JP6433681B2 - 薬物評価システム、薬物評価システムの作動方法、薬物評価プログラム及び記録媒体 - Google Patents

薬物評価システム、薬物評価システムの作動方法、薬物評価プログラム及び記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、薬物評価システム、薬物評価方法、薬物評価プログラム及び記録媒体に関する。
例えば脳神経受容体の量や活性といった生体内の生理的情報を計測する装置として、ポジトロンエミッショントモグラフィ装置(陽電子放射断層撮影装置、以下「PET装置」)が知られている。このPET装置は、例えば脳神経系の薬物の効果の定量的な計測に用いることができる。放射性薬物の効果の定量的な計測には、PET装置で取得した被検体内の放射能濃度の時間変化(Time Activity Curve、以下「TAC」)を生体情報に変換する必要があり、そのための種々のデータ解析法が検討されている。
データ解析法の一つとして、PET装置での計測の開始時に被検体に放射性薬物の一部を急速投与し、その後、放射性薬物の残量を一定速度で投与し続けるボーラスプラスインフュージョン法(以下「BI法」)がある。BI法では、TACを時間的に一定状態(TAC平衡)とすることで、複雑なデータ解析を行わずに生体情報を取得することが可能であったが、実際のPET装置での被検体の計測中にTAC平衡を得ることが難しい場合があった。
TAC平衡をより確実かつ容易に得る手法として、例えば特許文献1に記載の装置では、PET装置でリアルタイム計測された生理的情報から被検体の特定部位の放射能濃度を算出し、この放射能濃度が時間的に一定となるように、被検体に投与する放射性薬物の投与速度をフィードバック制御している。TAC平衡が得られた後、フィードバック制御を終了し、被検体に投与する放射性薬物の投与速度を固定速度とし、投与速度を一定とした状態で放射性薬物の評価が行われる。
特許第4408162号公報
従来のように、PET装置での計測の開始時に被検体に放射性薬物の一部をボーラス投与する場合、ボーラス投与後のTACの応答によっては、放射性薬物の投与速度の制御がTAC平衡への到達を難しくする場合があり、制御目標値や比例制御パラメータの経験的な決定には相当の熟練を要していた。
また、従来の手法では、ボーラス投与後のTACの応答をモニタしながら放射性薬物の投与速度の制御目標値を決定していた。このため、PET装置による計測を開始した後、ボーラス投与後のTACの応答を待つ必要があり、放射性薬物の評価を行うための時間が限られてしまう場合があった。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、放射性薬物の投与速度に関する制御目標値や比例制御パラメータを一義的に決定できると共に、放射性薬物の評価を行うための時間を十分に確保できる薬物評価システム、薬物評価方法、薬物評価プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
上記課題の解決のため、本発明の一側面に係る薬物評価システムは、被検体における特定部位の放射能濃度を計測する計測装置と、被検体に放射性薬物を投与する薬物投与装置と、計測装置で計測された特定部位の放射能濃度の時間変化に基づいて、薬物投与装置によって被検体に投与される放射性薬物の投与速度を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、基準被検体に放射性薬物を一定速度で投与したときに計測装置で計測された基準被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の平衡時放射能濃度と、薬物投与装置によって基準被検体に投与された放射性薬物の単位時間当たりの放射能量との比に基づいて、放射性薬物の特性パラメータを算出する特性パラメータ算出部と、特性パラメータ算出部によって算出された特性パラメータの逆数と、薬物投与装置にセットされる放射性薬物の放射能濃度及び初期投与速度との積に基づいて、被検体に放射性薬物を投与したときに計測装置で計測される被検体における特定部位の放射能濃度の制御目標値を算出する制御目標値算出部と、制御目標値算出部によって算出された制御目標値に基づいて、被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至るまで、薬物投与装置によって被検体に投与される放射性薬物の投与速度をフィードバック制御する投与速度制御部と、を有している。
この薬物評価システムでは、放射性薬物の特性パラメータの導入により、基準被検体に対する1回の放射能濃度の時間変化の計測に基づいて、放射性薬物の投与速度に関する制御目標値や比例制御パラメータを一義的に決定することができる。また、この薬物評価システムでは、放射性薬物を被検体にボーラス投与する必要がなく、予め決定された制御目標値によって放射性薬物の投与速度が一定値に近づいていくため、ボーラス投与後のTACの応答から制御目標値を算出していた従来の手法に比べて放射性薬物の評価を行うための時間を十分に確保できる。
制御装置は、特性パラメータ算出部によって算出された特性パラメータと、正の実数である加速係数との積に基づいて、比例制御パラメータを算出する比例制御パラメータ算出部を更に有し、投与速度制御部は、比例制御パラメータ算出部によって算出された比例制御パラメータを用いて放射性薬物の投与速度を補正してもよい。この場合、被検体における特定部位の放射能濃度が平衡に至るまでの時間を短縮できる。したがって、放射性薬物の評価を行うための時間を一層十分に確保できる。
また、投与速度制御部は、被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至った後、平衡時の投与速度の平均値に基づいて算出した固定速度で放射性薬物の投与速度を一定にしてもよい。この薬物評価システムでは、予め決定された制御目標値によって放射性薬物の投与速度が一定値に近づいていくため、平衡時の投与速度の平均値を用いて簡単かつ精度良く固定速度を決定できる。
また、本発明の一側面に係る薬物評価システムは、被検体における特定部位の放射能濃度を計測する計測装置と、被検体に放射性薬物を投与する薬物投与装置と、計測装置で計測された特定部位の放射能濃度の時間変化に基づいて、薬物投与装置によって被検体に投与される放射性薬物の投与速度を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、基準被検体に放射性薬物を一定速度で投与したときに計測装置で計測された基準被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の平衡時放射能濃度と、薬物投与装置によって基準被検体に投与された放射性薬物の単位時間当たりの放射能量との比に基づいて、放射性薬物の特性パラメータを算出する特性パラメータ算出部と、特性パラメータ算出部によって算出された特性パラメータと、正の実数である加速係数との積に基づいて、比例制御パラメータを算出する比例制御パラメータ算出部と、被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至るまで、薬物投与装置によって被検体に投与される放射性薬物の投与速度を予め特性パラメータに基づいて設定された制御目標値を用いてフィードバック制御する投与速度制御部と、を有し、投与速度制御部は、薬物投与装置による被検体への放射性薬物の投与が開始された後、被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の立ち上がり中に比例制御パラメータを用いて放射性薬物の投与速度を補正する。
