。
前記凹部11の開口端面11aと隣接する位置には、図5(a)、(b)に示すように、この開口端面11aと略直角をなす垂直面が帯状に形成されている。この垂直面には、後述する周縁カム131が圧接し摺動する摺動面10aが形成されている。
前記カバー100は、前述のように、本体10内に設けられた遊技球搬送通路40の一側面を覆うものであり、この遊技球搬送通路40を保守・点検等するとき、簡単にアクセスできるように開閉自在に設けられたものである。したがって、カバー100は、図1および図2に示すように、閉じた状態から所定の角度まで回動し開くことのできる構造となっている。カバー100は、適度な強度・剛性と弾性とを兼ね備えた素材からなるものが望ましく、かつ遊技球搬送通路40の搬送状態を外から目視できるように、例えば透明な合成樹脂製の成形品であることが好ましい。また、カバー100は、図3に示すように、カバー本体120と一対のアーム130と前記3つの係止片110とを主な要素として構成されており、これらカバー本体120とアーム130および前記係止片110とはいずれも一体に形成されている。
前記カバー本体120は、図1ないし図3に示すように、左右に長く上端の一部が突き出た略逆T字状を呈しており、左右縁端に本体10の側面の一部を覆う側壁120aが、上下両端縁に補強用のリブ120bが一体となって備わっている。カバー本体120の上端部には、3つの係止片110が略等間隔おいて設けられている。またカバー本体120の下端部にあって左右両端よりやや中央寄りの位置には、一対のアーム130が下方に向かって突出するように設けられている。
前記アーム130は、後述するピン140の軸芯Pの軸線方向(以下、単に軸線方向という)に弾性変形することが可能なように、その形状は軸線方向に薄く上下方向に伸びた薄板状を呈している。また、アーム130には、後述するように、先端部の周縁に周縁カム131が形成され、頂面に傾斜面140aを備えるピン140が突設されている。これら周縁カム131およびピン140を各々備えた一対のアーム130の形状および配置は、互いの左右幅方向の中間に位置する中間線CLに対して線対称である(図3参照)。また、アーム130の根元の両側には、アーム130の弾性変形を容易にするために、それぞれ一対の深溝150が設けられている(図3および図4参照)。
前記周縁カム131は、請求項1における第一のカム要素および請求項2における周縁カムに相当するものである。周縁カム131の図5(a)に示す右側面視形状では、カバー100の後方側にあたる右半分が半円弧形状を呈しており、カバー100の前方側にあたる左半分が略矩形状を呈している。前記半円弧形状の部分に、軸芯Pを中心に一定の半径Rで回動する領域(以下、この領域を定常域131aという)が形成されている。この定常域131aは、曲率半径が一定の曲面によって形成されている。
一方、前記矩形状の部分のうち、定常域131a との境界に位置する点α(以下カム作用始点αという)から図5(a)において時計回りに0°ないし略45°回動した範囲に、カム作用が働く領域(以下、この領域をカム作用域131bという)が形成されている。このカム作用域131bは、カバー100が閉じた状態において略水平な平面と略直角な角部とから構成され、このうちの平面部分は周縁カム131が時計回りに回動するにしたがって軸芯Pからの距離が次第に大きくなるように形成されている。
以上に述べたように、本実施の形態による周縁カム131においては、カム作用始点αから図5(a)において反時計回りに0°ないし180°の範囲に一定の半径Rで回動する定常域131aが形成され、カム作用始点αから図5(a)において時計回りに0°ないし45°の範囲にカム作用域131bが形成されている。
前述したように、アーム130の先端部側面には、図3に示すように、ピン140が一体に突設されている。このピン140が前記本体10に設けられた凹部11に嵌合することで枢支部20が構成される。このピン140の基本形状は円柱体であり、その頂面には後述す傾斜面140aが設けられている(図4参照)。この傾斜面140aが設けられたピン140によって斜面カム141が形成される。この斜面カム141は、請求項1における第二のカム要素および請求項3における斜面カムに相当するものである。ピン140の周面には、ピン140が凹部11と嵌合した際に枢支面11aと摺動する周面140bが形成されている(図4参照)。本実施の形態では、一対のピン140は、各々の頂面が互いに背向するように線対称の位置に設けられているが(図3参照)、他の実施の形態として、互いの頂面が対向する位置に設けてもよい。
