LTE(Long Term Evolution)やWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等の無線ネットワークにおいて、トラヒック量は増大する一方である。
図13は、無線ネットワークの大容量化を実現するためのセルの構成を示す図である。トラヒック量の増大に対して、無線ネットワークの大容量化を実現するため、図13に示すようにヘテロジーニアスネットワークと呼ばれる高送信電力のマクロセルC1のカバレッジ上に、多数の低送信電力のスモールセルC2をオーバレイしたネットワーク構成に関する技術検討が行われている(例えば、非特許文献1参照)。
また、図13には、C−RAN(Centralized Radio Access Network)構成とD−RAN(Distributed Radio Access Network)構成についても記載している。C−RAN構成とは、無線基地局の信号処理部(BBU: Baseband Unit)を集約し、アンテナ部(RRH: Remote Radio Head)を張り出す構成を指している。一方、D−RAN構成とは、無線基地局のBBUとRRHが同一箇所にある構成のことである。同図に示すように、C−RAN構成の場合、BBU810とRRH820の間は光装置910、920を介して光ファイバ700で結ばれる。また、D−RAN構成の場合、無線基地局830と上位装置840の間は、光装置930、940を介して光ファイバ700で結ばれる。そして、BBU810は光装置910を介して、上位装置840は光装置940を介してモバイルネットワーク(NW)に接続される。
多くのスモールセルを高密度に展開した場合、無線端末のスループットを向上させることができる。しかし、密度が高まることにつれてスループットの増大効果が飽和することがある。これはセル間にて信号が干渉することに因る。この干渉抑圧技術として、例えば、3GPP TR 36.872にてSmall cell on/off法が検討されている(例えば、非特許文献2参照)。これは、スモールセルのオン・オフをフレーム単位で切り替えることにより、他セルへの干渉を抑圧するものである。スモールセルのオン・オフとは、無線基地局の電源をオン又はオフにすることや、無線基地局の送信部又は受信部の電源をオン又はオフにすること等を指している。他にもSmall cell on/off法の用途として、オン・オフの切り替え速度を半日、一日といったように長時間の周期で切り替え、消費電力の削減を図ることも考えられている。
スモールセルのオン・オフ法の手順例を説明する。ここで、オン・オフが行われるスモールセルを、「オン・オフセル」と呼ぶこととする。オン・オフセルのオン・オフ切り替えの代表例として、自律的に無線基地局がオン・オフセルのオン・オフを行う場合と、外部の制御部が制御信号である切り替え命令を出力し、その命令に従って無線基地局がオン・オフを切り替える場合が考えられる。図13に示すようなD−RAN構成の場合、周辺セル及びオン・オフセルをオーバレイしているマクロセルC1の無線基地局830等、又はそれらを集約している上位装置840が外部の制御部に該当する。C−RAN構成の場合はRRH820をオン・オフすることが想定されるため、D−RAN構成の場合に加えてBBU810が外部の制御部として、オン・オフ命令を送ることが考えられる。
図14は、無線基地局が自律制御によってオン・オフセルのオン・オフを行うシーケンス例を示す図である。同図において、オン・オフセルは初めオフ状態となっており、移動無線端末はソースセルとの間でユーザデータを送受信している。ソースセルとは複数のセルを管理しているセルを指す。例えば、図13ではマクロセルC1が、複数のスモールセルC2の状態を管理しているソースセルに相当する。セルの重畳構成を取っていない場合、オン・オフセルのオン・オフ状態を管理する近隣のセルを、ソースセルと呼ぶこととする。
オン・オフセルは、一定時間経過後に、ソースセルに対してトラヒック量要求を送信し、ソースセルが管理しているトラヒック量情報を渡すように自律的に要求する。トラヒック量情報とはセルと、そのセルに収容されている移動無線端末間でやりとりされるトラヒック量を示すデータである。オン・オフセルは、送信したトラヒック量要求に対応して、ソースセルからトラヒック量情報が設定されたトラヒック量通知を受信し、セルの状態をオンにするかオフにするかのオンオフ判定を行う。オン・オフセルは、オフ状態からオン状態に遷移する必要があると判定した場合、セル起動の承認要求をソースセルに送信する。ソースセルからセル起動許可を受けたオン・オフセルは、状態をオンに切り替え、セル切り替え手順又はセル登録手順によりオン・オフセル配下の移動無線端末を収容し、ユーザデータを送受信する。セル切り替え手順の一例として、ハンドオーバ動作が挙げられる。
オン状態になったオン・オフセルは定期的にトラヒック量要求を送信し、トラヒック量情報を通知するようソースセルに要求する。オン・オフセルは、トラヒック量要求に対応してソースセルからトラヒック量通知を受信する。オン・オフセルは、通知されたトラヒック量情報により状態をオフにすると判定した場合は、セル停止の承認要求をソースセルに送信する。オン・オフセルは、セル停止の承認要求に対応して、ソースセルからセル停止許可を受けると、セル切り替え手順を行い、オン・オフセル配下の移動無線端末をソースセルに受け渡す。ソースセルは、オン・オフセル配下の移動無線端末との通信を引き継ぎ、ユーザデータの送受信を開始する。オン・オフセルは、セル切り替え手順の後に、保持していた無線端末情報の解放又はオン・オフセルのオフの完了をソースセルに通知し、セルの状態をオフに遷移させる。
図15は、無線基地局が自律制御によってオン・オフセルのオフを行うシーケンス例を示す図である。同図に示すシーケンス例では、オン・オフセルが、自セルにおいて収集したトラヒック量に基づいてオンオフ判定を行う。オン・オフセルは、トラヒック量が十分に少ないため、状態をオフにすると判定した場合に、セル停止の承認要求をソースセルに送信する。
オン・オフセルは、セル停止の承認要求に対応して、ソースセルからセル停止許可を受信すると、セル切り替え手順を行い、オン・オフセル配下の移動無線端末をソースセルに受け渡す。ソースセルは、オン・オフセル配下の移動無線端末との通信を引き継ぎ、ユーザデータの送受信を開始する。セル切り替え手順の後に、オン・オフセルは、保持していた無線端末情報の解放又はオン・オフセルのオフの完了をソースセルに通知し、セルの状態をオフに遷移させる。
図15に示すこの方式は、図14と組み合わせて実施される場合もある。
図16は、無線基地局が外部の装置の制御部からオン・オフ命令を受け取り、オン・オフを切り替えるシーケンス例を示す図である。
外部の装置の制御部は、移動無線端末との間で送受するユーザデータのトラヒック量が多い場合に、全体のスループットを向上させるため、オン・オフセルを起動してオン状態にすると判断し、オン・オフセルにセル起動要求を送信する。制御部からセル起動要求を受信したオン・オフセルは、セル起動要求を確認した旨を示すセル起動応答を返信し、セルの状態をオンに切り替える。そして、オン・オフセルは、セル切り替え手順又はセル登録手順を行ってセル配下の移動無線端末を収容し、移動無線端末との間でユーザデータを送受信する。
その後、制御部が、オン・オフセルをオフにする必要があると判断した場合、セル停止要求をオン・オフセルに送信する。停止要求を受信したオン・オフセルは、セル停止応答の返送後、セル切り替え手順を行って配下の移動無線端末を解放し、セルの状態をオフに切り替える。移動無線端末は切り替え先のセルを介してユーザデータを送受信する。
このようなセルラーシステムにおいては、無線基地局とその上位の装置間の接続形態として、PON(Passive optical network)システム等の光アクセスシステムを利用することが可能である。
図17及び図18は、PONシステムの一例を示す図である。
図17に示すPONシステムは、C−RAN構成のセルラーシステムを収容している。C−RAN構成のセルラーシステムを収容したPONシステムでは、BBU810に接続される光装置はOLT(Optical Line Terminal、光加入者線終端装置)915であり、RRH820に接続される光装置はONU(Optical Network Unit、光加入者線ネットワーク装置)925である。OLT915−ONU925間は、光ファイバ710と光スプリッタ720により接続される。ONU925からOLT915の方向の信号は上り信号、OLT915からONU925の方向の信号は下り信号である。
