以下、添付図面に従って本開示の技術に係る実施形態の一例について説明する。なお、本実施形態では、説明の便宜上、測距装置から計測対象となる被写体までの距離を単に「距離」とも称する。また、本実施形態では、被写体に対する画角(被写体を示す被写体像の画角)を単に「画角」とも称する。
[第1実施形態]
一例として図1に示すように、本第1実施形態に係る測距装置10Aは、測距ユニット12及び撮像装置14を備えている。なお、本実施形態では、測距ユニット12及び後述の測距制御部68(図5参照)が本開示の技術に係る計測部の一例であり、撮像装置14が本開示の技術に係る撮像部の一例である。
撮像装置14は、レンズユニット16及び撮像装置本体18を備えており、レンズユニット16は、撮像装置本体18に対して着脱自在に取り付けられる。
撮像装置本体18の上面にはホットシュー(Hot Shoe)20が設けられており、測距ユニット12は、ホットシュー20に対して着脱自在に取り付けられる。
測距装置10Aは、測距ユニット12に対して測距用のレーザ光を射出させて測距を行う測距系機能と、撮像装置14に対して被写体を撮像させて撮像画像を得る撮像系機能とを備えている。なお、以下では、撮像系機能を働かせることで撮像装置14により被写体が撮像されて得られた撮像画像を、単に「画像」又は「撮像画像」と称する。
測距ユニット12は、上段測距ユニット11及び下段測距ユニット13を有しており、上段測距ユニット11は下段測距ユニット13の上面に重ねられて配置されている。なお、上段測距ユニット11及び下段測距ユニット13の各々は、本開示の技術に係る「組」の一例である。
上段測距ユニット11は、平面視中央部を回転軸として下段測距ユニット13に対して回転自在に取り付けられており、下段測距ユニット13は、平面視中央部を回転軸としてホットシュー20の平面視中央部に対して回転自在に取り付けられている。
なお、以下では、説明の便宜上、上段測距ユニット11及び下段測距ユニット13を区別して説明する必要がない場合、符号を付さずに「単位段測距ユニット」と称する。
測距装置10Aは、測距系機能を働かせることで、1回の指示に応じて上段測距ユニット11及び下段測距ユニット13の各々について1回の計測シーケンス(図7参照)を行う。測距装置10Aは、上段測距ユニット11を用いて1回の計測シーケンスを行うことで最終的に1つの距離を出力し、下段測距ユニット13を用いて1回の計測シーケンスを行うことで最終的に1つの距離を出力する。
なお、本実施形態では、ユーザの指示に応じて、測距系機能を働かせて本計測及び仮計測が選択的に行われる。本計測とは、測距系機能を働かせて計測された距離が本採用される計測を意味し、仮計測とは、本計測の精度を高めるための準備段階で行われる計測を意味する。
測距装置10Aは、撮像系機能の動作モードとして、静止画撮像モードと動画撮像モードとを有する。静止画撮像モードは、静止画像を撮像する動作モードであり、動画撮像モードは、動画像を撮像する動作モードである。静止画撮像モード及び動画撮像モードは、ユーザの指示に応じて選択的に設定される。
なお、本実施形態では、ユーザの指示に応じて、撮像系機能を働かせて本撮像及び仮撮像が選択的に行われる。本撮像は、本計測と同期して行われる撮像であり、仮撮像は、仮計測と同期して行われる撮像である。以下では、説明の便宜上、本撮像が行われて得られた画像を本撮像画像又は本画像とも称し、仮撮像が行われて得られた画像を仮撮像画像又は仮画像とも称する。また、以下では、説明の便宜上、本撮像画像と仮撮像画像とを区別して説明する必要がない場合、「画像」又は「撮像画像」と称する。
測距装置10Aは、測距系機能の動作モードとして、距離導出モードと寸法導出モードとを有する。距離導出モードは、測距装置10Aが距離を計測する動作モードである。寸法導出モードは、測距装置10Aにより計測された距離に基づいて、ユーザによって指定された実空間領域の寸法を、後述の寸法導出機能を働かせて導出する動作モードである。
なお、以下では、説明の便宜上、実空間領域の寸法として、実空間における2点間の長さを導出する場合を例に挙げて説明する。また、以下では、説明の便宜上、「実空間上の2点間」を「実空間上の区域」又は単に「区域」とも称する。
一例として図2に示すように、撮像装置本体18は、縦回転機構15を備えている。縦回転機構15は、後述のモータ17(図5参照)によって生成される動力を受けて、ホットシュー20の前端部を回転軸としてホットシュー20を正面視縦方向に回転させる。従って、測距ユニット12が取り付けられた状態のホットシュー20が縦回転機構15によって正面視縦方向に回転されることで、測距ユニット12の向きが正面視縦方向(例えば、図2に示すA1方向)で変更される。
なお、図2に示す例では、説明の便宜上、ホットシュー20の後端部が撮像装置本体18内に沈み込むようにホットシュー20を正面視縦方向に回転させる態様が示されているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、ホットシュー20の後端部を撮像装置本体18から押し上げるようにホットシュー20を正面視縦方向に回転させてもよい。なお、以下では、説明の便宜上、正面視縦方向を単に「縦方向」と称する。
一例として図3に示すように、上段測距ユニット11は、上段用横回転機構11Aを備えている。上段用横回転機構11Aは、後述のモータ11B(図6参照)によって生成される動力を受けて、下段測距ユニット13の平面視中央部を回転軸として上段測距ユニット11を正面視横方向に回転させる。従って、測距ユニット12がホットシュー20に取り付けられた状態で上段測距ユニット11を正面視横方向に回転させることで、上段測距ユニット11の向きが正面視横方向(例えば、図3に示す矢印B1方向)に変更される。なお、以下では、説明の便宜上、正面視横方向を単に「横方向」とも称する。
一例として図3に示すように、下段測距ユニット13は、下段用横回転機構13Aを備えている。下段用横回転機構13Aは、後述のモータ13B(図6参照)によって生成される動力を受けて、ホットシュー20の平面視中央部を回転軸として下段測距ユニット13を横方向に回転させる。従って、測距ユニット12がホットシュー20に取り付けられた状態で下段測距ユニット13を横方向に回転させることで、下段測距ユニット13の向きが横方向(例えば、図3に示す矢印B1に方向)に変更される。
このように、測距ユニット12は、縦方向に複数組の単位段測距ユニット(一例として、上段測距ユニット11及び下段測距ユニット13)を有するため、1回の指示に応じて、複数本のレーザ光を被写体に射出することが可能となる。また、上段測距ユニット11及び下段測距ユニット13の各々の向きが横方向に変更されると、一例として図4に示すように、上段測距ユニット11及び下段測距ユニット13の各々により、複数本のレーザ光が互いに異なる方向に射出可能となる。なお、図4に示す例では、測距ユニット12から2本のレーザ光が射出されている状態が示されている。
なお、第1〜第6実施形態では、説明の便宜上、上段用横回転機構11A及び下段用横回転機構13Aを区別せずに説明する場合、符号を付さずに「横回転機構」と称する。また、第1〜第6実施形態では、縦回転機構15及び横回転機構を区別して説明する必要がない場合は、符号を付さずに「回転機構」と称する。
一例として図5に示すように、測距ユニット12は、コネクタ26を備えている。上段測距ユニット11は、信号線28A,28B,28Cを備えており、下段測距ユニット13は、信号線28D,28E,28Fを備えている。信号線28A,28B,28C,28D,28E,28Fは、コネクタ26に接続されている。
コネクタ26は、ホットシュー20に接続可能とされており、測距ユニット12は、コネクタ26がホットシュー20に接続された状態で、撮像装置本体18の制御下で動作する。
一例として図6に示すように、上段測距ユニット11は、射出部22及び受光部24を備えている。なお、射出部22と受光部24との位置関係は固定化されている。
射出部22は、LD(レーザダイオード:Laser Diode)22A、集光レンズ(図示省略)、対物レンズ22B、及びLDドライバ22Cを有する。
集光レンズ及び対物レンズ22Bは、LD22Aにより射出されるレーザ光の光軸に沿って設けられており、LD22A側から光軸に沿って集光レンズ及び対物レンズ22Bの順に配置されている。
LD22Aは、本開示の技術に係る指向性光の一例である測距用のレーザ光を発光する。LD22Aにより発光されるレーザ光は、有色のレーザ光であり、例えば、射出部22から数メートル程度の範囲内であれば、レーザ光の照射位置は、実空間上で視覚的に認識され、撮像装置14によって撮像されて得られた撮像画像からも視覚的に認識される。
集光レンズは、LD22Aにより発光されたレーザ光を集光し、集光したレーザ光を通過させる。対物レンズ22Bは、被写体に対向しており、集光レンズを通過したレーザ光を被写体に対して射出する。
LDドライバ22Cは、LD22Aに接続されており、信号線28Aを介してコネクタ26に接続されている。LDドライバ22Cは、撮像装置本体18の指示に従ってLD22Aを駆動させてレーザ光を発光させる。
受光部24は、PD(フォトダイオード:Photo Diode)24A、対物レンズ24B、及び受光信号処理回路24Cを有する。対物レンズ24Bは、PD24Aの受光面側に配置されており、射出部22により射出されたレーザ光が被写体に当たって反射したレーザ光である反射レーザ光は対物レンズ24Bに入射される。対物レンズ24Bは、反射レーザ光を通過させ、PD24Aの受光面に導く。PD24Aは、対物レンズ24Bを通過した反射レーザ光を受光し、受光量に応じたアナログ信号を受光信号として出力する。
受光信号処理回路24Cは、PD24Aに接続されており、信号線28Bを介してコネクタ26に接続されている。受光信号処理回路24Cは、PD24Aから入力された受光信号を増幅器(図示省略)で増幅し、増幅した受光信号に対してA/D(Analog/Digital)変換を行う。そして、受光信号処理回路24Cは、A/D変換によってデジタル化された受光信号を撮像装置本体18に出力する。
上段測距ユニット11は、モータ11Bを備えている。モータ11Bは、上段用横回転機構11Aに対して動力を伝達可能に接続されており、信号線28Cを介してコネクタ26に接続されている。従って、上段用横回転機構11Aは、撮像装置本体18の制御下で、モータ11Bにより生成された動力を受けて作動する。
一例として図6に示すように、下段測距ユニット13は、射出部30及び受光部32を備えている。なお、射出部30と受光部32との位置関係は固定化されている。
射出部30は、LD30A、集光レンズ(図示省略)、対物レンズ30B、及びLDドライバ30Cを有する。
集光レンズ及び対物レンズ30Bは、LD30Aにより射出されるレーザ光の光軸に沿って設けられており、LD30A側から光軸に沿って集光レンズ及び対物レンズ30Bの順に配置されている。
LD30Aは、本開示の技術に係る指向性光の一例である測距用のレーザ光を発光する。LD30Aにより発光されるレーザ光は、上段測距ユニット11の射出部22のLD22Aと同様のレーザ光である。
集光レンズは、LD30Aにより発光されたレーザ光を集光し、集光したレーザ光を通過させる。対物レンズ30Bは、被写体に対向しており、集光レンズを通過したレーザ光を被写体に対して射出する。
LDドライバ30Cは、LD30Aに接続されており、信号線28Dを介してコネクタ26に接続されている。LDドライバ30Cは、撮像装置本体18の指示に従ってLD30Aを駆動させてレーザ光を発光させる。
受光部32は、PD32A、対物レンズ32B、及び受光信号処理回路32Cを有する。対物レンズ32Bは、PD32Aの受光面側に配置されており、射出部30により射出されたレーザ光が被写体に当たって反射したレーザ光である反射レーザ光は対物レンズ32Bに入射される。対物レンズ32Bは、反射レーザ光を通過させ、PD32Aの受光面に導く。PD32Aは、対物レンズ32Bを通過した反射レーザ光を受光し、受光量に応じたアナログ信号を受光信号として出力する。
なお、以下では、説明の便宜上、対物レンズ22B,24B,30B,32Bを区別して説明する必要がない場合、符号を付さずに「対物レンズ」と称する。
受光信号処理回路32Cは、PD32Aに接続されており、信号線28Eを介してコネクタ26に接続されている。受光信号処理回路32Cは、PD32Aから入力された受光信号を増幅器(図示省略)で増幅し、増幅した受光信号に対してA/D変換を行う。そして、受光信号処理回路32Cは、A/D変換によってデジタル化された受光信号を撮像装置本体18に出力する。
下段測距ユニット13は、モータ13Bを備えている。モータ13Bは、下段用横回転機構13Aに対して動力を伝達可能に接続されており、信号線28Fを介してコネクタ26に接続されている。従って、下段用横回転機構13Aは、撮像装置本体18の制御下で、モータ13Bにより生成された動力を受けて作動する。
一例として図5に示すように、撮像装置14は、マウント42,44を備えている。マウント42は、撮像装置本体18に設けられており、マウント44は、レンズユニット16に設けられている。レンズユニット16は、マウント42にマウント44が結合されることにより撮像装置本体18に交換可能に装着される。
レンズユニット16は、撮像レンズ50、ズームレンズ52、ズームレンズ移動機構54、及びモータ56を備えている。
被写体からの反射光である被写体光は、撮像レンズ50に入射される。撮像レンズ50は、被写体光を通過させ、ズームレンズ52に導く。
ズームレンズ移動機構54には、光軸に対してスライド可能にズームレンズ52が取り付けられている。また、ズームレンズ移動機構54にはモータ56が接続されており、ズームレンズ移動機構54は、モータ56の動力を受けてズームレンズ52を光軸方向に沿ってスライドさせる。
モータ56は、マウント42,44を介して撮像装置本体18に接続されており、撮像装置本体18からの命令に従って駆動が制御される。なお、本実施形態では、モータ56の一例としてステッピングモータを適用している。従って、モータ56は、撮像装置本体18からの命令によりパルス電力に同期して駆動する。
撮像装置本体18は、撮像素子60、主制御部62、画像メモリ64、画像処理部66、測距制御部68、モータ17、モータドライバ21,23,25,72、撮像素子ドライバ74、画像信号処理回路76、及び表示制御部78を備えている。また、撮像装置本体18は、タッチパネルI/F(Interface:インタフェース)79、受付I/F80、及びメディアI/F82を備えている。
なお、回転機構、モータ11B,13B,17、及びモータドライバ21,23,25は、本開示の技術に係る変更部の一例である。ここで、本開示の技術に係る変更部とは、例えば、後述の射出角度βを変更可能な機構を指す。
主制御部62、画像メモリ64、画像処理部66、測距制御部68、モータドライバ72、撮像素子ドライバ74、画像信号処理回路76、及び表示制御部78は、バスライン84に接続されている。また、タッチパネルI/F79、受付I/F80、及びメディアI/F82は、バスライン84に接続されている。また、信号線28A,28B,28D,28Eも、コネクタ26及びホットシュー20を介してバスライン84に接続されている。また、信号線28Cは、モータドライバ21を介してバスライン84に接続されている。更に、信号線28Fは、モータドライバ23を介してバスライン84に接続されている。
撮像素子60は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semicondutor)型のイメージセンサであり、カラーフィルタ(図示省略)を備えている。カラーフィルタは、輝度信号を得るために最も寄与するG(Green:緑)に対応するGフィルタ、R(Red:赤)に対応するRフィルタ、及びB(Blue:青)に対応するBフィルタを含む。撮像素子60は、マトリクス状に配置された複数の画素(図示省略)を有しており、各画素には、カラーフィルタに含まれるRフィルタ、Gフィルタ、及びBフィルタの何れかのフィルタが割り当てられている。
ズームレンズ52を通過した被写体光は、撮像素子60の受光面である撮像面に結像され、被写体光の受光量に応じた電荷が撮像素子60の画素に蓄積される。撮像素子60は、各画素に蓄積された電荷を、被写体光が撮像面で結像されて得られた被写体像に相当する画像を示す画像信号として出力する。
縦回転機構15にはモータ17が接続されており、縦回転機構15は、モータ17により生成された動力を受けてホットシュー20を縦方向に回転させることで、一例として図2に示すように、測距ユニット12を矢印A1方向に回転させる。
主制御部62は、バスライン84を介して測距装置10Aの全体を制御する。
モータドライバ21は、主制御部62の指示に従ってモータ11B(図6参照)を制御する。また、モータドライバ23は、主制御部62の指示に従ってモータ13B(図6参照)を制御する。更に、モータドライバ25は、主制御部62の指示に従ってモータ17を制御する。
なお、モータ11B,13B,17は、本開示の技術に係る動力源の一例である。また、本実施形態では、モータ11B,13B,17の一例としてステッピングモータを適用している。従って、モータ11B,13B,17は、主制御部62からの命令によりパルス電力に同期して駆動する。
撮像装置14は、画角変更機能を有する。画角変更機能は、ズームレンズ52を移動させることで被写体に対する画角を変更する機能であり、本実施形態において、画角変更機能は、ズームレンズ52、ズームレンズ移動機構54、モータ56、モータドライバ72、及び主制御部62によって実現される。
なお、本実施形態では、ズームレンズ52による光学式の画角変更機能を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、ズームレンズ52を利用しない電子式の画角変更機能であってもよい。
撮像素子ドライバ74は、撮像素子60に接続されており、主制御部62の制御下で、撮像素子60に駆動パルスを供給する。撮像素子60の各画素は、撮像素子ドライバ74によって供給された駆動パルスに従って駆動する。
画像信号処理回路76は、撮像素子60に接続されており、主制御部62の制御下で、撮像素子60から1フレーム分の画像信号を画素毎に読み出す。画像信号処理回路76は、読み出した画像信号に対して、相関二重サンプリング処理、自動利得調整、A/D変換等の各種処理を行う。画像信号処理回路76は、画像信号に対して各種処理を行うことでデジタル化した画像信号を、主制御部62から供給されるクロック信号で規定される特定のフレームレート(例えば、数十フレーム/秒)で1フレーム毎に画像メモリ64に出力する。画像メモリ64は、画像信号処理回路76から入力された画像信号を一時的に保持する。
撮像装置本体18は、表示部86、タッチパネル88、受付デバイス90、及びメモリカード92を備えている。
表示部86は、表示制御部78に接続されており、表示制御部78の制御下で各種情報を表示する。表示部86は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により実現される。
タッチパネル88は、表示部86の表示画面に重ねられており、ユーザの指及び/又はタッチペン等の指示体による接触を受け付ける。タッチパネル88は、タッチパネルI/F79に接続されており、指示体により接触された位置を示す位置情報をタッチパネルI/F79に出力する。タッチパネルI/F79は、主制御部62の指示に従ってタッチパネル88を作動させ、タッチパネル88から入力された位置情報を主制御部62に出力する。
受付デバイス90は、ユーザによる各種指示を受け付ける。受付デバイス90は、本計測・本撮像ボタン90A、仮計測・仮撮像ボタン90B、撮像系動作モード切替ボタン90C、広角指示ボタン90D、及び望遠指示ボタン90Eを有している。また、受付デバイス90は、計測系動作モード切替ボタン90F及び照射位置調整ボタン90Gを有している。更に、受付デバイス90は、上段用ロータリスイッチ90H、下段用ロータリスイッチ90I、及び縦回転用ロータリスイッチ90J等を有している。
受付デバイス90は、受付I/F80に接続されており、受付I/F80は、受付デバイス90によって受け付けられた指示の内容を示す指示内容信号を主制御部62に出力する。
本計測・本撮像ボタン90Aは、本計測及び本撮像の開始の指示を受け付ける押圧式のボタンである。仮計測・仮撮像ボタン90Bは、仮計測及び仮撮像の開始の指示を受け付ける押圧式のボタンである。撮像系動作モード切替ボタン90Cは、静止画撮像モードと動画撮像モードとを切り替える指示を受け付ける押圧式のボタンである。
広角指示ボタン90Dは、画角を広角にする指示を受け付ける押圧式のボタンであり、広角側への画角の変更量は、許容される範囲内で、広角指示ボタン90Dへの押圧が継続して行われる押圧時間に応じて定まる。
望遠指示ボタン90Eは、画角を望遠にする指示を受け付ける押圧式のボタンであり、望遠側への画角の変更量は、許容される範囲内で、望遠指示ボタン90Eへの押圧が継続して行われる押圧時間に応じて定まる。
計測系動作モード切替ボタン90Fは、距離導出モードと寸法導出モードとを切り替える指示を受け付ける押圧式のボタンである。照射位置調整ボタン90Gは、画像内照射位置を調整する指示を受け付ける押圧式のボタンである。
上段用ロータリスイッチ90Hは、上段用横回転機構11Aを作動させて上段測距ユニット11の向きを横方向に変更する指示を受け付ける回転式のスイッチである。下段用ロータリスイッチ90Iは、下段用横回転機構13Aを作動させて下段測距ユニット13の向きを横方向に変更する指示を受け付ける回転式のスイッチである。縦回転用ロータリスイッチ90Jは、縦回転機構15を作動させて測距ユニット12の向きを縦方向に変更する指示を受け付ける回転式のスイッチである。
なお、以下では、説明の便宜上、本計測・本撮像ボタン90A及び仮計測・仮撮像ボタン90Bを区別して説明する必要がない場合、「レリーズボタン」と称する。また、以下では、説明の便宜上、広角指示ボタン90D及び望遠指示ボタン90Eを区別して説明する必要がない場合、「画角指示ボタン」と称する。
なお、測距装置10Aでは、マニュアルフォーカスモードとオートフォーカスモードとが受付デバイス90を介したユーザの指示に応じて選択的に設定される。レリーズボタンは、撮像準備指示状態と撮像指示状態との2段階の押圧操作を受け付ける。撮像準備指示状態とは、例えば、レリーズボタンが待機位置から中間位置(半押し位置)まで押下される状態を指し、撮像指示状態とは、レリーズボタンが中間位置を超えた最終押下位置(全押し位置)まで押下される状態を指す。なお、以下では、説明の便宜上、「レリーズボタンが待機位置から半押し位置まで押下された状態」を「半押し状態」といい、「レリーズボタンが待機位置から全押し位置まで押下された状態」を「全押し状態」という。
オートフォーカスモードでは、レリーズボタンが半押し状態にされることで撮像条件の調整が行われ、その後、引き続き全押し状態にすると本露光が行われる。つまり、本露光に先立ってレリーズボタンが半押し状態にされることでAE(Automatic Exposure)機能が働いて露出調整が行われた後、AF(Auto−Focus)機能が働いて焦点調整が行われ、レリーズボタンが全押し状態にされると本露光が行われる。ここで、本露光とは、後述の静止画像ファイルを得るために行われる露光を指す。また、本実施形態において、露光とは、本露光の他に、後述のライブビュー画像を得るために行われる露光、及び後述の動画像ファイルを得るために行われる露光も意味する。以下では、説明の便宜上、これらの露光を区別して説明する必要がない場合、単に「露光」と称する。
