JP2010017417A - Pet薬剤送出装置およびその作動方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリンジと連続的流量調節型シリンジポンプ及び制御部を少なくとも備えるPET薬剤送出装置であって、予め制御部にインプットされた動作条件に基づき、制御部に制御されたシリンジポンプが、薬剤流量を徐々に増加することで、PET薬剤の指数関数的放射能減衰を補完することができる放射性薬剤の送出装置および送出方法。
【選択図】図4
Description
PET薬剤は、一般に静脈から被験者に投与されるが、このようなPET薬剤の投与に際してシリンジポンプが用いられる。医薬品用のシリンジポンプとしては、例えば、放射性医薬品用シリンジポンプ(特許文献1)、および、シミュレートされた血中薬剤濃度が所定値に達したものと判断された時に、その血中薬剤濃度を維持できるシリンジポンプ(特許文献2)やダイナミックレンジを改良した供給装置(特許文献3)等がある。
(1)シリンジと連続的流量調節型シリンジポンプ及び制御部を少なくとも備えるPET薬剤送出装置であって、予め制御部にインプットされた動作条件に基づき、制御部に制御されたシリンジポンプが、所定の初期放射能濃度を有するPET薬剤が所定量充填されたシリンジから、PET薬剤の内の一部を第1送出速度(V1)で送出し、続いて、所定量のPET薬剤の内の他の一部を第1送出速度より遅い第2送出速度(V2)で送出し、引き続き、PET薬剤の放射能減衰を補完するため、PET薬剤の残りを、第2送出速度より遅い当初速度で始まる第3送出速度(V3)で送出し、第3送出速度がPET薬剤の送出開始からの経過時間の指数に比例して増加することを特徴とするPET薬剤送出装置である。
(2)上記(1)に示すPET薬剤送出装置であって、制御部の指令により、シリンジポンプは、第1送出速度で、生体の静脈血管とシリンジとを連結するカテーテル内にPET薬剤を充填し、PET検査に必要な生体内放射能レベルを達成するために、カテーテルを介して、第2送出速度で所定量のPET薬剤を静脈血管に送出し、生体内放射能レベルからの放射能の減衰を補完するため、第3送出速度で、PET薬剤を送出することを特徴とする。
(3)上記(2)に示すPET薬剤送出装置であって、第3送出速度(V3)が式(1)で表されることを特徴とする。
V3=A3×exp(b3×t) (1)
(ここで、A3およびb3はそれぞれ正の数であって、tはPET薬剤の送出開始からの経過時間である。)
(4)少なくともシリンジと連続的流量調節型シリンジポンプとを備えるPET薬剤送出装置の作動方法であって、所定の初期放射能濃度を有するPET薬剤が所定量充填されたシリンジから、PET薬剤の内の一部を第1送出速度(V1)で送出する第1送出ステージと、続いて、所定量のPET薬剤の内の他の一部を前記第1送出速度より遅い第2送出速度(V2)で送出する第2送出ステージと、引き続き、PET薬剤の放射能減衰を補完するため、PET薬剤の残りを、第2送出速度より遅い当初速度で始まる第3送出速度(V3)で送出する第3送出ステージを有し、第3送出速度を、PET薬剤の送出開始からの経過時間の指数に比例して増加させることを特徴とするPET薬剤送出装置の作動方法である。
(5)上記(4)に示すPET薬剤送出装置の作動方法であって、第1送出ステージは、デッドボリュームへの薬剤充填ステージであり、第2送出ステージは、PET検査に必要な目標放射能レベルを達成するために所定量のPET薬剤を送出するステージであり、第3送出ステージは目標放射能レベルを維持するステージであることを特徴とする。
(6)上記(5)に示すPET薬剤送出装置であって、第3送出速度(V3)が式(1)で表されることを特徴とする。
V3=A3×exp(b3×t) (1)
(ここで、A3およびb3はそれぞれ正の数であって、tはPET薬剤の送出開始からの経過時間である。)
図1は本発明の一実施形態で用いた放射性薬剤送出装置100を示す概略側面図である。放射性薬剤送出装置100は、連続的流量調節型シリンジポンプ101とシリンジ110を少なくとも有する。シリンジポンプ101は、シリンジ保持部102、シリンジ駆動機構103、操作部104、制御ユニット105、および駆動ユニット106を備えている。制御ユニット105は薬剤送出プログラムを内蔵しており、薬剤送出プログラムはシリンジの種類、1回当たりに必要な送出量、送出速度、送出回数、送出期間などが異なる多数のパターンを保有している。