一方、図18に示すPONシステムは、D−RAN構成のセルラーシステムを収容している。C−RAN構成のセルラーシステムを収容したPONシステムでは、上位装置840と接続される光装置はOLT945であり、無線基地局830と接続される光装置はONU935である。OLT945−ONU935間は、光ファイバ710と光スプリッタ720により接続される。ONU935からOLT945の方向の信号は上り信号、OLT945からONU935の方向の信号は下り信号である。
なお、図17及び図18においてONU#i(iは1以上n以下の整数)は、i番目のONUであることを示す。
図17及び図18に示す構成では、光スプリッタ720を用いることにより光ファイバ710を集約し、経済性を向上させている。PONの信号多重方法には、時間多重方式(TDM)、波長多重方式(WDM)、周波数多重方式(FDM)、光コード多重方式(OCDM)等の採用が可能である。
図19は、従来技術のPONシステムにおける上りリンクの帯域割当てのシーケンスを示す図である。同図におけるOLTは、図17におけるOLT915又は図18におけるOLT945であり、同図におけるONUは、図17におけるONU925又は図18におけるONU935である。
下り通信の場合、OLTは、上位装置から受信した複数の下位装置宛ての下りデータ(下り信号)を多重した信号をONUに送信し、ONUは、受信した信号から所望の下りデータを抽出して下位装置に送信する。下りデータには、下位装置に割当てられた上りリンクの帯域を示す帯域情報が付加される。
一方、上り通信の場合、下位装置からONUに上りデータ(上り信号)が到来すると、ONUは、ONU−OLT間で通信を行い、OLTから送信許可を受信する。すなわち、ONUは、OLTに上り信号の受信を通知(Report)し、OLTから送信許可(Gate)を受信した後に、バッファリングしていた上りデータをOLTに送信する。このONU−OLT間の通信を、上りリンクネゴシエーションと定義する。OLTは、ONUから受信した上り信号を、割当てられた帯域により上位装置に出力する。
一方、PONシステムには、光アクセスネットワークでの低消費電力性を高めるため、スリープ機能が付加されている。
図20は、スリープ機能を有するPONシステムの構成例を示す図である。
下りリンクに関して、OLT950は、上位装置から信号を受信した後に、バッファ部210にその信号を待機させる。OLT950は、バッファ部210から読み出された順に信号を下りフレーム処理部220に出力する。下りフレーム処理部220は、バッファ部210から出力された信号のフレームを、PONシステムで用いられるフレームに変換する。このとき、下りフレーム処理部220は、スリープ/起動制御部951からスリープ機能に関する制御情報を受け取り、制御信号としてフレームに挿入する。E/O変換部は230、上り信号を電気信号から光信号に変換した後に、光ファイバ500に送る。ONU960のO/E変換部310は、光ファイバ500により伝送された光信号を受信して電気信号に変換し、下りフレーム処理部320に出力する。下りフレーム処理部320は、O/E変換部310から受信した信号を、PONフレームから所望のフレームに変換し、下位装置に出力する。ここで、下りフレーム処理部320は、OLT950から送信されたスリープ機能に関する制御信号を電気信号から取得してスリープ/起動命令読取部961に出力する。スリープ/起動命令読取部961は、制御信号がスリープ命令である場合に休止部370に通知し、休止部370は、ONU960をスリープ状態に遷移させる。
上りリンクに関して、ONU960は、下位装置から信号を受信した後に、バッファ部330に信号を待機させ、バッファ部330から読み出された順に信号を上りフレーム処理部340に出力する。上りフレーム処理部340は、バッファ部330から出力された信号のフレームを、PONシステムで用いられるフレームに変換する。このとき、スリープ/起動命令読取部961は、OLT950からの制御信号を受信することにより行った処理内容についての応答を生成し、上りフレーム処理部340は、生成された応答をフレームに挿入する。E/O変換部350は、電気信号を光信号に変換した後に、光ファイバ500に送る。OLT950のO/E変換部240は、受信した光信号を電気信号に変換して上りフレーム処理部250に出力する。上りフレーム処理部250は、ONU960からの応答を受信した後に、その応答をスリープ/起動制御部951に出力して動作を完了する。
ONUのスリープ機能を実現する制御メッセージや状態遷移図は、ITU-T G.987.3(非特許文献3)で規定されている。非特許文献3には、OLTが各ONUにスリープを許可/禁止するためのSleep Allow(ON), Sleep Allow(OFF)、ONUがOLTに対してスリープ/起動を要求するSleep request(Sleep), Sleep request(Awake)等のメッセージが規定されている。OLTは、G.987.3に基づくPONスリープの制御に従って、ONUのスリープ状態を管理している。
図21は、図20に示すPONシステムにおいて、ONU960が起動状態からスリープ起動に遷移し、スリープ状態から起動状態に遷移するまでの手順を示すシーケンス図である。
OLT950は、ONU960が起動(オン)状態であるときには、ONU960に下りデータを送信する。OLT950は、ONU960の上り/下りフレームを検知しなかった場合、そのONU960にSleep Allow(ON)を送信する。ONU960は、Sleep Allow(ON)を受信すると、スリープ状態に遷移できると判断した場合、OLT950にSleep request(Sleep)を送信してからスリープ状態に入る。スリープは周期的なものである。ONU960は、上りトラヒックが発生するか、OLT950からSleep Allow(OFF)を受信した場合に、スリープ状態から起動状態に遷移する。
OLT950は、ONU960宛ての下りデータが発生した場合、バッファ部210に下りデータを記憶しておき、復帰周期の終了後にSleep Allow(OFF)をONU960に送信する。ONU960は、起動状態に遷移すると、OLT950にSleep Allow(OFF)を送信する。ONU960は、Sleep Allow(OFF)を受信すると、起動状態に遷移できると判断した場合、OLT950にSleep request(Awake)を送信する。OLT950は、Sleep request(Awake)を受信すると、下りデータをバッファ部210から読み出してONU960に伝送する。
セルラーシステムにおいても、無線端末でのバッテリーセービング技術として間欠受信やVOX(voice Operated Transmitter)制御機能が備わっており、低消費電力化に努めている。また、セルラーシステムと光アクセスシステムでの低消費電力化技術はそれぞれ独立に動作しているが、無線端末とPONシステムにて連携しスリープ機能を具備する技術は既に提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。移動無線端末を百台から数百台収容する無線基地局において、移動無線端末と連携し、光アクセスシステムの装置をスリープしたとしてもスリープ時間は短く十分な効果が得られる可能性は低いと考えられる。それと比較して、無線基地局と連携し、光アクセスシステムの装置をスリープさせた場合、十分なスリープ時間を確保することが可能となり、高い低消費電力性能を得ることができると考えられる。しかしながら、無線基地局でのオン・オフと光アクセスシステムのスリープ機能が連携したシステムは提案されておらず、それぞれ独立して動作している。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の実施形態による連携通信システムは、セルラーシステム(通信システム)における通信を、光アクセスシステム(伝送システム)が中継して光伝送する構成である。セルラーシステムの無線基地局は光アクセスシステムと接続されており、連携通信システムは、セルラーシステムにおける無線基地局のオン・オフの切り替え動作と、光アクセスシステムのスリープ制御とを連動させる。これにより、連携通信システムの通信遅延時間や消費電力の増加を防ぐ。
本発明の実施形態における光アクセスシステムの例として、PON(Passive optical network)システムが挙げられる。しかし、本発明の実施形態における光アクセスシステムは、PONシステムに限らない。スリープ制御等を行うための構成は他の伝送システムでも適用可能である。他の伝送システムの一例としては、光メディアコンバータが挙げられる。PONシステムにおける光装置は、例えば、OLT(Optical Line Terminal、光加入者線終端装置)、ONU(Optical Network Unit、光加入者線ネットワーク装置)である。
