JP6432277B2 - チタン材と鉄鋼材料の接合方法 - Google Patents

チタン材と鉄鋼材料の接合方法 Download PDF

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Description

本発明は、チタン材と鉄鋼材料の異種金属材料からなる接合継手、接合品、各種構造材の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、摩擦攪拌接合により接合した異種金属接合継手及びその接合方法に関するものである。
チタン及びチタン合金は、優れた耐食性、耐熱性、高比強度などの高付加価値金属材料として、様々な構造物や機械部品などに適用されてきたが、既存の構造材料である鉄鋼材料との異材複合化ができれば、個々の機能を十分に活用できる複合素材として、高機能の先端複合素材を確保することができる。このような異種金属材料を組み合わせた素材及び製品の製造には、異種金属材料を適宜接合する必要がある。
しかしながら、チタン材と鉄鋼材料を工業的に広く使用されているTIG溶接、MIG溶接やスポット溶接など溶融溶接法で溶接した場合、溶融した溶接金属中に脆弱な金属間化合物を生成するため、接合強度が低い、あるいは、熱応力によって割れが発生しやすいなどの問題があり、溶融溶接法によるチタン材と鉄鋼材料の接合は、極めて困難な技術とされてきた。
そのため、チタン材と鉄鋼材料との接合には、固相接合の一種である拡散接合法(例えば、特許文献1、参照)や摩擦接合法(例えば、特許文献2、参照)、あるいは、ろう付け法(例えば、特許文献3、参照)により行われてきた。
しかし、拡散接合法では、接合に要する時間が長く、また真空中で行わなければならないため、大型構造物への適用は不向きであるとともに、コスト高であるという欠点があった。また、摩擦接合法は、接合部材そのものを回転させるため、小型部品にしか適用できない。さらに、ろう付け法では、接合強度が弱いため、構造物の接合には不向きであった。このように、従来技術のチタン材と鉄鋼材料との接合技術には問題点が多く、チタン材と鉄鋼材料との接合材の用途拡大には限界があった。
一方、近年、摩擦攪拌接合法と呼ばれる新しい接合方法が開発され(例えば、特許文献4、参照)、特に、アルミニウムやその合金同士の接合に適用され、鉄道車両外板などの接合に用いられている。この摩擦攪拌接合法は、先端にプローブを有する回転工具のプローブを高速回転させながら接合部材に接触・挿入して、回転工具と接合部材との間の摩擦熱で接合部材を軟化・塑性流動させて接合する方法である。そのため、接合部材が溶融しない固相接合法であり、溶融金属内に脆弱な金属間化合物を生成するような異種金属の組み合わせの異材接合への適用が期待できる。
また、拡散接合法のような従来の固相接合法に比べて、効率的で、溶融溶接法と同等の接合効率を有しており、しかも接合欠陥やヒュームが少なく、また、接合部の金属組織が動的再結晶により微細化し、機械的特性の向上にも期待できるなどの利点を有している。
しかし、摩擦攪拌接合法は、開発されてからしばらくの間、アルミニウムなどの低融点金属へ主として適用され、鉄鋼材料やチタンなどの高融点金属へは、ほとんど適用されなかった。これは、部材に接触・挿入するプローブの耐摩耗性などの材質に課題があったためである。
ところが、近年、高融点金属の部材に接触・挿入することができる耐摩耗性に優れた高融点金属材料用攪拌工具(プローブ)として、米国MegaStir製のPolycrystalline Cubic Boron Nitride(pcBN)製工具(例えば、特許文献5、参照)、Ir合金製工具(例えば、特許文献6、参照)、W基合金製工具(例えば、特許文献7、参照)、Co基合金製工具(例えば、特許文献8及び9、参照)などが開発されている。
このような高融点金属材料用攪拌工具(プローブ)の技術開発により、チタン材と鉄鋼材料を摩擦攪拌接合により接合する方法が開示されている(例えば、特許文献10〜12、参照)。しかしながら、特許文献10に開示の方法では、プローブの挿入位置先端が、重ね合わせた2枚の板の上側の板の中に留まり、接合界面まで達しておらず、接合強度の低下が懸念される。また、特許文献11には、比較例として、プローブの挿入位置先端が、接合界面まで達しない場合は、接合強度が低下することが示されている。さらに、特許文献12に開示の方法は、2種類の異種金属材料の重ね摩擦攪拌接合において、同種同士の摩擦攪拌接合する際の温度が低い金属材料側からプローブを挿入することを特徴としているため、チタン材の上に鉄鋼材料を重ね、鉄鋼材料側からプローブを挿入することができず、接合材の用途が限定される。
