JP6424348B2 - 背広原型の作成方法 - Google Patents
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Description
このように裁断することによって袖部分を肘を軽く曲げて腕を斜め下前方に出した状態の曲線に近い立体形状を形成し、腕の前後左右の運動に対して着用感が良好な上着としている。
すなわち、着用状態での着用者の体型的諸条件、例えば身長や、背の前後傾(猫背、反身)や、左右の肩の上下バランス等の諸条件に合致し、着用者の体型的特徴にフィットする背広を縫製することができない。
特に、背基点からの長さを基準にして首筋ラインに沿った左右肩前後基点を仮に特定し、その後地上面からの長さを測定してこの測定値を修正しながら正しい左右肩前後基点を特定し、この正しい左右肩前後基点を背広原型に必要な各種寸法の基準点としたため、背広の左右肩が背基点を中心として「やじろべえ」の原理を用いたバランスのとれた形態となり着用者のいかなる体型にもフィットすることができる効果がある。
まず最初に左肩後の仮想基点M´の特定(ステップS1,S2)を行う。
左肩後の仮想基点M´は、背中部分の背中心線101上端に位置する点を背上端Oとし、「胸囲の長さの1/2(=P)に(0.177±0.005)を乗じ更に0.1を乗じた長さ」だけ外方に移動した点を背基点O´とし、背基点O´から「胸囲の長さの1/2Pに(0.177±0.005)を乗じた長さL1」だけ前方へ移動し、更に「移動点mから移動長さの1/4の長さL2」だけ上方に垂直に移動して特定した点である(ステップS1,S2)。
なお、仮の型紙Uにおいて、左肩前の仮想基点M´を特定する計測方法を説明したが、このように着用者の胸囲の長さPを基準とする以外にも着用者の首回りの長さPPを基準にする方法もある。
すなわち、「首回りの長さPPに「13」を加算し、その合計を6で除した数字」をL1とし、L1のm点からL1の4分の1の長さL2だけ上方に垂直に移動して、特定した点を左肩後の仮想基点M´とすることもできる。
すなわち、L1=(PP+13)÷6、L2=L1×1/4とする(ステップS1,S
2)。
背基点O´の位置は人体の骨格に対応させると、第7頚椎と第1胸椎の境の中央部分の点の位置とする。
ここで、背中心線101の上端の背上端Oを用いるのではなく、着用者の本来の背中心線101´の背基点O´をすべての寸法の基点としたのは着用者が背広を着用した場合に、背中部分は左右湾曲面となっているため、湾曲面形成のためのゆとり部分を取る必要があり、そのため着用者本来の背基点O´をゆとり部分考慮の上で定めている。背上端Oと背基点O´との間は、「L1×0.1(1/10)の長さ」とする。
(a)上記の方法で決定した左右肩後の仮想基点M´,M´、左右肩前の仮想基点N´,N´の位置は、着用者が反身、屈身などの特殊な体型のない標準、模範的な体型における位置であり、従って、この位置に着用者の個々の体型に合致した修正を施し正しい左肩前後基点N,Mの特定を行わなければならない。
そこで、着用者にとって最も着心地良好な背広の各種寸法の基準となる本来の「正しい左右肩後基点Mと左右肩前基点N」を決定するために、本実施例では着用者の身体の測定を行い仮想基点M´,M´及び仮想基点N´,N´を決定し、同時に標準的な基点としての「仮の左右肩後測定基点M−mと左右肩前測定基点N−n」を設定し、これらの各基点を基にして各種の修正要因を付加して「正しい左右肩後基点Mと左右肩前基点N」を導くという方法を採用した。
そのために、基点設定メジャー30と高さ測定メジャー40との二種類の器具を準備する。
高さ用重錘42は、後述するように地上面から仮の左右肩前後基点N,Mまでの長さを計測する際に長尺紐体41の張力を生起し、正確な長さ寸法を取得するためのものであり、土木工事の測量に使用する落下重錘と同様の機能を果す。
