JP6426329B1 - 硫黄化合物含有物質の評価方法及び揮発性低分子硫黄化合物の定量方法 - Google Patents

硫黄化合物含有物質の評価方法及び揮発性低分子硫黄化合物の定量方法 Download PDF

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Abstract

複数の硫黄化合物および複数の硫黄代謝関連化合物の分析結果に基づく、農作物等の被検物質の鮮度(酸化還元度)等の評価方法を提供する。揮発性低分子硫黄化合物を液体クロマトグラフィー質量分析法で定量する方法を提供する。
複数の被検物質を評価する硫黄化合物含有物質の評価方法であって、被検物質毎に、複数の硫黄化合物および複数の硫黄代謝関連化合物の定量値を用意する工程と、前記定量値を含む前記被検物質の分析値を多次元尺度法により解析して、酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気から選択される2種以上を尺度とする散布図を作成する工程と、前記散布図上の位置に基づいて、前記被検物質の酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気を評価する工程と、を行うことを特徴とする硫黄化合物含有物質の評価方法。

Description

本発明は、農作物等の試料に含まれる硫黄化合物含有物質の評価方法及び揮発性低分子硫黄化合物の定量方法に関する。
農作物の中には、酸化による品質の劣化が早く、長期保存が難しいものがある。従来、農作物の鮮度を評価する方法としては、一般的に、評価者(農作物の販売者や消費者等)により、農作物の外観、触感、香り等の項目を評価する官能試験が行われている。しかし、官能試験は、評価者の主観が入ることがあるため、客観的な評価ができない上に、定量的な評価ができないという課題がある。そこで、客観的かつ定量的な評価が可能な評価方法が求められている。
農作物の鮮度を定量的に評価する方法としては、例えば、農作物におけるビタミンCの含有量の変動を測定する方法が挙げられる。農作物は、収穫後の時間の経過と貯蔵環境の温度に対応して、ビタミンCの含有量が低下する。そのため、ビタミンCの含有量の変動を測定することによって、農作物の鮮度を評価することができる。農作物におけるビタミンCの含有量を測定する方法としては、例えば、ORAC(Oxygen Radical Absorbance Capacity:活性酸素吸収能力)法を用いた方法が挙げられる(例えば、非特許文献1参照)。
Cao,G.,and Prior,R.(1999)Methods Enzymol.299:50−62.Measurement of oxygen radical absorbance capacity in biological samples.
ビタミンCの含有量の変動を測定する方法では、農作物について、収穫時と鮮度評価時のそれぞれにおいて、少なくとも1回ずつのビタミンCの含有量の測定を行う必要がある。すなわち、この方法によって農作物の鮮度を測定するためには、農作物の収穫時に鮮度の基準となるビタミンCの含有量を測定する必要がある。したがって、この方法では、収穫時の農作物の状態を把握していなければ、その鮮度を評価できないため、任意の時点で農作物の鮮度を評価することができないという課題があった。
また、本発明者等は、農作物等に含まれる複数の硫黄化合物および複数の硫黄代謝関連化合物の分析結果を多変量解析に供することにより、鮮度の評価が可能であることを見出したが、揮発性の低分子硫黄化合物は従来ガスクロマトグラフィーにより分析され、不揮発性の硫黄化合物と同時に液体クロマトグラフィー質量分析法(LC−MS/MS法)で定量することが困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、複数の硫黄化合物および複数の硫黄代謝関連化合物の分析結果に基づく、農作物等の被検物質の鮮度(酸化還元度)等の評価方法を提供することを目的とする。また、本発明は、揮発性低分子硫黄化合物を液体クロマトグラフィー質量分析法で定量する方法を提供することを目的とする。
前記課題は、本発明の硫黄化合物含有物質の評価方法によれば、複数の被検物質を評価する硫黄化合物含有物質の評価方法であって、被検物質毎に、複数の硫黄化合物および複数の硫黄代謝関連化合物の定量値を用意する工程と、前記定量値を含む前記被検物質の分析値を多次元尺度法により解析して、酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気から選択される2種以上を尺度とする散布図を作成する工程と、前記散布図上の位置に基づいて、前記被検物質の酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気を評価する工程と、を行い、前記硫黄化合物がグルタチオンおよびその誘導体を含むものであり、前記硫黄代謝関連化合物がエルゴチオネイン代謝関連化合物を含むものであることにより解決される。
前記課題は、本発明の硫黄化合物含有物質の評価方法によれば、複数の被検物質を評価する硫黄化合物含有物質の評価方法であって、被検物質毎に、複数の硫黄化合物および複数の硫黄代謝関連化合物の定量値を用意する工程と、前記定量値を含む前記被検物質の分析値を多次元尺度法により解析して、酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気から選択される2種以上を尺度とする散布図を作成する工程と、前記散布図上の位置に基づいて、前記被検物質の酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気を評価する工程と、を行い、前記硫黄化合物が少なくとも20種であり、前記硫黄代謝関連化合物が少なくとも18種であることにより解決される。