また、本発明の実施形態におけるセルラーシステムの構成として、D−RAN(Distributed Radio Access Network)構成と、C−RAN(Centralized Radio Access Network)構成との二つが考えられる。D−RAN構成は、いくつかの無線基地局が代表無線基地局に集約される集中型の構成である。C−RAN構成は、無線基地局が信号処理部(BBU: Baseband Unit)とアンテナ部(RRH: Remote Radio Head)に分割されており、一か所に集約されたBBUで複数のRRHを収容する分散型の構成である。本発明の実施形態は、両構成のセルラーシステムに適用可能である。
本発明の実施形態では、無線基地局のオン・オフの状態遷移情報を光アクセスシステムがセルラーシステムから受け取り、その情報を基に光アクセス装置の起動(オン)・スリープ(オフ)状態も遷移させる。これにより、光アクセスシステムを低消費電力化できる。無線基地局の状態遷移情報の取得方法として、セルラーシステムが光アクセスシステムへ状態遷移情報を伝送する場合と、セルラーシステムでやりとりされている情報を基に光アクセスシステムが推定する場合とが考えられる。以下に各実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
本実施形態の連携通信システムに用いられる光アクセスシステムはPONシステムであり、自律制御によりセルのオン・オフを切り替えるセルラーシステムを収容する。
図1は、本発明の第1の実施形態による連携通信システム100の構成を示すブロック図である。同図において、図20に示す従来技術のPONシステムと同一の部分には同一の符号を付している。連携通信システム100に収容されるセルラーシステムの構成はC−RANである。つまり、連携通信システム100は、無線基地局のBBU410(第二通信装置)とRRH420(第一通信装置)とが、光装置を介して光ファイバ500により接続された構成である。BBU410に接続される光装置はOLT200(第二伝送装置)であり、RRH420に接続される光装置はONU300(第一伝送装置)である。なお、同図においては、ONU300を一台のみ示しているが、複数台が備えられ得る。この場合、光スプリッタが、1本の光ファイバ500で伝送される光信号を複数に分配することにより、1台のOLT200と複数台のONU300とが接続される。
OLT200は、バッファ部210、下りフレーム処理部220、E/O変換部230、O/E変換部240、上りフレーム処理部250、セルオン・オフ情報取得部260(情報取得部)、及び、スリープ/起動制御部270(状態制御部)を備えて構成される。
バッファ部210は、BBU410から受信した下り信号を一時的に記憶した後に出力するバッファリングを行う。下りフレーム処理部220は、バッファ部210から出力された下り信号のフレームを、PONシステムで用いられるフレームに変換する。E/O変換部230は、下りフレーム処理部220がフレーム変換した下り信号を電気信号から光信号に変換し、光ファイバ500に出力する。
O/E変換部240は、光ファイバ500により伝送された光信号を受信して電気信号に変換し、上りフレーム処理部250に出力する。上りフレーム処理部250は、O/E変換部240により電気信号に変換された上り信号のフレームを、PONフレームから所望のフレームに変換し、BBU410に出力する。
セルオン・オフ情報取得部260は、BBU410からセルオン・オフ情報を受信し、スリープ/起動制御部270に出力する。セルオン・オフ情報は、セルの状態のオンまたはオフへの遷移を示す情報である。セルの状態がオンへ遷移するということは、RRH420(無線基地局)における移動無線端末との通信機能が起動(オン)状態へ遷移することを示す。また、セルの状態がオフへ遷移するということは、RRH420(無線基地局)における移動無線端末との通信機能の状態が停止(オフ)へ遷移することを表す。つまり、セルオン・オフ情報は、無線基地局が有する移動無線端末との通信機能の状態の遷移を表す状態遷移情報でもある。
スリープ/起動制御部270は、ONU300のスリープ及び起動を、予め決められたスケジュールに従って、例えば、周期的に制御することに加え、セルオン・オフ情報に基づいて制御する。そのため、スリープ/起動制御部270は、各ONU300がスリープ状態であるか起動状態であるかを管理している。スリープ/起動制御部270は、セルオン・オフ情報にセルのオン状態への遷移が設定されている場合、そのセルのRRH420(無線基地局)と接続されているONU300がスリープ状態であれば、起動するよう指示する。また、スリープ/起動制御部270は、セルオン・オフ情報にセルのオフ状態への遷移が設定されている場合、そのセルのRRH420(無線基地局)と接続されているONU300が起動状態であれば、スリープ状態に遷移するよう指示する。
ONU300は、O/E変換部310、下りフレーム処理部320、バッファ部330、上りフレーム処理部340、E/O変換部350、スリープ/起動命令読取部360、及び、休止部370を備えて構成される。
O/E変換部310は、光ファイバ500により伝送された光信号を受信して電気信号に変換し、下りフレーム処理部320に出力する。下りフレーム処理部320は、O/E変換部310により電気信号に変換された下り信号のフレームを、PONフレームから所望のフレームに変換し、RRH420に出力する。
バッファ部330は、RRH420から受信した上り信号を一時的に記憶してから出力するバッファリングを行う。上りフレーム処理部340は、バッファ部330から出力された上り信号のフレームを、PONシステムで用いられるフレームに変換する。E/O変換部350は、上りフレーム処理部340がフレーム変換した電気信号を光信号に変換した後に、光ファイバ500に出力する。
スリープ/起動命令読取部360は、下りフレーム処理部320がフレーム変換した下り信号からスリープ命令や起動命令など、ONU300のスリープ/起動状態に関する制御信号を取得する。休止部370は、スリープ/起動命令読取部360が起動命令を取得した場合にONU300を起動状態に遷移させ、スリープ命令を取得した場合にONU300をスリープ(休止)状態に遷移させる。
C−RAN構成では、セルの状態をオンにするかオフにするかを判定するオン・オフ判定部がBBU410に配置されていると考えられる。そのため、オン・オフ判定の決定に関する情報は、光アクセス区間では送受信されない。なお、オン・オフ判定をRRH420が行う場合は、後述する第2の実施形態と同様になる。以下では、オン・オフを行う対象のセルのRRH420を、オン・オフRRH420とも記載する。なお、セルをオンにするとは、RRH420(無線基地局)が有する移動無線端末との通信機能の状態を起動(オン)にすることであり、セルをオフにするとは、RRH420(無線基地局)が有する移動無線端末との通信機能の状態を停止(オフ)にすることである。
OLT200は、BBU410からセルオン・オフの情報を受信し、ONU300をスリープさせるか、あるいは、起動させるかのスリープ判定を行う。OLT200のスリープ/起動制御部270は、判定結果に基づく制御情報をONU300に送信し、ONU300のスリープ/起動命令読取部360はその制御情報を読み取る。ONU300の休止部370は、スリープ/起動命令読取部360が読み取った制御情報に従って、ONU300のスリープ/起動の状態遷移を行う。そして、制御情報に従ってONU300の状態に変更があった場合、スリープ/起動命令読取部360は、制御情報に対する応答を生成し、上り制御信号に付与してOLT200に送信する。
図2及び図3を用いて、連携通信システム100によるセルのオン・オフに関する動作を詳細に説明する。
セルをオンにする場合、BBU410は、セル起動要求を送信する。OLT200はそのセル起動要求を受信すると、ONU300を起動状態に遷移させるための命令を送信する。ONU300は、OLT200からの命令に従って起動した後に、OLT200からセル起動要求を受信してオン・オフRRH420に送信する。セル起動後は、従来の手法通りにセル切り替え手順又はセル登録手順を踏み、オン・オフRRH420の起動を完了する。
図2は、連携通信システム100がセルをオンにする場合のシーケンス図である。
