以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1には本第1実施形態に係る在宅状況判定システム10Aが示されている。在宅状況判定システム10Aは、個々の住居12に各々複数設置されたスマートメータ14と、在宅状況判定装置16と、在宅状況判定装置16が提供するサービスを利用する利用者によって操作される電子機器18と、を含み、これらはネットワーク20を介して互いに接続されている。なお、ネットワーク20としてはインターネットが好適であるが、これに限らず、専用回線で構築したネットワークであってもよく、ネットワーク20との接続形態も、有線、無線、有線と無線の混在、の何れであってもよい。
個々の住居12には互いに異なる供給設備を経由して複数種の資源が各々供給される。住居12に供給される複数種の資源としては、例えば、ガス、電気、水のうちの2種以上の資源が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、例えば将来的に水素などが上記の資源の1つに含まれる可能性もある。また、図示は省略するが、住居12には、供給された資源を消費する設備・機器が設けられている。
住居12に設置された複数のスマートメータ14は、上記の設備・機器が使用されることに伴う、互いに種類の異なる資源の消費量を検知し、検知した資源の消費量をネットワーク20経由で在宅状況判定装置16へ通知する。なお、詳細は後述するが、本実施形態に係るスマートメータ14は、検知対象の資源の消費量(積算消費量)を定期的に在宅状況判定装置16へ通知する以外に、検知対象の資源の消費量が予め設定された閾値以上変化した場合にも、検知対象の資源の消費量の変化量(消費変化量)を在宅状況判定装置16へ通知する。なお、個々の住居12に設置された複数のスマートメータ14は、本発明における検知部の一例である。
一方、在宅状況判定装置16は、受信部22、判定部24、基礎消費量取得部26及び記憶部28を含んでいる。なお、在宅状況判定装置16は本発明に係る在宅状況判定装置の一例である。受信部22は、個々の住居12に設置された複数のスマートメータ14から、個々の住居12における2種以上の資源の消費量を定期的に受信すると共に、何れかの住居12で何れかの資源の消費量が閾値以上変化した場合には、対応するスマートメータ14から消費変化量を受信する。
判定部24は、受信部22によって受信された個々の住居12の2種以上の資源の消費量の中に、2種以上の資源の消費量が所定時間以内に各々閾値以上変化する所定の変化パターンが現れたか否かに基づいて、対応する住居12における居住者の在宅状況を判定する。また、基礎消費量取得部26は、所定の時間帯(例えば夜間や明け方)にスマートメータ14で検知されて受信部22で受信された、何れかの住居12における何れかの資源の消費量を、前記住居12における前記資源の基礎消費量として記憶部28(の後述する基礎消費量テーブル34)に記憶させる。
記憶部28は、積算消費量テーブル30、基準変化パターンDB(Data Base)32、基礎消費量テーブル34及び在宅状況テーブル36を記憶している。積算消費量テーブル30は、各住居12の各種資源毎の積算消費量を記憶するテーブルであり、例として図3に示すように、各住居12の各種資源毎の積算消費量が、個々の住居12を識別するための住居ID及び資源の種類を識別するための資源IDと対応付けて各々登録される。
基準変化パターンDB32は、住居12に配置される可能性が有り、複数種の資源のうちの少なくとも1つを消費する各種の設備又は機器(但し、使用された際に2種以上の資源が消費される設備又は機器)について、個々の設備又は機器が使用されると2種以上の資源の消費量が所定時間以内に各々変化する変化パターンを表す基準変化パターンが、対応する設備又は機器を識別するための設備・機器IDと対応付けて各々記憶されている。基準変化パターンの一例を図6に示す。
図6(A)は、ガスファンヒータ又はガス乾燥機が使用された際の基準変化パターンを示す。図6(A)に示すように、ガスファンヒータ及びガス乾燥機は、ガスを燃焼させると共にモータを駆動するので、使用が開始されるとガス及び電気の消費量が同時に増加し、以後、使用が終了されるまでその状態が継続する。
図6(B)は、トイレが使用された際の基準変化パターンを示す。図6(B)に示すように、トイレが使用された際は、まずトイレに入室する際に照明のスイッチがオンされる(照明と連動して換気扇もオンされることも多い)ことで電気の消費量が増加し、その後、便器の洗浄のために水の消費量が増加している状態が一定時間継続する。
図6(C)は、洗濯機が使用された際の基準変化パターンを示す。図6(C)に示すように、洗濯機は、まず洗濯槽に水を貯めるために水の消費量が増加している状態が一定時間継続し、次に、洗濯工程でモータが駆動されることで電気の消費量が増加している状態が継続する。また、図6(C)には図示していないが、次のすすぎ工程では水及び電気の消費量が増加している状態が継続し、脱水工程では電気のみ消費量が増加している状態となる。
図6(D)は、給湯器が使用された際の基準変化パターンを示す。図6(D)に示すように、給湯器はガスを燃焼させて水を加熱するので、使用を開始するとガス及び水の消費量が同時に増加し、以後、使用が終了されるまでその状態が継続する。
図6(E)は、コンロが使用された際の基準変化パターンを示す。コンロは単体ではガスしか消費しないが、コンロを使用して湯を沸かす場合には、図6(E)に示すように、まずは薬罐や鍋に水を貯めるために水の消費量が増加している状態が一定時間継続し、その後、コンロでガスが燃焼されることでガスの消費量が増加している状態が継続する。