前記課題は、本発明の硫黄化合物含有物質の評価方法によれば、複数の被検物質を評価する硫黄化合物含有物質の評価方法であって、被検物質毎に、複数の硫黄化合物および複数の硫黄代謝関連化合物の定量値を用意する工程と、前記定量値を含む前記被検物質の分析値を多次元尺度法により解析して、酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気から選択される2種以上を尺度とする散布図を作成する工程と、前記散布図上の位置に基づいて、前記被検物質の酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気を評価する工程と、を行い、前記硫黄化合物が亜硫酸イオン、チオ硫酸イオン、硫化物イオン、グルタチオン、グルタチオンモノスルフィド、グルタチオンジスルフィド、グルタチオントリスルフィド、グルタチオンテトラスルフィド、酸化型グルタチオン、酸化型グルタチオンモノスルフィド、酸化型グルタチオンジスルフィド、酸化型グルタチオントリスルフィド、酸化型グルタチオンテトラスルフィド、システイン、システインモノスルフィド、メチオニン、2−フルフリルチオール、ベンジルメルカプタン、4−メルカプト−4−メチル−ペンタン−2−オンおよび酢酸2−メルカプトエチルを含み、前記硫黄代謝関連化合物がシスチン、シスタチオニン、S−アデノシルメチオニン、ホモシステイン、S−スルホシステイン、O−ホスホセリン、O−アセチルセリン、N−アセチルセリン、O−スクシニルホモセリン、アデノシン5’−ホスホスルフェート、ランチオニン、3’−ホスホアデノシン−5’−スルフェート、3’−ホスホアデノシン−5’−ホスホスルフェート、エルゴチオネイン、ヘルシニン、5−グルタミルシステイン、S−ヘルシニル−システインスルホキシドおよび5−グルタミル−S−ヘルシニル−システインスルホキシドを含むことにより解決される。
このとき、前記散布図が、酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気から選択される2種を尺度とする二次元の散布図であると好適である。
このとき、前記散布図が、酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気から選択される3種を尺度とする三次元の散布図であること好適である。
前記課題は、本発明の硫黄化合物含有物質の評価方法によれば、複数の被検物質を評価する硫黄化合物含有物質の評価方法であって、被検物質毎に、複数の硫黄化合物および複数の硫黄代謝関連化合物の定量値を用意する工程と、前記定量値を含む前記被検物質の分析値を多次元尺度法により解析して、酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気から選択される2種以上を尺度とする散布図を作成する工程と、前記散布図上の位置に基づいて、前記被検物質の酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気を評価する工程と、を行い、前記定量値を用意する工程は、揮発性低分子硫黄化合物をアルキル化剤で修飾する前処理を行う工程と、前記修飾した揮発性低分子硫黄化合物を液体クロマトグラフィー質量分析法により分析し、前記揮発性低分子硫黄化合物を定量する工程と、を備える揮発性低分子硫黄化合物の定量方法を行い、前記アルキル化剤が、5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)、2,6−ジクロロフェノールインドフェノール、p−クロロメルクリ安息香酸、ヨードアセトアミド、N−エチルマレイミドおよびモノブロモビマンからなる群から選ばれる1種以上の化合物であることにより解決される。
前記課題は、本発明の硫黄化合物含有物質の評価方法によれば、複数の被検物質を評価する硫黄化合物含有物質の評価方法であって、被検物質毎に、複数の硫黄化合物および複数の硫黄代謝関連化合物の定量値を用意する工程と、前記定量値を含む前記被検物質の分析値を多次元尺度法により解析して、酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気から選択される2種以上を尺度とする散布図を作成する工程と、前記散布図上の位置に基づいて、前記被検物質の酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気を評価する工程と、を行い、前記定量値を用意する工程は、揮発性低分子硫黄化合物をアルキル化剤で修飾する前処理を行う工程と、前記修飾した揮発性低分子硫黄化合物を液体クロマトグラフィー質量分析法により分析し、前記揮発性低分子硫黄化合物を定量する工程と、を備える揮発性低分子硫黄化合物の定量方法を行い、前記揮発性低分子硫黄化合物が、2−フルフリルチオール、ベンジルメルカプタン、4−メルカプト−4−メチルペンタン−2−オンおよび酢酸2−メルカプトエチルからなる群から選ばれる1種以上の化合物であることにより解決される。
本発明によれば、複数の硫黄化合物および複数の硫黄代謝関連化合物の分析結果に基づく、農作物等の被検物質の鮮度(酸化還元度)等を評価する硫黄化合物含有物質の評価方法、及び揮発性低分子硫黄化合物を液体クロマトグラフィー質量分析法で定量する揮発性低分子硫黄化合物の定量方法を提供することができる。
被検物質として、市販のワイン69種類について、多次元尺度法により解析した結果を示す散布図である。 複数の硫黄化合物および複数の硫黄代謝関連化合物について、多次元尺度法により解析した結果を示す散布図である。 モノブロモビマン(mBBr)で修飾されたグルタチオン(GS−bimane)、mBBrで修飾されたグルタチオンモノスルフィド(GS−S−bimane)、mBBrで修飾されたグルタチオンジスルフィド(GS−S−bimane)、mBBrで修飾されたグルタチオントリスルフィド(GS−S−bimane)およびmBBrで修飾されたグルタチオンテトラスルフィド(GS−S−bimane)の液体クロマトグラフィー質量分析法による定量結果である。 被検物質として、複数の微生物をそれぞれ培養した後の培養液について、多次元尺度法により解析した結果を示す散布図である。 被検物質として、市販のワインについて、多次元尺度法により解析した結果を示す散布図である。 被検物質として、市販のワインについて、多次元尺度法により解析した結果を示す散布図である。 被検物質として、市販のビール類について、多次元尺度法により解析した結果を示す散布図である。 被検物質として、市販のビール類について、多次元尺度法により解析した結果を示す散布図である。
本発明の硫黄化合物含有物質の評価方法及び揮発性低分子硫黄化合物の定量方法の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[硫黄化合物含有物質の評価方法]
本実施形態の硫黄化合物含有物質の評価方法は、複数の被検物質を評価する硫黄化合物含有物質の評価方法であって、被検物質毎に、複数の硫黄化合物および複数の硫黄代謝関連化合物の定量値を用意する工程と、前記定量値を含む前記被検物質の分析値を多次元尺度法により解析して、酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気から選択される2種以上を尺度とする散布図を作成する工程と、前記散布図上の位置に基づいて、前記被検物質の酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気を評価する工程と、を行う方法である。