なお、本実施形態では、主制御部62がAE機能による露出調整及びAF機能による焦点調整を行う。また、本実施形態では、露出調整及び焦点調整が行われる場合を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、露出調整又は焦点調整が行われるようにしてもよい。
画像処理部66は、画像メモリ64から特定のフレームレートで1フレーム毎に画像信号を取得し、取得した画像信号に対して、ガンマ補正、輝度・色差変換、及び圧縮処理等の各種処理を行う。
画像処理部66は、各種処理を行って得た画像信号を特定のフレームレートで1フレーム毎に表示制御部78に出力する。また、画像処理部66は、各種処理を行って得た画像信号を、主制御部62の要求に応じて、主制御部62に出力する。
表示制御部78は、主制御部62の制御下で、画像処理部66から入力された画像信号を1フレーム毎に特定のフレームレートで表示部86に出力する。
表示部86は、画像及び文字情報等を表示する。表示部86は、表示制御部78から特定のフレームレートで入力された画像信号により示される画像をライブビュー画像として表示する。ライブビュー画像は、撮像装置14により時系列で連続的に撮像されて得られた複数の画像、すなわち、連続フレームで撮像されて得られた連続フレーム画像であり、スルー画像とも称される。また、表示部86は、単一フレームで撮像されて得られた単一フレーム画像である静止画像も表示する。更に、表示部86は、ライブビュー画像の他に、再生画像及び/又はメニュー画面等も表示する。
なお、本実施形態では、画像処理部66及び表示制御部78は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によって実現されているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、画像処理部66及び表示制御部78の各々は、FPGA(Field−Programmable Gate Array)によって実現されてもよい。また、画像処理部66は、CPU(中央処理装置:Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を含むコンピュータによって実現されてもよい。また、表示制御部78も、CPU、ROM、及びRAMを含むコンピュータによって実現されてもよい。更に、画像処理部66及び表示制御部78の各々は、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせによって実現されてもよい。
主制御部62は、静止画撮像モード下でレリーズボタンによって静止画像の撮像の指示が受け付けられた場合、撮像素子ドライバ74を制御することで、撮像素子60に1フレーム分の露光を行わせる。主制御部62は、1フレーム分の露光が行われることによって得られた画像信号を画像処理部66から取得し、取得した画像信号に対して圧縮処理を施して特定の静止画像用フォーマットの静止画像ファイルを生成する。なお、ここで、特定の静止画像用フォーマットとは、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)を指す。
主制御部62は、動画撮像モード下でレリーズボタンによって動画像の撮像の指示が受け付けられた場合、画像処理部66によりライブビュー画像用として表示制御部78に出力される画像信号を特定のフレームレートで1フレーム毎に取得する。そして、主制御部62は、画像処理部66から取得した画像信号に対して圧縮処理を施して特定の動画像用フォーマットの動画像ファイルを生成する。なお、ここで、特定の動画像用フォーマットとは、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)を指す。なお、以下では、説明の便宜上、静止画像ファイル及び動画像ファイルを区別して説明する必要がない場合、画像ファイルと称する。
メディアI/F82は、メモリカード92に接続されており、主制御部62の制御下で、メモリカード92に対する画像ファイルの記録及び読み出しを行う。なお、メディアI/F82によってメモリカード92から読み出された画像ファイルは、主制御部62によって伸長処理が施されて表示部86に再生画像として表示される。
なお、主制御部62は、測距制御部68から入力された距離情報及び後述の寸法導出機能を働かせて導出された寸法を示す寸法情報のうちの少なくとも1つを含む測距情報を画像ファイルに関連付けて、メディアI/F82を介してメモリカード92に保存する。そして、測距情報は、メモリカード92からメディアI/F82を介して主制御部62によって画像ファイルと共に読み出される。そして、主制御部62によって読み出された測距情報に距離情報が含まれている場合、距離情報により示される距離が、関連する画像ファイルによる再生画像と共に表示部86に表示される。また、主制御部62によって読み出された測距情報に寸法情報が含まれている場合、寸法情報により示される寸法が、関連する画像ファイルによる再生画像と共に表示部86に表示される。
測距制御部68は、主制御部62の制御下で、測距ユニット12を制御する。なお、本実施形態において、測距制御部68は、ASICによって実現されているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、測距制御部68は、FPGAによって実現されてもよい。また、測距制御部68は、CPU、ROM、及びRAMを含むコンピュータによって実現されてもよい。更に、測距制御部68は、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせによって実現されてもよい。
測距制御部68は、主制御部62の制御下で、LDドライバ22Cを制御することで、LD22Aによるレーザ光の発光を制御し、受光信号処理回路24Cから受光信号を取得する。また、測距制御部68は、主制御部62の制御下で、LDドライバ30Cを制御することで、LD30Aによるレーザ光の発光を制御し、受光信号処理回路32Cから受光信号を取得する。そして、測距制御部68は、単位段測距ユニット毎に、レーザ光を発光させたタイミングと受光信号を取得したタイミングとを基に、被写体までの距離を導出し、導出した距離を示す距離情報を主制御部62に出力する。
ここで、測距制御部68による被写体までの距離の計測について上段測距ユニット11を例に挙げて更に詳細に説明する。なお、下段測距ユニット13を利用した被写体までの距離の計測方法については、上段測距ユニット11を利用した被写体までの距離の計測方法と同様なので、説明を省略する。
一例として図7に示すように、測距装置10Aによる1回の計測シーケンスは、電圧調整期間、実計測期間、及び休止期間で規定される。
電圧調整期間は、LD22A及びPD24Aの駆動電圧を調整する期間である。実計測期間は、被写体までの距離を実際に計測する期間である。実計測期間では、LD22Aにレーザ光を発光させ、PD24Aに反射レーザ光を受光させる動作が数百回繰り返され、レーザ光を発光させたタイミングと受光信号を取得したタイミングとを基に、被写体までの距離が導出される。休止期間は、LD22A及びPD24Aの駆動を休止させるための期間である。よって、1回の計測シーケンスでは、被写体までの距離の計測が数百回行われることになる。
なお、本実施形態では、電圧調整期間、実計測期間、及び休止期間の各々を数百ミリ秒としている。
一例として図8に示すように、測距制御部68には、測距制御部68がレーザ光の発光の指示を与えるタイミング、及び測距制御部68が受光信号を取得するタイミングを規定するカウント信号が供給される。本実施形態では、カウント信号は、主制御部62によって生成されて測距制御部68に供給されるが、これに限らず、バスライン84に接続されたタイムカウンタ等の専用回路によって生成されて測距制御部68に供給されるようにしてもよい。
測距制御部68は、カウント信号に応じて、レーザ光を発光させるためのレーザトリガをLDドライバ22Cに出力する。LDドライバ22Cは、レーザトリガに応じて、LD22Aを駆動してレーザ光を発光させる。
図8に示す例では、レーザ光の発光時間が数十ナノ秒とされている。この場合、射出部22により数キロメートル先の被写体に向けて射出されたレーザ光が反射レーザ光としてPD24Aで受光されるまでの時間は、“数キロメートル×2/光速”≒数マイクロ秒となる。従って、数キロメートル先の被写体までの距離を計測するためには、一例として図7に示すように、最低必要時間として、数マイクロ秒の時間を要する。
なお、本実施形態では、レーザ光の往復時間等を考慮して、一例として図7に示すように、1回の計測時間を数ミリ秒としているが、被写体までの距離によりレーザ光の往復時間は異なるので、想定する距離に応じて1回あたりの計測時間を異ならせてもよい。
測距制御部68は、1回の計測シーケンスにおける数百回の計測から得た計測値を基に、被写体までの距離を導出する場合、例えば、数百回の計測から得た計測値のヒストグラムを解析して被写体までの距離を導出する。
一例として図9に示すように、1回の計測シーケンスにおける数百回の計測から得られた計測値のヒストグラムでは、横軸が被写体までの距離であり、縦軸が計測回数であり、計測回数の最大値に対応する距離が測距結果として測距制御部68によって導出される。なお、図9に示すヒストグラムはあくまでも一例であり、被写体までの距離に代えて、レーザ光の往復時間(発光から受光までの経過時間)及び/又はレーザ光の往復時間の1/2等に基づいてヒストグラムが生成されてもよい。
一例として図10に示すように、主制御部62は、本開示の技術に係る制御部、導出部及び出力部の一例であるCPU100を備えている。また、主制御部62は、一次記憶部102及び二次記憶部104を備えている。CPU100は、測距装置10Aの全体を制御する。一次記憶部102は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。一次記憶部102の一例としては、RAMが挙げられる。二次記憶部104は、測距装置10Aの作動を制御する制御プログラム及び/又は各種パラメータ等を予め記憶する不揮発性のメモリである。二次記憶部104の一例としては、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)及び/又はフラッシュメモリ等が挙げられる。CPU100、一次記憶部102、及び二次記憶部104は、バスライン84を介して相互に接続されている。
ところで、測距装置10Aには、寸法導出機能が備えられている。寸法導出機能とは、一例として図11に示すように、指定された画素のアドレスu1,u2、及び測距装置10Aにより計測された距離D等に基づいて、被写体に含まれる実空間上の区域の長さLを導出したり、長さLに基づく面積を導出したりする機能を指す。ここで、「指定された画素」とは、例えば、ユーザによってライブビュー画像上で指定された2点に対応する撮像素子60における画素を指す。長さLは、例えば、下記の数式(1)により導出される。数式(1)において、pは、撮像素子60に含まれる画素間のピッチであり、u1,u2は、ユーザによって指定された画素のアドレスであり、fは、撮像レンズ50の焦点距離である。
なお、数式(1)は、寸法の導出対象とされる対象物が撮像レンズ50に対して正面視で正対している状態で撮像されることを前提として用いられる数式である。従って、測距装置10Aでは、例えば、寸法の導出対象とされる対象物を含む被写体が、撮像レンズ50に対して正面視で正対していない状態で撮像された場合、射影変換処理が行われる。射影変換処理とは、例えば、撮像されて得られた撮像画像、及び/又は、撮像画像のうちの四角形状の部分の画像を、アフィン変換等の公知技術を利用して、撮像画像に含まれる四角形状の画像に基づいて正対視画像に変換する処理を指す。正対視画像とは、撮像レンズ50に対して正面視で正対している状態の画像を指す。そして、正対視画像を介して撮像素子60における画素のアドレスu1,u2が指定され、数式(1)より長さLが導出される。
このように、アドレスu1,u2に基づいて実空間上の区域の長さLを正確に導出するには、画像内照射位置を高精度に導出して距離と共にユーザに把握させることが好ましい。なぜならば、画像内照射位置と実空間上のレーザ光の照射位置とが、例えば、向きも位置も異なる平面に対する位置だとすると、導出された長さLが実際の長さとは全く異なってしまうからである。
ここで、画像内照射位置の高精度な導出を実現するために、測距装置10Aが後述の照射位置導出用データ取得処理(図19参照)を実行する方法が考えられる。照射位置導出用データ取得処理が測距装置10Aにより実行されると、測距系機能を働かせて計測された距離に基づいて、画像内照射位置の導出に用いる因子(表1参照)を導出するための導出用データとして、例えば、後述の位置・距離対応情報が取得される。
なお、本実施形態において、因子とは、例えば、図20に示すように、半画角α、射出角度β、及び基準点間距離dを指す。半画角αとは、撮像装置14により撮像される被写体に対する画角の半分を指す。射出角度βとは、射出部22からレーザ光が射出される角度を指す。基準点間距離dとは、撮像装置14に規定された第1基準点P1と測距ユニット12に規定された第2基準点P2との距離を指す。第1基準点P1の一例としては、撮像レンズ50の主点が挙げられる。第2基準点P2の一例としては、測距ユニット12における3次元空間の位置を特定可能な座標の原点として予め設定された点が挙げられる。具体的には、対物レンズ22Bの正面視左右端の一端、又は上段測距ユニット11の筐体(図示省略)が直方体状である場合の筐体の1つの頂点が挙げられる。
ところで、従来の寸法の導出方法によれば、撮像及び測距が1回行われると、寸法の導出対象として指定された1つの対象物のみに関する実空間上の寸法が導出される。そのため、1回の撮像により得られた撮像画像内に寸法の導出対象としてユーザが希望する対象物が複数存在する場合、撮像及び測距が1回行われる毎に対象物を1つずつ指定しなければならず、寸法の導出に手間を要する。
そこで、測距装置10Aでは、一例として図10に示すように、二次記憶部104が要因記憶プログラム106、計測プログラム107、及び照射位置調整プログラム108を記憶している。なお、要因記憶プログラム106、計測プログラム107、及び照射位置調整プログラム108は、本開示の技術に係る測距プログラムの一例である。また、本第1実施形態では、説明の便宜上、要因記憶プログラム106、計測プログラム107、及び照射位置調整プログラム108を区別して説明する必要がない場合、符号を付さずに「プログラム」と称する。
一例として図12に示すように、CPU100は、二次記憶部104からプログラムを読み出して一次記憶部102に展開し、プログラムを実行することで、制御部100A、導出部100B、及び出力部100Cとして動作する。
制御部100Aは、単位段測距ユニットの各々による複数の距離の本計測に用いられるレーザ光の各々の被写体に対する照射位置が収まる画角で撮像装置14に対して撮像させる制御を行う。
導出部100Bは、単位段測距ユニットの各々を利用して本計測された複数の距離のうち、撮像装置14による本撮像で得られた本画像内の、本計測で用いられたレーザ光による照射位置に相当する本画像内照射位置に関する距離と、複数画素の間隔と、撮像装置14の焦点距離と、に基づいて、複数画素の間隔に対応する実空間領域の寸法を導出する。なお、本画像内照射位置は、本発明に係る画像内照射位置の一例である。
ここで、「複数画素の間隔」とは、本撮像画像内において本画像内照射位置に関連させた複数画素の間隔を意味する。なお、複数画素の間隔は、単位段測距ユニットの各々を利用して計測された距離毎(換言すると、本画像内照射位置毎)に指定される。
出力部100Cは、後述の要因・精度テーブル111(図14参照)に基づいて、測距装置10Aに実際に存在する照射位置影響要因に対応する導出精度を導出し、導出した導出精度に基づく情報を出力する。なお、ここで、照射位置影響要因とは、画像内照射位置に影響を及ぼす要因を指す。照射位置影響要因としては、例えば、撮像レンズ50の交換及び/又は画角の変更等が挙げられる。
ここで、出力部100Cにより出力される導出精度とは、導出部100Bにより導出される寸法の精度を指す。また、本実施形態において、出力部100Cにより出力される導出精度に基づく情報とは、導出部100Bにより導出される寸法の誤差を指す。
一例として図10に示すように、二次記憶部104は、位置・距離テーブル109及び要因・精度テーブル111を記憶している。
一例として図13に示すように、位置・距離テーブル109は、対応する単位段測距ユニットに関する位置・距離対応情報を格納している。図13に示す例では、単位段測距ユニットに関する位置・距離対応情報の一例として、上段測距ユニット11に関する位置・距離対応情報と、下段測距ユニット13に関する位置距離対応情報と、が示されている。ここで、位置・距離対応情報とは、後述のステップ254Iの処理が実行されることによって特定された仮画像内照射位置毎に、仮画像内照射位置と後述のステップ254D,254Eの処理が実行されることによって得られる距離とを対応付けた情報を指す。
図13に示す例では、上段測距ユニット11に対して仮画像内照射位置X1,X2,X3及び距離D1,D2,D3が対応付けられており、仮画像内照射位置X1,X2,X3及び距離D1,D2,D3は、照射位置導出用データ取得処理が実行される毎に更新される。また、図13に示す例では、下段測距ユニット13に対して仮画像内照射位置X4,X5,X6及び距離D4,D5,D6が対応付けられており、仮画像内照射位置X4,X5,X6及び距離D4,D5,D6は、照射位置導出用データ取得処理が実行される毎に更新される。
ここで、前述の「仮画像内照射位置」とは、単位段測距ユニット及び測距制御部68により複数の距離の各々が仮計測される毎に被写体が撮像装置14により仮撮像されて得られた仮画像内の、レーザ光による被写体に対する照射位置に相当する位置を指す。
なお、本実施形態において、本画像内照射位置、仮画像内照射位置、及びライブビュー画像内照射位置は、CPU100によって照射位置画素座標が導出され、導出された照射位置画素座標から特定される。また、以下では、説明の便宜上、本画像内照射位置、仮画像内照射位置、及びライブビュー画像内照射位置を区別して説明する必要がない場合、単に「画像内照射位置」と称する。
ここで、ライブビュー画像内照射位置とは、撮像装置14による撮像で得られたライブビュー画像内の、計測で用いられたレーザ光による照射位置に相当する位置を指す。なお、ライブビュー画像内照射位置は、本発明に係る画像内照射位置の一例であり、前述の本画像内照射位置の導出方法と同様の導出方法によって導出される。
位置・距離対応情報は、本開示の技術に係る第1対応関係を示す情報の一例である。本開示の技術に係る第1対応関係とは、複数の距離の各々が仮計測される毎に仮撮像されて得られた仮画像内の仮画像内照射位置と、仮画像内照射位置に対応するレーザ光で単位段測距ユニット及び測距制御部68により仮計測された距離、との対応関係を指す。
すなわち、位置・距離対応情報により特定される仮画像内照射位置は、本開示の技術に係る第1対応関係における「複数の距離の各々が仮計測される毎に被写体像が撮像部により仮撮像されて得られた仮画像内の仮画像内照射位置」の一例である。また、位置・距離対応情報により特定される距離は、本開示の技術に係る第1対応関係における「仮画像内照射位置に対応する指向性光で計測部により仮計測された距離」の一例である。
一例として図14に示すように、要因・精度テーブル111は、本開示の技術に係る第2対応関係を示す情報の一例である要因・精度対応情報を格納している。要因・精度対応情報とは、照射位置影響要因として想定された想定要因と、導出部100Bによる導出精度と、を対応付けた情報を指す。
なお、本実施形態において、要因・精度対応情報は、測距装置10Aの出荷前の段階で固定化されている。すなわち、要因・精度テーブル111には、測距装置10Aの出荷前の段階で、測距装置10Aの実機による試験及び/又は測距装置10Aの設計仕様等に基づくコンピュータ・シミュレーション等の結果から導き出された要因・精度対応情報が格納されている。
図14に示す例では、仮に想定要因が実際に発生した場合の導出精度δ,ε,ζ,η,λが想定要因毎に規定されている。図14に示す例では、想定要因の一例として、画角変更、レンズ交換、測距ユニット交換、射出方向の変更、及び製造ばらつきが挙げられている。
レンズ交換とは、レンズユニット16における撮像レンズ50のみの交換、及びレンズユニット16そのものの交換を指す。測距ユニット交換とは、測距ユニット12における対物レンズのみの交換、及び測距ユニット12そのものの交換を指す。画角変更とは、画角指示ボタンが押下されたことによるズームレンズ52の移動に伴う画角の変更を指す。射出方向の変更とは、単位段測距ユニット毎のレーザ光が射出される方向の変更を指す。製造ばらつきとは、同じ機種の複数の測距装置10A間での製造上の各種特性等のばらつきを指す。
なお、図14に示す(1)・・・・(n)は、同じ種類の想定要因であっても内容が異なっていることを識別するための識別符号である。
例えば、画角変更(1)・・・・(n)は、画角の変更の異なる特徴を示している。そのため、画角変更(1)・・・・(n)に対しては、異なる導出精度である導出精度δ1・・・・δnが対応付けられている。なお、画角の変更の異なる特徴の一例としては、画角の変更方向及び変更量の違いが挙げられる。
また、例えば、レンズ交換(1)・・・・(n)は、レンズ交換の異なる特徴を示している。そのため、レンズ交換(1)・・・・(n)に対しては、異なる導出精度である導出精度ε1・・・・εnが対応付けられている。なお、レンズ交換の異なる特徴の一例としては、レンズユニット16の焦点距離の違いが挙げられる。
また、例えば、測距ユニット交換(1)・・・・(n)は、測距ユニット12の交換の異なる特徴を示している。そのため、測距ユニット交換(1)・・・・(n)に対しては、異なる導出精度である導出精度ζ1・・・・ζnが対応付けられている。なお、測距ユニット交換の異なる特徴の一例としては、測距ユニット12の型式の違いが挙げられる。
更に、例えば、射出方向の変更(1)・・・・(n)は、単位段測距ユニット毎におけるレーザ光の射出方向の変更の異なる特徴を示している。そのため、射出方向の変更(1)・・・・(n)に対しては、異なる導出精度である導出精度η1・・・・ηnが対応付けられている。なお、射出方向の変更の異なる特徴としては、例えば、測距ユニット12の経時変化に伴う射出部22,30の外形形状の違い、及び/又は、レーザ光の射出方向が異なる測距ユニット12の型式の違いが挙げられる。
なお、測距装置10A毎に対する固有の製造ばらつきに対しては、各測距装置10Aに対して一意に定められた導出精度λが対応付けられている。
次に、測距装置10Aの作用について説明する。
先ず、測距装置10Aの電源スイッチがオン(投入)された場合にCPU100が要因記憶プログラム106を実行することで実現される要因記憶処理について図15を参照して説明する。なお、以下では、説明の便宜上、ライブビュー画像が表示部86に表示されている場合について説明する。また、以下では、説明の便宜上、レーザ光の被写体に対する実空間上の照射位置を「実空間照射位置」と称する。
図15に示す要因記憶処理では、先ず、ステップ200で、出力部100Cは、新たな照射位置影響要因が発生したか否かを判定する。ステップ200において、新たな照射位置影響要因が発生した場合は、判定が肯定されて、ステップ202へ移行する。ステップ200において、新たな照射位置影響要因が発生していない場合は、判定が否定されて、ステップ204へ移行する。
ステップ202で、出力部100Cは、発生した新たな照射位置影響要因を示し、かつ、発生した新たな照射位置影響要因の特徴を示す要因情報を二次記憶部104に時系列で、かつ、単位段測距ユニット毎に記憶し、その後、ステップ208へ移行する。
