JP6416885B2 - 高温で活性なhivタイプ1グループo逆転写酵素 - Google Patents

高温で活性なhivタイプ1グループo逆転写酵素 Download PDF

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Description

本発明はバイオテクノロジーの分野にある。特に、バクテリア中で発現、精製され、ヒト免疫不全ウィルスタイプ1グループO(HIV−1)の逆転写酵素のアミノ酸配列の種々の位置で改変させた逆転写酵素に関するものである。これらのポリメラーゼは、高い温度(60℃以上)で非変異酵素より高い活性を有している。さらに、70℃以上の温度でDNA合成能力を保持している。これらの酵素の複写正確性は、非変異逆転写酵素と大きく異ならない。
レトロウイルスにおけるレトロ転写酵素(RT)(又は逆転写酵素)は、ウイルスゲノムを複写する酵素である。RTは、一本鎖RNAゲノムを、ホスト細胞のゲノムに一体化できる二本鎖DNAに変換する[revisado por Le Grice.;J.Biol.Chem.,2012;287:40850−40857.]。これは、テンプレートとしてRNA或いはDNAのいずれかを使用してDNAを合成することができるポリメラーゼである。RTは、さらにエンドヌクレアーゼ活性(リボヌクレアーゼH)であり、RNA依存型DNA合成プロセスでRNAテンプレートを分解可能にしている。
レトロウイルスRTは、メッセンジャーRNA(mRNA)或いはマイクロRNA(miRNA)から相補DNA(cDNA)を得るに有用な酵素であり、従来技術(例えばPCR)によって増幅すると、有機体または組織での遺伝子表現を検知するに使用できる。RT効率は、多くのバイオテクノロジー分野での適用において重要である。例えば、mRNAの検知、リアルタイムPCRによる定量、“マイクロアレイ”を用いた遺伝子発現の解析、さらに大規模配列決定技術を用いたトランスクリプトーム研究に使用できる。しかしながら、RNA中の2次構造の存在がこれら技術の有効性を下げている。RTを高温度でDNA合成できるようにすることは、増幅プロセスでの効率を上げる上で有用であろう。
方法論的観点から、商業上増幅反応で最も使用されるRTは、トリ骨髄芽球症ウイルス(AMV)、モロニーマウス白血病ウイルス(MLV)[Cote and Roth;Virus Res.,2008;134:186−202]、及びヒト免疫不全ウィルスタイプ1(HIV−1)の変異体RT[revisado en Hizi and Herschhorn;Virus Res.,2008;134:203−220]である。AMVとMLVのRTは、RT−PCR試験で最も一般的に使用され、AMVは、42〜52℃の温度範囲で熱安定性がより優れている[Gerard et al.;Nucleic Acids Res.,2002;30:3118−3129]。高い温度での酵素活性として市販されているアフィニティスクリプト(Affinity Script)(Agilent)またはスーパースクリプトIII(Invitrogen)などのMLV−RT変異体がある[Arezi and Hogrefe;Nucleic Acids Res.,2009;37:473−481]。
グループM(サブタイプB)に属すると分類されるHIV−1のRTで行われた研究では、これらの酵素が、系統学的に別個で、グループOに属すると分類されるHIV−1からの“野生型”変異体RTが優れていたが、MLV RTより高い活性と熱安定性を持っていることを示した[Alvarez et al.;J.Mol.Biol.,2009;392:872−884;特許WO2010130864(A1)]。 チューブリンメッセンジャーRNAの発現に適用されるRT−PCR試験では、グループO或いはサブタイプBの“野生型”RTは、66〜68℃での増幅の最初のみではあるが64℃以上で活性であったが、MLV RTは、52℃を超える温度で増幅しなかった[Alvarez et al.;J.Mol.Biol.,2009;392:872−884]。 HIV−1のRTは、560のアミノ酸(p66として知られている)と440のアミノ酸(p51として知られている)の2つのサブユニットからなるヘテロダイマーである。p51の配列は、p66のアミノ酸1−440の配列と同じである。HIV−1グループOのRTは、サブタイプBの“野生型”プロトタイプと比較して約20%のアミノ酸配列の違いがある[Quinones−Mateu et al.;Virology,1997;236:364−373]。グループOの様々なRTは、“例えば、変異V75I、K65RおよびK65R/V75Iのキャリアーのような“野生型”RTより高い複写忠実度を持っているとされてきた。これらのRTは、“野生型”RTで示されたものと同じ熱安定性および高温度での触媒効率を有している[Barrioluengo et al.;Biochem.J.,2011;436:599−607;特許WO2012080541(A1)]。
国際公開第2010/130864号 国際公開第2012/080541号
レ グライス(Le Grice.)によるレビュー;J.Biol.Chem.,2012年;287巻:p.40850−40857. コテ及びロス(Cote and Roth);Virus Res.,2008年;134巻:p.186−202. ヒジ及びハーシュホーン(Hizi and Herschhorn)によるレビュー;Virus Res.,2008;134:203−220. ジェラード(Gerard)ら;Nucleic Acids Res.,2002年;30巻:p.3118−3129. アレジ及びホグレフェ(Arezi and Hogrefe);Nucleic Acids Res.,2009年;37巻:p.473−481. アルバレス(Alvarez)ら;J.Mol.Biol.,2009年;392巻:p.872−884. キノネス−マテウ(Quinones−Mateu)ら;Virology,1997年;236巻:p.364−373. バリオルエンゴ(Barrioluengo)ら;Biochem.J.,2011年;436巻:p.599−607.
本発明は、ヒト免疫不全ウィルスタイプ1グループO(HIV−1)から分離され、1つ以上の位置で改変されて、複写忠実度(ファイデリティ:fidelidad)を維持しつつもオリジナル酵素より高い耐熱性を有する逆転写酵素、及び逆転写を行うための使用、核酸テンプレートの増幅或いは配列決定に関するものである。
本発明の第1の対象は、HIV−1グループOから分離されたRT活性をもつ蛋白質をコードし、高温での安定性が高く、複写忠実度を維持しつつ75℃を超える温度で親酵素より活性が高いポリペプチドであって、そのポリペプチドは、アミノ酸配列が、配列番号1の親配列と少なくとも50%が同じで、アミノ酸配列の変化(例えば、置換、削除及び/又は挿入)が、以下の位置である。
−この配列の位置358と相同の位置に、オリジナルのアミノ酸リシン(K)をアミノ酸アルギニン(R)で置換(変異K358R)
−この配列の位置359に、オリジナルのアミノ酸アラニン(A)をアミノ酸グリシン(G)で置換(変異A359G)
−この配列の位置360に、オリジナルのアミノ酸セリン(S)をアミノ酸アラニン(A)で置換(変異K360A)。
その他の逆転写酵素変異体は、組合せK358R/A359G/S360A(全てに共通)に追加の変化をして、テンプレートとしてRNAを使用して、高い温度でDNAの合成能力があるWT−RTの耐熱性を改善するものである。これらのアミノ酸変化変更および挿入は、説明として、および本発明の範囲の制限することなしに、次のグループのものがある。
a) 配列番号1の位置69と相同の位置に、アミノ酸トレオニン(T)を2つのアミノ酸セリンと1つのグリシン(SSG)を挿入して置換(変異T69SSG)
b) 配列番号1の位置355と相同の位置に、アミノ酸トレオニン(T)をアミノ酸アラニン(A)で置換(変異T355A)
c) 配列番号1の位置357と相同の位置に、アミノ酸グルタミン(Q)をアミノ酸メチオニン(M)で置換(変異Q357M)
d) 配列番号1の位置478と相同の位置に、オリジナルのアミノ酸グルタミン酸(E)をアミノ酸グルタミン(Q)アルギニン(R)で置換(E478Q)。
この発明は、発明の特別の対象として、出発点として使用され、既に記載した変異があるHIV−1のグループO逆転写酵素の種々の変異体を含んでいる。ここで、特別のポリペプチド配列は、配列番号3、配列番号5、配列番号7及び配列番号9に対応するものであり、これらに対応するヌクレオチド配列(配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10)も同様である。
本発明の別の対象は、本発明の逆転写酵素をコードしているポリヌクレオチドを含んでなるベクターである。
本発明の別の対象は、本発明の逆転写酵素をコードしているポリヌクレオチドを含む細胞である。好ましくは、この細胞はバクテリアであり、より好ましくはエシェリシア・コリ(Escherichia coli)である。
本発明の別の対象は、次のステップを含む本発明のポリペプチドを得る方法である。
1)本発明のベクターを適切なホスト細胞(本発明のホスト細胞)に導入する、
2)適切な媒体中で本発明のホスト細胞を培養する、
