JP6437247B2 - 高視認性を有する難燃布帛 - Google Patents
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染色後の色のCIE色度座標(x,y)が、(0.624,0.374),(0.589,0.366),(0.609,0.343)および(0.655,0.345)によって境界を定められた色空間の範囲内であり、かつ輝度係数βが0.40以上であること、
または、染色後の色のCIE色度座標(x,y)が、(0.450,0.549),(0.420,0.483),(0.375,0.528)および(0.395,0.602)によって境界を定められた色空間の範囲内であり、かつ輝度係数βが0.70以上であることを満足し、
下記キセノンランプ照射試験前後において欧州高視認性規格EN471の要求基準を満足する色を有する難燃布帛である。
(A)ポリエーテルイミド系樹脂。
(B)樹脂(A)よりも低いガラス転移温度を有するとともに完全相溶性のある、有機リン系難燃成分をリン原子の重量濃度ベースで0.1〜3.5%含有する熱可塑性樹脂。
キセノンランプ照射試験:ISO 105−B02:1994における第3露光法に従って行う。オレンジ−レッド系では、5級のブルースケール制御基準からグレースケールの3レベルに変わるまで照射し、イエロー系では、4級のブルースケール制御基準からグレースケールの4レベルに変化するまで照射する。
本発明において用いられるポリエーテルイミド系樹脂(A)としては、例えば、下記式に示す反復構成単位の組み合わせからなるポリマーが挙げられる。但し、式中R1は、6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族残基であり;R2は、6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族残基、2〜20個の炭素原子を有するアルキレン基、2〜20個の炭素原子を有するシクロアルキレン基、および2〜8個の炭素原子を有するアルキレン基で連鎖停止されたポリジオルガノシロキサン基からなる群より選択された2価の有機基である。
本発明において、前記ポリエーテルイミド系樹脂(A)と特定の熱可塑性樹脂(B)とをブレンドした樹脂からなる難燃性繊維を用いることが重要である。このようなブレンドした樹脂からなる繊維を用いることで、前記ポリエーテルイミド系繊維(A)単独の場合に比べて低い温度で染色することができ、高視認性と十分な繊維強度を兼ね備えた難燃布帛が得られる。前記熱可塑性樹脂(B)は、ポリエーテルイミド系樹脂(A)よりも低いガラス転移温度を有する樹脂であり、ポリエーテルイミド系樹脂(A)とのブレンド樹脂が繊維形成能を有することが必要である。
本発明の難燃布帛において、前記熱可塑性樹脂(B)が有機リン系難燃成分を含有することが重要である。該有機リン系難燃成分は、リン原子の重量濃度ベースで0.1〜3.5%含有されることが必要で、好ましくは0.3〜2.5%、より好ましくは0.5〜1.5%である。該有機リン系難燃成分が、リン原子の重量濃度ベースで0.1%未満である場合には難燃性が不足し、3.5%を超えると紡糸性が低下するため適さない。
本発明において、紫外線吸収剤を1〜10%owf加えて染色することが好ましい。より好ましくは4〜8%owf、さらに好ましくは5〜7%owfである。紫外線吸収剤が1%owf未満である場合には変退色が起こり、10%owfを超えると繊維強度が低下するため好ましくない。
本発明において用いられる染料としては、通常のポリエステル繊維の染色に用いられる分散染料であればいずれの染料も使用可能であり、特に限定されるものではない。特にポリエーテルイミド系繊維に好適な分散染料としては、拡散性がよく、無機性/有機性比において無機性が高い染料であり、一般的に水酸基やハロゲンを含む染料である。ポリエーテルイミド系繊維に好適な染料としては、例えば、イエロー系「Dianix Yellow AM−42」、「Dianix Luminous Yellow GN」、「Dianix Luminous Yellow 10G」、オレンジ系「Kayalon Brilliant Orange HL−SF200」、「Reform Brilliant Orange CV−N」、「Dianix Orange AM−SLR」、レッド系「Dianix Br.Scarlet SF」等が挙げられる。上述した染料の中には特にキャリアを使用せずとも良好に繊維を染着させることができるものも存在するが、キャリアを使用した場合には濃染色ができるうえに洗濯堅牢度が高くなる。また、キャリアを使用しない場合には良好に染着できない染料についても、キャリアを使用することにより良好に染色できるため、本発明において用いることができる染料は特に前記に限定されるものではない。
