JP6421752B2 - トリフルオロエチレンの保存方法およびトリフルオロエチレンの保存容器 - Google Patents

トリフルオロエチレンの保存方法およびトリフルオロエチレンの保存容器 Download PDF

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Description

本発明は、トリフルオロエチレンの保存方法および保存容器に係り、特に、貯蔵および輸送等のためにトリフルオロエチレンを安定に保存する方法、およびトリフルオロエチレンが安定に保存された容器に関する。
トリフルオロエチレン(CF=CHF)は、オゾン層を破壊するクロロフルオロカーボン類(CFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン類(HCFC)や、温室効果ガスであるハイドロフルオロカーボン類(HFC)に代わる新しい冷媒として期待されている。
このようなトリフルオロエチレンは、密閉容器に常温以下の温度で加圧充填され、あるいは冷却下に加圧液化充填されて、貯蔵や輸送がなされている。こうして密閉容器に充填されたトリフルオロエチレンは、気相と液相とを有する気液状態を呈している。そして、気液状態のトリフルオロエチレンは、冷媒としての品質の維持や、容器内での不純物(固体)の付着防止などのために、重合等の反応を生じさせることなく安定に保持することが求められている。
フルオロオレフィンは、酸素が存在すると、酸素がラジカル源になって重合反応が生起することが知られている。フルオロオレフィンの中でもテトラフルオロエチレンは、1〜数10ppmの微量の酸素存在下で重合し、場合によっては爆発的に重合反応が進行する。例えば、特許文献1には、テトラフルオロエチレンは1.4ppmの酸素濃度で重合が進行してポリテトラフルオロエチレンが生成することが記載されている。このため、フルオロオレフィンを保存する際は酸素を極限まで排除して取り扱うことが重要となる。
しかしながら、酸素を極限まで排除するためには、製造工程において酸素を極限まで除去する工程を新たに設ける等の措置が必要となるため、それに伴うコストが増加してしまう。また、酸素を極限まで除去する工程等を行うことで収率が低くなる場合もあり、製造コストが増加してしまう。
トリフルオロエチレンが、酸素存在下で自己重合反応に対してどの程度安定であるかについては、不明な点が多い。冷媒としての品質を保持し、安価で、安全かつ安定的に貯蔵および輸送を行うために、トリフルオロエチレンに重合反応を生じさせることなく保存する方法が求められている。
従来から、ハイドロフルオロオレフィンの安定化について、いくつかの提案がなされている。特許文献2には、空気の共存下においてもハイドロフルオロプロペンの安定な状態(酸の形成がない状態)を維持するために、アルキルカテコール類やアルコキシフェノール類のような安定化剤を添加する方法が提案されている。また、特許文献3には、ハイドロフルオロプロペンに、安定化剤として炭素数が1〜4の脂肪族アルコールを添加する安定化方法が示されている。
しかしながら、特許文献2および特許文献3の方法は、いずれも、冷凍機油の存在を前提とし、冷媒組成物を安定化することで冷却システム全体を安定化する方法であり、貯蔵や輸送のための容器内での冷媒の安定化とは条件が異なるため、この方法を容器内での冷媒の保存に適用することは難しい。また、安定化剤を添加する方法では、冷媒としての使用の前に安定化剤の除去を必要とし、工程の負荷が大きいばかりでなく、蒸留等の物理的精製法では安定化剤を完全に除去できない場合もあり、品質管理上好ましくない。
特開2008−308480号公報 国際公開第2010/098451号 国際公開第2010/098447号
本発明は、上記課題に対処してなされたものであり、貯蔵や輸送のために容器内に充填されたトリフルオロエチレンにおいて、重合等の反応を生じさせることなく安価でかつ安定に保存する方法、およびトリフルオロエチレンが安定に保存された容器を提供することを目的とする。
本発明のトリフルオロエチレンの保存方法は、トリフルオロエチレンを密閉容器内で保存する方法であって、前記密閉容器内でトリフルオロエチレンを気相と液相とが共存する状態で保存し、前記気相の、温度25℃における酸素の濃度を、1000体積ppm以下に保持することを特徴とする。