図6(A)〜(E)に例示したような基準変化パターンは、計測対象の設備又は機器の使用に伴って消費される2つ以上の資源の消費量の推移を計測・記録しながら、計測対象の設備又は機器を使用する標準的な操作を行う、という作業によって得ることができ、この作業を各種の設備・機器について各々行うことで、各種の設備・機器の基準変化パターンを各々得ることができる。基準変化パターンDB32を記憶する記憶部28は本発明における第1記憶部の一例である。
基礎消費量テーブル34は、各住居12の各種資源毎の定常的な消費量を表す基礎消費量を記憶するテーブルであり、例として図4に示すように、各住居12の各種資源毎の基礎消費量が、住居ID及び資源IDと対応付けて各々登録される。なお、通常はガス及び水は基礎消費量=0で、電気のみ基礎消費量>0であることが多い。電気を定常的に消費する設備・機器としては、例えば冷蔵庫等が挙げられる。基礎消費量テーブル34を記憶する記憶部28は本発明における第3記憶部の一例である。
なお、基準変化パターンは、例えば、設備又は機器の種類毎に、その種類の設備又は機器を代表する設備又は機器を用いて取得・記憶することができる。また、種類が同一であってもメーカ及び機種の少なくとも一方が異なる各設備又は機器について、基準変化パターンを各々取得・記憶するようにしてもよい。また、種類が同一の設備又は機器のうち、資源の消費パターンが他の設備又は機器と大きく相違している設備又は機器についてのみ、基準変化パターンを別個に取得・記憶するようにしてもよい。
また、在宅状況テーブル36は、各住居12に居住者が在宅している確率を表す在宅確度を記憶するテーブルである。本実施形態における在宅確度は、住居12に居住者が在宅している確率を1〜5の自然数によって5段階で表し、後述する在宅状況判定処理によって判定される。なお、上記の在宅確度に代えて、例えば、前記確率を4段階以下又は6段階以上で表す在宅確度を適用してもよいし、前記確率を百分率で表す在宅確率そのものを適用してもよく、上記の在宅確度は単なる一例である。在宅状況テーブル36は、例として図5に示すように、各住居12の在宅確度が住居IDと対応付けて各々登録される。
また、在宅状況判定装置16は、在宅状況テーブル36に登録された在宅確度を、利用者からの問い合わせに応じて通知するサービス(以下、在宅状況通知サービスという)を提供するサーバとしても機能する。在宅状況通知サービスの利用者は、電子機器18を介して在宅状況を確認したい住居12の住居IDを指定し、在宅状況の通知を要求する情報を電子機器18から在宅状況判定装置16へ送信させる。
在宅状況判定装置16は、上記情報を電子機器18から受信すると、受信した情報に含まれる住居IDをキーとして在宅状況テーブル36を検索し、対応する在宅確度を在宅状況テーブル36から読み出して電子機器18へ送信する。在宅確度が電子機器18で受信されて電子機器18の表示部に表示される等により、電子機器18を操作している利用者は、指定した住居IDに対応する住居12に居住者が在宅している確度を認識することができる。
なお、在宅状況通知サービスの利用者としては、例えば住居12へ荷物を配達する配達業者などが想定される。電子機器18は、スマートフォン等の携帯可能な電子機器が好適であるが、据置型の電子機器であってもよい。
図2には、在宅状況判定装置16として機能することが可能な管理サーバ40を示す。管理サーバ40は、CPU42、メモリ44、記憶部46、入力部48、表示部50、通信I/F(Interface)部52を備えている。CPU42、メモリ44、記憶部46、入力部48、表示部50及び通信I/F部52はバス54を介して互いに接続されている。入力部48はキーボード及びマウスを含む。また、通信I/F部52はネットワーク20に接続される。
記憶部46はHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等によって実現できる。記憶部46には在宅状況判定プログラム56が記憶されており、前述の積算消費量テーブル30、基準変化パターンDB32、基礎消費量テーブル34及び在宅状況テーブル36も記憶されている。CPU42は、在宅状況判定プログラム56を記憶部46から読み出してメモリ44に展開し、在宅状況判定プログラム56が有するプロセスを順次実行する。
在宅状況判定プログラム56は、受信プロセス58、判定プロセス60及び基礎消費量取得プロセス62を含んでいる。CPU42は、受信プロセス58を実行することで、受信部22として機能する。またCPU42は、判定プロセス60を実行することで判定部24として機能する。またCPU42は、基礎消費量取得プロセス62を実行することで基礎消費量取得部26として機能する。これにより、在宅状況判定プログラム56を実行した管理サーバ40が、在宅状況判定装置16として機能する。なお、在宅状況判定プログラム56は本発明に係る在宅状況判定プログラムの一例である。
次に本第1実施形態の作用として、まず図7を参照し、スマートメータ14で実行される資源消費量通知処理について説明する。なお、スマートメータ14は、消費量を検知する資源(検知対象の資源)の種類が相違している場合、消費量検知の原理は異なるものの、個々のスマートメータ14で実行される資源消費量通知処理は同じである。