前記傾斜面140aは、図5に示すように、カバー100が閉じた状態におけるピン140の頂面右斜め略半分、すなわち前記カム作用始点αから図5(a)において反時計回りに、略45°ないし135°回動した範囲に設けられており、ピンの頂面から根元に向かって略45°の傾斜角で面取りするようにして形成されている(図4参照)。これにより傾斜面140aの形状は、ピン140の頂面との交線が直線で、ピン140の周面140bとの交線が略半円形状となっている(図4参照)。また、斜面140aは、ピン140の頂面から根元にわたって形成されており、前記半円形状部分の最下部はピン140の根元140dに位置している(図4参照)。なお、本実施の形態では、前述したように、周縁カム131のカム作用域131bが、カム作用始点αから図5(a)において時計回りに45°の範囲で設けられていることから、傾斜面140aとカム作用域131bとは、ピン140の軸芯P周りに最大180°ほど位相がずれている(図5参照)。
カバー100は、図5に示すように、前記本体10に設けられた凹部11の枢支面11bとピン140の周面140bとが一定の隙間を有しながら嵌合することによって、上下および前方向への動きが本体10によって規制されながら回動自在に枢支される。なお、図5ないし図7においては、説明の都合上前記隙間を誇張して描いているが、実際には円滑に回動するのに必要最小限な隙間となっている。
また、カバー100の後方向への動きは、アーム130の先端部に形成された周縁カム131が、アーム130の後方に位置する本体10の一部である摺動面10aと接することで規制される。カバー100が閉じた状態では、周縁カム131は、前記カム作用始点αから図5(a)において反時計回りに90°回動した接点βで摺動面10aと接している(図5参照)。
次に、本実施の形態におけるカバー開閉構造の動作態様について、図5ないし図7に基づいて説明する。
遊技球払出装置1内に設けられた遊技球搬送通路40を保守・点検等するときには、カバー100を開いて遊技球搬送通路40にアクセスする。閉じた状態にある前記カバー100は、係止片110が備える爪を押し下げるように摘んで係止受30と係止片110との係合を解除したのち手前側に引くことで、枢支部20を介し本体10に枢支されながら開く。
前記構成によれば、図5(a)に示すように、カバー100が閉じた状態から反時計回りに略90°の範囲で回動するとき、周縁カム131は、定常域131aにおける前記接点βから前記カム作用始点αの範囲で摺動面10aと摺動することになる。このときカバー100は、ピン140と凹部11との間に一定の隙間を有しながら枢支部20によって回動自在に枢支される(図5(a)、(b)参照)。
また、前記構成によれば、図6(a)に示すように、カバー100が反時計回りに略90°を越えて回動するとき、周縁カム131のカム作用域131bと摺動面10aとが摺動することになる。カム作用域131bは、前述したように、時計回りに回動するにしたがって軸芯Pからの距離が次第に大きくなる略平面から形成されているため、カム作用域131bでの回動が進むにつれてカバー100の回動中心である軸芯Pは、本体10の摺動面10aから次第に離れる。このとき、摺動面10aは略垂直面によって形成され、また、周縁カム131は摺動面10aの前方に配置されていることから、カバー100は後方から前方向に押し出されるように変位する。
ここで、傾斜面140aは、前述したように、前記周縁カム131のカム作用域131bに対して、軸芯P周りに最大180°ほど位相がずれた位置に設けられていることから、カム作用域131bがカバー100の後方に位置する摺動面10aと摺動しているとき、傾斜面140aは、凹部11の前方内壁面に形成されている枢支面11bと接する位置にくることになる(図6参照)。
遊技球搬送通路40を清掃する作業者が謝って腕をカバー100に当てるなどしてカバー100に過度な外力が加わると、カバー100はさらに回動して、前記離間変位が増大する。この結果、図6(a)、(b)に示すように、傾斜面140aが枢支面11bを圧接部γで押圧することになる。また、周縁カム131が摺動面10aを圧接部ωで押圧することになる。
傾斜面140aが、前記枢支面11bの開口縁端を押圧しながら前記離間変位に伴って移動すると、傾斜面140aが設けられているアーム130先端部には、傾斜面140aの傾斜角に起因して軸芯Pの軸線方向(以下、単に軸線方向と称する)への変位が生じる。このアーム130先端部における軸線方向の変位は、前記斜面カム141のカム作用によるものであり、斜面カム141と凹部11とがいずれも線対称にある前記構成によれば、一対のアーム130の先端部に線対称となって生じる。よって、斜面カム141のカム作用に基づく軸線方向への変位は、互いに相反する向きに等しく生じることから、この変位によってカバー100が軸線方向に移動することはない。このとき、一対のアーム130の先端部には、左右から挟まれるように前記軸線方向への変位が作用することから、図3および図7(b)内に示す矢印の向きにアーム130の先端部が弾性変形する。
