JP6441747B2 - 開閉器 - Google Patents

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Description

本発明は開閉器に係り、特に、投入ばねを圧縮するギア列の摩耗を監視する摩耗監視装置を備えているものに好適な開閉器に関する。
一般的に、開閉器、特にガス遮断器の操作器として、空気圧や油圧を利用した操作力を得る空気圧操作器や油圧操作器、或いは弾性体であるばねの圧縮力を解放することにより操作力を得るばね操作器が使用されている。また、開閉器の動作特性を監視して、異常診断を行う動作特性監視装置が提案されている。
駆動源にばね操作器を用いたガス遮断器の一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載されたばね操作器には、投入動作で解放された投入ばねを圧縮するために、モータと3段のギア列及び投入ばねリンクによる機構が示されている。そして、大歯車の欠歯部に、同期爪用弾性体を挟んで小歯車と噛み合う複数の歯を有する同期爪の一端が回動自在に支持され、同期爪の一端が同期爪用弾性体の伸縮方向の軸と略平行する長軸を有する楕円形状の回転軸孔により揺動自在に支持されていることで、投入ばねを圧縮する駆動源のモータを停止した際に、大歯車と小歯車とが如何なる位置関係にあっても、次の投入動作で投入ばねを放勢する際に、大歯車と小歯車との歯先同士が接触しても回避挙動がなされるので、安定した投入動作を得ることができる旨記載されている。
また、開閉器の動作特性監視装置の一例が特許文献2に記載されている。この特許文献2に記載されている開閉器の動作特性監視装置には、開閉器の動作過程(開閉方向の変位)を直接的に検出するストロークセンサを用いて動作開始時及び動作終了時を検出することにより、動作時間を高精度に監視することができる旨開示されている。
特開2014−60017号公報 特開2008−293682号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたばね操作式のガス遮断器においては、多数回操作或いは経年劣化などで投入ばね圧縮機構のギアの摩耗が進展した場合に、投入ばね圧縮動作が遅延したり、投入ばね圧縮動作が停止する可能性があり、特に、投入ばね圧縮中に停止すると、次の投入動作が不可能となる課題があった。
一方、特許文献2に記載された開閉器の動作監視装置は、開閉操作に伴う異常を検出するものであり、投入ばねの圧縮動作に対する配慮がなされていなかった。
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、投入ばね圧縮機構を有するものであっても、ギア列の摩耗進展を検出して適切な交換時期を把握し、より信頼性の高い開閉器を提供することにある。
本発明の開閉器は、上記目的を達成するために、固定接触子と可動接触子とを有する遮断部を内蔵した接地容器と、前記可動接触子を固定接触子に対して開極又は閉極させるための投入ばね及び遮断ばねを駆動源としたばね操作器と、該ばね操作器と前記可動接触子とを連結するリンク機構部と、前記投入ばねの駆動力から前記遮断ばねを圧縮する力に変換するカムと、モータの駆動力が伝達されて回動する小歯車及び該小歯車に係合して回動する大歯車の組み合わせを少なくとも1つ有するギア列から成る投入ばね圧縮機構とを備え、前記小歯車と大歯車から成る前記ギア列を駆動する前記モータの電流を、前記可動接触子と固定接触子の開極又は閉極ごとに測定する測定部と、該測定部で測定された情報に基づいて、前記可動接触子と固定接触子の開極又は閉極回数(操作回数)及び前記モータの電流最大値を算出する診断部と、該診断部で算出された前記可動接触子と固定接触子の開極又は閉極回数(操作回数)に対する前記モータの最大電流値を基に、前記ギア列の摩耗進展を判定する判定部とから成る摩耗監視装置を更に備えていることを特徴とする。
