以下のものは、チタン含有金属の研削に好適な砥石物品を含めた研磨物品に関する。チタン含有金属としては、チタン系金属、及び、チタンアルミニウム合金(すなわちTiAl金属)などのチタン系金属合金が挙げられるがこれらに限定されない商業的に重要な多くの金属及び合金のうち、チタン金属及びその合金は、研削によって加工することが最も困難である可能性がある。チタン系金属及びチタン系金属合金を含めたチタン含有金属は、特に高温で、例えば研削中に生じる高温で、酸化の影響を非常に受けやすいため、研削することが極めて困難である可能性がある。酸化反応は非常に発熱的であり、それにより相当量の熱が発生し、この熱は、任意の金属の研削で受ける通常の研削熱に付加される。この問題をより複雑にすることに、チタン系金属は概して、鉄金属と比較すると相対的に低い熱伝導率を有し、その結果、研削面で熱がより集中することとなる。炭化ケイ素研磨粒子を含む研磨物品は、炭化ケイ素粒子が研削中の熱いチタンでの溶解に耐えるので、特定の酸化物系研磨粒子と比べて有利であることが見出されている。
図1は、一実施形態による研磨物品を形成させるプロセスを説明しているフローチャートを含む。示すように、工程101では、固着剤中に研磨粒子を含む混合物を形成させることによってプロセスを開始することができる。一実施形態によれば、研磨粒子は炭化ケイ素を含むことができる。より詳細には、研磨粒子は、主要な含有量の研磨粒子が炭化ケイ素を含むような、炭化ケイ素系材料とすることができる。さらに別の実施形態においては、研磨粒子は、本質的に炭化ケイ素からなることができる。
さらに、固着剤は粉末材料を含んでもよく、粉末材料はフリットを含んでもよい。特に、固着剤はセラミックスなどの無機材料を含むことができる。本明細書において使用する場合、セラミックスについて言うことは、少なくとも1種の金属元素と、少なくとも1種の非金属元素と、を含む組成物を含むことができる。例えば、セラミックスは、酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、及びそれらの組合せなどの材料を含んでもよい。より詳細には、セラミックス材料は、ガラス相、結晶相、多結晶相、及びそれらの組合せを有してもよい。
一実施形態によれば、研磨粒子は、0.1ミクロン以上、例えば1ミクロン以上、5ミクロン以上、10ミクロン以上、20ミクロン以上、30ミクロン以上、又はさらには40ミクロン以上の平均粒径を有することができる。さらに、別の非限定的実施形態においては、研磨粒子は、5000ミクロン以下、例えば4000ミクロン以下、又はさらには3000ミクロン以下、2000ミクロン以下、1000ミクロン以下、500ミクロン以下、100ミクロン以下、又はさらには約90ミクロン以下の平均粒径を有することができる。研磨粒子は、上述の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内の平均粒径を有することができることが理解されよう。
一実施形態においては、固着剤は、例えば特定の含有量のシリカ、酸化ホウ素、及びそれらの組合せを含めた、酸化物系材料を含むことができる。少なくとも1つの実施形態においては、固着剤はホウケイ酸塩組成物を含むことができる。より詳細には、固着剤は、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化ホウ素(B2O3)、粘土、及びそれらの水ガラス系組成物の組合せを含む組成を有することができる。
特定の実施形態によれば、固着剤及び研磨粒子を含む混合物は、1種又は複数の充填材も含んでもよい。充填材は研磨粒子とは異なるものとすることができ、充填材は研磨粒子の硬度よりも小さい硬度を有してもよい。充填材は機械的特性の改良をもたらしてもよく、実施形態による研磨凝集体の形成を容易にしてもよい。少なくとも1つの実施形態においては、充填材は、繊維、織物材料、不織物材料、粒子、鉱物、木の実、殻、酸化物、アルミナ、炭化物、窒化物、ホウ化物、有機材料、ポリマー材料、天然に存在する材料、及びそれらの組合せなどの様々な材料を含むことができる。特定の例においては、充填材は、珪灰石、ムライト、鋼、鉄、銅、黄銅、青銅、スズ、アルミニウム、藍晶石、アルサイト(alusite)、ガーネット、石英、フッ化物、雲母、かすみ石閃長岩、硫酸塩(例えば硫酸バリウム)、炭酸塩(例えば炭酸カルシウム)、氷晶石、ガラス、ガラス繊維、チタン酸塩(例えばチタン酸カリウム繊維)、岩綿、粘土、海泡石、硫化鉄(例えばFe2S3、FeS2、又はそれらの組合せ)、ホタル石(CaF2)、硫酸カリウム(K2SO4)、グラファイト、フルオロホウ酸カリウム(KBF4)、フッ化カリウムアルミニウム(KAlF4)、硫化亜鉛(ZnS)、ホウ酸亜鉛、ホウ砂、ホウ酸、アランダム微粉末、P15A、発泡アルミナ、コルク、ガラス球、銀、Saran(商標)樹脂、パラジクロロベンゼン、シュウ酸、ハロゲン化アルカリ、有機ハロゲン化物、及びアタパルジャイトなどの材料を含むことができる。
当該混合物を形成させることは、乾燥又は湿性混合物を形成させることを含むことができる。湿性混合物を作製して、固着剤中の研磨粒子の好適な分散を容易にすることが好適としてもよい。さらに混合物には、例えば充填剤、添加剤、固着剤、及び、混合物の形成を容易にする当技術分野で公知の任意の他の材料を含めた他の材料を含ませて、ビトリファイド砥石の形成前に素地生成物を作製することができることが理解されよう。少なくとも1つの実施形態においては、当該混合物は細孔形成体を本質的に含まない。
図1を参照すると、工程101にて研磨粒子及び固着剤を含む混合物を形成させた後、研磨粒子及び固着剤の凝集体を形成させることにより、工程102にてプロセスを継続することができる。本明細書において使用する場合、凝集体について言うことは、固着材中に含まれた、より小さな粒子(例えば研磨粒子)を含む粒子について言うことであり、この固着材は、凝集体の体積部にわたって広がる、実質的に均質で連続的な材料の3次元相としてもよい。固着材は、特定の含有量のガラス相を含んでもよい。凝集体は、微粒子の密集体の形態で互いに結合した様々なサイズの別個の粒子の複合体である集合体とは異なるものとしてもよい。特に集合体は、微粒子の密集体の体積部にわたって広がる連続的な固着剤を含まない。
研磨凝集体を形成させるプロセスは、固着剤の少なくとも一部分を部分的に硬化させることを含むことができる。研磨凝集体を形成させるプロセスは、固着剤を部分的に硬化させることを含むことができ、部分的に硬化させることは、複数の研磨粒子を一緒に接着して研磨凝集体を形成させるのに充分であるような熱処理中に、固着剤の少なくとも一部分を液相に変換することを含んでもよい。より詳細には、研磨凝集体を形成させるプロセスは、100℃以上、例えば125℃以上、150℃以上、175℃以上、200℃以上、250℃以上、又はさらには300℃以上の形成温度に当該混合物を加熱することを含むことができる。さらに、別の非限定的実施形態においては、形成温度は500℃以下、450℃以下、400℃以下、350℃以下、又はさらには300℃以下とすることができる。形成温度は、上述の最小温度及び最大温度のいずれかを含む範囲内とすることができることが理解されよう。本明細書における形成温度への言及は材料の融点とすることができ、また固着材に液相を形成させるのに好適なものとしてもよい。この液相は、研磨凝集体の形成を容易にすることができる。
加熱プロセスは、特定の時間行って研磨凝集体の形成を容易にすることができる。例えば研磨凝集体を形成させることは、特定の時間、例えば1分以上、3分以上、5分以上、又はさらには10分以上の間、形成温度で維持することを含むことができる。別の非限定的実施形態においては、加熱プロセスは、30分以下、例えば20分以下、又はさらには15分以下の間、当該混合物を形成温度で維持して、研磨凝集体の形成を容易にすることを含むことができる。形成温度における時間は、上述の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができることが理解されよう。
一実施形態によれば、研磨凝集体を形成させることは、酸化性雰囲気又は非酸化性雰囲気で当該混合物を加熱することを含むことができる。一部の好適な非酸化性雰囲気は、1種又は複数の希ガス種及び/又は窒素を含むことができる。少なくとも1つの実施形態においては、研磨凝集体を形成させるプロセスは、51体積%以上の窒素を含んでいてもよい窒素が多い雰囲気で、より詳細には本質的に窒素からなる雰囲気で、混合物を加熱することを含むことができる。さらに別の実施形態においては、研磨凝集体の形成は、周囲空気の雰囲気で加熱することを含むことができる。
一実施形態によれば、研磨凝集体は、約50ミクロン以上、60ミクロン以上、70ミクロン以上、80ミクロン以上、90ミクロン以上、100ミクロン以上、110ミクロン以上、120ミクロン以上、130ミクロン以上、140ミクロン以上、又はさらには150ミクロン以上の平均粒径(D50)を有することができる。さらに、別の非限定的実施形態においては、研磨凝集体は、5000ミクロン以下、例えば4000ミクロン以下、3000ミクロン以下、又はさらには2000ミクロン以下の平均粒径を有することができる。研磨凝集体は、上述の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内の平均粒径を有することができることが理解されよう。
再度図1を参照すると、工程102にて研磨粒子と固着剤との研磨凝集体を形成させた後、工程103にてプロセスを継続することができる。工程103は、研磨凝集体を結合材と混合することを含むことができる。特に、結合材は、固着剤とは異なる組成を有することができる。結合材はまた、前駆結合材と呼ばれてもよく、前駆結合材は、熱処理されて最終的に形成される研磨物品の結合材を形成するまで、粉末材料形態であることができる。より詳細には、結合材は酸化物系組成物を含むことができ、酸化物系組成物は、いくらかの含有量のシリカ、酸化ホウ素、アルミナ、ジルコン、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化カルシウムなどを含んでもよい。前駆結合材の組成物を使用して、最終的に形成される砥石本体部の結合材を形成させる。最終的に形成される砥石本体部の結合材の含有量は、以下でより詳細に開示する。前駆結合材と、最終的に形成される砥石本体部の結合材の組成は実質的に同じ(すなわち、前駆結合材と、最終的に形成される砥石本体部の結合材との間で、成分のうちのいずれか1種において5%以下の差異)であるか、又は本質的に同じ(すなわち、前駆結合材と、最終的に形成される砥石本体部の結合材との間で、成分のうちのいずれか1種において1%以下の差異)とすることができる。
一実施形態によれば、結合材はジルコンを含むことができる。少なくとも1つの特定の実施形態においては、結合材は、固着剤のジルコン含有量よりも多い含有量のジルコンを含む。さらに、少なくとも1つの実施形態においては、固着剤はジルコンを本質的に含まないことができ、結合材は、結合材の総重量の5重量%以上のジルコンを含むことができる。
結合材は、研磨物品の好適な形成及び遂行を容易にしてもよい特定の融点を有することができる。少なくとも一例においては、結合材(すなわち、前駆結合材であり、最終的に形成された結合材ではない)は、固着剤の融点よりも高い融点を有することができる。より詳細には、結合材は、式[(Tbm−Tb)/Tbm]×100%によって計算される、固着剤後の融解よりも約2%以上高い融点を有してもよい。式中、Tbmは結合材の融点を表し、Tbは固着剤の融点である。別の非限定的実施形態においては、結合材は、固着剤の融点よりも約5%以上、例えば約10%以上、約20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、又はさらには60%以上高い融点を有することができる。非限定的実施形態においては、結合材の融点は、固着剤の融点よりも90%以下、例えば80%以下、又はさらには70%以下高いものとしてもよく、この融点は好適な形成を容易にしてもよい。結合材と固着剤との間の融点の差異は、上述の最小の百分率及び最大の百分率のいずれかを含む範囲内とすることができることが理解されよう。
