JP6430359B2 - 樹脂成分注入装置及びこれを用いた樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂成分注入装置及びこれを用いた樹脂成形品の製造方法に関し、特に樹脂成分を金型内に加圧注入するための簡易な装置であるとともに、同装置を使用した樹脂成形品の製造方法に関する。
一般に、繊維を混入して強度を高めた樹脂製品として、ガラス繊維を混入したFRP(繊維強化プラスチック)、炭素繊維を混入したCFRP(炭素繊維強化プラスチック)等が知られている。これらの強化プラスチックの成形に際し、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等の樹脂成分(反応性樹脂、いわゆる硬化前の樹脂成分)が金型内に注入され、型内に配置された繊維状物に含浸され硬化する。このような成形方法はRTM(Resin Transfer Molding)工法と称される。樹脂成分の原料である主剤と硬化剤は共に液体であり、2種類以上の原料の混合に伴い反応が促進すると硬化して所望の樹脂組成物に変化する。
RTM工法の量産規模等の実施の場合、樹脂成分の原料である主剤と硬化剤は金型に注入される直前に混合装置(ミキシングヘッド)により初めて混合(衝突混合)され、その時点で反応が進行し始める。樹脂成分は混合直後の硬化していない液体の状態で金型内に注入される。このため、樹脂成分は型内の繊維状織物の個々の繊維同士の隙間まで効率よく浸透できる。そこで、樹脂成分は繊維状物と一体となって反応硬化し成形品が出来上がる。
前出のRTM工法の実施に際し、各原料を単独で連続的に精度良く混合装置まで送り出し金型への注入直前に混合し注入する装置が必要である。このような装置はRTM注入機と称される。RTM注入機には、原料毎にタンク、ポンプ、配管が備えられ、金型の直前に混合装置が配置される(特許文献1,2等参照)。前記のFRPやCFRPの成形を考慮すると、高圧力により金型内に反応性樹脂を注入する必要がある。現状、このような成形の実現のためには混合装置(ミキシングヘッド)を備えたRTM注入機を導入する必要がある。しかしながら、当該RTM注入機は高額である点が課題とされている。
FRPやCFRPの成形品作製においては、量産化の有無に係わらずRTM注入機が必要とされている。それゆえ、試作品作製等の逐次作製が主用途である場合、資金面等から樹脂成分の高圧注入可能なRTM注入機の導入は難しく、FRPやCFRPの成形品の研究開発の障害となっていた。現状、FRPやCFRPの成形を試みる場合、金型にガラス繊維や炭素繊維を敷設し、樹脂成分を刷毛等による塗布が行われていた(ハンドレイアップ)。さらには、金型にガラス繊維や炭素繊維の敷設後に別のシートにより加工部分が被覆され、樹脂成分の注入予定部位が減圧状態にされた後に樹脂成分が注入されていた(VaRTM)。
しかしながら、前述の手作業による塗布や減圧下の注入の手法では、たとえ試作品作製であったとしても作業効率は思わしくない。さらに、シートによる被覆後の抜気が十分でないと空気が残留して成形不良が生じかねない。また、樹脂成分を完全に型内に行き渡らせることも容易ではない。このような経緯から、RTM注入機ほどの性能は要求しないものの樹脂成分の加圧注入を可能とする新たな装置が望まれていた。
特許第4130267号公報 特許第4320094号公報
本発明は、上記状況に鑑み提案されたものであり、樹脂成分の加圧注入の点に特化することにより装置全体の機構を簡素化した樹脂成分注入装置と、同装置を使用することにより手作業による塗布や減圧下の注入による作製に代わるより効率的な作製を実現する樹脂成形品の製造方法を提供する。
すなわち、請求項1の発明は、開放先端部を備え樹脂成分を注入する注入チャンバを有する注入シリンダ部と、前記注入シリンダ部の前記開放先端部に反転自在に取り付けられていて、前記注入シリンダ部への取付部を有するヘッド本体部と、前記ヘッド本体部に形成され成形型の注入部への連通ノズル部を有するノズルヘッド部と、前記注入チャンバ内を進退するとともに前記注入チャンバから抜去可能に配置されたプランジャ部材と、前記プランジャ部材の抜去時に前記注入チャンバ内に挿通され、前記注入シリンダ部の前記開放先端部に反転装着された前記ノズルヘッド部の前記連通ノズル部に挿通可能な排出ロッド部を有するプッシャ部材と、前記プランジャ部材または前記プッシャ部材を駆動する駆動装置とを有することを特徴とする樹脂成分注入装置に係る。