特開2010−120081号公報 特開2008−264872号公報 特開平11−090650号公報 特開2000−301363号公報 特表2003−532543号公報 特開2004−090050号公報 特開2004−358556号公報 特開2011−062731号公報 特開2013−121621号公報 特開2006−255711号公報 特開2003−305586号公報 特開2003−170280号公報
日立製作所 ニュースリリース、インターネット<URL:http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2010/03/0326a.html>
本発明は、上記の従来技術の現状に鑑みて、チタン材と鉄鋼材料とを、接合部の強度低下を招くことなく簡易にかつ良好に接合することができる接合方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記従来技術を参考に、チタンと鉄鋼材料の摩擦攪拌接合を試み、接合後せん断引張試験を行ったところ、プラグ破断であっても、破断強度が高いものと低いものが現れることが分かった。せん断引張試験の結果を詳細に解析した結果、ショルダーによる押し込み深さを適切な範囲とすることで、プラグ破断でかつ破断強度が高い接合継手が得られることが分かり、本発明を完成するに至った。
本発明は、上記課題を解決するものであって、その要旨とするところは以下の通りである。
(1)ショルダーの先端にプローブを有する摩擦攪拌接合工具を高速回転させて被接合材に接触・挿入して接合する方法であって、被接合材としてチタン材と鉄鋼材料を重ねた位置に配置したのち、プローブを高速回転させて上側の被接合材に接触・挿入し、摩擦熱にて軟化・塑性流動させて接合する摩擦攪拌接合法により、チタン材と鉄鋼材料を重ね接合する接合方法において、
プローブに最初に接触する側の被接合材を上側板材、他方側を下側板材として、
プローブ長さが上側板材の厚さより0.1〜1.5mm長く、かつ、ショルダーの押し込み深さを0.1mm以上で、下記(1)式のA値より小さくし、プローブ長さとショルダーの押し込み深さの合計が上側板材の厚さより1.5mmを超えないようにして、チタン材と鉄鋼材料を重ね接合することを特徴とするチタン材と鉄鋼材料との接合方法。
A=TU−{(Dp×STL×Lp)/(Dp×STL + Ds×STU)} ・・・(1)
ここで、TU:上側板材の厚さ(mm)、Dp:プローブ径(mm)、Lp:プローブ長さ(mm)、Ds:ショルダー径(mm)、STL:下側板材の引張強さ(MPa)、ST U :上側板材の引張強さ(MPa)を示す。
本発明によれば、チタン材と鉄鋼材料を溶融させずに、摩擦熱にて軟化・塑性流動させて固相接合するため、溶融溶接のように脆弱な金属間化合物の生成や割れの発生を回避し、接合部の強度低下を招くことなく良好な接合が実現でき、チタン材と鉄鋼材料それぞれ個々の機能を十分に活用できる複合素材を製造できる。
摩擦攪拌接合法による重ね接合の概略を示す図である。(a)は接合前の摩擦攪拌接合工具を示し、(b)はプローブを移動させて接合部を線接合させる様子を示し、(c)はプローブを移動させずに、接合部を点接合させる様子を示す。 プローブ挿入時の概略図である。
以下、本発明のチタン材と鉄鋼材料との接合方法(以下、「本発明の接合法」という)について説明する。
まず、被接合材について説明する。
チタン材の種類は限定されることはなく、純チタン系、アルファ系チタン合金、ベータ系チタン合金、アルファ+ベータ系チタン合金の中から、用途と特性との関係で適宜選択使用すれば良い。
また、鉄鋼材料もその種類、成分系、強度レベルは特に限定されることはなく、炭素鋼、低合金鋼、高合金鋼、ステンレス鋼、耐熱鋼などの中から、用途と特性との関係で適宜選択使用すれば良い。
なお、本発明の接合法において、「チタン材」は、純チタン及びその合金を含む意味で用い、また、「鉄鋼材料」は、炭素鋼及びステンレス鋼などの鉄系材料を含む意味で用いる。
次に、摩擦攪拌接合法について説明する。