本発明のトリフルオロエチレンの保存方法において、前記酸素の濃度を、1〜1000体積ppmにすることが好ましく、さらに3〜1000体積ppmにすることが好ましく、さらに3〜300体積ppmにすることが好ましく、3〜50体積ppmにすることが最も好ましい。
本発明のトリフルオロエチレンの保存容器は、気相と液相とが共存する状態でトリフルオロエチレンが充填されている、密閉された保存容器であり、前記気相の、温度25℃における酸素の濃度が1000体積ppm以下であることを特徴とする。
本発明のトリフルオロエチレンの保存容器において、前記酸素の濃度を、1〜1000体積ppmにすることが好ましく、さらに3〜1000体積ppmにすることが好ましく、さらに3〜300体積ppmにすることが好ましく、3〜50体積ppmにすることが最も好ましい。
本発明のトリフルオロエチレンの保存方法、およびトリフルオロエチレンの保存容器によれば、トリフルオロエチレンの重合反応等が抑制されるので、トリフルオロエチレンを高純度および高品質に維持することができる。また、容器内に固体状の重合生成物が生じないので、供給バルブ等の閉塞や冷媒装置への混入のおそれがない。さらに、本発明のトリフルオロエチレンの保存方法、およびトリフルオロエチレンの保存容器によれば、低コストで保存を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
なお、以下、トリフルオロエチレンの気相における酸素濃度は、気体温度が25℃の場合の酸素濃度をいう。
本発明者らがトリフルオロエチレンの酸素濃度と重合の進行との関係について検討を行った結果、トリフルオロエチレンは気相における酸素濃度が0〜1体積ppmにおいては、トリフルオロエチレンの重合が進行しないことを見出した。この知見に基づき、気相における酸素濃度が1体積ppm以上であっても、実質的な不都合が生じるほどに重合が進行しない酸素濃度を見積もることができた。ある程度の酸素濃度まで酸素の存在が許容できることより、酸素濃度を0体積ppm近くの極限まで排除する必要がなくなる。これによって、保存のためのトリフルオロエチレンの製造コスト等を抑えることができる。気相の酸素濃度の下限を3体積ppmとすることで、酸素排除処理速度を上げることができ、より製造コスト等を抑えることができる。許容できる酸素濃度範囲の上限は1000体積ppm以下であり、300体積ppm以下が好ましく、さらに好ましくは50体積ppm以下である。
本発明の保存方法は、密閉された容器内にトリフルオロエチレンを圧力下で気相と液相とが共存する状態で保存し、気相の、温度25℃における酸素の濃度を1000体積ppm以下に保持することを特徴とする。なお、密閉容器内でトリフルオロエチレンは気液共存状態で保持されているので、気相において、トリフルオロエチレンは飽和蒸気圧を示している。前記酸素濃度は、トリフルオロエチレンの気相において、酸素がどれだけ含有されているかを示す含有割合ということもできる。
保存容器中のトリフルオロエチレンの一部が取り出され、その後残りのトリフルオロエチレンが引き続き保存容器中に保存されることが少なくない。その場合、保存容器中の気相の体積が増加するが、体積が増加した気相においてもその酸素濃度は1000体積ppm以下に保持される。気相の酸素濃度は、通常、液相のトリフルオロエチレン中の酸素濃度と平衡状態にあり、トリフルオロエチレンの一部が取り出される際に保存容器内に酸素が侵入しない限り、気相の酸素濃度は実質的に上昇しないと考えられる。
本発明のトリフルオロエチレンの保存容器は、気相と液相とが共存する状態でトリフルオロエチレンが充填されている、密閉された保存容器であり、気相の、温度25℃における酸素濃度が、1000体積ppm以下であることを特徴とする。
トリフルオロエチレンの保存容器としては、内部圧力下において気液共存状態でトリフルオロエチレンを封入することができる密閉容器であれば、特別な構造または構成材料を必要とせず、広い範囲の形態および機能を有することができる。例えば、固定した保存容器である貯蔵タンク、輸送に使用される充填ボンベ、2次充填ボンベ(サービス缶)等の耐圧容器等が挙げられる。また、保存容器の構成材料としては、例えば、炭素鋼、マンガン鋼、クロムモリブデン鋼その他の低合金鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、等を用いることができる。