請求項2の発明は、前記注入シリンダ部の後端部に挿入用テーパ部が形成されている請求項1に記載の樹脂成分注入装置に係る。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の樹脂成分注入装置を用いた樹脂成形品の製造方法であって、樹脂成分を前記シリンダ部内に保持する保持工程と、前記プランジャ部材の前進により前記連通ノズル部に接続された前記成形型内に樹脂成分を注入する注入工程と、前記成形型内にて樹脂成分を硬化させて樹脂硬化物とするとともに、該樹脂成分の残部を前記連通ノズル部及び前記注入チャンバ内においても硬化させて樹脂硬化物とする硬化工程と、前記連通ノズル部を前記成形型から分離し前記成形型から成形品を得る成形工程と、前記プランジャ部材の前進により前記注入チャンバ内に残存した樹脂硬化物を前記連通ノズル部に固着させた状態のまま押し出して前記ノズルヘッド部ごと前記注入シリンダ部から分離する分離工程と、前記連通ノズル部側を前記注入チャンバ側に向けて反転して前記ノズルヘッド部を前記注入シリンダ部の前記開放先端部に取り付ける反転取付工程と、前記プッシャ部材の前進により前記排出ロッド部を前記連通ノズル部内に挿入させて、前記連通ノズル部内の樹脂硬化物を押し出す排出工程とを備えることを特徴とする樹脂成形品の製造方法に係る。
請求項4の発明は、前記成形品が、FRPまたはCFRPの成形品である請求項3に記載の樹脂成形品の製造方法に係る。
請求項1の発明に係る樹脂成分注入装置によると、開放先端部を備え樹脂成分を注入する注入チャンバを有する注入シリンダ部と、前記注入シリンダ部の前記開放先端部に反転自在に取り付けられていて、前記注入シリンダ部への取付部を有するヘッド本体部と、前記ヘッド本体部に形成され成形型の注入部への連通ノズル部を有するノズルヘッド部と、前記注入チャンバ内を進退するとともに前記注入チャンバから抜去可能に配置されたプランジャ部材と、前記プランジャ部材の抜去時に前記注入チャンバ内に挿通され、前記注入シリンダ部の前記開放先端部に反転装着された前記ノズルヘッド部の前記連通ノズル部に挿通可能な排出ロッド部を有するプッシャ部材と、前記プランジャ部材または前記プッシャ部材を駆動する駆動装置とを有するため、装置全体の機構を簡素化しつつ樹脂成分の加圧注入に特化した簡易な樹脂成分注入装置とすることができる。
請求項2の発明に係る樹脂成分注入装置によると、請求項1の発明において、前記注入シリンダ部の後端部に挿入用テーパ部が形成されているため、プランジャ部材またはプッシャ部材の出し入れに役立つ。
請求項3の発明に係る樹脂成形品の製造方法によると、請求項1または2に記載の樹脂成分注入装置を用いた樹脂成形品の製造方法であって、樹脂成分を前記シリンダ部内に保持する保持工程と、前記プランジャ部材の前進により前記連通ノズル部に接続された前記成形型内に樹脂成分を注入する注入工程と、前記成形型内にて樹脂成分を硬化させて樹脂硬化物とするとともに、該樹脂成分の残部を前記連通ノズル部及び前記注入チャンバ内においても硬化させて樹脂硬化物とする硬化工程と、前記連通ノズル部を前記成形型から分離し前記成形型から成形品を得る成形工程と、前記プランジャ部材の前進により前記注入チャンバ内に残存した樹脂硬化物を前記連通ノズル部に固着させた状態のまま押し出して前記ノズルヘッド部ごと前記注入シリンダ部から分離する分離工程と、前記連通ノズル部側を前記注入チャンバ側に向けて反転して前記ノズルヘッド部を前記注入シリンダ部の前記開放先端部に取り付ける反転取付工程と、前記プッシャ部材の前進により前記排出ロッド部を前記連通ノズル部内に挿入させて、前記連通ノズル部内の樹脂硬化物を押し出す排出工程とを備えるため、樹脂成分注入装置を使用することにより手作業による塗布や減圧下の注入による作製に代わるより効率的な作製を実現することができる。
請求項4の発明に係る樹脂成形品の製造方法によると、請求項3の発明において、前記成形品が、FRPまたはCFRPの成形品であるため、ガラス繊維や炭素繊維の繊維状織物を構成する個々の繊維の間隙にも容易に浸透可能となり、FRPまたはCFRPの成形品の試作を含めた製造が容易になる。
本発明の樹脂成分注入装置の全体正面図である。 注入シリンダ部の部分拡大断面図である。 樹脂成分注入時の部分拡大断面図である。 ノズルヘッド部の反転取り付け時の部分拡大断面図である。 樹脂成形品の製造方法の第1概略部分断面図である。 樹脂成形品の製造方法の第2概略部分断面図である。 樹脂成形品の製造方法の第3概略部分断面図である。
