JP6425954B2 - 研磨材 - Google Patents

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Description

本発明は、研磨材に関する。
同種または異種の2つの金属体を固相接合する際に、金属体の接合面に凹凸等の接合阻害要因が存在すると、金属体同士の接合性が劣ることになる。このため、金属体の接合面に存在する接合阻害要因を摩擦やスパッタリング等により除去する必要がある。
従来、金属体の表面(接合面)の接合阻害要因を除去する方法として、例えば、シリカ、炭化珪素、立方晶窒化ホウ素(cBN)、または酸化ジルコニア等を研磨材として用いた化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing)が知られている。
化学機械研磨に用いられる研磨材は、通常、スラリーの状態で使用される。例えば、特許文献1には、Al23/SiO2複合体を必須成分とした金属酸化物微粉末、脱イオン水及び添加剤から構成されたことを特徴とする研磨用組成物が記載されている。
また、特許文献2には、ケイ素−アルミニウム−混合酸化物粉末を含有する水性分散液において、ケイ素−アルミニウム−混合酸化物粉末が0.1〜99.9質量%のAl23を含有し、Si−O−Al結合及び非晶質及び/又は晶質の二酸化ケイ素領域及び晶質の酸化アルミウム領域を含む構造を有することを特徴とする、ケイ素−アルミニウム−混合酸化物粉末を含有する水性分散液が記載されている。
特開2001−139935号公報 特開2002−332476号公報
シリカを含む研磨材を用いて化学機械研磨を行った場合、研磨材に含まれるケイ素が、研磨後に、研磨の対象物である金属体の接合面(研磨が行われる金属体の表面部分)に拡散および残存することで、金属体の接合性が劣化すると考えられる。例えば、酸化タングステンからなる金属体の接合面について、シリカを含む研磨材を用いて化学機械研磨を行った場合、ケイ素が該接合面に拡散および残存することで、該接合面の酸化タングステンの一部が二酸化タングステンに変化して、該接合面の原子配列に乱れが生じる。この結果、金属体の接合性が劣化することがあった。
本発明の目的は、化学機械研磨を行った後に、研磨の対象物である金属体の接合面(研磨が行われる金属体の表面部分)にケイ素が拡散および残存せず、接合面に残存するケイ素を原因とした金属体の接合性の劣化が起こらない研磨材を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、シリカ粒子と、該シリカ粒子よりも小さな粒度を有するアルミナ粒子を混合してなる特定の研磨材によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[9]を提供するものである。
[1] シリカ粒子と、該シリカ粒子よりも小さな粒度を有するアルミナ粒子を混合してなる、BET比表面積が140〜400m/gの粒子混合物からなる研磨材であって、該研磨材と溶媒を混合してなるスラリーの状態で金属体を研磨するためのものであることを特徴とする研磨材。
[2] 上記シリカ粒子を構成するシリカ(SiO)と上記アルミナ粒子を構成するアルミナ(Al)のモル比(SiO/Al)が、1/3〜2/1である前記[1]に記載の研磨材。
[3] 上記粒子混合物の平均粒子径が、5〜30μmである前記[1]または[2]に記載の研磨材。
[4] 上記粒子混合物は、上記シリカ粒子の表面に上記アルミナ粒子が被覆された形態を有するものである前記[1]〜[3]のいずれかに記載の研磨材。
[5] X線光電子分光法分析で、531.0〜531.5eV、および、532.0〜532.5eVの各範囲内に、シリカおよびアルミナに由来する01sの酸素結合スペクトルのピークが存在し、かつ、531.0〜531.5eVの範囲内に存在するピークに関するピーク面積の01s結合種濃度A(atom%)と、532.0〜532.5eVの範囲内に存在するピークに関するピーク面積の01s結合種濃度B(atom%)の比(A/B)が、3〜6である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の研磨材。