特定の例においては、研磨凝集体と結合材との混合物に非凝集研磨粒子を添加してもよい。非凝集研磨粒子は、酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、炭素系材料(例えばダイヤモンド)、オキシ炭化物、オキシ窒化物、オキシホウ化物、及びそれらの組合せなどの材料を含むことができる。特定の例においては、非凝集研磨粒子は、例えば6以上のモース硬度、例えば6.5以上、7以上、8以上、8.5以上、9以上のモース硬度を有する、特に硬質なものとすることができる。一実施形態によれば、非凝集研磨粒子は、超砥粒材を含むことができる。非凝集研磨粒子は、二酸化ケイ素、炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、フリント、ガーネット、エメリー、希土類酸化物、希土類含有材料、酸化セリウム、ゾルゲル誘導粒子、石膏、酸化鉄、ガラス含有粒子、及びそれらの組合せの群から選択される材料を含むことができる。別の例においては、非凝集研磨粒子は、炭化ケイ素(例えば、Green39C及びBlack37C)、褐色溶融アルミナ(57A)、種結晶添加ゲル研磨材、添加剤含有焼結アルミナ、成形焼結酸化アルミナ、ピンク色アルミナ、ルビー色アルミナ(例えば、25A及び86A)、電気溶融単結晶アルミナ32A、MA88、アルミナジルコニア研磨材(NZ、NV、ZF)、押出しボーキサイト、立方晶窒化ホウ素、ダイヤモンド、abral(オキシ窒化アルミニウム)、焼結アルミナ(Treibacher社のCCCSK)、押出しアルミナ(例えば、SR1、TG、及びTGII)、又はそれらの組合せも含んでもよい。特定の一実施形態によれば、非凝集研磨粒子は、本質的に炭化ケイ素からなる。非凝集研磨粒子は、研磨凝集体よりも低い硬度を有するが、研磨物品に存在してもよい充填材よりは硬度が高い希釈剤粒状体としてもよい。さらに他の例においては、研磨粒子は、破砕粒状体とは異なる成形研磨粒子を含んでもよい。各成形研磨粒子は、高精度な形状、及び互いに対して実質的に同様の形状を有することができる。
少なくとも1つの実施形態では、非凝集研磨粒子は、研磨粒子の形成を容易にし、また研磨物品の性能を改良してもよい特定の平均粒径を有することができる。例えば、非凝集研磨粒子は、1ミクロン以上、例えば5ミクロン以上、10ミクロン以上、20ミクロン以上、30ミクロン以上、40ミクロン以上、又はさらには50ミクロン以上の平均粒径(D50)を有することができる。非限定的な一実施形態においては、非凝集研磨粒子は、2600ミクロン以下、例えば2550ミクロン以下、2500ミクロン以下、2300ミクロン以下、2000ミクロン以下、1800ミクロン以下、1500ミクロン以下、1200ミクロン以下、1000ミクロン以下、800ミクロン以下、600ミクロン以下、300ミクロン以下、200ミクロン以下、150ミクロン以下、又はさらには100ミクロン以下の平均粒径(D50)を有してもよい。非凝集研磨粒子は、上述の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内の平均粒径を有することができることが理解されよう。
特定の例においては、非凝集研磨粒子は、研磨凝集体の平均粒径(D50aa)と比較して特定の関係性を有する平均粒径(D50uap)を有することができる。例えば、非凝集研磨粒子は、研磨凝集体の平均粒径(D50aa)よりも小さい平均粒径(D50uap)を有することができる。より詳細には、本体部は、1以下、例えば0.95以下、0.9以下、0.8以下、0.7以下、0.6以下、0.5以下、0.4以下、又はさらには0.3以下の比(D50upa/D50aa)を有することができる。さらに、少なくとも1つの実施形態においては、比(D50upa/D50aa)は、0.01以上、0.05以上、0.1以上、0.15以上、0.2以上、0.25以上、0.3以上、0.35以上、0.4以上、0.5以上とすることができる。比(D50upa/D50aa)は、上述の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができることが理解されよう。
当該混合物、よって最終的に形成される研磨物品は、研磨物品の研磨粒子の全含有量と比べて、特定の含有量の非凝集研磨粒子を含むことができる。例えば、非凝集研磨粒子は、研磨粒子の全含有量(すなわち、研磨凝集体中の研磨粒子、及び非凝集研磨粒子)の1%以上の量、例えば研磨粒子の全含有量の2%以上、5%以上、8%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、又はさらには50%以上の量で存在することができる。さらに、別の実施形態においては、非凝集研磨粒子は、60%以下、例えば55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、12%以下、10%以下、8%以下、6%以下、4%以下、2%以下、1%以下の量で存在することができる。本体部での研磨粒子の全含有量と比べた非凝集研磨粒子の含有量は、上述の最小の百分率及び最大の百分率のいずれかを含む範囲内とすることができることが理解されよう。
より詳細に言えば、結合材は、800℃以上、例えば825℃以上、又はさらには850℃以上の形成温度を有してもよく、形成温度は材料の融点としてもよい。さらに、別の非限定的実施形態においては、結合材は、1000℃以下、990℃以下、980℃以下、970℃以下、960℃以下、又はさらには950℃以下の融点を有することができる。結合材は、上述の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内の融点を有することができることが理解されよう。
再度図1を参照すると、103の研磨凝集体を結合材と混合することの後に、工程104にて、研磨物品を形成させるプロセスを継続することができる。工程104は、研磨凝集体及び結合材を熱処理して砥石を形成させることを含む。一実施形態によれば、熱処理プロセスは、固着剤と結合材との混合を生じさせてガラス結合材を形成させるのに充分な温度まで、研磨凝集体及び結合材を加熱することを含むことができる。つまり、最終的に形成される砥石本体部は、固着剤と結合材とのブレンドである組成物を有するガラス結合材を含むことができ、熱処理操作は、固着剤と結合材とを少なくとも部分的に確実に混合させるのに好適な方法で行う。一実施形態によれば、熱処理は、950℃以下、例えば940℃以下、又はさらには930℃以下の形成温度まで、研磨凝集体及び結合材を加熱することを含むことができる。さらに、少なくとも1つの非限定的実施形態においては、熱処理のプロセスは、850℃以上、例えば875℃以上、又はさらには900℃以上の形成温度まで、研磨凝集体及び結合材を加熱することを含むことができる。熱処理のプロセスは、上述の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内の形成温度まで、研磨凝集体及び結合材を加熱することを含むことができることが理解されよう。前駆結合材及び固着剤の融解により、固着剤と前駆結合材との混合及び組合せが容易になり、最終的に形成される砥石のガラス結合材が形成するので、形成温度は融点とすることができる。
熱処理は、非酸化性雰囲気で凝集体及び結合材を加熱することさらに含んでもよい。少なくとも別の実施形態においては、熱処理のプロセスは、窒素が多い雰囲気、より詳細には本質的に窒素からなる雰囲気で研磨凝集体及び結合材を加熱することを含むことができる。さらに、非酸化性雰囲気は、1種又は複数の希ガスを含むことができることが理解されよう。さらに、別の実施形態においては、熱処理のプロセスは周囲雰囲気(すなわち、空気中)で行うことができる。
熱処理して砥石本体部を形成させた後、砥石本体部を研磨物品に組み込んでもよい。砥石本体部は、当技術分野で公知の任意の好適なサイズ及び形状を有してもよく、砥石本体部を様々な種類の研磨物品に組み込んで、材料除去操作、特にチタン含有金属及びチタン含有金属合金での材料除去操作、より詳細には例えばチタンアルミナイド、Ti−6Al−4Vなどのチタン系金属及び金属合金での材料除去操作を行うのに好適な砥石物品を形成させることができることが理解されよう。例えば砥石本体部は、ホイールのハブなどの基材に付けて、結合研磨材研削砥石の形成を容易にすることができる。
本明細書において開示する研磨物品は、ニッケル含有材料などの特定の他の材料で行う材料除去操作にも使用してもよい。ニッケル含有材料は、例えばニッケル含有金属及びニッケル含有金属合金とすることができ、特にニッケル系金属及びニッケル系金属合金が含まれ得る。非限定的な一実施形態においては、ニッケル含有材料には、INCONEL(登録商標)合金617、INCONEL(登録商標)合金625、INCONEL(登録商標)合金625LCF(登録商標)、INCONEL(登録商標)合金706、INCONEL(登録商標)合金718、INCONEL(登録商標)合金718SPF(商標)、INCONEL(登録商標)合金725、INCONEL(登録商標)合金X−750、INCONEL(登録商標)合金MA754、INCONEL(登録商標)合金783、INCONEL(登録商標)合金HX、NILO(登録商標)合金42、NIMONIC(登録商標)合金75、NIMONIC(登録商標)合金80A、NIMONIC(登録商標)合金86、NIMONIC(登録商標)合金90、NIMONIC(登録商標)合金105、NIMONIC(登録商標)合金115、NIMONIC(登録商標)合金901、NIMONIC(登録商標)合金PE16、NIMONIC(登録商標)合金PK33、NIMONIC(登録商標)合金263、NILO(登録商標)合金36、INCOLOY(登録商標)合金903、INCOLOY(登録商標)合金907、INCOLOY(登録商標)合金909、INCOLOY(登録商標)合金A−286、UDIMET(登録商標)合金188、UDIMET(登録商標)合金520、UDIMET(登録商標)合金L−605、UDIMET(登録商標)合金720、UDIMET(登録商標)合金D−979、UDIMET(登録商標)合金R41、Waspaloy、鋳鉄(例えばねずみ鋳鉄、ノジュラー鋳鉄、及びチルド鋳鉄)が含まれ得る。
チタン含有材料又はニッケル含有材料とは別の特定の種類の材料も、本明細書において開示する砥石物品を利用する材料除去操作に好適としてもよい。非限定的な一実施形態においては、このような材料には、アルミニウム含有材料(例えばアルミニウム合金)、炭化物(例えば炭化タングステン)、ステンレス鋼、非鉄金属及び合金(例えば、銅、青銅、スズ、黄銅、亜鉛など)、窒化金属、ゴム、プラスチック、複合材、セラミックス、並びに硬化鋼が含まれ得る。
図2は、一実施形態による砥石本体部の一部分の画像を含む。述べたように、砥石本体部は、研磨凝集体201を含むことができる研磨凝集体201と、研磨凝集体201を接合する結合架け橋の形態の結合材202と、結合材202と研磨凝集体201の間に延在する細孔203と、を含む。結合材202について言うことは、本明細書において実施形態のプロセスで説明したように、固着剤と結合材との混合物から形成されるガラス結合材であることに留意されたい。
砥石本体部は、研磨物品の性能の改良を容易にしてもよい特定の含有量の結合材を含んでもよい。一実施形態によれば、砥石は、本体部の全体積の3体積%以上の結合材を含む本体部を有することができる。さらに他の実施形態においては、砥石本体部は、本体部の全体積の4体積%以上、又はさらには5体積%以上の結合材を含むことができる。さらに別の非限定的実施形態においては、砥石の本体部は、本体部の全体積の20体積%以下の結合材、例えば18%体積以下、15%体積以下、又はさらには12体積%以下の結合材を有することができる。砥石本体部は、上述の最小の百分率及び最大の百分率のいずれかを含む範囲内の結合材含有量を有することができることが理解されよう。
別の実施形態によれば、砥石本体部は、研磨物品の性能の改良を容易にする特定の含有量及び特定の種類の気孔率を有してもよい。一実施形態によれば、本体部は、本体部の全体積の40体積%以上の気孔率を含むことができる。より特定の実施形態においては、本体部は、本体部の全体積の42体積%以上の気孔率、例えば43体積%以上、44体積%以上、45体積%以上、46体積%以上、47体積%以上、48体積%以上、49体積%以上、50体積%以上、51体積%以上、52体積%以上、53体積%以上、54体積%以上、55体積%以上、56体積%以上、57体積%以上、58体積%以上、59体積%以上、60体積%以上、61体積%以上、又はさらには62体積%以上、の気孔率を含むことができる。さらに、他の非限定的実施形態においては、本体部は、本体部の全体積の75体積%以下、例えば70体積%以下、78体積%以下、76体積%以下、74体積%以下、72体積%以下、70体積%以下、68体積%以下、66体積%以下、又はさらには64体積%以下の気孔率を含んでもよい。本体部は、上述の最小の百分率及び最大の百分率のいずれかを含む範囲内の含有量の気孔率を含むことができることが理解されよう。