図1の全体正面図を用い、本発明の実施形態の樹脂成分注入装置1の構造から説明する。図示形態の樹脂成分注入装置1には、注入シリンダ部10、ノズルヘッド部20、プランジャ部材30、及び駆動装置50が備えられる。基台19に駆動装置50は固定される。また、基台19に枠部18が固定され、基台19の固定位置の逆側の枠部18に注入シリンダ部10が固定される。プッシャ部材40はプランジャ部材30と交換可能であるため、別に図示する。図1中の符号51は駆動ピストン、52は駆動本体部、53は作動油加圧部、54は操作部、56はチューブである。
さらに各部の構造について、図1に図2ないし図4の部分拡大断面図も交えて説明する。図2から把握されるように、注入シリンダ部10は、開放先端部11と後端部12を備えた両端が開口した筒状体である。注入シリンダ部10の内部空間は注入チャンバ15である。実施形態の注入チャンバ15は単純な円柱状であり、その内部に成形品製造のための樹脂成分R1(図3参照)が注入される。また、注入シリンダ部10の後端部12には、挿入用テーパ部24が形成される。挿入用テーパ部24は注入チャンバ15側の一部を面取りした傾斜部位である。挿入用テーパ部24はプランジャ部材30またはプッシャ部材40(図4参照)等の出し入れする際の隙間(クリアランス)として役立つ。
ノズルヘッド部20は、ヘッド本体部21と連通ノズル部25を備える。注入シリンダ部10の開放先端部11側の所定位置に固定穴13が形成されている。ヘッド本体部21には固定穴13と螺合する固定ボルト23のための板穴部が形成される。この板穴部がノズルヘッド部20を注入シリンダ部10へ固定する際の取付部22となる。従って、注入シリンダ部10からのノズルヘッド部20の着脱は容易であり、後出の図4のように反転自在にノズルヘッド部20は注入シリンダ部10に取り付けられる。
連通ノズル部25はヘッド本体部21に形成されており、成形時、成形型70の注入部75に接続される。図示の成形型70はキャビティ71とコア72から組み合わせられる。そして、図3に示すように注入チャンバ15内の樹脂成分R1は連通ノズル部25(ノズル内部26)を通じて成形型70内の成形部73内に注入される。なお、ノズルヘッド部20と注入シリンダ部10の開放先端部11側との間にガスケット17が備えられる。ガスケット17により気密性は確保される。図示の成形型70の成形部73内には、ガラス繊維または炭素繊維から形成された繊維状織物Fが配置されている。従って、最終的にFRP(繊維強化プラスチック)またはCFRP(炭素繊維強化プラスチック)の成形品Pが出来上がる。
プランジャ部材30は注入チャンバ15内を進退する。さらに、プランジャ部材30の注入チャンバ15からの抜去は可能である。プランジャ部材30の胴面部31にパッキン35が装着される。パッキン35により注入チャンバ15との気密性は高められる。パッキン35はシリコーン樹脂、フッ素樹脂等の耐食性樹脂からなるOリング等である。図示しないものの、プランジャ部材30はパッキン35の介装の便宜から複数の円筒ブロックの組み合わせとすることもできる。
プランジャ部材30は駆動装置50(図1参照)により駆動される。本実施形態の駆動装置50は油圧式駆動装置である。そこで、駆動本体部52に駆動ピストン51が内挿されており、駆動本体部52内の油圧量により駆動ピストン51が押し出されプランジャ部材30は注入チャンバ15内を進退する。従って、注入チャンバ15内に保持された樹脂成分R1には、駆動装置50を介してプランジャ部材30の押圧力が伝達される。そこで、樹脂成分R1は加圧された状態で成形型70側への注入が可能となる。本実施形態の樹脂成分注入装置1は簡素化を目的としている。そのため、簡便な機構として、操作部54により動かす手動式の作動油加圧部53が採用される。符号55はピストン先端部である。なお、駆動装置の作動油加圧部には電動式等も含められ適宜である。
図4の部分拡大断面図はプッシャ部材40を装着した状態である。固定ボルト23はヘッド本体部21と固定穴13から解除され、ノズルヘッド部20は、注入シリンダ部10の開放先端部11側から取り外される。そして、連通ノズル部25が注入チャンバ15内に差し込まれるように反転されて、再びノズルヘッド部20は注入シリンダ部10の開放先端部11側に装着される。この装着固定には再度固定ボルト23が使用される。