本発明によれば、投入ばね圧縮機構を有するものであっても、ギア列の摩耗進展を検出して適切な交換時期を把握することができるので、より信頼性の高い開閉器を得ることができる。
本発明の開閉器の一例として、ガス遮断器の全体を一部断面して示す図である。 本発明の開閉器の一例であるガス遮断器のばね操作器における投入ばね及び遮断ばねが圧縮状態を示す図である。 本発明の開閉器の一例であるガス遮断器のばね操作器における遮断動作が終了して遮断ばねが放勢状態であることを示す図である。 本発明の開閉器の一例であるガス遮断器のばね操作器における投入動作が終了して遮断ばねが圧縮状態で投入ばねが放勢状態であることを示す図である。 本発明の開閉器における投入ばね圧縮機構及び摩耗監視装置の構成を示す図である。 本発明の開閉器における投入ばね圧縮動作時のモータ電流測定波形を示す特性図である。 本発明の開閉器における開閉操作用の電気回路を示す図である。 本発明の開閉器における開閉操作用の動作シーケンスを示す図である。 本発明の開閉器における診断部に蓄積された操作回数(N)とモータ電流最大値(Imax)との関係を、ギア列の摩耗進展の3ケースを例にして示す特性図である。 本発明の開閉器における投入ばね圧縮機構のギア列の摩耗進展の3ケースの判定フローを示す図である。
以下、図示した実施例に基づいて本発明の開閉器を説明する。なお、下記はあくまでも実施の例であって、発明の内容を下記具体的態様に限定することを意図する趣旨ではない。発明自体は、特許請求の範囲の記載を満たす範囲内で種々の態様に変形することが可能である。また、以下に示す実施例では開閉器として、ばね操作式のガス遮断器を挙げて説明するが、ばね操作式の真空遮断器にも適用されることは言うまでもない。更に、遮断器以外の断路器や接地開閉器にも適用可能である。
図1に、本発明の開閉器として、ばね操作式のガス遮断器1を一部断面して示す。
該図に示す如く、本実施例のばね操作式のガス遮断器1は、円筒状の接地容器2を架台3上に設置され、この円筒形の接地容器2には絶縁性のガス、例えば、SFガスが規定の圧力で封入されている。接地容器2の軸方向中間部から斜め上方には、ブッシング4及び5が突出している。変電所や開閉所の中の電線を接続して電路を構成する導体が、ブッシング4及び5の中に収納されている。また、架台3の側部には、ガス遮断器1のばね操作器15が収納されている操作箱6が取り付けられている。
接地容器2内には、固定接触子7及び可動接触子8からなる接点が収納されており、図1は、接点の投入状態を示す。即ち、可動接触子8が固定接触子7に接しており、遮断動作で可動接触子8が固定接触子7から離れる(開極)。可動接触子8は、固定接触子7との接触端と反対側の端部で絶縁材から成る絶縁ロッド9に接続されている。接地容器2には、回転自在に支持された回転軸10に第1のリンク11及び第2のリンク12の一端が固定されている。第1のリンク11の他端は、絶縁材ロッド9の一端と接続し、第2のリンク12の他端は、操作器側に繋がる第3のリンク13と接続している。
操作箱6内には、回動自在に支持されたばね操作器15の主軸14が配置され、この主軸14に第4のリンク16が接続され、第4のリンク16の他端は、第3のリンク13に接続されている。主軸14を中心としてばね操作器15の部品が配置されており、その構成については後述する。なお、59は、後述するギア列の摩耗を監視する摩耗監視装置である。
このように構成されたガス遮断器1では、電流が図示を省略した電力系統からブッシング5に供給され、電流は、ブッシング5から接地容器2内の接点に導かれ、下流側のブッシング4を経て再び電力系統に供給される。