オン・オフRRH420はオフであり、ONU300はスリープ状態であるが、周期的に起動する。BBU410は、ソースセルの無線基地局又はソースセルの通信を管理する外部装置(以下、「ソースセル」と記載する。)に、トラヒック量要求を送信し、トラヒック量情報の送信を要求する(ステップS105)。ソースセルは、BBU410が信号処理を行っている各セルのトラヒック量を示すトラヒック量情報を、トラヒック量通知によりBBU410に通知する(ステップS110)。トラヒック量情報はセルと、そのセルに収容されている移動無線端末との間でやりとりされるトラヒック量を示す。BBU410は、受信したトラヒック量情報に基づいて各セルの状態をオンにするかオフにするかのオンオフ判定を行う(ステップS115)。BBU410は、現在状態がオフであるオン・オフRRH420のセルをオンにすると判定した場合、そのセルの起動を承認するようソースセルに要求する(ステップS120)。ソースセルは、セルの起動を承認した場合、セル起動許可をBBU410に返送する(ステップS125)。BBU410は、セル起動許可を受信すると、オン・オフRRH420のセルの起動を要求するセル起動要求を、オン・オフRRH420宛の信号を送信する回線とは別の回線によりOLT200に送信する(ステップS130)。このセル起動要求は、セルオン・オフ情報に相当する。
OLT200のセルオン・オフ情報取得部260は、BBU410から受信したセル起動要求を、セルオン・オフ情報としてスリープ/起動制御部270に出力する。スリープ/起動制御部270は、受信したセルオン・オフ情報によりスリープ判定を行う(ステップS135)。すなわち、スリープ/起動制御部270は、セルオン・オフ情報として受信したセル起動要求によりオン・オフRRH420のセルの起動が要求されたことを認識すると、オン・オフRRH420に接続されるONU300がスリープ状態であるか起動状態であるかを判定する。スリープ/起動制御部270は、ONU300がスリープ状態であると判断した場合、下りフレーム処理部220にSleep Allow(OFF)を出力する。下りフレーム処理部220は、Sleep Allow(OFF)が設定された下り制御信号をE/O変換部230に出力し、ONU300に送信する(ステップS140)。
ONU300のスリープ/起動命令読取部360は、下りフレーム処理部320がフォーマット変換を行った下り制御信号からSleep Allow(OFF)を取得する。スリープ/起動命令読取部360は、Sleep Allow(OFF)を読取ると、起動状態に遷移できると判断した場合、上りフレーム処理部340にSleep request(Awake)を出力する。上りフレーム処理部340は、Sleep request(Awake)を設定した上り制御信号をE/O変換部350に出力し、OLT200に送信する(ステップS145)。
OLT200のスリープ/起動制御部270が、上りフレーム処理部250によりフォーマット変換された上り制御信号からSleep request(Awake)を取得すると、下りフレーム処理部220にセル起動要求を出力する。E/O変換部230は、下りフレーム処理部220がフォーマット変換を行ったセル起動要求をONU300に送信する(ステップS150)。
ONU300の下りフレーム処理部320は、OLT200から受信したセル起動要求のフォーマットを変換し、オン・オフRRH420に送信する(ステップS155)。オン・オフRRH420は、セル起動要求を受信するとセルを起動し、セル起動応答をONU300に送信する(ステップS160)。ONU300のバッファ部330は、受信したセル起動応答をバッファリングする。ONU300は、OLT200との間で上りリンクネゴシエーションを行う(ステップS165)。ONU300がOLT200から送信許可を受信すると、バッファ部330はセル起動応答を上りフレーム処理部340に出力する。E/O変換部350は、上りフレーム処理部340がフォーマット変換したセル起動応答をOLT200に送信する(ステップS170)。
OLT200の上りフレーム処理部250は、ONU300から受信したセル起動応答をBBU410に出力する(ステップS175)。BBU410は、受信したセル起動応答をソースセルに送信する(ステップS180)。ソースセルは、オン・オフRRH420との間で、従来技術と同様にセル切り替え手順又はセル登録手順を実行する(ステップS185)。これにより、オン・オフRRH420は、配下のセルの移動無線端末を収容し、BBU410は、オン・オフRRH420に収容された移動無線端末とユーザデータを送受信する(ステップS190)。
なお、ステップS130において、BBU410は、オン・オフRRH420宛にセル起動要求を送信してもよい。この場合、ステップS135において、OLT200のバッファ部210は、BBU410から受信したセル起動要求をバッファリングする。セルオン・オフ情報取得部260は、バッファ部210にバッファリングされたセル起動要求をセルオン・オフ情報として取得し、スリープ/起動制御部270に出力する。そして、ステップS145において、OLT200のスリープ/起動制御部270が上り制御信号からSleep request(Awake)を取得すると、ステップS150において、バッファ部210は、セル起動要求を下りフレーム処理部220に出力する。E/O変換部230は、下りフレーム処理部220がフォーマット変換を行ったセル起動要求をONU300に送信する。
図3は、連携通信システム100がセルをオフにする場合のシーケンス図である。
オン・オフRRH420のセルをオフ状態に遷移させるための制御の手順は、BBU410とソースセルのやり取りの結果、BBU410がセルをオフ状態に遷移させると判断した場合に開始される。ONU300とオン・オフRRH420は起動状態にあるため、セルの停止要求をオン・オフRRH420に送信する手順は従来通りの通信にて行われる。オン・オフRRH420は、BBU410が送信したセル停止要求を受信し、セル停止要求を確認したことをBBU410に返信する。そして、オン・オフRRH420は、ソースセルもしくは他の近隣セルとセル切り替え手順を行った後に無線端末情報を解放する。その後、BBU410は、セル停止が確定したことを知らせる情報をオン・オフRRH420に送信し、オフ状態にする。その際、オン・オフRRH420は停止したこと示す旨(セル停止応答)を返信する。BBU410は、オン・オフRRH420が停止中であることをOLT200に通知する。OLT200はその通知を基にONU300をスリープ状態に遷移させる。
例えば図2の動作の後、BBU410は、ソースセルにトラヒック量要求を送信し(ステップS205)、ソースセルは、トラヒック量通知をBBU410に返送する(ステップS210)。BBU410は、受信したトラヒック量情報に基づいてオンオフ判定を行う(ステップS215)。BBU410は、現在の状態がオンであるオン・オフRRH420のセルをオフにすると判定した場合、そのセルの停止を承認するようソースセルに要求する(ステップS220)。ソースセルは、セルの停止を承認すると、セル停止許可をBBU410に返送する(ステップS225)。BBU410は、セル停止許可を受信すると、オン・オフRRH420宛のセル停止要求をOLT200に送信する(ステップS230)。
OLT200は、BBU410から受信したセル停止要求をONU300に送信する(ステップS235)。ONU300は、受信したセル停止要求をオン・オフRRH420に送信する(ステップS240)。オン・オフRRH420は、セル停止要求を受信すると、セル停止応答をONU300に送信する(ステップS245)。ONU300は、OLT200との間で上りリンクネゴシエーションを行う(ステップS250)。ONU300は、OLT200から送信許可を受信すると、バッファリングしていたセル停止要求をOLT200に送信する(ステップS255)。
OLT200は、受信したセル停止応答をBBU410に送信し(ステップS260)、BBU410は、受信したセル停止応答をソースセルに送信する(ステップS265)。ソースセルは、オン・オフRRH420との間で、セル切り替え手順を実行する(ステップS270)。これにより、ソースセルは、オフとするセルの配下の移動無線端末を収容し、ソースセルは移動無線端末とユーザデータを送受信する(ステップS275)。
セル切り替え手順が完了し、ソースセルと移動無線端末との間でユーザデータの送受信が開始されると、BBU410は、無線端末情報解放通知をソースセルに送信し(ステップS280)、セル停止確定要求をOLT200に送信する(ステップS285)。OLT200は、受信したセル停止確定要求をONU300に送信し(ステップS290)、ONU300は受信したセル停止確定要求をオン・オフRRH420に送信する(ステップS295)。オン・オフRRH420は、セル停止確定要求を受信すると、セルの状態をオフにし、セル停止応答を返送する(ステップS300)。ONU300は、セル停止応答をバッファリングすると、OLT200との間で上りリンクネゴシエーションを行う(ステップS305)。ONU300は、OLT200から送信許可を受信すると、バッファリングしていたセル停止応答をOLT200に送信する(ステップS310)。OLT200は、受信したセル停止応答をBBU410に送信する(ステップS315)。