3)RT活性のある本発明のポリペプチドを精製する。
本発明の別の対象は、本発明のポリヌクレオチドを使用して逆転写酵素活性で本発明のポリペプチドを得るポリヌクレオチドの使用に関することである。
本発明の別の対象は、発明のホスト細胞を使用して本発明のポリペプチドを得るホスト細胞の使用に関することである。
本発明の別の対象は、核酸、むしろ好ましくはmRNAの逆転写、増幅及び配列決定の方法における本発明のポリペプチドの使用に関することである。
本発明の別の対象は、この記述において記載した方法の各々を実施するために必要なキットであって、好ましくは、
a)本発明のポリペプチド、
b)i)バッファー、ii)プライマー、iii)DNA依存のDNAポリメラーゼ、及びiv)ヌクレオチドからの少なくとも1つの成分、を含んでなる。
マウス肝臓の全RNAから、アクチンをコードしているRNAフラグメント(およそ500と950の塩基対)のRT−PCRによる増幅である。増幅は、以下の酵素で行った。 (A)HIV−1グループO“野生型”のRT(RTO_WT)(ウェル:7)、変異体K358R/A359G/S360A(RTO_3M)(ウェル:1)、T355A/Q357M/K358R/A359G/S360A(RTO_5M)(ウェル:2)、K65R/K358R/A359G/S360A(ウェル:3)、K65R/V75I/K358R/A359G/S360A(ウェル:4)、K358R/A359G/S360A/E478Q(RTO_E478Q_3M)(ウェル:5)、及びK65R/K358R/A359G/S360A/E478Q(ウェル:6)。 示した温度は、DNA複写合成反応のものである。ウェルmとcは、それぞれ低分子量マーカー(HindIIIで消化したphi29ファージのDNA)と、ネガティブコントロール(cDNAなし)を示している。示した変異はすべて、RTO_WT配列に導入した。 マウス肝臓の全RNAから、アクチンをコードしているRNAフラグメント(およそ500と950の塩基対)のRT−PCRによる増幅である。増幅は、以下の酵素で行った。 (B)HIV−1グループOの変異体RT:K358R/A359G/S360A(RTO_3M)(ウェル:1)、T69SSG/K358R/A359G/S360A(RTO_T69SSG_3M)(ウェル:2)、V148I/K358R/A359G/S360A(ウェル:3)、及びF61A/K358R/A359G/S360A(ウェル:4)。 示した温度は、DNA複写合成反応のものである。ウェルmとcは、それぞれ低分子量マーカー(HindIIIで消化したphi29ファージのDNA)と、ネガティブコントロール(cDNAなし)を示している。示した変異はすべて、RTO_WT配列に導入した。 HIV−1グループMサブタイプB BH10(BH10)及びグループOから分離した野生型RT(RTO_WT;図ではRTOと示している)について、本特許の対象である変異体、RTO_3M(3M)、RTO_E478Q_3M(3Q)、RTO_T69SSG_3M(SG)、及び3M、K65RとV75Iの特徴的変化をもつ参照変異体(K65R/V75I/K358R/A359G/S360A、KV)と共に、リアルタイムPCRによって推定した逆転写効率を示している。(ACTB)は、アクチンのメッセンジャーRNAの増幅を、(GAPDH)は、グリセルアルデヒド−3−フォスフェートデヒドロゲナーゼのメッセンジャーRNAのメッセンジャーRNAの増幅を表わしている。逆転写反応を行った温度は、それぞれのヒストグラムの右上に示している。 RT変異体のミスペアー末端(G:T、G:G及びG:A)の拡張効率を示す。RTO_3M(3M)、RTO_5M(5M)、RTO_T69SSG_3M(SG)、及びRTO_E478Q_3M(3Q)を、RTO_WT(O_WT)と比較している。
レトロウイルスの逆転写酵素(RT)は、例えば、増幅するときベクター中でクローンできるメッセンジャーRNAから相補的なDNAを得るに有用な酵素である。この目的に使用されるRTは、RNA中の2次構造レベルが小さくなり、増幅プロセスを改善するので、熱的に安定であることが望ましい。しかしながら、RTは、プルーフリーディングエキソヌクレアーゼ活性を欠き、したがってエラー割合が比較的高い酵素であり、そこで、この目的に使用するには、複写忠実度を高めることが望ましい。
HIV−1グループMサブタイプB(例えば、BH10或いはHXB2)のRTとグループOのRTとの間に配列相同性が存ることからスタートして、発明者は、ファイル1RTD(www.pdb.org)として蛋白質データバンクに登録された結晶学的構造に基づいて、テンプレート−プライマー複合体に結合した後者の分子モデルを構築した。この構造は、ただ一つ可能なもので、HIV−1のRT(HXB2株の場合)が、二本鎖DNA(テンプレート−プライマー)と入ってくるヌクレオチド(この場合、dTTP)の3元複合体を形成しているようにみえる。これはまた、完全な構造で、よい解決である。配列相同に基づいた分子模型からスタートして、キーとなる位置は、両酵素中でのテンプレート−プライマーとの相互作用で確認できた。この情報は、核酸に対して高い親和性をもつグループOのRT(RTO)変異体の設計に使用された。 そこで、発明者は、特定部位変異誘発により、HIV−1グループOのRTの4つの新しい変異体を得た。これらは、変異K358R/A359G/S360A、T355A/Q357M/K358R/A359G/S360A、T69SSG/K358R/A359G/S360A及びK358R/A359G/S360A/E478Qであり、それぞれRTO_3M、RTO_5M、RTO_T69SSG_3M、RTO_E478Q_3Mと記す。
これらの酵素は、エシェリシア・コリ(Escherichia coli)中で発現され、精製されて国際特許公開WO2010130864号に記載されたと同じ方法で同定された。グループOの“野生型”RT(RTO_WT)との比較で、これら4つの酵素は、75℃を超える温度でのRT−PCRによるRNA増幅反応で、定量試験(図1)と定性試験(図2)の両方でより高いDNAポリメラーゼ活性を有していることを観察した。これらの酵素を用いた忠実度試験で、複写忠実度は、RTO_WTの複写忠実度を維持していることを示した(表2及び3;図3)。
本発明は、タイプ1のヒト免疫不全ウィルス(HIV−1)のグループOから分離され、1つ以上の位置で改変されて複写忠実度を維持したままWT酵素より高い耐熱性を持つRT、及びテンプレート核酸の逆転写、増幅或いは配列決定を行うその使用に関するものである。
出発点は、抗レトロウィルス薬で治療されたことがなく、かつHIV−1グループO(ESP49株)によって感染した患者で同定されたRTであった[Quinones−Mateu et al.;Virology,1997;236:364−373;Menendez−Arias et al.;J.Biol.Chem.,2001;276:27470−27479](配列番号1のポリペプチド配列を有するRTO_WT)。このRTのp66サブユニットのヌクレオチド配列は、適切な制限部位とC−末端でのヒスチジンテイルを有する発現ベクターにクローン化され、次いで、終了コドンで酵素を得て精製する[Alvarez et al.;J.Mol.Biol.,2009;392:872−884](配列番号2のヌクレオチド配列を有する)。 この構築の使用と、特定部位変異誘発プロセスで、スタートに使用した酵素(RTO_WT)と比較して、耐熱性が高く、複写忠実度を維持した4つの変異体を得た。このRTの適応は、困難なRNAの増幅、すなわち2次構造及び/又はG:C塩基対が多い配列のRNAの増幅に潜在的に有用である。
本発明に記載したポリヌクレオチドとポリペプチド配列を、表1にまとめて示す。
Figure 0006416885
そこで、本発明の第1の対象は、HIV−1グループOから分離されたRT活性をもつ蛋白質をコードし、高温での安定性が高く、複写忠実度を維持しつつ75℃を超える温度で親酵素より活性が高いポリペプチドであって、そのアミノ酸配列が、配列番号1の親配列と少なくとも50%が同じで、次の位置にアミノ酸配列の変更(例えば、置換、削除及び/又は挿入のような)がある特徴がある。
−この配列の位置358と相同の位置に、オリジナルのアミノ酸リシン(K)をアミノ酸アルギニン(R)で置換(変異K358R)
−この配列の位置359と相同の位置に、オリジナルのアミノ酸アラニン(A)をアミノ酸グリシン(G)で置換(変異A359G)
−この配列の位置360と相同の位置に、オリジナルのアミノ酸セリン(S)をアミノ酸アラニン(A)で置換(変異K360A)。
本発明の好ましい対象では、本発明のポリペプチド中の置換は、K358R、A359G及びS360A(逆転写酵素RTO_3M)である。特に、本発明の特別の実施形態では、本発明のポリペプチドが、配列番号3に対応する。
RTが最大DNAポリメラーゼ活性(RNAまたはDNAに依存して)を持つ温度は、最適温度と呼ばれる。この温度以上では、部分的にはRTの熱変性により触媒活性が下がる。用語“耐熱性”は、高い温度、例えば少なくとも50℃、好ましくは少なくとも63℃、より好ましくは少なくとも68℃、さらにより好ましくは少なくとも75℃になったときに、RTが示す安定性を意味している。