実施形態では臨床使用されているPET薬剤の中で最も短半減期であり、定常投与法の実現が困難とされていた15O標識水をPET薬剤として用いた。
最初に従来の1回投与法で15O標識水を生体に投与するモデル実験を行った。
400mg/kg抱水クロラール麻酔後のSprague Dawley正常雄ラット1匹(約300g)に15O標識水約392.5μlを静脈から投与し、投与直後から、適宜、100〜200μlずつ動脈血を採取することで血中放射能濃度の時間変化を測定した。結果を図2に示す。図2から明らかなように、血中放射能濃度は1分以内で、急速な立ち上がりと、それに続く、急激な立下りを示した。投与直後からの血中放射能濃度のこのような急激な放射能減衰が1回投与法の問題であり、そのため、多くの採血データと複雑な計算が必要であった。図3には、目標とする血中放射能濃度の推移の一例を示す。血中放射能濃度は、投与直後から検査に必要な時間にわたって一定値を維持しているという態様が理想的である。
本発明は、このPET薬剤を用いて、検査中の放射能が生体内で定常状態となるように、薬剤の指数関数的放射能減衰に合わせ非常に短い間隔で薬剤流量を増加させるようにシリンジポンプを作動させるというものである。
図4に本発明の一実施形態で作成したプログラム(以下、定常投与プログラムPという)を例示する。図4のプログラムPは、15O標識水投与開始時の放射能濃度を555MBq/9mlに固定し、15O標識水の放射能を動物(ラット)体内で目標放射能である20MBqを安定に維持できるように連続的流量調節型シリンジポンプ101を作動させるためのプログラムである。なお、プログラムPでは、小動物PET装置において、サチュレーションを起こさない程度で測定可能な上限の放射能である20MBqを目標放射能レベルとして用いた。以下、プログラムPの内容について説明する。
本発明では第3送出速度(V3)を式(1)で表すことで上記目的が達成されることを見出した。ここで、V3の当初速度はV2の速度よりも遅いことを特徴とする。
V3=A3×exp(b3×t) (1)
(ここで、A3およびb3はそれぞれ正の数であって、tはPET薬剤の送出開始からの経過時間である。)
目標放射能×exp(−0.693×t/{15O標識水の半減期{秒}}) (2)
(t:トレーサー投与からの経過時間{秒})
なお、{15O標識水の半減期{秒}}は122.2秒であり、ラットの場合の目標放射能は20MBqである。したがって、生体内で目標放射能の20MBqに到達させた後、式(2)に従い減衰した放射能分を20MBqで一定となるようにシリンジ内に残っている15O標識水を投与して補完する。
米ゼネラル・エレクトリック(GE)社製PET「Advance NXi(アドバンス・エヌエックス・アイ)を用い、15O標識水を1回投与法によりヒトを検査した場合には740MBqが目標放射能となる。使用するPET装置やヒトの個体差等にも依存するものの、本発明でもヒトの目標放射能は740MBq程度になる。本実施形態のシリンジポンプを用い、ラット実験と同様のカテーテルを使用して、投与開始時に18.5GBq/9mlのトレーサーを作製できた場合、740MBqの目標放射能を実現するための注入量は約573.8ulで、40秒で投与する場合の最大注入速度は1125.6ul/min、最低速度は844.9ul/minである。注入速度の上限は前述のCT造影剤を用いた場合の3.5ml/秒〜4.5ml/秒程度と思われるので、この計算上の上限は数ml/秒であり上限以内である。ラットのプログラムをそのままヒトには適用できないが、プログラムPの発明概念はヒト用にも有効であり、プログラムの定数を最適化することでヒトにも適用できる。すなわち、プログラムPを実際にヒトの検査に際して用いる場合には、ヒトの個体差、対象とする検査部位、検査装置の種類、用いるPET薬剤などに応じて、A3およびb3を調整することでプログラムの最適化をすればよい。
v2=540.6×exp(0.0046×t) (3)
(t:トレーサー投与からの経過時間)
なお、本実施形態では、B段階で、式(3)で表される第2送出速度を適用したが、B段階については、送出速度(v2)をトレーサー投与からの経過時間tの指数に比例させることは必須要件ではない。v2を一定速度で投与したとしても同様な結果が得られることについては、別途行った実験で確認できた。