本実施形態の硫黄化合物含有物質の評価方法において、「被検物質」とは、本実施形態の硫黄化合物含有物質の評価方法によって、酸化還元度、微生物代謝の寄与または匂い若しくは臭気などを評価する対象となる物質を意味する。
本実施形態の揮発性低分子硫黄化合物の定量方法における被検物質としては、特に限定されず、例えば、土壌、水、食品、飲料、生体試料等が挙げられる。
食品としては、例えば、肉類;魚介類;卵類;牛乳;穀物、豆類、芋類、野菜類、果実類等の農作物等が挙げられる。
飲料としては、例えば、ビール、ワイン、日本酒等の醸造により造られるもの、清涼飲料水等が挙げられる。
生体試料としては、例えば、血液、唾液、糞便等が挙げられる。
なお、本実施形態の硫黄化合物含有物質の評価方法では、後述の実施形態の揮発性低分子硫黄化合物の定量方法に従って、揮発性低分子硫黄化合物をアルキル化剤で修飾する前処理を行う工程(工程A)と、アルキル化剤で修飾した揮発性低分子硫黄化合物を液体クロマトグラフィー質量分析法により分析し、揮発性低分子硫黄化合物を定量する工程(工程B)を行うことができる。
本実施形態の硫黄化合物含有物質の評価方法では、揮発性低分子硫黄化合物であるオフフレーバー化合物に加えて、グルタチオンおよびその誘導体を含む硫黄化合物と、エルゴチオネイン代謝関連化合物を含む硫黄代謝関連化合物とを定量することが望ましい。
硫黄化合物は20種以上、硫黄代謝関連化合物は18種以上であってもよい。
硫黄化合物は、アルキル化剤で修飾することができ、かつ、アルキル化剤で修飾した後に液体クロマトグラフィー質量分析法により分析可能であれば、特に限定されない。
アルキル化剤としては、5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)、2,6−ジクロロフェノールインドフェノール、p−クロロメルクリ安息香酸、ヨードアセトアミド、N−エチルマレイミドおよびモノブロモビマン(mBBr)からなる群から選ばれる1種以上の化合物であることが好ましい。これらのアルキル化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ここで、モノブロモビマン(mBBr)は、下記式(1)で表わされる。以下、モノブロモビマンを「mBBr」と略すことがある。
Figure 0006426329
硫黄化合物として、亜硫酸イオン、チオ硫酸イオン、硫化物イオン、グルタチオン、グルタチオンモノスルフィド、グルタチオンジスルフィド、グルタチオントリスルフィド、グルタチオンテトラスルフィド、酸化型グルタチオン、酸化型グルタチオンモノスルフィド、酸化型グルタチオンジスルフィド、酸化型グルタチオントリスルフィド、酸化型グルタチオンテトラスルフィド、システイン、システインモノスルフィド、メチオニン、2−フルフリルチオール、ベンジルメルカプタン、4−メルカプト−4−メチル−ペンタン−2−オンおよび酢酸2−メルカプトエチルを含むことが好ましい。これらの硫黄化合物の定量値は、被検物質の酸化還元度を評価するための要素となる。
硫黄代謝関連化合物は、上記のアルキル化剤で修飾することができ、かつ、アルキル化剤で修飾した後に液体クロマトグラフィー質量分析法により分析可能であれば、特に限定されないが、シスチン、シスタチオニン、S−アデノシルメチオニン、ホモシステイン、S−スルホシステイン、O−ホスホセリン、O−アセチルセリン、N−アセチルセリン、O−スクシニルホモセリン、アデノシン5’−ホスホスルフェート、ランチオニン、3’−ホスホアデノシン−5’−スルフェート、3’−ホスホアデノシン−5’−ホスホスルフェート、エルゴチオネイン、ヘルシニン、5−グルタミルシステイン、S−ヘルシニル−システインスルホキシドおよび5−グルタミル−S−ヘルシニル−システインスルホキシドを含むことが好ましい。これらの硫黄代謝関連化合物の定量値は、被検物質の微生物代謝の寄与を評価するための要素となる。
本実施形態の硫黄化合物含有物質の評価方法では、予め被検物質毎に、複数の硫黄化合物および複数の硫黄代謝関連化合物の定量値を用意しておく。
被検物質に含まれる硫黄化合物および硫黄代謝関連化合物を予め定量する方法としては、例えば、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC−MS/MS)、ガスクロマトグラフィー質量分析法(Gas Chromatography−Mass Spectrometry、GC−MS)、ガスクロマトグラフィー質量分析法(Gas Chromatography−tandem Mass Spectrometry、GC−MS/MS)、キャピラリー電気泳動−質量分析法(Capillary Electrophoresis−Mass Spectrometry、CE−MS)等が挙げられる。これらの中でも、後述するオフフレーバー化合物の定量値と関連付けやすい点から、液体クロマトグラフィー質量分析法を用いることが好ましい。なお、液体クロマトグラフィー質量分析法以外の方法で得られた定量値は、液体クロマトグラフィー質量分析法で得られた定量値と関連付けることができる。
本実施形態の硫黄化合物含有物質の評価方法では、予め被検物質毎に用意した、複数の硫黄化合物および複数の硫黄代謝関連化合物の定量値を含む被検物質の分析値を多次元尺度法により解析して、二次元または三次元の散布図を作成する。そして、その散布図上の位置に基づいて、被検物質の酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気を評価する。
ここで、散布図の尺度(各軸のパラメータ)としては、酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能(微生物の働き)または匂い若しくは臭気から選択することが可能であるが、これらの尺度に限定されるものではない。
本実施形態の硫黄化合物含有物質の評価方法では、多次元尺度法による解析により、二次元または三次元の散布図を作成する。散布図としては、例えば、図1や図2に示す二次元の散布図が得られる。
本実施形態の硫黄化合物含有物質の評価方法では、多次元尺度法による解析は、統計分析フリーソフト「R」のパッケージの1つである多次元尺度法(Vegan)を用いて行われる。