BBU410は、オン・オフRRH420のセルが停止中であることをOLT200に通知する(ステップS320)。OLT200のセルオン・オフ情報取得部260は、セル停止中の通知を受信すると、セルオン・オフ情報としてスリープ/起動制御部270に出力する。スリープ/起動制御部270は、セル停止中の通知によってオン・オフRRH420のセルがオフに遷移したことを認識すると、セルオン・オフRRH420に接続されているONU300がスリープ状態であるか起動状態であるかを判定するスリープ判定を行う(ステップS325)。スリープ/起動制御部270は、セルをオフにしたオン・オフRRH420に接続されているONU300が起動状態であると判定した場合、そのONU300宛のSleep Allow(ON)を、下りフレーム処理部220に出力する。下りフレーム処理部220は、Sleep Allow(ON)が設定された下り制御信号をE/O変換部230に出力し、ONU300に送信する(ステップS330)。
ONU300のスリープ/起動命令読取部360は、下りフレーム処理部320がフォーマット変換を行った下り制御信号からSleep Allow(ON)を読取ると、スリープ状態に遷移できると判断した場合、上りフレーム処理部340にSleep request(Sleep)を出力する。上りフレーム処理部340は、Sleep request(Sleep)を設定した上り制御信号をE/O変換部350に出力し、OLT200に送信する(ステップS335)。休止部370は、ONU300をスリープ状態に遷移させる。OLT200のセルオン・オフ情報取得部260は、下り制御信号からSleep Allow(Sleep)を読取るとスリープ/起動制御部270に出力する。
従来は、下りリンクにおいて、定期的にOLTからONUにオン命令を送信し起動していた。よって、オン命令が送信されるまではスリープ状態のために信号をバッファリングする必要があった。本実施形態においては、OLT200が、BBU410から送られるセル起動の情報を基にONU300に起動命令を送信するため、従来よりも低遅延で動作することができる。また、上りリンクについては、OLT200がBBU410からセル停止の通知を受け、ONU300にスリープ命令を送信するため、従来よりもONU300のスリープ時間を効率良く長期に渡って確保することが可能となる。これにより、低消費電力化が可能となる。
なお、シーケンスの手順を入れ替えることで、より低遅延な構成を取ることも可能である。例えば、図2及び図3に示すシーケンスでは、オン・オフRRH420からBBU410へのセル起動応答又はセル停止応答を伝送する際、上りリンクネゴシエーションを実行するため、遅延が発生する。そこで、上りリンクの帯域割当を予め行うことで、RRH420−BBU410間の遅延を減らすこともまた可能となる。例えば、BBU410からRRH420宛の信号を送信したとき、RRH420は定められた時間以内にBBU410へその信号に対する応答を返送する。応答の返送が既知であるため、ONU300に予め帯域を割り当てておけば、RRH420からの応答を低遅延にBBU410に送信することができる。
また、図2のシーケンスでは、ONU300は、Sleep Allow(OFF)を受信してSleep request(Awake)を返送し、セル起動要求を受信する。ここでONU300がSleep Allow(OFF)を受信した際、次にセル起動要求を受信することは予測できる。このためONU300が起動した際に、オン・オフRRH420にセル起動要求に対応する命令を自律的もしくはOLT200から命令を受け送信することで低遅延化を図ることも可能である。
RRH420とONU300の停止タイミングの同期もまた重要である。RRH420が半日や一日のように長時間に亘って停止状態に入るときには、その周期に合わせ無線基地局から信号を受信し、ONU300も同周期に亘って長時間スリープする機能が具備されることも考えられる。
また、図1に示すOLT200は、セルオン・オフ情報取得部260を備えているが、セルオン・オフ情報取得部260を外部の装置に配備し、そこからOLT200にオン・オフ情報を通知する構成を取ることも可能である。
なお、上述した説明及び図2及び図3に記載のシーケンス名は、実際にやりとりされている命名規則に準拠しているものではなく、簡易な名称として定義している。
また、本実施形態ではONU300のスリープ/起動の判定はOLT200にて管理されている。この場合以外にもONU300側自身がスリープ/起動判定を行うケースも考えられる。このケースは他の実施形態でも同様に適用可能である。
[第2の実施形態]
本実施形態の連携通信システムに用いられる光アクセスシステムはPONシステムであり、無線基地局が自律制御にスモールセルのオン・オフを切り替えるセルラーシステムを収容する。
図4は、本発明の第2の実施形態による連携通信システム101の構成を示すブロック図である。同図において、図1に示す第1の実施形態による連携通信システム100と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
連携通信システム101に適用されるセルラーシステムの構成はD−RANである。つまり、連携通信システム101は、上位装置430(第二通信装置)と無線基地局440(第一通信装置)とが、光装置を介して光ファイバ500で接続された構成である。上位装置430と接続される光装置はOLT201(第二伝送装置)であり、無線基地局440と接続される光装置はONU301(第一伝送装置)である。なお、同図においては、ONU301を一台のみ示しているが、複数台が備えられ得る。この場合、光スプリッタが、1本の光ファイバ500で伝送される光信号を複数に分配することにより、1台のOLT201と複数台のONU301とが接続される。
D−RAN構成ではセルのオン・オフ判定部が、無線基地局440に配置される場合がある。そのため、第1の実施形態とは異なりオン・オフ判定の決定に、光アクセス区間での情報のやりとりが行われる。
OLT201は、バッファ部210、下りフレーム処理部220、E/O変換部230、O/E変換部240、上りフレーム処理部250、セルオン・オフ情報取得部261(情報取得部)、及び、スリープ/起動制御部270を備えて構成される。セルオン・オフ情報取得部261は、上りフレーム処理部250がフレーム変換した上り信号から、ONU301より通知されたセルオン・オフ情報を取得し、スリープ/起動制御部270に出力する。スリープ/起動制御部270は、セルオン・オフ情報により、ONU301のスリープ/起動判定を行い、判定結果に基づく命令を生成して下りフレームに付加し、ONU301に送信する。
ONU301の構成は、第1の実施形態のONU300と同様である。
図5〜図7を用いて、連携通信システム101による無線基地局440のオン・オフに関する動作を詳細に説明する。以下では、オン・オフを行う対象の無線基地局440をオン・オフ無線基地局440とも記載する。
図5は、連携通信システム101が無線基地局440をオンにする場合のシーケンス図である。
オフ状態のオン・オフ無線基地局440がトラヒック量情報の確認のためソースセル宛てに送信したトラヒック量要求は、ONU301がスリープ状態であるため、一旦バッファリングされる。OLT201とONU301の間で、ONU301を起動するための通信が行われると、ONU301は、起動した後に、バッファリングしていたトラヒック量要求を送信する。このタイミングでONU301は起動状態にある。オン・オフ無線基地局440は、ソースセルからセル起動許可を受信した場合に、オン状態に遷移する。その後、連携通信システム101は、セル切り替え手順もしくはセル登録手順を行い、オン・オフ無線基地局440の起動を完了する。
オフ状態のオン・オフ無線基地局440は、トラヒック量情報の確認のためソースセル宛てのトラヒック量要求を送信する(ステップS405)。ONU301がスリープ状態であるため、バッファ部330は、受信したトラヒック量要求をバッファリングする。