本発明のRTの耐熱性は、異なるタイプの試験で決定することができる。例えば、限定するものではないが、定性的であっても或いは定量的であってもよいが、RT−PCR中のメッセンジャーRNAテンプレートを用いるDNA合成で得られた生成物の量を分析することで評価することができる。このためには、逆転写酵素の最初の反応を高い温度で行う。次に、得られた相補DNAを、PCRで増幅する。これらの反応で得られた生成物量は、逆転写酵素反応が行なわれた温度でのRTの安定性の測定となる。アガロースゲル中の生成物を分析することで、反応効率の定性的評価が可能になる。 同様に、逆転写段階の生成量は、ΔCt=Ct−Ct(ref)としてΔCtの値を決定するリアルタイムPCRで測定できる。ここで、Ctは顕著な増幅が観察されるサイクルで、Ct(ref)は参照として使用されたRTで得られたCt値の平均である。
本発明の記載に使用する“高温度での合成反応”は、少なくとも50℃、好ましくは少なくとも63℃、より好ましくは少なくとも68℃、より好ましくは少なくとも75℃、さらにより好ましくは少なくとも78℃の温度で行われる反応、より好ましくは逆転写反応を意味している。
耐熱性が“増加した”或いは“高くなった”RTは、(統計的な基準に合わせて) 耐熱性が、比較をしたRTの耐熱性の少なくとも1.5倍、より好ましくは少なくとも2倍、さらにより好ましくは少なくとも3倍、さらにより好ましくは少なくとも4倍に増加した或いは高くなったRTとして定義される。
用語“複写忠実度”は、RTによる触媒作用で進行するDNA重合の忠実度を意味し、テンプレートとして機能する核酸と相補的なDNAの合成の間に、ヌクレオチド或いはテンプレート−プライマー複合体のいずれかの正しい基材と正しくない基材を識別する能力に影響される。
本発明のRTの上記忠実度は、例えば、制限するものではないが、細胞培養中での忠実度試験(ファイデリティ アッセイ:ensayos de fidelidad)、或いは“インビトロ”忠実度試験(遺伝子的或いは生化学的に)など種々のタイプの試験で分析される。
生化学的試験では、精製されたRTが、特定条件(pH、基材濃度など)でのRNAまたはDNAテンプレートの動力学定数を決定するに使用される。このようにして、RTのDNA合成(RNA−またはDNA−依存の)の忠実度の動力学パラメーターが、定常状態及び前定常状態の両方で得ることができる。定常状態での正しくない挿入の生化学的試験は、プライマーの3′末端でのヌクレオチド挿入の動力学定数(kcatとk)の決定と、ヌクレオチドのRT選択性の推定に基づいている。 動力学パラメーターの決定は、RT/テンプレート−プライマーの二元複合体を形成した後に、異なる濃度のdNTPの存在下、5′末端を予め[γ32P]ATPでラベルしたプライマーの3′末端でのヌクレオチド挿入を測定することにより行われる。その結果の生成物は、ポリアクリルアミドゲル上電気泳動によって分析される。 ミカエリス‐メンテン式に適合して得られたデータと、パラメーターkcat(挿入速度)及びkミカエリス‐メンテン定数)から、正しい及び正しくないヌクレオチドを決定する。誤挿入率(finc)は、正しくないヌクレオチドで得られた触媒効率(kcat/k)と、正確なヌクレオチドで得られた触媒効率の間の比率として定義される。したがって、RTのより高い忠実度は、誤挿入の効率が低いことを意味している。
固定される生成したばかりのDNA中のエラーのために、正しくないヌクレオチドの挿入が十分でなく、RTは、この誤った挿入の結果として生成するミスペアー末端を拡張することができなければならない。この忠実度測定は、ミスペアー拡張試験によって行われる。これらの試験では、2つのタイプ、すなわち正しいペアーの3′末端との複合物とミスペアーになった3′末端との複合物について、テンプレート−プライマー複合物上の正しいヌクレオチドの挿入のために定常状態での動力学定数が計算される。ミスペアーの拡張効率(fext)は、ミスペアー末端の拡張で得られたkcat/kと、正しくペアーされた末端の拡張で得られたkcat/kとの比率として定義される。
前定常状態での生化学的試験は、RTが、短時間(例えば、ミリ秒のオーダーで)でdNTPと結合及び組込む能力を評価するものである。このようにして、dNTPとRT/テンプレート−プライマー二元複合物の間の相互作用の親和定数(K)、及びポリメリゼーション定数(kpol)を計算することができる。 誤りの挿入とミスペアー末端の拡張効率は、正しいヌクレオチドと正しくないヌクレオチドの挿入で得られたkpol/Kの値、或いはペアーの或いはミスペアーの3′−OH末端をもつテンプレート−プライマー複合物への正しいヌクレオチドの挿入で得られたkpol/Kの値から決定される。
最も一般に使用される遺伝子試験、即ち“フォワード変異試験”は、しばしば、DNA合成反応のテンプレート−プライマーとしてM13mp2ファージの二本鎖DNAを用い、その鎖の1つからlacZ遺伝子に対応する配列を除いてから行われる。DNA合成反応は、RTと高濃度のdNTPsの存在下で行われる。反応生成物でバクテリアの形質転換後、変異体を、X−Gal(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド)及びIPTG(イソプロピルβ−D−1−チオガラクトピラノシド)を含む培養媒体中で青/白プラークで同定する。 このようにして、DNA合成反応におけるエラーがなければ、その結果は暗青色プラークである。反対に、1つ以上のエラーがあると、部分的に或いは完全にアルファ相補性がなく、淡青色或いは白色のプラークになる。これらのプラークから回収されたDNAは、配列決定されて、RTで導入された変異のゲノム中での数、タイプ及び位置を正確に決定できる。
複写忠実度が“増した”或いは“増加した”RTは、複写忠実度が、改変されていないRTと比較して典型的に少なくとも1.5倍、より好ましくは少なくとも2倍、さらにより好ましくは少なくとも3倍、さらにより好ましくは少なくとも4倍に増した、或いは高くなったRTとして定義される。 例えば、ヌクレオチド挿入の生化学的試験では、改変RTで得られた値が、非改変RTの値より有意に増加した(統計基準を当てはめて)、典型的に少なくとも1.5倍、より好ましくは少なくとも2倍、さらにより好ましくは少なくとも3倍、及びより好ましくは少なくとも4倍になったとき、忠実度が増したと考える。 例えば、遺伝子試験(“フォワード変異試験”)で、改変RTで得られた変異の頻度が有意に増加した(統計基準を当てはめて)、典型的に少なくとも50%(1.5倍)、好ましくは少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも3倍、及びより好ましくは少なくとも4倍になったとき、忠実度が増している。
K358R、A359G及びS360Aの変更を伴うRTに加えて、HIV−1グループOのRTの別な変異体であるRTO_3Mは、K358R/A359G/S360A組合せ(すべてに共通)に追加の変更を含んでおり、WT−RT、すなわちテンプレートとしてRNAを使用する高い温度でのDNA合成能力の耐熱性を改善する。これらのアミノ酸は、実例として及び本発明の技術範囲を制限することなく、次のグループで変更し、挿入される。
a)配列番号1の69に相当する位置で、アミノ酸トレオニン(T)を2つのアミノ酸セリン及びグリシン(SSG)を挿入して置き換える(変異T69SSG)。
b)配列番号1の355に相当する位置で、アミノ酸トレオニン(T)をアミノ酸アラニン(A)で置き換える(変異T355A)。
c)配列番号1の357に相当する位置で、アミノ酸グルタミン(Q)をアミノ酸メチオニン(M)で置き換える(変異Q357M)。
d)配列番号1の478に相当する位置で、アミノ酸グルタミン酸(E)をアミノ酸グルタミン(Q)で置き換える(E478Q)。
本発明の別の好ましい対象は、本発明のポリペプチドが、アミノ酸K358R/A359G/S360Aの変化と置換T355A及びQ357M(逆転写酵素RTO_5M)がある。特別の実施形態では、本発明のポリペプチドは、配列番号5に対応する。
本発明の別の好ましい対象では、本発明のポリペプチドが、アミノ酸K358R/A359G/S360AとさらにT69SSG(逆転写酵素RTO_T69SSG_3M)で変化している。 特別の実施形態では、本発明のポリペプチドが配列番号7に対応する。
本発明の別の好ましい対象では、本発明のポリペプチドは、アミノ酸K358R/A359G/S360Aの変化とさらに置換E478Q(逆転写酵素RTO_E478Q_3M)がある。 特別の実施形態では、発明のポリペプチドは、配列番号9に対応する。
さらに、本発明のポリペプチドは、小さなポリペプチドフラグメントによりフランクされ、その存在は、適切なベクター中でポリペプチドの発現に必要及び/或いは有益であり、現在技術で知られている。これらの中で、N−末端に3つのアミノ酸(MNS、つまりメチオニン−アスパラギン−セリン)があり、この配列は、翻訳の開始を促進し、エンドヌクレアーゼ認識サイトの制限に対応して、逆転写酵素を含む表現ベクターの構築に有用である。 また、好ましくは少なくとも6つのヒスチジン残基からなるとき、C−末端に、ヒスチジン残基テイルのようなポリペプチドの精製を改善できる配列がある。本発明のポリペプチドのフランキング残基は、本発明のポリペプチドを含み、その逆転写酵素活性を維持する新しいポリペプチド配列を生じさせる。