落雷などで電力系統に事故が発生すると、ガス遮断器1に遮断指令が入力され、ばね操作器15が起動して、主軸14及び第4のリンク16を反時計回りに回転させ、第3のリンク13を下方に移動させる。そして、第2のリンク12及び回転軸10、第1のリンク11が反時計回りに回転して絶縁ロッド9を左方に移動させ、可動接触子8を固定接触子7から離して接点を開く(開極)。これにより、電力系統の下流側への供給を遮断する。
図2乃至図4を用いて、本実施例のガス遮断器1のばね操作器15について説明する。
図2は、ばね操作器15の遮断ばね17及び投入ばね18が共に圧縮されている投入状態を示す図である。
図2において、圧縮された遮断ばね17の駆動力は、主レバー19を介して第2遮断ラッチ20及び第1遮断ラッチ21に伝達され、第1遮断ラッチ21と遮断トリガ22とが係合することで保持されている。同様に、投入ばね18の駆動力は、カム23を介して投入ラッチ24に伝達され、投入ラッチ24と投入トリガ25とが係合することで保持されている。そして、遮断トリガ22、投入トリガ25に当接可能に開路用電磁石26、閉路用電磁石27が配置されている。
投入ばね18の周りでは、カム軸28の一端にカム23が、他端には最終段(第3段目)の大歯車29が接続されている。投入ばね18は、リンク30を介してカム23に接続されている。図2の状態から投入ばね18が解放される際には、カム23及び第3段目の大歯車29が反時計回りに回動し、解放された投入ばね18を圧縮する際にも、カム23及び第3段目の大歯車29を反時計回りに回動させる。
図5の右半分に、投入動作で投入ばね18が解放された状態から再び圧縮する過程でのギア列の構成を示す。
該図に示す如く、駆動源のモータ31に締結された軸32に第1段目の小歯車33が接続され、第1段目の小歯車33と第1段目の大歯車34とで第1段目の歯車対が構成される。また、第2段目が第2段目の小歯車35と第2段目の大歯車36とで構成される。最終の第3段目が第3段目の小歯車37と第3段目の大歯車29とで構成される。なお、本実施例においては、ギア列が3段で構成されているが、2段以下でも4段以上であってもよい。
図5において、投入ばね圧縮指令がスイッチ38に入力されると、電源39からモータ31への通電が開始され、ギア列56が回転し始める。図5に示した状態から第3段目の大歯車29及びカム23が反時計回りに約180°回転すると、図示を略したリミットスイッチが作動することでモータ31への通電が切断される。このとき、投入ばね18は圧縮状態にあり、そのばね力が解放されようとするが、投入カム23と投入ラッチ24及び投入ラッチ24と投入トリガ25とが係合することで保持される(図2の状態)。
投入ばね圧縮動作中のモータ31の電流測定波形40を図6に示す。通電開始時にはインラッシュ電流が流れ、通電切断時にサージ電流が発生する。また、投入ばね圧縮動作の中間(第3段目の大歯車29及びカム23が約90°回転)でモータ電流が最大となる。これは、投入ばね18の圧縮に伴い、投入ばね18のリンク30の姿勢が変化し、カム23が約90°回転した状態でカム軸28に対して、投入ばね18によるモーメントが最大となるためである。
図1に示したガス遮断器1の開閉操作について説明する。始めに、図7に示す開閉操作用の電気回路と図8に示すシーケンスを説明し、次に図2乃至図4を用いて機構の動作を説明する。
図7に示した電気回路は、遮断部接点が切状態(固定接触子7と可動接触子8が開状態)のものであり、上位系統からガス遮断器1に閉路指令がスイッチ41aに入力されると、操作電源42から閉路用電磁石27に通電され、閉路動作が開始される。電気回路に接続された補助開閉器43は、図示を略したリンク機構により主レバー19(図2参照)に接続されており、開閉操作に伴う主レバー19の回動により補助開閉器43のa接点43a及びb接点43bが駆動される。閉路操作では、遮断部の固定接触子7と可動接触子8が閉極する際に補助開閉器43のb接点43bがOFFになり、補助開閉器43のa接点43aがONになる。一方、開路操作では、固定接触子7と可動接触子8が開極する際に補助開閉器43のa接点43aがOFFになり、補助開閉器43のb接点43bがONになる。