ここで、照射位置影響要因の特徴とは、例えば、画角変更の特徴、レンズ交換の特徴、測距ユニット交換の特徴、及び射出方向の変更の特徴を指し、対応する想定要因の特徴と同一の特徴であればよい。なお、ここで言う「同一」とは、完全な同一の他に、予め定められた誤差の範囲内での同一も意味する。
ステップ204で、出力部100Cは、照射位置導出用データ取得処理(図19参照)が実行されたか否かを判定する。ステップ204において、照射位置導出用データ取得処理が実行された場合は、判定が肯定されて、ステップ206へ移行する。ステップ204において、照射位置導出用データ取得処理が実行されていない場合は、判定が否定されて、ステップ208へ移行する。なお、ステップ204では、二次記憶部104に要因情報が記憶されていない場合も、判定が否定されて、ステップ208へ移行する。
ステップ206で、出力部100Cは、二次記憶部104に記憶されている要因情報を消去し、その後、ステップ208へ移行する。
ステップ208で、出力部100Cは、本要因記憶処理を終了する条件である終了条件を満足したか否かを判定する。本要因記憶処理において、終了条件とは、例えば、本要因記憶処理を終了する指示がタッチパネル88を介して受け付けられたとの条件を指す。
ステップ208において、終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ200へ移行する。ステップ208において、終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、本要因記憶処理を終了する。
次に、測距装置10Aの電源スイッチがオン(投入)された場合にCPU100が計測プログラム107を実行することで実現される計測処理について図16〜図19を参照して説明する。
なお、以下では、説明の便宜上、ライブビュー画像が表示部86に表示されている場合について説明する。また、以下では、説明の便宜上、測距系機能の動作モードとして、距離導出モード又は寸法導出モードが設定されていることを前提として説明する。また、以下では、説明の便宜上、後述の照射位置導出用データ取得処理において仮計測及び仮撮像が行われる場合を除いて、撮像装置14の位置が固定されていることを前提として説明する。また、以下では、説明の便宜上、画角が既に定まっていることを前提として説明する。また、以下では、説明の便宜上、上段測距ユニット11及び下段測距ユニット13は、互いにレーザ光を同期して射出することを前提として説明する。
また、以下では、説明の便宜上、レーザ光の被写体に対する実空間上の照射位置を「実空間照射位置」と称する。また、以下では、説明の便宜上、被写体をオフィスビルの外壁部とし、オフィスビルの外壁部が四角形状の窓及び/又は四角形状の模様等を有している平面状の壁部(平面状領域)であることを前提として説明する。ここで言う「平面状」には、平面のみならず、窓又は換気口等による若干の凸凹を許容する範囲での平面形状も含まれ、例えば、目視により、又は、既存の画像解析技術により、「平面状」と認識される平面又は平面形状であればよい。
また、以下では、説明の便宜上、被写体であるオフィスビルの外壁部が撮像レンズ50に対して正面視で正対していない状態で測距装置10Aによって撮像されることを前提として説明する。また、以下では、説明の便宜上、一例として図21に示すように、撮影方向に対して前後して立設された異なるオフィスビルの各々の外壁面に対してレーザ光が1本ずつ照射されることを前提として説明する。
また、以下では、説明の便宜上、撮像装置14に含まれる撮像素子60の撮像面に対する正面視左右方向であるX方向についての画像内照射位置の導出を例に挙げて説明するが、撮像装置14に含まれる撮像素子60の撮像面に対する正面視上下方向であるY方向についての画像内照射位置の導出も同様に行われる。このように、X方向及びY方向の各々について画像内照射位置の導出が行われることによって最終的に出力される画像内照射位置は2次元座標で表現される。
また、以下では、説明の便宜上、撮像装置14に含まれる撮像素子60の撮像面に対する正面視左右方向を「X方向」又は「行方向」と称し、撮像装置14に含まれる撮像素子60の撮像面に対する正面視左右方向を「Y方向」又は「列方向」と称する。
図16に示す計測処理では、先ず、ステップ220で、制御部100Aは、上段用ロータリスイッチ90Hが操作されたか否かを判定する。ステップ220において、上段用ロータリスイッチ90Hが操作された場合は、判定が肯定されて、ステップ222へ移行する。ステップ220において、上段用ロータリスイッチ90Hが操作されていない場合は、判定が否定されて、ステップ224へ移行する。
ステップ222で、制御部100Aは、上段用ロータリスイッチ90Hの操作量及び操作方向に応じて上段用横回転機構11Aを作動させて上段測距ユニット11を横方向に回転させ、その後、ステップ232へ移行する。なお、上段用ロータリスイッチ90Hが操作されると、上段測距ユニット11によりレーザ光が射出された場合の実空間照射位置が現時点で設定されている画角に収まる範囲内を限度に上段測距ユニット11が操作量に応じた回転量で横方向に回転される。
ステップ224で、制御部100Aは、下段用ロータリスイッチ90Iが操作されたか否かを判定する。ステップ224において、下段用ロータリスイッチ90Iが操作された場合は、判定が肯定されて、ステップ226へ移行する。ステップ224において、下段用ロータリスイッチ90Iが操作されていない場合は、判定が否定されて、ステップ228へ移行する。
ステップ226で、制御部100Aは、下段用ロータリスイッチ90Iの操作量及び操作方向に応じて下段用横回転機構13Aを作動させて下段測距ユニット13を横方向に回転させ、その後、ステップ232へ移行する。なお、下段用ロータリスイッチ90Iが操作されると、下段測距ユニット13によりレーザ光が射出された場合の実空間照射位置が現時点で設定されている画角に収まる範囲内を限度に下段測距ユニット13が操作量に応じた回転量で横方向に回転される。
ステップ228で、制御部100Aは、縦回転用ロータリスイッチ90Jが操作されたか否かを判定する。ステップ228において、縦回転用ロータリスイッチ90Jが操作された場合は、判定が肯定されて、ステップ230へ移行する。ステップ228において、縦回転用ロータリスイッチ90Jが操作されていない場合は、判定が否定されて、ステップ234へ移行する。なお、縦回転用ロータリスイッチ90Jが操作されると、測距ユニット12によりレーザ光が射出された場合の実空間照射位置が現時点で設定されている画角に収まる範囲内を限度に測距ユニット12が操作量に応じた回転量で縦方向に回転される。
ステップ230で、制御部100Aは、縦回転用ロータリスイッチ90Jの操作量及び操作方向に応じて縦回転機構15を作動させて測距ユニット12を縦方向に回転させ、その後、ステップ232へ移行する。
ステップ232で、制御部100Aは、単位段測距ユニットの回転方向及び回転量に従って、射出角度βを更新し、その後、ステップ234へ移行する。
なお、ここで、「単位段測距ユニットの回転方向及び回転量」とは、上段測距ユニット11の回転方向及び回転量と、下段測距ユニット13の回転方向及び回転量とに大別される。「上段測距ユニット11の回転方向及び回転量」とは、上段測距ユニット11が横方向に回転された場合の上段測距ユニット11の回転方向及び回転量、並びに、測距ユニット12が縦方向に回転された場合の上段測距ユニット11の回転方向及び回転量を意味する。「下段測距ユニット13の回転方向及び回転量」とは、下段測距ユニット13が横方向に回転された場合の下段測距ユニット13の回転方向及び回転量、並びに、測距ユニット12が縦方向に回転された場合の下段測距ユニット13の回転方向及び回転量を意味する。
ステップ234で、導出部100Bは、距離導出モードが設定されているか否かを判定する。ステップ234において、距離導出モードが設定されていない場合は、判定が否定されて、図17に示すステップ258へ移行する。ステップ234において、距離導出モードが設定されている場合は、判定が肯定されて、図18に示すステップ236へ移行する。
ステップ236で、導出部100Bは、本計測・本撮像ボタン90Aがオンされたか否かを判定する。ステップ236において、本計測・本撮像ボタン90Aがオンされていない場合は、判定が否定されて、ステップ252へ移行する。ステップ236において、本計測・本撮像ボタン90Aがオンされた場合は、判定が肯定されて、ステップ238へ移行する。
ステップ238で、導出部100Bは、測距制御部68を制御することで、単位段測距ユニット毎に、本計測を実行する。また、導出部100Bは、撮像素子ドライバ74及び画像信号処理回路76を制御することで、本撮像を実行し、その後、ステップ240へ移行する。
ステップ240で、導出部100Bは、単位段測距ユニット毎に、位置・距離テーブル109に格納されている対応する位置・距離対応情報に基づいて因子を導出し、その後、ステップ242へ移行する。
ここで、本ステップ240の処理が実行されることによって導出される因子は、現時点で不確定の因子であり、下記の表1に示すように、照射位置影響要因毎に異なる。
不確定の因子の個数は、1〜3個の場合があり得る。例えば、表1に示す例では、測距ユニット交換と画角変更との双方が行われた場合、不確定の因子は、半画角α、射出角度β、及び基準点間距離dの3つとなる。また、レンズ交換のみが行われた場合、不確定の因子は、半画角α及び射出角度βの2つとなる。また、測距ユニット交換のみが行われた場合、不確定の因子は、射出角度β及び基準点間距離dの2つとなる。また、画角変更のみが行われた場合に、不確定の因子は、半画角αの1つとなる。更に、射出方向の変更のみが行われた場合、不確定の因子は、射出角度βの1つとなる。
本ステップ240において、因子は、例えば、下記の数式(2)〜(4)により導出される。数式(2)及び数式(3)において、距離Dは、位置・距離対応情報から特定される距離であり、図13に示す例において、上段測距ユニット11に関する位置・距離対応情報から特定される距離とは、距離D1,D2,D3を指す。また、図13に示す例において、下段測距ユニット13に関する位置・距離対応情報から特定される距離とは、距離D4,D5,D6を指す。数式(4)において、「照射位置の行方向画素」は、行方向における画像内照射位置であり、「行方向画素数の半分」は、撮像素子60における行方向の画素数の半分である。また、本実施形態において、半画角αは、例えば、下記の数式(5)により導出される。数式(5)において、“f”とは、焦点距離を指す。数式(5)に代入される焦点距離fは、例えば、ステップ230の本撮像で用いられた焦点距離であることが好ましい。
本ステップ240では、位置・距離テーブル109に格納されている位置・距離対応情報から特定される仮画像内照射位置が「照射位置の行方向画素」とされる。図13に示す例において、上段測距ユニット11に関する位置・距離対応情報から特定される仮画像内照射位置とは、X1,X2,X3を指す。また、図13に示す例において、下段測距ユニット13に関する位置・距離対応情報から特定される仮画像内照射位置とは、X4,X5,X6を指す。位置・距離テーブル109に格納されている位置・距離対応情報から特定される距離は、対応する仮画像内照射位置(対応する「照射位置の行方向画素」)毎に、数式(2)及び数式(3)における距離Dとして用いられる。そして、「照射位置の行方向画素」の各々に最も近付けることができる因子が導出部100Bによって導出される。
ここで、因子の導出方法について、図13に示す位置・距離テーブル109に格納されている位置・距離対応情報のうちの上段測距ユニット11に関する位置・距離対応情報を例に挙げて説明する。
例えば、仮画像内照射位置X1が「照射位置の行方向画素」として数式(4)で用いられる場合には、距離D1が数式(2)及び数式(3)の距離Dとして用いられる。また、仮画像内照射位置X2が「照射位置の行方向画素」として数式(4)で用いられる場合には、距離D2が数式(2)及び数式(3)の距離Dとして用いられる。また、仮画像内照射位置X3が「照射位置の行方向画素」として数式(4)で用いられる場合には、距離D3が数式(2)及び数式(3)の距離Dとして用いられる。そして、数式(2)〜(4)から、仮画像内照射位置X1,X2,X3の各々に最も近付けることができる半画角α、射出角度β、及び基準点間距離dが導出される。
ステップ242で、導出部100Bは、単位段測距ユニット毎に、ステップ240で導出した因子に基づいて本画像内照射位置を導出し、その後、ステップ244へ移行する。
本ステップ242では、例えば、数式(2)〜(4)により本画像内照射位置が導出される。すなわち、ステップ240で導出された因子が数式(2)〜(4)に代入され、ステップ238で本計測が実行されて得られた距離が距離Dとして数式(2)〜(4)に代入される。これにより、「照射位置の行方向画素」が本画像内照射位置として導出される。
ステップ244で、出力部100Cは、単位段測距ユニット毎に、要因・精度対応情報から特定の想定要因に対応付けられた導出精度を導出する。そして、出力部100Cは、単位段測距ユニット毎に、導出した導出精度に基づいて、導出部100Bにより導出された本画像内照射位置の誤差を導出し、その後、ステップ246へ移行する。
本ステップ244において、特定の想定要因とは、測距装置10Aに実際に存在する照射位置影響要因に相当する想定要因を指す。具体的には、特定の想定要因とは、要因・精度対応情報に含まれる想定要因のうちの、現時点で二次記憶部104に記憶されている要因情報に対応する想定要因と、要因・精度対応情報に含まれる想定要因のうちの製造ばらつきと、を指す。なお、現時点で二次記憶部104に要因情報が記憶されていない場合、特定の想定要因とは、要因・精度対応情報に含まれる想定要因のうちの製造ばらつきのみを指す。
例えば、現時点で二次記憶部104に記憶されている要因情報に対応する想定要因が画角変更(1)の場合、特定の想定要因に対応する導出精度は、導出精度δ1,λである。また、例えば、現時点で二次記憶部104に要因情報が記憶されていない場合、特定の想定要因に対応する導出精度は、導出精度λである。
本ステップ244では、例えば、上記のように特定の想定要因が画角変更(1)及び製造ばらつきの場合、導出精度δ1,λが総合化され、総合化された導出精度に基づいて本画像内照射位置の誤差が単位段測距ユニット毎に導出される。また、例えば、特定の想定要因が製造ばらつきのみの場合、導出精度λに基づいて本画像内照射位置の誤差が単位段測距ユニット毎に導出される。すなわち、測距装置10Aの出荷後に初めて測距装置10Aを稼働させて本計測処理が実行されると、導出精度λに基づいて本画像内照射位置の誤差が単位段測距ユニット毎に導出されることになる。
複数の導出精度が総合化された導出精度とは、例えば、特定の想定要因に対応付けられた導出精度を独立変数として含む多項式により総合化された従属変数により得られる導出精度を指す。多項式の一例としては、下記の数式(6)が挙げられる。数式(6)において、Qは従属変数であり、F(δ)、G(ε)、H(ζ)、J(η)及びK(λ)は関数である。また、数式(6)において、F(δ)は、独立変数である導出精度δにより規定された関数である。また、数式(6)において、G(ε)は、独立変数である導出精度εにより規定された関数である。また、数式(6)において、H(ζ)は、独立変数である導出精度ζにより規定された関数である。また、数式(6)において、J(η)は、独立変数である導出精度ηにより規定された関数である。更に、数式(6)において、K(λ)は、独立変数である導出精度λにより規定された関数である。
なお、ここで、複数の導出精度が総合化された導出精度は、数式(6)の従属変数Qそのものであってもよいし、従属変数Qを調整して得た値であってもよい。従属変数Qを調整して得た値とは、例えば、従属変数Qに対して係数(例えば、ユーザがタッチパネル88を介して指示した係数)を乗じて得た値を指す。
また、本ステップ244では、誤差が、例えば、導出精度及び画像内照射位置の座標とこれらに対応する誤差とが予め対応付けられた位置誤差テーブル(図示省略)に基づいて導出されるが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。誤差は、例えば、導出精度及び画像内照射位置の座標を独立変数とし、誤差を従属変数とする演算式に基づいて導出されてもよい。
ステップ246で、出力部100Cは、一例として図21に示すように、本画像、距離、誤差、及び照射位置目印116A,116Bを表示部86に表示させ、その後、ステップ248へ移行する。
なお、図21に示す例において、表示部86に表示される本画像は、ステップ238の処理が実行されることで本撮像が行われて得られた画像である。
照射位置目印116Aは、上段測距ユニット11により射出されたレーザ光を基にして、ステップ242の処理が実行されることで導出された本画像内照射位置を示す目印である。照射位置目印116Bは、下段測距ユニット13により射出されたレーザ光を基にして、ステップ242の処理が実行されることで導出された本画像内照射位置を示す目印である。なお、以下では、照射位置目印116A,116Bを区別して説明する必要がない場合、照射位置目印116と称する。
また、本ステップ246の処理が実行されると、一例として図21に示すように、単位段測距ユニット毎の距離が表示部86に表示される。ここで、単位段測距ユニット毎の距離は、上段測距ユニット11を用いて計測された距離と下段測距ユニット13を用いて計測された距離とに大別される。上段測距ユニット11を用いて計測された距離とは、上段測距ユニット11により射出されたレーザ光を基にして、ステップ238の処理が実行されることで計測された距離を指す。下段測距ユニット13を用いて計測された距離とは、下段測距ユニット13により射出されたレーザ光を基にして、ステップ238の処理が実行されることで計測された距離を指す。
なお、図21に示す例では、「325414.2」との数値が上段測距ユニット11を用いて計測された距離に該当し、単位はミリメートルである。また、図21に示す例では、「133325.0」との数値が下段測距ユニット13を用いて計測された距離に該当し、単位はミリメートルである。
また、本ステップ246の処理が実行されると、一例として図21に示すように、単位段測距ユニット毎の誤差が表示部86に表示される。ここで、単位段測距ユニット毎の誤差は、上段測距ユニット11による本画像内照射位置の誤差と下段測距ユニット13による本画像内照射位置の誤差とに大別される。上段測距ユニット11による本画像内照射位置の誤差とは、上段測距ユニット11により射出されたレーザ光を基にして、ステップ242の処理が実行されることで導出された本画像内照射位置の誤差を指す。下段測距ユニット13による本画像内照射位置の誤差とは、下段測距ユニット13により射出されたレーザ光を基にして、ステップ242の処理が実行されることで導出された本画像内照射位置の誤差を指す。
なお、図21に示す例では、「±16.3」との数値が上段測距ユニット11による本画像内照射位置の誤差に該当し、単位はミリメートルである。また、図21に示す例では、「±15.2」との数値が下段測距ユニット13による本画像内照射位置の誤差に該当し、単位はミリメートルである。
ステップ248で、出力部100Cは、ステップ244又は後述のステップ286の処理が実行されることで単位段測距ユニット毎に導出された誤差の少なくとも1つが閾値を超えたか否かを判定する。閾値は、照射位置導出用データ取得処理(図19参照)が実行されるべき好ましい値として測距装置10Aの実機による試験、及び/又は、測距装置10Aの設計仕様等に基づくコンピュータ・シミュレーション等の結果に基づいて事前に得られた値である。なお、本ステップ248において、ステップ244又はステップ286の処理が実行されることで導出された誤差が閾値を超える場合とは、導出部100Bによる本画像内照射位置の導出精度が予め定められた導出精度未満であることを意味する。
ステップ248において、ステップ244又はステップ286の処理が実行されることで単位段測距ユニット毎に導出された誤差の全てが閾値以下の場合は、判定が否定されて、ステップ252へ移行する。ステップ248において、ステップ244又はステップ286の処理が実行されることで導出された誤差の少なくとも1つが閾値を超えた場合は、判定が肯定されて、ステップ250へ移行する。
ステップ250で、出力部100Cは、一例として図22に示すように、表示部86に対して照射位置調整推奨画面110を表示させ、その後、ステップ252へ移行する。
照射位置調整推奨画面110は、本画像内照射位置の調整を推奨するための画面である。図22に示す例では、照射位置調整推奨画面110に、「本画像内照射位置の調整をお奨めします。」というメッセージが表示されている。また、図22に示す例では、照射位置調整推奨画面110に、本画像内照射位置の調整を行う意思を表明する場合に指定される「はい」のソフトキーが表示されている。また、図22に示す例では、照射位置調整推奨画面110に、本画像内照射位置の調整を行わない意思を表明する場合に指定される「いいえ」のソフトキーが表示されている。
このように、本ステップ250では、出力部100Cによって導出された導出精度が予め定められた導出精度未満であることを示す警報として、照射位置調整推奨画面110が表示部86に表示される。
ステップ252で、出力部100Cは、照射位置調整推奨画面110の「はい」のソフトキーがオンされたか否かを判定する。ステップ252において、照射位置調整推奨画面110の「はい」のソフトキーがオンされた場合、判定が肯定されて、ステップ254へ移行する。ステップ252において、照射位置調整推奨画面110の「いいえ」のソフトキーがオンされた場合、及び照射位置調整推奨画面110が表示されてから既定時間(例えば、30秒)が経過した場合、判定が否定されて、ステップ256へ移行する。
ステップ254で、導出部100Bは、一例として図19に示す照射位置導出用データ取得処理を実行し、その後、ステップ256へ移行する。
図19に示す照射位置導出用データ取得処理では、先ず、ステップ254Aで、導出部100Bは、一例として図23に示すように、表示部86に対して仮計測・仮撮像案内画面112を表示させ、その後、ステップ254Bへ移行する。
仮計測・仮撮像案内画面112は、レーザ光の射出方向を変えて仮計測及び仮撮像を複数回(本実施形態では、一例として3回)行うことをユーザに案内するための画面である。図23に示す例では、仮計測・仮撮像案内画面112に、「レーザ光の射出方向を変えて仮計測・仮撮像を3回行って下さい。」というメッセージが表示されている。
ステップ254Bで、導出部100Bは、仮計測・仮撮像ボタン90Bがオンされたか否かを判定する。ステップ254Bにおいて、仮計測・仮撮像ボタン90Bがオンされていない場合は、判定が否定されて、ステップ254Cへ移行する。ステップ254Bにおいて、仮計測・仮撮像ボタン90Bがオンされた場合は、判定が肯定されて、ステップ254Dへ移行する。
ステップ254Cで、導出部100Bは、本照射位置導出用データ取得処理を終了する条件である終了条件を満足したか否かを判定する。本照射位置導出用データ取得処理において、終了条件とは、例えば、本照射位置導出用データ取得処理を終了する指示がタッチパネル88を介して受け付けられたとの条件を指す。
ステップ254Cにおいて、終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ254Bへ移行する。ステップ254Cにおいて、終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、ステップ220へ移行する。