そこで、本発明の別の好ましい対象では、この逆転写酵素RTO_3M、RTO_5M、RTO_T69SSG_3M及びRTO_E478Q_3Mは、N−末端にMNSフランキング配列を、C−末端にヒスチジンテイルを有し、逆転写酵素活性をもつポリペプチドを生じさせる。RTO_3M、RTO_5M、RTO_T69SSG_3M、及びRTO_E478Q_3Mは、特別の対象で、それぞれポリペプチド配列配列番号13、配列番号15、配列番号17及び配列番号19に対応している。
HIV−1グループOをから分離されたRTの“野生型”ポリペプチド配列に導入された上記の変異は、例えば、特定部位変異で或いはランダムにRTをコードして配列を変異させるような遺伝子工学または組み換えDNAの技術によって、或いは、変異のあるRTのp66サブユニットをコードしているヌクレオチド配列の化学合成によって得ることができる。
この記載に使用する用語“変異”は、あるアミノ酸を互に異なるアミノ酸に置き換えることを意味している。配列中の個々のアミノ酸は、XNと表記した。ここで、Xは配列中のアミノ酸(国際的に認められたアミノ酸命名法の文字コードで示す)、Nは配列中の位置である。アミノ酸配列中での変異の置換部分は、X1NX2と表記した。ここで、X1は非変異蛋白質配列中のアミノ酸、X2は変異蛋白質配列中の新しいアミノ酸、そしてNはアミノ酸配列中の位置である。
さらに、ここの情報で、当分野の熟練者は、本発明に述べた変異を組み合わせて、高い温度で同様或いはさらに改善された活性のある新しいRT変異体を生み出すことができるであろう。1つの可能性は、既に述べた位置にあるアミノ酸の僅かな置き換えである。例えば、この僅かな置き換えとして、置き換えられたアミノ酸の極性及び電荷特性を維持するものである。例えば、リシンとアルギニンは、側鎖が中性pHで正に電荷したアミノ酸であり、そこでリシンをアルギニンに変える、或いはその逆に変えるのは僅かな置き換えである。 天然にある全ての蛋白質の塩基を構成する20のアミノ酸は、性状で次のグループに分類される:(i芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン);(ii)脂肪族アミノ酸(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン);(iii)塩基性イオン化アミノ酸(ヒスチジン、リシン、アルギニン);(iv)酸性イオン化アミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸);(v)アミド性アミノ酸(アスパラギン、グルタミン);(vi)水酸基アミノ酸(セリン、トレオニン)である。ある人は、システインをこの最後のグループに入れている。
本発明に記載した本発明のポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドは、HIV−1グループO(配列番号2)株から分離したRTをコードする領域の特定部位変異によって得られた変異体である。これらのポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチドをコードしている配列でなるヌクレオチド配列であり、以降、本発明のポリヌクレオチドとする。
用語“ポリヌクレオチド”、“ヌクレオチド配列”、“ヌクレオチドの配列”、“核酸”、及び“オリゴヌクレオチド”は、ここでは相互に交換して使用され、生化学的に改変できる或いは改変できない長さのヌクレオチドの重合体を意味している。
そこで、本発明の第2の対象は、本発明のポリペプチドをコードし、オリジナル酵素の複写忠実度を維持しつつ68℃を超える温度でWT酵素より活性が高いポリヌクレオチド配列、以降本発明のポリヌクレオチドであり、その配列が配列番号2の親配列と少なくとも50%同じで、ポリペプチドが上記したそのアミノ酸配列の変化をコードしていることに特徴がある。
本発明の好ましい対象は、アミノ酸K358R、A359G及びS360Aの変化がある本発明のポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドである(逆転写酵素RTO_3M)。特に、本発明の特別の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、配列番号4に対応している。
本発明の別の好ましい対象は、アミノ酸K358R、A359G及びS360の変化と、さらに置換T355AとQ357Mがある本発明のポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドである(逆転写酵素RTO_5M)。特別の実施形態で、本発明のポリヌクレオチドは、配列番号6に対応している。
そこで、本発明の別の好ましい対象は、アミノ酸K358R、A359G及びS360Aの変化と、さらにT69SSGがある本発明のポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドである(逆転写酵素RTO_T69SSG_3M)。特別の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、配列番号8に対応している。
本発明の別の好ましい対象は、アミノ酸K358R、A359G及びS360Aの変化と、さらに置換E478Qがある本発明のポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドである(逆転写酵素RTO_E478Q_3M)。特別の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、配列番号10に対応している。
そこで、本発明の別の好ましい対象で、逆転写酵素RTO_3M、RTO_5M、RTO_T69SSG_3M及びRTO_E478Q_3Mは、N−末端にMNSフランキングポリペプチド配列と、C−末端にヒスチジンテイルをコードしているヌクレオチド配列を有し、それぞれ、特別の対象であるヌクレオチド配列配列番号14、配列番号16、配列番号18、及び配列番号20に対応した逆転写酵素RTO_3M、RTO_5M、RTO_T69SSG_3M、及びRTO_E478Q_3Mをコードしているポリヌクレオチドを生じさせる。
RTが、異なる繰り返しの変種で、HIVから分離されたものであり、発生的に類似していることを考えれば、コードしている遺伝子の50%或いはそれ以上、より好ましくは配列番号2(RTO_WT)に対応するポリヌクレオチド配列レベルで60%或いはそれ以上の全体的同一性があることが望まれる。さらに、本発明の対象であるRTのアミノ酸配列と他の同様のRTの配列の間の同一あるい相同の程度は、従来技術で公知の方法、例えば、推定RTのアミノ酸配列とこの文書のRTO_3Mに対応するアミノ酸配列の整列から決定できる。
この文書で使用する用語“相同(homologia)”は、共通の発生系統と、特に、2つ以上のポリヌクレオチドにおける等価な位置のヌクレオチド間が類似または同一であることによる2つの構造間の類似性を意味している。
この文書で使用する用語“同一性(identidad)”は、2つの比較されるポリヌクレオチド間の同一ヌクレオチドの割合を意味している。配列を比較する方法は、従来技術で知られており、制限するものではないが、BLASTP或いはBLASTN、ClustalW、及びFASTAプログラムがある。2つの蛋白質が、同じ発生源を持っている、或いは機能と構造で類似性があれば、相同と考えられるが、一般に類似性または同一性の値が30%以上であるとき、相同構造とする。それ故、我々は、同一性パーセントが少なくとも80%では、同じポリペプチド性状を持っていると考えることができる。
ヒト免疫不全ウィルス(HIV−1及びHIV−2)は、ヒトにおけるAIDSの病原体である。これらは、レトロビリデ(Retroviridae)科(レトロウイルス)のレンチウィルス(Lentivirus)属に属し、その主要な特性のうちの1つが巨大な遺伝多様性である。HIV−1は、M、O、N及びPの4つのグループに分類されてきた。HIV−1グループOは、1987年に感染した患者から最初に分離して得られ、そのヌクレオチド配列は、3年後に公表された[De Leys et al.;J.Virol.,1990;64:1207−1216]。 現在では、HIV−1グループOの変異体(例えば、MVP5180/91株)は、NIH AIDS研究&参照試薬プログラム(NIH AIDS Research & Reference Reagent Program)(http://www.aidsreagent.org)(ジャーマンタウン、メリーランド州、アメリカ合衆国)から入手できる。本発明に含まれた情報により、この分野の熟練者が、異なる系統のRT配列からスタートして、オリジナル酵素より高い耐熱性をもったRTの変異体を生成することができるであろう。
この文書で使用する用語“分離された”は、1)それらに通常伴う或いはそれらと天然に影響し合う成分が実質的にない、或いは2)天然界で見出されるならば、ヒトの介在によって合成的に(天然でなく)改変された、及び/又はそれらに通常含んでいない細胞に導入されたヌクレオチドまたはペプチドを意味している。 例えば、天然のポリヌクレオチドは、ヒトの介在(例えば、制限するものではないが、特定部位変異、挿入及び/又は削除を加えるといった手段で)によって改変されたならば、“分離”となる。同様に、天然のポリヌクレオチドは、天然でない手段でこのポリヌクレオチドにとって天然でない有機体が導入(移入)されれば、“分離”となる。それ故、後者の場合では、用語“分離”は、用語“異種(heterologo)”と同じである。