図7(a)、(b)に示すように、カバー100が、カム作用域131b上のカム作用終点εと摺動面10aとが接するまで回動すると、傾斜面140aは枢支面11bを滑りきり、ピン140の頂面平坦部140cと凹部11の開口端面11aとが接するに至る。これにより、ピン140と凹部11との嵌合が解除され、本体10からカバー100が外れる。
なお、取り外したカバー100を本体10に取り付けるには、アーム130の弾性に抗してピン140を凹部11に差し込むことでこれらを係合させる。
なお、本実施の形態とは異なり、一対の斜面カム141および凹部11が線対称にない場合であっても、アーム130先端部に作用する軸線方向の変位を受け止める部位を本体10側に別途設けることで、カバー100の軸線方向への移動を回避し、アーム130を弾性変形させることができる。
以上の動作態様によれば、所定の角度を越えてカバー100を開口させる過度な外力等は、周縁カム131と斜面カム141とを介することで、カバー100を回動させる力と、前記本体10から離間する変位に関わる力と、前記軸方向への変位に関わる力とに分散される。このうち、アーム130の先端部を弾性変形させる力は、前記軸方向への変位に関わる力であることから、アーム130の先端部には、過度な外力等は直接作用せず、これらが減殺されるかたちで作用することになる。
なお、他の実施の形態として、第一のカム要素は前記アーム130の先端部周縁に形成される周縁カム131としつつ、第二のカム要素は本体10側に設けた円錐台形状のピンによって形成される斜面カムとし、また、カバー100側のアーム130の先端部にこの円錐台形状のピンによって形成される斜面カムと嵌合する凹部もしくは孔を設けた形態であってもよい。この実施の形態によっても前記実施の形態と同じ作用によって一対のアーム130先端部が弾性変形し、カバー100が所定の開き角度を越えて回動すると本体10から外れることになる。
本発明に係る開閉構造を備えたカバーとしては、合成樹脂からなることが好ましい。すなわち、本発明の効果を享受するためには、前述したように、弾性変形させるアーム部が適度な強度・剛性と弾性とを兼ね備えた素材からなることが望ましく、また、コスト面から素材原価が低廉で加工性に優れた素材が好ましい。さらに搬送装置においては、被搬送物のつまり等を外から目視できることが作業性の点からきわめて重要であり、透明なカバーとすることが求められる。これらは合成樹脂からなるカバーとすることで実現される。すなわち、合成樹脂からなるカバーとすれば、適度な強度・剛性と弾性とを兼ね備え、素材原価も比較的低廉であり、かつ射出成形等によってカバー本体とアーム部とを容易に一体成形することができる。また、透明なカバーを創作することも可能である。以上から、本発明に係る開閉構造を備えた合成樹脂製カバーとすることで、上記要請を高い次元で満たすことが可能となり、本発明の効果を最大限生かしたカバーを提供することができる。
以上、本発明に係るカバー開閉構造の実施の形態として、搬送通路の一側を構成するカバーを備えた遊技球搬送装置について説明してきたが、同様の形態のカバーを必要とするものとして、ICカードやプリペイドカードおよび通硬貨の被搬送物を、搬送通路を通じて移送する装置全般が想定される。
1…遊技球払出装置、10…本体、20…枢支部、100…カバー、120…カバー本体、130…アーム、131…周縁カム、140…ピン、140a…傾斜面、141…斜面カム、150…溝。

Claims (4)

  1. 枢支部が設けられた本体と、この本体に一対のピンを介して回動自在に枢支されたカバーと、このカバーと一体に成形され前記ピンの軸線方向に弾性変形可能な一対のアームと、前記アームと前記本体との間に設けられた第一のカム要素と、前記アームと前記本体との間に設けられた第二のカム要素とを備え、前記第一のカム要素は、前記カバーの回動に伴って前記本体に形成された面と摺動して前記カバーの回動中心を前記本体から離間する方向に変位させ、前記第二のカム要素は、前記カバーの回動を前記ピンの軸線方向の変位に変換することを特徴とするカバー開閉構造。
  2. 前記第一のカム要素は、前記アームの先端部周縁に設けられた周縁カムであることを特徴とする請求項1に記載のカバー開閉構造。
  3. 前記第二のカム要素は、前記アームの先端部に突設されている前記ピンの頂面に形成された斜面カムであることを特徴とする請求項1もしくは2に記載のカバー開閉構造。
  4. 前記カバーに設けられたアームの根元部分の両側に、アームの先端方向へ開口する溝を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のカバー開閉構造。
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