一実施形態によれば、砥石本体部は、性能の改良を容易にすることができる特に大きい細孔を有することができる。例えば、本体部は、約70ミクロン以上、80ミクロン以上、85ミクロン以上、90ミクロン以上、95ミクロン以上、100ミクロン以上、110ミクロン以上、120ミクロン以上、130ミクロン以上、140ミクロン以上、150ミクロン以上、又はさらには160ミクロン以上の平均細孔径を有することができる。さらに、別の非限定的実施形態においては、本体部は、2000ミクロン以下、例えば1500ミクロン以下、1000ミクロン以下、900ミクロン以下、800ミクロン以下、又はさらには700ミクロン以下の平均細孔径を有することができる。本体部は、上述の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内の平均細孔径を有することができることが理解されよう。さらに、平均細孔径は、ASTM規格E112の平均粒度決定用標準試験法を用いて測定することができる。本体部の断面画像は、日立製顕微鏡にて倍率60倍で観察した。細孔の長さを決定するマクロは、画像に6本の等間隔の線を描き、細孔を横切る線の領域を測定することを含むことに基づく、結晶サイズを測定する技術に従う。細孔を横切る線の領域を測定する。このプロセスは、砥石本体部の部分の7枚の異なる画像で繰り返した。全画像を解析後、値を平均化して平均細孔径を計算した。さらに、平均(average)細孔径について言うことは、平均(mean)細孔径について言うこととすることもできることが理解されよう。
一実施形態によれば、砥石本体部は、性能の改良を容易にすることができる特定のメジアン細孔径を有することができる。例えば、本体部は、約45ミクロン以上、例えば50ミクロン以上、55ミクロン以上、60ミクロン以上、65ミクロン以上、70ミクロン以上、75ミクロン以上、80ミクロン以上、又はさらには85ミクロン以上のメジアン細孔径を有することができる。さらに、別の非限定的実施形態においては、本体部は、2000ミクロン以下、例えば1500ミクロン以下、1000ミクロン以下、900ミクロン以下、800ミクロン以下、又はさらには700ミクロン以下、500ミクロン以下、又はさらには200ミクロン以下のメジアン細孔径を有することができる。本体部は、上述の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内のメジアン細孔径を有することができることが理解されよう。さらに、メジアン細孔径は、ASTM規格E112の平均粒度決定用標準試験法を用いて測定することができる。
他の特定の実施形態では、砥石本体部は、上位四分位点細孔径を有することができる。上位四分位点細孔径は、本体部における細孔の大きさの最上位25%を定める最も小さい細孔径(すなわち、本体部の全細孔径の75%〜100%の細孔径)を規定する。別の言い方をすると、上位四分位点細孔径は、ASTM規格E112を用いて測定する、本体部の適切な統計学的サンプリングによって得られる本体部の細孔径分布の75番目の百分位数の細孔の細孔径である。例えば、本体部は、約85ミクロン以上、例えば90ミクロン以上、100ミクロン以上、110ミクロン以上、120ミクロン以上、130ミクロン以上、140ミクロン以上、150ミクロン以上、160ミクロン以上、170ミクロン以上、180ミクロン以上、190ミクロン以上、又はさらには200ミクロン以上の上位四分位点細孔径を有することができる。さらに、別の非限定的実施形態においては、本体部は、2000ミクロン以下、例えば1500ミクロン以下、1000ミクロン以下、900ミクロン以下、800ミクロン以下、700ミクロン以下、又はさらには500ミクロン以下の上位四分位点細孔径を有することができる。本体部は、上述の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内の上位四分位点細孔径を有することができることが理解されよう。
一実施形態においては、砥石本体部は、研磨物品の性能の改良を容易にすることができる特定の細孔径標準偏差を有することもできる。細孔径標準偏差は、ASTM規格E112を用いて測定する、本体部の適切な統計学的サンプリングによって得られる本体部の細孔径分布を測定し、その細孔径データから標準偏差を計算することから決定することができる。例えば、本体部は、約85ミクロン以上、例えば90ミクロン以上、100ミクロン以上、110ミクロン以上、120ミクロン以上、130ミクロン以上、140ミクロン以上、150ミクロン以上、160ミクロン以上、170ミクロン以上、180ミクロン以上、190ミクロン以上、又はさらには200ミクロン以上の細孔径標準偏差を有することができる。さらに、別の非限定的実施形態においては、本体部の気孔率は、2000ミクロン以下、例えば1500ミクロン以下、1000ミクロン以下、900ミクロン以下、800ミクロン以下、又はさらには700ミクロン以下、500ミクロン以下、又はさらには400ミクロン以下の細孔径標準偏差を有することができる。本体部の気孔率は、上述の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内の細孔径標準偏差を有することができることが理解されよう。
別の実施形態においては、砥石本体部は、研磨物品の性能の改良を容易にすることができる特定の細孔径分散も有することもできる。細孔径分散は、ASTM規格E112を用いて測定する、本体部の適切な統計学的サンプリングによって得られる本体部の細孔径分布を測定し、その細孔径データから分散を計算することから決定することができる。例えば、本体部は、約10ミクロン2以上、例えば15ミクロン2以上、20ミクロン2以上、25ミクロン2以上、30ミクロン2以上、35ミクロン2以上、又はさらには40ミクロン2以上の細孔径分散を有することができる。さらに、別の非限定的実施形態においては、本体部の気孔率は、1000ミクロン2以下、例えば500ミクロン2以下、200ミクロン2以下、100ミクロン2以下、90ミクロン2以下、80ミクロン2以下、又はさらには70ミクロン2以下の細孔径分散を有することができる。本体部の気孔率は、上述の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内の細孔径分散を有することができることが理解されよう。
一実施形態によれば、砥石本体部は、研磨物品の性能の改良を容易にすることができる特定の最大細孔径を有することもできる。最大細孔径は、ASTM規格E112を用いて測定する、本体部の適切な統計学的サンプリングと、測定された最大細孔径の決定とによって得ることができる。例えば、本体部は、約590ミクロン以上、例えば600ミクロン以上、700ミクロン以上、800ミクロン以上、900ミクロン以上、1000ミクロン以上、1200ミクロン以上、1500ミクロン以上、1700ミクロン以上、又はさらには2000ミクロン以上の最大細孔径を有することができる。さらに、別の非限定的実施形態においては、本体部は、6000ミクロン以下、例えば5500ミクロン以下、5000ミクロン以下、4500ミクロン以下、4000ミクロン以下、又はさらには3500ミクロン以下の最大細孔径を有することができる。本体部は、上述の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内の最大細孔径を有することができることが理解されよう。
さらに別の例においては、本体部は、研磨物品の性能の改良を容易にしてもよい特定の含有量の研磨凝集体201を含んでもよい。例えば、本体部は、本体部の全体積の25体積%以上の研磨凝集体を含んでもよい。少なくとも1つの他の実施形態においては、本体部は、本体部の全体積の28体積%以上、例えば30体積%以上、32体積%以上、又はさらには34体積%以上の研磨凝集体を含むことができる。さらに、少なくとも1つの非限定的実施形態においては、本体部は、本体部の全体積の55体積%以下、例えば52体積%以下、50体積%以下、48体積%以下、46体積%以下、又はさらには44体積%以下の研磨凝集体を含んでもよい。本体部内での研磨凝集体の全含有量は、上述の最小の百分率及び最大の百分率のいずれかを含む範囲内とすることができることが理解されよう。
研磨物品の本体部は、本体部中の全含有量の全研磨粒子のうち、研磨凝集体内に含まれる特定の含有量を含むことができ、その特定の含有量は、研磨物品の形成及び性能の改良に好適であってもよい。例えば、本体部中の全含有量の研磨粒子(すなわち、研磨凝集体中の研磨粒子、及び非凝集研磨粒子)のうちの40%以上が研磨凝集体内に含まれ得、例えば本体部中の全含有量の研磨粒子のうちの42%以上、45%以上、48%以上、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、又はさらには97%以上が研磨凝集体内に含まれ得る。さらに、別の実施形態においては、研磨粒子のうちの本質的に全てが研磨凝集体中に含まれ得る。さらに別の非限定的実施形態では、本体部中の全含有量の研磨粒子のうちの97%以下、例えば95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、52%以下、50%以下、48%以下、46%以下、44%以下、又はさらには42%以下が研磨凝集体中に含まれ得る。本体部中の研磨粒子のうち、研磨凝集体中に含まれる全含有量は、上述の最小の百分率及び最大の百分率のいずれかを含む範囲内とすることができることが理解されよう。
特定の例においては、本体部は、本体部の全体積に対する研磨凝集体の体積%で測定される研磨凝集体含有量(Caa)を有するよう形成させてもよい。さらに、本体部は、本体部の全体積に対する体積%で測定される結合材含有量(Cbm)を含むことができる。特定の実施形態では、本体部は、2以上の凝集体/結合材比(CBbm/Caa)を有してもよい。他の例においては、凝集体/結合材比は、2.2以上、例えば2.4以上、2.6以上、又はさらには2.8以上とすることができる。さらに、別の非限定的実施形態においては、凝集体/結合材比は、12以下、例えば11以下、10以下、又はさらには9以下とすることができる。凝集体/結合材比は、上述の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができることが理解されよう。
特定の例においては、研磨凝集体201は、特定の含有量の特定の研磨材、例えば炭化ケイ素を含むことができる。例えば研磨凝集体201は、研磨凝集体中の研磨粒子の全含有量の91%以上の炭化ケイ素を含んでもよい。さらに他の例においては、研磨凝集体中の炭化ケイ素の含有量はより多いものとすることができ、例えば研磨凝集体中の研磨粒子の全含有量の92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又はさらには99%以上の炭化ケイ素とすることができる。少なくとも1つの非限定的実施形態においては、研磨凝集体は研磨粒子を含み、研磨粒子のうち本質的に全てが炭化ケイ素である。さらに、別の非限定的実施形態においては、研磨凝集体201は研磨粒子を含むことができ、研磨粒子のうちの99%以下、例えば97%以下、又はさらには95%以下が炭化ケイ素を含む。研磨凝集体は、上述の最小の百分率及び最大の百分率のいずれかを含む範囲の含有量の炭化ケイ素を含むことができることが理解されよう。
さらに、本体部全体中の研磨粒子のうちの91%以上が炭化ケイ素を含んでもよい。他の例においては、本体部内の、炭化ケイ素を含む研磨粒子の含有量はより多いものとすることができ、例えば本体部中の研磨粒子のうちの92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又はさらには99%以上が炭化ケイ素であるとすることができる。少なくとも一例においては、本体部中の研磨粒子の本質的に全てが炭化ケイ素を含むことができ、より詳細には、本体部中の研磨粒子の本質的に全てが、本質的に炭化ケイ素からなることができる。
一実施形態によれば、研磨凝集体は、特定の限定された含有量の他の組成物を含んでもよく、この他の組成物は研磨物品の性能の改良を容易にしてもよい。例えば研磨凝集体は研磨粒子を含んでもよく、このような研磨粒子は、酸化物、窒化物、ホウ化物、及びそれらの組合せを本質的に含まなくてもよい。別の例においては、研磨凝集体は、炭化ケイ素(例えば、Green39C及びBlack37C)、褐色溶融アルミナ(57A)、種結晶添加ゲル研磨材、添加剤含有焼結アルミナ、成形焼結酸化アルミナ、ピンク色アルミナ、ルビー色アルミナ(例えば、25A及び86A)、電気溶融単結晶アルミナ32A、MA88、アルミナジルコニア研磨材(NZ、NV、ZF)、押出しボーキサイト、立方晶窒化ホウ素、ダイヤモンド、abral(オキシ窒化アルミニウム)、焼結アルミナ(Treibacher社のCCCSK)、押出しアルミナ(例えば、SR1、TG、及びTGII)、又はそれらの組合せを含む研磨粒子を含んでもよい。加えて、研磨凝集体は、炭化物系材料のみを含んでもよい研磨粒子を含むことができる。例えば研磨凝集体201の研磨粒子は、研磨粒子の合計百分率の9%以下のアルミナを含むことができる。別の例においては、研磨凝集体は、研磨凝集体中の研磨粒子の合計百分率の7%以下、例えば5%以下、3%以下、又はさらには2%以下のアルミナを含むことができる。少なくとも1つの実施形態においては、研磨凝集体201の研磨粒子はアルミナを本質的に含まないことができ、より詳細にはアルファアルミナを本質的に含まなくてもよい。さらに、特定の例においては、砥石の本体部はアルファアルミナを本質的に含まなくてもよいことが理解されるであろう。
