JP6419732B2 - 高温超伝導線材の低抵抗接続体および接続方法 - Google Patents

高温超伝導線材の低抵抗接続体および接続方法 Download PDF

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Description

本発明は、高温超伝導線材を低抵抗に接続する技術に関する。
超伝導線材は、NMR(Nuclear Magnetic Resonance)装置や、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置などに広く用いられている。近年は、希土類系の高温超伝導線材(REBCO超伝導線材)が生産されており、これを用いた研究開発が行われている。
超伝導線材同士の接合は、線材の長尺化や永久電流モードの実現などのために、必要不可欠な技術的課題である。REBCO超伝導線材同士の低抵抗接続は、従来は半田付けによって行われており、この手法では約10−8Ωの電気抵抗値が発生してしまうことが知られている。
近年、REBCO超伝導線材同士を直接接合する研究が行われており、特許文献1では溶融拡散法という手法が提案されている。この手法では、2つのREBCO超伝導線材の保護層を除去し、超伝導層同士を当接して加圧しながら、超伝導層の溶融点まで加熱することによって当接させた超伝導層の厚さ方向の一部を溶融拡散して超伝導線材同士を接合する。これにより、REBCO超伝導線材同士を、半田付けによる接合よりも低抵抗に接続することができると報告されている。
特表2011−515792号公報
しかしながら、特許文献1の手法にはいくつかの問題点がある。第1に、REBCO超伝導線材の超伝導層の厚さは1〜2μm程度であるため、厚さ方向での部分的な加熱の温度制御が困難であることと、接合後の機械的強度が十分ではないという問題がある。第2に、接合面における結晶方位が揃わないため、臨界電流が低くなり、線材の性能が低下してしまうという問題がある。第3に、接続の成功率を考えると、接合処理で接続体1本に対し、通常数ヶ月程度の長時間を要するという問題がある。
このような課題を考慮し、本発明は、従来よりも簡便かつ性能良く高温超伝導線材を接続可能な技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明にかかる高温超伝導線材の低抵抗接続体は、高温超伝導層を含む高温超伝導線材と高温超伝導バルク体とを接続するものであり、高温超伝導線材と高温超伝導バルク体の接続箇所では、高温超伝導線材の高温超伝導層と高温超伝導バルク体とが接触しており、高温超伝導バルク体のうち高温超伝導層と接触する面が、結晶成長により結晶化されていることを特徴とする。ここでの結晶成長とは、バルクのための結晶成長ではなく、線材とバルクの間の接続部における結晶的な連結を意味し、原子レベル的な範囲での結びつきを含める。例えば、線材中に配向されている高温超伝導層に多結晶のバルクが溶融して接続されていれば、バルク全体に結晶成長があるかどうか問わず、結晶成長によって接続されたと言う。
本発明における高温超伝導線材の高温超伝導層は、高温超伝導材料の単結晶体または配向された多結晶または配向された複合材料であり、典型的には厚さが10μm以下(より好ましくは1μm以下)の線状形状またはテープ状形状を有することが好ましい。高温超伝導線材は、高温超伝導層以外に基板や安定化層などを含む複合線材であってよい。本発明における高温超伝導バルク体は、高温超伝導材料の多結晶体または単結晶体であり、その形状は特に限定されないが1mm以上の厚さを有することが好ましい。
本発明において、高温超伝導線材の高温超伝導層はREBaCu7−δ(ただし、REは一つまたは複数の希土類元素)によって表される希土類系の超伝導材料であることが好ましい。同様に、高温超伝導バルク体は、RE’BaCu7−δ(ただし、RE’は一つまたは複数の希土類元素であってREとは元素または組成が異なる)からなる希土類系の超伝導材料であることが好ましい。
本発明において、高温超伝導線材の高温超伝導層の融点の方が、高温超伝導バルク体の融点よりも高いことが好ましい。こうすることで、高温超伝導バルク体だけが液化する温度まで加熱し、液相の高温超伝導バルク体と固相の高温超伝導層とを接触した状態とすることで、高温超伝導層を種結晶として、高温超伝導バルク体を結晶成長させることができるからである。
上記のような高温超伝導線材の高温超伝導層と高温超伝導バルク体は、常温で結晶構造が同じ化合物であり、一つまたは複数の元素が置換されたものであるので、サイトの共有が可能となり、固相の高温超伝導層を種結晶として、高温超伝導バルク体の結晶成長が可能となる。
本発明によれば、接続面において高温超伝導層と高温超伝導バルク体の結晶方位が揃うので、臨界電流が大きくなる。また、接続の機械的強度も実用上十分な程度まで向上する。さらに、接続処理に要する時間も1日〜1週間程度と比較的短期間での処理が可能となる。
