JP6430234B2 - 回転機械の振動解析装置およびプログラム - Google Patents

回転機械の振動解析装置およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、回転機械の振動解析装置およびプログラムに関し、特に、回転数が急変する回転機械の振動解析の技術に関する。
プラント設備では蒸気タービン、ガスタービン、発電機、大型コンプレッサなどの大型回転機械が主機や重要補機として用いられている。プラント設備の異常兆候を検知してプラント設備を安全かつ安定的に運転するには、そのような回転機械から発生する振動を監視することが重要である。
一般に、回転装置の振動解析装置は、回転パルスセンサから回転パルス信号を取得して回転機械の回転周波数を算出し、次の回転パルス信号が検出されるまでの間、回転パルス信号から算出した回転周波数で振動信号の等間隔のサンプリング(同期サンプリング)を行い、高速フーリエ変換(FFT)により回転機械の振動に含まれる周波数成分を解析している。
また、回転パルスセンサが設置できないなどの理由で同期サンプリングが行えない環境下で回転設備の振動を解析する装置として、離散型フーリエ変換によって得られる所定の周波数点におけるスペクトルに基づいて回転体の回転周波数を推定し、推定した回転周波数に基づいて各周波数点における回転周波数成分およびその高調波成分(回転同期成分)を推定するとともに、もとのスペクトルから回転同期成分の推定値を削除して、削除後の各周波数点におけるスペクトルに基づいて回転非同期成分を評価する周波数スペクトル分析装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開平7−83972号公報
回転機械の中には航空機エンジン転用型ガスタービン発電機のように回転数が短時間で大きく変化するものがある。そのような回転数が急変する回転機械の振動信号は非定常であるため、FFTを用いて振動解析を行うと、監視すべき周波数成分の変動誤差が大きくなってしまう。このように、FFTによる振動解析は、回転数の急変に対して追従特性が不十分であるという問題がある。また、周波数分解能を確保するために、FFTの次数を大きくする必要があり、計算コストが高いという問題もある。
上記問題に鑑み、本発明は、回転機械の振動解析において回転数の急変によく追従できるようにすることを課題とする。
本発明の一局面に従った回転機械の振動解析装置は、回転機械の回転軸の振動を検出する振動センサから出力される振動信号を所定周期でサンプリングして第1の離散値を生成する第1のサンプリング部と、前記回転軸の回転を検出する回転パルスセンサから出力される回転パルス信号を前記所定周期でサンプリングして第2の離散値を生成する第2のサンプリング部と、離散型フーリエ係数の推定値と前記振動信号の基本角周波数の離散値の推定値とが与えられて前記第1の離散値の推定値を計算する周波数成分合成部と、前記第1の離散値と前記第1の離散値の推定値との誤差を計算する誤差計算部と、前記所定周期で1サンプリング前の前記振動信号の基本角周波数の離散値の推定値に前記誤差を反映させて前記振動信号の基本角周波数の離散値の推定値を更新し、当該更新した前記振動信号の基本角周波数の離散値の推定値を前記周波数成分合成部に与える第1の推定部と、前記所定周期で1サンプリング前の前記離散型フーリエ係数の推定値に前記誤差を反映させて前記離散型フーリエ係数の推定値を更新し、当該更新した離散型フーリエ係数の推定値を前記周波数成分合成部に与える第2の推定部と、前記第2の離散値が前記回転パルス信号の非検出を示す第1の値のとき、前記第1の推定部に、前記1サンプリング前の前記振動信号の基本角周波数の離散値の推定値として前記第1の推定部が1サンプリング前に推定した推定値を使用させ、前記第2の離散値が前記回転パルス信号の検出を示す第2の値のとき、前回、前記第2の離散値が前記第2の値になったときからの経過時間に基づいて前記振動信号の基本角周波数の離散値の測定値を換算し、前記第1の推定部に、前記1サンプリング前の前記振動信号の基本角周波数の離散値の推定値として当該換算した測定値を使用させる回転周波数換算部と、を備えたものである。