気相における酸素濃度は、1000体積ppm以下である。気相における酸素濃度が1000体積ppm以下であれば、液相および気相のトリフルオロエチレンの重合等の反応を十分に防止することができる。
気相におけるより好ましい酸素濃度は、1〜1000体積ppmであり、さらに3〜1000体積ppmであることが好ましく、さらに3〜300体積ppmであることが好ましく、さらに最も好ましくは3〜50体積ppmである。
気相における酸素濃度は、トリフルオロエチレンを加圧して液体を生成させ、この液体を、予め空気を真空脱気し、酸素濃度を1000体積ppm以下に低減させた密閉容器に注入することにより実施することができる。トリフルオロエチレンの液体を容器に注入すると、容器内の空間は、液体からの蒸気によって速やかに飽和される。そして、このようにトリフルオロエチレンの飽和蒸気により満たされた気相における酸素の濃度は1000体積ppm以下となる。
なお、密閉容器を真空脱気する際には、酸素とともに窒素等の非凝縮性気体も除外されるが、非凝縮性気体の含有量の合計は、温度25.0℃で1.5体積%(15000体積ppm)を超えない量となるようにすることが好ましい。
このような本発明のトリフルオロエチレンの保存方法によれば、気液状態で密閉容器内に充填されたトリフルオロエチレンに重合等の反応が生じることがないので、トリフルオロエチレンの純度および冷媒等としての高品質を維持することができる。また、密閉容器内に例えば固体状の重合生成物が生じることがないので、バルブ等の閉塞や冷媒システムへの異物混入が生じるおそれがない。また、低コストでトリフルオロエチレンを保存することができる。
本発明の保存方法の評価は、例えば、密閉容器内に所定量の酸素とともに気液状態のトリフルオロエチレンを封入し、全体を所定温度に加熱し恒温状態で所定の時間保持した後、トリフルオロエチレンの液相中の反応生成物を同定し、分析することにより行う。この評価は、熱負荷をかけた加速試験に相当する。加熱温度は、恒温槽の設定温度範囲である−70〜300℃の範囲に設定できる。また、加熱処理時間は任意に設定できる。反応生成物の同定・分析は、例えば、後述する実施例に記載の方法により実施することができる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。例1〜7、11は実施例であり、例8〜10、12は比較例である。
[例1〜10]
内容積200ccのSUS316製耐圧容器(最高使用温度300℃、最高使用圧力20MPa)内に、予め重量を計測したパイレックス(登録商標)製の内挿管を挿入し、耐圧容器を密閉した後、容器内の真空排気を行った。なお、内挿管は耐圧試験容器内での重合物の生成の有無を確認するために挿入した。
次に、前記耐圧容器内に所定量の酸素を封入した後、液化された純度99.5%以上のトリフルオロエチレン100gを充填し、気相の酸素濃度が25℃で表1に示す値となるようにした。
次いで、このように所定濃度の酸素とともにトリフルオロエチレンが封入された耐圧容器を、熱風循環型恒温槽内に設置し、60℃の恒温状態で20日間放置した。
20日間経過後、恒温槽から耐圧容器を取り出し、トリフルオロエチレンを放出した。そして、内挿管内の固形物質生成の有無を肉眼で調べるとともに、固形物の生成量を内挿管の試験前後における重量変化として調べた。結果を表1に示す。表1において、◎は「固形物質生成量が3mg未満」を、○は「固形物質生成量が3〜30mgであるが実用上問題なし」を、△は「固形物質生成量が31〜500mgであるが実用上問題なし」を、×は「固形物質生成量が501mg以上」をそれぞれ示す。
次に、肉眼で固形物質が観察された例8〜10において、内挿管内の固形物質を採取し、重水素化アセトンに溶解してH−NMR、13C−NMRおよび19F−NMRの各スペクトルを測定した。測定されたNMRスペクトルのピーク帰属により固形物質を同定したところ、トリフルオロエチレンのホモポリマーであった。これは、トリフルオロエチレンの重合により生成したものであると推測される。
Figure 0006421752
[例11〜12]