また、2本の高温超伝導線材を、上述のように1つの高温超伝導バルク体に接続すれば、高温超伝導バルク体を介して2つの高温超伝導線材を低抵抗に接続することができる。すなわち、本発明の一態様は、第1の高温超伝導層を含む第1の高温超伝導線材および第2の高温超伝導層を含む第2の高温超伝導線材が高温超伝導バルク体を介して接続された、高温超伝導線材の接続体であって、前記第1および第2の高温超伝導線材と前記高温超伝導バルク体の接続箇所では、前記第1および第2の高温超伝導層と前記高温超伝導バルク体とが接触しており、前記高温超伝導バルク体のうち前記第1および第2の高温超伝導層と接触する面は、結晶成長により結晶化されている、高温超伝導線材の低抵抗接続体である。
ここで、第1および第2の高温超伝導層を構成する高温超伝導材料は同一であっても異なってもよい。例えば、前記第1の高温超伝導層は、REBaCu7−δ(ただし、REは一つまたは複数の希土類元素)からなり、前記第2の高温超伝導層は、REBaCu7−δ(ただし、REは一つまたは複数の希土類元素)からなることが好ましく、REとREは同一の元素または組成であっても良いし異なる元素または組成であってもよい。
2本の高温超伝導線材を1つの高温超伝導バルク体に接続する接続体では、種々の具体的形態を採用可能である。例えば、2本の高温超伝導線材を、高温超伝導バルク体の同一の表面に接続してもよいし、異なる表面に接続してもよい。また、2本の高温超伝導線材の高温超伝導バルク体との接続の向きは同一であってもよいし、異なっていても構わない。
また、本発明は高温超伝導線材の低抵抗接続方法として捉えることもできる。本発明の一態様に係る方法は、高温超伝導層を含む高温超伝導線材と前記高温超伝導層よりも融点が低い高温超伝導バルク体とを接続する、高温超伝導線材の低抵抗接続方法であって、前記高温超伝導バルク体を、当該高温超伝導バルク体の融点以上かつ前記高温超伝導層の融点よりも低い温度まで加熱する温度上昇工程と、前記高温超伝導バルク体の液相部分と前記高温超伝導層が接触した状態で、前記高温超伝導バルク体を結晶成長させる結晶成長工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る発明は、第1の高温超伝導層を含む第1の高温超伝導線材および第2の高温超伝導層を含む第2の高温超伝導線材と前記第1および第2の高温超伝導層よりも融点が低い高温超伝導バルク体とを接続する、高温超伝導線材の低抵抗接続方法であって、前記高温超伝導バルク体を、当該高温超伝導バルク体の融点以上かつ前記第1および第2の高温超伝導層の融点よりも低い温度まで加熱する温度上昇工程と、前記高温超伝導バルク体の液相部分と前記第1および第2の高温超伝導層が接触した状態で、前記高温超伝導バルク体を結晶成長させる結晶成長工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明は、上記のようにして接続された高温超伝導線材を用いた超伝導コイルとしても捉えることができる。
本発明によれば、従来よりも簡便かつ性能良く高温超伝導線材同士の接続が可能となる。
図1(a)および図1(b)は、本発明にかかる超伝導線材の接続体の概要を示す図である。 図2は、一般的な高温超伝導線材の構造を示す図。 図3は、本発明における高温超伝導線材の接続処理方法の流れを示す図。 図4(a)〜図4(h)は、種々の実施形態にかかる超伝導線材の接続体の構成を示す図。 図5(a)および図5(b)はそれぞれ、熱処理工程におけるバルク体支持基板および線材支持基板を説明する。 図6は、実施例において用いた温度プロファイルを示す図。 図7(a)および図7(b)は、実施例において作成した超伝導線材の接続体の表す図。 図8(a)は接続部の表面および断面を示す図であり、図8(b)は接続部断面の拡大図である。 図9は、X線回折測定結果を示す図。 図10(a)は電気抵抗の測定方法を説明する図であり、図10(b)は電気抵抗の測定結果を示す図。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<概要>