ステップ254Dで、導出部100Bは、測距制御部68を制御することで、単位段測距ユニット毎に、仮計測を実行する。また、導出部100Bは、撮像素子ドライバ74及び画像信号処理回路76を制御することで、仮撮像を実行し、その後、ステップ254Eへ移行する。なお、仮計測及び仮撮像は、仮計測・仮撮像ボタン90Bがオンされる毎に撮影方向を変えて行われる。撮影方向を変えるには、例えば、測距装置10Aの向きを変えればよい。
ステップ254Eで、導出部100Bは、単位段測距ユニット毎に、仮撮像を実行して得た画像である仮画像、及び仮計測を実行して得た距離を一次記憶部102に単位段測距ユニット毎に記憶し、その後、ステップ254Fへ移行する。
ステップ254Fで、導出部100Bは、仮計測・仮撮像ボタン90Bが3回オンされたか否かを判定することで、仮計測及び仮撮像が3回行われたか否かを判定する。ステップ254Fにおいて、仮計測及び仮撮像が3回行われていない場合は、判定が否定されて、ステップ254Bへ移行する。ステップ254Fにおいて、仮計測及び仮撮像が3回行われた場合は、判定が肯定されて、ステップ254Gへ移行する。
次に、導出部100Bは、単位段測距ユニット毎に、仮計測された複数の距離(ここでは、一例として3つの距離)の関係が本画像内照射位置の導出に用いる位置・距離対応情報の構築に有効に寄与しない予め定められた関係でないか否かを判定する。すなわち、ステップ254Gで、導出部100Bは、単位段測距ユニット毎に、ステップ254Eで一次記憶部102に記憶した3つの距離が有効な距離か否かを判定する。ここで、有効な距離とは、一次記憶部102に記憶されている3つの距離が本画像内照射位置の導出に用いる位置・距離対応情報の構築(生成)に有効に寄与する関係の距離を指す。3つの距離が本画像内照射位置の導出に用いる位置・距離対応情報の構築に有効に寄与する関係とは、例えば、3つの距離が互いに予め定められた距離以上(例えば、0.3メートル以上)離れた関係を意味する。
ステップ254Gにおいて、単位段測距ユニットの少なくとも1つについて、ステップ254Eで一次記憶部102に記憶した3つの距離が有効な距離でない場合は、判定が否定されて、ステップ254Hへ移行する。ステップ254Gにおいて、単位段測距ユニットの全てについて、ステップ254Eで一次記憶部102に記憶した3つの距離が有効な距離である場合は、判定が肯定されて、ステップ254Iへ移行する。
ステップ254Hで、導出部100Bは、一例として図24に示すように、表示部86に対して再実行案内画面114を表示させ、その後、ステップ254Bへ移行する。
再実行案内画面114は、仮計測及び仮撮像のやり直しをユーザに案内するための画面である。図24に示す例では、再実行案内画面114に、「有効な距離が計測できませんでした。レーザ光の射出方向を変えて仮計測・仮撮像を3回行って下さい。」というメッセージが表示されている。
ステップ254Iで、導出部100Bは、単位段測距ユニット毎に、ステップ254Eで一次記憶部102に記憶した仮画像毎に仮画像内照射位置を特定し、その後、ステップ254Jへ移行する。仮画像内照射位置は、例えば、ライブビュー画像において仮計測及び仮撮像が行われる前(例えば、1フレーム前)に得られた画像と仮撮像が行われて得られた仮画像との差分から特定される。なお、仮計測が行われた距離が数メートル程度であれば、ユーザは仮画像からレーザ光の照射位置を視覚的に認識することができる。この場合、仮画像から視覚的に認識された照射位置がタッチパネル88を介してユーザによって指定されるものとし、指定された位置が仮画像内照射位置として特定されるようにしてもよい。
ステップ254Jで、導出部100Bは、単位段測距ユニット毎に、位置・距離対応情報を生成して位置・距離テーブル109に上書きすることで、位置・距離テーブル109を単位段測距ユニット毎に更新し、その後、本照射位置導出用データ取得処理を終了する。
一方、図18に示す計測処理では、ステップ256で、導出部100Bは、本計測処理を終了する条件である終了条件を満足したか否かを判定する。本計測処理において、終了条件とは、例えば、本計測処理を終了する指示がタッチパネル88を介して受け付けられたとの条件を指す。
ステップ256において、終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ220へ移行する。ステップ256において、終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、本計測処理を終了する。
一方、図17に示すステップ258で、導出部100Bは、本計測・本撮像ボタン90Aがオンされたか否かを判定する。ステップ258において、本計測・本撮像ボタン90Aがオンされていない場合は、判定が否定されて、ステップ260へ移行する。ステップ258において、本計測・本撮像ボタン90Aがオンされた場合は、判定が肯定されて、ステップ262へ移行する。
ステップ260で、導出部100Bは、照射位置調整ボタン90Gがオンされたか否かを判定する。ステップ260において、照射位置調整ボタン90Gがオンされた場合は、判定が肯定されて、図18に示すステップ254へ移行する。ステップ260において、照射位置調整ボタン90Gがオンされていない場合は、判定が否定されて、図18に示すステップ256へ移行する。
ステップ262で、導出部100Bは、測距制御部68を制御することで、単位段測距ユニット毎に、本計測を実行する。また、導出部100Bは、撮像素子ドライバ74及び画像信号処理回路76を制御することで、本撮像を実行し、その後、ステップ264へ移行する。
ステップ264で、導出部100Bは、単位段測距ユニット毎に、位置・距離テーブル109に格納されている位置・距離対応情報に基づいて因子を導出し、その後、ステップ266へ移行する。
ステップ266で、導出部100Bは、単位段測距ユニット毎に、ステップ264で導出した因子に基づいて本画像内照射位置を導出し、その後、ステップ268へ移行する。
本ステップ266では、例えば、数式(2)〜(4)により画像内照射位置が導出される。すなわち、ステップ264で導出された因子が数式(2)〜(4)に代入され、ステップ262で本計測が実行されて得られた距離が距離Dとして数式(2)〜(4)に代入される。これにより、「照射位置の行方向画素」が本画像内照射位置として導出される。
ステップ268で、導出部100Bは、一例として図25に示すように、本画像、距離、及び照射位置目印116A,116Bを表示部86に表示させる。
なお、図25に示す例において、表示部86に表示される本画像は、ステップ262の処理が実行されることで本撮像が行われて得られた画像である。
図25に示す例において、照射位置目印116Aは、上段測距ユニット11により射出されたレーザ光を基にして、ステップ266の処理が実行されることで導出された本画像内照射位置を示す目印である。図25に示す例において、照射位置目印116Bは、下段測距ユニット13により射出されたレーザ光を基にして、ステップ266の処理が実行されることで導出された本画像内照射位置を示す目印である。
また、本ステップ268の処理が実行されると、一例として図25に示すように、単位段測距ユニット毎の距離が表示部86に表示される。ここで、単位段測距ユニット毎の距離は、上段測距ユニット11を用いて計測された距離と下段測距ユニット13を用いて計測された距離とに大別される。上段測距ユニット11を用いて計測された距離とは、上段測距ユニット11により射出されたレーザ光を基にして、ステップ262の処理が実行されることで計測された距離を指す。下段測距ユニット13を用いて計測された距離とは、下段測距ユニット13により射出されたレーザ光を基にして、ステップ262の処理が実行されることで計測された距離を指す。
なお、図25に示す例では、「42351.2」との数値が上段測距ユニット11を用いて計測された距離に該当し、単位はミリメートルである。また、図25に示す例では、「4361.3」との数値が下段測距ユニット13を用いて計測された距離に該当し、単位はミリメートルである。
ここで、ユーザは、表示部86に本画像、距離、及び照射位置目印116A,116Bを含む画面が表示されると、タッチパネル88を介して本画像の表示領域内で枠を指定する。
そこで、次のステップ270で、導出部100Bは、タッチパネル88を介して本画像の表示領域内で枠が正しく指定されたか否かを判定する。ここで、正しく指定された枠とは、一例として図25に示すように、本画像の表示領域内において照射位置目印116Aを内包する四角形状の枠117A、及び本画像の表示領域内において照射位置目印116Bを内包する四角形状の枠117Bを指す。
一例として図25に示すように、枠117Aは、点119A,119B,119C,119Dの4点によって画定される。枠117Aによって囲まれた領域は、照射位置目印116Aから特定される本画像内照射位置に関連して指定された領域である。
一例として図25に示すように、枠117Bは、点119E,119F,119G,119Hの4点によって画定される。枠117Bによって囲まれた領域は、照射位置目印116Bから特定される本画像内照射位置に関連して指定された領域である。
ステップ270において、タッチパネル88を介して本画像の表示領域内で枠が正しく指定されていない場合は、判定が否定されて、ステップ272へ移行する。ステップ270において、タッチパネル88を介して本画像の表示領域内で枠が正しく指定された場合は、判定が肯定されて、ステップ274へ移行する。
ステップ272で、導出部100Bは、本計測処理を終了する条件である前述の終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ272において、終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ270へ移行する。ステップ272において、終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、本計測処理を終了する。
ステップ274で、導出部100Bは、枠117A,117Bのうちの少なくとも一方の内側に四角形状の領域が存在するか否かを判定する。四角形状の領域とは、例えば、図25に示すように、台形状領域121A,121Bを指す。なお、オフィスビルの外壁部のうちの台形状領域121A,121Bに対応する部分の各々は、撮像レンズ50に対して正面視で正対している状態で撮像されると、本画像には長方形領域として表れる。
ステップ274において、枠117A,117Bの何れの内側にも四角形状の領域が存在しない場合は、判定が否定されて、ステップ280へ移行する。ステップ274において、枠117A,117Bのうちの少なくとも一方の内側に四角形状の領域が存在する場合は、判定が肯定されて、ステップ276へ移行する。
なお、以下では、説明の便宜上、枠117A,117Bを区別して説明する必要がない場合、枠117と称する。また、以下では、説明の便宜上、台形状領域121A,121Bを区別して説明する必要がない場合、台形状領域121と称する。
ステップ276で、導出部100Bは、台形状領域121を内包する枠117によって囲まれている画像領域に対して前述の射影変換処理を実行し、その後、ステップ278へ移行する。
すなわち、ステップ276で、先ず、導出部100Bは、枠117内に含まれる四角形状の領域に基づいて射影変換用の係数である射影変換係数を導出する。そして、導出部100Bは、導出した射影変換係数を用いて最新の本画像(ステップ262の処理で得られた本画像)に対して射影変換処理を実行し、その後、ステップ278へ移行する。本ステップ278の処理が実行されることで、最新の本画像は、上述の正対視画像に相当する画像に変換される。
枠117Aに含まれる四角形状の領域は、台形状領域121Aであり、枠117Bに含まれる四角形状の領域は、台形状領域121Bである。従って、本ステップ278の処理が実行されると、台形状領域121Aに基づいて第1の射影変換係数が導出され、台形状領域121Bに基づいて第2の射影変換係数が導出される。
そして、枠117Aによって囲まれた画像領域(例えば、枠117Aによって外縁が画定された四角形の画像領域)に対して第1の射影変換係数に基づいて射影変換処理が実行される。また、枠117Bによって囲まれた画像領域(例えば、枠117Bによって外縁が画定された四角形の画像領域)に対して第2の射影変換係数に基づいて射影変換処理が実行される。
なお、本ステップ276では、台形状領域121を内包しない枠117によって囲まれている画像領域に対しては、前述の射影変換処理が実行されない。また、以下では、説明の便宜上、枠117Aが台形状領域121Aを内包しており、かつ、枠117Bが台形状領域121Bを内包している状態で本ステップ276の処理が実行されることを前提として説明する。
ステップ278で、導出部100Bは、ステップ276で射影変換処理が実行されることで得られた射影変換後画像123A,123Bを表示部86に表示させる。
射影変換後画像123Aとは、例えば、枠117Aによって囲まれた画像領域に対応する部分が撮像レンズ50に対して正面視で正対している状態で撮像されて得られた画像に相当する画像を指す。すなわち、射影変換後画像123Aは、台形状領域121Aに対して射影変換処理が実行されて得られた長方形領域123A1を含む画像である。
射影変換後画像123Bとは、例えば、枠117Bによって囲まれた画像領域に対応する部分が撮像レンズ50に対して正面視で正対している状態で撮像されて得られた画像に相当する画像を指す。すなわち、射影変換後画像123Bは、台形状領域121Bに対して射影変換処理が実行されて得られた長方形領域123B1を含む画像である。
なお、以下では、説明の便宜上、射影変換後画像123A,123Bを区別して説明する必要がない場合、符号を付さずに「射影変換後画像」と称する。
ここで、ユーザは、表示部86に射影変換後画像を含む画面が表示されると、タッチパネル88を介して射影変換後画像の表示領域内で2点、すなわち、2つの画素を指定することで区域を指定する。ここで、指定される区域とは、2つの画素の間隔に対応する実空間上の区域を指す。
そこで、次のステップ280で、導出部100Bは、指定された区域の長さの導出に用いる画像である区域長さ導出対象画像のうちの2つの画素が指定されたか否かを判定する。
ここで、例えば、区域長さ導出対象画像とは、ステップ276,278の処理が実行された場合、射影変換後画像123A,123Bを指す。また、例えば、区域長さ導出対象画像とは、ステップ276,278の処理が実行されなかった場合、本画像のうちの枠117A,117Bの各々で囲まれた領域の画像を指す。
なお、区域長さ導出対象画像のうちの指定された2つの画素は、以後、照射位置目印116から特定される本画像内照射位置に関連させた画素として取り扱われる。例えば、ステップ276,278の処理が実行された場合、射影変換後画像123Aのうちの指定された2つの画素は、以後、照射位置目印116Aから特定される本画像内照射位置に関連させた画素として取り扱われる。また、例えば、ステップ276,278の処理が実行されなかった場合、枠117Aで囲まれた領域の画像のうちの指定された2つの画素は、以後、照射位置目印116Aから特定される本画像内照射位置に関連させた画素として取り扱われる。
ステップ280において、タッチパネル88を介して区域長さ導出対象画像のうちの2つの画素が指定されていない場合は、判定が否定されて、ステップ282へ移行する。ステップ280において、タッチパネル88を介して区域長さ導出対象画像のうちの2つの画素が指定された場合は、判定が肯定されて、ステップ284へ移行する。
ステップ282で、導出部100Bは、本計測処理を終了する条件である前述の終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ282において、終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ280へ移行する。ステップ282において、終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、本計測処理を終了する。
ステップ284で、導出部100Bは、区域長さ導出対象画像毎に、ユーザによってタッチパネル88を介して指定された2つの画素の間隔に対応する区域の長さを、寸法導出機能を働かせて導出し、その後、ステップ286へ移行する。
本ステップ284では、ユーザによってタッチパネル88を介して指定された2つの画素の間隔に対応する区域の長さが、数式(1)により導出される。なお、この場合、数式(1)のu1,u2(図11参照)は、ユーザによってタッチパネル88を介して指定された2つの画素のアドレスである。
ステップ286で、出力部100Cは、要因・精度対応情報から特定の想定要因に対応付けられた導出精度を導出し、導出した導出精度に基づいて、導出部100Bにより導出された区域の長さの誤差を導出し、その後、ステップ288へ移行する。なお、区域の長さの誤差は、区域長さ導出対象画像毎に導出される。
本ステップ286において、特定の想定要因とは、測距装置10Aに実際に存在する照射位置影響要因に相当する想定要因を指す。具体的には、特定の想定要因とは、要因・精度対応情報に含まれる想定要因のうちの、現時点で二次記憶部104に記憶されている要因情報に対応する想定要因と、要因・精度対応情報に含まれる想定要因のうちの製造ばらつきと、を指す。
なお、現時点で二次記憶部104に要因情報が記憶されていない場合、特定の想定要因とは、要因・精度対応情報に含まれる想定要因のうちの製造ばらつきのみを指す。従って、測距装置10Aがデフォルトで稼動された場合、二次記憶部104には要因情報が記憶されていないため、ステップ244又はステップ286の処理が実行されることで、製造ばらつきに関する想定要因に基づく誤差が導出される。そして、ステップ246又は後述のステップ288の処理が実行されることで、製造ばらつきに関する想定要因に基づく誤差が表示部86に表示される。
本ステップ286でも、ステップ244と同様に、要因・精度対応情報から複数の導出精度が導出された場合、複数の導出精度が総合化され、総合化された導出精度に基づいて区域の長さの誤差が導出される。また、例えば、特定の想定要因が製造ばらつきのみの場合、導出精度λに基づいて区域の長さの誤差が導出される。すなわち、測距装置10Aの出荷後に初めて測距装置10Aを稼働させて本計測処理が実行されると、導出精度λに基づいて区域の長さの誤差が導出されることになる。
なお、本ステップ286でも、ステップ244と同様に、数式(6)に基づいて複数の導出精度が総合化される。また、本ステップ286では、誤差が、例えば、導出精度及び区域の長さと誤差とが予め対応付けられた長さ誤差テーブル(図示省略)に基づいて導出されるが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。誤差は、例えば、導出精度及び区域の長さを独立変数とし、誤差を従属変数とする演算式に基づいて導出されてもよい。
ステップ288で、出力部100Cは、一例として図27に示すように、画像、区域の長さ、誤差、及び双方向矢印125A,125Bを表示部86に表示させ、その後、ステップ248へ移行する。
本ステップ288の処理が実行されることで表示部86に表示される画像は、本画像又は射影変換後画像123である。すなわち、ステップ276の処理が実行された場合のみ射影変換後画像123が表示され、それ以外の場合は、ステップ262で本撮像されて得られた本画像が表示部86に表示される。
また、本ステップ288の処理が実行されることで表示部86に表示される区域の長さは、ステップ284の処理が実行されることで導出された区域の長さである。なお、図27に示す例では、「52」との数値及び「15」との数値が区域の長さに該当し、単位はミリメートルである。
また、本ステップ288の処理が実行されることで表示部86に表示される誤差は、ステップ286の処理が実行されることで導出された誤差である。なお、図27に示す例では、「±1」との数値及び「±3」との数値が誤差に該当し、単位はミリメートルである。
更に、本ステップ288の処理が実行されることで表示部86に表示される双方向矢印125A,125Bの各々は、ユーザによってタッチパネル88を介して指定された2つの画素間を特定する矢印である。
次に、表示部86にライブビュー画像が表示されている状態で照射位置調整ボタン90Gが押下された場合にCPU100が照射位置調整プログラム108を実行することで実現される照射位置調整処理について図28を参照して説明する。
なお、以下では、説明の便宜上、上段測距ユニット11を回転させる場合を例に挙げて説明するが、下段測距ユニット13を回転させる場合についても同様に行われる。また、以下では、説明の便宜上、表示部86にライブビュー画像が特定のフレームレートで表示されている場合について説明する。
図28に示す照射位置調整処理では、先ず、ステップ300で、制御部100Aは、既定時期が到来したか否かを判定する。ここで、既定時期とは、例えば、ライブビュー画像が3フレーム表示される毎の時期を指す。なお、既定時期は、ライブビュー画像が3フレーム表示される毎の時期に限定されるものではなく、ライブビュー画像が他のフレーム数で表示される毎の時期であってもよいし、3秒又は5秒等の予め定められた時間で規定されてもよい。また、既定時期は、タッチパネル88等を介して受け付けられた指示に従って予め定められた時期であってもよい。
ステップ300において、既定時期が到来した場合は、判定が肯定されて、ステップ302へ移行する。ステップ300において、既定時期が到来していない場合は、判定が否定されて、ステップ316へ移行する。
ステップ302で、制御部100Aは、測距制御部68を制御することで、距離の計測を実行する。また、制御部100Aは、撮像素子ドライバ74及び画像信号処理回路76を制御することで、撮像を実行し、その後、ステップ304へ移行する。
ステップ304で、制御部100Aは、最新の因子に基づいてライブビュー画像内照射位置を導出部100Bに導出させ、その後、ステップ306へ移行する。最新の因子とは、例えば、本ステップ304の処理が実行される前に最後に導出された画像内照射位置がステップ242(図18参照)の処理が実行されることで導出された本画像内照射位置の場合、本画像内照射位置の導出で用いられた因子を指す。また、最新の因子とは、例えば、前回のステップ304の処理の実行後に後述のステップ312の処理が実行された場合、最新のライブビュー画像内照射位置の導出で用いられた因子のうちの射出角度β以外の因子と、ステップ312で更新された射出角度βとを指す。
本ステップ304では、例えば、前述した数式(2)〜(4)によりライブビュー画像内照射位置が導出される。すなわち、最新の因子が数式(2)〜(4)に代入され、ステップ302で計測が実行されて得られた距離が距離Dとして数式(2)〜(4)に代入される。これにより、「照射位置の行方向画素」がライブビュー画像内照射位置として導出される。
ここで、一例として図29〜図31に示すように、制御部100Aは、ライブビュー画像の表示領域内に、本ステップ304の処理が実行されることで導出されたライブビュー画像内照射位置を示す目印である照射位置目印116Aを表示させる制御を表示部86に行う。これにより、測距装置10Aは、照射位置目印116Aが表示されない場合に比べ、ユーザに対して最新のライブビュー画像内照射位置を容易に把握させることができる。なお、図29〜図31に示す例では、下段測距ユニット13により射出されたレーザ光を基に導出されたライブビュー画像内照射位置を示す目印である照射位置目印116Bも表示部86に表示されている。
