JP6427134B2 - 可変動弁装置 - Google Patents
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Description
カムキャリアは複数のカムロブと螺旋溝を有して一定の軸方向幅を有し、軸方向の移動に必要な距離も所定距離に設定されているので、カムキャリアの移動を規制する両側の回転軸受け間は、少なくともカムキャリアの軸方向幅に移動で必要な所定距離を加えた距離が必要とされ、これ以上狭く両側の回転軸受けを配設することができず、内燃機関の更なる小型化を難しくしている。
内燃機関のシリンダヘッドに回転自在に軸支されたカムシャフトと、
前記カムシャフトの外周に相対回転を禁止され軸方向に摺動可能に嵌合する円筒状部材であって、外周面にカムプロファイルの異なる複数のカムロブが軸方向に隣接して形成されたカムキャリアと、
前記カムキャリアを軸方向に移動してバルブに作動するカムロブを切替えるカム切替機構と、
を備えた可変動弁装置において、
前記カムキャリアには、同カムキャリアを軸方向で摺動させるため切替ピンが係合・離脱されるリード溝が形成されるリード溝円筒部が設けられ、
前記カムシャフトにおける前記カムキャリアの前記リード溝円筒部の端部が軸方向で当接する拡径部の端面に、前記カムキャリアの端部が挿入可能な凹部が形成されることを特徴とする。
内燃機関のシリンダヘッドに回転自在に軸支されたカムシャフトと、
前記カムシャフトの外周に、相対回転を禁止され軸方向に摺動可能に嵌合する円筒状部材であって、外周面にカムプロファイルの異なる複数のカムロブが軸方向に隣接して形成されたカムキャリアと、
前記カムキャリアを軸方向に移動してバルブに作動するカムロブを切替えるカム切替機構と、
を備えた可変動弁装置において、
前記カムキャリアには、同カムキャリアを軸方向で摺動させるため切替ピンが係合・離脱されるリード溝が形成されるリード溝円筒部が設けられ、
前記カムシャフトを回転自在に軸支する軸受部に、前記カムキャリアのリード溝円筒部の端部が挿入可能な凹部が形成されるようにしてもよい。
前記カム切替機構は、
前記カムキャリアの前記リード溝円筒部の外周面に周回するように前記リード溝が形成され、
前記リード溝に係合・離脱可能に進退する切替ピンと、
前記切替ピンにカム機構を構成して係合する切替駆動シャフトとを備え、
前記切替駆動シャフトの駆動が前記カム機構を介して前記切替ピンを進退させ、
前記切替ピンが進行して係合した前記リード溝により、前記カムキャリアが回転しながら軸方向に案内されて移動し、バルブに作動するカムロブを切替えるようにしてもよい。
前記リード溝は、前記カムキャリアの端面に近接して形成されるようにしてもよい。
なお、カムシャフトの拡径部またはカムシャフトの軸受部の凹部にカムキャリアの端部が挿入されたとき、リード溝の軸方向最外側部が凹部に入るが、その他の部分は凹部に入らずに露出しているので、切替ピンのリード溝への係合・離脱ができカム切替えが可能である。
前記カムキャリアの前記リード溝が形成される前記リード溝円筒部の外径は、前記第1カムロブと前記第2カムロブの同径の基礎円の外径より小さいようにしてもよい。
本実施の形態に係る可変動弁装置40を備えた内燃機関Eは、水冷式の単気筒4ストローク内燃機関であり、4バルブ方式のDOHC構造の動弁機構を備えている図示しない自動二輪車に搭載される。
なお、本明細書の説明において、前後左右の向きは、自動二輪車の直進方向を前方とする通常の基準に従うものとし、図面において、FRは前方を,RRは後方を、LHは左方を,RHは右方を示すものとする。
この左右方向に指向したクランクシャフト10を軸支するクランクケース1は、図3を参照して、クランクシャフト10が配置されるクランク室1cを形成するとともに、クランク室1cの後方には変速機Mを収容するミッション室1mが形成され、クランク室1cの下方には略水平な仕切壁1hで仕切られてオイルを貯留するオイルパン室1oが一体に形成される構造をしている。