プランジャ部材30が注入シリンダ部10と駆動装置50(駆動ピストン51)の間から抜去される。そして同位置にプッシャ部材40が装着される。プッシャ部材40は、柱状の排出ロッド部45と、この排出ロッド部45を備え駆動装置50(駆動ピストン51のピストン先端部55)と当接するベース部41から構成される。排出ロッド部45はノズルヘッド部20の連通ノズル部25内(ノズル内部26)に挿通可能である。そこで、連通ノズル部25の最小口径よりも排出ロッド部45の断面直径を小としている。後述するように、駆動装置50の駆動によりプッシャ部材40(排出ロッド部45)は前進し、連通ノズル部25内の残部(樹脂硬化物R2)は押し出される。図中、符号27は連通ノズル部内の拡径部である。
続いて、図5ないし図8の概略部分断面図とともに樹脂成分注入装置1を用いた樹脂成形品の製造方法を工程順に説明する。ここで、出来上がる樹脂成形品とは樹脂成分の硬化後に生じる成形品であり、成形型内へ注入可能な樹脂種であれば特段限定されない。例えば、加熱溶融されたポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の熱可塑性樹脂としてもよい。特には、成形型内へ注入可能な樹脂種はポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、またはポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)等である。これらの樹脂の硬化前の樹脂成分は2種類以上の成分(主剤と硬化剤)であり、混合により反応が促進して硬化する。例えば、ポリウレタン樹脂の場合、主剤はポリオール等であり、硬化剤はイソシアネート等である。
そこで、樹脂成分注入装置1は前記の反応硬化樹脂の前段階となる樹脂成分(いわゆる硬化前の2種類以上の樹脂成分の混合剤)の注入に好適に使用される。加えて、樹脂成分注入装置1は樹脂成分を加圧しながら注入でき、樹脂成分はガラス繊維や炭素繊維の繊維状織物を構成する個々の繊維の間隙にも容易に浸透可能となる。従って、樹脂成分注入装置1はFRPまたはCFRPの成形品の試作を含めた製造に容易に活用される。
図5(a)では、注入シリンダ部10の注入チャンバ15内の下部位置にプランジャ部材30が挿入される。注入チャンバ15内の空いた部位に所望の樹脂成分R1が保持される。樹脂成分R1が2種類以上の混合剤である場合には、予め混合調製された状態で注入チャンバ15内に注液されてその内部に保持される。当該工程が「保持工程」である。同図(b)では、ノズルヘッド部20の連通ノズル部25は成形型70の注入部75に接続される。そして、注入シリンダ部10の注入チャンバ15内をプランジャ部材30が前進して、注入チャンバ15内の樹脂成分R1は連通ノズル部25を通じて成形型70に注入される。当該工程が「注入工程」である。
図6(a)では、成形型70内に注入された樹脂成分R1は同成形型70内にて硬化(反応硬化)して樹脂硬化物R2に変化する。同時に、樹脂成分R1の注入しきれずに残った残部も、連通ノズル部25及び注入チャンバ15内において硬化(反応硬化)して樹脂硬化物R2に変化する。当該工程が「硬化工程」である。そして、成形型70(図3等参照)は連通ノズル部25から分離される。そして、成形品Pは成形型70から脱型される。つまり製品(試作品)を得ることができる。当該工程が「成形工程」である。
同図(b)では、プランジャ部材30の前進により、注入チャンバ15内に残存した樹脂硬化物R2は連通ノズル部25に固着した状態のまま押し出される。そして、ノズルヘッド部20ごと注入シリンダ部10から分離される。自明ながら、事前に固定ボルト23は固定穴13(図2等参照)から外される。当該工程が「分離工程」である。
その後、プランジャ部材30は、駆動装置50の駆動ピストン51(ピストン先端部55)の前進駆動(押し込み)により完全に注入シリンダ部10の注入チャンバ15内から突き抜ける。こうして、注入チャンバ15の内壁面に貼り付いた樹脂硬化物も除去される。なお、必要により、駆動ピストン51のストローク長を足すために別途の治具等を介挿してもよい。
図7(a)では、まず、ノズルヘッド部20において連通ノズル部25側が注入チャンバ側に向けて反転される。そして、ノズルヘッド部20は反転状態として注入シリンダ部10の開放先端部11に取り付けられる。ここでは、前述の固定ボルト23が再度利用される。当該工程が「反転取付工程」である。同図(b)では、駆動装置50の駆動ピストン51の前進を受けたプッシャ部材40の前進により、排出ロッド部45は連通ノズル部25内(ノズル内部26)に挿入される。結果、連通ノズル部25内(ノズル内部26)に残留する樹脂硬化物R2は押し出される。当該工程が「排出工程」である。