ステップ306で、制御部100Aは、ステップ304の処理が実行されることで導出部100Bによって導出されたライブビュー画像内照射位置が既定範囲内か否かを判定する。ここで、既定範囲内とは、一例として図30に示すように、予め定められた大きさの長方形状の枠127の内側を指す。枠127は、図30に示す形状及び位置に限定されるものではなく、枠127は、撮像画像の表示領域内における特定の一部の領域を囲む枠であればよい。なお、本実施形態では、枠127が撮像画像の表示領域内に表示されるが、これに限定されるものではなく、枠127は表示されなくてもよい。また、表示部86による枠127の表示及び非表示は、タッチパネル88等を介して受け付けられた指示に従って制御部100Aによって選択的に切り替えられるようにしてもよい。
ステップ306において、ライブビュー画像内照射位置が既定範囲外の場合は、判定が否定されて、ステップ308へ移行する。なお、本ステップ306では、一例として図30に示すように、照射位置目印116A,116Bの両方が枠127の外側に位置する場合、ライブビュー画像内照射位置が既定範囲外であると判定される。また、本ステップ306では、照射位置目印116A,116Bの少なくとも一方が枠127の内側に位置する場合、ライブビュー画像内照射位置が既定範囲内であると判定される。
ステップ308で、制御部100Aは、表示部86に対して既定範囲外情報をライブビュー画像に重畳して表示させ、その後、ステップ310へ移行する。ここで、既定範囲外情報とは、ステップ304の処理が実行されることで導出部100Bによって導出されたライブビュー画像内照射位置が既定範囲外であることを示す情報を指す。
既定範囲外情報としては、一例として図30に示すように、表示部86に表示される「レーザ光の照射位置が既定範囲外です。」とのメッセージ129が挙げられるが、これはあくまでも一例である。その他には、例えば、枠127が表示されている場合、「レーザ光が枠内に照射されていません。」とのメッセージが既定範囲外情報として表示部86に表示されるようにしてもよい。また、例えば、表示部86による可視表示に限らず、音声再生装置(図示省略)での音声の出力による可聴表示が行われるようにしてもよい。また、画像形成装置(図示省略)による永久可視表示が行われるようにしてもよいし、可視表示、可聴表示、及び永久可視表示のうちの少なくとも2つを組み合わせてもよい。
このように、本ステップ308の処理が実行されることで、既定範囲外情報が表示部86によって表示され、これにより、ライブビュー画像内照射位置が既定範囲外であることがユーザに報知される。
ステップ310で、制御部100Aは、回転機構をモータドライバ23を介して制御することで、上段測距ユニット11を既定方向に向かって既定回転量だけ回転させ、その後、ステップ312へ移行する。
ここで、既定回転量とは、例えば、一定の回転量を意味する。既定回転量の一例としては、例えば、射出角度βを予め定められた角度(例えば、3度)だけ変更するのに要する回転量が挙げられる。
また、既定方向とは、ステップ304の処理が実行されることで導出部100Bによって導出されたライブビュー画像内照射位置と、枠127を横切る基準直線133(図29参照)との距離が縮まる方向を指す。基準直線133は、単位段測距ユニット毎に設けられており、単位段測距ユニット毎の基準直線は、枠127内において、射出部22のレーザ光の光軸と、射出部30のレーザ光の光軸との高さ方向のずれ分に対応する距離だけ離れた位置に設定されている。
基準直線133は、基準直線133A,133Bに大別される。基準直線133Aは、上段測距ユニット11に対して用いられる直線であり、基準直線133Bは、下段測距ユニット13に対して用いられる直線である。
そのため、本実施形態において、既定方向は、ステップ304の処理が実行されることで導出部100Bによって導出されたライブビュー画像内照射位置と、上段測距ユニット11に対応する基準直線133Aとの位置関係から一意に定まる。
ステップ312で、制御部100Aは、ステップ310の処理が実行されることで回転された上段測距ユニット11の回転方向及び回転量に従って射出角度βを更新し、その後、ステップ300へ移行する。
一方、ステップ306において、ライブビュー画像内照射位置が既定範囲内の場合は、判定が肯定されて、ステップ314へ移行する。
ステップ314で、制御部100Aは、表示部86に対して既定範囲内情報をライブビュー画像に重畳して表示させ、その後、ステップ316へ移行する。ここで、既定範囲内情報とは、ステップ304の処理が実行されることで導出部100Bによって導出されたライブビュー画像内照射位置が既定範囲内であることを示す情報を指す。
既定範囲内情報としては、一例として図31に示すように、表示部86に表示される「レーザ光の照射位置が既定範囲内です。」とのメッセージ131が挙げられるが、これはあくまでも一例である。その他には、例えば、枠127が表示されている場合、「レーザ光が枠内に照射されています。」とのメッセージが既定範囲内情報として表示部86に表示されるようにしてもよい。また、例えば、表示部86による可視表示に限らず、音声再生装置(図示省略)での音声の出力による可聴表示が行われるようにしてもよい。また、画像形成装置(図示省略)による永久可視表示が行われるようにしてもよいし、可視表示、可聴表示、及び永久可視表示のうちの少なくとも2つを組み合わせてもよい。
このように、本ステップ314の処理が実行されることで、既定範囲内情報が表示部86によって表示され、これにより、ライブビュー画像内照射位置が既定範囲内であることがユーザに報知される。
ステップ316で、制御部100Aは、本照射位置調整処理を終了する条件である終了条件を満足したか否かを判定する。本照射位置調整処理において、終了条件とは、例えば、照射位置調整ボタン90Gが再び押下されたとの条件、及び/又は、本照射位置調整処理の実行が開始されてから予め定められた時間(例えば、1分)が経過したとの条件等を指す。
ステップ316において、終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、ステップ300へ移行する。ステップ316において、終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、本照射位置調整処理を終了する。
以上説明したように、測距装置10Aでは、測距ユニット12により複数本のレーザ光が照射される。また、制御部100Aにより、複数本のレーザ光の各々による実空間照射位置が収まる画角で撮像装置14に対して撮像を行わせる制御が行われる(ステップ262)。また、導出部100Bにより、実空間照射位置に対応する位置として本画像内照射位置が導出される(ステップ266)。そして、本画像内照射位置毎に区域長さ導出対象画像に関連させた2つの画素の間隔に対応する区域の長さが、測距系機能を働かせて計測された距離、指定された2つの画素の間隔、及び撮像装置14での焦点距離に基づいて導出される(ステップ284)。従って、測距装置10Aによれば、撮像及び測距が1回行われる毎に区域が1つのみ指定される場合に比べ、複数の区域の長さを迅速に導出することができる。
また、測距装置10Aでは、単位段測距ユニット毎にレーザ光の向きが変更可能とされている。従って、測距装置10Aによれば、複数本のレーザ光の各々の照射位置を容易に変更することができる。
また、測距装置10Aでは、単位段測距ユニット毎に位置・距離対応情報が生成され(ステップ254J)、生成された位置・距離対応情報に基づいて本画像内照射位置が単位段測距ユニット毎に導出される(ステップ264,266)。従って、測距装置10Aによれば、位置・距離対応情報を生成することなく本画像内照射位置を単位段測距ユニット毎に導出する場合に比べ、単位段測距ユニットの各々に関する本画像内照射位置を高精度に導出することができる。
また、測距装置10Aでは、区域長さ導出対象画像に関連させた2つの画素の間隔に対応する区域の長さが、測距系機能を働かせて計測された距離、指定された2つの画素の間隔、及び撮像装置14での焦点距離に基づいて導出される。また、出力部100Cにより、位置・距離対応情報に基づいて、測距装置10Aに実際に存在する照射位置影響要因としての想定要因に対応する導出精度が導出され、導出された導出精度に基づいて、区域の長さの誤差が導出される(ステップ286)。そして、出力部100Cにより、導出された誤差が表示部86に表示される(ステップ288)。従って、測距装置10Aによれば、照射位置影響要因が実際に存在するにも拘らず、区域の長さの誤差が表示されない場合に比べ、区域の長さの誤差をユーザに容易に把握させることができる。
また、測距装置10Aでは、異なる想定要因の各々に対して異なる導出精度が対応付けられた要因・精度対応情報が要因・精度テーブル111に格納されている。そして、出力部100Cにより、測距装置10Aに実際に存在する照射位置影響要因に対応する想定要因に対応付けられた導出精度が要因・精度対応情報から導出される(ステップ286)。従って、測距装置10Aによれば、単一の想定要因のみに対して導出精度が対応付けられている場合に比べ、導出精度を精度良く導出することができる。
また、測距装置10Aでは、実際に照射位置影響要因が複数存在する場合、測距装置10Aに実際に存在する複数の照射位置影響要因の各々に対応する想定要因に対応付けられた導出精度が総合化されて導出される(ステップ286)。従って、測距装置10Aによれば、測距装置10Aに実際に存在する複数の照射位置影響要因の各々に対応する想定要因に対応付けられた各導出精度が個別に導出される場合に比べ、導出精度の簡便な取り扱いを実現することができる。
また、測距装置10Aでは、多項式である数式(6)により導出精度が総合化される。従って、測距装置10Aによれば、単項式を用いる場合に比べ、導出精度を容易に総合化することができる。
また、測距装置10Aでは、照射位置影響要因がレンズ交換、測距ユニット交換、画角変更、射出方向の変更、及び製造ばらつき、とされている。従って、測距装置10Aによれば、レンズ交換、測距ユニット交換、画角変更、射出方向の変更、及び製造ばらつきの何れも照射位置影響要因とされていない場合に比べ、適用した要因の影響を考慮した導出精度を導出することができる。
また、測距装置10Aでは、測距装置10Aの出荷前の段階で要因・精度対応情報が要因・精度テーブル111に格納されている。従って、測距装置10Aによれば、測距装置10Aの出荷後に要因・精度対応情報を作成して要因・精度テーブル111に格納する場合に比べ、導出精度を迅速に導出することができる。
また、測距装置10Aでは、出力部100Cにより導出された誤差が閾値を超えている場合に照射位置調整推奨画面110が表示部86に表示されることで警報が発せられる(ステップ248,250)。従って、測距装置10Aによれば、誤差が閾値を超えているにも拘らず警報を発しない場合に比べ、誤差が閾値を超えていることをユーザに容易に認識させることができる。
また、測距装置10Aでは、ライブビュー画像内照射位置が撮像画像内の既定範囲外の場合に(ステップ306:N)、ライブビュー画像内照射位置が枠127内に入るまで、測距制御部68による計測が実行される(ステップ302)。そして、測距制御部68により計測された距離、及び最新の射出角度β等を含む最新の因子に基づいてライブビュー画像内照射位置が導出される(ステップ304)。従って、測距装置10Aによれば、ライブビュー画像内照射位置を枠127内に入れた状態で測距を行うことができる。
また、測距装置10Aでは、ライブビュー画像内照射位置が撮像画像内の既定範囲外の場合に、ライブビュー画像内照射位置が枠127内に入るまで、測距制御部68による計測が実行され、モータ11B,13B,17を駆動させることで回転機構により射出角度βが変更される。そして、測距制御部68により計測された距離、及び最新の射出角度β等を含む最新の因子に基づいてライブビュー画像内照射位置が導出される。従って、測距装置10Aによれば、モータ11B,13B,17及び回転機構を用いずに射出角度βが変更される場合に比べ、ライブビュー画像内照射位置を枠127内に入れるのに要する手間を軽減することができる。
また、測距装置10Aでは、本画像内照射位置毎に、照射位置目印116を内包する枠117が指定される。また、枠117毎に、枠117の内側で2つの画素がタッチパネル88を介してユーザによって指定される。そして、導出部100Bにより、枠117内の本画像内照射位置に関して本計測された距離と、指定された2つの画素の間隔と、焦点距離とに基づいて、指定された2つの画素の間隔に対応する区域の長さが導出される(ステップ284)。従って、測距装置10Aによれば、照射位置目印116を内包する枠117が指定されない場合に比べ、複数本のレーザ光のうちのユーザが区域の長さの導出に利用したいレーザ光を基に計測された距離に基づく区域の長さの導出を簡易な構成で実現することができる。
また、測距装置10Aでは、測距ユニット12により2本のレーザ光が射出される。一方のレーザ光は、撮影方向に対して前後して立設されたオフィスビルの一方の正面側の外壁部に照射され、他方のレーザ光は、撮影方向に対して前後して立設されたオフィスビルの他方の正面側の外壁部に照射される(例えば、図21及び図29〜図31参照)。そして、測距制御部68により、各レーザ光を基に距離が計測され、計測された距離毎に、導出部100Bにより、ユーザによって指定された区域の長さが導出される(ステップ284)。従って、測距装置10Aによれば、1本のレーザ光のみがオフィスビルに射出される場合に比べ、2つのオフィスビルを対象として異なる区域の長さを容易に導出することができる。
なお、上記第1実施形態では、枠127の位置が固定化されている場合について説明したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、枠127の位置は、タッチパネル88等を介して受け付けられた指示に従って変更されるようにしてもよい。更に、枠127の大きさは、固定化されていてもよいが、例えば、タッチパネル88等を介して受け付けられた指示に従って変更されるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、枠127は長方形状とされているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、例えば、閉じられた領域を形成する楕円形状、四角形状又は三角形状等の他の形状の枠であってもよい。
また、上記第1実施形態では、単位段測距ユニットの回転に伴って射出角度βが更新される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、射出角度βと共に基準点間距離dも更新されるようにしてもよい。基準点間距離dも更新された場合は、例えば、図28に示すステップ304にて、更新された基準点間距離dを含めた最新の因子に基づいて本画像内照射位置及び/又はライブビュー画像内照射位置が導出されるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、出力部100Cにより要因・精度対応情報に基づいて導出精度が導出される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、想定要因を独立変数とし、導出精度を従属変数とする演算式に基づいて導出精度が導出されるようにしてもよい。このように、想定要因と導出精度との対応関係が規定された要因・精度対応情報又は演算式に基づいて、出力部100Cにより導出精度が出力されるようにすればよい。
また、上記第1実施形態では、出力部100Cにより導出された導出精度に基づいて誤差が本開示の技術に係る「導出精度に基づく情報」の一例として導出され、導出された誤差が表示部86に表示される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、本開示の技術に係る「導出精度に基づく情報」の一例として出力部100Cにより導出された導出精度そのものを表示部86に表示されるようにしてもよい。また、例えば、本開示の技術に係る「導出精度に基づく情報」の一例として各々導出された導出精度及び誤差の両方が表示部86に表示されるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、測距装置10Aの出荷前に要因・精度テーブル111が二次記憶部104に予め記憶されている場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。すなわち、要因・精度テーブル111は、出力部100Cが初めて稼働するまでに二次記憶部104に記憶されていればよい。例えば、測距装置10Aの出荷後、出力部100Cが初めて稼働するまでに要因・精度テーブル111がダウンロードされるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、要因・精度テーブル111に格納されている要因・精度対応情報が固定化されている場合について説明したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、測距装置10Aの出荷後に、タッチパネル88を介して受け付けられた指示に応じて要因・精度対応情報が書き換えられるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、出力部100Cが多項式を用いて複数の導出精度を総合化したが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、出力部100Cが多項式と同様の出力が得られる総合化テーブル(図示省略)を用いて複数の導出精度を総合化してもよい。
また、上記第1実施形態では、区域の長さが導出される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、ユーザによって指定された複数画素により画定される画像領域に対応する実空間領域の面積が、寸法導出機能によって導出されるようにしてもよい。なお、ここで、「指定された複数画素により画定される画像領域」とは、例えば、指定された3つ以上の画素によって取り囲まれた画像領域を指す。
また、上記第1実施形態では、オフィスビルの外壁部が撮像レンズ50に対して正面視で正対していない状態で測距装置10Aによって撮像されることを前提として説明したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。すなわち、オフィスビルの外壁部が撮像レンズ50に対して正面視で正対している状態で測距装置10Aによって撮像されるようにしてもよい。この場合、計測処理に含まれるステップ276,278の処理を省略することができる。
また、上記第1実施形態では、別体のオフィスビル(離れた位置に建てられたオフィスビル)を例示し、各オフィスビルに対してレーザ光が照射される場合について説明したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、1つのオフィスビルに対して複数本のレーザ光が照射されてもよい。また、1つのオフィスビルのうち、位置及び向きの少なくとも一方が異なる平面状領域(例えば、外壁面)の各々に対してレーザ光が照射されるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、製造ばらつきに基づく誤差が表示部86に表示される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、製造ばらつきの誤差が表示部86に表示されなくてもよい。
また、上記第1実施形態では、要因・精度対応情報に、画角変更、レンズ交換、測距ユニット交換、射出方向の変更、及び製造ばらつきが含まれる例を挙げて説明したが本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、製造ばらつきは、要因・精度対応情報に含まれていなくてもよい。このように、要因・精度対応情報は、画角変更、レンズ交換、測距ユニット交換、射出方向の変更、及び製造ばらつきのうちの少なくとも1つを削除した形態としてもよい。
また、上記第1実施形態では、照射位置目印116が表示される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、ステップ240,264の処理が実行されることで導出された因子も表示されるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、半画角α、射出角度β、及び基準点間距離dの3つの因子が不確定の因子であることを前提としていたので、仮計測及び仮撮像が3回実行される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。半画角α、射出角度β、及び基準点間距離dの3つの因子が不確定の因子であったとしても、仮計測及び仮撮像が4回以上実行されるようにしてもよく、仮計測及び仮撮像の実行回数が多いほど精度も高くなる。また、不確定の因子が2つの場合は、仮計測及び仮撮像が少なくとも2回実行され、不確定の因子が1つの場合は、仮計測及び仮撮像が少なくとも1回実行されるようにすればよい。
また、上記第1実施形態では、照射位置影響要因として、レンズ交換、測距ユニット交換、画角変更、射出方向の変更、及び製造ばらつきを例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、これらのうちの少なくとも1つが照射位置影響要因であればよい。また、例えば、前回の因子の導出から予め定められた期間(例えば、30日)が経過したことを照射位置影響要因としてもよい。また、温度及び湿度のうちの少なくとも一方の変化量の絶対値が基準値を超えたことを照射位置影響要因としてもよい。また、測距ユニット12若しくは撮像装置14の特定の構成部材が交換されたこと、又は、特定の構成部材が除去されたことを照射位置影響要因としてもよい。
また、照射位置影響要因が発生したことを検知する検知部が測距装置10Aに設けられてもよいし、照射位置影響要因が発生したことを示す情報がユーザによってタッチパネル88を介して入力されるようにしてもよい。また、複数の照射位置影響要因が発生したことを検知する検知部が測距装置10Aに設けられてもよいし、複数の照射位置影響要因が発生したことを示す情報がユーザによってタッチパネル88を介して入力されるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、測距制御部68が撮像装置本体18に内蔵されている場合について説明したが、測距制御部68は、撮像装置本体18ではなく、測距ユニット12に内蔵されていてもよい。この場合、主制御部62の制御下で、測距ユニット12に内蔵されている測距制御部68によって測距ユニット12の全体が制御されるようにすればよい。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、前後して計測された距離の相違度に拘わらずライブビュー画像内照射位置が導出される場合について説明したが、本第2実施形態では、前後して計測された距離の相違度に応じてライブビュー画像内照射位置の導出の要否が決められる場合について説明する。なお、本第2実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略し、上記第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
本第2実施形態に係る測距装置10B(図1及び図5参照)は、測距装置10Aに比べ、二次記憶部104に照射位置調整プログラム108に代えて照射位置調整プログラム132が記憶されている点が異なる(図10参照)。
本第2実施形態に係る測距装置10Bは、測距装置10Aに比べ、図28に示す照射位置調整処理に代えて図32に示す照射位置調整処理が実行される点が異なる。