図1(a)、図1(b)は、本実施形態によるREBCO線材同士の接続の概要を示す図である。図に示すように、REBCOバルク体20を中間媒体として、2つのREBCO線材10a,10bを接続する。この際、REBCOバルク体20としてREBCO線材10a,10bよりも低い融点を有する材料を使用し、REBCO線材10a,10bとREBCOバルク体20との接触面21a,21bにおいて結晶成長させることで、REBCO線材10a,10bとREBCOバルク体20を接続する。なお、REBCO線材(高温超伝導線材)は、一般には、REBCO層(高温超伝導層)の他に安定化層や基板などを含む複合線材である(図2参照)。図1(a)、図1(b)では、REBCO線材10a,10bとして、REBCO層の部分のみを示している。REBCO層がREBCOバルク体の接続部分でこれら2つが直接接触していれば、それ以外の部分でREBCO線材が安定化層や基板などを有していても構わない。REBCO層の厚さは、後述するように一般に市販されているREBCO複合線材では1μmである。なお、本実施形態における接続では、実際にはREBCO線材のREBCO層(高温超伝導層)とREBCOバルク体(高温超伝導バルク体)が接続されるが、この接続のことをREBCO線材とREBCOバルク体の接続とも称する。
REBCO線材10a,10bのREBCO層を種結晶としてREBCOバルク体20を結晶成長させているので、接合面においてREBCO層とREBCOバルク体の結晶方位が揃う。したがって、臨界電流が向上し、より大きな超伝導電流を流すことができる。また、機械的な接合強度も非常に強く、実用上十分な接合が得られる。
なお、以下では2つのREBCO線材10a,10bを区別する必要がない場合には、REBCO線材10と表記する。また記載の簡略化のために、REBCO線材およびREBCOバルク体を、単に線材およびバルク体とも表記する。
REBCO線材10のREBCO層は、希土類系超伝導材料(REBaCu7−δ)をテープ状(層状)にしたものである。ここで、REは、一つまたは複数の希土類元素を表す。希土類元素には、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luが含まれる。後述するように、REBCOバルク体20を結晶成長させるので、REBCO層の融点は、REBCOバルク体20の融点よりも高いことが必要とされる。REBCO線材として、Gd、Y、あるいはGdとYを用いたREBCO層を有するものが一般に流通している。特にGdは1050〜1100℃程度の比較的高い融点を持つので好ましい材料である。なお、REBCO線材10aのREBCO層とREBCO線材10bのREBCO層は、異なる希土類超伝導材料からなってもよい。
一般に市販されているREBCO線材は、機械的な補強や電気的な保護のために、複数の材料からなる多層構造を有する。図2にREBCO線材の構造を示す。図に示すように、下層側から、銅安定化層201(20μm)、銀安定化層202(〜1.8μm)、基板203(50μm)、中間層(不図示、〜0.2μm)、REBCO層204(1μm)、銀安定化層205(2μm)、銅安定化層206(20μm)を有する。REBCO線材のREBCO層が、本発明における高温超伝導層に相当する。
REBCO線材10をREBCOバルク体20と接合するためには、REBCO層204をバルク体20に接触させる必要がある。したがって、保護層や基板を剥離して、REBCO層204を露出させる前処理が必要となる。また、接合過程において高温焼成を行うため、焼成温度以下の融点を有する材料は取り除く必要がある。焼成温度はバルク体20の融点に応じて決まるが、700℃あるいはそれ以上となる。したがって、線材に半田が用いられている場合には取り除く必要がある。また、焼成温度が900℃を超える場合には、銀や銀合金(融点が900℃前後)を取り除くことが望ましい。これらの材料を除去する方法については、後ほど詳しく説明する。
REBCOバルク体20は、線材10の超伝導層と同様に希土類系超伝導材料(RE’BaCu7−δ)からなるが、線材ではなくバルク体である。ここで、RE’は、REBCO線材10のREBCO層におけるREとは異なる元素または組成の一つまたは複数の希土類元素(Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu)を表す。バルク体20の融点は、少なくとも焼成過程においては、線材10のREBCO層の融点よりも低い必要がある。また、バルク体20の融点が低いほど焼成温度を低くすることができるので、バルク体20の融点は低いことが望ましい。そのため、バルク体20中の希土類元素は、融点が低いY,Yb,Er,Hoなどを主成分とすることが好ましい。
また、REBCOの化学式REBaCu7−δにおいて酸素量が小さいほど融点は低くなるので、より低い温度で接続体を作成するためには、元の結晶構造を維持できる範囲内でできるだけ酸素量が少ないバルク体を用意することが好ましい。具体的には、焼成過程前のバルク体20の酸素量は3%〜8%の範囲内であることが好ましく、5%〜6.5%の範囲内であることがより好ましい。
また、最終的に作成された接続体において、バルク体20の臨界電流は線材10よりも高くなることが好ましい。したがって、結晶成長過程後に、酸素補充用の熱処理を行って酸素量を増やし、超伝導性能を高めることが好ましい。