ガス遮断器1の開路操作は、ガス遮断器1の投入状態において、開路指令がスイッチ41bに入力されると開路用電磁石26が励磁され、開路用電磁石26のプランジャが突出し、遮断トリガ22を押圧して、遮断トリガ22と第1遮断ラッチ21との係合が外れる。すると、第1遮断ラッチ21と第2遮断ラッチ20の係合も外れて、主レバー19が遮断ばね17の駆動力により反時計回りに回転して、図3に示す遮断状態となる。また、図1に示したリンク機構を介して、遮断部の固定接触子7と可動接触子8が開かれる(開極)。
ガス遮断器1の閉路操作は、ガス遮断器1の遮断状態において、閉路指令が入力されると閉路用電磁石27が励磁され、閉路用電磁石27のプランジャが突出し、投入トリガ25を押圧して、投入トリガ25と投入ラッチ24との係合が外れる。すると、投入ラッチ24とカム23との係合が外れて、カム23が投入ばね18の駆動力により反時計回りに回転する。そして、カム23の回動に伴い、カム23の外周面が主レバー19のローラ19aに当接して、主レバー19を時計回りに回転させて遮断ばね17を圧縮しつつ、リンク機構を介して遮断部の固定接触子7と可動接触子8を投入する(閉極)。
なお、投入動作においては、ギア列56の第3段目の大歯車29が駆動側、第3段目の小歯車37が被駆動となって駆動される。しかしながら、第3段目の小歯車37が締結される軸44に、図示を略した一方向歯車が接続されており、第3段目の小歯車37からモータ31側への第2段目には、トルクが伝達されないように構成している。
投入ばね圧縮機構におけるギア列56の摩耗監視装置59の構成について、図5を用いて説明する。
図5において、摩耗監視装置59は、監視対象のガス遮断器1に対して、ギア列56を駆動するモータ31の電流を、可動接触子8と固定接触子7の開極又は閉極ごとに測定する測定部45と、この測定部45で測定された情報に基づいて、可動接触子8と固定接触子7の開極又は閉極回数(操作回数)及びモータ31の電流最大値を算出する診断部46と、この診断部46で算出された可動接触子8と固定接触子7の開極又は閉極回数(操作回数)に対するモータ31の最大電流値を基に、ギア列56の摩耗進展を判定する判定部47とから構成されている。
また、ばね操作器15のモータ31を駆動する電気回路上には、変流器48が設けられており、内部にシャント抵抗器を備えることでコイルへの通電電流を検出し、測定部45に入力する。また、測定部45には、ばね操作器15内のストロークを測定(主軸14の角変位を回転ポテンションメータで測定するか、或いは遮断ばね17のリンク17A又はばね受け17Bの直線変位をリニアモータポテンションメータなどで測定)するストロークセンサ49や開路用電磁石26内の遮断用電磁石コイル電流センサ50、閉路用電磁石27内の投入用電磁石コイル電流センサ51、補助開閉器43からの補助接点出力52などが接続される。測定部45に入力されたセンサの情報は、診断部46に引き渡される。
まず、ギア列56の異常摩耗以外の判定事例について説明する。即ち、ギア列56の異常摩耗以外の判定は、開閉指令が入力されるタイミングを、開路用電磁石26及び閉路用電磁石27のコイル電流の立ち上がりから算出し、前述したストロークセンサ49或いは補助開閉器43などの情報(ばね操作器15内のストロークや補助開閉器43からの電圧出力)により、開極或いは閉極までの動作時間を診断部46で算出して蓄積する。ガス遮断器1の操作回数の増加に伴い、開極時間の変化が微少であるにも関わらず閉極時間が単調増加する傾向が現れた場合には、判定部47が投入動作のみに関連する投入ばね18或いは投入カム23など投入ばね18の周りに異常有りと判定し、この判定結果を外部に出力する。