高さ測定メジャー40は、高さ用重錘42を用いることにより長尺紐体41の張力を利用して地上面(GL)から左右肩前後地点N,Mまでの長さを計測する器具であるが、後述するようにより簡便に、かつ正確に計測できるように電子機器を用いた地上高計測装置120を使用することができる。
まず最初に、着用者の首にループ状の基点設定メジャー30を吊下する。この際、基点用重錘32が胸元に位置する状態とする。
この状態は、ループ状の紐体31が首から胸元にかけて配置吊下された状態であり、いわば背広の衿の左右ラインをループ状の紐体31の左右ライン34,34がなぞったV字形の紐体31軌跡が形成されたことになる。
この状態において、紐体31の背基点ポイントGPは、着用者の背基点O´の位置、すなわち骨格の第7頚椎と第1胸椎の境中央部の位置と一致している。
なお、仮の基準寸法の9cmは、平均的、標準的な着用者の仮の標準寸法である。
この首筋ラインWNの長さrcmの位置が着用者に対する実測による左右肩後の仮想基点M´及び左右肩前の仮想基点N´の位置である。
この基点M´,基点N´の位置は反身や猫背のない理想的な直立不動の標準体型を有する着用者の場合の計算上の位置であるため、着用者の体型の特殊性によりこの基点M´,基点N´の位置を着用者本人に適合した正しい左右肩前後基点N,Mに修正する作業を行わねばならない。この修正作業を以下に説明する。
従って、着用者の反身、猫背などの特殊性を考慮して着用者の体型のどの地点が正しい左肩前後基点N,Mであるかを決定する必要がある。
なお、高さ測定メジャー40の代わりに前述の地上高計測装置120を用いて、地上面(GL)から仮の左右肩後測定基点M−mまでの長さαと、仮の左右肩前測定基点N−nまでの長さβを計測することができるものであり、地上高計測装置120の構造は次のように構成されている。
すなわち、測定器Zにより肩稜線の傾斜角度を測定するに際に弯曲フレーム100aを着用者の後首筋Kに定置し、弯曲フレーム100aの自由端部を、仮の左右肩前後測定基点(N−n,M−m)に合わせて定置して左右傾斜板104,105の搖動角度により肩稜線の角度を測定するものであるから、かかる弯曲フレーム100aの首筋装着状態において、弯曲フレーム100aの左右自由端部位置100a´,100a´´、すなわち仮の左右肩前後測定基点(N−n,M−m)位置から地上面(GL)までの背・胸部に沿った長さα,βを測定するために電子機器を用いた地上高計測装置120を用いることができる。
地上高計測装置120は、弯曲フレーム100aの左右自由端部に、上半部測定メジャー121の上端を連設し、該メジャー121の下端に反射機能付垂錘122を設けて構成している。
上半部測定メジャー121は着用者の背、胸部に沿うように可撓姓素材により構成し、かかる可撓性の上半部測定メジャー121は下端が略胸側或は背中側の途中に至る短尺の長さとしており、仮の左右肩前後測定基点(N−n,M−m)から下方に吊下される。
反射機能付垂錘122は垂錘ケース123下端面に赤外線や超音波等を反射する発信部124−1とこれらの反射を受信する受信部124−2とが設けられている。
従って、予め上半部測定メジャー121の長さを短尺に設定、例えば1mに設定しておけば、この該メジャー121を仮の左右肩前後測定基点(N−n,M−m)から着用者の胸部や背中部に沿って吊下しやすく、次いで該メジャー121の下端の反射機能付垂錘122から発信された赤外線等の地上面(GL)からの反射時間を測定することにより反射機能付垂錘122から地上面(GL)までの距離が測定されることになり、この距離に上半部測定メジャー121の長さを加算した長さが、着用者の仮の左右肩前後測定基点(N−n,M−m)から着用者の胸側或は背中側に沿って地上面に至る長さα或はβということになる。