REBCOバルク体20の表面のうち、少なくともREBCO線材10a,10bのREBCO層と接触する表面21a,21bは、結晶成長により結晶化されている。バルク体全体を完全な単結晶まで結晶成長させる必要はなく、接触表面21a,21bについてのみ単結晶となっていれば、その他の部分は多結晶であってよい。単結晶層の厚さは、十分な接続強度が得られるだけの量であればよい。例えば、厚さ数mm(1〜5mm)で十分な接続強度が得られ、3mm程度の結晶成長を得るための焼成時間は3時間程度で済む。
バルク体20の臨界電流は、含有されている希土類元素の種類と、純度と、形状に関係がある。バルク体20に含有される希土類元素は、任意の種類のものであって構わない。バルク体20の純度は、30%以上とし、50%以上とすることが好ましく、95%以上とすることが更に好ましい。純度95%以上のバルク体を作成することは難しくはないが、市販されているバルク体は加熱製造時の形状を保持するために常伝導物質が導入される場合がある。バルク体の純度によって電気伝導性が変わるので、バルク体の純度は30%以上でよいが、できるだけ50%以上とすることが好ましい。バルク体20の厚さ(線材面と垂直方向の長さ)を調整することで臨界電流を大きくすることができる。モデル計算では、100μmの厚さのバルク体で1μmの厚さの線材(REBCO層)と同じ臨界電流を有することが可能であるが、バルク体の表面が空気中の水分によって劣化することを考慮しても、バルク体20の厚さは数mm程度で十分である。バルク体20の平面形状は特に限定されず、線材10のREBCO面を覆う程度の長さがあればよく、その範囲は約2mm〜200mm程度である。
図3は、REBCO線材の接続処理の流れを示すフローチャートである。具体的な接続体の構造によって処理の細部は変わるが、図3には基本的な流れを示してある。
まず、REBCOバルク体20を用意する(S10)。バルク体20は、自ら作製しても良いが、市販品を購入してきてもよい。作製方法において、焼結法と有機酸錯体法などがあり、後者では高純度の試料が製造可能である。また、必要に応じて、バルク体20の融点を下げるために酸素欠損を導入する熱処理を施すことが好ましい。
また、REBCO線材10を用意する(S12)。REBCO線材10は多層構造を有しているので、REBCO層が露出するように保護層を除去する必要がある。REBCO層を露出する方法として、REBCO層204が基板203側に付いた状態で露出させる方法と、基板203側を除去する方法の2つの方法がある。いずれにおいても、REBCO線材の端部を液体窒素中に入れて極低温(77K)まで急冷した後に取り出して力を加えると、材料間における不完全拘束の熱応力によって、各材料を適切に分離できる。なお、応力方向によって、REBCO層204のいずれの面を露出させることもできる。
そして、露出させたREBCO面がバルク体20の表面と接触するように線材10をバルク体20上にセットして加熱炉に入れ(S14)、バルク体20の融点以上かつ線材10の融点未満の温度まで加熱する(S16)。これにより、バルク体20が液相状態になる。なお、線材10をあらかじめバルク体20にセットした状態で加熱を開始する必要はなく、バルク体20の加熱後に線材10をバルク体20上に設置しても構わない。その後、徐冷することで線材10と接触するバルク体20の表面は、線材10のREBCOを種結晶として結晶成長する(S18)。最後に、超伝導性能を回復させるために、REBCO材料内に酸素を追加するための熱処理を施す(S20)。
<接続体の例とその製造方法>
図1は、線材10同士の接続の一具体例であり、線材10とバルク体20の配置については種々の変形が可能である。図4に、いくつかの実施形態について、線材10とバルク体20の配置を示した。以下、それぞれの実施形態の構成およびその製造方法について説明する。
・実施形態1
図4(a)および図4(b)は、実施形態1に係る接続体の正面図および上面図である。実施形態1は、バルク体20の上部表面に線材10a,10bを接続する。実施形態1では、バルク体20を上部から加熱し、バルク体20の一部の必要領域のみ溶融させて線材10を接続することができる。部分的な加熱は、ガスの火を利用したマイクロトーチや、赤外線や、高周波加熱や、小型電気炉や、そのほかのヒーターなどで簡単に行える。なお、線材10a,10bは、接続角度は特に限定されず、図4(b)に示すように一直線となるように並べる以外にも、図4(c)に示すように直角となるようにしたり、図4(d)のように同一方向を向くようにしたり、あるいは図4(c),図4(d)以外の任意の角度にしてもよい。
実施形態1に係る接続体の作成方法について詳細に説明する。まず、バルク体20の融点以上かつ線材10の融点未満の温度まで上昇させる。最高温度は、バルク体20や線材10によって決定されるが、概ね700〜1400℃である。この際の温度上昇速度は、バルク体20に割れが生じないようにする必要があり、50〜10000℃/hとすることが好ましく、バルク体20の大きさが1000mmを超える場合には100〜300℃/hとすることが好ましい。