次に、測距装置10Bの作用として、CPU100が照射位置調整プログラム132を実行することで実現される照射位置調整処理について図32を参照して説明する。なお、図28に示すフローチャートと同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。また、以下では、説明の便宜上、上記第1実施形態で説明した測距処理のステップ242又はステップ266の処理が既に実行されていることを前提として説明する。
図32に示す照射位置調整処理は、図28に示す照射位置調整処理に比べ、ステップ302とステップ304との間にステップ303を有する点が異なる。
ステップ303で、制御部100Aは、距離相違度を導出し、導出した距離相違度が閾値を超えているか否かを判定する。ステップ304の処理が既に実行された場合、距離相違度とは、導出部100Bによるライブビュー画像内照射位置の前回の導出に用いられた距離とステップ302の処理が実行されることで計測された最新の距離との相違度を指す。
なお、本ステップ303では、ステップ304の処理が既に実行された場合、距離相違度の一例として、導出部100Bによるライブビュー画像内照射位置の前回の導出に用いられた距離とステップ302の処理が実行されることで計測された最新の距離との差の絶対値が採用されている。
また、ステップ304の処理が未だに実行されていない場合、距離相違度とは、例えば、導出部100Bによる本画像内照射位置の導出に用いられた距離とステップ302の処理が実行されることで計測された最新の距離との相違度を指す。
なお、本ステップ303では、ステップ304の処理が未だに実行されていない場合、距離相違度の一例として、導出部100Bによる本画像内照射位置の導出に用いられた距離とステップ302の処理が実行されることで計測された最新の距離との差の絶対値が採用されている。
ここでは、距離相違度の一例として、差の絶対値を採用しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、ステップ304の処理が未だに実行されていない場合、導出部100Bによる本画像内照射位置の導出に用いられる距離に対する、ステップ302の処理が実行されることで計測された最新の距離の割合が距離相違度として用いられてもよい。また、例えば、導出部100Bによるライブビュー画像内照射位置の前回の導出に用いられた距離に対する、ステップ302の処理が実行されることで計測された最新の距離の割合が距離相違度として用いられてもよい。
ステップ303において、距離相違度が閾値を超えている場合は、判定が肯定されて、ステップ304へ移行する。ステップ303において、距離相違度が閾値以下の場合は、判定が否定されて、ステップ300へ移行する。
以上説明したように、測距装置10Bでは、ステップ300の処理が実行されることで断続的に距離の計測が行われる(ステップ302)。そして、最新の距離相違度が閾値以上の場合に(ステップ303:Y)、ステップ304以降の処理が実行される。
従って、測距装置10Bによれば、距離相違度が閾値以上の場合にステップ304以降の処理が実行されない場合に比べ、ライブビュー画像内照射位置を枠127内に維持し易くすることができる。
[第3実施形態]
上記第2実施形態では、既定時期が到来したことを条件にライブビュー画像内照射位置の調整が可能になる場合について説明したが、本第3実施形態では、レリーズボタンが半押しされたことを条件にライブビュー画像内照射位置の調整が可能になる場合について説明する。なお、本第3実施形態では、上記第1及び第2実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略し、上記第1及び第2実施形態と異なる部分のみを説明する。
本第3実施形態に係る測距装置10Cは、測距装置10Bに比べ、二次記憶部104に照射位置調整プログラム132に代えて照射位置調整プログラム134が記憶されている点が異なる(図10参照)。
本第3実施形態に係る測距装置10C(図1及び図5参照)は、測距装置10Bに比べ、図32に示す照射位置調整処理に代えて図33に示す照射位置調整処理が実行される点が異なる。
次に、測距装置10Cの作用として、CPU100が照射位置調整プログラム134を実行することで実現される照射位置調整処理について図33を参照して説明する。なお、図32に示すフローチャートと同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
図33に示す照射位置調整処理は、図32に示す照射位置調整処理に比べ、ステップ300に代えてステップ350を有する点が異なる。
ステップ350で、制御部100Aは、レリーズボタンが半押し状態か否かを判定する。ステップ350において、レリーズボタンが半押し状態の場合は、判定が肯定されて、ステップ302へ移行する。ステップ350において、レリーズボタンが半押し状態でない場合は、判定が否定されて、ステップ316へ移行する。
以上説明したように、測距装置10Cでは、レリーズボタンが半押し状態とされた場合に(ステップ350:Y)、ステップ302以降の処理が実行される。
従って、測距装置10Cによれば、レリーズボタンが半押し状態とされた場合にステップ302以降の処理が実行されない場合に比べ、本露光の際にライブビュー画像内照射位置が枠127内に入っていない状態になることを抑制することができる。
[第4実施形態]
上記第1〜第3実施形態では、モータ11B,13B,17により生成される動力により回転機構を作動させることで単位段測距ユニットを回転させる場合について説明したが、本第4実施形態では、単位段測距ユニットを手動で回転させる場合について説明する。なお、本第4実施形態では、上記第1〜第3実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略し、上記第1〜第3実施形態と異なる部分のみを説明する。
一例として図34に示すように、本第4実施形態に係る測距装置10Dは、測距装置10Cに比べ、撮像装置14に代えて撮像装置139を有する点が異なる。また、撮像装置139は、撮像装置14に比べ、撮像装置本体18に代えて撮像装置本体180を有する点が異なる。撮像装置本体180は、撮像装置本体18に比べ、モータ17及びモータドライバ25に代えてロータリエンコーダ181を有する点が異なる。撮像装置本体180は、撮像装置本体18に比べ、モータドライバ21,23を有しない点が異なる。
また、本第4実施形態に係る測距装置10Dは、測距装置10Cに比べ、受付デバイス90に代えて受付デバイス182を有する点が異なる。受付デバイス182は、受付デバイス90に比べ、上段用ロータリスイッチ90H、下段用ロータリスイッチ90I、及び縦回転用ロータリスイッチ90Jを有しない点が異なる。
また、本第4実施形態に係る測距装置10Dは、測距装置10Cに比べ、測距ユニット12に代えて測距ユニット183を有する点が異なる。測距ユニット183は、測距ユニット12に比べ、上段測距ユニット11に代えて上段測距ユニット184を有する点、及び下段測距ユニット13に代えて下段測距ユニット185を有する点が異なる。なお、本第4実施形態では、上段測距ユニット184及び下段測距ユニット185を区別して説明する必要がない場合、「単位段測距ユニット」と称する。
一例として図35に示すように、上段測距ユニット184は、上段測距ユニット11に比べ、モータ11Bに代えてロータリエンコーダ187を有する点が異なる。下段測距ユニット185は、下段測距ユニット13に比べ、モータ13Bに代えてロータリエンコーダ186を有する点が異なる。
ロータリエンコーダ181は、縦回転機構15及びバスライン84に接続されており、縦回転機構15により回転されるホットシュー20の回転方向及び回転量を検出する。主制御部62は、ロータリエンコーダ181により検出された回転方向及び回転量を取得する。
ロータリエンコーダ187は、上段用横回転機構11Aに接続されている。また、ロータリエンコーダ187は、信号線28Cを介してコネクタ26に接続されており、上段用横回転機構11Aにより回転される上段測距ユニット184の回転方向及び回転量を検出する。主制御部62は、ロータリエンコーダ187により検出された回転方向及び回転量を取得する。
ロータリエンコーダ186は、下段用横回転機構13Aに接続されている。また、ロータリエンコーダ186は、信号線28Fを介してコネクタ26に接続されており、下段用横回転機構13Aにより回転される下段測距ユニット185の回転方向及び回転量を検出する。主制御部62は、ロータリエンコーダ186により検出された回転方向及び回転量を取得する。
また、本第4実施形態に係る測距装置10Dは、測距装置10Cに比べ、二次記憶部104に計測プログラム107に代えて計測プログラム136が記憶されている点が異なる(図10参照)。
また、本第4実施形態に係る測距装置10Dは、測距装置10Cに比べ、二次記憶部104に照射位置調整プログラム134に代えて照射位置調整プログラム137が記憶されている点が異なる(図10参照)。
また、本第4実施形態に係る測距装置10Dは、測距装置10Cに比べ、図16に示す計測処理に代えて図36に示す計測処理が実行される点が異なる。
更に、本第4実施形態に係る測距装置10Dは、測距装置10Cに比べ、図33に示す照射位置調整処理に代えて図37に示す照射位置調整処理が実行される点が異なる。
次に、測距装置10Dの作用として、CPU100が計測プログラム136を実行することで実現される計測処理について図36を参照して説明する。なお、図16に示すフローチャートと同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
また、本第4実施形態では、説明の便宜上、現時点で設定されている画角に実空間照射位置が収まるように、上段測距ユニット184の横方向の回転範囲、及び下段測距ユニット185の横方向の回転範囲が予め制限されていることを前提として説明する。また、本第4実施形態では、現時点で設定されている画角に実空間照射位置が収まるように、測距ユニット183の縦方向の回転範囲も予め制限されていることを前提として説明する。
図36に示す計測処理は、図16に示す計測処理に比べ、ステップ222,226,230を有しない点が異なる。また、図36に示す計測処理は、図16に示す計測処理に比べ、ステップ220に代えてステップ360を有する点、ステップ224に代えてステップ362を有する点、及びステップ228に代えてステップ364を有する点が異なる。
ステップ360で、制御部100Aは、上段測距ユニット184が回転されたか否かを判定する。ステップ360において、上段測距ユニット184が回転されていない場合は、判定が否定されて、ステップ362へ移行する。ステップ360において、上段測距ユニット184が回転された場合は、判定が肯定されて、ステップ366へ移行する。
ステップ362で、制御部100Aは、下段測距ユニット185が回転されたか否かを判定する。ステップ362において、下段測距ユニット185が回転されていない場合は、判定が否定されて、ステップ364へ移行する。ステップ362において、下段測距ユニット185が回転された場合は、判定が肯定されて、ステップ366へ移行する。
ステップ366で、制御部100Aは、単位段測距ユニットの回転方向及び回転量に従って、射出角度βを更新し、その後、ステップ316へ移行する。
次に、測距装置10Dの作用として、CPU100が照射位置調整プログラム137を実行することで実現される照射位置調整処理について図37を参照して説明する。なお、図33に示すフローチャートと同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
図37に示す照射位置調整処理は、図33に示す照射位置調整処理に比べ、ステップ310に代えてステップ370を有する点、及びステップ312に代えてステップ372を有する点が異なる。
ステップ370で、制御部100Aは、単位段測距ユニットが回転されたか否かを判定する。ステップ370において、単位段測距ユニットが回転されていない場合は、判定が否定されて、ステップ316へ移行する。ステップ370において、単位段測距ユニットが回転された場合は、判定が肯定されて、ステップ372へ移行する。
ステップ372で、制御部100Aは、単位段測距ユニットの回転方向及び回転量に応じて射出角度βを更新し、その後、ステップ350へ移行する。
以上説明したように、測距装置10Dでは、単位段測距ユニットが手動で回転され、単位段測距ユニットの回転量及び回転方向を基に計測処理が実行される。
また、測距装置10Dでは、単位段測距ユニットが手動で回転され、ライブビュー画像内照射位置が枠127外の場合に、ライブビュー画像内照射位置が枠127内に入るまで、測距制御部68により距離が計測される。そして、計測された距離と射出角度βとに基づいて導出部100Bによりライブビュー画像内照射位置が導出される。
従って、測距装置10Dによれば、単位段測距ユニットを手動で回転させることができない場合に比べ、射出角度βの変更に対してユーザの意図を容易に反映させることができる。
[第5実施形態]
上記第1実施形態では、因子を導出し、導出した因子に基づいて本画像内照射位置を導出したが、本第5実施形態では、因子を導出せずに本画像内照射位置を導出する場合について説明する。なお、本第5実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略し、上記第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
本第5実施形態に係る測距装置10E(図1及び図5参照)は、測距装置10Aに比べ、二次記憶部104に計測プログラム107に代えて計測プログラム138が記憶されている点が異なる(図10参照)。
次に、測距装置10Eの作用として、測距装置10Eの電源スイッチがオン(投入)された場合にCPU100が計測プログラム138を実行することで実現される計測処理について図38及び図39を参照して説明する。なお、図17及び図18と同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
図38に示すフローチャートは、図17に示すフローチャートに比べ、ステップ264,266に代えてステップ380を有する点が異なる。また、図38に示すフローチャートは、図17に示すフローチャートに比べ、ステップ268に代えてステップ382を有する点が異なる。
図39に示すフローチャートは、図18に示すフローチャートに比べ、ステップ240,242に代えてステップ384を有する点が異なる。また、図39に示すフローチャートは、図18に示すフローチャートに比べ、ステップ246に代えてステップ386を有する点が異なる。
図38に示すステップ380で、導出部100Bは、単位段測距ユニット毎に、位置・距離対応情報に基づいて本画像内照射位置を導出し、その後、ステップ382へ移行する。
本ステップ380では、例えば、図40に示すように、単位段測距ユニット毎に、位置・距離対応情報について近似曲線ZXが作成される。そして、単位段測距ユニット毎に、ステップ262で本計測が実行されて得られた距離に対応する本画像内照射位置が近似曲線ZXから導出される。すなわち、本ステップ380では、本開示の技術に係る第1対応関係を示す情報の一例である位置・距離対応情報により規定された近似曲線ZXと本計測が実行されて得られた距離との関係から本画像内照射位置が単位段測距ユニット毎に導出される。
ステップ382で、導出部100Bは、一例として図25に示すように、単位段測距ユニット毎に、本画像、距離、及び照射位置目印116A、116Bを表示部86に表示させ、その後、ステップ270へ移行する。
なお、本ステップ382の処理が実行されることで表示部86に表示される照射位置目印116A,116Bは、ステップ380の処理が実行されることで単位段測距ユニット毎に導出された本画像内照射位置を示す目印である。
一方、図39に示すステップ384で、導出部100Bは、単位段測距ユニット毎に、位置・距離対応情報に基づいて本画像内照射位置を導出し、その後、ステップ244へ移行する。
本ステップ384では、例えば、図40に示すように、位置・距離対応情報について近似曲線ZXが作成される。そして、ステップ238で本計測が実行されて得られた距離に対応する本画像内照射位置が近似曲線ZXから導出される。すなわち、本ステップ384では、本開示の技術に係る第1対応関係を示す情報の一例である位置・距離対応情報により規定された近似曲線ZXと本計測が実行されて得られた距離との関係から本画像内照射位置が単位段測距ユニット毎に導出される。
ステップ386で、導出部100Bは、一例として図21に示すように、本画像、距離、誤差、及び照射位置目印116A,116Bを表示部86に表示させ、その後、ステップ248へ移行する。
なお、本ステップ386の処理が実行されることで表示部86に表示される照射位置目印116A,116Bは、ステップ384の処理が実行されることで単位段測距ユニット毎に導出された本画像内照射位置を示す目印である。
以上説明したように、測距装置10Eでは、位置・距離対応情報により規定された近似曲線と本計測で得られた距離との関係から本画像内照射位置が単位段測距ユニット毎に導出される。従って、測距装置10Eによれば、位置・距離対応情報により規定された近似曲線を用いずに本画像内照射位置を単位段測距ユニット毎に導出する場合に比べ、本画像内照射位置の導出を簡易な構成で実現することができる。
[第6実施形態]
上記第1実施形態では、測距ユニット12及び撮像装置14により実現される測距装置10Aを例示したが、本第6実施形態では、スマートデバイス402を含めて実現される測距装置10F(図41)について説明する。なお、本第6実施形態では、上記各実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略し、上記各実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
また、本第6実施形態では、説明の便宜上、計測プログラム107,136,137を区別して説明する必要がない場合は、符号を付さずに「計測プログラム」と称する。また、本第6実施形態では、説明の便宜上、照射位置調整プログラム108,132,134,137を区別して説明する必要がない場合は、符号を付さずに「照射位置調整プログラム」と称する。また、本第6実施形態では、要因記憶プログラム106、計測プログラム、及び照射位置調整プログラムを区別して説明する必要がない場合は、単に「プログラム」と称する。
一例として図41に示すように、本第6実施形態に係る測距装置10Fは、上記第1実施形態に係る測距装置10Aに比べ、撮像装置14に代えて撮像装置400を有する点が異なる。また、測距装置10Fは、測距装置10Aに比べ、スマートデバイス402を有する点が異なる。
撮像装置400は、撮像装置14に比べ、撮像装置本体18に代えて撮像装置本体403を有する点が異なる。
撮像装置本体403は、撮像装置本体18に比べ、無線通信部404及び無線通信用アンテナ406を有する点が異なる。
無線通信部404は、バスライン84及び無線通信用アンテナ406に接続されている。主制御部62は、スマートデバイス402へ送信される対象の情報である送信対象情報を無線通信部404に出力する。
無線通信部404は、主制御部62から入力された送信対象情報を無線通信用アンテナ406を介してスマートデバイス402へ電波で送信する。また、無線通信部404は、スマートデバイス402からの電波が無線通信用アンテナ406で受信されると、受信された電波に応じた信号を取得し、取得した信号を主制御部62に出力する。
スマートデバイス402は、CPU408、一次記憶部410、及び二次記憶部412を備えている。CPU408、一次記憶部410、及び二次記憶部412は、バスライン422に接続されている。
CPU408は、スマートデバイス402を含めて測距装置10Fの全体を制御する。一次記憶部410は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。一次記憶部410の一例としては、RAMが挙げられる。二次記憶部412は、スマートデバイス402を含めて測距装置10Fの全体の作動を制御する制御プログラム及び/又は各種パラメータ等を予め記憶する不揮発性のメモリである。二次記憶部412の一例としては、フラッシュメモリ及び/又はEEPROM等が挙げられる。
スマートデバイス402は、表示部414、タッチパネル416、無線通信部418、及び無線通信用アンテナ420を備えている。
表示部414は、表示制御部(図示省略)を介してバスライン422に接続されており、表示制御部の制御下で各種情報を表示する。なお、表示部414は、例えば、LCDにより実現される。
タッチパネル416は、表示部414の表示画面に重ねられており、指示体による接触を受け付ける。タッチパネル416は、タッチパネルI/F(図示省略)を介してバスライン422に接続されており、指示体により接触された位置を示す位置情報をタッチパネルI/Fに出力する。タッチパネルI/Fは、CPU408の指示に従ってタッチパネルI/Fを作動させ、タッチパネル416から入力された位置情報をCPU408に出力する。
表示部414には、上記第1実施形態で説明した本計測・本撮像ボタン90A、仮計測・仮撮像ボタン90B、撮像系動作モード切替ボタン90C、広角指示ボタン90D、及び望遠指示ボタン90Eの各々に相当するソフトキーが表示される。また、表示部414には、上記第1実施形態で説明した計測系動作モード切替ボタン90F及び照射位置調整ボタン90Gの各々に相当するソフトキーが表示される。
例えば、図42に示すように、表示部414には、本計測・本撮像ボタン90Aとして機能する本計測・本撮像ボタン90A1がソフトキーとして表示され、タッチパネル416を介してユーザによって押下される。また、例えば、表示部414には、仮計測・仮撮像ボタン90Bとして機能する仮計測・仮撮像ボタン90B1がソフトキーとして表示され、タッチパネル416を介してユーザによって押下される。また、例えば、表示部414には、撮像系動作モード切替ボタン90Cとして機能する撮像系動作モード切替ボタン90C1がソフトキーとして表示され、タッチパネル416を介してユーザによって押下される。
また、例えば、表示部414には、広角指示ボタン90Dとして機能する広角指示ボタン90D1がソフトキーとして表示され、タッチパネル416を介してユーザによって押下される。また、例えば、表示部414には、望遠指示ボタン90Eとして機能する望遠指示ボタン90E1がソフトキーとして表示され、タッチパネル416を介してユーザによって押下される。
また、例えば、表示部414には、計測系動作モード切替ボタン90Fとして機能する計測系動作モード切替ボタン90F1がソフトキーとして表示され、タッチパネル416を介してユーザによって押下される。また、例えば、表示部414には、照射位置調整ボタン90Gとして機能する照射位置調整ボタン90G1がソフトキーとして表示され、タッチパネル416を介してユーザによって押下される。
一例として図42に示すように、表示部414には、上段横回転用タッチパッド430、下段横回転用タッチパッド432、及び縦回転用タッチパッド434が表示される。
上段横回転用タッチパッド430は、上段用ロータリスイッチ90Hとして機能する円状のタッチパッドである。一例として図42に示すように、上段測距ユニット11の横方向の回転量及び回転方向は、タッチパネル416を介して上段横回転用タッチパッド430の表示領域の内側で円弧状の軌跡が描かれることによって定められる。
すなわち、上段測距ユニット11の横方向の回転量は、上段横回転用タッチパッド430の表示領域の内側に描かれた軌跡の長さに応じて定まる。ここで、上段横回転用タッチパッド430の表示領域の内側に描かれた軌跡の長さは、例えば、タッチパネル416に接触した状態でスライドさせた指示体(例えば、ユーザの指)のスライド量に相当する。