特定の例においては、研磨物品の本体部は、限定された含有量の、アルミナを含む非凝集研磨粒子を含むことができる。例えば本体部は、本体部中の研磨粒子の合計百分率の9%以下のアルミナ含有非凝集研磨粒子を含むことができる。別の例においては、本体部は、本体部中の研磨粒子の合計百分率の7%以下、例えば5%以下、3%以下、又はさらには2%以下のアルミナ含有非凝集研磨粒子を含むことができる。少なくとも1つの実施形態においては、本体部はアルミナを本質的に含まないことができ、より詳細には、アルファアルミナ含有非凝集粒子を含めたアルファアルミナ研磨粒子を本質的に含まなくてもよい。
特定の実施形態では、研磨物品は、研磨凝集体に加え、いくらかの含有量の非凝集研磨粒子を含んでもよい。例えば、非凝集研磨粒子の含有量(Cuap)は、研磨凝集体の含有量(Caa)よりも少ないものとすることができる。特に、研磨物品は、本体部の全体積の体積パーセント単位で計算される研磨凝集体の含有量(Caa)と比較した、本体部の全体積の体積パーセント単位で計算される非凝集研磨粒子の含有量(Cuap)の比(Cuap/Caa)を有することができる。一実施形態においては、比(Cuap/Caa)は、1.5以下、例えば1.4以下、1.3以下、1.2以下、1.15以下、1.12以下、1.1以下、1.08以下、1.06以下、1.04以下、1.02以下、1以下、0.98以下、0.95以下、0.9以下、0.85以下、0.8以下、0.75以下、0.7以下、0.65以下、0.6以下、0.55以下、0.5以下、0.45以下、0.4以下、0.35以下、0.3以下、0.25以下、0.2以下、0.15以下、0.1以下、0.08以下、0.06以下、0.05以下、0.04以下、0.03以下、0.02以下、又はさらには0.01以下とすることができる。さらに、少なくとも1つの特定の実施形態においては、本体は、0.01以上、例えば0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上、0.06以上、0.07以上、0.08以上、0.09以上、0.1以上、0.12以上、0.15以上、0.18以上、0.2以上、0.22以上、0.25以上、0.28以上、0.3以上、0.32以上、0.35以上、0.38以上、0.4以上、0.45以上、0.5以上、0.55以上、0.6以上、0.65以上、0.7以上、0.75以上、0.8以上、0.85以上、0.9以上、0.95以上、0.98以上の比(Cuap/Caa)を有することができる。比(Cuap/Caa)は、上述の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができることが理解されよう。
特定の実施形態によれば、非凝集研磨粒子は、本体部の全体積の約1体積%以上、例えば2体積%以上、3体積%以上、4体積%以上、さらには5体積%以上、6体積%以上、7体積%以上、8体積%以上、さらには9体積%以上、10体積%以上の量で存在してもよい。さらに別の実施形態においては、非凝集研磨粒子は、本体部の全体積の30体積%以下、例えば28体積%以下、26体積%以下、24体積%以下、22体積%以下、20体積%以下、18体積%以下、16体積%以下、14体積%以下、12体積%以下、10体積%以下、8体積%以下、6体積%以下の量で存在することができる。特定の研磨物品では、非凝集研磨粒子は、上述の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内の量で存在してもよい。さらに、特定の一実施形態においては、本体部中の全含有量の研磨粒子は、本質的に研磨凝集体からなることができ、非凝集研磨粒子を本質的に含まなくてもよい。
本明細書における実施形態の砥石本体部は、研磨物品の性能の改良を容易にすることができる特定の透過性及び気孔率を有してもよい。例えば本体部は気孔率を含んでもよく、本体部の全気孔率の20%以上が相互連結気孔率とすることができる。相互連結気孔率は、本体部に延在する一連の相互連結したチャネルを規定する。相互連結気孔率は、本明細書において開放気孔率と呼んでもよい。開放気孔率すなわち相互連結気孔率は、閉気孔率とは異なるものとすることができる。閉気孔率は、隣接する細孔と連結しておらず、本体部のチャネルの相互連結ネットワークを形成していない、本体部内の不連続な細孔として規定される。閉気孔率では、流体は本体部内の体積部を自由に流れない。別の例においては、本体部は、本体部中の全体積又は全気孔率の30%以上、例えば40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、又はさらには95%以上の相互連結気孔率を含むことができる。少なくとも1つの実施形態においては、本体部の本質的に全ての気孔率は、相互連結気孔率とすることができる。さらに、少なくとも1つの非限定的実施形態においては、本体部は、全気孔率の99%以下、例えば95%以下、又はさらには90%以下の相互連結気孔率を有することができる。本体部は、上述の最小の百分率及び最大の百分率のいずれかを含む範囲内の相互連結気孔率含有量を含むことができることが理解されよう。
別の実施形態によれば、本明細書の砥石本体部は、平均ダルシー数によって計算される、特定の含有量の透過性を有してもよく、特定の含有量の透過性は、研磨物品の性能の改良を容易にしてもよい。一実施形態によれば、本体部は60以上の透過性を有することができる。他の例においては、透過性はより大きくてもよく、例えば65以上、70以上、80以上、90以上、100以上、110以上、115以上、120以上、又はさらには125以上としてもよい。さらに、少なくとも1つの非限定的実施形態においては、砥石本体部の透過性は、300以下、例えば250以下、又は200以下としてもよい。砥石本体部は、上述の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内の透過率を有してもよいことができることが理解されよう。
ダルシー数は、ASTM C577において詳細が述べられ、小委員会によって開発され、C08.03 Book of Standards 15.01巻で公開されている透気率試験に従って測定する。試料は、Ithaca, NYのPMI Inc.社製Gas Permeameter GP−100Aに乾燥したまま入れる。試料は、平らな表面と、厚さ1.27cmとを有する。試料を保持するOリングの直径は試料直径を決定し、試料直径は1.07cmである。室温にて、試験試料に空気を強制的に流す。0〜3psiの範囲の異なる圧力差を試料表面に印加し、試料を通る空気の流量を測定する。流速の測定値と、対応する、0〜3psiの範囲の圧力での圧力降下(圧力差)の測定値とを使用して、砥石本体部の透過性を定める平均ダルシー数を計算する。
ダルシー数(C)は、式C=(8FTV)/[πD2(P2−1)]に従って計算され、多孔性媒体を通る透過性を定める。式中、「F」は流量を表し、「T」は試料の厚さ(すなわち1.27cm)を表し、「V」は試料を通って流れる気体(すなわち粘度0.0185mPa sを有する空気)の粘度を表し、「D」は試料の直径(すなわち1.07cm)を表し、「P」は試料の厚さ両端の圧力勾配を表す。
特定の例においては、本明細書の実施形態の砥石本体部は、細孔径第1極大値を定める特定の細孔径分布を有することができる。例えば図3を参照すると、細孔の直径に対する体積パーセントのプロットが示されて、例示的な細孔径分布曲線が図示されている。図3のプロットにおいてさらに図示されているように、細孔径第1極大値301は、細孔径分布曲線での最も高いピーク(すなわち最頻値)に対応する極大値である。図3のプロットでは、値「W」は、細孔径分布曲線で最も大きい体積パーセント値「Y」によって定められる、主要な細孔径に対応する極大値を定める点であるので、細孔径第1極大値301は値「W」を有する。極大値は、極大値の左側の、正の傾きを有する曲線の部分と、極大値の右側の、負の傾き値を有する曲線の部分との間の、傾きが零の曲線上の点である。
一実施形態によれば、砥石本体部は、180ミクロン以上の細孔径第1極大値を有することができる。他の実施形態においては、細孔径第1極大値は、185ミクロン以上、例えば190ミクロン以上、200ミクロン以上、205ミクロン以上、210ミクロン以上、215ミクロン以上、又はさらには220ミクロン以上とすることができる。さらに、非限定的な一実施形態においては、砥石本体部は、700ミクロン以下、例えば600ミクロン以下、500ミクロン以下、又はさらには約450ミクロン以下の細孔径第1極大値を有してもよい。細孔径第1極大値は、上述の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができることが理解されよう。
図3においてさらに図示されているように、細孔径分布プロットは、細孔径第2極大値302も含んでもよい。細孔径第2極大値302は、細孔径分布曲線での2番目に高いピークによって定めることができる。別の言い方をすると、細孔径第2極大値302は、2番目に大きい体積パーセント値「Z」を有する細孔径分布曲線上の極大値に対応する細孔の直径値「X」とすることができる。
一実施形態によれば、砥石本体部は、180ミクロン以上の細孔径第2極大値を有することができる。他の例においては、砥石本体部の細孔径第2極大値は、185ミクロン以上、190ミクロン以上、200ミクロン以上、210ミクロン以上、220ミクロン以上、230ミクロン以上、240ミクロン以上、250ミクロン以上、260ミクロン以上、270ミクロン以上、又はさらには280ミクロン以上とるすことができる。さらに、非限定的な一実施形態においては、砥石本体部は、700ミクロン以下、例えば600ミクロン以下、500ミクロン以下、又はさらには450ミクロン以下の細孔径第2極大値を有することができる。細孔径第2極大値は、上述の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができることが理解されよう。
特定の例においては、砥石本体部は、細孔径第2極大値(PSsm)において細孔径第1極大値(PSpm)を有することができ、特に細孔径第2極大値は、細孔径第1極大値と異なることができる。例えば図3を再度参照すると、細孔径第1極大値301は値「W」を有し、細孔径第2極大値302は値「X」を有する。より詳細な例においては、砥石本体部は、細孔径第2極大値の値が細孔径第1極大値よりも大きくなるようにして形成させてもよい。図3を再度参照すると、細孔径第2極大値302は値「X」を有することができ、値「X」は、細孔径第1極大値301に対応する値「W」よりも大きい。
少なくとも1つの特定の実施形態においては、砥石本体部は、細孔径極大値比(PSpm/PSsm)を有することができ、細孔径極大値比は、1以下とすることができる。他の例においては、細孔径極大値比は、0.98以下、例えば0.95以下、0.9以下、0.85以下、0.8以下、0.7以下、0.6以下、又はさらには0.5以下とすることができる。さらに、少なくとも1つの非限定的実施形態においては、砥石本体部は、0.1以上、例えば0.2以上、0.25以上、0.3以上、0.35以上、又はさらには0.4以上の細孔径極大値比を有することができる。砥石本体部は、上述の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内の細孔径極大値比を有することができることが理解されよう。
特定の例においては、砥石本体部は、結合材内で、ある含有量のセラミックス細孔形成体を含んでもよい。特に、本明細書の砥石本体部は、かなりの程度の気孔率及び透過性を有することができ、さらに、かなり低含有量のセラミックス細孔形成材料を含むことができる。例えば本体部は、本体部の全体積の約5体積%以下の量で存在するセラミックス細孔形成体を含んでもよい。他の例においては、セラミックス細孔形成体の含有量はより少なくてもよく、例えば本体部の全体積の4.5体積%以下、例えば4体積%以下、3.5体積%以下、3体積%以下、2.5体積%以下、2体積%以下、1.5体積%以下、1体積%以下、又はさらには0.5体積%以下としてもよい。少なくとも一例においては、本体部は、セラミックス細孔形成体、又は任意の細孔形成材料を本質的に含まなくてもよい。さらに、別の非限定的実施形態においては、本体部が、本体部の全体積の0.2体積%以上、例えば0.5体積%以上、0.8体積%以上、又はさらには1体積%以上のセラミックス細孔形成体などの細孔形成体を含むようにして、砥石本体部が最小限の含有量のセラミックス細孔形成体などの細孔形成体を含んでもよい。本体部は、上述の最小の百分率及び最大の百分率のいずれかを含む範囲内の含有量の細孔形成体を含んでもよいことが理解されよう。