図1は、被検物質として、市販のワイン69種類について、多次元尺度法により解析した結果を示す散布図である。図2は、上記の硫黄化合物および硫黄代謝関連化合物について、多次元尺度法により解析した結果を示す散布図である。なお、図2において、「ラベル化」と記載されているものは、上記のアルキル化剤で修飾された硫黄化合物または硫黄代謝関連化合物を示す。
図1と図2を比較することにより、図1の散布図における被検物質の酸化還元状態を評価することができる。すなわち、図2に示すそれぞれの硫黄化合物および硫黄代謝関連化合物は、酸化状態にあるものであるか、あるいは、還元状態にあるものであるのかが知られている。したがって、それらの硫黄化合物および硫黄代謝関連化合物の散布図上における位置と、被検物質の散布図上における位置とを比較することにより、被検物質の酸化還元状態を評価することができる。図2において、例えば、還元状態の化合物(亜硫酸イオン、グルタチオン等)がx軸の0を基準として右側の領域に位置しているため、その右側の領域が還元状態であることを示すと定義する。また、図2において、例えば、酸化型の化合物(酸化型グルタチオン等)がx軸の0を基準として左側の領域に位置しているため、その左側の領域が酸化状態であることを示すと定義する。さらに、図2において、例えば、エルゴチオネインがy軸の0を基準として上側の領域に位置しているため、その上側の領域が微生物代謝の寄与が高いことを示すと定義する。エルゴチオネインは、含硫アミノ酸の一種であり、一部の微生物でのみ生合成されることが知られる。したがって、エルゴチオネインを多く含む被検物質は、微生物代謝の寄与が高いことを示す。
また、図1および図2には示されていないが、例えば、x軸およびy軸に直交するz軸の0を基準として上側(紙面の表側)の領域に位置する化合物は臭気が強い状態にあると定義し、x軸およびy軸に直交するz軸の0を基準として下側(紙面の裏側)の領域に位置する化合物は臭気が弱い状態にあると定義してもよい。例えば、2−フルフリルチオールがz軸の0を基準として上側の領域に位置している場合、その上側の領域がコーヒー様の香りが強いことを示すと定義する。
このようにすれば、散布図上の位置に基づいて、被検物質の酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気を評価することができる。
本実施形態の硫黄化合物含有物質の評価方法では、被検物質の酸化還元状態と匂いについて評価した結果を二次元の散布図で示してもよい。また、本実施形態の硫黄化合物含有物質の評価方法では、被検物質の微生物代謝の寄与と匂いについて評価した結果を二次元の散布図で示してもよい。さらに、本実施形態の硫黄化合物含有物質の評価方法では、被検物質の酸化還元状態、抗酸化能または臭気若しくは匂いについて評価した結果を三次元の散布図で示してもよい。
また、本実施形態の硫黄化合物含有物質の評価方法では、液体クロマトグラフィー質量分析法により定量した、チオール基を有する硫黄化合物および硫黄化合物のポリスルフィドの定量値を含む被検物質の分析値を多次元尺度法により解析して、その解析の結果から、チオール基を有する硫黄化合物および硫黄化合物のポリスルフィドの種類や定量値に基づいて、被検物質の酸化還元状態を評価することもできる。
例えば、mBBrで修飾されたグルタチオン、グルタチオンモノスルフィド、グルタチオンジスルフィド、グルタチオントリスルフィドおよびグルタチオンテトラスルフィドは、液体クロマトグラフィー質量分析法により定量すると、図3に示すように、この順に序列を形成する。
下記式(2)はmBBrで修飾されたグルタチオン(GS−bimane)を示し、下記式(3)はmBBrで修飾されたグルタチオンモノスルフィド(GS−S−bimane)を示し、下記式(4)はmBBrで修飾されたグルタチオンジスルフィド(GS−S−bimane)を示し、下記式(5)はmBBrで修飾されたグルタチオントリスルフィド(GS−S−bimane)を示し、下記式(6)はmBBrで修飾されたグルタチオンテトラスルフィド(GS−S−bimane)を示す。
Figure 0006426329
Figure 0006426329
Figure 0006426329
Figure 0006426329
Figure 0006426329
GS−bimane、GS−S−bimane、GS−S−bimane、GS−S−bimaneおよびGS−S−bimaneも、この順に序列を形成する。この序列は、被検物質の酸化還元状態を示し、GS−bimaneの定量値が多い場合には、被検物質の酸化度が低いと判断する。一方、GS−S−bimaneの定量値が多い場合には、被検物質の酸化度が高いと判断する。
食品等は時間の経過に伴って酸化度が進行することから、食品等の被検物質の酸化還元状態、すなわち、酸化度を評価することにより、被検物質の鮮度を評価することができる。
また、ビール、ワイン、日本酒等の醸造により造られるものは、発酵が進行することにより、旨味が増すことから、微生物代謝の寄与を評価することにより、被検物質の旨味を評価することができる。
本実施形態の硫黄化合物含有物質の評価方法によれば、予め被検物質毎に用意した、複数の硫黄化合物および複数の硫黄代謝関連化合物の定量値を含む被検物質の分析値を多次元尺度法により解析して、二次元または三次元の散布図を作成することにより、被検物質の酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気を評価することができる。
[揮発性低分子硫黄化合物の定量方法]
炭素循環や窒素循環があるように、硫黄にも循環がある。硫黄の代謝は、生物によって得手不得手がはっきりしている。特に無機硫黄化合物を有機硫黄化合物に変換する「同化」を得意としているのは限られた微生物のみである。多くの微生物や植物(農作物)は、硫黄化合物の同化が苦手であり、人を含む動物は硫黄化合物を同化する能力を有しない。つまり、硫黄化合物を網羅的に分析することによって、人から農作物まで、どのようなものを摂取し、どのような環境で育ったのかという、生活環境や生育環境を推測することができる。
本発明者等は、上記のような知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
本実施形態の揮発性低分子硫黄化合物の定量方法は、揮発性低分子硫黄化合物をアルキル化剤で修飾する前処理を行う工程(以下、「工程A」と言う。)と、前記修飾した揮発性低分子硫黄化合物を液体クロマトグラフィー質量分析法により分析し、前記揮発性低分子硫黄化合物を定量する工程(以下、「工程B」と言う。)と、を備える。
本実施形態の揮発性低分子硫黄化合物の定量方法では、下記のような被検物質に含まれる揮発性低分子硫黄化合物を定量する。