また、本発明の別の一局面に従った回転機械の振動解析プログラムは、離散型フーリエ係数の推定値と回転機械の回転軸の振動を検出する振動センサから出力される振動信号の基本角周波数の離散値の推定値とが与えられて、前記振動信号を所定周期でサンプリングした第1の離散値の推定値を計算する周波数成分合成手段、前記第1の離散値と前記第1の離散値の推定値との誤差を計算する誤差計算手段、前記所定周期で1サンプリング前の前記振動信号の基本角周波数の離散値の推定値に前記誤差を反映させて前記振動信号の基本角周波数の離散値の推定値を更新し、当該更新した前記振動信号の基本角周波数の離散値の推定値を前記周波数成分合成手段に与える第1の推定手段、前記所定周期で1サンプリング前の前記離散型フーリエ係数の推定値に前記誤差を反映させて前記離散型フーリエ係数の推定値を更新し、当該更新した離散型フーリエ係数の推定値を前記周波数成分合成手段に与える第2の推定手段、および前記回転軸の回転を検出する回転パルスセンサから出力される回転パルス信号を前記所定周期でサンプリングした第2の離散値が前記回転パルス信号の非検出を表す第1の値のとき、前記第1の推定手段に、前記1サンプリング前の前記振動信号の基本角周波数の離散値の推定値として前記第1の推定手段が1サンプリング前に推定した推定値を使用させ、前記第2の離散値が前記回転パルス信号の検出を表す第2の値のとき、前回、前記第2の離散値が前記第2の値になったときからの経過時間に基づいて前記振動信号の基本角周波数の離散値の測定値を換算し、前記第1の推定手段に、前記1サンプリング前の前記振動信号の基本角周波数の離散値の推定値として当該換算した測定値を使用させる回転周波数換算手段としてコンピュータを機能させるものである。
上記の振動解析装置およびプログラムによると、所定周期でサンプリングされる振動信号の離散値が離散型正弦波信号としてモデル化され、サンプリング周期ごとに離散型フーリエ係数および振動信号の基本角周波数の離散値の各推定値が計算される。また、各推定値は回転機械の回転数の急変によく追従して適応的に計算される。
前記第2の推定部は、前記誤差に応じた可変ステップサイズで前記離散型フーリエ係数の推定値を更新してもよい。同様に、前記第2の推定手段は、前記誤差に応じた可変ステップサイズで前記離散型フーリエ係数の推定値を更新してもよい。
これによると、回転機械の回転数の急変によりよく追従して振動解析を行うことができる。
上記の回転機械の振動解析装置は、前記第2の離散値が前記第2の値になったタイミングを位相基準として当該位相基準に対する前記振動信号に含まれる基本周波数成分の位相を推定する位相推定部をさらに備えていてもよい。同様に、上記の回転機械の振動解析プログラムは、前記第2の離散値が前記第2の値になったタイミングを位相基準として当該位相基準に対する前記振動信号に含まれる基本周波数成分の位相を推定する位相推定手段としてコンピュータをさらに機能させてもよい。
これによると、回転機械の位相解析が可能となる。
前記振動センサが、変位センサ、速度センサおよび加速度センサのいずれかであってもよい。
このように、変位センサ、速度センサおよび加速度センサのいずれかを用いることで、振動軸の振動を検出することができる。
前記回転パルスセンサが、前記回転軸が1回転するごとに1個のパルスを出力するセンサであってもよい。
これによると、回転パルス信号を位相基準信号(フェーズマーカ)として使用することができる。
本発明によれば、回転機械の振動解析において回転数の急変によく追従することができる。
本発明の一実施形態に係る回転機械の振動解析装置を含むシステムの全体構成図 振動解析装置の機能ブロック図 振動信号の基本角周波数の離散値の推定値および各周波数成分の離散型フーリエ係数の推定値を同時に適応的に推定する機構の模式図 振動解析装置による回転機械の振動解析処理のフローチャート 本発明の一実施形態に係る回転機械の振動解析装置と従来例との回転同期成分抽出特性を比較するグラフ
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態について説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る回転機械の振動解析装置を含むシステムの全体構成を示す。回転機械100は、例えば、産業プラント設備の重要設備であり、タービン、発電機、モータ、ブロワ、ポンプ、コンプレッサなどから構成される。