一方、OLT201のスリープ/起動制御部270は、周期的にスリープ判定を行っている(ステップS410)。スリープ/起動制御部270は、ONU301を起動させるタイミングであり、かつ、ONU301がスリープ状態であると判断した場合、ONU301にSleep Allow(OFF)を送信する(ステップS415)。ONU301のスリープ/起動命令読取部360は、Sleep Allow(OFF)を受信すると、起動状態に遷移できると判断した場合、Sleep request(Awake)を返送する(ステップS420)。休止部370は、ONU301を起動状態に遷移させる。OLT201のセルオン・オフ情報取得部261は、上り制御信号からSleep request(Awake)を取得し、スリープ/起動制御部270に出力する。
ONU301は、バッファ部330にバッファリングしていたトラヒック量要求をOLT201に送信する(ステップS425)。OLT201は、受信したトラヒック量要求を上位装置430に送信し(ステップS430)、上位装置430は、受信したトラヒック量要求をソースセルに送信する(ステップS435)。ソースセルは、各セルのトラヒック量を示すトラヒック量情報を、トラヒック量通知により上位装置430に通知する(ステップS440)。トラヒック量通知は、上位装置430、OLT201、ONU301を介してオン・オフ無線基地局440に送信される(ステップS445〜ステップS455)。
オン・オフ無線基地局440は、受信したトラヒック量情報に基づいて配下のセルの状態をオンにするかオフにするかのオンオフ判定を行う(ステップS460)。オン・オフ無線基地局440は、セルをオンにすると判定すると、現在自局のセルがオフであるため、セルの起動を承認するよう要求するセル起動承認要求をソースセル宛てに送信する(ステップS465)。ONU301は、セル起動承認要求をバッファリングし、OLT201との間で上りリンクネゴシエーションを行う(ステップS470)。OLT201から送信許可を受信すると、ONU301は、バッファリングしていたセル起動要求をOLT201に送信する(ステップS475)。OLT201は、受信したセル起動承認要求を上位装置430に送信し(ステップS480)、上位装置430は、受信したセル起動承認要求をソースセルに送信する(ステップS485)。
ソースセルは、セルの起動を許可すると判断すると、セル起動許可を上位装置430に送信する(ステップS490)。セル起動許可は、上位装置430、OLT201、ONU301を介してオン・オフ無線基地局440に送信される(ステップS495〜ステップS505)。
連携通信システム101は、従来技術と同様に、セル切り替え手順もしくはセル登録手順を実行する(ステップS510)。これにより、オン・オフ無線基地局440は、配下のセルの移動無線端末を収容し、移動無線端末とユーザデータを送受信する(ステップS515)。
なお、OLT201のセルオン・オフ情報取得部261は、セル起動承認要求及びセル起動許可の受信により、オン・オフ無線基地局440のセルの状態がオンに遷移したことを認識し、スリープ/起動制御部270に通知してもよい。これにより、スリープ/起動制御部270は、ONU301が周期的なスリープ制御のためにスリープ状態に遷移していたときには、Sleep Allow(OFF)を送信してONU301を起動した後、セル起動許可を送信することもできる。
図6及び図7は、連携通信システム101の無線基地局オフの動作を示すシーケンス図である。
オン・オフ無線基地局440をオフ状態に遷移させる手順は、オン・オフ無線基地局440とソースセルのやり取りの結果、オン・オフ無線基地局440がセルをオフ状態に遷移させると判断した場合に開始される。ONU301とオン・オフ無線基地局440は起動状態にあるため、停止要求の手順は従来通りの通信にて行われる。オン・オフ無線基地局440は、セルの停止許可をソースセルから受信した場合に、セルの切り替え手順を行って、配下の移動無線端末をソースセルもしくは近隣のセルに受け渡した後に、無線端末情報の解放通知とセルオフの完了通知を送信し、オフ状態に遷移する。無線基地局440は、セルがオフ状態にある旨をONU301に通知し、ONU301はその情報をOLT201に送信する。OLT201はその情報を基にスリープ判定を行い、ONU301をスリープ状態に遷移させるシーケンスに移る。
例えば図5の動作の後、図6に示すように、オン・オフ無線基地局440は、ソースセル宛てのトラヒック量要求を送信する(ステップS605)。ONU301は、トラヒック量要求をバッファリングし、OLT201との間で上りリンクネゴシエーションを行う(ステップS610)。OLT201から送信許可を受信すると、ONU301は、バッファリングしていたトラヒック量要求をOLT201に送信する(ステップS615)。送信されたトラヒック量要求は、OLT201、上位装置430を介してソースセルに送信される(ステップS620〜ステップS625)。ソースセルは、各セルのトラヒック量を示すトラヒック量情報を、トラヒック量通知により上位装置430に送信する(ステップS630)。送信されたトラヒック量通知は、上位装置430、OLT201、ONU301を介してオン・オフ無線基地局440に送信される(ステップS635〜ステップS645)。
オン・オフ無線基地局440は、受信したトラヒック量情報に基づいて配下のセルのオンオフ判定を行う。オン・オフ無線基地局440は、セルをオフにすると判定すると、現在自局がオンであるため、セルの停止を承認するよう要求するセル停止承認要求をソースセル宛てに送信する(ステップS655)。ONU301は、セル停止承認要求をバッファリングし、OLT201との間で上りリンクネゴシエーションを行う(ステップS660)。OLT201から送信許可を受信すると、ONU301は、バッファリングしていたセル停止承認要求をOLT201に送信する(ステップS665)。送信されたセル停止承認要求は、OLT201、上位装置430を介してソースセルに送信される(ステップS670〜ステップS675)。
ソースセルは、セルの停止を許可すると判断すると、セル停止許可を上位装置430に送信する(ステップS680)。送信されたセル停止許可は、上位装置430、OLT201、ONU301を介してオン・オフ無線基地局440に送信される(ステップS685〜ステップS695)。
オン・オフ無線基地局440は、従来技術と同様に、ソースセルとの間でセル切り替え手順を実行する(ステップS700)。これにより、ソースセルは、オン・オフ無線基地局440の配下のセルの移動無線端末を収容し、移動無線端末とユーザデータを送受信する(ステップS705)。オン・オフ無線基地局440は、配下の移動無線端末の無線端末情報を解放する。
ソースセルがオン・オフ無線基地局440の配下のセルの移動無線端末の収容を完了すると、図7に示すように、オン・オフ無線基地局440は、ソースセル宛ての無線端末情報解放通知及びセルオフ完了通知を送信し、セルをオフにする(ステップS805)。ONU301は、無線端末情報解放通知及びセルオフ完了通知をバッファリングし、OLT201との間で上りリンクネゴシエーションを行う(ステップS810)。OLT201から送信許可を受信すると、ONU301は、バッファリングしていた無線端末情報解放通知及びセルオフ完了通知をOLT201に送信する(ステップS815)。OLT201の上りフレーム処理部250は、フレーム変換した無線端末情報解放通知及びセルオフ完了通知を上位装置430に送信するとともに(ステップS820)、セルオン・オフ情報取得部261にセルオフ完了通知を出力する。上位装置430は、受信した無線端末情報解放通知及びセルオフ完了通知をソースセルに送信する(ステップS825)。
OLT201のセルオン・オフ情報取得部261は、セルオフ完了通知の受信により、オン・オフ無線基地局440のセルの状態がオフに遷移したことを示すセルオン・オフ情報を取得し、スリープ/起動制御部270に出力する。スリープ/起動制御部270は、受信したセルオン・オフ情報によりスリープ判定を行う(ステップS830)。すなわち、スリープ/起動制御部270は、受信したセルオン・オフ情報によりオン・オフ無線基地局440のセルがオフになったことを認識すると、オン・オフ無線基地局440に接続されるONU301がスリープ状態であるか起動状態であるかを判定する。スリープ/起動制御部270は、ONU301が起動状態であると判定した場合、ONU301宛のSleep Allow(ON)を送信する(ステップS835)。ONU301のセルオン・オフ情報取得部261は、下り制御信号からSleep Allow(ON)を読取ると、Sleep request(Sleep)をOLT201に返送する(ステップS840)。休止部370は、ONU301をスリープ状態に遷移させる。OLT201のセルオン・オフ情報取得部261は、下り制御信号からSleep Allow(Sleep)を読取るとスリープ/起動制御部270に出力する。
上記シーケンスでは、無線基地局440が自局のセルのオン・オフ判定を行っている。そのため、ONUが無線基地局440からそのオンオフ判定結果を受信して、状態を制御することもできる。