摩擦攪拌接合法は、高速回転するプローブを用いて行うものである。図1に、摩擦攪拌接合法による重ね接合の概略を示す。図1(a)のように、摩擦攪拌接合工具は、円筒形支持体の端部軸線上のショルダー4に円柱状プローブ5が突出したものであり、これらが高速回転するようになっている。
被接合材の上側板材1と下側板材2を接合予定位置に配置した後、高速回転するプローブ5及びショルダー4の下面を接合部3に接触させ、プローブ5及びショルダー4を接合部3に押し込んで挿入する。プローブ5及びショルダー4の回転により、プローブ5及びショルダー4との接触部分周辺において、被接合材の上側板材1と下側板材2が摩擦熱によって、軟化・塑性流動することにより、重ね接合部3において両接合部材の上側板材1と下側板材2が接合される。この際、図1(b)のように、高速回転するプローブを接合方向に移動させて接合部3を線接合させてもよいし、図1(c)のように、高速回転するプローブ5を移動させずに、その位置で引き抜いて接合部3を点接合させてもよい。なお、板材において、プローブ5及びショルダー4と最初に接触する側を上側とし、他方側を下側とする。
このような、摩擦攪拌接合により、被接合材の上側板材1と下側板材2は溶融することなく、固相状態のまま軟化攪拌して接合され、TIG溶接やMIG溶接などの溶融溶接の場合のように、脆弱な金属間化合物を生成したり、割れが発生したりすることなく良好な接合が実現できる。
図2にプローブ挿入時の断面概略図を示す。プローブ長さLpは、上側板材1の厚さTUより短い、もしくは、上側板材1の厚さTU+0.1mm未満の場合、下側板材2の攪拌が十分ではないために、接合部の強度は低く、せん断引張り試験を実施すると界面剥離を起こす。また、プローブ長さLpが、上側板材1の厚さTU+1.5mm超の場合、下側板材2の攪拌が大きくなって、TiとFeの混合が起こり、摩擦熱によっても金属間化合物が生成するために、接合部の強度は低く、せん断引張り試験を実施すると界面剥離を起こす。
特許文献10及び11では、プローブの挿入位置の先端が、上側板材1の中に留まり、接合界面に達していない。このことは、プローブ長さLpが、上側板材1の厚さTUより短いことを意味し、本発明者らの検討では、下側板材2の攪拌が十分に行われず、接合部の強度は低くなることが判明した。したがって、チタン材と鉄鋼材料との異材接合部の強度低下を招くことなく、良好に接合を行うには、プローブ長さLpが上に重ねた被接合材の厚さより0.1〜1.5mm長いことが必要であることを見出した。
次に、本発明の接合法で最も重要な(1)式について説明する。
本発明者らは、摩擦攪拌接合した継手を多数、せん断引張試験し、破断形態と破断強度の関係を解析した。プラグ破断した継手のうち、破断面の直径がプローブ径Dpに近いものは、破断強度が高く、破断面の直径がショルダー径Dsに近いものは、破断強度が低いことを知見した。そして、この現象は、ショルダーによる押し込み深さ6に関連することを見出した。すなわち、図2において、ショルダーによる押し込み深さ6が浅い場合は、破断面直径がプローブ径Dpに近く、良好な接合が得られるが、押し込み深さ6がある値を境に深くなると、破断面直径がショルダー径Dsに近くなって、急激に接合強度が低下することが判明した。これは、上側板材1の強度を支える板厚が小さくなったためである。
この破断強度が急激に変化する押し込み深さ6について検討した。破断面直径がプローブ径Dpの場合、その引張荷重は、下側板材2でプローブ挿入部の周囲で支える荷重となり、下側板材2の引張強さSTL、押し込み深6をAとし、t2(mm):T U −Aとすると、およそ、
2×π×Dp×(Lp―t2)×STL
と表せる。
破断面直径がショルダー径Dsの場合、その引張荷重は、上側板材1でショルダーが押し込まれて、その周囲で支える荷重となり、上側板材1の引張強さSTUとすると、およそ、
2×π×Ds×t2×STU
と表せる。
また、破断面直径がプローブ径Dpに近く、破断荷重が大きいということは、
2×π×Dp×(Lp―t2)×STL<2×π×Ds×t2×STU
で表される。
すなわち、ショルダーによる押し込み深さ6が下記(1)式で示すA値より深い場合に接合強度が低下する。
A=TU−{(Dp×STL×Lp)/(Dp×STL + Ds×STU)} ・・・(1)