本実施形態の揮発性低分子硫黄化合物の定量方法における被検物質としては、特に限定されず、例えば、土壌、水、食品、飲料、生体試料等が挙げられる。
食品としては、例えば、肉類;魚介類;卵類;牛乳;穀物、豆類、芋類、野菜類、果実類等の農作物等が挙げられる。
飲料としては、例えば、ビール、ワイン、日本酒等の醸造により造られるもの、清涼飲料水等が挙げられる。
生体試料としては、例えば、血液、唾液、糞便等が挙げられる。
本実施形態の揮発性低分子硫黄化合物の定量方法における揮発性低分子硫黄化合物は、分子量が低く、蒸発しやすい性質を有する液体である。
また、本実施形態の揮発性低分子硫黄化合物の定量方法における揮発性低分子硫黄化合物は、重量平均分子量(Mw)が50以上300以下である。
本実施形態の揮発性低分子硫黄化合物の定量方法における揮発性低分子硫黄化合物は、食品成分自身の化学変化や、外部からの物質の混入によって食品の品質が劣化して二次的に生じる異臭、変質臭、悪変臭等のオフフレーバーの原因となる化合物(以下、「オフフレーバー化合物」と言う。)を含む。
このようなオフフレーバー化合物(揮発性低分子硫黄化合物)は、2−フルフリルチオール、ベンジルメルカプタン、4−メルカプト−4−メチルペンタン−2−オンおよび酢酸2−メルカプトエチルからなる群から選ばれる1種以上の化合物である。すなわち、オフフレーバー化合物は、上記の試料に2種以上含まれることがある。
本実施形態の揮発性低分子硫黄化合物の定量方法では、工程Aにおいて、上記の揮発性低分子硫黄化合物をアルキル化剤で修飾する前処理を行う。
工程Aにおける前処理とは、後段の工程Bにおいて、液体クロマトグラフィー質量分析法(Liquid Chromatography−tandem Mass Spectrometry、LC−MS/MS)により分析可能となるように、揮発性低分子硫黄化合物をアルキル化剤で修飾する処理である。
液体クロマトグラフィー質量分析法を行う液体クロマトグラフィー質量分析装置は、成分分離(LC)部と、第1の質量分析(MS)部と、第2の質量分析(MS)部とを有する。液体クロマトグラフィー質量分析法は、被検物質を成分分離(LC)部にて、親和性の差によって成分毎に分離した後、第1の質量分析部にて、特定の質量の成分のみをさらに解離・フラグメント化し、第2の質量分析部にて、特定のイオンを検出(定量)する分析方法である。
上記のような揮発性低分子硫黄化合物は、分子量が低過ぎるため、そのままでは液体クロマトグラフィー質量分析法で定量することが難しい。そこで、本実施形態の揮発性低分子硫黄化合物の定量方法では、工程Aにおいて、揮発性低分子硫黄化合物とアルキル化剤とを反応させ、揮発性低分子硫黄化合物をアルキル化剤で修飾し、定量可能な分子量を有する、アルキル化剤で修飾された揮発性低分子硫黄化合物を生成する。
工程Aでは、以下のようにして、まず、被検物質に含まれる揮発性低分子硫黄化合物を抽出する。
例えば、被検物質に抽出液を加えて、被検物質と抽出液を充分に混合した後、その混合物を遠心分離し、上澄み液を回収する。これにより、揮発性低分子硫黄化合物を抽出する。
採取する被検物質の量は、0.001μg以上10μg以下であることが好ましく、0.01μg以上0.1μg以下であることがより好ましい。
抽出液としては、超純水で希釈した終濃度0.1μM以上100μM以下のD−しょうのう−10−スルホン酸ナトリウムと、終濃度99%(w/w)のメタノールとを含むものが用いられる。
抽出液の添加量は、50μL以上1000μL以下であることが好ましく、100μL以上500μL以下であることがより好ましい。
遠心分離において、回転数は、10000rpm以上15000rpm以下であることが好ましく、13000rpm以上15000rpm以下であることがより好ましい。
遠心分離において、温度は、1℃以上10℃以下であることが好ましく、4℃以上5℃以下であることがより好ましい。
遠心分離は、上記の回転数および温度で、1分以上10分以下行うことが好ましく、3分以上5分以下行うことがより好ましい。
次いで、回収した上澄み液に、トリス−塩酸緩衝液を加え、さらにアルキル化剤を加えて、これらの混合物を撹拌し、揮発性低分子硫黄化合物をアルキル化剤で修飾する。
アルキル化剤としては、5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)、2,6−ジクロロフェノールインドフェノール、p−クロロメルクリ安息香酸、ヨードアセトアミド、N−エチルマレイミドおよびモノブロモビマンからなる群から選ばれる1種以上の化合物であることが好ましい。これらのアルキル化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)は、チオール基と反応するため、チオール基含有化合物の定量(検出)に好適に用いられる。
2,6−ジクロロフェノールインドフェノールは、チオール基と反応するため、チオール基含有化合物の定量(検出)に好適に用いられる。
p−クロロメルクリ安息香酸は、チオール基と反応するため、チオール基含有化合物の定量(検出)に好適に用いられる。
ヨードアセトアミドは、チオール基と反応するため、チオール基含有化合物の定量(検出)に好適に用いられる。
N−エチルマレイミドは、チオール基と反応するため、チオール基含有化合物の定量(検出)に好適に用いられる。
モノブロモビマン(Monobromobiman、3−(ブロモメチル)−2,5,6−トリメチルピラゾロ[1,2−a]ピラゾール−1,7−ジオン)は、硫化物イオン(S2−)およびチオール基と反応するため、チオール基を有する硫黄化合物と硫黄化合物のポリスルフィドの定量(検出)に好適に用いられる。
上澄み液の量は、50μL以上100μL以下であることが好ましく、60μL以上90μL以下であることがより好ましい。
トリス−塩酸緩衝液の濃度は、1M以上2M以下であることが好ましく、1.5M以上2M以下であることより好ましい。
トリス−塩酸緩衝液のpHは、8以上9以下であることが好ましく、8.7以上8.9以下であることより好ましい。
アルキル化剤の添加量は、1μL以上20μL以下であることが好ましく、5μL以上10μL以下であることがより好ましい。
工程Aでは、さらに、工程Bにおいて、液体クロマトグラフィー質量分析法で定量可能となるように、アルキル化剤で修飾された揮発性低分子硫黄化合物について、以下のような処理を行う。
アルキル化剤で修飾された揮発性低分子硫黄化合物を含む混合物を遠心分離し、上澄み液を回収する。
遠心分離において、回転数は、10000rpm以上15000rpm以下であることが好ましく、13000rpm以上15000rpm以下であることがより好ましい。