図8は、本実施形態の連携通信システムの他の構成を示すブロック図である。同図に示す連携通信システム102において、図4に示す連携通信システム101と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。同図に示す連携通信システム102は、図4に示すOLT201及びONU301に代えて、OLT202及びONU302(第一伝送装置)を設けた構成である。
OLT202は、OLT201と同様の構成である。
ONU302は、図4に示すONU301に、セルオン・オフ情報取得部380(情報取得部)及びスリープ/起動制御部390(状態制御部)をさらに備えた構成である。セルオン・オフ情報取得部380は、無線基地局440からセルのオンオフ判定結果をセルオン・オフ情報として取得する。オンオフ判定結果は、セル起動承認要求、セル完了通知として通知される。スリープ/起動制御部390は、オンオフ判定結果と、ONU302の状態とが一致しない場合、ONU302の状態を遷移させる。つまり、スリープ/起動制御部390は、セル起動承認要求を受信した場合、ONU302がスリープ状態であるときには、休止部370に起動を指示する。また、スリープ/起動制御部390は、セル完了通知を受信した場合、ONU302が起動状態であるときには、休止部370に状態をスリープにするよう指示する。スリープ/起動制御部390は、ONU302の起動を指示したこと、あるいは、スリープ状態とするよう指示したことを示すスリープ/起動命令情報を生成し、上りフレーム処理部340に出力し、OLT202に送信する。スリープ/起動命令情報は、セル起動承認要求、セル停止承認要求として送信される。
例えば、ONU302が周期的にスリープ状態となる場合、オン・オフ無線基地局440からセル起動承認要求あるいはセル停止承認要求を受信したときにスリープ状態のことがある。このようなときに、ONU302は、OLT202からの指示を待たずに自装置を起動し、受信した信号をOLT202に通知することができる。
第1の実施形態と比較して第2の実施形態の構成では、スリープ時間は短くなる。しかしながら、長時間、半日といった周期でセルがオン・オフを繰り返す場合には本実施形態であっても十分な低消費電力性能が達成できる。
なお、上述した説明及び図5〜図7に記載のシーケンス名は、実際にやりとりされている命名規則に準拠しているものではなく、簡易な名称として定義している。
[第3の実施形態]
本実施形態は、図16のように、セルのオン・オフの状態を制御する装置が、外部の装置に設置された制御部からセルのオン・オフの切り替え命令を受信するPONシステムに適用される。C−RAN構成の場合、外部の装置の制御部はBBU410と同等とみなせるため、本実施形態の連携通信システムの構成は、図1に示す第1の実施形態の連携通信システムと同様の構成である。D−RAN構成の場合の連携通信システムの構成を図9に示す。
図9は、本実施形態による連携通信システム103の構成を示すブロック図である。同図において、図4に示す第2の実施形態の連携通信システム101と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。連携通信システム103は、N台の上位装置430を制御する外部装置の制御部450(第二通信装置)と、無線基地局440とが、光装置を介して光ファイバ500で接続された構成である。同図では、i番目の上位装置430を上位装置#iと記載している(iは1以上N以下の整数)。制御部450と接続される光装置はOLT203であり、無線基地局440と接続される光装置はONU303である。なお、外部装置は、無線基地局440のセルとその周辺のセルとをオーバレイしているマクロセルの無線基地局や、それらを集約している上位装置であってもよい。また、同図においては、ONU303を一台のみ示しているが、複数台が備えられ得る。この場合、光スプリッタが、1本の光ファイバ500で伝送される光信号を複数に分配することにより、1台のOLT203と複数台のONU303とが接続される。
OLT203と、図4に示すOLT201が異なる点は、セルオン・オフ情報取得部261に代えて、セルオン・オフ情報取得部262(情報取得部)を備える点である。セルオン・オフ情報取得部262は、外部の装置の制御部450からセルオン・オフ情報を取得し、スリープ/起動制御部270に出力する。
ONU303の構成は、第2の実施形態のONU301と同様である。
図10は、連携通信システム103が無線基地局440をオンにする場合の示すシーケンス図である。
OLT203が制御部450からオン・オフ無線基地局440のセルの起動要求を受信すると、スリープ/起動制御部270は、ONU303をオン状態に遷移させるための信号を出力する。ONU303は起動後、バッファ部330に記憶していたセルの起動要求をオン・オフ無線基地局440に送信する。オン・オフ無線基地局440はセルをオン状態とし、セルが起動した旨を制御部450に通知する。その後、セルの切り替え手順又は登録手順を行った後に、オン・オフ無線基地局440は、配下のセルの移動無線端末を収容する。
従来システムでは、下りリンクにおいて、定期的にOLTからONUに状態をオンにする命令を送信し起動していた。よって、オン命令が送信されるまではスリープ状態であるために信号をバッファリングする必要があった。本実施形態では、制御部450から送信された情報を基にOLT203が起動命令をONU303に送信するため、従来よりも低遅延で動作することができる。上りリンクでは、オン・オフ無線基地局440からセルの停止状態が通知されるため、従来よりもスリープ時間を効率良く長期に渡って確保することが可能となる。これにより、低消費電力化が可能となる。
外部装置の制御部450は、現在の状態がオフであるオン・オフ無線基地局440のセルをオンにすると判断した場合(ステップS905)、オン・オフRRH440のセルの起動を要求するセル起動要求を、オン・オフRRH440宛の信号を送信する回線とは別の回線によりOLT203に送信する(ステップS910)。OLT203のセルオン・オフ情報取得部262は、制御部450から受信したセル起動要求を、セルオン・オフ情報としてスリープ/起動制御部270に出力する。スリープ/起動制御部270は、受信したセルオン・オフ情報に、セル起動要求によりスリープ判定を行う(ステップS915)。すなわち、スリープ/起動制御部270は、セルオン・オフ情報として受信したセル起動要求によりオン・オフ無線基地局440のセルの起動が要求されたことを認識すると、オン・オフ無線基地局440に接続されるONU303がスリープ状態であるか起動状態であるかを判定する。スリープ/起動制御部270は、ONU303がスリープ状態であると判断した場合、ONU303にSleep Allow(OFF)を送信する(ステップS920)。ONU303のスリープ/起動命令読取部360は、Sleep Allow(OFF)を取得すると、Sleep request(Awake)をOLT203に送信する(ステップS925)。OLT203のスリープ/起動制御部270は、Sleep request(Awake)を取得すると、セル起動要求をONU303に送信する(ステップS930)。
ONU303は、受信したセル起動要求をオン・オフ無線基地局440に送信する(ステップS935)。オン・オフ無線基地局440は、セル起動要求を受信すると状態をオンにしてセルを起動し、セル起動応答をONU303に送信する(ステップS940)。ONU303は、受信したセル起動応答をバッファリングし、OLT203との間で上りリンクネゴシエーションを行う(ステップS945)。ONU303がOLT203から送信許可を受信すると、バッファリングしていたセル起動応答をOLT203に送信する(ステップS950)。OLT203は、受信したセル起動応答を制御部450に送信する(ステップS955)。
連携通信システム103は、従来技術と同様に、セル切り替え手順もしくはセル登録手順を実行する(ステップS960)。これにより、オン・オフ無線基地局440は、配下のセルの移動無線端末を収容し、移動無線端末はオン・オフ無線基地局440を介して上位装置#1とユーザデータを送受信する(ステップS965)。
なお、ステップS910において、制御部450は、セル起動要求をオン・オフRRH440宛に送信してもよい。この場合、ステップS915において、OLT203のバッファ部210は、制御部450から受信したセル起動要求をバッファリングする。セルオン・オフ情報取得部260は、バッファ部210にバッファリングされたセル起動要求をセルオン・オフ情報として取得し、スリープ/起動制御部270に出力する。そして、ステップS925において、OLT203のスリープ/起動制御部270がSleep request(Awake)を取得すると、ステップS930において、バッファ部210は、セル起動要求を下りフレーム処理部220に出力する。E/O変換部230は、下りフレーム処理部220がフォーマット変換を行ったセル起動要求をONU303に送信する。