次に、投入ばね圧縮機構のギア列56の異常摩耗の判定事例について説明する。即ち、投入ばね圧縮機構のギア列56の異常摩耗の判定は、診断部46において、モータ31の電流測定波形40から最大電流値を算出する際に、インラッシュ電流及び通電切断時のサージ電流の影響を排除するため、電流測定値に対して移動平均処理を行う。図6には、モータの電流測定波形40と移動平均後の電流波形53を示しており、これからモータ電流の最大値Imaxを算出し、データを蓄積する。移動平均処理に関しては、モータ電流を、例えば、100Hzのサンプリングレートで収録した際には、100点程度で行うとよい。
診断部46に蓄積されたガス遮断器1の操作回数Nとモータ電流の最大値Imaxとの関係を模式的に図9に示す。本実施例においては、以下に示す3ケースを想定した。
ケース1は、ガス遮断器1の運転開始から操作回数が200〜300回程度までモータ電流の最大値Imaxが単調増加して閾値を越える場合である。これは、ばね操作器15の組立調整ミスなどでギアが片当りするなど噛み合いが悪い場合に相当する。
ケース2は、操作回数が約200〜300回までモータ電流の最大値Imaxが増加するが閾値以下であり、その後はモータ電流の最大値Imaxが減少、増加を繰り返しながら閾値を越える場合である。例えば、ばね操作器15のギアの組立状態は良好であるが、運転開始から操作回数が300回程度までは初期摩耗があり、その後は馴染み、更に多数回操作でギア歯面の潤滑が不足して摩耗が進展する場合に相当する。
つまり、ギア歯面に固体潤滑被膜を焼成させて、ギアを固体潤滑被膜同士摺動状態としてもギア歯先での局所的な過大接触応力により固体潤滑被膜が徐々に剥離していき、数千回の操作後に金属素地が出現する事象が想定される。金属素地同士の摺動では摩擦係数が大きく、摩耗が急速に進展することから、モータ電流の最大値Imaxが増減を繰り返す不安定な状況になり、ついには閾値を越えると考えられる。
ケース3は、操作回数が約200〜300回までモータ電流の最大値Imaxが緩やかに増加し、その後はモータ電流の最大値Imaxがほぼ一定値をとる場合である。この場合には、ギアの初期摩耗があるが、その後は多数回操作を行っても混合潤滑状態が保たれる場合、例えば、固体潤滑被膜の剥離が歯先の極めて限定された範囲だけに留まる場合が想定される。
操作回数の増加に伴うモータ電流の最大値Imaxの勾配が正で、モータ電流の最大値Imaxが閾値を越えた場合、ギア列56の摩耗が進展したと判定部47が決定し、ギア列56の点検警告を外部に出力する。
以上に述べたギア列56の摩耗進展のケース1−3について、判定のフローを示すと図10のようになる。
本実施例によれば、操作毎のモータ電流を測定すると共に、移動平均の最大電流値の履歴を蓄積し、操作回数に対する最大電流値の勾配及び閾値にてギア列56の異常摩耗を判定することができるので、ギア列56のメンテナンス時期を把握することができると共に、ガス遮断器1の信頼性を向上できる。また、ストロークセンサ49などを用いて操作毎の開閉極時間を算出するので、投入ばね圧縮機構のギア列56での異常と、投入ばね18周りの機構系の異常を区別することができる。
従って、投入ばね圧縮機構を有するものであっても、ギア列56の摩耗進展を検出して適切な交換時期を把握することができるので、より信頼性の高いガス遮断器1を得ることができる。
本実施例では、ギア列56(図5参照)の摩耗の予兆を把握するため、図1に示すガス遮断器1の操作箱6内に振動センサ54及び/又は騒音センサ55を設置するものである。
図5に示すように、振動センサ54と騒音センサ55の出力も測定部45に取り込む。振動センサ54は、例えば、3軸の加速度センサであり、ギア列56を収納するばね操作器15の筐体に設置するとよい。また、騒音センサ55は、操作箱6の内外の何れに設置してもよい。