また、クランクケース1の下方には、前記オイルパン室1oを形成するオイルパン5が延出している。
図3を参照して、シリンダヘッド3には、シリンダ2aに対応して、シリンダ軸線方向でピストン20の頂面に対向して燃焼室30が構成され、燃焼室30からは、吸気ポート31iが2本前方に湾曲し斜め上方に延出するとともに、排気ポート31eが2本後方に湾曲して延出している。
燃焼室30の天井壁中央には点火プラグ23が先端を燃焼室30に臨ませて取り付けられる。
可変動弁装置40の一部を外しシリンダヘッド3を上方から視た上面図である図6を参照して、シリンダヘッド3は、前後の前側壁3Fr,後側壁3Rrと左右の左側壁3L,右側壁3Rにより矩形状をなし、左側壁3Lに寄って平行に形成された軸受壁3Uにより動弁室3cを仕切って左側にギア室3gを形成している。
また、動弁室3cは燃焼室30の上方に位置し、軸受壁3Vにより左右の室に仕切られている。
右側フランジ部42Cの右側に外周面にスプライン外歯を形成したスプライン軸部42Dが延出している。
左側のカム連通油孔42hb,中央の軸受連通油孔42hc,右側のカム連通油孔42hbは、スプライン軸部42Dの外周面に周回するように形成された3条のカム外周溝42bv,軸受外周溝42cv,カム外周溝42bvにそれぞれ開口している(図10参照)。
給油路42hの右端は栓部材45が圧入されて閉塞されている。
一方、カムシャフトホルダ33には、図7を参照して、ホルダ上面に沿って前後方向に穿孔して共通油路33sが形成されており、共通油路33sは吸気側カムシャフト42と排気側カムシャフト52を軸受する各軸受凹面33i,33eの上方を共通に通っている。
なお、共通油路33sは、後記する締結ボルト38dのボルト孔を途中経由している。
図7に示されるように、枝油路33itは、シリンダヘッド3側の軸受凹面3Uiの後部側に開口した内周油溝3Uivに連通し、枝油路33etは、シリンダヘッド3側の軸受凹面3Ueの前部側に開口した内周油溝3Uevに連通する。
共通油路33sは、後端で垂直油路33rと連通し、垂直油路33rはシリンダヘッド3の軸受壁3U側の垂直油路3Urに連通する。
同様に、排気側カムシャフト52の被軸受部52Bの給油連通孔52haは内周油溝3Uevに開口しており(図7参照)、オイルは内周油溝3Uevから給油連通孔52haを通って排気側カムシャフト52の給油路52hに供給される。
排気側カムシャフト52の被軸受部52Bの給油連通孔52haから給油路52hに供給されたオイルは、図示しない同様の連通油孔からスプライン軸部52Dの外周面に排出される。
したがって、吸気側カムキャリア43は、吸気側カムシャフト42に対して相対回転を禁止されて軸方向に摺動可能に嵌合する。
このスプライン嵌合部にカム連通油孔42hb,軸受連通油孔42hc,カム連通油孔42hbから排出されたオイルが供給される(図10参照)。
吸気側カムシャフト42の被軸受部42Bの右側面に形成された凹部42Chにより吸気側カムキャリア43の必要な移動スペースを確保しながら、吸気側カムシャフト42の被軸受部42Bを吸気側カムキャリア43側に寄せて吸気側カムシャフト42を短く設定できる。
隣接する第1カムロブ43Aと第2カムロブ43Bは、カムプロファイルの基礎円の外径は互いに等しく同じ周方向位置にある(図8参照)。
リード溝円筒部43Dの外径は、第1カムロブ43Aと第2カムロブ43Bの同径の基礎円の外径より小さい(図10参照)。
したがって、吸気側カムキャリア43の端部をできるだけ短くして吸気側カムキャリア43自体の軸方向幅を小さく抑えることができる。
また、第1カムロブ43Aおよび第2カムロブ43Bにも内側から基礎円のカム面の外側に連通するカム給油孔43Ah,43Bhがそれぞれ形成されている(図9,図10参照)。
第2カムロブ43Bのカム山のカム面には、先に吸気ロッカアーム72に摺接してカム面圧が上昇する側とその後で吸気ロッカアーム72に摺接してカム面圧が下降する側とがあるが、第2カムロブ43Bのカム給油孔43Bhは、第2カムロブ43Bの基礎円のカム面のうちカム山のカム面圧が下降する側よりカム面圧が上昇する側に近い位置に開口するように穿設されている。