すなわち、短尺の上半部測定メジャー121により簡便にかつ、容易、正確に仮の左右肩前後測定基点(N−n,M−m)から着用者の胸側や背中側に沿った地上面(GL)までの長さを測定することができる。
GL〜M−m=α、GL〜N−n=βとすれば、αとβの差は、仮の標準寸法の9cmで仮定した仮の左右肩後測定基点M−m、仮の左右肩前測定基点N−nの位置修正(すなわち、正しい基点M、基点Nへの修正)の要因として用いる。
かかる肩の傾斜角度の測定時期は本実施例では図20のステップS8のタイミングで説明したが、例えば図20のステップS4とステップS5の間で測定しても良い。すなわち、基準寸法9cmの点を仮の測定基点M−m,N−nとして設定した後に肩の傾斜角度θ,θ´を測定しても良い。
すなわち、図12〜図14に示すように、まず着用者の後首まわりに沿って装着載置可能な弯曲フレーム100aを設け、弯曲フレーム100aの両端100a´,100a´´は、仮特定した左肩後の仮想基点M´及び左肩前の仮想基点N´の合致した位置と、同じく仮特定した右肩後の仮想基点M´及び右肩前の仮想基点N´の合致した位置とにそれぞれ対応するように構成する。
仮の左右肩前後の仮想基点N´,M´点はその位置が着用者の骨格や肩幅等によって左右に変位するものであるため、弯曲フレーム100aは左右に伸縮自在の構造としており、例えば左半弯曲部101aと右半弯曲部102aとは別体とし、一方の弯曲部101a又は102a基端中に他方の弯曲部101a又は102aを基端が差し込み自在な伸縮機構としている。
なお、弯曲フレーム100aの断面形状は、着用者の後首まわりに沿って載置可能なように下端面は図14に示すA部側面視のようにやや傾斜変曲面wxとして後首まわりに可及的に密着した形状とする。
また、弯曲フレーム100aの左右端部には肩稜線の傾斜角を測定するための左右傾斜板104,105を搖動自在に連設している。
すなわち、弯曲フレーム100aの左右端部に左右傾斜板104,105の基端を枢軸106を介して枢支している。
左右傾斜板104,105は枢軸106を中心として搖動するためにその搖動による絶対的な傾斜角を測定するために、枢軸106の部分に絶対水平位置からの傾斜角度を測定するための測定目盛107を付している。
なお、測定目盛107には水平レベラー(図示せず)を付設しており、水平レベラー103により絶対水平位置を検出するように構成し、この絶対水平位置から換算して傾斜角度を検知する。
また、左右傾斜板104,105の傾斜角を測定するためには、上記の測定目盛107のかわりにデジタル表示部を設け、左右傾斜板104,105の搖動を電気的に検知して傾斜角度をデジタル表示部に表示するように構成することもできる。この場合は、弯曲フレーム100a内に電源部や制御部やレベラー機構を内蔵しておき、左右傾斜板104,105の搖動を電気的に検出し、左右傾斜板104,105の傾斜角度を表示するように構成するものである。
使用に際しては、図15〜図18に示すように、弯曲フレーム100aを着用者の後首筋Kに定置して、該フレーム100aの左右端部を左右肩後基点M,Mと左右肩前基点N,Nとの合致点に合わせて位置せしめ、次いで左右肩後基点M,Mと左右肩前基点N,Nの位置から左右肩稜線上に左右傾斜板104,105を載置し、枢軸106を中心として傾動する左右傾斜板104,105の傾斜角を測定目盛107や電気的検出方法により測定する。
左半身パーツ1は、上端縁から一定の距離にバストラインB、ウエストラインW、ヒップラインH及び裾ラインJを形成している。
ここで胸囲の長さの1/2Pは、実際の測定した胸囲の1/2P´に(6cm±2)cmを加算した数値である(P=P´cm±(6cm±2))。
なお、O´〜Cの縦長さを背丈Kとする。
バストラインBのバスト点Cからゆとりy1をとったC´(バストゆとり点)から、胸囲の長さの1/2Pに約0.38を乗じた長さの地点、すなわち袖孔部3の後端縁に至る点を背幅点Eとする(C´〜E=P×約0.38)。