資源消費量通知処理のステップ80において、スマートメータ14は、検知対象の資源の消費量を前回検知してから所定時間が経過したか否か判定する。なお、ステップ80における所定時間は、資源の消費量の検知周期に相当する。ステップ80の判定が否定された場合はステップ80を繰り返す。消費量の検知タイミングが到来すると、ステップ80の判定が肯定されてステップ82へ移行する。
ステップ82において、スマートメータ14は、検知対象の資源の消費量の瞬時値を検知し、検知した消費量の瞬時値をメモリ(例えばメモリ44)に記憶させる。次のステップ84において、スマートメータ14は、資源の積算消費量を在宅状況判定装置16へ通知するタイミングが到来したか否か判定する。ステップ84の判定が否定された場合はステップ90へ移行し、ステップ90において、スマートメータ14は、資源の消費量を前回検知してからの消費量の変化量を演算し、演算した消費変化量が閾値以上になったか否か判定する。
なお、ステップ90における閾値は、検知誤差等に起因して消費量が若干変動した程度ではステップ90の判定が肯定されない一方で、検知対象の資源の消費量が、検知対象の資源を消費する設備又は機器の使用が開始或いは終了されたと判断できる程度に変化した場合は、ステップ90の判定が肯定される値に設定されており、予め資源の種類毎に別個に設定されている。
ステップ90の判定も否定された場合はステップ80に戻る。従って、スマートメータ14は、資源の積算消費量を在宅状況判定装置16へ通知するタイミングが到来しておらず、資源の消費変化量も閾値未満に収まっている間は、資源の消費量を所定時間毎に検知する処理を繰り返す。
また、資源の積算消費量を在宅状況判定装置16へ通知するタイミングが到来すると、ステップ84の判定が肯定されてステップ86へ移行する。ステップ86において、スマートメータ14は、資源の積算消費量を在宅状況判定装置16へ前回通知してからメモリに記憶させた消費量を全て合算することで、資源の積算消費量を前回通知してからの資源の積算消費量を演算する。
そして、次のステップ88において、スマートメータ14は、ステップ86で演算した積算消費量と、ステップ82で検知した消費量の瞬時値を、自機が設置されている住居12の住居ID、自機が消費量を検知している資源の資源ID、及び、検知時刻(現在の時刻)と共に在宅状況判定装置16へ通知する。
また、資源の消費量を前回検知してからの消費変化量が閾値以上になった場合には、ステップ90の判定が肯定されてステップ92へ移行する。ステップ92において、スマートメータ14は、閾値以上になった消費変化量と、ステップ82で検知した消費量の瞬時値を、自機が設置されている住居12の住居ID、及び、自機が消費量を検知している資源の資源IDと共に在宅状況判定装置16へ通知する。
なお、上述した資源消費量通知処理では、資源の消費量の変化が閾値以上となった場合に、スマートメータ14が、消費変化量及び消費量の瞬時値を在宅状況判定装置16へ通知しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、スマートメータ14は、積算消費量及び消費量の瞬時値の在宅状況判定装置16への定期的な通知のみを行い、在宅状況判定装置16が消費量の瞬時値から消費変化量を算出する構成を採用することも可能である。
但し、在宅状況判定装置16が消費量の瞬時値から消費変化量を算出するためには、少なくとも消費量の瞬時値については、スマートメータ14から在宅状況判定装置16へより高い頻度に通知する必要があり、通信負荷の増大や、在宅状況判定装置16の処理負荷の増大を招く可能性がある。このため、本実施形態のように、検知対象の資源の消費量の変化が閾値以上となった場合に、スマートメータ14から在宅状況判定装置16へ少なくとも消費変化量を通知することが好ましい。
続いて、在宅状況判定装置16で実行される在宅状況判定処理1について、図8を参照して説明する。在宅状況判定処理1のステップ100において、在宅状況判定装置16の判定部24は、各住居12毎に無変化監視タイマをスタートさせる。なお、無変化監視タイマは、個々の住居12において、各資源の消費変化量が閾値未満の状態が継続している時間が、個々の住居12の居住者が不在の可能性が高いと判断できる所定時間に達したか否かを判定するためのタイマであり、無変化監視タイマのタイマ値としては上記の所定時間が設定されている。
次のステップ102において、在宅状況判定装置16の受信部22は、何れかの住居12の何れかのスマートメータ14から積算消費量が通知されたか否か判定する。ステップ102の判定が否定された場合はステップ104へ移行し、ステップ104において、在宅状況判定装置16の受信部22は、何れかの住居12の何れかのスマートメータ14から消費変化量が通知されたか否か判定する。ステップ104の判定も否定された場合はステップ106へ移行し、ステップ106において、在宅状況判定装置16は、何れかの電子機器18から在宅状況の問い合わせを受信したか否か判定する。ステップ106の判定も否定された場合はステップ102に戻り、ステップ102〜ステップ106の何れかの判定が肯定される迄、ステップ102〜ステップ106を繰り返す。
何れかの住居12の何れかのスマートメータ14から在宅状況判定装置16へ積算消費量が通知されると、ステップ102の判定が肯定されてステップ108へ移行し、ステップ108において、在宅状況判定装置16の受信部22は、スマートメータ14から通知された積算消費量、消費量の瞬時値、住居ID、資源ID及び検知時刻の各情報を受信し、受信した各情報をメモリ(例えばメモリ44)に記憶させる。