この薬物評価システムでは、放射性薬物の特性パラメータの導入により、基準被検体に対する1回の放射能濃度の時間変化の計測に基づいて、放射性薬物の投与速度に関する制御目標値や比例制御パラメータを一義的に決定することができる。また、この薬物評価システムでは、特性パラメータを用いて算出された比例制御パラメータにより、被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の立ち上がり中に放射性薬物の投与速度を補正する。これにより、被検体における特定部位の放射能濃度が平衡に至るまでの時間を短縮でき、放射性薬物の評価を行うための時間を一層十分に確保できる。
投与速度制御部は、被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至った後、平衡時の投与速度の平均値に基づいて算出した固定速度で放射性薬物の投与速度を一定にしてもよい。この薬物評価システムでは、予め決定された制御目標値によって放射性薬物の投与速度が一定値に近づいていくため、平衡時の投与速度の平均値を用いて簡単かつ精度良く固定速度を決定できる。
また、本発明の一側面に係る薬物評価方法は、特性パラメータ算出部が、基準被検体に放射性薬物を一定速度で投与したときに計測装置で計測された基準被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の平衡時放射能濃度と、薬物投与装置によって基準被検体に投与された放射性薬物の単位時間当たりの放射能量との比に基づいて、放射性薬物の特性パラメータを算出する特性パラメータ算出ステップと、制御目標値算出部が、特性パラメータ算出ステップにおいて算出された特性パラメータの逆数と、薬物投与装置にセットされる放射性薬物の放射能濃度及び初期投与速度との積に基づいて、被検体に放射性薬物を投与したときに計測装置で計測される被検体における特定部位の放射能濃度の制御目標値を算出する制御目標値算出ステップと、投与速度制御部が、制御目標値算出ステップにおいて算出された制御目標値に基づいて、被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至るまで、薬物投与装置によって被検体に投与される放射性薬物の投与速度をフィードバック制御する投与速度制御ステップと、を有する。
この薬物評価方法では、放射性薬物の特性パラメータの導入により、基準被検体に対する1回の放射能濃度の時間変化の計測に基づいて、放射性薬物の投与速度に関する制御目標値や比例制御パラメータを一義的に決定することができる。また、この薬物評価方法では、放射性薬物を被検体にボーラス投与する必要がなく、予め決定された制御目標値や比例制御パラメータによって放射性薬物の投与速度が一定値に近づいていくため、ボーラス投与後のTACの応答から制御目標値を算出していた従来の手法に比べて放射性薬物の評価を行うための時間を十分に確保できる。
薬物評価方法は、比例制御パラメータ算出部が、特性パラメータ算出ステップにおいて算出された特性パラメータと、正の実数である加速係数との積に基づいて、比例制御パラメータを算出する比例制御パラメータ算出ステップを更に有し、投与速度制御ステップにおいて、比例制御パラメータ算出ステップで算出された比例制御パラメータを用いて放射性薬物の投与速度を補正してもよい。この場合、被検体における特定部位の放射能濃度が平衡に至るまでの時間を短縮できる。したがって、放射性薬物の評価を行うための時間を一層十分に確保できる。
薬物評価方法は、投与速度制御ステップにおいて、被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至った後、平衡時の投与速度の平均値に基づいて算出した固定速度で放射性薬物の投与速度を一定にしてもよい。この薬物評価方法では、予め決定された制御目標値や比例制御パラメータによって放射性薬物の投与速度が一定値に近づいていくため、平衡時の投与速度の平均値を用いて簡単かつ精度良く固定速度を決定できる。
また、本発明の一側面に係る薬物評価方法は、特性パラメータ算出部が、基準被検体に放射性薬物を一定速度で投与したときに計測装置で計測された基準被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の平衡時放射能濃度と、薬物投与装置によって基準被検体に投与された放射性薬物の単位時間当たりの放射能量との比に基づいて、放射性薬物の特性パラメータを算出する特性パラメータ算出ステップと、比例制御パラメータ算出部が、特性パラメータ算出ステップにおいて算出された特性パラメータと、正の実数である加速係数との積に基づいて、比例制御パラメータを算出する比例制御パラメータ算出ステップと、投与速度制御部が、被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至るまで、薬物投与装置によって被検体に投与される放射性薬物の投与速度を予め特性パラメータに基づいて設定された制御目標値を用いてフィードバック制御する投与速度制御ステップと、を有し、投与速度制御ステップにおいて、薬物投与装置による被検体への放射性薬物の投与が開始された後、被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の立ち上がり中に比例制御パラメータを用いて放射性薬物の投与速度を補正する。
この薬物評価方法では、放射性薬物の特性パラメータの導入により、基準被検体に対する1回の放射能濃度の時間変化の計測に基づいて、放射性薬物の投与速度に関する制御目標値や比例制御パラメータを一義的に決定することができる。また、この薬物評価方法では、特性パラメータを用いて算出された比例制御パラメータにより、被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の立ち上がり中に放射性薬物の投与速度を補正する。これにより、被検体における特定部位の放射能濃度が平衡に至るまでの時間を短縮でき、放射性薬物の評価を行うための時間を一層十分に確保できる。
薬物評価方法は、投与速度制御ステップにおいて、被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至った後、平衡時の投与速度の平均値に基づいて算出した固定速度で放射性薬物の投与速度を一定にしてもよい。この薬物評価方法では、予め決定された制御目標値や比例制御パラメータによって放射性薬物の投与速度が一定値に近づいていくため、平衡時の投与速度の平均値を用いて簡単かつ精度良く固定速度を決定できる。
また、本発明の一側面に係る薬物評価プログラムは、コンピュータを、基準被検体に放射性薬物を一定速度で投与したときに計測装置で計測された基準被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の平衡時放射能濃度と、薬物投与装置によって基準被検体に投与された放射性薬物の単位時間当たりの放射能量との比に基づいて、放射性薬物の特性パラメータを算出する特性パラメータ算出部、特性パラメータ算出部によって算出された特性パラメータの逆数と、薬物投与装置にセットされる放射性薬物の放射能濃度及び初期投与速度との積に基づいて、被検体に放射性薬物を投与したときに計測装置で計測される被検体における特定部位の放射能濃度の制御目標値を算出する制御目標値算出部、制御目標値算出部によって算出された制御目標値に基づいて、被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至るまで、薬物投与装置によって被検体に投与される放射性薬物の投与速度をフィードバック制御する投与速度制御部、として機能させる。