保温過程は必ずしも設ける必要はないが、バルク体20の大きさが1000mmを超える場合には、最高温度到達前、最高温度到達後、およびアニール過程(結晶成長過程)に保温過程を設けることも好ましい。
バルク体20が融点で相転移する前、すなわち最高温度に到達する前に、一度保温することによって、バルク体20を123相(RE’BaCu7−δ)の純度が高い良質なものとすることができる。バルク体20には、超伝導である123相と非超伝導の211相があり、123相の融点前の温度では123相の純度が高いバルクが作成できる。この融点を超えると211相が現れて、バルク体20は双相構造となる。一度211相となった部分を123相に戻すことは困難であり、接続時には123相を溶融する必要があるので、融点到達前に一度保温工程を設けて123相をできるだけ多くすることが好ましい。なお、保温過程を設けなくても、温度上昇速度を遅くすることによっても同様の効果が得られる。
最高温度にて保温過程を設けることでバルク体20を十分に溶解することができ、これは数時間程度で十分である。
温度降下過程では、バルク体20と線材10の間の結晶成長が極短時間で行われる。したがって、結晶成長のための焼成過程を別途に設けることは必須ではないが、接続強度の向上やバルク体20中の結晶方位を揃えるためには温度を徐々に下げる焼成期間(アニール過程)を設けることが好ましい。例えば、温度範囲は1200〜800℃の間、時間は1週間以内とすることができる。また、アニール過程に保温過程を設けることは、以下の理由から好ましい。バルク体20は、原材料を圧粉および加熱して生成されるので、通常多くの空洞(ホール)が含まれる。また、バルク体20を空気中で加熱すると酸素が抜け、融点まで過熱した後にすぐに冷却すると気泡が残留することもある。保温過程を設けることで、バルク体20を粒子間にホールのない一体的な構造とすることができる。また、酸素が抜ける速度が徐々に緩和されて緻密な組織となる。このように、保温工程を設けることで、均質な結晶が得られる。
本実施形態の場合は、線材10をバルク体20にあらかじめ設置してから焼成を始めてもよいし、焼成開始後に線材10をバルク体20に設置してもよい。あらかじめ線材10を設置して焼成を開始する場合には、バルク体20が確実に溶解するように最高温度を高く設定することが好ましい。加熱途中で線材10を設置する方法を厚さ5mm以上のバルク体に適用する場合は、最高温度をバルク体20の融点よりも高く設定し、最高温度到達後にそれよりも低いバルク体20の融点温度近くに保温過程を設けて、この保温過程中に線材10をバルク体20に設置することが好ましい。線材10をバルク体20に設置する前であれば、バルク体20を線材10の融点以上まで加熱してもよい。
次に、熱処理時に線材10およびバルク体20を支えるための基板について説明する。バルク体20の厚さが5mm以上の場合は、バルク体20の表面部分のみを溶融させ底部を固相のままにしているので、バルク体20の一部のみを支える基板(バルク体支持基板)を設けることが望ましい。図5(a)は、熱処理時における接続体の底面図であり、バルク体支持基板51が設置されている。バルク体支持基板51には、例えば、一般的なアルミナを用いればよい。このバルク体支持基板51により、バルク体20からの熱拡散が小さくなり、かつ基板51との接触による123相(主成分のREBaCu7−δ相)以外の結晶成長を防げる。図5(a)では支持基板51の数を3個としているが、その数は任意であって構わない。
なお、バルク体20を底面まで液相にする場合は、バルク体20より大きな基板の上にバルク体20を設置する必要がある。
また、バルク体20の線材長手方向の長さがそれほど長くなく、バルク体20が線材10を十分に支持できない場合には、線材10を支えるための基板が必要となる。これは、熱処理によって線材10中の金属基板材料の軟化に伴って線材10全体が変形してしまうのを防止するためである。図5(b)は、熱処理時における接続体の正面図であり、バルク体20と同じ高さの線材支持基板52をバルク体20に近接させて設置し、線材10を支持する。これにより、加熱処理による線材10の恒久的な湾曲歪みを防止できる。
・実施形態2
図4(e)および図4(f)は、実施形態2に係る接続体の正面図および上面図である。実施形態2では、線材10a,10bの上にバルク体20を設置して、接続のための熱処理が行われる。実施形態1と比較すると、バルク体20の量(体積)を少量とすることで、極短時間に作成できることと、線材10を支えるための基板が不要であるという利点がある。
熱処理時の温度プロファイルは、基本的に同様である。ただし、バルク体20の量を少なくできるので、焼成時間を全体的に短くすることができる。特に、接続のために要する熱処理時間は数分間から数日間で済む。