次のステップ110において、在宅状況判定装置16の判定部24は、スマートメータ14から受信した住居ID及び資源IDをキーにして積算消費量テーブル30を検索し、受信した住居ID及び資源IDと対応付けて記憶されている積算消費量を積算消費量テーブル30から読み出す。ステップ112において、在宅状況判定装置16の判定部24は、ステップ110で読み出した積算消費量に、スマートメータ14から受信した積算消費量を加算し、加算後の積算消費量を積算消費量テーブル30へ書き戻すことで、積算消費量テーブル30に記憶されている積算消費量を更新する。
次のステップ114において、在宅状況判定装置16の基礎消費量取得部26は、スマートメータ14から受信した検知時刻が、基礎消費量の学習を行う時間帯として予め設定された時間帯か否か判定する。基礎消費量の学習を行う時間帯としては、例えば夜間又は明け方に相当する時間帯が設定される。ステップ114の判定が否定された場合はステップ102に戻る。
一方、ステップ114の判定が肯定された場合はステップ116へ移行する。ステップ116において、在宅状況判定装置16の基礎消費量取得部26は、スマートメータ14から受信した住居ID及び資源IDをキーにして基礎消費量テーブル34を検索し、受信した住居ID・資源IDと対応付けて記憶されている基礎消費量を基礎消費量テーブル34から読み出す。次のステップ118において、在宅状況判定装置16の基礎消費量取得部26は、ステップ116で読み出した基礎消費量を、スマートメータ14から受信した消費量の瞬時値に基づいて更新し、更新後の基礎消費量を基礎消費量テーブル34へ書き戻す。
なお、ステップ118における基礎消費量の更新は、具体的には、例えば、読み出された基礎消費量を受信した消費量の瞬時値で置き換えることで行ってもよいし、読み出された基礎消費量と受信した消費量の瞬時値との重み付き平均値を演算することで行ってもよいし、過去N回(N>1)の消費量の瞬時値の平均値(移動平均値)を演算することで行ってもよい。ステップ118の処理を行うとステップ102に戻る。
このように、在宅状況判定装置16は、何れかの住居12の何れかのスマートメータ14から積算消費量が通知される度に、積算消費量テーブル30に記憶された対応する積算消費量を更新し、検知時刻が基礎消費量の学習を行う時間帯であれば、更に基礎消費量テーブル34に記憶された対応する基礎消費量を更新(学習)する。これにより、何れかの住居12で資源を定常的に消費する設備又は機器が追加された場合にも、これに応じて基礎消費量テーブル34に記憶された基礎消費量が更新される。なお、積算消費量テーブル30に記憶された各住居12の各資源毎の積算消費量は、例えば、一定期間毎に読み出され、資源の積算消費量に応じた課金等の処理に用いられる。
また、何れかの住居12の何れかのスマートメータ14から在宅状況判定装置16へ消費変化量が通知されると、ステップ104の判定が肯定されてステップ120へ移行し、ステップ120において、在宅状況判定装置16の受信部22は、スマートメータ14から通知された消費変化量、消費量の瞬時値、住居ID及び資源IDの各情報を受信し、受信した各情報をメモリ(例えばメモリ44)に記憶させる。
また、ステップ104の判定が肯定された場合は、スマートメータ14から受信した住居IDの住居12において、何れかの資源の消費量の変化が閾値以上になったと判断できる。このため、次のステップ122において、在宅状況判定装置16の判定部24は、スマートメータ14から受信した住居IDの住居12に対応する無変化監視タイマのタイマ値をリセットし、前記住居12に対応する無変化監視タイマを再スタートさせる。
このように、在宅状況判定装置16は、何れかの住居12の何れかのスマートメータ14から在宅状況判定装置16へ消費変化量が通知される度に、前記住居12の無監視タイマのタイマ値をリセットして再スタートさせる。これにより、或る住居12において、各資源の消費変化量が閾値未満の状態が継続している時間が、居住者が不在の可能性が高いと判断できる所定時間に達した場合に、前記住居12に対応する無変化監視タイマがタイムアウトすることになる。
次のステップ124において、在宅状況判定装置16の判定部24は、スマートメータ14から住居IDを受信した住居12について変化監視タイマがスタート済か否か判定する。なお、変化監視タイマは、個々の住居12において、最初に何れかの資源の消費変化量が閾値以上になってからの経過時間が、基準変化パターンが表す変化パターンの時間長さ(所定時間)に達したか否かを判定するためのタイマであり、変化監視タイマのタイマ値としては上記の所定時間(無変化監視タイマのタイマ値よりも十分小さい値)が設定されている。
ステップ124の判定が否定された場合はステップ126へ移行し、ステップ126において、在宅状況判定装置16の判定部24は、スマートメータ14から住居IDを受信した住居12について変化監視タイマをスタートさせ、ステップ102に戻る。また、ステップ124の判定が肯定された場合は、スマートメータ14から住居IDを受信した住居12について、何れかの資源の消費変化量が閾値以上になってからの経過時間が既に計測中であるので、ステップ126をスキップしてステップ102に戻る。
また、在宅状況判定装置16が、何れかの電子機器18から在宅状況の問い合わせを受信した場合には、ステップ106の判定が肯定されてステップ128へ移行する。ステップ128において、在宅状況判定装置16は、在宅状況問い合わせ元の電子機器18から受信した住居IDをキーにして在宅状況テーブル36を検索し、受信した住居IDと対応付けて記憶されている在宅確度を在宅状況テーブル36から読み出す。なお、ステップ128を行う前に、例えばユーザIDとパスワード等の認証情報を入力させる等により、電子機器18を操作している利用者が、在宅状況通知サービスの正規の利用者か否かを確認するようにしてもよい。