また排気側カムキャリア53の第1カムロブ53Aおよび第2カムロブ53Bにおけるカム給油孔も同様である。
また、吸気側カムシャフト42の左側フランジ部42Aには、吸気側被動ギア47が同軸に左側から嵌合して2本のねじ48,48により一体に締結される(図10参照)。
このように軸方向の位置決めがなされて回転する吸気側カムシャフト42のスプライン軸部42Dにスプライン嵌合された吸気側カムキャリア43は、吸気側カムシャフト42とともに回転しながら軸方向に移動可能である。
2つの係合凹部と係合ボールは、上記位置関係を保てば、吸気側カムキャリア43と吸気側カムシャフト42の軸方向のどの位置にでも設けることができる。
このように、左右いずれのシフト時もカムロブ43A,43Bと吸気ロッカアーム72との摺接部にオイルを供給して潤滑することができる。
隣接する第1カムロブ53Aと第2カムロブ53Bは、カムプロファイルの基礎円の外径は互いに等しい。
リード溝円筒部53D,53Eの外径は、第1カムロブ53Aと第2カムロブ53Bの同径の基礎円の外径より小さい。
右側のリード溝円筒部53Eのリード溝55は、軸方向所定位置で周方向に一周する環状リード溝55cが形成され、環状リード溝55cから左に枝分かれして軸方向左に所定距離離れた位置まで螺旋状に左シフトリード溝55lが形成されている。
また、排気側カムシャフト52の左側フランジ部52Aには、排気側被動ギア57が同軸に左側から嵌合して2本のねじ58,58により一体に締結される(図4,図5参照)。
このように軸方向の位置決めがなされて回転する排気側カムシャフト52のスプライン軸部52Dにスプライン嵌合された排気側カムキャリア53は、排気側カムシャフト52とともに回転しながら軸方向に移動可能である。
アイドルギア61は、吸気側被動ギア47および排気側被動ギア57より大径のギアであり、図10に示されるように、シリンダヘッド3の左側壁3Lと軸受壁3Uとの間にギア室3gを貫通して架設される円筒状支軸65にベアリング63を介して回転自在に軸支されている。
円筒状支軸65は、大径部端面がベアリング63のインナレースをカラー部材65aを介して軸受壁3Uとの間に挟み、ボルト64により締付けて固定される。
アイドルチェーンスプロケット62は、アイドルギア61と略同径の大きな外径を有する。
前記4本の締結ボルト38a,38b,38c,38dのうち内側2本の締結ボルト38b,38cは、この膨出部33Bに設けられた締結部位33b,33cを締結する(図4,図7参照)。
カムシャフトホルダ34の中央には、軸受壁3Vのプラグ嵌挿筒部3Vpに連結するプラグ嵌挿筒部34pが形成されている(図4参照)。
アイドルチェーンスプロケット62と駆動チェーンスプロケット67に巻き掛けられたカムチェーン66は、カムチェーンテンショナガイド68により張力を与えられ、カムチェーンガイド69にガイドされて回動する(図2参照)。
クランクシャフト10に同期して回転する吸気側カムシャフト42と排気側カムシャフト52に、それぞれ吸気側カムキャリア43と排気側カムキャリア53がスプライン嵌合している。
図6を参照して、シリンダヘッド3の動弁室3cに左右方向に指向した筒状部3Aが、中央より若干前寄り位置に軸受壁3Uから軸受壁3Vを貫いて右側壁3Rまで一直線に形成されている。
筒状部3Aの軸孔に吸気側切替駆動シャフト71が軸方向に摺動自在に嵌挿され、筒状部3Bの軸孔に排気側切替駆動シャフト81が軸方向に摺動自在に嵌挿される。
すなわち、吸気側切替駆動シャフト71はロッカアームシャフトを兼ねる。
したがって、吸気側カムキャリア43が回転すると、第1カムロブ43Aまたは第2カムロブ43Bのいずれかが、そのプロファイルに従って吸気ロッカアーム72を揺動し、吸気バルブ41を押圧して燃焼室30の吸気弁口を開く。
すなわち、排気側切替駆動シャフト81はロッカアームシャフトを兼ねる。
