JP6431676B2 - ボイドスラブの構築方法 - Google Patents
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Description
第1に、スラブ内に合板を箱状に形成して捨て型枠として配置し、この状態でコンクリートの打設を行うことで、スラブの内部に中空部を構築する方法がある(特許文献1参照)。
第2に、空調用配管を型枠材と兼ねて配置し、この状態でコンクリートの打設を行うことで、この空調用配管の内部を中空部とする方法がある(特許文献2参照)。
第3に、スラブ内に立方体や球体などの無垢の発泡スチロール材を捨て型枠として配置し、この状態でコンクリートの打設を行うことで、スラブの内部に中空部を構築する方法がある。
第1の方法では、合板を型枠材として所定位置に固定するために、スラブ型枠にセパレータや釘等の固定冶具を用いる必要があった。また、中空部を合板型枠で構築すると、型枠を固定するためにスラブ躯体に断面欠損が生じるおそれがあった。また、中空部の体積が大きくなると、型枠材を補強するために多数の補強材が必要になり、型枠重量が増大する、という問題があった。
また、第3の方法では、中空部を形成するのに無垢の発砲スチロール材を使用するため、建設コストが高額となっていた。
また、接着材としては、現場発泡の発砲ウレタン材、接着剤、発泡基材を使用した両面テープが挙げられる。
また、中空部の型枠材として発泡樹脂板を組み合わせたので、無垢の発泡樹脂材を用いないから、中空部を低コストで形成できる。
そして、吹き付けた発泡ウレタン材が硬化するまでの期間、型枠材の位置がずれないように、型枠材同士をテープで仮固定する。
なお、発泡ウレタン材の吹付作業は、壁部材と補強部材を下側スラブ上に建て込んだ後、一端側から他端側に向かって順次実施する。
図1は、本発明の一実施形態に係るボイドスラブ1の水平断面図である。図2は、図1のA−A断面図である。図3は、図1のB−B断面図である。
ボイドスラブ1は、所定方向に並んで配置された複数の梁10と、これら複数の梁10の下端同士を連結する下側スラブ11と、複数の梁10の上端同士を連結する上側スラブ12と、を備える。
具体的には、型枠材30は、梁10の側面を覆って互いに対向する一対の壁部材31と、これら一対の壁部材31同士を連結する補強部材32と、壁部材31および補強部材32の上に設けられて上側スラブ12の底面を覆う天井部材33と、を備える。
補強部材32は、押出発泡ポリスチレンからなる発砲樹脂板であり、所定方向に交差する方向つまり梁10の幅方向に延びている。この補強部材32は、梁10の長さ方向に所定間隔おきに設けられる。
以上より、補強部材32は、壁部材31が倒れるのを防止し、壁部材31および天井部材33の型枠支保工として機能することになる。
まず、ステップS1では、図5に示すように、スラブ型枠40の上に、下側スラブ11のスラブ鉄筋14および梁10の梁鉄筋15を配筋して、下側スラブ11の床面のレベルまでコンクリートを打設する。これにより、下側スラブ11および梁10の下部を構築する。
ここで、この発泡ウレタン材34は、下側スラブ11上の壁部材31の互いに対向する内壁面および補強部材32の一方の壁面のみに、略コ字状をなすように吹き付ける(図1参照)。
なお、発泡ウレタン材34の吹付作業は、壁部材31と補強部材32を下側スラブ11上に建て込んだ後、一端側から他端側に向かって順次実施する。
(1)中空部20を形成する際、梁10の側面を一対の壁部材31で覆うとともに、これら一対の壁部材31同士を所定間隔おきに連結する補強部材32を設けた。よって、この補強部材32は、壁部材31が建て込み位置からずれるのを防止する支保工として機能する。
また、この中空部20の型枠材30として発泡樹脂板を組み合わせたので、無垢の発泡樹脂材を用いないから、中空部20を低コストで形成できる。
例えば、本実施形態では、現場でコンクリートを打設することにより下側スラブ11を構築したが、これに限らず、下側スラブ11として、予め工場にてスラブ躯体の全体を製作したフルプレキャスト板や、予め工場にてスラブ躯体の一部を製作したハーフプレキャスト板を用いてもよい。
また、本実施形態では、壁部材31、補強部材32、および天井部材33を含んで型枠材30を構成したが、これに限らず、壁部材のみで型枠材30を構成してもよい。
10…梁
11…下側スラブ
12…上側スラブ
14…下側スラブのスラブ鉄筋
15…梁鉄筋
16…上側スラブのスラブ鉄筋
20…中空部
30…型枠材
31…壁部材
32…補強部材
33…天井部材
34…発泡ウレタン材(接着材)
35…テープ
40…スラブ型枠
Claims (1)
- 所定方向に並んで配置された複数の梁と、当該複数の梁の下端同士を連結する下側スラブと、前記複数の梁の上端同士を連結する上側スラブと、を備え、前記複数の梁、下側スラブ、および上側スラブで囲まれた中空部を有するボイドスラブの構築方法であって、
下側スラブを構築する工程と、
当該下側スラブの上面に、前記中空部の型枠材として発泡樹脂板を建て込む工程と、
上側スラブの上面の高さまでコンクリートを打設して、前記発泡樹脂板をコンクリート中に埋設する工程と、を備え、
前記型枠材としての発泡樹脂板は、前記下側スラブの上に設けられて前記梁の側面を覆う一対の壁部材と、前記下側スラブの上に設けられて当該一対の壁部材同士を所定間隔おきに連結する補強部材と、前記壁部材および補強部材の上に設けられて前記上側スラブの底面を覆う天井部材と、を備え、
前記発泡樹脂板を建て込む際、前記中空部を構成する前記一対の壁部材の互いに対向する内壁面および当該内壁面に隣接する前記補強部材の一方の壁面のみと前記下側スラブの上面との入隅部に、現場発泡の発泡ウレタン材を略コの字形状に吹き付けることで、前記壁部材および前記補強部材と前記下側スラブとを接着するとともに、前記壁部材、前記補強部材、および前記天井部材をテープで仮固定する作業を、前記下側スラブの一端側から他端側に向かって順次行うことを特徴とするボイドスラブの構築方法。
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