次のステップ130において、在宅状況判定装置16は、ステップ128で読み出した在宅確度を在宅状況問い合わせ元の電子機器18へ送信し、ステップ102に戻る。これにより、在宅状況問い合わせ元の電子機器18で在宅確度が受信され、当該電子機器18の表示部に在宅確度が表示される等により、電子機器18を操作している利用者が、在宅状況を問い合わせた住居12に居住者が在宅している確度を認識することができる。
次に、変化監視タイマがタイムアウトした場合に在宅状況判定装置16で実行される在宅状況判定処理2について、図9を参照して説明する。在宅状況判定処理2のステップ140において、在宅状況判定装置16の判定部24は、タイムアウトした変化監視タイマに対応する住居12の住居IDを認識し、認識した住居IDと対応付けてメモリに消費変化量が記憶されている資源の種類の数X、すなわち認識した住居IDの住居12で所定時間以内に消費変化量が閾値以上となった資源の数Xを計数する。
次のステップ142において、在宅状況判定装置16の判定部24は、ステップ140で計数した資源の数Xに応じて分岐する。資源の数X=1の場合は、タイムアウトした変化監視タイマに対応する住居12では、所定時間前に或る資源の消費変化量が閾値以上となって以降、消費変化量が閾値以上となった他の資源は存在していない場合であるので、当該住居12における居住者の在宅状況を判断する材料に乏しいと判断できる。このため、資源の数X=1の場合は、在宅状況テーブル36に記憶された対応する在宅確度を変更することなく、認識した住居IDと対応付けてメモリに記憶されている消費変化量を消去して在宅状況判定処理2を終了する。
また、資源の数X=3の場合は、タイムアウトした変化監視タイマに対応する住居12では、所定時間前に或る資源の消費変化量が閾値以上となった後、残り2つの資源についても消費変化量が閾値以上となった場合であるので、当該住居12には居住者が在宅している可能性が極めて高いと判断できる。このため、資源の数X=3の場合はステップ142からステップ144へ移行する。ステップ144において、在宅状況判定装置16の判定部24は、認識した住居IDをキーにして在宅状況テーブル36を検索し、認識した住居IDと対応付けて記憶されている在宅確度を、居住者が在宅している可能性が極めて高いことを表す値「5」へ変更する。そして、ステップ144の処理を行うと、認識した住居IDと対応付けてメモリに記憶されている消費変化量を消去して在宅状況判定処理2を終了する。
また、資源の数X=2の場合は、タイムアウトした変化監視タイマに対応する住居12では、所定時間前に或る資源の消費変化量が閾値以上となった後、残り2つの資源のうちの一方について消費変化量が閾値以上となった場合であるので、当該住居12には居住者が在宅している可能性が高いものの、居住者の不在中に偶然に生じた消費量の変化である可能性も排除できない。具体的には、例えば、或る住居12に設置された冷蔵庫のサーモスタットのオンオフの変化と、同じ住居12に設置されガスを消費する設備又は機器の運転状態の変化(一例としては、ガス床暖房の設備がタイマで起動された等)と、が所定時間以内に各々生じた場合にも、資源の数X=2となる。
このため、本実施形態では、資源の数X=2の場合にステップ142〜ステップ146へ移行し、ステップ146以降で、所定時間以内に消費変化量が閾値以上となった2種の資源の消費量の変化のパターンを、基準変化パターンDB32に記憶されている基準変化パターンと照合することで、タイムアウトした変化監視タイマに対応する住居12に居住者が在宅している確度を判定する。
すなわち、まずステップ146において、在宅状況判定装置16の判定部24は、在宅確度判定対象の住居12の住居ID及び在宅確度判定対象の住居12で所定時間以内に消費変化量が閾値以上となった2種の資源の資源IDをキーにして基礎消費量テーブル34を各々検索し、在宅確度判定対象の住居12における2種の資源の基礎消費量を基礎消費量テーブル34から各々読み出す。
また、ステップ148において、在宅状況判定装置16の判定部24は、在宅確度判定対象の住居12の住居IDと対応付けてメモリに記憶されている2種の資源の消費量の瞬時値から、ステップ146で各々読み出した基礎消費量を減算することで、2種の資源の消費量の瞬時値を各々補正する。一例として、メモリに記憶されている2種の資源の消費変化量と補正前の消費量の瞬時値から定まる2種の資源の消費量の変化パターンが、図11(A)に示すように、ガス及び電気の消費量の変化が同時に発生し、かつ電気については、消費量の変化が発生する以前から基礎消費量分の消費があったものとする。ここで、消費量の瞬時値に対してステップ146の補正を行うと、2種の資源の消費変化量と補正後の消費量の瞬時値から定まる2種の資源の消費量の変化パターンは、図11(B)に示すように、電気については基礎消費量分の消費が差し引かれ、2種の資源について消費変化量が閾値以上となった消費量の変化を抜き出した変化パターンとなる。
次のステップ150において、在宅状況判定装置16の判定部24は、個々の基準変化パターンを識別するための変数iに1を設定する。ステップ152において、在宅状況判定装置16の判定部24は、基準変化パターンDB32から、所定時間以内に消費変化量が閾値以上となった2種の資源の消費量の変化パターンを規定する基準パターン(例えば2種の資源がガスと電気であれば、ガスと電気の消費量の変化パターンを規定する基準変化パターン:図6の例では図6(A)に示す基準変化パターン)のうち、最初の基準変化パターンiを読み出す。