この薬物評価プログラムでは、放射性薬物の特性パラメータの導入により、基準被検体に対する1回の放射能濃度の時間変化の計測に基づいて、放射性薬物の投与速度に関する制御目標値や比例制御パラメータを一義的に決定することができる。また、この薬物評価プログラムでは、放射性薬物を被検体にボーラス投与する必要がなく、予め決定された制御目標値によって放射性薬物の投与速度が一定値に近づいていくため、ボーラス投与後のTACの応答から制御目標値を算出していた従来の手法に比べて放射性薬物の評価を行うための時間を十分に確保できる。
薬物評価プログラムは、コンピュータを、特性パラメータ算出部によって算出された特性パラメータと、正の実数である加速係数との積に基づいて、比例制御パラメータを算出する比例制御パラメータ算出部、として更に機能させ、投与速度制御部を、比例制御パラメータ算出部によって算出された比例制御パラメータを用いて放射性薬物の投与速度を補正するように機能させてもよい。この場合、被検体における特定部位の放射能濃度が平衡に至るまでの時間を短縮できる。したがって、放射性薬物の評価を行うための時間を一層十分に確保できる。
薬物評価プログラムは、投与速度制御部を、被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至った後、平衡時の投与速度の平均値に基づいて算出した固定速度で放射性薬物の投与速度を一定にするように機能させてもよい。この薬物評価プログラムでは、予め決定された制御目標値によって放射性薬物の投与速度が一定値に近づいていくため、平衡時の投与速度の平均値を用いて簡単かつ精度良く固定速度を決定できる。
また、本発明の一側面に係る薬物評価プログラムは、コンピュータを、基準被検体に放射性薬物を一定速度で投与したときに計測装置で計測された基準被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の平衡時放射能濃度と、薬物投与装置によって基準被検体に投与された放射性薬物の単位時間当たりの放射能量との比に基づいて、放射性薬物の特性パラメータを算出する特性パラメータ算出部、特性パラメータ算出部によって算出された特性パラメータと、正の実数である加速係数との積に基づいて、比例制御パラメータを算出する比例制御パラメータ算出部、被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至るまで、薬物投与装置によって被検体に投与される放射性薬物の投与速度を予め特性パラメータに基づいて設定された制御目標値を用いてフィードバック制御する投与速度制御部、として機能させ、投与速度制御部を、薬物投与装置による被検体への放射性薬物の投与が開始された後、被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の立ち上がり中に比例制御パラメータを用いて放射性薬物の投与速度を補正するように機能させる。
この薬物評価プログラムでは、放射性薬物の特性パラメータの導入により、基準被検体に対する1回の放射能濃度の時間変化の計測に基づいて、放射性薬物の投与速度に関する制御目標値や比例制御パラメータを一義的に決定することができる。また、この薬物評価プログラムでは、特性パラメータを用いて算出された比例制御パラメータにより、被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の立ち上がり中に放射性薬物の投与速度を補正する。これにより、被検体における特定部位の放射能濃度が平衡に至るまでの時間を短縮でき、放射性薬物の評価を行うための時間を一層十分に確保できる。
薬物評価プログラムは、投与速度制御部を、被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至った後、平衡時の投与速度の平均値に基づいて算出した固定速度で放射性薬物の投与速度を一定にするように機能させてもよい。この薬物評価プログラムでは、予め決定された制御目標値によって放射性薬物の投与速度が一定値に近づいていくため、平衡時の投与速度の平均値を用いて簡単かつ精度良く固定速度を決定できる。
また、本発明の一側面に係る記録媒体は、コンピュータを、基準被検体に放射性薬物を一定速度で投与したときに計測装置で計測された基準被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の平衡時放射能濃度と、薬物投与装置によって基準被検体に投与された放射性薬物の単位時間当たりの放射能量との比に基づいて、放射性薬物の特性パラメータを算出する特性パラメータ算出部、特性パラメータ算出部によって算出された特性パラメータの逆数と、薬物投与装置にセットされる放射性薬物の放射能濃度及び初期投与速度との積に基づいて、被検体に放射性薬物を投与したときに計測装置で計測される被検体における特定部位の放射能濃度の制御目標値を算出する制御目標値算出部、制御目標値算出部によって算出された制御目標値に基づいて、被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至るまで、薬物投与装置によって被検体に投与される放射性薬物の投与速度をフィードバック制御する投与速度制御部、として機能させる薬物評価プログラムを記録する。
この記録媒体では、放射性薬物の特性パラメータの導入により、基準被検体に対する1回の放射能濃度の時間変化の計測に基づいて、放射性薬物の投与速度に関する制御目標値や比例制御パラメータを一義的に決定することができる。また、この記録媒体では、放射性薬物を被検体にボーラス投与する必要がなく、予め決定された制御目標値によって放射性薬物の投与速度が一定値に近づいていくため、ボーラス投与後のTACの応答から制御目標値を算出していた従来の手法に比べて放射性薬物の評価を行うための時間を十分に確保できる。
記録媒体は、コンピュータを、特性パラメータ算出部によって算出された特性パラメータと、正の実数である加速係数との積に基づいて、比例制御パラメータを算出する比例制御パラメータ算出部、として更に機能させ、投与速度制御部を、比例制御パラメータ算出部によって算出された比例制御パラメータを用いて放射性薬物の投与速度を補正するように機能させる薬物評価プログラムを記録してもよい。この場合、被検体における特定部位の放射能濃度が平衡に至るまでの時間を短縮できる。したがって、放射性薬物の評価を行うための時間を一層十分に確保できる。
記録媒体は、投与速度制御部を、被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至った後、平衡時の投与速度の平均値に基づいて算出した固定速度で放射性薬物の投与速度を一定にするように機能させる薬物評価プログラムを記録してもよい。この記録媒体では、予め決定された制御目標値によって放射性薬物の投与速度が一定値に近づいていくため、平衡時の投与速度の平均値を用いて簡単かつ精度良く固定速度を決定できる。
また、本発明の一側面に係る記録媒体は、コンピュータを、基準被検体に放射性薬物を一定速度で投与したときに計測装置で計測された基準被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の平衡時放射能濃度と、薬物投与装置によって基準被検体に投与された放射性薬物の単位時間当たりの放射能量との比に基づいて、放射性薬物の特性パラメータを算出する特性パラメータ算出部、特性パラメータ算出部によって算出された特性パラメータと、正の実数である加速係数との積に基づいて、比例制御パラメータを算出する比例制御パラメータ算出部、被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至るまで、薬物投与装置によって被検体に投与される放射性薬物の投与速度を予め特性パラメータに基づいて設定された制御目標値を用いてフィードバック制御する投与速度制御部、として機能させ、投与速度制御部を、薬物投与装置による被検体への放射性薬物の投与が開始された後、被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の立ち上がり中に比例制御パラメータを用いて放射性薬物の投与速度を補正するように機能させる薬物評価プログラムを記録する。
