JP6422066B1 - 止血帯 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可撓性を有するシートにより構成されるベース部材11と、ベース部材の表面の一端側に、第一の連通部123を設けて固定された第一の押さえ部12と、ベース部材の表面の他端側に、第二の連通部133を設けて、かつ第一の押さえ部と離間させて固定された第二の押さえ部13と、第一の連通部及び第二の連通部に、ベース部材の表面に沿って周回可能に挿通された可撓性を有するループ状の締付けベルト部材15と、締付けベルト部材15の周回方向に対して略直角方向に、ベース部材の対向する両側縁からそれぞれ延出する可撓性を有する交差状ベルト部材18と、交差状ベルト部材18のうち、第一の延出部181の少なくとも一部と、交差状ベルト部材18のうち、第二の延出部182の少なくとも一部とを開閉自在に連結する連結部と、を有する止血帯10である。
【選択図】図1A
Description
特に、兵士、自衛官、警察官、消防士等は、職務上、多量の出血を伴う傷を負う可能性があるため、受傷者自身が素早く取り付けることが可能な止血帯を携帯することが求められる。また、民間人も突発的な事故に遭遇した場合には、出血を伴う傷を負う可能性があるため、医療機関による治療を受けるまでの緊急の処置として、自身で止血処置を行うことが可能な、携帯用の止血帯の需要が今後増加することが想定される。
前記止血帯は、バックルに通して環状とした外部スリーブの端部を引張ってある程度締め付けた後、巻き上げ機を回して巻き上げることで、内部ストラップがスライドして外部ストラップが縮み、止血帯を巻いた身体部分が締め付けられるため、片手での止血処置が可能とされている。
また、特許文献1に開示の止血帯は、折り畳んで携帯している状態から、展開して拡げるまでに時間がかかり、素早く止血処置をすることが困難であった。
また、第二の押さえ部13は、該ベース部材11の第二端部11B側に向けて開口する第三の開口部131と該ベース部材11の第一端部11A側に向けて開口する第四の開口部132とを連通する第二の連通部133を設けて、ベース部材11の表面の第二端部11B側に固定されている。
なお、第一の押さえ部12及び第二の押さえ部13は、ベース部材11上に、第一の連通部123及び第二の連通部133を形成できれば、必ずしもベース部材11と同じ幅に形成しなくてもよい。即ち、幅方向において、ベース部材11の幅より狭い幅であってもよい。
即ち、ベース部材11は、長さ方向において、第一の押さえ部12が設けられた領域と、第二の押さえ部13が設けられた領域と、第一の押さえ部12と第二の押さえ部13とで挟まれた領域14とで、三等分されている。
支持部16としては、具体的には、例えば、ベルポーレン等の合成樹脂シートを好適に用いることができる。支持部16として合成樹脂シートを用いる場合、その表面及び側縁部を保護するため、布地で覆っても良い。
締付けベルト部材15としては、具体的には、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリオレフイン、ポリアクリロニトリルなどの合繊繊維、アセテート等の半合成繊維、レーヨン等の再生繊維、木綿、絹、ウールなどの天然繊維等の繊維からなる糸条で編繊された編織物を好適に用いることができ、より具体的には、これらの編織物を用いたバイアステープを好適に用いることができる。
保護部材17としては、少なくとも、締付けベルト部材15の周回方向に沿う方向の長さが、第一の押さえ部12と第二の押さえ部13とで挟まれた領域14の長さ方向に沿う方向の長さL1より広く形成されていることが好ましい。また、保護部材17としては、つまみ部172は、必ずしも設けなくてもよく、その保護部材17の全域を、締付けベルト部材15に対して固定してもよい。
交差状ベルト部材18は、ベース部材11の一方の側縁から延出する第一の延出部181と、ベース部材11の他方の側縁から延出する第二の延出部182と、を有している。第一の延出部181及び第二の延出部182は、いずれも、ベース部材11の長さ方向の略中央の位置から延出するように、ベース部材11を挟んで略一直線上に設けられている。
図1〜4に示す例では、ループ状起毛部及びフック状起毛部により、第一の延出部181の少なくとも一部と、第二の延出部182の少なくとも一部とを開閉自在に連結する連結部21が構成されている。
例えば連結部21として、スナップボタンを用いる場合、第一の延出部181の表面に、第一の係合部19として雌スナップを固定し、第二の延出部182の裏面に、第二の係合部20として雄スナップを固定して、雌スナップ及び雄スナップにより、連結部21を構成することができる。
引張り部材22は、第二の延出部182の端部182aに取り付けられている。具体的には、引張り部材22は、第二の延出部182の表側の面に重ね合わせて配置されており、その一方の端部22aが、第二の延出部182の端部182aに縫合され、他方の端部22bが、自由端とされている。このため、引張り部材22を、第二の延出部182の表側の面に重ね合わせた状態では、引張り部材22は、第二の延出部182の端部182aから、ベース部材11側の方向、即ち、第二の延出部182の延出方向と反対側の方向に延出する状態となる。
以上説明した手順により、ベース部材10及び締付けベルト部材15は折り畳まれて、交差状ベルト部材18内に収納される。
また、実施形態に係る止血帯10によれば、ベース部材11として可撓性を有する扁平なシートを用い、締付けベルト部材15として、可撓性を有するループ状部材を用いているため、ベース部材11を締付けベルト部材15と共に折り畳むことができ、また、ループ状の締付けベルト部材15の周回方向に対して略直角方向に、可撓性を有する交差状ベルト部材18を取り付けた構成とすることで、折り畳んだ締付けベルト部材15及びベース部材11を、交差状ベルト部材18によりまとめて留めることができるため、小型化することができる。