一実施形態によれば、砥石本体部の結合材は、結合材の総重量に対して特定の含有量のシリカ(SiO2すなわち二酸化ケイ素)を含んでもよく、特定の含有量のシリカは、研磨物品の好適な性能を容易にしてもよい。例えば砥石本体部は、結合材の総重量の30重量%以上のシリカ、例えば32重量%以上、34重量%以上、36重量%以上、37重量%以上、40重量%以上、42重量%以上、又はさらには45重量%以上のシリカを含んでもよい。さらに、少なくとも1つの非限定的実施形態においては、砥石本体部の結合材は、結合材の総重量の60重量%以下のシリカ、例えば58重量%以下、55重量%以下、52重量%以下、50重量%以下、49重量%以下、48重量%以下、47重量%以下、46重量%以下、又はさらには45重量%以下のシリカを含んでもよい。結合材内でのシリカの含有量は、上述の最小の百分率及び最大の百分率のいずれかを含む範囲内とすることができることが理解されよう。
さらに砥石本体部の結合材は、結合材の総重量に対して特定の含有量のアルミナ(Al2O3すなわち酸化アルミニウム)を含んでもよく、特定の含有量のアルミナは、研磨物品の性能の改良を容易にしてもよい。例えば砥石本体部の結合材は、結合材の総重量の4重量%以上、例えば5重量%以上、6重量%以上、7重量%以上、8重量%以上、9重量%以上、10重量%以上、又はさらには11重量%以上のアルミナを含んでもよい。さらに、非限定的な一実施形態においては、砥石本体部の結合材は、結合材の総重量の18重量%以下、16重量%以下、15重量%以下、14重量%以下、13重量%以下、又はさらには12重量%以下のアルミナを含んでもよい。結合材内でのアルミナの含有量は、上述の最小の百分率及び最大の百分率のいずれかの間の範囲内としてもよいことが理解されよう。
少なくとも1つの実施形態においては、結合材は、研磨物品の形成及び性能の改良を容易にしてもよい特定の含有量のアルミニウム及びアルミナを含んでもよい。例えば結合材は、結合材の総重量の4重量%以上のアルミナ及びアルミニウム金属(Al2O3/Al)を含むことができる。さらに他の例においては、結合材は、結合材の総重量の5重量%以上、例えば6重量%以上、又はさらには7重量%以上のアルミナ及びアルミニウム金属(Al2O3/Al)を含むことができる。別の非限定的実施形態においては、結合材は、結合材の総重量の22重量%以下、例えば21重量%以下、20重量%以下、19重量%以下、18重量%以下、17重量%以下、16重量%以下、又はさらには15重量%以下のアルミナ及びアルミニウム金属を含んでもよい。結合材は、上述の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内の含有量のアルミナ及びアルミニウム金属を含むことができることが理解されよう。
少なくとも1つの実施形態では、結合材は、アルミニウム及びアルミナの含有量(結合材の総重量に対する重量%)と比べた、シリカの含有量(結合材の総重量に対する重量%)の特定の比を有してもよく、その特定の比は、研磨物品の形成及び性能の改良を容易にすることができる。例えば結合材は2以上、例えば2.1以上、2.2以上、2.3以上、2.4以上、又はさらには2.5以上の比(SiO2/(Al2O3及びAl))を有することができる。別の非限定的実施形態においては、結合材は、9以下、例えば8.8以下、8.5以下、8.2以下、8.1以下、8以下、又はさらには7.9以下の比(SiO2/(Al2O3及びAl))を有することができる。結合材は、上述の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内の比(SiO2/(Al2O3及びAl))を有することができることが理解されよう。
結合材は、性能の改良を容易にしてもよい特定の含有量のカルシア(CaOすなわち酸化カルシウム)を含んでもよい。例えば結合材は、結合材の総重量の8重量%以下、6重量%以下、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、又はさらには2重量%以下のカルシアを含んでもよい。さらに、少なくとも1つの非限定的実施形態においては、結合材は、結合材の総重量の0.1重量%以上、例えば0.5重量%以上、0.8重量%以上、又はさらには1重量%以上のカルシアを含んでもよい。結合材内でのカルシアの含有量は、上述の最小の百分率及び最大の百分率のいずれかを含む範囲内とすることができることが理解されよう。
例示的な実施形態によれば、結合材はカルシアを本質的に含まなくてもよい。さらに、他の例においては、結合材は希土類酸化物を本質的に含まなくてもよい。さらに、少なくとも1つの実施形態においては、結合材はカルシア(CaO)以外のアルカリ土類金属酸化物を本質的に含まなくてもよい。さらに別の例においては、結合材は金属を本質的に含まないものとすることができ、より詳細にはアルミナ金属を本質的に含まなくてもよい。さらに、結合材は、例えば酸化マグネシウム(MgO)、酸化カリウム(K2O)、酸化鉄(Fe2O3)、及び二酸化チタン(TiO2)を含めた他の元素及び化合物を本質的に含まなくてもよい。加えて、結合材は、例えば樹脂材料、熱可塑性材料、熱硬化性材料、及びそれらの組合せを含めたポリマーを本質的に含まないものとすることができる。本質的に含まないと考えられる化合物は、結合材の総重量の1重量%未満の含有量を指し、0.1重量%未満としてもよい。
一実施形態によれば、結合材は、研磨物品の形成及び性能の改良を容易にしてもよい特定の含有量の酸化ホウ素(B2O3)を含むことができる。例えば結合材は、結合材の総重量の5重量%以上、例えば6重量%以上、7重量%以上、8重量%以上、又はさらには9重量%以上の酸化ホウ素を含んでもよい。さらに、少なくとも1つの非限定的実施形態においては、結合材は、結合材の総重量の24重量%以下、例えば22重量%以下、20重量%以下、18重量%以下、17重量%以下、又はさらには16重量%以下の酸化ホウ素を含んでもよい。結合材は、上述の最小の百分率及び最大の百分率のいずれかを含む範囲内の含有量の酸化ホウ素を含むことができることが理解されよう。
別の実施形態によれば、結合材は、酸化ホウ素の含有量(結合材の総重量に対する重量%)と比べた、シリカの含有量(結合材の総重量に対する重量%)の特定の比を有してもよく、その特定の比は、研磨物品の形成及び性能の改良を容易にすることができる。例えば結合材は1.5以上、例えば1.7以上、1.9以上、2以上、2.1以上、2.2以上、又はさらには2.3以上の比(SiO2/B2O3)を有することができる。別の非限定的実施形態においては、結合材は、8以下、例えば7.8以下、7.4以下、7.2以下、6.9以下、6.8以下、6.6以下、6.4以下、6.3以下、又はさらには6.2以下の比(SiO2/B2O3)を有することができる。結合材は、上述の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内の比(SiO2/B2O3)を有することができることが理解されよう。
さらに他の例においては、結合材は、例えば酸化ナトリウム(Na2O)を含めた他の種を含むことができ、この他の種は、研磨物品の製造及び性質の改良を容易にしてもよい。例えば結合材は、結合材の総重量の0.5重量%以上、例えば1重量%以上、2重量%以上、2.5重量%以上、3重量%以上、3.5重量%以上、4重量%以上、4.2重量%以上、又はさらには4.4重量%以上の酸化ナトリウムを含むことができる。さらに別の非限定的実施形態においては、結合材は、結合材の総重量の15重量%以下、例えば12%以下、10重量%以下、9重量%以下、8重量%以下、7重量%以下、6重量%以下、又はさらには5.8重量%以下の酸化ナトリウムを含んでもよい。結合材は、上述の最小の百分率及び最大の百分率のいずれかを含む範囲内の含有量の酸化ナトリウムを含むことができることが理解されよう。
本明細書の実施形態の特定の組成物では、結合材はアルカリ金属酸化物化合物を本質的に含まないものとすることができる。しかしながら、少なくとも1つの実施形態においては、結合材は酸化ナトリウム以外のアルカリ金属酸化物を本質的に含まないものとすることができる。
別の実施形態によれば、結合材は、酸化ナトリウムの含有量(結合材の総重量に対する重量%)と比べた、シリカの含有量(結合材の総重量に対する重量%)の特定の比を有してもよく、その特定の比は、研磨物品の形成及び性能の改良を容易にすることができる。例えば結合材は2以上、例えば2.5以上、3以上、3.5以上、4以上、又はさらには4.5以上の比(SiO2/Na2O)を有することができる。別の非限定的実施形態においては、結合材は、30以下、例えば28以下、26以下、24以下、22以下、20以下、19以下、又はさらには18.5以下の比(SiO2/Na2O)を有することができる。結合材は、上述の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内の比(SiO2/Na2O)を有することができることが理解されよう。
本明細書において述べたように、結合材はセラミックス材料を含むことができる。セラミックス材料は、ガラス相、多結晶相、及びそれらの任意の組合せを含むことができる。少なくとも1つの実施形態においては、結合材はガラス相及び多結晶相を含む。多結晶相は、シリカ含有化合物、より詳細にはジルコニウム含有化合物を含むことができる。少なくとも1つの実施形態においては、多結晶相はジルコン(ZrSiO4)を含むことができる。例えば結合材は、結合材の総重量の15重量%以上、例えば17重量%以上、19重量%以上、20重量%以上、21重量%以上、22重量%以上、23重量%以上、又はさらには24重量%以上のジルコンを含むことができる。しかしながら、別の非限定的実施形態においては、結合材は、結合材の総重量の44重量%以下、42重量%以下、40重量%以下、38重量%以下、36重量%以下、35重量%以下、34重量%以下、33重量%以下、又はさらには32重量%以下のジルコンを含んでもよい。結合材は、上述の最小の百分率及び最大の百分率のいずれかを含む範囲内の含有量のジルコンを含むことができることが理解されよう。
別の実施形態によれば、結合材は、ジルコンの含有量(結合材の総重量に対する重量%)と比べた、シリカの含有量(結合材の総重量に対する重量%)の特定の比を有してもよく、その特定の比は、研磨物品の形成及び性能の改良を容易にすることができる。例えば結合材は1以上、例えば1.05以上、又はさらには1.10以上の比(SiO2/ZrSiO4)を有することができる。別の非限定的実施形態においては、結合材は、3以下、例えば2.8以下、2.6以下、2.4以下、2.2以下、2以下、又はさらには1.9以下の比(SiO2/ZrSiO4)を有することができる。結合材は、上述の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内の比(SiO2/ZrSiO4)を有することができることが理解されよう。
特定の例においては、結合材はセラミックス材料と金属材料との混合物を含んでもよい。金属材料はアルミニウムを含むことができ、少なくとも1つの実施形態においては、金属材料は本質的にアルミニウムからなってもよい。少なくとも1つの実施形態によれば、金属材料は、微量含有量で結合材中に存在することができ、特にセラミックス材料の含有量よりも少ない含有量で存在することができる。例えば金属材料は、結合材の総重量の10重量%以下の量で存在することができる。さらに別の実施形態においては、金属材料は、結合材の総重量の9重量%以下、8重量%以下、7重量%以下、6重量%以下、5重量%以下、4.5重量%以下、例えば4重量%以下、3.5重量%以下、3重量%以下、又はさらには2.5重量%以下の量で存在することができる。さらに、少なくとも1つの非限定的実施形態においては、金属材料は、結合材の総重量の0.3重量%以上、例えば0.5重量%以上、0.8重量%以上、又はさらには1重量%以上の量で存在することができる。結合材は、上述の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内の含有量の金属材料を含むことができることが理解されよう。
項目1。950℃以下の融点を有するガラス相を含む結合材と;結合材に含まれる研磨凝集体であって炭化ケイ素粒子を含む研磨凝集体と;を含む本体部を含む研磨物品。
項目2。ガラス相、及び、ジルコンを含む多結晶相を含む結合材と;結合材に含まれる研磨凝集体であって炭化ケイ素粒子を含む研磨凝集体と;を含む本体部を含む研磨物品。