20MBq×exp(−0.693×t/122.2) (4)
(t:トレーサー投与後からの経過時間(秒))
B段階で生体に投与した20MBqの放射能はそのまま放置すると減衰するので、式(5)に従い減衰した放射能分を20MBq一定に維持するためシリンジ内に残っている15O標識水を追加送出することにより補完する。本実施形態で小動物PET装置を用いてラット300g、目標放射能を20MBqとして撮像を行ったときの、トレーサー投与40秒後以降となる第3送出速度(v3)は、シリンジ内に残っている15O標識水の減衰も考慮して、下記の式(5)で求めることができた。
v3=120×exp(0.0051×t) (5)
(t:トレーサー投与後からの経過時間(秒))
本シリンジポンプを用いた場合、ステップの間隔としては、4〜5秒ごとが最適であるだろう。基本的には、短いステップ時間間隔で多いステップ数を用いて減衰した放射能を補完したほうが定常状態を維持しやすい。一方、ステップ数とステップ時間の兼ね合いは撮像時間に依存するので、画質の観点からも4〜5秒ごとのステップが最適であるだろう。
V3=A3×exp(b3×t) (6)
(但し、A3=120、b3=0.0051)
検査装置、PET薬剤ごと(投与開始時の放射能濃度、目標放射能も含めて)に上記の係数を最適化することが有効である。すなわち、薬剤投与速度の増加量を数式化できることが分かった。個体差等の影響については、その後に微調整すればよい。
つまり、15O標識水の半減期は約2分と非常に早い。したがって、B段階からC段階に移行する40秒後には、第3送出速度(V3)は、第2送出速度(V2)の23%でよいが、C段階が終了する投与6分後では既に3半減期過ぎているためシリンジ内に残存している15O標識水自体が非常に低い放射能濃度になっている。したがって、生体内の放射能を20MBqに一定にするためには多くの投与量を加えなければならず、投与後6分近くになると、第2送出速度以上の非常に速い投与速度が必要となる。
(実施例1)
[PET薬剤の定常投与プログラムのモデル実験]
放射能濃度が555MBq/9mlである15O標識水が充填されたシリンジ110をシリンジ保持部101に固定し、シリンジ吐出部111を60cmのカテーテル(デッドボリューム約160μl)でバイアル(容量15ml)に連結した。この状態で、制御ユニット104に格納された定常投与プログラムPをスタートさせ、15O標識水をバイアル内に送出した。バイアル内に収容された15O標識水を市販の放射線測定器(ドーズメーター)を用いて放射能計測を行うことで、ポンプの性能とプログラムの動作を確認した。送出開始(すなわち、プログラムPのスタート)から、10秒毎に6分間にわたって放射能を測定する実験を3回繰り返し行った。測定結果を図5に示す。図5に示すように、定常投与プログラムPを導入したシリンジポンプ101により、3回の実験共に、送出開始後約50秒後には、バイアル内の放射能が20MBqに達し、その後、ほぼ一定の放射能を維持することが確認できた。なお、作成したプログラムの動作確認を行うために、最終的には生体を用いて行う必要があるが、プログラムを構築し評価する際には生体は必ずしも必要でなく、上記のような生体を使わない単純化した系を用いて十分評価することができる。
図5は生体外で行った結果であり、放射能が約20MBqで定常状態になっていることが分かる。一方、動物に定常投与プログラムPを適用した結果が図6である。図6の結果については後述するが、ラット全体としては、血中放射能が約20MBqで一定となっており、血中放射能濃度も図6の結果からほぼ一定となっていることがわかる。ただし、生体内は複雑であり血液だけでなく15O標識水が細胞や臓器等に一定期間集積する。したがって、血中放射能は20MBqよりもやや低い値で一定になるものと思われる。
[小動物への投与試験]
400mg/kg抱水クロラール麻酔後のSprague Dawley正常雄ラット7匹(301.4±16.8g)にPET薬剤として15O標識水を投与し、血液内放射能を測定すると共に、小動物PET装置SHR−41000(浜松ホトニクス(株)製)を用いて脳内放射能の変化を追跡した。
ラットから放出されるγ線は、被検診者の体内を透過する際に減弱(吸収)される。PETを用いた検査の定量性を確保するためには、ラット体内でのγ線の減弱量を測定し、その測定値に基づいて、エミッション計測におけるγ線の減弱を補正する必要がある。この減弱補正に必要となるデータを収集するためにトランスミッション撮像を実行した。