内容積200ccのSUS316製耐圧容器(最高使用温度300℃、最高使用圧力20MPa)内に、予め重量を計測したパイレックス(登録商標)製の内挿管を挿入し、耐圧容器を密閉した後、容器内の真空排気を行った。なお、内挿管は耐圧試験容器内での重合物の生成の有無を確認するために挿入した。
次に、前記耐圧容器内に所定量の酸素を封入した後、液化された純度99.5%以上のトリフルオロエチレン80gを充填し、気相の酸素濃度が25℃で表2に示す値となるようにした。
次いで、このように所定濃度の酸素とともにトリフルオロエチレンが封入された耐圧容器を、熱風循環型恒温槽内に設置し、80℃の恒温状態で5日間放置した。
5日間経過後、恒温槽から耐圧容器を取り出し、トリフルオロエチレンを放出した。そして、内挿管内の固形物質生成の有無を肉眼で調べるとともに、固形物の生成量を内挿管の試験前後における重量変化として調べた。結果を表2に示す。表2において、◎は「固形物質生成量が3mg未満」を、○は「固形物質生成量が3〜30mgであるが実用上問題なし」を、△は「固形物質生成量が31〜500mgであるが実用上問題なし」を、×は「固形物質生成量が501mg以上」をそれぞれ示す。
次に、肉眼で固形物質が観察された例12において、内挿管内の固形物質を採取し、重水素化アセトンに溶解してH−NMR、13C−NMRおよび19F−NMRの各スペクトルを測定した。測定されたNMRスペクトルのピーク帰属により固形物質を同定したところ、トリフルオロエチレンのホモポリマーであった。これは、トリフルオロエチレンの重合により生成したものであると推測される。
Figure 0006421752
表1、2から、例1〜7、11では、液相に実用上問題となる固形生成物であるトリフルオロエチレンホモポリマーが観察されず、特に例1〜2、11では、前記固形生成物は観察されず、トリフルオロエチレンの重合反応が生起していないことがわかる。それに対して、例8〜10、12では、トリフルオロエチレンのホモポリマーの生成が見られる。このことから、本発明の方法は、長期に亘り重合反応を生起させない安定的な保存方法として有効であることがわかる。
本発明の保存方法および保存容器によれば、トリフルオロエチレンに重合等の反応が生じることがないので、トリフルオロエチレンの高品質を維持しつつ、貯蔵および輸送等に供することができる。
なお、2013年7月16日に出願された日本特許出願2013−147575号の明細書、特許請求の範囲および要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (9)

  1. トリフルオロエチレンを密閉された保存容器内で保存する方法であって、前記保存容器内でトリフルオロエチレンを気相と液相とが共存する状態で保存し、前記気相の、温度25℃における酸素の濃度を〜1000体積ppmに保持することを特徴とするトリフルオロエチレンの保存方法。
  2. 記保存容器を80℃未満に保持する、請求項1に記載のトリフルオロエチレンの保存方法。
  3. 前記酸素の濃度を、3〜300体積ppmに保持する、請求項1又は2に記載のトリフルオロエチレンの保存方法。
  4. 前記酸素の濃度を、3〜50体積ppmに保持する、請求項1又は2に記載のトリフルオロエチレンの保存方法。
  5. 前記気相の、酸素以外の非凝縮性気体の温度25℃における濃度が1.5体積%以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載のトリフルオロエチレンの保存方法。
  6. 未充填の保存容器内を脱気して保存容器内の酸素を除去した後、液状のトリフルオロエチレンを充填して密閉し、密閉された保存容器内でトリフルオロエチレンを保存する、請求項1〜のいずれか一項に記載のトリフルオロエチレンの保存方法。
  7. 気相と液相とが共存する状態でトリフルオロエチレンが充填されている、密閉された保存容器であり、前記気相の、温度25℃における酸素の濃度が〜1000体積ppmであることを特徴とするトリフルオロエチレンの保存容器。
  8. 前記酸素の濃度が、3〜300体積ppmである、請求項に記載のトリフルオロエチレンの保存容器。
  9. 前記酸素の濃度が、3〜50体積ppmである、請求項に記載のトリフルオロエチレンの保存容器。
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