項目3。本体部が、本体部の全体積の3体積%以上、又は4体積%以上、又は5体積%以上の結合材を含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目4。本体部が、本体部の全体積の20体積%以下、18体積%以下、又は15体積%以下、又は12体積%以下の結合材を含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目5。本体部が、本体部の全体積の40体積%以上の気孔率を含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目6。本体部が、本体部の全体積の42体積%以上、又は43体積%以上、又は44体積%以上、又は45体積%以上、又は46体積%以上、又は47体積%以上、又は48体積%以上、又は49体積%以上、又は50体積%以上、又は51体積%以上、又は52体積%以上、又は53体積%以上、又は54体積%以上の気孔率を含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目7。本体部が、本体部の全体積の75体積%以下、又は70体積%以下、又は68体積%以下、又は65体積%以下、又は63体積%以下、又は60体積%以下の気孔率を含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目8。本体部が、本体部の全体積の25体積%以上、又は28体積%以上、又は30体積%以上、又は32体積%以上、又は34体積%以上の研磨凝集体を含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目9。本体部が、本体部の全体積の55体積%以下、又は52%以下、又は50%以下、又は48%以下、又は46%以下、又は44%以下の研磨凝集体を含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目10。本体部が、本体部の全体積の体積パーセント単位で測定された研磨凝集体含有量(Caa)及び結合材含有量(Cbm)を有し、2以上、又は2.2以上、又は2.4以上、又は2.6以上、又は2.8以上の凝集体/結合材比(Cbm/Caa)を有する項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目11。研磨凝集体/結合材比(Cbm/Caa)が12以下、又は11以下、又は10以下、又は9以下である項目10に記載の研磨物品。
項目12。研磨凝集体が、研磨凝集体中の研磨粒子の全含有量の91%以上、又は92%以上、又は93%以上、又は94%以上、又は95%以上、又は96%以上、又は97%以上、又は98%以上、又は99%以上の炭化ケイ素を含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目13。研磨凝集体が研磨粒子を含み、本質的に全ての研磨粒子が炭化ケイ素である項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目14。本体部中の研磨粒子の91%以上、又は92%以上、又は93%以上、又は94%以上、又は95%以上、又は96%以上、又は97%以上、又は98%以上、又は99%以上が炭化ケイ素を含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目15。研磨凝集体が研磨粒子を含み、研磨粒子が、研磨凝集体中の研磨粒子の全百分率の9%以下、又は7%以下、又は5%以下、又は3%以下、又は2%以下のアルミナを含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目16。本体部が、本体部の研磨粒子の全百分率の9%以下、又は7%以下、又は5%以下、又は3%以下、又は2%以下のアルミナ含有非凝集研磨粒子を含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目17。研磨凝集体が研磨粒子を含み、その研磨粒子がアルミナを本質的に含まない項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目18。本体部が、アルファアルミナを本質的に含まない項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目19。研磨凝集体が研磨粒子を含み、その研磨粒子が炭化物系材料のみを含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目20。研磨凝集体が研磨粒子を含み、その研磨粒子が酸化物、窒化物、ホウ化物、及びそれらの組合せを本質的に含まない項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目21。本体部が、非凝集研磨粒子をさらに含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目22。非凝集研磨粒子の含有量(Cuap)が、研磨凝集体の含有量(Caa)よりも少ない項目21に記載の研磨物品。
項目23。本体部が、1.5以下、又は1.4以下、又は1.3以下、又は1.2以下、又は1.15以下、又は1.12以下、又は1.1以下、又は1.08以下、又は1.06以下、又は1.04以下、又は1.02以下、又は1以下、又は0.98以下、又は0.95以下、又は0.9以下、又は0.8以下、又は0.75以下、又は0.7以下、又は0.65以下、又は0.6以下、又は0.55以下、又は0.5以下、又は0.45以下、又は0.4以下、又は0.35以下、又は0.3以下、又は0.25以下、又は0.2以下、又は0.15以下、又は0.1以下、又は0.08以下、又は0.06以下、又は0.05以下、又は0.04以下、又は0.03以下、又は0.02以下、又は0.01以下の、研磨凝集体の含有量(Caa)に対する非凝集研磨粒子の含有量(Cuap)の比(Cuap/Caa)を有する項目22に記載の研磨物品。
項目24。本体部が、0.01以上、又は0.02以上、又は0.03以上、又は0.04以上、又は0.5以上、又は0.06以上、又は0.07以上、又は0.08以上、又は0.09以上、又は0.1以上の、研磨凝集体の含有量(Caa)に対する非凝集研磨粒子の含有量(Cuap)の比(Cuap/Caa)を有する項目22に記載の研磨物品。
項目25。非凝集研磨粒子が、酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、炭素系材料、オキシ炭化物、オキシ窒化物、オキシホウ化物、及びそれらの組合せからなる材料の群から選択される項目21に記載の研磨物品。
項目26。非凝集研磨粒子が、超砥粒材を含む項目21に記載の研磨物品。
項目27。非凝集研磨粒子が、6以上、又は6.5以上、又は7以上、又は8以上、又は8.5以上、又は9以上のモース硬度を有する項目21に記載の研磨物品。
項目28。非凝集研磨粒子が、二酸化ケイ素、炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、フリント、ガーネット、エメリー、希土類酸化物、希土類含有材料、酸化セリウム、ゾルゲル誘導粒子、石膏、酸化鉄、ガラス含有粒子、及びそれらの組合せからなる群から選択される材料を含む項目21に記載の研磨物品。
項目29。非凝集研磨粒子が、本質的に炭化ケイ素からなる項目21に記載の研磨物品。
項目30。非凝集研磨粒子が、本体での研磨粒子の全含有量の約1%以上の量、又は研磨粒子の全含有量の2%以上、又は5%以上、又は8%以上、又は10%以上、又は15%以上、又は20%以上、又は25%以上、又は30%以上、又は35%以上、又は40%以上、又は45%以上、又は50%以上の量で存在する項目21に記載の研磨物品。
項目31。非凝集研磨粒子が、本体での研磨粒子の全含有量の60%以下、又は55%以下、又は50%以下、又は45%以下、又は40%以下、又は35%以下、又は30%以下、又は25%以下、又は20%以下、又は15%以下、又は12%以下、又は10%以下、又は8%以下、又は6%以下、又は4%以下、又は2%以下、又は1%以下の量で存在する項目21に記載の研磨物品。
項目32。非凝集研磨粒子が、1ミクロン以上、又は5ミクロン以上、又は10ミクロン以上、又は20ミクロン以上、又は30ミクロン以上、又は40ミクロン以上、又は50ミクロン以上の平均粒径(D50)を有する項目21に記載の研磨物品。
項目33。非凝集研磨粒子が、2600ミクロン以下、又は2000ミクロン以下、又は1000ミクロン以下、又は800ミクロン以下、又は600ミクロン以下、又は300ミクロン以下、又は200ミクロン以下、又は150ミクロン以下、又は100ミクロン以下の平均粒径(D50)を有する項目21に記載の研磨物品。
項目34。非凝集研磨粒子が、凝集研磨粒子の平均粒径(D50)よりも小さい平均粒径(D50)を有する項目21に記載の研磨物品。
項目35。本体部での研磨粒子の全含有量が、本質的に研磨凝集体からなり、非凝集研磨粒子を本質的に含まない項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目36。本体部が気孔率を含み、全気孔率の20%以上、又は30%以上、又は40%以上、又は50%以上、又は60%以上、又は70%以上、又は80%以上、又は90%以上、又は95%以上が相互連結気孔率である項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目37。本体部の気孔率のうちの本質的に全てが相互連結気孔率である項目36に記載の研磨物品。
項目38。本体部が気孔率を含み、全気孔率の99%以下、又は95%以下、又は90%以下が相互連結気孔率である項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目39。本体部が60以上、又は65以上、又は70以上、又は80以上、又は90以上、又は100以上、又は110以上、又は115以上、又は120以上、又は125以上の透過性を有する項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目40。本体部が300以下、又は250以下、又は200以下の透過性を有する項目39に記載の研磨物品。
項目41。本体部が、結合材内に含まれた細孔形成体を含み、細孔形成体が、本体部の全体積の4体積%以下、又は3.5体積%以下、又は3体積%以下、又は2.5体積%以下、又は2体積%以下、又は1.5体積%以下、又は1体積%以下、又は0.5体積%以下の量で存在する項目21に記載の研磨物品。
項目42。本体部が、細孔形成体を本質的に含まない項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目43。本体部が、本体部の全体積の0.2体積%以上、又は0.5体積%以上、又は0.8体積%以上、又は1体積%以上の細孔形成体を含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目44。結合材が950℃以下の形成温度を有する項目2に記載の研磨物品。
項目45。結合材が、結合材の総重量の30重量%以上、又は32重量%以上、又は34重量%以上、又は36重量%以上、又は37重量%以上のシリカ(SiO2)を含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目46。結合材が60重量%以下、又は58重量%以下、又は55重量%以下のシリカを含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目47。結合材が、結合材の総重量の4重量%以上のアルミナ(Al2O3)、又は5重量%以上、又は6重量%以上、又は7重量%以上、又は8重量%以上、又は9重量%以上、又は10重量%以上のアルミナ(Al2O3)を含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目48。結合材が、結合材の総重量の18重量%以下、又は16重量%以下、又は15重量%以下、又は14重量%以下、又は13重量%以下、又は12重量%以下のアルミナを含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目49。結合材が、結合材の総重量の4重量%以上、又は5重量%以上、又は6重量%以上、又は7重量%以上のアルミナ及びアルミニウム金属(Al2O3/Al)を含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目50。結合材が、結合材の総重量の18重量%以下、又は16重量%以下、又は15重量%以下、又は14重量%以下、又は13重量%以下、又は12重量%以下のアルミナ及びアルミニウム金属を含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目51。結合材が、2以上、又は2.1以上、又は2.2以上、又は2.3以上、又は2.4以上、又は2.5以上の比(SiO2/(Al2O3及びAl))を有する項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目52。結合材が、9以下、又は8.8以下、又は8.6以下、又は8.4以下、又は8.2以下、又は8以下の比(SiO2/(Al2O3及びAl))を有する項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目53。