放射能濃度が555MBq/9mlである15O標識水をシリンジ110に充填し、シリンジ110をシリンジ保持部101に固定した。シリンジ吐出部111とラットの静脈とは60cm長のカテーテル(デッドボリューム約160μl)で連結した。操作部103を操作して、制御ユニット104に格納された前述の定常投与プログラムPを選択し、プログラムPを実行させることで、15O標識水のラットへの投与を実行した。定常投与プログラムPにより、15O標識水の投与が、20MBqで定常的に行われていることを確認するため、動脈血液中の放射能測定、脳のエミッション撮像、および脳血流量の算出、を実施した。
15O標識水の投与開始から、1分、2分、3分、4分、5分、および6分後に、各100〜200μlの動脈血液をラットから採取し、オートウェルガンマカウンタ(ARC−2000、アロカ社製)を用いて血中放射能濃度Ca(kBq/ml)を測定した。
7匹のラット(それぞれ異なった記号で示す)についての測定結果を図6に示す。図6に示すように、動脈血の時間放射能曲線は15O標識水の投与後2分以降、6分後まで約200kBq/mlの定常状態が保たれた。
これに対し、図2の1回投与法を用いた場合の投与2分後の血中放射能濃度は181kBq/mlであり、6分後は122kBq/mlに低下していた。つまり、6分後の放射能は2分後の放射能の67%まで減衰していた。
この結果は、本発明のPET薬剤送出装置の作動方法の従来法に対する優位性を顕著に示している。
15O標識水の投与後から、6分間にわたってラットの脳のエミッション撮像を行った。画像再構成アルゴリズムはフーリエリビニング−フィルタ補正逆投影(Fourier rebinning Filtered Backed Projection)法を用い、関心領域は全脳領域に配置した。
15O標識水の投与後、2〜3分後、および5〜6分後のエミッション画像をそれぞれ図7a1〜a3、図7b1〜b3に示す。ここで、(a1)、(b1)は脳の「横断像」、(a2)、(b2)は「冠状断像」、(a3)、(b3)は「矢状断像」をそれぞれ示す。図7に示されるように、2〜3分後の画像と5〜6分後の画像とはほぼ一致しており、15O標識水の定常投与の効果が確認できた。
上記(2)で得られたエミッション撮像を医療画像解析ソフトウェア(Dr.View、AJS(株))を用いて解析した。全脳に関心領域(R1、R2)を置いて組織内放射能濃度Ct(kBq/ml)を取得した後、1−コンパートメントモデルの公式(図8)にCa(血中放射能濃度)、Ctを代入し、脳血流量CBF(mL/100g/min)を算出した。なお、ラット用の最適な分配係数ρは測定されていないため、ヒト用の定数(ρ=0.9)を用いた。
算出された正常ラットの脳血流量は抱水クロラール麻酔下で37.6±5.3mL/100g/minであった。この数値は、Magataらがペントバルビタール麻酔下の正常ラットにおいて、1回投与法により求められた脳血流量値(44.0 ± 4.5 mL/100g/min)より若干低い(Magata Y et al. Development of injectable O-15 oxygen and estimation of rat OEF. J Cereb Blood Flow Metab. 23(6): 671-676. 2003.)。しかしながら、ヒトの分配係数を代用したこと、および麻酔薬の違いやラット種差を考慮すると妥当な数値であると考えられる。
ラットでの実験結果に基づいて、ヒトのPET薬剤送出プログラムを導き出すことが可能である。その場合、使用するPET装置および対象部位、PET薬剤において目標放射能をいくらにするのか、投与開始時の15O標識薬剤の濃度はどのくらいで固定するのかを予め評価して決定する。その後で個体差を考慮してプログラムを少しずつ変更すればよい。実施例3では、個体差は考慮せず、薬剤を注入するためのカテーテルはラットと同じものを使用し、目標放射能を740MBq、放射性濃度を18.5GBq/9mlとした。
v2=840.9×exp(0.0085×t) (7)
v3=167.5×exp(0.0046×t) (8)
(t:トレーサー投与後の経過時間{秒})
ちなみに、A段階はラットの場合と同じ1980μl/min一定とした。