バストラインBにおける袖孔部3の後端縁位置の背幅点Eから胸囲の長さの1/2Pに約0.25を乗じた長さの点、すなわち袖孔部3の前端縁に至る点を脇幅点Dとし、D〜Eの横幅を脇幅部b2とする。
バストラインBにおいて、D〜Fの中間でD〜Fの長さに約0.56を乗じた長さの点を垂直点gとし、垂直点gの垂直線G上端が左肩前基点Nとなる。
また、Rは、胸ポケットを示す。
5´は、衿部5の上端部に連設して縫合した首衿部であり、前後肩稜線6,7以外の背幅部b1の上端部(5”)に連設縫合される。
左右半身パーツ1,2を縫合して背広原型Xを製作する場合、好みで着用者の体形にピッタリとフィットするように構成するか、ゆったりと構成するかは、胸囲の長さPの数値で調整する。
実際に左半身パーツ1を作成するためには、着用者の体型の寸法の測定を行わねばならない。
図7に示すのは、測定寸法の記入用の寸法表10であり、次のような欄が設けられている。
すなわち、測定日時欄11、着用者の名前欄12、反身か屈身かの区別とその寸法を記載する体型欄13、
左右肩前基点Nからの肩の傾斜角度を記入する欄14、左右肩後基点Mからの肩の傾斜角度を記入する欄15、
左右肩前基点Nからの傾斜角度と左右肩後基点Mからの傾斜角度との和に1/2を乗じた平均角度を記入する欄16、
左右肩前基点Nを特定するために(F〜D)の長さLと(0.56±0.05)を乗じた数字を記入するN点寸法欄17、
左右肩後基点Mを特定するために胸囲の長さPの1/2に(0.177±0.005)を乗じた数字L1およびL1に1/4を乗じた数字L2を記入するためのM点寸法欄18、
背基点O´から胸囲の長さの1/2Pに0.45を乗じた長さだけ下方に位置したCまでの長さを記入する背丈寸法欄19、
実際の胸囲P´にゆとりとしての余裕寸法を加算した数値を記入する胸囲寸法欄20、
実際に測定したバストラインBにおける胸幅部b3の寸法を記入する胸幅欄21、
バストラインBにおける脇幅部b2の寸法を記入する脇幅欄22、
バストラインBにおける背幅部b1の寸法を記入する背幅欄23、
ウエストラインWにおける寸法を記入するウエスト寸法欄24、
ウエストラインWにおける前身頃イの幅寸法を記入するウエスト前幅欄25、
ウエストラインWにおける後身頃ロの幅寸法を記入するウエスト後幅欄26、
実際に測定したヒップラインHにおける寸法を記入するヒップ前幅欄27、
ヒップラインHにおける前身頃イの幅を記入するヒップ前幅欄28、
ヒップラインHにおける後身頃ロの幅を記入するヒップ後幅欄29
等の各欄が寸法表10に設けられている。
背広は、左右肩前後基点N,Mからの肩の傾斜角度θ、θ´と、地上面(GL)から左右肩前後基点N,Mまでの背中側の長さα及び地上面(GL)から左右前後基点N,Mまでの胸側の長さβとが、それぞれ背広着用者の体型に合致したときに背基点O´を中心とした「やじろべえ」と同じ左右バランス機能が生じる。そして、外観的にも着心地的にも最も着用者にフィットした背広となる(ステップS11,12)。
すなわち、図19に示す型紙の寸法図において左右肩前後基点N,Mをεの長さ(例えば5mm)だけ平行移動して微調整した新たな左右肩前後基点N−1,M−1とを基準点として各種の寸法を採取して型紙を作成する。
左右肩後基点Mを図19に示すように右方向へ5mm移動させ新たな左右肩後基点M−1とすると、後身頃ロの面積はその分広くなり、前身頃イに上方運動が生起する。
また、左右肩前基点Nを図19に示すように右方向に5mm移動させ新たな左右肩前基点N−1とすると、前身頃イの面積はその分狭くなり前身頃イに下方運動が生起する。
左右肩後基点Mを図19に示すように左方向へ5mm移動させ新たな左右肩後基点M−1とすると、後身頃ロの面積はその分狭くなり、後身頃ロに下方運動が生起する。