遠心分離において、温度は、1℃以上10℃以下であることが好ましく、4℃以上5℃以下であることがより好ましい。
遠心分離は、上記の回転数および温度で、1分以上10分以下行うことが好ましく、3分以上5分以下行うことがより好ましい。
次いで、遠心分離後の上澄み液を回収し、遠心型エバポレーターで乾燥処理し、上澄み液を乾固させる。
次いで、乾固した上澄み液に超純水を加えて再懸濁させて、懸濁液を調製する。
上澄み液の量は、50μL以上100μL以下であることが好ましく、60μL以上90μL以下であることがより好ましい。
遠心型エバポレーターによる乾燥処理は、2時間以上48時間以下であることが好ましく、12時間以上16時間以下であることがより好ましい。
乾固した上澄み液に加える超純水の量は、10μL以上100μL以下であることが好ましく、30μL以上60μL以下であることがより好ましい。
次いで、懸濁液を遠心分離し、上澄み液を回収する。
遠心分離において、回転数は、10000rpm以上15000rpm以下であることが好ましく、13000rpm以上15000rpm以下であることがより好ましい。
遠心分離において、温度は、1℃以上10℃以下であることが好ましく、4℃以上5℃以下であることがより好ましい。
遠心分離は、上記の回転数および温度で、1分以上10分以下行うことが好ましく、3分以上5分以下行うことがより好ましい。
本実施形態の揮発性低分子硫黄化合物の定量方法では、工程Bにおいて、修飾した揮発性低分子硫黄化合物を液体クロマトグラフィー質量分析法により分析し、揮発性低分子硫黄化合物を定量する。すなわち、工程Bでは、懸濁液を遠心分離して得た上澄み液の一部を液体クロマトグラフィー質量分析法により分析し、上澄み液に含まれる揮発性低分子硫黄化合物を定量する。
工程Bでは、懸濁液を遠心分離して得た上澄み液のうち一部をサンプルカップに移す。
サンプルカップに移す上澄み液の量は、30μL以上100μL以下であることが好ましく、40μL以上60μL以下であることがより好ましい。
また、液体クロマトグラフィー質量分析法による定量に用いられる上澄み液の量は、1μL以上10μL以下であることが好ましく、3μL以上5μL以下であることがより好ましい。
本実施形態の揮発性低分子硫黄化合物の定量方法によれば、液体クロマトグラフィー質量分析により、揮発性低分子硫黄化合物を定量することにより、被検物質から抽出した抽出物の構成を明らかにすることができる。これにより、被検物質の傷み具合の進行度を評価することができる。例えば、揮発性低分子硫黄化合物のうち、2−フルフリルチオールの量が多く検出された場合には、被検物質は、コーヒー様の香りを含む状態であると言える。ベンジルメルカプタンの量が多く検出された場合には、被検物質は、ロースト様の香りを含む状態であると言える。4−メルカプト−4−メチルペンタン−2−オンの量が多く検出された場合には、被検物質は、ワイン様の香りを含む状態であると言える。酢酸2−メルカプトエチルの量が多く検出された場合には、被検物質は、ゴム様の香りを含む状態であると言える。
以下、実験例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実験例に限定されるものではない。
[実験例1]
被検物質として、市販の69種類のワインを用意した。
これらのワインに含まれる揮発性低分子硫黄化合物をアルキル化剤で修飾した後、液体クロマトグラフィー質量分析法により分析し、ワインに含まれる揮発性低分子硫黄化合物を定量した。
ワインを0.5mL採取し、そのワインに抽出液0.5mL(超純水で希釈した終濃度500μMのD−しょうのう−10−スルホン酸ナトリウム5μL、終濃度99%(w/w)のメタノール495μL)を加えて、ワインと抽出液を充分に混合した後、これを15000rpm、4℃、3分の条件で遠心分離し、上澄み液を回収した。
次いで、回収した上澄み液100μLに、2Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.8)を10μL加え、さらに、20mMモノブロモビマンを10μL加えて、10分間の撹拌操作を行い、15000rpm、4℃、3分の条件で遠心分離し、上澄み液を回収した。
次いで、回収した上澄み液87μLを、遠心型エバポレーターで2時間程度乾燥処理し、上澄み液を乾固させた。
次いで、乾固した上澄み液に超純水60μLを加えて再懸濁させた後、15000rpm、4℃、3分の条件で遠心分離し、得られた上澄み液50μLをサンプルカップへ移し、そのうちの5μLを用いて液体クロマトグラフィー質量分析を行い、揮発性低分子硫黄化合物を定量した。
液体クロマトグラフィー質量分析には、液体クロマトグラフィー質量分析装置(型式名:LC<S−8030、島津製作所社製)を用いた。カラムとしては、Waters社製のACQUITY(登録商標) UPLC CSH C18、1.7μmを用いた。
移動相としては、0.1%ギ酸を含むアセトニトリルを用いた。
測定時間を20分とした。
液体クロマトグラフィー質量分析によって得られた、被検物質毎の硫黄化合物および硫黄代謝関連化合物の定量値(分析値)と、予め用意しておいた硫黄化合物および硫黄代謝関連化合物の定量値とを、統計分析フリーソフト「R」の多次元尺度法(Vegan)により解析して、図1に示すような二次元の散布図を作成した。
なお、本実験例では、予め被検物質毎に、硫黄化合物として、亜硫酸イオン、チオ硫酸イオン、硫化物イオン、グルタチオン、グルタチオンモノスルフィド、グルタチオンジスルフィド、グルタチオントリスルフィド、グルタチオンテトラスルフィド、酸化型グルタチオン、酸化型グルタチオンモノスルフィド、酸化型グルタチオンジスルフィド、酸化型グルタチオントリスルフィド、酸化型グルタチオンテトラスルフィド、システイン、システインモノスルフィド、メチオニン、2−フルフリルチオール、ベンジルメルカプタン、4−メルカプト−4−メチル−ペンタン−2−オンおよび酢酸2−メルカプトエチルの定量値を用意(分析)し、データベースに登録しておいた。
また、本実験例では、予め被検物質毎に、硫黄代謝関連化合物として、シスチン、シスタチオニン、S−アデノシルメチオニン、ホモシステイン、S−スルホシステイン、O−ホスホセリン、O−アセチルセリン、N−アセチルセリン、O−スクシニルホモセリン、アデノシン5’−ホスホスルフェート、ランチオニン、3’−ホスホアデノシン−5’−スルフェート、3’−ホスホアデノシン−5’−ホスホスルフェート、エルゴチオネイン、ヘルシニン、5−グルタミルシステイン、S−ヘルシニル−システインスルホキシドおよび5−グルタミル−S−ヘルシニル−システインスルホキシドの定量値を用意(分析)し、データベースに登録しておいた。