なお、ベース部材11は、必ずしも上記した領域で三等分されていなくてもよい。例えば、第一の押さえ部12と第二の押さえ部13とで挟まれた領域14の長さ方向の長さが、第一の押さえ部12が設けられた領域の長さ方向の長さや第二の押さえ部13が設けられた領域の長さ方向の長さより広く形成されていてもよい。
止血帯10は、例えば防弾チョッキの前面に縫合されている1インチモールテープ(図9〜10参照)や、ズボンのベルトループ(図11参照)に対して、交差状ベルト部材18を巻き付け、第一の延出部181と第一の延出部182とを連結することによって、装着することができる。
また、これら以外にも、レッグリグ(弾倉等を携帯するために大腿部に装着する袋)のモールテープ部分、防弾チョッキのチェストリグ(肩当て)やそのモールテープ部分、バックパックの表面、ショルダーストラップ及びヒップベルトのモールテープ部分等にも同様に、交差状ベルト部材18を巻き付けて装着することができる。
即ち、特許文献1に開示されている止血帯は、それ自体には携帯用の機能を備えていないため、止血帯10単体では、被装着体に装着することができず、例えば装着専用のポーチに入れて、このポーチをモールテープ等に装着することが必要となる。
また、小型化した状態で携帯できるため、身体に付けた場合でも、邪魔にならずに携帯することができる。
さらに保護部材171を引き上げ、ベース部材11の裏面が、身体部分の出血部に当接するまで、ベース部材11の表面側に締付けベルト部材15を引き出す。
また、実施形態に係る止血帯10は、出血部に当接させるベース部材11の両端部に、ベルト挿通部となる第一の連通部123及び第二の連通部133を設けているため、締付けベルト部材15による締め付けを行う際に、ベース部材11の両端部側から締付けベルト部材15を引き出すことができる。また、実施形態に係る止血帯10は、ベース部材11の両端部に、第一の押さえ部12と第二の押さえ部13とを設けているため、ベース部材11に対して締付けベルト部材15が安定して保持される。従って、実施形態に係る止血帯10によれば、締付けベルト部材15による締め付け作業を行い易く、迅速な止血処置が可能である。
Claims (11)
- 可撓性を有するシートにより構成されるベース部材と、
前記ベース部材の表面の一端側に、該ベース部材の一端側に向けて開口する第一の開口部と該ベース部材の他端側に向けて開口する第二の開口部とを連通させる第一の連通部を設けて固定された第一の押さえ部と、
前記ベース部材の表面の他端側に、該ベース部材の他端側に向けて開口する第三の開口部と該ベース部材の一端側に向けて開口する第四の開口部とを連通させる第二の連通部を設けて、かつ前記第一の押さえ部と離間させて固定された第二の押さえ部と、
前記第一の連通部及び前記第二の連通部に、該ベース部材の表面に沿って周回可能に挿通された可撓性を有するループ状の締付けベルト部材と、
前記締付けベルト部材の周回方向に対して略直角方向に、前記ベース部材の対向する両側縁からそれぞれ延出する可撓性を有する交差状ベルト部材と、
前記交差状ベルト部材のうち、前記ベース部材の一方の側縁から延出する第一の延出部の少なくとも一部と、前記交差状ベルト部材のうち、前記ベース部材の他方の側縁から延出する第二の延出部の少なくとも一部とを開閉自在に連結する連結部と、を有することを特徴とする止血帯。 - 前記ベース部材は、繊維シートにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の止血帯。
- 前記連結部は、前記第一の延出部における前記ベース部材の表面側の面に設けられた第一の係合部と、前記第二の延出部における前記ベース部材の裏面側の面に設けられ、前記第一の係合部と係合する第二の係合部と、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の止血帯。
- 前記交差状ベルト部材の前記第一の延出部及び前記第二の延出部は、面ファスナーである、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の止血帯。
- 前記ベース部材は、該ベース部材の一方の端部と他方の端部とを結ぶ方向の長さは、前記第一の押さえ部が設けられた領域と、前記第二の押さえ部が設けられた領域と、前記第一の押さえ部と前記第二の押さえ部で挟まれた領域とで三等分されている、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の止血帯。
- 前記ベース部材は、ウェビング素材で構成されている、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の止血帯。
- 前記締付けベルト部材は、バイアステープで構成されている、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の止血帯。
- 前記締付けベルト部材の耐荷重は、230〜250kgであることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の止血帯。
- 前記締付けベルト部材の外周面の一部には、前記締付けベルト部材より硬い材質で構成された保護部材が設けられている、ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の止血帯。
- 前記交差状ベルト部材の一方の端部に、引張部材が設けられている、ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の止血帯。
- 前記引張部材は、前記第二の延出部の端部に取り付けられている、ことを特徴とする請求項10に記載の止血帯。
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