ガス遮断器1の操作毎に測定部45に入力された振動及び/又は騒音の時刻歴波形に対して診断部46で周波数分析を行って、操作毎の卓越周波数を算出し、前回操作時のデータと比較して卓越周波数の相違を検証することで、摩耗などの異常の予兆を早期に検出することができる。
このような本実施例としても、実施例1と同様な効果を得ることができることは勿論、摩耗などの異常の予兆を早期に検出することができる。
本実施例では、図5に示すように、測定部45、診断部46及び判定部47の各種データを、外部通信手段57により、開閉器の製造、販売元が運営するインターネット上のWEBサイト58に接続可能としたものである。
このように構成することにより、ギア列56の異常摩耗進展を判定する閾値の設定などを、外部通信手段57により任意に更新することができる。また、変電所等の現地サイトに設置された投入ばね圧縮機構の摩耗監視装置用の記憶手段が物理的に故障した際に、それまでの履歴を販売元の保管しているデータにより復旧することが可能となり、摩耗監視装置の安定性が向上する。
このような本実施例としても、実施例1と同様な効果を得ることができることは勿論、摩耗監視装置の安定性が向上する。
なお、これらの実施例に示したガス遮断器1に封入する絶縁性のガスは、SFに限定されることはなく、例えば、SFとN、CFとの混合ガスやCOガスなどのSF代替ガスを用いても良い。
また、本実施例に示したガス遮断器1のばね操作器15では遮断ばね17、投入ばね18共に圧縮コイルばねを用いているが、これに限定されることはなく、皿ばねなど直動する弾性体要素であれば、容易に置換が可能である。また、主たる駆動源に圧縮コイルばねを用い、副次的な駆動源にトーションバーばねを適用しても本実施例と同様の効果が得られる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…ガス遮断器、2…接地容器、3…架台、4、5…ブッシング、6…操作箱、7…固定接触子、8…可動接触子、9…絶縁ロッド、10…回転軸、11…第1のリンク、12…第2のリンク、13…第3のリンク、14…ばね操作器の主軸、15…ばね操作器、16…第4のリンク、17…遮断ばね、17A…遮断ばねのリンク、17B…ばね受け、18…投入ばね、19…主レバー、19a…主レバーのローラ、20…第2遮断ラッチ、21…第1遮断ラッチ、22…遮断トリガ、23…カム、24…投入ラッチ、25…投入トリガ、26…開路用電磁石、27…閉路用電磁石、28…カム軸、29…第3段目(最終段)の大歯車、30…投入ばねのリンク、31…モータ、32、44…軸、33…第1段目の小歯車、34…第1段目の大歯車、35…第2段目の小歯車、36…第2段目の大歯車、37…第3段目の小歯車、38、41a、41b…スイッチ、39…電源、40…モータの電流測定波形、42…操作電源、43…補助開閉器、43a…補助開閉器のa接点、43b…補助開閉器のb接点、45…測定部、46…診断部、47…判定部、48…変流器、49…ストロークセンサ、50…遮断用電磁石のコイル電流センサ、51…投入用電磁石のコイル電流センサ、52…補助接点出力、53…移動平均後の電流波形、54…振動センサ、55…騒音センサ、56…ギア列、57…外部通信手段、58…WEBサイト、59…摩耗監視装置。

Claims (8)

  1. 固定接触子と可動接触子とを有する遮断部を内蔵した接地容器と、前記可動接触子を固定接触子に対して開極又は閉極させるための投入ばね及び遮断ばねを駆動源としたばね操作器と、該ばね操作器と前記可動接触子とを連結するリンク機構部と、前記投入ばねの駆動力から前記遮断ばねを圧縮する力に変換するカムと、モータの駆動力が伝達されて回動する小歯車及び該小歯車に係合して回動する大歯車の組み合わせを少なくとも1つ有するギア列から成る投入ばね圧縮機構とを備え、