そして、ステップ154において、在宅状況判定装置16の判定部24は、消費変化量と補正後の消費量の瞬時値で定まる所定時間以内の2種の資源の消費量の変化パターン(例えば図11(B)に示すような変化パターン)を、基準変化パターンDB32から読み出した基準変化パターンiと照合し、一致度Mを演算する。2種の資源の消費量の変化パターンと基準変化パターンiとの照合・一致度Mの演算は、例えば以下のようにして行うことができる。
まず、2種の資源の消費量の変化パターンと基準変化パターンiとを時間軸に沿って相対移動させ、2種の資源の消費量の変化パターンにおいて最初に消費変化量が閾値以上になっている位置を、基準変化パターンiにおいて最初に消費変化量が変化している位置に合わせる。次に時間軸に沿って演算位置を変化させながら、次に2種の資源の各々について、消費量の変化パターンと基準変化パターンiとの差分を積算していく。そして、2種の資源について各々算出された差分積算値の和の逆数を一致度Mとする。これにより、2種の資源の消費量の変化パターンが基準変化パターンiに近いパターンになるに従って値が増加する一致度Mが得られる。なお、上述した一致度Mの演算は単なる一例であり、他の評価値を用いてもよい。
次のステップ156において、在宅状況判定装置16の判定部24は、変数iが、所定時間以内に消費変化量が閾値以上となった2種の資源の基準変化パターンの総数imaxに達したか否か判定する。ステップ156の判定が否定された場合はステップ158へ移行し、ステップ158において、在宅状況判定装置16の判定部24は、変数iを1だけインクリメントする。
ステップ158の処理を行うとステップ152に戻り、ステップ156の判定が肯定される迄、ステップ152〜ステップ158を繰り返す。これにより、消費変化量が閾値以上となった2種の資源の消費量の変化パターンを規定するimax個の基準変化パターンについて、一致度Mが各々演算される。
ステップ156の判定が肯定されるとステップ160へ移行し、ステップ160において、在宅状況判定装置16の判定部24は、imax個の基準変化パターンについて各々演算した一致度Mの中から最大値Mmaxを抽出する。また、ステップ162において、在宅状況判定装置16の判定部24は、ステップ160で抽出した最大値Mmaxが予め設定された一致度Mの閾値よりも大きいか否か判定する。
ステップ162の判定が肯定された場合、在宅確度判定対象の住居12では、一致度Mの最大値Mmaxが得られた基準変化パターンに対応する設備又は機器が使用された可能性が高いと判断できる。このため、ステップ162の判定が肯定された場合はステップ164へ移行し、ステップ164において、在宅状況判定装置16の判定部24は、在宅確度判定対象の住居12の住居IDをキーにして在宅状況テーブル36を検索し、前記住居IDと対応付けて記憶された在宅確度を在宅状況テーブル36から読み出す。
次のステップ166において、在宅状況判定装置16の判定部24は、ステップ164で読み出した在宅確度を1だけインクリメントする。但し、在宅確度の最大値は5であるので、読み出した在宅確度が既に5になっている場合は在宅確度のインクリメントは行わない。また、ステップ168において、在宅状況判定装置16の判定部24は、ステップ166で更新した在宅確度を在宅状況テーブル36に書き戻すことで、在宅状況テーブル36に記憶された対応する在宅確度を更新する。そして、ステップ168の処理を行うと、在宅確度判定対象の住居12の住居IDと対応付けてメモリに記憶されている消費変化量を消去し、在宅状況判定処理2を終了する。
なお、ステップ162の判定が否定された場合、今回の2種の資源の消費量の変化パターンは、一致度Mが閾値以上となる基準変化パターンが存在していないので、偶然に生じた消費量の変化である可能性が高いと判断できる。このため、ステップ162の判定が否定された場合は、在宅確度判定対象の住居12の住居IDと対応付けてメモリに記憶されている消費変化量を消去し、対応する在宅確度を更新することなく在宅状況判定処理2を終了する。
次に、無変化監視タイマがタイムアウトした場合に在宅状況判定装置16で実行される在宅状況判定処理3について、図10を参照して説明する。在宅状況判定処理3のステップ180において、在宅状況判定装置16の判定部24は、タイムアウトした無変化監視タイマに対応する住居12の住居IDをキーにして在宅状況テーブル36を検索し、前記住居IDと対応付けて記憶された在宅確度を在宅状況テーブル36から読み出す。
先にも述べたように、無変化監視タイマは、或る住居12で各資源の消費変化量が閾値未満の状態が継続している時間が、前記住居12の居住者が不在の可能性が高いと判断できる所定時間に達した場合にタイムアウトするので、タイムアウトした無変化監視タイマに対応する住居12は、居住者が不在である可能性が高い。このため、次のステップ182において、在宅状況判定装置16の判定部24は、ステップ180で読み出した在宅確度を1だけデクリメントする。但し、在宅確度の最小値は1であるので、読み出した在宅確度が既に1になっている場合は在宅確度のデクリメントは行わない。また、ステップ184において、在宅状況判定装置16の判定部24は、ステップ182で更新した在宅確度を在宅状況テーブル36に書き戻すことで、在宅状況テーブル36に記憶された対応する在宅確度を更新する。