図示の連通ノズル部25のように、ノズル内部26に拡径部27が形成されている場合、そのままの状態(図5(b))でノズル内部26の樹脂硬化物R2を押し出して除去することはできない。そこで、敢えてノズルヘッド部20に樹脂硬化物R2を固着した状態のまま残しておき、ノズルヘッド部20自体を反転状態にして注入シリンダ部10に取り付ける(装着する)。こうすると、排出ロッド部45を介して樹脂硬化物R2は無理なく除去される。特に、樹脂成分注入装置1においては、プッシャ部材40(排出ロッド部45)以外の他の部材は必要とされず、駆動装置50の駆動のみにより樹脂硬化物R2の押し出しは実現される。従って、全体の構造は簡素化され、また必要部品数も少なくなり低廉に仕上がる。総じて、小品数の製品や試作品の作製等の樹脂成形品の製造方法として好都合となる。なお、図示しないものの、ノズルヘッド部の固定には固定ボルト以外にも別途のクリップ、クランプ等を採用しても良い。
本発明の樹脂成分注入装置は、装置全体の機構を簡素化しながらも樹脂成分の加圧注入が可能である。このことから、手作業による塗布や減圧下の注入による作製に代わるより効率的な樹脂製品の作製が可能となる。そこで、樹脂成分注入装置は小品数の製品や試作品の作製等の場面で有効に活用され、開発の進展が期待される。
1 樹脂成分注入装置
10 注入シリンダ部
11 開放先端部
12 後端部
13 固定穴
15 注入チャンバ
20 ノズルヘッド部
21 ヘッド本体部
22 取付部
23 固定ボルト
24 挿入用テーパ部
25 連通ノズル部
26 ノズル内部
30 プランジャ部材
35 パッキン
40 プッシャ部材
41 ベース部
45 排出ロッド部
50 駆動装置
51 駆動ピストン
55 ピストン先端部
70 成形型
71 キャビティ
72 コア
73 成形部
F 繊維状織物
P 成形品
R1 樹脂成分
R2 樹脂硬化物

Claims (4)

  1. 開放先端部を備え樹脂成分を注入する注入チャンバを有する注入シリンダ部と、
    前記注入シリンダ部の前記開放先端部に反転自在に取り付けられていて、前記注入シリンダ部への取付部を有するヘッド本体部と、前記ヘッド本体部に形成され成形型の注入部への連通ノズル部を有するノズルヘッド部と、
    前記注入チャンバ内を進退するとともに前記注入チャンバから抜去可能に配置されたプランジャ部材と、
    前記プランジャ部材の抜去時に前記注入チャンバ内に挿通され、前記注入シリンダ部の前記開放先端部に反転装着された前記ノズルヘッド部の前記連通ノズル部に挿通可能な排出ロッド部を有するプッシャ部材と、
    前記プランジャ部材または前記プッシャ部材を駆動する駆動装置とを有する
    ことを特徴とする樹脂成分注入装置。
  2. 前記注入シリンダ部の後端部に挿入用テーパ部が形成されている請求項1に記載の樹脂成分注入装置。
  3. 請求項1または2に記載の樹脂成分注入装置を用いた樹脂成形品の製造方法であって、
    樹脂成分を前記シリンダ部内に保持する保持工程と、
    前記プランジャ部材の前進により前記連通ノズル部に接続された前記成形型内に樹脂成分を注入する注入工程と、
    前記成形型内にて樹脂成分を硬化させて樹脂硬化物とするとともに、該樹脂成分の残部を前記連通ノズル部及び前記注入チャンバ内においても硬化させて樹脂硬化物とする硬化工程と、
    前記連通ノズル部を前記成形型から分離し前記成形型から成形品を得る成形工程と、
    前記プランジャ部材の前進により前記注入チャンバ内に残存した樹脂硬化物を前記連通ノズル部に固着させた状態のまま押し出して前記ノズルヘッド部ごと前記注入シリンダ部から分離する分離工程と、
    前記連通ノズル部側を前記注入チャンバ側に向けて反転して前記ノズルヘッド部を前記注入シリンダ部の前記開放先端部に取り付ける反転取付工程と、
    前記プッシャ部材の前進により前記排出ロッド部を前記連通ノズル部内に挿入させて、前記連通ノズル部内の樹脂硬化物を押し出す排出工程とを備える
    ことを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
  4. 前記成形品が、FRPまたはCFRPの成形品である請求項3に記載の樹脂成形品の製造方法。
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