本発明において、キャリアとしてベンジルアルコール系化合物やフタル酸イミド系化合物、クロロベンゼン系化合物、メチルナフタレン系化合物等を用いることが好ましい。これらのキャリアは単独で用いることもできるが、併用した場合にはなお濃色に染色することが可能である。前記ベンジルアルコール系キャリアは「ベンジルアルコール」(東京化成工業社製)等、フタル酸イミド系は「ダイキャリアTN−55」(大和化学工業社製)等、クロロベンゼン系は「IPC−71PキャリアC−71」(一方社油脂工業社製)等、メチルナフタレン系は「テトロシンAT−M」(山川薬品工業社製)等として入手することができる。
本発明において、ポリエーテルイミド系樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)とをブレンドした樹脂からなる難燃性繊維を染色する方法としては、通常のポリエステルと同様の分散染料で染色することができる。プレセット、ファイナルセット温度は160℃以下にすることが好ましい。染色温度は、所望の染色濃度、染料の種類、キャリア(フタルイミド等)の有無等に応じて、適宜好ましい範囲を設定することが可能であるが、繊維の強度低下を抑制する目的から、好ましくは95〜120℃であり、より好ましくは100〜115℃である。染色温度が95℃未満の場合には濃色に染めることができず、120℃を超えた場合には繊維が硬くなるため好ましくない。
本発明の難燃布帛は、欧州高視認性規格EN471の要求基準を満足する色を有することを特徴とする。
EN471では、材料に用いられる色の種類ごとに、CIE色度座標、およびCIE三刺激値といった条件から要求基準が定められている。すなわち、オレンジ−レッド系の材料に対しては、CIE色度座標(x,y)が(0.610,0.390),(0.535,0.375),(0.570,0.340),および(0.655,0.345)によって定められた色空間の範囲内で、かつ輝度係数βが0.40以上であることが規定されている。また、イエロー系の材料は、CIE色度座標(x,y)が(0.387,0.610),(0.356,0.494),(0.398,0.452)および(0.460,0.540)によって定められた色空間の範囲内で、かつ輝度係数βが0.70以上でなければならない。
次に、繊維形成方法について述べる。繊維形成樹脂であるポリエーテルイミド系樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)とのブレンド樹脂を、単軸あるいは2軸押出機を用いて溶融押出しを行い、0.1〜10.0mm径のノズルより押し出し繊維状にする。この繊維を300〜3000m/分で巻き取ることにより0.1〜1000dtexの繊維を得ることができる。
本発明の熱可塑性樹脂(B)に難燃成分を含有させる方法について説明する。本発明の熱可塑性樹脂(B)に前記有機リン系化合物からなる構成単位が共重合される態様では、熱可塑性樹脂(B)の重合時に該有機リン系化合物を共重合すればよい。例えば、熱可塑性樹脂(B)がポリエステル系樹脂である場合、特別な重合条件を採用する必要はなく、ジカルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体とグリコールとの反応生成物を重縮合して、ポリエステルを得るといった通常の方法で合成する際に、前記有機リン系化合物をメタノール、エタノールなどの1価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールなどの2価アルコールに溶解もしくは分散させて反応系に添加することにより、有機リン系化合物からなる構成単位をポリエステル系樹脂に共重合することができる。一方、熱可塑性樹脂(B)に有機リン系化合物が混合されている態様では、例えば、熱可塑性樹脂(B)を溶融して有機リン系化合物を練り込む方法が挙げられる。
本発明における難燃性繊維に紫外線吸収剤を含有させる場合、紫外線吸収剤は、予め前記樹脂に練り込まれ、練り込まれた樹脂を溶融紡糸して繊維を形成するか、または繊維形成後、後加工により紫外線吸収剤を繊維に含浸させることにより、欧州高視認性規格EN471の要求基準を満足する色を有する難燃繊維を形成することができる。
本発明において、前記ポリエーテルイミド系樹脂と特定の熱可塑性樹脂とをブレンドした樹脂からなる難燃性繊維を用いて高視認性を有する難燃布帛が得られるが、織物、編み物、不織布等いずれの布帛も得ることができる。
本発明の高視認性を有する難燃布帛は、欧州高視認性規格EN471の要求基準を満足する色を有することから、防護衣類等として広範囲に使用される。
JIS K7201試験法に準拠して、繊維を三つ編みにした試長18cmの試料を作り、試料の上端に着火したとき、試料の燃焼時間が3分以上継続して燃焼するか、または着火後の燃焼長さが5cm以上燃えつづけるのに必要な最低の酸素濃度(限界酸素指数値(LOI))を測定し、n=3の平均値を採用した。LOI≧27の場合、難燃性を有する材料と判断した。
フィラメントの筒編地を作成し、繊維をほどいてフィラメントの繊維強度を島津製作所社製オートグラフにて引張試験を行い、染色前後で強度の評価を行った。