本発明で提供した情報で、当分野の熟練者は、本発明のRTと同じ特徴を有するRTをコードしている本発明に記載したものと相同のヌクレオチド配列を識別することができるであろう。それ故、本発明のポリヌクレオチドは、記載されたHIV−1グループOから分離され、活性が改善されたRTの変異体をコードしている配列でなっている。ここで、ヌクレオチド配列が次のものに対応している。
a)分離されたポリヌクレオチド配列、或いはその相補的鎖の核酸分子、
b)相補的鎖がポリヌクレオチド配列とハイブリダイズすることができる核酸分子、或いは、
c)遺伝コードの変質により、配列が(a)及び/又は(b)と異なる配列である核酸分子。
本発明のポリヌクレオチドは、そのまま、或いはポリヌクレオチドが適切なホスト細胞中に増殖できるベクター成分として分離される。それ故、別の対象で本発明は、上記したような本発明のポリヌクレオチドを含む本発明のベクター、以降、本発明のベクター、に関するものである。
このベクターは、例えば、クローニングベクター或いは発現ベクターであることができる。好ましくは、このベクターは、本発明のRTの発現及び精製に適したプラスミドである。
この記載で使用する用語“クローニングベクター”は、DNAの別のフラグメントが、自己複製能力を失うことなく一体化できるDNA分子を意味している。発現ベクターの例は、制限するものではないが、プラスミド、コスミド、DNAファージ、或いは人工イースト染色体がある。
この記載で使用する用語“発現ベクター”は、ホスト細胞と呼ばれる細胞に導入された後に、細胞中にクローン化された核酸を発現するために適したクローニングベクターを意味している。この核酸は、一般に、操作上コントロール配列に結合されている。
用語“発現”は、ポリヌクレオチドからスタートしてポリペプチドが合成されるプロセスを意味している。それは、ポリヌクレオチドのメッセンジャーRNA(mRNA)への転写、及びmRNAの蛋白質或いはポリペプチドへの転写を含んでいる。
この記載で使用する用語“ホスティング細胞”或いは“ホスト細胞”は、発現又はクローニングベクターのレシピエント(recipiente)、或いは他のDNA分子のレシピエントである原核生物または真核生物を意味している。
本発明のポリヌクレオチドの挿入に適したベクターは、以下に示すような原核生物の蛋白質発現に使用されるプラスミドである。実例として、pUC18、pUC19、ブルースクリプト及びデリバティブ、mp18、mp19、pBR322、pMB9、Co1E1、pCR1、RP4、ファージ及びpSA3とpAT28のような“シャトル”;サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)の2ミクロンプラスミドのようなイースト中の発現ベクター、一体化プラスミド、YEPベクター、セントロメアプラスミド、及び類似物;pACのベクターのような昆虫細胞中の発現ベクター、pVLシリーズ発現ベクター;piBi、pアーリィゲート(pEarleyGate)、PAVA、pCAMBIA、PGSA、PGWB、PMDC、PMY、胞子及び類似物のような植物中の発現ベクター、従来技術で利用可能なシステムを使用して昆虫細胞の移入に適したバキュロウィルスを含めた真核生物細胞に使用される蛋白質の発現プラスミド、がある。
この文書で使用するように、用語“ホスト細胞”或いは“ホスティング細胞”は、細胞中に天然では含有しないDNAの導入によって改変できる培養可能な細胞であり、以降、本発明のホスト細胞とする。
好ましくは、ホスト細胞は、本発明のポリヌクレオチドが発現することができ、ポスト−翻訳的に改変され、適切なサブ細胞室内にある安定なポリペプチドを生じさせるものである。適切なホスト細胞の選択は、検知シグナルの選択によって影響を受けることがある。例えば、レポーター遺伝子(例えば、lacZ、ルシフェラーゼ、チミジン・キナーゼ、或いは緑色蛍光蛋白質“GFP”)を用いた構築を用いて、蛋白質規制転写に応答して対象遺伝子の転写を活性化或いは阻止することで選択可能なシグナルを出すことができる。最適の選択を行う、或いは“スクリーニング”するには、ホスト細胞の表現型を考慮すべきである。
本発明のホスト細胞は、原核生物細胞と真核生物細胞を含むものである。原核生物細胞は、グラム陽性(例えば、エシェリシア・コリ)又はグラム陰性(例えば、バチルス属細菌)生物体を含んでいる。原核生物細胞は、好ましくは本発明のポリヌクレオチドを含むベクターの転写コントロール配列の増殖に使用され、本発明のポリヌクレオチドを含むベクターのコピー数を増やすことができる。 このベクターの形質転換に適した原核生物ホスト細胞は、例えば、制限するものではないが、イー・コリ(E.coli)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)、及びシュードモナス(Pseudomonas)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、スタフィロコッカス(Staphylococcus)属等のその他の種が含まれる。 真核生物ホスト細胞は、イースト細胞、植物細胞、菌細胞、昆虫細胞、哺乳類細胞及び寄生有機体(例えば、トリパノソーマ(Trypanosomes))の細胞がある。 この文書で使用されるように、用語イーストは、厳密な分類上の単細胞有機体だけでなくイーストに似た多細胞の菌類及び繊維状菌類も含んでいる。本発明のポリアミノ酸配列の生成に使用できるその他イーストは、ニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)及びハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)がある。 哺乳類ホスト細胞を用いての培養システムは、COS細胞、L細胞、3T3細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)、好ましい細胞としてのBKH、HeK或いはヒーラ(HeLa)の胚幹細胞など確立された株化細胞がある。
本発明の別の対象は、本発明のポリペプチドを得る次の方法であって、
1)本発明のベクターを適切なホスト細胞(本発明のホスト細胞)に導入する、
2)本発明のホスト細胞を適切な培地中で培養する、
3)RT活性のある本発明のポリペプチドを精製する、を含んでなる。
ホスト細胞の培養は、ホスト細胞を保持し成長させるプロセスを意味している。細胞培養は、生存と細胞分割を可能にするために、温度、pH、ガスパーセント(酸素と二酸化炭素)、そして適切な栄養の存在が必要である。細胞培養は、懸濁液中の多量の細胞を培養できる寒天のような固体培地或いは液体培地中で行うことができる。
この記載に使用する用語“精製する”は、本発明のポリペプチドの分離及び本発明のホスト細胞の培地中に存在する他のポリペプチドからの濃縮を意味している。
RTの分離は、溶解性差異技術、クロマトグラフィー、電気泳動、或いは等電点分画法で行うことができる。クロマトグラフィーの技術は、分子量、イオン電荷(操作条件でのアミノ酸の電離状態に基づく)、クロマトグラフィーマトリックス或いはカラムに対する蛋白質の親和性、或いは精製タグに基いており、カラム、紙またはプレートで行うことができる。蛋白質の分離は、例えば、精製時間の顕著な短縮及び精製収率を高める自動システムを使用して、硫酸アンモニウムを用いる析出、高速蛋白質液体クロマトグラフィー(FPLC)、或いは高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)で行うことができる。
この記載に使用する用語“精製タグ”或いは“親和性タグ”は、精製を容易にするために蛋白質に組込んだ(一般に遺伝子工学によって)ある種のアミノ酸配列を意味している。 タグは、別の蛋白質或いはアミノ酸の短い配列で、例えば親和性クロマトグラフィーによって、蛋白質の精製を可能にする。公知の精製タグは、例えば、制限するものではないが、カルモジュリン結合ペプチド(CBP)、酵素グルタチオンS−トランスファーゼ(GST)、或いはヒスチジン残基のテイルがある。
本発明の別の対象は、本発明のポリヌクレオチドを得る方法であり、以降本発明の方法とする。この方法は、例えば、制限するものではないが、非変異ポリヌクレオチドからスタートする特定部位或いはランダムの変異誘発、完全ポリヌクレオチドの化学合成、或いは得られる配列の異なる部位をコードしているDNAフラグメントの組み立てによって行われる。
本発明の別の対象は、RT活性をもつ本発明のポリペプチドを得る本発明のポリヌクレオチドの使用である。
本発明の別の対象は、本発明のポリペプチドを得るための本発明のホスト細胞の使用である。好ましくは、本発明のホスト細胞は、細菌(bacterium)、より好ましくはエシェリシア・コリ(Escherichia coli)である。
本発明のポリペプチドのような高い温度で安定なRTは、2次構造を含む及び/又はG:C塩基対に富む配列の困難なRNAの増幅などの適用に有用である。