[6] 上記シリカ粒子のBET比表面積が、300m/g以上である前記[1]〜[5]のいずれかに記載の研磨材。
[7] 上記シリカ粒子が、非晶質のシリカ、または非晶質のシリカと結晶質のシリカの混合物からなる前記[1]〜[6]のいずれかに記載の研磨材。
[8] 前記[1]〜[7]のいずれかに記載の研磨材を用いた、金属体の研磨方法であって、研磨の対象物である金属体と、金属体研磨用の治具を対向させた後、上記金属体と上記治具の間に上記研磨材と溶媒を混合してなるスラリーを介在させた状態で、上記金属体と上記治具を当接させて、加圧下に摺動させることによって、上記金属体を研磨することを特徴とする金属体の研磨方法。
[9] 前記[8]に記載の金属体の研磨方法によって、2つの金属体を研磨した後、これら2つの金属体を当接させて接合することを特徴とする金属体の接合方法。
本発明の研磨材によれば、化学機械研磨を行った後に、研磨の対象物である金属体の接合面(研磨が行われる金属体の表面部分)にケイ素が拡散および残存せず、接合面に残存するケイ素を原因とした金属体の接合性の劣化が起こらない。また、金属体の接合面の原子配列に乱れが生じないことから、バインダー等を用いなくても、2つの金属体を固相接合することが可能である。
本発明の研磨材は、シリカ粒子と、該シリカ粒子よりも小さな粒度を有するアルミナ粒子を混合してなる、BET比表面積が140〜400m/gの粒子混合物からなる研磨材であって、該研磨材と溶媒を混合してなるスラリーの状態で金属体を研磨するためのものである。
本発明で用いられるシリカ粒子は、特に限定されるものではないが、接合性や平坦性に優れた金属体を得る観点から、非晶質のシリカ、または非晶質のシリカと結晶質のシリカの混合物からなるものが好ましく、非晶質のシリカからなるものがより好ましい。
上記シリカ粒子が、非晶質のシリカと結晶質のシリカの混合物からなるものである場合、該混合物中の非晶質のシリカの含有率は、接合性や平坦性に優れた金属体を得る観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%、特に好ましくは80質量%以上である。
上記シリカ粒子のBET比表面積は、好ましくは300m/g以上、より好ましくは400m/g以上、特に好ましくは500〜800m/gである。該BET比表面積が300m/g以上であれば、研磨の際に金属体の接合面にスクラッチ(線状のきず)が発生しにくくなり、かつ、研磨時間を短縮することが可能となる。
上記シリカ粒子の平均粒子径は、好ましくは5〜30μm、より好ましくは10〜28μm、特に好ましくは15〜25μmである。該平均粒子径が5μm以上であれば、研磨の際に研磨速度を大きくすることができる。該平均粒子径が30μm以下であれば、研磨の際に金属体の接合面にスクラッチ(線状のきず)が発生しにくくなる。
なお、本明細書中、「平均粒子径」とは、「JIS R 1629:1997(ファインセラミックス原料のレーザ回折・散乱法による粒子径分布策定方法)」に準拠して測定される数値をいう。具体的には、レーザ回折散乱粒度分布測定装置(例えば、ベックマンコールター社製、「モデルLS−230」)を用いて粒子の粒径を測定し、その測定された粒子の粒径に基づいて得られた体積累積分布50%における粒径(メジアン径;d50)を平均粒子径とする。
上記シリカ粒子中のシリカの含有率は、好ましくは99.9質量%以上、より好ましくは99.99質量%以上である。該含有率が99.9質量%以上であれば、研磨の際に、研磨材側からの不純物の混入を抑制することができる。
本発明で用いられるアルミナ粒子の平均粒子径は、好ましくは0.1〜2.0μm、より好ましくは0.2〜1.0μm、特に好ましくは0.25〜0.7μmである。該平均粒子径が0.1μm以上であれば、研磨後の金属体の接合面に拡散および残存するケイ素の量を低減することができる。該平均粒子径が2.0μm以下であれば、アルミナ粒子がシリカ粒子の表面を被覆しやすくなり、その結果、研磨の際に、シリカ粒子同士が凝集することを抑制し、研磨効率を高めることができるため、研磨速度を大きくすることができる。
また、上記アルミナ粒子は上記シリカ粒子よりも小さな粒度を有するものである。なお、「小さな粒度を有する」とは、平均粒子径が小さいことを意味する。