また、上段測距ユニット11の回転方向は、上段横回転用タッチパッド430の表示領域の内側での軌跡が描かれた方向(図42に示す例では、矢印C方向)に応じて定まる。ここで、上段横回転用タッチパッド430の表示領域の内側での軌跡が描かれた方向は、例えば、タッチパネル416に接触した状態でスライドさせた指示体のスライド方向に相当する。
下段横回転用タッチパッド432は、下段用ロータリスイッチ90Iとして機能する円状のタッチパッドである。一例として図42に示すように、下段測距ユニット13の横方向の回転量及び回転方向は、タッチパネル416を介して下段横回転用タッチパッド432の表示領域の内側で円弧状の軌跡が描かれることによって定められる。
すなわち、下段測距ユニット13の横方向の回転量は、下段横回転用タッチパッド432の表示領域の内側に描かれた軌跡の長さに応じて定まる。ここで、下段横回転用タッチパッド432の表示領域の内側に描かれた軌跡の長さは、例えば、タッチパネル416に接触した状態でスライドさせた指示体のスライド量に相当する。
また、下段測距ユニット13の回転方向は、下段横回転用タッチパッド432の表示領域の内側での軌跡が描かれた方向(図42に示す例では、矢印D方向)に応じて定まる。ここで、下段横回転用タッチパッド432の表示領域の内側での軌跡が描かれた方向は、例えば、タッチパネル416に接触した状態でスライドさせた指示体のスライド方向に相当する。
縦回転用タッチパッド434は、縦回転用ロータリスイッチ90Jとして機能する円状のタッチパッドである。一例として図42に示すように、測距ユニット12の縦方向の回転量及び回転方向は、タッチパネル416を介して縦回転用タッチパッド434の表示領域の内側で円弧状の軌跡が描かれることによって定められる。
すなわち、測距ユニット12の縦方向の回転量は、縦回転用タッチパッド434の表示領域の内側に描かれた軌跡の長さに応じて定まる。ここで、縦回転用タッチパッド434の表示領域の内側に描かれた軌跡の長さは、例えば、タッチパネル416に接触した状態でスライドさせた指示体のスライド量に相当する。
また、測距ユニット12の回転方向は、縦回転用タッチパッド434の表示領域の内側での軌跡が描かれた方向(図42に示す例では、矢印E方向)に応じて定まる。ここで、縦回転用タッチパッド434の表示領域の内側での軌跡が描かれた方向は、例えば、タッチパネル416に接触した状態でスライドさせた指示体のスライド方向に相当する。
無線通信部418は、バスライン422及び無線通信用アンテナ420に接続されている。無線通信部418は、CPU408から入力された信号を無線通信用アンテナ420を介して撮像装置本体403へ電波で送信する。また、無線通信部418は、撮像装置本体403からの電波が無線通信用アンテナ420で受信されると、受信された電波に応じた信号を取得し、取得した信号をCPU408に出力する。従って、撮像装置本体403は、スマートデバイス402との間で無線通信が行われることで、スマートデバイス402によって制御される。
二次記憶部412は、プログラムを記憶している。CPU408は、二次記憶部412からプログラムを読み出して一次記憶部410に展開し、プログラムを実行することで、本開示の技術に係る制御部100A、導出部100B、及び出力部100Cとして動作する。例えば、CPU408が要因記憶プログラム106を実行することで、上記第1実施形態で説明した要因記憶処理が実現される。また、CPU408が計測プログラムを実行することで、上記各実施形態で説明した計測処理が実現される。更に、例えば、CPU408が照射位置調整プログラムを実行することで、上記各実施形態で説明した照射位置調整処理が実現される。
以上説明したように、測距装置10Fでは、CPU408により、要因記憶処理、計測処理、及び照射位置調整処理が実行される。従って、測距装置10Fによれば、撮像装置400によって要因記憶処理、計測処理、及び照射位置調整処理が実行される場合に比べ、上記各実施形態で説明した効果を得るにあたって、撮像装置400にかかる負荷を軽減することができる。
[第7実施形態]
上記各実施形態では、単位段ユニット毎にレーザ光が照射される場合について説明したが、本第7実施形態では、1つの測距ユニット450(図43)によりレーザ光が走査される場合について説明する。なお、本第7実施形態では、上記1実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略し、上記各実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
一例として図43に示すように、本第7実施形態に係る測距装置10Gは、測距装置10Aに比べ、測距ユニット12に代えて測距ユニット450を有する点が異なる。また、測距装置10Gは、測距装置10Aに比べ、撮像装置14に代えて撮像装置452を有する点が異なる。撮像装置452は、撮像装置14に比べ、撮像装置本体18に代えて撮像装置本体454を有する点が異なる。
一例として図44に示すように、撮像装置本体454は、縦回転機構15を備えている。縦回転機構15は、モータ17によって生成される動力を受けて、ホットシュー20の前端部を回転軸としてホットシュー20を縦方向に回転させる。従って、測距ユニット450が取り付けられた状態のホットシュー20が縦回転機構15によって縦方向に回転されることで、測距ユニット450の向きが縦方向(例えば、図44に示すA2方向)で変更される。図44に示す例では、説明の便宜上、ホットシュー20の後端部が撮像装置本体454内に沈み込むようにホットシュー20を縦方向に回転させる態様が示されているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、ホットシュー20の後端部を撮像装置本体454から押し上げるようにホットシュー20を縦方向に回転させてもよい。
一例として図45に示すように、撮像装置本体454は、横回転機構456を備えている。横回転機構456は、後述のモータ458(図47参照)によって生成される動力を受けて、ホットシュー20の平面視中央点を回転軸としてホットシュー20を横方向に回転させる。従って、測距ユニット450が取り付けられた状態のホットシュー20が横回転機構456によって横方向に回転されることで、測距ユニット450の向きが横方向(例えば、図45に示すB2方向)で変更される。
なお、本第7実施形態では、説明の便宜上、縦回転機構15及び横回転機構456を区別せずに説明する場合、符号を付さずに「回転機構」と称する。
一例として図46に示すように、測距装置10Gでは、回転機構を作動させることによってレーザ光を走査させることで複数本のレーザ光の各々を異なる方向で被写体に射出することが可能となる。ここで、本第7実施形態において、走査とは、測距ユニット450の向きを横方向に予め定められた速度で変更させつつ、予め定められた時間間隔でレーザ光を射出すること(換言すると、間欠的にレーザ光を照射すること)を意味する。
なお、以下では、説明の便宜上、測距ユニット450の向きを横方向に変更させることで走査を実現することを前提として説明するが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、縦方向や斜め方向に測距ユニット450の向きを変更させつつ間欠的にレーザ光を射出することで走査を実現するようにしてもよい。
一例として図47に示すように、測距ユニット450は、射出部460、受光部462、及びコネクタ26を備えている。
射出部460は、LD464、集光レンズ(図示省略)、対物レンズ465、及びLDドライバ468を有する。例えば、LD464は、LD22Aと同様の機能を有し、集光レンズは、上記第1実施形態で説明した射出部22に含まれる集光レンズと同様の機能を有する。また、例えば、対物レンズ465は、対物レンズ22Bと同様の機能を有し、LDドライバ468は、LDドライバ22Cと同様の機能を有する。
受光部462は、PD470、対物レンズ472、及び受光信号処理回路474を有する。例えば、PD470は、PD24Aと同様の機能を有し、対物レンズ472は、対物レンズ24Bと同様の機能を有し、受光信号処理回路474は、受光信号処理回路24Cと同様の機能を有する。
横回転機構456にはモータ458が接続されており、横回転機構456は、モータ458の動力を受けてホットシュー20を横方向に回転させることで、一例として図45に示すように、測距ユニット450を矢印B2方向に回転させる。
受付デバイス466は、受付デバイス90に比べ、上段用ロータリスイッチ90H、下段用ロータリスイッチ90I、及び縦回転用ロータリスイッチ90Jを有しない点が異なる。
一例として図10に示すように、二次記憶部104は、要因記憶プログラム140、計測プログラム142、照射位置調整プログラム144、位置・距離テーブル109、及び要因・精度テーブル111を記憶している。要因記憶プログラム140、計測プログラム142、及び照射位置調整プログラム144は、本開示の技術に係る測距プログラムの一例である。
なお、本第7実施形態では、説明の便宜上、要因記憶プログラム140、計測プログラム142、及び照射位置調整プログラム144を区別して説明する必要がない場合、符号を付さずに「プログラム」と称する。
一例として図12に示すように、CPU100は、二次記憶部104からプログラムを読み出して一次記憶部102に展開し、プログラムを実行することで、制御部500A、導出部500B、及び出力部500Cとして動作する。
なお、本第7実施形態では、制御部500Aについては、制御部100Aと異なる点を説明し、導出部500Bについては、導出部100Bと異なる点を説明し、出力部500Cについては、出力部100Cと異なる点を説明する。
また、上記各実施形態では、位置・距離テーブル109に、対応する単位段測距ユニットに関する位置・距離対応情報が格納されているが、本第7実施形態では、位置・距離テーブル109にレーザ光の方向毎の位置・距離対応情報が格納されている。すなわち、本第7実施形態では、一例として図13に示すように、位置・距離テーブル109に、後述の第1の方向及び第2の方向の各々に関する位置・距離対応情報が格納されている。
本第7実施形態において、位置・距離対応情報とは、ステップ622Iの処理が実行されることによって特定された仮画像内照射位置毎に、仮画像内照射位置とステップ622D,622Eの処理が実行されることによって得られる距離とを対応付けた情報を指す。
図13に示す例では、第1の方向に対して仮画像内照射位置X1,X2,X3及び距離D1,D2,D3が対応付けられており、仮画像内照射位置X1,X2,X3及び距離D1,D2,D3は、照射位置導出用データ取得処理が実行される毎に更新される。また、図13に示す例では、第2の方向に対して仮画像内照射位置X4,X5,X6及び距離D4,D5,D6が対応付けられており、仮画像内照射位置X4,X5,X6及び距離D4,D5,D6は、照射位置導出用データ取得処理が実行される毎に更新される。
次に、測距装置10Gの作用について説明する。
先ず、測距装置10Gの電源スイッチがオン(投入)された場合にCPU100が要因記憶プログラム140を実行することで実現される要因記憶処理について図15を参照して説明する。なお、以下、上記第1実施形態に係る要因記憶処理と同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
本第7実施形態に係る要因記憶処理は、上記第1実施形態に係る要因記憶処理に比べ、ステップ202に代えてステップ502を有する点が異なる。
図15に示すステップ502で、出力部500Cは、要因情報を二次記憶部104に時系列で記憶し、その後、ステップ208へ移行する。
すなわち、上記第1実施形態では、単位段測距ユニットの各々に関する要因情報が二次記憶部104に記憶されるのに対し、本第7実施形態では、ステップ502の処理が実行されることで、測距ユニット450に関する要因情報が二次記憶部104に記憶される。
次に、測距装置10Gの電源スイッチがオン(投入)された場合にCPU100が計測プログラム142を実行することで実現される計測処理について図48、図18、及び図19を参照して説明する。なお、以下、上記第1実施形態に係る計測処理と同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。また、以下では、説明の便宜上、本第7実施形態に係る後述の照射位置導出用データ取得処理において仮計測及び仮撮像が行われる場合を除いて、撮像装置452の位置が固定されていることを前提として説明する。
図48に示すフローチャートは、図16及び図17に示すフローチャートに比べ、ステップ220〜232を有しない点が異なる。また、図48に示すフローチャートは、図16及び図17に示すフローチャートに比べ、ステップ234に代えてステップ600を有する点が異なる。また、図48に示すフローチャートは、図16及び図17に示すフローチャートに比べ、ステップ262〜268に代えてステップ602〜608を有する点が異なる。
また、本第7実施形態に係る計測処理は、上記第1実施形態に係る計測処理に比べ、ステップ238〜ステップ248に代えてステップ610〜620を有する点、及びステップ254に代えてステップ622を有する点が異なる(図18参照)。
また、本第7実施形態に係る照射位置導出用データ取得処理は、上記第1実施形態に係る照射位置導出用データ取得処理に比べ、ステップ254Dに代えてステップ622Dを有する点が異なる。また、本第7実施形態に係る照射位置導出用データ取得処理は、上記第1実施形態に係る照射位置導出用データ取得処理に比べ、ステップ254Eに代えてステップ622Eを有する点が異なる。また、本第7実施形態に係る照射位置導出用データ取得処理は、上記第1実施形態に係る照射位置導出用データ取得処理に比べ、ステップ254Gに代えてステップ622Gを有する点が異なる。
また、本第7実施形態に係る照射位置導出用データ取得処理は、上記第1実施形態に係る照射位置導出用データ取得処理に比べ、ステップ254Iに代えてステップ622Iを有する点が異なる。更に、本第7実施形態に係る照射位置導出用データ取得処理は、上記第1実施形態に係る照射位置導出用データ取得処理に比べ、ステップ254Jに代えてステップ622Jを有する点が異なる。
図48に示す計測処理では、ステップ600で、導出部500Bは、寸法導出モードが設定されているか否かを判定する。ステップ600において、距離導出モードが設定されている場合は、判定が否定されて、図18に示すステップ236へ移行する。ステップ600において、寸法導出モードが設定されている場合は、判定が肯定されて、ステップ258へ移行する。
ステップ602で、導出部500Bは、測距制御部68を制御することで、第1の方向と第2の方向との各々にレーザ光を射出して、各レーザ光を基に本計測を実行する。また、導出部500Bは、撮像素子ドライバ74及び画像信号処理回路76を制御することで、各レーザ光の射出タイミングに合わせて本撮像を実行し、その後、ステップ604へ移行する。
なお、第1の方向及び第2の方向へのレーザ光の射出は、回転機構を作動させて測距ユニット450によりレーザ光を被写体に走査することで実現される。
ここで、第1の方向と第2の方向は、現時点で設定されている画角に実空間照射位置が収まる範囲内で予め定められた角度差(例えば、横方向に10度)を隔てて画定された方向であり、撮像装置452に対して固定化された方向である。例えば、第1の方向とは、上記第1実施形態に係る計測処理のステップ262の処理が実行されることで上段測距ユニット11によりレーザ光が射出された場合のレーザ光の射出方向に相当する方向を指す。また、例えば、第2の方向とは、上記第1実施形態に係る計測処理のステップ262の処理が実行されることで下段測距ユニット13によりレーザ光が射出された場合のレーザ光の射出方向に相当する方向を指す。
なお、上記の「予め定められた角度差」は、現時点で設定されている画角に実空間照射位置が収まる範囲内で、ユーザによってタッチパネル88を介して指定された角度差であってもよい。
ステップ604で、導出部500Bは、第1の方向及び第2の方向の各々について、位置・距離テーブル109に格納されている位置・距離対応情報に基づいて因子を導出し、その後、ステップ606へ移行する。
ステップ606で、導出部500Bは、第1の方向及び第2の方向の各々について、ステップ604で導出した因子に基づいて本画像内照射位置を導出し、その後、ステップ608へ移行する。
ステップ608で、導出部500Bは、一例として図25に示すように、本画像、距離、及び照射位置目印116A,116Bを表示部86に表示させる。
図25に示す例において、表示部86に表示される本画像は、ステップ602の処理が実行されることで本撮像が行われて得られた1枚の画像である。なお、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、例えば、ステップ602の処理が実行されることで各レーザ光の照射タイミング毎に本撮像が行われて得られた2枚の画像を合成して得た合成画像であってもよい。
図25に示す例において、照射位置目印116Aは、第1の方向に射出されたレーザ光を基にして、ステップ606の処理が実行されることで導出された本画像内照射位置を示す目印である。図25に示す例において、照射位置目印116Bは、第2の方向に射出されたレーザ光を基にして、ステップ606の処理が実行されることで導出された本画像内照射位置を示す目印である。
また、本ステップ608の処理が実行されると、第1の方向に射出されたレーザ光を基にして計測された距離と、第2の方向に射出されたレーザ光を基にして計測された距離とが表示部86に表示される。なお、図25に示す例では、「42351.2」との数値が第1の方向に射出されたレーザ光を基にして、ステップ602の処理が実行されることで計測された距離に該当する。また、図25に示す例では、「4361.3」との数値が第2の方向に射出されたレーザ光を基にして、ステップ602の処理が実行されることで計測された距離に該当する。
図18に示すステップ610で、導出部500Bは、測距制御部68を制御することで、第1の方向と第2の方向との各々にレーザ光を射出して、各レーザ光を基に本計測を実行する。また、導出部500Bは、撮像素子ドライバ74及び画像信号処理回路76を制御することで、各レーザ光の射出タイミングに合わせて本撮像を実行し、その後、ステップ612へ移行する。
ステップ612で、導出部500Bは、第1の方向及び第2の方向の各々について、位置・距離テーブル109に格納されている位置・距離対応情報に基づいて因子を導出し、その後、ステップ614へ移行する。
ステップ614で、導出部500Bは、第1の方向及び第2の方向の各々について、ステップ612で導出した因子に基づいて本画像内照射位置を導出し、その後、ステップ616へ移行する。
ステップ616で、出力部500Cは、第1の方向及び第2の方向の各々について導出された本画像内照射位置毎に、要因・精度対応情報から特定の想定要因に対応付けられた導出精度を導出する。そして、出力部500Cは、第1の方向及び第2の方向の各々について導出された本画像内照射位置毎に、導出した導出精度に基づいて、導出部500Bにより導出された本画像内照射位置の誤差を導出し、その後、ステップ618へ移行する。
なお、本ステップ616の処理が実行されることで導出される誤差は、上記ステップ614の処理が実行されることで第1の方向及び第2の方向の各々について導出された本画像内照射位置毎に出力部500Cによって導出される。
本ステップ616では、例えば、上記のように特定の想定要因が画角変更(1)及び製造ばらつきの場合、導出精度δ1,λが総合化される。そして、総合化された導出精度に基づいて本画像内照射位置の誤差が、上記ステップ614の処理が実行されることで第1の方向及び第2の方向の各々について導出された本画像内照射位置毎に導出される。
また、例えば、特定の想定要因が製造ばらつきのみの場合、導出精度λに基づいて本画像内照射位置の誤差が、上記ステップ614の処理が実行されることで第1の方向及び第2の方向の各々について導出された本画像内照射位置毎に導出される。すなわち、測距装置10Gの出荷後に初めて測距装置10Gを稼働させて本計測処理が実行されると、本画像内照射位置の誤差が、第1の方向及び第2の方向の各々について導出された本画像内照射位置毎に、導出精度λに基づいて導出されることになる。
ステップ618で、導出部500Bは、一例として図21に示すように、本画像、距離、誤差、及び照射位置目印116A,116Bを表示部86に表示させ、その後、ステップ620へ移行する。
図21に示す例において、表示部86に表示される本画像は、ステップ610の処理が実行されることで本撮像が行われて得られた1枚の画像である。なお、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、例えば、ステップ610の処理が実行されることで各レーザ光の照射タイミング毎に本撮像が行われて得られた2枚の画像を合成して得た合成画像であってもよい。
照射位置目印116Aは、第1の方向に射出されたレーザ光を基にして、ステップ614の処理が実行されることで導出された本画像内照射位置を示す目印である。照射位置目印116Bは、第2の方向に射出されたレーザ光を基にして、ステップ614の処理が実行されることで導出された本画像内照射位置を示す目印である。
また、本ステップ618の処理が実行されると、一例として図21に示すように、第1の方向及び第2の方向の各々に射出された各レーザ光を基に計測された各距離が表示部86に表示される。
なお、図21に示す例では、「325414.2」との数値が、上記ステップ610の処理が実行されることで第1の方向に射出されたレーザ光を基に計測された距離に該当する。また、図21に示す例では、「133325.0」との数値が、上記ステップ610の処理が実行されることで第2の方向に射出されたレーザ光を基に計測された距離に該当する。
また、本ステップ618の処理が実行されると、一例として図21に示すように、第1の方向及び第2の方向の各々について導出された本画像内照射位置毎の誤差が表示部86に表示される。
なお、図21に示す例では、「±16.3」との数値が、上記ステップ614の処理が実行されることで第1の方向について導出された本画像内照射位置の誤差に該当する。また、図21に示す例では、「±15.2」との数値が、上記ステップ614の処理が実行されることで第2の方向について導出された本画像内照射位置の誤差に該当する。
ステップ620で、出力部100Cは、ステップ616又はステップ286の処理が実行されることで第1の方向及び第2の方向の各々について導出された誤差の少なくとも1つが閾値を超えたか否かを判定する。閾値は、照射位置導出用データ取得処理(図19参照)が実行されるべき好ましい値として測距装置10Gの実機による試験、及び/又は、測距装置10Gの設計仕様等に基づくコンピュータ・シミュレーション等の結果に基づいて事前に得られた値である。なお、本ステップ620において、ステップ616又はステップ286の処理が実行されることで導出された誤差が閾値を超える場合とは、導出部500Bによる本画像内照射位置の導出精度が予め定められた導出精度未満であることを意味する。
ステップ620において、ステップ616又はステップ286の処理が実行されることで第1の方向及び第2の方向の各々について導出された誤差の全てが閾値以下の場合は、判定が否定されて、ステップ252へ移行する。ステップ620において、ステップ616又はステップ286の処理が実行されることで導出された誤差の少なくとも1つが閾値を超えた場合は、判定が肯定されて、ステップ250へ移行する。