そこで、本発明の別の対象は、現在技術で既に知られた適用或いは方法における本発明のポリペプチドの使用である。
本発明の特別の対象は、核酸テンプレート、好ましくはmRNA或いはmiRNAの逆転写方法であって、
a)テンプレート核酸を、本発明のRTと混合し、
b)ステップ(a)の混合物を、テンプレート核酸に相補的なDNAの合成を可能にする条件で培養する、を含んでなる。
本発明の特別の対象は、核酸テンプレート、好ましくはmRNA或いはmiRNAの増幅方法であって、
a)核酸と本発明のRT及びDNA−依存型ポリメラーゼを混合し、
b)ステップ(a)の混合物を、核酸テンプレートに相補的なDNAの増幅を可能にする条件で培養する、を含んでなる。
本発明の特別の対象は、核酸、好ましくはmRNA或いはmiRNAの配列決定方法であり、次のステップを含んでなる。
a)核酸を、本発明のRTと接触させる、
b)この混合物を、テンプレート核酸に相補DNA分子集合の合成を可能にする条件で培養する、
c)相補DNA分子の集合を分離し、ヌクレオチド配列を決定する。
この記載に使用する用語“逆転写”或いは“レトロ転写”は、RNAに相補的なDNAの合成を意味している。
この記載に使用する用語“増幅”は、テンプレート核酸のコピー数の増加を意味している。好ましい実施形態では、増幅は、PCRによって起きる。
この記載に使用する用語“配列決定”は、テンプレート核酸のヌクレオチドの順序決定を意味している。
この記載に使用する用語“テンプレート核酸”或いは“テンプレート”は、逆転写、転写或いは配列決定される1本鎖或いは2本鎖核酸分子を意味している。
表現“相補DNAの合成を可能にする条件”は、ヌクレオチドを、テンプレート核酸と相補的な塩基によって生成したDNAに加える条件を意味している。
DNA合成は、一般に次の条件で行われる。(a)テンプレート核酸を、プライマー、二価のカチオン例えばMg2+、及びヌクレオチドを含む混合物中で、本発明のRTと接触させ、(b)この混合物を充分な温度にして、DNAポリメラーゼ、例えば本発明のRTが、テンプレート核酸と相補的な塩基によって、ヌクレオチドのプライマーへの挿入を開始させ、異なる大きさの相補DNA分子の集合を作る。 この相補DNA分子の集合の分離により、テンプレート核酸のヌクレオチド配列を決定することが可能になる。
相補DNAの合成の際に、不良ペアーを作ったヌクレオチドの挿入は、1つ以上のミスマッチ塩基となる。従って、合成されたDNA鎖は、テンプレート核酸と正確に相補的でないことがある。
表現“テンプレート核酸と相補DNAの集合を合成可能にする条件”は、配列決定が行われる条件を意味し、一般に、(a)テンプレート核酸を、プライマー、二価のカチオン例えばMg2+、及びヌクレオチド一般にdNTPs、及び少なくとも1つのddNTPを含む混合物中で、本発明のRTと接触させ、(b)この混合物を充分な温度にして、DNAポリメラーゼ例えば本発明のRTが、テンプレート核酸と相補的な塩基によってヌクレオチドのプライマーへの挿入を開始させ、異なる大きさの相補DNA分子の集合を作ることを含んでいる。 相補DNA分子集合の分離は、一般に電気泳動によって行われ、これによりテンプレート核酸のヌクレオチド配列を決定できる。
ここに使用される用語“プライマー”は、テンプレート核酸とハイブリダイズしてDNA合成の出発点として機能できるオリゴヌクレオチドを意味している。好ましくは、プライマーは、デオキシリボースのオリゴヌクレオチドである。
プライマーは、例えば、制限するものではないが、適切な配列のクローニングと規制、及び直接の化学合成など適切な方法で製造できる。プライマーは、テンプレート核酸中の特定核酸配列とハイブリダイズする(特定プライマー)、或いはランダムに合成できる(任意プライマー)ようにデザインされる。
この記載に使用する用語“特定プライマー”は、配列が、逆転写、増幅、或いは配列決定されるテンプレート核酸中の特定のヌクレオチド配列と相補的なプライマーを意味している。
用語“任意プライマー”は、配列がランダムに合成され、逆転写、増幅、或いは配列決定されるテンプレート核酸中のランダム位置でDNA合成を始めるに使用されるプライマーを意味している。異なる任意プライマーの集合は、しばしば使用される。この用語“任意プライマー”は、配列がランダムに合成され、逆転写、増幅、或いは配列決定されるテンプレート核酸のランダム位置でDNA合成を始めるに使用される1セットのプライマーを意味している。
この記載に使用する用語“ハイブリダイゼーション”は、相補的な一本鎖核酸(DNA及び/又はRNA)の2分子がペアーになって二本鎖分子になることを意味している。好ましくは、相補性が100%である。すなわち、相補性の領域では、2つの核酸分子のうちの1つのヌクレオチドそれぞれが、別の核酸分子中のヌクレオチドと水素結合を形成することができる。然しながら、通常の実経験では、相補性領域が100%以下の核酸分子2つでもハイブリダイズすることができることを認識するであろう。
この記載に使用する用語“ヌクレオチド”は、ペントース、窒素塩基、及びリン酸基と共有結合を形成する有機分子を意味している。用語ヌクレオチドは、例えば、制限するものではないが、dATP、dCTP、dITP、dUTP、dGTP、dTTP、或いはそれらの誘導体などのデオキシリボヌクレオシドトリフォスフェート(dNTPs)がある。用語ヌクレオチドは、さらに、例えばddATP、ddCTP、ddGTP、ddlTP、ddTTP、或いはそれらの誘導体などのジデオキシリボ核酸三燐酸塩(ddNTPs)がある。本発明に従えば、“ヌクレオチド”或いは“プライマー”は、従来技術でよく知られた技術で標識或いはラベルを付すことができる。検知できるラベルは、例えば、放射性同位体、蛍光性ラベル、化学発光ラベル、生物発光ラベル、或いは酵素的ラベルがある。
この記載に使用する用語“DNA依存DNAポリメラーゼ”は、テンプレート核酸としてDNAを使用するデオキシリボヌクレオチドの重合触媒となり得るDNAポリメラーゼを意味している。 本発明の増幅方法で使用できるDNA依存DNAポリメラーゼの例は、制限するものではないが、サーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus(Tth))、サーマス・アクアチカス(Thermus aquaticus(Taq))、サーモトガ・ネアポリターナ(Thermotoga neapolitana(Tne))、サーモトガ・マリチマ(Thermotoga maritima(Tma))、サーモコッカス・リテラ/イス(Thermococcus litera/Is(Tli o VentTM))、パイロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus(Pfu))、パイロコッカス種,GB−D(Pyrococcus sp. GB−D(Deep VentTM))、パイロコッカス・ワーシィ(Pyrococcus waasii(Pwo))、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus(Bst))、バチルス・カルダフィラス(Bacillus caldaphilus(Bca))、スルフォロバス・アシドカルダリウス(Sulfolobus acidocaldarius(Sac))、サーモプラズマ・アシドフィラム(Thermoplasma acidophilum(Tac))、サーマス・フラバス(Thermus flavus(Tfl/Tub))、サーマス・ルベル(Thermus ruber(Tru))、サーマス・ブロッキアナス(Thermus brockianus(DyNAzyme))、メタノバクテリウム・サーモオートトロフィカム(Methanobacterium thermoautotrophicum(Mth))、マイコバクテリウム種(Mycobacterium sp.(Mtb,Mlep))がある。
本発明の別の対象は、上記した方法を行うために必要な成分を含むキットであり、以降、本発明のキットとする。
本発明のこの対象の好ましい実施形態は、上記した方法を行う本発明のキットであり、
a)本発明のRT、及び
b)i)バッファー、ii)プライマー、iii)DNA依存DNAポリメラーゼ、iV)ヌクレオチド、の群からの少なくとも1つの成分、を含んでなる。
本発明の特別の対象は、テンプレート核酸、好ましくはメッセンジャーRNA(mRNA)或いはマイクロRNA(miRNA)或いはmiRNAプレカーサーであるテンプレート核酸の逆転写、増幅或いは配列決定を行うための本発明のキットの使用に関するものである。
詳細な説明及び請求の範囲を通して、単語“含む”及びその変形は、他の技術的特性、添加物、成分或いはステップを排除するものではない。 この分野の熟練者にとっては、本発明の他の対象、利点及び特性は、部分的にはこの記載から、及び部分的には本発明を実施して明らかとなろう。以下の本発明の実施例と図面は、本発明の説明のためであり、本発明を制限することを意図したものではない。
〔HIV−1グループOのRTの異なる変異体を使用してのRT−PCR反応効率に及ぼす逆転写反応温度の影響〕