本発明において、アルミナ粒子がシリカ粒子よりも小さな粒度を有するので、シリカ粒子の表面にアルミナ粒子が被覆された形態を与えることができる。この形態によれば、研磨後の金属体の接合面に拡散および残存するケイ素の量を低減することができる。
上記アルミナ粒子中のアルミナの含有率は、好ましくは99.0質量%以上、より好ましくは99.9質量%以上である。該含有率が99.0質量%以上であれば、研磨後の金属体の接合面に拡散および残存するケイ素の量を低減することができる。
上記シリカ粒子を構成するシリカ(SiO)と上記アルミナ粒子を構成するアルミナ(Al)のモル比(SiO/Al)は、好ましくは1/3〜2/1、より好ましくは2/5〜1/1である。該比が1/3以上であれば、研磨の際に研磨速度を大きくすることができる。該比が2/1以下であれば、シリカ粒子の表面を十分な量のアルミナ粒子によって被覆することができる。
本発明の研磨材を構成する粒子混合物のBET比表面積は、140〜400m/g、より好ましくは150〜300m/g、特に好ましくは160〜200m/gである。該値が140m/g未満であると、研磨の際に金属体の接合面にスクラッチが発生しやすくなり、研磨後の金属体の接合性が悪くなる。該値が400m/gを超えると、研磨後の金属体の接合面に拡散および残存するケイ素の量が増加する。
上記粒子混合物の平均粒子径は、好ましくは5〜30μm、より好ましくは10〜28μm、特に好ましくは15〜25μmである。該平均粒子径が5μm以上であれば、研磨の際に研磨速度を大きくすることができる。該平均粒子径が30μm以下であれば、研磨の際に金属体の接合面にスクラッチが発生しにくくなる。
上記粒子混合物は、上記シリカ粒子の表面に上記アルミナ粒子が被覆された形態を有するものであることが好ましい。該粒子混合物がこのような形態を有するものであれば、研磨の対象物である金属体の接合面に拡散および残存したケイ素を物理的に除去することができ、研磨後の金属体の接合面に拡散および残存するケイ素の量をさらに低減することができる。
本発明の研磨材は、X線光電子分光法分析で、531.0〜531.5eV、および、532.0〜532.5eVの各範囲内に、シリカおよびアルミナに由来する01sの酸素結合スペクトルのピークが存在し、かつ、531.0〜531.5eVの範囲内に存在するピークに関するピーク面積の01s結合種濃度A(atom%)と、532.0〜532.5eVの範囲内に存在するピークに関するピーク面積の01s結合種濃度B(atom%)の比(A/B)が、好ましくは3〜6、より好ましくは4〜5のものである。
上記比(A/B)が上記数値範囲内であれば、研磨後の金属体の接合面に拡散および残存するケイ素の量をさらに低減することができる。
本発明の研磨材は、研磨対象物等に応じて、上記粒子混合物に、さらに炭化珪素(SiC)、立方晶窒化ホウ素(cBN)、及び酸化ジルコニア(ZrO2)等を混合してもよい。
本発明の研磨材は、シリカ粒子とアルミナ粒子を混合することによって製造することができる。混合方法は、特に限定されるものではないが、シリカ粒子の表面にアルミナ粒子が被覆された粒子混合物を得る観点から、乾式混合が好ましい。また、シリカ粒子の表面にアルミナ粒子が被覆された粒子混合物を得る観点から、圧力を加えながら混合を行う粉砕混合が好ましい。粉砕混合の具体的な方法としては、摺動機等を用いて混合する方法等が挙げられる。
本発明の研磨材を用いた金属体の研磨方法としては、例えば、研磨の対象物である金属体と、金属体研磨用の治具を対向させた後、上記金属体と上記治具の間に、上記研磨材と溶媒を混合してなるスラリーを介在させた状態で、上記金属体と上記治具を当接させて、加圧下に摺動させることによって、上記金属体を研磨する方法が挙げられる。
研磨の対象物である金属体は、特に限定されるものではないが、例えば、鉄、ステンレス鋼、超硬合金、銅、アルミニウム、タングステン、チタン、モリブデン、ニオブ、及びタンタル等が挙げられる。
金属体研磨用の治具としては、化学機械研磨において通常用いられるものを用いればよく、例えば、発泡性の樹脂や、無発泡の樹脂や、不織布等を用いた研磨パッド等が挙げられる。