記録媒体は、投与速度制御部を、被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至った後、平衡時の投与速度の平均値に基づいて算出した固定速度で放射性薬物の投与速度を一定にするように機能させる薬物評価プログラムを記録してもよい。この記録媒体では、予め決定された制御目標値によって放射性薬物の投与速度が一定値に近づいていくため、平衡時の投与速度の平均値を用いて簡単かつ精度良く固定速度を決定できる。
本発明の種々の側面によれば、放射性薬物の投与速度に関する制御目標値や比例制御パラメータを一義的に決定できると共に、放射性薬物の評価を行うための時間を十分に確保できる。
本発明に係る薬物評価システムの一実施形態を示す図である。 図1に示した薬物評価システムの一部を構成する制御装置の機能的な構成要素を示すブロック図である。 コンピュータを図2に示した制御装置として機能させる薬物評価プログラムを記録した記録媒体の一実施形態を示す図である。 図1に示した薬物評価システムにおける特性パラメータ、制御目標値、及び比例制御パラメータの算出処理の一例を示すフローチャートである。 基準被検体の特定部位におけるTACの一例を示す図である。 特性パラメータの算出の一例を示す図である。 図1に示した薬物評価システムにおける評価対象薬物の評価処理の一例を示すフローチャートである。 被検体の特定部位におけるTACの一例を示す図である。 薬物評価の実施例を示す図である。 薬物評価の比較例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一側面に係る薬物評価システム、薬物評価方法、薬物評価プログラム及び記録媒体の好適な実施形態について詳細に説明する。
[薬物評価システムの構成]
図1は、本発明に係る薬物評価システムの一実施形態を示す図である。この薬物評価システム1は、特定部位の放射能濃度の時間変化(Time Activity Curve、以下「TAC」)に基づいて被検体Sに投与する放射性薬物の投与速度(単位時間当たりの投与量)をフィードバック制御するFCI(Feedback Controlled Infusion)法を用い、放射性薬物のボーラス投与を行わずに被検体Sに対する評価対象薬物の効果を定量的に判断するシステムとして構成されている。本実施形態では、評価対象薬物は、例えば脳神経系の薬物であり、被検体Sの特定部位は、例えばサルの脳組織の一部である線状体が対象となっている。
図1に示すように、薬物評価システム1は、例えば被検体Sにおける特定部位の放射能濃度を計測するポジトロンエミッショントモグラフィ装置(計測装置:以下「PET装置」)11と、被検体Sに放射性薬物を投与する薬物投与装置12と、PET装置11で計測された被検体Sの特定部位のTACに基づいて、薬物投与装置12によって被検体Sに投与される放射性薬物の投与速度を制御する制御装置13と、PET装置11で計測されたデータを可視化する表示装置14とを備えて構成されている。
PET装置11は、例えば被検体Sの被計測部位である頭部が配置される計測空間Uを有している。計測空間Uには、多数の検出器が環状に配列されている。これらの検出器の受光面は、計測空間Uの方向に向けられており、計測空間U側から入射した放射線を検出する。PET装置11では、被検体Sにおける被計測部位(特定部位を含む)の放射能濃度がリアルタイムで計測され、計測データが制御装置13に随時送信される。
薬物投与装置12は、例えば被検体Sに放射性薬物を注入する注射針、シリンジ、及びポンプ等を備えて構成されている。PET装置11による放射能濃度の計測の実施期間中は、被検体Sに注射針が刺された状態でポンプによる放射性薬物の投与が行われる。薬物投与装置12による被検体Sへの放射性薬物の投与速度は、制御装置13によって制御される。
制御装置13は、物理的には、例えばCPU、RAM、及びROMといったメモリにより構成される主記憶装置、ハードディスク等で構成される補助記憶装置、ネットワークカード等で構成される通信制御装置、入力デバイスであるキーボード、マウス等の入力装置、上述した表示装置14などを含むコンピュータシステムである。
制御装置13は、機能的な構成要素として、図2に示すように、例えば計測データ取得部21と、表示制御部22と、特性パラメータ算出部23と、制御目標値算出部24と、比例制御パラメータ算出部25と、投与速度制御部26とを有している。
計測データ取得部21は、PET装置11から計測データを取得する部分である。計測データ取得部21は、PET装置11から被検体Sの特定部位における放射能濃度の計測データを随時受信し、特性パラメータ算出部23に算出するまた、計測データ取得部21は、PET装置11から被検体Sの被計測部位における放射能濃度の計測データを表示制御部22に出力する。
表示制御部22は、表示装置14に表示される画像を制御する部分である。表示制御部22は、例えばPET装置11から送信された被検体Sの被計測部位における放射能濃度の計測データに基づいて、被計測部位における特定部位のTAC、被計測部位における特定部位以外の部位(例えば小脳)のTACをプロットしたグラフを表示装置14に表示する。当該グラフには、後述する制御目標値A、比例制御パラメータK、及び薬物投与装置12による放射性薬物の投与速度などを更に表示するようにしてもよい。
特性パラメータ算出部23は、薬物投与装置12にセットされる放射性薬物の特性パラメータKを算出する部分である。特性パラメータKの算出にあたっては、被検体Sと同種の生体(例えばサル)である基準被検体Sについて、PET装置11による事前計測を実施する。事前計測では、薬物投与装置12によって基準被検体Sに放射性薬物を一定速度で投与する。そして、PET装置11で計測された基準被検体Sにおける特定部位のTAC平衡時の放射能濃度(平衡時放射能濃度)と、薬物投与装置12によって基準被検体Sに投与された放射性薬物の単位時間当たりの放射能量との比とに基づいて、放射性薬物の特性パラメータKを算出する。特性パラメータ算出部23は、算出した特性パラメータKを制御目標値算出部24と比例制御パラメータ算出部25とにそれぞれ出力する。
制御目標値算出部24は、被検体Sに放射性薬物を投与したときに計測装置で計測される被検体Sにおける特定部位の放射能濃度の制御目標値Aを算出する部分である。より具体的には、制御目標値算出部24は、特性パラメータ算出部23によって算出された特性パラメータKの逆数と、薬物投与装置12にセットされる放射性薬物の放射能濃度及び初期投与速度との積に基づいて、被検体Sに放射性薬物を投与したときにPET装置11で計測される被検体Sにおける特定部位の放射能濃度の制御目標値Aを算出する。制御目標値算出部24は、算出した制御目標値Aを投与速度制御部26に出力する。
比例制御パラメータ算出部25は、比例制御パラメータKを算出する部分である。より具体的には、比例制御パラメータ算出部25は、特性パラメータ算出部23によって算出された特性パラメータKと、正の実数である加速係数Cとの積に基づいて、比例制御パラメータKを算出する。加速係数Cは、正の実数によって任意の値に設定できる。比例制御パラメータ算出部25は、算出した比例制御パラメータKを投与速度制御部26に出力する。