染色後、およびキセノンランプ照射後の筒編地それぞれに関して、ミノルタ社製spectrophotometer 3700dを用いて、反射光のCIE色度座標(x,y)および輝度係数βを測定し、色度・輝度を評価した。
なお、前述したように、キセノンランプ照射試験は、ISO 105−B02:1994における第3露光法に従って行い、オレンジ−レッド系で、5級のブルースケール制御基準からグレースケールの3レベルに変わるまで照射した。
有機リン系化合物をリン原子の重量濃度ベースで0.6%含有するポリエチレンテレフタレート樹脂(東洋紡社製「ハイムRH416」)(ガラス転移温度が68℃)(これ以降P−PET樹脂と略す)25質量部と、ポリエーテルイミド樹脂(サービックイノベイティブプラスチックス社製「ウルテム9011」)(重量平均分子量(Mw)が32000、数平均分子量(Mn)が14500、分子量分布が2.2、ガラス転移温度が217℃である非晶性ポリエーテルイミド系樹脂)(これ以降U−PEI樹脂と略す)75質量部を2軸押出機にて混錬して押出、そのままギヤポンプにて計量し、340℃にてΦ0.2mmのノズルより吐出させ、1500m/minの速度で巻き取り、84dtex/24fのブレンド樹脂からなる繊維を得、筒編地を作成した。
U−PEIとP−PETとのブレンド繊維からなる筒編地 7g
ウルトラMTレベル[pH調整剤](ミテジマ化学社製) 1g/L
ディスパーTL[染料分散剤](日華化学社製) 1g/L
Reform Brilliant Orange CV−N [染料](ニッカファインテクノ社製) 4.0%owf
ブリアンFOK−3[紫外線吸収剤を含む染色助剤](松本油脂製薬社製) 5%owf
ダイキャリアTN−55[キャリア](大和化学工業社製) 4%owf
全液量 210cc
炭酸ナトリウム 1g/L
ハイドロサルファイト 1g/L
アミラジンD(第一工業製薬社製) 1g/L
液量 200cc
実施例1のP−PET樹脂を、有機リン系化合物をリン原子の重量濃度ベースで1.05%含有するポリエチレンテレフタレート(東洋紡社製「ハイムGH401」)(ガラス転移温度が68℃)に替えた以外は実施例1と同条件で繊維化、筒編地を作成し、染色、還元洗浄を行った。
実施例1のP−PET樹脂を、リン原子を含まないポリエチレンテレフタレートに替えた以外は実施例1と同条件で繊維化、筒編地を作成し、染色、還元洗浄を行った。
実施例1の条件で繊維化を行い、筒編地を作成した後、ブリアンFOK−3の替わりに蛍光増白剤「Uvitex EBF 250%」(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)3%を用いた以外は実施例1と同様にして、染色、還元洗浄を行った。
U−PEI樹脂を2軸押出機にて混錬して押出、そのままギヤポンプにて計量し、400℃にてΦ0.2mmのノズルより吐出させ、1500m/minの速度で巻き取り、84dtex/24fのブレンド樹脂からなる繊維を得、筒編地を作成し、実施例1と同様の条件で染色温度を135℃にて染色を行った。
Claims (5)
- 以下に示す樹脂(A)と樹脂(B)とをブレンドした樹脂であって、かつ質量比が(A)/(B)=50/50〜95/5である樹脂からなる難燃性繊維を用いて染色することにより、
染色後の色のCIE色度座標(x,y)が、(0.624,0.374),(0.589,0.366),(0.609,0.343)および(0.655,0.345)によって境界を定められた色空間の範囲内であり、かつ輝度係数βが0.40以上であること、
または、染色後の色のCIE色度座標(x,y)が、(0.450,0.549),(0.420,0.483),(0.375,0.528)および(0.395,0.602)によって境界を定められた色空間の範囲内であり、かつ輝度係数βが0.70以上であることを満足し、
下記キセノンランプ照射試験前後において欧州高視認性規格EN471の要求基準を満足する色を有する難燃布帛。
(A)ポリエーテルイミド系樹脂。
(B)樹脂(A)よりも低いガラス転移温度を有するとともに完全相溶性のある、有機リン系難燃成分をリン原子の重量濃度ベースで0.1〜3.5%含有する熱可塑性樹脂。
キセノンランプ照射試験:ISO 105−B02:1994における第3露光法に従って行う。オレンジ−レッド系では、5級のブルースケール制御基準からグレースケールの3レベルに変わるまで照射し、イエロー系では、4級のブルースケール制御基準からグレースケールの4レベルに変化するまで照射する。 - 前記難燃布帛が、95〜120℃の温度で染色されたことを特徴とする、請求項1に記載の難燃布帛。
- 前記難燃性繊維に、紫外線吸収剤が1〜10%owf含有されたことを特徴とする、請求項1または2に記載の難燃布帛。
- 前記紫外線吸収剤がヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤である、請求項3に記載の難燃布帛。
- 前記紫外線吸収剤が無機系紫外線吸収剤である、請求項3記載の難燃布帛。
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