回転機械100には、振動センサ110および回転パルスセンサ120を含む各種センサやトランスデューサが取り付けられている。
振動センサ110は、回転機械100の回転軸101の振動を検出して振動信号dを出力するセンサである。振動センサ110は、回転軸101の振動変位を検出する変位センサ、回転軸101の振動速度を検出する速度センサ、および回転軸101の振動加速度を検出する加速度センサのいずれであってもよい。
回転パルスセンサ120は、回転軸101の回転を検出して回転パルス信号pを出力するセンサである。例えば、回転パルスセンサ120は、回転軸101が1回転することに所定個のパルスを出力するセンサである。なお、回転パルスセンサ120として、回転軸101が1回転することに1個のパルスを出力するセンサを使用することで、回転パルスセンサ120から出力される回転パルス信号pを位相基準信号(フェーズマーカ)として使用することができる。
回転機械100に取り付けられた各種センサおよびトランスデューサから出力される信号は状態監視モニタ130に送られる。状態監視モニタ130は、それらセンサおよびトランスデューサから受けた信号を視覚的に表示する。また、状態監視モニタ130は、回転機械100の軸振動、軸位置、位相基準、回転数などの状態を連続監視し、異常発生時には警報を発する。
振動解析装置10は、状態監視モニタ130に集められた各種センサおよびトランスデューサの信号を収集し、それら信号に基づいて位相解析、周波数解析、回転数変換、振幅変換などの解析演算処理を行う。振動解析装置10による各種解析結果はPC20に保存され、PC20の画面上にグラフなどで視覚的に表示される。
次に、振動解析装置10の詳細構成について説明する。図2は、振動解析装置10の機能ブロック図である。
振動解析装置10は、振動サンプリング部11、回転サンプリング部12、周波数成分合成部13、回転周波数換算部14、周波数成分適応推定部15、周波数適応推定部16、離散型フーリエ係数適応推定部17、誤差計算部18、および位相推定部19を備えている。
なお、振動解析装置10を構成する各要素は電子回路などのハードウェアで実現することができる。あるいは、これら要素をコンピュータプログラムとして記述することもできる。その場合、コンピュータプログラムを適当な記憶装置に保存しておいて、振動解析装置10における図示しないCPU(Central Processing Unit)が当該コンピュータプログラムを適宜読み出して実行することができる。
振動サンプリング部11は、振動センサ110から出力される振動信号dを所定周期でサンプリングして離散型振動信号d(n)を生成する。振動サンプリング部11のサンプリング周波数は、例えば、20kHzであり、これは、回転軸101の回転周波数によらず一定である。
離散型振動信号d(n)は、次式のように離散型正弦波信号としてモデル化することができる。
ただし、
(n):直流成分
q:振動信号dに含まれる周波数成分の数
(n)、b(n):i番目の周波数成分(周波数成分iX)のDFC(Discrete Fourier Coefficient:離散型フーリエ係数)の真値
Ω(n):周波数成分iXの角周波数
v(n):加法的背景雑音
α:周波数成分iXに対応した定数(例えば、0.5、2、3、・・・)
ω(n):周波数成分1Xの角周波数(基本角周波数)の離散値
(n):周波数成分1Xの周波数(基本周波数)
:サンプリング周波数
r(n):回転軸101の回転速度(rpm)の真値
である。
回転サンプリング部12は、回転パルスセンサ120から出力される回転パルス信号pを所定周期でサンプリングして離散型回転パルス信号p(n)を生成する。回転サンプリング部12のサンプリング周波数は、振動サンプリング部11のサンプリング周波数と同じあり、例えば、20kHzである。すなわち、振動サンプリング部11と回転サンプリング部12とは互いに同期を取りながら固定のサンプリング周波数でサンプリングを行う。