投与速度制御部26は、薬物投与装置12によって被検体Sに投与される放射性薬物の投与速度を制御する部分である。投与速度制御部26は、制御目標値算出部24によって算出されたAを制御目標値とし、被検体Sにおける特定部位のTACが平衡に至るまで、被検体Sの特定部位の放射能濃度が制御目標値Aで示される値を維持するように放射性薬物の投与速度をフィードバック制御する。
また、投与速度制御部26は、被検体Sにおける特定部位のTACが平衡に至るまで、比例制御パラメータ算出部25によって算出された比例制御パラメータKを用いて放射性薬物の投与速度を補正する。比例制御パラメータKの導入により、被検体Sに対する放射性薬物の初期の投与速度が補正され、TAC平衡に至るまでの被検体Sにおける特定部位のTACを調整できる。比例制御パラメータKによる放射性薬物の投与速度の補正は、薬物投与装置12による被検体Sへの放射性薬物の投与が開始された後、少なくとも被検体Sにおける特定部位の放射能濃度の時間変化の立ち上がり中に開始すればよく、放射性薬物の投与と同時に開始してもよい。
投与速度制御部26は、被検体Sにおける特定部位のTACが平衡に至った後は、PET装置11による計測が終了するまで放射性薬物の投与速度を一定の速度(以下「固定速度」)Iに維持する。固定速度Iは、例えばTAC平衡時の投与速度の平均値に基づいて算出される。この固定速度Iによる放射性薬物の投与期間が薬物評価システム1における評価対象薬物の評価期間となる。
[薬物評価プログラム及び記録媒体の構成]
図3は、コンピュータを制御装置13として機能させるための薬物評価プログラムを記録する記録媒体の一実施形態を示す図である。記録媒体31は、例えばCD−ROM、DVD、ROM等の記録媒体又は半導体メモリによって構成されている。記録媒体31におけるプログラム記録領域には、図3に示すように、薬物評価プログラムPが記録されている。薬物評価プログラムPは、メインモジュールP1と、計測データ取得モジュールP2と、表示制御モジュールP3と、特性パラメータ算出モジュールP4と、制御目標値算出モジュールP5と、比例制御パラメータ算出モジュールP6と、投与速度制御モジュールP7とを備えている。
メインモジュールP1は、薬物評価処理を統括的に制御する部分である。計測データ取得モジュールP2、表示制御モジュールP3、特性パラメータ算出モジュールP4、制御目標値算出モジュールP5、比例制御パラメータ算出モジュールP6、及び投与速度制御モジュールP7を実行することにより実現される機能は、上述した計測データ取得部21、表示制御部22、特性パラメータ算出部23、制御目標値算出部24、比例制御パラメータ算出部25、及び投与速度制御部26の機能と同様である。なお、薬物評価プログラムPは、搬送波に重畳されたコンピュータデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
[薬物評価方法]
続いて、上述した薬物評価システム1を用いた薬物評価方法について詳細に説明する。
この薬物評価方法では、始めに基準被検体Sに対する事前計測を実施して放射性薬物の特性パラメータKを算出し、特性パラメータKを用いた制御目標値A、及び比例制御パラメータKの算出を行う。図4は、制御目標値A及び比例制御パラメータKの算出処理の一例を示すフローチャートである。
図4に示すように、この算出処理では、まず、PET装置11に基準被検体Sを配置する(ステップS01)。次に、PET装置11に計測時間を入力すると共に、薬物投与装置12のシリンジ内にセットされた放射性薬物の放射能量の液量及び放射能量を計測する。そして、PET装置11の計測時間と放射性薬物の液量とに基づいて、計測中にシリンジ内の放射性薬物が尽きてしまわない範囲で放射性薬物の投与速度を設定し、当該投与速度によって基準被検体Sへの一定速度での放射性薬物の投与を開始する(ステップS02)。放射性薬物の投与を開始した後、計測期間が終了するまでPET装置11から計測データを取得する(ステップS03)。
図5は、ステップS03で取得した基準被検体Sの特定部位におけるTACの一例を示す図である。同図に示す例は、PET装置11の計測時間を90分に設定し、基準被検体Sであるサルに対し、放射性薬剤[11C]Racloprideを投与速度0.048mL/min(放射能投与速度1.4694MBq/min)で持続的に投与した場合の特定部位(線状体)のTACの計測データである。同図に示す例では、横軸が時間、縦軸が放射能濃度となっており、特定部位の放射能濃度は、時間と共に単調に増加し、一定時間後にTACが平衡に到達している。なお、一定時間後にTACが平衡に到達しない場合、この時点でシリンジ内にセットされた放射性薬物がFCI法に適しないと判断することができる。
放射性薬物の特性パラメータKの算出にあたっては、PET装置11から取得した計測データに対して特定部位を設定し(ステップS04)、特定部位におけるTACを算出する(ステップS05)。また、算出したTACに基づいて、特定部位のTACが平衡に到達している期間T及び平衡時放射能濃度A(図5参照)をそれぞれ算出する(ステップS06)。
次に、算出した平衡時放射能濃度と、基準被検体Sに投与された放射性薬物の単位時間当たりの放射能量(放射能投与速度)との比に基づいて、放射性薬物の特性パラメータKを算出する(ステップS07)。図6は、特性パラメータKの算出の一例を示す図である。同図に示す例では、横軸が平衡時放射能濃度、縦軸が放射能投与速度となっており、図5で示したTACのデータに基づいて、平衡時放射能濃度をx、放射能投与速度をyとするデータ点がプロットされている。ここでは、平衡時放射能濃度が0.0451MBq/mL、放射能投与速度が1.4694MBq/minとなっており、プロットされたデータ点と原点とを結ぶ直線は、y=32.58xで表される。したがって、放射性薬物の特性パラメータKは、当該直線の傾きである32.58と決定される。
特性パラメータKの算出の後、ステップS07で算出した特性パラメータKの逆数と、被検体Sの計測を行う際に薬物投与装置12のシリンジにセットされる放射性薬物の放射能濃度及び初期投与速度との積に基づいて、制御目標値Aの算出を行う(ステップS08)。例えば放射性薬物の放射能濃度が30.6MBq/mLであり、特性パラメータKが32.58である場合、初期投与速度を0.048mL/minとしたときの制御目標値Aは、0.0451MBq/mLと算出される。また、特性パラメータKの算出の後、ステップS07で算出した特性パラメータKと、加速係数Cとの積に基づいて、比例制御パラメータKの算出を行う(ステップS09)。加速係数Cは、正の実数から任意に選択される。例えば加速係数Cを4とする場合、比例制御パラメータKは、130.32と算出される。
図7は、評価対象薬物の評価処理の一例を示すフローチャートである。同図に示すように、実際に薬物評価を行う際には、まず、PET装置11に被検体Sを配置する(ステップS11)。次に、特性パラメータKと、制御目標値A及び比例制御パラメータKとを含む各種パラメータを制御装置13に入力し(ステップS12)、投与速度ImL/minで被検体Sに対して放射性薬物の投与を開始すると共にPET装置11での計測を開始する(ステップS13)。計測開始時の投与速度Iは、例えばステップS02で用いた投与速度であってもよい。計測開始後のi回目のフィードバック制御時の投与速度Iは、被検体Sの特定部位における放射能濃度が制御目標値Aに近づくようにフィードバック制御される。