ここで、TU:上側板材の厚さ(mm)、Dp:プローブ径(mm)、Lp:プローブ長さ(mm)、Ds:ショルダー径(mm)、STL:下側板材の引張強さ(MPa)、ST U :上側板材の引張強さ(MPa)である。
したがって、チタン材と鉄鋼材料との異材接合部の強度低下を招くことなく、良好に接合を行うには、ショルダーによる押し込み深さ6が、上記(1)式のA値より小さいことが必要であることを見出した。なお、特許請求の範囲で、ショルダーによる押し込み深さ6は0.1mm以上であることを実施例に基づいて規定した。
また、プローブ長さLpと押し込み深さ6が、上述した範囲内であっても、その合計が上側板材1の厚さUより1.5mmを超えてしまうと、下側板材2の攪拌が大きくなって、TiとFeの混合が起こり、摩擦熱によっても金属間化合物が生成するために、接合部の強度は低く、せん断引張り試験を実施すると界面剥離を起こす。したがって、チタン材と鉄鋼材料との異材接合部の強度低下を招くことなく、良好に接合を行うには、プローブ長さLpと押し込み深さ6の合計が上側板材1の厚さより1.5mmを超えないようにすることが必要であることを見出した。
また、チタン材や鉄鋼材料などの高融点金属材料用の摩擦攪拌接合工具(プローブ)として、pcBN製ツール、Ir合金製ツール、W基合金製ツール、Co基合金製ツールなどが開発されているが、本発明の接合法において、摩擦攪拌接合工具(プローブ)の種類・材質は特に限定されることはない。
しかしながら、これら摩擦攪拌接合工具(プローブ)の中で、pcBN製ツール、Ir合金製ツール、W基合金製ツールは、いずれも高価であるのに対し、Co基合金製ツールは比較的安価であり、かつ、チタン材の摩擦攪拌接合に適していることが報告されている(非特許文献1、参照)。そこで、鉄鋼材料の上にチタン材を重ね、Co基合金製のプローブを高速回転させてチタン材側から接触・挿入して、チタン材と鉄鋼材料の異材接合を行ったところ、他の材質のプローブに比べて、耐摩耗性に優れ、接合部の外観も良好であった。
したがって、チタン材と鉄鋼材料との異材接合部の強度低下を招くことなく、良好に接合を行うには、鉄鋼材料の上にチタン材を重ね、材質がCo基合金であるプローブを高速回転させてチタン材に接触・挿入することが接合部の外観の観点から好ましい。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例1)
図1(a)に示すように、各種チタン材、及び、鉄鋼材料を重ねた位置に配置し、図1(b)に示す摩擦攪拌接合、TIG溶接、及び、MIG溶接の溶融溶接を行った。なお、TIG溶接及びMIG溶接は、上に重ねた板のエッジ部に重ねすみ肉溶接を行った。表1に各接合方法の接合条件を示す。
表2に各種接合部材の組み合わせと各素材の厚さ、引張強さ、接合方法、摩擦攪拌接合工具の形状、及び、(1)式から求めたA値を示す。また、表3には、プローブ長さと上側板材の厚さとの差、押し込み深さ、及び、図1(b)に示すような接合を実施した後の接合部をせん断引張り試験した結果を示す。せん断引張試験は、JIS Z3136(1999年)を参考にして行なった。
Figure 0006432277
Figure 0006432277
Figure 0006432277
表3から明らかなように、プローブ長さ、押し込み深さ、及び、プローブ長さと押し込み深さの合計が、本発明の範囲内で摩擦攪拌接合したNo.1〜10は、せん断引張り試験において、それぞれの接合部材の組み合わせで、強度の低い側の母材で破断しており、十分な接合強度を有していることが確認された。
また、上側板材をチタン材とし、Co基合金製のプローブで摩擦攪拌接合したNo.1、5及び9は、接合部の外観も他の接合部に比べて優っている。
一方、No.11、12及び13は、TIG及びMIGで重ねすみ肉溶接をした場合であり、いずれも溶接金属中に脆弱な金属間化合物が生成し、溶接終了段階で、熱応力によって割れが発生した。
No.14、15及び16は、プローブ長さが本発明の範囲より短い、あるいは、長い場合であり、接合部に十分な強度が得られず、せん断引張り試験では、接合界面で剥離破断を起こした。
No.17及び18は、プローブ長さは本発明範囲であるが、押し込み深さがA値より大きくなった場合で、接合部に十分な強度が得られず、せん断引張り試験では、接合界面で剥離破断を起こしている。
No.19は、プローブ長さと押し込み深さは本発明範囲であるが、プローブ長さと押し込み深さの合計が上側板材の厚さより1.5mmを超えているため、接合部に十分な強度が得られず、せん断引張り試験では、接合界面で剥離破断を起こした。