異なる温度での逆転写反応の効率を、得られたDNA複写のPCRによる増幅の後に測定した。37〜78℃の範囲の異なる温度で行なった逆転写反応におけるアクチン遺伝子由来の凡そ500と950塩基対のRNAフラグメントの増幅で、変異体K358R/A359G/S360A(RTO_3M*)、K358R/A359G/S360A/E478Q(RTO_E478Q_3M*)、T355A/Q357M/K358R/A359G/S360A(RTO_5M*)、及びT69SSG/K358R/A359G/S360A(RTO_T69SSG_3M*)は、HIV−1グループOの“野生型”RT及び他の変異体RTより有効であった(図1)。
これらの結果は、リアルタイムPCR反応でのアクチン或いはグリセルアルデヒド−3−フォスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH)のメッセンジャーRNAに由来した配列の増幅で得られたものと一致した。 両方の場合で、75〜78℃の温度での変異体RTO_3MとRTO_E478Q_3Mの逆転写の効率は、“野生型”RTの効率より著しく高いことを観測した(図2)。変異体RTO_T69SSG_3Mの場合には、増幅効率は、GAPDHのRNAの“野生型”酵素より高く、アクチンのRNAと同等であることを観測した。
〔高い温度での最大活性をもつ変異体の複写忠実度〕
逆転写酵素RTO_3M、RTO_5M、及びRTO_E478Q_3Mは、一本鎖ヌクレオチドの挿入試験で、“野生型”酵素(RTO_WT)と同じ触媒活性を示し(表2)、変異体RTO_T69SSG_3Mの触媒効率(kpol/K)は、野生型酵素より僅かに低かった。3’ミスペアーG:T末端の拡張試験で検討した酵素の間に顕著な差異は見出されなかった。G:AとG:G末端の拡張では、全てのRTが“野生型”酵素と同じ効率を示し、変異体RTO_T69SSG_3Mは、他よりG:G或いはG:A末端を拡張する傾向が大きかった(図3)。
表2:HIV−1グループOの“野生型”RT(RTO_WT)と変異体RTO_3M、RTO_5M、RTO_T69SSG_3M、RTO_E478Q_3Mについて、テンプレート−プライマー複合体31T/21P上のミスペアー末端の拡張動力学パラメーターを、前定常状態で決定した。最後の欄に示した数字は、ミスペアー末端の拡張効率間の係数について、RTO_WTと比較した忠実度の増加を示している。
Figure 0006416885
lacZ遺伝子をもつM13mp2ファージの誘導体を用いる相補性試験で、これら酵素のうちのいくつかの複写忠実度を測定した。合成プロセスが異なる再結合RTで行われた時に変異体を得る頻度を決定した。これらの試験では、変異体と“野生型”酵素の複写忠実度の間に有意な違いが観察されなかった(表3)。まとめると、これらのデータは、ここに記載した変異体によって示した高温での逆転写効率が大きくなっても、酵素の複写忠実度にはマイナス効果とならないことを示している。
表3:変異体RTO_3M、RTO_T69SSG_3M及びRTO_E478Q_3Mの複写忠実度を、RTO_WT*のそれと比較し、遺伝子相補性試験(M13mp2 lacZα“フォワード変異試験”)により評価した。2つの独立した実験から得られたRTO_WTのデータは、過去に公表されている[Alvarez et al.;Nucleic Acids Res.,2013;41:4601−4612]。
Figure 0006416885
〔材料及び方法〕
〔グループOのRTとその変異体の発現及び精製〕
RTの発現及び精製は、アンピシリン(ampicillin)耐性遺伝子を含み、HIV−1グループOのRTのp66サブユニットをコードしている領域がクローン化されているp66RTBプラスミド改変版[Boretto et al.;Anal.Biochem.,2001;292:139−147;Matamoros et al.;J.Mol.Biol.,2005;349:451−463]で行った[Menendez−Arias et al.;J.Biol.Chem.,2001;276:27470−27479;Alvarez et al.;J.Mol.Biol,2009;392:872−884;特許WO2010130864]。 RT精製は、細菌溶解と均質化のステップ、次いでイオン交換クロマトグラフィー(リン酸セルロース中)と親和性クロマトグラフィー(Ni2+−ニトリロ酢酸アガロースカラムで)のステップを行うボレット(Boretto)らの記載している方法に従って行った[Anal.Biochem.,2001;292:139−147]。
〔HIV−1グループOのRT中に変異があるプラスミドの構築〕
変異体RT、RT RTO_3M、RTO_E478Q_3M、RTO_5M、及びRTO_T69SSG_3Mを発現するプラスミドは、ストラタジーン(Stratagene)からの“迅速変化特定部位変異誘発”キットを用い、製造者の説明書に従って特定部位変異誘発により得た。
次の変異誘発オリゴヌクレオチドを使用した。
a)変異K358R/A359G/S360Aの導入には:
5′−GGGAAATATACTAGGCAAAGGGGCGCCCACACAAATGAC−3′
5′−GTCATTTGTGTGGGCGCCCCTTTGCCTAGTATATTTCCC−3′
b)T355Aには:
5′−ACAGGGAAATATGCTAGGATGAGGGGCGCC−3′
5′−GGCGCCCCTCATCCTAGCATATTTCCCTGT−3′
c)Q357Mには:
5′−GGGAAATATACTAGGATGAGGGGCGCCCACACAAATGAC−3′
5′−GTCATTTGTGTGGGCGCCCCTCATCCTAGTATATTTCCC−3′
d)E478Qには:
5′−CCAATCAAAAGGCTCAATTAATGGCAG−3′
5′−CTGCCATTAATTGAGCCTTTTGATTGG−3′
e)Ser−Glyの挿入と変更T69Sを導入するために:
5′−GCTATAAAAAAGAAAGATAGTAGTTCCGGGAAGTGGAGAAAGCTGGTAGAC−3′
5′−GTCTACCAGCTTTCTCCACTTCCCGGAACTACTATCTTTCTTTTTTATAGC−3′
“野生型”HIV−1グループOのp66をコードしている配列のプラスミドキャリアーを、上記したようにK358R/A359G/S360A導入のテンプレートとして使用した[Alvarez et al.;J.Mol.Biol.,2009;392:872−884;特許WO2010130864]。 変異T355AとE478Q、及び変異T69S(挿入SGと関係して)は、K358R/A359G/S360Aのプラスミドキャリアーに別々に導入し、変異体:T355A/K358R/A359G/S360A、K358R/A359G/S360A/E478Q、及びT69SSG/K358R/A359G/S360Aを得た。最後に、変更Q357Mを、変更T355A/K358R/A359G/S360Aの発現プラスミドキャリアーに導入し、変異体T355A/Q357M/K358R/A359G/S360Aを得た。 全ての場合において、変異誘導の後に、これらのプラスミドにp66をコードしている配列領域が正しく、導入された変異のみ含んでいることを確かめた。
〔PCRによる増幅での共役逆転写反応効率に及ぼす変異の影響〕
逆転写反応は、異なる温度で行い、次いでその反応生成物(cDNA)を標準条件でPCRにより増幅させた[Alvarez et al.;J.Mol.Biol.,2009;392:872−884]。 典型的に、逆転写反応は、375mMのKCl、15mMのMgCl、及び50mMのジチオスレイトールを含む250mMのトリス−塩酸バッファー(25℃で、pHが8.3)を4μLマウス肝臓から分離した全RNAを1μL(1μg/μL);4つのdNTPs混合物を4μL(それぞれ2.5mM);オリゴ(dT)16を1μL(100μM);リボヌクレアーゼインヒビターを0.5μL(40ユニット/μL);凡そ150nM濃度でRT;そして残部を水で20μLとした。最初に、RNAとオリゴdTを、68℃で3分間保持した。次いで、他の反応成分(RTを含む)を加え、所定温度で1時間保持し、cDNAを得た。最後に、92℃に10分保持して酵素を不活性にして反応を止めた。cDNAを、Taqポリメラーゼ或いは他の同様の酵素(例えば、エクスパンド・ハイ・ファイデリティ・DNAポリメラーゼ(Expand High Fidelity DNA polymerase)を使用する標準条件で、PCRによって増幅させた。
〔リアルタイムPCR〕
RTの逆転写効率は、リアルタイムPCRによって、様々な温度(37、50、68、75及び78℃)で決定した。これをするために、それぞれの実験で3つの独立した反応を行った。 全ての反応を、75mMのKCl、3mMのMgCl、10mMのジチオスレイトール、1U/μLのリボヌクレアーゼインヒビター(RNasin(R)Plus、プロメガ(Promega))、5μMのオリゴ(dT)16、50ng/μLのマウス肝臓の全RNA(ストラタジーン(Stratagene))、及び150nMの対応するRTを含む50mMのトリス−塩酸バッファー(pH:8.3)中、容量20μLで行った。テンプレートRNAのオリゴ(dT)16、とのハイブリダイゼーション、及びcDNA合成反応は、前項に記載した条件で行った。