結合材が、結合材の総重量の8重量%以下、又は6重量%以下、又は5重量%以下、又は4重量%以下、又は3重量%以下、又は2重量%以下のカルシア(CaO)を含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目54。結合材が、結合材の総重量の0.1重量%以上、又は0.5重量%以上、又は0.8重量%以上、又は1重量%以上のカルシア(CaO)を含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目55。結合材がカルシア(CaO)を本質的に含まない項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目56。結合材が希土類酸化物を本質的に含まない項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目57。結合材がカルシア(CaO)以外のアルカリ土類金属酸化物を本質的に含まない項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目58。結合材が、結合材の総重量の5重量%以上の酸化ホウ素(B2O3)、又は6重量%以上、又は7重量%以上、又は8重量%以上、又は9重量%以上、又は10重量%以上酸化ホウ素(B2O3)を含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目59。結合材が、結合材の総重量の24重量%以下、又は22重量%以下、又は20重量%以下、又は18重量%以下、又は17重量%以下、又は16重量%以下の酸化ホウ素(B2O3)を含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目60。結合材が、1.5以上、又は1.7以上、又は1.9以上、又は2以上、又は2.1以上、又は2.3以上の比(SiO2/B2O3)を有する項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目61。結合材が、8以下、又は7.8以下、又は7.6以下、又は7.4以下、又は7.2以下、又は6.9以下、又は6.8以下、又は6.6以下、又は6.4以下の比(SiO2/B2O3)を有する項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目62。結合材が、結合材の総重量の0.5重量%以上、又は1重量%以上、又は2重量%以上、又は2.5重量%以上、又は3重量%以上、又は3.5重量%以上、又は4重量%以上、又は4.2重量%以上、又は4.4重量%以上の酸化ナトリウム(Na2O)を含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目63。結合材が、結合材の総重量の15重量%以下、又は12重量%以下、又は10重量%以下、又は9重量%以下、又は8重量%以下、又は7重量%以下、又は6重量%以下、又は5.8重量%以下の酸化ナトリウム(Na2O)を含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目64。結合材が、2以上、又は2.5以上、又は3以上、又は3.5以上、又は4以上、又は4.5以上の比(SiO2/Na2O)を有する項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目65。結合材が、30以下、又は28以下、又は26以下、又は24以下、又は22以下、又は20以下、又は19以下、又は18.5以下の比(SiO2/Na2O)を有する項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目66。結合材が酸化ナトリウム(Na2O)以外のアルカリ金属酸化物を本質的に含まない項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目67。結合材がガラス相及び多結晶相を含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目68。多結晶相がジルコン(ZrSiO4)を含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目69。結合材が、結合材の総重量の15重量%以上、又は17重量%以上、又は19重量%以上、又は20重量%以上、又は21重量%以上、又は22重量%以上、又は23重量%以上、又は24重量%以上のジルコン(ZrSiO4)を含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目70。結合材が、結合材の総重量の44重量%以下、又は42重量%以下、又は40重量%以下、又は38重量%以下、又は36重量%以下、又は35重量%以下、又は34重量%以下、又は33重量%以下、又は32重量%以下のジルコン(ZrSiO4)を含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目71。結合材が、1以上、又は1.05以上、又は1.10以上の比(SiO2/ZrSiO4)を有する項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目72。結合材が、3以下、又は2.8以下、又は2.6以下、又は2.4以下、又は2.2以下、又は2以下、又は1.9以下の比(SiO2/ZrSiO4)を有する項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目73。結合材が、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カリウム(K2O)、酸化鉄(Fe2O3)、及び二酸化チタン(TiO2)を本質的に含まない項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目74。結合材が金属を本質的に含まない項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目75。結合材がアルミニウムを本質的に含まない項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目76。結合材が、セラミックス材料と金属材料との混合物を含有し、金属材料は微量含有量で存在し、金属はアルミニウムを含み、金属は本質的にアルミニウムからなり、金属材料は結合材の総重量の5重量%以下、又は4.5重量%以下、又は4重量%以下、又は3.5重量%以下、又は3重量%以下、又は2.5重量%以下の量で存在する、項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目77。結合材が、0.3重量%以上、又は0.5重量%以上、又は0.8重量%以上、又は1重量%以上の金属材料を含む項目76に記載の研磨物品。
項目78。結合材が樹脂材料、熱硬化性材料、及び熱可塑性材料を本質的に含まない項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目79。本体部が、70ミクロン以上、又は80ミクロン以上、又は85ミクロン以上、又は90ミクロン以上、又は95ミクロン以上、又は100ミクロン以上、又は110ミクロン以上、又は120ミクロン以上、又は130ミクロン以上、又は140ミクロン以上、又は150ミクロン以上、又は160ミクロン以上の平均細孔径を有する項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目80。本体部が、2000ミクロン以下、又は1500ミクロン以下、又は1000ミクロン以下、又は900ミクロン以下、又は800ミクロン以下、又は700ミクロン以下の平均細孔径を有する項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目81。本体部が、45ミクロン以上、又は50ミクロン以上、又は55ミクロン以上、又は60ミクロン以上、又は65ミクロン以上、又は70ミクロン以上、又は75ミクロン以上、又は80ミクロン以上、又は85ミクロン以上のメジアン細孔径を有する項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目82。本体部が、2000ミクロン以下、又は1500ミクロン以下、又は1000ミクロン以下、又は900ミクロン以下、又は800ミクロン以下、又は700ミクロン以下、又は500ミクロン以下、又は200ミクロン以下のメジアン細孔径を有する項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目83。本体部が、85ミクロン以上、又は90ミクロン以上、又は100ミクロン以上、又は110ミクロン以上、又は120ミクロン以上、又は130ミクロン以上、又は140ミクロン以上、又は150ミクロン以上、又は160ミクロン以上、又は170ミクロン以上、又は180ミクロン以上、又は190ミクロン以上、又は200ミクロン以上の上位四分位点細孔径を有する項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目84。本体部が、2000ミクロン以下、又は1500ミクロン以下、又は1000ミクロン以下、又は800ミクロン以下、又は700ミクロン以下、又は500ミクロン以下の上位四分位点細孔径を有する項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目85。本体部が、77ミクロン以上、又は85ミクロン以上、又は90ミクロン以上、又は100ミクロン以上、又は110ミクロン以上、又は120ミクロン以上、又は130ミクロン以上、又は140ミクロン以上、又は150ミクロン以上、又は160ミクロン以上、又は170ミクロン以上、又は180ミクロン以上、又は190ミクロン以上、又は200ミクロン以上の細孔径標準偏差を有する項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目86。本体部が、2000ミクロン以下、又は1500ミクロン以下、又は1000ミクロン以下、又は800ミクロン以下、又は700ミクロン以下、又は500ミクロン以下、又は400ミクロン以下の細孔径標準偏差を有する項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目87。本体部が、10ミクロン2以上、又は15ミクロン2以上、又は20ミクロン2以上、又は25ミクロン2以上、又は30ミクロン2以上、又は35ミクロン2以上、又は40ミクロン2以上の細孔径分散を有する項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目88。本体部が、1000ミクロン2以下、又は500ミクロン2以下、又は200ミクロン2以下、又は100ミクロン2以下、又は90ミクロン2以下、又は80ミクロン2以下、又は70ミクロン2以下の細孔径分散を有する項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目89。本体部が、590ミクロン以上、又は600ミクロン以上、又は700ミクロン以上、又は800ミクロン以上、又は900ミクロン以上、又は1000ミクロン以上、又は1200ミクロン以上、又は1500ミクロン以上、又は1700ミクロン以上、又は2000ミクロン以上の最大細孔径を有する項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目90。本体部が、6000ミクロン以下、又は5500ミクロン以下、又は5000ミクロン以下、又は4500ミクロン以下、又は4000ミクロン以下、又は3500ミクロン以下の最大細孔径を有する項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目91。研磨凝集体が、0.1ミクロン以上かつ5000ミクロン以下の平均粒径を有する研磨粒子を含む項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
項目92。研磨凝集体が、50ミクロン以上かつ5000ミクロン以下の平均粒径(D50)を有する項目1及び項目2のいずれかに記載の研磨物品。
実施例1
39C Crystolonとして市販されている、メジアン粒径が約400ミクロンの炭化ケイ素粒子をSaint−Gobain Industrial Ceramicsから入手して、研磨物品の例示的試料を試料S1として形成させた。炭化ケイ素粒子、充填材、及び固着剤を一緒にして混合し、以下の表1に示す混合組成物を作製した。充填材は粘土、珪灰石、ムライト、及びアルミナを含んだ。固着剤はケイ酸アルカリ金属、及びガラスフリットを含んだ。混合物中の全材料の全含有量を合計すると100%であった。
次に混合物を、空気雰囲気にて150℃で3〜8分間、部分的に硬化した。