PET装置11での計測を開始した後、特定部位におけるTACのモニタリングを行い(ステップS14)、TACが平衡に到達したか否かの判断を行う(ステップS15)。TACが平衡に到達していないと判断された場合、比例制御パラメータKを用いて被検体Sへの放射性薬物の投与速度Iを補正してもよい(ステップS16)。補正量ΔIは、特定部位のモニタリング時点の放射能濃度をAとした場合に、ΔI=K×(A−A)で算出される。補正後の放射性薬物の投与速度Iは、補正前の放射性薬物の投与速度をIi−1とした場合に、I=Ii−1+ΔIで算出される。補正を行わない場合の放射性薬物の投与速度Iは、I=Ii−1で算出される。また、計測開始時の投与速度Iは、I=Iとする。
TACが平衡に到達したと判断された場合、平衡時の投与速度Iの平均値に基づいて固定速度Iを算出する(ステップS17)。その後、投与速度Iのフィードバック制御を終了し、固定速度Iでの放射性薬物の投与に移行する(ステップS18)。固定速度Iでの放射性薬物の投与に移行後、評価対象となる薬物があるか否かを判断し(ステップS19)、評価対象となる薬物がない場合には、PET装置11による計測時間の満了と共に処理を終了する。評価対象となる薬物がある場合には、当該薬物を被検体Sに投与してPET装置11による計測を継続し(ステップS20)、その後、PET装置11による計測時間の満了と共に処理を終了する。
図8は、被検体の特定部位におけるTACの一例を示す図である。同図に示す例は、評価対象となる薬物を投与しなかった場合の被検体SのTACの計測データであり、PET装置11の計測時間を120分に設定し、被検体Sであるサルに対し、放射性薬剤[11C]Racloprideを投与したものである。図8の例では、横軸が時間、縦軸(左)が放射能濃度、縦軸(右)が投与速度となっており、特定部位の放射能濃度(グラフA)、特定部位以外(リファレンス)の放射能濃度(グラフB)、及び放射性薬物の投与速度(グラフC)がそれぞれプロットされている。また、制御目標値Aの値、フィードバック制御期間、固定速度期間をそれぞれ図示している。
図8に示すように、PET装置11での計測の開始後、制御目標値A及び比例制御パラメータKに基づく放射性薬物の投与速度Iのフィードバック制御に従って特定部位の放射能濃度が立ち上がり、制御目標値Aの値に収束している。放射性薬剤の投与速度Iは、計測開始時の投与速度Iから徐々に減少し、一定の漸近線に収束している。TACが平衡に到達した後、計測開始から45分の時点で投与速度Iのフィードバック制御が終了し、PET装置11の計測期間が満了するまで固定速度Iが維持される。固定速度Iに移行後も、TAC平衡が維持されている。
図9は、薬物評価の実施例を示す図である。同図に示す例は、評価対象となる放射性薬物を投与した場合の被検体SのTACの計測データであり、計測条件は図8に示した場合と同様であるが、TACが平衡(1次的な平衡)に達して固定速度Iに移行した後、計測開始から55分の時点で、評価対象薬物として10μg/kg/i.v.のCold−racloprideを被検体Sに投与した。図9の例では、評価対象薬物の投与後、特定部位の放射能濃度が減少し、一定時間経過後に2次的なTAC平衡に到達している。1次的なTAC平衡時の平衡時放射能濃度と、2次的なTAC平衡時の平衡時放射能濃度との差が、評価対象薬物の効果の定量的な判断に用いられる。
図10は、薬物評価の比較例を示す図である。同図に示す例は、従来のようにボーラス投与を行った後、評価対象となる放射性薬物を投与した場合の被検体SのTACの計測データである。この例では、PET装置11での計測の開始と同時に薬物投与装置12による被検体Sへの放射性薬物のボーラス投与を実施した。ボーラス投与により、特定部位の放射能濃度は、投与開始から急激に立ち上がり、一定時間経過後にピークが出現している。
特定部位の放射能濃度のピークが出現した後、ピーク付近の値から経験的に制御目標値Aが設定され、この制御目標値Aに基づいて放射性薬物の投与速度がフィードバック制御される。特定部位のTACが平衡に達した後、放射性薬物の投与速度が経験的に設定された固定速度に移行し、評価対象薬物が被検体Sに投与される。
被検体Sに放射性薬物をボーラス投与する場合、評価対象の薬物が変わる度にPET装置11による被検体Sの特定部位のTACを繰り返し計測し、放射性薬物の投与速度に関する制御目標値Aを経験的に決定する必要があった。ボーラス投与後のTACの応答によっては、放射性薬物の投与速度の制御がTAC平衡への到達を難しくする場合があり、制御目標値Aの経験的な決定には相当の熟練を要していた。また、従来の手法では、ボーラス投与後のTACの応答をモニタしながら放射性薬物の投与速度の制御目標値Aを決定していた。このため、PET装置11による計測を開始した後、ボーラス投与後のTACの応答を待つ必要があり(図10の待機期間)、放射性薬物の評価を行うための時間が限られてしまう場合があった。さらに、フィードバック制御終了後の固定速度の算出も経験的に行われていた。なお、図10における固定速度期間は、約80分間程度となっているが、この期間は、経験に基づくトライアンドエラーを繰り返して制御目標値Aを調整した結果、得られたものである。
これに対し、薬物評価システム1では、放射性薬物の特性パラメータKの導入により、基準被検体Sに対する1回の放射能濃度の時間変化の計測に基づいて、放射性薬物の投与速度Iに関する制御目標値A及び比例制御パラメータKを一義的に決定することができる。また、薬物評価システム1では、放射性薬物を被検体Sにボーラス投与する必要がなく、予め決定された制御目標値Aによって放射性薬物の投与速度Iが一定値に近づいていくため、ボーラス投与後のTACの応答から制御目標値を算出していた従来の手法に比べて放射性薬物の評価を行うための時間を十分に確保できる。
また、薬物評価システム1では、比例制御パラメータKの導入により、被検体Sへの放射性薬物の投与が開始された後、被検体Sにおける特定部位のTACの立ち上がり中に比例制御パラメータKを用いて放射性薬物の投与速度Iを補正している。これにより、被検体Sにおける特定部位の放射能濃度が平衡に至るまでの時間を短縮できる。したがって、固定速度Iで放射性薬物の投与を行う期間、すなわち、放射性薬物の評価を行うための時間を一層十分に確保できる。
また、薬物評価システム1では、被検体Sにおける特定部位のTACが平衡に至った後、平衡時の投与速度Iの平均値に基づいて算出した固定速度Iで放射性薬物の投与速度を一定にしている。この薬物評価システム1では、予め決定された制御目標値Aによって放射性薬物の投与速度Iが一定値に近づいていくため、平衡時の投与速度Iの平均値を用いて簡単かつ精度良く固定速度Iを決定できる。
1…薬物評価システム、11…PET装置(計測装置)、12…薬物投与装置、13…制御装置、23…特性パラメータ算出部、24…制御目標値算出部、25…比例制御パラメータ算出部、26…投与速度制御部、31…記録媒体、P…薬物評価プログラム、S…被検体、S…基準被検体。

Claims (20)

  1. 被検体における特定部位の放射能濃度を計測する計測装置と、
    前記被検体に放射性薬物を投与する薬物投与装置と、
    前記計測装置で計測された前記特定部位の放射能濃度の時間変化に基づいて、前記薬物投与装置によって前記被検体に投与される前記放射性薬物の投与速度を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    基準被検体に前記放射性薬物を一定速度で投与したときに前記計測装置で計測された前記基準被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の平衡時放射能濃度と、前記薬物投与装置によって前記基準被検体に投与された前記放射性薬物の単位時間当たりの放射能量との比に基づいて、前記放射性薬物の特性パラメータを算出する特性パラメータ算出部と、