図1において、大きい点は酸化防止剤が無添加のワインを示し、小さい点は酸化防止剤が添加されているワインを示す。図1の結果から、酸化防止剤が無添加のワインは、酸化度が高いことから、酸化されやすいことが分かった。一方、酸化防止剤が添加されているワインは、還元度が高いことから、酸化され難いことが分かった。また、酸化防止剤が無添加のワインおよび酸化防止剤が添加されているワイン共に、微生物代謝の寄与が高いものと低いものがあることが分かった。そこで、より美味しいとされるワインを選択するためには、図1において、酸化度が低く(還元度が高く)かつ微生物代謝の寄与が高いワインを選択すればよいことが分かった。図1において、x軸の0を基準として右側かつy軸の0を基準として上側の領域にあるワインがより美味しいワインであると評価することができる。
[実験例2]
被検物質として、複数の微生物をそれぞれ培養した後の培養液を用意した。
これらの培養液に含まれる揮発性低分子硫黄化合物をアルキル化剤で修飾した後、液体クロマトグラフィー質量分析法により分析し、培養液に含まれる揮発性低分子硫黄化合物を実験例1と同様の手法にて定量した。
液体クロマトグラフィー質量分析によって得られた、被検物質毎の硫黄化合物および硫黄代謝関連化合物の定量値(分析値)と、予め用意しておいた硫黄化合物および硫黄代謝関連化合物の定量値とを、統計分析フリーソフト「R」の多次元尺度法(Vegan)により解析して、図4に示すような三次元の散布図を作成した。具体的には、酸化還元度(鮮度)、抗酸化能、臭気の3つの尺度をx軸、y軸、z軸として選択することで、三次元の散布図を作成した。
なお、本実験例では、予め被検物質毎に、硫黄化合物として、亜硫酸イオン、チオ硫酸イオン、硫化物イオン、グルタチオン、グルタチオンモノスルフィド、グルタチオンジスルフィド、グルタチオントリスルフィド、グルタチオンテトラスルフィド、酸化型グルタチオン、酸化型グルタチオンモノスルフィド、酸化型グルタチオンジスルフィド、酸化型グルタチオントリスルフィド、酸化型グルタチオンテトラスルフィド、システイン、システインモノスルフィド、メチオニン、2−フルフリルチオール、ベンジルメルカプタン、4−メルカプト−4−メチル−ペンタン−2−オンおよび酢酸2−メルカプトエチルの定量値を用意(分析)し、データベースに登録しておいた。
また、本実験例では、予め被検物質毎に、硫黄代謝関連化合物として、シスチン、シスタチオニン、S−アデノシルメチオニン、ホモシステイン、S−スルホシステイン、O−ホスホセリン、O−アセチルセリン、N−アセチルセリン、O−スクシニルホモセリン、アデノシン5’−ホスホスルフェート、ランチオニン、3’−ホスホアデノシン−5’−スルフェート、3’−ホスホアデノシン−5’−ホスホスルフェート、エルゴチオネイン、ヘルシニン、5−グルタミルシステイン、S−ヘルシニル−システインスルホキシドおよび5−グルタミル−S−ヘルシニル−システインスルホキシドの定量値を用意(分析)し、データベースに登録しておいた。
図4において、A1〜A3は枯草菌の培養液を示し、B1〜B8は大腸菌の培養液を示し、C1〜C5は放線菌の培養液を示し、Dは乳酸菌の培養液を示す。図4の結果から、多次元尺度法において、硫黄化合物は、筋がよく、第一主成分と第二主成分の軸が決まることがわかった。したがって、硫黄化合物は、腸内フローラ(腸内細菌叢)、土壌フローラや農作物・食品における微生物叢の働きや、鮮度を表す新しい指標、評価系となることがわかった。
[実験例3]
被検物質として、市販のワインを用意した。これらのワインに含まれる揮発性低分子硫黄化合物をアルキル化剤で修飾した後、液体クロマトグラフィー質量分析法により分析し、ワインに含まれる揮発性低分子硫黄化合物を実験例1と同様の手法にて定量した。
図5の結果から、水平(X軸)方向は、測定したワインの酸化度が低い(亜硫酸・チオ硫酸・硫化物イオンが多い)ほど右から順に、垂直(Y軸)方向は、微生物が産生するエルゴチオネインの量(微生物の働き)が多いほど上から順に並ぶことが分かった。
また、図6の結果から、図5のデータにグルコースを含めて多次元尺度法を行うと全く異なる結果となり、垂直(Y軸)方向は、甘さで区別されることが分かった。
[実験例4]
被検物質として、市販のビール類20種類を用意した。9種類のビール、7種類の発泡酒、4種類のノンアルコールビールを用い、ポリスルフィド化する化合物のみを用いた多変量解析を行った。具体的には、揮発性低分子硫黄化合物をアルキル化剤で修飾した後、液体クロマトグラフィー質量分析法により分析し、ビール類に含まれる揮発性低分子硫黄化合物を実験例1と同様の手法にて定量した。
図7の結果から、水平(X軸)方向は、測定したビール類の酸化度が低い(亜硫酸・チオ硫酸・硫化物イオンが多い)ほど右から順に、垂直(Y軸)方向は、微生物が産生するエルゴチオネインの量(微生物の働き)が多いほど上から順に並ぶことが分かった。図7に示すように、散布図を4つの領域に区別すると、左上の実線で囲む領域にビールが位置し、左下の一点鎖線で囲む領域に発泡酒が位置し、右側(右上及び右下)の点線で囲む領域にノンアルコールビールが位置することがわかった。この結果より、ビール、発泡酒、ノンアルコールビールという種類の異なる飲料が本評価方法を用いてそれぞれ区別できることが分かった。
また、9種類のビールに関する図8の結果から、垂直(Y軸)方向において、高価なビールが安価なビールよりも上方に並ぶことがわかった。言い換えると微生物代謝の寄与が高いビールは品質の良いビールであり、図8の17番のビールは安価なビールの中でも微生物代謝の寄与が高く、コストパフォーマンスの高いビールであることがわかる。ビールの開発者にとっては、本評価手法を用いることで良質なビールを生産する客観的指標を得ることができる。

Claims (7)

  1. 複数の被検物質を評価する硫黄化合物含有物質の評価方法であって、
    被検物質毎に、複数の硫黄化合物および複数の硫黄代謝関連化合物の定量値を用意する工程と、
    前記定量値を含む前記被検物質の分析値を多次元尺度法により解析して、酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気から選択される2種以上を尺度とする散布図を作成する工程と、
    前記散布図上の位置に基づいて、前記被検物質の酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気を評価する工程と、を行い、