研磨凝集体を、Saint−Gobain Corporationから39C Crystolonとして入手可能な非凝集炭化ケイ素粒子、及び結合材と混ぜた。結合材は前駆結合材とも呼んでもよい。混合物は、混合物の総重量の60〜65重量%の研磨凝集体、18〜22重量%の非凝集炭化ケイ素粒子、及び12〜16重量%の前駆結合材、及び0〜3.5重量%の細孔形成体を含んだ。混合物中の成分の合計は100%に等しい。前駆結合材の組成を以下の表2に示す。前駆結合材は、約900℃〜950℃の形成温度を有した。
研磨凝集体、非凝集炭化ケイ素粒子、及び前駆結合材の混合物を、空気雰囲気において、約915℃で8時間、熱処理した。
熱処理は、研磨凝集体からの固着剤と、前駆結合材との混合を容易にし、最終的に形成された砥石本体部のガラス結合材(すなわち結合材)が形成した。最終的に形成された結合材の組成を表3に示す。特に、本体部は、透過性約133、平均粒径約158ミクロン、結合材含有量約4〜6体積%、研磨凝集体及び非凝集研磨粒子含有量約36〜40体積%、並びに気孔率含有量約54〜58体積%を有した。3成分の合計は100%に等しい。本体部は、気孔率の標準偏差約209、メジアン細孔径約89ミクロン、上位四分位点細孔径約208ミクロン、及び最大細孔径約2030ミクロンをさらに有した。図2は、試料S1の一部分の画像を含む。図4は、ASTM規格E112標準に従って測定した、試料S1の細孔径分布のプロットを含む。
チタン系金属の研削用の39C60E24VCCとして市販されている、2番目の従来試料CS2をSaint−Gobain Abrasivesから入手した。試料CS2は、Saint−Gobain Abrasivesから39C Crystolonとして入手可能な、平均粒径約75ミクロンの非凝集炭化ケイ素粒子を36〜38体積%有した。研磨物品は、結合材含有量約4〜6体積%、気孔率含有量約54〜56体積%、及びセラミックス細孔形成体(Z−lite球)含有量5〜6体積%を有した。試料CS2は、透過性約50、平均細孔径62ミクロン、及び以下の表4に示す組成を有するガラス結合材を有した。試料CS2は、気孔率の標準偏差約72ミクロン、メジアン細孔径約40ミクロン、上位四分位点細孔径約80ミクロン、及び最大細孔径約575ミクロンをさらに有した。図5は、試料CS2の一部分の画像を含む。図6は、ASTM規格E112標準に従って測定した、試料CS2の細孔径分布のプロットを含む。
実施例2
試料S1についての実施例1で示したプロセスと同じ形成プロセスに従って別の試料の試料S3を形成させ、ただし研磨物品は、研磨材42〜46体積%、結合材11〜14体積%、及び気孔率44〜46体積%を含み、全成分の合計は100%に等しかった。試料S3は細孔形成体を含まず、全研磨材含有量の50重量%は研磨凝集体であり、研磨粒子含有量の50重量%は非凝集研磨粒子であり、最終研磨物品が、研磨物品の本体部の総重量の約40〜44重量%の研磨凝集体、研磨物品の本体部の総重量の40〜44重量%の非凝集研磨粒子、及び研磨物品の本体部の総重量の18〜20重量%の結合材を含み、全成分が100%に等しくなるようにする。
2番目の比較試料の試料CS4はSaint−Gobain Abrasivesから得た。試料CS4は39C60L8VKとして市販され、非凝集炭化ケイ素研磨粒子48体積%、結合材12体積%、及び気孔率40体積%を有するものである。試料CS4の透過性は、試料CS2の透過性よりも低い。
試料の各々を研削試験に付して、研磨物品の性能を比較した。試料は、二相微細構造及び寸法5インチ×2インチ×0.5インチを有する、熱間等方圧加圧したTiAlの加工物で試験した。研削機械は、非連続ドレッシング操作を備え、加工物の2インチ寸法でスロットを研削するよう構成された、スロット研削配置のElb Brilliant工具(最大10hpのスピンドル動力)であった。試料ホイールの各々は、8インチ(直径)×0.5インチ(厚さ)×1.25インチ(穴直径)の寸法を有した。
全ての研削に対してホイール速度は30m/sであり、テーブル速度を増加させて研削を行った。切断深さ0.006インチにて、テーブル速度を50インチ/分から200インチ/分に増加させ、その結果材料除去は0.3〜1.2(インチ3/分)/インチとなった。切削深さ0.0012インチにて、テーブル速度を25インチ/分から50インチ/分に増加させ、その結果材料除去速度は0.3及び0.6(インチ3/分)/インチとなった。各セットの条件に対して、切り込み合計0.108インチまで、又は材料の損傷(すなわち加工物でのひび、又は焼損)が観察されるまで、ホイールを試験した。
図7は、試料CS4と比較した試料S3の、加工物への損傷前に除去した累積研削量の棒グラフを含む。示すように、全ての例において、試料S3は著しく改良された研削量能力を示した。各場合で試料CS4は上の棒であり、試料S3は下の棒であり、下の棒はより長く、加工物からの累積材料除去がより多いことを示している。図8は、試料CS4と比較した試料S3の、材料除去速度に対する加工物のコーナー半径のプロットを含む。図8のデータから示されるように、試料S3は、特に高い材料除去速度において小さいコーナー半径の能力、よって改良されたコーナー保持能を示し、試料CS4と比較して、高材料除去速度の研削操作で改良された高精度研削能力を示した。
実施例3
実施例1において試料S1について示したものと同じ形成プロセスを使用して、一実施形態による試料をS4−1及びS4−2として形成させた。研磨物品S4−1及びS4−2の組成はS1と同じであったが、ただし、物品S4−1及びS4−2の結合した本体は、研磨粒子含有量44体積%、結合材含有量11体積%、及び気孔率44〜46体積%を有し、3成分の合計は100%に等しい。試料S4−1及びS4−2の研磨粒子は、研磨粒子の総重量の50重量%の研磨凝集体、及び50重量%の非凝集研磨粒子を含み、最終研磨物品が、研磨物品の本体部の総重量の約43.5重量%の研磨凝集体、研磨物品の本体部の総重量の43.5重量%の非凝集研磨粒子、及び研磨物品の本体部の総重量の13重量%の結合材を含み、全成分の合計が100重量%に等しくなるようにする。S4−1及びS4−2の前駆結合材の組成、及び最終的に形成された結合材の組成はS1の組成と同じであった。
比較試料の試料CS5−1及びCS5−2はSaint−Gobain Abrasivesから得た。試料CS5−1及びCS5−2は39C60I8X14として市販され、非凝集炭化ケイ素研磨粒子48体積%、結合材7.20体積%、及び気孔率45体積%を有するものである。
試料の各々を、Browne and Sharpe表面研削機における、Dura−Bar(登録商標)鋳鉄の加工物での湿性面研削試験に付した。全ての研削条件(例えば、加工物、冷却剤条件、ドレッシングパラメーター、及び試験パラメーター)を表5に示す。ホイール試料は、単一点ダイヤモンドを用いてドレッシング、3種の異なる切り込み送り速度で研削し、各切り込み送り速度の間にドレッシングした。研削の前後で車輪摩耗及び加工物の高さを測定して、車輪摩耗速度及び材料除去速度を計算した。
図9は、試料CS5−1及びCS5−2と比較した試料S4−1及びS4−2の、材料除去速度に対する車輪摩耗速度のプロットを含む。示されているように、試料S4−1及びS4−2は、有意により高い鋳鉄除去速度を示すが、より低い車輪摩耗速度を示した。図10は、試料CS5−1及びCS5−2と比較した試料S4−1及びS4−2の、材料除去速度に対するG比のプロットを含む。示されているように、試料S4−1及びS4−2は、著しく改良された鉄除去能力と、有意により高いG比とを示した。
本明細書において記載される実施形態の詳細及び説明は、様々な実施形態の構成の一般的な理解を提供することを意図するものである。詳細及び説明は、本明細書において記載される構造物又は方法を使用する装置及びシステムの全要素及び全特徴を完全かつ包括的に記載するものとしての役割を果たすことを意図していない。別個の実施形態は、1つの実施形態において組合せで提供されてもよく、反対に、簡潔のため1つの実施形態の文脈に記載された様々な特徴は、別個で提供されるか又は任意の部分組合せで提供されてもよい。さらに、範囲で述べた値について言うことは、その範囲内の全ての値を含む。単に本明細書を読了すれば、他の多くの実施形態が当業者に明らかとなってもよい。本開示の範囲から逸脱することなく構造的置換、論理的置換又は別の変化がなされてもよいように、他の実施形態が使用されてもよく、他の実施形態が本開示から派生してもよい。したがって本開示は、限定するものというよりもむしろ説明するものであるとみなされるべきである。特定の実施形態に関して、利益、他の利点及び問題の解決法を上に記載している。しかしながら、利益、利点、問題の解決法、及び、任意の利益、利点もしくは解決法を生じさせるか又はそれらをより顕著にし得るいずれの特徴も、特許請求の範囲の請求項のいずれか又は全ての、不可欠な特徴、必須な特徴又は本質的な特徴として解釈すべきではない。
図と組み合わせた説明は、本明細書において開示される教示の理解を助けるためになされるものである。以下の考察は、この教示の特定の実施及び実施形態に重点を置く。このように重点を置くことは教示の説明を助けるためになされるものであり、教示の範囲又は適用範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。しかしながら、この適用においては他の教示を確かに使用することができる。
本明細書において使用される場合、「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」という用語又はそれらの他のいかなる変形も、非限定的包含を含むことを意図するものである。例えば、列挙された特徴を含む方法、物品又は装置は必ずしもそれらの特徴のみに限定されず、明示的に列挙されていない他の特徴、又はこれらの方法、物品もしくは装置に本来備わっている他の特徴を含んでもよい。さらに、明示的に反対のことが述べられていない限り、「又は」は包含的な「又は」を指し、排他的な「又は」を指すものではない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれか1つによって満たされる。Aが真であり(又は存在し)かつBが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在せず)かつBが真である(又は存在する)、及び、AとBの両方が真である(又は存在する)。
また、「a」又は「an」は、本明細書において記載される要素及び成分の記載に使用される。これは単に利便性目的でなされ、本発明の範囲の一般的認識を示すためになされている。この記載は1つ又は1つ以上を含むということが理解される必要があり、明らかに異なる意図でない限り、単数形は複数形も含むか、又は複数形は単数形も含む。例えば、本明細書において1個の項目が記載される場合、1個の項目の代わりに、1個よりも多い項目を使用してもよい。同様に、本明細書において1個よりも多い項目が記載される場合、1個よりも多い項目に対し、1個の項目で置き換えてもよい。
別段の規定がない限り、本明細書において使用される全ての技術用語及び全ての科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。材料、方法及び例は単に説明用のもので、限定することを意図するものではない。本明細書において記載されていない範囲で、特定の材料及び行為の遂行に関する詳細の多くは従来どおりであり、構造技術分野及び対応する製造技術分野内の参照図書及び他の出典において見出されてもよい。
上で開示した主題は、説明するものであって制限するものではないと考えられるべきであり、添付の特許請求の範囲は、そのような変更形態、強化形態、及び本発明の真の範囲内にある他の実施形態を全て包含するよう意図するものである。よって本発明の範囲は、法によって許される最大限の範囲で、以下の特許請求の範囲及びそれらの等価物の許容される最も広範囲の解釈によって決定されるべきであり、前述の詳細な説明によって制限又は限定されるべきではない。
本開示の要約書は、特許法を遵守するために提供するものであり、特許請求の範囲又は意味を、解釈又は限定するために使用するものではないという理解の下で提出する。加えて、前述の図面の詳細な説明においては、本開示の簡素化の目的で、様々な特徴を一緒にグループ化するか、又は単一の実施形態に記載することがある。本開示は、特許請求する実施形態が各請求項において明示的に記載されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映しているとして解釈するべきではない。そうではなく、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の主題は、開示する実施形態のいずれかの全ての特徴よりも少ないものを対象としてもよい。よって、以下の特許請求の範囲は、特許請求する主題を別々に規定するものとして各請求項が独立している状態で、図面の詳細な説明に組み入れられる。