なお、この「やじろべえ」(スイング作用)は肩の左右方のみならず、肩の前後方にも生起するものであり、肩を中心に左右横方向、前後方向で背基点O´を中心のスイング作用の状態で背広原型を仕立てるため、着用者の体型にフィットした着心地のよい背広とすることができる。
101 背中心線
101´ 本来の背中心線
1 左半身パーツ
2 右半身パーツ
3 袖孔部
35 切欠前端部
36 切欠後端部
4 前身頃前端縁部
5 衿部
6 前肩稜線
7 後肩稜線
10 寸法表
U 型紙
b1 背幅部
b2 脇幅部
b3 胸幅部
N´,N´ 左右肩前の仮想基点
M´,M´ 左右肩後の仮想基点
N,N 左右肩前基点
M,M 左右肩後基点
P 胸囲の長さ
O 背上端
O´ 背基点
A 背広原型
m 移動点
g 垂直点
r 湾曲長さ
GL 地上面
θ 前傾斜角度
θ´ 後傾斜角度
v 絶対水平線
S 切欠
30 基点設定メジャー
31 ループ状紐体
32 重錘
KP 基準ポイント
33 表示目盛
GP 背基点ポイント
40 高さ測定メジャー
41 長尺紐体
42 高さ用重錘
43 表示目盛
WN 首筋ライン
α 地上面GLから左右肩後測定基点M−mまでの長さ
β 地上面GLから左右肩前測定基点N−nまでの長さ
Claims (1)
- 上着本体を背中部分の背中心線より左右に分けて形成した左半身パーツ及び右半身パーツと、左右半身パーツの中央上部に上方を一部切欠して形成した略楕円形状の左右袖孔部と、左半身パーツ本体の前端縁部に形成した衿部と、袖孔部の前方の胸幅部と、袖孔部の下方の脇幅部と、袖孔部の後方の背幅部とにより構成し、左右袖孔部の一部切欠端部同志および各左右半身パーツの背縫線同志をそれぞれ接合縫製することにより形成する背広原型において、着用者の本来の背中心線上端とすべき背基点から、胸囲の長さの1/2に(0.15〜0.20)を乗じて算出した長さあるいは首周りの長さに(10〜15)を加算し、その合計を(5〜7)で除して算出した長さだけ前方へ移動し、更に移動した点から移動長さの1/4の長さだけ上方に垂直に移動して特定した点を左右肩後の仮想基点とし、前身頃前端縁から袖孔部の前端縁に至る長さの0.5〜0.6倍の位置の垂直線と、左右肩後の仮想基点からの絶対水平線との交点によって特定した点を左右肩前の仮想基点とし、
他方、後身頃の背中の背基点から左右肩前後の仮想基点までの間に形成される
湾曲状の首筋ライン上に、後身頃の背中の背基点と左右肩後の仮想基点と
標準体型着用者の正しい標準的な左右肩後に特定した左肩後測定基点とを設定すると共に、
湾曲状の首筋ラインは背広原形の衿の左右ラインに一致する背基点から左右肩後の仮想基点間の湾曲ラインとし、
しかも、背基点から左右肩後の仮想基点までの首筋ライン上の長さと背基点から標準体型着用者の正しい標準的な左肩後測定基点までの首筋ライン上の長さの差を求め、その差を修正差数とすると共に、
首筋ライン上の標準的な左右肩後に特定した左肩後測定基点から着用者の身体の背側を通る地上面までの長さと着用者の胸側を通る地上面までの長さとを計測し、各計測数の一方に前記修正差数を加算し他方の計測数から前記修正差数を減算することにより地上面からの修正長さを求めその修正長さの一致する首筋ライン上の地点を左右肩後基点とし、
左右肩後基点を基にして修正した正しい左右肩前基点、あるいは首筋ライン中途の左肩後測定基点から一定の調整角度をもって袖孔の切欠前端部と結んだ線を左右の前肩稜線とし、修正した正しい左右肩後基点、あるいは首筋ラインの中途の基準地点からそれぞれの肩の傾斜角度をもって袖孔の切欠後端部と結んだ線を左右の後肩稜線とし、前肩稜線と後肩稜線とを接合縫製することにより構成したことを特徴とする背広原型の作成方法。
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