(実施例2)
次に、図1(a)に示すように、チタン材および鉄鋼材料を重ねた位置に配置し、図1(c)に示す摩擦攪拌点接合を行った。
表4に各種接合部材の組み合わせと各素材の厚さ、引張強さ、摩擦攪拌接合工具の形状、及び、(1)式から求めたA値を示す。また、表5には、プローブ長さと上側板材の厚さとの差、押し込み深さ、点接合時のプローブ回転速度とプローブ挿入時の保持時間、及び、図1(c)に示すような点接合を実施した後の接合部をせん断引張り試験した結果を示す。
Figure 0006432277
Figure 0006432277
表5から明らかなように、プローブ長さ、押し込み深さ、及び、プローブ長さと押し込み深さの合計が、本発明の範囲内で摩擦攪拌接合したNo.20〜28は、せん断引張り試験において、上側板材の接合部でプラグ破断している。
No.20は、回転速度が他と比べて小さいため、摩擦熱が小さく、破断荷重は若干低くなっている。
No.20〜28は、いずれも1点あたりの破断荷重が5kN以上であり、これは、鉄鋼材料同士をプローブ径とほぼ同じ6mmのナゲット径で抵抗スポット溶接した場合の破断荷重と同等であることから、十分な接合強度を有していることが確認された。
また、上側板材をチタン材とし、Co基合金製のプローブを用いて摩擦攪拌点接合したNo.20〜24及び28は、接合部の外観も他の接合部に比べて優っていた。
一方、No.29及び30は、プローブ長さが本発明の範囲より短い、あるいは、長い場合であり、接合部に十分な強度が得られず、せん断引張り試験では、1点あたりの破断荷重が低く、接合界面で剥離破断を起こしている。
No.31は、プローブ長さは本発明範囲であるが、押し込み深さがA値より大きくなった場合で、接合部に十分な強度が得られず、せん断引張り試験では、1点あたりの破断荷重が低くなっている。
No.32の比較例は、プローブ長さと押し込み深さがは本発明範囲であるが、プローブ長さと押し込み深さの合計が上側板材の厚さより1.5mmを超えているため、接合部に十分な強度が得られず、せん断引張り試験では、1点あたりの破断荷重が低く、接合界面で剥離破断を起こしている。
以上から、本発明の接合法を適用することにより、チタン材と鉄鋼材料とを接合部の強度低下を招くことなく良好に接合することができることが判明した。
本発明によれば、チタン材と鉄鋼材料を溶融させずに、摩擦熱にて軟化・塑性流動させて固相接合するため、溶融溶接のように脆弱な金属間化合物の生成や割れの発生を回避し、接合部の強度低下を招くことなく良好な接合が実現でき、チタン材と鉄鋼材料それぞれ個々の機能を十分に活用できる複合素材を製造できる。よって、本発明の適用により産業上寄与するところは極めて大である。
1 上側板材
2 下側板材
3 接合部
4 ショルダー
5 プローブ
6 押し込み深さ
p プローブ長さ
U 上側板材の厚さ
p プローブ径
s ショルダー径

Claims (1)

  1. ショルダーの先端にプローブを有する摩擦攪拌接合工具を高速回転させて被接合材に接触・挿入して接合する方法であって、被接合材としてチタン材と鉄鋼材料を重ねた位置に配置したのち、プローブを高速回転させて上側の被接合材に接触・挿入し、摩擦熱にて軟化・塑性流動させて接合する摩擦攪拌接合法により、チタン材と鉄鋼材料を重ね接合する接合方法において、
    プローブに最初に接触する側の被接合材を上側板材、他方側を下側板材として、
    プローブ長さが上側板材の厚さより0.1〜1.5mm長く、かつ、ショルダーの押し込み深さを0.1mm以上で、下記(1)式のA値より小さくし、プローブ長さとショルダーの押し込み深さの合計が上側板材の厚さより1.5mmを超えないようにして、チタン材と鉄鋼材料を重ね接合することを特徴とするチタン材と鉄鋼材料との接合方法。
    A=TU−{(Dp×STL×Lp)/(Dp×STL + Ds×STU)} ・・・(1)
    ここで、TU:上側板材の厚さ(mm)、Dp:プローブ径(mm)、Lp:プローブ長さ(mm)、Ds:ショルダー径(mm)、STL:下側板材の引張強さ(MPa)、ST U :上側板材の引張強さ(MPa)を示す。
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