本発明の研磨材と混合するための溶媒としては、水、有機溶媒等が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、アルコール類、エステル類、エーテル類、ケトン類、及び芳香族類等が挙げられる。中でも、廃液処理や作業環境の観点から、水が好ましい。
本発明の研磨材は、金属体を研磨する際にスラリーの状態で使用される。従来技術においては、研磨材の溶媒として水を用いた場合、研磨材が凝集してしまうため、研磨することができなかったり、スクラッチ等が発生する等の問題がある。このため、研磨材の溶媒として、有機溶媒を用いることが一般的である。一方、本発明の研磨材は、水への分散性がよいため、溶媒として水を使用しても凝集することがない。
本発明の研磨材と溶媒を混合してなるスラリー中の研磨材の濃度は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは75質量%以上である。該濃度が50質量%以上であれば、研磨効率を高めることができる。
本発明の研磨材を用いて研磨された金属体は、その接合面(研磨が行われる金属体の表面部分)に、スクラッチ、突起、ピット、うねり、及び表面マイクロラフネス等の凹凸がなく、平坦性に優れたものである。
また、研磨された金属体は、その接合面にケイ素等が拡散および残存するといった汚染がないものである。このため、残存するケイ素によって、酸化タングステンが二酸化タングステンになり、金属体の硬度が低下する等の劣化を防ぐことができ、金属体の特性を維持することができる。また、研磨された金属体は、汚染がないことから接合性に優れている。
さらに、研磨された金属体の接合面の、金属体を構成する金属原子の配列に乱れが少ないことから、金属体の接合面に活性を与えかつそれを維持することができる。このため、ロウ材等のバインダーを用いなくても、同種または異種の2つの金属体(例えば、64チタン金属と鋳物)を、本発明の研磨材を用いてそれぞれ研磨した後、これら2つの金属体を当接させることで、2つの金属体を接合することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
使用材料は、以下に示すとおりである。
(1)非晶質のシリカ粒子A;太平洋セメント社製の合成品、BET比表面積:750m2/g、平均粒子径:18μm、シリカの含有率:99.99質量%以上
(2)非晶質のシリカ粒子B;太平洋セメント社製の合成品、BET比表面積:700m2/g、平均粒子径:30μm、シリカの含有率:99.99質量%以上
(3)結晶質のシリカ粒子A;ノルウェー産の天然シリカ、BET比表面積:100m2/g、平均粒子径:15μm、シリカの含有率:99.99質量%以上
(4)結晶質のシリカ粒子B;ノルウェー産の天然シリカ、BET比表面積:120m2/g、平均粒子径:17μm、シリカの含有率:99.99質量%以上
(5)アルミナ粒子;試薬(関東化学社製、特級)、平均粒子径:0.5μm、アルミナの含有率:99.9質量%以上
[実施例1]
上記非晶質のシリカ粒子Aと上記アルミナ粒子を、シリカとアルミナのモル比が1/2となるように摺動機(石川工場社製、商品名「石川式摺動機」)に投入して粉砕混合を行い、粒子混合物(研磨材)を得た。得られた粒子混合物のBET比表面積を、高機能比表面積/細孔分布測定装置(マイクロメリティックスジャパン社製、「ASAP2400」)を用いて、窒素ガス吸着法により測定した。
また、得られた粒子混合物の平均粒子径を、レーザ回折散乱粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製、「モデルLS−230」)を用いて、「JIS R 1629:1997(ファインセラミックス原料のレーザ回折・散乱法による粒子径分布策定方法)」に準拠して測定した。
さらに、得られた粒子混合物の表面を、X線光電子分光法分析装置(アルバック・ファイ社製、「PHI5000 VersaProbe」)を用いて、X線光電子分光法分析を行い、531.0〜531.5eVの範囲内に存在するピークに関するピーク面積の01s結合種濃度A(atom%)と、532.0〜532.5eVの範囲内に存在するピークに関するピーク面積の01s結合種濃度B(atom%)を測定した。結果を表1に示す。