周波数成分合成部13は、離散型フーリエ係数適応推定部17から直流成分の推定値^a(n)および周波数成分iXのDFCの各推定値^a(n)および^b(n)を受け、また、周波数適応推定部16から振動信号dの基本角周波数の離散値の推定値^ω(n)を受け、離散型振動信号d(n)の推定値y(n)を計算する。
例えば、y(n)は次式のように表すことができる。
ただし、ハット(^)付きの変数は、その変数の推定値を表す。便宜上、本明細書では変数の前にハット(^)を付してハット付き変数を表すものとする。また、式(5)中のq(離散型振動信号d(n)に含まれる周波数成分の数)は式(1)中のqとは異なることがある。
後述するように、周波数適応推定部16は、1サンプリング周期ごとに振動信号dの基本角周波数の離散値の推定値^ω(n)を更新する。回転周波数変換部14は、その更新処理において使用される1サンプリング前の推定値^ω(n)を離散型回転パルス信号p(n)の値に応じて決定する。
回転周波数変換部14は、例えば、次式で表されるように推定値^ω(n)を決定することができる。
離散型回転パルス信号p(n)=0は、回転パルスセンサ120からのパルスが検出されないことを意味する。この場合、回転軸101の回転速度の測定値が得られないため、回転周波数変換部14は、周波数適応推定部16によって適応的に推定された振動信号dの基本角周波数の離散値の推定値^ω(n)を選択する。
一方、離散型回転パルス信号p(n)=1は、回転パルスセンサ120からのパルスが検出されたことを意味する。この場合、回転周波数変換部14は、回転軸101の回転速度の測定値^r(n)を計算し、振動信号dの基本角周波数の離散値の測定値ω(n)を換算する。例えば、回転周波数変換部14は、前回、p(n)=1になったときからの経過時間に基づいてω(n)を換算することができる。
このように、回転周波数変換部14は、回転パルスセンサ120からのパルスが検出された場合、周波数適応推定部16において自律的に更新された推定値^ω(n)ではなく回転軸101の回転速度から換算した測定値ω(n)を推定値^ω(n)の更新処理に使用させる。そして、回転周波数変換部14は、次の回転パルスセンサ120からのパルスが検出されるまでの間は、周波数適応推定部16によって自律的・適応的に推定された推定値^ω(n)を更新処理に使用させる。
周波数成分適応推定部15は、周波数適応推定部16および離散型フーリエ係数適応推定部17を含み、振動信号dの基本角周波数の離散値の推定値^ω(n)、直流成分の推定値^a(n)、および周波数成分iXのDFCの各推定値^a(n)および^b(n)を適応的に推定する。図3は、振動信号dの基本角周波数の離散値の推定値および各周波数成分の離散型フーリエ係数の推定値を同時に適応的に推定する機構の模式図である。
周波数適応推定部16は、所定周期(振動サンプリング部11および回転サンプリング部12のサンプリング周期)で1サンプリング前の振動信号dの基本角周波数の離散値の推定値^ω(n)に、離散型振動信号d(n)とその推定値y(n)との誤差を反映させて、振動信号dの基本角周波数の離散値の推定値を更新する。そして、周波数適応推定部16は、当該更新した振動信号dの基本角周波数の離散値の推定値^ω(n)を周波数成分合成部13に与える。
例えば、周波数適応推定部16は、次式で表されるように、基本周波数成分1Xのみに着目して最小自乗法により推定値^ω(n)を更新することができる。
ただし、e(n)は解析誤差信号であり、誤差計算部18により計算される。また、ステップサイズμωは小さい正の定数である。
なお、基本周波数成分1Xのみならず複数の周波数成分に着目して推定値^ω(n)を更新することができる。この場合、周波数適応推定部16は、次式で表されるように、推定値^ω(n)を更新することができる。
式(11)と式(13)とを比較すると、後者の方が推定精度が向上するが、計算コストが高くなる。したがって、必要とされる推定精度と計算コストの兼ね合いでいずれの更新方法を採用するかを決定すればよい。なお、シミュレーションや実測データへの適用において、両者の推定精度に大差はないため、実用的には計算量の少ない式(11)を採用することが好ましいと言える。