そして、次のステップ186において、在宅状況判定装置16の判定部24は、今回タイムアウトした無変化監視タイマに対応する住居12について、無変化監視タイマを再スタートさせ、在宅状況判定処理3を終了する。従って、或る住居12で各資源の消費変化量が閾値未満の状態が継続している場合、当該状態の継続時間が無変化監視タイマのタイマ値のN倍の時間に達する度に、在宅確度が1になるまで在宅確度のデクリメントが繰り返されることになる。
このように、本第1実施形態では、住居12において所定時間以内に2種以上の資源の消費変化量が各々閾値以上になった変化パターンに基づいて、住居12の居住者の在宅状況を判定するので、機器毎や部屋毎の資源消費量の検知が不要で、居住者の在宅状況をより短時間で判定することができる。そして、居住者の在宅状況をより短時間で判定できることで、居住者の在宅状況をリアルタイム、またはそれに近い頻度で判定できる。
また、本第1実施形態では、資源を消費する設備又は機器が使用されると所定時間以内に2種以上の資源の消費量が各々変化する変化パターンを、複数種の設備又は機器について基準変化パターンとして基準変化パターンDB32に記憶しておき、住居12において所定時間以内に2種以上の資源の消費変化量が各々閾値以上になった変化パターンを基準変化パターンと照合し、一致度Mの演算結果に基づいて住居12の居住者の在宅状況を判定するので、例えば、住居12に設けられる可能性のある設備又は機器が新たに出現した場合にも、対応する基準変化パターンを基準変化パターンDB32に追加することで対処することができ、在宅状況判定システム10Aのメインテナンス性が向上する。
また、本第1実施形態では、3種の資源の消費量が所定時間以内に各々所定量以上変化する変化パターンを検出した場合に、住居12の居住者が在宅していると判定する(在宅確度を5にしている)ので、在宅状況判定の確度を向上させることができる。
更に、本第1実施形態では、個々の住居12における各資源の定常的な消費量を表す基礎消費量を基礎消費量テーブル34に記憶しておき、スマートメータ14から受信した消費量の瞬時値を基礎消費量で補正して在宅状況の判定に用いているので、在宅状況判定対象の住居12における資源の定常的な消費が在宅状況の判定に悪影響を及ぼすことを抑制することが可能となる。
また、本第1実施形態では、予め設定した基礎消費量学習時間帯にスマートメータ14で検知されて受信した資源の消費量を、基礎消費量として基礎消費量テーブル34に記憶するので、個々の住居12における正確な基礎消費量を取得することができる。
〔第2実施形態〕
次に本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
図12には、本第2実施形態に係る在宅状況判定システム10Bが示されている。在宅状況判定システム10Bは、第1実施形態で説明した在宅状況判定システム10Aと比較して、在宅状況判定装置16の記憶部28に設備・機器DB38が記憶されている点で相違している。設備・機器DB38は、個々の住居12に設けられている設備又は機器の情報を登録しておくためのデータベースであり、例として図13に示すように、各住居12に設けられている設備又は機器の設備・機器IDが、個々の住居12の住居ID及び個々の設備又は機器が消費する資源の資源IDと対応付けて各々登録される。なお、設備・機器DB38を記憶する記憶部28は本発明における第2記憶部の一例である。
なお、図13は、個々の住居12に設けられている設備又は機器のうち、ガス及び水の少なくとも一方を消費する設備又は機器の設備・機器IDが設備・機器DB38に登録された例を示している。例えばガス会社は、ガスを消費する設備又は機器として、個々の住居12にどのような設備又は機器が設けられているのかを把握しており、この情報を、ガスを消費する設備又は機器の設備・機器IDとして設備・機器DB38に登録することができる。また、水を消費する設備又は機器については、多くの住居12で差異がないと考えられるので、水を消費する設備又は機器の設備・機器IDについては、例えば、各住居12に同じ設備・機器IDを登録したとしても、在宅状況の判定精度に及ぼす影響は小さいと考えられる。
次に、図14を参照し、本第2実施形態に係る在宅状況判定処理2について、第1実施形態で説明した在宅状況判定処理2(図9)と異なる部分のみ説明する。本第2実施形態に係る在宅状況判定処理2では、変化監視タイマがタイムアウトして在宅状況判定処理2が実行され、タイムアウトした変化監視タイマに対応する住居12(在宅状況判定対象の住居12)で所定時間以内に消費変化量が閾値以上になった資源の種類の数X=2の場合に、まずは第1実施形態と同様に、所定時間以内に消費変化量が閾値以上になった2種の資源の基礎消費量を基礎消費量テーブル34から各々読み出し(ステップ146)、2種の資源の消費量の瞬時値を読み出した基礎消費量で補正する(ステップ148)。
次のステップ200において、在宅状況判定装置16の判定部24は、在宅状況判定対象の住居12の住居IDをキーにして設備・機器DB38を検索し、前記住居IDと対応付けて記憶された設備・機器IDを設備・機器DB38から読み出す。そして、読み出した設備・機器IDに基づき、基準変化パターンDB32に記憶されている基準変化パターンのうち、在宅状況判定対象の住居12に設置されていない設備又は機器に対応する基準変化パターンを照合対象から除外して、照合対象の基準変化パターンを絞り込む処理を行う。