    前記硫黄化合物がグルタチオンおよびその誘導体を含むものであり、前記硫黄代謝関連化合物がエルゴチオネイン代謝関連化合物を含むものであることを特徴とする硫黄化合物含有物質の評価方法。
  2. 複数の被検物質を評価する硫黄化合物含有物質の評価方法であって、
    被検物質毎に、複数の硫黄化合物および複数の硫黄代謝関連化合物の定量値を用意する工程と、
    前記定量値を含む前記被検物質の分析値を多次元尺度法により解析して、酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気から選択される2種以上を尺度とする散布図を作成する工程と、
    前記散布図上の位置に基づいて、前記被検物質の酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気を評価する工程と、を行い、
    前記硫黄化合物が少なくとも20種であり、前記硫黄代謝関連化合物が少なくとも18種であることを特徴とする硫黄化合物含有物質の評価方法。
  3. 複数の被検物質を評価する硫黄化合物含有物質の評価方法であって、
    被検物質毎に、複数の硫黄化合物および複数の硫黄代謝関連化合物の定量値を用意する工程と、
    前記定量値を含む前記被検物質の分析値を多次元尺度法により解析して、酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気から選択される2種以上を尺度とする散布図を作成する工程と、
    前記散布図上の位置に基づいて、前記被検物質の酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気を評価する工程と、を行い、
    前記硫黄化合物が亜硫酸イオン、チオ硫酸イオン、硫化物イオン、グルタチオン、グルタチオンモノスルフィド、グルタチオンジスルフィド、グルタチオントリスルフィド、グルタチオンテトラスルフィド、酸化型グルタチオン、酸化型グルタチオンモノスルフィド、酸化型グルタチオンジスルフィド、酸化型グルタチオントリスルフィド、酸化型グルタチオンテトラスルフィド、システイン、システインモノスルフィド、メチオニン、2−フルフリルチオール、ベンジルメルカプタン、4−メルカプト−4−メチル−ペンタン−2−オンおよび酢酸2−メルカプトエチルを含み、
    前記硫黄代謝関連化合物がシスチン、シスタチオニン、S−アデノシルメチオニン、ホモシステイン、S−スルホシステイン、O−ホスホセリン、O−アセチルセリン、N−アセチルセリン、O−スクシニルホモセリン、アデノシン5’−ホスホスルフェート、ランチオニン、3’−ホスホアデノシン−5’−スルフェート、3’−ホスホアデノシン−5’−ホスホスルフェート、エルゴチオネイン、ヘルシニン、5−グルタミルシステイン、S−ヘルシニル−システインスルホキシドおよび5−グルタミル−S−ヘルシニル−システインスルホキシドを含むことを特徴とする硫黄化合物含有物質の評価方法。
  4. 前記散布図が、酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気から選択される2種を尺度とする二次元の散布図であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の硫黄化合物含有物質の評価方法。
  5. 前記散布図が、酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気から選択される3種を尺度とする三次元の散布図であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の硫黄化合物含有物質の評価方法。
  6. 複数の被検物質を評価する硫黄化合物含有物質の評価方法であって、
    被検物質毎に、複数の硫黄化合物および複数の硫黄代謝関連化合物の定量値を用意する工程と、
    前記定量値を含む前記被検物質の分析値を多次元尺度法により解析して、酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気から選択される2種以上を尺度とする散布図を作成する工程と、
    前記散布図上の位置に基づいて、前記被検物質の酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気を評価する工程と、を行い、
    前記定量値を用意する工程は、
    揮発性低分子硫黄化合物をアルキル化剤で修飾する前処理を行う工程と、
    前記修飾した揮発性低分子硫黄化合物を液体クロマトグラフィー質量分析法により分析し、前記揮発性低分子硫黄化合物を定量する工程と、を備える揮発性低分子硫黄化合物の定量方法を行い、
    前記アルキル化剤が、5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)、2,6−ジクロロフェノールインドフェノール、p−クロロメルクリ安息香酸、ヨードアセトアミド、N−エチルマレイミドおよびモノブロモビマンからなる群から選ばれる1種以上の化合物であることを特徴とする硫黄化合物含有物質の評価方法。
  7. 複数の被検物質を評価する硫黄化合物含有物質の評価方法であって、
    被検物質毎に、複数の硫黄化合物および複数の硫黄代謝関連化合物の定量値を用意する工程と、
    前記定量値を含む前記被検物質の分析値を多次元尺度法により解析して、酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気から選択される2種以上を尺度とする散布図を作成する工程と、
    前記散布図上の位置に基づいて、前記被検物質の酸化還元度、微生物代謝の寄与、抗酸化能または匂い若しくは臭気を評価する工程と、を行い、
    前記定量値を用意する工程は、
    揮発性低分子硫黄化合物をアルキル化剤で修飾する前処理を行う工程と、
    前記修飾した揮発性低分子硫黄化合物を液体クロマトグラフィー質量分析法により分析し、前記揮発性低分子硫黄化合物を定量する工程と、を備える揮発性低分子硫黄化合物の定量方法を行い、
    前記揮発性低分子硫黄化合物が、2−フルフリルチオール、ベンジルメルカプタン、4−メルカプト−4−メチルペンタン−2−オンおよび酢酸2−メルカプトエチルからなる群から選ばれる1種以上の化合物であることを特徴とする硫黄化合物含有物質の評価方法。
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