離散型フーリエ係数適応推定部17は、所定周期(振動サンプリング部11および回転サンプリング部12のサンプリング周期)で1サンプリング前の離散型フーリエ係数の推定値^a(n)、^a(n)、^b(n)に誤差e(n)を反映させて、これら離散型フーリエ係数の推定値を更新する。そして、離散型フーリエ係数適応推定部17は、当該更新した離散型フーリエ係数の推定値^a(n)、^a(n)、^b(n)を周波数成分合成部13に与える。
例えば、離散型フーリエ係数適応推定部17は、次式で表されるように、LMS(Least Mean Square)により離散型フーリエ係数の推定値^a(n)、^a(n)、^b(n)を更新することができる。
ただし、μ(n)は離散型フーリエ係数の更新用のステップサイズである。
式(14)ないし式(16)のように、ステップサイズは固定値ではなく、時間とともに変化する、いわゆる可変ステップサイズVSS(Variable Step Size)を採用する。このようなアルゴリズムはVSS−LMSと呼ばれる。離散型フーリエ係数の更新用のステップサイズにVSSを採用することにより、追従特性と定常特性の両方を確保することができる。特に低周波成分の推定・追従においてVSSは顕著な有効性を有する。
一般的に、VSSは次式のように更新することができる。
ただし、ξは1に近い定数であり、0.99、0.999、0.9995などが代表的に用いられる。ηは小さな正の定数であり、VSSの時系列の変化を制御するパラメータになる。
上記以外に、VSSは次式のいずれかを用いて更新することができる。
VSSの更新式において誤差e(n)の冪乗数が大きいほど、誤差e(n)が大きい場合にステップサイズがより大きくなって追従特性がよくなり、誤差e(n)が小さい場合にステップサイズがより小さくなって定常特性がよくなる。したがって、誤差e(n)の冪乗数がより大きい式(19)および式(21)がVSSの更新式として好適である。さらに、計算に係るメモリ量を考慮すると、同じ値を4乗する式(21)がVSSの更新式としてより好適である。
位相推定部19は、回転パルスセンサ120から出力される回転パルス信号pを位相基準信号(フェーズマーカ)として、具体的には、離散型回転パルス信号p(n)=1になったタイミングを位相基準として当該位相基準に対する振動信号dに含まれる基本周波数成分1Xの位相を推定する。
例えば、位相推定部19は、次式に従って、基本周波数成分1Xの位相の推定値^θ(n)を計算することができる。
あるいは、位相推定部19は、次式に従って、基本周波数成分1Xの位相の推定値^θ(n)を計算することができる。
ただし、rem(x,y)は、xを被除数、yを除数としたときの剰余数を表す。
式(22)と式(23)とを比較すると、前者はすべてのサンプリング点において推定値^θ(n)を計算することができるが、後者はp(n)=1のときのみ推定値^θ(n)の計算が可能である。一方、前者は^b(n)=0のときは推定値^θ(n)を計算することができないが、後者は^b(n)=0のときでも推定値^θ(n)を計算することができる。
なお、式(22)および式(23)は、いずれも、基本周波数成分1Xの位相の計算式であるが、計算式を適宜変更することで、位相推定部19は、任意の周波数成分の位相を推定することができる。
次に、振動解析装置10による回転機械100の振動解析処理フローについて説明する。図4は、振動解析装置10による回転機械100の振動解析処理のフローチャートである。
まず、振動サンプリング部11および回転サンプリング部12が、それぞれ、振動センサ110および回転パルスセンサ120から出力される振動信号dおよび回転パルス信号pを取得する(S1)。そして、振動サンプリング部11および回転サンプリング部12が、それぞれ、取得した信号を所定周期でサンプリングして、離散型振動信号d(n)および離散型回転パルス信号p(n)を生成する(S2)。
回転パルスセンサ120から回転パルス信号pが出力されない場合、すなわち、離散型回転パルス信号p(n)=0の場合には(S3でNO)、回転周波数変換部14は、周波数適応推定部16における振動信号dの基本角周波数の離散値の推定値の更新前値として、1サンプリング前に周波数適応推定部16によって推定された値を選択する(S4)。