したがって、排気側カムキャリア53が回転すると、第1カムロブ53Aまたは第2カムロブ53Bのいずれかが、そのプロファイルに従って排気ロッカアーム82を揺動し、排気バルブ51を押圧して燃焼室30の排気弁口を開く。
円筒ボス部3Asの内側の孔は、筒状部3Aを貫通している。
この左右の円筒ボス部3As,3Asの各内側の孔には、それぞれ第1切替ピン73と第2切替ピン74が摺動自在に嵌挿される。
よって、吸気側カムシャフト42に吸気側切替駆動シャフト71をできるだけ近づけて配設することができ、内燃機関Eの小型化を図ることができる。
先端円柱部73aより基端円柱部73bは外径が小さい。
基端円柱部73bの中間連結棒部73c側の端面は円錐状をした円錐端面73btを形成している。
なお、基端円柱部73bの中間連結棒部73c側の端面は、球面状をしていてもよい。
第2切替ピン74も第1切替ピン73と同じ形状を有している。
長孔71aの幅は、第1切替ピン73の中間連結棒部73cの径より若干大きく、円孔71bの内径は、基端円柱部73bの外径より若干大きいが、先端円柱部73aの外径よりは小さい。
吸気側切替駆動シャフト71に第1切替ピン73を組付けるには、次のようにする。
すると、図14に示されるように、第1切替ピン73はコイルばね75の付勢力により基端円柱部73bの円錐端面73btが、吸気側切替駆動シャフト71の長孔71aの開口端面であるカム面71Cに押圧されて係合することで、第1切替ピン73が組付けられる。
なお、第1切替ピン73と第2切替ピン74を吸気側切替駆動シャフト71に係合して組付けるときは、第2切替ピン74の方を先に組付ける。
図14は、吸気側切替駆動シャフト71のカム面71Cのうち凹曲面71Cvの中央が、第1切替ピン73の位置にある状態を示しており、第1切替ピン73が凹曲面71Cvに円錐端面73btを当接して進行した位置にあり、第2切替ピン74はカム面71Cのうち平坦面71Cpに当接して退行した位置にある。
このように、吸気側切替駆動シャフト71の軸方向の移動により第1切替ピン73と第2切替ピン74を交互に進退させることができる。
なお、第1,第2切替ピン73,74を進行方向に付勢するのに、先端円柱部73a,74aと吸気側切替駆動シャフト71との間にコイルばね75が介装されたが、基端円柱部73b,74bの端面(円錐端面73b,74btと反対側の端面)と筒状部3Aに形成された穴の底面との間にコイルばねを介装してもよい。
長孔81a1,81a2の幅および円孔81b1,81b2の内径は、前記吸気側切替駆動シャフト71の長孔71aおよび円孔71bと同じである。
排気側切替駆動シャフト81の左右の長孔81a1,81a2および左右のカム面81C1,81C2は、左右対称に形成されている。
同様に、排気側切替駆動シャフト81の右側の長孔81a2には、第2切替ピン84が、摺動可能に係合し、カム面81C2により直動カム機構Ccが構成される(図6,図11参照)。
第1切替ピン83と第2切替ピン84は同時に組付けられる。
このように、排気側切替駆動シャフト81の軸方向の移動により第1切替ピン83と第2切替ピン84を交互に進退させることができる。
図16は、吸気側カム切替機構70の主要部材の動作過程を経時的に順に示している。
第2切替ピン74は、カム面71Cの平坦面71Cpに当接して退行しリード溝44から離れている。
したがって、吸気側カムシャフト42にスプライン嵌合して回転する吸気側カムキャリア43は、周方向に一周に亘って形成された環状リード溝44cに第1切替ピン73が係合しているので、軸方向に移動せず所定位置に維持されている。
吸気側カムキャリア43が右方に移動すると、第2切替ピン74は環状リード溝44cに係合することになるので、吸気側カムキャリア43は右方に移動した所定位置で維持され(図16の(5)参照)、このとき、第2カムロブ43Bに代わって第1カムロブ43Aが吸気ロッカアーム72に作用して、第1カムロブ43Aのカムプロファイルに設定されたバルブ作動特性に従って吸気バルブ41が動作する。