本実施形態では、線材10上にバルク体20を設置した状態で熱処理を開始することが好ましい。線材10およびバルク体20の全体を、それよりも大きな基板に載せて熱処理を行えば良く、その他の支持基板は不要である。
・実施形態3
図4(g)および図4(h)は、実施形態3に係る接続体の正面図および側面図である。実施形態3では、線材10aと線材10bをバルク体20の異なる面に設置して、接続のための熱処理が行われる。本実施形態も実施形態に2と同様に、実施形態1と比較して、バルク体20の量(体積)を少量とすることで極短時間に作成できることと、線材10を支えるための基板が不要であるという利点がある。
<実施例>
本発明に係る接続方法によるREBCO線材とREBCOバルク体の接続性能を検証するために、1つの線材と1つのバルク体を実際に接続した。以下で、その具体的な手順および接続性能について説明する。
(使用材料)
まず、使用した材料について説明する。REBCO線材10として、古河電気工業株式会社製のSuper Power SCS4050を用意した。この線材は、図2に示す構造を有し、幅4mm、厚さ0.1mmである。この線材のREBCO層は、希土類元素として、Gdを主として含み、Yも含まれており、その融点は約1050−1100℃である。
REBCOバルク体20は、Y,BaCO,CuOの粉末原料から焼結法により作成したYBCOのバルク体である。YBCOの作成手順は既知であるためここでは詳しく説明しない。実験に使用したREBCO(YBCO)バルク体20の純度は70%程度であり、直径50mm、厚さ30mmの丸形形状である。このバルク体20の融点は空気中で約1000℃である。バルク体は酸素欠損のため、通常市販されているバルクの製造過程で酸素追加熱処理を行わず、酸素欠損の状態のままで使用した。
(作成手順)
作成手順は、大きく分けて、線材の前処理、接続用の熱処理、酸素追加用の熱処理、形状加工処理の熱処理の4段階がある。以下、それぞれの工程について説明する。
1.線材の前処理
まず、線材10の前処理について説明する。長さ100mmの線材を用意して、幅方向の両端のCuを0.2mm程度ずつ切り捨てる。そして、液体窒素(77K)に入れて急冷し、1分後に常温に取り出してすぐに長手方向から端部を剥離させた。この際、REBCO層204と基板203とが剥離し、REBCO層204はCu層201側に付着した状態でむき出しになった。100mmの線材のうち、REBCO層がきれいに露出している部分から25mmを切り出して、以下の実験に使用した。
2.接続(結晶成長)用の熱処理
次に、接続(結晶成長)用の熱処理について説明する。まず、焼成を開始する前の常温で、電気炉中に図5(a)に示すようなバルク体支持基板51を設置し、その中心にバルク体20の中心が位置するようにバルク体20を設置する。支持基板51の材料はすべてアルミナである。線材10はこの時点では電気炉には入れていない。
焼成は、空気雰囲気下で、図6に示す温度プロファイルにて行った。980℃まで温度上昇した後で、温度上昇速度を下げて1010℃まで加熱した。この980℃から1010℃までの温度上昇過程は、最高温度到達前の保温過程の代替となる過程であり、これにより123相の純度が高い良質なバルク体20が得られる。その後、バルク体20の融点以上である1170℃(最高温度)まで加熱し、1時間保温することで、バルク体20の表面を十分に溶解させた。その後、バルク体20の融点以上かつ線材10の融点以下である1040℃にて、線材10のREBCO層露出面をバルク体20の上部表面に投入した。この状態で温度を1000℃から980°まで72時間かけて徐々に降下させるアニール過程により、バルク体20上面を結晶成長させた。また、アニール過程後に900℃での24時間の保温過程を設けている。結晶成長工程(アニール過程およびその後の保温過程)は、本実験では十分な時間をとって約96時間とし、熱処理全体で140時間程度を要した。
3.酸素追加用熱処理
REBCOの超伝導特性を改善するために、酸素を追加するための熱処理を行う。ここでは、酸素雰囲気にて450℃で100時間の熱処理を行った。
4.形状加工処理
形状加工処理は、不要なバルク体20を取り除き、おおよそ線材10の幅の形状に加工する処理である。ここでは、線材10幅に近い7mm幅、厚さは3mm程度にバルク体20を削り加工した。形状加工処理は省略可能な工程であり、また、実施する場合は酸素追加用の熱処理の前に行っても構わない。
(試料評価)
作成した試料(形状加工前)を図7(a),7(b)に示す。図7(a)は試料の全体図、図7(b)は拡大図である。試料評価として、微細組織の観察とX線回折測定、機械特性および電気特性について調べた。
1.微細組織の観察