具体的には、例えば、基準変化パターンDB32に個々の基準変化パターンと対応付けて記憶されている設備・機器IDを参照し、当該設備・機器IDに対応する設備又は機器がガス及び水の少なくとも一方を消費する設備又は機器で、当該設備・機器IDが設備・機器DB38から読み出した設備・機器IDに含まれていない場合には、対応する基準変化パターンに、照合対象から除外することを意味するフラグを設定する。
次のステップ202において、在宅状況判定装置16の判定部24は、照合対象の基準変化パターン(所定時間以内に消費変化量が閾値以上となった2種の資源の消費量の変化パターンを規定する基準パターンで、かつ前述のフラグが設定されていない基準パターン)のうちの1つの基準変化パターンを基準変化パターンDB32から読み出す。そして、ステップ204において、在宅状況判定装置16の判定部24は、第1実施形態で説明したステップ154と同様に、消費変化量と補正後の消費量の瞬時値で定まる所定時間以内の2種の資源の消費量の変化パターン(例えば図11(B)に示すような変化パターン)を、基準変化パターンDB32から読み出した基準変化パターンと照合し、一致度Mを演算する。
次のステップ206では、照合対象の全ての基準変化パターンについて照合・一致度Mの演算を行ったか否か判定する。ステップ206の判定が否定された場合はステップ202に戻り、ステップ206の判定が肯定される迄、ステップ202〜ステップ206を繰り返す。これにより、照合対象の全ての基準変化パターンについて照合・一致度Mの演算が行われる。そして、ステップ206の判定が肯定されると、先の処理で設定したフラグを全て解除した後にステップ160へ移行する。なお、ステップ160以降の処理は第1実施形態と同じであるので、説明を省略する。
このように、本第2実施形態では、個々の住居12に設けられガス及び水の少なくとも一方を消費する設備又は機器の設備・機器IDを個々の住居12の住居IDと対応付けて設備・機器DB38に登録しておき、在宅状況判定対象の住居12の住居IDと対応付けられた設備・機器IDを設備・機器DB38から読み出し、ガス及び水の少なくとも一方を消費する設備又は機器で、かつ対応する設備・機器IDが設備・機器DB38から読み出した設備・機器IDに含まれていない設備又は機器については、対応する基準変化パターンを照合対象から除外しているので、照合対象の基準変化パターンの数が少なくなる(第2実施形態におけるステップ202〜ステップ206の繰り返し回数が、第1実施形態におけるステップ152〜158の繰り返し回数よりも少なくなる)ことで、居住者の在宅状況の判定に要する時間を更に短縮することができる。なお、その他の効果は第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
なお、第2実施形態では、設備・機器DB38に設備・機器IDを登録する設備又は機器を、ガス及び水の少なくとも一方を消費する設備又は機器に限った態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電気のみを消費する設備又は機器(但し、使用される際に2種以上の資源が消費される設備又は機器)の設備・機器IDも設備・機器DB38に登録するようにしてもよい。
また、上記では一致度Mの最大値Mmaxが閾値以上の場合(ステップ162の判定が肯定された場合)に、対応する在宅確度を一律に1だけインクリメントする例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、一致度Mの最大値Mmaxが得られた基準変化パターンに対応する設備又は機器が、居住者の不在時にも動作する可能性がある設備又は機器か否かを判定し、居住者の不在時には動作する可能性が無い設備又は機器であった場合には、居住者の不在時にも動作する可能性が有る設備又は機器であった場合よりも在宅確度が高くなるように、設備又は機器の種類や機種に応じて在宅確度の変更幅を変化させてもよい。
また、上記では、計測対象の設備又は機器で消費される2つ以上の資源の消費量の推移を計測・記録しながら、標準的な操作を行って計測対象の設備又は機器を使用することで、基準変化パターンを取得する態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、現実の住居12における複数種の資源の消費量の変化パターンから学習によって基準変化パターンを取得するようにしてもよい。これは、具体的には、例えば、まず基準変化パターンの候補となる変化パターンを採取し、採取した変化パターンの出現頻度や出現時間帯に基づいて、基準変化パターンとして採用するか否かを判定することで実現できる。
更に、上記では消費量の変化パターンの照合にあたり、在宅状況判定対象の住居における消費量の瞬時値から、前記住居における資源の定常的な消費量を表す基礎消費量を減算することで、消費量の瞬時値を補正する適用した態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、在宅状況判定対象の住居で所定時間以内に消費変化量が各々閾値以上となった2種の資源について、消費変化量が閾値以上となる直前の消費量を消費量補正値として求め、基礎消費量に代えて消費量補正値を消費量の瞬時値から減算することで、消費量の瞬時値を補正するようにしてもよい。
また、上記では本発明に係る在宅状況判定プログラム56が記憶部46に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、本発明に係る在宅状況判定プログラムは、CD−ROM、DVD−ROM及びマイクロSDカード等の記録媒体の何れかに記録されている形態で提供することも可能である。