図11は、連携通信システム103の無線基地局オフの動作を示すシーケンス図である。
オン・オフセルをオフ状態に遷移させる手順では、オン・オフ無線基地局440が制御部450からセルの停止要求を受信してセルの切り替え手順を行い、オン・オフ無線基地局440が収容している移動無線端末を他のセルに受け渡す。その後、オン・オフ無線基地局440は、無線端末情報を解放する旨とセルオフの完了通知を制御部に送信する。制御部450は、オン・オフセルが停止した旨をOLT203に通知し、OLT203は、ONU303をスリープ状態に遷移させる。
例えば、図10の処理の後、制御部450は、現在状態がオンであるオン・オフ無線基地局440のセルをオフにすると判定した場合(ステップS1005)、オン・オフ無線基地局440宛のセル停止要求をOLT203に送信する(ステップS1010)。
OLT203は、制御部450から受信したセル停止要求をONU303に送信し(ステップS1015)、ONU303は、受信したセル停止要求をオン・オフ無線基地局440に送信する(ステップS1020)。オン・オフ無線基地局440は、セル停止要求を受信すると、セル停止応答をONU303に返送する(ステップS1025)。ONU303は、OLT203との間で上りリンクネゴシエーションを行う(ステップS1030)。ONU303は、OLT203から送信許可を受信すると、バッファリングしていたセル停止要求をOLT203に送信する(ステップS1035)。OLT203は、受信したセル停止応答を、制御部450に送信する(ステップS1040)。
制御部450は、セル停止応答を受信すると、セル切り替え手順を実行する(ステップS1045)。これにより、上位装置#k(kは2以上N以下の整数)が制御する無線基地局の配下のセルが、オン・オフ無線基地局440の配下の移動無線端末を収容する。オン・オフ無線基地局440は、収容していた移動無線端末の無線端末情報を解放する。そして、オン・オフ無線基地局440は、制御部450宛ての無線端末情報解放通知及びセルオフ完了通知を送信し、セルをオフにする(ステップS1050)。
ONU303は、無線端末情報解放通知及びセルオフ完了通知をバッファリングし、OLT203との間で上りリンクネゴシエーションを行う(ステップS1055)。OLT203から送信許可を受信すると、ONU303は、バッファリングしていた無線端末情報解放通知及びセルオフ完了通知をOLT203に送信する(ステップS1060)。OLT203は、受信した無線端末情報解放通知及びセルオフ完了通知を制御部450に送信する(ステップS1065)。
制御部450は、オン・オフ無線基地局440のセルの状態が停止となったため、セル停止中をOLT203に通知する(ステップS1070)。OLT203のセルオン・オフ情報取得部260は、セル停止中の通知を受信すると、セルオン・オフ情報としてセルオン・オフ情報取得部262に出力する。スリープ/起動制御部270は、セル停止中の通知によってオン・オフ無線基地局440のセルの状態がオフへ遷移したことを認識すると、オン・オフ無線基地局440に接続されるONU303の状態がスリープであるか起動中であるかのスリープ判定を行う(ステップS1075)。スリープ/起動制御部270は、スリープ判定により起動中と判定した場合、ONU303にSleep Allow(ON)を送信する(ステップS1080)。ONU303のスリープ/起動命令読取部360は、Sleep Allow(ON)を取得すると、Sleep request(Sleep)をOLT203に送信する(ステップS1085)。休止部370は、ONU303をスリープ状態に遷移させる。
図10及び図11では、D−RAN構成の連携通信システム103を例に挙げてシーケンスを説明したが、セルのオン・オフに連携したONUのスリープ/起動に関する動作はC−RAN構成でも同様である。
なお、上述した説明及び図10及び図11に記載のシーケンス名は、実際にやりとりされている命名規則に準拠しているものではなく、簡易な名称として定義している。
[第4の実施形態]
第1の実施形態及び第2の実施形態においては、トラヒック量情報をBBU410又は上位装置430から受信している。しかしながら、自セルに移動無線端末が増加してきた際の情報を監視する等、セル配下のトラヒック量の増減より、オン・オフ状態の遷移を行う構成も考えられる。そこで、本実施形態では、図2、図3、図14、図15のトラヒック量要求を移動無線端末に送信し、移動無線端末はトラヒック量通知を送信する。
[第5の実施形態]
第1の実施形態から第4の実施形態では、光アクセスシステムがセルラーシステムからセルオン・オフ情報を取得している。第5の実施形態では、光アクセスシステムが下り信号又は上り信号を監視し、セルオン・オフ情報を取得する。以下では、上述した他の実施形態との差分を中心に説明する。
図12は、第5の実施形態による連携通信システム104の構成を示すブロック図である。連携通信システム104は、C−RAN構成である。同図において、図1に示す第1の実施形態の連携通信システム100と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。連携通信システム104が第1の実施形態の連携通信システム100と異なる点は、OLT200に代えてOLT204(第二伝送装置)を備える点である。
OLT204が図1に示すOLT200と異なる点は、セルオン・オフ情報取得部260に代えて、セルオン・オフ情報抽出部280(情報取得部)を備える点である。セルオン・オフ情報抽出部280は、BBU410がRRH420へ送信した信号からセルオン・オフ情報をスヌープする。具体的には、セルオン・オフ情報抽出部280は、BBU410がRRH420へ送信した所定の信号の所定の情報の設定内容に基づいてセルがオンであるかオフであるかの状態を判定し、判定結果に基づいてセルオン・オフ情報を生成する。セルオン・オフ情報抽出部280は、生成したセルオン・オフ情報をスリープ/起動制御部270に出力する。
本実施形態では、BBU410と光アクセスシステム間ではセルオン・オフ情報を送受しない。しかし、セルオン・オフ情報抽出部280が、BBU410が送信した情報をスヌープすることによりセルのオン・オフ状態を判断し、無線システムと光アクセスシステム間での連動動作を可能としている。スヌープする信号は、例えば制御信号である。制御信号が主信号に付加されている場合と、付加されていない場合のいずれであってもスヌープは可能である。
OLT204のセルオン・オフ情報の取得以外の動作は、第1の実施形態のOLT200と同様である。
D−RAN構成の場合は、図4又は図8に示すセルオン・オフ情報取得部260を、図12に示すOLT204が備えるセルオン・オフ情報抽出部280に置き換えた構成である。図4又は図8に示すセルオン・オフ情報取得部260をセルオン・オフ情報抽出部280に置き換えた場合も、取得又は出力する情報は、OLT204が備えるセルオン・オフ情報抽出部280と同じである。OLTがセルオン・オフ情報をスヌープすることにより、セルラーシステムと光アクセスシステム間での連動動作を可能としている。
なお、外部の装置がセルオン・オフ情報抽出部280備え、この装置がセルオン・オフ情報をOLTに通知する構成としてもよい。
従来のセルラーシステムと光アクセスシステムの起動、停止動作は独立して行われていたため、遅延時間の増加や低消費電力性の低さなどが課題であった。
上述した実施形態によれば、セルラーシステムの無線基地局におけるオン・オフ切り替え動作と、光アクセスシステムでのスリープ制御とを組み合わせて連動させる。組み合わせる手法は、セルラーシステムから切り替え情報を受信する場合と、信号をスヌープする場合がある。セルラーシステムの無線基地局におけるオン・オフ切り替え動作と、光アクセスシステムでのスリープ制御が連動しているため、タイミングのずれによるバッファ遅延が少なく、システム停止時間を延ばすことにより低消費電力化に貢献することが可能である。
上述した実施形態におけるOLT200、OLT201、OLT202、OLT203、OLT204、ONU300、ONU301、ONU302、ONU303、BBU410、RRH420、上位装置430、無線基地局440、外部装置の制御部450の機能の一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。