また、この状態から、逆に吸気側切替駆動シャフト71を左方に移動することで、第2切替ピン74が退行して環状リード溝44cから離れ、第1切替ピン73が進行して左シフトリード溝44lに係合して、左シフトリード溝44lに案内されて吸気側カムキャリア43は左方に移動し、吸気バルブ41に作用するカムロブを、第1カムロブ43Aから第2カムロブ43Bに切り替えることができる。
図17の(1)に示す状態は、排気側カムキャリア53が左側位置にあって、第2カムロブ53Bが吸気ロッカアーム72に作用して、第2カムロブ53Bのカムプロファイルに設定されたバルブ作動特性に従って吸気バルブ41が動作している。
排気側カムキャリア53が右方に移動すると、第1切替ピン83は環状リード溝54cに係合することになるので、排気側カムキャリア53は右方に移動した所定位置で維持され(図17の(5)参照)、このとき、第2カムロブ53Bに代わって第1カムロブ53Aが排気ロッカアーム82に作用して、第1カムロブ53Aのカムプロファイルに設定されたバルブ作動特性に従って排気バルブ51が動作する。
また、この状態から、逆に排気側切替駆動シャフト81を左方に移動することで、第1切替ピン83第2切替ピン84が退行して環状リード溝54cから離れ、第2切替ピン84が進行して左シフトリード溝55lに係合して、左シフトリード溝55lに案内されて排気側カムキャリア53は左方に移動し、排気バルブ51に作用するカムロブを、第1カムロブ43Aから第2カムロブ43Bに切り替えることができる。
図10に示されるように、吸気カムシャフト42における吸気側カムキャリア43の端部が軸方向で当接する被軸受部42B(拡径部)の右側フランジ部42Cの端面に、吸気側カムキャリア43の端部が挿入可能な凹部42Chが形成されるので、吸気カムシャフト42の右側フランジ部42Cの凹部42Chにより吸気側カムキャリア43の必要な移動スペースを確保しながら、吸気カムシャフト42の被軸受部42Bを吸気側カムキャリア43側に寄せて吸気カムシャフト42を短くし、簡単な構造で内燃機関Eの軸方向幅をより小さく抑えて更なる小型化を図ることができる。
なお、吸気側カムキャリア43の端面に近接してリード溝44が形成されても、吸気側カムシャフト42の右側フランジ部42Cの凹部42Chに吸気側カムキャリア43の端部が挿入されたとき、図10に示されるように、リード溝44の左シフトリード溝44lの軸方向最外側部が凹部42Chに入るが、その他の部分は凹部42Chに入らずに露出しているので、第1切替ピン73が左シフトリード溝44lに係合することに支障はなく、カム切替えが可能である。
図18を参照して、吸気側カムシャフト142は、前記実施の形態の吸気側カムシャフト42と近似した形状をしており、左端部が拡径した被軸受部142Bを有し、被軸受部142Bの左右にフランジ部142A,142Cが形成され、右側フランジ部142Cの右側にスプライン軸部142Dが延出している。
吸気側カムシャフト142のスプライン軸部142Dにスプライン嵌合する吸気側カムキャリア143は、前記実施の形態の吸気側カムキャリア43と同じ形状をしている。
吸気側カムキャリア143の被軸受円筒部143Cをシリンダヘッド103の内側壁103Vとカムホルダ134に挟まれて回転自在に軸支される。
なお、シリンダヘッド103の上にはシリンダヘッドカバー104が被せられる。
また、切替駆動シャフトを駆動するのに、油圧アクチュエータを用いたが、電磁ソレノイドや電動モータ等を使用してもよい。
1…クランクケース、3…シリンダヘッド、3U…軸受壁、3UA…軸受部、
10…クランクシャフト、11…メインシャフト、12…カウンタシャフト、
40…可変動弁装置、
41…吸気バルブ、42…吸気側カムシャフト、42A…左側フランジ部,42B…被軸受部、42C…右側フランジ部、42Ch…凹部、
43…吸気側カムキャリア、43A…第1カムロブ、43B…第2カムロブ、43C…被軸受円筒部、43D…リード溝円筒部、44…リード溝、
51…排気バルブ、52…排気側カムシャフト、