ラットの場合の第2送出速度(B段階)および第3送出速度(C段階)をそれぞれ示す式(3)、(5)と比較すると係数は異なっているもののこれらの速度が、トレーサー投与後の経過時間{秒}の指数に比例して増加している点で共通している。したがって、第3送出速度(V3)については下記の式(1)によって表現できることが確認できた。
V3=A3×exp(b3×t) (1)
(ここで、A3およびb3はそれぞれ正の数であり、tはPET薬剤の送出開始からの経過時間である。)
なお、第2送出速度(v2)については、ラットでの実験の場合と同様に、ヒトの場合でも、送出速度v2をトレーサー投与からの経過時間tの指数に比例させることは必ずしも必要ではなく、v2を一定速度で投与したとしても同様な結果が得られるであろうことはラットでの結果から予測される。
また、A3およびb3は小動物用PET装置と臨床PET装置との性能差に応じて変更すればよい。つまり、ラットで可能となった定常投与法のプログラムに基づいて、ヒトへの適用時には各係数を補正することで最適化を行えばよいだろう。
101 連続的流量調節型シリンジポンプ
102 シリンジ保持部
103 シリンジ駆動機構
104 操作部
105 制御ユニット
106 駆動ユニット
110 シリンジ
111 シリンジ吐出部
Claims (6)
- シリンジと連続的流量調節型シリンジポンプ及び制御部を少なくとも備えるPET薬剤送出装置であって、
予め前記制御部にインプットされた動作条件に基づき、前記制御部に制御された前記シリンジポンプが、
所定の初期放射能濃度を有するPET薬剤が所定量充填された前記シリンジから、前記PET薬剤の内の一部を第1送出速度(V1)で送出し、
続いて、前記所定量のPET薬剤の内の他の一部を前記第1送出速度より遅い第2送出速度(V2)で送出し、
引き続き、前記PET薬剤の放射能減衰を補完するため、前記PET薬剤の残りを、前記第2送出速度より遅い当初速度で始まる第3送出速度(V3)で送出し、前記第3送出速度が前記PET薬剤の送出開始からの経過時間の指数に比例して増加することを特徴とするPET薬剤送出装置。 - 前記制御部の指令により、前記シリンジポンプは、
前記第1送出速度で、生体の静脈血管と前記シリンジとを連結するカテーテル内に前記PET薬剤を充填し、
PET検査に必要な生体内放射能レベルを達成するために、前記カテーテルを介して、前記第2送出速度で所定量のPET薬剤を前記静脈血管に送出し、
前記生体内放射能レベルからの放射能の減衰を補完するため、前記第3送出速度で、前記PET薬剤を送出することを特徴とする請求項1に記載のPET薬剤送出装置。 - 前記第3送出速度(V3)が式(1)で表されることを特徴とする請求項2に記載のPET薬剤送出装置。
V3=A3×exp(b3×t) (1)
(ここで、A3およびb3はそれぞれ正の数であって、tはPET薬剤の送出開始からの経過時間である。) - 少なくともシリンジと連続的流量調節型シリンジポンプとを備えるPET薬剤送出装置の作動方法であって、
所定の初期放射能濃度を有するPET薬剤が所定量充填された前記シリンジから、前記PET薬剤の内の一部を第1送出速度(V1)で送出する第1送出ステージと、
続いて、前記所定量のPET薬剤の内の他の一部を前記第1送出速度より遅い第2送出速度(V2)で送出する第2送出ステージと、
引き続き、前記PET薬剤の放射能減衰を補完するため、前記PET薬剤の残りを、前記第2送出速度より遅い当初速度で始まる第3送出速度(V3)で送出する第3送出ステージを有し、
前記第3送出速度を、前記PET薬剤の送出開始からの経過時間の指数に比例して増加させることを特徴とするPET薬剤送出装置の作動方法。 - 前記第1送出ステージは、デッドボリュームへの薬剤充填ステージであり、
前記第2送出ステージは、PET検査に必要な目標放射能レベルを達成するために所定量のPET薬剤を送出するステージであり、
前記第3送出ステージは前記目標放射能レベルを維持するステージであることを特徴とする請求項4に記載のPET薬剤送出装置。 - 前記第3送出速度(V3)が式(1)で表されることを特徴とする請求項5に記載のPET薬剤送出装置の作動方法。
V3=A3×exp(b3×t) (1)
(ここで、A3およびb3はそれぞれ正の数であって、tはPET薬剤の送出開始からの経過時間である。)
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