逆転写の効率は、β−アクチン及びグリセルアルデヒド3−フォスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH)のメッセンジャーRNAから生成したcDNAの相対量を計算する定量的PCR(qPCR)によって決定した。これを行うに、アクチンではオリゴヌクレオチド5′−CTAAGGCCAACCGTGAAAAG−3′と5′−ACCAGAGGCATACAGGGACA−3′を、GAPDHでは5′−CTCCCACTCTTCCACCTTCG−3′と5′−CATACCAGGAAATGAGCTTGACAA−3′を用いた。 PCR反応による増幅は、全RNA5ngと等しい量のcDNA、250nMのそれぞれのオリゴヌクレオチド(“プライマー”)、及び5μLの Power Sybr Green PCR Master Mix (アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems PN 4367659))、アンプリタック・ゴールド(AmpliTaq Gold(R))DNAポリメラーゼ、dNTPs、及びPCR反応を行うに必要なその他試薬を用いて最終容量10μLで三通りに行った。バーコードを付したマイクロアンプ・オプチカル・384(MicroAmp(R) Optical 384)−ウェル反応プレート(アプライド・バイオシステムズ PN 4309849)を使用した。 95℃で初期変性ステージの後、サンプルを40増幅サイクル(95℃で15秒、さらに60℃で1分)行った。60〜95℃(2%の傾斜)の変性カーブは、PCR特異性を確認するプログラムの終わりに行った。蛍光は、60℃のステップとABI−7900HT定量PCR装置(アプライド・バイオシステムズ)での変性時に測定した。すべてのプレートで、ネガティブコントロールと遺伝子増幅効率コントロール曲線を含んだ。
データ分析は、SDS 2.2.1プログラム(アプライド・バイオシステムズ)で行った。ΔCtの値は、各サンプルそれぞれについてΔC=C−Crefとして計算した。ここで、Cは大きな増幅が観察されたサイクルであり、CrefはBH10クローンのWT RTで得られたC値の平均である。 得られたcDNAの相対量は、2ΔCtとして計算し、その値は、それぞれの各実験で計算された3つの値の平均値±標準偏差として表した。
〔複写忠実度試験〕
RTの複写忠実度は、ミスペアー拡張動力学試験により決定した。正しく或いは不正確に対になったテンプレート−プライマー複合物を拡張する種々のRTの能力を決めるために、全て前定常的条件で行った[Matamoros et al.;J.Mol.Biol.,2008;375:1234−1248;Barrioluengo et al.;Biochem.J.,2011;436:599−607]。 さらに、遺伝子試験は、M13mp2ファージ中のlacZα遺伝子の発現に基づいて行った[Bebenek and Kunkel.;Methods Enzymol.,1995;262:217−232;Barrioluengo et al.;Biochem.J.,2011;436:599−607]。

Claims (28)

  1. HIV−1グループOから分離された逆転写酵素活性をもつ蛋白質をコードし、高温での安定性が高く、複写忠実度を維持しつつ75℃を超える温度で親酵素より活性が高いポリペプチドであって、
    前記ポリペプチドは、アミノ酸配列が、配列番号1の親配列において
    − 配列番号1の位置358、オリジナルのアミノ酸リシン(K)アミノ酸アルギニン(R)で置換(変異K358R)され
    − 配列番号1の位置359、オリジナルのアミノ酸アラニン(A)アミノ酸グリシン(G)で置換(変異A359G)され
    − 配列番号1の位置360、オリジナルのアミノ酸セリン(S)アミノ酸アラニン(A)で置換(変異K360A)されており、3箇所の前記変異のみを有することを特徴とするポリペプチド。
  2. その配列が、配列番号3に対応することを特徴とする請求項1に記載のポリペプチド。
  3. さらに、N−末端にMNSフランキング配列を、C−末端にヒスチジンテイルを有し、そのアミノ酸配列が配列番号13に対応することを特徴とする請求項1又は2に記載のポリペプチド。
  4. 高温での安定性が高く、75℃を超える温度で複写忠実度を維持しつつ親酵素より活性が高いHIV−1グループOから分離された逆転写酵素活性をもつポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドであって、請求項1乃至3のいずれかに記載のポリペプチドのアミノ酸配列に対応するヌクレオチド配列を有していることを特徴とするポリヌクレオチド。
  5. 前記ヌクレオチド配列が、配列番号4、配列番号14に対応することを特徴とする請求項に記載のポリヌクレオチド。
  6. 請求項4又は5に記載のポリヌクレオチドを含むことを特徴とするベクター。
  7. 請求項4又は5に記載のポリヌクレオチド又は請求項に記載のベクターを含み、請求項1乃至3のいずれかに記載のポリペプチドを生成可能であることを特徴とするホスト細胞。
  8. 細菌であることを特徴とする請求項に記載のホスト細胞。
  9. 前記細菌が、エシェリシア・コリ(Escherichia coli)であることを特徴とする請求項に記載のホスト細胞。
  10. a)請求項のベクターを適切なホスト細胞に導入する、
    b)前記ホスト細胞を適切な培地中で培養する、
    c)逆転写酵素活性のあるポリペプチドを精製する、
    のステップを含んでなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のポリペプチドを得るための方法。
  11. 請求項1乃至3のいずれかに記載のポリペプチドを得るための、請求項4又は5に記載のポリヌクレオチドの使用。
  12. 請求項1乃至3のいずれかに記載のポリペプチドを得るための、請求項乃至9のいずれかに記載のホスト細胞の使用。
  13. テンプレート核酸を逆転写するための、請求項1乃至3のいずれかに記載のポリペプチドの使用。
  14. テンプレート核酸を増幅するための、請求項1乃至3のいずれかに記載のポリペプチドの使用。
  15. テンプレート核酸を配列決定するための、請求項1乃至3のいずれかに記載のポリペプチドの使用。
  16. 前記テンプレート核酸がmRNAまたはmiRNAであることを特徴とする請求項13乃至15のいずれかに記載のポリペプチドの使用。
  17. a)テンプレート核酸を請求項1乃至3のいずれかに記載のポリペプチドと混合する、
    b)ステップ(a)の混合物を、テンプレート核酸に相補的なDNAを合成できる条件で培養する、
    を含んでなることを特徴とするテンプレート核酸の逆転写方法。
  18. a)核酸を、請求項1乃至3のいずれかに記載のポリペプチドと少なくとも1つのDNA依存DNAポリメラーゼと混合し、
    b)ステップ(a)の混合物を、テンプレート核酸に相補的なDNAの増幅を可能にする条件で培養する、
    を含んでなることを特徴とするテンプレート核酸の増幅方法。
  19. a)核酸を、請求項1乃至3のいずれかに記載のポリペプチドと接触させる、
    b)この混合物を、テンプレート核酸に相補的なDNAの集合を合成できる条件で培養する、
    c)相補DNAの分子集合を分離し、ヌクレオチド配列を決定する、
    を含んでなることを特徴とする核酸の配列決定方法。
  20. 前記テンプレート核酸が、mRNAまたはmiRNAであることを特徴とする請求項17に記載のテンプレート核酸の逆転写方法。
  21. 前記テンプレート核酸が、mRNAまたはmiRNAであることを特徴とする請求項18に記載のテンプレート核酸の増幅方法。
  22. 前記テンプレート核酸が、mRNAまたはmiRNAであることを特徴とする請求項19に記載の核酸の配列決定方法。
  23. a)請求項1乃至3のいずれかに記載のポリペプチド、
    b)i)バッファー、ii)プライマー、iii)DNA依存DNAポリメラーゼ、及びiv)ヌクレオチド、からの少なくとも1つの成分、
    を含んでなることを特徴とする請求項17に記載のテンプレート核酸の逆転写方法を実施するために必要な成分を含むキット。
  24. a)請求項1乃至3のいずれかに記載のポリペプチド、
    b)i)バッファー、ii)プライマー、iii)DNA依存DNAポリメラーゼ、及びiv)ヌクレオチド、からの少なくとも1つの成分、
    を含んでなることを特徴とする請求項18に記載のテンプレート核酸の増幅方法を実施するために必要な成分を含むキット。
  25. a)請求項1乃至3のいずれかに記載のポリペプチド、
    b)i)バッファー、ii)プライマー、iii)DNA依存DNAポリメラーゼ、及びiv)ヌクレオチド、からの少なくとも1つの成分、
    を含んでなることを特徴とする請求項19に記載の核酸の配列決定方法を実施するために必要な成分を含むキット。
  26. 請求項17に記載のテンプレート核酸の逆転写方法を実施するための、請求項23に記載のキットの使用。
  27. 請求項18に記載のテンプレート核酸の増幅方法を実施するための、請求項24に記載のキットの使用。
  28. 請求項19に記載の核酸の配列決定方法を実施するための、請求項25に記載のキットの使用。
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