    前記特性パラメータ算出部によって算出された前記特性パラメータの逆数と、前記薬物投与装置にセットされる前記放射性薬物の放射能濃度及び初期投与速度との積に基づいて、前記被検体に前記放射性薬物を投与したときに前記計測装置で計測される前記被検体における特定部位の放射能濃度の制御目標値を算出する制御目標値算出部と、
    前記制御目標値算出部によって算出された前記制御目標値に基づいて、前記被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至るまで、前記薬物投与装置によって前記被検体に投与される前記放射性薬物の投与速度をフィードバック制御する投与速度制御部と、を有している薬物評価システム。
  2. 前記制御装置は、前記特性パラメータ算出部によって算出された前記特性パラメータと、正の実数である加速係数との積に基づいて、比例制御パラメータを算出する比例制御パラメータ算出部を更に有し、
    前記投与速度制御部は、前記比例制御パラメータ算出部によって算出された前記比例制御パラメータを用いて前記放射性薬物の投与速度を補正する請求項1記載の薬物評価システム。
  3. 前記投与速度制御部は、前記被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至った後、平衡時の投与速度の平均値に基づいて算出した固定速度で前記放射性薬物の投与速度を一定にする請求項1又は2記載の薬物評価システム。
  4. 被検体における特定部位の放射能濃度を計測する計測装置と、
    前記被検体に放射性薬物を投与する薬物投与装置と、
    前記計測装置で計測された前記特定部位の放射能濃度の時間変化に基づいて、前記薬物投与装置によって前記被検体に投与される前記放射性薬物の投与速度を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    基準被検体に前記放射性薬物を一定速度で投与したときに前記計測装置で計測された前記基準被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の平衡時放射能濃度と、前記薬物投与装置によって前記基準被検体に投与された前記放射性薬物の単位時間当たりの放射能量との比に基づいて、前記放射性薬物の特性パラメータを算出する特性パラメータ算出部と、
    前記特性パラメータ算出部によって算出された前記特性パラメータと、正の実数である加速係数との積に基づいて、比例制御パラメータを算出する比例制御パラメータ算出部と、
    前記被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至るまで、前記薬物投与装置によって前記被検体に投与される前記放射性薬物の投与速度を予め前記特性パラメータに基づいて設定された制御目標値を用いてフィードバック制御する投与速度制御部と、を有し、
    前記投与速度制御部は、前記薬物投与装置による前記被検体への前記放射性薬物の投与が開始された後、前記被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の立ち上がり中に前記比例制御パラメータを用いて前記放射性薬物の投与速度を補正する薬物評価システム。
  5. 前記投与速度制御部は、前記被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至った後、平衡時の投与速度の平均値に基づいて算出した固定速度で前記放射性薬物の投与速度を一定にする請求項4記載の薬物評価システム。
  6. 特性パラメータ算出部が、基準被検体に放射性薬物を一定速度で投与したときに計測装置で計測された前記基準被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の平衡時放射能濃度と、薬物投与装置によって前記基準被検体に投与された前記放射性薬物の単位時間当たりの放射能量との比に基づいて、前記放射性薬物の特性パラメータを算出する特性パラメータ算出ステップと、
    制御目標値算出部が、前記特性パラメータ算出ステップにおいて算出された前記特性パラメータの逆数と、前記薬物投与装置にセットされる前記放射性薬物の放射能濃度及び初期投与速度との積に基づいて、被検体に前記放射性薬物を投与したときに前記計測装置で計測される前記被検体における特定部位の放射能濃度の制御目標値を算出する制御目標値算出ステップと、
    投与速度制御部が、前記制御目標値算出ステップにおいて算出された前記制御目標値に基づいて、前記被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至るまで、前記薬物投与装置によって前記被検体に投与される前記放射性薬物の投与速度をフィードバック制御する投与速度制御ステップと、を有する薬物評価システムの作動方法
  7. 比例制御パラメータ算出部が、前記特性パラメータ算出ステップにおいて算出された前記特性パラメータと、正の実数である加速係数との積に基づいて、比例制御パラメータを算出する比例制御パラメータ算出ステップを更に有し、
    前記投与速度制御ステップにおいて、前記比例制御パラメータ算出ステップで算出された前記比例制御パラメータを用いて前記放射性薬物の投与速度を補正する請求項6記載の薬物評価システムの作動方法
  8. 前記投与速度制御ステップにおいて、前記被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至った後、平衡時の投与速度の平均値に基づいて算出した固定速度で前記放射性薬物の投与速度を一定にする請求項6又は7記載の薬物評価システムの作動方法
  9. 特性パラメータ算出部が、基準被検体に放射性薬物を一定速度で投与したときに計測装置で計測された前記基準被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の平衡時放射能濃度と、薬物投与装置によって前記基準被検体に投与された前記放射性薬物の単位時間当たりの放射能量との比に基づいて、前記放射性薬物の特性パラメータを算出する特性パラメータ算出ステップと、
    比例制御パラメータ算出部が、前記特性パラメータ算出ステップにおいて算出された前記特性パラメータと、正の実数である加速係数との積に基づいて、比例制御パラメータを算出する比例制御パラメータ算出ステップと、
    投与速度制御部が、被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至るまで、前記薬物投与装置によって前記被検体に投与される前記放射性薬物の投与速度を予め前記特性パラメータに基づいて設定された制御目標値を用いてフィードバック制御する投与速度制御ステップと、を有し、
    前記投与速度制御ステップにおいて、前記薬物投与装置による前記被検体への前記放射性薬物の投与が開始された後、前記被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の立ち上がり中に前記比例制御パラメータを用いて前記放射性薬物の投与速度を補正する薬物評価システムの作動方法
  10. 前記投与速度制御ステップにおいて、前記被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至った後、平衡時の投与速度の平均値に基づいて算出した固定速度で前記放射性薬物の投与速度を一定にする請求項9記載の薬物評価システムの作動方法