ステップ622で、導出部500Bは、一例として図19に示す照射位置導出用データ取得処理を実行し、その後、ステップ256へ移行する。
図19に示す照射位置導出用データ取得処理では、ステップ622Dで、導出部500Bは、測距制御部68を制御することで、第1の方向と第2の方向との各々にレーザ光を射出して、各レーザ光を基に仮計測を実行する。また、導出部500Bは、撮像素子ドライバ74及び画像信号処理回路76を制御することで、各レーザ光の射出タイミングに合わせて仮撮像を実行し、その後、ステップ622Eへ移行する。なお、仮計測及び仮撮像は、仮計測・仮撮像ボタン90Bがオンされる毎に撮影方向を変えて行われる。撮影方向を変えるには、例えば、測距装置10Gの向きを変えればよい。
ステップ622Eで、導出部500Bは、第1の方向と第2の方向との各々について、仮撮像を実行して得た画像である仮画像、及び仮計測を実行して得た距離を一次記憶部102に記憶し、その後、ステップ254Fへ移行する。なお、本ステップ622Eの処理が実行されることで、第1の方向について得られた仮画像及び距離と第2の方向について得られた仮画像及び距離とが区別されて一次記憶部102に記憶される。
ステップ254Fにおいて判定が肯定されると、導出部500Bは、第1の方向と第2の方向との各々について、仮計測された複数の距離(ここでは、一例として3つの距離)の関係が本画像内照射位置の導出に用いる位置・距離対応情報の構築に有効に寄与しない予め定められた関係でないか否かを判定する。すなわち、ステップ622Gで、導出部500Bは、第1の方向と第2の方向との各々について、ステップ622Eで一次記憶部102に記憶した3つの距離が有効な距離か否かを判定する。
ステップ622Gにおいて、第1の方向と第2の方向との少なくとも1つについて、ステップ622Eで一次記憶部102に記憶した3つの距離が有効な距離でない場合は、判定が否定されて、ステップ254Hへ移行する。ステップ622Gにおいて、第1の方向と第2の方向との両方について、ステップ622Eで一次記憶部102に記憶した3つの距離が有効な距離である場合は、判定が肯定されて、ステップ622Iへ移行する。
ステップ622Iで、導出部500Bは、第1の方向と第2の方向との各々について、ステップ622Eで一次記憶部102に記憶した仮画像毎に仮画像内照射位置を特定し、その後、ステップ622Jへ移行する。
ステップ622Jで、導出部500Bは、第1の方向と第2の方向との各々について、位置・距離対応情報を生成して位置・距離テーブル109に上書きすることで、第1の方向と第2の方向との各々について位置・距離テーブル109を更新する。
次に、表示部86にライブビュー画像が表示されている状態で照射位置調整ボタン90Gが押下された場合にCPU100が照射位置調整プログラム144を実行することで実現される照射位置調整処理について図28を参照して説明する。なお、以下、上記第1実施形態に係る照射位置調整処理と同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
本第7実施形態に係る照射位置調整処理は、上記第1実施形態に係る照射位置調整処理に比べ、ステップ302に代えてステップ632を有する点、及びステップ304に代えてステップ634を有する点が異なる。また、本第7実施形態に係る照射位置調整処理は、上記第1実施形態に係る照射位置調整処理に比べ、ステップ306に代えてステップ636を有する点、及びステップ310に代えてステップ640を有する点が異なる。また、本第7実施形態に係る照射位置調整処理は、上記第1実施形態に係る照射位置調整処理に比べ、ステップ312に代えてステップ642を有する点が異なる。
ステップ632で、制御部500Aは、測距制御部68を制御することで、第1の方向と第2の方向との各々にレーザ光を射出して、各レーザ光を基に本計測を実行する。また、制御部500Aは、撮像素子ドライバ74及び画像信号処理回路76を制御することで、各レーザ光の射出タイミングに合わせて本撮像を実行し、その後、ステップ306へ移行する。
ステップ634で、制御部500Aは、第1の方向と第2の方向との各々について、最新の因子に基づいてライブビュー画像内照射位置を導出部500Bに導出させ、その後、ステップ636へ移行する。
ステップ636で、制御部500Aは、ステップ634の処理が実行されることで導出部500Bによって導出されたライブビュー画像内照射位置の全てが既定範囲内か否かを判定する。
ステップ636において、ライブビュー画像内照射位置の少なくとも1つが既定範囲外の場合は、判定が否定されて、ステップ308へ移行する。ステップ636において、ライブビュー画像内照射位置の全てが既定範囲内の場合は、判定が肯定されて、ステップ314へ移行する。
ステップ640で、制御部500Aは、回転機構をモータドライバ25,464を介して制御することで、測距ユニット450を既定方向に向かって既定回転量だけ回転させて走査の開始位置を調整し、その後、ステップ642へ移行する。
ステップ642で、制御部500Aは、ステップ640の処理が実行されることで回転された測距ユニット450の回転方向及び回転量に従って射出角度βを更新し、その後、ステップ300へ移行する。
以上説明したように、測距装置10Gでは、測距ユニット450によりレーザ光が被写体に対して走査されることで第1の方向及び第2の方向の各々に射出される(ステップ602)。また、制御部500Aにより、第1の方向及び第2の方向のレーザ光の各々による実空間照射位置が収まる画角で撮像装置14に対して撮像を行わせる制御が行われる(ステップ602)。また、導出部500Bにより、実空間照射位置に対応する位置として本画像内照射位置が第1の方向及び第2の方向の各々について導出される(ステップ606)。そして、本画像内照射位置毎に区域長さ導出対象画像に関連させた2つの画素の間隔に対応する区域の長さが、測距系機能を働かせて計測された距離、指定された2つの画素の間隔、及び撮像装置14での焦点距離に基づいて導出される(ステップ284)。従って、測距装置10Gによれば、撮像及び測距が1回行われる毎に区域が1つのみ指定される場合に比べ、複数の区域の長さを迅速に導出することができる。
また、測距装置10Gでは、第1の方向及び第2の方向の各々について位置・距離対応情報が生成され(ステップ622J)、生成された位置・距離対応情報に基づいて本画像内照射位置が第1の方向及び第2の方向の各々について導出される(ステップ264,266)。従って、測距装置10Gによれば、位置・距離対応情報を生成することなく本画像内照射位置を第1の方向及び第2の方向の各々について導出する場合に比べ、第1の方向及び第2の方向の各々に関する本画像内照射位置を高精度に導出することができる。
なお、上記第7実施形態では、上記第1実施形態との相違点を主に説明したが、本第7実施形態に係る測距装置10Gに対して上記第2〜第6実施形態を適用することも可能である。この場合、上段測距ユニット11(184)により照射されるレーザ光を第1の方向に照射されるレーザ光と置き換え、下段測距ユニット13(185)により照射されるレーザ光を第2の方向に照射されるレーザ光と置き換えて各実施形態を解すればよい。
また、上記第7実施形態では、測距ユニット450により第1の方向と第2の方向との2方向にレーザ光が照射される場合について説明したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、実空間照射位置が画角に収まるように設定された3方向以上の各方向にレーザ光が射出され、各方向に射出された各レーザ光を基に本画像内照射位置、距離、寸法、及び誤差等が方向別に導出されて出力されるようにしてもよい。
なお、上記各実施形態では、測距系機能による計測可能範囲において、本計測されて得られた距離が位置・距離対応情報から特定される距離の範囲外であるか否かを示す情報が表示されない場合について例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、図49に示すように、計測可能範囲が対応情報距離範囲(本開示の技術に係る第1対応関係により特定される距離の範囲の一例)内であるか否かがCPU100により判定され、判定結果が表示部86に表示されるようにしてもよい。
この場合、一例として図49に示すように、計測可能範囲は、対応情報距離範囲内及び対応情報距離範囲外に類別される。ここで、対応情報距離範囲内とは、ステップ254J(622J)の処理が実行されることで生成された最新の位置・距離対応情報から特定される距離の範囲内を指す。これに対し、対応情報距離範囲外とは、ステップ254J(622J)の処理が実行されることで生成された最新の位置・距離対応情報から特定される距離の範囲外を指す。
対応情報距離範囲外は、第1対応情報距離範囲外と第2対応情報距離範囲外に類別される。最新の位置・距離対応情報から特定される距離D1,D2,D3の大小関係が“D1<D2<D3”の場合、対応情報距離範囲及び対応情報距離範囲外は、次のように定義される。
すなわち、図49に示す例において、対応情報距離範囲内とは、距離D1以上、かつ、距離D3以下の範囲を指す。第1対応情報距離範囲外とは、距離D1未満の範囲を指す。第2対応情報距離範囲外とは、距離D3を超えた範囲を指す。なお、対応情報距離範囲外は、本開示の技術に係る「第1対応関係により特定される距離の範囲外」の一例である。
そして、CPU100により、ステップ238又はステップ262等で本計測が実行されて得られた距離が対応情報距離範囲外の場合は、一例として図50に示すように、表示部86に対して警告・推奨メッセージ120を本画像に重畳して表示させてもよい。従って、例えば、上記第1実施形態に係る測距装置10Aによれば、警告・推奨メッセージ120が表示されない場合に比べ、本画像内照射位置の精度を高めることができる。
なお、CPU100は、本開示の技術に係る実行部の一例である。本開示の技術に係る実行部は、本計測で得られた距離が本開示の技術に係る第1対応関係を示す情報の一例である位置・距離対応情報により特定される距離の範囲外の場合に、本画像内照射位置の精度の低下の抑制に供する処理として予め定められた処理を実行する。
警告・推奨メッセージ120は、照射位置目印116の位置に相当する実空間上の位置にレーザ光が照射されていない可能性が高いことを警告し、かつ、照射位置導出用データ取得処理の実行をユーザに推奨するためのメッセージである。なお、警告・推奨メッセージ120を表示する処理は、本開示の技術に係る「画像内照射位置の精度の低下の抑制に供する処理として予め定められた処理」の一例である。
なお、警告・推奨メッセージ120は、照射位置目印116A,116Bの各々の位置に相当する実空間上の位置にレーザ光が照射されていない可能性が高い場合にのみ表示されるようにしてもよい。また、警告・推奨メッセージ120は、照射位置目印116A,116Bの何れかの位置に相当する実空間上の位置にレーザ光が照射されていない可能性が高い場合に表示されるようにしてもよい。
図50に示す例では、警告・推奨メッセージ120に、「照射位置目印は精度(信頼性)が低いです。」という警告メッセージが含まれる。また、図50に示す例では、警告・推奨メッセージ120に、「○○メートル〜△△メートルの範囲で仮計測・仮撮像をお奨めします。」という推奨メッセージが含まれている。
ここで、推奨メッセージに含まれる「○○メートル〜△△メートルの範囲」は、第1対応情報距離範囲外に対応する範囲又は第2対応情報距離範囲外に対応する範囲である。すなわち、ステップ238又はステップ262等で本計測が実行されて得られた距離が第1対応情報距離範囲外の場合、第1対応情報距離範囲外の既定の範囲が採用される。また、ステップ238又はステップ262等で本計測が実行されて得られた距離が第2対応情報距離範囲外の場合、第2対応情報距離範囲外の既定の範囲が採用される。
既定の範囲とは、ステップ238又はステップ262等で本計測が実行されて得られた距離と対応情報距離範囲との関係に基づいて仮計測で推奨される距離の範囲を指す。例えば、既定の範囲とは、ステップ238又はステップ262等で本計測が実行されて得られた距離と対応情報距離範囲内の特定の値との乖離度に応じて予め定められたテーブル又は演算式から一意に求まる範囲を指す。対応情報距離範囲内の特定の値は、対応情報距離範囲内の中央値又は平均値等であってもよい。また、第1対応情報距離範囲外の既定の範囲は、例えば、図49に示す距離D2とステップ238又はステップ262等で本計測が実行されて得られた距離との差分に応じて一意に求まる範囲であってもよい。
また、第2対応情報距離範囲外の既定の範囲は、例えば、図49に示す距離D2とステップ238又はステップ262等で本計測が実行されて得られた距離との差分に応じて一意に求まる範囲であってもよい。また、「既定の範囲」ではなく、「既定の複数の距離」であってもよい。既定の複数の距離としては、例えば、上記のように求めた既定の範囲内での等間隔に離れた3つ以上の距離が挙げられ、仮計測で推奨される複数の距離であればよい。
なお、ここでは、警告・推奨メッセージ120が表示部86に可視表示されることでユーザに提示されるが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、測距装置10Aに搭載されている音声再生装置(図示省略)がメッセージを音声で出力することでユーザに提示するようにしてもよいし、可視表示及び可聴表示の両方が行われるようにしてもよい。
また、一例として図51に示すように、近似曲線ZXを用いて本画像内照射位置が導出される場合にも、計測可能範囲が対応情報距離範囲内及び対応情報距離範囲外とに類別される。
図51に示す例において、対応情報距離範囲内とは、ステップ254J(622J)の処理が実行されることで生成された最新の位置・距離対応情報により特定される距離の範囲内を指す。これに対し、対応情報距離範囲外とは、ステップ254J(622J)の処理が実行されることで生成された最新の位置・距離対応情報により特定される距離外を指す。対応情報距離範囲外は、第1対応情報距離範囲外と第2対応情報距離範囲外とに類別される。
例えば、図51に示す例において、第1対応情報距離範囲外とは、最新の位置・距離対応情報により特定される距離の最小値未満の範囲を指す。また、例えば、図51に示す例において、第2対応情報距離範囲外とは、最新の位置・距離対応情報により特定される距離の最大値を超えた範囲を指す。
図51に示す例では、ステップ238又はステップ262等で本計測が実行されて得られた距離が第2対応情報距離範囲外に属する場合が示されている。従って、図51に示すように、ステップ238又はステップ262等で本計測が実行されて得られた距離が第2対応情報距離範囲外に属する場合、一例として図50に示すように、単位段測距ユニット毎に警告・推奨メッセージ120が表示部86に表示される。従って、上記第5実施形態に係る測距装置10Eによれば、本画像内照射位置の精度の低下の抑制に供する処理を行わない場合に比べ、本画像内照射位置の精度を高めることができる。
なお、ステップ238又はステップ262等で本計測が実行されて得られた距離が対応情報距離範囲内に属する場合、警告・推奨メッセージ120は表示部86に表示されない。
また、図50に示す例では、警告メッセージ及び推奨メッセージの両方が表示される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、例えば、警告メッセージ及び推奨メッセージのうちの警告メッセージのみが表示されるようにしてもよい。
また、図50に示す例では、下段測距ユニット13についての警告・推奨メッセージ120が表示されているが、上段測距ユニット11についても必要に応じて警告・推奨メッセージ120が下段測距ユニット13と区別可能に表示される。また、第7実施形態で説明した第1の方向及び第2の方向の各々についても警告・推奨メッセージ120が第1の方向と第2の方向とが区別可能に表示される。
また、図50に示す例では、本計測が実行されて得られた距離が対応情報距離範囲外であっても照射位置目印116が表示されるが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、本計測が実行されて得られた距離が第1対応情報距離範囲外の距離の場合、本計測が実行されて得られた距離と対応情報距離範囲内に含まれる最小の距離との差が閾値以上の場合に照射位置目印116が表示されないようにしてもよい。また、例えば、本計測が実行されて得られた距離が第2対応情報距離範囲外の距離の場合、本計測が実行されて得られた距離と対応情報距離範囲内に含まれる最大の距離との差が閾値以上の場合に照射位置目印116が表示されないようにしてもよい。本構成によれば、本計測が実行されて得られた距離と対応情報距離範囲内に含まれる距離との差が閾値以上であっても照射位置目印116が表示される場合に比べ、精度の低い照射位置目印116がユーザによって参照されることを抑制することができる。
上記各実施形態では、本画像内照射位置、仮画像内照射位置、及びライブビュー画像内照射位置と区域の長さとをCPU100(408)によって導出される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、本画像内照射位置、仮画像内照射位置、及びライブビュー画像内照射位置と区域の長さとの一方がCPU100によって導出され、他方が別のCPU(図示省略)によって導出されるようにしてもよい。例えば、ステップ266の処理がCPU100以外のCPUによって実行され、ステップ284の処理がCPU100によって実行されるようにしてもよい。
また、本画像内照射位置、仮画像内照射位置、及びライブビュー画像内照射位置のうちの1つ又は2つがCPU100によって導出され、残りが別のCPU(図示省略)によって導出されるようにしてもよい。また、本画像内照射位置、仮画像内照射位置、及びライブビュー画像内照射位置のうちの1つ又は2つと区域の長さとがCPU100によって導出され、本画像内照射位置、仮画像内照射位置、及びライブビュー画像内照射位置のうちの残りが別のCPU(図示省略)によって導出されるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、プログラムを二次記憶部104(412)から読み出す場合を例示したが、必ずしも最初から二次記憶部104(412)に記憶させておく必要はない。例えば、図52に示すように、SSD(Solid State Drive)又はUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの任意の可搬型の記憶媒体700に先ずはプログラムを記憶させておいてもよい。この場合、記憶媒体700に記憶されているプログラムが測距装置10A,10B,10C,10D,10E,10D,10G(以下、測距装置10A等という)にインストールされ、インストールされたプログラムがCPU100(408)によって実行される。
また、通信網(図示省略)を介して測距装置10A等に接続される他のコンピュータ又はサーバ装置等の記憶部にプログラムを記憶させておき、プログラムが測距装置10A等の要求に応じてダウンロードされるようにしてもよい。この場合、ダウンロードされたプログラムがCPU100(408)によって実行される。
また、上記各実施形態では、本画像、仮画像、距離、区域の長さ、誤差、本画像内照射位置、及び仮計測・仮撮像案内画面112等の各種情報が表示部86(414)に表示される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、測距装置10A等に接続して使用される外部装置の表示部に各種情報が表示されるようにしてもよい。外部装置の一例としては、パーソナル・コンピュータ、又は眼鏡型若しくは腕時計型のウェアラブル端末装置が挙げられる。
また、上記各実施形態では、各種情報が表示部86(414)により可視表示される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、音声再生装置による音声の出力等の可聴表示、又は、プリンタによる印刷物の出力等の永久可視表示を可視表示に代えて行ってもよいし、可視表示、可聴表示、及び永久可視表示の少なくとも2つを併用してもよい。
また、上記各実施形態では、照射位置調整推奨画面110及び仮計測・仮撮像案内画面112等の各種画面の他に、距離、照射位置目印116、区域の長さ、誤差が表示部86(414)に表示される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、各種画面が表示部86(414)と異なる表示部(図示省略)に表示されるようにし、距離、区域の長さ、誤差、及び照射位置目印116が表示部86(414)に表示されるようにしてもよい。また、照射位置調整推奨画面110及び仮計測・仮撮像案内画面112等の各種画面の各々が表示部86(414)を含めた複数の表示部に個別に表示されるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、測距用の光としてレーザ光を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、指向性のある光である指向性光であればよい。例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)又はスーパールミネッセントダイオード(SLD:Super Luminescent Diode)等により得られる指向性光であってもよい。指向性光が有する指向性は、レーザ光が有する指向性と同程度の指向性であることが好ましく、例えば、数メートルから数キロメートルの範囲内における測距で使用可能な指向性であることが好ましい。
また、上記各実施形態で説明した要因記憶処理、計測処理、及び照射位置調整処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。また、要因記憶処理、計測処理、及び照射位置調整処理に含まれる各処理は、ASIC等のハードウェア構成のみで実現されてもよいし、コンピュータを利用したソフトウェア構成とハードウェア構成との組み合わせで実現されてもよい。
なお、2015年9月28日に出願された日本国特許出願2015−190355号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
被写体を示す被写体像を撮像する撮像部と、
各々指向性のある光である指向性光を被写体に複数本射出し、指向性光の各々の反射光を対応する各受光部で受光することにより被写体までの複数の距離を計測する計測部と、
計測部による複数の距離の計測に用いられる指向性光の各々による被写体に対する照射位置が収まる画角で撮像部に対して撮像させる制御を行う制御部と、
計測部により計測された複数の距離のうち、撮像部により撮像されて得られた撮像画像内の、照射位置に相当する位置として導出された画像内照射位置に関する距離と、撮像画像内において距離毎に画像内照射位置に関連させた複数画素の間隔と、撮像部での焦点距離とに基づいて、間隔に対応する実空間領域の寸法を導出する導出部と、
を含む測距装置。
(付記2)
被写体を示す被写体像を撮像する撮像部と、
指向性のある光である指向性光を被写体に対して走査することで複数の方向の各々に射出し、複数の方向の各々の指向性光の反射光を受光することにより被写体までの複数の距離を計測する計測部と、
計測部による複数の距離の計測に用いられる指向性光の各々による被写体に対する照射位置が収まる画角で撮像部に対して撮像させる制御を行う制御部と、
計測部により計測された複数の距離のうち、撮像部により撮像されて得られた撮像画像内の、照射位置に相当する位置として導出された画像内照射位置に関する距離と、撮像画像内において距離毎に画像内照射位置に関連させた複数画素の間隔と、撮像部での焦点距離とに基づいて、間隔に対応する実空間領域の寸法を導出する導出部と、
を含む測距装置。