また、得られた粒子混合物を試料台に分散させた後、白金パラジウムを用いて蒸着を行った。その後、走査型電子顕微鏡(日立社製、「S−4100」)を用いてSEM観察を行った。また、SEM観察によって点分析を実施する位置を3箇所決定して、エネルギー分散型X線分析によって、各位置における定性分析を行った。その結果、得られた粒子混合物は、シリカ粒子の表面にアルミナ粒子が被覆された形態であることがわかった。
さらに、得られた粒子混合物と水を混合して、スラリー中の粒子混合物の濃度が80質量%であるスラリーを得た。該スラリーおよび金属体研磨用の治具(鋳鉄からなる研磨パッドを貼り付けた定盤)を用いて、質量が1,150g、直径が70mmである円形の超硬合金を研磨することで、粒子混合物(研磨材)の研磨性の評価を行った。
上記超硬合金の研磨作業は、上記超硬合金と上記治具を対向させて近づけてゆき、当接させた後に、1kgf/cmの圧力を加え、上記スラリーを介在させた状態で、上記定盤を回転数30rpmの条件で回転させて、3時間研磨することによって行なった。
研磨後、超硬合金の研磨が行われた表面を、上記走査型電子顕微鏡を用いてSEM観察を行ったところ、該面は光沢を有しかつ平滑になっていることがわかった。このことから、上記粒子混合物(研磨材)は研磨性に優れている(表1中、「良好」と記載した。)ことがわかった。
また、研磨を行った2つの超硬合金の各研磨面を当接させたところ、2つの超硬合金は、互いに接合し、容易に分離しない(接合性が良好である)ことがわかった。
[実施例2]
非晶質のシリカ粒子Aの代わりに、非晶質のシリカ粒子Aと結晶質のシリカAを9:1の質量比で混合してなる混合物を用いた以外は実施例1と同様にして、粒子混合物を得た。
得られた粒子混合物のBET比表面積および平均粒子径の測定、並びに、X線光電子分光法分析を実施例1と同様にして行った。結果を表1に示す。
また、得られた粒子混合物について、実施例1と同様にして、SEM観察及び定性分析を行った。その結果、得られた粒子混合物は、シリカ粒子の表面にアルミナ粒子が被覆された形態であることがわかった。
さらに、上記粒子混合物を用いて、実施例1と同様にして、超硬合金の研磨を行った。
超硬合金の研磨が行われた表面を、上記走査型電子顕微鏡を用いてSEM観察を行ったところ、該面は光沢を有し、かつ平滑になっていることがわかった。このことから、上記粒子混合物(研磨材)は研磨性に優れていることがわかった。
また、研磨を行った2つの超硬合金の各研磨面を当接させたところ、2つの超硬合金は、互いに接合し、容易に分離しない(接合性が良好である)ことがわかった。
[比較例1]
非晶質のシリカ粒子Aの代わりに、上記結晶質のシリカ粒子Aを用いた以外は実施例1と同様にして、結晶質のシリカ粒子とアルミナ粒子を混合してなる粒子混合物を得た。
得られた粒子混合物のBET比表面積および平均粒子径の測定、並びに、X線光電子分光法分析を実施例1と同様にして行った。結果を表1に示す。
また、上記粒子混合物を用いて、実施例1と同様にして、超硬合金の研磨を行った。
超硬合金の研磨が行われた表面を、上記走査型電子顕微鏡を用いてSEM観察を行ったところ、該面は光沢を有していなかった。また、該面には、多数のスクラッチが存在していることがわかった。以上の状態を、表1中、「不良」と記載した。
また、研磨を行った2つの超硬合金の各研磨面を当接させたところ、2つの超硬合金は、互いに接合せず、直ぐに分離する(接合性が不良である)ことがわかった。
[比較例2]
上記非晶質のシリカ粒子Aと上記アルミナ粒子を、摺動機を用いて粉砕混合する代わりに、上記非晶質のシリカ粒子Aと上記アルミナ粒子をビニール袋に入れて、該ビニール袋を手で揉むことにより混合する以外は、実施例1と同様にして、非晶質のシリカ粒子とアルミナ粒子を混合してなる粒子混合物を得た。
得られた粒子混合物のBET比表面積および平均粒子径の測定、並びに、X線光電子分光法分析を実施例1と同様にして行った。結果を表1に示す。
また、得られた粒子混合物を、実施例1と同様にしてSEM観察及びエネルギー分散型X線分析を行ったところ、得られた粒子混合物はシリカ粒子の表面にアルミナ粒子が被覆されていない形態であることがわかった。なお、エネルギー分散型X線分析における、点分析を実施する位置は2箇所とした。