  11. コンピュータを、
    基準被検体に放射性薬物を一定速度で投与したときに計測装置で計測された前記基準被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の平衡時放射能濃度と、薬物投与装置によって前記基準被検体に投与された前記放射性薬物の単位時間当たりの放射能量との比に基づいて、前記放射性薬物の特性パラメータを算出する特性パラメータ算出部、
    前記特性パラメータ算出部によって算出された前記特性パラメータの逆数と、前記薬物投与装置にセットされる前記放射性薬物の放射能濃度及び初期投与速度との積に基づいて、前記被検体に前記放射性薬物を投与したときに前記計測装置で計測される前記被検体における特定部位の放射能濃度の制御目標値を算出する制御目標値算出部、
    前記制御目標値算出部によって算出された前記制御目標値に基づいて、前記被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至るまで、前記薬物投与装置によって前記被検体に投与される前記放射性薬物の投与速度をフィードバック制御する投与速度制御部、として機能させる薬物評価プログラム。
  12. コンピュータを、前記特性パラメータ算出部によって算出された前記特性パラメータと、正の実数である加速係数との積に基づいて、比例制御パラメータを算出する比例制御パラメータ算出部、として更に機能させ、
    前記投与速度制御部を、前記比例制御パラメータ算出部によって算出された前記比例制御パラメータを用いて前記放射性薬物の投与速度を補正するように機能させる請求項11記載の薬物評価プログラム。
  13. 前記投与速度制御部を、前記被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至った後、平衡時の投与速度の平均値に基づいて算出した固定速度で前記放射性薬物の投与速度を一定にするように機能させる請求項11又は12記載の薬物評価プログラム。
  14. コンピュータを、
    基準被検体に放射性薬物を一定速度で投与したときに計測装置で計測された前記基準被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の平衡時放射能濃度と、薬物投与装置によって前記基準被検体に投与された前記放射性薬物の単位時間当たりの放射能量との比に基づいて、前記放射性薬物の特性パラメータを算出する特性パラメータ算出部、
    前記特性パラメータ算出部によって算出された前記特性パラメータと、正の実数である加速係数との積に基づいて、比例制御パラメータを算出する比例制御パラメータ算出部、
    前記被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至るまで、前記薬物投与装置によって前記被検体に投与される前記放射性薬物の投与速度を予め前記特性パラメータに基づいて設定された制御目標値を用いてフィードバック制御する投与速度制御部、として機能させ、
    前記投与速度制御部を、前記薬物投与装置による前記被検体への前記放射性薬物の投与が開始された後、前記被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の立ち上がり中に前記比例制御パラメータを用いて前記放射性薬物の投与速度を補正するように機能させる薬物評価プログラム。
  15. 前記投与速度制御部を、前記被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至った後、平衡時の投与速度の平均値に基づいて算出した固定速度で前記放射性薬物の投与速度を一定にするように機能させる請求項14記載の薬物評価プログラム。
  16. コンピュータを、
    基準被検体に放射性薬物を一定速度で投与したときに計測装置で計測された前記基準被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の平衡時放射能濃度と、薬物投与装置によって前記基準被検体に投与された前記放射性薬物の単位時間当たりの放射能量との比に基づいて、前記放射性薬物の特性パラメータを算出する特性パラメータ算出部、
    前記特性パラメータ算出部によって算出された前記特性パラメータの逆数と、前記薬物投与装置にセットされる前記放射性薬物の放射能濃度及び初期投与速度との積に基づいて、前記被検体に前記放射性薬物を投与したときに前記計測装置で計測される前記被検体における特定部位の放射能濃度の制御目標値を算出する制御目標値算出部、
    前記制御目標値算出部によって算出された前記制御目標値に基づいて、前記被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至るまで、前記薬物投与装置によって前記被検体に投与される前記放射性薬物の投与速度をフィードバック制御する投与速度制御部、として機能させる薬物評価プログラムを記録した記録媒体。
  17. コンピュータを、前記特性パラメータ算出部によって算出された前記特性パラメータと、正の実数である加速係数との積に基づいて、比例制御パラメータを算出する比例制御パラメータ算出部、として更に機能させ、
    前記投与速度制御部を、前記比例制御パラメータ算出部によって算出された前記比例制御パラメータを用いて前記放射性薬物の投与速度を補正するように機能させる請求項16記載の薬物評価プログラムを記録した記録媒体。
  18. 前記投与速度制御部を、前記被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至った後、平衡時の投与速度の平均値に基づいて算出した固定速度で前記放射性薬物の投与速度を一定にするように機能させる請求項16又は17記載の薬物評価プログラムを記録した記録媒体。
  19. コンピュータを、
    基準被検体に放射性薬物を一定速度で投与したときに計測装置で計測された前記基準被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の平衡時放射能濃度と、薬物投与装置によって前記基準被検体に投与された前記放射性薬物の単位時間当たりの放射能量との比に基づいて、前記放射性薬物の特性パラメータを算出する特性パラメータ算出部、
    前記特性パラメータ算出部によって算出された前記特性パラメータと、正の実数である加速係数との積に基づいて、比例制御パラメータを算出する比例制御パラメータ算出部、
    前記被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至るまで、前記薬物投与装置によって前記被検体に投与される前記放射性薬物の投与速度を予め前記特性パラメータに基づいて設定された制御目標値を用いてフィードバック制御する投与速度制御部、として機能させ、
    前記投与速度制御部を、前記薬物投与装置による前記被検体への前記放射性薬物の投与が開始された後、前記被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化の立ち上がり中に前記比例制御パラメータを用いて前記放射性薬物の投与速度を補正するように機能させる薬物評価プログラムを記録した記録媒体。
  20. 前記投与速度制御部を、前記被検体における特定部位の放射能濃度の時間変化が平衡に至った後、平衡時の投与速度の平均値に基づいて算出した固定速度で前記放射性薬物の投与速度を一定にするように機能させる請求項19記載の薬物評価プログラムを記録した記録媒体。
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