一方、回転パルスセンサ120から回転パルス信号pが出力された場合、すなわち、離散型回転パルス信号p(n)=1の場合には(S3でYES)、回転周波数変換部14は、振動信号dの基本角周波数の離散値の測定値ω(n)を算出する(S5)。そして、回転周波数変換部14は、周波数適応推定部16における振動信号dの基本角周波数の離散値の推定値の更新前値として、ステップS5で算出された測定値を選択する(S6)。
ステップS4またはステップS6で基本角周波数の離散値の推定値の更新前値が選択されると、周波数適応推定部16は、当該選択された更新前値を用いて、振動信号dの基本角周波数の離散値の推定値を更新する(S7)。
ステップS7において、推定値の更新に使用する周波数成分を指定することができる。例えば、基本周波数成分1Xのみを指定すれば、式(11)のように、基本周波数成分1Xのみに着目して最小自乗法により推定値^ω(n)を更新することができる。また、基本周波数成分1X以外に複数の周波数成分を指定すれば、式(13)のように、複数の周波数成分を合成して最小自乗法により推定値^ω(n)を更新することができる。
一方、離散型フーリエ係数適応推定部17は、各周波数成分の離散型フーリエ係数の推定値を更新する(S8)。
ステップS8で各周波数成分の離散型フーリエ係数の推定値が更新されると、位相推定部19は、当該推定値を用いて任意の周波数成分の位相を推定する(S9)。
上記のステップS1からステップS9を繰り返すことにより、振動機械100の振動が解析される。そして、その解析結果は、振動解析装置10からPC20に送られ、PC20の画面上にグラフなどで視覚的に表示される(S10)。
図5は、本発明の一実施形態に係る回転機械の振動解析装置10と従来例との回転同期成分抽出特性を比較するグラフである。グラフの横軸は周波数、縦軸はゲインであり、破線は従来例、実線は本実施形態に係る振動解析装置10の特性を示す。従来例による回転同期成分抽出では、目的とする中心周波数の前後の周波数成分を十分に減衰させることができずに目的の周波数以外の周波数成分が混濁して測定誤差が大きくなってしまう。これに対して、本実施形態によると、目的とする中心周波数のゲインが突出しており、その前後の周波数成分は十分に減衰させることができるため、測定誤差を低減することができる。
以上のように、本実施形態によれば、航空機エンジン転用型ガスタービン発電機のように回転数が短時間で大きく変化する回転機械についても追従性のよい振動解析が可能となる。また、あまり計算コストをかけることなく回転機械の振動解析を行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態の構成に限られず種々の変形が可能である。
また、上記実施形態により示した構成および処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成および処理に限定する趣旨ではない。
10 振動解析装置
11 振動サンプリング部(第1のサンプリング部)
12 回転サンプリング部(第2のサンプリング部)
13 周波数成分合成部
14 回転周波数換算部
16 周波数適応推定部(第1の推定部)
17 離散型フーリエ係数適応推定部(第2の推定部)
18 誤差計算部
19 位相推定部
100 回転機械
101 回転軸
110 振動センサ
120 回転パルスセンサ

Claims (8)

  1. 回転機械の回転軸の振動を検出する振動センサから出力される振動信号を所定周期でサンプリングして第1の離散値を生成する第1のサンプリング部と、
    前記回転軸の回転を検出する回転パルスセンサから出力される回転パルス信号を前記所定周期でサンプリングして第2の離散値を生成する第2のサンプリング部と、
    離散型フーリエ係数の推定値と前記振動信号の基本角周波数の離散値の推定値とが与えられて前記第1の離散値の推定値を計算する周波数成分合成部と、
    前記第1の離散値と前記第1の離散値の推定値との誤差を計算する誤差計算部と、
    前記所定周期で1サンプリング前の前記振動信号の基本角周波数の離散値の推定値に前記誤差を反映させて前記振動信号の基本角周波数の離散値の推定値を更新し、当該更新した前記振動信号の基本角周波数の離散値の推定値を前記周波数成分合成部に与える第1の推定部と、