53…排気側カムキャリア、53A…第1カムロブ、53B…第2カムロブ、53C…被軸受円筒部、53D…リード溝円筒部、53E…リード溝円筒部、54…左側リード溝、55…右側リード溝、
70…吸気側カム切替機構、71…吸気側切替駆動シャフト、72…吸気ロッカアーム、73…第1切替ピン、74…第2切替ピン、75…コイルばね、Ca…直動カム機構、
80…排気側カム切替機構、81…排気側切替駆動シャフト、82…排気ロッカアーム、83…第1切替ピン、84…第2切替ピン、85…コイルばね、Cb,Cc…直動カム機構、
103…シリンダヘッド、103UAh…凹部、133…カムシャフトホルダ、133h…凹部、134…カムシャフトホルダ、142…吸気側カムシャフト、143…吸気側カムキャリア。
Claims (5)
- 内燃機関(E)のシリンダヘッド(3)に回転自在に軸支されたカムシャフト(42)と、
前記カムシャフト(42)の外周に相対回転を禁止され軸方向に摺動可能に嵌合する円筒状部材であって、外周面にカムプロファイルの異なる複数のカムロブ(43A,43B)が軸方向に隣接して形成されたカムキャリア(43)と、
前記カムキャリア(43)を軸方向に移動してバルブ(41)に作動するカムロブ(43A,43B)を切替えるカム切替機構(70)と、
を備えた可変動弁装置において、
前記カムキャリア(43,143)には、同カムキャリア(43,143)を軸方向で摺動させるため切替ピン(73,74)が係合・離脱されるリード溝(44)が形成されるリード溝円筒部(43D)が設けられ、
前記カムシャフト(42)における前記カムキャリア(43)の端部が軸方向で当接する拡径部(42C)の端面に、前記カムキャリア(43)の前記リード溝円筒部(43D)の端部が挿入可能な凹部(42Ch)が形成されることを特徴とする可変動弁装置。 - 内燃機関(E)のシリンダヘッド(103)に回転自在に軸支されたカムシャフト(142)と、
前記カムシャフト(142)の外周に、相対回転を禁止され軸方向に摺動可能に嵌合する円筒状部材であって、外周面にカムプロファイルの異なる複数のカムロブが軸方向に隣接して形成されたカムキャリア(143)と、
前記カムキャリア(143)を軸方向に移動してバルブに作動するカムロブを切替えるカム切替機構と、
を備えた可変動弁装置において、
前記カムキャリア(143)には、同カムキャリア(143)を軸方向で摺動させるため切替ピンが係合・離脱されるリード溝が形成されるリード溝円筒部が設けられ、
前記カムシャフト(142)を回転自在に軸支する軸受部(133,103UA)に、前記カムキャリア(143)の前記リード溝円筒部の端部が挿入可能な凹部(133h,103UAh)が形成されることを特徴とする可変動弁装置。 - 前記カム切替機構(70)は、
前記カムキャリア(43)の前記リード溝円筒部(43D)の外周面に周回するように前記リード溝(44)が形成され、
前記リード溝(44)に係合・離脱可能に進退する前記切替ピン(73,74)と、
前記切替ピン(73,74)にカム機構(Ca)を構成して係合する切替駆動シャフト(71)とを備え、
前記切替駆動シャフト(71,81)の駆動が前記カム機構(Ca)を介して前記切替ピン(73,74)を進退させ、
前記切替ピン(73,74)が進行して係合した前記リード溝(44)により、前記カムキャリア(43)が回転しながら軸方向に案内されて移動し、バルブ(41)に作動するカムロブ(43A,53A)を切替えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の可変動弁装置。 - 前記リード溝(44)は、前記カムキャリア(43)の端面に近接して形成されることを特徴とする請求項3記載の可変動弁装置。
- 前記カムキャリア(43)の前記リード溝(44)が形成される前記リード溝円筒部(43D)の外径は、複数の前記カムロブ(43A,43B)の同径の基礎円の外径より小さいことを特徴とする請求項3または請求項4記載の可変動弁装置。
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