図8は3Dデジタル顕微鏡による接続体の微細構造を示す。図で破線は線材(REBCO層)とバルクの境界線を示す。図8(a)は接続部における表面(図の上部)と断面(図の下部)の3D合成写真であり、図8(b)は接続部の断面の拡大図である。図8(a)から、接続部の表面で線材とバルクの境界線は区別しにくい程度に滑らかな斜面構造になっていることがわかる。このことは線材がテープ面平行の方向でバルクと充分に接続されていることを意味し、テープ面平行の方向で結晶成長するための条件を満たしている。図8(a)と図8(b)の断面図からも、線材とバルクの間にはっきりした境界線がないことがわかる。すなわち、融解したバルクが全体的に線材のREBCO層に結晶成長によって接続され一体化し、接続部で充分な超伝導電流パスを構成するとともに、高い機械強度を有する。
2.X線回折測定
図9はX線回折測定結果を示す。今回使用したYBCOバルクにはメインのY123相以外に約25%のY211相が混入されているため、図9のX線回折測定結果にY211ピークが現れている。Y123相のパターンにおいて、特徴的に、粉末試料のX線回折測定結果では013,103,110のピーク強度が一番高いのに対して、バルク表面ではそのようなピークが現れておらず、バルク表面では00Lピーク(003,005,006,007)のみが現れている。このことは、バルク表面において結晶成長が進んでいて単一ドメインになっていることを明らかに示している。図7(b)には、バルクの表面から結晶成長を示すラインが現れている。
3.機械特性
線材のREBCO層とバルク間が結晶成長によって接続されていれば、両者の結晶的な接続は非常に良質であり、接続強度は非常に強いと考えられる。本実施例においても、線材10とバルク体20の間の接続強度は非常に強く、接続面に沿って500MPaの引張応力を加えても線材をバルク表面から取り離すことはできなかった。
4.電気特性
線材とバルクの接続部の電気特性を評価するために、まず線材の中心をやすりで研削し、1mm幅のスペースを有する2本の線材に分離した。図10(a)に示す構成で、電流端子はこの2本の線材に半田付けして電流を流しながら、液体窒素中(77K)にて接続体の電気抵抗を測定した。ここで、線材電圧端子101と102間から接続部の電気抵抗を測定でき、電圧端子102と103間から加熱した後の線材の電気抵抗を測定でき、電圧端子104と105間からバルクの電気抵抗を測定できる。
以下、測定手順についてより詳細に説明する。
まず、接続体に電流を流すためのリード線106,107をそれぞれの線材に接続する。リード線にはREBCO線材を使用した。リード線106と107は2本の線材の表面(Cu安定化層)にそれぞれ接続し、バルク表面には直接に接続されていない。これらのリード線の接続は間隔15mmで、超音波半田付により行った。電圧タップ101と102間、102と103間、104と105間はそれぞれ5mm間隔で、リード線106と107の間に半田付けした。
まず、リード線106と107の間に流す電流を10A/分で増加させながら、同時に電圧タップ102と103間、104と105間の電圧測定を行った。次に、リード線106と107の間に流す電流を4A/分でさらにゆっくり増加させながら、同時に電圧タップ101と102間の電圧測定を行った。これらの結果を図10(b)に示す。
接続部と線材とバルクはすべて超伝導を示し、臨界電流はそれぞれ10A,16A,30Aであった。接続部の長さが1cmであるので、接続体の単位長さの臨界電流は1000A/mである。本実験により、バルク体を介した結晶成長によるREBCO線材の接続の有効性が実証できた。
本手法による接続では、結晶成長を用いているため十分な接続強度が得られる。また、固相のREBCO層を種結晶としてバルク体が結晶成長するので、線材のREBCO層とバルク体の間の結晶方位が揃う。したがって、より大きな超伝導電流を流すことができる。さらに、接続のための熱処理に要する時間が、比較的短時間で済むという利点がある。特許文献1で提案されている溶融拡散法では、接続過程で溶解された線材のREBCO層の超伝導性能を回復するために、数ヶ月程度の作製時間を要するのに対して、本手法では1週間あるいはそれ以下での接続が可能となる。上記の実験では処理時間の短時間化は追求していないが、バルク体の形状(大きさ等)や線材の設置方法を工夫すれば、さらに処理時間を短くすることが可能である。
本発明は、高温超伝導線材と高温超伝導バルク体を低抵抗に接続するために用いることができ、さらに、高温超伝導バルク体を介して2つの高温超伝導線材を低抵抗に接続するために用いることができる。本発明は、任意の超伝導磁石(超伝導コイル)の開発に使用するための十分に長い高温超伝導線材を製作するために用いることができ、特に、MRIやNMR装置のように永久電流モードの運転が必要な応用機器に適用できる。
10a,10b REBCO線材(高温超伝導線材)