    前記所定周期で1サンプリング前の前記離散型フーリエ係数の推定値に前記誤差を反映させて前記離散型フーリエ係数の推定値を更新し、当該更新した離散型フーリエ係数の推定値を前記周波数成分合成部に与える第2の推定部と、
    前記第2の離散値が前記回転パルス信号の非検出を示す第1の値のとき、前記第1の推定部に、前記1サンプリング前の前記振動信号の基本角周波数の離散値の推定値として前記第1の推定部が1サンプリング前に推定した推定値を使用させ、前記第2の離散値が前記回転パルス信号の検出を示す第2の値のとき、前回、前記第2の離散値が前記第2の値になったときからの経過時間に基づいて前記振動信号の基本角周波数の離散値の測定値を換算し、前記第1の推定部に、前記1サンプリング前の前記振動信号の基本角周波数の離散値の推定値として当該換算した測定値を使用させる回転周波数換算部と、を備えた回転機械の振動解析装置。
  2. 前記第2の推定部は、前記誤差に応じた可変ステップサイズで前記離散型フーリエ係数の推定値を更新する、請求項1に記載の回転機械の振動解析装置。
  3. 前記第2の離散値が前記第2の値になったタイミングを位相基準として当該位相基準に対する前記振動信号に含まれる基本周波数成分の位相を推定する位相推定部をさらに備えた請求項1または請求項2に記載の回転機械の振動解析装置。
  4. 前記振動センサが、変位センサ、速度センサおよび加速度センサのいずれかである、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の回転機械の振動解析装置。
  5. 前記回転パルスセンサが、前記回転軸が1回転するごとに1個のパルスを出力するセンサである、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の回転機械の振動解析装置。
  6. 離散型フーリエ係数の推定値と回転機械の回転軸の振動を検出する振動センサから出力される振動信号の基本角周波数の離散値の推定値とが与えられて、前記振動信号を所定周期でサンプリングした第1の離散値の推定値を計算する周波数成分合成手段、
    前記第1の離散値と前記第1の離散値の推定値との誤差を計算する誤差計算手段、
    前記所定周期で1サンプリング前の前記振動信号の基本角周波数の離散値の推定値に前記誤差を反映させて前記振動信号の基本角周波数の離散値の推定値を更新し、当該更新した前記振動信号の基本角周波数の離散値の推定値を前記周波数成分合成手段に与える第1の推定手段、
    前記所定周期で1サンプリング前の前記離散型フーリエ係数の推定値に前記誤差を反映させて前記離散型フーリエ係数の推定値を更新し、当該更新した離散型フーリエ係数の推定値を前記周波数成分合成手段に与える第2の推定手段、および
    前記回転軸の回転を検出する回転パルスセンサから出力される回転パルス信号を前記所定周期でサンプリングした第2の離散値が前記回転パルス信号の非検出を表す第1の値のとき、前記第1の推定手段に、前記1サンプリング前の前記振動信号の基本角周波数の離散値の推定値として前記第1の推定手段が1サンプリング前に推定した推定値を使用させ、前記第2の離散値が前記回転パルス信号の検出を表す第2の値のとき、前回、前記第2の離散値が前記第2の値になったときからの経過時間に基づいて前記振動信号の基本角周波数の離散値の測定値を換算し、前記第1の推定手段に、前記1サンプリング前の前記振動信号の基本角周波数の離散値の推定値として当該換算した測定値を使用させる回転周波数換算手段としてコンピュータを機能させる回転機械の振動解析プログラム。
  7. 前記第2の推定手段は、前記誤差に応じた可変ステップサイズで前記離散型フーリエ係数の推定値を更新する、請求項6に記載の回転機械の振動解析プログラム。
  8. 前記第2の離散値が前記第2の値になったタイミングを位相基準として当該位相基準に対する前記振動信号に含まれる基本周波数成分の位相を推定する位相推定手段としてコンピュータをさらに機能させる請求項6または請求項7に記載の回転機械の振動解析プログラム。
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