また、上記粒子混合物を用いて、実施例1と同様にして、超硬合金の研磨を行った。
超硬合金の研磨が行われた表面を、上記走査型電子顕微鏡を用いてSEM観察を行ったところ、該面は光沢を有していなかった。
また、研磨を行った2つの超硬合金の各研磨面を当接させたところ、2つの超硬合金が、互いに接合せず、直ぐに分離する(接合性が不良である)ことがわかった。
[比較例3]
上記非晶質のシリカ粒子Bを、実施例1と同様にしてX線光電子分光法分析を行った。結果を表1に示す。
また、上記非晶質のシリカ粒子Aと上記アルミナ粒子を混合してなる粒子混合物の代わりに、上記非晶質のシリカ粒子Bを用いる以外は、実施例1と同様にして、超硬合金の研磨を行った。
超硬合金の研磨が行われた表面を、上記走査型電子顕微鏡を用いてSEM観察を行ったところ、該面は光沢を有していなかった。
また、研磨を行った2つの超硬合金の各研磨面を当接させたところ、2つの超硬合金は、互いに接合せず、直ぐに分離する(接合性が不良である)ことがわかった。
[比較例4]
結晶質のシリカ粒子Bを、実施例1と同様にしてX線光電子分光法分析を行った。結果を表1に示す。
また、上記非晶質のシリカ粒子Aと上記アルミナ粒子を混合してなる粒子混合物の代わりに、上記結晶質のシリカ粒子Bを用いる以外は、実施例1と同様にして、超硬合金の研磨を行った。
超硬合金の研磨が行われた表面を、上記走査型電子顕微鏡を用いてSEM観察を行ったところ、該面は光沢を有していなかった。
また、研磨を行った2つの超硬合金の各研磨面を当接させたところ、2つの超硬合金は、互いに接合せず、直ぐに分離する(接合性が不良である)ことがわかった。
Figure 0006425954
表1より、本発明の研磨材(実施例1)は、研磨性に優れている。また、本発明の研磨材を用いて研磨された金属体(超硬合金)は、接合性に優れている。

Claims (8)

  1. BET比表面積が400m /g以上、かつ、平均粒子径が5〜30μmのシリカ粒子と、平均粒子径が0.1〜2.0μmのアルミナ粒子を混合してなる、BET比表面積が160〜300/gの粒子混合物からなる研磨材であって、
    上記粒子混合物は、上記シリカ粒子の表面に上記アルミナ粒子が被覆された形態を有するものであり、
    上記研磨材は、該研磨材と溶媒を混合してなるスラリーの状態で金属体を研磨するためのものであることを特徴とする研磨材。
  2. 上記シリカ粒子を構成するシリカ(SiO)と上記アルミナ粒子を構成するアルミナ(Al)のモル比(SiO/Al)が、1/3〜2/1である請求項1に記載の研磨材。
  3. 上記粒子混合物の平均粒子径が、5〜30μmである請求項1または2に記載の研磨材。
  4. X線光電子分光法分析で、531.0〜531.5eV、および、532.0〜532.5eVの各範囲内に、シリカおよびアルミナに由来する01sの酸素結合スペクトルのピークが存在し、かつ、531.0〜531.5eVの範囲内に存在するピークに関するピーク面積の01s結合種濃度A(atom%)と、532.0〜532.5eVの範囲内に存在するピークに関するピーク面積の01s結合種濃度B(atom%)の比(A/B)が、3〜6である請求項1〜のいずれか1項に記載の研磨材。
  5. 上記シリカ粒子が、非晶質のシリカ、または非晶質のシリカと結晶質のシリカの混合物からなる請求項1〜のいずれか1項に記載の研磨材。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の研磨材を用いた、金属体の研磨方法であって、
    研磨の対象物である金属体と、金属体研磨用の治具を対向させた後、上記金属体と上記治具の間に上記研磨材と溶媒を混合してなるスラリーを介在させた状態で、上記金属体と上記治具を当接させて、加圧下に摺動させることによって、上記金属体を研磨することを特徴とする金属体の研磨方法。
  7. 上記溶媒が水である請求項6に記載の金属体の研磨方法。
  8. 請求項6または7に記載の金属体の研磨方法によって、2つの金属体を研磨した後、これら2つの金属体を当接させて接合することを特徴とする金属体の接合方法。
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