    前記小歯車と大歯車から成る前記ギア列を駆動する前記モータの電流を、前記可動接触子と固定接触子の開極又は閉極ごとに測定する測定部と、該測定部で測定された情報に基づいて、前記可動接触子と固定接触子の開極又は閉極回数(操作回数)及び前記モータの電流最大値を算出する診断部と、該診断部で算出された前記可動接触子と固定接触子の開極又は閉極回数(操作回数)に対する前記モータの最大電流値を基に、前記ギア列の摩耗進展を判定する判定部とから成る摩耗監視装置を更に備えていることを特徴とする開閉器。
  2. 請求項1に記載の開閉器において、
    前記診断部は、モータ電流の測定波形に対して、移動平均化処理を行ってインラッシュ電流並びに通電切断時のサージ電流の影響を除去した電流波形を算出するものであることを特徴とする開閉器。
  3. 請求項1又は2に記載の開閉器において、
    前記判定部では、前記モータの電流最大値が単調増加して閾値を越えた場合には、前記ギア列の噛み合いが悪いと判定し、前記モータの電流最大値が増加するが閾値以下であり、その後は前記モータの電流最大値が減少、増加を繰り返しながら閾値を越えた場合には、初期摩耗があり、その後は馴染み、更に多数回操作で前記ギア列の歯面の摩耗が進展していると判定し、前記モータの電流最大値が緩やかに増加し、その後は前記モータの電流最大値が一定値をとる場合には、前記ギア列の初期摩耗はあるが、その後は多数回操作を行っても、摩耗は前記ギア列の歯先の限定された範囲であると判定することを特徴とする開閉器。
  4. 請求項1又は2に記載の開閉器において、
    前記判定部では、前記可動接触子と固定接触子の開極又は閉極回数(操作回数)の増加に伴う前記モータの電流最大値の勾配が正で、前記モータの電流最大値が閾値を越えた場合には、前記ギア列の摩耗が進展したと判定し、前記ギア列の点検警告を外部に出力することを特徴とする開閉器。
  5. 請求項1又は2に記載の開閉器において、
    前記測定部には、前記ばね操作器内のストロークを測定するストロークセンサ、開路及び閉路用電磁石のコイル電流を測定する電流センサ、補助開閉器の補助接点からの電圧出力が接続されていることを特徴とする開閉器。
  6. 請求項5に記載の開閉器において、
    前記開路及び閉路用電磁石のコイル電流の立ち上がりから開閉指令が入力されるタイミングを算出し、前記ばね操作器内のストロークを測定するストロークセンサ、前記開路及び閉路用電磁石のコイル電流を測定する電流センサ、或いは前記補助開閉器の補助接点からの電圧出力の情報により、開極或いは閉極までの動作時間を前記診断部で算出して蓄積し、前記可動接触子と固定接触子の開極又は閉極回数(操作回数)の増加に伴い、開極時間の変化が微少であるにも関わらず閉極時間が単調増加する傾向が現れた場合には、前記投入ばねの周りに異常有りと前記判定部で判定し、その判定結果を外部に出力することを特徴とする開閉器。
  7. 請求項1に記載の開閉器において、
    前記ばね操作器の筐体に振動センサ及び/又は前記ばね操作器の内外に騒音センサを備え、前記投入ばねの圧縮動作中の前記ばね操作器の筐体の振動及び/又は前記ばね操作器の内外の操作音を測定して前記測定部に入力し、該測定部に入力された前記振動及び/又は前記操作音の時刻歴波形に対して周波数分析を前記診断部で行って操作毎の卓越周波数を算出し、この卓越周波数と前回操作時の結果と比較して前記卓越周波数の相違を検証することで異常の予兆を検出することを特徴とする開閉器。
  8. 請求項1に記載の開閉器において、
    前記測定部、前記診断部及び前記判定部からのデータは、外部通信手段を介して前記開閉器の製造及び/又は販売元が運営するインターネットのWEBサイトに接続可能であることを特徴とする開閉器。
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