20 REBCOバルク体(高温超伝導バルク体)

Claims (8)

  1. REBa Cu 7−δ (ただし、REは一つまたは複数の希土類元素)からなる高温超伝導層を含む高温超伝導線材と、RE’Ba Cu 7−δ (ただし、RE’は一つまたは複数の希土類元素であってREとは元素または組成が異なる)からなる高温超伝導バルク体とが接続された、高温超伝導線材の低抵抗接続体であって、
    前記高温超伝導層の融点が、前記高温超伝導バルク体の融点よりも高く、
    前記高温超伝導線材と前記高温超伝導バルク体の接続箇所では、前記高温超伝導層と前記高温超伝導バルク体とが接触しており、
    前記高温超伝導バルク体のうち前記高温超伝導層と接触する面は、結晶成長により結晶化されており、
    前記高温超伝導バルク体は、前記高温超伝導層と接触する表面が単結晶であり、その他が多結晶である、
    高温超伝導線材の低抵抗接続体。
  2. RE Ba Cu 7−δ (ただし、RE は一つまたは複数の希土類元素)からなる第1の高温超伝導層を含む第1の高温超伝導線材およびRE Ba Cu 7−δ (ただし、RE は一つまたは複数の希土類元素)からなる第2の高温超伝導層を含む第2の高温超伝導線材が、RE’Ba Cu 7−δ (ただし、RE’は一つまたは複数の希土類元素であってRE およびRE のいずれとも元素または組成が異なる)からなる高温超伝導バルク体を介して接続された、高温超伝導線材の接続体であって、
    前記第1および第2の高温超伝導層の融点が、前記高温超伝導バルク体の融点よりも高く、
    前記第1および第2の高温超伝導線材と前記高温超伝導バルク体の接続箇所では、前記第1および第2の高温超伝導層と前記高温超伝導バルク体とが接触しており、
    前記高温超伝導バルク体のうち前記第1および第2の高温超伝導層と接触する面は、結晶成長により結晶化されており、
    前記高温超伝導バルク体は、前記第1および第2の高温超伝導層と接触する表面が単結晶であり、その他が多結晶である、
    高温超伝導線材の低抵抗接続体。
  3. 前記第1および第2の高温超伝導線材は、前記高温超伝導バルク体の同じ表面に接続されている、
    請求項記載の高温超伝導線材の低抵抗接続体。
  4. 前記第1および第2の高温超伝導線材は、前記高温超伝導バルク体の異なる表面に接続されている、
    請求項に記載の高温超伝導線材の低抵抗接続体。
  5. 前記高温超伝導バルク体は、RE’123相とRE’211相とを含む、
    請求項2から4のいずれか1項に記載の高温超伝導線材の低抵抗接続体。
  6. 前記第1および第2の高温超伝導線材は、基板と高温超伝導層と保護層を含む、
    請求項2から5のいずれか1項に記載の高温超伝導線材の低抵抗接続体。
  7. REBa Cu 7−δ (ただし、REは一つまたは複数の希土類元素)からなる高温超伝導層を含む高温超伝導線材と、前記高温超伝導層よりも融点が低いRE’Ba Cu 7−δ (ただし、RE’は一つまたは複数の希土類元素であってREとは元素または組成が異なる)からなる高温超伝導バルク体とを接続する、高温超伝導線材の低抵抗接続方法であって、
    前記高温超伝導バルク体を、当該高温超伝導バルク体の融点以上かつ前記高温超伝導層の融点よりも低い温度まで加熱する温度上昇工程と、
    前記高温超伝導バルク体の液相部分と前記高温超伝導層が接触した状態で、前記高温超伝導バルク体を結晶成長させて、前記高温超伝導層と接触する表面を単結晶としその他を多結晶のままとする結晶成長工程と、
    を含む、高温超伝導線材の低抵抗接続方法。
  8. RE Ba Cu 7−δ (ただし、RE は一つまたは複数の希土類元素)からなる第1の高温超伝導層を含む第1の高温超伝導線材およびRE Ba Cu 7−δ (ただし、RE は一つまたは複数の希土類元素)からなる第2の高温超伝導層を含む第2の高温超伝導線材と前記第1および第2の高温超伝導層よりも融点が低いRE’Ba Cu 7−δ (ただし、RE’は一つまたは複数の希土類元素であってRE およびRE のいずれとも元素または組成が異なる)からなる高温超伝導バルク体とを接続する、高温超伝導線材の低抵抗接続方法であって、
    前記高温超伝導バルク体を、当該高温超伝導バルク体の融点以上かつ前記第1および第2の高温超伝導層の融点よりも低い温度まで加熱する温度上昇工程と、
    前記高温超伝導バルク体の液相部分と前記第1および第2の高温超伝導層が接触した状態で、前記高温超伝導バルク体を結晶成長させ、前記第1および第2の高温超伝導層と接触する表面を単結晶としその他を多結晶のままとする結晶成長工程と、
    を含む、高温超伝導線材の低抵抗接続方法。
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